説明

水素のないスパッタされた窒化物を用いた、広いバンドギャップに基づいた半導体デバイスの不動態化

不動態化された半導体構造と関連する方法が開示される。該構造は、炭化珪素基板または層と、炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、炭化珪素基板の上の酸化層と、寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、熱酸化層の上の第1のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化することなく基板(およびその上のデバイス)からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、該第1の層の上の第2のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化し、不動態化層の水素障壁特性を高める、第2のスパッタされた層の上のスパッタされた化学量論的な窒化珪素層と、カプセル化層の上の、ステップカバレージおよび亀裂防止のための、化学量論的な窒化珪素層の化学蒸着された環境障壁層とを含む不動態化された半導体構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化珪素およびIII族の窒化物のような広いバンドギャップの材料において形成される半導体構造およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの性能は、本質的に、半導体デバイスが作成される半導体材料の本来の特性、およびこれらの材料が有用なデバイス構造に組み込まれ得る程度に依存する。半導体デバイスはまた、様々な半導体材料が形成され、互いに対して配置される方法に依存する。
【0003】
半導体材料の特性の1つは、バンドギャップ、すなわち、電子の価電子帯と伝導帯との間のエネルギー差である。材料のバンドギャップのサイズは、デバイスの構造および性能についての基本的な限界−またはデバイスの構造および性能に対する可能性−を提供する。
【0004】
一例として、マイクロ波のシステム−マイクロ波のシステムの一般的な例としては、セルラー通信システムを含む−は、通常、ソリッドステートのトランジスタを増幅器および発振器として使用する。このようなシステムは、加入者と、所望される(または必要とされる)最大出力が増えているので、動作周波数および電力を増加させることに関する関心が、それに応じて大きくなっている。より高い周波数の信号は、より多くの情報(帯域幅)を運び、非常に高い利得を有する小さいアンテナを可能にし、レーダーのようなシステムに改善された解像度を提供し得る。より大きいバンドギャップはより広い帯域幅の信号を収容し得るので、炭化珪素(SiC)およびIII族(Ga、Al、In)の窒化物のような広い帯域幅の材料は、高周波数のデバイスのための、重要な関心の材料であり、かつ重要な関心の材料であり続ける。
【0005】
より高いバンドギャップの材料はまた、(より小さいバンドギャップの材料から作成される同様な構造と比較して)より高い電力性能のためのポテンシャルと、より高い周波数の光、例えば、電磁スペクトルの緑、青、紫、および紫外線の部分を発するためのポテンシャルを供給する。
【0006】
炭化珪素から製造されるデバイスは、一般的に、デバイスの露出したSiC面を保護するため、または他の理由もしくは両方のために、SiOのような酸化物層を用いて不動態化される。しかしながら、SiCとSiOの間のインターフェースは、電子の高い表面移動性を獲得するには不充分であり得る。より詳細には、SiCとSiOの間のインターフェースは、従来的には、高密度のインターフェースの状態を示し、該高密度のインターフェースの状態は表面の電子の移動性を低減させ、キャリアトラップを導入し、次に、該キャリアトラップは、(限定するものではないが)金属酸化物半導体の電界効果トランジスタ(MOSFET)のようなデバイスの所望の性能特性を低減させる。
【0007】
従って、様々な状況において、酸化層を含む半導体デバイスを包含する半導体デバイスはまた、窒化珪素の1つ以上の層を組み込み、結果としての電子特性を改善する(特許文献1)。窒化珪素はまた、酸化物が提供できない、またはデバイスが酸化物層を含むか否かに関わらず、環境がデバイスの構造および動作を劣化させることを可能としない環境障壁を提供する。環境障壁として窒化珪素が二酸化珪素よりも好ましい。なぜならば、窒化珪素はデバイスを覆うより良好な密閉を形成し、水のような汚染物質が、デバイスのエピタキシャル層に到達すること、および劣化を引き起こすことを防止するからである。窒化珪素はまた、LEDの中で生成された光を伝える層を形成するために使用され得る。
【0008】
高密度な窒化珪素の構造は、酸化物構造において見られるオープンチャネルを提供せず、従って、窒化物は、電子機器において障壁材料として広く利用されている。特に、水素は、密度を高められた窒化物フィルムにおいてゆっくりと拡散し、他の小さい陽イオン(NaまたはK)は、薄い窒化物層によって効果的に遮断される。酸素は窒化物を通って非常にゆっくりと拡散するので、蒸着された窒化物は、下にある珪素の酸化を防止し得る。
【0009】
しかしながら、化学蒸着(多くの場合に、プラズマ強化化学蒸着「PECVD」)を使用して蒸着された窒化物は、ほぼ必ず水素を含み、一般的には、類似の酸化物フィルムよりも非常に多く含む。水素源は、シランの前駆体であり、多くのCVDスキームにおいて利用されるアンモニアでもある。無定形であるが拘束されているフィルム、例えば、窒化珪素は、原子が各珪素および窒素の原子の原子価を満たす位置を占めることを妨げ得る。従って、多くの壊れた結合が存在する傾向にある。これらの結合は水素原子によってすぐに占められる。従って、従来のプラズマ窒化物は、SiおよびN原子の両方に結合される20原子百分率ほどの水素を有し得、高温の焼きなましの後でさえも、熱窒化物(thermal nitrides)はやはり数原子百分率の水素を有する。
