説明

新規医薬化合物

本発明は,新規な置換ニトロカテコール誘導体,ある種の中枢および末梢神経系疾患の治療におけるその使用,およびこれらを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,新規な置換ニトロカテコール誘導体,ある種の中枢および末梢神経系疾患の治療におけるその用途,およびこれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
レボドパ(L−DOPA)は,数十年間実際の臨床で用いられてきたが,なおパーキンソン病の対症療法の優れた標準的な薬剤である。このため,酵素カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)の阻害がL−DOPAおよび末梢アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)阻害剤による治療を受けているパーキンソン病の患者において臨床的改善を与えるかもしれないという仮説に基づいて,この酵素の阻害剤の開発に依然として興味が持たれている。
【0003】
COMT阻害剤をL−DOPA/AADC療法の補助として使用する理論的根拠は,これがL−DOPAの3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)への代謝的O−メチル化を低下させる能力に基づく。L−DOPAにより誘発される臨床的改善の持続時間は,L−DOPAのインビボ半減期が短いためにわずかしかなく,これは3−OMDの半減期が長いことと対照的である。さらに,3−OMDは,血液脳関門(BBB)を超える輸送についてL−DOPAと競合する。このことは,経口投与されたL−DOPAの非常に限定された量しか実際に作用部位,すなわち脳に到達しないことを意味する。一般に,通常の治療計画としてL−DOPA療法を使用し始めて数年の間に,各投与サイクルの終わりにはL−DOPAにより誘導される臨床的改善が低下し,いわゆる運動変動の"効果切れ(wearing−off)"のパターンを生じさせる。"効果切れ"の現象と3−OMDの蓄積との密接な関連性が記載されている(Tohgi,H.,et al.,Neurosci.Letters,132:19−22,1992)。このことは,BBBを越える輸送システムについて3−OMDと競合するためL−DOPAの脳への侵入が損なわれることにより(Reches,A.et al.,Neurology,32:887−888,1982),あるいはより単純に,脳に到達するのに利用可能なL−DOPAが少ないことにより(Nutt,J.G.,Fellman,J.H.,Clin.Neuropharmacol.,7:35−49,1984),生じたと推測されている。実際,L−DOPAを繰り返し投与すると平均血漿L−DOPA濃度が上昇するように,COMT阻害は,L−DOPAが末梢でO−メチル化を介して代謝的に分解されることから保護する。脳への輸送についての競合が低いことに加えて,経口投与されたL−DOPAの有意により高い割合が,作用部位に到達することができる。すなわち,COMT阻害は,L−DOPAの生物利用性を増加させるよう作用し,L−DOPAを1回投与したときの抗パーキンソン病様作用の持続時間が長くなる(Nutt,J.G.,Lancet,351:1221−1222,1998)。
【0004】
これまでに報告されている最も強力なCOMT阻害剤は,3,4−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトロベンゾフェノン(トルカポン,豪州特許AU−B−69764/87)および(E)−2−シアノ−N,N−ジエチル−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリルアミド(エンタカポン,ドイツ特許DE3740383A1)であり,これらはすべて低いナノモル範囲の阻害定数を有する。これらは本質的に同じファーマコフォアを共有しているが,トルカポンは,中枢神経系(CNS)に容易に入り,脳COMTならびに末梢COMTを阻害することができるという点において,エンタカポンとは異なる。COMTを阻害するより顕著な作用が,末梢におけるL−DOPAの分解を防止することであれば,中枢の阻害はあまり重要ではないと推測することができる。実際,脳に侵入しないCOMT阻害剤を臨床的に意味のある投与量で使用することにより,これらの薬剤の潜在的に望ましくないCNS副作用を回避することができる。
【0005】
これらのCOMT阻害剤が実際の臨床に導入されてから明らかになった別の深刻な問題は,これらのニトロカテコール系生体異物(xenobiotics)が重篤な肝臓障害(肝毒性)を引き起こす可能性に関連する。実際に,トルカポンは,上市されてまもなく,致命的劇症肝炎からの不幸な死亡の3例を含む数例の肝毒性が報告された後に,市場から回収された。今日,トルカポンは,他の治療法に応答しないパーキンソン病様の患者にのみ,かつ肝機能を定期的に監視しながら用いるよう,厳しく制限されている。これは患者にとって高価であり不便である。トルカポンに伴う肝毒性の実際の機構的な原因は完全に解明されていないが,インビトロ研究では,トルカポンは代謝的に還元されて反応性中間体となることが示されており,これらが肝臓の蛋白質と共有結合付加体を形成するために,肝細胞障害が生ずると推測されている(Smith,K.S.et al,Chem.Res.Toxicol.,16:123−128,2003)。
【0006】
一方,エンタカポンは,トルカポンと同じニトロカテコールファーマコフォアを共有するが,肝毒性を伴わず,一般に安全な薬剤であると考えられている。しかし,残念なことに,エンタカポンはトルカポンより有意に弱いCOMT阻害剤であり,インビボ半減期がはるかに短い。このことは,エンタカポンが非常に限定された効果持続時間しか有さず,その結果,患者にL−DOPAを投与するたびに,この薬剤を非常に高い投与量で投与しなければならないことを意味する。このように,エンタカポンの臨床的効力には疑問が持たれている。実際,最近の研究では(Parashos,S.A.et al.,Clin.Neuropharmacol.,27(3):119−123,2004),パーキンソン病患者におけるエンタカポン治療の中止の主な理由は,効力がないと認識されるためであることが明らかになった。
【0007】
したがって,生物活性,バイオアベイラビリティーおよび安全性,ならびに長い作用の持続時間のバランスのとれた特性を示すCOMT阻害剤がなお求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
今回,驚くべきことに,一般式Iの化合物がそのような特性に恵まれ,並外れて長い作用の持続時間を示すCOMT阻害剤であることが見いだされた。
【0009】
本発明の化合物は,好ましくは下記の一般式Iを有する:
【化6】

[式中,RおよびRは,互いに独立して,水素,または生理学的条件下で加水分解可能な基であって,任意に置換されていてもよい低級アルカノイルまたはアロイルであり;Xはメチレン基を表し;Yは酸素,窒素またはイオウ原子を表し;nは0,1,2または3の数を表し,mは0または1の数を表し;Rは式A,BまたはCにしたがう,置換基の表示のない結合で示されるように連結されているピリジン基:
【化7】

[式中,R,R,RおよびRは,互いに独立して,水素,C−C−アルキル,C−C−チオアルキル,C−C−アルコキシ,C−C12−アリールオキシまたはC−C12−チオアリール基,C−C−アルカノイルまたはC−C13−アロイル基,アミノ,C−C−アルキルアミノ,C−C−ジアルキルアミノ,C−C12−シクロアルキルアミノ,C−C12−ヘテロシクロアルキルアミノ,C−C−アルキルスルホニル,C−C12−アリールスルホニル,ハロゲン,C−C−ハロアルキル,トリフルオロメチル,シアノ,ニトロまたは複素芳香族基を表し;または,残基R,R,RおよびRの2またはそれ以上は,一緒になって,脂肪族環もしくは脂肪族複素環,または芳香族環もしくは芳香族複素環を表し,ここで,Pは中心ユニットを表し,これは好ましくは平面的ユニットであり,さらにより好ましくは,1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル,1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル,4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル,1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル,1,2,4−トリアジン−3,5−ジイル,2H−テトラゾール−2,5−ジイル,1,2,3−チアジアゾール−4,5−ジイル,1−アルキル−3−(アルコキシカルボニル)−1H−ピロール−2,5−ジイル(アルキルは,メチル,エチル,n−プロピルおよびn−ブチルを表し,アルコキシは,メトキシ,エトキシ,n−プロポキシおよびイソプロポキシを表す),1−アルキル−1H−ピロール−2,5−ジイル(アルキルはメチル,エチル,n−プロピルおよびn−ブチルを表す),チアゾール−2,4−ジイル,1−H−ピラゾール−1,5−ジイル,ピリミジン−2,4−ジイル,オキサゾール−2,4−ジイル,カルボニル,1H−イミダゾール−1,5−ジイル,イソオキサゾール−3,5−ジイル,フラン−2,4−ジイル,3−アルコキシカルボニルフラン−2,4−ジイル(アルコキシは,メトキシ,エトキシ,n−プロポキシおよびイソプロポキシを表す),ベンゼン−1,3−ジイルおよび(Z)−1−シアノエテン−1,2−ジイルの位置異性体類から選択される]
を表す]。
【0010】
上述の定義において,中心ユニットの位置異性体には,ニトロカテコール成分と−(X)−(Y)−R成分との交換により実現可能な両方の位置異性体が含まれる。
【0011】
好ましくは,C−C−アルキル残基は,メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチルまたはヘキシルを表す。好ましくは,C−C−チオアルキル残基は,チオメチル,チオエチル,チオ−n−プロピル,チオ−イソプロピル,チオ−n−ブチル,チオ−n−ペンチルおよびチオ−n−ヘキシルを表す。好ましくは,C−C−アルコキシ残基は,メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,sec−ブトキシおよびtert−ブトキシを表す。好ましくは,C−C12−アリールオキシ残基は,フェノキシまたはナフトキシを表し,これは任意に置換されていてもよい。好ましくは,C−C12−チオアリール残基は,チオフェニルおよびチオナフチルを表すし,これは任意に置換されていてもよい。好ましくは,C−C−アルカノイル残基は,メタノイル,エタノイル,プロパノイルまたはブタノイルを表す。好ましくは,C−C13−アロイル残基は,ベンゾイルおよびナフトイルを表す。好ましくは,C−C−アルキルアミノ残基は,メチルアミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミノ,イソプロピルアミノおよびn−ブチルアミノを表す。好ましくは,C−C−ジアルキルアミノ残基は,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジ−n−プロピルアミノ,ジ−n−ブチルアミノ,ジ−イソプロピルアミノ,メチルエチルアミノ,メチルプロピルアミノおよびエチルプロピルアミノを表す。好ましくは,C−C12−シクロアルキルアミノ残基は,ピロリジノ,ピペリジノ,シクロヘキシルアミノおよびジシクロヘキシルアミノを表す。好ましくは,C−C12−ヘテロシクロアルキルアミノ残基は,モルホリノ,2,6−ジメチルモルホリノ,3,5−ジメチルモルホリノ,ピペラジノ,N−メチルピペラジノおよびN−エチルピペラジノを表す。好ましくは,C−C−アルキルスルホニル,またはC−C12−アリールスルホニル残基は,メチルスルホニル,エチルスルホニル,フェニルスルホニル,およびトリルスルホニルを表す。好ましくは,ハロゲン残基は,クロロ,ブロモ,ヨードおよびフルオロを表す。好ましくは,C−C−ハロアルキルは,クロロメチル,フルオロメチル,ジクロロメチル,ジフルオロメチル,トリクロロメチルおよびトリフルオロメチルを表す。好ましくは,ヘテロアリール残基は,ピリジル,ピリミジル,イソオキサゾリル,オキサゾリル,イソオキサジアゾリル,オキサジアゾリル,トリアゾリルおよびテトラゾリルを表す。残基R,R,RおよびRの2またはそれ以上が一緒になって脂肪族環もしくは脂肪族複素環または芳香族環もしくは芳香族複素環を表す場合には,好ましい組み合わせ残基は,インドリジニル,イソインドリル,インドリル,インダゾリル,プリニル,キノリジニル,ナフチリジニル,イソキノリルおよびキノリルである。
【0012】
我々は,驚くべきことに,一般式Iの化合物がL−DOPAのバイオアベイラビリティーを著しく増強させ,L−DOPAの脳へのデリバリーを増加させ,そして脳におけるドーパミンのレベルを長時間にわたって顕著に増加させることを見いだした。一般式Iの化合物はCOMTを阻害してL−DOPAの分解を予防するのみならず,L−DOPAのバイオアベイラビリティーを増加させるという追加の効果を有する。一般式Iの化合物の投与後にL−DOPAレベルに及ぼすこれらの効果は,これまでに合理的に長い作用の持続時間を与えることが知られる唯一のCOMT阻害剤であるトルカポンの場合に観察されるより顕著に高い。
【0013】
さらに,長い開始時間の後であっても(例えば投与の24時間後),一般式Iの化合物は,より短い時点(例えば2および7時間)において観察されるものと同様に,L−DOPAの脳へのデリバリーを増加させ,これはトルカポンについて観察されるものと対照的である。このことにより,一般式Iの化合物の投与後にL−DOPAは脳により定常的にデリバリーされるが,一方トルカポンはL−DOPAの脳デリバリーにおいて顕著な振動を生ずる傾向にあり,これはパーキンソン病の患者に望ましくない副作用を引き起こす。
【0014】
したがって,一般式Iの化合物は,L−DOPAレベルを持続して一定に上昇させるため,治療上の有益性に恵まれている。これに対し,トルカポンの使用はL−DOPAレベルの急激な振動により患者にジスキネジーを誘導する。
【0015】
バイオアベイラビリティー,生物活性,安全性プロファイル,および当該技術分野において知られる他の関連する特性(例えば,血液脳関門の透過性)は,所望のバランスのとれた特性を得るために,一般式Iの置換基R−Rを変更することにより,当業者が本明細書の教示に基づいて日常的に最適化することができる。
【0016】
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイルを中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,5−(4−メチル−5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−メチル−5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0017】
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイルを中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(4−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(4−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0018】
