説明

携帯電話機

【課題】チャット仲間が、何時でも何処でも、特別な料金を払うことなく、容易に、テレビの映像やネットワークから取得した画像などの同じ画面を同時に見ながら共通の話題で、より楽しくチャットを盛り上げることが出来るような携帯電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
テレビジョン放送を直接受信できる機能を備えた携帯電話機において、受信したテレビジョンの画像や、ネットワークから取得した画像などの情報と、ネットワークを通じて取得したチャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示する機能または音声で伝達する機能を有する携帯電話機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機の機能、特に、チャット機能を備えた携帯電話機において、新しいメッセージ表示機能をもつ携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、半導体技術と表示デバイスの進歩により、より多くの機能を備えるようになってきている。例えば、通常の電話機能やメール機能のほかに、インターネットに接続して各種の情報を取得する機能、チャットルームにログインして多くの相手とチャットする機能、GPSを内蔵して現在位置を表示する機能、テレビジョンを受信して表示する機能、カメラを内蔵して写真撮影し、その写真を、ネットワークを通じて送信したり受信したり出来る機能などを備えている。
【0003】
しかし、従来これらの機能は、カメラ機能と電話機能を同時に使用するテレビ電話以外は、各機能を切り替えて単独で使用されていた。(例えば、特許文献1を参照)したがって、テレビジョンを見るときは、テレビ受信に切り替え、電話をかけるときには、テレビを一旦切ってから電話をするというように、同時に電話やメールの機能を使うことはできなかった。また、インターネットで情報を検索するときも、情報を表示しているときなどには電話、メール、チャットなどの機能を同時に使うことができなかった。
【0004】
近年、地図を見ながらチャットするために、チャット仲間のそれぞれの現在位置をGPSで計測して、その情報をプロバイダに送信すると、プロバイダのサーバで地図データベースと照合し、地図データの上に現在位置をマークしてチャットメッセージとともにチャット仲間に配信するというシステムが開示されている。(例えば、特許文献2を参照)
このようなシステムでは、地図に示された現在位置を見ながらチャットできるようになっている。しかし、画像などを含めた情報をプロバイダ側で作成するので、そのためのコストが掛かりユーザの負担増になってしまうという問題がある。また、画像更新時での画像配信における伝送量も多くなるので、受信に時間がかかるというような問題がある。
【特許文献1】特開2004−135177号公報
【特許文献2】特開2004−198245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、テレビの映像やネットワークから取得した画像などの情報と、チャットメッセージとを携帯電話機内で加工または合成して同一画面に同時に表示することである。また、テレビの映像やネットワークから取得した画像などの情報をお互いに見ながら音声でチャットすることができる携帯電話機を提供することである。すなわち、チャット仲間が、同じ部屋でテレビを見ながら話をしているような環境をバーチャルに実現する携帯電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1によれば、ネットワークを通さないで、テレビジョン放送を直接受信できる機能を備えた携帯電話機において、受信したテレビジョンの画像と、ネットワークを通じて取得したチャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示する機能または音声で伝達する機能を有する携帯電話機を提供する。
【0007】
このような携帯電話機は、テレビジョン放送を直接受信できるチャンネルとネットワークに接続してチャットメッセージを送受信するチャンネルを持っており、テレビ放送を受信して取得した映像と同時にネットワークから取得したチャットメッセージとを同一画面に同時に表示できる。または、チャットメッセージは音声で伝えてもよい。この音声はチャット仲間の特定のメンバーだけでもよいが、仲間全員に一斉に伝えてもよい。これにより、この機能を有する携帯電話機を持つだけで、チャット仲間同士が同じ映像を見ながら、特別の料金を払うことなく、容易にチャットできる。
【0008】
請求項2によれば、チャットルームのユーザから送信されたチャンネル同期メッセージに同期して、テレビジョンのチャンネル変更を自動的に行うことができる携帯電話機を提供する。