【0010】
さらに、水素は、GaNに基づく半導体におけるMg受容体を不動態化し得る。正確なメカニズムは完全には理解されていないが、窒化珪素が200℃を超える蒸着温度においてPECVDによって蒸着された場合に、フィルム内の水素は、薄いオーム接点または他の層を通って、近くのIII族の窒化物層の中に拡散し得、該III族の窒化物層が表面領域付近で不動態化されることをもたらす。つまり、表面付近の領域において、かなりの数の受容体イオンは、フィルム内への水素の導入によって中性にされる。従って、オーム接点と窒化物材料との間のインターフェースは劣化され、接点の金属は理想的なオーム特性を示さない。これは、デバイス内の順方向電圧の増加となり得る(V劣化)。本質的に、金属とIII族の窒化物接点層との間インターフェースが、オーム接点の代わりにショットキー接点を形成するかのように、デバイスは作用する。
【0011】
窒化物不動態化層は多くの場合に酸化物層と共に使用されるので、水素は酸化物層に移動し得る。次に、SiCの上の酸化物フィルム内の水素は、インターフェースのフェルミ準位を変更し、表面蓄積の状態を促進するように現される。何らかの結果としての蓄積層は電荷層を生成し、該電荷層はデバイスの容量を変更し、フィルム内の水素の移動性によってもたらされる長期的な定数を有するドリフトを示す。
【0012】
従って、酸化物と窒化物の層は特定の利点を供給するが、酸化物と窒化物の層はまた、デバイスの性能を制限および劣化し得る特定の問題をもたらす。
【特許文献1】米国特許第6,246,076号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
一局面において、本発明は、炭化珪素基板または層と、炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、炭化珪素基板の上の酸化層と、寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、熱酸化層の上の第1のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化することなく基板(およびその上のデバイス)からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、該第1の層の上の第2のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化し、不動態化層の水素障壁特性を高める、第2のスパッタされた層の上のスパッタされた化学量論的な窒化珪素層と、カプセル化層の上の、ステップカバレージおよび亀裂防止のための、化学量論的な窒化珪素層の化学蒸着された環境障壁層とを備えている不動態化された半導体構造である。
【0014】
別の局面において、本発明は、(基板を含む)III族の窒化物層と、寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、III族の窒化物層の上の第1の不動態化構造と、構造をカプセル化し、環境障壁を提供する、第1の不動態化層の上の第2の不動態化層とを備える不動態化された半導体構造であり、該第1の不動態化構造は、窒化珪素、窒化アルミニウム、珪素の酸窒化物、およびアルミニウムの酸窒化物から選択される非化学量論的な窒化物の少なくとも1つのスパッタされた層と、構造を完全にカプセル化することなくIII族の窒化物層からさらに遠くに不動態化層を配置する、窒化珪素の少なくとも1つの化学蒸着された層とを備えており、第2不動態化層は化学量論的な環境障壁を備えている。
【0015】
別の局面において、本発明は、第1の導電タイプを有する炭化珪素基板と、その反対の導電タイプを有し、その間にチャネルを定義する、基板におけるそれぞれのソースおよびドレイン領域と、炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、基板の上のソースとドレインとの間の熱酸化物層と、熱酸化物層の上のゲート接点と、寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化し、基板からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、熱酸化物層の上の、非化学量論的な窒化珪素によって形成される第1の不動態化構造と、デバイスに対する環境障壁を提供する、第1の不動態化層の上の、化学量論的な窒化珪素によって形成される第2の不動態化構造とを備えている絶縁された半導体デバイスである。
【0016】
別の局面において、本発明は、炭化珪素基板と、炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、炭化珪素基板の上の熱酸化層と、寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、熱酸化層の上の第1の実質的に水素を含まない非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化することなく基板(およびその上のデバイス)からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、該第1の層の上の、第2の実質的に水素を含まない非化学量論的な窒化珪素層と、構造をカプセル化し、不動態化層の水素障壁特性を高める、第2の実質的に水素を含まない層の上の実質的に水素を含まない化学量論的な窒化珪素層と、ステップカバレージおよび亀裂防止のための、化学量論的な窒化珪素層の環境障壁層とを備えている不動態化された半導体構造である。
【0017】
さらに別の局面において、本発明は、広いバンドギャップのデバイスを不動態化する方法であり、該方法は、酸化物層の上に非化学量論的な窒化物層をスパッタ蒸着することと、化学蒸着によって、化学量論的な窒化珪素の環境障壁層を蒸着することとを包含する。
