説明

樹脂組成物、プリプレグ及び積層板

【課題】 ハロゲン化合物やリン化合物を難燃剤として使用せずに高度の難燃性を有し、吸水率が低く、耐熱性・耐リフロー性が高いプリント配線板材料用プリプレグ及び積層板の提供。
【解決手段】 非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填剤(D)を含む樹脂組成物、および該樹脂組成物を基材に含浸または塗布させたプリプレグを提供することで、吸水率が低く、耐熱性・耐リフロー性が高く、ハロゲン化合物などの難燃剤無しでの難燃性の維持を達成する積層板を可能ならしめた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板用プリプレグ、該プリプレグに適した樹脂組成物、該プリプレグを用いた積層板および金属箔張積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱硬化性樹脂は、その特有な架橋構造が高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の高い信頼性を要求される分野において広く使われているが、特に銅張積層板や層間絶縁最良においては、近年の高密度化への要求から、微細配線形成のための高い銅箔接着性や、ドリル又は打ち抜きにより穴明けなどの加工をする際の加工性も必要とされる。また、近年の環境問題から、鉛フリー半田による電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求され、そのため従来のものよりも高い耐熱性および難燃性が必要とされる。さらに、製品の安全性や作業環境の向上のため、毒性の低い成分のみで構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
【0003】
一方、臭素含有難燃剤に代わるハロゲンフリーの難燃剤として、リン化合物が提案されている。難燃化する為に用いるリン化合物としては、トリフェニルホスフェートやクレジルジフェニルフォスフェートなどのリン酸エステル類が用いられてきたが、これらをエポキシ樹脂などに添加した場合、これらのリン酸エステル化合物は、アルカリに対する耐性が低く、プリント基板を製造するプロセス中におけるデスミアプロセス、または、粗化プロセスでリン酸化合物が分解して材料成分が溶出するという問題や吸水率が高くなるという問題があり(特許文献1から3参照)、また、これらの化合物の可塑性に起因する樹脂のガラス転移点の低下、破断強度や破断伸度の低下などの問題を生ずる。これらの問題に対する改善策として、リン化合物をエポキシ樹脂骨格に組み込めば、樹脂のガラス転移点の低下、デスミアプロセス、粗化プロセス時における処理液へのリン化合物の溶出などの問題を低減できると考えられている(特許文献4参照)。
【0004】
しかしリン化合物を組み込んだエポキシ樹脂、フェノール樹脂などは高価であり、かつ難燃性を達成するために多量に配合しなければならず、その樹脂組成物の諸特性を劣化させることになり、またリン化合物は燃焼時にホスフィンなどの有毒化合物が発生するおそれがあった。他の難燃剤では無機化合物として、金属水和物が知られており、水酸化アルミニウムは加熱時に結晶水を放出する反応による難燃剤として知られている (例えば特許文献5参照)。水酸化アルミニウムの一般構造であるギブサイトの配合量が多い場合、加熱時に放出される結晶水の影響で、耐熱性が低下する問題があった。さらに他の難燃剤としては、窒素を含有する樹脂としてアミノトリアジン骨格を含有するフェノール樹脂の配合も提案されているが(例えば、特許文献6)、やはり、その配合量が多くなると、加熱時の分解ガスの発生で耐熱が劣る問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−124489号公報
【特許文献2】特開2001−254001号公報
【特許文献3】特開2004―067968号公報
【特許文献4】特開2001−283639号公報
【特許文献5】特開2001−226465号公報
【特許文献6】特開2008−127530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ハロゲン化合物やリン化合物を使用することなく高度の難燃性を保持し、かつ耐熱性が高く、吸水率が低く、耐リフロー性が高いプリント配線板材料用プリプレグ、積層板及び金属箔張積層板を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填材(D)を配合することで、高度な耐熱性を有する熱硬化性樹脂組成物を得ることを見出した。この熱硬化樹脂組成物を基材に含浸または塗布させたプリプレグを硬化して得られる積層板または金属箔張り積層板は、ハロゲン化合物やリン化合物を使用することなく難燃性に優れ、高耐熱性であり、この積層板または金属箔張り積層板を用いることで耐リフロー性に優れたビルドアップ基板を作成することができる。さらに該樹脂組成物に、シリコーンパウダー(E)を配合し、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)にはナフトールアラルキル樹脂が好ましく、無機充填材としてベーマイトを用いることで、より高度な難燃性を有し、吸水率の低い積層板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填材(D)を含む熱硬化性樹脂組成物と基材との組み合わせからなり、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)にはナフトールアラルキル樹脂が好ましく、無機充填剤(D)にはベーマイトが好ましく、シリコーンパウダー(E)の配合がより好ましいプリプレグであり、これらプリプレグを硬化して得られる積層板または金属箔張り積層板である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるプリプレグの硬化物は、耐熱性・耐リフロー性が優れ、ハロゲン化合物とリン化合物を使用しなくても高い難燃性を有し、低吸水率であることから、高耐熱・高耐リフロー・高信頼性を要求される半導体用プラスチックパッケージ用のセンターコア材に好適である。すなわち、本発明によれば、耐リフロー性の向上したプリント配線板が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の樹脂組成物は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填剤(D)を必須成分とすることを特徴とする。本発明において使用される非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、意図的に分子骨格内にハロゲン原子を有しない化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられ、特に難燃性を向上させるためにはアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。アラルキル型エポキシ樹脂としては、フェノールフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することが可能である。非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)の配合量は、樹脂合計配合量100重量部中、20〜60重量部が好ましい。樹脂合計配合量は非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)及びマレイミド化合物(C)の樹脂合計である。
【0010】
本発明において使用される窒素を含有しないフェノール樹脂(B)とは、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有する樹脂である。例えば、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、アラルキル型フェノール樹脂などが例示され、1分子内で芳香族性の環に結合する水素原子が水酸基で2個以上置換された化合物であればよい。単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。より好適なものとしては、式(1)に例示されるナフトールアラルキル樹脂が挙げられる。フェノール樹脂(B)の配合量は、樹脂合計配合量100重量部中、5〜55重量部が好ましい。
【化1】

