説明

新規化合物

【課題】過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適している新規化合物及び上記性質を有する薬物を調製するためのそれらの使用を提供する。
【解決手段】
一般式(I)
【化1】


(式中、R2、R3、Q、W、X、Y及びZは請求項1に定義されたとおりである)の化合物(これらは過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適している)、及び上記性質を有する薬物を調製するためのそれらの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式 (1)
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、基R2、R3、Q、W、X、Y及びZは特許請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
の新規インドリノン、これらの異性体、これらのインドリノンの調製方法及び薬物としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
インドリノンは、例えば、受容体チロシンキナーゼ及びサイクリン/CDK-複合体抑制化合物として記載されている(WO02/081445、WO01/27081又はWO2004/026829)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の予防及び/又は治療に使用し得る新規活性物質を発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くことに、一般式(1)の化合物(式中、基R2、R3 、Q、W、X、Y及びZは以下に示される意味を有する)は特定の細胞サイクルキナーゼのインヒビターとして作用することが今わかった。更に、或る種の形態はまた細胞内のシグナル伝達経路で重要な役割を果たすキナーゼを抑制する。こうして、本発明の化合物は、例えば、特定の細胞サイクルキナーゼの活性と関連し、かつ過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に使用し得る。それらはまた相当するシグナル伝達経路の異常な活性化を特徴とする疾患を治療するのに使用し得る。
本発明は一般式(1)の化合物(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、並びに必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)に関する。
【0007】
【化2】

【0008】
式中、
QはC6-10アリール又は5-12 員ヘテロアリール(必要により1個以上の同じ又は異なるR1により置換されていてもよい)を表し、かつ
Wは結合、-O-、-NR6-、-CR6R6を表し、かつ
Xは-O-、-S、-S(O)、-S(O2)、-NR4-、-CR4R4-又は-C(O)-を表し、かつ
Yは-O-、-NR5-、-CR5R5-又は-C(O)-を表し、必要によりR4 は、R5とともに、4-7 員環(必要により1個以上のR8により置換されていてもよい)を形成してもよく、又は炭素原子に結合された置換基R4 とR4、R5 とR5 又はR6 とR6 は一緒になって4-7-員環(これは必要によりN、O及びSから選ばれた1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)を形成してもよく、かつ
Zは-O-、-NR7-又は-CR7R7, を表し、又は
Yは結合を表し、Xは-NR4-を表し、かつZは-NR7−を表し、かつX、Y及びZの中から選ばれた少なくとも一つの置換基がヘテロ原子を表し、かつ
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8 は夫々互いに独立にRa、Rb 及び1個以上の同じ又は異なるRb 及び/又はRcにより置換されたRaの中から選ばれた基を表し、R2 及び/又はR3 は水素ではなく、かつ
夫々のRa は互いに独立に水素を表し、又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれ、
夫々のRb は好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、=NNRcRc、=NN(Rg)C(O)NRcRc、-NRcRc、-ONRcRc、-N(ORc)Rc、-N(Rg)NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Rc、-S(O)ORc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)NRcRc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)SRc、-C(O)NRcRc、-C(O)N(Rg)NRcRc、-C(O)N(Rg)ORc、-C(NRg)NRcRc、-C(NOH)Rc、-C(NOH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)SRc、-OC(O)NRcRc、-OC(NRg)NRcRc、-SC(O)Rc、-SC(O)ORc、-SC(O)NRcRc、-SC(NRg)NRcRc、-N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]2、-N(ORg)C(O)Rc、-N(Rg)C(NRg)Rc、-N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]NRcRc、-N(Rg)C(S)Rc、-N(Rg)S(O)Rc、-N(Rg)S(O)ORc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N[S(O)2Rc]2、-N(Rg)S(O)2ORc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[S(O)2]2Rc、-N(Rg)C(O)ORc、-N(Rg)C(O)SRc、-N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(O)NRgNRcRc、-N(Rg)N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(S)NRcRc、-[N(Rg)C(O)]2Rc、-N(Rg)[C(O)]2Rc、-N{[C(O)]2Rc}2、-N(Rg)[C(O)]2ORc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N{[C(O)]2ORc}2、-N{[C(O)]2NRcRc}2、-[N(Rg)C(O)]2ORc、-N(Rg)C(NRg)ORc、-N(Rg)C(NOH)Rc、-N(Rg)C(NRg)SRc 及び-N(Rg)C(NRg)NRcRcの中から選ばれ、
【0009】
夫々のRcは互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRd 及び/又はReにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRdは好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRe、=NRe、=NORe、=NNReRe、=NN(Rg)C(O)NReRe、-NReRe、-ONReRe、-N(Rg)NReRe、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Re、-S(O)ORe、-S(O)2Re、-S(O)2ORe、-S(O)NReRe、-S(O)2NReRe、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)2ORe、-OS(O)NReRe、-OS(O)2NReRe、-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)SRe、-C(O)NReRe、-C(O)N(Rg)NReRe、-C(O)N(Rg)ORe、-C(NRg)NReRe、-C(NOH)Re、-C(NOH)NReRe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)SRe、-OC(O)NReRe、-OC(NRg)NReRe、-SC(O)Re、-SC(O)ORe、-SC(O)NReRe、-SC(NRg)NReRe、-N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]2、-N(ORg)C(O)Re、-N(Rg)C(NRg)Re、-N(Rg)N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]NReRe、-N(Rg)C(S)Re、-N(Rg)S(O)Re、-N(Rg)S(O)ORe、-N(Rg)S(O)2Re、-N[S(O)2Re]2、-N(Rg)S(O)2ORe、-N(Rg)S(O)2NReRe、-N(Rg)[S(O)2]2Re、-N(Rg)C(O)ORe、-N(Rg)C(O)SRe、-N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(O)NRgNReRe、-N(Rg)N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(S)NReRe、-[N(Rg)C(O)]2Re、-N(Rg)[C(O)]2Re、-N{[C(O)]2Re}2、-N(Rg)[C(O)]2ORe、-N(Rg)[C(O)]2NReRe、-N{[C(O)]2ORe}2、-N{[C(O)]2NReRe}2、-[N(Rg)C(O)]2ORe、-N(Rg)C(NRg)ORe、-N(Rg)C(NOH)Re、-N(Rg)C(NRg)SRe及び-N(Rg)C(NRg)NReReの中から選ばれ、
【0010】
夫々のRe は互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRf 及び/又はRgにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRf は好適な基であり、かつ夫々が独立にハロゲン及び-CF3の中から選ばれ、かつ
夫々のRg は互いに独立に水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキル、5-12 員ヘテロアリール又は6-18 員ヘテロアリールアルキルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一局面において、本発明はZが-NR7-を表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR7が水素又はC1-6アルキルを表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はQがフェニルを表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はXが-NR4-を表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR4 が水素を表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はYが-CR5R5-を表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR5 が夫々の場合に水素を表す、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は医薬組成物としての一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は抗増殖活性又はシグナル伝達抑制活性を有する医薬組成物を調製するための一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて活性物質として一般式(1)の一種以上の化合物又はその生理学上許される塩を含む、医薬製剤に関する。
別の局面において、本発明は癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための一般式(1)の化合物の使用に関する。
別の局面において、本発明は一般式(1)の化合物及び式(1)とは異なる、少なくとも一種の更に別の細胞増殖抑制性又は細胞傷害性の活性物質(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、そして必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)を含む医薬製剤に関する。
【0012】
定義
本明細書に使用されるように、特にことわらない限り、以下の定義が適用される。
アルキルはサブグループ飽和炭化水素鎖及び不飽和炭化水素鎖から構成されるが、後者は二重結合を有する炭化水素鎖(アルケニル)及び三重結合を有する炭化水素鎖(アルキニル)に更に細分されてもよい。アルケニルは少なくとも一つの二重結合を含み、アルキニルは少なくとも一つの三重結合を含む。炭化水素鎖が少なくとも一つの二重結合及び少なくとも一つの三重結合の両方を有するべきである場合、定義によればそれはアルキニルサブグループに属する。全ての上記サブグループは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。アルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。
個々のサブグループの例が以下にリストされる。
直鎖(非分岐)又は分岐、飽和炭化水素鎖:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル(1-メチルエチル)、n-ブチル、1-メチルプロピル、イソブチル(2-メチルプロピル)、sec.-ブチル(1-メチルプロピル)、tert.-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、n-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、イソペンチル(3-メチルブチル)、ネオペンチル(2,2-ジメチル-プロピル)、n-ヘキシル、2,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-メチル-ペンチル、3-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2,2,3-トリメチルブチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等。
【0013】
直鎖(非分岐)又は分岐アルケニル
ビニル(エテニル)、プロプ-1-エンイル(prop-1-enyl)、アリル(プロプ-2-エンイル)、イソプロペニル、ブト-1-エンイル(but-1-enyl)、ブト-2-エンイル、ブト-3-エンイル、2-メチル-プロプ-2-エンイル、2-メチル-プロプ-1-エンイル、1-メチル-プロプ-2-エンイル、1-メチル-プロプ-1-エンイル、1-メチリデンプロピル、ペント-1-エンイル(pent-1-enyl)、ペント-2-エンイル、ペント-3-エンイル、ペント-4-エンイル、3-メチル-ブト-3-エンイル、3-メチル-ブト-2-エンイル、3-メチル-ブト-1-エンイル、ヘキサ-1-エンイル(hex-1-enyl)、ヘキサ-2-エンイル、ヘキサ-3-エンイル、ヘキサ-4-エンイル、ヘキサ-5-エンイル、2,3-ジメチル-ブト-3-エンイル、2,3-ジメチル-ブト-2-エンイル、2-メチリデン-3-メチルブチル、2,3-ジメチル-ブト-1-エンイル、ヘキサ-1,3-ジエンイル、ヘキサ-1,4-ジエンイル、ペンタ-1,4-ジエンイル、ペンタ-1,3-ジエンイル、ブタ-1,3-ジエンイル(buta-1,3-dienyl)、2,3-ジメチルブタ-1,3-ジエン等。
【0014】
直鎖(非分岐)又は分岐アルキニル
エチニル、プロプ-1-インイル(prop-1-ynyl)、プロプ-2-インイル、ブト-1-インイル(but-1-ynyl)、ブト-2-インイル、ブト-3-インイル、1-メチル-プロプ-2-インイル等。
用語プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子を有する飽和炭化水素基(全ての異性体形態を含む)を意味する。
用語プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び二重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態、また適用可能な場合には、(Z)/(E)-異性体を含む)を意味する。
用語ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び二つの二重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態、また適用可能な場合には、(Z)/(E)-異性体を含む)を意味する。
用語プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び三重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態を含む)を意味する。
ヘテロアルキルという用語はその最も広い意味で先に定義されたアルキルから、炭化水素鎖中で、1個以上の基-CH3を互いに独立に基-OH、-SH又は-NH2により置換し、1個以上の基-CH2-を互いに独立に基-O-、-S-又は-NH-により置換し、1個以上の基
【0015】
【化3】