【0018】
さらに別の局面において、本発明は、広いバンドギャップのデバイスを不動態化する方法であり、該方法は、III族の窒化物半導体材料の層の上に、窒化珪素および窒化アルミニウムから成る群から選択される非化学量論的な窒化物層をスパッタ蒸着することと、スパッタ蒸着された層の上に、化学蒸着によって、化学量論的な窒化珪素の環境障壁層を蒸着することとを包含する。
【0019】
本発明の上記および他の目的および利点、ならびに同じ結果が達成される方法は、添付の図面と共に取り上げられる以下の詳細な記述に基づいて明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、不動態化半導体構造、および結果としての不動態化半導体デバイスである。一局面において、本発明は二部分構造と概ね考えられ得、該二部分構造において、窒化珪素の化学蒸着された不動態化層が、先にスパッタ蒸着された窒化珪素の層をカプセル化する。スパッタ層は不動態化の利益の一部を提供し、化学蒸着された層は優れた環境障壁を提供する。
【0021】
別の局面において、本発明は、非化学量論的な窒化珪素の層の上に蒸着される化学量論的な窒化珪素の層で形成される二部分構造である。非化学量論的な層は、構造または結果としてのデバイスの電子的特性を高め、化学量論的な層は優れた環境障壁を提供する。
【0022】
図1は断面概略図の様式で概略的に10で示される半導体構造を示す。この実施形態において、構造は炭化珪素基板(または層)11を含み、炭化珪素基板11の上に酸化層12、一般的には、二酸化珪素の熱生成層を有する。用語「基板」は、限定というよりも炭化珪素部分11の記述および例示であるということが理解される。従って、炭化珪素基板11はウエハまたはウエハの先駆物質であり得るか、または他の支持構造(図示せず)の上に配置された機能層であり得る。
【0023】
熱酸化層12は、炭化珪素基板11と熱酸化層12との間のインターフェース密度を下げ、その結果、構造10から形成される、または構造10を組み込む結果としてのデバイスの動作を高める。
【0024】
図1に例示された実施形態は、スパッタ窒化珪素部分13と、窒化珪素のプラズマ強化化学蒸着(PECVD)層14を示す。本発明はこのように概ね記述され得るが、さらなる利点が図2に概略的に例示されている。
【0025】
図2は概略的に15で示される構造を示す。構造15はやはり炭化窒素基板11と熱酸化物12を含む。
【0026】
本明細書において使用される場合に、かつ、半導体分野において一般的に使用されるように、過去時制の用語、例えば、「酸化された」、「スパッタされた」、および「化学蒸着された」は形容詞および動詞として使用されるということが理解される。従って、それらの用語は当該分野において充分に理解されている構造を記述しており、本明細書において、それらの使用から成る文脈は明確となる。同様に、一部の実施形態において、単数形の用語「層」は複数の層を含み得、このような使用は、同様に、文章にされるときに明確となる。
【0027】
図2において、第1の非化学量論的な層16は、寄生容量を減少しかつデバイスのトラッピングを最小化するために、熱酸化層12の上にある。第2のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層17は、基板11からさらに遠くに次の不動態化層を配置するために、第1の層16の上にあるが、構造15を完全にはカプセル化しない。スパッタされた化学量論的な窒化珪素層20は、構造15を最初にカプセル化し、不動態化層の水素障壁特性を高めるために、第2のスパッタされた不動態化層17の上にある。化学蒸着された環境障壁層は、やはり14とラベル付けされており、デバイスを覆うことによりステップカバレージおよび亀裂防止を提供する。
【0028】
幾分より詳細には、熱酸化層12は化学量論的な二酸化珪素(SiO)であり、例示的な実施形態において約100〜500オングストローム(Å)の間の厚さを有する。これは、(窒化物のみの不動態化と異なり)酸化物の電気的な利点を提供する充分な厚さであるが、さらなる製造上の問題をもたらす厚さを下回っている。
【0029】
本明細書の別の箇所で述べられているように、スパッタリングの特質は、実質的に水素のない窒化珪素層を提供することである。従って、層16、17および20は、有利なことに、実質的に水素がない。
【0030】
最初の2つのスパッタ層16および17は窒素が豊富であることが好ましい。当該分野において充分に理解されているように、(非化学量論的な組成物において)珪素または窒素の比率は屈折率によって決定され得、該屈折率は形成された窒化珪素のフィルムの組成のインジケータである。実質的に化学量論的な組成を有する窒化珪素のフィルムは、6328Åで測定された2.02の屈折率を有する。
【0031】
珪素が豊富な窒化物は、3:4(すなわち、化学量論的な窒化珪素はSiである)を上回る窒素対珪素の原子比率を有する。一般的な珪素の豊富な窒化物は6328Åで測定された2.02を上回る屈折率を有し、窒素が豊富なSiNフィルムは6328Åで測定された2.02を下回る屈折率を有する。
【0032】
従って、例示的な実施形態において、非化学量論的なスパッタ窒化珪素層16および17のそれぞれは、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する。
【0033】
炭化珪素基板は、多くの場合には、単結晶であり、かつ、珪素基板の3C、4H、6Hおよび15Rのポリタイプから成る群から選択されるポリタイプを有する。
【0034】
