説明

携帯電話を用いたカーナビゲーション装置

【課題】 携帯電話のカーナビゲーション機能を最大限に利用してより経済的に且つ便利な携帯電話を用いたカーナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 自身がカーナビゲーション機能を有するとともに本体の一部に少なくともカーナビゲーション機能により出力される少なくとも画像情報を外部へ出力するための出力端子15を有する携帯電話1と、何れかの枠面21に車内への取付部を有するとともに正面に少なくともカーナビゲーションとしての機能を発揮させる大きさの表示面積を有する表示部23を有し且つ携帯電話1の出力端子15に接続して表示部23に携帯電話1からの映像出力を入力するための入力端子42を内蔵したクレイドル4を有するモニタ2とからなるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を用いたカーナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)機能を有する携帯電話が普及し、携帯電話の通信によりネットワークから取得した地図情報とGPSによる自車位置情報とを組み合わせることにより例えば特許文献1(特開平10−341476号公報)に携帯電話自身がカーナビゲーションとしての機能を有するものが知られている。そのため、携帯電話をカーナビゲーションとして使用することで従来の車載形式のものを設置しなくてもよく、特に地図情報を通信によりネットワークから取得するものであって、従来のカーナビゲーションのようにそれ自体に地図情報を記憶させておくものと異なりサーバに存在する最新の地図情報を常に使用するばかりかリアルタイムの情報も取得可能でありきわめて便利で経済性にも優れている。
【0003】
ところが、携帯電話は携帯性から手に取って小さな釦を操作しなければならないばかりか表示部も小型であることから運転時に操作したり画面を見ることが危険であり、道路交通法でも操作が禁止されている。
【0004】
そのため、画像表示機能を有しているにも拘わらず主として音声による案内に従うか助手席で同乗者が使用するに止まり、その機能を十分に果たすことができなかった。
【0005】
そこで、例えば特許文献2(特開2002−209004号公報)に携帯電話またはPDA(Personal Digital Assistants)をダッシュボードに据え付けるとともに表示部に拡大レンズを設置して画面を拡大したものが知られている。
【0006】
ところが、携帯電話やPDAをダッシュボードに着脱自在に取り付ける機構を設けることは困難であるばかりか拡大レンズによる歪みのない拡大には限界があり、運転者が確認できるように設置することも困難である。
【0007】
そこで、特許文献3(特開2008−309794号公報)に、ダッシュボードに従来のカーナビゲーションと同様な表示モニタを組み込み、携帯電話を同じくダッシュボートに設置した携帯電話収容凹部に嵌装させて携帯電話と拡大モニタとをインターフェイスを介して接続可能とした携帯電話を用いたカーナビゲーション装置が提示されている。
【0008】
この携帯電話を用いたカーナビゲーション装置は、従来のダッシュボードに組み込んだカーナビゲーション装置と同様な大きさのモニタを使用してカーナビゲーションを実施することが可能であるばかりか、カーナビゲーションの機能は携帯電話を使用するものであり、車載モニタはカーナビゲーション機能が不要であり、経済面や資源の面できわめて有利であるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−341476号公報
【特許文献2】特開2002−209004号公報
【特許文献3】特開2008−309794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、前記携帯電話を用いたカーナビゲーション装置は、従来のカーナビゲーション装置と同様に、車内のダッシュボードに形成した透窓にモニタを嵌め込むものであるとともに、同じくダッシュボードに形成した凹部に携帯電話を差し込み保持させるものである。
【0011】
そのため、車体の製造時に予めモニタを設置させておくとともに携帯の差し込み凹部を形成しておく必要があり、更には両者を接続するための配線が必要であるなどより優れた経済性を求めることが困難であった。
【0012】
加えて、前記従来の携帯電話を用いたカーナビゲーション装置においては、モニタならびに携帯電話の装着凹部の大きさや形状などが車体の設計時に決定されてしまい好ましくない。特に、機能やデザインが日毎に進歩する携帯電話やカーナビゲーション用モニタについては交換も困難であり、新規のものを使用するのには向いていないという問題があった。
【0013】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、携帯電話のカーナビゲーション機能を最大限に利用してより経済的に且つ便利な携帯電話を用いたカーナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するためになされた本発明である携帯電話を用いたカーナビゲーション装置は、自身がカーナビゲーション機能を有するとともに本体の一部に少なくとも前記カーナビゲーション機能により出力される少なくとも画像情報を外部へ出力するための出力端子を有する携帯電話と、何れかの枠面に車内への取付部を有するとともに正面に少なくともカーナビゲーションとしての機能を発揮させる大きさの表示面積を有する表示部を有し且つ前記携帯電話の出力端子に接続して前記表示部に前記携帯電話からの映像出力を入力するための入力端子を内蔵したクレイドルを有するモニタとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記本発明によれば、従来の携帯電話を用いたカーナビゲーション装置に比べて、更に容易に且つ安価にカーナビゲーション機能を有する携帯電話を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の概略図。
【図2】図1に示した実施の形態におけるブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本願発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
図1および図2は本発明の好ましい実施の形態の一例を示すものであり、携帯電話を用いたカーナビゲーション装置は、主として運転者や同乗者が所持している携帯電話1と、車内に設置されるモニタ2とから構成される。
