説明

水系およびアルコール系組成物用の増粘剤としてのカチオン性ポリマー

本発明は、水系、アルコール系または水/アルコール系組成物のレオロジーを調整する上での、99.99〜10重量%の1分子当たり少なくとも1個のカチオン発生性および/またはカチオン性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物、0〜90重量%の少なくとも一つのa)アミド基を含む異なるモノエチレン性不飽和化合物、ならびに0.01〜5重量%の架橋剤を含む混合物の重合によって得ることができる架橋ポリマーの使用に関するものである。本発明はさらに、本質的に前記架橋ポリマーを含むゲルの形態での水もしくはアルコールに基づく化粧用もしくは医薬調製物に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系、アルコール系もしくは水/アルコール系組成物のレオロジーを調整するための、1分子当たり99.99〜10重量%の少なくとも1個のカチオン発生性および/またはカチオン性基を有する少なくとも1個のα,β−エチレン性不飽和化合物、0〜90重量%のa)とは異なる少なくとも1個のモノエチレン性不飽和アミド基含有化合物、および0.01〜5重量%の架橋剤を含む混合物の重合によって得ることができる水溶性または水分散性架橋ポリマーの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリマーは、毛髪化粧品において広く使用されている。その毛髪化粧品中での役割は、毛髪の特性に影響するということ、特には毛髪保持性を与え、櫛梳き性を改善し、心地よい触感を付与することにある。
【0003】
そこで、乾燥時および濡れた時の櫛梳き性、感触、輝きおよび外観を改善し、毛髪に静電防止性を付与するのに、コンディショナーが用いられる。好ましくは、極性(多くの場合、構造上負電荷を有する毛髪表面に対し相対的に高い親和性を有するカチオン性の官能基)を持つ水溶性ポリマーを用いる。各種ヘアトリートメントポリマーの構造および作用形態は文献に記載されている(非特許文献1)。標準的な市販のコンディショナーポリマーには例えば、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、N−ビニルピロリドンと4級N−ビニルイミダゾールのコポリマーのようなN−ビニルピロリドンに基づくカチオン性ポリマー、アクリルアミドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドまたはシリコーン類がある。
【0004】
ヘアスタイルを保持するには、ビニルラクタムのホモポリマーおよびコポリマーならびにカルボキシル基を有するポリマーを用いる。ヘアセット樹脂の必要条件は例えば、高湿度での強い保持性、弾力性、毛髪からの洗い落とし易さ、製剤中での適合性および毛髪の良好な感触である。
【0005】
例えば、毛髪の良好な感触および同時に毛髪化粧品中でのポリマーの増粘効果などの異なる性質を併せ持たせようとすると困難な場合が多い。
【0006】
この点は、特にゲル製剤において重要である。さらに、通常のセッティングポリマーは、増粘性ポリマーとの不適合性を示して、化粧品製剤に、濁りや沈澱を生じる場合が多い。架橋ポリアクリル酸(カルボポール)またはコポリマーのいずれかからなる従来の増粘剤は、架橋のために、毛髪セッティングに好適な薄膜を形成しないという欠点を有する。それらはゲルの稠度を確保するものであるが、毛髪上でゲルが乾燥してしまうと、それらはもはや必要なくなることから、製剤の使用特性(セッティング効果、感湿)を乱す可能性がある。
【0007】
さらに、レオロジー調整剤も、医薬製剤で用いられる。従って、特には軟膏、クリーム、ゲル、乳濁液または滴剤などの局所投与用の製剤は、粘度に影響を与える薬剤を含む。相当する薬剤はシロップにも用いられる。
【0008】
上記で言及したカルボポール類(CTFA名「カルボマー」)は多くの場合、この目的のための医薬製剤で用いられる薬剤である。使用する場合、pHが上昇するために、それは無機もしくは有機塩基で中和しなければならない。そこで、増粘効果はpH依存性である。酸性条件では、その増粘効果は不十分である。
【0009】
さらに、カルボマーの必要とされる中和は、特には局所投与において有効成分の酸を用いる場合に問題を生じる。そこで、その有効成分は、製剤中でそれの塩に変換する必要があり、それは皮膚を介しての取り込みの場合に吸収を妨げる。
【0010】
それに加えて、例えばアスコルビン酸などのアルカリ条件で不安定な有効成分は、中和されたカルボマーの存在下で分解する傾向を有するという事実がある。
【0011】
先行技術
特許文献1(Jeschek, H.)には、平均分子量1500〜6000のポリエチレングリコールと4級窒素を有するビニル化合物のグラフトポリマーをゼラチン−ハロゲン化銀乳濁液および/またはそれの現像液に加える段階を有する、ポリエチレングリコール誘導体による写真用ゼラチン−ハロゲン化銀乳濁液層の感度上昇および安定性改善方法が記載されている。水系組成物のレオロジーを変えるための使用については記載されていない。
【0012】
特許文献2(BASF)は、ポリエーテル含有化合物の存在下での4級化カチオン性フリーラジカル重合性モノマーおよび適宜にさらなるフリーラジカル共重合性モノマーの重合によって得ることができるカチオン性グラフトポリマーに関するものであり、ただし、その反応は反応混合物全体中で20重量%未満の水の存在下に起こるものである。
水系組成物のレオロジーを変えるための使用については記載されていない。
【0013】
特許文献3には、化粧品組成物中の構成成分としてのグラフトコポリマーの使用が記載されている。そこでは、ポリマー性グラフトベース上にN−ビニルアミド単位を含むモノエチレン性不飽和開鎖モノマーをグラフトすることで、グラフトコポリマーが形成される。
【0014】
特許文献4(BASF)には、化粧品製剤中でのポリオキシアルキレン置換アルキレンジアミン類の使用が記載されている。変性ポリオキシアルキレン置換アルキレンジアミン類、特にはカチオン性ポリマー、ならびにそれらの製造方法も網羅されている。そのポリマーは、少なくとも40重量%のポリオキシアルキレン置換アルキレンジアミン類を含む。
【0015】
特許文献5(BASF)には、ポリマー性グラフトベースの存在下に各場合で少なくとも1個の窒素含有複素環を含むα,β−エチレン性不飽和化合物をフリーラジカル重合させることで得ることができる少なくとも1個のポリマーを含む化粧品組成物について記載されている。特には、ポリエチレングリコールの存在下に製造されるビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマーが記載されている。その重合の際、使用される溶媒は水であり、ポリマーは架橋されず、レオロジー調整に使用されるわけではない。
【0016】
特許文献6(BASF)は、モノエチレン性不飽和単位を持たないポリマー性グラフトベース(A)およびそれぞれ少なくとも1個の窒素含有複素環を含む2つの異なるモノエチレン性不飽和モノマー(B1)および(B2)のコポリマーから形成されるポリマー性側鎖(B)を含むグラフトポリマーに関するものであり、ポリマー全体における側鎖(B)の割合は35〜55重量%である。その重合の際、使用される溶媒は水であり、ポリマーは架橋されない。さらに、これらグラフトポリマーの製造および洗剤中の色移りインヒビターとしてのそれらの使用が記載されており、レオロジー調整のための使用は開示されていない。
【0017】
特許文献7(BASF)の主題は、ポリマー全体における側鎖(B)の割合が55重量%を超えるという点で、特許文献6の主題と異なる。
【0018】
特許文献8(ISP)には、80〜99重量%のN−ビニルピロリドンおよび1〜20重量%の水中での溶液重合によって製造されたN−ビニルイミダゾールもしくは4−ビニルピリジンの架橋コポリマーを含むヒドロゲル、接着剤およびコーティングが開示されている。
【0019】
特許文献9(BASF)には、31℃超〜150℃の温度および73バールを超える圧力での十分な混合をしながら、不活性希釈剤としての超臨界二酸化炭素中での、(a1)5〜99.99重量%の4級化もしくは4級化可能な窒素原子を有するフリーラジカル重合性モノマーまたはそのようなモノマーの混合物、(a2)5〜95重量%のN−ビニルラクタム、(b)0.01〜20重量%の少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマー、ならびに(c)0〜50重量%の別のフリーラジカル重合性モノマーのポリマーの製造が記載されている。
【0020】
特許文献10(BASF)には、(i)(a)1〜100重量%、好ましくは2〜95重量%、特には10〜70重量%の適切であれば部分もしくは完全4級化型でのN−ビニルイミダゾール類およびジアリルアミン類から選択される少なくとも1個のカチオン性モノマー、(b)0〜99重量%、好ましくは5〜98重量%、特には30〜90重量%の(a)とは異なる少なくとも1個の水溶性モノマーおよび(c)0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特には0〜30重量%の(a)および(b)とは異なる少なくとも1個の別のフリーラジカル共重合性モノマーのフリーラジカルで開始される重合、ならびに用いたモノマー(a)が非4級化モノマーもしくはごく部分的に4級化されたモノマーである場合には、その後のポリマーの部分的もしくは完全な4級化もしくはプロトン化によって得ることができるポリマー、(ii)くせ取り剤を含む毛髪化粧品組成物が記載されている。水系組成物のレオロジーを変える上でのそのようなポリマーの使用については記載されていない。
【0021】
特許文献11(BASF)には、水系溶媒混合物中でのゲル重合、逆懸濁重合または逆乳化重合によって製造されるビニルイミダゾールおよびN−ビニルピロリドンの架橋カチオン性ポリマーについて記載されている。
【0022】
特許文献12(BASF)には、保護コロイドの存在下にての水系塩溶液中でのフリーラジカル重合による、4級化もしくは4級化可能な窒素原子を含むモノエチレン性不飽和モノマーに基づく架橋カチオン性水溶性または水膨潤性ポリマーの水系分散液を製造する方法、ならびに毛髪化粧品製剤でのその使用が記載されている。そのポリマーは、水−水乳化重合によって製造される。
【0023】
特許文献13には、4級化メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびアクリルアミドの化粧品製剤用架橋カチオン性増粘剤が記載されている。
【0024】
特許文献14には、4級化アクリル酸ジアルキルアミノアルキルまたはジアルキルアミノアルキルアクリルアミドに基づいた架橋カチオン性コポリマーが記載されている。用途として、これら架橋コポリマーの化粧品製品中での増粘剤としての使用が提案されている。
【0025】
特許文献15には、N−ビニルピロリドンおよび(4級化)N−ビニルイミダゾールに基づく架橋ポリマーの製造について記載されている。これらのポリマーは、吸着剤およびイオン交換体としての使用に関して特許請求されている。
【0026】
特許文献16には、重合調節剤の存在下での特にはN−ビニルピロリドンおよび4級化ビニルイミダゾールの架橋コポリマーの製造、ならびに特には洗剤でのその使用が記載されている。
【0027】
特許文献17には、N−ビニルイミダゾールまたはN−ビニルピロリドンおよび4級化塩基性アクリレート、そしてさらなるコモノマーの架橋カチオン性ヒドロゲルが開示されている。そのゲルは、アニオン性活性物質の錯形成および徐放用に提案されている。
【0028】
特許文献18には、不飽和カルボン酸、4級化ビニルイミダゾールおよび適宜にさらなるモノマーおよび架橋剤のコポリマーが記載されている。そのポリマーは、増粘剤および分散剤として提案されている。
【0029】
特許文献19には、シャンプー組成物中でのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類または−(メタ)アクリルアミド類を含む架橋カチオン性ポリマーの使用が記載されている。
【0030】
特許文献20および特許文献21には、溶液ポリマーとしての高分子量架橋カチオン性ポリマーの使用が記載されている。それは、シャンプーにおいて良好なコンディショニング効果を有する。
【0031】
特許文献22には、毛髪化粧品製品でのN−ビニルイミダゾールを含む架橋カチオン性コポリマーの使用が記載されている。
【0032】
特許文献23には、増粘剤として2級有機アミンで中和されたカルボマーを含む有効成分ジクロフェナクの局所塗布可能な組成物が記載されている。
【0033】
特許文献24には、2級有機アミンを用いる中和に関連する欠点を回避するため、増粘剤としてセルロース誘導体を含む局所塗布用のジクロフェナク・ナトリウム含有組成物が記載されている。
【非特許文献1】Cosmetic & Toiletries 103 (1988)23
【特許文献1】東独国特許第117326号明細書
【特許文献2】国際公開第03/080001号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/068834号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/106522号パンフレット
【特許文献5】国際公開第04/100910号パンフレット
【特許文献6】国際公開第03/042262号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/042264号パンフレット
【特許文献8】国際公開第93/22380号パンフレット
【特許文献9】独国特許出願公開第19833287号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第10023245号明細書
【特許文献11】独国特許出願公開第19731907号明細書
【特許文献12】独国特許出願公開第10241296号明細書
【特許文献13】米国特許第4806345号明細書
【特許文献14】国際公開第93/25595号パンフレット
【特許文献15】独国特許出願公開第3209224号明細書
【特許文献16】国際公開第96/37525号パンフレット
【特許文献17】米国特許第4058491号明細書
【特許文献18】独国特許出願公開第4213971号明細書
【特許文献19】国際公開第97/35544号パンフレット
【特許文献20】欧州特許出願公開第0893117号明細書
【特許文献21】欧州特許出願公開第1064924号明細書
【特許文献22】独国特許出願公開第19731907号明細書
【特許文献23】独国特許第3336047号明細書
【特許文献24】欧州特許出願公開第450123号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
本発明の一つの目的は、最低可能濃度での透明な水系、アルコール系または水/アルコール系調製物の水および/またはアルコール以外の単一成分として、調製物の増粘を可能とするポリマーを提供することにあった。
【0035】
本発明の一つの目的は、化粧品用途に非常に適しており、例えば毛髪化粧品の分野において、良好な感触などの使用関連の良好な使用特性と同時に良好なコンディショニング効果および同時に良好な増粘特性を有するポリマーを見いだすことにあった。さらに、消費者に受け入れられるためには、透明溶液を形成する上での通常の毛髪化粧品製品中でのポリマーの溶解性が重要である。
【0036】
提供されるポリマーはさらに、得られる組成物の塩に対する高い安定性を保証するものであり、5〜8のpH範囲で化粧品用の通常のポリマーと適合性でもなければならない。
【0037】
前記ポリマーが可能な限り最も広いpH範囲にわたって有効なレオロジー調整を可能とするものであることも目的であった。当然のことながらそのポリマーは、コスト効果の点で手が届くものでなければならず、製造後には必要とする後処理が可能な限り少ないものでなければならない。
【0038】
本発明のさらに別の目的は、医薬製剤、特には局所塗布用の製剤用の増粘剤としてのポリマーを提供することであった。その目的は特には、1〜10の広いpH範囲にわたって増粘効果を有するポリマーを提供することに関連するものであった。さらに、その目的は、低濃度であっても十分な効果を発揮する医薬製剤用の増粘剤を見出すことにもあった。さらに、提供されるポリマーは、有効成分の酸の場合に塩形成の問題を回避する上で役立つものでなければならない。本発明の一つの目的は、塩基性または中性媒体中で感受性である有効成分用のゲル製剤を見出すことにもあった。
【課題を解決するための手段】
【0039】
上記の目的は、水系、アルコール系または水/アルコール系組成物のレオロジーを調整する上での、
a)99.99〜10重量%の1分子当たり少なくとも1個のカチオン発生性および/またはカチオン性基を有する少なくとも1個のα,β−エチレン性不飽和化合物、
b)0〜90重量%のa)とは異なる少なくとも1個のモノエチレン性不飽和アミド基含有化合物、
c)0.01〜5重量%の架橋剤、
d)0〜15重量%の置換されていても良いC〜C30−アルキル、C〜C30−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘタリールからなる群から選択される少なくとも1個の基を有する少なくとも1個のモノエチレン性不飽和化合物d1)および/または成分d)の反応性半製品d2)、
e)0〜30重量%のa)〜d)とは異なる別のモノエチレン性不飽和化合物
(ただし、成分a)〜e)の量は合計で100重量%である)
を含む混合物の、
f)前記成分a)〜e)の合計に基づいて0〜70重量%のポリエーテル含有化合物の存在下での重合によって得ることができる水溶性もしくは水分散性ポリマーであって、
前記重合が前記重合時に存在する全ての成分の総量に基づいて69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下に、そして超臨界二酸化炭素の非存在下に行われるポリマーの使用によって達成された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の好ましい実施形態は、前記α,β−エチレン性不飽和化合物a)が、
ai)α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のアミン窒素上でモノもしくはジアルキル化されていても良いアミノアルコールとのエステル、
aii)α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸の少なくとも1個の1級もしくは2級アミノ基を有するジアミンとのアミド、
aiii)N,N−ジアリルアミン、
aiv)ビニルおよびアリル置換窒素複素環、
av)ビニルおよびアリル置換ヘテロ芳香族化合物ならびに
avi)それらの混合物
から選択される上記ポリマーの使用である。
【0041】
本発明の範囲内で、アルキルという表現は直鎖および分岐のアルキル基を含む。好適な短鎖アルキル基は例えば、直鎖もしくは分岐のC〜C−アルキル基、好ましくはC〜C−アルキル基および特に好ましくはC〜C−アルキル基である。これらには特には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチルなどがある。
【0042】
好適な長鎖C−C30−アルキルまたはC−C30−アルケニル基は、直鎖および分岐のアルキルまたはアルケニル基である。本発明において好ましいものは、適切であればさらにモノ、ジもしくは多価不飽和であっても良い天然もしくは合成の脂肪酸および脂肪アルコール、ならびにオキソアルコールで生じるような主として直鎖アルキル基である。それには例えば、n−ヘキシル(エン)、n−ヘプチル(エン)、n−オクチル(エン)、n−ノニル(エン)、n−デシル(エン)、n−ウンデシル(エン)、n−ドデシル(エン)、n−トリデシル(エン)、n−テトラデシル(エン)、n−ペンタデシル(エン)、n−ヘキサデシル(エン)、n−ヘプタデシル(エン)、n−オクタデシル(エン)、n−ノナデシル(エン)などがある。
【0043】
シクロアルキルは好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルなどのC〜C−シクロアルキルである。
【0044】
本発明に関して、ヘテロシクロアルキルという表現は、4〜7個、好ましくは5または6個の環原子を有する飽和の脂環式基であって、環炭素原子のうちの1個もしくは2個が元素である酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子によって置き換わっており、置換されていても良く、置換の場合には、これらの複素環脂肪族基は1、2または3個、好ましくは1または2個、特に好ましくは1個のアルキル、アリール、COOR、COOおよびNE、好ましくはアルキルから選択される置換基を有していても良いものを含む。そのような複素環脂肪族基の例を挙げると、ピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニルがあり得る。
【0045】
アリールは未置換および置換のアリール基を含み、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタレニル、特にはフェニル、トリル、キシリルまたはメシチルである。
【0046】
置換アリール基は好ましくは、1、2、3、4または5個、特には1、2または3個のアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、トリフルオロメチル、−SOH、スルホネート、NE、アルキレン−NE、ニトロ、シアノまたはハロゲンから選択される置換基を有する。
【0047】
ヘタリールは好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、カルバゾリル、ピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである。
【0048】
アリールアルキルは、アルキル基およびアリール基の両方を含む基であり、そのアリールアルキル基は、そのアリール基またはアルキル基のいずれかを介して、それを有する化合物に連結されている。
【0049】
モノマーa)
本発明による使用に好適なポリマーを製造するのに使用可能なモノマーa)は例えば、国際公開第03/080001号パンフレット中で18頁27行〜22頁38行に「直接前駆体a2」と称されている化合物である。この時点で、その明細書全体が引用されたことになる。
【0050】
好適なカチオン発生性モノマーa)は、ai)α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のアミノアルコールとのエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素上でC〜C−モノ−もしくは−ジアルキル化されているC〜C12−アミノアルコールである。これらエステルの好適な酸成分は例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチルおよびそれらの混合物である。
【0051】
好適なモノマーa)は、aii)上記α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸の、少なくとも1個の1級もしくは2級アミノ基を有するジアミンとのアミドである。好ましいものは、1個の4級アミノ基および1個の1級もしくは2級アミノ基を有するジアミンである。
【0052】
好ましい酸成分は、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物である。
【0053】
そこで、α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のアミノアルコールまたはジアミンとの好ましいエステルai)またはアミドaii)は、下記一般式Iの(メタ)アクリル酸アミノアルキルおよびアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである。
【化1】

