説明

欠陥検査方法

【課題】コンタクトホールの導通状態を容易に検査できる欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】半導体装置を作製する際に基板上に形成され、2つの筒状のコンタクトホールが底面側で接続されて管状を成すとともに管状の両端が基板上面に設けられた2つの開口部で開口している管状コンタクトホールのU字管6に対し、開口部のうち一方の開口部を覆う可塑性膜4を第1の気圧状態で形成する被膜形成ステップと、可塑性膜4で覆われた基板を第1の気圧とは異なる第2の気圧状態にさらすことによって、U字管6のうちU字管6の管状の一部が塞がっているU字管6上の可塑性膜4を変形させる気圧変更ステップと、可塑性膜4が変形したか否かを観察することによって、U字管6の管状の一部が塞がっているか否かを検査する検査ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、膜の積層、コンタクトホールの形成、配線材料のコンタクトホールへの埋め込み等によって作製される。コンタクトホールを形成する際には、コンタクトホールが導通していなければ、コンタクトホールのホール内全体に配線材料を埋め込むことができないので、半導体装置を製造する際にはコンタクトホールの導通検査が行なわれる。
【0003】
コンタクトホールを形成した後の導通確認方法として、例えば、二次電子像を用いたVC検査(Voltage Contrast)や基板電流測定装置を用いた検査などがある。これらの導通確認方法は、何れもホール底の導電膜がアースに落ちている必要がある(シリコンウエハー基板に導通している必要がある)。ところが、実際の半導体製品は必ずしもホール底の導電膜がアースに落ちているとは限らない。ホール底の導電膜の下層に絶縁膜が形成されている場合があるからである。
【0004】
アスペクト比(ホール直径に対する深さの比率)が大きなコンタクトホールを形成しなければならない半導体装置の1つとして、複数層のメモリセルアレイを積層した半導体記憶装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しなしながら、この半導体記憶装置では、ホール底の導電膜がシリコンウエハー基板に導通している場合であっても、アスペクト比が大きい(コンタクトホールの深さが深い)ために、二次電子のほとんどがホールの側壁に衝突してしまい、コンタクトホールの導通状態を検査できないなどの不具合があった。また、光学欠陥検査の場合、アスペクト比が大きいと、光がホール底に届かないのでコンタクトホールの導通状態を検査できなかった。例えば、二次電子を用いた欠陥検査や光学欠陥検査の場合、アスペクト比が約5以上(深さ200nm程度以上)のコンタクトホールを検査することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−155750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンタクトホールの導通状態を容易に検査できる欠陥検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の一態様によれば、半導体装置を作製する際に基板上に形成され、2つの筒状のコンタクトホールが底面側で接続されて管状を成すとともに前記管状の両端が前記基板上面に設けられた2つの開口部で開口している管状コンタクトホールに対し、前記開口部のうち一方の開口部を覆う被膜を第1の気圧状態で形成する被膜形成ステップと、前記被膜で覆われた基板を前記第1の気圧とは異なる第2の気圧状態にさらすことによって、前記管状コンタクトホールのうち前記管状コンタクトホールの管状の一部が塞がっている管状コンタクトホール上の被膜を変形させる気圧変更ステップと、前記被膜が変形したか否かを観察することによって、前記管状コンタクトホールの管状の一部が塞がっているか否かを検査する検査ステップと、を含むことを特徴とする欠陥検査方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンタクトホールの導通状態を容易に検査できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態に係る欠陥検査方法の概念を説明するための図である。
【図2】図2は、圧力差による可塑性膜の変形を説明するための図である。
【図3−1】図3−1は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。
【図3−2】図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。
【図3−3】図3−3は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。
【図3−4】図3−4は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。
【図3−5】図3−5は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。
【図3−6】図3−6は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。
【図3−7】図3−7は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。
【図3−8】図3−8は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。