(1)
(nは1以上の整数を示す。)
【0011】
また、硬化促進剤を併用しても差し使えない。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の三級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸亜鉛などの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することが可能であり、使用量は樹脂合計配合量100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
【0012】
本発明において、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)の合計の水酸基数と非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)のエポキシ基数の比(OH/Ep)が0.7〜1.4で配合することが好ましい。OH/Epが0.7未満では積層板のガラス転移温度が低下し、1.4を超える配合では耐熱性などが低下する場合がある。
【0013】
本発明において使用されるマレイミド化合物(C)は1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体例としては、N-フェニルマレイミド、N-ヒドロフェニルマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5-ジエチル-4-マレイミドフェニル)メタンなどが挙げられる。なお、これらビスマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはビスマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどの形で配合する事もでき、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。より好適なものとしては、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンが挙げられる。マレイミド化合物(C)の配合量は、樹脂合計配合量100重量部中、5〜50重量部が好ましい。マレイミド化合物の増加により吸水率が高くなることがあることから、マレイミド化合物(C)の配合量は、樹脂合計配合量100重量部中、5〜20重量部が特に好ましい。
【0014】
本発明において使用される無機充填剤(D)としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、ベーマイト、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、アルミナ、タルク、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維、球状ガラス(EガラスやTガラス、Dガラスなどのガラス微粉末類)、などが挙げられる。併用する無機充填剤(D)の平均粒子径(D50)は特に限定されないが、分散性を考慮すると平均粒子径(D50)が0.2〜5μmであることが好ましい。無機充填剤(D)の配合量は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)の合計配合量100重量部に対して、50〜150重量部が好ましい。無機充填剤の配合量が多すぎると成形性が低下することがあることから、50〜140重量部が特に好ましい。これらの無機充填剤(D)は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することが可能である。特にベーマイトが難燃性及び耐熱性が高いため好ましい。
【0015】
前記配合する無機充填剤(D)に関して、シランカップリング剤や湿潤分散剤を併用することも可能である。これらのシランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ-メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。また湿潤分散剤とは、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。例えばビッグケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk-110、111、180、161、BYK-W996、W9010、W903等の湿潤分散剤が挙げられる。
【0016】
本発明において、必要に応じてシリコーンパウダー(E)を用いても良い。シリコーンパウダー(E)は燃焼時間を遅らせ、難燃効果を高める難燃助剤としての作用がある。シリコーンパウダー(E)は、シロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを微粉末化したもの、ビニル基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加重合物を微粉末化したもの、ビニル基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加重合物による微粉末の表面にシロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを被服させたもの、無機担持体表面にシロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを被服させたもの等である。シリコーンパウダーの平均粒子径(D50)は特に限定されないが、分散性を考慮すると平均粒子径(D50)が1〜15μmであることが好ましい。シリコーンパウダーの配合量は特に限定されないが、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及びマレイミド化合物(C)の合計配合量100重量部に対し、3〜30重量部が好ましく、多すぎると成形性や分散性が低下することがあることから、3〜20重量部が特に好ましい。
【0017】
本発明のプリプレグの樹脂組成物には、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性の化合物、添加剤などの併用も可能である。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、メラミンやベンゾグアナミン、アミノトリアジン骨格を含むフェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂などの窒素含有化合物、オキサジン環含有化合物などが挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等、所望に応じて適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0018】
本発明のプリプレグにおいて使用される基材には、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することが出来る。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、Qガラス等のガラス繊維、あるいはガラス以外の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択できる。形状としては織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。厚みについては、特に制限はされないが、通常は0.01〜0.3mm程度を使用する。これら基材のなかでも強度と吸水性の点でガラス繊維が好ましい。
【0019】
本発明のプリプレグの製造方法は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填剤(D)を必須成分として含有する樹脂組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造する方法であれば、特に限定されない。例えば、上記樹脂組成物を含む樹脂ワニスを基材に含浸または塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより半硬化させ、プリプレグを製造する方法などが挙げられる。基材に対する樹脂組成物の付着量は、プリプレグ中の樹脂組成物含有量(無機充填剤を含む)で20〜90重量%の範囲が好ましい。
【0020】
前記樹脂ワニスには、必要に応じて、有機溶剤を使用することが可能である。有機溶剤としては、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)及びマレイミド化合物(C)との混合が可能であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられる。
【0021】
