油圧駆動車両の走行制御装置
【課題】ラムシリンダをロックした状態で、安定した姿勢で車両を走行させる。
【解決手段】油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12からの圧油により駆動する走行用油圧モータ13と、車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持するラムシリンダ1と、ラムシリンダ1を油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段7,8,10と、ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段10,12a,18とを備える。
【解決手段】油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12からの圧油により駆動する走行用油圧モータ13と、車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持するラムシリンダ1と、ラムシリンダ1を油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段7,8,10と、ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段10,12a,18とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラムシリンダやサスペンションシリンダ等を有する油圧駆動車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホイールショベル等の油圧駆動車両においては、車体フレームとアクスルの間にラムシリンダを設け、掘削等の作業時にラムシリンダをロックするようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置は、ラムロックスイッチの操作によりラムシリンダをロックするとともに、ロックを解除する。
【0003】
【特許文献1】特許2937329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、作業時にラムシリンダをロックした状態で車両を低速走行させることがある。この場合に、作業員が走行ペダルを誤って操作し、車速が大きくなると、車体姿勢が不安定になりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による油圧駆動車両の走行制御装置は、油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧モータと、車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持する油圧シリンダと、油圧シリンダを油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段と、ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段とを備えることを特徴とする。
油圧ポンプを可変容量型油圧ポンプとした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が油圧ポンプの最大容量が小さくなるようにポンプ容量を制御することが好ましい。
油圧モータを可変容量型油圧モータとした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が油圧モータの容量が大きくなるようにモータ容量を制御することが好ましい。
油圧ポンプをエンジン回転数に応じた回転数で駆動するようにした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方がエンジン回転数が小さくなるようにエンジン回転数を制御することもできる。
油圧シリンダを、油室がタンクに接続されたラムシリンダとしたり、油室がアキュムレータに接続されたサスペンションシリンダとすることもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油圧シリンダを油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくするようにしたので、油圧ロック状態においても安定した姿勢で走行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
以下、図1〜6を参照して本発明による油圧駆動車両の走行制御装置の第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、油圧駆動車両の車輪または車軸を支持する油圧シリンダとしてラムシリンダを用いる。油圧駆動車両は例えばホイールショベル等、前後左右のタイヤを装備して不整地走行および公道走行が可能なものである。
【0008】
油圧駆動車両の前輪側の要部構成を図1に示す。アクスル2の左右端部にはそれぞれタイヤ4が装着されている。アクスル2とシャーシ3の間には伸縮可能な左右一対のラムシリンダ1が介装され、アクスル2の左右中央部はピン5を介してシャーシ3の左右中央部に揺動可能に連結されている。ラムシリンダ1は、シリンダチューブ側がシャーシ3の左右側面に連結され、シリンダロッド側はピン等で連結されずにその先端がアクスル2に当接している。したがって、ラムシリンダ1をロックすることで、シャーシ3に対するアクスル2の揺動を禁止した状態でアクスル2を支持することができる。なお、図示は省略するが、後輪側にはラムシリンダは設けられず、後輪側のアクスル2は左右2箇所でシャーシ3にリジッドに支持されている。
