説明

斜入射干渉計

【課題】測定範囲を拡大できるとともに機器の簡略化が可能な斜入射干渉計を提供すること。
【解決手段】光源41と、光源41からの原光を分割する光束分割部と、測定光を被測定物Wに照射する照射部43と、測定光と参照光とを合成する光束合成部44と、合成された光束を受光する受光部45とを有する斜入射干渉計1において、干渉計本体30と、被測定物Wを保持する基台10と、干渉計本体30を被測定物Wに沿って移動可能な移動機構20と、干渉計本体30の移動軸線の延長上に配置された補助反射鏡51と、光源41からの原光から補助光を分割して補助反射鏡51に照射する補助光束分割部52と、干渉計本体に設置されかつ補助反射鏡51で反射された補助光を受光する補助受光部55と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜入射干渉計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加工物表面の形状を測定するための種々の干渉計が知られている。
干渉計としては、垂直入射の干渉計が汎用されている。
垂直入射の干渉計は、光の長さを基準とした高精度な測定手法である反面、波長の半分以上の不連続な段差や、画像の隣り合う画素間で波長の半分以上の高さの変化があるような大きなうねりを持った測定対象物の形状は測定できない。
このような垂直入射型では測定できない大きな凹凸を測定できるものとして、斜入射干渉計が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
斜入射干渉計では、光を斜め方向から照射し、反射光を得ることで、見かけ上の波長を長くすることが可能で、測定対象物の凹凸に対する波面の変化量を意図的に小さくすることが出来る。また、測定光を斜めから入射させることで、反射光の方向が揃うため、粗面でも光沢面の場合のような鮮明な干渉縞が得られる。
斜入射干渉計において、1波長分の光路長差を表す距離は一般的に縞感度と呼ばれ、干渉縞1本あたりの高低差Λ=λ/2cosθ(μm)で表わされる(λは測定光の波長、θは入射角度)。
この縞感度は、測定光の入射角度と光源となるレーザの波長によって決まる。例えば、レーザの波長を固定とみなすと、縞感度は入射角度のみによって決まる。そのため、入射角度は、測定対象物の面性状や要求される測定精度を考慮して設定される。
【0004】
斜入射干渉計の測定対象としては、前述の様に垂直入射干渉計では測定が困難な比較的大きなうねりを持つ面または粗面(非鏡面)が想定されており、代表的な測定対象として、各種ウェハやFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラスなどがある。
これらのFPD等においては、その研磨前段階での平面度管理が高精度化の為に重要であるとされており、斜入射干渉計による高精度な平面度測定が大いに期待されている。近年では、大画面テレビ等への適用から特にFPDの大型化が進んでおり、大型・高精度非鏡面の測定対象に対する平面度管理へのニーズが増大している。
このような大型化の要望に対して、斜入射干渉計の測定範囲を広域化するために、次のような対応が検討されている。
【0005】
第1に、斜入射干渉計における測定光の入射角度を大きくすることで、測定領域を拡大することができる。
斜入射干渉計において、入射角度を大きくすると、測定対象表面の照射領域はレーザ光束の径よりも入射方向に沿って引き延ばされた楕円領域となり、これにより測定領域が拡大される。しかし、測定領域が拡大された分、測定分解能が同時に低下するため、求める測定精度によっては、この方法は好ましくない場合がある。
【0006】
第2に、測定対象の測定すべき面を複数の区画に分割し、干渉計を移動させながら各区画を順次測定してゆき、測定動作終了後に各区画の測定結果を繋ぎ合わせることで、測定対象の測定すべき面の全面形状を算出することができる。
このような走査測定としては、垂直入射型の干渉計での提案がなされている(特許文献2)。同文献では、垂直入射型の干渉計で測定対象の鏡面を測定するとともに、別の干渉計で垂直入射型の干渉計の姿勢を正確に把握することで、各区画の測定結果を繋ぎ合わせ精度を確保している。
このような走査測定を斜入射干渉計に適用することで、斜入射干渉計における高さ分解能を維持したまま、広範囲な測定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−32342号公報
【特許文献2】特開2000−88551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した斜入射干渉計の測定範囲を広域化する手段として、斜入射干渉計の入射角度の拡大は、分解能の低下が高精度化に適さないうえ、入射角度で拡大できる測定範囲には限界がある。
一方、斜入射干渉計を利用した走査測定では、測定区画を繋ぎ合わせてゆくことで測定範囲の大幅な拡大が可能である。
【0009】
