説明

携帯電話対応ナビゲーション装置

【課題】携帯電話を車両のナビゲーション装置に接続したハンズフリーシステムで使用する時、ナビゲーション装置で経路案内を分割画面で案内している際には、その分割画面で表示している経路案内を見やすく表示できる「携帯電話対応ナビゲーション装置」とする。
【解決手段】定常的に表示している地図画面とは別に経路を案内する画面を通常は2分割画面で表示している時、携帯電話の着信や通話の作動を検出したときには、経路を案内する画面を全画面表示等の拡大画面で表示する。また、携帯電話の着信時には、経路案内画面拡大表示と共に着信案内表示を行う。更に、携帯電話作動時には、車間距離警告や周囲の障害物検出警告を、その中止設定にかかわらず強制作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に搭載するナビゲーション装置に関し、特に携帯電話の車内持ち込みのために運転者の手を煩わせずに電話をすることができるようにしたハンズフリーの利用に際し、着信時にナビゲーション装置で右左折交差点の経路案内等を行っている時に、その経路案内を運転者に見やすく表示するための、携帯電話対応ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載する一般のナビゲーション装置においては、地図を描画するための地図データ及び施設等を検索するための施設情報データを記録したDVD−ROM、ハードディスク等の地図・情報データ記憶媒体と、この地図・情報データ記憶媒体のデータを取り込むデータ取込装置と、地図等を表示するモニタと、GPS受信機及び走行距離センサやジャイロ等を用いた自立航法装置を用い、車両の現在位置及び進行方向の方位を検出する車両位置検出装置を有し、車両の現在位置を含む地図データを地図・情報データ記録媒体から取り込み、この地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像をモニタの画面に描画すると共に、車両位置マークをモニタ画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示し、或いは地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させ、車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
また、このナビゲーション装置においては、利用者が所望の目的地或いは経由地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにするための経路誘導機能を備えている。この経路誘導機能によれば、種々の手段により目的地を設定し、出発地から目的地まで、これらの地点を結ぶ経路のうち各種の条件を加味して複数の誘導経路を演算して提示するようになっている。また、利用者が選択した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の経路とは色を変えて太く描画して画面表示する。
【0004】
更に車両が誘導経路上の道路の進行方向を変更すべき交差点に一定距離以内に近づいたときに、画面を2分割し、片側の画面では一般の経路案内を継続し、他側の画面には交差点を拡大表示し、交差点の形状や進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して画面表示したり、音声で右左折の誘導を行うことで、利用者を目的地まで案内することができるようにしている。
【0005】
一方近年の携帯電話の普及により、運転者が車内に携帯電話を持ち込むことが通常となり、運転者がその携帯電話を運転に支障がないように安全に利用できるシステムとしてハンズフリーシステムが広く利用されるようになっている。このハンズフリーシステムによると、携帯電話を有線またはブルートゥース等の無線によりシステム制御機器に接続し、更にこのシステムに接続しているマイクを運転者近傍の適宜の位置に固定し、別途設けたスピーカー、或いは車内のスピーカーを用いて相手の声を聴くことにより通話することが行われている。
【0006】
このような携帯電話の利用時において、電話の着信時には前記ハンズフリーシステムが作動し、運転者の通話受信指示操作によって携帯電話の通話開始指示を行い、相手の声がスピーカーから聞こえ、必要に応じて運転者の応答が送信されることとなる。このときナビゲーション装置では携帯電話の通話に影響を与えないように、例えば右左折交差点の経路案内を前記のように画面で行っている時に音声でも案内を行う際、その音声出力を行わないようにして、電話による通話を妨げないようにしている。
【0007】
なお、車両が誘導経路上の道路の進行方向を変更すべき交差点に一定距離以内に近づいたときに交差点の案内画面を表示し、更にその先の交差点が近接している時に、最初の交差点で曲がる方向にその先の交差点の案内画面を表示し、運転者が一見して理解しやすいナビゲーション装置とした技術は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3491786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、運転者が車内に携帯電話を持ち込んで利用するため、ナビゲーション装置に接続したハンズフリーシステムでこれを利用するとき、携帯電話の着信時には、右左折交差点等の経路変更を案内する拡大画面を分割画面で表示し、音声案内については出力を行わないようにしている。