スパッタリングの1つの目的は、本明細書の別の箇所で記述しているように、水素の存在を回避し、それにより水素の存在に関連する電子的な問題を回避することである。従って、図1および図2を参照に記述されたスパッタされた層はまた、水素のない層として理解され得る。言い換えると、スパッタリングは、水素のない不動態化層を生成するための1つの手法であるということである。しかしながら、本発明はまた、製造方法に関わらない、水素を含まない不動態化層であると理解され得る。
【0035】
図3および図4は、それぞれの例示的なデバイスの文脈で本発明を例示している。本発明は、例示されたデバイスまたは特定のファミリーのデバイスに限定されないが、当業者に良く知られた多種多様なデバイスに所望または必要に応じて組み込まれ得るということが理解され得る。
【0036】
図3は、概略的に22で示される炭化珪素に基づいたデバイスを例示している。該デバイスは、第1の導電タイプ(すなわち、n型またはp型)である炭化珪素基板23を含む。それぞれのソース領域24およびドレイン領域25が、基板23の中または基板23に隣接していずれかで形成され、その間にチャネル領域26を規定する。デバイス22は、先に記述されたような熱酸化層27、ならびにソース30およびドレイン31へのそれぞれのオーム接点およびゲート接点として32を含む。本発明の特質は、限定するものではないが、主に不動態化構造に重点を置いているので、当業者にはまた充分に理解されているデバイス22の動作は、本明細書には詳細には記述されない。半導体デバイスに対する例示的な参照は、DorfによるThe Electrical Engineering Handbook、第2版(CRC Press、1997年)、39章、特に994〜996ページ、およびSzeによるPhysics of Semiconductor Devices、第2版(John Wiley & Sons、Inc.1981年)を含む。
【0037】
オームおよびゲート接点のための材料は、複数の金属または高導電性の半導体から選択され得ることと、これは当業者による過度な実験をすることなく達成され得ることが同様に理解される。
【0038】
非化学量論的な窒化珪素で形成された第1の不動態化構造は熱酸化物27の上にある。第1の不動態化構造は、寄生容量を減少させ、デバイスのトラッピングを最小化し、チャネル26からさらに遠くに次の不動態化層を配置する。例示された実施形態において、第1の不動態化構造は、スパッタされた非化学量論的な窒化珪素の2つの層33および34を熱酸化層27の上に備えている。
【0039】
例示された実施形態において、第2の不動態化構造は、第1の不動態化構造、特に、層34の上に窒化珪素のスパッタ蒸着された層35と、スパッタ蒸着された層35の上に窒化珪素の化学蒸着された層36とを備えている。例示的な実施形態において、層35および層36の両方が化学量論的な窒化珪素を含む。
【0040】
別の箇所で記されたように、スパッタされた層33および34は有利にも水素がなく、同様に、層35はまたスパッタされるので、層35は同様に実質的に水素がない。
【0041】
図4は、半導体としての窒化ガリウム(GaN)または窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)に基づいたデバイス40を例示している。デバイス40は窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウムの層41を含み、潜在的に、点線の長方形42で示されている追加の基板または基板およびバッファ構造を含む。窒化ガリウムのバルク結晶は、理論的には、基板およびバッファ構造42に対する必要性を排除し得るが、このタイプのほとんどのデバイスは、SiCまたはサファイアまたはその他の適切な材料の基板を含む。
【0042】
窒化アルミニウムガリウムは、0<x<1である場合、AlGa1−xNとして最良に表されることがさらに理解される。アルミニウムガリウムの原子分率は、意図された構造およびデバイスの動作に基づいて所望または必要に応じて選択され得る。
【0043】
デバイス40はソース領域43とドレイン領域44を含む。図4に例示された実施形態において、酸化物層は存在しておらず、これらの材料および構造に精通した当業者に公知であるように、窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウムのいずれも、半導体デバイスの製造に適した一般的な状況下では適切な酸化物を形成しない。同様に、オーム接点46および47はソース43およびドレイン44のそれぞれに対して作成される。
【0044】
デバイス40は第1のスパッタされた窒化珪素または窒化アルミニウム層50と、第2のスパッタされた窒化珪素層51を含み、これらは両方とも非化学量論的であり、水素がなく、約1.85〜約2.05の間の反射率を有し得る。カプセル化する化学量論的な窒化珪素層は、図4に52で例示されており、プラズマ強化化学蒸着層は53で例示され、他の実施形態においては、化学量論的となる。
【0045】
図5は、米国特許第6,586,781号で述べられたスパッタリングシステムと同様なスパッタリングシステム60の概略図である。スパッタ層が意図されている基板は、チャンバ63内の電極(アノード)62の上に61で示されている。チャンバ63内の圧力は、一般的には、真空ポンプ59を使用して低下され、所望の気体または複数の気体(一般的には、不活性または希の気体、例えば、アルゴン)が通路64を通ってチャンバ63に加えられ、かつ、バルブ65によって制御される。充分な電圧が(概略的に67で示されているような)電極間に印加されるときに、気体の分子はイオン化され、(この場合)珪素ターゲット66に衝突するように加速し、該珪素ターゲット66はまたカソードとして作用する。衝突する気体のイオンは、珪素イオンまたは原子72を射出し、次に、該珪素イオンまたは原子72は、小さい円68で示されているように、基板61の上に蒸着する。
【0046】
スパッタリングデバイスの特質および動作は当該分野において充分に理解されており、従って、さらに詳細には記述されない。同様に、適切なスパッタリング機器は市販により取得され得、過度な実験をすることなく当業者によって動作され得る。
