海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システム
海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)のための、方法および装置について説明する。方法には、無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの送信を含む。装置には、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを送信する無線周波数タグを含む。別の方法には、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使った無線周波数タグからの識別データおよび位置データの送信を含む。別の装置には、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って識別データおよび位置データの両方を送信する無線周波数タグを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦資金援助された研究開発のもとでの発明に対する権利の記載)
本発明は、エネルギー省(Department of Energy)によってUT−Battele,L.L.C.に対して査定された、プライム契約番号第DE−AC05−00OR22725号のもとで、合衆国政府の支援によってなされたものである。合衆国政府は本発明における一定の権利を有する。
【0002】
(技術分野)
本発明の実施形態は主に、セキュリティおよびトラッキングの分野に関する。本発明の実施形態は、より具体的には、海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)に関する。
【背景技術】
【0003】
海上輸送システム(MTS)と呼ばれる世界規模の海上貨物輸送インフラストラクチャーは、テロリズム、旧式の技術、環境上の制約、ジャストインタイムの製造工程、州/国/地方の司法権の重複、および基本的な技術インフラストラクチャーの不足を含む、複数の問題の影響を受けている。テロリストによる攻撃は、今日の世界の変化に影響する経済的なテロリズムに焦点を合わせる可能性がある。大規模な経済的ダメージを及ぼす簡単で効果的、かつ効率的な手段を見出すためには、コンテナ貨物のオープンな動きに注目するだけで十分である。(RFID Journal、2003年)。いくつかの主要港におけるフローの破壊または停止は、経済的なダメージを与えるとともに、数週間で国の機能を麻痺させる可能性がある(Flynn、2003年)。そのために、自国および他国の経済的福祉に役立つグローバルなサプライチェーンおよび重要な港湾施設のセキュリティの保持に貢献する、コンテナレベルでのトラッキングおよびモニタリング技術の開発および配備が必要とされている(GillsおよびMcHugh、2002年、Bonner、2002年、Verton、2002年)。
【0004】
港は、多くの施設、組織および機能の集合体である。これには、国の管理機関(例えば、米国の税関、沿岸警備隊、DOD、TSA、FBlなど。)、州の政府機関(例えば、港湾管理局、州の法的機関、緊急時対応機関など。)、および地方自治体の機関(例えば、地方の法的機関、地方の消防局、港湾安全局、および民間のターミナル運営者、労働組合など。)が含まれる。港湾のセキュリティ/管理および船舶/貨物のセキュリティ/トラッキング/管理を実現するための各港における重要な運営コンポーネントをネットワーク化させるさらなる施設を開発することが、各港の効率的な利用およびセキュリティに役立つ。最終的には、こうした地方の港湾施設は、国際的に拡大する可能性のある地域センターおよび/または国家センターとリンクする必要がある。そのためには、好適には複数の公的および私的組織が参加できるようなオープンシステムアーキテクチャによって、地理情報システム(GIS)、国際衛星通信、インターネット、および今日のサプライチェーンの管理およびセキュリティの強化におけるワイヤレスモニタリング/トラッキング/セキュリティインフラストラクチャーなどの技術を採用する必要がある。
【0005】
海上輸送システム(MTS)による輸送は貨物では4800億ドルとなり、1999年の米国の国内総生産に対し、7500億ドルを占めている。また、現在の国内海上輸送量は、今後20年で二倍になると予想されている(USDOT、1999年)国際的な海上輸送は、同じ期間において、三倍になると予想されている(Prince、2001年)。しかし、多くの港湾施設は、安全で効率的なコンテナ管理システムを構築する上で、旧式の技術、環境による制約、ジャストインタイムの製造工程、国/州/地方の司法権の重複、および基本的な技術インフラストラクチャーの不足などの上記で述べたいくつかの問題からの経済的な影響を受けている。さらに、土地不足および環境の規定は、ほとんどの現在の港湾施設の地理的な拡大を制限する。コンテナ管理を実行する情報システムは、いまだにその大部分を手動のデータ入力に頼っている。このように、港湾施設の効率およびセキュリティの向上のために、自動化された技術ソリューションが必要とされている(GillsおよびMcHugh、2002年、Verton、2002年、Gillis、2002年)。