【0009】
このような携帯電話機では、話題が変わるときに、チャットしている仲間の携帯電話機に表示されているテレビの内容が同期して一斉に変わるので、話題が一時紛れて気まずい状態になることがない。また、チャンネルの選択操作を行う手間を省くことができ、誰でも容易にチャットに参加して楽しむことができる。
【0010】
請求項3によれば、ネットワークを通じて取得した各種情報を携帯電話機内の記憶媒体に記憶した後に、その情報と、チャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示するかまたは各種情報を表示しながら、チャットメッセージを音声で伝達する携帯電話機を提供する。
【0011】
このような携帯電話機では、ネットワークを通じて取得した各種情報を携帯電話機内の記憶媒体に一旦記憶し、その情報と、チャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示したり音声で伝えたりすることによって、その情報を見ながらチャット仲間同士が共通の話題でチャットできる。また、この機能を有する携帯電話機を持つだけで、チャット仲間同士が同じ情報を見ながら、特別の料金を払うことなく、容易にチャットできる効果がある。
【0012】
請求項4によれば、チャットルームのユーザから送信されたインターネットコンテンツ同期メッセージに同期して、新たなインターネットコンテンツの取得を自動的に行うことができる携帯電話機を提供する。
【0013】
このような携帯電話機では、話題が変わるときに、チャットしている仲間の携帯電話機に表示されているコンテンツの内容が同期して一斉に変わるので、話題が一時紛れて気まずい状態になることがない。また、コンテンツの選択の操作を行う手間を省くことができ、誰でも容易にチャットに参加して楽しむことができる。
【0014】
請求項5によれば、テレビジョンの画像またはネットワークを通じて取得した各種情報の表示領域の大きさと、チャットメッセージの表示領域の大きさとの比を変えることができる機能を有する携帯電話機を提供する。
【0015】
このような携帯電話機では、チャットの進行に応じて画像を拡大してみることで、よりチャットが盛り上がったり、逆に、チャットメッセージの表示領域を拡大して、チャットの内容を多く表示することで、話題が広がり、チャット仲間同士のチャットによる繋がりを楽しく盛り上げることができる効果がある。
【0016】
請求項6によれば、ネットワークから取得した情報と、チャットメッセージとを同一表示画面に同時に表示する機能で、チャットメッセージの表示はそのままにして、ネットワークから取得した情報の表示のみを上下左右に移動できる携帯電話機を提供する。
【0017】
携帯電話機の画面は小さいので、取得した情報全体を表示すると画像が見難いことが多く、チャットも盛り上がらない。そのため、少し大きめの画像として、画像を上下左右に移動することで、任意に部分を画面の中に表示することができるようにした。これにより、チャットの話題として不必要な部分をカットし、話題となる部分を見やすくすることができるので、チャットも盛り上がり楽しいチャットができる。
【0018】
請求項7によれば、ネットワークから取得した情報と、チャットメッセージとを同一表示画面に同時に表示する機能で、チャットメッセージの表示はそのままにして、ネットワークから取得した情報の表示の所定部分を拡大して表示できる携帯電話機を提供する。
【0019】
携帯電話機の画面は小さいので、取得した情報全体を表示すると画像が見難いことが多く、チャットも盛り上がらない。そのため、カーソルなどで指定した所定部分拡大して表示できるようにした。これにより、チャットの話題として不必要な部分をカットし、話題となる部分を見やすくすることができるので、チャットも盛り上がり楽しいチャットができる。
【0020】
請求項8によれば、テレビ映像やネットワークから取得した情報と、チャットメッセージに付随するアバターも、同一表示画面に同時に表示する機能を有する携帯電話機を提供する。
【0021】
チャットメッセージにアバターを付けることにより、チャットした人物の性格などの特性を簡単に表現することができ、チャットを盛り上げる効果があるが、チャットメッセージにアバターを付けることによる特別の料金を払う必要がなく、容易にチャットできる。
【0022】
請求項9によれば、テレビ映像やネットワークから取得した情報と、チャットメッセージに付随するアバターも、同一表示画面に同時に表示する機能を有し、アバターの画像を拡大または縮小して表示する機能を有する携帯電話機を提供する。
【0023】