しかし、このような走査測定を行うためには、測定対象の表面を測定する斜入射干渉計を移動機構に支持するとともに、斜入射干渉計の姿勢を測定する別の干渉計が必要となる。干渉計においては、レーザ発振器、光学経路、受光部分という一連の機器が必要であり、別の干渉計を用いることで前述の各機器が二重化することになり、構造的な複雑化、メンテナンス等の煩雑化、コストの上昇などの問題が避けられない。
【0010】
本発明の主な目的は、測定範囲を拡大できるとともに機器の簡略化が可能な斜入射干渉計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、測定範囲の拡大に斜入射干渉計による走査測定を採用するとともに、走査測定を行う際の斜入射干渉計の姿勢を測定する光学系として、測定対象の表面を測定する光学系の要素との共用化を図ることで、機器の簡略化を実現しようとするものである。
このために、本発明は下記のような具体的構成を備える。
【0012】
本発明の斜入射干渉計は、干渉可能な原光を発生する光源と、前記光源からの原光を測定光と参照光とに分割する光束分割部と、前記測定光を被測定物の被測定面に対して斜めに照射する照射部と、前記被測定面で反射された前記測定光と前記参照光とを合成する光束合成部と、前記光束合成部で合成された光束を受光する受光部と、を有する斜入射干渉計において、前記光源、前記光束分割部、前記照射部、前記光束合成部および前記受光部が設置された干渉計本体と、前記被測定物を保持する基台と、前記基台に設置されかつ前記干渉計本体を支持するとともに、前記干渉計本体を前記被測定物に沿って移動可能な移動機構と、前記基台に固定されかつ前記移動機構による前記干渉計本体の移動軸線の延長上に配置された補助反射鏡と、前記干渉計本体に設置されかつ前記光源からの前記原光から補助光を分割して前記補助反射鏡に照射する補助光束分割部と、前記干渉計本体に設置されかつ前記補助反射鏡で反射された前記補助光を受光する補助受光部と、を有することを特徴とする。
【0013】
このような本発明において、干渉計本体に設置される光源、光束分割部、照射部、光束合成部および受光部としては、既存の斜入射干渉計の要素を適宜利用することができる。
受光部で受光した光束に生じる干渉縞から被測定物の形状を測定する際には、画像処理を行う測定部が用いられる。このような測定部としては、例えば外部接続されたパーソナルコンピュータ等、既存の斜入射干渉計と同様な構成を適宜利用することができる。測定部は、干渉計本体の外部に設置してもよいが、干渉計本体に内蔵されるものでもよい。
【0014】
このような構成では、干渉計本体に設置された光源、光束分割部、照射部、光束合成部および受光部(測定光学系)により、被測定面つまり基台に載置された被測定物の表面の所定領域の表面形状が測定できる。
ここで、前述した干渉計本体に設置された測定光学系(光源ないし受光部)によって一時に測定できる測定領域の広さは有限である。このため、被測定面が大きい場合には、その表面を複数の区画に分けて走査測定を行うこととし、移動機構により干渉計本体を順次各区画に移動させ、複数の区画を繋ぎ合わせて被測定面の全体をカバーする。
【0015】
走査測定にあたっては、干渉計本体を移動させる移動機構の制御系からの位置情報に基づいて、干渉計本体の基台に対する位置を取得する。また、基台に固定された補助反射鏡と、干渉計本体に設置された補助光束分割部および補助受光部とを含む(補助光学系)により、補助反射鏡で反射されてきた補助光の状態を測定し、干渉計本体の基台に対する傾き等の姿勢変化を高精度に検出する。そして、この干渉計本体の姿勢変化に基づいて、前述した干渉計本体の位置を補正し、高精度な位置情報とする。このような高精度な位置情報により、複数区画の測定結果の繋ぎ合わせの精度を高め、その結果、高精度な走査測定を実現することができる。
この際、干渉計本体の姿勢を検出するための補助光学系は、測定光学系の光源を共用するとともに、補助受光部は測定光学系の要素(光束分割部ないし受光部)を共用することができ、これにより機器の簡略化が可能である。
【0016】
本発明の斜入射干渉計において、前記補助受光部は、前記補助反射鏡からの前記補助光を集光するレンズと、前記レンズの焦点位置に配置された平面受光素子と、を有することが好ましい。
【0017】
このような構成では、補助反射鏡から反射された補助光は、レンズを経由して平面受光素子の表面に焦点をむすぶ。この焦点の平面受光素子上の投影位置は、補助反射鏡つまり基台に対する干渉計本体の姿勢変化に応じて変化するため、平面受光素子における受光位置から干渉計本体の姿勢を測定することができる。
【0018】
本発明の斜入射干渉計において、前記補助受光部は、前記干渉計本体に設置されかつ前記補助光束分割部から前記補助反射鏡に至る光路中に配置されたハーフミラーと、前記補助反射鏡からの前記補助光と前記ハーフミラーで反射された光との合成光束を受光する平面受光素子とを有することが好ましい。
【0019】
このような構成では、補助光束分割部からの補助光は、一部がハーフミラーで反射されて平面受光素子へ送られ、残る部分はハーフミラーを透過して補助反射鏡で反射され、再びハーフミラーを透過して平面受光素子へ送られる。平面受光素子においては、前述したふたつの反射光の合成光束を受光し、この合成光束にはハーフミラーと補助反射鏡との間の光路にあらわれる差異、とくに基台に対する干渉計本体の姿勢変動に応じた干渉縞を生じる。従って、平面受光素子における干渉縞を測定することで、干渉計本体の姿勢を測定することができる。