1,2,4−トリアジン−3,5−ジイルを中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(3−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0019】
1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイルを中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(3−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0020】
1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイルを中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0021】
(Z)−1−シアノエテン−1,2−ジイル成分を中心ユニットとして有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−フルオロピリジン−3−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−フルオロピリジン−4−イル)アクリロニトリル,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−フルオロピリジン−2−イル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリル,(Z)−2−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリロニトリルが挙げられる。
【0022】
中心ユニットとしてフラン−2,4−ジイルまたは3−アルコキシカルボニルフラン−2,4−ジイル(アルコキシは,メトキシ,エトキシ,n−プロポキシおよびイソプロポキシを表す)成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)フラン−3−カルボキシレート,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)フラン−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)フラン−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)フラン−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−フルオロピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−フルオロピリジン−4−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−フルオロピリジン−2−イル)フラン−3−カルボキシレート,エチル2−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)フラン−3−カルボキシレート,エチル2−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)フラン−3−カルボキシレート,エチル2−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)フラン−3−カルボキシレートが挙げられる。
【0023】
中心ユニットとして1H−イミダゾール−1,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(1−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0024】
中心ユニットとしてイソオキサゾール−3,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)-ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0025】
中心ユニットとしてカルボニル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(2−フルオロピリジン−3−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(2−フルオロピリジン−4−イル)メタノン,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(6−フルオロピリジン−2−イル)メタノン,(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノン,(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタノンが挙げられる。
【0026】
中心ユニットとしてオキサゾール−2,4−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−フルオロピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−フルオロピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−フルオロピリジン−2−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0027】
中心ユニットとしてベンゼン−1,3−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,5−ニトロ−3’−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ビフェニル−3,4−ジオール,5−ニトロ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ビフェニル−3,4−ジオール,3’−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−5−ニトロビフェニル−3,4−ジオール,5−ニトロ−3’−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ビフェニル−3,4−ジオール,5−ニトロ−3’−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ビフェニル−3,4−ジオールが挙げられる。
【0028】
中心ユニットとして1−H−ピラゾール−1,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(1−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0029】
中心ユニットとしてピリミジン−2,4−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0030】
中心ユニットとして1H−ピロール−2,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,エチル5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−メチル−2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート,エチル2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−ピロール−3−カルボキシレート,5−(1−メチル−5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,エチル5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−エチル−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート,5−(1−メチル−5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−メチル−5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−メチル−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(1−メチル−5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,エチル5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1−メチル−1H−ピロール−3−カルボキシレート,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0031】
中心ユニットとして2H−トリアゾール−2,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−2H−トリアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−2H−トリアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−2H−トリアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−2H−トリアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−2H−トリアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0032】
中心ユニットとして1,2,3−チアジアゾール−4,5−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0033】
中心ユニットとして1,3−チアゾール−2,4−ジイル成分を有する上述の一般式(I)の好ましい化合物としては,3−ニトロ−5−(2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−フルオロピリジン−4−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(6−フルオロピリジン−2−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(2−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールが挙げられる。
【0034】
本明細書において用いる場合,"本発明の化合物(単数または複数)"との用語は,上で定義される一般式Iの化合物を含み,上に挙げられる好ましい化合物の任意のものを含む。
【0035】
一般式Iにしたがう最も好ましい化合物の例は,5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(以下化合物Aと称する)である。
【0036】
1つの好ましい態様においては,中心ユニットが1,2,4−オキサジアゾ−3,5−ジイル−成分からなる一般式Iの化合物は,一般式IIA,IIBまたはIIC:
【化8】

[式中,R,R,RおよびRは,一般式Iにおいて定義されるとおりである]
の化合物を,一般式III:
【化9】

[式中,RおよびRは,互いに独立して,水素または芳香族ヒドロキシル基の適当な保護基を表す]
の化合物と,オキサジアゾール誘導体を生成するのに適当な条件下で,縮合および脱水を含む環化反応に供し,次にヒドロキシル保護基を除去して,一般式Iの化合物を得る,ことを含む方法により製造することができる。
【0037】
芳香族ヒドロキシル基用の適当な保護基は当該技術分野においてよく知られている。芳香族ヒドロキシル基の適当な保護基の例としては,メチル,エチル,イソプロピル,ベンジル,4−メトキシベンジル,メトキシメチル,ベンジルオキシメチル,メトキシエトキシメチル,テトラヒドロピラニル,フェナシル,アリル,トリメチルシリル,tert−ブチルジメチルシリル,ベンジルオキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,エステル,スルホネート,カルバメート,ホスフィネート,アセタールおよびケタール誘導体が挙げられる。
【0038】
好ましい態様においては,RおよびRの一方の基は水素であり,他方はメチルである。特に好ましい態様においては,Rはメチルを表し,Rは水素を表す。
【0039】
別の好ましい態様においては,保護基RおよびRは水素または生理学的条件下で加水分解可能な基で置き換えてもよい。保護基RおよびRは,互いに独立して別々の反応工程で除去してもよく,同じ反応工程で除去してもよい。同様に,生理学的条件下で加水分解可能な基の挿入は,同じまたは別々の反応工程で行うことができる。
【0040】
本発明においては,オキサジアゾール誘導体を生成するのに適した条件は,オキサジアゾール誘導体を高い収率および純度で与える条件を含む。好ましくは,所望のオキサジアゾール誘導体の収率は少なくとも70%,より好ましくは75−99%,さらにより好ましくは80−97%,最も好ましくは85−95%である。好ましくは,所望のオキサジアゾール誘導体の純度は,少なくとも90%,より好ましくは少なくとも95%,さらにより好ましくは少なくとも99%,最も好ましくは少なくとも99.5%である。当業者は,オキサジアゾールの収率および純度を最適化するために,本発明の教示にしたがって,最も適当な反応条件を日常的に決定することができる。当業者により考慮されるべきパラメータとしては,限定されないが,縮合および脱水を行う試薬,保護基RおよびRの選択,溶媒系,反応温度および反応時間および試薬の溶解性が挙げられる。
【0041】
一般式IIIの化合物は,式IIA−IICまたはVA−VCの化合物と縮合する前に活性化することが必要である。式IIIの化合物を活性化するのに適した試薬としては,1,1−カルボニルジイミダゾール,塩化チオニル,塩化スルホニル,N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド,1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド,ホスゲン,PCl,POCl,PCl,無水物,トリクロロトリアジンおよびクロロジメトキシトリアジン等が挙げられる。特に好ましいものは,1,1−カルボニルジイミダゾールおよび塩化チオニルである。場合によっては,同じ試薬を用いて,縮合および脱水からなる環化工程を行ってもよい。縮合および/または脱水を行うための別の試薬としては,ピリジンおよびフッ化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。好ましくは,脱水は反応混合物を上述の試薬とともに加熱することにより行うことができる。
【0042】
一般式IIIの化合物は,適当な溶媒中で,または追加の溶媒を必要とせずに,過剰量の塩化チオニル等の試薬により活性化することができる。好ましい場合には,次に蒸留などにより過剰の試薬を除去し,溶媒および別の試薬,例えばピリジンと置き換えて,縮合および脱水工程を行う。一般式IIIの化合物を活性化し,一般式IIA−IICの化合物とともに環化するために好ましい溶媒系は双極性非プロトン性溶媒であり,例えば,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジノンである。特に好ましいものはジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドである。