【0009】
図2は、ラムシリンダ1の駆動用油圧回路図である。各ラムシリンダ1はそれぞれパイロットチェック弁7を介してタンクに接続されている。各パイロットチェック弁7のパイロットポートは電磁切換弁8を介してパイロット油圧源(油圧ポンプ9)またはタンクに接続されている。電磁切換弁8はコントローラ10(図5)からの信号により切り換えられる。
【0010】
電磁切換弁8が位置ロに切り換えられると、パイロットチェック弁7に作用するパイロット圧はタンク圧となる。これによりパイロットチェック弁7はチェック弁として機能し、ラムシリンダ1の伸縮が禁止される(ラムロック作動)。この状態では、ラムシリンダ1からの圧油の流出が阻止され、ラムシリンダ1の伸縮を禁止してアクスル2の揺動を禁止する。一方、電磁切換弁8が位置イに切り換えられると、油圧ポンプ9からのパイロット圧がパイロットチェック弁7のパイロットポートに作用する。これによりパイロットチェック弁7は開放弁として機能し、ラムシリンダ1の伸縮が許容される(ラムロック解除)。この状態では、ラムシリンダ1はタンクと連通し、アクスル2の揺動に追従してラムシリンダ1が伸縮する。
【0011】
図3は、第1の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図である。この油圧回路は、エンジン11により駆動される油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12からの圧油により駆動する走行用油圧モータ13と、油圧ポンプ12から油圧モータ13への圧油の流れを制御する走行用制御弁14と、制御弁14を操作するパイロット油圧回路15とを備える。パイロット油圧回路15は走行ペダル16を含み、走行ペダル16の操作量に応じたパイロット圧が制御弁14に作用する。これにより制御弁14が中立位置から前進位置Fまたは後進位置Rに切り換わり、油圧モータ13が正回転または逆回転し、車両が前進または後進走行する。なお、17aは作業用油圧ポンプ、17bはパイロット圧を発生するパイロット用油圧ポンプである。
【0012】
油圧ポンプ12は可変容量式ポンプであり、ポンプレギュレータ12aによりポンプ傾転(ポンプ容量)が制御される。すなわちレギュレータ12aにはポンプ吐出圧力がフィードバックされ、ポンプ吐出圧とポンプ容量とにより決定される負荷がエンジン出力を上回らないように馬力制御が行われる。馬力制御とは図4に示すいわゆるP−q制御であり、このP−q線図に沿ってポンプ容量が制御される。
【0013】
図3に示すように、ポンプレギュレータ12aには比例制御式の電磁切換弁18を介して油圧源19が接続され、電磁切換弁18の切換によりポンプ最大容量が制御される。すなわち電磁切換弁18が位置イ側に切り換えられ、油圧源19からレギュレータ12aに作用する圧力が高くなると、ポンプ最大容量はqp2(図4の点線)となる。電磁切換弁18が位置ロ側に切り換えられると、油圧源19からレギュレータに作用する圧力が低下し、ポンプ最大容量はqp2よりも大きいqp1(図4の実線)となる。この場合、ポンプ最大容量が小さいほど車両の最高速度がより低速に制限されるが、ここでは、ラムロック作動状態で走行した場合に車体姿勢が不安定とならないようにqp2が設定される。
【0014】
図5は、第1の実施の形態に係る走行制御装置の制御構成を示すブロック図である。コントローラ10にはラムロックスイッチ21と、車速を検出する車速センサ22と、走行ペダル16の操作の有無を検出するペダル操作検出器23とが接続されている。ラムロックスイッチ21は、運転室内のオペレータにより操作され、ラムロックの作動/解除を自動で行う自動位置、ラムロックを手動で作動するロック作動位置、およびラムロックを手動で解除するロック解除位置に切換可能である。コントローラ10は、ラムロックスイッチ21と車速センサ22とペダル操作検出器23からの信号に基づき以下のような処理を実行し、電磁切換弁8,18を制御する。
【0015】
図6は、コントローラ10で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは例えばエンジンキースイッチのオンによりスタートする。まず、ステップS1でラムロックスイッチ21の切換位置を判定する。自動位置と判定されるとステップS2に進み、車速センサ22により検出された車速Vが予め定めた所定値V0より大きいか否かを判定する。所定値V0は例えば0であり、ステップS2では車両が走行中か否かを判定する。ステップS2が否定されるとステップS3に進み、ペダル操作検出器23からの信号により走行ペダル16が操作されたか否かを判定する。
【0016】
ステップS3が否定されるとステップS4に進み、電磁切換弁8に制御信号を出力し、電磁切換弁8を位置ロに切り換える。これによりラムシリンダ1の伸縮が禁止され、ラムロックが作動する。次いで、ステップS5で電磁切換弁18に制御信号を出力し、電磁切換弁18を位置イ側に切り換える。これによりポンプ最大容量が小容量側のqp2に制御される。ステップS1でラムロックスイッチ21がロック作動位置と判定されたときも、ステップS4,ステップS5の処理が実行される。
【0017】
一方、ステップS1で、ラムロックスイッチ21がロック解除位置と判定され、あるいはステップS2で車両走行中と判定され、あるいはステップS3で走行ペダル16が操作と判定されるとステップS6に進む。ステップS6では電磁切換弁8に制御信号を出力し、電磁切換弁8を位置イに切り換える。これによりラムシリンダ1の伸縮が許容され、ラムロックが解除される。次いで、ステップS7で電磁切換弁18に制御信号を出力し、電磁切換弁18を位置ロ側に切り換える。これによりポンプ最大容量が大容量側のqp1に制御される。