【0020】
本発明の斜入射干渉計において、前記補助受光部は、前記補助反射鏡からの補助光と前記光源からの前記原光とを合成して前記光束合成部に送る補助光束合成部と、前記補助光束分割部から前記補助反射鏡を経て前記補助光束合成部を通る前記補助光の光路中に設置されて前記補助光の光束のうち所定の補助光領域の光束のみを透過させる補助マスクと、を有し、前記光束分割部、前記照射部、前記光束合成部の何れかは、前記測定光の光路中に設置されて前記測定光の光束のうち所定の測定光領域の光束のみを透過させる測定マスクを有し、前記補助マスクの補助光領域と前記測定マスクの測定光領域とは互いに重ならないように設定されていることが好ましい。
【0021】
このような構成では、補助光束合成部により、補助反射鏡からの補助光と光源からの原光とを合成し、この合成光束を光束合成部へ送ることで、補助光学系の受光機能と測定光学系の受光機能を共用化することができる。
すなわち、合成光束のうちの補助光部分は、光束分割部から光束合成部を経て受光部に送られ、原光との干渉縞から干渉計本体の姿勢が測定される。一方、合成光束のうちの原光部分は、光束分割部で一部が参照光としてそのまま光束合成部へ送られるが、他の部分は測定光として照射部および被測定面を経て光束合成部へ送られ、参照光との干渉縞から被測定面の形状が測定される。
【0022】
ここで、補助光束合成部以降の光路において、補助光学系の補助光および原光と、測定光学系の参照光および測定光とを独立して通過させるために、補助マスクおよび測定マスクが用いられる。
すなわち、補助マスクは、元の原光の光束断面のうち特定の補助光領域のみを透過させるように形成され、補助光束合成部で原光と合成されるまでの段階で補助光の光束を補助光領域のみに限定する。従って、補助光束合成部以降の光路において、補助光領域を通る光束は専ら補助光学系の補助光および原光の合成光束となる。
一方、測定マスクは、元の原光の光束断面のうち前述した補助光領域とは逆転した測定光領域のみを透過させるように形成され、光束分割部以降の測定光の光束を測定光領域のみに限定する。従って、光束合成部以降の光路において、測定光領域を通る光束は専ら測定光学系の参照光および測定光の合成光束となる。
【0023】
以上から、光束合成部を経て受光部で受光される光束は、測定光領域において参照光および測定光の干渉縞に基づく被測定面の形状測定が可能となり、補助光領域において原光および補助光の干渉縞に基づく干渉計本体の姿勢検出が可能となる。
外部の測定部においては、予め補助マスクの補助光領域と測定マスクの測定光領域を登録しておくことで、受光した光束のうち前記測定光領域の光束から前記被測定面の形状を測定するとともに、前記補助光領域の光束から前記干渉計本体の姿勢を測定することができ、これにより機器の共用化を更に強化することができる。
【0024】
本発明の斜入射干渉計で、補助マスクおよび測定マスクを用いる構成においては、前記測定光領域は前記光束の内側に配置され、前記補助光領域は前記測定光領域の外側に環状に配置されていることが好ましい。
【0025】
このような構成では、補助光領域と測定光領域とが同心状に配置されるため、それぞれが点対称で方向性の制約を受けることがない。また、補助光領域と測定光領域とがそれぞれ一体の領域であるため、干渉縞の検出が確実に行える。特に、測定光領域を内側とすることで、より大きな面積を確保することができ、被測定面の形状測定の精度を十分に確保することができる。
なお、補助光領域と測定光領域とを同心状とするにあたっては、各々を同軸の円形に配置してもよく、矩形の同心形状としてもよく外周矩形の補助光領域の内側に円形の測定光領域を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示す斜視図。
【図2】前記実施形態の光学要素を示す模式図。
【図3】前記実施形態の測定マスクを示す模式図。
【図4】前記実施形態の補助マスクを示す模式図。
【図5】前記実施形態の原光および参照光の分布を示す模式図。
【図6】前記実施形態の測定光の分布を示す模式図。
【図7】前記実施形態の補助光の分布を示す模式図。
【図8】前記実施形態の検出光束の分布を示す模式図。
【図9】前記測定マスクの変形例を示す模式図。
【図10】前記測定マスクの変形例を示す模式図。
【図11】本発明の第2実施形態の光学要素を示す模式図。
【図12】本発明の第3実施形態の光学要素を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1実施形態〕
図1ないし図10には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1において、斜入射干渉計1は、被測定物Wを保持する基台10と、基台10に設置された移動機構20と、移動機構20に支持された干渉計本体30とを備えている。
基台10は、三次元測定機等に用いられる定盤と同様のものであり、上面は正確な水平面とされている。
【0028】