【図3−9】図3−9は、図3−2は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である(その9)。
【図4】図4は、可塑性膜のパターニング形状の一例を示す図である。
【図5】図5は、不揮発性半導体記憶装置の概略構成を示す図である。
【図6】図6は、不揮発性半導体記憶装置のメモリトランジスタ領域の一部を示す概略斜視図である。
【図7】図7は、図6の一部拡大断面図である。
【図8】図8は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その1)である。
【図9】図9は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その2)である。
【図10】図10は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その3)である。
【図11】図11は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その4)である。
【図12】図12は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その5)である。
【図13】図13は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その6)である。
【図14】図14は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その7)である。
【図15】図15は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図(その8)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る欠陥検査方法を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る欠陥検査方法の概念を説明するための図である。コンタクトホールの導通検査(欠陥検査)が困難な半導体装置の一例として、例えば電気的に書換え可能な抵抗変化素子の抵抗値情報(例えば高抵抗状態や低抵抗状態)を、不揮発に記憶するBiCS(Bit-Cost Scalable)がある。このようなBiCSは、断面形状がU字型となるコンタクトホールが形成される。このU字型のコンタクトホールは、例えば2本のコンタクトホールを上面側から底面側へ形成した後、2本のコンタクトホールの穴底同士が接続(連結)されるよう穴あけされて形成される。
【0013】
本実施の形態では、このようなU字形状を有したコンタクトホールの導通検査を行う。図1では、真空チャンバ5内に搬入された基板の断面図を示している。半導体装置を形成する基板であるシリコンウエハー1上には、配線層2が形成され、この配線層2内にU字形状を有した管状のコンタクトホール(以下、U字管6という)が形成されている。U字管6は、断面形状がU字型を有したコンタクトホールであり、配線層2の上面で管の端部が開口している。
【0014】
2本のコンタクトホールの穴底同士が接続される箇所(以下、ホール底という)は、例えばウエットエッチングなどによって形成される。このとき、エッチング不良によってホール底が導通しない場合がある。U字管6は、配線材料が埋め込まれる箇所であり、ホール底が導通していなければ、配線材料を埋め込んでも配線がホール底部分で断線状態となる。このため、本実施の形態では、U字管6のホール底が導通しているか否かの欠陥検査を行う。
【0015】
図1では、左側のU字管6のホール底に残渣物3が残り、右側のU字管6のホール底が正常である場合を示している。換言すると、左側のU字管6は一方の開口部から他方の開口部まで導通せず、右側のU字管6は一方の開口部から他方の開口部まで導通している。
【0016】
U字管6が形成された後、U字管6が有する2つの開口部うちの一方の開口部に、可塑性の材料(可塑性膜4)で栓をする。可塑性膜4は、一度変形すると、その後も変形状態を保ち、元の形状に戻らない被膜である。可塑性膜4でU字管6の一方の開口部が閉ざされたシリコンウエハー1は、真空チャンバ5内に搬入され、真空チャンバ5内が真空ポンプ7によって真空引きされる。換言すると、U字管6の一方の開口部は、被膜である可塑性膜4によって覆われ、他方の開口部は開口した状態でシリコンウエハー1が真空引きされる。これにより、シリコンウエハー1は、負圧環境下(大気圧以下の圧力)にさらされる。
【0017】
ホール底にウエットエッチングでの残渣物3が付着している場合、可塑性膜4はU字管6内での圧力とU字管6外での圧力との差(可塑性膜4の上面側と底面側との圧力差)によって変形する。
【0018】
図2は、圧力差による可塑性膜の変形を説明するための図である。図2の(a)では、正常なU字管6を真空引きした場合の可塑性膜4の変化を示し、図2の(b)では、欠陥(残渣物3)を有したU字管6を真空引きした場合の可塑性膜4の変化を示している。
【0019】
正常なU字管6と残渣物3を有したU字管6とは、ともに可塑性膜4が形成された状態では、U字管6内、U字管6外ともに大気圧である。図2では、大気圧となっている領域を「+」で示している。この後、正常なU字管6、残渣物3を有したU字管6は真空引きされる。図2では、真空となっている領域を「−」で示している。
【0020】
正常なU字管6を真空引きした場合、U字管6内、U字管6外ともに真空となる。このため、U字管6内とU字管6外とで圧力差は生じず、この結果、可塑性膜4は変形することなく原型のままである。
【0021】