このような機能を有する携帯電話機では、アバターの画像を共通の話題としてチャットすることもあり、アバターの画像を拡大表示することで、さらにチャットを盛り上げる効果がある。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係わる携帯電話機は、テレビ放送を直接受信して得られたテレビの映像やネットワークから取得した画像などの情報と、チャットメッセージやアバターの画像とを携帯電話機内で加工または合成して同一画面に同時に表示することができる。また、チャット仲間が同一の画面を見ながら音声で伝達するチャットもできる。この場合、特定のチャット仲間との間でチャットすることもできるが、チャット仲間全員に一斉伝達することもできる。これにより、チャット仲間が、何時でも何処でも、特別な料金を払うことなく、容易に、同じ画面を見ながら共通の話題で、より楽しくチャットを盛り上げることが出来て、同じ部屋でテレビを見ながら話をしているような環境をバーチャルに実現する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、図を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1に、本発明に係わる携帯電話機の第1の実施例の機能を説明するためのブロック図とチャットするためのシステムの概略を示す。
【0027】
本発明に係わる携帯電話機1は、携帯電話用固定局2と無線で接続されて、その携帯電話用固定局2から公衆電話回線であるネットワーク3を通じて、ほかの電話局やインターネットのプロバイダに接続され、通常の電話機能、メールの機能、インターネットを通じて情報を取得する機能などを発揮する。これにより、インターネットを通じてのサービスであるチャットルームに登録すれば、チャットサーバ4に接続されてチャットを楽しむことができる。さらに、本発明に係わる第1の実施例の携帯電話機は、ネットワークに接続しながら、同時にテレビの受信をおこなうことができる機能を備えている。
【0028】
以下に、携帯電話機1の内部構成と機能について説明する。テレビ放送の電波帯とネットワークに接続する無線電話の電波帯とは異なっているので、アンテナ10で受けた両方の電波は、分波器11によりテレビの電波と電話の電波とに分離される。または、図示していないが、テレビ受信用のアンテナと無線電話用のアンテナとは分けてそれぞれ専用のアンテナを設けても良い。
【0029】
電話の電波は、通信制御部12において、電波を受信したときには復調が、電波を発信するときには変調が予め定められた変調方式で行われる。復調された信号は、予め定められたプロトコルにしたがって、音声信号は音声制御部13で処理され、インターネットから取得された文字や画像の信号はメッセージ画像制御部16で処理される。
【0030】
音声制御部13で処理された音声信号は、音声として第1のスピーカ14から出力される。また、送話するときには、マイク15で取得した音声信号が音声制御部13で処理され、通信制御部12へ送られて変調された電波に乗せて送信される。この機能が、一般的な電話の機能である。
【0031】
一方、メッセージ画像制御部16で処理された文字や画像の信号は、主制御部17で処理されて表示制御部18に出力され、表示制御部18で画像のレイアウトなどが調整されてから画像表示部19に表示される。また、メッセージに音声を伴うものがあるときや、着信音、キー入力部20からのキー入力に伴う音、携帯電話機特有の保留やエラーメッセジなどの音声が第2のスピーカ21から出力される。このようにして、メールのメッセージやインターネットで取得した情報が画像表示部19に表示される。
【0032】
テレビジョン放送アンテナ5からのテレビ放送を受信した電波は、テレビチューナ22で受信チャンネルが選択され、テレビ映像音声処理部23で映像信号と音声信号が復調される。復調された映像信号と音声信号は、信号制御部24に送られてデジタル信号に変換されてメモリ25に格納される。メモリ25に格納された信号を映像のフレームごとに表示制御部18に出力することにより、表示制御部18で調整されてテレビの映像が画像表示部19に表示され、音声が第2のスピーカ21から出力される。
【0033】
以上のような電話、情報の表示、テレビの映像表示などの機能は、主制御部17からの制御信号によって制御されるが、主制御部17は、ユーザのキー入力による指令によって適切な制御信号を出力するように構成されている。
【0034】
従来の携帯電話機は、これらの機能を切り替えて、それぞれが単独で動作するものであった。本発明に係わる携帯電話機では、テレビを見ながらチャットを行う機能を備えている。この機能は以下のようにして実現している。この機能を図2に示すフローチャートを使って説明する。
【0035】