移動機構20は、基台10の上面に立設された一対のコラム21と、同コラム21間に架け渡されたビーム22とを有し、ビーム22に沿って移動可能なキャリッジ(図示省略)を有する。
ビーム22には、キャリッジを駆動する駆動機構と、キャリッジの移動位置を検出するエンコーダとが内蔵されている(各々図示省略)。このため、移動機構20は、駆動機構によってキャリッジをビーム22に沿った任意位置へと移動させるとともに、エンコーダによって基台10に対するキャリッジの正確な現在位置を取得することができる。
【0029】
干渉計本体30は、移動機構20のキャリッジに支持されたケース31を有し、ケース31には、図2に示すような測定光学系40および補助光学系50を構成する光学要素が設置されている。
【0030】
測定光学系40は、光源41、光束分割部42、照射部43、光束合成部44および受光部45を有する。
光源41は、干渉可能な原光Loを発生する。
光束分割部42は、光源41からの原光Loを測定光Lmと参照光Lrとに分割する。
照射部43は、測定光Lmを被測定物Wの被測定面Sに対して斜めに照射する。
光束合成部44は、被測定面Sで反射された測定光Lmと光束分割部42からの参照光Lrとを合成する。
受光部45は、光束合成部44で合成された検出光束Ldを受光する。
これらの測定光学系40を構成する光学要素については後に詳述する。
【0031】
このような測定光学系40が干渉計本体30に設置されていることで、干渉計本体30は被測定物Wの被測定面Sの形状を測定することができる。
この際、干渉計本体30を一定位置に停止させた状態で測定できる被測定面Sの範囲は図1に示す測定範囲Aとなる。この測定範囲Aは、被測定物Wの被測定面Sよりも小さいが、干渉計本体30を移動機構20により複数位置へ移動させ、各位置で測定を行うことにより、各位置において得られる測定範囲A分の測定データを繋ぎ合わせることで、被測定面Sの全体の測定データを得ることができる(走査測定)。
【0032】
補助光学系50は、補助反射鏡51、補助光束分割部52、補助受光部55を有する。
補助反射鏡51は、基台10に固定され、移動機構20による干渉計本体30の移動軸線の延長上に配置されている。
補助光束分割部52は、干渉計本体30に設置され、光源41からの原光Loから補助光Laを分割し、この補助光Laを補助反射鏡51に照射する。
補助受光部55は、干渉計本体30に設置され、補助反射鏡51で反射された補助光Laを受光する。
【0033】
本実施形態では、補助受光部55は補助光束合成部54および補助マスク59を有し、測定光学系40には補助マスク59に対応する測定マスク58が設けられる。
補助光束合成部54は、補助反射鏡51からの補助光Laと光源41からの原光Loとを合成して光束合成部44に送る。なお、詳細は後述するが、本実施形態において、補助光束合成部54は補助光束分割部52により兼用される。
これらの補助光学系50を構成する光学要素については後に詳述する。
【0034】
補助マスク59は、補助光束分割部52から補助反射鏡51を経て補助光束合成部54を通る補助光Laの光路中に設置され、補助光Laの光束のうち所定の補助光領域Aaの光束のみを透過させる。
測定マスク58は、光束分割部42から照射部43を経て光束合成部44に至る測定光Lmの光路中に設置され、測定光Lmの光束のうち所定の測定光領域Amの光束のみを透過させる。
【0035】
補助マスク59および測定マスク58において、特定の光束のみを透過させる手段としては、透過させない領域を遮蔽するように形成されたマスクプレートを光路中に設置すること、レンズやミラーの表面に遮蔽皮膜あるいは光を散乱させる表面処理によるマスクパターンを形成すること等が利用できる。
補助マスク59の補助光領域Aaと測定マスク58の測定光領域Amとは、互いに重ならないように設定される。
このような補助光領域Aaおよび測定光領域Amとしては、例えば同心円状の区画が利用できる。
【0036】
図5において、原光Loが円形である場合に、内側に小さい円形の測定光領域Amを形成し、その外側に円環状の補助光領域Aaを形成することができる。
このような同心円状の補助光領域Aaおよび測定光領域Amに対応する補助マスク59および測定マスク58としては、各々に対応するマスクパターンの遮蔽プレート等が利用できる。
【0037】
図3において、測定マスク58として円環状の補助光領域Aaが遮蔽領域とされた遮蔽プレートを用いれば、内側の円形の測定光領域Amにおいて光束を透過させることができ、このような測定マスク58を光束分割部42から照射部43を経て光束合成部44に至る測定光Lmの光路中に設置すれば、透過する測定光Lmの光束は測定光領域Amに応じた小さな円形とすることができる(図6参照)。
【0038】
図4において、補助マスク59として小さな円形の測定光領域Amが遮蔽領域とされた遮蔽プレートを用いれば、外側の補助光領域Aaにおいて光束を透過させることができ、このような測定マスク58を補助光束分割部52から補助反射鏡51ないし補助受光部55に至る測定光Lmの光路中に設置すれば、透過する補助光Laの光束は補助光領域Aaに応じた円環状とすることができる(図7参照)。