一方、残渣物3を有したU字管6を真空引きした場合、U字管6内のうち残渣物3とU字管6の開口部(可塑性膜4に覆われていない側の開口部)とで挟まれた領域は、真空となる。また、U字管6外も真空となる。ところが、U字管6内のうち残渣物3と可塑性膜4とで挟まれた領域は大気圧のままである。このため、U字管6内とU字管6外とで圧力差が生じ、この結果、可塑性膜4は変形する。具体的には、可塑性膜4は、真空側であるU字管6の外側へ膨らむ。可塑性膜4は、可塑性を有しているので、残渣物3を有したU字管6は、大気圧に戻しても変形したままである。
【0022】
可塑性膜4をU字管6の一方の開口部に形成したシリコンウエハー1は、真空引きされた後、大気圧下に戻される。そして、U字管6の欠陥検査として、真空引きした後の可塑性膜4が光学顕微鏡などで観察される。可塑性膜4が、上面側に膨らんでいるU字管6は欠陥を有したU字管6と判断され、変形していない可塑性膜4は正常なU字管6と判断される。
【0023】
つぎに、U字管6の形成方法の概略について説明する。図3−1〜図3−9は、U字管の製造方法の概略手順の一例を模式的に示す断面図である。まず、シリコンウエハー1などの半導体基板上に下地となるシリコン酸化膜8などの絶縁膜が形成される(図3−1)。この後、シリコン酸化膜8のうち、ホール底(折り返し底)となる箇所をRIE(Reactive Ion Etching)などによって加工する(図3−2)。そして、ホール底となる箇所に埋め込み材9を埋め込む(図3−3)。埋め込み材9は、上層に配線パターンを形成するための膜であり、後に薬液溶解される膜(例えば窒化膜)である。
【0024】
この後、シリコン酸化膜8および埋め込み材9の上面に配線パターとするためのシリコンや金属等の配線材料膜(配線層10)を形成する(図3−4)。配線層10を形成した後、配線層10にU字管6を形成するためのコンタクトホールをRIEなどによって形成する。コンタクトホールは、1つのU字管6に対して2つずつ形成される(図3−5)。そして、形成したコンタクトホール上から埋め込み材9のウエットエッチングを行ない、これにより埋め込み材9をホール底から除去する。埋め込み材9をホール底から除去する際、ウエットエッチング不良により残渣物3がホール底に残る場合がある(図3−6)。
【0025】
埋め込み材9をホール底から除去した後、可塑性膜4として例えばポリマー樹脂、ポリマーフィルムなどを、膜厚200nm程度、配線層10上に形成する(図3−7)。このとき、可塑性膜4は、U字管6の開口穴内に入り込まないよう配線層10上に形成する。なお、可塑性膜4は、可塑性膜4の一部がU字管6の開口穴内に入り込むよう配線層10上に形成してもよい。この後、U字管6の開口部のうち一方の開口部にのみ(折り返し管の片側だけ)栓がされるよう可塑性膜4をパターニングする(図3−8)。U字管6の一方の開口部のみが可塑性膜4で覆われたシリコンウエハー1は、真空チャンバ5内に搬入される。そして、真空ポンプ7によって、真空チャンバ5内(系全体)が真空にされる。
【0026】
U字管6内のうち残渣物3と可塑性膜4とで挟まれた領域(欠陥空間11)は、大気圧(1013hPa)であるのに対し、外圧(欠陥空間11以外の真空チャンバ5内)は負圧(例えば1e−1Pa)となる。このため、欠陥空間11と欠陥空間11以外の領域との間(可塑性膜4の上面側と底面側との間)で気圧差が生じ、可塑性膜4は図3−9に示すように変形する。本実施の形態では、この可塑性膜4の変形を欠陥検査にて検出する。
【0027】
なお、可塑性膜4は、何れの方法によって一方の開口部上に形成してもよい。例えば、可塑性膜4をフィルムとしてU字かんの開口部全面に貼り付けてもよいし、レジストなどの所定の液体(膜)をシリコンウエハー1上の全面に塗布してもよい。これらの場合、貼り付けたフィルムや塗布されたレジスト等を所定の箇所だけ感光させることによって可塑性膜4をU字間6の一方の開口部のみにパターニングする。
【0028】
また、可塑性膜4をディスペンス装置などによってノズルで塗布してもよいし、印刷装置などによって印刷してもよい。可塑性膜4をディスペンス装置によって塗布する場合、U字管6の一方の開口部上にのみディスペンス装置によって可塑性膜4を塗る。また、印刷装置で印刷する場合、U字管6の一方の開口部上にのみ印刷装置によって可塑性膜4を印刷する。
【0029】
また、U字管6の開口部を覆う被膜としては可塑性膜4に限らず、他の被膜であってもよい。U字管6の開口部を覆う被膜(開口被膜)としては、U字管6内とU字管6外との間で所定の圧力差があった場合に変形する材料であればよい。
【0030】
図4は、可塑性膜のパターニング形状の一例を示す図である。図4では、可塑性膜4の上面図を示している。この図において、紙面の左右方向をX方向とし、紙面内の上下方向をY方向とする。
【0031】
シリコンウエハー1上には、U字管6を形成するU字領域25がX方向およびY方向に所定の間隔でマトリックス状に配置されている。具体的には、U字管6の左側の開口部26Lと右側の開口部26Rとを結んだ線(ホール底が延びる方向)が、X方向と平行になるよう各U字領域25が形成されている。そして、シリコンウエハー1上では、複数からなるU字領域25が、1組の領域群27Lや領域群27RとしてY方向に並べられている。
【0032】
各領域群27L,27R内では、各U字管6の開口部26L,26RがそれぞれY方向に並んでいる。隣接する領域群27L,27R同士は、左側のU字管6が有する開口部26L、左側のU字管6が有する開口部26R、右側のU字管6が有する開口部26L、右側のU字管6が有する開口部26Rの順番でX方向に並んでいる。