【0010】
このようなシステムによると、携帯電話の着信時等の携帯電話利用時に、ナビゲーション装置によって音声案内が行われないことにより携帯電話の通話は邪魔されないものの、ナビゲーション装置にとっては重要な右左折交差点等の経路変更を行うために出力がなされる経路案内は画面のみになってしまうため、2画面表示している交差点案内等の経路案内を見落としてしまうことが多い。そのため、右左折交差点で右左折が行われず、Uターンを行い、また経路変更の誘導経路再探索を行う等の操作やナビゲーション装置の作動が必要となる。
【0011】
したがって本発明は、携帯電話を車両のナビゲーション装置に接続したハンズフリーシステムで使用する時、ナビゲーション装置で右左折交差点等の経路案内を分割画面部分で案内する状態ででは、その分割画面で表示する経路案内を見やすく表示できるようにした携帯電話対応ナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る携帯電話対応ナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、携帯電話の作動を検出する携帯電話作動検出部と、定常的に表示している地図画面とは別に経路を案内する画面を表示する経路案内画面表示部とを備え、前記経路案内画面表示部は、前記経路を案内する画面を前記地図画面とは同一モニタ画面を分割してそれぞれ表示する通常分割画面表示部と、前記経路を案内する画面を前記通常分割画面表示部での経路を案内する画面より拡大して表示する経路案内画面拡大表示部とを備え、前記経路案内画面表示部は、前記携帯電話作動検出部で携帯電話の作動を検出した時、前記経路案内画面拡大表示部を選択して拡大した経路案内画面表示を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他の携帯電話対応ナビゲーション装置は、前記携帯電話対応ナビゲーション装置において、前記経路案内画面拡大表示部が、経路を案内する画面を全画面表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他の携帯電話対応ナビゲーション装置は、前記携帯電話対応ナビゲーション装置において、前記携帯電話作動検出部は携帯電話の着信時に携帯電話の作動を検出し、 前記経路案内画面表示部は前記着信時に経路案内画面拡大表示部を選択することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る他の携帯電話対応ナビゲーション装置は、前記携帯電話対応ナビゲーション装置において、前記携帯電話の着信時には、前記経路案内画面拡大表示と共に、着信案内表示を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他の携帯電話対応ナビゲーション装置は、前記携帯電話対応ナビゲーション装置において、前記携帯電話作動時には、運転補助機能による警告出力の作動停止状態でも警告出力作動を行わせる運転補助機能作動指示部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のように構成したので、携帯電話を車両のナビゲーション装置に接続したハンズフリーシステムで使用する時、ナビゲーション装置で右左折交差点等の経路案内を分割画面部分で案内している際には、その分割画面で表示している経路案内を拡大して表示することにより見やすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である。
【図3】同実施例の画面表示例である。
【図4】同実施例の他の画面表示例である。
【図5】地図画面のみを表示している画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明による携帯電話対応ナビゲーション装置の機能ブロック図である。図1に示す携帯電話対応ナビゲーション装置の例においては、ナビゲーション装置の全体の制御を所定のプログラムソフトによって作動するシステム制御部10を備え、このシステム制御部10に各種機能部が接続することによって、全体として所定の作動を行うナビゲーション装置としている。
【0020】
図1に示す携帯電話対応ナビゲーション装置の例においては、従来のナビゲーション装置と同様の各種機能部を備えており、携帯電話接続部11にはハンズフリーシステム12を接続し、このハンズフリーシステム12には携帯電話13、携帯電話用スピーカー14、マイク15を接続している。なお、携帯電話13はハンズフリーシステム12と、或いはナビゲーション装置の携帯電話接続部11とブルートゥース等の無線によって接続することもできる。更に、スピーカー14については、ナビゲーション装置が車両用のオーディオ装置と接続している時、車内のスピーカーシステムのスピーカー27から音声出力することもできる。
【0021】