【0039】
このような補助光学系50が干渉計本体30から基台10にわたって設置されていることで、基台10に対する干渉計本体30の姿勢変化を高精度に測定することができる。従って、前述した走査測定において複数の測定範囲Aの測定データを繋ぎ合わせる際に、基本的な干渉計本体30の位置を移動機構20のエンコーダから取得したうえ、補助光学系50により基台10に対する干渉計本体30の姿勢変化を加味して補正することで、更に高精度な繋ぎ合わせを行うことができる。
さらに、補助光学系50は、前述した測定光学系40の要素を共用することで、機器構成の簡素化を図ることができる。
【0040】
以下、本実施形態の干渉計本体30において一部共用化された測定光学系40および補助光学系50の各要素について詳述する。
【0041】
光源41は、例えば、He−Neレーザ等、良好な可干渉性を有し、斜入射干渉計の光学系に入射した際にp偏光とs偏光の成分比が時間的に変化しないレーザ光を出射する光源などが好ましい。
光源41から照射された原光Loは、レンズ411,412によってビーム径がより大きな平行光とされた後、補助光束分割部52に入射される。
【0042】
光源41と補助反射鏡51とは、移動機構20の移動軸線に沿った方向に向かい合わせて配置され、光源41から補助反射鏡51に至る軸線上には当該軸線に対して斜め45度でハーフミラー521が配置されている。
また、光源41から補助反射鏡51へ至る軸線と直交しかつハーフミラー521を通る軸線上には光束分割部42および補助ミラー541が配置されている。
【0043】
光源41からの原光Loのうち、ハーフミラー521の表面で反射された光束は90度折り曲げられて原光Loのまま光束分割部42へと送られる。
一方、ハーフミラー521を透過した光束は補助光Laとして直進し、補助反射鏡51で反射されてハーフミラー521へ戻り、反射により90度折り曲げられて補助ミラー541で反射された光束はハーフミラー521に戻ってこれを透過し、光束分割部42へと送られる。
【0044】
つまり、ハーフミラー521は、光源41からの原光Loから一部を補助光Laとして分割する補助光束分割部52を構成している。
また、ハーフミラー521および補助ミラー541は、補助反射鏡51から戻った補助光Laを原光Loと合成して光束分割部42に送る補助光束合成部54を構成しており、このハーフミラー521以降の光束分割部42、光束合成部44、受光部45は、補助受光部55として共用されている。
【0045】
補助ミラー541には、前述した補助マスク59が形成され、補助ミラー541で反射される補助光Laの光束のうち補助光領域Aa(図7参照)の光束のみがハーフミラー521へと戻るように構成されている。
補助マスク59で補助光Laの光束が補助光領域Aaに限定されることで、補助受光部55として共用される光束分割部42、光束合成部44、受光部45においては、光束の補助光領域Aaは専ら補助光学系50で利用されることになる。
【0046】
光束分割部42は、例えば偏光ビームスプリッタ等で構成され、補助光束分割部52からの原光Loを偏光方向が90度ずれた2つの偏光光束に分割し、各々を測定光Lm,参照光Lrとして送り出す。
偏光ビームスプリッタは、例えば2枚の板状の光学ガラス板で偏光依存性を持つ偏光膜を挟んで構成される。偏光膜は、平行光のうちS波偏光成分を反射し、P波偏光成分を透過させる光学特性を有する。従って、この偏光膜に原光Loを斜めに入射することで、偏光軸が90度ずれた測定光Lm,参照光Lrに分割することができる。
光束分割部42としては、光学ガラスで形成された2個の直角プリズムで上記偏光膜を挟んで形成した直方体の偏光ビームスプリッタを用いてもよい。
分割された光束のうち、測定光Lmは、照射部43へ送られて被測定面Sに照射されたのち、光束合成部44に入射される。参照光Lrは、光束合成部44へと直接送られる。
【0047】
光束分割部42から照射部43に至る光路上には、前述した測定マスク58が形成され、光束分割部42からの測定光Lmのうち測定光領域Am(図6参照)の光束のみが照射部43へと送られるように構成されている。
測定マスク58で測定光Lmの光束が測定光領域Amに限定されることで、補助受光部55として共用される光束分割部42、光束合成部44、受光部45においては、光束の測定光領域Amは専ら測定光学系40で利用されることになる。
【0048】
照射部43は、第1対物ミラー431および第2対物ミラー432を有する。
第1対物ミラー431は、光束分割部42からの測定光Lmを折り曲げて、被測定面Sに対して所定角度で入射させるものであり、被測定面Sに対する入射角度は測定精度が十分に得られるように調整される。
第2対物ミラー432は、被測定面Sで反射された測定光Lmを折り曲げて、光束合成部44に入射させるものであり、第1対物ミラー431と同様に被測定面Sに対する傾きを適宜調整される。
このような第1対物ミラー431および第2対物ミラー432は、設置高さおよび設置角度を同一とし、つまり被測定面Sに対する入射側と出射側とを対称とすることが好ましい。
【0049】