【0018】
第1の実施の形態に係る走行制御装置の主要な動作を説明する。
ラムロックスイッチ21が自動位置に切り換えられると、車速Vと走行ペダル16の操作に応じてラムロックの作動およびポンプ最大容量が制御される。すなわち車両が停止し、かつ、走行ペダル16が非操作のとき、ラムロックが自動的に作動する(ステップS4)。これによりシャーシ3に対するアクスル2の揺動が阻止され、安定した車両姿勢で作業を行うことができる。このときポンプ最大容量はqp2である(ステップS5)。この状態で走行ペダル16を操作すると、ラムロックが解除され、ポンプ最大容量がqp1(>qp2)となる(ステップS6,ステップS7)。これによりアクスル2が揺動可能となり、走行時の乗り心地性が向上するとともに、ポンプ最大容量の増加により車両を高速で走行することができる。
【0019】
車両の走行、停止が頻繁に繰り返される作業、例えば土砂を掘削した後、その土砂をすぐにダンプまで運搬するといった作業を繰り返し行う場合、車両の走行、停止の度にラムロックが作動、解除されるのは煩わしく、ラムロックを作動したままで作業を行うことが好ましい。この場合には、オペレータはラムロックスイッチ21をロック作動位置に操作する。これにより走行中もラムロックが作動するとともに、ポンプ最大容量がqp2となる(ステップS4,ステップS5)。そのためポンプ吐出量が抑えられ、走行ペダル16を最大に操作したとしても車両速度(車両最高速度)は高速とならず、車体姿勢が不安定となることを防止できる。
【0020】
このように第1の実施の形態では、ラムロック作動状態におけるポンプ最大容量qp2をラムロック解除状態におけるポンプ最大容量qp1よりも小さくして、ポンプ吐出量を抑えるようにしたので、走行ペダル16が最大に踏み込まれた場合にも車両速度を低速に保つことができる。このため、路面に対するシャーシ3の揺動が少なく、安定した姿勢で走行することができる。
【0021】
−第2の実施の形態−
図7〜図9を参照して本発明による走行制御装置の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ラムロックの作動状態に応じて油圧ポンプ12のポンプ容量を制御したが、第2の実施の形態では、油圧モータ13のモータ容量を制御する。なお、図1〜図6と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0022】
図7は、第2の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図である。走行モータ13は可変容量式モータであり、モータレギュレータ13aによりモータ傾転(モータ容量)が制御される。すなわち、レギュレータ13aにはモータ圧力(モータ駆動圧)がフィードバックされ、図8に示すようにモータ圧力が小さい範囲ではモータ容量は小さく、モータ圧力が所定値以上になると、モータ容量は大きくなる。これにより走行負荷が小さい場合は車両は高速(高速低トルク)で走行し、走行負荷が大きい場合は低速(低速高トルク)で走行する。なお、油圧ポンプ12のポンプ最大容量はqp1に設定されている。
【0023】
モータレギュレータ13aには電磁切換弁25を介して油圧源19が接続され、電磁切換弁25の切換によりモータ容量が制御される。すなわち電磁切換弁25が位置イに切り換えられると、油圧源19からの圧油がレギュレータ13aに作用し、モータ圧力が小さい領域におけるモータ容量はqm2(図8の点線)となる。電磁切換弁25が位置ロに切り換えられると、油圧源19からの圧油の作用が停止し、モータ容量はqm2より小さいqm1(図8の実線)となる。この場合、モータ容量が大きいほど車両の最高速度がより低速に制限されるが、ここでは、ラムロック作動状態で走行した場合に車体姿勢が不安定とならないようにqm2が設定される。
【0024】
電磁切換弁25はコントローラ10からの信号により制御される。図9は、第2の実施の形態に係るコントローラ10で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9において、ステップS4でラムロックが作動するとステップS11に進み、電磁切換弁25に制御信号を出力し、電磁切換弁25を位置イに切り換える。これによりモータ容量がqm2となり、車両速度が低速に制限される。一方、ステップS6でラムロックが解除するとステップS12に進み、電磁切換弁25に制御信号を出力し、電磁切換弁25を位置ロに切り換える。これによりモータ容量がqm1となり、車両の高速走行が可能となる。
【0025】
このように第2の実施の形態では、ラムロック作動状態におけるモータ容量qm2をラムロック解除状態におけるモータ容量qm1よりも大きくしてたので、ラムロック作動時のモータ回転速度が抑えられ、安定した姿勢で走行することができる。この場合、油圧ポンプ12の最大容量をqp1とするので、ポンプ吐出量が制限されず、油圧ポンプ12からの圧油を用いて油圧モータ13だけでなく、他の作業用アクチュエータを駆動することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、ポンプ容量またはモータ容量を制御してラムロック作動時の車両速度を制限するようにしたが、エンジン回転数を制御して車両速度を制限するようにしてもよい。この場合のエンジン回転数の特性の一例を図10に示す。この例では、走行ペダル16の操作量を検出する操作量検出器を設け、ペダル操作量に応じたコントローラ10からの制御信号によりエンジン回転数を制御するようにしている。図中、N1,N2はラムロック解除時およびラムロック作動時のエンジン回転数の上限値であり、ラムロック作動時のエンジン回転数N2をラムロック解除時のエンジン回転数N1よりも小さいしている(N2<N1)。これによりラムロック作動時のポンプ吐出量が制限され、車両速度を低速に保つことができる。