【0033】
本実施の形態では、U字領域25がX方向およびY方向に所定の間隔でマトリックス状に配置されている場合に、左側のU字管6が有する開口部26Rと右側のU字管6が有する開口部26Lとが1つの可塑性膜4のパターンで覆われるよう可塑性膜4をパターニングする。
【0034】
また、1組の領域群27L,27R内では、各U字管6の開口部26L,26RがそれぞれY方向に並んでいるので、可塑性膜4によって1組の領域群27L,27R内でY方向に並ぶ開口部26Lの全てまたは開口部26Rの全てを覆うことができるよう、可塑性膜4をパターニングする。
【0035】
これにより、1つの可塑性膜4で、隣接する領域群27L,27Rのうち、左側の領域群27L内に形成される開口部26Rの全てと、右側の領域群27R内に形成される開口部26Lと、を覆うよう可塑性膜4がパターニングされている。したがって、可塑性膜4で覆われる領域が大きくなるので、可塑性膜4のパターニングが容易になるとともに、欠陥検査の際の可塑性膜4の観察が容易になる。
【0036】
このように、本実施の形態では、両端が基板上に開口している管状のコンタクトホールパターンの欠陥検査において、管状のコンタクトホールパターンの片側の開口部を可塑性膜4で栓をしている。そして、半導体装置となるシリコンウエハー1を搬入した真空チャンバ5の系全体を減圧した場合に、加工不良箇所に発生する気圧差によって可塑性膜4を変形させ、変形した可塑性膜4(栓材)を欠陥として検出する。これにより、管途中の加工不良欠陥を検知している。
【0037】
U字管6の欠陥検査が完了した後、可塑性膜4はシリコンウエハー1から剥離される。欠陥検査によって、U字管6に欠陥があると判断された場合、欠陥があると判断されたシリコンウエハー1は、再度埋め込み材9がウエットエッチングなどによってエッチングされる。この後、再度、可塑性膜4がU字管6の一方の開口部に形成され、真空チャンバ5内で真空にされる。そして、可塑性膜4が変形しているか否かに基づいて、U字管6の欠陥検査が行われる。
【0038】
シリコンウエハー1へは、U字管6に欠陥が無いと判断されるまで、埋め込み材9がウエットエッチング、可塑性膜4の形成、真空処理、可塑性膜4の変形を判断するための観察などが繰り返し行われる。
【0039】
欠陥検査によって、U字管6に欠陥が無いと判断された場合、シリコンウエハー1へは次の処理が行われる。これにより、残渣物3が無いと判断されたシリコンウエハー1を用いて半導体デバイスなどが作製される。
【0040】
つぎに、本実施の形態の欠陥検査方法を複数層のメモリセルアレイが積層された不揮発性記憶装置に適用した場合の欠陥検査方法について説明する。図5は、不揮発性半導体記憶装置の概略構成を示す図である。図5に示すように、不揮発性半導体記憶装置100は、メモリトランジスタ領域12、ワード線駆動回路13、ソース側選択ゲート線(SGS)駆動回路14、ドレイン側選択ゲート線(SGD)駆動回路15、センスアンプ16、ソース線駆動回路17、及びバックゲートトランジスタ駆動回路18を含んで構成されている。
【0041】
メモリトランジスタ領域12は、データを記憶するメモリトランジスタを有する。ワード線駆動回路13は、ワード線WLmnに印加する電圧を制御する。ソース側選択ゲート線(SGS)駆動回路14は、ソース側選択ゲート線SGSに印加する電圧を制御する。ドレイン側選択ゲート線(SGD)駆動回路15は、ドレイン側選択ゲート線SGDに印加する電圧を制御する。センスアンプ16は、メモリトランジスタから読み出した電位を増幅する。ソース線駆動回路17は、ソース線SLに印加する電圧を制御する。バックゲートトランジスタ駆動回路18は、バックゲート線BGに印加する電圧を制御する。なお、上記の他、不揮発性半導体記憶装置100は、ビット線BLにに印加する電圧を制御するビット線駆動回路(図示略)を有する。
【0042】
図6は、不揮発性半導体記憶装置のメモリトランジスタ領域の一部を示す概略斜視図である。本実施の形態においては、メモリトランジスタ領域12は、メモリトランジスタ(MTr1mn〜MTr8mn)、ソース側選択トランジスタSSTrmn及びドレイン側選択トランジスタSDTrmnからなるメモリストリングスMSをm×n個(m、nは自然数)を有している。図6においては、m=6、n=2の一例を示している。
【0043】
図7は、図6の一部拡大断面図である。不揮発性半導体記憶装置100において、メモリトランジスタ領域12には、複数のメモリストリングスMSが設けられている。メモリストリングスMSは、電気的に書き換え可能な複数のメモリトランジスタMTrmnが直列に接続された構成を有する。図5及び図6に示すように、メモリストリングスMSを構成するメモリトランジスタMTrmnは、半導体層を複数積層することによって形成されている。
【0044】
各メモリストリングスMSは、U字状半導体SCmn、ワード線WLmn(WL1〜WL8)、ソース側選択ゲート線SGS、ドレイン側選択ゲート線SGDを有する。また、メモリストリングスMSは、バックゲート線BGを有する。
【0045】
U字状半導体SCmnは、ロウ方向からみてU字状に形成されている。U字状半導体SCmnは、半導体基板Baに対して略垂直方向に延びる一対の柱状部CLmn、及び一対の柱状部CLmnの下端を連結させるように形成された連結部JPmnを有する。また、図7に示すように、U字状半導体SCmnは、一方の柱状部CLmnの上端から連結部JPmnを介して他方の柱状部CLmnの上端へと連通する中空H1を有する。中空H1内には、絶縁部Iが形成されている。なお、柱状部CLmnは、円柱状であっても、角柱状であってもよい。また、柱状部CLmnは、段々形状を有する柱状であってもよい。ここで、ロウ方向は、積層方向に直交する方向であり、後述するカラム方向は、垂直方向及びロウ方向に直交する方向である。