【0016】
を基
【0017】
【化4】

【0018】
により置換し、1個以上の基=CH-を基=N-により置換し、1個以上の基=CH2を基=NHにより置換し、又は1個以上の基≡CHを基≡Nにより置換することにより誘導される基を意味し、合計で3個以下のヘテロ原子が1個のヘテロアルキル中に存在してもよいが、2個の酸素原子の間また2個の硫黄原子の間又は1個の酸素原子と1個の硫黄原子の間に少なくとも1個の炭素原子がある必要があり、全体としての基が化学安定性を有する必要がある。
アルキルからの間接的な定義/誘導体化の直接の結果はヘテロアルキルがサブグループ1個以上のヘテロ原子を有する飽和炭化水素鎖、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニルから構成されることであり、それは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。ヘテロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び/又は炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。置換基としてのヘテロアルキルそれ自体は炭素原子及びヘテロ原子の両方を介して分子に結合されてもよい。
下記の基が例としてリストされる:
ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル(1-ジメチルアミノエチル、2-ジメチルアミノエチル)、ジメチルアミノプロピル(1-ジメチルアミノプロピル、2-ジメチルアミノプロピル、3-ジメチルアミノプロピル)、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル(1-ジエチルアミノエチル、2-ジエチルアミノエチル)、ジエチルアミノプロピル(1-ジエチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノプロピル、3-ジエチルアミノプロピル)、ジイソプロピルアミノエチル(1-ジイソプロピルアミノエチル、2-ジイソプロピルアミノエチル)、ビス-2-メトキシエチルアミノ、[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-メチル、3-[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-プロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシメチル、2-メトキシエチル等。
【0019】
ハロゲンはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及び/又はヨウ素原子を含む。
ハロアルキルはその最も広い意味で先に定義されたアルキルから、炭化水素鎖の1個以上の水素原子を互いに独立にハロゲン原子(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)により置換することにより誘導される。アルキルからの間接的な定義/誘導体化の直接の結果はハロアルキルがサブグループ飽和水素ハロゲン鎖、ハロアルケニル及びハロアルキニルから構成されることであり、それは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。ハロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。
典型例として、例えば、
-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、−CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-CI=CH2、-C≡C-CF3、-CHFCH2CH3、及び-CHFCH2CF3が挙げられる。
シクロアルキルはサブグループ単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環から構成され、夫々のサブグループは飽和及び不飽和(シクロアルケニル)に更に細分されてもよい。不飽和は環系中に少なくとも一つの二重結合があることを意味するが、芳香族系が形成されない。二環式炭化水素環中で、二つの環はそれらが少なくとも二つの炭素原子を共有するように結合される。スピロ炭化水素環中で、1個の炭素原子(スピロ原子)が二つの環により共有される。シクロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。置換基としてのシクロアルキルそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して分子に結合されてもよい。
【0020】
下記の個々のサブグループが例としてリストされる。
単環式飽和炭化水素環:
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等。
単環式不飽和炭化水素環:
シクロプロプ-1-エンイル、シクロプロプ-2-エンイル、シクロブト-1-エンイル、シクロブト-2-エンイル、シクロペント-1-エンイル、シクロペント-2-エンイル、シクロペント-3-エンイル、シクロヘキサ-1-エンイル、シクロヘキサ-2-エンイル、シクロヘキサ-3-エンイル、シクロヘプト-1-エンイル、シクロヘプト-2-エンイル、シクロヘプト-3-エンイル、シクロヘプト-4-エンイル、シクロブタ-1,3-ジエンイル、シクロペンタ-1,4-ジエンイル、シクロペンタ-1,3-ジエンイル、シクロペンタ-2,4-ジエンイル、シクロヘキサ-1,3-ジエンイル、シクロヘキサ-1,5-ジエンイル、シクロヘキサ-2,4-ジエンイル、シクロヘキサ-1,4-ジエンイル、シクロヘキサ-2,5-ジエンイル等。
飽和及び不飽和二環式炭化水素環:
ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル(オクタヒドロインデニル)、ビシクロ[4.4.0]デシル(デカヒドロナフタレン)、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエンイル(ノルボルナ-2,5-ジエンイル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンイル(ノルボルネニル)、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル(ノルカラニル)、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル(ピナニル)等。
飽和及び不飽和スピロ炭化水素環:
スピロ[2.5]オクチル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[4.5]デカ-2-エン等。
【0021】
シクロアルキルアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びシクロアルキル基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にシクロアルキル基により置換される。両方の基中のアルキル及びシクロアルキルの結合はあらゆる好適な炭素原子により行なわれてもよい。アルキル及びシクロアルキルのサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
アリールは少なくとも一つの芳香族環を含む単環式炭素環、二環式炭素環又は三環式炭素環を表す。アリールが置換されている場合、その置換は夫々の場合に、全ての水素を有する炭素原子の位置で、互いに独立に一置換又は多置換であってもよい。アリールそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して置換基として分子に結合されてもよい。
典型例として、フェニル、ナフチル、インダニル(2,3-ジヒドロインデニル)、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及びフルオレニルが挙げられる。
アリールアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びアリール基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にアリール基により置換される。アルキル及びアリールは両方の基中でこの目的に適したあらゆる炭素原子を介して結合されてもよい。アルキル及びアリールの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
典型例として、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、フェニルビニル、フェニルアリル等が挙げられる。
【0022】
ヘテロアリールは単環式芳香族環又は少なくとも一つの芳香族環を含む多環式環を表し、これらは、相当するアリール又はシクロアルキルと比較して、1個以上の炭素原子に代えて互いに独立に窒素、硫黄及び酸素の中から選ばれた、1個以上の同じ又は異なるヘテロ原子を含むが、得られる基は化学的に安定である必要がある。ヘテロアリールが置換されている場合、その置換は夫々の場合に、全ての水素を有する炭素原子及び/又は窒素原子の位置で、互いに独立に一置換又は多置換であってもよい。置換基としてのヘテロアリールそれ自体は環系のあらゆる好適な位置(炭素及び窒素の両方)を介して分子に結合されてもよい。
典型例が以下にリストされる。
単環式ヘテロアリール:
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピリジル-N-オキサイド、ピロリル-N-オキサイド、ピリミジニル-N-オキサイド、ピリダジニル-N-オキサイド、ピラジニル-N-オキサイド、イミダゾリル-N-オキサイド、イソオキサゾリル-N-オキサイド、オキサゾリル-N-オキサイド、チアゾリル-N-オキサイド、オキサジアゾリル-N-オキサイド、チアジアゾリル-N-オキサイド、トリアゾリル-N-オキサイド、テトラゾリル-N-オキサイド等。
【0023】
多環式ヘテロアリール:
インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフリル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジル、ベンゾテトラヒドロフリル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソオキサジニル、ベンゾイソオキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、キノリニル-N-オキサイド、インドリル-N-オキサイド、インドリニル-N-オキサイド、イソキノリル-N-オキサイド、キナゾリニル-N-オキサイド、キノキサリニル-N-オキサイド、フタラジニル-N-オキサイド、インドリジニル-N-オキサイド、インダゾリル-N-オキサイド、ベンゾチアゾリル-N-オキサイド、ベンゾイミダゾリル-N-オキサイド、ベンゾチオピラニル-S-オキサイド及びベンゾチオピラニル-S,S-ジオキサイド等。
【0024】
ヘテロアリールアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びヘテロアリール基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にヘテロアリール基により置換される。アルキル及びヘテロアリールの結合はこの目的に適したあらゆる炭素原子を介してアルキル側で、またこの目的に適したあらゆる炭素原子又は窒素原子によりヘテロアリール側で達成されてもよい。アルキル及びヘテロアリールの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
ヘテロシクロアルキルという用語は炭化水素環中で1個以上の基-CH2-が互いに独立に基-O-、-S-もしくは-NH-により置換され、又は1個以上の基=CH-が基=N-により置換される場合に先に定義されたシクロアルキルから誘導される基を意味し、合計で5個以下のヘテロ原子が存在してもよく、2個の酸素原子の間また2個の硫黄原子の間又は1個の酸素原子と1個の硫黄原子の間に少なくとも1個の炭素原子がある必要があり、また全体としての基が化学的に安定である必要がある。ヘテロ原子は全ての可能な酸化段階で同時に存在してもよい(硫黄→スルホキシド-SO-、スルホン-SO2-;窒素→N-オキサイド)。ヘテロシクロアルキルはサブグループ単環式ヘテロ環、二環式ヘテロ環及びスピロヘテロ環から構成されることがシクロアルキルからの間接的定義/誘導体化から直ちに明らかであり、夫々のサブグループはまた飽和及び不飽和(ヘテロシクロアルケニル)に更に細分し得る。不飽和という用語は当該環系中に少なくとも一つの二重結合があることを意味するが、芳香族系は形成されない。二環式ヘテロ環では、二つの環はそれらが共有して少なくとも2個の原子を有するように結合される。スピロヘテロ環では、1個の炭素原子(スピロ原子)が二つの環により共有される。ヘテロシクロアルキルが置換されている場合、置換は全ての水素を有する炭素原子及び/窒素原子の位置で、互いに独立に、夫々の場合に一置換又は多置換であってもよい。置換基としてのヘテロシクロアルキルそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して分子に結合されてもよい。
【0025】
個々のサブグループの典型例が以下にリストされる。
単環式ヘテロ環(飽和及び不飽和):
テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、1,4-ジオキサニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル-S-オキサイド、チオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、[1,4]-オキサゼパニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキサイド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキサイド、ホモチオモルホリニル-S-オキサイド、2,3-ジヒドロアゼト、2H-ピロリル、4H-ピラニル、1,4-ジヒドロピリジニル等。
【0026】
二環式ヘテロ環(飽和及び不飽和):
8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、8-アザビシクロ[5.1.0]オクチル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3.8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、2.5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクチル、3.8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3.9-ジアザ-ビシクロ[4.2.1]ノニル、2.6-ジアザ-ビシクロ[3.2.2]ノニル、ヘキサヒドロ-フロ[3,2-b]フリル等。
スピロヘテロ環(飽和及び不飽和):
1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デシル、1-オキサ-3.8-ジアザ-スピロ[4.5]デシル、及び2,6-ジアザ-スピロ[3.3]ヘプチル、2,7-ジアザ-スピロ[4.4]ノニル、2,6-ジアザ-スピロ[3.4]オクチル、3,9-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデシル、2,8-ジアザ-スピロ[4.5]デシル等。
ヘテロシクロアルキルアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びヘテロシクロアルキル基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にヘテロシクロアルキル基により置換される。アルキル及びヘテロシクロアルキルの結合はこの目的に適したあらゆる炭素原子を介してアルキル側で、またこの目的に適したあらゆる炭素原子又は窒素原子によりヘテロシクロアルキル側で達成されてもよい。アルキル及びヘテロシクロアルキルの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
【0027】
“好適な置換基”という用語は一方ではその原子価のために好適であり、他方では化学的に安定である系をもたらす置換基を意味する。
“プロドラッグ”は前駆体代謝産物の形態の活性物質を意味する。区別が部分的にマルチ-パートのキャリヤー-プロドラッグ系と生物変換系の間でなされるかもしれない。後者は化学的又は生物学的代謝を必要とする形態の活性物質を含む。当業者はこの種のプロドラッグ系を良く知っているであろう(Sloan, Kenneth B.; Wasdo, Scott C. “浸透増進におけるプロドラッグの役割 経皮浸透増進剤”(第二編) (2006), 51-64; Lloyd, Andrew W. “プロドラッグ 薬物デザイン及び作用の原理についてのSmith 及びWilliamsの序論”(第四編) (2006), 211-232; Neervannan, Seshadri.“薬物誘導最適化中の溶解性及び溶解速度に影響するための戦略:塩選択及びプロドラッグデザインアプローチ” American Pharmaceutical Review (2004), 7(5), 108.110-113)。好適なプロドラッグは、例えば、酵素開裂可能なリンカー(例えば、カルバメート、ホスフェート、N-グリコシド)又はジスルフィド基を介して溶解改良物質(例えば、テトラエチレングリコール、サッカリド、アミノ酸)に結合されている一般式の物質を含む。キャリヤー-プロドラッグ系は最も簡単な可能な制御し得るメカニズムにより開裂し得るマスキング基に結合された、活性物質そのものを含む。本発明の化合物における本発明のマスキング基の機能は細胞摂取を改良するために電荷を中和することである。本発明の化合物がマスキング基とともに使用される場合、これらはまた更にその他の薬理学的パラメーター、例えば、経口生物利用能、組織分布、薬物速度論及び非特異性ホスファターゼに対する安定性に影響し得る。活性物質の遅延放出はまた持続放出作用にかかわり得る。加えて、改質された代謝が生じ、こうして活性物質の一層高い有効性又は器官特異性をもたらし得る。プロドラッグ製剤化の場合、マスキング基又はマスキング基を活性物質に結合するリンカーはプロドラッグが血液血清に溶解されるのに充分に親水性であり、活性部位に到達するのに充分な化学安定性及び酵素安定性を有し、そしてまたそれが拡散制御された膜輸送に適することを確実にするのに充分に親水性であるように選ばれる。更に、それは妥当な期間内の活性物質の化学的又は酵素的に誘導される放出を可能にすべきであり、そして言うまでもなく、放出される補助成分は無毒性であるべきである。しかしながら、本発明の範囲内で、マスク又はリンカーを有しない化合物、及びマスクは、最初に酵素プロセス及び生化学的プロセスにより摂取された化合物から細胞中で調製されるべきであるプロドラッグと見なされるかもしれない。
【実施例】
【0028】
6-ニトロインドリノンの調製
【0029】
【化5】