【0054】
式中、
14およびR15は互いに独立に、水素、C〜C直鎖または分岐アルキル、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシおよび2−エトキシエチルからなる群から選択され、好ましいものは、水素、メチルまたはエチルであり、
17は、水素またはメチルであり、
18は、アルキル、好ましくはC、C、C、CH−CH(OH)−CHによって置換されていても良い1〜24個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、
gは0または1であり、
Zは、g=1の場合は窒素であり、またはg=0の場合は酸素であり、
25およびR26はそれぞれ、そして他方から独立に、水素、C〜C40直鎖または分岐アルキル、ホルミル、C〜C10直鎖または分岐アシル、N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、エトキシプロピルまたはベンジルからなる群から選択される。好ましいものは、水素、メチル、エチル、n−プロピルおよびベンジルである。
【0055】
好ましいモノマーai)は特には、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−エチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−(n−プロピル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N−(n−ブチル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N−(tert−ブチル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピルおよび(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノシクロヘキシルである。特には、アクリル酸N−(tert−ブチル)アミノエチルおよびメタクリル酸N−(tert−ブチル)アミノエチルをモノマーai)として用いる。
【0056】
前記アミドは、未置換型、N−アルキルもしくはN−アルキルアミノ−モノ置換またはN,N−ジアルキル置換またはN,N−ジアルキルアミノ−ジ置換型で存在することができ、そのアルキルまたはアルキルアミノ基はC〜C40直鎖、C〜C40分岐またはC〜C40炭素環単位から誘導される。
【0057】
好ましいモノマーaii)は、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド、N−[8−(ジメチルアミノ)オクチル]メタクリルアミド、N−[12−(ジメチルアミノ)ドデシル]メタクリルアミド、N−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびN−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]アクリルアミドである。
【0058】
さらに、前記カチオン発生性モノマーa)は、aiii)下記一般式IIのN,N−ジアリルアミンから選択することもできる。
【化2】

【0059】
式中、R27は水素またはC〜C24アルキルである。特に好ましいものは、N,N−ジアリルアミンおよびN,N−ジアリル−N−メチルアミン、特にはN,N−ジアリル−N−メチルアミンである。特に好ましいものは、例えばDADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)の名称で4級化型で市販されているN,N−ジアリル−N−メチルアミンである。
【0060】
特に好ましいカチオン発生性モノマーa)は、aiv)N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール誘導体、例えば2−および4−ビニルピリジン、2−および4−アリルピリジンなどのN−ビニル−2−メチルイミダゾール、ビニル−およびアリル置換ヘテロ芳香族化合物のようなビニル−およびアリル置換窒素複素環でもある。
【0061】
非常に好ましいものは、下記一般式(III)[式中、R〜Rは水素、C〜C−アルキルまたはフェニルである。]のN−ビニルイミダゾールである。
【化3】

【0062】
一般式(III)の化合物の例を下記の表1に示した。
【表1】

【0063】
モノマーa)として最も好ましいものは、aiv)N−ビニルイミダゾール、すなわち基R〜Rの全てが水素である式IIIの化合物である。
【0064】
化合物a)の4級化合物への変換は、反応中または好ましくは反応後に行うことができる。後に変換を行う場合、中間体ポリマーを最初に単離および精製するか、直接変換することができる。その変換は、完全にまたは部分的に行うことができる。これに関連して、好ましくは少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも30%の組み込まれるモノマーa)を、相当する4級型に変換する。モノマーa)の水での溶解度が低いほど、4級化合物への変換率を好ましくは高くする。
【0065】
その重合においては前記モノマーa)を、主として、すなわち70mol%超、好ましくは90mol%超、特に好ましくは95mol%超、最も好ましくは99mol%超までカチオン発生性、すなわち非4級化またはプロトン化型で使用すること、そしてそれを重合の際のみまたは特に好ましくは重合後に4級化することで4級化またはプロトン化型に変換することが好ましい。
【0066】
プロトン化/4級化
本発明の好ましい実施形態では、前記重合に使用されるモノマーa)が好ましくは非4級化もしくはプロトン化またはごく部分的4級化もしくはプロトン化されたモノマーであることから、前記ポリマーは、重合時のみまたは特に好ましくは重合後に部分的もしくは完全にプロトン化または4級化する。
【0067】
前記モノマー(a)は、プロトン化型もしくは4級化型のいずれかで用いることができ、好ましくは非4級化または非プロトン化型で重合させ、後者の場合には得られるコポリマーは本発明による使用に関しては、重合中または好ましくは重合後に4級化またはプロトン化する。
【0068】
モノマーを4級化型で用いる場合、それは乾燥物質として、あるいはそのモノマーに好適な溶媒中、例えば水、メタノール、エタノール、アセトンなどの極性溶媒中、別の成分a)〜f)中(それらが好適な溶媒である場合)、あるいは電解質溶液中の濃厚溶液の形で用いることができる。
【0069】
プロトン化に好適なものとしては、例えばHCl、HSOなどの鉱酸、ならびにモノカルボン酸(例:ギ酸および酢酸)、ジカルボン酸および多官能性カルボン酸(例:シュウ酸およびクエン酸)、ならびに他の全てのプロトン放出性化合物および相当する窒素原子をプロトン化することができる物質がある。プロトン化に特に好適なものは水溶性の酸である。
【0070】
挙げることができる好ましい無機酸は、リン酸、亜リン酸、硫酸、亜硫酸および塩酸であり、リン酸が特に好ましい。
【0071】
挙げることができる可能な有機酸は、モノおよび多価の置換されていても良い脂肪族および芳香族カルボン酸、モノおよび多価の置換されていても良い脂肪族および芳香族スルホン酸、またはモノおよび多価の置換されていても良い脂肪族および芳香族ホスホン酸である。
【0072】
好ましい有機酸は、例えばグリコール酸、乳酸、酒石酸およびクエン酸などのヒドロキシカルボン酸類であり、乳酸が特に好ましい。
【0073】
ポリマーのプロトン化は、重合中、重合直後または化粧品製品の製剤中のみ(その間、通常は生理的に適合性のpHを確保する)に行う。
【0074】
プロトン化は、ポリマーのプロトン化可能な基の少なくとも一部、好ましくは少なくとも20mol%、好ましくは50mol%超、特に好ましくは70mol%超、最も好ましくは90mol%超をプロトン化することで、ポリマーが全体でカチオン電荷を有するようにすることを意味するものと理解される。
【0075】
化合物a)の4級化に好適なものとしては、例えばアルキル基に1〜24個の炭素原子を有するアルキルハライドであり、例えば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、塩化プロピル、塩化ヘキシル、塩化ドデシル、塩化ラウリル、臭化プロピル、臭化ヘキシル、臭化ドデシル、臭化ラウリルおよびベンジルハライド、特には塩化ベンジルおよび臭化ベンジルがある。好ましい4級化剤は塩化メチルである。長鎖アルキル基で4級化する場合には、臭化ヘキシル、臭化ドデシルまたは臭化ラウリルなどの相当する臭化アルキルが好ましい。
【0076】
さらに好適な4級化剤は、硫酸ジアルキル、特には硫酸ジメチルまたは硫酸ジエチルである。
【0077】
塩基性モノマーa)の4級化は、酸の存在下にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドで行うこともできる。
【0078】
好ましい4級化剤は、塩化メチル、硫酸ジメチルまたは硫酸ジエチルであり、塩化メチルが特に好ましい。
【0079】
具体的に挙げた4級化剤のいずれかによるモノマーまたはポリマーの4級化は、公知の方法によって行うことができる。
【0080】
本発明によれば、前記ポリマーは、1〜12、好ましくは2〜10のpH範囲で水系組成物のレオロジーを調整するのに用いることができる。
【0081】
pH1〜pH5の範囲では、ポリマーの4級化可能基が20%未満、好ましくは10%未満、特に好ましくは1%未満の4級化まで存在することが有利である。
【0082】
pH6〜pH10の範囲では、ポリマーの4級化可能基が少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%および多くとも99%、好ましくは多くとも90%の4級化まで存在することが有利である。
【0083】
pH5〜pH6では、前記ポリマーは、定量的および/または定性的モノマー組成に応じて、有利には部分4級化型または非4級化型で存在することができる。
【0084】
当業者であれば、日常的な実験によって、ある特定のポリマーがこのpH範囲で有利には4級化型または非4級化型のいずれで存在するかはわかる。さらなる日常的な実験によって、所望の効果に最も適した4級化の程度を確認することもできる(=4級化基の量の指数、ならびに4級化基および4級化されていない4級化可能な基の量の合計)。
【0085】
本発明による使用に好適なポリマーは、共重合形態で多くとも99.99重量%および少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%および特には少なくとも60重量%のモノマーa)を含む。
【0086】
特には毛髪化粧品製品中の増粘剤として前記ポリマーを用いる場合、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%の割合の共重合モノマーa)が有利である。
【0087】
別段で明瞭に記載されていない限り、成分a)〜e)におけるデータ「重量%」とは、100重量%の成分a)〜e)の合計を参照している。
【0088】
本発明の一実施形態では、前記ポリマーは、共重合型でモノマーa)およびc)のみを含む。
【0089】
モノマーb)
本発明による使用に好適なポリマーは、共重合型で0〜90重量%、好ましくは10〜70重量%および特に好ましくは30〜60重量%のa)とは異なる少なくとも1個のモノエチレン性不飽和アミド基含有化合物b)を含む。
【0090】
このさらなるモノマーb)は、好ましくは下記一般式IVの化合物から選択される。
【化4】

【0091】
式中、
は式CH=CR−の基であり、R=HまたはC〜C−アルキルであり、RおよびRは互いに独立にH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであるか、RとRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、5〜8員の窒素複素環であるか、あるいは
は式CH=CR−の基であり、RおよびRが互いに独立にH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであるか、RとRがそれらが結合しているアミド基と一体となって5〜8個の環原子を有するラクタムである。
【0092】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリマーはさらに、モノマーb)として、共重合型での少なくとも1個のN−ビニルラクタムを含む。N−ビニルラクタムb)として好適なものとしては未置換N−ビニルラクタムおよびN−ビニルラクタム誘導体があり、それらは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの1以上のC〜C−アルキル置換基を有することができる。これらには、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタムなど、ならびにそれらの混合物などがある。
【0093】
好ましくは、本発明による使用に好適なポリマーは、組み込まれた形でモノマーb)を含み、式IVにおいて、RはCH=CH−であり、RおよびRはそれらが結合しているアミド基と一体となって5個の環原子を有するラクタムである。
【0094】
特に好ましいものは、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドまたはそれらの混合物の使用であり、N−ビニルピロリドンおよびメタクリルアミドが最も好ましい。
【0095】
ある具体的な実施形態では、本発明による使用に好適なポリマーは、組み込まれた形でモノマーa)およびb)のみを含み、a)としてはN−ビニルイミダゾールが好ましく、b)としてはN−ビニルピロリドンが好ましい。
【0096】
本発明による使用に好適なポリマーは、多くとも90重量%、好ましくは多くとも70重量%および特には多くとも40重量%のモノマーb)もしくは複数のモノマーb)を共重合型で含む。本発明の一実施形態において、本発明による使用に好適なポリマーは、少なくとも1重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%および特には少なくとも20重量%のモノマーb)もしくは複数のモノマーb)を共重合型で含む。
【0097】
架橋剤c)
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明による使用に好適なポリマーを製造するのに使用される架橋剤c)は、1分子当たり少なくとも2個のエチレン性不飽和非共役二重結合を有する化合物から選択される。
【0098】
好適な架橋剤c)は、例えば少なくとも2価のアルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテルまたはビニルエーテルである。この場合、親アルコールのOH基は完全または部分的にエーテル化またはエステル化されていても良い。しかしながら、前記架橋剤は少なくとも2個のエチレン性不飽和基を組み込まれた形で有する。
【0099】
親アルコールの例としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ブト−2−エン−1,4−ジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2,5−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリックネオペンチルグリコールモノエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3−チオペンタン−1,5−ジオール、ならびに各場合で200〜10000の分子量を有するポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類およびポリテトラヒドロフラン類などの2価アルコールがある。
【0100】
エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのホモポリマーは別として、エチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドのブロックコポリマーまたはエチレンオキサイド基およびプロピレンオキサイド基を組み込まれた形で含むコポリマーを用いることも可能である。
【0101】
2個より多いOH基を有する親アルコールの例には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖類(ショ糖、グルコース、マンノースなど)がある。この関係での好ましい多価アルコールには、二糖類および三糖類もある。
【0102】
当然のことながら、相当するエトキシレート類およびプロポキシレート類としてのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとの反応に従って、多価アルコールを用いることもできる。多価アルコールは、最初にエピクロルヒドリンとの反応によって相当するグリシジルエーテルに変換することもできる。
【0103】
別の好適な架橋剤は、ビニルエステルまたは1価の不飽和アルコールの例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸などのエチレン性不飽和C〜C−カルボン酸とのエステルである。そのようなアルコールの例には、アリルアルコール、1−ブテン−3−オール、5−ヘキセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、9−デセン−1−オール、ジシクロペンテニルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコールまたはシス−9−オクタデセン−1−オールがある。しかしながら、1価の不飽和アルコールを、多価カルボン酸、例えばマロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸またはコハク酸でエステル化することもできる。
【0104】
別の好適な架橋剤は、上記多価アルコールと不飽和カルボン酸、例えばオレイン酸、クロトン酸、桂皮酸または10−ウンデカン酸のエステルである。
【0105】
好適な架橋剤c)は、脂肪族炭化水素の場合には共役している必要はない少なくとも2個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐、直鎖または環状の脂肪族または芳香族炭化水素でもあり、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサンまたは分子量が200〜20000であるポリブタジエンである。
【0106】
架橋剤として好適なものには、(メタ)アクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸のアミド、ならびに少なくとも2官能性のアミンのN−アリルアミンもある。そのようなアミン類は例えば、1,2−ジアミノメタン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミンまたはイソホロンジアミンである。同様に好適なものとしては、アリルアミンおよびアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸または上記のような少なくとも2価のカルボン酸のアミドがある。
【0107】
架橋剤として好適なものには、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、例えばトリアリルメチルアンモニウムクロライドまたはメチル硫酸塩がある。
【0108】
尿素誘導体、少なくとも2価のアミド、シアヌレートまたはウレタン、例えば尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素またはタルタルジアミドのN−ビニル化合物、例えばN,N’−ジビニルエチレン尿素またはN,N’−ジビニルプロピレン尿素も好適である。
【0109】
メチレンビスアクリルアミドおよびN,N’−(2,2)ブタンおよび1,1’−ビス(3,3’−ビニルベンズイミダゾリン−2−オン)−1,4−ブタンなどのアルキレンビスアクリルアミドも好適である。
【0110】
他の好適な架橋剤は、例えば、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、アクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、アクリル酸ジエチレングリコール、メタクリル酸ジエチレングリコールなどのジ(メタ)アクリル酸アルキレングリコール類、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ジビニルジオキサン、ペンタエリスリトールアリルエーテルならびにこれら架橋剤の混合物である。
【0111】
別の好適な架橋剤はジビニルジオキサン、テトラアリルシランまたはテトラビニルシランである。
【0112】
好ましく用いられる架橋剤は、例えばメチレンビスアクリルアミド、トリアリルアミンおよびトリアリルアルキルアンモニウム塩類、ジビニルイミダゾール、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、N,N’−ジビニルエチレン尿素、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸との反応生成物、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドおよび/またはエピクロルヒドリンと反応させたポリアルキレンオキサイドもしくは多価アルコールのメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルである。
【0113】
非常に好ましい架橋剤は、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、ならびにエチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセリンのアクリル酸エステルまたはエチレンオキサイドおよび/またはエピクロルヒドリンと反応させたグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセリンのアクリル酸エステルである。ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが最も好ましい。
【0114】
当然のことながら、上記化合物の混合物を用いることも可能である。前記架橋剤は好ましくは、反応媒体に可溶である。反応媒体中の架橋剤の溶解度が低い場合は、それをモノマーまたはモノマー混合物に溶解させることができるか、あるいは反応媒体と混和性の溶媒中に溶解させた形で計量することができる。特に好ましいものは、モノマー混合物に可溶の架橋剤である。
【0115】
架橋剤c)は、少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、特に好ましくは少なくとも0.1重量%および多くとも5重量%、好ましくは多くとも2重量%および特に好ましくは多くとも1重量%の量で本発明による使用に用いられる。
【0116】
本発明の特に好ましい実施形態では、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルは0.1重量%〜0.7重量%の量で、最も好ましくは0.3重量%〜0.6重量%の量で用いる。
【0117】
架橋剤c)の重量%量とは、前記ポリマーを製造するのに用いられる成分a)〜e)の混合物の量を指す。
【0118】
別のモノエチレン性不飽和化合物d)
本発明によれば、重合される混合物はさらに、置換されていても良いC〜C30−アルキル、C〜C30−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘタリールからなる群から選択される少なくとも1個の基を含む少なくとも1個のモノエチレン性不飽和化合物d1)および/または成分d)の反応性半製品(d2)を0〜15重量%含んでいる。
【0119】
化合物d)は、本発明による使用に好適なポリマー中で疎水性基を有する。
【0120】
化合物d1)は、例えば、(メタ)アクリル酸の脂肪族C〜C30−アルコールもしくはアミンのエステルもしくはアミドなどの自体が疎水性であるモノマー、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ヘプチル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−オクチル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ノニル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−デシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ウンデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ドデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−トリデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−テトラデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ペンタデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミド、n−オクタデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミドおよびn−ノナデシル(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルアミドであることができる。
【0121】
化合物d1)は、例えば疎水性基で置換されたポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステルであることもでき、例えば、アルキル置換(メタ)アクリルポリエチレングリコールエステルなどがある。
【0122】
d1)として好適なものは、長鎖アリルエーテル類またはビニルエーテル類であり、C〜C30−アルキルビニルエーテル類またはC〜C30−アルケニルビニルエーテル類などがある。
【0123】
d1)として好適なものは、オレフィン不飽和基を有するポリイソブテンのフリーラジカル重合性誘導体でもある。当然のことながら、好ましい化合物d1)は、例えばポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA)と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの反応生成物およびポリイソブテニルコハク酸イミド(PIBSA)と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとの反応生成物である。
【0124】
国際公開第04/035635号パンフレットの12頁26行〜27頁2行には、ポリイソブテン誘導体の詳細な製造方法が記載されており、それは次にオレフィン不飽和基を含む成分との通常の反応によって反応させて、好適な化合物d)を得ることができる。本明細書において、この記述の全体が引用されたものとする。反応して好適な化合物d)を与えるポリイソブテン誘導体は、例えば商標名グリソパル(Glissopal;登録商標)またはケロコム(Kerocom;登録商標)(それぞれ、BASF)で市販されている製品である。
【0125】
本発明の特に好ましい実施形態では、2〜10重量%のオクタデシルビニルエーテルおよび/またはアクリル酸ベヘニルおよび/またはメタクリル酸ステアリルを化合物d)として用いる。
【0126】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、使用される化合物d)は、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールモノ−C16−C22−アルキルエーテルとのエステルである。好ましいポリエチレングリコールモノ−C16−C22−アルキルエーテルは、1分子当たり25〜80単位のエチレンオキサイドを有する。
【0127】
例えば、使用可能な化合物d)は、(メタ)アクリル酸のルテンソル(Lutensol;登録商標)AT25、ルテンソル(登録商標)AT50またはルテンソル(登録商標)AT80とのエステルである。
【0128】
好適なものは、例えばPLEX(登録商標)O−6877またはPLEX(登録商標)O−6954(デグッサ;Degussa)として市販されているエトキシル化(例えば25molのエチレンオキサイドで)C16〜C18−脂肪アルコール混合物のメタクリル酸エステルである。
【0129】
本発明の範囲内で、成分d)の反応性半製品d2)は、置換されていても良いC〜C30−アルキル、C〜C30−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘタリールからなる群から選択される少なくとも1個の基との適切であればポリマー類似の反応による組み込みの前または後に共有結合的に連結されても良いフリーラジカル重合性モノマーを意味するものと理解される。1例として、エポキシド基を有するモノエチレン性不飽和化合物を挙げることができる。これらのエポキシド基は、例えばポリマーへの重合による組み込みに従って、C〜C30−アルキル鎖を有するC〜C30−アルコールとの反応によって共有結合的に連結させることができる。
【0130】
別の好ましい化合物d)は、(メタ)アクリル酸C18〜C30−アルキルおよびC18〜C30−アルキルビニルエーテルからなる群から選択される。
【0131】
本発明による使用に好適なポリマーは、多くとも20重量%、好ましくは多くとも15重量%および特に好ましくは多くとも10重量%および好ましくは少なくとも1重量%、特に好ましくは少なくとも2重量%および特に少なくとも4重量%の化合物d)または複数の化合物d)を共重合型で含む。
【0132】
スキン化粧品製品中の増粘剤としてのポリマーの使用においては特には、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも4重量%の割合の共重合成分d)が有利である。
【0133】
ポリエーテル含有化合物f)
本発明による使用に好適なポリマーは、成分a)〜e)の量に基づいて、0〜70重量%のポリエーテル含有化合物f)の存在下での重合によって得ることができる。
【0134】
好適なポリエーテル含有化合物f)は、ポリアルキレングリコール基を有する水溶性または水分散性のノニオン系ポリマーである。好ましくは、ポリアルキレングリコール基の割合は、化合物f)の総重量に基づいて少なくとも40重量%である。ポリエーテル含有化合物f)として、例えばポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールに基づくポリエステル、およびポリエーテルウレタンを用いることが可能である。
【0135】
成分f)は好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドに基づくポリアルキレンオキサイドの群からのポリエーテル、ポリテトラヒドロフランおよびポリグリセリンである。製造に用いられるモノマー構築ブロックの種類に応じて、ポリエーテル含有化合物f)は、下記の構造単位を含む。
【0136】
−(CH−O−、−(CH−O−、−(CH−O−、−CH−CH(CH)−O−、−CH−CH(CH−CH)−O−、−CH−CHOR−CH−O−。
【0137】
上記において、RはC〜C24−アルキル、好ましくはC〜C−アルキルである。
【0138】
ホモポリマーまたはコポリマー(コポリマーはランダム分布またはブロックの形態でアルキレンオキサイド単位を含むことができる)が好適である。
【0139】
化合物f)はさらに、例えば下記のものから選択される架橋基を有することができる。
【0140】
−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−(C=O)−NR−。
【0141】
上記において、RおよびRは互いに独立に、水素、C〜C30−アルキル、好ましくはC〜C−アルキルまたはシクロアルキルである。
【0142】
好ましくはポリエーテルf)は、少なくとも300の数平均分子量Mを有する。
【0143】
好ましくはポリエーテルf)は下記一般式VaまたはVbを有する。
【化5】