【0006】
MTSの経済的な非効率性についての問題だけでなく、MTSは現在、陸上のセキュリティにかつてないほどの比重を置いている。2001年に、MTSによって、570万個のコンテナが米国に陸揚げされた(GillsおよびMcHugh、2002年)。米国の税関が実際に人手を使って検査したのはこうしたコンテナの2パーセント以下に過ぎず、コンテナを「プロファイル」するために情報に依存している。沿岸警備隊および米国の税関は、米国に陸揚げされる各コンテナを人手を使って探索するための必要人員やリソースを有しておらず、また、もし各コンテナを捜索したとするとサプライチェーンは混乱状態に陥り機能を停止してしまう(Loy、2002年)。貨物およびコンテナの高度なプロファイリングはグローバルなサプライチェーンのセキュリティ確保および合法的な商業活動の実施にとって重要なものである。トラッキングおよびモニタリングによって、高度なプロファイルを構築するためのより優れたデータが得られる。そのため、安全性および経済効率の向上のための鍵として、適切なトラッキングおよびモニタリング技術への投資が必要とされている(Flynn、2003年)。
【0007】
コンテナ貨物輸送に関する主な懸念は、「放射能爆弾(dirty bomb)」のための熱核反応装置または放射性物質を輸送コンテナにおいて輸出先国に密輸することが比較的容易であるということである。国家防衛についての重要な特定の問題とは、「放射能爆弾」のための放射性物質が輸送コンテナにおいて米国に輸送される可能性である。標準的な海上輸送コンテナは、物品を世界的に輸出入する主要な方法となっている。米国の港に毎日発着するコンテナ数はあまりに膨大であるため、そのうちのごく一部のみしか検査されていない。ごく少数のコンテナしか検査できないため、検査対象のコンテナを「フラグ付け」するためのいくつかの方法を採用する必要がある。各コンテナが各港湾施設において通過しなければならないとするセンサーポータルの設置は、現実的ではないと考えられている。こうしたボトルネックは、毎日米国経済に対する何十億ドルものコストを発生する可能性がある。高レベルの放射線を探知するために貨物コンテナの内部、上部、または付近に放射線センサーを採用することが、コンテナのフラグ付けをする一つの方法となる。
【0008】
しかし、輸送コンテナに関して提案されてきた既存の放射線センサーには問題がある。第一に、既存の放射線センサーは、線量積分(アクティブ感知)時において電力を利用する必要がある。既存のアクティブ放射線センサーは、非常に短い積分時間を利用するために感度が低下するか、または、コンテナの耐久寿命のずっと前に利用可能な電池容量を使い切ってしまう。電池の交換には、メンテナンス要員の作業時間、メンテナンススケジュールおよびコンテナの物理位置の間の調整、および物流サポートが必要となる。このため、電池交換の不要な利用寿命がさらに長い放射線センサーが求められている。
【0009】
第二に、既存のアクティブ放射線センサーは線量積分データを、各コンテナの安全かつ連続したモニタリングのために利用することができない。線量積分データの読み取りには、個々のセンサーを取り除いて読み取りを行うか、または少なくとも個々に読み取ることが必要であり、コストのかかるメンテナンス要員の作業時間、データ収集スケジュールおよびコンテナの物理的位置の調整、および物流におけるサポートという同じ問題が生じる。このため、線量積分データを高度なプロファイリングおよび分析のために、自動的および遠隔的に利用可能にする放射線センサーが必要とされている。
【0010】
第三に、既存のアクティブ放射線センサーは誤ってアラームを発生させやすい。既存のアクティブ放射線センサーは異なる種類の放射線を区別することができないために、医療診断に使用される物質や、イオン化放射線物質(例えば、カリウム)の集中を自然に含むバナナなどの無害の貨物からも、誤ってアラームを発することがある。つまり、より高度で識別力に優れた放射線センサーが必要とされている。
【0011】
これまで、高度なプロファイリングおよび分析のための重要なデータを自動的および遠隔的に利用可能にし、誤認アラームを低減させる寿命の長いセンサーによる、コンテナレベルのトラッキングおよびモニタリングという要件は満たされていない。こうした要件を(好適には全てを同時に)満たすグローバルなコンテナのセキュリティおよび資産(船舶および貨物)のトラッキングシステムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下の発明の実施形態に対するニーズが存在する。当然ながら、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明の実施形態に従って、方法は、無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを送信することを包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを送信する無線周波数タグを備える。