【0030】
方法 A - tert. ブチル 2-クロロ-4-ニトロベンゼンカルボキシレート (A1)
2-クロロ-5-ニトロ安息香酸 (22 g, 109.1 ミリモル) 及びDMF (500 μL) をトルエン(50mL)/塩化チオニル(8.5 mL) 中で撹拌しながら1.5時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣を無水THF (200 mL)に吸収させる。カリウム-tert.-ブトキシド (12.5 g, 111.4 ミリモル) を0℃で添加し、次いで冷却を止め、その混合物を30分間撹拌する。溶媒を蒸留して除き、残渣を水とEtOAcの間に分ける。有機相を水及び0.1 N NaOHで洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収率: 24 g (85 %)
方法 B - ジメチル 2-(2-カルボキシ-4-ニトロフェニル)マロネート (A2)
カリウム-tert.-ブトキシド (50 g, 446 ミリモル) を20℃で無水DMSO(300mL)に溶解し、この温度でジメチルマロネート (67 mL, 586 ミリモル) を添加し、その混合物を20分間撹拌する。A1 (45.7 g, 177 ミリモル) を添加し、その混合物を100℃で30分間撹拌する。それを水(800 mL)に注ぎ、濃HCl (30 mL) で酸性にし、CH2Cl2で徹底的に抽出する。有機相を水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣を72℃でギ酸(300 mL) 中で1.5時間撹拌する。その混合物を蒸発させ、残渣をEtOAcに吸収させ、NaCl溶液で洗浄し、希薄なNaHCO3 溶液で徹底的に抽出する。合わせた水相を濃HClで酸性にし、CH2Cl2で徹底的に抽出する。合わせた有機相を水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 38.4 g (73 %)
【0031】
方法 C - ジメチル 6-ニトロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロインドール-3,3-ジカルボキシレート (A3)
トリエチルアミン(9.4 mL, 67.8 ミリモル) を無水THF (40 mL) 中のA2 (20 g, 67.3 ミリモル) 及びDPPA (14.5 mL, 67.4 ミリモル) に添加し、その混合物を沸騰温度で1.25時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をCH2Cl2 に吸収させ、1 N HClで洗浄する。有機相をエーテルと合わせ、沈殿を濾過する。収量: 9.89 g (50 %)
方法 D - 6-ニトロ-1,3-ジヒドロインドール-2-オン (A4)
A3 (5.30 g, 10 ミリモル) を80℃でMeOH (10 mL)/2 N NaOH (10 mL) 中で30分間撹拌する。その反応混合物を1 N HClで酸性にし、沈殿を濾過し、酢酸(10 mL) 中で沸騰温度で1時間撹拌する。その混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過により単離し、水で蒸解する。収量: 2.18 g (68 %)
基本未置換インドリノン構造の合成
【0032】
【化6】

【0033】
方法 E - 3-(ビスメチルスルファニルメチレン)-6-ニトロ-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン (A5)
K2CO3 (3.88 g, 28.07 ミリモル) を15℃の無水DMF(30mL)中のA4 (1 g, 5.61 ミリモル) 及びCS2 (375 μL) に添加し、1時間撹拌する。無水DMF(5mL)中のヨウ化メチル (775 μL) を添加し、その混合物を室温で6時間撹拌する。その反応混合物を水(150 mL)中で撹拌し、沈殿を吸引濾過し、繰り返し水洗し、MeCNで1回蒸解する。収量: 1.17 g (74 %)
方法 F - 環式ビニル含有(vinylogous)アミド/類似化合物(A6)
A5 (350 mg, 1.24 ミリモル) 及び2-アミノベンジルアミンをマイクロウェーブ中で150℃でn-ブタノール中で15分間撹拌する。生成された沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させる。収量: 300 mg (78 %)
【0034】
【化7】

【0035】
【化8】

【0036】
【化9】

【0037】
方法Eと同様にして、5-メトキシカルボニル-1,3-ジヒドロインドール-2-オンから出発して、相当する化合物3-(ビスメチルスルファニルメチレン)-5-メトキシカルボニル-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン (A13) を得、これを方法Fと同様にして反応させて相当する環式ビニル含有アミドを生成する。
【0038】
【化10】

【0039】
アニリン成分の調製
【0040】
【化11】

【0041】
方法 G - 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロベンゾニトリル (A17)
2-フルオロ-5-ニトロベンゾニトリル (6.60 g, 39.7 ミリモル)、N-メチルピペラジン (10.62 mL)及びトリエチルアミン (16.5 mL) を2-プロパノール (50 mL) 中で室温で16時間そして還流温度で3時間撹拌する。生成物を濾過により得、水、2-プロパノール及びエーテルで蒸解し、乾燥させる。収量: 8.90 g (91 %)
【0042】
【化12】

【0043】
方法 H -ニトロ基の還元 (A20)
A17 (500 mg, 2.03 ミリモル)、4-メチル-1-シクロヘキセン (1.22 mL) 及びPd/C (100 mg) をマイクロウェーブ中でTHF (5 mL)/MeOH (5 mL) 中で80℃で25分間撹拌する。触媒を濾別し、濾液を蒸発させる。収量: 420 mg (96 %)
【0044】
【化13】

【0045】
方法 I -ベンジルアミンを生成するための還元
A20 (420 mg, 1.94 ミリモル) 及びラネーニッケル (100 mg) をメタノール性アンモニア(2 モル/L, 60 mL) 中で3バールの水素圧力で室温で水素化する。触媒を濾別し、濾液を蒸発させる。収量: 343 mg (80 %)
【0046】
【化14】

【0047】
方法 J - 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロベンズアルデヒド(A26)
2-フルオロ-5-ニトロベンズアルデヒド (2.50 g, 15 ミリモル)、N-メチルピペラジン (1.8 mL) 及び炭酸カリウム (3.10 g, 22 ミリモル) を無水DMSO (20 mL) 中で70℃で2時間撹拌する。その反応混合物を水と混合し、生成物を濾過により得、水で蒸解し、乾燥させる。収率: 3.41 g (93 %)
【0048】
【化15】

【0049】
【化16】

【0050】
方法 K - 還元アミン化(A30)
A26 (1.50 g, 6.02 ミリモル)及びメチルアミン (水中70 %, 0.8 mL) をメタノール中で室温で15分間撹拌する。NaBH4 (175 mL 4.63 ミリモル) を添加し、その混合物を室温で15分間撹拌する。その反応混合物を更に処理しないで次の工程で使用する。
方法 L -ニトロ基の還元 (A31)
A30 からの生成物をMeOH (5 mL)/DCM (20 mL) 中で2.5時間にわたって室温で5バールの水素圧力でパラジウム/活性炭(100mg) とともに撹拌する。触媒を濾別し、濾液を蒸発させる。残渣をDCMに溶解し、水及び希薄な炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 1.01 g (72 %).
【0051】
【化17】