【0046】
U字状半導体SCmnは、一対の柱状部CLmnの中心軸を結ぶ直線がカラム方向に平行になるように配置されている。また、U字状半導体SCmnは、ロウ方向及びカラム方向から構成される面内にマトリクス状となるように配置されている。
【0047】
各層のワード線WLmnは、ロウ方向に平行に延びる形状を有している。各層のワード線WLmnは、カラム方向に第1の間隔を設けて、互いに絶縁分離してライン状に繰り返して形成されている。
【0048】
カラム方向の同位置に設けられロウ方向に並ぶメモリトランジスタ(MTr1mn〜MTr8mn)のゲートは、同一のワード線WLmnに接続されている。各ワード線WLmnは、メモリストリングスMSに略垂直に配置されている。ワード線WLmnのロウ方向の端部及びカラム方向の端部は、階段状に形成されている。なお、ワード線WLmnのカラム方向の端部は、階段状に限られない。例えば、ワード線WLmnのカラム方向の端部は、カラム方向の所定位置にて揃って形成されていてもよい。
【0049】
図7に示すように、ワード線WLmnと柱状部CLmnとの間には、ONO(Oxide-Nitride-Oxide)層NLが形成されている。ONO層NLは、柱状部CLmnに接するトンネル絶縁層TI、トンネル絶縁層TIに接する電荷蓄積層EC、及び電荷蓄積層ECに接するブロック絶縁層BIを有する。電荷蓄積層ECは、電荷を蓄積する機能を有する。
【0050】
上記構成を換言すると、電荷蓄積層ECは、柱状部CLmnの側面を取り囲むように形成されている。また、各ワード線WLmnは、柱状部CLmnの側面及び電荷蓄積層ECを取り囲むように形成されている。また、各々のワード線WLmnは、カラム方向に隣接する各柱状部CLmn毎に分割されている。
【0051】
ドレイン側選択ゲート線SGDは、最上部のワード線WLmnの上部に設けられている。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ロウ方向に平行に延びる形状を有している。ド
レイン側選択ゲート線SGDは、カラム方向に第1の間隔D1、又は第2の間隔D2(D2>D1)を交互に設けて、互いに絶縁分離してライン状に繰り返し形成されている。ドレイン側選択ゲート線SGDは、後述するソース側選択ゲート線SGSを間に挟んで第2の間隔D2で形成されている。また、ドレイン側選択ゲート線SGDのカラム方向の中心を貫通して柱状部CLmnが形成されている。図7に示すように、ドレイン側選択ゲート線SGDと柱状部CLmnとの間には、ゲート絶縁層DGIが形成されている。
【0052】
ソース側選択ゲート線SGSは、最上部のワード線WLmnの上部に設けられている。ソース側選択ゲート線SGSは、ロウ方向に平行に延びる形状を有している。ソース側選択ゲート線SGSは、カラム方向に第1の間隔D1、第2の間隔D2を交互に設けて、互いに絶縁分離してライン状に繰り返し形成されている。ソース側選択ゲート線SGSは、ドレイン側選択ゲート線SGDを挟んで第2の間隔D2で形成されている。また、ソース側選択ゲート線SGSのカラム方向の中心を貫通して柱状部CLmnが形成されている。図7に示すように、ソース側選択ゲート線SGSと柱状部CLmnとの間には、ゲート絶縁層SGIが形成されている。
【0053】
上記構成を換言すると、カラム方向に、第1の間隔D1を設けて、2つのドレイン側選択ゲート線SGD、2つのソース側選択ゲート線SGSが、交互に形成されている。また、各ドレイン側選択ゲート線SGD及び各ソース側選択ゲート線SGSは、柱状部CLmn及びゲート絶縁層SGI、DGIを取り囲むように形成されている。また、各ドレイン側選択ゲート線SGD及び各ソース側選択ゲート線SGSは、カラム方向に隣接する各CLmn毎に分割されている。
【0054】
バックゲート線BGは、複数の連結部JPmnの下部を覆うように、ロウ方向及びカラム方向に2次元的に広がって形成されている。図7に示すように、バックゲート線BGと連結部JPmnとの間には、上述したONO層NLが形成されている。また、カラム方向に隣接するU字状半導体SCmnの柱状部CLmnの上端には、ソース線SLが形成されている。
【0055】
また、ドレイン側選択ゲート線SGDの上方に延びる柱状部CLmnの上端には、プラグ線PLmnを介してビット線BLが形成されている。各ビット線BLは、ソース線SLよりも上方に位置するように形成されている。各ビット線BLは、ロウ方向に所定間隔を設けてカラム方向に延びるライン状に繰り返し形成されている。本実施の形態では、不揮発性半導体記憶装置100を作製する際に、U字状半導体SCmnを形成するU字管絶縁部Iを形成するU字管としての中空H1などの導通検査を行う。
【0056】
次に、図8〜図15を参照して、U字管を有した不揮発性半導体記憶装置100の製造方法を説明する。なお、以下では、メモリトランジスタ領域12の製造方法について説明し、メモリトランジスタ領域12の終端及び周辺領域の製造方法についてはその説明を省略する。
【0057】
図8〜図15は、U字管を有した不揮発性記憶装置の製造手順の一例を模式的に示す断面図である。図8〜図15では、メモリトランジスタ領域12の断面図を示している。図8〜図15において、(a)はロウ方向の断面図であり、(b)はカラム方向の断面図である。
【0058】