【0043】
適当な反応温度および反応時間は,縮合および脱水を行うために用いる試薬の反応性によって異なる。好ましくは,反応温度は0℃から用いる溶媒系の沸点までの範囲,より好ましくは20−150℃の範囲,最も好ましくは25−120℃の範囲である。好ましくは,反応時間は30分間−24時間の範囲,より好ましくは1時間−18時間の範囲,最も好ましくは2−6時間である。
【0044】
別の好ましい態様においては,縮合および脱水反応は有機または無機塩基の存在下で行う。適当な好ましい塩基としては,トリエチルアミン,トリブチルアミン,2,6−ルチジン,N−メチルモルホリン,ピリジン,イミダゾール,N−メチルイミダゾールおよび4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。特に好ましい塩基は,ピリジン,N−メチルイミダゾールおよび4−ジメチルアミノピリジンである。
【0045】
本発明の好ましい態様においては,縮合および脱水は,2つの別々の反応工程において実施する。この特定の態様においては,異なる縮合および脱水剤および溶媒系を使用して,得られる生成物の収率および純度を最適化することができる。
【0046】
本発明の別の好ましい態様においては,縮合および脱水は,同じ容器中で中間体を単離することなく順番に実施する。この特定の態様においては,縮合および脱水を行う試薬は同じであっても異なっていてもよいが,好ましくは同一である。
【0047】
縮合および脱水を行う試薬の量は重要ではない。縮合および脱水を行う試薬の典型的な量は,ピリジン誘導体1モルあたり少なくとも1molの量,好ましくは2.1mol−5mol,より好ましくは2.2−4mol,最も好ましくは2.3mol−3molである。縮合および脱水を行う試薬が溶媒または共溶媒としても働く場合,過剰量ははるかに多くてもよい。
【0048】
本発明の別の観点においては,式IIA,IIBまたはIICの化合物は,一般式IVA,IVBまたはIVC:
【化10】

の化合物を,キレート剤の存在下で,適当な反応条件下でヒドロキシルアミンと反応させることにより製造する。
【0049】
本発明においては,上述の反応の適当な反応条件は,アミドキシム誘導体を高い収率および純度で得られる条件を含む。好ましくは,所望のアミドキシム誘導体の収率は,少なくとも70%,より好ましくは72−95%,さらにより好ましくは75−90%,最も好ましくは78−85%である。好ましくは,所望のアミドキシム誘導体の純度は,少なくとも90%,より好ましくは少なくとも95%,さらにより好ましくは少なくとも96%,最も好ましくは少なくとも97%である。本発明の教示にしたがえば,当業者は,アミドキシムの収率および純度を最大にするために,最も適当な反応条件を日常的に決定することができる。当業者が考慮すべきパラメータとしては,限定されないが,ヒドロキシルアミンの量,触媒の選択,置換基R−Rの性質,溶媒系,反応温度および反応時間,および試薬の溶解性が挙げられる。
【0050】
ヒドロキシルアミンの好ましい量は,ピリジン誘導体に対して等モル量から50倍過剰の範囲である。好ましくは,ヒドロキシルアミンの量は,1.2−倍から20倍過剰の範囲であり,より好ましくは1.5倍から10倍過剰であり,最も好ましくは3倍から5倍過剰である。
【0051】
好ましいキレート剤としては,8−ヒドロキシキノリン,オルト−フェナントロリンおよびこれらの水和物および誘導体が挙げられる。キレート剤の好ましい量は,0.1−10mol%の範囲であり,より好ましくは0.5−5mol%,より好ましくは0.75−3mol%,最も好ましくは1−1.5mol%である。
【0052】
溶媒系は特に限定されないが,水,アルコール,例えばメタノール,エタノールまたはイソプロパノール,エーテル,例えばTHFまたは1,4−ジオキサン,および双極性非プロトン性溶媒,例えばジメチルスルホキシド等,またはこれらの溶媒の混合物が挙げられる。
【0053】
好ましくは,反応温度は,0℃から用いられる溶媒系の沸点までの範囲,より好ましくは20−100℃の範囲,最も好ましくは40−80℃の範囲である。好ましくは,反応時間は30分間−24時間の範囲,より好ましくは1時間−18時間の範囲,最も好ましくは2−8時間である。
【0054】
以下の反応スキーム1は,一般式IVBの化合物から一般式IIBの化合物を製造する方法の例を示す:
【化11】

スキーム1.試薬:i.ピペリジン,エタノール,還流;ii.SOCl,CCl,還流;iii.POCl,120℃,18h;iv.50%HNOH,MeOH−HO,1.25mol%1,10−フェナントロリン水和物
【0055】
以下の反応スキーム2は,一般式IIIのある種の化合物を製造する方法の一例を示す:
【化12】

スキーム2.試薬:i.65%HNO,AcOH;ii.48%HBr(aq),140℃;iii.MeOH,HCl(g);iv.BnBr,KCO,CHCN,還流;v.3NNaOH,MeOH/H
【0056】
以下の反応スキーム3は,一般式IIIの化合物を活性化し,次に式IIBの化合物と縮合させることにより環化し,脱水し,ヒドロキシル基を保護しているメチル残基を脱保護することにより,化合物Aを製造する方法の例を示す。
【化13】

スキーム3.化合物Aの製造
【0057】
上述の一般的反応原理は実施例17および18に例示される。
【0058】
1,2,4−オキサジアゾ−3,5−ジイル−成分以外の中心ユニットを有する上述の一般式Iの化合物は,実施例において用いられた方法において概説されるようにして,当業者が容易に製造することができる。
【0059】
本発明の別の態様は,医薬組成物において活性成分として使用するための本発明の化合物に関する。
【0060】
本発明のさらに別の態様は,本発明の化合物および薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0061】
本発明の化合物は,医薬組成物中にその薬学的に許容しうる塩またはエステルの形で存在することができる。適当な薬学的に許容しうるカウンターイオンは当該技術分野において知られている。化合物のプロドラッグを用いて,活性化合物の治療プロファイルを変更することもできる。
【0062】
本発明の医薬組成物または製剤を製造するためには,不活性な薬学的に許容しうる担体を活性化合物と混合する。薬学的に許容しうる担体は固体でも液体でもよい。固体形の調製物としては,粉体,錠剤,分散可能な顆粒およびカプセルが挙げられる。固体担体は,希釈剤,芳香剤,溶解剤,潤滑剤,懸濁剤,結合剤または錠剤崩壊剤としても作用する1またはそれ以上の物質であってもよく,封入剤であってもよい。
【0063】
好ましくは,医薬製剤は単位投与量の形態,例えば,包装された製剤であり,包装は個別容量の製剤,例えば小包された錠剤,カプセルおよびバイアルまたはアンプル中の粉体である。
【0064】
本発明の別の態様においては,疾病を治療する方法が提供され,この方法は,有効投与量の本発明の医薬組成物を治療を必要とする被験者に投与する工程を含む。
【0065】
本発明の医薬組成物を投与することにより治療することができる疾病としては,カテコールアミンのO−メチル化の低下が治療上有益でありうる中枢および末梢神経系疾患,すなわち,パーキンソン病等の運動疾患,振せん麻痺およびパーキンソンの症状が関与する疾患または病的状態;胃腸障害,浮腫形成状態および高血圧症が挙げられる。
【0066】
本発明の別の観点にしたがえば,被験者においてCOMT活性を低下させる方法が提供され,この方法は,有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む。好ましくはCOMT阻害は24−48時間にわたり低下する。
【0067】
本発明のさらに別の観点にしたがえば,被験者の脳または血漿におけるL−DOPAのレベルを増加させる方法が提供され,この方法は,有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む。好ましくは,L−DOPAレベルは24−48時間にわたり増加する。
【0068】
本発明のさらに別の観点にしたがえば,被験者の脳または血漿におけるL−DOPAのバイオアベイラビリティーを増加させる方法が提供され,この方法は,有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む。好ましくはL−DOPAのバイオアベイラビリティーは24−48時間にわたり増加する。
【0069】
本発明のさらに別の観点にしたがえば,被験者の脳または血漿における3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)のレベルを低下させる方法が提供され,この方法は,有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む。好ましくは3−OMDレベルは24−48時間にわたり低下する。
【0070】
好ましくは,投与の工程は,およそ1日に2回からおよそ2日に1回,好ましくは1日に1回である。
【0071】
本明細書において用いる場合,治療との用語およびその変形,例えば’治療する’または’治療すること’とは,ヒトまたは非ヒト動物に有益でありうる任意の投与計画を表す。治療は,現存する状態に関するものであっても,予防的なもの(予防的治療)であってもよい。治療は,治癒,軽減または予防的効果を含むことができる。
【0072】
投与量は,患者の必要性,疾病の重篤度,用いる特定の化合物および投与経路により様々でありうる。便宜のため,1日合計投与量を分割し,1日の間に少しずつ投与してもよい。特定の状況についての適切な投与量の決定は,医学分野の当業者の能力の範囲内である。
【0073】
そのような投与量は,活性化合物を被験者の標的部位,すなわち中枢および末梢神経系に向けるのに有用な任意の様式で,投与することができる。適当な投与経路としては,経口,移植,非経口(例えば,静脈内,腹腔内,関節内および皮下注射),経直腸,鼻腔内,局所,経眼(点眼剤により),経膣,および経皮が挙げられる。
【0074】
本発明の化合物は,好ましくは,特定の投与計画にしたがって疾患または病的状態を予防または治療するための医薬品の製造に用いられる。
【0075】
適当な投与計画は,およそ1日に2回からおよそ2日に1回の範囲の投与間隔を有する投与計画を含む。
【0076】
本明細書において用いる場合,投与間隔との用語は,特定の時間間隔において与えられる一般式Iの化合物の有効投与量の数を表す。
【0077】
好ましくは,投与間隔は,1日に2回,1日に1回および2日に1回から選択される。
【0078】
1日に2回の投与周期性の場合には,,1回分を8−16時間の投与間隔で投与することができ,ここで,個々の2回の投与間隔は合計して約24時間であるべきである。投与間隔の適当な非限定的出発点は,朝,日中,正午,午後,夕方,および深夜を含む。例えば,本発明にしたがう1日に2回の投与計画は,朝の8:00に1回分を投与し,午後の17:00に別の1回分を投与することを必要としてもよい(この場合,投与間隔は11時間および13時間であり,合計して約24時間である)。好ましくは,2回の投与の間の時間間隔は約12時間である。
【0079】
1日に1回の投与周期性の場合には,1回分を約24時間の投与間隔で投与することができる。投与間隔の適当な非限定的出発点は,朝,日中,正午,午後,夕方および深夜を含む。例えば,本発明にしたがう1日1回の投与計画は,朝の8:00に1回分を投与し,翌朝の8:00に別の1回分を投与することを必要としてもよい(この場合,投与間隔は約24時間である)。
【0080】
2日に1回の投与周期性の場合には,1回分を18−30時間の投与間隔で投与することができ,ここで,個々の2回の投与間隔は合計して約48時間であるべきである。投与間隔の適当な非限定的出発点は,朝,日中,正午,午後,夕方および深夜を含む。例えば,本発明にしたがう2日に1回の投与計画は,第1日の朝8:00に1回分を投与し,第2日の午後の13:00に別の1回分を投与することを必要としてもよい(この場合,投与間隔は29時間および19時間であり,合計して約48時間である)。好ましくは,2回の投与の間の時間間隔は約24時間である。
【0081】
本発明においては,一般式Iの化合物の有効1日投与量は,1−1000mg/day,より好ましくは2−500mg/day,さらにより好ましくは3−250mg/day,最も好ましくは5−100mg/dayの範囲である。
【0082】
一般式Iの化合物の個々の単位投与量は,1−500mgの範囲,より好ましくは2−300mg/day,さらにより好ましくは3−100mg/day,最も好ましくは5−50mgであることが好ましく,ここで,1日投与量は,投与の時間により異なりうる。例えば,1日に2回の投与計画においては,一般式Iの化合物の1日投与量の11/24を含む1回分を朝の8:00に投与し,一般式Iの化合物の1日投与量の13/24を含む別の1回分を夕方の17:00に投与することが可能である。
【0083】
本明細書において用いる場合,“投与単位”との用語は,投与計画のその時刻に患者に投与すべき一般式Iの化合物を含む錠剤等の個々の医薬製剤を表す。
【0084】
好ましくは,一般式Iの化合物で治療される被験者は,L−DOPAおよび/または芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤(AADC),例えばDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤による治療も受けている。適した阻害剤はカルビドパおよびベンセラジドである。
【0085】
一般式Iの化合物,L−DOPAおよびAADCは,別々に投与してもよく,任意の組み合わせで投与してもよい。これらは,併用して(例えば同時に)投与してもよく,または同じまたは異なる投与間隔で順番に投与してもよい。例えば,一般式Iの化合物は,L−DOPAと併用してもよく,順番に投与してもよい。併用投与の場合には,両方の活性成分を1つの医薬製剤中で組み合わせることも可能である。
【0086】
本発明の別の態様は,ヒトまたは非ヒト動物において,病理学的状態または疾病の治療のために,本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはエステルを使用することに関する。
【0087】
本発明のさらに別の態様は,本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはエステルの,そのような病理学的状態または疾病を治療するための医薬組成物の製造における使用に関する。
【0088】
活性化合物の治療プロファイルを変更するために本発明の化合物のプロドラッグを使用することも可能である。
【0089】
本発明はまた,一般式Iの化合物を含む医薬組成物を,前記組成物をおよそ1日に2回からおよそ2日に1回の範囲,好ましくは1日に1回の投与間隔を有する投与計画で投与する指示との組み合わせで含むパッケージに関する。
【0090】
パッケージはまた,L−DOPAおよび/またはAADC阻害剤,例えばベンセラジドまたはカルビドパを含んでいてもよい。
【0091】
本発明のそれぞれの態様または観点の好ましい特徴は,文脈で特にそうではないと示さない限り,本発明の別のそれぞれの態様または観点に準用して適用することができる。例えば,本発明の組成物が好ましくは1日に1回投与される場合,治療方法における投与工程もまた好ましくは1日に1回である。
【0092】