【0014】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使用して無線周波数タグから識別データおよび位置データを送信すること包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使用して識別データおよび位置データの両方を送信する無線周波数タグを備える。
【0015】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーからの線量測定データの読み出し含む、1組の受動積分イオン化放射線センサーをその場でポーリングすること(insitu polling)を包含し、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは読み出しの間、線量測定データが積分された位置に留まる。本発明の別の実施形態に従って、装置は、第一の受動積分イオン化放射線センサーと、第一の受動積分イオン化放射線センサーに接続された第二の受動積分イオン化放射線センサーと、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーに接続された通信回路とを備え、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは、通信回路へ線量測定データを読み出す。
【0016】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、空間的に分散されたアレイへ複数のイオン化放射線センサーを配置することと、対象の容積を規定するために複数のセンサーのそれぞれの相対位置を決定することと、複数のイオン化放射線センサーの少なくともサブセットからイオン化放射線データを収集することと、イオン化放射線源の線量レベルが閾値を上回るように計算される場合のアラーム状態をトリガーすることと、を包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、複数のセンサーアレイのそれぞれの相対位置が対象の容積を規定するように決定されている空間的に分散したアレイに配置される複数のイオン化放射線センサーと、複数のイオン化放射線センサーの少なくともサブセットからイオン化放射線データを収集するために複数のイオン化放射線センサーに接続されたデータ収集回路と、i)イオン化放射源の線量レベルを計算しその線量レベルと閾値とを比較するために、およびii)線量レベルが閾値以上となる場合にアラームをトリガーするために、データ収集回路に接続されたコンピュータと、を備える。
【0017】
これらの、およびその他の発明の実施形態は、以下の説明および添付の図面と共に考慮すされる場合には、より良く評価および理解される。しかし、以下の説明は、発明の様々な実施形態およびその多くの特定の詳細を示すものの、それは制限ではなく説明を意図していることが理解されるべきである。本発明の実施形態の範囲内においてその精神を逸脱することなく、多くの代替、修正、追加および/または再構成がなされ得るが、本発明の実施形態は、このような全ての代替、修正、追加および/または再構成を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付された、この明細書の一部をなす図面は、本発明の特定の実施形態を図示するために含まれている。本発明の実施形態の、本発明の実施形態と組み合わせ可能なコンポーネントの、および本発明の実施形態と共に提供されるシステムのオペレーションのより明確な概念は、図面に示されている例示的な、すなわち限定されない実施形態を参照することによって、より容易に明らかとなる。本発明の実施形態は、本明細書の記載と共にこれらの一つ以上の図面を参照することによって、よりよく理解され得る。図面に示される特徴は、必ずしも縮尺が正確であるとは限らないことに留意されたい。
【0019】
本発明の実施形態およびその様々な特徴および利点の詳細は、添付の図面に説明され以下の説明において詳細が示されている非限定の実施形態を参照することで、より完全に説明される。公知の出発原料、加工技術、コンポーネントおよび装置の説明は、本発明の実施形態の詳細を不必要にあいまいにすることのないよう、省略されている。しかし、好適な発明の実施形態を説明してはいるが、制限ではなく説明を目的として、詳細な説明および特定の例が説明されていることを理解されたい。基本となる発明の概念の精神および/または範囲を逸脱しない様々な代替、変更、追加および/または再編成が、当業者には本開示内容から明らかとなるであろう。