【0144】
式中、
は、ヒドロキシ、アミノ、C〜C24−アルコキシ、R13−COO−、R13−NH−COO−または多価アルコール基であり、
、RおよびR10は互いに独立に、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CH)−、−CH−CH(CH−CH)−または−CH−CHOR14−CH−であり、
11は、水素、アミノ−C〜C−アルキル、C〜C24−アルキル、R13−C(=O)−またはR13−NH−C(=O)−であり、
12は、酸素鎖が1〜10個の隣接しない酸素原子によって中断されていても良いC〜C20−アルキレン基であり、
13は、C〜C24−アルキルであり、
14は、水素、C〜C24−アルキルまたはR13−CO−であり、
Aは、−C(=O)−O−、−C(=O)−B−C(=O)−O−または−C(=O)−NH−B−NH−C(=O)−O−であり、
Bは、−(CH−、所望に応じて置換されたシクロアルキレン、所望に応じて置換されたヘテロシクロアルキレンまたは所望に応じて置換されたアリーレンであり、
nは1であるか、Rが多価アルコール基の場合は1〜8であり、
sは、0〜500、好ましくは0〜100であり、
tは、1〜12、好ましくは2〜6であり、
uは、他のものとは独立に各場合で、1〜5000、好ましくは1〜1000であり、
vは、他のものとは独立に各場合で、0〜5000、好ましくは1〜1000であり、
wは、他のものとは独立に各場合で、0〜5000、好ましくは1〜1000である。
【0145】
好ましい成分f)は、式Vaのポリエーテルである。
【0146】
アルキレンオキサイド、テトラヒドロフランまたはグリセリンに基づいて製造されるポリエーテルの末端1級ヒドロキシル基、およびポリグリセリンの2級OH基は、遊離であるか、C〜C24−アルコールでエーテル化されているか、C〜C24−カルボン酸でエステル化されているか、イソシアネートと反応してウレタンを与えていることができる。これに関して好適なアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどの1級脂肪族アルコール類、フェノール、イソプロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールおよびナフトールなどの1級芳香族アルコール類、イソプロパノールなどの2級脂肪族アルコール類、tert−ブタノールなどの3級脂肪族アルコール類ならびにエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオールおよびブタンジオールのようなジオール類およびグリセリンおよびトリメチロールプロパンのようなトリオール類などの多価アルコールである。しかしながらヒドロキシル基は、1級アミノ基については例えば加圧下での水素/アンモニア混合物による還元的アミノ化によって交換することもでき、あるいはアクリロニトリルによるシアノエチル化および水素化によってアミノプロピレン末端基に変換することもできる。ヒドロキシル末端基のキャッピングを、アルコールとの反応またはアルカリ金属ヒドロキシド溶液、アミンおよびヒドロキシルアミン類との反応によって行うことができるだけでなく、これらの化合物を、重合開始時にも開始剤として、三フッ化ホウ素などのルイス酸として用いることもできる。最後に、ヒドロキシル基を、ジメチルサルフェートなどのアルキル化剤と反応させることでキャッピングすることもできる。
【0147】
式VaおよびVbにおけるアルキル基は、最初の部分で定義の分岐もしくは未分岐のC〜C24−アルキル基であることができ、C〜C12−アルキル基が好ましく、C〜C−アルキル基が特に好ましい。
【0148】
ポリエーテルの平均分子量Mは、少なくとも300および多くとも100000である。それは好ましくは500〜50000、特に好ましくは2000〜35000、非常に好ましくは2000〜10000である。
【0149】
有利には、ポリテトラヒドロフラン類、ホモポリマー類ならびに直鎖または分岐であることができるエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびイソブチレンオキサイドのコポリマーを、グラフトベースb)として用いる。本発明によれば、ホモポリマーという用語は、重合したアルキレンオキサイド単位とは別に、環状エーテルの重合開始またはポリマーの末端キャッピングのために用いた反応性分子も含むポリマーをも包含するものである。
【0150】
好ましい化合物f)は、例えば商品名プルリオール(Pluriol;商標名)、プルロニク(Pluronic;商標名)、ルテンソール(Lutensol;商標名)、プルラコール(Pluracol;商標名)およびプルラファク(Plurafac;商標名)(それぞれBASF)、ルプラノール(Lupranol;商標名)(エラストグラン)またはポリTHF(登録商標;BASF)で市販されているポリエーテル含有化合物である。
【0151】
概して、ポリオールマクロマも成分f)として用いることができる。そのようなポリオールマクロマは当業者には公知である。特には、米国特許第5093412号明細書および国際公開第05/003200号パンフレット(本明細書でのこれらの引用は、全体に対するものとする)に開示のポリオールマクロマを挙げることができる。
【0152】
本発明の好ましい実施形態では、重合は、化合物f)としてのポリアルキレン−オキサイド含有シリコーンの存在下に行う。
【0153】
好適なポリアルキレン−オキサイド含有シリコーンは、例えば下記の明細書(本明細書によってそれらの開示内容が参照されているものとする)に記載されている。
【0154】
独国特許1694366号明細書:それは、ポリシロキサンブロックが自体公知の方法で構築されており、ポリオキシアルキレンブロックが25〜70重量%の平均分子量が1600〜4000のポリオキシアルキレンおよび20〜100重量%のエチレンオキサイド含有量、残りがプロピレンオキサイドおよび適切であれば高級アルキレンオキサイドならびに30〜75重量%の平均分子量が400〜1200のポリオキシアルキレンおよび65〜100重量%のエチレンオキサイド、残りがプロピレンオキサイドおよび適切であれば高級アルキレンオキサイドからなるポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーに関するものである。
【0155】
独国特許出願公開第2541865号明細書:ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、一方のポリオキシアルキレンブロックが平均分子量900〜1300を有し、30〜55重量%のエチレンオキサイド、残りのプロピレンオキサイドからなり、他方のポリオキシアルキレンブロックが平均分子量3800〜5000を有し、30〜50重量%のエチレンオキサイド、残りのプロピレンオキサイドからなるように、ポリオキシアルキレンブロックに関して定義されている。
【0156】
欧州特許出願公開第0275563号明細書:記載のブロックコポリマーは、3つの異なるポリオキシアルキレンブロック、すなわち20〜60重量%の分子量が3000〜5500であるオキシエチレン単位を含むブロック、20〜60重量%のオキシエチレン単位および分子量800〜2900を有する別のブロック、ならびにポリオキシプロピレン単位のみで分子量130〜1200の第3のブロックを有する。
【0157】
好ましいポリアルキレン−オキサイド含有シリコーンが、欧州特許出願公開第0670342号明細書に記載されている。欧州特許出願公開第0670342号明細書には、3頁22行〜4頁56行に、1)少なくとも2個のポリエーテル基AおよびB[平均分子量が600〜5500であるポリオキシアルキレン基Aが20〜100重量%のオキシエチレン単位および80〜0重量%のオキシプロピレン単位からなり、平均分子量700〜5000を有するポリオキシアルキレン基Bが0から<20重量%のオキシエチレン単位および100〜80重量%のオキシプロピレン単位からなる]および2)Siに結合した6〜30個の炭素原子を有する炭化水素基を有するポリシロキサンが記載されている。
【0158】
特に好適なシリコーン誘導体は、例えば商品名アビル(Abil(登録商標);Goldschmidt)、アルカシル(Alkasil(登録商標);Rhone-Poulenc)、シリコーンポリオールコポリマー(登録商標);Genesee)、ベルシル(Belsil(登録商標);Wacker)、シルウェット(Silwet(登録商標);Witco)またはダウコーニング(Dow Corning(登録商標);Dow Corning)で入手可能なものなどのINCI名ジメチコン・コポリオール類またはシリコーン界面活性剤で知られている化合物である。これらには、CAS番号64365−23−7;68937−54−2;68938−54−5;68937−55−3を有する化合物などがある。
【0159】
特に好適なシリコーン誘導体は、国際公開第99/04750号パンフレットの10頁24行〜12頁8行および13頁3行〜34行に記載の化合物である。
【0160】
国際公開第01/013884号パンフレットの24頁22行〜26頁41行には、別の特に好ましいポリアルキレン−オキサイド含有シリコーンが記載されている。
【0161】
上記明細書および先行技術からの引例全体に対して参照が行われているものとする。
【0162】
特に好ましいものは、成分a)〜e)の総量に基づいて5〜25重量%分子量Mが少なくとも2000から多くとも35000、好ましくは多くとも10000であるポリエチレングリコールおよび/または5〜25重量%の(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールモノ−C16〜C22−アルキルエーテルとのエステルの存在下での成分a)〜e)の混合物の重合である。
【0163】
成分a)〜e)の混合物の重合は好ましくは、成分a)〜e)の量の合計に基づいて多くとも50重量%、特に好ましくは多くとも40重量%の成分f)の存在下に行う。
【0164】
本発明の別の実施形態では、成分a)〜e)の混合物の重合は、成分a)〜e)の量の合計に基づいて5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%の成分f)の存在下に行う。
【0165】
別のモノマーe)
本発明による使用に好適なポリマーは、所望に応じて、0〜30重量%のa)〜d)とは異なる別のモノエチレン性不飽和化合物を共重合型で含むことができる。
【0166】
好ましくは、これらの別のモノマーe)は、α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のC〜C30−アルカノール、C〜C30−アルカンジオールおよびC〜C30−アミノアルコールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のC〜C30−ジアミンおよびC〜C30−アミノアルコール(1個の1級もしくは2級アミノ基を有する)とのアミド、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸類およびそれのN−アルキルおよびN,N−ジアルキル誘導体のアミド、飽和モノカルボン酸のN−ビニルアミド類、ビニルアルコールおよびアリルアルコールのC〜C30−モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル類、α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸類、ビニル芳香族、ビニルハライド類、ビニリデンハライド類、C〜C−モノオレフィン類、少なくとも2個の共役二重結合を有する非芳香族炭化水素そしてそれらの混合物から選択される。
【0167】
好適な別のモノマーe)は、(メタ)アクリル酸メチル、エタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エタクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、エタクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸1,1,3,3−テトラメチルブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)−アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラキニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセレニル、(メタ)アクリル酸セロチニル、(メタ)アクリル酸メリシニル、(メタ)アクリル酸パルミトレイニル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸リノリル、(メタ)アクリル酸リノレニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリルならびにそれらの混合物である。
【0168】
好適な別のモノマーe)には、α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸のアミノアルコール、好ましくはC〜C12−アミノアルコールとのエステルもある。これらは好ましくは、アミン窒素上でC〜C−モノアルキル化または−ジアルキル化されていても良い。これらのエステルの好適な酸成分は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノブチルおよびそれらの混合物である。アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステルおよびそれらの混合物を用いることが好ましい。
【0169】
(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノ−メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノ−エチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノ−プロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノシクロヘキシルなども好適である。
【0170】
好適な別のモノマーe)には、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、n−オクチル(メタ)アクリルアミド、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリルアミド、エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−ノニル(メタ)アクリルアミド、n−デシル(メタ)アクリルアミド、n−ウンデシル(メタ)アクリルアミド、トリデシル(メタ)アクリルアミド、ミリスチル(メタ)アクリルアミド、ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、パルミチル(メタ)アクリルアミド、ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、ノナデシル(メタ)アクリルアミド、アラキニル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド、リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、セロチニル(メタ)アクリルアミド、メリシニル(メタ)アクリルアミド、パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、リノリル(メタ)アクリルアミド、リノレニル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの混合物もある。
【0171】
好適な別のモノマーe)には、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、エタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、アクリル酸3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルなどもある。
【0172】
好適な別のモノマーe)には、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]−アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミドおよびN−[4−(ジメチルアミノ)シクロ−ヘキシル]メタクリルアミドもある。
【0173】
好適な別のモノマーe)には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミドおよびそれらの混合物もある。
【0174】
好適な別のモノマーe)には、3〜25、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸もあり、それは塩もしくは無水物の形で用いることもできる。それの例には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、フマル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニル硫酸、ビニルリン酸、10−ウンデカン酸、4−ペンテン酸、桂皮酸、3−ブテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、シトラコン酸、メサコン酸、スチレンスルホン酸、スチレン硫酸、アクリル酸3−スルホプロピル、イタコン酸ビス(3−スルホプロピル)、メタクリル酸3−スルホプロピル、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、アクリル酸2−スルホエチル、イタコン酸ビス(2−スルホエチル)、メタクリル酸2−スルホエチル、メタクリル酸3−スルホプロピル、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、ならびにそれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、特にはそれらのナトリウム塩およびカリウム塩もある。
【0175】
好適な別のモノマーe)には、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、1〜18個の炭素原子を有するビニルアルコールおよびモノアルコールのエーテル(例えばメチルビニルエーテル)、1〜18個の炭素原子を有するビニルアルコールおよびモノカルボン酸のエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、ラウリン酸ビニルおよびステアリン酸ビニルならびにそれらの混合物もある。
【0176】
成分e)としては、(メタ)アクリル酸メチルが最も好ましい。
【0177】
重合
ポリマーを製造するには、重合させるべき成分a)〜e)の混合物を、適切であればf)の存在下に、フリーラジカルを形成する開始剤を用いて、または高エネルギー電子の作用を意味するものとも理解すべきである高エネルギー放射線の作用によって重合させることができる。
【0178】
使用可能なフリーラジカル重合用の開始剤は、それに関して一般的な過酸化化合物および/またはアゾ化合物があり、例えばアルカリ金属もしくはアンモニウムペルオキシジサルフェート、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、過ピルビン酸tert−ブチル、ペルオキシ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチル、過マレイン酸tert−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーバメート、ビス(o−トルオイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、過イソ酪酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、ジ−tert−アミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩または2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などがある。例えばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/過酸化二硫酸ナトリウム、tert−ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、tert−ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムなどの開始剤混合物または酸化還元開始剤系も好適である。
【0179】
有機過酸化物を用いることが好ましい。
【0180】
前記重合は、適切であればUV開始剤存在下での紫外線の作用によっても行うことができる。UV光作用下での重合の場合、それに関して通常好適な光重合開始剤または増感剤を用いる。それは例えば、ベンゾインおよびベンゾインエーテル、α−メチルベンゾイルまたはα−フェニルベンゾインなどの化合物である。ベンジルジケタール類などのいわゆる三重項増感剤を用いることも可能である。使用されるUV光源は例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気灯またはキセノン灯などの高エネルギーUV灯以外に、高い青含有率を有する蛍光管などの低UV光源もある。
【0181】
用いるモノマー基準での使用される開始剤または開始剤混合物の量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0182】
その重合は、40〜200℃の範囲、好ましくは50〜140℃の範囲、特に好ましくは60〜110℃の範囲の温度で行う。それは通常、大気圧下で行うが、減圧下または加圧下で行うことができ、好ましくは1〜5バールとする。
【0183】
重合は例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、逆乳化重合、懸濁重合、逆懸濁重合または沈殿重合として行うことができるが、可能な方法はそれらに限定されるものではない。
【0184】
塊状重合の場合の手順には、成分a)〜e)の混合物に成分f)を溶かす段階、ならびに重合開始剤を加えた後に、その混合物を完全に重合させる段階が関与し得る。
【0185】
その重合は、最初に成分f)、モノマーa)〜e)および開始剤を含む重合させる混合物の一部、例えば10%を導入し;その混合物を重合温度まで加熱し;重合開始後に、重合の進行に応じて重合させる混合物の残りを加えることで、半連続的に行うこともできる。そのポリマーは、最初にリアクターに成分f)を導入し;それを重合温度まで加熱し;モノマーa)〜e)の混合物および重合開始剤を、1回で、バッチ式に、あるいは好ましくは連続的に加え;重合を行うことでも得ることができる。
【0186】
所望に応じて上記の重合は、溶媒中で行うこともできる。好適な溶媒は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール類、ならびにエチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールなどのグリコール類、ならびに2価アルコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンのメチルもしくはエチルエーテル、ジオキサン、酢酸ブチル、酢酸エチルおよびトルエンであり、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0187】
前記重合は特に好ましくは、沈澱重合として行う。
【0188】
本発明による使用に好適なポリマーの好ましい製造方法は沈澱重合である。この重合では、重合用の出発原料が可溶で、得られるポリマーが不溶性である溶媒を用いる。好適な溶媒は例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素またはn−アルカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸のエステル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンおよびこれら溶媒の混合物である。例えば酢酸エチルと酢酸ブチルの混合物が特に好適であり、理由としては、この溶媒混合物中では、ポリマーが容易に分離できる形で導入され(沈降が相対的に速い)、さらには酢酸ブチルおよび酢酸エチルの混合物中での反応温度を、酢酸エチルの沸点より高くなるように選択して、酢酸エチルの沸騰によって同時に蒸発冷却されるようにできるからである。
【0189】
その重合は、重合中に存在する全ての成分の総量に基づいて、69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下に行う。
【0190】
好ましくは前記重合は、50重量%未満、特に好ましくは40重量%未満、特には30〜0重量%の範囲のシクロヘキサンの存在下に行う。
【0191】
好ましくは前記重合は、10重量%未満、特に好ましくは8重量%未満、特には5〜0重量%の範囲の水の存在下に行う。
【0192】
ある好ましい実施形態では、重合に用いられる溶媒は、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%、特には少なくとも70重量%の酢酸エチル酢酸および酢酸n−ブチルまたはそれらの混合物からなる。
【0193】
本発明の一実施形態では、前記溶媒は80〜100重量%、好ましくは90〜100重量%の酢酸エチルおよび/または酢酸n−ブチルからなる。
【0194】
使用可能な開始剤は、溶液重合にも用いられる全ての開始剤である。使用されるモノマーに基づいて0.01〜1.5重量%の開始剤を用いることが好ましい。
【0195】
沈澱重合は通常、20〜150℃、好ましくは40〜120℃、特には60〜100℃の温度で行う。
【0196】
沈澱重合は通常、1〜15バール、特には1〜6バールの圧力で行う。
【0197】
溶媒または溶媒混合物は、相当する沸点によって、重合が大気圧下で行われる場合の最高反応温度を決定する。しかしながら、加圧下での重合も同様に可能である。
【0198】
通常、沈澱重合は、約40重量%以下の固体含有率で行うことができる。25〜40重量%の範囲が好ましい。特には高固体含有率の場合には、保護コロイドポリマーの存在下に重合を行うことが望ましい。好適な保護コロイドポリマーは、使用される溶媒に容易に溶解し、モノマーと反応しないものである。保護コロイドとして好適なポリマーは、例えばマレイン酸のビニルアルキルエーテルおよび/または8〜20個の炭素原子を有するオレフィンとのコポリマーまたはマレイン酸半エステルのC10〜C20−アルコールとの相当するコポリマーあるいはマレイン酸のC10〜C20−アルキルアミンとのモノおよびジアミド、ならびに1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を持ったポリビニルアルコールエーテル、あるいはポリビニルメチル、エチル、イソブチルまたはオクタデシルエーテルである。使用される保護コロイドポリマーの量は通常、0.05〜4重量%(モノマーに基づいて)、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。2種類以上の保護コロイドポリマーの混合物を用いることが有利である場合が多い。
【0199】
その重合は、最初に溶媒、成分f)、保護コロイドポリマーおよび可能な場合は架橋剤c)を導入し、加熱し、そして開始剤およびモノマーa)、b)、d)およびe)(可能であれば同一の溶媒または溶媒混合物に溶解させたもの)を加えることで重合を実施することによって行われる。しかしながら、最初に部分量の前記モノマーおよび開始剤(例:10%)を導入し、この混合物を重合温度まで加熱し、反応が開始してから混合物の残りを加えて重合の進行に応じて重合させることも可能である。同様に、最初に部分量で使用される架橋剤を導入し、残りの量を残りの成分とともに加えることも可能である。固体含有率が相対的に低い場合、バッチ反応で供給材料の全てを最初に導入することも想到され得る。
【0200】
ある好ましい実施形態では、本発明による使用に好適なポリマーを製造するための重合は、供給式で行う。この場合、反応物の一部または全てを、完全にもしくは少量ずつ、バッチ式または連続式に、一緒にまたは別個に反応混合物に供給して加える。
【0201】
例えばある溶媒中での成分a)〜e)の溶解度が大きく異なる場合には、別個の供給が有利である。例えば、a)としてのビニルイミダゾールおよびb)としてのメタクリルアミド、そして他の成分c)〜e)の共重合の際には、ビニルイミダゾールおよびメタクリルアミドの溶解度がかなり変動することから、別個の供給を用いる方法が有利である。
【0202】
モノマーおよび開始剤は通常、1〜10時間、好ましくは2〜5時間の期間にわたって計量する。
【0203】
本発明による使用に好適なポリマーを製造するための重合の際には、適切であれば、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エチレン性不飽和モノマーのホモポリマーおよびコポリマーなどの他のポリマーを存在させることも可能である。やはり化粧品において時々使用されるそのようなポリマーの例には、商品名アメルホールド(Amerhold;商標名)、ウルトラホールド(Ultrahold;商標名)、ウルトラホールド・ストロング(Ultrahold Strong;商標名)、ルビフェックス(Luviflex;商標名)VBM、ルビメール(Luvimer;商標名)、アクロナール(Acronal;商標名)、アクダイン(Acudyne;商標名)、ステパンホールド(Stepanhold;商標名)、ロボクリル(Lovocryl;商標名)、ベルサチル(Versatyl;商標名)、アンフォマー(Amphomer;商標名)またはイーストマAQ(Eastma AQ;商標名)、ルビセット(Luviset;商標名)類、ソカラン(Sokalan;商標名)類、ルビクアット(Luviquat;商標名)類で知られるポリマーがある。
【0204】
次に、沈澱したポリマーを反応混合物から単離するが、それには従来の沈澱重合におけるポリマーを単離するための一般的方法を用いることができる。そのような方法は、濾過、遠心、溶媒留去またはこれらの方法の組み合わせである。重合していない構成成分からポリマーをさらに精製するため、ポリマーを洗浄する。それには、基本的には、重合に好適なものと同じ溶媒を用いることができる。重合後にポリマーをアルキル化する必要がある場合は、重合およびアルキル化に同じ溶媒を用いることが有利である。
【0205】
ポリマーを乾燥させる必要がある場合、重合後またはアルキル化後に溶媒交換を行い、乾燥のために例えばアセトンなどの低沸点溶媒を用いることが望ましい。
【0206】
重合の際、ポリマーの分子量を制御する上で役立ち得るものであり、通常は調節剤と称される物質を用いることも可能である。
【0207】
調節剤
モノマー混合物のフリーラジカル重合は、少なくとも1種類の調節剤の存在下に行う。調節剤は好ましくは、成分a)〜e)の総重量に基づいて0.0005〜5重量%、特に好ましくは0.001〜2.5重量%、特には0.01〜1.5重量%の量で用いられる。
【0208】
調節剤(重合調節剤)とは通常は、高い連鎖移動定数を有する化合物に用いられる用語である。調節剤は、連鎖移動反応の速度を高めることから、全体的な反応速度に影響を与えることなく、得られるポリマーの重合度の低下をもたらす。
【0209】
調節剤では、1以上の連鎖移動反応を生じることができる分子内の官能基の数に応じて、単官能性、二官能性または多官能性の調節剤の間で区別を行うことができる。好適な調節剤は、例えばバーガーらの著作(K.C. Berger and G. Brandrup in J. Brandrup, E.H. Immergut, Polymer Handbook, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York, 1989, p. II/81-II/141)に詳細に記載されている。
【0210】
好適な調節剤は例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドなどのアルデヒド類である。
【0211】
さらに、やはり使用可能である調節剤は、ギ酸、ギ酸アンモニウムなどのそれの塩またはエステル、2,5−ジフェニル−1−ヘキセン、硫酸ヒドロキシルアンモニウムおよびリン酸ヒドロキシルアンモニウムである。
【0212】
別の好適な調節剤は、テトラクロロメタン、クロロホルム、ブロモトリクロロメタン、ブロモホルム、臭化アリルなどのアルキルハライドなどのハロゲン化合物ならびに塩化ベンジルまたは塩化ベンジルなどのベンジル化合物である。
【0213】
別の好適な調節剤は、例えばアリルアルコールなどのアリル化合物、アリルエトキシレート類、アルキルアリルエーテル類もしくはグリセリンモノアリルエーテルなどの官能化アリルエーテル類である。
【0214】
調節剤としては、結合した形の硫黄を含む化合物を用いることが好ましい。
【0215】
この種類の化合物は例えば、無機亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩および亜ジチオン酸塩または有機スルフィド類、ジスルフィド類、ポリスルフィド類、スルホキシド類およびスルホン類である。これには、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チオジグリコール、エチルチオエタノール、ジイソプロピルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−n−ヘキシルジスルフィド、ジアセチルジスルフィド、ジエタノールスルフィド、ジ−t−ブチルトリスルフィド、ジメチルスルホキシド、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィドおよび/またはジアリールスルフィドなどがある。
【0216】
特に好ましいものは、結合した形で硫黄を含む有機化合物である。
【0217】
重合調節剤として好ましく用いられる化合物は、チオール類(SH基の形で硫黄を含む化合物であり、メルカプタン類とも称される)。好ましい調節剤は、単官能性、二官能性および多官能性メルカプタン類、メルカプトアルコール類および/またはメルカプトカルボン酸類である。
【0218】
これら化合物の例としては、チオグリコール酸アリル類、チオグリコール酸エチル、システイン、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、1,4−メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオグリセリン、チオ酢酸、チオ尿素ならびにn−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンもしくはn−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタンがある。
【0219】
特に好ましいチオールは、システイン、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、チオグリセリン、チオ尿素である。
【0220】
結合した形で2個の硫黄を含む二官能性調節剤の例としては、例えば、ジメルカプトプロパンスルホン酸(ナトリウム塩)、ジメルカプトコハク酸、ジメルカプト−1−プロパノール、ジメルカプトエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタン、ジメルカプトペンタン、ジメルカプトヘキサン、エチレングリコールビスチオグリコレート類およびブタンジオールビスチオグリコレートなどの二官能性チオール類がある。
【0221】
多官能性調節剤の例としては、結合した形で2個より多い硫黄を含む化合物がある。それの例には、3官能性および/または4官能性メルカプタン類がある。
【0222】
好ましい3官能性調節剤は、例えば、トリス(2−メルカプトエタン酸)トリメチロールプロパン、トリス(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリス(4−メルカプトブタン酸)トリメチロールプロパン、トリス(5−メルカプトペンタン酸)トリメチロールプロパン、トリス(6−メルカプトヘキサン酸)トリメチロールプロパン、トリス(2−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、チオエタン酸グリセリル、チオブタン酸グリセリル、トリス(メルカプト酢酸)1,1,1−プロパントリル、トリス(メルカプトエタン酸)1,1,1−プロパントリル、トリス(メルカプトプロピオン酸)1,1,1−プロパントリル、トリス(メルカプトブタン酸)1,1,1−プロパントリル、トリス(メルカプト酢酸)2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス−(メルカプトエタン酸)2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス−(メルカプトプロピオン酸)2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(メルカプトブタン酸)2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどの3官能性メルカプタン類である。
【0223】
特に好ましい3官能性調節剤は、チオグリコール酸グリセリル、トリス(2−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、トリス(メルカプト酢酸)2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールである。
【0224】
好ましい4官能性メルカプタンは、テトラキス(2−メルカプト酢酸)ペンタエリスリトール、テトラキス(2−メルカプトエタン酸)ペンタエリスリトール、テトラキス(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラキス(4−メルカプトブタン酸)ペンタエリスリトール、テトラキス(5−メルカプトペンタン酸)ペンタエリスリトール、テトラキス(6−メルカプトヘキサン酸)ペンタエリスリトールである。
【0225】
好適な別の多官能性調節剤は、式(IVa)の化合物と反応することで形成されるSi化合物である。多官能性調節剤として好適なものは、下記式のSi化合物である。
【化6】