【0047】
(方法)
別の局面において、本発明は、炭化珪素の構造およびデバイスと、III族の窒化物に基づいた構造およびデバイスを不動態化する方法である。この局面において、本発明は、炭化珪素基板を熱酸化することと、窒素酸化物(NO)における熱酸化物を焼きなますことと、酸化物層の上に非化学量論的な窒化珪素層をスパッタ蒸着することと、化学蒸着によって、一部の例示的な場合には、プラズマ強化化学蒸着によって、化学量論的な窒化珪素(Si)の環境障壁を蒸着することとを包含する方法である。例示的な焼きなまし技術は、LipkinによるNO Processing Improves the 4H−SiC:SiO Interface;MATERIALS SCIENCE FORUM、Volumes 389−393(2002)、p.985−88、およびDmitrijevによるImproving SiO Grown on P−type 4H−SiC by NO Annealing、MATERIALS SCIENCE FORUM、Volumes 264−268(1998)、p.869−72に述べられている。
【0048】
実施例のセクションで述べられるように、例示的な実施形態において、スパッタリングは、実質的に水素を含まない環境において珪素ターゲットを使用して実行され、該環境はアルゴン(Ar)と窒素(N)を混合し得る。本方法は、変調された直流(DC)電源を用いてスパッタリングすることにより、絶縁粒子を排出し、同時にアーク放電することを回避することを含み得る。
【0049】
スパッタリングは室温または基板の高い温度で実行され得る。スパッタリングが基板の高い温度で実行される場合には、デバイスの残りの部分に不利益に影響する温度を超過することを回避するように、スパッタリングは実行されるべきである。基板の温度は不利益な影響を伴わずに約350℃〜450℃の間に上げられ得る。基板の温度および気体の圧力は一般的に相関するので、それに従って制御される。
【0050】
本方法は、窒素の豊富な環境でスパッタリングし非化学量論的な窒化珪素を提供することを包含し得る。しかしながら、環境障壁は、非化学量論的な窒化珪素の層と比較してより良好な環境障壁特性を有することにより、一般的に化学量論的な窒化珪素で形成される。
【0051】
イオン衝撃は、基板によってバイアスされた無線周波数を適用すること、またはスパッタリングステップの間の環境圧力を低下させることによって高められ得る。
【0052】
本方法はIII族の窒化物に基づいたデバイスに対しても実質的に同じ方法で実行され得るが、熱酸化物は含まれず、窒化珪素がIII族の窒化物のデバイスまたは構造に直接的にスパッタされる点で異なる。
【実施例】
【0053】
(SiCデバイス)
デバイスで使用される不動態化は第1および第2の不動態化から成る。第1の不動態化の役割は表面の状態を満足させ、インターフェース密度を減少させることである。第2の不動態化の役割はデバイスをカプセル化し、環境的な影響からデバイスを保護することである。両方の不動態化はいくつかの異なる誘電層から成り得る。
【0054】
(第1の不動態化)
第1の不動態化は2つの誘電層から成る。100〜500Åの熱酸化物が1200℃で成長する。1〜5時間の1200℃でのNOの焼きなましによるフィルムの成長が続く。酸化とそれに続く焼きなましがインターフェース密度を低下させる。
【0055】
1000〜2000ÅのSiN層が熱酸化物の上に直接的に蒸着され得、それに続き、オーム接点とゲートが形成される。あるいは、オーム接点は酸化の後に形成され得、次に、スパッタされたSiNが蒸着され、ゲートが形成され得る。いずれかの場合において、約1000Åの不動態化層がTトップゲートに先立ち蒸着されることにより、ゲートの金属を表面から離れるように動かし、寄生容量を減少させる。
【0056】
上記のように、スパッタされたSiNは、熱酸化物層の頂上部により従来的に使用されたPECVD SiNフィルムに置き換わる。SiターゲットがAr/N環境でスパッタされたときに、スパッタされたSiNフィルムは水素を含まない。スパッタされたSiNフィルムはフィルム内の水素と関連する問題を排除し得、かつ、排除する。まだ確認されていないが、他のスパッタされた絶縁窒化物フィルム(例えば、窒化アルミニウム、AIN)がまた同じ目的のために使用され得るということが予想される。
【0057】
Ar/Nにおいて窒化物フィルムに応答するようにスパッタリングするキーは、変調されたDC電源の使用であるように見える。電源はバイアス極性を定期的に(80〜150kHz、1000〜2000ns)反転させることにより、アーク放電することを回避しながらターゲットの上に蓄積する絶縁粒子を排出する。SiN不動態化は、室温または高い基板温度(350℃)で行われ得る。
【0058】
第1の不動態化におけるスパッタされたSiNフィルムは最小のデバイスのトラッピングのために最適化される。SiNフィルムの屈折率は、デバイスのトラッピングに対する重要な制御パラメータであることが分かった。1.85〜1.95の屈折率が最適であることが分かった。この非化学量論的なSiNフィルムは、最小の衝撃(14〜18sccmのNの流れ、および7〜10mTの処理圧力)を有する窒素の豊富な環境で蒸着される。このSiNフィルムは、デバイスの不動態化には最適であるが、良好なカプセル化とはならない。この問題が第2の不動態化で処理される。
【0059】
(第2の不動態化)