まず、ユーザがキー入力を操作してテレビチャットを選択してサービスが開始される。ステップST1で、キー入力を操作してテレビの受信チャンネルをユーザが選択する。これにより、テレビ放送が受信され、その映像信号と音声信号は、図1に示すメモリ25に一旦格納されてから表示制御部18に送られ、画像表示部19には、図3に示すように、テレビ映像と、ネットワークへの接続手続きを行うための画面とに分割して表示される。なおこの画面は、テレビ映像に重なったウインドウ画面として表示してもよい。
【0036】
ネットワーク3への接続手続きは、図3に示すような画面になり、まず、ネットワークへの接続の可否をチェックする。インターネットのネットワークからプロバイダに接続され、続いて、チャットルームに入るためのIDとパスワードの入力を促す画面が表示される。このような画面は、図1に示す主制御部17から表示制御部18に指令が出て、表示制御部で調整されて画像表示部19に出力され表示される。
【0037】
ステップST2では、ネットワークに接続したのちに、IDとパスワードを入力して、予め登録したチャットルームにログインする。これにより、テレビ放送を受信した信号とチャットルームからのチャットメッセージとを並行して取得することができるようになる。このとき、図10に示すようなチャットルームに入っている仲間のリストが表示される。そのリストからチャットする相手を特定の相手に限定する指定をしてもよいし、チャットルームの仲間全員で行う指定をしてもよい。
【0038】
ステップST3では、チャットメッセージを作成して送信したり、新たなメッセージを受信したりする。実際には、ステップST3と次のステップST4とは、ほぼ同時に行われる。すなわち、画面に表示されたテレビ映像とチャットメッセージを見ながら、チャットメッセージを作成して送信し、また、新たなメッセージを受信したときには、メッセージの表示が更新される。この状態は、チャットを終了するためのキー入力があるまで継続されてチャットを楽しむことができる。なお、チャットは音声で行うこともできる。さらに、仲間全員で行うときには、プッシュ・ツー・トークと呼ばれる通常のトランシーバ方式で、全員にメッセージを音声で伝えることもできる。
【0039】
例えば、チャット中に、他のチャット仲間から別のチャンネルのテレビが面白いというチャットメッセージが入り、テレビのチャンネルをそのチャンネルに変えたいとき、あるいは自分で他のチャンネルに変えたいときには、ステップST6で、チャンネルを変えるためのキー入力を行い、ステップST7でチャンネル選択を実行する。また、あるユーザがチャンネル同期メッセージを送信すると、同じチャットルームに入っていて、テレビ機能を使っているユーザのチャンネルは、これに同期して変化するようにすることができる。具体的には、チャンネル情報を含めてチャンネル変更要求をチャットルームに送信すれば、チャットルームのユーザの携帯電話機は、その信号を読み取り、主制御部17からテレビチューナ22に制御指令を出してチャンネルを変更する。地域により、チャンネルが異なる場合、テレビ局の系列に関する情報をチャットサーバに対応表を持つか、携帯電話機に内蔵しておき、携帯電話機が存在する基地局情報またはGPS(地球測位システム)などその他の位置情報を利用して、対応するチャンネルに合わせることができる。これにより、新たなテレビチャンネルの映像を見ながら、さらにチャットを楽しむことができる。
【0040】
また、表示画面におけるテレビ映像の画面とチャットメッセージを表示する画面の割合は、別途のキー入力により可変できる。例えば、テレビでスポーツ観戦をしながらチャットする場合、非常にエキサイティングな場面になると、言葉よりも映像に釘付けになるが、このときには映像を大きくして、メッセージの画面を小さくすることができる。また、その映像を見た後では、チャットが盛り上がるので、テレビの映像を小さくして、チャットメッセージ画面を大きくし、多くのメッセージを表示できるようにすることができる。
【0041】
チャットを終了するためのキー入力を行うと、ステップST5またはステップST8から、ステップST9に移行してチャットルームからログアウトする手続きを実行する。ログアウトすると、ネットワークへの接続が遮断されて、テレビ受信映像の画面表示が継続される。このとき、チャットメッセージを表示していた部分には、待ち受けの画面を表示するが、キー入力により、全画面をテレビの映像に切り替えることもできる。また、キー入力により、テレビ映像の表示を終了して待ち受け画面にしてもよい。
【0042】
以上の実施例では、テレビの映像を話題にするつもりで、チャットルームに入る前から画面にテレビ映像を表示してからログインしたが、チャットルームに入ってから、そのとき話題のテレビ映像を選択することもできる。すなわち、待ち受け画面の状態またはインターネットに接続された状態からチャットルームにアクセスして、ステップST2での所定の手続きでログインすることができる。その後、話題のテレビ映像をチューナにより選択し受信することになる。これ以後のキー入力の操作および動作は、上記の実施例で説明したものと同じなので省略する。