【0052】
【化18】

【0053】
【化19】

【0054】
方法 M - 2-アミノ-5-ホルミルベンゾニトリル (A44)
THF (7.5 mL) 中の2-フルオロ-5-ホルミルベンゾニトリル (500 mg, 3.53 ミリモル) 及び濃アンモニア水溶液(2.6 mL) をマイクロウェーブ中で100℃で900秒撹拌する。その反応溶液を蒸発させ、残渣を1 N HClと合わせ、沈殿を濾過し、中性になるまで水洗し、真空で乾燥させる。収量: 390 mg (80 %)
方法 N - 還元アミン化(A45)
NaBH(OAc)3 (2.32 g 10.9 ミリモル) 及び氷酢酸(0.31 mL) を無水CH2Cl2 (20 mL)中のA44 (800 mg, 5.47 ミリモル) 及びピロリジン(2.26 mL, 27.4 ミリモル) に添加し、室温で2時間撹拌する。濃K2CO3 溶液を添加し、有機相を1 N HClで徹底的に抽出する。合わせた水相をK2CO3 で塩基性にし、EtOAcで徹底的に抽出する。合わせた有機相をNaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 935 mg (85 %).
方法 O -ベンジルアミン (A46) を生成するための還元
無水THF (10 mL)中のA45 (878 mg, 4.36 ミリモル) を0℃で30分以内にLiAlH4 (THF中1M, 12 mL) の溶液に添加し、室温で16時間撹拌する。THF (1 mL) 中の水(1 mL) を0℃でその混合物に添加し、それをTHF (20 mL) 及び1N NaOH (25 mL)で希釈する。有機相を分離し、水相をTHFで徹底的に抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 676 mg (75 %).
【0055】
【化20】

【0056】
方法 R - tert.-ブチルエステルの開裂(A47)
Tert.-ブチル 3-ホルミル-4-ニトロベンゾエート(2 g, 7.96 ミリモル) を55℃で3時間そして室温で12時間にわたってジオキサン(20mL)中の4 N HCl 中で撹拌する。その反応混合物を蒸発させる。収量: 1.59 g (88 %)
方法 S - アミド生成(A48 及びA49)
無水トルエン(30mL)中のA47 (1.59 g, 7.01 ミリモル) を塩化チオニル(350 μL) 及びDMF (100 μL) と合わせ、沸騰温度で2時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣を無水THF (10 mL)に吸収させる。THF (7.7 mL)中の2 M Me2NH を0℃で添加し、室温で1時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をEtOAc と1 N HClの間に分ける。有機相を飽和K2CO3 溶液及びNaCl 溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 930 mg (54 %)
【0057】
【化21】

【0058】
そのニトロ基のその後の還元とともに還元アミン化を方法 K及び方法 Lに従って行なう。
【0059】
【化22】

【0060】
ベンジルアミンへの還元を方法 Oに従って行なう。
【0061】
【化23】

【0062】
【化24】

【0063】
方法 P - 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸(A52)
メチル 5-クロロ-2-ニトロ安息香酸(1 g, 4.50 ミリモル) 及びN-メチルピペラジン (3 mL, 27ミリモル) をマイクロウェーブ中で150℃で30分間撹拌する。その反応混合物を水(50 mL)中で撹拌し、そのpHをNH4Clで5に調節し、その混合物をEtOAcで洗浄する。水相を凍結乾燥し、残渣をTHF (200 mL) とともに撹拌し、濾過する。濾液を蒸発させ、残渣をMeCNで蒸解する。収量: 434 mg (36 %).
方法 Q -ベンジルアルコール(A53)を生成するための還元
LiAlH4 (248 mg, 38ミリモル) を0℃で無水エーテル (20 mL) 中のA52 (434 mg, 1.64 ミリモル) に添加し、室温で48時間撹拌する。EtOAc (10 mL) を添加し、その混合物を室温で1時間撹拌する。沈殿を濾過し、THFで抽出し、合わせた濾液を蒸発させる。収量: 257 mg (71 %).
置換インドリノンの合成
【0064】
【化25】

【0065】
イソプロパノールを溶媒として使用して、環式ビニル含有アミドを方法 Fに従って調製する。
【0066】
【化26】



【0067】
【化27】

【0068】
【化28】

【0069】
【化29】

【0070】
塩化スルホニルとの反応(A80)
A79 (469 mg, 1.5 ミリモル) をTHF (50 mL) に溶解し、トリエチルアミン (650μL, 4.5 ミリモル) 及びメチルスルホニルクロリド(350 μL, 4.5 ミリモル) と合わせ、50℃で3日間撹拌する。溶媒の排除後に、粗生成物をメタノールに吸収させ、分取HPLC-MSにより精製する。
収量: 162 mg (27 %)
【0071】
【化30】

【0072】
方法 T - boc 保護基の開裂 (A82)
A81 (886 mg, 1.62 ミリモル) を周囲温度で1時間にわたってCH2Cl2 (10 mL)/TFA (2.55 mL) 中で撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 で希釈し、K2CO3で中和する。その混合物を水で希釈し、EtOAcで徹底的に抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 700 mg (97 %)
方法 U - 還元アミン化(A83)
CH2Cl2 (25 mL)/MeOH (5 mL)中のA82 (723 mg, 1.62 ミリモル) 及び水中37%のホルムアルデヒド (5 mL) を室温で1時間撹拌する。NaBH(OAc)3 (1.06 g, 5.02 ミリモル) を0℃で回分添加し、次いでその混合物を室温で3時間撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 と飽和K2CO3 溶液の間に分け、有機相を飽和K2CO3 溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 750 mg (定量的)
【0073】
【化31】

【0074】
アニリンを生成するためのニトロ基の還元を方法 Lの下に明記された一般処理方法を使用して行なう。
方法 W - アミド生成のための一般処理方法
トリエチルアミン (3当量) 及びTBTU (1.2当量) を無水DMSO (10 - 20 μL/mg アミノ化合物) 中のカルボン酸(1当量)の溶液に添加し、室温で5分間振とうする。アミノ化合物を添加し、その混合物を室温で30分間振とうする。その反応溶液を濾過し、分取HPLCにより精製する。
アニリン成分:
方法G、H及びIと同様にして、下記の成分を調製する。シアノ基の還元を方法Iに記載されたラネーニッケルそしてまたボラン/THF 錯体により両方で行なってもよい。
【0075】
【化32】

【0076】
A88 (340 mg) をTHF 50mLに溶解し、ボラン/THF 錯体(4.3 mL, 1ミリモル/mL)と混合する。この反応混合物を16時間還流する。その反応溶液をメタノールと合わせ、溶媒を真空で除く。粗混合物を分取HPLCにより精製する。
【0077】
【化33】

【0078】
下記の成分を方法J、K及びIと同様にして調製する。Ry' がHを表さない成分につき、5-クロロ-2-ニトロ-アセトフェノンを出発物質として使用する。
【0079】
【化34】

【0080】
【化35】

【0081】
下記の成分を方法M、N及びOと同様にして調製する。
【0082】
【化36】

【0083】
【化37】

【0084】
方法 Z
A100 (1 g) をエタノール25 mL に溶解し、ホウ水素化ナトリウム(166mg)と合わせる。この反応混合物を20℃で16時間撹拌する。次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液25mLをその反応溶液に添加し、それを1時間撹拌し、有機成分を真空で除く。水相をジエチルエーテルで抽出し、有機相を乾燥させ、溶媒を真空で除く。
下記の成分を方法J、Z及びIと同様にして調製する。Ry' がHである成分につき、5-フルオロ-2-ニトロ-ベンズアルデヒドを出発物質として使用する。
【0085】
【化38】

【0086】
【化39】

【0087】
方法 AA
A105 (500 mg)、1-メチル-(4-メチルアミノ)ピペリジン(440 μL) 及びヒューニッヒ塩基(600 μL) をブタノール1.5mL中で懸濁させ、バイオテージマイクロウェーブ中で150℃で1時間撹拌する。その反応混合物を水及びDCMと合わせ、有機相を分離し、乾燥させる。
下記の成分を方法AA、Y及びIと同様にして調製する。
【0088】
【化40】

【0089】
【化41】

【0090】
方法 AB: A119
NaOMe (0.185g) を15℃で無水DMSO (10 mL) 中のA118 (0.3 g) 及びCS2 (111 μL) に添加し、その混合物を1時間撹拌する。臭化エチル (106 μL) を添加し、その混合物を室温で14時間撹拌する。その反応混合物を飽和NH4Cl 溶液(20mL) 中で撹拌し、CH2Cl2で抽出する。有機相を飽和NaCl 溶液(20 mL)で洗浄し、乾燥させ、回転蒸発により濃縮する。
方法 AC: A120
2-アミノベンジルアルコール (98.13 mg) をイソプロパノール1mL中のA119 (0.21 g) に添加し、その混合物を100℃で4時間撹拌する。その反応混合物を水(20 mL) 中で撹拌し、CH2Cl2で抽出する。有機相を飽和NaCl溶液(20 mL)で洗浄し、乾燥させ、真空で溶媒を除く。
下記の生成物を方法AB及びACと同様にして相当する置換インドリノン及び好適に配置された2-アミノベンジル-アルコール (例えば、方法 P/Q, J/Z/I と同様にして、又は当業者に知られているその他の一般方法に従って調製された)から得る。
【0091】
【化42】

【0092】
【化43】

【0093】
下記の成分を方法G、Y及びLと同様にして調製する。
【0094】
【化44】

【0095】
【化45】

【0096】
A137を方法Yと同様にして反応させてA138を生成する。
実施例1 - 51
【0097】
【化46】

【0098】
【化47】

【0099】
【化48】

【0100】
【化49】

【0101】
【化50】

【0102】
【化51】

【0103】
【化52】

【0104】
【化53】

【0105】
実施例52-54
【0106】
【化54】

【0107】
【化55】

【0108】
【化56】

【0109】
方法X−エステルのケン化のための一般処理方法
メタノール(20-50μL/mg エステル)中のエステルの懸濁液を6当量の1N NaOHと合わせ、50℃で5-24時間撹拌する。冷却後、その反応混合物を1N HCLに添加し、生成された沈殿を濾過し、洗浄し、乾燥させる。
実施例55-218
【0110】
【化57】

【0111】
【化58】

【0112】
【化59】

【0113】
【化60】

【0114】
【化61】

【0115】
【化62】

【0116】
【化63】

【0117】
【化64】

【0118】
【化65】

【0119】
【化66】

【0120】
【化67】

【0121】
【化68】

【0122】
【化69】

【0123】
【化70】

【0124】
【化71】

【0125】
【化72】

【0126】
【化73】

【0127】
【化74】

【0128】
【化75】

【0129】
【化76】

【0130】
【化77】

【0131】
【化78】

【0132】
【化79】

【0133】
A85(110mg、0.24ミリモル)をCH2Cl2(7.5mL)に溶解し、TFA(3.8mL)と合わせ、室温で2時間撹拌する。溶媒及びTFAの蒸発後に、遊離酸を方法Wに従ってN,N-ジメチルエチレン-ジアミン(53μL、0.48ミリモル)と反応させて所望の化合物2-[5-ブチルカルバモイル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-(3Z)-イリデン]-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミドを得る。収量:10mg。
【0134】
【化80】