【0027】
以上では、油圧駆動車両の車輪または車軸を支持する油圧シリンダとしてラムシリンダ1を用いたが、サスペンションシリンダを用いてもよい。その一例を図11に示す。図11では、アクスル2とシャーシ3(不図示)の間に左右一対のサスペンションシリンダ50が介装されている。サスペンションシリンダ50は、シリンダチューブ側がシャーシ3に、シリンダロッド側がアクスル2にそれぞれピン等により連結され、走行時における緩衝機能を発揮しつつアクスル2を支持する。各サスペンションシリンダ50のボトム室およびロッド室は管路51を介して互いに連通し、管路51はそれぞれ管路52を介してアキュムレータ53に連通している。各サスペンションシリンダ50のボトム室およびロッド室に接続された管路にはそれぞれパイロットチェック弁54が介装され、各パイロットチェック弁54のパイロットポートは電磁切換弁8を介して油圧ポンプ9またはタンクに接続されている。この場合、コントローラ10からの制御信号により、上述したのと同様に電磁切換弁8を切り換えればよい。すなわち、ロック作動が指令されると電磁切換弁8を位置ロに切り換え、サスペンションシリンダ50をロックするとともに、車両走行速度を制限する。また、ロック解除が指令されると電磁切換弁8を位置イに切り換え、サスペンションシリンダ50のロックを解除するとともに、走行速度制限も解除すればよい。
【0028】
上記実施の形態では、パイロットチェック弁7,54の切換によりラムシリンダ1やサスペンションシリンダ50などの油圧シリンダのロックを作動、解除するようにしたが、ロック手段はこれに限らない。ラムロックスイッチ21の操作、車速、走行ペダル16の操作等に応じてコントローラ10が電磁切換弁8,18を切り換えるようにしたが、シリンダを油圧ロックした状態の車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態の最高速度よりも小さくするのであれば、速度制限手段はいかなるものでもよい。ポンプ容量、モータ容量、エンジン回転数を同時に制御するようにしてもよい。シリンダ1,50がアクスル2を介して車輪または車軸を揺動可能に支持したが、アクスル2を介さずに支持してもよい。
【0029】
以上の実施の形態ではホイールショベルを例に説明したが、他の油圧駆動車両にも本発明を適用することができる。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の油圧駆動車両の走行制御装置に限定されない。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧駆動車両の要部構成を示す図。
【図2】図1のラムシリンダの駆動用油圧回路図。
【図3】第1の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図。
【図4】図3の油圧ポンプのポンプ圧力に対するポンプ容量の特性を示す図。
【図5】第1の実施の形態に係る走行制御装置の制御構成を示すブロック図。
【図6】図5のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図。
【図8】図7の油圧モータのモータ圧力に対するモータ容量の特性を示す図。
【図9】図8のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図10】図4,図8の変形例を示す図。
【図11】図1の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0031】
1 ラムシリンダ
10 コントローラ
12 油圧ポンプ
12a レギュレータ
13 油圧モータ
18,25 電磁切換弁
50 サスペンションシリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラムシリンダやサスペンションシリンダ等を有する油圧駆動車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホイールショベル等の油圧駆動車両においては、車体フレームとアクスルの間にラムシリンダを設け、掘削等の作業時にラムシリンダをロックするようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置は、ラムロックスイッチの操作によりラムシリンダをロックするとともに、ロックを解除する。
【0003】
【特許文献1】特許2937329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、作業時にラムシリンダをロックした状態で車両を低速走行させることがある。この場合に、作業員が走行ペダルを誤って操作し、車速が大きくなると、車体姿勢が不安定になりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による油圧駆動車両の走行制御装置は、油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧モータと、車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持する油圧シリンダと、油圧シリンダを油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段と、ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段とを備えることを特徴とする。