【0043】
チャットルームでは、図4に示すように、チャットする人のニックネームやアバター30を付けてメッセージを送ることが多いが、このアバター30は、チャットする人の性格や特性などを表現していることが多く、チャットの話題になることもある。したがって、アバターとメッセージとを一体として表示すると、チャット仲間の誰がどのようなことを言っているかが一目でわかるだけでなく、チャットを言っているときのイメージさえ浮かんでくる。
【0044】
例えば、テレビ映像を話題にチャットしていても、常時、面白い話題があるとは限らないので、そのようなとき、チャット仲間の一人のアバター30を話題にしてチャットがはずむこともある。このような時には、図5に示すように、アバター30の部分を大きく表示して話題を膨らませることができる。このような画面構成は、図1に示すキー入力部20からの、ユーザのキー入力により、主制御部17が指令を出して、表示制御部18が調整を行うことによって、作成され表示される。
【実施例2】
【0045】
図6に、本発明に係わる携帯電話機の第2の実施例の機能を説明するためのブロック図とチャットするためのシステムの概略を示す。なお、各構成部分の符号については、第1の実施例に対応する部分には同じ符号を付した。
【0046】
本発明に係わる携帯電話機1は、携帯電話用固定局2と無線で接続されて、その携帯電話用固定局2から公衆電話回線であるネットワーク3を通じて、ほかの電話局やインターネットのプロバイダに接続され、通常の電話機能、メールの機能、インターネットを通じて情報を取得する機能などを発揮する。これにより、インターネットを通じてのサービスであるチャットルームに登録すれば、チャットサーバ4に接続されてチャットを楽しむことができる。
【0047】
電話の電波は、通信制御部12において、電波を受信したときには復調が、電波を発信するときには変調が予め定められた変調方式で行われる。復調された信号は、予め定められたプロトコルにしたがって、音声信号は音声制御部13で処理され、インターネットから取得された文字や画像の信号はメッセージ画像制御部16で処理される。
【0048】
音声制御部13で処理された音声信号は、音声として第1のスピーカ14から出力される。また、送話するときには、マイク15で取得した音声信号が音声制御部13で処理され、通信制御部12へ送られて変調された電波に乗せて送信される。この機能が、一般的な電話の機能である。
【0049】
一方、メッセージ画像制御部16で処理された文字や画像の信号は、主制御部17で処理されて表示制御部18に出力され、表示制御部18で画像のレイアウトなどが調整されてから画像表示部19に表示される。また、メッセージに音声を伴うものがあるときや、着信音、キー入力に伴う音、携帯電話機特有の保留やエラーメッセジなどの音声が第2のスピーカ21から出力される。このようにして、メールのメッセージやインターネットで取得した情報が画像表示部19に表示される。
【0050】
以上のような電話、情報の表示などの機能は、主制御部17からの制御信号によって制御されるが、主制御部17は、ユーザのキー入力による指令によって適切な制御信号を出力するように構成されている。
【0051】
本発明に係わる携帯電話機では、インターネットで取得した情報を見ながらチャットを行う機能を備えている。この機能は以下のようにして実現している。この機能を図7に示すフローチャートを使って説明する。
【0052】
まず、ユーザがキー入力部20を操作して、チャットを選択してサービスが開始される。ステップST11で、キー入力部20を操作して、インターネットのネットワーク3に繋がる多くの情報源6からチャットの話題となるコンテンツを取得し、ステップST12、ステップST13で、図6に示すメモリ25に格納する。
【0053】
続いて、図8に示すような、チャットルームに入るためのIDとパスワードの入力を促す画面が表示される。このような画面は、図6に示す主制御部17から表示制御部18に指令が出て、表示制御部18で調整されて画像表示部19に出力され表示される。
【0054】
ステップST14では、IDとパスワードを入力して、予め登録したチャットルームにログインする。ログインが完了すると、実施例1で述べたのと同様に、図10に示すようなチャットルームに入っているチャット仲間のリストが表示される。このリストからチャットする相手を特定の相手に限定する指定をしてもよいし、チャットルームの仲間全員で行う指定をしてもよい。
【0055】