【0020】
以下で参照する米国特許、米国を指定先とするPCT公開出願、および米国特許申請は、その意図する目的に対して有益な実施形態を開示する。米国特許番号第6、603,818号、第6,606,350号、第6,625,229号、第6,621,878号、第6,556,942号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。PCT公開出願番号第WO02/27992号、第WO02/19550号、第WO02/19293号、および第WO02/23754号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。2000年9月27日に出願された米国のシリアル番号第09/671,636号、2000年9月1日に出願された第09/653,788号、2001年8月29日に出願された第09/942,308号、2000年9月13日に出願された第09/660,743号、2003年12月3日に出願された第10/726,446号、2003年12月3日に出願された第10/726、475号、および2003年12月31日に出願された第10/817,759号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。即時出願には、2004年5月6日に出願された同時係属米国のシリアル番号(代理人整理番号UBAT1570)にも含まれ、現在では係属中となっている開示内容が含まれおり、その全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。
【0021】
本発明の実施形態は、輸送ターミナルにおける、および長距離輸送(トラックおよび鉄道)時における輸送コンテナ搭載型船舶のステータスのモニタリングおよび位置のトラッキングのための方法および/または装置を含むことが可能である。つまり、本発明は、真の『インターモダル』トラッキングおよびモニタリングシステムを含むことが可能である。この方法および/または装置は、コンテナ搭載型船舶への、およびコンテナ搭載型船舶からの、さらに、輸送ターミナルにおけるデータの安定した双方向送信のためにハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)通信を利用可能である。本明細書で利用される「ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)」という用語は、例えば符号分割多重アクセス(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)と、例えばPCT公開出願番号第WO02/27992号および/または2003年12月31日に出願された米国のシリアル番号第10/817,759号に記載されている、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割複数多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせとによって規定される。高速HSSは特に、ビット時間(つまり、各ビットが個別に分散およびホッピングする)において分散およびホッピングが行われる、特に好適な実施形態である。本発明は、長距離輸送時の通信のために移動体および/または衛星データ送信を利用可能である。コンテナ貨物のステータスおよび状態のモニタリングのためのセンサーを、このシステムに含めることが可能である。コンテナ位置は、長距離輸送時にグローバルな位置決定システム(GPS)を使って、またHSS通信のRFシグナルを利用するよりローカライズされた電波探知技術を使って決定可能である。コンテナの位置およびステータスはナショナルオペレーションセンターに中継され、こうしてこのデータを理情報システムデータベースの積荷目録に統合し、コンテナ情報をモニタリング、トラッキング、管理および表示する。
【0022】
本発明の実施形態は、オープンシステムアーキテクチャを利用して真にグローバルな資産管理および貨物トラッキング/可視度システムを作成するために、グローバルな衛星通信ネットワークによって、安定した長距離RFID技術をGISベースのトラッキングインフラストラクチャーにリンクさせる海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムを含むことができる。MASTシステムは、港およびサプライチェーンのセキュリティ上のニーズのために、オープンシステムアーキテクチャにおいて、リアルタイムの船舶/車両/鉄道コンテナおよび貨物のトラッキングを実現することを目的としている。このトラッキング技術により、システムの拡大および採用に資金を供給するために、陸上のセキュリティ、サプライチェーン管理、港湾作業の自動化、保険申請、および市場において起こりうる紛失したおよび方向を外れた貨物の回収作業/救出作業を含む、多くの商業機会が生み出される。MASTシステムの取り組みは、コンテナ貨物および資産のトラッキングおよび安全性のモニタリングのための新しい基準および『最適管理』の慣例の開発にも役立つ。