油圧ポンプを可変容量型油圧ポンプとした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が油圧ポンプの最大容量が小さくなるようにポンプ容量を制御することが好ましい。
油圧モータを可変容量型油圧モータとした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が油圧モータの容量が大きくなるようにモータ容量を制御することが好ましい。
油圧ポンプをエンジン回転数に応じた回転数で駆動するようにした場合、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方がエンジン回転数が小さくなるようにエンジン回転数を制御することもできる。
油圧シリンダを、油室がタンクに接続されたラムシリンダとしたり、油室がアキュムレータに接続されたサスペンションシリンダとすることもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油圧シリンダを油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくするようにしたので、油圧ロック状態においても安定した姿勢で走行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
以下、図1〜6を参照して本発明による油圧駆動車両の走行制御装置の第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、油圧駆動車両の車輪または車軸を支持する油圧シリンダとしてラムシリンダを用いる。油圧駆動車両は例えばホイールショベル等、前後左右のタイヤを装備して不整地走行および公道走行が可能なものである。
【0008】
油圧駆動車両の前輪側の要部構成を図1に示す。アクスル2の左右端部にはそれぞれタイヤ4が装着されている。アクスル2とシャーシ3の間には伸縮可能な左右一対のラムシリンダ1が介装され、アクスル2の左右中央部はピン5を介してシャーシ3の左右中央部に揺動可能に連結されている。ラムシリンダ1は、シリンダチューブ側がシャーシ3の左右側面に連結され、シリンダロッド側はピン等で連結されずにその先端がアクスル2に当接している。したがって、ラムシリンダ1をロックすることで、シャーシ3に対するアクスル2の揺動を禁止した状態でアクスル2を支持することができる。なお、図示は省略するが、後輪側にはラムシリンダは設けられず、後輪側のアクスル2は左右2箇所でシャーシ3にリジッドに支持されている。
【0009】
図2は、ラムシリンダ1の駆動用油圧回路図である。各ラムシリンダ1はそれぞれパイロットチェック弁7を介してタンクに接続されている。各パイロットチェック弁7のパイロットポートは電磁切換弁8を介してパイロット油圧源(油圧ポンプ9)またはタンクに接続されている。電磁切換弁8はコントローラ10(図5)からの信号により切り換えられる。
【0010】
電磁切換弁8が位置ロに切り換えられると、パイロットチェック弁7に作用するパイロット圧はタンク圧となる。これによりパイロットチェック弁7はチェック弁として機能し、ラムシリンダ1の伸縮が禁止される(ラムロック作動)。この状態では、ラムシリンダ1からの圧油の流出が阻止され、ラムシリンダ1の伸縮を禁止してアクスル2の揺動を禁止する。一方、電磁切換弁8が位置イに切り換えられると、油圧ポンプ9からのパイロット圧がパイロットチェック弁7のパイロットポートに作用する。これによりパイロットチェック弁7は開放弁として機能し、ラムシリンダ1の伸縮が許容される(ラムロック解除)。この状態では、ラムシリンダ1はタンクと連通し、アクスル2の揺動に追従してラムシリンダ1が伸縮する。
【0011】
図3は、第1の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図である。この油圧回路は、エンジン11により駆動される油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12からの圧油により駆動する走行用油圧モータ13と、油圧ポンプ12から油圧モータ13への圧油の流れを制御する走行用制御弁14と、制御弁14を操作するパイロット油圧回路15とを備える。パイロット油圧回路15は走行ペダル16を含み、走行ペダル16の操作量に応じたパイロット圧が制御弁14に作用する。これにより制御弁14が中立位置から前進位置Fまたは後進位置Rに切り換わり、油圧モータ13が正回転または逆回転し、車両が前進または後進走行する。なお、17aは作業用油圧ポンプ、17bはパイロット圧を発生するパイロット用油圧ポンプである。
【0012】
油圧ポンプ12は可変容量式ポンプであり、ポンプレギュレータ12aによりポンプ傾転(ポンプ容量)が制御される。すなわちレギュレータ12aにはポンプ吐出圧力がフィードバックされ、ポンプ吐出圧とポンプ容量とにより決定される負荷がエンジン出力を上回らないように馬力制御が行われる。馬力制御とは図4に示すいわゆるP−q制御であり、このP−q線図に沿ってポンプ容量が制御される。
【0013】
図3に示すように、ポンプレギュレータ12aには比例制御式の電磁切換弁18を介して油圧源19が接続され、電磁切換弁18の切換によりポンプ最大容量が制御される。すなわち電磁切換弁18が位置イ側に切り換えられ、油圧源19からレギュレータ12aに作用する圧力が高くなると、ポンプ最大容量はqp2(図4の点線)となる。電磁切換弁18が位置ロ側に切り換えられると、油圧源19からレギュレータに作用する圧力が低下し、ポンプ最大容量はqp2よりも大きいqp1(図4の実線)となる。この場合、ポンプ最大容量が小さいほど車両の最高速度がより低速に制限されるが、ここでは、ラムロック作動状態で走行した場合に車体姿勢が不安定とならないようにqp2が設定される。