本発明の積層板は、前述のプリプレグを用いて積層成形したものである。具体的には前述のプリプレグを1枚あるいは複数枚を重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で、積層成形することにより製造する。使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されない。積層成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板および多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度は100〜300℃、圧力は2〜100kgf/cm2、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。また、必要に応じて150〜300℃の温度で後硬化を行っても良い。
【実施例】
【0022】
以下に実施例、比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0024】
(実施例2)
クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA-1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)25重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0025】
(実施例3)
フェノールノボラック樹脂(TD-2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)25重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0026】
(実施例4)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)16.8重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0027】
(実施例5)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)30重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)16.8重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0028】
(実施例6)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、シリコーンレジンで表面を被覆したシリコーンゴムパウダー(シリコーン複合パウダーKMP-605、信越化学工業(株)製)20重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0029】
(実施例7)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、シリコーンレジンパウダー(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 製)20重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0030】
(実施例8)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)45重量部とフェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N-770、エポキシ当量:190g/eq.、DIC(株)製)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N-680、エポキシ当量:215g/eq.、DIC(株)製)10重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0031】
(実施例9)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)45重量部とナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA-4032-70M、エポキシ当量:152g/eq.、DIC(株)製)20重量部、ナフタレン骨格型4官能エポキシ樹脂(EPICLON EXA-4710、エポキシ当量:170g/eq.、DIC(株)製)20重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0032】
(実施例10)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、Eガラスフィラー(EGF、平均粒子径(D50)1.41μm、旭化成エレクトロニクス(株)製)100重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0033】
(実施例11)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、球状溶融シリカ(SC2050MOB、アドマテックス(株)製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0034】
(実施例12)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部、ビスマレイミドオリゴマー(DAIMIDO-100、大和化成工業(株)製)5重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0035】
(実施例13)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)35重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(EXB-9891、水酸基当量:137g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0036】
(実施例14)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)30重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0037】
(実施例15)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)35重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)16.8重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0038】
(実施例16)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)25重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)16.8重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0039】
(実施例17)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)35重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、シリコーンレジンで表面を被覆したシリコーンゴムパウダー(シリコーン複合パウダーKMP-605、信越化学工業(株)製)20重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0040】
(実施例18)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)35重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、シリコーンレジンパウダー(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 製)20重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0041】
(比較例1)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)45重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0042】
(比較例2)
クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA-1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)30重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)70重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0043】
(比較例3)
フェノールノボラック樹脂(TD-2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)30重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)70重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0044】