【0023】
本発明は、港湾のセキュリティ/管理のニーズのためにリアルタイムの資産、コンテナ、および貨物トラッキングを実現し、インターモダル輸送ネットワークにおける人命および積荷の安全性を向上させるよう設計可能である。内部状態モニタリングによりリアルタイムでコンテナをグローバルに追跡することができる能力はサプライチェーンおよび港湾システムのセキュリティにとって重要である。好適なHSS、双方向の低電力ワイヤレス通信は、およそ10mWの電力において船舶および/またはターミナル通信距離(例えば、300から500メートルの範囲)において効果を発揮する。
【0024】
堅密に積層されたスチール輸送コンテナ内およびその周囲のRF伝播の問題は、個々のコンテナRFタグから船舶受信機(読み取り装置)へと遠隔測定シグナルを正常に送信するための非常に安定したデータ通信技術(例えば、高度なスペクトラム拡散変調およびダイバーシティ受信システム)の使用に影響を与える。特に船舶の船倉におけるこうした大型の堅密にパッキングされた積層コンテナの非常に正確な電波探知目標は、多くの受信機(読み取り装置)をヤード施設および各船舶のデッキおよび船倉に分散していない限り、達成しにくい。通常のオペレーションにおいて位置分解能の喪失が許容されている場合、たいてい、特定の環境(つまり、ヤードまたは船舶)で利用されることを想定した綿密に設計されたコンテナRFタグおよびインフラストラクチャーコンポーネントを利用することにより、コンテナIDおよびステータスデータ(例えば、ドアの安全性、温度)の効果的な遠隔測定、および特定の環境の大部分の場合における適度に正確なコンテナ位置情報(つまり、一つの積層位置内)が得られる。
【0025】
好適なMASTシステムの実施には、特に外国の港で荷積みされている船舶に対して国際的な規定に準拠するために、2450〜2483.5MHzのISM帯域を利用可能である。さらに、海外の港湾施設は、コンテナのトラッキングについてある種のRF遠隔測定を最終的に必ず利用する。MASTシステムプロトコルが2.45GHzのISM帯域における国際的な割り当て範囲に適合する場合、最初は港の、最終的には鉄道、飛行機およびトラックなどのその他の場所の輸送コンテナのトラッキングのためにこれが世界的に採用されることになるだろう。狭帯域システムアラートシグナル、ビーコンなどの場合は、考えられるその他のISM帯域には、13.56および433MHzがあり、868MHz(ヨーロッパ)および915MHz(北米)帯域は、より高いレートおよびスペクトラム拡散の利用のためにより広い帯域をもたらす。本発明の商用実施形態のデータプロトコルは、プロセスゲインおよび混雑(jamming)抵抗の向上およびより低い衝突率のための時間スロットのコントロールのために、かなり広い帯域幅(>1MHz)、長いコード長(例えば、≧63)を有するハイブリッドまたは直接スペクトラム拡散シグナルとすることがある。
【0026】
海事(ヤード/船舶)環境においてMASTシステムを配備するには、システムにいくつかの機能領域を組み込む必要がある。第一の機能グループは海上ベースのシステムのための基本的なアーキテクチャ、つまり(1)通信リンク(2)アンテナ(3)エレクトロニクス、(4)コンテナユニットの電力源、(5)船舶から陸上へのシステムインターフェース(例えば、衛星リンク)、(6)コンテナ遠隔測定システム統合、(7)地方のRF三角測量によって最適に強化されたコンテナ位置検出GPS、(8)センサー、(9)システムの中央モニタリングユニット、および(10)コンテナデータベースインターフェースを含む。第二の機能グループには、船上セットアップと機能的にはほぼ同じであるが、船舶およびヤードシステムの間のトラッキングシステムのハンドオフの管理にさらなるシステム論理が必要となる点が異なっている、港のコンテナヤードシステムを含む。
【0027】
(1.概要)
図1を参照すると、コンテナ105に接続された一つ以上の無線周波数識別タグ101は、船舶110の読み取り装置107によって双方向無線周波数通信を行う。船舶110はさらに、サイトサーバー(図1には図示せず)も含むが、低地球軌道衛星120と双方向無線周波数通信を行う。低地球軌道衛星120は、地上局125と双方向無線周波数通信を行う。
【0028】