【0135】
2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-カルボン酸(7g、39ミリモル)をベンジルアルコール(4.2mL、39ミリモル)及び4-N,N-ジメチルアミノピリジン(1g、7.9ミリモル)と一緒にDCM70mLに溶解し、氷浴中で冷却する。次いで1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(8.3g、43ミリモル)を添加し、その混合物を12時間にわたって室温に加熱する。溶媒の蒸発後に、残渣を少量のメタノールに吸収させ、1N塩酸(200mL)と合わせる。生成された沈殿を濾過し、乾燥させる。収量:6.9g(65%)(A86)。
こうして得られたベンジルエステル(1.3g、4.7ミリモル)を[メチル-(2-ニトロ-フェニル)-アミノ]-酢酸(1.1g、5.2ミリモル)−合成につき、Eur. J. Org. Chem. 2003, 12, 2314-2326を参照のこと−及びジイソプロピルエチルアミン(4.1mL、24ミリモル)と一緒にジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、次いで2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、2.1g、5.7ミリモル)と合わせ、室温で12時間撹拌する。メタノール中のアンモニア10mLの添加後に、その混合物を室温で更に6時間撹拌し、次いで水と混合し、DCMで抽出する。有機相を乾燥させ、蒸発させる。クロマトグラフィーによる精製後に、所望の生成物ベンジル3-{2-[メチル-(2-ニトロ-フェニル)-アミノ]-アセチル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-カルボキシレートを得る。収量:220mg(10%)(A87)。
A87(190mg、0.41ミリモル)をメタノール(30mL)に溶解し、パラジウム/活性炭(10%)と合わせ、水素圧力(4バール)のもとに12時間撹拌する。濾過及び溶媒の蒸発後に、3-[4-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-キノキサリン-(2Z)-イリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-カルボン酸を得る。
収量:109mg(82%)(A88)。
【0136】
【化81】

【0137】
A88(54mg、0.17ミリモル)を方法Wに従って相当するブチルアミドに変換する。
収量:13mg(20%)[M+1]+:377;Rt(方法B):2.05分;UVmax:286及び395nm
相当するアニリンをA121及びA122から水素を使用して生成することができ(方法Lと同様にして)、これらを方法Wと同様にして反応させてアセトアミドを生成する。
【0138】
【化82】

【0139】
【化83】

【0140】
【化84】

【0141】
下記の目標分子を方法F、X及びWと同様にして調製する。
【0142】
【化85】

【0143】
実施例223-360
【0144】
【化86】

【0145】
【化87】

【0146】
【化88】

【0147】
【化89】

【0148】
【化90】

【0149】
【化91】

【0150】
【化92】

【0151】
【化93】

【0152】
【化94】

【0153】
【化95】

【0154】
【化96】

【0155】
【化97】

【0156】
【化98】

【0157】
【化99】

【0158】
【化100】

【0159】
【化101】

【0160】
【化102】

【0161】
【化103】

【0162】
【化104】

【0163】
【化105】

【0164】
【化106】

【化107】

【0165】
【化108】

【0166】
【化109】

【0167】
【化110】

【0168】
【化111】

【0169】
【化112】

【0170】
【化113】

【0171】
【化114】

【0172】
【化115】

【0173】
方法AD
アルゴン雰囲気下で、A140(60mg)、3-ピリジルホウ酸(36mg)及び1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド(8mg)をTHF/NMP(2:1)の混合物720μL及び炭酸セシウム(75mg)(これは水100μLに溶解されていた)と合わせる。その反応混合物をバイオテージマイクロウェーブ中で100℃で1時間撹拌する。こうして得られた粗生成物(実施例361)をRP-HPLCにより精製する。
tret=1.80分(分析方法B1)
[M+H]+=341(分析方法B1)
【0174】
【化116】

【0175】
方法AE
アルゴン雰囲気下で、A140(2g)、ビス(ピナコレート)ジボラン(1.63g)、酢酸カリウム(1.72g)及び1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド(475mg)を無水ジオキサン15mLと合わせる。その反応混合物を80℃で3時間撹拌し、次いで水及びDCMと合わせる。有機相を分離し、乾燥させ、シリカゲルにより濾過する。それを酢酸エチルで数回洗浄する。有機相を合わせ、溶媒を真空で除く。この場合には2-クロロピラジンを使用して、この残渣(A141)を方法ADと同様にして反応させて実施例362を生成する。
tret=1.74分(分析方法B1)
[M+H]+=342(分析方法B1)
好適なインドリノン誘導体(A139)及び相当するヘテロアリールホウ酸又はハロヘテロ芳香族化合物を使用することにより、下記の化合物を方法F、AD及びAEと同様にして調製する。
実施例363-430
【0176】
【化117】

【0177】
【化118】

【0178】
【化119】

【0179】
【化120】

【0180】
【化121】

【0181】
【化122】

【0182】
【化123】

【0183】
【化124】

【0184】
【化125】

【0185】
【化126】

【0186】
【化127】

【0187】
【化128】

【0188】
【化129】

【0189】
【化130】

【0190】
【化131】

【0191】
【化132】

【0192】
方法Fと同様にして好適なインドリノン誘導体(A142)及び相当するジアミンを使用することにより下記の目標分子を調製する。
実施例431-437
【0193】
【化133】

【0194】
【化134】

【0195】
【化135】

【0196】
方法Wを使用して下記の実施例を合成し得る。
実施例438-441
【0197】
【化136】

【0198】
【化137】

【0199】
方法AF
方法Wと同様にして、1当量のアミノ化合物を好適な溶媒(15mL/ミリモル、例えば、DCM、DMF)に入れるが、所望のRcに相当する1.5当量のイソシアネート及び3当量のトリエチルアミンを添加する。その反応が終了した後、揮発性成分を真空で除き、生成物を分取HPLCにより単離する。
実施例442-448
【0200】
【化138】

【0201】
【化139】

【0202】
実施例449-459
これらの実施例(R3'=R3”=Br又はR3”=NO2;R3'=NH2)の合成
【0203】
【化140】

【0204】
方法AG−一般操作:
所望のR3”に従って置換された1,5-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(1g)をTHF又はジオキサン約5mLに溶解する。所望のR2に応じて、1当量の相当するスルフィネート塩又は相当するアミンもしくはアルコールとDIPEA(1.1当量)を添加し、その混合物を50-70℃で撹拌する。最初の置換が終了した後に、1当量のtert.-ブチルエチルマロネート、3当量の水素化ナトリウムそして必要によりNMP(2mL)及び1当量の炭酸カリウムを添加し、その混合物を50-60℃で再度撹拌する。その反応が終了した後、その反応混合物を1N HClで中和し、揮発性成分を真空で除き、生成物を分取HPLCにより単離する。第一の置換及び第二の置換の順序を必要により逆にしてもよい。
方法AH−一般操作:
方法AEから得られた化合物(1g)をTHF(100mL)に溶解し、ラネーニッケル(100mg)を添加し、その混合物をH2雰囲気(3-5バール)下で水素化する。反応が一旦終了すると、その反応混合物を濾過し、濾液から真空で揮発性成分を除く。こうして得られた粗生成物を更に直接使用する。
方法AI−一般操作:
方法AHから得られた化合物(1g)を好適な溶媒(例えば、THF、トルエン、ジオキサン)8-15mLと混合する。TFA 2-5mLの添加後に、それを80-100℃に加熱する。反応が終了した後、その反応混合物をDCM(50mL)と合わせ、NaHCO3水溶液で塩基性にする。有機相を分離し、水相をDCMで繰り返し抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、真空で揮発性成分を除く。得られた粗生成物を分取HPLCによりクロマトグラフィー精製する。
方法AIを使用して得られた物質(式中、R3'=NH2)から実施例451-455を方法W、E及びFに従って合成し得る。
【0205】
【化141】

【0206】
方法AGを使用して得られた物質(式中、R3'=Br)から実施例449-450を方法E及びFに従って合成し得る。これらから、方法AJ又はAKを使用して実施例456-459を調製し得る。
【0207】
【化142】

【0208】
方法AJ(ソノガシラ反応)
アルゴン雰囲気下で、方法Fから得られた物質(R3'=Brを有する)(20mg)を2当量のR3に従って置換されたアルキン、0.4当量のCuI、0.1当量のビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムジクロリド及び5当量のトリエチルアミンとDMF150μLと合わせ、その混合物を室温次いで100℃で5分間撹拌する。この時間中に、更に8当量のアルキンを回分添加し、所望の生成物が生成するまでその混合物を撹拌する。次いでその冷却反応混合物から真空で揮発性成分を除き、生成物を分取HPLCによりクロマトグラフィーで単離する。
方法AK(スズキカップリング)
アルゴン雰囲気下で、方法Fから得られた物質(R3'=Brを有する)(50mg)を3.2当量のKOAc、2.2当量のビス(ピナコラート)ジボロン又はビス(ネオペンチル-グルコラート)ジボロン及び0.1当量の1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド及び1,4-ジオキサン1.5mlと合わせる。その反応混合物を1-2時間にわたって85℃に加熱し、再度室温に冷却し、更に直接使用する。このために、メタノール0.5mL、4当量のK2CO3、0.1-0.2当量の1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド及び2当量の相当するアリールハライド又はヘテロアリールハライド(所望のR3に応じて)を添加する。所望の生成物が生成するまで、その反応混合物を再度85℃に加熱する。次いでその冷却反応混合物から真空で揮発性成分を除き、生成物を分取HPLCによりクロマトグラフィーで単離する。
実施例449-459
【0209】
【化143】