COMT活性は,先に記載されるようにして(Vieira−Coelho,M.A.,Soares−da−Silva,P.,Brain Res,1999,821,69−78),アドレナリンをメチル化してメタネフリンとする能力により証明される。以下に実験設定を説明する。肝臓ホモジネートの0.5mlのアリコートを0.4mlのリン酸バッファ(5mM)とともに20分間プレインキュベートした後,反応混合物を,メチルドナーであるS−アデノシル−L−メチオニン(250μM)の飽和濃度の存在下で,アドレナリン(500μM;0.1ml)とともに10分間インキュベートした。インキュベーション媒体にはパルギリン(pargyline)(100μM),MgCl(100μM)およびEGTA(1mM)も含まれていた。プレインキュベーションおよびインキュベーションは37℃で光保護下条件で連続的に振盪しながら酸化しない条件下で行った。インキュベーション期間の終了後,チューブを氷に移し,200μlの2M過塩素酸を加えて反応を停止した。次にサンプルを遠心分離(200xg,4分間,4℃)し,上清の500μlのアリコートを0.22μm孔径のSpin−Xフィルターチューブ(Costar)で濾過し,メタネフリンのアッセイに用いて,高速液体クロマトグラフィーで電気化学的に検出した。
【0093】
試験化合物が肝臓COMTに及ぼす影響を評価するよう設計された実験においては,一晩絶食させたマウスに試験化合物(5%カルボキシメチルセルロース中)を胃管により与えた。次に,所定の間隔で肝臓を除去して,これを用いて上述したようにしてCOMT活性を測定した。
【0094】
細胞毒性は,PedrosaおよびSoares−da−Silva(Br.J.Pharmacol.,137,11305−1313,2002)に記載される方法により証明される。以下に実験設定を説明する:Neuro2Aマウス神経芽細胞腫細胞を,CO/空気(5%/95%)湿潤環境下で37℃で,96ウエルプレートにウエルあたり200μLの細胞接着用培地(CMA)中で播種した。インキュベーション前の試験系の対照は,培養細胞の形態学的対照(光学顕微鏡),すなわち,接着,拡散および密度からなる。播種の5日後(細胞がコンフルエントになった24時間後),試験化合物を培養細胞とともに24時間インキュベーションした。試験物質なしまたはエタノールを加えた培養物を陰性対照および陽性対照として平行して調べた。すべてのインキュベーションは試験化合物について必要なものと同じパーセントの溶媒を含んでいた。
【0095】
細胞の生存率は,カルセイン−AMを用いる生存率を測定することにより証明される(MolecularProbes,Eugene,OR,USA)。膜透過性カルセイン−AM(非蛍光染料)は取り込まれて,細胞内のエステラーゼにより変換されて膜不透過性カルセインとなり,これは緑色の蛍光を放出する。実験の設定を下記に説明する。試験物質またはベヒクルで24時間処理した後,細胞をハンクス培地(培地組成,mM:NaCl137,KCl5,MgSO0.8,NaHPO0.33,KHPO0.44,CaCl0.25,MgCl1.0,TrisHCl0.15および酪酸ナトリウム1.0,pH=7.4)で2回洗浄し,ハンクス培地中2μMのカルセイン−AMを室温で30分間負荷した。マルチプレートリーダーで励起波長485nm,放出波長530nmで蛍光を測定した。カルセイン−AMの最小染色(calceinmin)を決定するために,カルセイン−AMを加える30分前に8個のウエルをエタノールで処理した。次に次式にしたがってパーセント生存率を計算した。
[(calceinsample-calceinmin)/(calceincontrol-calceinmin)]x100
【0096】
結論
本発明の化合物は,長期間にわたる生物活性,バイオアベイラビリティーおよび安全性のバランスのとれた特性を示すCOMT阻害剤として作用する潜在能力により証明されるように,薬剤療法の有望な候補である。
【0097】
図1−3の簡単な説明
図1.いずれかのCOMT阻害剤の投与の0.5,1,3,6,9および24時間後における,肝臓COMT活性に及ぼす化合物Aおよびトルカポン(いずれも3mg/kg)の影響。記号は一群につき5回の実験の平均±SDを示す。対応する対照値から有意な相違(*P<0.05)。
【0098】
図2.いずれかのCOMT阻害剤を投与した2,7および24時間後にL−DOPA(12mg/kg)+ベンセラジド(3mg/kg)で処置したラットにおける,化合物Aおよびトルカポン(いずれも3mg/kg)がL−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)の血漿レベルに及ぼす影響。.カラムは一群につき5回の実験の平均±SDを示す。対応する対照値から有意な相違(*P<0.05)。
【0099】
図3.いずれかのCOMT阻害剤を投与した2,7および24時間後にL−DOPA(12mg/kg)+ベンセラジド(3mg/kg)で処置したラットにおける,化合物Aおよびトルカポン(いずれも3mg/kg)がL−DOPA,3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD),ドーパミン,DOPACおよびHVA脳レベルに及ぼす影響。カラムは一群につき5回の実験の平均±SD示す。対応する対照値から有意な相違(*P<0.05)。
【0100】
生物学的アッセイの材料および方法
COMT活性のアッセイ
体重240−260gの60日齢雄ウィスターラット(Harlan−Interfauna Iberica,Barcelona,Spain)を,制御環境条件下(12時間明暗サイクルおよび室温24℃)でケージあたり2匹ずつ維持し,その肝臓をすべての実験において用いた。断頭後,臓器を速やかに摘出し,5mMリン酸バッファ(pH7.8)中でホモジナイズした。COMT活性は,アドレナリンをメチル化してメタネフリンにする能力により評価した。肝臓ホモジネートの0.5mlのアリコートを0.4mlのリン酸バッファ(5mM)とともに20分間プレインキュベーションした。次に,反応混合物を,メチルドナーである飽和濃度のS−アデノシル−L−メチオニン(500μM)の存在下で,エピネフリン(2000μM;0.1ml)とともに15分間インキュベーションした。インキュベーション媒体は,パルギリン(100μM),MgCl(100μM)およびEGTA(1mM)も含んでいた。プレインキュベーションおよびインキュベーションは37℃で,光保護下で連続的に振盪しながら酸化しない条件下で行った。
【0101】
試験物質の経口生物利用性を評価するよう設計された実験においては,一晩絶食させたラットに化合物を胃管により投与した。その後,所定の間隔で,動物を断頭により犠牲死させ,肝臓を摘出し,これを用いて上述したようにCOMT活性を測定した。インキュベーション期間の終了後(5分間),チューブを氷に移し,200μlの2M過塩素酸を加えることにより反応を停止させた。次にサンプルを遠心分離し(200xg,4分間,4℃),上清の500μlのアリコートを0.22μm孔径のSpin−Xフィルターチューブ(Costar)で濾過し,メタネフリンのアッセイに用いた。メタネフリンのアッセイは,高速液体クロマトグラフィーにより電気化学的検出を用いて行った。メタネフリンの下側検出限界は350−500fmol(0.5−1.0pmol/mg蛋白質/h)であった。
【0102】
L−DOPAおよびその誘導体の全脳および血漿中のレベル
一晩絶食させたラットにトルカポンおよび一般式Iの化合物(すべて3mg/kg)またはベヒクル(0.5%カルボキシメチルセルロース,4ml/kg)を経口投与した。1,6または23時間後に,ラットにL−DOPA(12mg/kg)+ベンセラジド(3mg/kg)または+ベヒクル(0.5%カルボキシメチルセルロース,4ml/kg)を経口投与した。1時間後,ラットをペントバルビタールナトリウム(60mg/kg,i.p.)で麻酔し,大静脈から血液を回収し,全脳を速やかに摘出した。脳は,続くL−DOPA,3−O−メチル−L−DOPA,ドーパミン,DOPACおよびHVAのアッセイ用に0.2M過塩素酸中に保存した。血液サンプルを3,000g(4℃)で15分間遠心分離し,血漿サンプルは,L−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPAのアッセイまで−80℃で保存した。すべての動物の介入は,ヨーロッパ指針(European Directive)番号86/609および“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals”,第7版,1996,Institute for Laboratory Animal Research(ILAR),Washington,DCの規則にしたがって実施した。
【0103】
L−DOPAおよびカテコール誘導体のアッセイ
透析サンプル中のL−DOPA,3−O−メチル−L−DOPA,ドーパミンおよび代謝産物(DOPACおよびHVA)は,先に記載されるようにして(Soares−da−Silva et al.,Brain Res.2000;863:293−297),HPLCで電気化学的検出によりアッセイした。簡単には,20μlのアリコートをクロマトグラフィーに注入した。クロマトグラフィー系は,ポンプ(Gilson307)および長さ25cm,直径4.6mmのステンレススチールの5μmODS2カラム(Biophase;Bioanalytical Systems,West Lafayette,IN)から構成された。サンプルはGilson希釈器(Gilson 401)に連結された自動サンプル注入器(Gilson 231)により注入した。移動相は,PCA2MでpH3.5に調節したクエン酸0.1mM;オクチル硫酸ナトリウム0.5mM;酢酸ナトリウム0.1M;NaEDTA0.17mM;ジブチルアミン1mMおよびメタノール(10%v/v)の脱気溶液であり,1.0ml・min−1の速度でポンプで注入した。検出はガラス状電極,Ag/AgCl参照電極およびアンペロメトリー検出器(Gilson 142)を用いて電気化学的に行った。ディテクターセルは0.75Vで動作させた。Gilson Unipoint HPLCソフトウエアを用いて生成した電流をモニターした。ドーパミン,DOPACおよびHVAの検出下限は350−1000fmolの範囲であった。
【0104】
生物学的結果
化合物Aは肝臓COMTの強力な阻害剤であることが見いだされ,最大阻害効果は経口投与後6時間以内に達成された(図1)。トルカポンの最大阻害効果は,投与後30分以内に認められた(図1)。投与の9時間後,トルカポンは最小の阻害効果を示すが,化合物AはなおCOMT活性を対照のレベルの90%阻害することができる(図1)。図1に示されるように,投与の24時間後,化合物Aは肝臓COMTの阻害を対照レベルの60%で維持したが,トルカポンはこの時点ですでにCOMT阻害特性はほとんど失っていた。
【0105】
図2は,L−DOPA+ベンセラジドで処置したラットの,トルカポンおよび化合物A(いずれも3mg/kg)を投与した2,7および24時間後におけるL−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)の血漿レベルのパーセント変化を示す。L−DOPA+ベンセラジドは,血液サンプルの採取の1時間前に投与した。この時点は,L−DOPAについてのtmaxを表すため選択された。認められるように,化合物Aは血漿L−DOPAを有意に増加させるとともに,循環3−O−メチル−L−DOPAを顕著に低下させ,これは化合物Aで前処置したすべての時間(1,724時間)について同じであった。24時間前にトルカポンを投与した場合には,L−DOPA+ベンセラジドで処置したラットのL−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)の血漿レベルは影響を受けなかった。トルカポンによるL−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPA血漿レベルの有意な変化は,化合物を投与した2および7時間後にのみ認められた。
【0106】
図3は,トルカポンおよび化合物A(3mg/kg)の投与の2,7および24時間後にL−DOPA+ベンセラジドで処置したラットの脳における,L−DOPA,3−O−メチル−L−DOPA,DOPAC,ドーパミンおよびHVAのレベルを示す。L−DOPA+ベンセラジドは脳サンプルを採取する1時間前に投与した。この時点は,L−DOPAについてのTmaxを表すため選択された。認められるように,化合物Aは脳L−DOPA,ドーパミンおよびDOPACを有意に増加させるとともに,脳3−O−メチル−L−DOPAを顕著に低下させ,これは化合物Aのすべての前処置時間(1,7および24時間)について同じであった。24時間前にトルカポンを投与した場合には,L−DOPA,ドーパミン,DOPACおよび3−O−メチル−L−DOPAの脳レベルは影響を受けなかった。トルカポンによるL−DOPA,ドーパミン,DOPACおよび3−O−メチル−L−DOPA脳レベルの有意な変化は,化合物を投与した2および7時間後にのみ認められた。
【実施例】
【0107】
以下の実施例を参照して本発明を詳細に説明するが,これは本願発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0108】
実施例1
1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の一例として,3−ニトロ−5−[5−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゼン−1,2−ジオールを下記の方法により製造した。
a)3,4−ジメトキシ−5−ニトロ安息香酸(0.53g,2.34mmol)および1,1−カルボニルジイミダゾール(0.42g,2.59mmol)の混合物をテトラヒドロフラン(10mL)中で3時間加熱還流した後,室温に冷却した。2−トリフルオロメチル−ニコチン酸ヒドラジド(0.53g,2.57mmol)を一度に加え,黄色がかった混合物を一晩加熱還流した後,室温に冷却した。混合物を冷水(100mL)に注加し,大量の沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,2−トリフルオロメチル−ニコチン酸N’−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロ−ベンゾイル)−ヒドラジド(0.71g,73%)を得た。
【0109】
b)オキシ塩化リン(10mL)中の2−トリフルオロメチル−ニコチン酸N’−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロ−ベンゾイル)−ヒドラジド(0.60g,1.44mmol)の懸濁液を130℃で3時間撹拌すると,淡黄色溶液になった。混合物を室温に冷却した後,氷水(200mL)に注加した。白色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(0.48g,84%)を得た。
【0110】
c)48%臭化水素酸(5mL)および30%臭化水素の酢酸(5mL)中の混合物中の2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−5−(2−(トリフルオロメチル)-ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(0.289g,0.73mmol)の懸濁液を140℃で一晩加熱した後,室温に冷却した。減圧下で蒸発乾固させた後,トルエン(10mL)を残渣に加え,減圧下で再蒸発させた。得られた固体をイソプロパノールから再結晶して,3−ニトロ−5−[5−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た(0.183g,68%)。
【0111】
実施例2