同時に、別の無線周波数識別タグ102およびインターモダルコンテナ106(トラックシャーシにより保持される)も、低地球軌道衛星120と接している。無線周波数識別タグ102は、(あるいはおよび/または同時に)セルタワー130とも通信を行うことができることに留意することが重要である。無線周波数識別タグ102は低地球軌道衛星120および/またはセルタワー130と直接通信を行うように示されているが、無線周波数識別タグ102はトラックシャーシに配置されている読み取り装置および/またはサイトサーバーによって中継可能であることを留意することが重要である。
【0029】
ネットワークオペレーションセンター140は、地上局125およびセルタワー130の両方と双方向通信を行う。ネットワークオペレーションセンター(NOC)は、これに対し、この実施形態において、税関、防衛省、国の交通安全機関、陸上安全局、米国沿岸警備隊、国の調査機関および商業機関を含む複数の受信先にデータをダウンロードしている。
【0030】
図1に示す海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムは、港湾側ドック施設における積荷時、陸揚げ時、および移送作業における海運業界で標準の約6.9メートルおよび約13.9メートルの輸送コンテナ、さらに、コンテナの海外輸送時における搭載船舶のトラッキングおよびモニタリングのための、ワイヤレス(RF)ベースの通信および感知/遠隔測定システムである。このシステムは、衛星および/または移動体/PCSを含むローカルターミナル通信システムおよびその他のワイドエリア商用通信システムの両方を利用する、船舶、鉄道、飛行機、長距離輸送トラックおよびその関連のターミナル施設内で運用可能な、真のインターモダルトラッキングおよびモニタリングシステムを実現可能である。このRFIDタグ付けシステムは、各輸送コンテナに取り付けられたRFIDタグ、船舶上および輸送ターミナル内に配置されるローカルサイト読み取り装置、各船舶上または各ターミナル内のある中央サイトサーバー、および全てのデータを収集、集約、保存、分析および逆アセンブル可能なネットワークオペレーションセンター(NOC)を含むことが可能である。輸送コンテナは冷蔵貨物輸送コンテナ(リーファー)およびドライ貨物輸送コンテナ(ドライボックス)の両方にすることができる。コンテナまたはRFIDタグの一つに装備されたその他の装置の位置の識別およびトラッキングに加え、各タグを、コンテナ貨物またはその他のタグ付けされた装置の状態をモニターするためのRFIDタグへの広範囲のセンサーの接続を許可するための(例えば、IEEE1451)センサーインターフェースおよびオプションの追加シリアルインターフェースに装備することが可能である。RFIDタグに接続可能なセンサーは温度、圧力、相対湿度、加速度計、放射線、およびGPS(グローバルな位置決定システム)を含む(しかしこれに限定されない)。さらなるセンサーを冷蔵コンプレッサーなどの機器の状態モニタリング、またはいくつかの冷蔵貨物コンテナにおける診断用データポートからの読み取りのために含めることが可能である。
【0031】
MASTシステムは、三つのメインオペレーションモードを有している。つまり、第一のモードはRFIDタグが船舶上にある場合、第二のモードはRFIDタグがターミナルにある場合、および第三のモードはRFIDタグが長距離輸送または鉄道上にある場合(これにはRFIDタグが船舶またはターミナルにない全ての場合を含む)。ターミナルは、RF通信システムによって運用されているローカルエリアであると考えられる。RFIDタグ付けされたシステムには、a)全てのRFIDタグおよびその関連付けられた貨物コンテナ(またはその他の資産)のステータスおよびデータを含み、この情報をユーザーに提供可能なネットワークオペレーションセンター(NOC)、b)ローカルエリア通信(つまり各船舶またはターミナル)を管理し中央のシステムサーバーにRFIDタグデータを中継可能なローカルのサイトサーバー(船舶またはターミナル毎に一つ)、c)ローカルエリアでRFIDタグから通信を受信しこれを地方のサイト受信機に中継可能なRFIDタグ読み取り装置、およびd)RFIDタグを含むことができる。
【0032】
図2を参照し、本発明の陸上側および/または船舶側の通信のフレキシビリティについて説明する。第一のコンテナ211に接続される第一の無線周波数識別タグ201は、船舶230に配置された複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224に通信可能に接続される。複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224は、船舶230に配置されたサイトサーバー235に通信可能に接続される。サイトサーバー235は衛星(図2には図示せず)に通信可能に接続されるが、ネットワークオペレーションセンターにも通信可能に接続される。
【0033】