画像出力部16にはモニタ17が接続し、ナビゲーション装置の地図画面、誘導経路、各種施設案内等を行うことができ、特に誘導経路案内中に右左折交差点や道路分岐点近傍では、運転者が適切に経路変更を行うことができるように、画面を2分割にして片側に通常の地図表示を行い、他の画面には経路案内を行う交差点近傍の拡大画面、或いは交差点を模式化した画面を表示して案内を行う等の、経路案内画面を分割表示できるようにしている。
【0022】
車両位置検出部18は、GPS受信器19の位置データを入力し、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部20からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。指示信号入力部21においては、このナビゲーション装置での利用者によるリモコン22等の指示信号を入力している。更に必要に応じて利用者の音声を認識する処理によって利用者の指示信号を入力する音声認識部23の信号も、この指示信号入力部21に入力している。
【0023】
またデータ取込部24においては、DVD−ROM、或いはハードディスク等の地図・情報データ記録媒体25から必要な地図データ、施設情報等を取り込み、更にそのデータ記録媒体がハードディスクのように容易にデータの書き込みができるような場合には、外部から取り込んだデータや、他の機能部で処理したデータを後に読み取って利用することができるようにデータ入力も可能としている。
【0024】
音声出力部26にはスピーカー27を接続し、右左折交差点等の経路変更を行う地点での音声案内を中心に、音声で経路案内を行うようにしている。この音声出力部26では、前記画像出力部16からモニタ17に対して前記経路案内を行う地点近傍で分割画面による経路案内を行う時、この音声出力部26から音声でも経路案内を行うようにしている。但しこのようなシステムにおいて、本発明においては後述するように、携帯電話接続部11でハンズフリーシステムに接続している携帯電話が着信等の通話の作動を行った時、音声出力部26からは経路の音声案内は停止し、画像出力部から前記分割画面で経路案内を行っている状態から経路案内は全画面表示等の拡大画面で表示するようにしている。
【0025】
図1に示す例においては、特に本発明を実施するため、携帯電話作動対応処理部30を備え、その中の携帯電話作動検出部31では携帯電話13の着信を携帯電話接続部11からの信号によって検出する着信検出部32を備え、特にこの着信検出部32の検出信号によって各種の機能を開始するようにしている。但し、携帯電話作動検出部31には更にこの携帯電話で利用者が外部と通話を行うために電話をかける操作を行ったことを検出し、その時にも各種作動を行うようにすることもできる。
【0026】
経路案内画面拡大指示部33では、前記のように携帯電話作動検出部で携帯電話の作動を検出した時、後述する誘導経路案内出力処理部40の特に経路案内画面表示部45に、経路案内画面を拡大して表示する指示信号を出力する。それにより経路案内画面表示部45の経路案内画面拡大表示部46が作動し、画像出力部16からモニタ17に出力する経路案内画面について、全画面表示等の拡大表示を行うようにしている。
【0027】
携帯電話作動対応処理部30における着信案内表示指示部34では、前記のように携帯電話作動検出部31の着信検出部32で携帯電話による着信を検出した時、画像出力部16からモニタ17に対して所定の着信案内表示を行う。また、運転補助機能作動指示部35では、前記携帯電話の着信検出等の携帯電話作動検出時には、その車両に前方車両との車間距離測定機能と、接近警告システムを備えている時には、そのシステムの使用を中止している時でも、その運転者補助機能としての警告出力を強制的に行わせる。また例えば車両後退時に障害物が存在しないかを検出するような車両周囲の障害物を検出して、その検出時には警告を出力するシステムを備えている時には、そのシステムを強制的に作動して、運転補助機能としての障害物警告を出力できるようにする。
【0028】
誘導経路案内出力処理部40では、右左折交差点や道路分岐点等での案内を行うための出力処理を行い、その中の誘導経路案内作成部41では、誘導経路を画像更には音声で案内を行うための各種データを作成する。特にその中の経路案内出力箇所検出部44で、後述する誘導経路記憶部43に記憶している誘導経路について、右左折交差点等の経路案内を行うべき地点を検出し、その地点での案内用データを作成する。
【0029】
図示の例では誘導経路案内出力処理部40に、誘導経路を案内するための基礎データとなる誘導経路を演算する誘導経路演算部42を備え、ここでは従来のナビゲーション装置と同様に、車両位置検出部18から取り込んだ現在位置、及び各種入力手法によって入力した目的地、更には必要に応じて経由地のデータを入力し、誘導経路を演算する。また、現在地が誘導経路から外れた時には直ちに目的地への誘導経路を再演算する。その演算によって得られた誘導経路の内最新のデータを誘導経路記憶部43に記憶している。この誘導経路記憶部43のデータが前記のように経路案内出力箇所検出部44で用いられる。
【0030】
経路案内画面表示部45では、地図画面に誘導経路を表示する以外に、運転者に経路を案内する必要がある前記経路案内出力箇所検出部44で検出した地点において経路案内画面を表示するものであり、その中の通常分割画面表示部46では、従来と同様に画面全体に地図画面を表示して誘導経路を表示する状態から、経路案内部分を拡大して表示するため画面を2分割し、片側の画面には地図画面を表示して、他側の画面には経路案内画面を表示する。