ピリミジン−2,4−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の一例として,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した。
a)純粋エタノール(5mL)中の1−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロ−フェニル)−3−ジメチルアミノ−プロペン−1−オン(0.28g,1.0mmol),2−(トリフルオロメチル)ニコチンイミドアミド(0.283g,1.5mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.17g,1.5mmol)の撹拌懸濁液を密封管中で80℃で1時間加熱した後,室温に冷却した。混合物を冷水(100mL)に注加し,得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン(0.296g,73%)を得た。
【0112】
b)48%臭化水素酸(5mL)中の4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン(0.239g,0,59mmol)の懸濁液を140℃で4時間撹拌した後,室温に冷却した。混合物を氷水(100mL)に注加し,得られた濾液を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオール(0.201g,90%)を得た。
【0113】
実施例3
ベンゼン−1,3−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の一例として,5−ニトロ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−3,4−ジオールを以下の方法により製造した。
a)トルエン(10mL)およびエタノール(1mL)中の4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニルボロン酸(1.0g,3.87mmol)および2−(3−ブロモフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.063g,3.52mmol)の撹拌溶液に,室温でアルゴン下で2N水性炭酸ナトリウム溶液(5.41mL,10.82mmol)を加え,次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.22g,0.19mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で2時間撹拌し,次に室温まで冷却した。相を分離し,水性相をトルエン(5mL)で抽出した。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,濾過した。溶媒を蒸発させて,褐色油状物を得,これをシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,9:1)で精製して,2−(4’−(ベンジルオキシ)−3’−メトキシビフェニル−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジンを無色油状物(1.072g,70%)として得た。
【0114】
b)氷水浴で冷却したジクロロメタン(20mL)中の2−(4’−(ベンジルオキシ)−3’−メトキシビフェニル−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.061g,2.44mmol)の溶液に,酢酸(4mL,20mmol)中の臭化水素の30%溶液を滴加した。得られた溶液を室温で6時間撹拌した後,氷水(100mL)に注加した。相を分離し,水性相をジクロロメタン(10mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,濾過した。溶媒を蒸発させて,褐色油状物を得,シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,4:1)を行って,3−メトキシ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−4−オールを透明油状物(0.547g,65%)として得た。
【0115】
c)酢酸(10mL)中の3−メトキシ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−4−オール(0.476g,1.38mmol)の溶液に,室温で,60%硝酸(0.12mL,1.52mmol)を滴加した。得られた混合物を30分間撹拌し,氷水(100mL)に注加し,得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,2:1)を行って,3−メトキシ−5−ニトロ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−4−オールを黄色固体(0.323g,60%)として得た。
【0116】
d)氷水浴中で冷却した1,2−ジクロロエタン(10mL)中の3−メトキシ−5−ニトロ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−4−オール(0.288g,0.738mmol)の溶液に塩化アルミニウム(0.123g,0.922mmol)を一度に加え,次にピリジン(0.233g,2.95mmol)を滴加した。得られた赤色懸濁液を80℃で2時間撹拌し,次に室温に冷却し,冷2N水性塩酸(100mL)に注加した。沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,5−ニトロ−3’−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−3,4−ジオール(0.164g,59%)を得た。
【0117】
実施例4
カルボニル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノンを以下の方法により製造した:
a)4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−ブロモベンゼン(2.0g,6.82mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)の溶液に,−78℃でアルゴン下で,ヘキサン中2Nブチルリチウム溶液(3.75mL,7.5mmol)を滴加した。得られた混合物を1時間撹拌した後,テトラヒドロフラン(20mL)中のN−メトキシ−N−メチル−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(1.76g,7.5mmol)の溶液を滴加した。次に混合物を2時間かけて室温にし,冷2N水性塩酸(150mL)に注加した。混合物をジエチルエーテルで抽出し,合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,濾過した。溶媒を蒸発させて,褐色油状物を得,これをシリカゲル(石油エーテル/酢酸エチル,2:1)でクロマトグラフィーを行って,(4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−フェニル)−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−メタノンを得た,1.72g(65%)。
【0118】
b)氷水浴で冷却したジクロロメタン中の(4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−フェニル)−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−メタノン(0.913g,2.36mmol)の撹拌溶液に,酢酸中臭化水素の30%溶液(3.54mL,17.7mmol)を滴加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し,次に氷水(100mL)に注加した。相を分離し,水性相をジクロロメタン(10mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,濾過した。溶媒を蒸発させて,褐色油状物を得,これをシリカゲル(石油エーテル/酢酸エチル,1:1)でクロマトグラフィーを行って,(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノンを無色固体として得た,0.561g(80%)。
【0119】
c)酢酸(10mL)中の(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノン(0.472g,1.59mmol)の溶液に,室温で60%硝酸(0.14mL,1.75mmol)を滴加した。得られた混合物を30分間撹拌し,次に氷水(100mL)に注加し,得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。エタノールから再結晶して,(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロフェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノンを黄色固体として得た,0.315g(58%)。
【0120】
d)氷水浴で冷却した1,2−ジクロロエタン(10mL)中の(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノン(0.287g,0.84mmol)の撹拌溶液に,塩化アルミニウム(0.14g,1.05mmol)を一度に加え,次にピリジン(0.26g,3.35mmol)を滴加した。得られた赤色懸濁液を80℃で2時間撹拌し,次に室温に冷却し,冷2N水性塩酸(100mL)に注加した。沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−メタノンを得た,0.182g(66%)。
【0121】
実施例5
(Z)−1−シアノエテン−1,2−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリルを以下の方法により製造した:
a)純エタノール(10mL)中のバニリン(1.0g,6.57mmol),2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アセトニトリル(1.222g,6.57mmol)およびピペリジン(0.71mL,7.23mmol)の懸濁液を48時間還流撹拌し,次に室温に冷却した。得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。イソプロパノールから再結晶して,(Z)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリルを白色結晶として得た,0.904g(43%)。
【0122】
b)酢酸(20mL)中の(Z)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリル(0.858g,2.68mmol)の溶液に,60%硝酸(0.23mL,2.95mmol)を滴加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し,次に氷水(100mL)に注加した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。イソプロパノールから再結晶して,(Z)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリルを黄色固体として得た,0.597g(61%)。
【0123】
c)氷水浴で冷却した1,2−ジクロロエタン(10mL)中の(Z)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリル(0.526g,1.44mmol)の撹拌溶液に,塩化アルミニウム(0.24g,1.80mmol)を一度に加え,次にピリジン(0.46g,5.77mmol)を滴加した。得られた赤色懸濁液を80℃で2時間撹拌し,次に室温に冷却し,冷2N水性塩酸(100mL)に注加した。沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥して,(Z)−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−アクリロニトリルを得た,0.308g(61%)。
【0124】
実施例6
1H−イミダゾール−1,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)
の化合物の例として,3−ニトロ−(5−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)エタノール(12.5mL)と酢酸(0.25mL)の混合物中の5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(0.405g,2.5mmol)の撹拌溶液に,室温で3,4−ジメトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(0.53g,2.5mmol)を加えた。反応液を還流温度で2時間加熱し,次にエタノールを蒸発させた。油状の残渣をメタノール(17mL)および1,2−ジメトキシエタン(7.5mL)の混合物に溶解した後,1−(イソシアノメチルスルホニル)−4−メチルベンゼン(TOSMIC)(0.73g,3.75mmol)および炭酸カリウム(0.69g,5mmol)を一度に加えた。得られた混合物を還流温度で3時間加熱した。反応液を蒸発乾固させ,ジクロロメタン(50ml)に取り出した。有機相を水(50mL)で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発させて,褐色油状物を得た。シリカゲル(石油エーテル−酢酸エチル9:1)でカラムクロマトグラフィーを行って,2−(5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを得た,0.542g(55%)。
【0125】
b)2−(5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.394g,1mmol)を48%水性臭化水素(6mL)中で140℃で2.5時間加熱した。暗色の均一な溶液を室温に冷却し,揮発性物質を蒸発により除去して,淡褐色結晶固体を得,これをPで真空下で乾燥した。得られた固体をジエチルエーテル中で粉砕して,3−ニトロ−5−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色結晶固体として得た,0.263g(72%)。
【0126】
実施例7
イソオキサゾ−3,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)エタノール(15mL)中の(E)−3−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル))−1−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)プロプ−2−エン−1−オン(1.146g,3mmol)の撹拌懸濁液に,50%水性ヒドロキシルアミン溶液(0.74mL,4.5mmol)を加え,混合物を80℃で加熱した。1時間撹拌した後,細かい沈殿物が反応混合物から分離し始めた。室温まで冷却した後,黄色沈殿物を濾別し,エタノールで洗浄し,真空下で乾燥して,3−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−オールを得た,0.904g(73%)。