【0226】
式中、
nは0〜2の値であり、
は、C〜C16−アルキル基またはフェニル基であり、
は、C〜C18−アルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基であり、
Zは、炭素原子が隣接しない酸素原子またはハロゲン原子によって置き換わっていても良いC〜C18−アルキル基、C〜C18−アルキレン基またはC〜C18−アルキニル基であるか、下記の基:
【化7】

【0227】
のいずれかであり、
上記式において、
はC〜C12−アルキル基であり、
はC〜C18−アルキル基である。
【0228】
記載の調節剤のいずれも、個別にまたは互いに組み合わせて用いることができる。
【0229】
本発明の一実施形態では、調節剤は使用しない。
【0230】
好ましいものは、
a)99.99〜10重量%の成分a)、特にはN−ビニルイミダゾール、
b)0〜90重量%の成分b)、特にはN−ビニルピロリドン、
c)0.01〜5重量%の架橋剤c)、特にはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、
d)0〜20重量%の成分d)、特にはオクタデシルビニルエーテルおよび/またはメタクリル酸ステアリル、
e)0〜30重量%成分e)の、
f)成分a)〜e)の合計に基づいて0〜70重量%のポリエーテル含有化合物f)、特にはポリエチレングリコールの存在下でのフリーラジカル重合によって得ることができるポリマーであり、
ただし成分a)〜e)の量は合計で100重量%であり、前記重合は重合中に存在する全ての成分の合計量に基づいて69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下に、そして超臨界二酸化炭素の非存在下に行われる。
【0231】
別の好ましいものとしては、
a)97.95〜40重量%の成分a)、特にはN−ビニルイミダゾール、
b)1〜60重量%の成分b)、特にはN−ビニルピロリドン、
c)0.05〜2重量%の架橋剤c)、特にはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、
d)1〜15重量%の成分d)、特にはオクタデシルビニルエーテルおよび/またはメタクリル酸ステアリル、
e)0〜20重量%の成分e)の、
f)成分a)〜e)の合計に基づいて0〜50重量%のポリエーテル含有化合物f)、特にはポリエチレングリコールの存在下でのフリーラジカルグラフト共重合によって得ることができるポリマーであり、
ただし成分a)〜e)の量は合計で100重量%であり、前記重合は重合中に存在する全ての成分の合計量に基づいて69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下に、そして超臨界二酸化炭素の非存在下に行われる。
【0232】
非常に好ましいものは、
a)96.9〜60重量%の成分a)、特にはN−ビニルイミダゾール、
b)1〜40重量%の成分b)、特にはN−ビニルピロリドンおよび/またはメタクリルアミド、
c)0.1〜1重量%の架橋剤c)、特にはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、
d)2〜10重量%の成分d)、特にはオクタデシルビニルエーテルおよび/またはメタクリル酸ステアリルおよび/またはアクリル酸ベヘニルおよび/または(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールモノ−C16〜C22−アルキルエーテル類とのエステル、
e)0〜10重量%の成分e)の、
f)成分a)〜e)の合計に基づいて0〜35重量%のポリエーテル含有化合物f)、特にはポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールモノ−C16〜C22−アルキルエーテルおよび/またはポリテトラヒドロフランの存在下でのフリーラジカルグラフト共重合によって得ることができるポリマーであり、
ただし成分a)〜e)の量は合計で100重量%であり、前記重合は重合中に存在する全ての成分の合計量に基づいて69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下に、そして超臨界二酸化炭素の非存在下に行われる。
【0233】
中和
水系または水/アルコール系調製物での本発明による使用に先だって、重合後および濾過の前もしくは後にポリマーを中和することができる。
【0234】
モノマーa)〜e)の選択に応じて、中和には酸または塩基が必要となる場合がある。
【0235】
塩基性基を有するモノマーで使用される中和剤は、有機酸または無機酸である。
【0236】
挙げることができる可能な有機酸は、一塩基および多塩基性の置換されていても良い脂肪族および芳香族カルボン酸、一塩基および多塩基性の置換されていても良い脂肪族および芳香族スルホン酸または一塩基および多塩基性の置換されていても良い脂肪族および芳香族ホスホン酸、酸基を有するポリマーまたはアスコルビン酸である。
【0237】
好ましい有機酸は、ヒドロキシカルボン酸類、すなわち1以上のH原子がヒドロキシル基によって置き換わっているカルボン酸の誘導体である。
【0238】
挙げることができるヒドロキシカルボン酸の例には、グリコール酸、乳酸、酒石酸およびクエン酸がある。
【0239】
挙げることができる好ましい無機酸は、リン酸、亜リン酸、硫酸、亜硫酸および塩酸である。
【0240】
酸基を有するモノマーに用いることができる中和剤は、例えば炭酸ナトリウムなどの無機塩基、NaOHもしくは好ましくはKOHなどのアルカリ金属ヒドロキシド類およびアンモニア、アミノアルコール類、具体的には2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ[(2−ヒドロキシ)−1−プロピル]アミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールおよび例えばリジンなどのジアミン類のような有機塩基である。さらに、独国特許出願公開第10354015号明細書の[0008]〜[0010]に記載されている水ガラスを中和剤として用いることも可能である。
【0241】
レオロジー特性の調整
レオロジー特性の調整とは、非常に一般的には、材料の変形挙動および流動挙動における変化を意味するものと理解される。最も重要なレオロジー特性は、粘度、チキソトロピー、構造粘度、レオペクシーおよびダイラタンシーである。これらの用語は当業者には公知である。
【0242】
粘度は通常、液体の「粘り」を意味するものと理解される。それは、液体における分子間力によって生じるものであることから、粘着(分子内)および付着(分子間)によって決まる。粘度は、液体の流動挙動を特徴付けるものである。高粘度は濃厚さを意味し、低粘度は薄さを意味する。
【0243】
チキソトロピーは通常、剪断後に相対的に低い粘度を示し、静置すると元の粘度を回復する流体の特性を意味するものと理解される。
【0244】
レオペクシーは通常、剪断後に相対的に高い粘度を示す流体の特性を意味するものと理解される。この挙動は、粘度が剪断中のみ高くなるダイラタンシーと非常に関係が深いものである。
【0245】
本発明の範囲内において、レオロジーの調整とは特には、通常は「増粘」とも称される、液体の粘度上昇を意味するものと理解される。この粘度上昇は、ゲルまたは固体の形成に至り得るものである。
【0246】
水系、アルコール系または水/アルコール系組成物
本発明はさらに、上記で定義の本発明による使用に好適な少なくとも1個のポリマーを含む化粧品組成物、皮膚組成物または医薬組成物を提供する。
【0247】
組成物としては、0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、非常にに好ましくは0.1〜7重量%の範囲の量で使用される少なくとも1個のポリマーを含む水系、アルコール系または水/アルコール系組成物が好ましい。
【0248】
水系組成物とは、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、特には少なくとも60重量%の水および同時に20重量%未満のアルコールを含む組成物を意味するものと理解される。
【0249】
アルコール系組成物とは、40重量%未満、好ましくは50重量%、特には少なくとも60重量%の1以上のアルコール類および同時に20重量%未満の水を含む組成物を意味するものと理解される。
【0250】
水/アルコール系組成物とは、少なくとも20重量%の水および同時に少なくとも20重量%のアルコールを含む組成物を意味するものと理解される。
【0251】
本発明のある好ましい実施形態は、好ましくは少なくとも50重量%の水および好ましくは多くとも40重量%のアルコールを含む水/アルコール系組成物である。
【0252】
本発明による使用に好適なポリマーは、液相が本質的にOH基を有する化合物を含む調製物用の増粘剤として使用可能であることを特徴とする。これらのOH基を含む化合物は、本質的に水およびアルコール類である。
【0253】
本発明による使用に好適なポリマーは、アルコール系調製物のレオロジーを調整する上で好適である。これらの調製物に好適なアルコールは、STPで液体である全てのアルコール類である。それには例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)、n−ヘキサノール、シクロヘキサノールまたはエチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの多価アルコール類、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、数平均分子量が約3000以下であるこれら多価アルコールのアルキルエーテル類がある。
【0254】
好ましいものは、化粧品的に許容されるアルコールであり、特にはそのアルコールは、エタノールおよび/またはイソプロパノール、特にはエタノールであるかそれらを含む。
【0255】
本発明によるポリマーは、アルコール系で本質的に無水の調製物、水系で本質的にアルコールを含まない調製物および水/アルコール系調製物の両方で、増粘剤として、そしてコンディショナーとしても働くことができる。
【0256】
本発明による調製物の粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)DV−II+Pro粘度計、スピンドル6、25℃で毎分20回転(rpm)を用いて動的粘度測定値として測定して0.2〜5.0重量%の範囲から選択されるポリマー濃度に応じて、好ましくは少なくとも1000、特に好ましくは少なくとも5000および特には少なくとも10000および好ましくは多くとも100000、特に好ましくは多くとも50000および特には多くとも30000mPa・sである。
【0257】
本発明の一実施形態は、本発明によるポリマーと適切であれば、例えば少なくとも1種類のフィルム形成性および毛髪セッティング性のポリマーなどの別の成分との組み合わせを含む化粧品製品、特には水系で本質的にアルコールを含まない毛髪ゲルである。
【0258】
本発明の別の実施形態は、本発明によるポリマー、少なくとも30重量%のC〜C−アルコールおよび適切であればアルコール可溶性でフィルム形成性および毛髪セッティング性のポリマーの組み合わせを含む化粧品製品、特にはアルコール系で本質的に無水の毛髪ゲルである。
【0259】
〜C−アルコールに基づく(毛髪)ゲルは、水系または水/アルコール系ゲルと比較して毛髪ゲルにおける他の/補足的必要条件を満足することができる。例えば、セッティングゲルを製造しなければならない場合、アルコール可溶性セッティングポリマーを用いることもできる。
【0260】
本発明による使用に好適な上記の増粘ポリマーは、好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、非常に好ましくは0.1〜7重量%の量で使用される。毛髪セッティングポリマーを用いる場合、それは好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜15重量%、非常に好ましくは1〜10重量%の量である。前記アルコールは好ましくは、50〜99重量%、特に好ましくは70〜98重量%の量で用いる。前記重量%は各場合で、調製物の総重量を基準としたものである。
【0261】
この場合、アルコール可溶性ポリマーとは、25℃で、少なくとも1種類の1〜4個の炭素原子を有するアルコール中に少なくとも5重量%まで可溶であるポリマーを意味するものと理解される。アルコール系で本質的に無水の毛髪ゲルに好適な液体アルコールは、室温(20℃)で液体であって、1〜4個の炭素原子を有する1価または多価アルコールである。それは特には、例えばエタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコールまたはプロピレングリコールなどの化粧品目的に通常好適な低級アルコール類がある。特に好ましいものは、2〜4個の炭素原子を有する1価アルコール類、特にはエタノールおよびイソプロパノールである。前記毛髪ゲルは好ましくは本質的に無水であるが、ただし少量の水が存在して他の成分の溶解度を高めることが可能であるが、その場合にはアルコール含有量の方が水含有量を大きく超えるものである。本質的に無水とは、水含有率が10重量%以下、好ましくは5重量%以下であることを意味する。本発明によるアルコール系ゲルは、セッティングポリマーの存在下で、良好なコンディショニング特性、高いセッティング度、急速乾燥および心地良い冷却効果を特徴とする。
【0262】
本発明による調製物は、濡れた毛髪または乾燥した毛髪に用いることができる。その製品は、直毛および縮れ毛の両方に好適である。
【0263】
上記のポリマーは、化粧品組成物および医薬組成物の製造に特別に好適である。それらはこの場合、例えば皮膚、毛髪、爪などの角質性表面への化粧品製品の使用を含むボディケア用の調製物および口腔ケア調製物でのポリマー性フィルム形成剤として役立つ。それは、非常に広範囲の化粧品製品に普遍的に使用および製剤することができ、通常の成分と適合性である。化粧品製品において、本発明による使用に好適なポリマーは特定の効果を発揮することができる。そのポリマーは特に、皮膚の保湿およびコンディショニングに、そして皮膚の感触の向上に寄与し得る。
【0264】
その製剤において、前記ポリマー類は特には、増粘剤およびコンディショナーの両方として作用する。特には、そのポリマーは、0.5重量%の濃度での水以外の水系組成物の単一成分として、この組成物の粘度を少なくとも10000mPa・s(ブルックフィールド粘度)まで上昇させ、水のみで処理した毛髪と比較して毛髪の濡れ櫛梳き性の少なくとも10%の向上を生じさせることができる。
【0265】
本発明のある特定の利点は、水系、アルコール系または水/アルコール系組成物中に上記ポリマーのみを用いることで、コンディショナーとして好適な毛髪ゲル(コンディショナーゲル)を提供することが可能であるという点である。従って、単一の成分によって、毛髪ゲルに要求される増粘効果およびコンディショナーに要求されるコンディショニング効果を得ることができる。
【0266】
本発明による使用に好適なポリマー以外に、本発明による組成物は好ましくは、少なくとも1種類の化粧品上もしくは製薬上許容される担体B)を有するものであり、それは
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC〜C−アルカノール類、
iii)オイル類、脂肪類、ロウ類、
iv)iii)とは異なる1価、2価もしくは3価のアルコールとC〜C30−モノカルボン酸のエステル、
v)飽和非環状および環状炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコールおよび
viii)それらの混合物
から選択される。
【0267】
前記組成物は、鉱油などの低極性の炭化水素;テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの好ましくは8個より多い炭素原子を有する直鎖飽和炭化水素;デカヒドロナフタレンなどの環状炭化水素;分岐炭化水素;動物性および植物性オイル;ロウ類;ロウエステル;ワセリン;エステル類、好ましくは脂肪酸のエステル、例えばイソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸n−プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸n−プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキサコサニル、パルミチン酸オクタコサニル、パルミチン酸トリアコンタニル、パルミチン酸ドトリアコンタニル、パルミチン酸テトラトリアコンタニル、ステアリン酸ヘキサコサニル、ステアリン酸オクタコサニル、ステアリン酸トリアコンタニル、ステアリン酸ドトリアコンタニル、ステアリン酸テトラトリアコンタニルなどのC〜C24−モノアルコールのC〜C22−モノカルボン酸とのエステル;例えばサリチル酸オクチルのようなC〜C10−サリチル酸エステルなどのサリチル酸エステル類;安息香酸ベンジルのような安息香酸C10〜C15−アルキルなどの安息香酸エステル;モノラウリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、乳酸C10〜C15−アルキルなどの脂肪酸トリトリグリセリド類のような他の化粧品用エステル類ならびにそれらの混合物例えばから選択されるオイルもしくは脂肪成分B)を有する。
【0268】
好適なシリコーンオイルB)は、例えば直鎖ポリジメチルシロキサン類、ポリ(メチルフェニルシロキサン)類、環状シロキサン類およびそれらの混合物である。前記ポリジメチルシロキサン類およびポリ(メチルフェニルシロキサン)類の数平均分子量は好ましくは、約1000〜150000g/molの範囲である。好ましい環状シロキサン類は、4員〜8員環を有する。好適な環状シロキサン類は、例えばシクロメチコンの名称で市販されている。
【0269】
好ましいオイルおよび脂肪成分B)は、パラフィンおよびパラフィンオイル;ワセリン:ヒマシ油、大豆油、落花生油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、アボカド油、カカオバター、扁桃油、杏仁油、トウゴマ油、肝油、ブタ脂、鯨ロウ、鯨ロウ油、マッコウクジラ油、小麦胚種油、マカダミアナッツ油、月見草油、ホホバ油などの天然の脂肪およびオイル類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪アルコール類;ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸ならびにこれらとは異なる飽和、不飽和および置換脂肪酸などの脂肪酸類;蜜ろう、カルナウバろう、カンデリラろう、鯨ろうなどのロウ類;ならびに上記オイルおよび脂肪成分の混合物から選択される。
【0270】
好適な化粧品的および製薬的に適合性のオイルおよび脂肪成分B)は、カール−ハインツ・シュレーダーらの著作(Karl-Heinz Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], 2nd edition, Verlag Huthig, Heidelberg, p. 319−355;本明細書によって参照されているものとする)に記載されている。
【0271】
好適な親水性担体B)は、水、好ましくはエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどの1〜8個の炭素原子を有する1価、2価もしくは多価アルコール類から選択される。
【0272】
前記化粧品組成物は、皮膚化粧品または毛髪化粧品組成物である。
【0273】
好ましくは前記組成物は、スプレー、ゲル、泡剤、軟膏、クリーム、乳濁液、懸濁液、ローション、ミルクまたはペーストの形態で用いられる。所望に応じて、リポソーム類またはミクロスフィア類も用いることができる。
【0274】
前記の化粧品組成物、皮膚組成物または医薬組成物はさらに、化粧品有効成分、皮膚有効成分または医薬有効成分ならびに補助剤を含むことができる。
【0275】
好ましくは前記組成物は、上記の本発明による使用に好適な少なくとも1種類のポリマー、上記で定義の少なくとも1種類の担体B)および化粧品有効成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、別の増粘剤、毛髪ポリマー、ヘアおよびスキンコンディショナー、グラフトポリマー、水溶性もしくは水分散性シリコーン含有ポリマー、光保護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、毛髪染料、日焼け剤、染料、顔料、稠度調節剤、保湿剤、再脂肪化剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、皮膚軟化剤および柔軟剤から選択される上記のものとは異なる少なくとも1種類の構成成分を含む。
【0276】
別の増粘剤/ゲル形成剤
本発明による使用に好適なポリマーに加えて、化粧品組成物、皮膚組成物または医薬組成物は、別の増粘剤/ゲル形成剤も含むことができる。しかしながら、別の増粘剤は用いないのが好ましい。
【0277】
別の増粘剤/ゲル形成剤は好ましくは、増粘剤/ゲル形成剤の総量が0.01〜10重量%、特には0.1〜5重量%または0.5〜3重量%の範囲となるような量とする。
【0278】
前記別のポリマー性ゲル形成剤は、合成ホモポリマーまたはコポリマーであって、前記モノマーのうちの少なくとも一つが少なくとも一つの酸基、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基またはリン酸基を有するものであることができる。
【0279】
しかしながら、それらは天然ポリマー、特には多糖類であって、少なくとも1個の酸基、例えばグルクロン酸を有する少なくとも1種類の単糖類が存在するものであることもできる。
【0280】
好適な別の合成ゲル形成剤は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸モノエステル類、アクリルアミドアルキルスルホン酸類および/またはメタクリルアミドアルキルスルホン酸類から選択される少なくとも1種類のモノマーから構築される。
【0281】
合成ゲル形成剤は、例えば2000000〜6000000の分子量を有するアクリル酸の架橋もしくは未架橋ホモポリマー(カルボマー類)(相当するゲル形成剤は、商品名カルボポール(登録商標)で市販されている)、例えば2000000〜6000000の分子量を有するアクリル酸およびアクリルアミドのコポリマー、アクリル酸エステル/ステアレス−20メタクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとのコポリマー(アクリル酸エステルコポリマー)、アクリル酸エステル/C10−30アルキルアクリル酸エステルクロスポリマー、アクリル酸エステル−ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレンスルホン酸およびそれらの混合物であることができる。
【0282】
天然系ゲル形成剤は、天然または変性天然ポリマーであることができ、それには例えばアルギン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、硫酸セルロース、硫酸デキストラン、カラヤガム、キサンタンガムおよびそれらの混合物がある。
【0283】
好適なゲル形成剤は特には、一般式(I)CH=CRの少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーから形成されるホモポリマー類またはコポリマー類であり、式中においてRはA−(CHCHO)−RおよびCOOHから選択され、AはC(=O)O、C(=O)NHおよびCHOから選択され、xは1〜100、好ましくは10〜50の数字であり、RはC〜C30−アルキル基、好ましくはC〜C30−アルキル基であり、RはH、C〜C30−アルキルおよびCH−Rから選択され、ただし、基RおよびRのうちの少なくとも一つが基A−(CHCHO)−Rを含む。好適なコポリマーは、例えば一般式(I)の少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーおよび一般式(11)CH=C(R)COORの少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーから形成され、RおよびRは互いに独立に、Hおよび1〜30個、好ましくは1〜12個、特に好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。AがC(=O)OおよびCHOから選択され、RがHおよびメチルから選択され、あるいは式(I)のモノマーがイタコン酸誘導体であることが好ましい。式(11)のモノマーがアクリル酸、メタクリル酸またはそれらのC〜C−アルキルエステルのうちの一つであることが同様に好ましい。好適なコポリマーは、例えばアクリゾル(Acrysol;登録商標)−22、アクリゾル(登録商標)−ICS、アクリン(Aculyn;登録商標)−22またはシンタレン(Synthalen;登録商標)W−2000の名称で販売されている例えばアクリル酸もしくはメタクリル酸/アクリルもしくはメタクリルポリエトキシアルキルエステルコポリマー(INCI名:アクリル酸エステル/ステアレス−20メタクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸エステル/パルメス−25アクリル酸エステルコポリマー)、あるいは例えばサルケア(Salcare;登録商標)SC90の名称で販売されているアクリル酸もしくはメタクリル酸/ポリエトキシアリルエーテルコポリマー(INCI名:ステアレス−10アリルエーテルアクリル酸エステルコポリマー)である。
【0284】
好適なゲル形成剤は、例えば一般式CH=C(COOR)CHCOORのイタコン酸モノエステル[置換基RおよびRのうちの一方が水素であり、他方が基−(CHCHO)−Rであり;xが1〜100、好ましくは10〜40、特に好ましくは20の数字であり;Rが8〜30個、好ましくは12〜20個の炭素原子を有するアルキル基、特に好ましくはセチルまたはステアリルである]およびアクリル酸エステルモノマーから選択される少なくとも一つの第2の種類のモノマーから構築されるコポリマーである。前記アクリル酸エステルモノマーは好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのモノエステル、特にはアルキル基に1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルから選択される。好適なコポリマーは、例えばストラクチャー(Structure;登録商標)2001、ストラクチャー(登録商標)3001およびストラクチャー(登録商標)Plusの名称で販売されている例えばアクリル酸もしくはメタクリル酸/イタコン酸ポリエトキシアルキルエステルコポリマー類(INCI名:アクリル酸エステル/ステアレス−20イタコン酸エステルコポリマーおよびアクリル酸エステル/セテス−20イタコン酸エステルコポリマー、アクリル酸エステル/アミノアクリル酸エステル/C10−30アルキルPEG−20イタコン酸エステルコポリマー)である。
【0285】
好適なゲル形成剤は、少なくとも1種類のモノマーから選択されるアクリル−もしくはメタクリルアミドアルキルスルホン酸から構築されるホモポリマーまたはコポリマーでもある。そのポリマーは好ましくは、一般式HC=CH−C(=O)−NH−A−SOHのモノマーから構築され、式中においてAは2価のC〜C−、好ましくはC−またはC−炭化水素基、特に好ましくは基−C(CH,),−CH,−である。このモノマーは好ましくは、少なくとも一つのノニオン系フリーラジカル共重合性モノマー、特にはビニルラクタム、特に好ましくはビニルピロリドンと共重合される。そのようなゲル形成剤は、例えばINCI名アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマーを有する。好適な市販の製品はアリストフレックス(Aristoflex;登録商標)AVCである。さらに、例えばヒドロキシエチルセルロースなどの非ポリマー性および/またはノニオン系ポリマー性増粘剤が、本発明による組成物中で共増粘剤として存在していても良い。
【0286】