第2の不動態化はゲートとTトップが形成された後で追加される。第2の不動態化は3つの誘電層から成る。第1の2つの誘電層はスパッタされたSiNである。1000〜3000Åの第1のスパッタされたSiN層は、1.85〜1.95の範囲にある屈折率を有する窒素の豊富な層(14〜18sccmのNの流れ、および7〜10mTの処理圧力)である。このフィルムはデバイスのインターフェースから離れるように次の不動態化層を動かすが、まだカプセル化しない。第2のスパッタされたSiN層は、1000〜3000Åの厚さを有し、630nmで測定された2.04の屈折率を有する化学量論的な窒化物である。このフィルムは、より低い窒素の流れおよびより高い衝撃(12〜14sccmのNの流れ、および1〜3mTの処理圧力)で蒸着される。このフィルムのカプセル化特性は、より低い圧力を介した、またはウエハ上でRFバイアス(約0.5W/inch)を使用したいずれかのイオン衝撃によって改善される。スパッタされたSiNフィルムは良好なカプセル化を提供し、またデバイスのインターフェースからさらに離れるように第3の誘電層を動かす。
【0060】
しかしながら、第2のスパッタされたSiN層は、充分なステップカバレージを提供しないことがあり得る。これは第3の誘電層で処理される。2000〜5000ÅのPECVD SiN層は、SiH(2%、350sccm)、NH(4sccm)、N(200sccm)、He(90sccm)、圧力(1トル)、電力(25W)を使用して、スパッタされたSiN層の頂上部に蒸着される。PECVD SiN蒸着における重要なプロセスパラメータは基板の温度であり、基板のより高い温度はフィルムから水素を追い出す傾向にある。基板の温度はウエハ上に存在する他の基板が許す限り高く維持され、一般的には、約250℃〜450℃の間である。化学量論的なスパッタされたSiNフィルムは、PECVD蒸着の間に存在する水素に対する障壁を提供する。PECVDは優れたステップカバレージを有する最終的な環境カプセル化を提供する。
【0061】
(GaNデバイス)
GaNデバイスにおいて、第1の不動態化はTゲートが形成された後に蒸着される。GaNデバイスに対する第1の不動態化は2つの層から成る。スパッタされたSiNまたはAlNはGaN(一般的にはAlGaN)の頂上面に蒸着される。これにPECVD SiNが続く。
【0062】
顕著な特質はやはり、一般的な水素汚染されたPECVD窒化物フィルムをデバイスのインターフェースから離れるように動かし、それをスパッタされた窒化物フィルム(SiNまたはALN)に置き換えることである。このフィルムはまたSiまたはAlの酸窒化物であり得る。PECVD SiNフィルムはスパッタされた不動態化層の頂上部に蒸着される。PECVDフィルムはゲートの下で良好なステップカバレージを提供する。
【0063】
GaNデバイスの第2の不動態化は不動態化された窒化物またはPECVD窒化物もしくは両方の組み合わせを使用し得る。
【0064】
図面および明細書において本発明の好適な実施形態が述べられており、特定の用語が使用されているが、それらは、限定の目的ではなく、包括的かつ記述的な意味でのみ使用されており、本発明の範囲は特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明に従った半導体構造の断面概略図である。
【図2】図2は、本発明に従った構造の別の概略図である。
【図3】図3は、本発明を組み込む炭化珪素に基づいたデバイスの断面概略図である。
【図4】図4は、本発明を組み込むIII族の窒化物に基づいたデバイスの断面概略図である。
【図5】図5は、本発明と共に使用されるスパッタリングシステムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動態化された半導体構造であって、
炭化珪素およびIII族の窒化物から成る群から選択される基板と、
実質的に水素を含まない、スパッタされた窒化物、および非化学量論的な窒化物から成る群から選択される不動態化層と、
CVD蒸着された窒化物および化学量論的な窒化物から成る群から選択される環境障壁と
を備えている、不動態化された半導体構造。
【請求項2】
前記基板は炭化珪素であり、
前記不動態化された半導体構造は該炭化珪素基板の上に熱酸化層をさらに備え、該熱酸化層は該炭化珪素基板と該熱酸化層との間のインターフェース密度を下げ、前記不動態化層は、
寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、該熱酸化層の上の第1のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、
該構造をカプセル化することなく該基板からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、該第1の層の上の第2のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素層と、
該構造をカプセル化し、該不動態化層の水素障壁特性を高める、該第2のスパッタされた層の上のスパッタされた化学量論的な窒化珪素層と
を備えている、請求項1に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項3】
前記熱酸化層は、二酸化珪素であり、約100〜500オングストロームの間の厚さを有する、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項4】
前記第1の窒化珪素層は、約1000〜2000オングストロームの間の厚さである、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項5】
前記第1の窒化珪素は、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項6】
前記第2の窒化珪素層は、約1000〜3000オングストロームの間の厚さである、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項7】
前記第2の窒化珪素層は、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項8】