【0127】
b)3−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−オール(2.06g,5mmol)を20mLの酢酸エチル中で70℃で加熱した。得られたスラリーにトリフルオロ酢酸(0.74g,6.5mmol)を滴加した。10分後,反応液を蒸発乾固させ,残渣をイソプロパノールから再結晶して,3−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾールを得た,1.224g(62%)。
【0128】
c)3−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール(0.79g,2mmol)をジクロロメタン(15mL)中に入れ,黄色がかった懸濁液をアルゴン下で−78℃に冷却した後,三臭化ホウ素(4.5g,18mmol)を滴加した。赤みがかった反応混合物を室温まで暖め,18時間撹拌し,次に注意深く氷水(100mL)に注加し,1時間撹拌した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。沸騰エタノール中で粉砕して,3−ニトロ−5−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.47g(64%)。
【0129】
実施例8
フラン−2,4−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,エチル 4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレートを以下の方法により製造した:
a)ピリジン(25mL)中のエチル 3−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)プロパノエート(1.305g,5mmol)の撹拌溶液に,2−ブロモ−1−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)エタノン(1.67g,5.5mmol)を加えた。反応混合物を70℃に加熱し,5時間撹拌し,次に室温に冷却し,6N水性HCl(100mL)に注加した。沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。固体をジクロロメタン/イソプロパノールから再結晶して,粗エチル 4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレートを得た,1.00g(43%)。
【0130】
b)4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレート(466mg,1mmol)をジクロロメタン(8mL)中に入れた。黄色がかった懸濁液をアルゴン下で−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(0.85mL,9mmol)を滴加した。赤みがかった反応混合物を室温まで暖め,18時間撹拌し,次に注意深く氷水(100mL)に注加し,1時間撹拌した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。固体をエタノールから再結晶して,エチル 4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)フラン−3−カルボキシレートを黄色固体として得た,0.31g(68%)。
【0131】
実施例9
オキサゾール−2,4−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)キシレン(30mL)中の2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル(4.24g,15mmol)の溶液に,2−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(3.135g,16.5mmol)および三フッ化ホウ素エテレート(0.18mL,15mmol)を加えた。得られた黄色溶液を18時間加熱還流し,次に室温に冷却した。溶媒を蒸発させた後,残渣を酢酸エチルと飽和水性炭酸水素ナトリウムとの間に分配した。有機相を分離し,ブラインで洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発させた。シリカゲル(石油エーテル/酢酸エチル2:1)でのカラムクロマトグラフィーにより,純粋な4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾールを淡黄色固体として得た,2.488g(42%)。
【0132】
b)4−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール(1.185g,3mmol)をジクロロメタン(25mL)中に入れた。黄色がかった懸濁液をアルゴン下で−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(2.55mL,27mmol)を滴加した。赤色反応混合物を室温まで暖め,18時間撹拌した。次にこれを注意深く氷水(100mL)に注加し,1時間撹拌した。得られた黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。固体をエタノールから再結晶して,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.627g(57%)。
【0133】
実施例10
1,2,4−トリアジン−3,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)エタノール(30mL)中の(Z)−2−(トリフルオロメチル)ニコチンヒドラゾンアミド(1.02g,5mmol)の撹拌溶液に,2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−2−オキソアセトアルデヒド(1.19g,5mmol)を加えた。反応混合物を5時間加熱還流した。次にこれを室温に冷却し,溶媒を蒸発により除去した。残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解し,有機相を水で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発させた。粗生成物をイソプロパノールから再結晶して,5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジンを得た,1.628g(80%)。
【0134】
b)5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン(1.221g,3mmol)をジクロロメタン(25mL)中に入れた。黄色がかった溶液をアルゴン下で−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(2.55mL,27mmol)を滴加した。赤色反応混合物を室温まで暖め,18時間撹拌した。次にこれを注意深く氷水(100mL)に注加し,1時間撹拌した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。固体をジクロロメタン−エタノールから再結晶して,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−トリアジン−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.807g(71%)。
【0135】
実施例11
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)エタノール(30mL)中の(E)−N−((ジメチルアミノ)メチレン)−3,4−ジメトキシ−5−ニトロベンズアミド(1.12g,4mmol)の溶液に,2−(トリフルオロメチル)ニコチンイミドアミド(0.756g,4mmol)を加えた。反応混合物を5時間加熱還流した。これを室温に冷却し,溶媒を蒸発により除去した。次に残渣をジクロロメタン/イソプロパノール混合物(50mL,70:30)に溶解し,有機相を水で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発させた。粗生成物をエタノールから再結晶して,2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジンを得た,1.221g(75%)。
【0136】
b)2−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン(1.221g,3mmol)の一部をジクロロメタン(25mL)中に入れた。黄色がかった溶液をアルゴン下で−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(2.55mL,27mmol)を滴加した。赤色反応混合物を室温まで暖め,18時間撹拌した。次にこれを注意深く氷水(100mL)に注加し,1時間撹拌した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,Pで真空下で乾燥した。ジクロロメタン−エタノール混合物から再結晶して,3−ニトロ−5−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.966g(85%)。
【0137】
実施例12
ピロール−2,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,エチル 5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−メチル−2−(2−トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートを以下の方法により製造した:
a)エタノール(25mL)と酢酸(0.5mL)の混合物中のメチルアミン(0.63mL,33%EtOH溶液,5mmol)の撹拌溶液に,室温でエチル 3−オキソ−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−プロパノエート(1.305g,5mmol)を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し,その間に溶媒を真空下で蒸発により除去した。粗生成物のジメチルホルムアミド(25mL)中の溶液に,炭酸カリウム(2.07g,15mmol)を一度に加え,次に1−(3,4−ビス−ベンジルオキシ−5−ニトロ−フェニル)−2−ブロモ−エタノン(2.51g,5.50mmol)を加え,混合物を100℃で撹拌した。出発物質が検出されなくなった後,反応混合物を室温に冷却し,氷冷1N水性塩酸(100mL)に注加した。得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーを行った。均一な画分をプールし,蒸発させて,エチル 5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−1−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートを得た,2.492g(79%)。
【0138】
b)ジクロロメタン(10mL)中のエチル 5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−1−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(0.189g,0.30mmol)の溶液を撹拌しながら−78℃に冷却し,アルゴン下で三臭化ホウ素(0.30g,1.21mmol)で処理した。次に得られた濃紫色懸濁液を室温で1時間撹拌した後,再び−78℃に冷却した。メタノールを注意深く加えることにより混合物をクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL)で,次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄して,エチル 5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−メチル−2−(2−トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートを黄色固体として得た,0.126g(93%)。
【0139】
実施例13
2H−テトラゾール−2,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(2−(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)ジメチルホルムアミド(3mL)中の3,4−ビス−ベンジルオキシ−5−ニトロ−ベンゾニトリル(0.54g,1.50mmol),アジ化ナトリウム(0.15g,2.25mmol)および塩化アンモニウム(0.12g,2.25mmol)の混合物を85℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後,反応混合物を水(30mL)に注加し,希塩酸で酸性にした。得られた沈殿物を回収し,水で洗浄し,乾燥して,5−(3,4−ビス−ベンジルオキシ−5−ニトロ−フェニル)−2H−テトラゾールを得た,0.53g(87%)。
【0140】
b)2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.181g,1.00mmol)を,アセトニトリル(10mL)中の5−(3,4−ビス−ベンジルオキシ−5−ニトロ−フェニル)−2H−テトラゾール(0.4g,1.00mmol)および炭酸カリウム(0.14g,1mmol)の撹拌懸濁液に加えた。反応混合物を室温で完了まで撹拌し,次にジクロロメタンで希釈し,水で洗浄した。有機相を分離し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発乾固させて,粗残渣を得,これをジクロロメタン/イソプロパノール混合物から再結晶して,2−(5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2H−テトラゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを得た,0.389g(71%)。
【0141】
c)ジクロロメタン(15mL)中の2−(5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2H−テトラゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.274g,0.5mmol)の溶液をアルゴン下で撹拌しながら−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(1.00g,4.00mmol)を滴加した。次に,得られた濃紫色懸濁液を室温で1時間撹拌した後,再び−78℃に冷却した。メタノールを注意深く加えることにより混合物をクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL)で,次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄して,3−ニトロ−5−(2−(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.165g(90%)。