【0014】
図5は、第1の実施の形態に係る走行制御装置の制御構成を示すブロック図である。コントローラ10にはラムロックスイッチ21と、車速を検出する車速センサ22と、走行ペダル16の操作の有無を検出するペダル操作検出器23とが接続されている。ラムロックスイッチ21は、運転室内のオペレータにより操作され、ラムロックの作動/解除を自動で行う自動位置、ラムロックを手動で作動するロック作動位置、およびラムロックを手動で解除するロック解除位置に切換可能である。コントローラ10は、ラムロックスイッチ21と車速センサ22とペダル操作検出器23からの信号に基づき以下のような処理を実行し、電磁切換弁8,18を制御する。
【0015】
図6は、コントローラ10で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは例えばエンジンキースイッチのオンによりスタートする。まず、ステップS1でラムロックスイッチ21の切換位置を判定する。自動位置と判定されるとステップS2に進み、車速センサ22により検出された車速Vが予め定めた所定値V0より大きいか否かを判定する。所定値V0は例えば0であり、ステップS2では車両が走行中か否かを判定する。ステップS2が否定されるとステップS3に進み、ペダル操作検出器23からの信号により走行ペダル16が操作されたか否かを判定する。
【0016】
ステップS3が否定されるとステップS4に進み、電磁切換弁8に制御信号を出力し、電磁切換弁8を位置ロに切り換える。これによりラムシリンダ1の伸縮が禁止され、ラムロックが作動する。次いで、ステップS5で電磁切換弁18に制御信号を出力し、電磁切換弁18を位置イ側に切り換える。これによりポンプ最大容量が小容量側のqp2に制御される。ステップS1でラムロックスイッチ21がロック作動位置と判定されたときも、ステップS4,ステップS5の処理が実行される。
【0017】
一方、ステップS1で、ラムロックスイッチ21がロック解除位置と判定され、あるいはステップS2で車両走行中と判定され、あるいはステップS3で走行ペダル16が操作と判定されるとステップS6に進む。ステップS6では電磁切換弁8に制御信号を出力し、電磁切換弁8を位置イに切り換える。これによりラムシリンダ1の伸縮が許容され、ラムロックが解除される。次いで、ステップS7で電磁切換弁18に制御信号を出力し、電磁切換弁18を位置ロ側に切り換える。これによりポンプ最大容量が大容量側のqp1に制御される。
【0018】
第1の実施の形態に係る走行制御装置の主要な動作を説明する。
ラムロックスイッチ21が自動位置に切り換えられると、車速Vと走行ペダル16の操作に応じてラムロックの作動およびポンプ最大容量が制御される。すなわち車両が停止し、かつ、走行ペダル16が非操作のとき、ラムロックが自動的に作動する(ステップS4)。これによりシャーシ3に対するアクスル2の揺動が阻止され、安定した車両姿勢で作業を行うことができる。このときポンプ最大容量はqp2である(ステップS5)。この状態で走行ペダル16を操作すると、ラムロックが解除され、ポンプ最大容量がqp1(>qp2)となる(ステップS6,ステップS7)。これによりアクスル2が揺動可能となり、走行時の乗り心地性が向上するとともに、ポンプ最大容量の増加により車両を高速で走行することができる。
【0019】
車両の走行、停止が頻繁に繰り返される作業、例えば土砂を掘削した後、その土砂をすぐにダンプまで運搬するといった作業を繰り返し行う場合、車両の走行、停止の度にラムロックが作動、解除されるのは煩わしく、ラムロックを作動したままで作業を行うことが好ましい。この場合には、オペレータはラムロックスイッチ21をロック作動位置に操作する。これにより走行中もラムロックが作動するとともに、ポンプ最大容量がqp2となる(ステップS4,ステップS5)。そのためポンプ吐出量が抑えられ、走行ペダル16を最大に操作したとしても車両速度(車両最高速度)は高速とならず、車体姿勢が不安定となることを防止できる。
【0020】
このように第1の実施の形態では、ラムロック作動状態におけるポンプ最大容量qp2をラムロック解除状態におけるポンプ最大容量qp1よりも小さくして、ポンプ吐出量を抑えるようにしたので、走行ペダル16が最大に踏み込まれた場合にも車両速度を低速に保つことができる。このため、路面に対するシャーシ3の揺動が少なく、安定した姿勢で走行することができる。
【0021】
−第2の実施の形態−
図7〜図9を参照して本発明による走行制御装置の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ラムロックの作動状態に応じて油圧ポンプ12のポンプ容量を制御したが、第2の実施の形態では、油圧モータ13のモータ容量を制御する。なお、図1〜図6と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0022】
図7は、第2の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図である。走行モータ13は可変容量式モータであり、モータレギュレータ13aによりモータ傾転(モータ容量)が制御される。すなわち、レギュレータ13aにはモータ圧力(モータ駆動圧)がフィードバックされ、図8に示すようにモータ圧力が小さい範囲ではモータ容量は小さく、モータ圧力が所定値以上になると、モータ容量は大きくなる。これにより走行負荷が小さい場合は車両は高速(高速低トルク)で走行し、走行負荷が大きい場合は低速(低速高トルク)で走行する。なお、油圧ポンプ12のポンプ最大容量はqp1に設定されている。