先ず、図8に示すように、半導体基板Baを用意する。次に、半導体基板Ba上に酸化シリコン(SiO2)及びポリシリコン(p−Si)を堆積させた後、リソグラフィ法やRIE法、イオン注入法を用いて、メモリトランジスタ領域12にて、バックゲート絶縁層21、バックゲート導電層22を形成する。続いて、バックゲート導電層22を堀込み、バックゲートホール24を形成する。バックゲートホール24は、ロウ方向に短手、カラム方向に長手となるような島状の開口部を有するように形成する。バックゲートホール24は、ロウ方向及びカラム方向に所定間隔毎に形成する。
【0059】
次に、バックゲートホール24内を埋めるように窒化シリコン(SiN)を堆積させる。続いて、化学機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)、又はRIE法でバックゲート導電層22の上部の窒化シリコン(SiN)を除去し、バックゲートホール24内に第1犠牲層91を形成する。なお、図8に示すように、バックゲートホール24は、バックゲート導電層22を貫通しない深さまで形成しているが、バックゲート導電層22を貫通するように形成してもよい。
【0060】
次に、図9に示すように、バックゲート導電層22及び犠牲層91上に、交互に酸化シリコン(SiO2)、ポリシリコン(p−Si)を積層させ、第1〜第4板状ワード線間絶縁層31a’〜31d’、第1〜第4板状ポリシリコン導電層32a’〜32d’、及び第1板状分離絶縁層33a’を形成する。これら第1〜第4板状ワード線間絶縁層31a’〜31d’、第1〜第4板状ポリシリコン導電層32a’〜32d’、及び第1板状分離絶縁層33a’は、積層方向に直交する方向(ロウ方向、及びカラム方向)に2次元的に広がるように形成される。
【0061】
続いて、第1〜第4板状ワード線間絶縁層31a’〜31d’、第1〜第4板状ポリシリコン層32a’〜32d’、及び第1板状分離絶縁層33a’,33b’を貫通するように第1メモリホール35aを形成する。第1メモリホール35aは、バックゲートホール24のカラム方向の両端付近に整合する位置に形成する。第1メモリホール35a内には、窒化シリコン(SiN)を堆積させ、第2犠牲層92aを形成する。
【0062】
続いて、第1板状分離絶縁層33’a上に、交互に酸化シリコン(SiO2)、ポリシリコン(p−Si)を積層させ、第5〜第8板状ワード線間絶縁層31e’〜31h’、第5〜第8板状ポリシリコン層32e’〜32h’、及び第2板状分離絶縁層33b’を形成する。これら第5〜第8板状ワード線間絶縁層31e’〜31h’、第5〜第8板状ポリシリコン層32e’〜32h’、及び第2板状分離絶縁層33b’は、積層方向に直交する方向(ロウ方向、及びカラム方向)に2次元的に広がるように形成される。
【0063】
続いて、第2板状分離絶縁層33b’、第5〜第8板状ワード線間絶縁層31e’〜31h’、及び第5〜第8板状ポリシリコン層32e’〜32h’、第1板状分離絶縁層33a’を貫通し、第4板状ワード線ポリシリコン層32d’を掘り込むように第2メモリホール35bを形成する。第2メモリホール35bは、第1メモリホール35aに整合する位置に形成する。第2メモリホール35b内には、窒化シリコン(SiN)を堆積させ、第3犠牲層92bを形成する。
【0064】
次に、図10に示すように、第1犠牲層91、第2犠牲層92a、及び第3犠牲層92bを除去する。例えば、第1犠牲層91、第2犠牲層92a、及び第3犠牲層92bの除去は、熱燐酸溶液中で行う。このような図10に示す工程を経て、再び、第1メモリホール35a、第2メモリホール35b、及びバックゲートホール24が形成される。第1メモリホール35a、第2メモリホール35b、及びバックゲートホール24は、連通しており、ロウ方向からみてU字状に形成されている。ここでの第1メモリホール35a、第2メモリホール35b、及びバックゲートホール24が、図1などに示したU字管6に対応している。例えば、第1メモリホール35a、第2メモリホール35b、及びバックゲートホール24を形成した後に、第2板状分離絶縁層33b’上に可塑性膜4を形成してU字管6の導通検査が行なわれる。
【0065】
続いて、希フッ酸処理により、露出したバックゲート導電層22の表面、及び露出した第1〜第8板状ポリシリコン層32a〜32hの表面を清浄化し、自然酸化膜を除去する。なお、希フッ酸処理によってU字管6内の自然酸化膜を除去した後に、第2板状分離絶縁層33b’上に可塑性膜4を形成してU字管6の導通検査を行ってもよい。
【0066】
続いて、図11に示すように、バックゲートホール24、第1メモリホール35a、及び第2メモリホール35bに面する側壁、及び第2板状分離絶縁層33b’を覆うように、メモリゲート絶縁層62を形成する。具体的には、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)を堆積させ、メモリゲート絶縁層62を形成する。なお、メモリゲート絶縁層62を形成した後に、メモリゲート絶縁層62の上面上に可塑性膜4を形成してU字管6の導通検査を行ってもよい。
【0067】
次に、図12に示すように、メモリゲート絶縁層62上に、アモルファスシリコン(a−Si)を堆積させ、アモルファスシリコン層93を形成する。アモルファスシリコン層93は、中空93aを有するように形成する。換言すると、アモルファスシリコン層93は、バックゲートホール24内、第1メモリホール35a内、及び第2メモリホール35b内を完全に埋めないように形成する。なお、アモルファスシリコン層93を形成した後に、アモルファスシリコン層93の上面上に可塑性膜4を形成してU字管6の導通検査を行ってもよい。
【0068】