【0210】
【化144】

【0211】
【化145】

【0212】
*カラム=アジレント・ゾルバックスSBC8、2.1x50mm、3.5μ;溶媒:A=0.2%のギ酸を添加した水、B=0.2%のギ酸を添加したアセトニトリル;5%のB、1.5分以内に95%のBに、次いで0.5分で100%のBでイソクラティクで、そして1分で5%のBでイソクラティクで、流量1.2mL/分であった以外は、HPLC方法EはHPLC方法Dに相当する。
使用した略号
equiv. 当量
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HCl 塩酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
conc. 濃
HMDS ヘキサメチルジシラザン
【0213】
iPr イソプロピル
Me メチル
MeOH メタノール
min 分
mL ミリリットル
MS 質量分析法
N 規定
NMP 1-メチル-2-ピロリドン
NMR 核磁気共鳴分析法
ppm 百万分の一
RP 逆相
RT 室温
TFA トリフルオロ酢酸
TBTU O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラ
フルオロボレート
tert ターシャリー
THF テトラヒドロフラン
【0214】
HPLC方法
方法A
HPLC: アジレント1100 シリーズ
MS: アジレントLC/MSD SL (LCMS1: 1100 シリーズLC/MSD)
カラム:ウォーターズ, Xterra MS C18, 2.5μm, 2.1x30 mm, 部品No.186000592
溶媒: A: 0.1 % HCOOH を含むH2O (ミリポア精製最純水)
B: アセトニトリル(HPLCグレード)
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ
質量範囲: 120 - 900 m/z
フラグメンテーター: 120
ゲインEMV: 1
閾値: 150
ステップサイズ: 0.25
UV: 254 nm
バンド幅: 1 (LCMS1: 2)
基準: オフ
スペクトル:範囲: 250 - 400 nm
レンジステップ: 1.00 nm
閾値: 4.00 mAU
ピーク幅: < 0.01 分(LCMS1: >0.05分)
スリット: 1 nm (LCMS1: 2 nm)
注入:注入容積: 5 μL
注入モード: ニードル洗浄
分離:流量: 1.10 mL/分
カラム温度: 40℃
勾配: 0 分5 % 溶媒B
0 - 2.5 分5 % -> 95 % 溶媒B
2.50 - 2.80 分95 % 溶媒B
2.81 - 3.10 分95 % -> 5 % 溶媒B
【0215】
方法B
HPLC: アジレント1100 シリーズ
MS: 1100 シリーズLC/MSD (API-ES +/- 3000V, 四極子, G1946D)
MSD シグナルセッティング: スキャンpos 120-900, スキャンneg 120-900
カラム: フェノメネクス; 部品No.00M-4439-BO-CE; ジェミニ3μ C18 110Å; 20x2.0mm
溶離剤: A: 5mM NH4HCO3/ 20mM NH3 (pH=9.5)
B: アセトニトリルHPLCグレード
検出: シグナル: UV 254 nm (バンド幅1, 基準オフ)
スペクトル:範囲: 250-400 nm;ステップ: 1nm
ピーク幅< 0.01分 (0.1s)
注入: 10 μl 標準注入
【0216】
方法: B1
流量: 1.0 ml/分
カラム温度: 40℃
ポンプ勾配: 0.0 - 2.5分 5 % -> 95 % 溶媒B
2.5 - 2.8分 95 % 溶媒B
2.8 - 3.1分 95 % -> 5 % 溶媒B
【0217】
方法C
HPLC: アジレント1100 シリーズ
MS: アジレントLC/MSD (四極子, G1946D; API-ES)
MSD シグナルセッティング:キャピラリー電圧+/- 3000V
スキャンpos 100-1200, スキャンneg 100-1200
カラム:ウォーターズXブリッジ; C18;3.5μm; 2.1x50 mm
溶離剤: A: 5mM NH4HCO3/ 20mM NH3 (pH=9.5)
B: アセトニトリル(HPLCグレード)
検出:
シグナル:UV 254 nm (バンド幅 8, 基準オフ)
UV 230 nm (バンド幅 8, 基準オフ)
スペクトル:範囲: 190-450 nm; ステップ: 4nm; 閾値: 1 mAU
ピーク幅: >0.03分
注入:2 μL標準注入
流量: 1.2 mL/分
カラムオーブン:35℃
勾配: 0.01分 5 % B
1.25分 95 % B
2.00分 95 % B
2.01分 5 % B
停止時間: 3.00分
【0218】
方法D
HPLC: アジレント1100 シリーズ
MS: LC/MSD SL (四極子, G1956B; MM-ES+APCI)
MSD シグナルセッティング:キャピラリー電圧+/- 2000V
コロナ電流[μA] +/- 8
充電電圧 +/- 2000
スキャンpos 105-1200, スキャンneg 105-1200
カラム:ウォーターズXブリッジ; C18;3.5μm; 2.1x50 mm
溶離剤: A: 5mM NH4HCO3/ 20mM NH3 (pH=9.5)
B: アセトニトリルHPLCグレード
検出:
シグナル:UV 254 nm (バンド幅4, 基準オフ)
UV 230 nm (バンド幅4, 基準オフ)
スペクトル:範囲: 190-450 nm; ステップ: 4nm; 閾値: 1 mAU
ピーク幅: >0.03分
注入:2 μL標準注入
流量: 1.2 mL/分
カラムオーブン:35℃
勾配: 0.01分 5 % B
1.25分 95 % B
2.00分 95 % B
2.01分 5 % B
停止時間: 3.00分
【0219】
下記の実施例は本発明の化合物の生物学的活性を記載するが、本発明をこれらの実施例に限定しない。
DNA染色、続いてFACS又はセロミクス・アレイ・スキャン分析により実証されるように、本発明の化合物の大半によりもたらされる増殖の抑制はとりわけ染色体分離におけるエラー及び/又は細胞質分裂により媒介される。この理由のために、大量の多倍数体がこれらの場合に生じ、これが最終的に増殖の抑制又は更にはアポトーシスをもたらし得る。更に、本発明の化合物の多くは、細胞、主として、しかし排他的ではなく、それらの発達中にこのようなシグナル経路に依存するようになった細胞の生存に重要である細胞内のシグナル伝達経路に干渉することにより、増殖の抑制を生じる。相当する細胞におけるこれらの経路を抑制することは細胞サイクルのG1期及び/又はアポトーシスの停止を誘発する。
それらの生物学的性質に基づいて、本発明の一般式(I)の化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は過度もしくは異常な細胞増殖又は生存媒介シグナル経路の活性化を特徴とする疾患を治療するのに適している。
【0220】
実施例オーロラ-Bキナーゼアッセイ
N末端位置にツメガエルINCENP(アミノ酸790-847)との複合体中のGST 標識(アミノ酸60-361)を備えたE.coli発現組換えツメガエル・オーロラB野生型タンパク質(これは細菌から得られ、精製される)を使用する放射能酵素抑制アッセイを開発した。均等の様式で、ツメガエルINCENP790-847 との複合体中のツメガエル・オーロラB変異体 (G96V)をまた使用してもよい。
【0221】
発現及び精製
ツメガエルからのオーロラ-B60-361のコーディング配列をBamHI 及びSalI切断部位を介してpGEX-6T (アマシャム・バイオテク)の修飾バージョンにクローニングする。そのベクターはリボソーム結合部位により分離されている二つのクローニングカセットを含み、2シストロン発現を可能にする。この立体配置では、ツメガエル・オーロラBが第一のカセットにより発現され、ツメガエルINCENP790-847が第二のカセットにより発現される。得られるベクターはpAUB-IN847である。
最初に、E.coli株BL21 (DE3)をpUBS520ヘルパープラスミド及びpAUB-IN847で同時形質転換し、その後に0.45-0.7のOD600で0.3 mM IPTGを使用してタンパク質発現を誘導する。次いでその発現を約12-16時間にわたって23-25℃で撹拌しながら続ける。
次いで細菌を遠心分離により除去し、超音波を使用し、E.coli培養液1リットル当り溶解緩衝液20-30mLを使用してペレットを溶解緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6、300 mM NaCl、1 mM DTT、1 mM EDTA、5 % グリセロール、ロシェ完全プロテアーゼインヒビター錠剤)中で溶解する。溶解された物質を遠心分離(12000 rpm, 45-60分, JA20 ローター)によりデブリから除く。上澄みをE.coli培養液1リットル当り300 μL の平衡GST セファロース・ファースト・フロー (アマシャム・バイオサイエンシズ)とともに4℃で4-5時間インキュベートする。次いでカラム物質を30倍容の溶解緩衝液で洗浄し、次いで30倍容の開裂緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にする。GST標識をオーロラBから開裂するために、10単位のプレシッション・プロテアーゼ(アマシャム・バイオサイエンシズ)を基質1mg当り使用し、その混合物を4℃で16時間インキュベートする。開裂生成物を含む上澄みをイオン交換緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にされた6mLのリソースQカラム(アマシャム・バイオサイエンシズ)に装填する。オーロラB/INCENP 複合体を、それが流れる際に捕獲し、次いで濃縮し、SEC緩衝液(10 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にされたスーパーデックス200サイズ排除クロマトグラフィー(SEC) カラムに装填する。オーロラB /INCENP 複合体を含む画分を集め、ビバスピン濃縮機(分子量排除3000-5000 Da) を使用して12 mg/mLの最終濃度に濃縮する。キナーゼアッセイのためのアリコート(例えば、240ng/μL) をこの原液から凍結緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 8.0, 150 mM NaCl, 0.1 mM EDTA, 0.03 % Brij-35, 10 %グリセロール, 1 mM DTT) に移し、-80 ℃で貯蔵する。
【0222】
オーロラBキナーゼアッセイ
10 μM - 0.0001 μMの濃度枠をカバーするために、試験物質をポリプロピレン皿(96 ウェル、グレイナー#655 201)に入れる。そのアッセイにおけるDMSOの最終濃度は5%である。タンパク質ミックス(50 mM tris/Cl pH 7.5, 25 mM MgCl2, 25 mM NaCl, 167 μM ATP, 凍結緩衝液中10 ng のツメガエル・オーロラB/INCENP 複合体) 30μLを25%のDMSO中に用意された試験物質10μlにピペットで入れ、これを室温で15分間インキュベートする。次いでペプチドミックス(100 mM tris/Cl pH 7.5, 50 mM MgCl2, 50 mM NaCl, 5 μM NaF, 5 μM DTT, 1 μCi ガンマ-P33-ATP [アマシャム], 50 μM 基質ペプチド[ビオチン-EPLERRLSLVPDS もしくはその多量体、又はビオチン-EPLERRLSLVPKM もしくはその多量体、或いはビオチン-LRRWSLGLRRWSLGLRRWSLGLRRWSLG]) 10μLを添加する。その反応液を75分間インキュベートし(周囲温度)、6.4%のトリクロロ酢酸180μLの添加により停止し、氷の上で20分間インキュベートする。マルチスクリーン濾過プレート(ミリポア, MAIP NOB10) を最初に70%のエタノール100μL次いでトリクロロ酢酸180μLで平衡にし、好適な吸引装置を使用して液体を除く。次いで停止されたキナーゼ反応液を適用する。夫々の場合に1%のトリクロロ酢酸180μLによる5回の洗浄工程後に、皿の下半分を乾燥させ(55℃で10-20分)、シンチレーションカクテル(ミクロシント, パッカード# 6013611) 25μLを添加する。ワラック1450ミクロベータ液体シンチレーションカウンターを使用して、とり込まれたガンマ-ホスフェートを定量する。試験物質又は基質ペプチドを含まないサンプルを対照として使用する。グラフ・パッド・プリズムソフトウェアを使用してIC50 値を得る。
シグナル伝達経路を抑制するキナーゼ、例えば、セリン-スレオニンキナーゼPDK1についての本発明の化合物の効果を、組換え生成されたタンパク質によるin vitroキナーゼアッセイで測定する。このアッセイにおいて、化合物は良好〜非常に良好な効力、即ち、例えば、1μモル/L未満、一般に0.1μモル/L未満のIC50値を示す。
【0223】
PDK1キナーゼアッセイの実施例
N末端でHis6に結合された組換えヒトPDK1酵素(aa 52-556)をバキュロウイルス感染昆虫細胞から分離する。精製酵素が、例えば、スコットランドのダンディ大学から得られてもよい。下記の成分を96ウェル丸底皿(グレイナー・バイオ-ワン社、No. 650101)のウェル中で合わせる。
−3.33%DMSO(最終濃度1%DMSO)/アッセイ緩衝液(50mM Tris pH 7.5, 0.05%β-メルカプトエタノール, 10mM 酢酸Mg)中の種々の濃度(例えば、10μMで開始し、1:5に希釈)の試験すべき化合物7.5μL
−7.5μLのPDK1(10ng/ウェル)及びPDKtide(英国、ノッティンガムにあるペプシューティカルズ・リミテッドにより合成された、KTFCGTPEYLAPEVRREPRILSEEEQEMFRDFDYIADWC; 25μM最終濃度) PDK1及びPDKtideを一緒にアッセイ緩衝液中で適当に希釈する;PDKtideはこの混合物中に83.3μM溶液として存在する。
−10μLのATP溶液(0.5μCi/ウェルのガンマ-P33-ATPを含む25μMのATP)
そのATP溶液を添加することによりその反応を開始し、その混合物を周囲温度で30分間インキュベートする。その反応の開始時に、皿を軽く振とうする。その反応を5μL/ウェルの0.5M リン酸(H3PO4)の添加により停止し、周囲温度で約20分間インキュベートする。沈殿を回収によりフィルタープレート(96ウェル・ミクロタイタ・フィルタープレート:ユニフィルターGF/C;パーキン・エルマー社;No. 6005174)に移し、次いで50mM H3PO4で6回洗浄し、60℃で乾燥させる。次いでプレートをシーリングテープでくっつけ、25μL/ウェルのシンチレーション溶液(ミクロシント0;パーキン・エルマー社;No. 6013611)を添加し、沈殿したP33の量をワラック・ベータカウンターを使用して測定する。グラフパッド・プリズムソフトウェアーを使用して測定データを評価する。
本発明の化合物の抗増殖活性を培養されたヒト腫瘍細胞、例えば、NCI-H460細胞又はPC-3細胞について測定する。化合物は良好〜非常に良好な活性、即ち、例えば、5μモル/L未満、一般に1μモル/L未満のPC-3増殖試験におけるEC50値を示す。
【0224】
培養ヒト腫瘍細胞についての増殖の抑制の測定
培養ヒト腫瘍細胞についての増殖を測定するために、肺腫瘍細胞系NCI-H460 (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から得られた) をRPMI 1640 培地(ギブコ) 及び10 % ウシ胎児血清(ギブコ) 中で培養し、対数増殖期中に回収する。次いでNCI-H460 細胞をRPMI 1640 培地中のウェル当り1000の細胞の密度で96ウェル平底プレート(ファルコン)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃かつ5%のCO2で)。活性物質を種々の濃度(DMSOに溶解;DMSO最終濃度: 0.1 %)で細胞に加える。72時間のインキュベーション後に、アラマーブルー試薬(AccuMed International) 20μLを夫々のウェルに添加し、細胞を更に5-7時間インキュベートする。インキュベーション後に、アラマーブルー試薬の色の変化をワラック・ミクロベータ蛍光スペクトロフォトメーター中で測定する。標準レーベンブルグ・マーカードアルゴリズム(グラフパッドプリズム)を使用してEC50 値を計算する。
【0225】