【0023】
モータレギュレータ13aには電磁切換弁25を介して油圧源19が接続され、電磁切換弁25の切換によりモータ容量が制御される。すなわち電磁切換弁25が位置イに切り換えられると、油圧源19からの圧油がレギュレータ13aに作用し、モータ圧力が小さい領域におけるモータ容量はqm2(図8の点線)となる。電磁切換弁25が位置ロに切り換えられると、油圧源19からの圧油の作用が停止し、モータ容量はqm2より小さいqm1(図8の実線)となる。この場合、モータ容量が大きいほど車両の最高速度がより低速に制限されるが、ここでは、ラムロック作動状態で走行した場合に車体姿勢が不安定とならないようにqm2が設定される。
【0024】
電磁切換弁25はコントローラ10からの信号により制御される。図9は、第2の実施の形態に係るコントローラ10で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9において、ステップS4でラムロックが作動するとステップS11に進み、電磁切換弁25に制御信号を出力し、電磁切換弁25を位置イに切り換える。これによりモータ容量がqm2となり、車両速度が低速に制限される。一方、ステップS6でラムロックが解除するとステップS12に進み、電磁切換弁25に制御信号を出力し、電磁切換弁25を位置ロに切り換える。これによりモータ容量がqm1となり、車両の高速走行が可能となる。
【0025】
このように第2の実施の形態では、ラムロック作動状態におけるモータ容量qm2をラムロック解除状態におけるモータ容量qm1よりも大きくしてたので、ラムロック作動時のモータ回転速度が抑えられ、安定した姿勢で走行することができる。この場合、油圧ポンプ12の最大容量をqp1とするので、ポンプ吐出量が制限されず、油圧ポンプ12からの圧油を用いて油圧モータ13だけでなく、他の作業用アクチュエータを駆動することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、ポンプ容量またはモータ容量を制御してラムロック作動時の車両速度を制限するようにしたが、エンジン回転数を制御して車両速度を制限するようにしてもよい。この場合のエンジン回転数の特性の一例を図10に示す。この例では、走行ペダル16の操作量を検出する操作量検出器を設け、ペダル操作量に応じたコントローラ10からの制御信号によりエンジン回転数を制御するようにしている。図中、N1,N2はラムロック解除時およびラムロック作動時のエンジン回転数の上限値であり、ラムロック作動時のエンジン回転数N2をラムロック解除時のエンジン回転数N1よりも小さいしている(N2<N1)。これによりラムロック作動時のポンプ吐出量が制限され、車両速度を低速に保つことができる。
【0027】
以上では、油圧駆動車両の車輪または車軸を支持する油圧シリンダとしてラムシリンダ1を用いたが、サスペンションシリンダを用いてもよい。その一例を図11に示す。図11では、アクスル2とシャーシ3(不図示)の間に左右一対のサスペンションシリンダ50が介装されている。サスペンションシリンダ50は、シリンダチューブ側がシャーシ3に、シリンダロッド側がアクスル2にそれぞれピン等により連結され、走行時における緩衝機能を発揮しつつアクスル2を支持する。各サスペンションシリンダ50のボトム室およびロッド室は管路51を介して互いに連通し、管路51はそれぞれ管路52を介してアキュムレータ53に連通している。各サスペンションシリンダ50のボトム室およびロッド室に接続された管路にはそれぞれパイロットチェック弁54が介装され、各パイロットチェック弁54のパイロットポートは電磁切換弁8を介して油圧ポンプ9またはタンクに接続されている。この場合、コントローラ10からの制御信号により、上述したのと同様に電磁切換弁8を切り換えればよい。すなわち、ロック作動が指令されると電磁切換弁8を位置ロに切り換え、サスペンションシリンダ50をロックするとともに、車両走行速度を制限する。また、ロック解除が指令されると電磁切換弁8を位置イに切り換え、サスペンションシリンダ50のロックを解除するとともに、走行速度制限も解除すればよい。
【0028】
上記実施の形態では、パイロットチェック弁7,54の切換によりラムシリンダ1やサスペンションシリンダ50などの油圧シリンダのロックを作動、解除するようにしたが、ロック手段はこれに限らない。ラムロックスイッチ21の操作、車速、走行ペダル16の操作等に応じてコントローラ10が電磁切換弁8,18を切り換えるようにしたが、シリンダを油圧ロックした状態の車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態の最高速度よりも小さくするのであれば、速度制限手段はいかなるものでもよい。ポンプ容量、モータ容量、エンジン回転数を同時に制御するようにしてもよい。シリンダ1,50がアクスル2を介して車輪または車軸を揺動可能に支持したが、アクスル2を介さずに支持してもよい。
【0029】
以上の実施の形態ではホイールショベルを例に説明したが、他の油圧駆動車両にも本発明を適用することができる。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の油圧駆動車両の走行制御装置に限定されない。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧駆動車両の要部構成を示す図。
【図2】図1のラムシリンダの駆動用油圧回路図。
【図3】第1の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図。
【図4】図3の油圧ポンプのポンプ圧力に対するポンプ容量の特性を示す図。
【図5】第1の実施の形態に係る走行制御装置の制御構成を示すブロック図。