化粧品有効成分および/または皮膚有効成分
好適な化粧品有効成分および/または皮膚有効成分は、例えば着色有効成分、皮膚および毛髪染色剤、毛髪染料、日焼け剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗菌剤有効成分、光フィルター有効成分、忌避剤有効成分、充血物質、角質溶解性および角質形成性物質、抗フケ有効成分、消炎薬、角質化物質、酸化防止剤有効成分またはフリーラジカル捕捉剤、皮膚加湿または保湿物質、再脂肪化剤有効成分、抗エリトマトーデスもしくは抗アレルギー剤有効成分およびそれらの混合物として作用する有効成分である。
【0287】
UV光による自然および人工的な照射を行わずに皮膚を日焼けさせるのに好適な人工皮膚日焼け剤有効成分は、例えばジヒドロキシアセトン、アロキサンおよびクルミ殻抽出物である。好適なケラチン硬化物質は、例えば硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロライド、乳酸アルミニウムなどの制汗剤としても用いられる有効成分である。抗菌剤有効成分は、微生物を破壊し、それの増殖を抑制することを目的として使用されるものであることから、保存剤および体臭の発生や強さを低下させる脱臭剤の両方として役立つ。それには例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸のような当業者には公知の通常の保存剤などがある。そのような脱臭剤物質は、例えばリシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド類、クエン酸トリエチル、クロルヘキシジンなどである。
【0288】
好適な光フィルター有効成分は、UV−Bおよび/またはUV−A領域でUV光を吸収する物質である。好適なUVフィルターは、例えば2,4,6−トリアリール−1,3,5−トリアジン類であり、それらにおいてアリール基は各場合で好ましくはヒドロキシ、アルコキシ(具体的にはメトキシ)、アルコキシカルボニル(具体的にはメトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル)およびそれらの混合物から選択される少なくとも1個の置換基を有することができる。p−アミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類、カンファー誘導体、および二酸化チタン、タルクおよび酸化亜鉛などのUV光を妨げる顔料も好適である。
【0289】
含水組成物での使用に好適な光防護剤は、欧州特許出願公開第1084696号明細書の段落[0036]〜[0053](本明細書において、全体が参照されたものとする)に挙げられている全ての化合物である。
【0290】
当然のことながら、本発明による調製物で使用可能な具体的に挙げられたUV光保護フィルターのリストは、本発明を限定するものではない。
【0291】
抗菌剤
さらに、抗菌剤も含水組成物で用いることができる。それには、グラム陽性菌に対して特異的効果を有する全ての好適な保存剤、例えばトリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル)、クロルヘキシジン(1,1’−ヘキサメチレンビス[5−(4−クロロフェニル)ビグアニド)およびTTC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)などがある。市販の製品は、フェノニップ(Phenonip;登録商標)、ユーキシル(Euxyl;登録商標)400、ユーキシル(登録商標)100またはユーキシル(登録商標)500である。
【0292】
原則的に4級アンモニウム化合物は同様に好適であるが、好ましくは消毒石鹸およびウォッシングローションに用いられる。
【0293】
多くの香料が抗菌特性も有する。グラム陽性菌に対して特に有効である具体的な組み合わせが、いわゆる脱臭香水の組成物に用いられる。
【0294】
非常に多数のエッセンシャルオイルまたは例えば丁子油(オイゲノール)、ハッカ油(メントール)またはタイム油(チモール)などのそれの特徴的成分も、優れた抗菌有効性を示す。
【0295】
抗菌的に有効な物質は、約0.1〜0.3重量%の濃度で使用される。
【0296】
好適な忌避剤有効成分は、ある種の動物、特には昆虫をヒトから抑止または忌避させることができる化合物である。それには、例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミドなどがある。
【0297】
皮膚を通る血液の流れを刺激する好適な充血物質は、例えば、モンタナマツ(dwarf-pine)、ラベンダー、ローズマリー、ジュニパーベリー、トチノキ抽出物、カバノキ葉抽出物、ヘイフラワー(hayflower)抽出物、酢酸エチル、樟脳、メントール、ペパーミント油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油などのエッセンシャルオイルである。
【0298】
好適な角質溶解性および角質形成性物質は、例えばサリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸およびそれの塩、硫黄などである。
【0299】
好適な抗フケ剤有効成分は、例えば硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンなどである。皮膚刺激を中和する好適な消炎剤は、例えばアラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール(dragosantol)、カモミール抽出物、パンテノールなどである。
【0300】
化粧品組成物、皮膚組成物または医薬組成物は、化粧品および/または医薬有効成分として(さらには、適切であれば補助剤として等)の少なくとも1種類の別の化粧品としてまたは製薬上許容されるポリマーを含むことができる。
【0301】
別の医薬有効成分
上記で挙げた皮膚有効成分以外に、例えばスルホンアミド類などの抗生物質、抗ヒスタミン薬、抗真菌薬、消炎剤、抗リウマチ剤、循環を促進する薬剤、コルチコイド類などのステロイド、例えばゲスターゲン類などの性ホルモン、デクスパンテノールなどの創傷治癒剤という利用分野からの有効成分を用いることが可能である。
【0302】
特には、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、サリチル酸メチル、サリチル酸ヒドロキシエチル、エトフェナメートを非ステロイド系抗炎症剤有効成分として用いることができる。
【0303】
別のポリマー
好ましいものは、さらに少なくとも一つのノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性ポリマーを含む組成物である。
【0304】
好適な別のアニオン性ポリマーの例には、アクリル酸およびアクリルアミドおよびそれらの塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性または水分散性ポリエステル類、ポリウレタン類およびポリ尿素類がある。
【0305】
さらにポリウレタンをアニオン性ポリマーとして含む組成物も好ましい。
【0306】
ある好ましい実施形態において、本発明による調製物/組成物は、少なくとも1種類の下記に記載の通常のセッティングポリマーを含む。
【0307】
特に好適な別のポリマーは、独国特許出願公開第4225045号明細書(本明細書がその全体を参照しているものとする)に記載の水溶性または水分散性ポリウレタン類である。ルビセット(Luviset;登録商標)P.U.R.(BASF)が特に好適である。
【0308】
特に好ましいものには、独国特許出願公開第19807908号明細書(本明細書がその全体を参照しているものとする)に記載のシリコーン含有ポリウレタン類もある。ルビセット(登録商標)Si−P.U.R.(BASF)が特に好適である。
【0309】
特に好適なポリマーは、ポリエーテル鎖がC〜C30−アルキル基を末端とする(メタ)アクリル酸およびポリエーテルアクリル酸エステルのコポリマーである。それには、例えばローム・アンド・ハース(RohmandHaas)からアクリン(Aculyn;登録商標)の名称下に入手可能なアクリル酸エステル/ベヘネス−25メタクリル酸エステルコポリマーなどがある。特に好適なポリマーは、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸のコポリマー(例;ルビマー(Luvimer;登録商標)100P)、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸のコポリマー(例:ルビマー(登録商標)MAE)、N−tert−ブチルアクリルアミド、アクリル酸エチル、アクリル酸のコポリマー(ウルトラホールド(Ultrahold;登録商標)8、ストロング)、酢酸ビニル、クロトン酸および適切であれば別のビニルエステルのコポリマー(例:ルビセット(登録商標)類)、適切であればアルコール、アニオン性ポリシロキサン、例えばカルボキシ官能性アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸と反応させた無水マレイン酸コポリマー(例:ルビスコール(Luviskol;登録商標)VBM)、例えばメタ(アクリル酸)のC〜C30−アルキルエステル、C〜C30−アルキルビニルエステル、C〜C30−アルキルビニルエーテルおよびヒアルロン酸などのアクリル酸およびメタクリル酸の疎水性モノマーとのコポリマーでもある。アニオン性ポリマーの例には、例えばレジン(Resyn;登録商標)(National Starch)およびガフセット(Gafset;登録商標)(GAF)の名称で市販されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ならびに例えばルビフレックス(Luviflex;登録商標)(BASF)の商品名で得ることができるビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマーもある。別の好適なポリマーは、ルビフレックス(登録商標)VBM−35(BASF)の名称で得ることができるビニルピロリドン/アクリル酸エステルターポリマー、ならびにスルホン酸ナトリウム含有ポリアミド類またはスルホン酸ナトリウム含有ポリエステル類である。
【0310】
さらに、好適なアニオン性ポリマーの群は、例を挙げると、バランス(Balance;登録商標)CR(National Starch;アクリル酸エステルコポリマー)、バランス(登録商標)0/55(National Starch;アクリル酸エステルコポリマー)、バランス(登録商標)47(National Starch;オクチルアクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー)、アクアフレックス(登録商標)FX64(ISP;イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー)、アクアフレックス(登録商標)SF−40(ISP/National Starch;VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリル酸エステルコポリマー)、アリアンツ(Allianz;登録商標)LT−120(ISP;Rohm & Haas;アクリル酸エステル/C1−2コハク酸エステル/ヒドロキシアクリル酸エステルコポリマー)、アクアレツ(Aquarez;登録商標)HS(Eastman;ポリエステル−1)、ジアフォーマー(Diaformer;登録商標)Z−400(Clariant;メタクリロイルエチルベタイン/メタクリル酸エステルコポリマー)、ジアフォーマー(登録商標)Z−711(Clariant;メタクリロイルエチルN−オキサイド/メタクリル酸エステルコポリマー)、ジアフォーマー(登録商標)Z−712(Clariant;メタクリロイルエチルN−オキサイド/メタクリル酸エステルコポリマー)、オムニレツ(Omnirez;登録商標)2000(ISP;ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸のモノエチルエステルのエタノール溶液)、アンフォマー(Amphomer;登録商標)HC(National Starch;アクリル酸エステル/オクチルアクリルアミドコポリマー)、アンフォマー(登録商標)28−4910(National Starch;オクチルアクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー)、アドバンテージ(Advantage;登録商標)HC37(ISP;ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのターポリマー)、アドバンテージ(登録商標)LC55およびLC80またはLCAおよびLCE、アドバンテージ(登録商標)P
lus(ISP;VA/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー)、アクリン(Aculyne;商標名)258(Rohm & Haas;アクリル酸エステル/アクリル酸ヒドロキシエステルコポリマー)、ルビセット(登録商標)P.U.R.(BASF、ポリウレタン−1)、ルビフレックス(登録商標)Silk(BASF)、イーストマン(Eastman;登録商標)AQ48(Eastman)、スチレーゼ(Styleze;登録商標)CC−10(ISP;VP/DMAPAアクリル酸エステルコポリマー)、スチレーゼ(登録商標)2000(ISP;VP/アクリル酸エステル/メタクリル酸ラウリルコポリマー)、ダイナム(Dynam)X;登録商標)(National Starch;ポリウレタン−14AMP−アクリル酸エステルコポリマー)、レジン(登録商標)XP(National Starch;アクリル酸エステル/オクチルアクリルアミドコポリマー)、フィクソマー(Fixomer;登録商標)A−30(Ondeo Nalco;ポリメタクリル酸(および)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、フィクセート(Fixate;登録商標)G−100(Noveon;AMP−アクリル酸エステル/メタクリル酸アリルコポリマー)を含む。
【0311】
好適な別のポリマーには、米国特許第3405084号明細書に記載のビニルピロリドン、C〜C10−アルキル、シクロアルキルおよび(メタ)アクリル酸アリールおよびアクリル酸のターポリマーもある。好適な別のポリマーには、欧州特許出願公開第0257444号明細書および欧州特許出願公開第0480280号明細書に記載のビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸tert−ブチルおよび(メタ)アクリル酸のターポリマーもある。好適な別のポリマーには、少なくとも一つの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、およびN−ビニルピロリドンおよび/またはN−ビニルカプロラクタムを共重合型で含む独国特許出願公開第4223066号明細書に記載のコポリマーもある。これら文書の開示が本明細書でされたものとする。
【0312】
好適なカルボキシル基含有ポリマーには、カルボキシル基含有ポリウレタンもある。
【0313】
欧州特許出願公開第636361号明細書には、ポリシロキサンブロックおよびカルボン酸および/またはスルホン酸基を有するポリウレタン/ポリ尿素ブロックを持った好適なブロックコポリマーが開示されている。好適なシリコーン含有ポリウレタンは、国際公開第97/25021号パンフレットおよび欧州特許出願公開第751162号明細書にも記載されている。好適なポリウレタンは、独国特許出願公開第4225045号明細書(本明細書でその全体が参照されたものとする)にも記載されている。
【0314】
これらのポリウレタンは基本的に、
i)1分子当たり2個以上の活性水素原子を有する少なくとも一つの化合物、
ii)少なくとも一つのカルボン酸基を有するジオールまたはそれの塩、および
iii)少なくとも一つのポリイソシアネート
から構成される。
【0315】
成分i)は、例えば、ジオール類、ジアミン類、アミノアルコール類およびそれらの混合物である。これら化合物の分子量は好ましくは、約56〜280の範囲である。所望に応じて、3mol%以下の言及された化合物を、トリオール類またはトリアミン類に置き換えることができる。
【0316】
使用可能なジオールi)には、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−またはヘキサエチレングリコールおよびそれらの混合物がある。ネオペンチルグリコールおよび/またはシクロヘキサンジメチロールを用いることが好ましい。好適なアミノアルコールi)は、例えば2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、1−エチルアミノブタン−2−オール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−4−アミノペンタn−2−オールなどである。好適なジアミン類i)は、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタンおよび1,6−ジアミノヘキサン、ならびにポリアルキレンオキサイド類のアンモニアによるアミノ化によって製造することができるa,w−ジアミノポリエーテル類である。
【0317】
成分i)は、数平均分子量が約300〜5000、好ましくは約400〜4000、特には500〜3000の範囲であるポリマーであることもできる。使用可能なポリマーi)には、例えばポリエステルジオール類、ポリエーテルオール類およびそれらの混合物がある。ポリエーテルオール類は、好ましくはポリアルキレングリコール類(例:ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリテトラヒドロフラン類など)、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロックコポリマー類またはランダム分布またはブロックの形態で共重合したアルキレンオキサイド単位を含むエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドのブロックコポリマー類がある。好適なポリテトラヒドロフラン類i)は、例えば硫酸またはフルオロ硫酸などの酸性触媒の存在下でのテトラヒドロフランのカチオン重合によって製造することができる。そのような製造方法は当業者には公知である。使用可能なポリエステルジオール類i)は好ましくは、約400〜5000、好ましくは500〜3000、特には600〜2000の範囲の数平均分子量を有する。好適なポリエステルジオール類i)は、ポリウレタンを製造するのに通常使用されるもの全て、特にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、NaまたはKスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸もしくはコハク酸などの脂肪族ジカルボン酸類ならびに1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸類に基づいたものである。好適なジオール類には、特にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどの脂肪族ジオール類がある。
【0318】
1分子当たり2個の活性水素原子および少なくとも1個のカルボン酸基を有する好適な化合物ii)は、例えばジメチロールプロパン酸およびジメチロールプロパン酸を含む混合物である。
【0319】
成分iii)は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートおよびそれらの異性体混合物、o−およびm−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびそれらの混合物、特にはイソホロンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの通常の脂肪族、脂環式および/または芳香族ポリイソシアネートである。所望に応じて、上記化合物の3mol%以下がトリイソシアネート類によって置き換わっていても良い。
【0320】
好適な別のポリマーには、カチオン性ポリマー類もある。それには例えばINCI名ポリクオタニウムを有するポリマー類などがあり、それには例えばビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(ルビクアット(Luviquat;商標名)FC、ルビクアット(商標名)HM、ルビクアット(商標名)MS、ルビクアット(商標名)Care)、硫酸ジエチルで4級化されたN−ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー(ルビクアット(商標名)PQ11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(ルビクアット(商標名)Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム−4および−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム−7)およびキトサンがある。好適なカチオン性(4級化)ポリマーには、メルクアット(Merquat;商標名)(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドに基づくポリマー)、ガフクアット(Gafquat;商標名)(ポリビニルピロリドンと4級アンモニウム化合物との反応によって形成される4級ポリマー)、ポリマー(Polymer;商標名)JR(カチオン性基を有するヒドロキシエチルセルロース)およびカチオン性植物系ポリマー(例:ロディア(Rhodia)からのジャガー(Jaquar;商標名)類などのグアーポリマー)もある。
【0321】
好適な別のポリマーには、アンフォマー(Amphomer;商標名)(National Starch)の名称で得ることができるオクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマーならびに例えばドイツ特許出願である独国特許出願公開第3929973号明細書、独国特許出願公開第2150557号明細書、独国特許出願公開第2817369号明細書および独国特許出願公開第3708451号明細書に開示されている両性イオンポリマーなどの両性または両性イオンポリマーもある。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーならびにそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩が、好ましい両性イオンポリマーである。別の好適な両性イオンポリマーは、アメルセッテ(Amersette;商標名)(AMERCHOL)の名称で市販されているメタアクロイルエチルベタイン/メタクリル酸エステルコポリマー、およびメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルおよびアクリル酸のコポリマー(Jordapona)である。
【0322】
別のポリマーとして好適な中性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン類、N−ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリシロキサン類、ポリビニルカプロラクタムおよびN−ビニルピロリドンとの他のコポリマー、ポリエチレンイミン類およびそれらの塩、ポリビニルアミン類およびそれらの塩、セルロース誘導体類、ポリアスパラギン酸塩および誘導体である。これらには、例えば、ルビフレックス(Luviflex;商標名)Swing(ポリ酢酸ビニルおよびポリエチレングリコールの部分ケン化コポリマー、BASF)などがある。
【0323】
好適なポリマーには、ルビスコール(Luviskol;商標名)Plus(BASF)のようなポリビニルカプロラクタム、またはポリビニルピロリドンおよび特には酢酸ビニルなどのビニルエステルとのそれのコポリマー、例えばルビスコール(商標名)VA37(BASF);例えば独国特許出願公開第4333238号明細書に記載のようなイタコン酸および脂肪族ジアミンに基づくポリアミド類などのノニオン性、水溶性または水分散性ポリマーまたはオリゴマーもある。
【0324】
好適なポリマーには、テゴプレン(Tegopren;商標名)(Goldschmidt)またはベルシル(Belsil;商標名)(Wacker)などのポリエーテルシロキサン類のようなノニオン性、シロキサン含有、水溶性または分散性ポリマーもある。
【0325】
皮膚クレンジングおよびケア用の組成物
本発明による使用に好適なポリマーを加えることで、ある種の製剤における皮膚適合性にかなりの改善を得ることが可能である。
【0326】
本発明による使用に好適なポリマーは、皮膚クレンジング組成物で有利に用いることもできる。
【0327】
皮膚クレンジング組成物は、透明石鹸、ラグジャリー石鹸、消臭石鹸、クリーム石鹸、ベビー石鹸、皮膚保護石鹸、剥離石鹸および合成洗剤などの液体ないしゲル様稠度の石鹸、ペースト状石鹸、軟石鹸および洗浄ペースト、洗浄ローション、シャワー浴剤およびシャワー用ゲルなどの液状の洗浄用、シャワー用および浴用調製物、泡浴剤、オイル浴剤およびスクラブ調製物、ひげそり用の泡剤、ローションおよびクリームである。
【0328】
本発明による使用に好適なポリマーは、皮膚のケアおよび保護用の化粧品組成物、爪ケア組成物または装飾用化粧品用の調製物のレオロジーを調整するのに用いることもできる。そのような皮膚化粧品組成物は、例えば、洗顔料、フェイス・マスク、体臭防止剤および他の化粧ローションである。装飾用化粧品で使用される組成物には、例えばカバースティック、ステージメーキャップ、マスカラおよびアイシャドー、リップスティック、コールペンシル、アイライナー、頬紅、パウダーおよびアイブローペンシルなどがある。
【0329】
さらに、本発明による使用に好適なポリマーは、毛穴クレンジング用毛穴パックで、抗アクネ組成物、忌避剤、ひげ剃り組成物、脱毛組成物、入念ケア組成物、フットケア組成物で、そしてベビーケアで用いることができる。
【0330】
スキンケア組成物は、特にはW/O型又はO/W型のスキンクリーム、昼用および夜用クリーム、アイクリーム、フェイスクリーム、しわ防止クリーム、加湿クリーム、美白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローションおよび加湿ローションである。
【0331】
皮膚化粧品および皮膚組成物は、組成物の全重量基準で好ましくは0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、非常に好ましくは0.1〜10重量%の本発明による使用に好適なポリマーを含む。
【0332】
特には本発明による使用に好適なポリマーを用いるレオロジー調整用の光保護剤は、ポリビニルピロリドンなどの通常の補助剤と比較してUV吸収成分の滞留時間が長くなるという特性を有する。
【0333】
使用分野に応じて、前記組成物は、例えばクリーム、泡剤、ゲル、スティック、ムース、乳液、スプレー(ポンプスプレーまたは推進剤含有スプレー)またはローションとして等のスキンケアに好適な形態で用いることができる。
【0334】
レオロジー調整およびコンディショニングポリマーおよび好適な担体以外に、皮膚化粧品製品は、上記の皮膚化粧品で一般的な別の有効成分および補助剤を含むこともできる。それには、好ましくは乳化剤、保存剤、香油、フィタントリオール、ビタミンA、EおよびC、レチノール、ビサボロール、パンテノールなどの化粧品有効成分、光保護剤、美白剤、着色剤、色調付与剤、日焼け剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調節剤、染料、塩、他の増粘剤、ゲル形成剤、稠度調節剤、シリコーン、保湿剤、再脂肪化剤および別の通常の添加剤などがある。
【0335】