前立腺癌腫瘍細胞系PC-3(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から得られた)についての増殖を測定するために、細胞をハムのF12K(ギブコ)及び10 % ウシ胎児血清(ギブコ) 中で培養し、対数増殖期中に回収する。次いでPC-3細胞をウェル当り2000の細胞の密度で96ウェルプレート(コスター)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートし(37℃かつ5%のCO2で)、一方、夫々のプレートについて16ウェルを対照として使用する(DMSO溶液のみが加えられた細胞を含む8ウェル(還元されたアラマーブルーの30-50%最大値を生じるべきである)、培地のみを含む4ウェル(培地対照、酸化されたアラマーブルー試薬の添加後に、バックグラウンドシグナルが得られる)及び培地のみが再度添加される4ウェル(還元されたアラマーブルー試薬の添加後に、それが最大値として作用する))。活性物質を種々の濃度(DMSOに溶解;DMSO最終濃度: 0.2 %)で細胞に加える(夫々の場合に2回又は3回の測定として)。5日のインキュベーション後に、アラマーブルー試薬(セロテック) 20μLを夫々のウェルに添加し、細胞を更に5-7時間インキュベートする。対照として、還元されたアラマーブルー試薬20μLを4ウェルの夫々に添加する(30分間にわたってオートクレーブ処理されるアラマーブルー試薬)。インキュベーション後に、個々のウェル中のアラマーブルー試薬の色の変化をスペクトラマックス・フォトメーター(モレキュラー・デバイシズ)(励起530nm、発光590nm、5秒の測定時間)中で測定する。反応したアラマーブルー試薬の量は細胞の代謝活性に相当する。相対的細胞活性を対照(インヒビターを含まないPC-3細胞)に関して計算し、細胞活性を50%抑制する活性物質濃度(EC50)を誘導する。これらの値を2回又は3回の個々の測定の平均から計算する。
例えば、FACS分析(蛍光活性化細胞ソーター)を使用して、又はセロミクス・アレイ・スキャン(細胞サイクル分析)により、細胞サイクル分析を行なう。
【0226】
FACS分析
ヨウ化プロピジウム(PI)は二本鎖DNAに化学量論的に結合し、こうして細胞サイクルのG1期、S期、及びG2/M期の細胞の比率を細胞のDNA含量に基づいて測定するのに適している。G0期及びG1期の細胞は二倍体DNA含量(2N)を有し、一方、G2期又は有糸分裂期の細胞は4N DNA 含量を有する。
PI染色について、例えば、1.75x106 NCI-H460 細胞を75 cm2 の細胞培養フラスコに接種し、24時間後に0.1 % DMSO を対照として添加し、又は物質を種々の濃度(0.1 % DMSO中)で添加する。細胞を物質又はDMSOとともに42時間インキュベートする。次いで細胞をトリプシンで分離し、遠心分離する。細胞ペレットを食塩加リン酸緩衝液(PBS) で洗浄し、次いで細胞を少なくとも2時間にわたって-20℃で80% エタノールで固定する。PBSによる別の洗浄工程後に、細胞を5分間にわたって氷の上でトリトンX-100 (シグマ; PBS中0.25 %) で透過性にし、次いで少なくとも20分間にわたって暗所で9:1の比のPI (シグマ; 10 μg/ml)及び RNAse (セルバ; 1 mg/mLl) の溶液とともにインキュベートする。
DNA測定をベクトン・ディキンソンFACS 分析装置中で、アルゴンレーザー(500 mW, 放出488 nm)を用いて行ない、データを得、DNA 細胞クエスト・プログラム(BD)を使用して評価する。
【0227】
セロミクス・アレイ・スキャン
NCI-H460 細胞をウェル当り2000の細胞の密度で10%のウシ胎児血清(ギブコ)を含むRPMI 1640 培地(ギブコ)中で96ウェル平底皿(ファルコン)に接種し、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃かつ5%のCO2で)。それと同様にして、PC-3細胞をハムのF12K(ギブコ)及び10%のウシ胎児血清(ギブコ)中で培養し、対数増殖期中に回収する。次いでPC-3細胞をウェル当り3000の細胞の密度で96ウェル皿(ファルコン黒色/透明な底部(#353948)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃かつ5%のCO2で)。活性物質を種々の濃度(DMSOに溶解;DMSO最終濃度: 0.1 %)で細胞に加える。42時間のインキュベーション後に、培地を吸引濾過し、細胞を周囲温度で10分間にわたって4 % ホルムアルデヒド溶液及びトリトンX-100 (PBS中1:200) で固定し、同時に透過性にし、次いで0.3 % BSA 溶液 (カルビオケム)で2回洗浄する。次いでDNAを1時間にわたって周囲温度で暗所で300nMの最終濃度の50 μL/ウェルの4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI; モレキュラー・プローブズ)の添加により染色する。また、PBS中のヘキスト33342(インビトロゲン)50μL/ウェルをDNA染色に使用してもよい(室温で1時間、最終濃度:5μg/mL)。次いで製剤をPBSで慎重に2回洗浄し、プレートを黒色の接着剤フィルムでくっつけ、セルサイクル・バイオアプリケーションプログラムを使用してセロミクス・アレイスキャン中で分析し、スポットファイアーを使用して視覚化し、評価する。
本発明の物質はオーロラB及び/又はPDK1キナーゼインヒビターである。本発明の一般式(I)の化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は、それらの生物学的性質に基づいて、過度もしくは異常な細胞増殖又はホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)-PDK1-AKTシグナル経路の異常な活性化を特徴とする疾患を治療するのに適している。
【0228】
このような疾患の例として、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV及びカポジ肉腫);炎症性疾患及び自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎及び創傷治癒);細菌、菌類及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍(例えば、癌腫及び肉腫);皮膚疾患(例えば、乾癬);細胞(例えば、繊維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨細胞もしくは平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば、子宮内膜過形成))の数の増大を特徴とする過形成に基づく疾患;骨疾患及び心血管疾患(例えば、再狭窄及び肥大)が挙げられる。
例えば、下記の癌が本発明の化合物で治療し得るが、これらに限定されない:脳腫瘍、例えば、聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば、毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状膠腫、未分化星状細胞腫及びグリア芽細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えば、プロラクチノーマ(prolactinoma)、HGH(ヒト成長ホルモン)産生腫瘍及びACTH産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫及び乏突起膠腫;神経腫瘍、例えば、栄養神経系の腫瘍、例えば、交感神経芽細胞腫、神経節神経腫、パラガングリオーマ(クロム親和性細胞腫、クロム親和性腫瘍)及び頚動脈小体腫瘍、末梢神経系の腫瘍、例えば、切断神経腫、神経繊維腫、ノイリノーマ(神経鞘腫、シュワン鞘腫)及び悪性シュワン鞘腫だけでなく、中枢神経系の腫瘍、例えば、脳の腫瘍及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸、結腸、肛門、小腸及び十二指腸の癌腫;眼瞼腫瘍、例えば、基底細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌又は膵臓の癌腫;膀胱癌又は膀胱の癌腫;肺癌(気管支癌)、例えば、小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌、例えば、扁平上皮癌、腺癌及び大細胞気管支癌;胸部の癌、例えば、乳癌、例えば、浸潤性腺管癌、膠様癌、小葉侵食癌、管状癌、腺のう癌及び乳頭状癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、バーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症;子宮癌もしくは子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(未知の原発性の癌);卵巣癌又は卵巣癌腫、例えば、粘液性、子宮内膜の、又はしょう液性の癌;胆嚢癌;胆管癌、例えば、クラトスキン(Klatskin)腫瘍;精巣癌、例えば、精上皮腫及び非精上皮腫;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば、悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、慢性リンパ性白血病、白血性細網内症、免疫細胞腫、プラスマ細胞腫(多発性ミエローマ)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、T-ゾーン菌状息肉腫、大細胞退生リンパ芽細胞腫及びリンパ芽細胞腫;喉頭癌、例えば、声帯の腫瘍、声門上、声門及び声門下の咽頭腫瘍;骨の癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、巨細胞腫瘍、線維性形成異常、若年性骨のう胞及び動脈瘤の骨のう胞;頭部及び首の腫瘍、例えば、唇、舌、口の床、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝細胞癌(HCC);白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌、例えば、乳頭状腺癌、管状腺癌及び粘液性腺癌、印環細胞癌腫、扁平腺癌、小細胞癌及び未分化癌腫;メラノーマ、例えば、表在性、結節性、悪性のほくろ性の、また末端性ほくろ性のメラノーマ;腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌もしくは副腎腫又はグラービッツ腫瘍;食道癌又は食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌;咽頭癌又は咽頭の癌腫、例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫;膣癌又は膣癌腫;扁平上皮癌、腺癌、in situ癌腫、悪性メラノーマ及び肉腫;甲状腺癌、例えば、乳頭状、のう胞状また延髄の甲状腺癌だけでなく、退生癌腫;棘細胞癌、類表皮癌及び皮膚の扁平上皮癌;胸腺腫、尿道の癌及び外陰部の癌。
【0229】
腫瘍の病理学的/形態学的に発現される型は別として、本発明のこれらの化合物はまた“バイオマーカー特定”細胞異常又はその他の分子生物学的方法及び/又は遺伝学的方法により特徴づけられた細胞異常、主として、しかし排他的ではなく、遺伝子又はそれらの遺伝産物、例えば、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼファミリー、PDK1、AKT/PKファミリー、RASファミリー、チロシン-キナーゼ受容体、サイトカイン受容体、ケモカイン受容体の活性化の量又は状態における、経時安定な(少なくとも3回の細胞分裂にわたって安定な)変化を特徴とする細胞異常を治療するのに使用し得る。
新規化合物は、必要によりまた放射線治療又はその他の“技術水準”の化合物、例えば、細胞増殖抑制性物質もしくは細胞傷害性物質、細胞増殖インヒビター、坑脈管形成物質、ステロイド又は抗体と組み合わせて、上記疾患の予防、短期治療又は長期治療に使用し得る。
一般式(1)の化合物は、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、必要によりまたその他の薬理学的活性物質と組み合わせて使用し得る。
本発明の化合物と組み合わせて投与し得る化学治療薬として、ホルモン、ホルモン類似体及び坑ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチンゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子(成長因子、例えば、“血小板由来成長因子”及び“肝細胞成長因子”)のインヒビター(インヒビターは、例えば、“成長因子”抗体、“成長因子受容体”抗体及びチロシンキナーゼインヒビター、例えば、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブである);坑代謝産物(例えば、坑葉酸塩、例えば、メトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);坑腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、テモゾロミド、ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ)、坑有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学治療薬、例えば、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロナト、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
好適な製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、エリキシル剤、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。一種以上の医薬上活性な化合物の含量は全体としての組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記された用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた幾つかの層を含んでもよい。
従って、被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物はおそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るために幾つかの層からなってもよい。
【0231】
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
注射溶液及び注入溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通例の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩を添加して調製され、例えば、水を希釈剤として使用する場合、有機溶媒が必要により可溶化剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製し得る。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体と混合することにより製造し得る。
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は通例の方法により、好ましくは経口経路もしくは経皮経路、特に好ましくは経口経路により投与される。経口投与について、錠剤は、勿論、上記担体とは別に、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤形成プロセスに同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
非経口使用のために、好適な液体担体とともに活性物質の溶液が使用されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-1000mg、好ましくは時間当り5-500mgである。
しかしながら、体重、投与の経路、薬物に対する個々の応答、その製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、先に示された最小用量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には上限が超えられる必要があるかもしれない。多量を投与する場合、それらをその日にわたって引き延ばされる幾つかの一層少ない用量に分けることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【0232】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
B) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕された活性化合物、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を生成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
【0233】
C) アンプル溶液
式(1)の活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要によりpH5.5〜6.5で溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、溶融によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