ステップST15では、チャットメッセージを作成して送信したり、新たなメッセージを受信したりする。そのとき、チャット仲間が同じコンテンツを共有できるようにするために、自分が取得してメモリ25に格納したコンテンツの情報源アドレスをチャットメッセージに付けて送信する。
【0056】
実際には、ステップST15と次のステップST16とは、ほぼ同時に行われる。すなわち、画面に表示されたコンテンツとチャットメッセージを見ながら、チャットメッセージを作成して送信し、また、新たなメッセージを受信したときには、メッセージの表示が更新される。この状態は、チャットを終了するためのキー入力があるまで継続されてチャットを楽しむことができる。
【0057】
例えば、チャット中に、話題が別のコンテンツに移ったとき、あるいは他の話題に移りたいときには、ステップST18でコンテンツを変えるためのキー入力を行い、ステップST11に戻って、新しいコンテンツを取得してメモリに格納する。このとき、他のチャット仲間から提案があったときには、新しい話題のコンテンツの情報源アドレスがチャットメッセージに付いてくるので、簡単に取得することができる。また、携帯電話機の中に同期機能があり、主制御部17が送られてきた情報アドレスからのコンテンツ取得をメッセージ画像制御部16に指令し、得られたコンテンツをメモリ25に格納するように指令する。このようにすると、コンテンツ選択操作を行うのを省くことができ、使い勝手がよくなる。
【0058】
コンテンツの表示においては、話題となる部分を拡大したり、上下左右に移動させたりして、話題となる部分を見やすく表示する。また、表示画面におけるコンテンツを表示する画面とチャットメッセージを表示する画面の割合は、別途のキー入力により可変できる。
【0059】
例えば、旅行の話題のコンテンツとして、あるホテルの情報を表示したときに、ホテルの部屋の話題から食事の話題、浴場の話題へと話が移ってゆくとき、その部分を拡大したり、表示画面の中央に移動させたり、画面全体を大きくしたりすることで、画面が見やすくなり、チャットもはずんでくる。
【0060】
このような、部分の拡大、画面の移動、全画面の拡大などの表示は、取得したコンテンツ情報を図6に示すメモリ25に一旦格納しているので、主制御部17の指令により、表示制御部18で自由に調整ができる。
【0061】
チャットを終了するためのキー入力を行うと、ステップST17またはステップST19から、ステップST20に移行してチャットルームからログアウトする手続きを実行する。ログアウトすると、ネットワーク3への接続が遮断されて、待ち受け状態になる。
【0062】
以上の実施例では、予め取得したコンテンツを話題にするつもりで、チャットルームに入る前 に情報を取得してからログインしたが、チャットルームに入ってから、そのとき話題のコンテンツを選択することもできる。すなわち、待ち受け画面の状態またはインターネットに接続された状態からチャットルームにアクセスして、ステップST14での所定の手続きでログインすることができる。その後、話題のコンテンツをステップST11の手順により選択し取得することになる。これ以後のキー入力の操作および動作は、上記の実施例で説明したものと同じなので省略する。なお、チャットはメッセージを音声で伝達してもよい。また、チャット仲間全員で行うときには、プッシュ・ツー・トークと呼ばれるトランシーバ方式によるチャットを行うこともできる。
【0063】
また、チャット仲間の一人のアバターが話題になったとき、ネットワークから取得するコンテンツとして、例えば、アバターの着せ替え衣裳を表示しながらチャットを行う。このような時には、図9に示すように、アバターの部分を大きく表示して話題を膨らませることができる。このような画面構成は、図6に示すユーザのキー入力により、主制御部17が指令を出して、表示制御部18が調整を行うことによって、作成され表示される。
【0064】
以上の実施例において、ネットワークを通じて取得するコンテンツは、静止画面だけでなく、動画であってもよく、音声を伴うものであってもよい。情報源としては、様々なホームページやデータベース、チャット仲間がメールで送付した写真などの画像でもよい。
【0065】
このように、本発明に係わる携帯電話機は、テレビ放送を直接受信して得られたテレビの映像やネットワークから取得した画像などの情報と、チャットメッセージやアバターの画像とを携帯電話機内で加工または合成して同一画面に同時に表示することができるので、チャット仲間が、何時でも何処でも、特別な料金を払うことなく、容易に、同じ画面を見ながら共通の話題で、より楽しくチャットを盛り上げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明によるTVを受信しながらチャットできる携帯電話機の構成を説明する概略図である。