【0142】
実施例14
1,3−チアゾール−2,4−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボチオアミド(0.227g,1.10mmol)および1−[3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル]−2−ブロモエタノン(0.50g,1.10mmol)の混合物を純エタノール(5mL)中で一晩還流した。室温に冷却した後,反応混合物を水(50mL)に注加した。得られた沈殿物を濾別し,水(25mL)で洗浄し,乾燥した。ジクロロメタン/イソプロパノールから再結晶して,4−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾールを得た,0.539g(87%)。
【0143】
b)ジクロロメタン(10mL)中の4−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール(0.146g,0.26mmol)の溶液を−78℃に冷却し,アルゴン下で三臭化ホウ素(0.26g,1.03mmol)で処理した。次に得られた濃紫色懸濁液を室温で1時間撹拌した後,再び−78℃に冷却した。メタノールを注意深く加えることにより混合物をクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL)で,次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄して,3−ニトロ−5−(2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.087g(87%)。
【0144】
実施例15
1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,5−(4−メチル−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)ジクロロメタン(10mL)中の塩化3,4−ジメトキシ−5−ニトロ−ベンゾイル(0.50g,2.04mmol)の撹拌溶液に,0℃でメチルアミン(1.02mL,2.04mmol,THF中2M)を滴加した。反応混合物を室温ですべての出発物質が見えなくなるまで撹拌し,次にジクロロメタンで希釈し,水で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発乾固させて,粗残渣を得,これをジクロロメタン/イソプロパノール混合物から再結晶して,3,4−ジメトキシ−N−メチル−5−ニトロ−ベンズアミドを得た,0.44g(89%)。
【0145】
b)トルエン(10mL)中の3,4−ジメトキシ−N−メチル−5−ニトロ−ベンズアミド(0.40g,1.66mmol)の撹拌懸濁液に,五塩化リンn(0.28g,1.83mmol)を少しずつ加えた。添加が完了した後,出発物質が見えなくなるまで反応混合物を還流温度に暖めた。蒸発乾固して,粗固体を得,これをジエチルエーテルで洗浄して,塩化3,4−ジメトキシ−N−メチル−5−ニトロ−ベンズイミドイルを得た,0.37g(85%)。
【0146】
c)ジメチルホルムアミド(2.5mL)中の2−(トリフルオロメチル)ニコチノニトリル(0.43g,2.50mmol),アジ化ナトリウム(0.24g,3.75mmol)および塩化アンモニウム(0.20g,3.75mmol)の混合物を85℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後,反応混合物を水(20mL)に注加し,希塩酸で酸性にした。得られた沈殿物を回収し,水で洗浄し,乾燥して,3−(2H−テトラゾール−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンを得た,0.484g(90%)。
【0147】
d)塩化3,4−ジメトキシ−N−メチル−5−ニトロ−ベンズイミドイル(0.26g,1.08mmol)を予め50℃に加熱した乾燥ピリジン(3mL)中の3−(2H−テトラゾール−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.215g,1mmol)の撹拌溶液に加えた。得られた混合物を注意深く75−90℃に加熱し,窒素発生がやむまでこの温度に維持した。次に混合物を水(30mL)に注加し,ジクロロメタン(25mL)で抽出した。有機相を分離し,無水硫酸マグネシウムで乾燥し,濾過し,蒸発乾固させた。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して,3−(5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンを得た,0.241g(59%)。
【0148】
e)ジクロロメタン(20mL)中の3−(5−(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.192g,0.47mmol)の撹拌懸濁液に,−78℃でアルゴン下で三臭化ホウ素(0.47g,1.88mmol)を滴加した。次に得られた紫色懸濁液を室温で7時間撹拌した後,氷水浴で冷却した。メタノールを加えることにより混合物を注意深くクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL)で,次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄し,乾燥して,5−(4−メチル−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールを橙色固体として得た,0.154g(86%)。
【0149】
実施例16
1,2,3−チアジアゾール−4,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)トルエン(10mL)中の1−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−エタノン(0.485g,0.93mmol),エチルカルバゼート(0.11g,1.06mmol)およびp−トルエンスルホン酸(4mg)の混合物を水の沸騰がやむまで還流した。反応混合物を室温に冷却し,溶媒を蒸発乾固させ,粗固体をジエチルエーテル(15mL)中で粉砕し,濾過し,乾燥して,(Z)−エチル 2−(1−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキシレートを得た,0.475g(84%)。
【0150】
b)塩化チオニル(2mL)中の(Z)−エチル 2−(1−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキシレート(0.388g,0.64mmol)の混合物を,出発物質が検出されなくなるまで還流した。過剰の溶媒を除去し,残渣をシリカゲルでジクロロメタン/エタノールの混合物を溶出剤として用いるクロマトグラフィーにより精製した。均一な画分をプールし,蒸発させて,4−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾールを得た,0.184g(51%)。
【0151】
c)ジクロロメタン(10mL)中の4−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール(0.147g,0.26mmol)の溶液を撹拌しながら−78℃に冷却し,アルゴン下で三臭化ホウ素(0.26g,1.03mmol)で処理した。次に,得られた濃紫色懸濁液を室温で1時間撹拌した後,再び−40℃に冷却した。メタノールを注意深く加えることにより混合物をクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL)で,次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄して,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.09g(89%)。
【0152】
実施例17
1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル成分を中心ユニットとして有する一般式(I)の化合物の例として,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを以下の方法により製造した:
a)ジメチルホルムアミド(10mL)中の3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロ安息香酸(0.759g,2mmol)の撹拌溶液に,室温で1,1−カルボニルジイミダゾール(0.34g,2.10mmol)を一度に加えた。得られた黄色混合物を90分間撹拌した後,(Z)−N’−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ニコチンイジドアミド(0.41g,2mmol)を一度に加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌し,水(100mL)に注加した。得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。ジクロロメタン/イソプロパノールから再結晶して,(Z)−N’−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロベンゾイルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ニコチンイミドアミドを淡黄色固体として得た,0.88g(78%)。
【0153】
b)上で得られた固体(0.26g,0.46mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の撹拌溶液に,室温でアルゴン下でテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1N溶液(0.7mL,0.7mmol)を加えた。得られた透明黄色溶液を室温で4時間撹拌した。追加のフッ化テトラブチルアンモニウム(0.7mmol)を加え,反応混合物を室温で15時間,次に55℃で10時間撹拌した。室温に冷却した後,反応混合物を水(150mL)に注加した。得られた沈殿物を濾別し,水で洗浄し,乾燥した。粗生成物をシリカゲルでジクロロメタンを溶出剤として用いてクロマトグラフィーを行った。均一な画分をプールし,蒸発させて,5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾールを灰白色固体として得た,0.21g(82%)。
【0154】
c)ジクロロメタン(5mL)中の5−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ニトロフェニル)−3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(0.099g,0.18mmol)の溶液をアルゴン下で撹拌しながら−78℃に冷却し,三臭化ホウ素(0.18g,0.74mmol)を滴加した。次に,得られた濃紫色懸濁液を室温で1時間撹拌した後,再び−78℃に冷却した。メタノールを注意深く加えて混合物をクエンチした。室温で30分間撹拌した後,揮発性物質を蒸発させ,残渣を2N塩酸(5mL)とともに30分間撹拌した。得られた固体を濾別し,水(25mL),次に冷イソプロパノール(5mL)で洗浄して,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオールを黄色固体として得た,0.058g(88%)。
【0155】
実施例18
中心ユニットとして1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル成分を有する一般式(I)の化合物の例として,5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールを下記の方法により製造した。
a)塩化チオニル(8.2mL)中の4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロ安息香酸(2.00g,9.38mmol)の撹拌懸濁液を80℃で2時間加熱した。過剰の塩化チオニルを真空下で除去した。得られた黄色固体をDMA(15.4mL)に溶解し,次に(Z)−2,5−ジクロロ−N’−ヒドロキシ−4,6−ジメチルニコチンイミドアミド(2.636g,11.26mmol)およびピリジン(6.2mL)を加えた。赤色溶液を120℃で2.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し,濃HCl(10ml)および氷(80g)の混合物に注加し,次に30分間撹拌した。黄色沈殿物を濾別し,水で洗浄し,真空下で乾燥した。ジクロロメタン−イソプロパノール混合物から再結晶して,2.42g(62%)の4−(3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メトキシ−6−ニトロフェノールを黄色結晶として得た。
【0156】
b)NMP(19mL)中の4−(3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メトキシ−6−ニトロフェノール(2.40g,5.84mmol)の氷冷溶液に,塩化アルミニウム(0.977g,7.33mmol)を加え,次にピリジン(1.93mL)を加えた。反応混合物を60℃で1時間加熱した。これを室温に冷却し,2NHCl溶液(約40mL)に注加した。沈殿物を濾別し,水で洗浄し,真空下で乾燥した。酢酸から再結晶して,1.88g(81%)の5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールを得た。
【0157】
実施例19
医薬製剤は次のようにして製造した。
カプセル:
化合物A 15.0%
ラクトース一水和物 43.0%
微晶質セルロース 30.0%
ポビドン 4.0%
クロスカルメロースナトリウム 5.0%
タルク 2.0%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
カプセル:
化合物A 15.0%
微晶質セルロース 72.5%
エチルセルロース 5.0%
デンプングリコール酸ナトリウム 6.0%
コロイド状二酸化ケイ素 0.5%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
錠剤:
化合物A 20.0%
微晶質セルロース 25.0%
リン酸カルシウム,二塩基,二水和物 40.0%
ポビドン 6.0%
クロスカルメロースナトリウム 6.0%
タルク 2.0%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
【0158】
実施例20
パーキンソン病を煩う患者およびL−DOPA療法を受けている患者を,50mgの化合物Aを含む錠剤で処置した。臨床症状の顕著な改善が明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】図1は、COMT阻害剤の投与後における,肝臓COMT活性に及ぼす化合物Aおよびトルカポンの影響を示す。
【図2】図2は、COMT阻害剤の投与後にL−DOPA+ベンセラジドで処置したラットにおける,化合物AおよびトルカポンがL−DOPAおよび3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)の血漿レベルに及ぼす影響を示す。