続いて、中空93aに面するアモルファスシリコン層93の側壁を熱酸化させ、酸化シリコン(SiO2)を形成する。また、残存したアモルファスシリコン層93を結晶化させ、ポリシリコン(p−Si)を形成し、図13に示すように、U字状半導体層63を形成する。また、U字状半導体層63の中空93aに形成された酸化シリコン(SiO2)上に、さらにCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて酸化シリコン(SiO2)を堆積し、中空93a内を埋めるように内部絶縁層64を形成する。さらに、CMP処理により、第2板状分離絶縁層33b’上に堆積されたメモリゲート絶縁層62、U字状半導体層63、及び内部絶縁層64を除去する。
【0069】
この後、図14に示すように、第2板状分離絶縁層33b’を覆うように窒化シリコン(SiN)を堆積させ、メモリ保護絶縁層34を形成する。そして、ロウ方向に延び、カラム方向に所定間隔を設けて繰り返してライン状にメモリ分離溝94を形成する。メモリ分離溝94は、カラム方向における第1メモリホール35a及び第2メモリホール35bの間に位置するように形成する。メモリ分離溝94は、メモリ保護絶縁層34’、第1〜第8板状ワード線間絶縁層31a’〜31h’、第1〜第8板状ポリシリコン層32a’〜32h’、及び第1,第2分離絶縁層33a’,33b’を貫通するように形成する。
【0070】
メモリ分離溝94の形成工程によって、第1〜第8板状ワード線間絶縁層31a’〜31h’は、ロウ方向に平行に延びる形状を有し、カラム方向に第1の間隔を設けて繰り返しライン状に形成された第1〜第8ワード線間絶縁層31a〜31hとなる。また、第1〜第8板状ポリシリコン層32a’〜32h’は、ロウ方向に平行に延びる形状を有し、カラム方向に第1の間隔を設けて繰り返しライン状に形成された第1〜第8ワード線導電層32a〜32hとなる。また、第1,第2板状分離絶縁層33a’,33b’は、ロウ方向に平行に延びる形状を有し、カラム方向に第1の間隔を設けて繰り返しライン状に形成された第1,第2分離絶縁層33a,33bとなる。
【0071】
続いて、メモリ分離溝94の側面にコバルト(Co)膜をCVD法により堆積させる。この後、更に、RTA(Rapid Thermal Annealing)処理を施すことにより、コバルト膜は、第1〜第8ワード線導電層32a〜32hを構成するポリシリコン(p−Si)と自己整合的に反応し、第1〜第8ワード線導電層32a〜32hの表面にシリサイド膜36を形成する。なお、未反応のコバルト膜は、硫酸・過酸化水素水混合液中で除去する。そして、窒化シリコン(SiN)にてメモリ分離溝94を埋め、メモリ保護絶縁層34をメモリ分離溝94内へと延びるように形成する。
【0072】
このようにして形成された、半導体基板Baと第1板状ワード線間絶縁層31a’との間の層が、後述のバックゲートトランジスタ層20となる。また、第1板状ワード線間絶縁層31a’〜メモリ保護絶縁層34までの層が後述のメモリトランジスタ層30となる。
【0073】
この後、図15に示すように、メモリトランジスタ層30の上層側に選択トランジスタ層40と配線層50が形成される。これにより、メモリトランジスタ領域12(メモリストリングスMS)は、半導体基板Baから積層方向に、順次、バックゲートトランジスタ層20、メモリトランジスタ層30、選択トランジスタ層40、及び配線層50を有した構成となる。
【0074】
バックゲートトランジスタ層20は、上述したバックゲートトランジスタBGTrmnとして機能する。メモリトランジスタ層30は、上述したメモリトランジスタMTrmnとして機能する。メモリトランジスタ層30は、上述したソース側選択トランジスタ層SSTrmn及びドレイン側選択トランジスタSDTrmnとして機能する。
【0075】
選択トランジスタ層40は、メモリ保護絶縁層34の上に堆積されたドレイン側導電層41、ソース側導電層42、層間絶縁層43、選択トランジスタ絶縁層44を有する。また、選択トランジスタ層40は、選択トランジスタ絶縁層44及びドレイン側導電層41を貫通するように形成されたドレイン側ホール45aを有する。また、選択トランジスタ層40は、選択トランジスタ絶縁層44及びソース側導電層42を貫通するように形成されたソース側ホール45bを有する。カラム方向に隣接するソース側ホール45bの上部には選択トランジスタ絶縁層44を掘り込むようにソース線配線溝45cが形成されている。
【0076】
上記構成において、ドレイン側ホール45aに面する側壁には、ドレイン側ゲート絶縁層61aが形成されている。また、ソース側ホール45bに面する側壁には、ソース側ゲート絶縁層61bが形成されている。また、ソース側ホール45bの第1の高さからソース線配線溝45c内を満たすようにソース線導電層65が形成されている。ソース線導電層65は、半導体基板Ba平行な板状に形成されている。
【0077】
配線層50は、選択トランジスタ絶縁層44上に順次積層された第1配線絶縁層51、第2配線絶縁層52、第3配線絶縁層53、及び第4配線絶縁層54を有する。また、配線層50は、第1配線絶縁層51を堀込むように形成されたビット線配線溝56a、及びビット線配線溝56aの下方から第1配線絶縁層51を貫通するように形成されたビット線プラグホール56を有する。
【0078】
ビット線配線溝56a内には、ビット線導電層55が形成されている。また、ドレイン側ホール45a内のU字状半導体層63の上面からビット線プラグホール56の開口部まで、ビット線プラグ層57が形成されている。
【0079】