【0031】
本発明においては特に、経路案内画面表示部45に経路案内画面拡大表示部47を備え、前記のような経路案内を行うに際して、前記経路案内画面拡大指示部33から指示があった時、経路案内画面を全画面表示する等の拡大表示を行う。それにより、携帯電話の着信等の携帯電話作動時に、経路案内を拡大した画面で表示し、運転者が電話と前方への注意に気を取られて、特に電話作動時に経路の音声案内が行われないことも相まって、ナビゲーション装置に表示される前記のような2分割画面による経路案内を見落としてしまう問題を解決する。
【0032】
図1に示す例では運転補助機能作動部50を備え、ここで例えば車間距離を測定して車間距離が車速に対応して近すぎる時には警告を発する運転補助機能、或いは車両後退時に障害物を検出して運転者に注意を促し、或いは狭い道路走行中に側方の障害物と接触しないように監視を行うような周囲の障害物を検出する運転補助機能等を備えている。
【0033】
その時運転補助機能作動部50でこれらの運転補助機能によるデータを警告出力要否判別部51に出力し、この警告出力要否判別部51では、通常の警告出力要否の判別以外に、前記携帯電話作動対応処理部30の特に運転補助機能作動指示部35から、携帯電話が作動していることにより運転補助機能の作動を行う指示があったときには、この警告システムの作動を中止している時でも警告を行う必要があると判別し、警告表示の他に、運転警告出力部52から音声出力部26を介してスピーカー27によって、或いはブザーによって警告を出力できるようにしている。
【0034】
図1に示す機能ブロックからなる実施例においては、例えば図2に示す作動フローにしたがって順に作動させることにより実施することができる。即ち図2に示す分割画面案内中の電話作動時処理においては、最初携帯電話の作動を検出する(ステップS1)。この作動は図1の携帯電話作動時処理部30における携帯電話作動検出部31において行っている。このときの携帯電話の作動としては、着信検出部32による着信の検出以外に、その後実際に通話を行っている状態、更に運転者が外部と連絡を取るために電話をかける操作を行った時、及びその後通話を行っている状態も携帯電話作動として検出する。
【0035】
次いで分割画面で誘導経路の案内を行う状態か否かを判別する(ステップS2)。この作動は図1の誘導経路案内出力処理部40における経路案内画面表示部45で、経路案内出力箇所検出部44で検出した地点において経路案内を行っているか否かによって判別することができる。ここで分割画面で誘導経路案内中ではないと判別した時には、ステップS1に戻って前記作動を繰り返す。
【0036】
ステップS2において分割画面で誘導経路案内中であると判別した時には、分割画面の誘導経路案内を拡大表示する(ステップS3)。この作動は図1の誘導経路案内出力処理部40が携帯電話作動検出部31の信号により、経路案内画面表示部45において経路案内画面拡大表示部47を作動させることにより行っている。この作動によって、例えば図5に示す通常の地図画面表示状態から、経路案内を行うため従来は例えば図3(a)に示すように右左折交差点部分を分割画面によって表示している時、携帯電話の作動検出時には例えば図3(b)のよに画面中央にほぼ全画面で表示する。なお、実際に全画面表示を行っても良いことは当然である。
【0037】
このような経路案内を行うに際して、携帯電話の着信等の携帯電話作動時には、経路案内を拡大した画面で表示し、運転者が電話と前方への注意に気を取られて、ナビゲーション装置に表示される図3(a)のような2分割画面による経路案内を見落としてしまう問題を解決することができる。特に電話作動時には経路の音声案内が行われないとき、図3(a)のような経路案内は見落とすことが多いが、同図(b)のような画面表示が行われると通常の画面の状態と大きく変化するため、視線がナビゲーション画面に移動し、右左折交差点や道路の分岐点で確実に経路変更することが可能となる。なお、図3(b)に示すような画面において、経路案内画面の枠等をフラッシュ表示する等によって、より注意を引きつけるようにしても良い。
【0038】
図2に示す例においてはその後携帯電話の作動は着信の作動か否かを判別し(ステップS4)、携帯電話の作動が着信中であると判別した時には、着信中であることの案内画面を表示する(ステップS5)。この作動は図1の携帯電話作動検出部31の着信検出部32で携帯電話の着信を検出した時、着信案内表示部34で画像出力部16からモニタ17に対して携帯電話が着信したことを表示する出力を行うことによって作動させることができる。但し、この着信したことの表示は、ステップS2において分割画面で誘導経路案内を行わない状態であると判別した時も、着信案内を表示するようにしても良い。
【0039】
このときの着信の案内表示は種々の態様で実施することができるが、例えば図4に示すように、「着信有り」の表示を前記拡大経路案内画面に隣接して表示することができる。このとき、音声出力部26から、携帯電話が着信していることを音声で案内しても良い。また、携帯電話の作動は着信以外に運転者が電話をかける操作を行う時もあり、例えば電話番号を音声等で入力するとき、或いは電話の相手をリストから選択する時等において、電話をかける操作を行っている時も電話の作動中であるとして、経路案内を拡大して見やすく表示させることもできる。