【図3】図3は、COMT阻害剤の投与後にL−DOPA+ベンセラジドで処置したラットにおける,化合物AおよびトルカポンがL−DOPA,3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD),ドーパミン,DOPACおよびHVA脳レベルに及ぼす影響を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中,RおよびRは,互いに独立して,水素または生理学的条件下で加水分解可能な基であって,任意に置換されていてもよい低級アルカノイルまたはアロイルであり;Xはメチレン基を表し;Yは酸素,窒素またはイオウ原子を表し;nは0,1,2または3の数を表し,およびmは0または1の数を表し;Rは式A,BまたはCにしたがう,置換基の表示のない結合で示されるように連結されているピリジン基:
【化2】

[式中,R,R,RおよびRは,互いに独立して,水素,C−C−アルキル,C−C−チオアルキル,C−C−アルコキシ,C−C12−アリールオキシまたはC−C12−チオアリール基,C−C−アルカノイルまたはC−C13−アロイル基,アミノ,C−C−アルキルアミノ,C−C−ジアルキルアミノ,C−C12−シクロアルキルアミノ,C−C12−ヘテロシクロアルキルアミノ,C−C−アルキルスルホニル,C−C12−アリールスルホニル,ハロゲン,C−C−ハロアルキル,トリフルオロメチル,シアノ,ニトロまたはヘテロアリール基を表し;または残基R,R,RおよびRの2またはそれ以上は一緒になって,脂肪族環もしくは複素脂肪族環,または芳香族環もしくは複素芳香族環を表し,およびPは中心ユニットを表し,これは好ましくは平面ユニットであり,およびさらに好ましくは,1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル,1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル,4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル,1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル,1,2,4−トリアジン−3,5−ジイル,2H−トリアゾール−2,5−ジイル,1,2,3−チアジアゾール−4,5−ジイル,1−アルキル−3−(アルコキシカルボニル)−1H−ピロール−2,5−ジイル(アルキルはメチル,エチル,n−プロピルおよびn−ブチルを表し,アルコキシはメトキシ,エトキシ,n−プロポキシおよびイソプロポキシを表す),1−アルキル−1H−ピロール−2,5−ジイル(アルキルはメチル,エチル,n−プロピルおよびn−ブチルを表す),チアゾール−2,4−ジイル,1−H−ピラゾール−1,5−ジイル,ピリミジン−2,4−ジイル,オキサゾール−2,4−ジイル,カルボニル,1H−イミダゾール−1,5−ジイル,イソオキサゾール−3,5−ジイル,フラン−2,4−ジイル,3−アルコキシカルボニルフラン−2,4−ジイル(アルコキシはメトキシ,エトキシ,n−プロポキシおよびイソプロポキシを表す),ベンゼン−1,3−ジイルおよび(Z)−1−シアノエテン−1,2−ジイルの位置異性体から選択される]
を表す]
の化合物,または式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩またはエステル。
【請求項2】
式Iの化合物は,3−ニトロ−5−(3−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(3−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(3−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(3,5−ジクロロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−4,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,3−ニトロ−5−(5−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(6−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−6−メチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール,5−(5−(2−ブロモ−5−クロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールから選択される,請求項1記載の化合物,塩またはエステル。
【請求項3】
式Iの化合物は,5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである,請求項1記載の化合物,塩またはエステル。
【請求項4】
医薬組成物中で活性成分として使用するための,請求項1記載の化合物,塩またはエステル。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩またはエステルを含む医薬組成物。
【請求項6】
さらにL−DOPAを含む,請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
さらに芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤を含む,請求項5または6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
DOPAデカルボキシラーゼ阻害剤は,ベンセラジドまたはカルビドパから選択されるDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤である,請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
中枢および末梢神経系疾患の治療用の医薬組成物を製造するための,請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物の使用。
【請求項10】
中枢および末梢神経系疾患を治療するための,請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物の使用。
【請求項11】
中枢および末梢神経系疾患は,運動疾患,胃腸障害,浮腫形成状態または高血圧症である,請求項9または10記載の使用。
【請求項12】
運動疾患は,不穏下肢症候群,パーキンソン病または振せん麻痺を伴う病理的状態である,請求項11記載の使用。
【請求項13】
中枢および末梢神経系疾患を治療する方法であって,有効投与量の請求項5−8のいずれかに記載の医薬組成物をこれを必要とする被験者に投与する工程を含む方法。
【請求項14】
中枢および末梢神経系疾患は,運動疾患,胃腸障害,浮腫形成状態または高血圧症である,請求項13記載の方法。
【請求項15】
運動疾患は,パーキンソン病または振せん麻痺を伴う病理的状態である,請求項14記載の方法。
【請求項16】
被験者においてCOMT活性を低下させる方法であって,有効量の請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物をこれを必要とする被験者に投与する工程を含む方法。
【請求項17】
被験者の脳または血漿におけるL−DOPAのレベルを増加させる方法であって,有効量の請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物を,これを必要とする被験者に投与する工程を含む方法。
【請求項18】
被験者の脳または血漿におけるL−DOPAのバイオアベイラビリティーを増加させる方法であって,有効量の請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物をこれを必要とする被験者に投与する工程を含む方法。
【請求項19】
被験者の脳または血漿における3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)のレベルを低下させる方法であって,有効量の請求項1−4のいずれかに記載の化合物,塩,エステルまたは組成物をこれを必要とする被験者に投与する工程を含む方法。
【請求項20】
医薬組成物または化合物は,1日2回から2日に1回投与される,請求項13−19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
医薬組成物は1日1回投与される,請求項13−19のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
被験者はL−DOPA治療も受けている,請求項13−21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
被験者は芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤治療も受けている,請求項13−22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤は,ベンセラジドおよびカルビドパから選択されるDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤である,請求項23記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の一般式Iの化合物を製造する方法であって,ここで,Pは1,2,4−オキサジアゾリル基を表し,前記方法は,式VA,VBまたはVC:
【化3】

[式中,R,R,RおよびRは請求項1の一般式Iで定義されるとおりである]
の化合物を,式VIA,VIBまたはVICのオキサジアゾール誘導体:
【化4】

が生成するのに適した条件下で,式IIIの化合物とともに環化し,次に任意に保護基Rおよび/またはRを除去する工程を含む方法。
【請求項26】
式IIIの化合物は塩化チオニルまたは1,1−カルボニルジイミダゾールとの反応により活性化される,請求項25記載の方法。
【請求項27】
縮合および脱水からなる環化工程は,1ポット反応で順番に行われる,請求項25または26記載の方法。
【請求項28】
環化工程は適当な有機塩基の存在下で行われる,請求項25−27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
環化工程はピリジンの存在下で行われる,請求項28記載の方法。
【請求項30】
基RおよびRは,互いに独立して,または一緒に,除去されて,水素または生理学的条件下で加水分解可能な基で置き換えられる,請求項25−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
式IIIの化合物のRおよびRは,互いに独立して,メチルまたは水素を表す,請求項25−30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
メチル基はN−メチルピロリジノン中で塩化アルミニウムおよびピリジンとの反応により除去される,請求項31記載の方法。
【請求項33】
縮合および脱水は,両性非プロトン性溶媒中で行われる,請求項25−32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
縮合および脱水は,ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリジノンまたはジメチルスルホキシド中で行われる,請求項33記載の方法。
【請求項35】
式VA,VBまたはVCの化合物は,それぞれ,化合物VIIIA,VIIIBまたはVIIIC:
【化5】

[式中,R,R,RおよびRは請求項1の一般式Iにおいて定義されるとおりである]
を,キレート剤の存在下でアミドキシム誘導体を製造するのに適した条件下でヒドロキシルアミンと反応させることにより得られる,請求項25−34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
キレート剤が,8−ヒドロキシキノリン,オルト−フェナントロリンおよびこれらの水和物または誘導体からなる群より選択される,請求項35記載の方法。
【請求項37】
中枢および末梢神経系関連疾患の予防または治療のために,およそ1日に2回からおよそ2日に1回の範囲の投与間隔を有する投与計画にしたがって投与するための医薬品の製造における,請求項1において定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはエステルの使用。
【請求項38】
投与計画は1日に1回である,請求項37記載の使用。
【請求項39】
投与計画は2日に1回である,請求項37記載の使用。
【請求項40】
中枢および末梢神経系関連疾患は,運動疾患,胃腸障害,浮腫形成状態または高血圧症である,請求項37−39のいずれかに記載の使用。
【請求項41】
運動疾患は,不穏下肢症候群,パーキンソン病または振せん麻痺を伴う病理的状態である,請求項40記載の使用。
【請求項42】
中枢および末梢神経系関連疾患は,L−DOPA/AADC療法により治療しうる,請求項37−41のいずれかに記載の使用。
【請求項43】
式Iの化合物は5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである,請求項37−42のいずれかに記載の使用。
【請求項44】
請求項1において定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはエステルを含む医薬組成物を,前記組成物をおよそ1日に2回からおよそ2日に1回の範囲の投与間隔を有する投与計画で投与するための指示との組み合わせで含むパッケージ。
【請求項45】
投与計画は1日に1回である,請求項44記載のパッケージ。
【請求項46】
投与計画は2日に1回である,請求項44記載のパッケージ。
【請求項47】
中枢および末梢神経系関連疾患は,運動疾患,胃腸障害,浮腫形成状態または高血圧症である,請求項44−46のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項48】
運動疾患は,不穏下肢症候群,パーキンソン病または振せん麻痺を伴う病理的状態である,請求項47記載のパッケージ。
【請求項49】
パッケージはさらに,L−DOPAおよび/またはAADCを含む医薬組成物を含む,請求項44−48のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項50】
式Iの化合物は,5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである,請求項44−49のいずれかに記載のパッケージ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−533423(P2009−533423A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505314(P2009−505314)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国際出願番号】PCT/PT2007/000016
【国際公開番号】WO2007/117165
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(596095518)バイアル−ポルテラ アンド シーエー,エス.エー. (25)
【Fターム(参考)】