【0019】
使用される携帯電話1は従来から使用されているものでよく、特に自身の位置を確認可能なGPS11を内蔵しているとともにその位置情報を送受信通信装置12により基地局(図示せず)のカーナビゲーションシステムに送信するとともに前記基地局からの送信されてくる道路情報などに基づいて自身で車載のカーナビゲーションと同様の機能を発揮することができる。特に、画像情報や音声によるカーナビゲーション情報を内蔵する表示部131やスピーカ132などの内部出力装置13に出力することが可能であるだけでなく、ケース14の一部(本実施の形態では底面)に画像情報を外部へ出力するための出力端子15を有している。
【0020】
一方、車内に配置される前記モニタ2は、本実施の形態では例えば運転席のダッシュボード3の頂面31に設置するタイプであるが、ダッシュボードの正面に配置したり天井から吊リ下げるなど各種のタイプについて実施することができるものである。
【0021】
そして、モニタ2はその底面となる枠面21に車内への取付部22を有するとともに正面に少なくともカーナビゲーションとしての機能を発揮させる大きさ(例えば7〜12インチ程度)の表示面積を有する表示部23とスピーカ24および押しボタン式の外部入力装置25を有している。本実施の形態では取付部22は従来のこの種のモニタと同様に底面に配置した粘着材或いは接着材からなる固定部221により固着されるものであり、ベルベット式ファスナなどにより着脱自在に構成してもよい。
【0022】
また、モニタ2の側方の枠面26には前記携帯電話1のクレイドル(スタンド型の拡張機器で本体を載せるだけで充電回路や各種の周辺機器と接続することができるもの)4が一体的に形成されている。このクレイドル4は本実施の形態では、前記携帯電話1の下部を挿入配置する上方を開放したものであり、挿入口41の底部に前記携帯電話1の底面に設置してある出力端子15が接触する入力端子42が配置されており、この入力端子43はモニタ2に内蔵される前記入力端子42から入力される携帯電話1における画像情報や音声によるカーナビゲーション情報が表示部23とスピーカ24の制御装置26に入力される。
【0023】
更に、本実施の携帯では、前記携帯電話1の出力端子15は入力端子としてモニタ2の入力端子42は出力端子としての機能も有しており、前記モニタ2に設置した外部入力装置25による入力信号が制御装置27を介して携帯電話の制御装置16に入力されて携帯電話1の内部入力装置17から入力されたと同様の操作がモニタ2の外部入力装置25から操作可能である。
【0024】
更にまた、モニタ2には車載のバッテリ電源(図示せず)に接続する電源部28を有しており、従来から家庭用電源において使用されているクレイドル(図示せず)と同様に携帯電話1のバッテリ8の回路に接続してバッテリ8に代わって駆動し或いはバッテリ8を充電することにより携帯電話1の長時間の使用を可能にする。
【0025】
本実施の形態を使用するには、先ず、モニタ2を運転席に設置する。このとき、本実施の形態では従来のダッシュパネルに嵌め込む形式でないことから設置が容易であり、脱着式の場合には従来の脱着式のカーナビゲーションと同じく取り外して例えばテレビ受像機として使用するなど多用途に使用できるばかりか盗難の心配もない。
【0026】
そして、次に、従来の携帯電話と同様に内部入力装置17を用いて例えばアプリケーションの開始や目的地の入力などを行い携帯電話1に内蔵されているカーナビゲーションを作動させ、モニタ2を駆動し、或いは駆動させてあるモニタ2のクレイドル4の挿入口41に差し込み装着し、携帯電話1の出力端子15とモニタ2の入力端子43とを接続させ、制御装置26を介して表示部22とスピーカ23により画像情報と音声情報を出力させる。
【0027】
従って、車内にはモニタを設置しただけの簡単な装備でカーナビゲーションを用いることができ、特に、モニタ2はダッシュボードに嵌め込むものでなく、簡単に設置可能であるばかりかクレイドル4を備えているので、携帯電話1を差し込むだけでよく、別の個所に携帯電話1の設置個所を配置したり複雑な配線も不要である。
【0028】
加えて、本実施の携帯では携帯電話1単独でカーナビゲーションが可能であることから車外において予め設定をすることなども可能でありきわめて便利である。
【0029】
一方、本実施の形態ではモニタ2のクレイドル4に予め携帯電話1を設置した状態で、モニタ2に備えられた外部入力装置24を用いて携帯電話1を操作することもできるものであり、特に、運転中に携帯電話1を直接操作しなくてもよく、安全である。
【0030】
また、携帯電話1に採用されている画像や音声による出力をモニタ2に出力して各種のプログラムをモニタ2により表示することが可能であり、特に着脱可能なものにあっては車内に限らず利用することもでき、きわめて便利である。
【0031】
また、本実施の形態であるクレイドル4を用いて車載のアンテナからの受信信号を携帯電話1のアンテナや受信回路に接続したり、モニタ2に携帯電話1のハンズフリー機能を併設(図示せず)することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 携帯電話、2 モニタ、4 クレイドル、15 出力端子、21 枠面、23 表示部、42 入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身がカーナビゲーション機能を有するとともに本体の一部に少なくとも前記カーナビゲーション機能により出力される少なくとも画像情報を外部へ出力するための出力端子を有する携帯電話と、何れかの枠面に車内への取付部を有するとともに正面に少なくともカーナビゲーションとしての機能を発揮させる大きさの表示面積を有する表示部を有し且つ前記携帯電話の出力端子に接続して前記表示部に前記携帯電話からの映像出力を入力するための入力端子を内蔵したクレイドルを有するモニタとからなることを特徴とする携帯電話を用いたカーナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−183142(P2010−183142A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22342(P2009−22342)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(596079138)東日本メディコム株式会社 (19)
【Fターム(参考)】