前記化学量論的なカプセル化層は、約1000〜3000オングストロームの間の厚さである、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項9】
前記環境障壁層は、約2000〜5000オングストロームの間の厚さである、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項10】
前記環境障壁層および前記カプセル化層の両方は、Siを含む、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項11】
前記炭化珪素基板は、珪素基板の3C、4H、6Hおよび15Rのポリタイプから成る群から選択されるポリタイプを有する単結晶である、請求項2に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項12】
前記基板はIII族の窒化物層であり、
前記不動態化層は、
窒化珪素、窒化アルミニウム、珪素の酸窒化物およびアルミニウムの酸窒化物から成る群から選択される非化学量論的な窒化物の少なくとも1つのスパッタされた層と、前記構造を完全にカプセル化することなく該III族の窒化物層からさらに遠くに該不動態化層を配置する、窒化珪素の少なくとも1つの化学蒸着された層と
を備えている、請求項1に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項13】
前記III族の窒化物層に対するゲート接点をさらに備えている、請求項12に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項14】
前記III族の窒化物層は第1の導電タイプを有しており、前記構造は、
該III族の窒化物層の残りの部分とは反対の導電タイプを有し、その間にチャネルを規定する、該III族の窒化物層におけるそれぞれのソース領域およびドレイン領域と、
該ソース領域およびドレイン領域に対するオーム接点と
をさらに備えている、請求項13に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項15】
前記III族の窒化物層は、窒化ガリウムおよび窒化アルミニウムガリウムから成る群から選択される、請求項12に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項16】
前記第2の不動態化構造は、窒化珪素のスパッタされた化学量論的な層と、窒化珪素の化学蒸着された化学量論的な層とを備えている、請求項12に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項17】
前記第1の不動態化構造は、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項12に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項18】
前記第1の不動態化構造における非化学量論的な窒化珪素の前記スパッタされた層は、約1000〜2000オングストロームの間の厚さであり、
該第1の不動態化構造における窒化珪素の前記化学蒸着された層は、約1000〜3000オングストロームの間の厚さであり、
前記第2の不動態化構造は約3000〜8000オングストロームの間の厚さである、請求項12に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項19】
請求項1に記載の前記構造を組み込む絶縁された半導体デバイスであって、該デバイスは、
第1の導電タイプを有する炭化珪素基板と、
反対の導電タイプを有し、その間にチャネルを定義する、該基板におけるそれぞれのソースおよびドレイン領域と、
該炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、該ソースとドレインとの間の該基板の上の該熱酸化物層と、
該熱酸化物層の上のゲート接点と、
寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化し、該基板からさらに次の不動態化層を配置するための、該熱酸化物層の上の、非化学量論的な窒化珪素で形成される第1の不動態化構造と、
該デバイスに対する環境障壁を提供する、該第1の不動態化層の上の、化学量論的な窒化珪素で形成される第2の不動態化構造と
を備えている、デバイス。
【請求項20】
前記ソース領域および前記ドレイン領域に対する導電性の接点をさらに備えている、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項21】
前記第1の不動態化構造は、前記熱酸化物層の上に2層のスパッタされた非化学量論的な窒化珪素を備えている、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項22】
前記第2の不動態化構造は、前記第1の不動態化構造の上に窒化珪素のスパッタ蒸着された層と、該スパッタ蒸着された層の上に窒化珪素の化学蒸着された層とを備えている、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項23】
前記第2の不動態化構造における前記層の両方はSiを含む、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項24】
前記第1の不動態化構造は、約2000〜5000オングストロームの間の厚さであり、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項25】
前記第2の不動態化構造は、約3000〜8000オングストロームの間の厚さであり、約2.04の屈折率を有する、請求項19に記載の絶縁された半導体デバイス。
【請求項26】
前記基板は炭化珪素であり、
前記不動態化層は
該炭化珪素基板と熱酸化層との間のインターフェース密度を下げる、該炭化珪素基板の上の該熱酸化層と、