皮膚化粧品組成物および皮膚組成物の好ましいオイルおよび脂肪成分は、例えばパラフィン類、シリコーンオイルおよび8個を超える炭素原子を有する脂肪族炭化水素などの上記無機および合成オイル、例えばヒマワリ油、ココナッツ油、アボガド油、オリーブ油、ラノリンなどの動物性および植物性オイル、あるいはロウ、脂肪酸、例えばC〜C30−脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステル、例えばホホバオイル、脂肪アルコール、ワセリン、水素化ラノリンおよびアセチル化ラノリンなどのロウエステルならびにそれらの混合物である。
【0336】
例えば感触、展着挙動、耐水性および/または有効成分および顔料などの補助剤の結合における改善などのある種の特性を確立するため、皮膚化粧品および皮膚調製物は、シリコーン化合物に基づく別のコンディショニング物質を含むことができる。好適なシリコーン化合物は、例えばポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアリールアルキルシロキサン類、ポリエーテルシロキサン類またはシリコーン樹脂類である。
【0337】
調製物の製造
化粧品または医薬もしくは皮膚調製物は、当業者には公知の通常の方法によって製造される。
【0338】
本発明のある好ましい実施形態では、化粧品および皮膚調製物はゲルの形態である。
【0339】
本発明の別の好ましい実施形態では、化粧品および皮膚調製物は、乳濁液、特には油中水(W/O)または水中油(O/W)乳濁液の形態である。
【0340】
しかしながら、他の種類の製剤、例えば水系分散液、オイル類、オレオゲル、例えばW/O/WもしくはO/W/O乳濁液の形での複合乳濁液、無水軟膏または軟膏基剤などを選択することも可能である。
【0341】
乳濁液の製造は、公知の方法によって行う。本発明による使用に好適な少なくとも一つのポリマー以外に、乳濁液は通常、水の存在下に脂肪アルコール、脂肪酸エステルおよび特には脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリンおよびそれの誘導体、天然もしくは合成のオイルもしくはロウおよび乳化剤などの通常の構成成分を含む。乳濁液の種類に特有の添加剤の選択および好適な乳濁液の製造については、例えばシュレーダーらの報告(Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], Huthig Buch Verlag, Heidelberg, 2nd edition, 1989, third part;本明細書によって明瞭に引用されている)に記載されている。
【0342】
スキンクリームなどに好適な乳濁液は通常、オイルまたは脂肪相中の好適な乳化剤系によって乳化される水相を有する。
【0343】
乳濁液の脂肪相中に存在できる好ましい脂肪成分は、炭化水素油、例えばパラフィン油、ピュアセリン油、パーヒドロスクワレンおよびこれらの油中の微結晶性ロウの溶液;動物油および植物油、例えば甘扁桃油、アボカド油、カロフィルム油、ラノリンおよびその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ油、ヒウチダイ油;大気圧での蒸留開始点が約250℃であり、蒸留終点が410℃である鉱油、例えばワセリン油など;飽和または不飽和脂肪酸のエステル、例えばミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチルもしくはセチル、ステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸エチルもしくはイソプロピル、オクタン酸もしくはデカン酸トリグリセリドおよびリシノール酸セチルである。
【0344】
脂肪相は、他の油に溶解するシリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ならびにシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸および脂肪アルコールを含むこともできる。
【0345】
さらに、ロウ類、例えばカルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、微結晶性ロウ、オゾケライトロウ、ならびにオレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸およびステアリン酸Ca、MgおよびAlを使用することも可能である。
【0346】
さらに乳濁液は、O/W乳濁液の形態であることもできる。そのような乳濁液は通常、油相、水相中で油相を安定化させる乳化剤、ならびに通常は増粘した形の水系相を含む。好適な乳化剤は、好ましくはポリグリセリンエステル、ソルビタンエステルまたは部分エステル化グリセリドなどのO/W乳化剤である。
【0347】
洗浄、シャワーおよび入浴調製物
別の好ましい実施形態によれば、前記レオロジー調整ポリマーは、シャワーゲル、シャンプー製剤または入浴調製物で特に有利に使用される。
【0348】
さらに、そのような製剤は通常、基礎界面活性剤としてのアニオン性界面活性剤および共界面活性剤としての両性および/またはノニオン系界面活性剤を含む。別の好適な有効成分および/または補助剤は、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤および酸化防止剤、ならびに増粘剤/ゲル形成剤、皮膚コンディショナーおよび保湿剤から選択される。
【0349】
これらの製剤は好ましくは、製剤の総重量に基づいて、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0350】
洗浄、シャワーおよび入浴調製物において、ボディクレンジング組成物で通常使用される全てのアニオン系、中性、両性またはカチオン系界面活性剤が使用可能である。
【0351】
好適なアニオン系界面活性剤には、例えばアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルコイルサルコシン酸塩、アシル酒石酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、特にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩がある。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキサイド単位を有することができる。
【0352】
それには例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートなどがある。
【0353】
好適な両性界面活性剤は例えば、アルキルベタイン類、アルキルアミドプロピルベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アルキルグリシネート類、アルキルカルボキシグリシネート類、アルキルアンフォアセテート類またはプロピオネート類、アルキルアンフォジアセテート類またはジプロピオネート類である。
【0354】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタインまたはココアンフォプロピオン酸ナトリウムを用いることが可能である。
【0355】
好適なノニオン系界面活性剤は例えば、直鎖または分岐であっても良いアルキル鎖における炭素原子数が6〜20である脂肪族アルコールまたはアルキルフェノール鎖とエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドとの反応生成物である。アルキレンオキサイドの量は、アルコール1モル当たり約6〜60モルである。アルキルアミンオキサイド類、モノまたはジアルキルアルカノールアミド類、ポリエチレングリコール類の脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド類、エトキシル化脂肪酸アミド類、アルキルポリグリコシド類またはソルビタンエーテルエステル類も好適である。
【0356】
さらに、洗浄、シャワーおよび入浴調製物は、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム化合物のような通常のカチオン性界面活性剤を含むことができる。
【0357】
さらに、シャワーゲル/シャンプー製剤は、例えば塩化ナトリウム、PEG−55、オレイン酸プロピレングリコール、PEG−120メチルグルコース・ジオレエートおよびその他などの別の増粘剤、ならびに保存剤、別の有効成分および補助剤および水を含むことができる。
【0358】
ヘアトリートメント組成物
本発明の特に好ましい実施形態は、ヘアトリートメント組成物、特にはすでに説明した増粘調製物および毛髪ゲルである。
【0359】
本発明によるヘアトリートメント組成物は好ましくは、組成物の総重量に基づいて、約0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、非常に好ましくは0.1〜7重量%の範囲の量で、少なくとも一つの本発明による使用に好適なポリマーを含む。
【0360】
すでに詳細に説明したように、本発明によるヘアトリートメント組成物は、好ましくは毛髪ゲルの形態である。
【0361】
しかしながら、それはヘアムース、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、枝毛(end)、パーマネントウェーブ用の中和剤、毛髪染料および脱色剤またはホット−オイルトリートメントの形態であることもできる。
【0362】
使用分野に応じて、前記毛髪化粧品製品は、ゲル、ゲルスプレー、(エアロゾル)スプレー、(エアロゾル)フォーム、クリーム、ローションまたはロウの形態で用いることができる。
【0363】
毛髪スプレーは、本発明においては、エアロゾルスプレーおよび推進剤ガスを含まないポンプスプレーの両方を含む。毛髪フォームは、エアロゾルフォームおよび推進剤ガスを含まないポンプフォームの両方を含む。毛髪スプレーおよび毛髪フォームは好ましくは、主としてまたは専ら、水溶性または水分散性の成分を含む。本発明による毛髪スプレーおよび毛髪フォームで使用される化合物が水分散性である場合、それは粒径が通常1〜350nm、好ましくは1〜250nmである水系微細分散液の形態で用いることができる。これら調製物の固体含有率は、通常は約0.5〜20重量%の範囲である。これらの微細分散液は通常、安定化のために乳化剤や界面活性剤を必要としない。
【0364】
本発明の一実施形態において、本発明による組成物は多くとも80重量%、特に好ましくは多くとも55重量%の揮発性有機成分(VOC)の含有量を有する。
【0365】
本発明による毛髪化粧品製品/組成物は、一実施形態において、
i.0.05〜10重量%の少なくとも一つの本発明による使用に好適なポリマー、
ii.20〜99.95重量%の水および/またはアルコール、
iii.0〜50重量%の少なくとも一つの推進剤ガス、
iv.0〜5重量%の少なくとも一つの乳化剤、
v.25重量%以下の別の構成成分
を含む。
【0366】
別の構成成分は、化粧品において一般的な添加剤、例えば推進剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤、乳化剤、泡形成剤および可溶化剤を意味するものと理解される。使用される界面活性化合物は、アニオン系、カチオン系、両性または中性であることができる。別の通常の構成成分は、例えば保存剤、香油、不透明剤、有効成分、UVフィルター、ケア物質、例えばパンテノール、コラーゲン、ビタミン類、タンパク質加水分解物、α−およびβ−ヒドロキシカルボン酸、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調節剤、染料、染料、塩、保湿剤、再脂肪化剤、錯形成剤および別の一般的添加剤であってもよい。
【0367】
化粧品組成物に好適な上記の全ての成分は、適切であれば毛髪化粧品組成物にも用いることが可能である。それには、化粧品で公知の全てのスタイリングポリマー、セッティングポリマーおよびコンディショナーポリマーも含まれる。
【0368】
ある種の特性を確立するため、前記調製物はさらに、シリコーン化合物に基づく別のコンディショニング物質を含むこともできる。好適なシリコーン化合物には、例えばポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアリールアルキルシロキサン類、ポリエーテルシロキサン類、シリコーン樹脂類またはジメチコン・コポリオール類(CTFA)およびアモジメチコン類(CTFA)などのアミノ官能性シリコーン化合物がある。
【0369】
使用可能な乳化剤は、ヘアフォームで一般的に使用される全ての乳化剤である。好適な乳化剤は、ノニオン系、カチオン系またはアニオン系もしくは両性であることができる。
【0370】
エアロゾルフォームに特に好適な推進剤は、ジメチルエーテルとプロパン、ブタン、ペンタンもしくはHFC−152aなどの適切な場合はハロゲン化された炭化水素の混合物である。推進剤の量的比率は、本発明においては、他の溶媒および所望の用途に応じて変動すべきものである。
【0371】
ノニオン系乳化剤の例(INCI命名法)には、ラウレス−4などのラウレス類;セテス(cetheth)−1、ポリエチレングリコールセチルポリエーテルなどのセテス類;セテアレス(cetheareth)−25などのセテアレス類、ポリグリコール脂肪酸グリセリド類、ヒドロキシ化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル類、アルキルポリグリジシド類がある。
【0372】
カチオン系乳化剤の例には、リン酸二水素セチルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化セチルトリモニウム、臭化セチルトリモニウム、メチル硫酸ココトリモニウム、クオターニウム−1〜x(INCI)がある。
【0373】
アニオン系乳化剤は例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルコイルサルコシン酸塩、アシル酒石酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、特にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩の群から選択することができる。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキサイド単位を有することができる。
【0374】
本発明によれば、前記ポリマーは、シャンプー中の増粘剤として使用することもできる。好ましいシャンプー製剤は、
i.0.05〜10重量%の少なくとも一つの本発明による使用に好適なポリマー、
ii.25〜94.95重量%の水、
iii.5〜50重量%の界面活性剤、
iv.0〜5重量%の別のコンディショナー、
v.0〜10重量%の別の化粧品構成成分
を含む。
【0375】
特に、成分b)として共重合メタクリルアミドを含むポリマーは、シャンプーおよび他の界面活性剤含有組成物用の増粘剤としての使用に好適である。
【0376】
シャンプーで一般に使用される全てのアニオン系、中性、両性またはカチオン系界面活性剤がシャンプー製剤で使用可能である。
【0377】
好適なアニオン系界面活性剤には、例えばアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルコイルサルコシン酸塩、アシル酒石酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、特にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩がある。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキサイド単位を有することができる。
【0378】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが好適である。
【0379】
好適な両性界面活性剤は例えば、アルキルベタイン類、アルキルアミドプロピルベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アルキルグリシネート類、アルキルカルボキシグリシネート類、アルキルアンフォアセテート類またはプロピオネート類、アルキルアンフォジアセテート類またはジプロピオネート類である。
【0380】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタインまたはココアンフォプロピオン酸ナトリウムを用いることが可能である。
【0381】
好適なノニオン系界面活性剤は、例えば直鎖または分岐であっても良いアルキル鎖における炭素原子数が6〜20である脂肪族アルコールまたはアルキルフェノール鎖とエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドとの反応生成物である。アルキレンオキサイドの量は、アルコール1モル当たり約6〜60モルである。アルキルアミンオキサイド類、モノまたはジアルキルアルカノールアミド類、ポリエチレングリコール類の脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド類またはソルビタンエーテルエステル類も好適である。
【0382】
さらにシャンプー製剤は、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム化合物などの一般的なカチオン系界面活性剤を含むことができる。
【0383】
シャンプー製剤では、一定の効果を得るために、本発明のポリマー以外に、自体でもコンディショナーとして好適な別の一般的なコンディショニング剤を用いることも可能である。それには例えば、INCI名ポリクオターニウムの上記のカチオン系ポリマー、特にはビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(ルビクアット(登録商標)FC、ルビクアット(登録商標)HM、ルビクアット(登録商標)MS、ルビクアット(登録商標)ケア)、硫酸ジエチルで4級化されたN−ビニルピロリジン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー(ルビクアット(登録商標)PQ11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(ルビクアット(登録商標)ホールド);カチオン系セルロース誘導体(ポリクオータニウム−4および−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオターニウム−7)などがある。さらに、タンパク質加水分解物を用いることができ、シリコーン化合物に基づくコンディショニング物質、例えばポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアリールアルキルシロキサン類、ポリエーテルシロキサン類またはシリコーン樹脂なども用いることもできる。別の好適なシリコーン化合物は、ジメチコンコポリオール類(CTFA)およびアモジメチコン類(CTFA)などのアミノ官能性シリコーン化合物である。さらに、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(INCI)などのカチオン性グアー誘導体を用いることもできる。
【0384】
スタイリングゲル用の本発明による好適な調製物は、例えば
i.0.1〜10重量%の少なくとも一つの本発明による使用に好適なポリマー、
ii.80〜99.9重量%の水および/またはアルコール、
iii.0〜20重量%の別の構成成分
という組成を有する。
【0385】
ゲル形成剤としての本発明による使用に好適なポリマーの使用は、ゲルの特定のレオロジーその他の使用特性を確立するには特に有利である。本発明による使用に好適なポリマーが別の化粧品で一般的なゲル形成剤と優れた適合性を有することから、これらのゲル形成剤も併用することができる。
【0386】
本発明の一実施形態では、1相での本発明による増粘された調製物または化粧品ゲルを、好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%、特には少なくとも50重量%の水および好ましくは多くとも40重量%のアルコールで製剤する。存在させることができるアルコールは、すでに前述し、化粧品用に一般に使用されている、エタノールおよびイソプロパノールなどの1〜4個の炭素原子を有する低級モノアルコールである。
【0387】
ある好ましい実施形態では、前記ゲルは、特には処理された毛髪の光沢を改善するために、多価アルコール、好ましくは2〜6個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシ基を有するものを、0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の量で含む。特に好ましいものは、グリセリン、エチレングリコールおよびプロピレングリコール、特には1,2−プロピレングリコールおよびソルビトールである。光沢を改善するために、シリコーンオイル、特にはポリジメチルシロキサン類(ジメチコン類)およびアリール置換ポリジメチルシロキサン類(例:フェニルトリメチコン類)も使用可能である。
【0388】
顔料
ある特定の実施形態では、本発明によるゲルは、同時コンディショニングおよび一時的髪染めに好適であり、さらには少なくとも一つの一時的髪染め顔料を含む。
【0389】
一時的髪染めは、次の洗髪まで持続し、毛髪を通常のシャンプーで洗うことで再度除去することができるヒト毛髪の色変化を意味するものと理解される。その顔料は好ましくは、0.01〜25重量%の量で、特に好ましくは5〜15重量%の量で存在する。その顔料は、好ましくはナノ顔料ではなくマイクロ顔料である。好ましい粒径は、1〜200mm、特には3〜150mm、特に好ましくは10〜100mmである。
【0390】
前記顔料は、肉眼で見ると塗布媒体に不溶であり、無機または有機であることができる着色剤である。無機−有機混合顔料も可能である。無機顔料が好ましい。無機顔料の長所は、優れた耐光性、耐候性および耐温度性である点である。その無機顔料は、例えば白亜、オーカー、琥珀、緑土、代赭またはグラファイトから製造される天然起源のものであることができる。その顔料は、例えば二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの白色顔料、例えば四三酸化鉄などの黒色顔料、例えばウルトラマリンもしくは弁柄などの有色顔料、光輝顔料、金属効果顔料、真珠光沢顔料および蛍光もしくはリン光顔料であることができ、好ましくは少なくとも一つの顔料が有色の非白色顔料である。金属の酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有シリケート類、金属硫化物、複合金属シアニド類、金属の硫酸塩、クロム酸塩およびモリブデン酸塩、ならびに金属自体(青銅顔料)が好適である。特には、二酸化チタン(CI77891)、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI77007、ピグメント・ブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)、カーマイン(コチニール)が好適である。
【0391】
特に好ましいものは、二酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスなどの金属酸化物または金属オキシ塩化物および適切であれば酸化鉄類、紺青、ウルトラマリン、カーマインなどの別の着色物質でコーティングされ、層厚を変えることで色を決めることができるマイカに基づく顔料である。そのような顔料は、例えば商品名ロナ8(Rona;登録商標)、コロロナ(Colorona;登録商標)、ジクロナ(Dichrona;登録商標)およびチミロン(Timiron;登録商標)(メルク、ドイツ)で販売されている。
【0392】
有機顔料には、例えば天然顔料であるセピア、ガンボジ、骨炭、カッセル・ブラウン、インジゴ、クロロフィルおよび他の植物顔料がある。合成有機顔料には、例えばアゾ顔料、アントラキノイド類、インジゴイド類、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレンおよびペリノン、金属錯体、アルカリブルーおよびジケトピロロピロール顔料がある。
【0393】
本発明はさらに、本発明による使用に好適な少なくとも一つのポリマーおよび少なくとも一つの別のポリマー、特には共重合型でN−ビニルラクタムを含むものを含む水系組成物を提供する。
【0394】
好ましい共重合N−ビニルラクタムは、未置換N−ビニルラクタム類および例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの1以上のC〜C−アルキル置換基を有することができるN−ビニルラクタム誘導体類である。それには、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタムなどならびにそれらの混合物などがある。前記水系組成物は特に好ましくは、本発明による使用に好適な少なくとも一つのポリマーおよびポリビニルピロリドンを含む。ここで、K値が少なくとも30、好ましくは少なくとも60、特に好ましくは少なくとも90であるポリビニルピロリドンが特に好適である。そのようなポリビニルピロリドンは、例えばルビスコール(Luviskol;商標名)(BASF)の商品名で市販されている。そのような組成物は、本発明によるポリマーおよび共重合型でN−ビニルラクタムを含むポリマー(特にはポリビニルピロリドン)の全体的濃度が約0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲であっても、特にはゲルとして、高粘度および水系組成物の透明性、および毛髪に使用した場合の非常に良好なセッティング等の非常に良好な特性を示す。
【0395】
医薬製剤
医薬製剤に好ましいポリマーは、N−ビニルラクタム、特にはN−ビニルイミダゾールを含み、それは4級化型で存在することもでき、その4級化は特にはメチル基で行われている。
【0396】
さらに、局所製剤用の調製物は、一般的な量で一般的な医薬補助剤を含むことができる。
【0397】
好適な補助剤は、例えば界面活性剤である。好適な界面活性剤には、例えばポリアルコキシル化ソルビタン酸エステル類、ポリアルコキシル化ヒマシ油類またはポリアルコキシル化硬化ヒマシ油類、例えばクレモフォールRH40のようなクレモフォール(登録商標)類がある。
【0398】
前記医薬製剤は通常、本質的に水系である。しかしながらさらに、前記調製物は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール類またはグリセリンなどの有機溶媒を含むことができる。
【0399】
実施例
下記の実施例は、本発明を詳細に説明するためのものであるが、本発明をそれに限定するものではない。
【0400】
本発明による使用に好適なポリマーの製造
窒素導入管、還流冷却管および計量装置を取り付けた攪拌リアクター中、初期投入物を窒素下に加熱して90℃とした。次に、供給原料1を4時間にわたって計量投入し、供給原料2を5時間にわたって計量投入した(3時間で1/3、2時間で2/3)。供給原料2が完了したら、混合物を加熱して100℃とし、その後この温度でさらに2時間重合させた。混合物を冷却して室温とし(約23℃)、供給原料3で希釈し、沈澱したポリマーを濾去し、アセトンで洗浄し、吸引乾燥し、真空乾燥キャビネットで(水流ポンプ真空)75℃にて乾燥させた。
【0401】
必要に応じて、重合後にポリマーをアセトンで洗浄した。アルキル化誘導体の場合は、アルキル化後にこの洗浄操作のみを行うことが有利であった。
【0402】
使用される略称
n−BuAc:酢酸n−ブチル、
PEG:ポリエチレングリコール、
VI:N−ビニルイミダゾール、
QVI:N−ビニルイミダゾリウムメチルクロライド(塩化メチルで4級化したVI)、
VP:N−ビニルピロリドン、
VFA:N−ビニルホルムアミド、
V−Cap:N−ビニルカプロラクタム、
AA:アクリル酸、
MAM:メタクリルアミド、
PIB:ポリイソブテン、
PETAE:ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、
C18VE:オクタデシルビニルエーテル、
C18AC:メタクリル酸ステアリル、
C22AC:アクリル酸ベヘニル。
【0403】
別段の断りがない限り、下記の表中の量的データは、グラム単位[g]であり、量比は重量比(w/w)である。
【表2】