の化合物(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、並びに必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)
[式中、
QはC6-10アリール又は5-12 員ヘテロアリール(必要により1個以上の同じ又は異なるR1により置換されていてもよい)を表し、かつ
Wは結合、-O-、-NR6-、-CR6R6を表し、かつ
Xは-O-、-S、-S(O)、-S(O2)、-NR4-、-CR4R4-又は-C(O)-を表し、かつ
Yは-O-、-NR5-、-CR5R5-又は-C(O)-を表し、必要によりR4 はR5と一緒に4-7 員環(必要により1個以上のR8により置換されていてもよい)を形成してもよく、又は炭素原子に結合された置換基R4 とR4、R5 とR5 又はR6 とR6 は一緒になって4-7-員環(これは必要によりN、O及びSから選ばれた1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)を形成してもよく、かつ
Zは-O-、-NR7-又は-CR7R7, を表し、又は
Yは結合を表し、Xは-NR4-を表し、かつZは-NR7−を表し、かつX、Y及びZの中から選ばれた少なくとも一つの置換基がヘテロ原子を表し、かつ
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8 は夫々互いに独立にRa、Rb 及び1個以上の同じ又は異なるRb 及び/又はRcにより置換されたRaの中から選ばれた基を表し、かつR2 及び/又はR3 は水素を表さず、かつ
夫々のRa は互いに独立に水素を表し、又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれ、
夫々のRb は好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、=NNRcRc、=NN(Rg)C(O)NRcRc、-NRcRc、-ONRcRc、-N(ORc)Rc、-N(Rg)NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Rc、-S(O)ORc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)NRcRc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)SRc、-C(O)NRcRc、-C(O)N(Rg)NRcRc、-C(O)N(Rg)ORc、-C(NRg)NRcRc、-C(NOH)Rc、-C(NOH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)SRc、-OC(O)NRcRc、-OC(NRg)NRcRc、-SC(O)Rc、-SC(O)ORc、-SC(O)NRcRc、-SC(NRg)NRcRc、-N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]2、-N(ORg)C(O)Rc、-N(Rg)C(NRg)Rc、-N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]NRcRc、-N(Rg)C(S)Rc、-N(Rg)S(O)Rc、-N(Rg)S(O)ORc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N[S(O)2Rc]2、-N(Rg)S(O)2ORc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[S(O)2]2Rc、-N(Rg)C(O)ORc、-N(Rg)C(O)SRc、-N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(O)NRgNRcRc、-N(Rg)N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(S)NRcRc、-[N(Rg)C(O)]2Rc、-N(Rg)[C(O)]2Rc、-N{[C(O)]2Rc}2、-N(Rg)[C(O)]2ORc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N{[C(O)]2ORc}2、-N{[C(O)]2NRcRc}2、-[N(Rg)C(O)]2ORc、-N(Rg)C(NRg)ORc、-N(Rg)C(NOH)Rc、-N(Rg)C(NRg)SRc 及び-N(Rg)C(NRg)NRcRcの中から選ばれ、
夫々のRcは互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRd 及び/又はReにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRdは好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRe、=NRe、=NORe、=NNReRe、=NN(Rg)C(O)NReRe、-NReRe、-ONReRe、-N(Rg)NReRe、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Re、-S(O)ORe、-S(O)2Re、-S(O)2ORe、-S(O)NReRe、-S(O)2NReRe、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)2ORe、-OS(O)NReRe、-OS(O)2NReRe、-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)SRe、-C(O)NReRe、-C(O)N(Rg)NReRe、-C(O)N(Rg)ORe、-C(NRg)NReRe、-C(NOH)Re、-C(NOH)NReRe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)SRe、-OC(O)NReRe、-OC(NRg)NReRe、-SC(O)Re、-SC(O)ORe、-SC(O)NReRe、-SC(NRg)NReRe、-N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]2、-N(ORg)C(O)Re、-N(Rg)C(NRg)Re、-N(Rg)N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]NReRe、-N(Rg)C(S)Re、-N(Rg)S(O)Re、-N(Rg)S(O)ORe、-N(Rg)S(O)2Re、-N[S(O)2Re]2、-N(Rg)S(O)2ORe、-N(Rg)S(O)2NReRe、-N(Rg)[S(O)2]2Re、-N(Rg)C(O)ORe、-N(Rg)C(O)SRe、-N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(O)NRgNReRe、-N(Rg)N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(S)NReRe、-[N(Rg)C(O)]2Re、-N(Rg)[C(O)]2Re、-N{[C(O)]2Re}2、-N(Rg)[C(O)]2ORe、-N(Rg)[C(O)]2NReRe、-N{[C(O)]2ORe}2、-N{[C(O)]2NReRe}2、-[N(Rg)C(O)]2ORe、-N(Rg)C(NRg)ORe、-N(Rg)C(NOH)Re、-N(Rg)C(NRg)SRe及び-N(Rg)C(NRg)NReReの中から選ばれ、
夫々のRe は互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRf 及び/又はRgにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRf は好適な基であり、かつ夫々が独立にハロゲン及び-CF3の中から選ばれ、かつ
夫々のRg は互いに独立に水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキル、5-12 員ヘテロアリール又は6-18 員ヘテロアリールアルキルを表す]
【請求項2】
Zが-NR7-を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R7が水素又はC1-6アルキルを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Qがフェニルを表す、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが-NR4-を表す、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項6】
R4が水素を表す、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Yが-CR5R5-を表す、請求項1から6に記載の化合物。
【請求項8】
夫々の場合に、R5が水素を表す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
薬物としての使用のための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの医薬上有効な塩。
【請求項10】
抗増殖活性を有する医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの医薬上有効な塩。
【請求項11】
必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて、請求項1から8のいずれか1項に記載の一般式(1)の一種以上の化合物又はこれらの生理学上許される塩を活性物質として含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項12】
癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の一般式(1)の化合物の使用。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか1項に記載の一般式(1)の化合物及び式(1)とは異なる、少なくとも一種のその他の細胞増殖抑制性活性物質又は細胞傷害性活性物質(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)を含むことを特徴とする医薬製剤。

【公表番号】特表2010−529162(P2010−529162A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511605(P2010−511605)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057150
【国際公開番号】WO2008/152014
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】