【0040】
その後図2に示す例においては、ステップS4で携帯電話の作動は着信の作動ではないと判別した時と共にステップS6に進み、携帯電話で実際に通話を行ったか否かを判別し(ステップS6)、通話を行わなかった時、即ち携帯電話の着信に対して通話を行わない旨の指示を行った時、或いは電話をかける操作を行ったものの途中で操作をやめた時等においては、ステップS1に戻って再度携帯電話の作動検出から繰り返す。
【0041】
ステップS6で携帯電話で通話を行ったと判別した時には、そのまま分割画面の誘導経路案内の拡大表示を継続した状態で、各種運転補助機能の作動を行う(ステップS7)。この作動は図1の運転補助機能作動部50によるよる警告出力を、警告出力要否判別部51で運転者が予め今回の運転時にはこの警告出力を行わないように指示していても、携帯電話の作動時には警告出力を行う旨判断し、運転警告出力部52から出力することによって行う。このときの警告出力は各種の出力が可能であるが、車間距離が車速に対応して近すぎると判断した時には、例えば図4に示すように、拡大表示した経路案内の画面に隣接して、「注意!」「車間距離に気を付けて下さい」のような表示を行う。なおこのときにはブザーによって運転者に警告しても良い。
【0042】
その後分割画面で誘導経路案内を行う状態は終了したか否かを判別する(ステップS8)。ここで例えば右左折交差点を案内にしたがって右左折が終了し、経路案内を分割画面で表示する状態は終了したか否かを判別する。その判別の結果未だ終了していないと判別した時にはステップS9に進んで、携帯電話の作動は終了したか否かを判別し、未だ終了していないと判別した時にはステップS8に戻って分割画面で誘導経路案内を行う状態は終了したか否かの判別と、通話は終了したか否かの判別を繰り返し、いずれかの状態が終了した時にはステップS10に進んで、前記経路案内を拡大表示している状態から通常の画面表示を行い、以降はステップS1に戻って前記作動を繰り返す。
【符号の説明】
【0043】
10 システム制御部
11 携帯電話接続部
12 ハンズフリーシステム
13 携帯電話
14 スピーカー
15 マイク
16 画像出力部
17 モニタ
18 車両位置検出部
21 指示信号入力部
24 データ取込部
26 音声出力部
27 スピーカー
30 携帯電話作動対応処理部
31 携帯電話作動検出部
32 着信検出部
33 経路案内画面拡大指示部
34 着信案内表示指示部
35 運転補助機能作動指示部
40 誘導経路案内出力処理部
41 誘導経路案内作成部
42 誘導経路演算部
43 誘導経路記憶部
44 経路案内出力箇所検出部
45 経路案内画面表示部
46 通常分割画面表示部
47 経路案内画面拡大表示部
50 運転補助機能作動部
51 警告出力要否判別部
52 運転警告出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話の作動を検出する携帯電話作動検出部と、
定常的に表示している地図画面とは別に経路を案内する画面を表示する経路案内画面表示部とを備え、
前記経路案内画面表示部は、前記経路を案内する画面を前記地図画面とは同一モニタ画面を分割してそれぞれ表示する通常分割画面表示部と、前記経路を案内する画面を前記通常分割画面表示部での経路を案内する画面より拡大して表示する経路案内画面拡大表示部とを備え、
前記経路案内画面表示部は、前記携帯電話作動検出部で携帯電話の作動を検出した時、前記経路案内画面拡大表示部を選択して拡大した経路案内画面表示を行うことを特徴とする携帯電話対応ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記経路案内画面拡大表示部は、経路を案内する画面を全画面表示することを特徴とする請求項1記載の携帯電話対応ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記携帯電話作動検出部は携帯電話の着信時に携帯電話の作動を検出し、
前記経路案内画面表示部は前記着信時に経路案内画面拡大表示部を選択することを特徴とする請求項1記載の携帯電話対応ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記携帯電話の着信時には、前記経路案内画面拡大表示と共に、着信案内表示を行うことを特徴とする請求項3記載の携帯電話対応ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記携帯電話作動時には、運転補助機能による警告出力の作動停止状態でも警告出力作動を行わせる運転補助機能作動指示部を備えることを特徴とする請求項1記載の携帯電話対応ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−203928(P2010−203928A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49992(P2009−49992)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】