【表3】

【表4】


【表5】


【表6】

【0404】
*過オクタン酸tert−ブチルを開始剤として用いた。
#:ポリマー38を製造するのに、ルテンゾール(登録商標)AT−25のメタクリル酸エステルを用いた。
&:ポリイソブテンの反応生成物(Mw=550)および無水アクリル酸。
**:粘度:数値データは100mPas単位である。
Visco2:酸で中和したポリマー100%の濃度2重量%の粘度
Visco1:酸で中和したポリマー100%の濃度1重量%の粘度
Visco0.5:酸で中和したポリマー100%の濃度0.5重量%の粘度
ポリマー33、36、39および46を製造するため、VPおよびMAMを1回の供給原料で加え、VIを別個に第2の供給原料で加えた。MAMはVP溶液として加えた。
***:製造した全てのポリマーから、塩化メチルでアルキル化した誘導体も製造した。そのために、そのポリマーに対して、同じ溶媒中で重合直後にアルキル化を行った。これらのポリマーのアルキル化誘導体は、下記の使用例中では(Q)と称されている。
添加[1]:重合後、ポリマーをアセトンで洗浄した。アルキル化誘導体の場合、この洗浄操作はアルキル化後のみに行った。
【0405】
カール保持の測定
【0406】
基本製剤:(エアロゾル毛髪スプレー)
5重量%:被験ポリマーの有効成分(100%、AMPで中和)
15重量%:エタノール
40重量%:水
40重量%:ジメチルエーテル。
【0407】
カール保持を測定するため、重量約2gおよび長さ15.5cmで中程度褐色の白人毛髪の房を用いた。
【0408】
毛髪房の処理
毛髪房をテクサポン(Texapon;登録商標)NSO水溶液で2回洗浄した。毛髪房を、泡立ちがそれ以上認められなくなるまで温水でリンスし、脱塩水でリンスした後に、櫛で梳き、濾紙上に置いて乾燥させた。
【0409】
ウォーターウェーブを作るため、毛髪房をエタノールおよび水(1:1)の溶液に15分間入れて膨潤させた。
【0410】
毛髪房を注意深く梳いてから、カール形成に供した。ゴムバンドを用いて、毛髪房をプレキシガラス棒に取り付けた。次にそれを櫛で梳き、螺旋形状に巻いた。綿布およびゴムバンドを用いて、カールをしっかりと固定し、70℃で終夜乾燥させた。冷却した房を注意深く開き、ウォーターウェーブを変形させないようにプレキシガラス棒から滑らせて取った。15cmの距離から、上記で調製したエアロゾル毛髪スプレー溶液約1.8gをカール上に均一に噴霧した。その間、カールを一様に回転させた。そのカールを、室温にて水平位置で1時間乾燥させた。乾燥後、カールをクランプに固定した。定規を用いて、カールの長さLを読み取り、湿保存中の長さの伸びをモニタリングした。環境制御したチャンバ中にて25℃および90%相対湿度で5時間保存後、得られたカールの長さLを読み取り、カール保持を下記式に従って計算した。
【数1】

【0411】
L=毛髪の長さ(15.5cm)
=乾燥後の毛髪カールの長さ
=環境制御処理後に毛髪カールの長さ。
【0412】
上記のカール保持は、5つの測定値の平均とした。
【0413】
セッティング(曲げ剛性)の測定
薄い毛髪房(各場合で、約3gおよび長さ24cm)の曲げ剛性を測定することで、ポリマーのセッティング効果を測定した。そのために、秤量した乾燥毛髪房を、下記のポリマー溶液(溶媒:エタノール/水55:45重量比)に浸し、浸漬および取り出しを3回行ってから、濾紙間で絞ることで、毛髪房の均一な濡れおよびポリマー溶液の分布を確実に行った。次に、過剰のフィルム形成剤溶液を親指と人差し指の間で除去し、毛髪房を手で成形して、それの断面が丸くなるようにした。環境制御したチャンバ中にて、20℃および65%相対湿度で乾燥を終夜行った。応力/歪み試験装置を用いて、20℃および65%相対湿度の環境制御したチャンバ中にて、試験を実施した。毛髪房を、サンプルホルダーの2本の円筒形ロールの末端で対称に置いた。正確に中央で、丸めたパンチを用いて房を約40mm曲げた(ポリマーフィルムの破壊)。秤量セル(50N)を用いて、それに必要な力(Fmax)を測定した。ここで、一つの測定値は5〜10個の同じ処理を行った毛髪房についての個々の測定値からの算術平均を表す。このようにして確認した値を、標準的な市販の比較ポリマー(アンフォマー(Amphomer;登録商標)LV−71)の値と比較し、%で表した。
【0414】
濡れ櫛梳き性の測定
【0415】
濡れ櫛梳き性ブランク値の測定
測定に先立って、漂白した毛髪房(長さ約24cm/重量2.7〜3.3g)を最初に、テクサポン(登録商標)NSOで2回、合計1分間シャンプーし、1分間リンスしてから所定の濡れおよび膨潤を得た。
【0416】
その後、房を予備櫛梳きして、毛髪にもつれが存在しないようにした。
【0417】
次に、房をクランプに固定し、櫛の細歯側を用いて、試験櫛の細歯側で櫛梳きした。各測定において、毛髪を均等かつ張力なしに試験櫛に挿入した。
【0418】
測定を開始し、エグラヌド(EGRANUDO;登録商標)ソフトウェア(Frank)を用いて評価した。測定を5〜10回繰り返した。測定は、相対湿度約65%および21℃の環境制御チャンバで行った。
【0419】
計算平均値を、標準偏差とともに記載した。
【0420】
濡れ櫛梳き性測定値の測定
ブランク値を測定した後、毛髪ゲル(0.5重量%の個々のポリマーの水中ゲル)約1gを、試験毛髪房に塗布し、均等にさすり、櫛で梳いた。櫛梳き力を、上記のブランク値測定と同様にして測定した。
【0421】
評価:濡れ櫛梳き力の低下=100−(測定値×100/ブランク値);データは%単位。
【0422】
用いた機器
フランク(Frank)からの応力/歪み試験装置
デジタル天秤(上皿天秤)。
【0423】
透過率測定による透明度の測定
測定のため、最初にゼロ調節を、脱塩した水(脱塩水)で満たした2個の使い捨てプラスチックセル上で調べた。透過率は、純粋な脱塩水では99〜100%でなければならない。
【0424】
被験毛髪ゲル(0.5重量%の個々のポリマーの水中ゲル)をセルに注ぎ入れ、遠心した。セルが気泡を含まないようにした。
【0425】
使用した測定装置は、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)からのラムダ(Lambda)40装置であった。測定および測定値の評価は、ソフトウェアUVウィンラブ(UVWinLab;商標名)を用いて行った。測定は、基準として脱塩水を充填したセルを用いて、約21℃の温度で行った。測定の波長範囲は400〜800nmであった。使用した測定結果は、波長600nmで示された透過率値(%)であった。
【0426】
動的粘度の測定
ポリマー1〜13の溶液の粘度を、通常の150mLビーカー中にて12rpmでスピンドル4とした通常の条件下で、ブルックフィールド(Brookfield)DV−II粘度計を用いて測定した。
【0427】
ポリマー14〜54の溶液の粘度を、通常の250mLビーカー中にて20rpmでスピンドル6とした通常の条件下で、ブルックフィールドDV−II+Pro粘度計を用いて測定した。
【0428】
本発明による製剤
水、0.5重量%の本発明による使用に好適なポリマーおよび1または3重量%の標準的な市販の毛髪ポリマーの混合物を調製した。標準的な市販の毛髪ポリマーの量が非常に少量である場合であっても、コンディショニングおよび/またはセッティング効果が良好な透明ゲル製剤が得られた。使用特性を、下記の表に示してある。良好な増粘の場合、他の毛髪化粧品特性は先行技術と比較して明らかに優れている。
【0429】
比較製剤
水およびトリエタノールアミン(TEA)で中和した0.5重量%の標準的な市販のポリアクリル酸増粘剤(カルボポール(登録商標)940)の混合物を最初に製造した。得られたゲルは、毛髪に塗布した場合に、本質的にコンディショニング効果もセッティング効果も示さなかった。次に、水、0.5重量%の標準的な市販のポリアクリル酸増粘剤および3重量%の標準的な市販のセッティングポリマーの混合物を調製した。得られたゲルの使用特性を下記の表に示してある。良好な増粘の場合、他の毛髪化粧品特性を改善する必要がある。
【表7】