光束合成部44は、例えば光束分割部42と同様な偏光ビームスプリッタ等で構成され照射部43からの測定光Lmと光束分割部42からの参照光Lrとを互いの光軸が重なるように合成し、検出光束Ldとして受光部45へと送り出す。
前述した通り、補助受光部55として共用される光束分割部42、光束合成部44、受光部45を廻る光路においては、補助光領域Aaは補助光学系50の専用経路となり、測定光領域Amは測定光学系40の専用経路とされる。
【0050】
例えば、ハーフミラー521から光束分割部42に至る光束は、補助光領域Aaが原光Loと補助光Laとの合成光束であり、測定光領域Amは原光Loだけとなる。
同様に、光束分割部42から光束合成部44に至る光束では、補助光領域Aaが参照光Lr(原光Loが光束分割部42で変換された)と補助光Laとの合成光束であり、測定光領域Amは原光Loが変換された参照光Lrとされる。
一方、照射部43においては、補助光領域Aaは測定マスク58で遮蔽され、測定光領域Amに原光Loから分割された測定光Lmが透過され、被測定面Sを経由して光束合成部44に送られる。
光束合成部44から受光部45へ送り出される検出光束Ldは、補助光領域Aaが参照光Lrと補助光Laとの合成光束であるとともに、測定光領域Amは参照光Lrと測定光Lmとの合成光束とされる。
【0051】
前述のように測定光領域Amおよび補助光領域Aaが独立した光路として機能することで、受光部45で受光される検出光束Ldには、図8に示すように、内側の測定光領域Amには参照光Lrと測定光Lmとの干渉縞が現れ、外側の補助光領域Aaには参照光Lrと補助光Laとの干渉縞が現れることになる。
【0052】
受光部45は、1/4波長板451と、レンズ452と、三分割プリズム453と、偏光板454A〜454Cと、撮像素子455A〜455Cとを備え、光束合成部44からの検出光束Ldを画像として取得する。
1/4波長板451は、三分割プリズム453の入射側に配置され、光束合成部44から送られる合成光束を円偏光に変換する。
三分割プリズム453は、例えば、3つのプリズムの平面を貼り合わせて形成されており、プリズム張り合わせ面において光を反射及び透過させることで上記合成光を3つの分割光に分割する。
【0053】
偏光板454A〜454C及び撮像素子455A〜455Cは、三分割プリズム453により互いに異なる3方向に分割された光にそれぞれ対応するよう設置されている。偏光板454A〜454Cは、偏光軸の方向を互いに異ならせて配置されており、偏光板454A〜454Cを透過して互いに異なる量だけ位相をシフトさせられた干渉縞の干渉縞画像が撮像素子455A〜455Cにより撮像されるようになっている。
【0054】
受光部45には、パーソナルコンピュータ等を利用した測定部46が接続されている。
測定部46は、撮像素子455A〜455Cから得られた検出光束Ldの画像を処理し、干渉縞画像に基づいて公知の位相シフト法に準じた演算処理を行うとともに、登録された動作制御プログラムに基づいて、移動機構20および干渉計本体30を制御し、被測定面Sの複数の測定範囲Aに対する走査測定を実行させる。
【0055】
本実施形態における動作を説明する。
先ず、測定部46を起動し、干渉計本体30を移動機構20より移動させて最初の測定位置に停止させ、被測定面Sの測定を行う。
この際、検出光束Ldのうち、測定光領域Amにおける干渉縞に基づいて被測定面Sの測定範囲Aひとつ分の表面形状の測定データを得ることができる。
また、検出光束Ldのうち、補助光領域Aaにおける干渉縞に基づいて被測定面Sの各測定範囲Aにおける干渉計本体30の姿勢データを得ることができる。
次に、干渉計本体30を別の測定位置に移動させ、同様に被測定面Sの測定を行い、同様の処理を順次繰り返す。
全ての測定が完了したら、各位置での測定データを繋ぎ合わせる。この際、各位置の位置データは移動機構20のエンコーダから取得し、各位置における干渉計本体30の姿勢データは、各位置での測定の際に取得しておいたものを利用する。
【0056】
このような本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
干渉計本体30を移動させつつ被測定面Sの測定データを取得し、これらを繋ぎ合わせる走査測定を行うことで、被測定面Sの全体にわたる斜入射測定データが得られる。
このような走査測定により、大きな被測定物Wの被測定面Sでも全体をカバーできるため、干渉計本体30の測定光学系40においては測定範囲Aを拡大するために被測定面Sに対する入射角度を過剰に大きくとる必要がなく、測定範囲A毎の高精度を確保することができる。
【0057】
測定データの繋ぎ合わせにあたって、補助光学系50により干渉計本体30の姿勢データを高精度に取得できるため、被測定面Sの全体にわたる測定データも高精度とすることができる。
補助光学系50の多くの部分を測定光学系40と共用するため、機器の簡素可が可能であり、被測定面Sの測定と同様な高精度を確保することができる。
補助光学系50と測定光学系40とを共用する際に、補助マスク59および測定マスク58を用いることで、測定光領域Amおよび補助光領域Aaを独立した光路として機能させることができ、測定光学系40および補助光学系50のそれぞれの機能を十分に発揮させることができる。