なお、本実施の形態では、可塑性膜4で覆ったシリコンウエハー1を真空環境下にさらしたが、可塑性膜4で覆ったシリコンウエハー1を加圧環境下にさらしてもよい。この場合も、U字管6のホール底に残渣物3が付着していれば、可塑性膜4はU字管6内での圧力とU字管6外での圧力との差によって変形する。
【0080】
また、本実施の形態では、欠陥検査の際に可塑性膜4を圧力差によって膨らませる場合について説明したが、開口部を覆う開口被膜を圧力差によって破壊させてもよい。また、開口被膜が、負圧環境下(真空中など)や加圧環境下(大気圧以上の圧力)でのみ変形状態を保ち、大気圧環境下では元の形状に戻る場合、開口被膜が変形したか否かを負圧環境下または加圧環境下で検査してもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、大気圧環境下で可塑性膜4を形成し、負圧環境下にさらして可塑性膜4を変形させる場合について説明したが、可塑性膜4を負圧環境下や加圧環境下で形成してもよい。可塑性膜4を負圧環境下で形成した場合、可塑性膜4を加圧環境下または大気圧中にさらすことによって変形させることができる。また、可塑性膜4を加圧環境下で形成した場合、可塑性膜4を負圧環境下または大気圧中にさらすことによって変形させることができる。このように、可塑性膜4で覆われたシリコンウエハー1を、可塑性膜4を形成した際の圧力環境下(第1の気圧状態)とは異なる圧力環境下(第2の気圧状態)にさらすことによって、可塑性膜4を変形させることが可能となる。
【0082】
また、開口被膜としては熱可塑性の膜を用いてもよい。この場合、開口被膜に熱を与えた状態でシリコンウエハー1を負圧環境下にさらす。これにより、U字管6のホール底に残渣物3が付着していれば開口被膜は変形する。
【0083】
また、開口被膜としては熱硬化性の膜を用いてもよい。この場合、シリコンウエハー1を負圧環境下にさらした状態で開口被膜に熱を与える。これにより、U字管6のホール底に残渣物3が付着していれば可塑性膜4は変形した状態で硬化する。
【0084】
このように実施の形態によれば、可塑性膜4で覆われたシリコンウエハー1を真空状態にさらすことによって、U字管6のホール底に残渣物3が残っているU字管6上の可塑性膜4を変形させているので、U字管6(管状コンタクトホール)の導通状態を容易に検査できる。
【0085】
また、従来の二次電子を検出する欠陥検査装置では、検査対象物がアースに導通していなければならないが、本実施の形態では可塑性膜4(栓材)の変形を検出するので検査対象物のアース導通の有無にかかわらずシリコンウエハー1の全面検査が可能になる。
【0086】
また、パターン異常を検出する光学欠陥検査では、表面から実穴の観察しかできなかったが、本実施の形態では、表面から実穴を観察することができないコンタクトホール内部の欠陥を間接的に検出することが可能となる。したがって、アスペクトの大きいコンタクトホールであってもシリコンウエハー1の全面検査が可能となる。
【0087】
また、U字管6の開口部に可塑性膜4を形成しておくので、可塑性膜4の変形の有無を容易に判断することが可能となる。また、可塑性膜4は、U字管6の開口穴内に入り込まないよう配線層10上に形成されるので、小さな気圧差で可塑性膜4を変形させることが可能になるとともに、欠陥検査後の可塑性膜4の除去が容易になる。
【符号の説明】
【0088】
1 シリコンウエハー、2 配線層、3 残渣物、4 可塑性膜、5 真空チャンバ、6 U字管、7 真空ポンプ、8 シリコン酸化膜、9 埋め込み材、10 配線層、11 欠陥空間、20 バックゲートトランジスタ層、30 メモリトランジスタ層、40 選択トランジスタ層、50 配線層、100 不揮発性半導体記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を作製する際に基板上に形成され、2つの筒状のコンタクトホールが底面側で接続されて管状を成すとともに前記管状の両端が前記基板上面に設けられた2つの開口部で開口している管状コンタクトホールに対し、前記開口部のうち一方の開口部を覆う被膜を第1の気圧状態で形成する被膜形成ステップと、
前記被膜で覆われた基板を前記第1の気圧とは異なる第2の気圧状態にさらすことによって、前記管状コンタクトホールのうち前記管状コンタクトホールの管状の一部が塞がっている管状コンタクトホール上の被膜を変形させる気圧変更ステップと、
前記被膜が変形したか否かを観察することによって、前記管状コンタクトホールの管状の一部が塞がっているか否かを検査する検査ステップと、
を含むことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
前記被膜は、可塑性を有していることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査方法。
【請求項3】
前記被膜は、前記管状コンタクトホールの管状内に埋め込まれず前記開口部の上面側を覆うよう形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥検査方法。
【請求項4】
前記被膜は、フィルムの貼り付け、形成対象となる膜の塗布、ディスペンス装置による所定位置への膜の塗り付けまたは印刷装置による所定位置への膜の印刷によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−3642(P2011−3642A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144189(P2009−144189)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】