【図2】本発明によるTVを受信しながらチャットするときの操作の流れを説明するフローチャートである。
【図3】本発明によるTVを受信しながらチャットを開始するときの表示画面の1実施例を示す図である。
【図4】本発明によるTVを受信しながらチャットをしているときの表示画面の1実施例を示す図である。
【図5】本発明によるTVを受信しながらチャットをしているとき、アバターが話題になったときの表示画面の1実施例を示す図である。
【図6】本発明によるネットからの情報でチャットできる携帯電話機の構成を説明する概略図である。
【図7】本発明によるネットからの情報でチャットするときの操作の流れを説明するフローチャートである。
【図8】本発明によるネットからの情報でチャットを開始するときの表示画面の1実施例を示す図である。
【図9】本発明によるネットからの情報でチャットをしているとき、アバターが話題になったときの表示画面の1実施例を示す図である。
【図10】本発明による携帯電話機で、チャットルームにログインしたときに、チャットルームに入っているチャット仲間のリストを表示する例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 携帯電話機
2 携帯電話の固定局
3 ネットワーク
4 チャットサーバ
5 テレビ放送局
6 情報源データベース
10 アンテナ
12 通信制御部
13 音声制御部
14 第1のスピーカ
15 マイク
16 メッセージ、画像制御部
17 主制御部
18 表示制御部
19 画像表示部
20 キー入力部
21 第2のスピーカ
22 テレビチューナ
23 テレビ映像、音声信号処理部
24 信号制御部
25 メモリ
30 アバター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送を直接受信できる機能を備えた携帯電話機において、受信したテレビジョンの画像と、ネットワークを通じて取得したチャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示する機能または音声で伝達する機能を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
チャットルームのユーザから送信されたチャンネル同期メッセージに同期して、テレビジョンのチャンネル変更を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
ネットワークを通じて取得した各種情報を携帯電話機内の記憶媒体に記憶した後に、その情報と、チャットルームからのチャットメッセージとを、同一表示画面に同時に表示する機能または音声で伝達する機能を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
インターネットコンテンツ同期メッセージに同期して、新たなインターネットコンテンツの取得を自動的に行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記テレビジョンの画像またはネットワークを通じて取得した各種情報の表示領域の大きさと、チャットメッセージの表示領域の大きさとの比を変えることができる機能を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記ネットワークを通じて取得した各種情報の表示領域において、該情報の表示を上下左右に移動可能な表示としたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の携帯電話機。
【請求項7】
前記ネットワークを通じて取得した各種情報の表示領域において、該情報の表示の所定部分を拡大して表示可能としたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の携帯電話機。
【請求項8】
前記チャットメッセージに付随するアバターも、同一表示画面に同時に表示する機能を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項9】
前記アバターの画像を拡大または縮小して表示する機能を有することを特徴とする請求項8に記載の携帯電話機。


【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−129196(P2006−129196A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316170(P2004−316170)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(504404711)
【出願人】(504405202)
【出願人】(504404917)
【Fターム(参考)】