【0058】
〔第1実施形態の変形〕
前述した第1実施形態では、円形の測定光領域Amの外周に補助光領域Aaを設けて同心円状としたが、測定光領域Amおよび補助光領域Aaの配置パターンはこれに限定されない。
図9のように、矩形の測定光領域Amの外周に補助光領域Aaを設けてもよい。
図10のように、外周の補助光領域Aaは環状である必要はなく、例えばC字状であってもよい。
あるいは、測定光領域Amおよび補助光領域Aaの内外を逆転させてもよい。
これらの測定光領域Amおよび補助光領域Aaは、それぞれ補助マスク59および測定マスク58の輪郭を調整することで適宜実現することができる。
【0059】
〔第2実施形態〕
図11には、本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態の斜入射干渉計1Aは、基本構成が前述した第1実施形態の斜入射干渉計1と同様であり、図1に示す基台10、移動機構20、干渉計本体30についての重複する説明は省略する。
本実施形態では、干渉計本体30に設置される測定光学系40Aおよび補助光学系50Aが図2の測定光学系40および補助光学系50と相違する。以下、相違する部分について図11に基づいて説明する。
【0060】
測定光学系40Aは、図2の測定光学系40と同様な構成、すなわち光源41、光束分割部42、照射部43、光束合成部44、受光部45を備えている。
但し、照射部43には図2における測定マスク58が省略され、原光Loと同じ大きさの測定光Lmが通される。
また、本実施形態では、光束分割部42、光束合成部44、受光部45を補助光学系50Aと共用される構成となっていない。
【0061】
補助光学系50Aは、図2の測定光学系40と同様な補助光束分割部52、補助反射鏡51を有する。一方、図2における補助ミラー541、補助マスク59、これらを要素とする補助光束合成部54は省略されており、補助受光部55を測定光学系40Aの要素で共用する構成とはなっていない。
本実施形態では、補助光束分割部52のハーフミラー521から補助反射鏡51との間に干渉光路設定用のハーフミラー56Aが設置され、図2で補助ミラー541が設置されていた位置には補助受光部55としての平面受光素子55Aおよびレンズ57Aが設置されている。
【0062】
このような本実施形態では、光源41からの原光Loは、補助光束分割部52のハーフミラー521から光束分割部42に送られ、参照光Lrと測定光Lmに分割されたのち、照射部43で被測定物Wの被測定面Sを測定し、光束合成部44で合成されて受光部45で受光され、参照光Lrと測定光Lmとの干渉縞から被測定面Sの形状が測定される。
一方、補助光束分割部52のハーフミラー521を透過した原光Loは、一部がハーフミラー56Aで反射されて補助参照光Larとしてハーフミラー521に戻り、残りはハーフミラー56Aを透過して補助反射鏡51で反射され、補助測定光Lamとしてハーフミラー521に戻る。ハーフミラー521に戻った補助参照光Larおよび補助測定光Lamは、レンズ57Aを経て平面受光素子55Aに画像を結び、この画像には補助参照光Larおよび補助測定光Lamによる干渉縞が現れる。
【0063】
平面受光素子55Aに現れる干渉縞は、干渉計本体30に設置されたハーフミラー56Aと基台10に設置された補助反射鏡51との相対移動を反映するものとなり、従って平面受光素子55Aに現れる干渉縞を処理することで干渉計本体30と基台10との姿勢データを取得することができる。
従って、第1実施形態と同様に、この姿勢データとともに移動機構20の位置出力を用いれば、走査測定における測定データの繋ぎ合わせを正確に行うことができる。
【0064】
このような本実施形態によれば、干渉計としての基本構成である測定光学系40Aに、補助光束分割部52であるハーフミラー521、ハーフミラー56A、補助受光部55としての平面受光素子55Aおよびレンズ57Aを追加した構成により、干渉計本体30と基台10との姿勢データを取得することができ、測定光学系40Aと補助光学系50Aとで光源41を共用することができる。
【0065】
〔第3実施形態〕
図12には、本発明の第3実施形態が示されている。
本実施形態の斜入射干渉計1Bは、前述した第2実施形態と同様に、前述した第1実施形態の測定光学系40および補助光学系50を変更したものであり、相違する部分について図12に基づいて説明する。
【0066】
測定光学系40Bは、前述した第2実施形態の測定光学系40Aと同様であり、図2の測定光学系40から測定マスク58が省略され、原光Loと同じ大きさの測定光Lmが通される。
また、本実施形態では、光束分割部42、光束合成部44、受光部45を補助光学系50Aと共用される構成となっていない。
【0067】
補助光学系50Bは、前述した第2実施形態の補助光学系50Aと同様だが、ハーフミラー56Aが省略され、平面受光素子55Bおよびレンズ57Bについては、平面受光素子55Bがレンズ57Bの焦点位置に設置されている。
このような補助光学系50Bでは、ハーフミラー56Aが省略されているため、平面受光素子55Bにおいて干渉縞は現れない。一方で、平面受光素子55Bには補助反射鏡51から戻った光束が焦点を結び、この焦点が結像する位置は干渉計本体30と基台10との姿勢の変換を表すことになる。