(比較例4)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)45重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0045】
(比較例5)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)35重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0046】
(比較例6)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)25重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0047】
(比較例7)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)25重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0048】
(比較例8)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)25重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0049】
(比較例9)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0050】
(比較例10)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)20重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0051】
(比較例11)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)15重量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA-3018-50P)、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20重量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK-W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5重量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120重量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0052】
(比較例12)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH-103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0053】
(比較例13)
クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA-1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)25重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0054】
(比較例14)
フェノールノボラック樹脂(TD-2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)25重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0055】
(比較例15)
ナフトールアラルキル樹脂(SN-495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)40重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0056】
(比較例16)
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB-9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)30重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000-FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55重量部、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成(株)製)15重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5重量%のプリプレグを得た。
【0057】
金属箔張り積層板の作成
実施例1〜18および比較例1〜16で得られたプリプレグを、それぞれ4枚重ねて12μm厚の電解銅箔(3EC-III、三井金属鉱業(株)製)を上下に配置し、圧力30 kgf/cm2、温度 220℃で120分間の積層成形を行い、絶縁層厚さ 0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0058】
得られた金属箔張り積層板を用いて、難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性を評価した結果を、実施例1〜18を表Aに、比較例1〜16を表Bに示す。
【0059】
難燃性と吸水率評価は、金属箔張り積層板をエッチングにより銅箔を全て除去した後、下記方法で行った。
燃焼試験:UL94垂直燃焼試験法に準拠して評価した。
吸水率:あらかじめ125℃、2時間乾燥機で乾燥させた50×50mmのサンプルを、プレッシャー・クッカー試験装置(平山製作所(株)製)を用いて121℃、2atmの条件に5時間放置した後の重量変化を測定した。
【0060】
耐熱性と耐リフロー性評価は、金属箔張り積層板を下記方法で行った。
耐熱性:50×50mmのサンプルを、280℃半田に30分間フロートさせて、デラミネーションの有無を目視判定により行った。
○:全く異常なし ×:0〜30分間フロートさせている間にデラミネーション発生
耐リフロー性:金属箔張り積層板の両面に残銅率約63%のパターンを形成したものを内層コアとして、レジンシート(ABF GX-13、厚み37.5μm、味の素ファインテクノ(株)製)と最外層に銅箔12μmをビルドアップさせ、180℃、1時間30分乾燥機で加熱した4層板を作製した。120×60mmにカットし、半田リフロー装置(サラマンダー、島津製作所(株)製)で最高到達温度280℃リフローを20回行ってビルドアップ層のデラミネーション有無を目視判定により行った。 ○:全く異常なし ×:デラミネーション発生
【0061】
【表1】

【表2】

【表3】

【0062】
【表4】

【表5】

【表6】

【0063】
表Aから、本発明による実施例1〜18では難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性が優れている。一方、表Bから明らかなように、比較例の樹脂組成物では、難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性の全てにバランスがとれたものは無く、いずれかの特性に劣っている。
よって本発明により得られるプリプレグによる積層板は、吸水率が低く、かつ耐熱性・耐リフロー性が高く、ハロゲン系難燃剤とリン化合物を難燃剤として用いることなく高度の難燃性を保持できることを確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、窒素を含有しないフェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)及び無機充填剤(D)を含む樹脂組成物。
【請求項2】
窒素を含有しないフェノール樹脂(B)がナフトールアラルキル樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
シリコーンパウダー(E)を配合してなる請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
無機充填剤(D)がベーマイトである請求項1から3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸または塗布したプリプレグ。
【請求項6】
請求項5に記載のプリプレグを積層成形した積層板。
【請求項7】
請求項5に記載のプリプレグと金属箔とを積層成形した金属箔張積層板。

【公開番号】特開2010−275497(P2010−275497A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131915(P2009−131915)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】