【0430】
O/W乳濁液のレオロジー調整/塩安定性
標準的な市販の増粘剤ポリマーまたは本発明に従って使用されるコポリマー30(Q)および34(Q)を含む水中油乳濁液(O/W乳濁液)を調製し、その粘度を測定した。
【0431】
O/W乳濁液の基本製剤
【表8】

【0432】
O/W乳濁液の調製
油相および水相(相Aおよび相B)を加熱して約80℃とした。各場合でのポリマーを、油相に分散させ、直後に調製を行った。水相を油相にゆっくり攪拌しながら入れ、次に混合物を均質化した。攪拌しながら、混合物を冷却して40℃とし、保存剤(相C)を攪拌しながら入れた。次に、室温に達するまで混合物をさらに攪拌し、最後に、少し経ってから均質化した。
【0433】
次に、各種量で塩化ナトリウムをO/W乳濁液に加えた(下記の表参照)。塩化ナトリウムを、室温で攪拌しながら10分間かけて投入した。その直後に粘度を測定した。
【0434】
増粘した乳濁液の安定性、すなわち塩の存在下に比較的長時間にわたる上昇した粘度の発生と維持も、特に皮膚化粧品製品には非常に有利である。
【表9】

【0435】
水および0.5重量%の個々のポリマーの混合物を調製し、下記の表に挙げた特性を測定した。
【表10】

【0436】
使用例
【0437】
I)毛髪化粧品調製物
別段で明瞭に示されていない限り、下記の量的データは重量%でのものである。本発明に従って使用されるポリマーの量は、固体としてのポリマーの重量%で与えられている。ポリマーを溶液または分散液の形態で用いる場合、必要なポリマーの量(下記の例中のデータに従って)に相当する溶液または分散液の量を用いる必要がある。q.s.は「十分な量」を意味し、化粧品調製物の分野での当業者には公知である。
【0438】
A1)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
3%:ルビスコール(商標名)K90
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0439】
A2)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
2.5%:ルビスコール(商標名)K90
0.5%:ルビクアット(商標名)ホールド
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0440】
A3)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
2.5%:ルビスコール(商標名)K90
0.5%:ルビクアット(商標名)シュープリーム(Supreme)
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0441】
A4)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
2.0%:ルビスコール(商標名)K90
1%:ルビクアット(商標名)ホールド
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0442】
A5)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
2.0%:ルビスコール(商標名)K90
1%:ルビセット(商標名)クリア
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0443】
A6)毛髪ゲル
0.5%:実施例1(Q)からのポリマー
2.0%:ルビスコール(商標名)K90
1%:ポリクオタニウム11
0.50%:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100%まで:水。
【0444】
これらの例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーを用いて繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する毛髪ゲルが得られる。
【0445】
A7)毛髪セッティングゲル

0.5:実施例1(Q)からのポリマー
3.0:ルビスコール(商標名)VA64W
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0446】
A8)毛髪セッティングゲル

0.5:実施例1(Q)からのポリマー
2.5:ルビスコール(商標名)VA64W
1.0:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0447】
A9)毛髪セッティングゲル

0.5:実施例1(Q)からのポリマー
2.0:ルビスコール(商標名)VA64W
2.0:ルビスコール(商標名)K30
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0448】
これらの例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーを用いて繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する毛髪セッティングゲルが得られる。
【0449】
A10)

2.00:ポリマー1(Q)
6.00:変性コーンスターチ(アメイズ(Amaze)、National Starch)
0.50:キトサン
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:PEG−14ジメチコン
0.10:保存剤
91.40:脱塩水。
【0450】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0451】
A11)

2.00:ポリマー1(Q)
5.00:VP/DMAPAアクリル酸エステルコポリマー(スチレーゼ(登録商標)CC−10)
84.85:脱塩水
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:ジメチコンコポリオール
0.10:保存剤
2.00:ヒドロキシプロピルセルロース。
【0452】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0453】
A12)

2.00:ポリマー1(Q)
1.00:VP/アクリル酸エステル/メタクリル酸ラウリルコポリマー(ISP:スチレーゼ2000)
0.26:アミノメチルプロパノール
90.64:脱塩水
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:ソルビトール
0.10:保存剤
2.00:ヒドロキシプロピルグアー(ローディア社(Rhodia Inc.)、N−ハンス(N-Hance)ヒドロキシプロピルグアー)。
【0454】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0455】
A13)

6.00:ポリマー1(Q)
2.00:アクリル酸エステル/C1−2コハク酸エステル/ヒドロキシアクリル酸エステルコポリマー(ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)、アリ(Alli)LT−120)
0.19:アミノメチルプロパノール
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:PEG−8
0.10:保存剤
0.50:ヒドロキシエチルセルロース。
【0456】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0457】
A14)

7.00:ポリマー1(Q)
7.00:メタクリル酸/ナトリウムアクリルアミドメチルプロパンスルホンネートコポリマー(Ondeo Nalco、フィクソマー(Fixomer)A30)
0.70:トリエタノールアミン
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:パンテノール
0.10:保存剤
84.90:脱塩水
1.00:ポリアクリルアミド/C13−14イソパラフィン/ラウレス−7(Seppic、セピゲル(Sepigel)305)。
【0458】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0459】
A15)

2.00:ポリマー1(Q)
1.00:ポリビニルホルムアミド
q.s.:香油
q.s.:PEG−40硬化ヒマシ油
0.10:保存剤
0.10:メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
0.10:PEG−14ジメチコン。
【0460】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。
【0461】
A16)コンディショニング毛髪ゲル、超強力

1.00:ポリマー1(Q)
0.50:ルビクアットホールド(ポリクオタニウム−46)
3.00:ルビスコールVA64(VP/VAコポリマー)
0.50:パンテノール
0.50:ジメチコノール(DC−193、ダウ・コーニング)
0.10:EDTA
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0462】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。次に、15分間攪拌する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有するコンディショニング毛髪ゲルが得られる。
【0463】
A17)ゲル流体

3.00:コリコート(Kollicoat;登録商標)IR(BASF)
q.s.:保存剤
2.00:ポリマー1(Q)
1.00:ヒドロキシプロピルグアー
5.00:アルコール
0.20:ナイアシンアミド
0.50:パンテノール
0.50:ジメチコンコポリオール
0.20:アモジメチコン。
【0464】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。次に、15分間攪拌する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有するゲル流体が得られる。
【0465】
A18)ヘアプディング

3.00:コリコートIR
q.s.:保存剤
2.00:ルビセット・クリア
1.00:ポリマー1(Q)
0.50:ジメチコンコポリオール
0.10:EDTA
0.20:ベンゾフェノン−4
100まで:水。
【0466】
調製:均質混合物が得られるまで、全ての成分を混和する。次に、15分間攪拌する。この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有するヘアプディングが得られる。
【0467】
A19)供給者のINCI名での「ウェット・ルック(WetLook)」スタイリングゲル%

0.80:ポリマー1(Q)
39.20:脱塩水、アクア
q.s.:クレモフォール(登録商標)CO40PEG−40硬化ヒマシ油
q.s.:香料
55.04:脱塩水、アクア
4.00:ルビスコール(登録商標)K90PVP
q.s.:保存剤。
【0468】
この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する「ウェット・ルック」スタイリングゲルが得られる。
【0469】
A20)毛髪ゲル、スーパースタイル、超強力成分 供給者INCI名


59.40:脱塩水 アクア
10.00:ルビスコール(登録商標)K90溶液 PVP
8.00:ルビスコール(登録商標)VA64W VP/VAコポリマー
5.00:カリオン(Karion)F液 ソルビトール
0.10: エデタ(Edeta;登録商標)BD(1) EDTA・2ナトリウム
q.s.:香料
q.s.:クレモフォール(登録商標)CO40 PEG−40硬化ヒマシ油
0.05:ユビヌル(Uvinul;登録商標)MS40 ベンゾフェノン−4
q.s.:保存剤
10.00:エタノール96% アルコール
6.37:脱塩水 アクア

0.30:ポリマー1(Q)。
【0470】
この例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する毛髪ゲル、スーパースタイル、超強力が得られる。
【0471】
A21)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
1.0:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0472】
A22)毛髪セッティングゲル

0.3:ポリマー1(Q)
1.0:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0473】
A23)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
1.5:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0474】
A24)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
2:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0475】
A25)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
2.5:ルビスコール(商標名)K90
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0476】
A26)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
1:ルビスコール(商標名)K90
2:ルビスコール(商標名)K30
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0477】
A27)毛髪セッティングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
2:ルビスコール(商標名)K90
1:ルビスコール(商標名)VA64
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0478】
A28)毛髪セッティングゲル

2:ポリマー1(Q)
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0479】
これらの例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する毛髪セッティングゲルが得られる。
【0480】
A29)毛髪コンディショニングゲル

1:ポリマー1(Q)
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0481】
A30)毛髪コンディショニングゲル

1.5:ポリマー1(Q)
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0482】
A31)毛髪コンディショニングゲル

0.5:ポリマー1(Q)
0.20:パンテノール
q.s.:香油
q.s.:保存剤
100まで:水。
【0483】
これらの例を、実施例1〜54および2(Q)〜54(Q)のポリマーで繰り返す。各場合で、非常に良好な特性を有する毛髪コンディショニングゲルが得られる。
【0484】
II)皮膚化粧品調製物
【表11】

【0485】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0486】
ゲルクリーム
【表12】

【0487】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0488】
O/W日焼け止め製剤
【表13】


【0489】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0490】
ヒドロ分散液
【表14】

【0491】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0492】
W/O日焼け止め製剤
【表15】


【0493】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0494】
固体−安定化乳濁液
【表16】


【0495】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0496】
スティック
【表17】

【0497】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0498】
PIT乳濁液
【表18】


【0499】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0500】
化粧用アフターサン製剤
【表19】

【0501】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0502】
装飾化粧品用の化粧品製剤
【表20】

【0503】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0504】
ピーリングクリーム、O/W型
相A
3.00:セテアレス−6
1.50:セテアレス−25
3.00:ステアリン酸グリセリル
5.00:セテアリルアルコール、硫酸ナトリウムセテアリル
6.00:オクタン酸セテアリル
6.00:鉱油
0.20:ビサボロール
相B
2.00:プロピレングリコール
0.10:EDTA二ナトリウム
1.50:ポリマー1(Q)
q.s.:保存剤
59.70:蒸留水
相C
0.50:酢酸トコフェリル
q.s.:香油
相D
10.00:ポリエチレン。
【0505】
調製
相AおよびBを別個に加熱して約80℃とする。相Bを相Aに攪拌しながら入れ、均質化する。冷却して約40℃とし、相Cを加え、再度簡単に均質化する。次に、相Dを攪拌しながら加える。
【0506】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0507】
リップケアクリーム
相A
10.00:オクタン酸セテアリル
5.00:ポリブテン
1.40:ポリマー1(Q)
相C
2.00:セテアレス−6
2.00:セテアレス−25
2.00:ステアリン酸グリセリル
2.00:セチルアルコール
1.00:ジメチコン
1.00:ベンゾフェノン−3
0.20:ビサボロール
6.00:鉱油
相D
3.00:パンテノール
3.00:プロピレングリコール
q.s.:保存剤
54.00:蒸留水
相E
0.10:トリエタノールアミン
相F
0.50:酢酸トコフェリル
0.10:トコフェロール
q.s.:香油。
【0508】
調製
相Aを溶かし、均質化する。相Cを加え、80℃で溶融させる。相Dを加熱して80℃とする。相Dを相ABCに加え、均質化する。冷却して約40℃とし、相Eおよび相Fを加え、再度均質化する。
【0509】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0510】
化粧品O/W製剤
【表21】

【0511】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0512】
化粧品W/O製剤
【表22】

【0513】
同様の調製物が、ポリマー1〜54および4級化誘導体2(Q)〜54(Q)を用いても調製される。
【0514】
ゲル形成の測定
【0515】
濃度0.5重量%の水溶液の調製およびそれに続く20rpmでブルックフィールド粘度計を用いた粘度の測定
【表23】

【0516】
医薬的に使用可能なゲルの調製
【0517】
インドメタシンゲル
インドメタシン:1重量%
クレモフォールRH40:10重量%
ポリマー27(Q):1重量%
脱塩水:88重量%。
【0518】
調製物を得るため、ポリマーを相当する量の水中で2時間膨潤させる。有効成分であるインドメタシンを、緩やかに加熱しながらクレモフォール(登録商標)RH40(硬化ヒマシ油1モルとエチレンオキサイド45モルの反応生成物)に溶かした。膨潤ポリマーのpHを、ポリマー27(Q)の場合には1M塩酸で、カルボポール971Pの場合には1M水酸化ナトリウム溶液でpH5.5に調節し、有効成分含有混合物を加えた。
【0519】
粘度を22℃および20rpm(ブルックフィールド粘度計)で測定した。
【表24】

【0520】
イブプロフェンゲル
イブプロフェン:5重量%
エタノール96%:10重量%
プロピレングリコール:20重量%
ポリマー27(Q):1重量%
脱塩水:64重量%。
【0521】
調製物を得るため、ポリマーを相当する量の水中で2時間膨潤させる。有効成分であるイブプロフェンを、エタノールおよびプロピレングリコールの混合物に溶かした。膨潤ポリマーを、1Mの塩酸または水酸化ナトリウム溶液でpH5.5に調節し、有効成分含有混合物と混合した。
【0522】
粘度を22℃および20rpm(ブルックフィールド粘度計)で測定した。
【表25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系、アルコール系または水/アルコール系組成物のレオロジーを調整するための、
a)99.99〜10重量%の、1分子当たり少なくとも1個のカチオン発生性および/またはカチオン性基を有する少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和化合物、
b)0〜90重量%の、a)とは異なる少なくとも1種のモノエチレン性不飽和アミド基含有化合物、
c)0.01〜5重量%の架橋剤、
d)0〜15重量%の、置換されていても良いC〜C30−アルキル、C〜C30−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびヘタリールからなる群から選択される少なくとも1種の基を有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和化合物d1)、および/または成分d)の反応性半製品d2)、
e)0〜30重量%の、a)〜d)とは異なる別のモノエチレン性不飽和化合物
(ただし、成分a)〜e)の量は合計で100重量%である)
を含む混合物の、
f)成分a)〜e)の合計に基づいて0〜70重量%のポリエーテル含有化合物の存在下での重合によって得ることができる水溶性もしくは水分散性ポリマーの使用であって、
前記重合が、重合時に存在する全ての成分の総量に基づいて69重量%未満のシクロヘキサンおよび12重量%未満の水の存在下で、且つ超臨界二酸化炭素の非存在下で行われる上記使用。
【請求項2】
a)が、
ai)α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸の、アミン窒素上でモノもしくはジアルキル化されていても良いアミノアルコールとのエステル、
aii)α,β−エチレン性不飽和モノおよびジカルボン酸の、少なくとも1種の1級もしくは2級アミノ基を有するジアミンとのアミド、
aiii)N,N−ジアリルアミン、
aiv)ビニルおよびアリル置換窒素複素環、
av)ビニルおよびアリル置換ヘテロ芳香族化合物ならびに
avi)それらの混合物
から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項3】
a)が、aiv)、特にはR〜Rが水素、C〜C−アルキルまたはフェニルである一般式(I)
【化1】

のビニルイミダゾール類から選択される請求項2に記載の使用。
【請求項4】
〜Rが水素である請求項3に記載の使用。
【請求項5】
少なくとも一種の別の成分b)が、下記一般式IV
【化2】

[式中、
は、式CH=CR−の基であり;R=HまたはC〜C−アルキルであり、RおよびRは互いに独立に、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであるか、RとRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、5〜8員の窒素複素環であり、あるいは
は式CH=CR−の基であり、RおよびRが互いに独立にH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであるか、RおよびRがそれらが結合しているアミド基とともに5〜8個の環原子を有するラクタムである]
のα,β−エチレン性不飽和アミド基含有化合物から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
式IVにおいて、RがCH=CH−であり、RおよびRがそれらが結合しているアミド基とともに5個の環原子を有するラクタムである請求項5に記載の使用。
【請求項7】
ポリエーテル含有成分f)として、下記一般式VaまたはVb
【化3】

[式中、
は、ヒドロキシ、アミノ、C〜C24−アルコキシ、R13−COO−、R13−NH−COO−または多価アルコール基であり、
、RおよびR10は互いに独立に、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CH)−、−CH−CH(CH−CH)−、または−CH−CHOR14−CH−であり、
11は、水素、アミノ−C〜C−アルキル、C〜C24−アルキル、R13−C(=O)−またはR13−NH−C(=O)−であり、
12は、炭素鎖が1〜10個の隣接しない酸素原子によって中断されていても良いC〜C20−アルキレン基であり、
13は、C〜C24−アルキルであり、
14は、水素、C〜C24−アルキルまたはR13−CO−であり、
Aは、−C(=O)−O−、−C(=O)−B−C(=O)−O−または−C(=O)−NH−B−NH−C(=O)−O−であり、
Bは、−(CH−、所望に応じて置換されたシクロアルキレン、所望に応じて置換されたヘテロシクロアルキレンまたは所望に応じて置換されたアリーレンであり、
nは1であるか、Rが多価アルコール基の場合は1〜8であり、
sは、0〜500、好ましくは0〜100であり、
tは、1〜12、好ましくは2〜6であり、
uは、他のものとは独立に各場合で、1〜5000、好ましくは1〜1000であり、
vは、他のものとは独立に各場合で、0〜5000、好ましくは1〜1000であり、
wは、他のものとは独立に各場合で、0〜5000、好ましくは1〜1000である]
の化合物を用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
ポリエーテル含有成分f)として、一方または両方の末端がキャッピングされていても良い1000〜100000、好ましくは5000〜50000g/molの範囲の重量平均分子量Mを有するエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドのホモポリマーおよびコポリマーを用いる請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ポリエーテル含有成分f)が、重合中に、成分a)〜e)の総量に基づいて5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲の量で存在する請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
架橋剤c)が、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩類;エチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセリンのアクリル酸エステル;またはエチレンオキサイドおよび/またはエピクロルヒドリンと反応させたグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセリンのアクリル酸エステルからなる群から選択される請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
重合される混合物が0.05〜2重量%の架橋剤c)を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
化合物d)が、(メタ)アクリル酸C18〜C30−アルキル類およびC18〜C30−アルキルビニルエーテル類からなる群から選択される請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
非プロトン化もしくは部分的にのみプロトン化された、または4級化されたモノマーを重合用の成分a)として用いる場合、重合の後または重合中に、ポリマーが部分的もしくは完全にプロトン化されているか、20〜99mol%の範囲で4級化されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項15】
請求項14に記載の少なくとも一種のポリマーを含む化粧用もしくは医薬組成物。
【請求項16】
請求項14に記載の少なくとも一種のポリマーを0.01〜20重量%の範囲の量で含む請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも一種のポリマー、特には共重合された形態でN−ビニルラクタムを含むポリマーをも含む請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
組成物がゲル、特には毛髪ゲルである請求項15〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
本質的に無水のアルコールベースである請求項15〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
組成物が局所医薬用途のためのゲルまたはクリームである請求項15〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
本質的に水ベースである請求項15〜17および20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
本質的にアルコールベースである請求項15〜17および20のいずれか1項に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−535954(P2008−535954A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501321(P2008−501321)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060802
【国際公開番号】WO2006/097514
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】