従って、第1実施形態と同様に、この姿勢データとともに移動機構20の位置出力を用いれば、走査測定における測定データの繋ぎ合わせを正確に行うことができる。
【0068】
このような本実施形態によれば、干渉計としての基本構成である測定光学系40Bに、補助光束分割部52であるハーフミラー521、補助受光部55としての平面受光素子55Bおよびレンズ57Bを追加した構成により、干渉計本体30と基台10との姿勢データを取得することができ、測定光学系40Bと補助光学系50Bとで光源41を共用することができる。
【0069】
〔変形等〕
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲内の変形は本発明に含まれるものである。
例えば、基台10、移動機構20、干渉計本体30の細部、測定光学系40,40A,40Bの構成および各要素は他の構成であってもよい。
補助光学系50,50A,50Bにおいても、同様な機能が得られる他の構成としてもよく、各々の配置などは適宜選択しうるものである。
【符号の説明】
【0070】
1,1A,1B…斜入射干渉計
10…基台
20…移動機構
21…コラム
22…ビーム
30…干渉計本体
31…ケース
40,40A,40B…測定光学系
41…光源
42…光束分割部
43…照射部
44…光束合成部
45…受光部
46…測定部
50,50A,50B…補助光学系
51…補助反射鏡
52…補助光束分割部
54…補助光束合成部
55…補助受光部
55A,55B…平面受光素子
56A…ハーフミラー
57A,57B…レンズ
58…測定マスク
59…補助マスク
521…ハーフミラー
541…補助ミラー
A…測定範囲
Aa…補助光領域
Am…測定光領域
Lo…原光
Lr…参照光
Lm…測定光
La…補助光
Lam…補助測定光
Lar…補助参照光
Ld…検出光束
S…被測定面
W…被測定物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉可能な原光を発生する光源と、
前記光源からの原光を測定光と参照光とに分割する光束分割部と、
前記測定光を被測定物の被測定面に対して斜めに照射する照射部と、
前記被測定面で反射された前記測定光と前記参照光とを合成する光束合成部と、
前記光束合成部で合成された光束を受光する受光部と、を有する斜入射干渉計において、
前記光源、前記光束分割部、前記照射部、前記光束合成部および前記受光部が設置された干渉計本体と、
前記被測定物を保持する基台と、
前記基台に設置されかつ前記干渉計本体を支持するとともに、前記干渉計本体を前記被測定物に沿って移動可能な移動機構と、
前記基台に固定されかつ前記移動機構による前記干渉計本体の移動軸線の延長上に配置された補助反射鏡と、
前記干渉計本体に設置されかつ前記光源からの前記原光から補助光を分割して前記補助反射鏡に照射する補助光束分割部と、
前記干渉計本体に設置されかつ前記補助反射鏡で反射された前記補助光を受光する補助受光部と、を有することを特徴とする斜入射干渉計。
【請求項2】
請求項1に記載した斜入射干渉計において、
前記補助受光部は、前記補助反射鏡からの前記補助光を集光するレンズと、前記レンズの焦点位置に配置された平面受光素子と、を有することを特徴とする斜入射干渉計。
【請求項3】
請求項1に記載した斜入射干渉計において、
前記補助受光部は、前記干渉計本体に設置されかつ前記補助光束分割部から前記補助反射鏡に至る光路中に配置されたハーフミラーと、前記補助反射鏡からの前記補助光と前記ハーフミラーで反射された光との合成光束を受光する平面受光素子を有することを特徴とする斜入射干渉計。
【請求項4】
請求項1に記載した斜入射干渉計において、
前記補助受光部は、前記補助反射鏡からの補助光と前記光源からの前記原光とを合成して前記光束合成部に送る補助光束合成部と、前記補助光束分割部から前記補助反射鏡を経て前記補助光束合成部を通る前記補助光の光路中に設置されて前記補助光の光束のうち所定の補助光領域の光束のみを透過させる補助マスクと、を有し、
前記光束分割部、前記照射部、前記光束合成部の何れかは、前記測定光の光路中に設置されて前記測定光の光束のうち所定の測定光領域の光束のみを透過させる測定マスクを有し、
前記補助マスクの補助光領域と前記測定マスクの測定光領域とは互いに重ならないように設定されていることを特徴とする斜入射干渉計。
【請求項5】
請求項4に記載した斜入射干渉計において、前記測定光領域は前記光束の内側に配置され、前記補助光領域は前記測定光領域の外側に環状に配置されていることを特徴とする斜入射干渉計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−7662(P2013−7662A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140822(P2011−140822)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】