寄生容量を減少し、デバイスのトラッピングを最小化する、該熱酸化層の上の第1の実質的に水素を含まない非化学量論的な窒化珪素層と、
前記構造をカプセル化することなく該基板からさらに遠くに次の不動態化層を配置する、該第1の層の上の第2の実質的に水素を含まない非化学量論的な窒化珪素層と、
該構造をカプセル化し、該不動態化層の水素障壁特性を高める、該第2の実質的に水素を含まない層の上の、実質的に水素を含まない化学量論的な窒化珪素層と
を備えている、請求項1に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項27】
前記第1および第2の実質的に水素を含まない化学量論的な窒化珪素層は、スパッタ蒸着された層である、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項28】
前記実質的に水素を含まない化学量論的な窒化珪素層は、スパッタされた層を備えている、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項29】
化学量論的な窒化珪素の前記環境障壁層は、化学蒸着された層を備えている、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項30】
前記第1の窒化珪素層は、約1000〜2000オングストロームの間の厚さであり、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項31】
前記第2の窒化珪素層は、約1000〜3000オングストロームの間の厚さであり、約1.85〜1.95の間の屈折率を有する、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項32】
前記化学量論的なカプセル化層は、約1000〜3000オングストロームの間の厚さである、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項33】
前記炭化珪素基板は、珪素基板の3C、4H、6Hおよび15Rのポリタイプから成る群から選択されるポリタイプを有する単結晶である、請求項26に記載の不動態化された半導体構造。
【請求項34】
広いバンドギャップのデバイスを不動態化する方法であって、該方法は、
炭化珪素およびIII族の窒化物から成る群から選択される半導体材料の層の上に、窒化珪素および窒化アルミニウムから成る群から選択される非化学量論的な窒化物層をスパッタ蒸着することと、
該スパッタ蒸着された層の上に化学蒸着によって、化学量論的な窒化珪素の環境障壁層を蒸着することと
を包含する、方法。
【請求項35】
実質的に水素を含まない環境において珪素ターゲットをスパッタリングすることを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
アルゴンおよび窒素の環境において前記珪素ターゲットをスパッタリングすることを包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
変調された直流電源を用いてスパッタリングすることにより、アーク放電することを回避しながら絶縁粒子を排出する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
室温でスパッタリングすることを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記基板の温度を上げている間にスパッタリングし、同時に、デバイスの残りの部分に不利益に影響する温度を超過することを回避することを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記基板の温度を約350℃〜450℃の間に上げることを包含する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
窒素の豊富な環境においてスパッタリングし、非化学量論的な窒化珪素を提供することを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記環境障壁層を蒸着するステップは、少なくとも1つの化学量論的な窒化珪素層をスパッタ蒸着することをさらに包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記スパッタリングするステップの間に、前記基板に対して無線周波数バイアスを適用することにより、イオン衝撃を生成することを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
前記スパッタリングするステップの間に、環境圧力を下げることにより、イオン衝撃を生成することを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
炭化珪素基板を熱酸化することと、
窒素−酸素の組成物において該熱酸化物を焼きなますことと
をさらに包含し、両方が、非化学量論的なSiC層をスパッタ蒸着するステップに先立つ、請求項34に記載の方法。
【請求項46】
OまたはNOの中において前記熱酸化物を焼きなますことを包含する、請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−544578(P2008−544578A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519580(P2008−519580)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025447
【国際公開番号】WO2007/002860
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506078378)クリー, インコーポレイティッド (26)
【Fターム(参考)】