【図6】図5のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態に係る走行制御装置の構成を示す油圧回路図。
【図8】図7の油圧モータのモータ圧力に対するモータ容量の特性を示す図。
【図9】図8のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図10】図4,図8の変形例を示す図。
【図11】図1の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0031】
1 ラムシリンダ
10 コントローラ
12 油圧ポンプ
12a レギュレータ
13 油圧モータ
18,25 電磁切換弁
50 サスペンションシリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプと、
前記油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧モータと、
車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダを油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段と、
前記ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段とを備えることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧ポンプは、可変容量型油圧ポンプであり、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が前記油圧ポンプの最大容量が小さくなるようにポンプ容量を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧モータは、可変容量型油圧モータであり、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が前記油圧モータの容量が大きくなるようにモータ容量を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧ポンプは、エンジン回転数に応じた回転数で駆動され、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方がエンジン回転数が小さくなるようにエンジン回転数を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧シリンダは、油室がタンクに接続されたラムシリンダであることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧シリンダは、油室がアキュムレータに接続されたサスペンションシリンダであることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項1】
油圧ポンプと、
前記油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧モータと、
車両の車輪または車軸を車体に対し左右方向に揺動可能に支持する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダを油圧ロックする、および油圧ロックを解除するロック手段と、
前記ロック手段により油圧ロックした状態で走行する車両の最高速度を、油圧ロックを解除した状態で走行する車両の最高速度よりも小さくする速度制限手段とを備えることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧ポンプは、可変容量型油圧ポンプであり、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が前記油圧ポンプの最大容量が小さくなるようにポンプ容量を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧モータは、可変容量型油圧モータであり、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方が前記油圧モータの容量が大きくなるようにモータ容量を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧ポンプは、エンジン回転数に応じた回転数で駆動され、
前記速度制限手段は、油圧ロックを解除した状態よりも油圧ロックした状態の方がエンジン回転数が小さくなるようにエンジン回転数を制御することを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧シリンダは、油室がタンクに接続されたラムシリンダであることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の油圧駆動車両の走行制御装置において、
前記油圧シリンダは、油室がアキュムレータに接続されたサスペンションシリンダであることを特徴とする油圧駆動車両の走行制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−39138(P2008−39138A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217076(P2006−217076)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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