第二のコンテナ212に接続される第二の無線周波数識別タグ202は、複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224に通信可能に接続され、さらに、同時に、ターミナル内または付近の街灯柱またはタワーに位置する複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242にも通信可能に接続される。複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242は、ターミナルに関連付けられたサイトサーバー250に通信可能に接続される。サイトサーバー250は、衛星データリンクまたはその他の通信回路(例えば、有線のインターネット接続)経由でネットワークオペレーションセンターに通信可能に接続される。
【0034】
第三のコンテナ213に接続される第三の無線周波数識別タグ203は、複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242に通信可能に接続される。第三の無線周波数識別タグ203は複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224と通信するようには示されていないが、その第三のコンテナ213の位置を船舶230に物理的に近づけると、通信が可能であることを理解することが重要である。
【0035】
引き続き図2を参照すると、船上またはターミナル通信RFIDタグは、RFIDタグ読み取り装置と通信するためにRF通信を利用可能である。好適なRF通信は、2.45GHZ帯域で実行されるハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)RFデータリンクである。各タグからのRFシグナルの電波探知または三角測量は、各RFIDタグの位置を決定するために利用可能である。
【0036】
図3を参照すると、ネットワークオペレーションセンター310はイーサネット(登録商標)たは衛星データリンクを経由して、陸上側サイトサーバー320と双方向に接続される。同時に、ネットワークオペレーションセンター310は、衛星データリンクを経由して、船上サイトサーバー330と双方向に接続される。
【0037】
陸上側サイトサーバー320は、第一の無線周波数識別タグ読み取り装置340、第二の無線周波数識別タグ読み取り装置350および第三の無線周波数識別タグ読み取り装置360に双方向に接続される。この実施形態において、サイトサーバー320および三つのタグ読み取り装置340、350、360の間の通信カップリングは無線周波数ワイヤレス、電力ライン、イーサネット(登録商標)または任意データリンクの一つ以上とすることができることに留意することが重要である。ターミナル345に位置する複数の無線周波数識別タグは、三つのタグ読み取り装置340、350、360の少なくとも一つに、双方向で通信可能に接続される。
【0038】
船上サイトサーバー330は、第四の無線周波数識別タグ読み取り装置370、第五の無線周波数識別タグ読み取り装置380および第六の無線周波数識別タグ読み取り装置390に双方向に通信可能に接続される。船上サイトサーバー330は、一つ以上の電力ライン、無線周波数ワイヤレスまたはイーサネット(登録商標)データリンクによって、三つのタグ読み取り装置370、380、390に接続されることに留意することが重要である。船舶375に配置される複数の無線周波数識別タグは、三つのタグ読み取り装置370、380、390の少なくとも一つと双方向通信を行う。
【0039】
図3に示すように、RFIDタグ通信はRFIDタグ読み取り装置による検知が可能であり、以下の複数の方法の一つ以上により、地方のサイトサーバーへ中継可能である。a)RFデータリンク、b)イーサネット(登録商標)、c)電力ラインのデータリンク、d)光通信および/またはe)その他。タグデータが地方のサイトサーバーに中継されると、データは、衛星ベースのデータリンクまたはその他のインターネットサービスプロバイダーリンク(例えば、イーサネット(登録商標))のどちらかによってNOCにアップロードすることが可能である。ローカルのサイトサーバーは、船舶の機関士などのローカルの人員が利用できる報告を生成することも可能である。データをNOCにアップロードされると、NOCは、タグ命令、検証および/またはクエリと再び通信することが可能である。どの特定のコンテナのためのデータでも、インターネットアクセスおよび適切なセキュリティの検証手段を有する世界中のユーザーが利用することが可能になる。
【0040】
図4を参照すると、ネットワークオペレーションセンター410は、第一の移動体または衛星システム420、第二の移動体または衛星システム430および第三の衛星または移動体システム440に接続される。ネットワークオペレーションセンター410およびシステム420、430、440の間の双方向通信カップリングは電話線または基地局の接続にすることができる。三つのシステム420、430、440のそれぞれは、ローカルエリア(RF対象範囲)ゾーン450外の複数の無線周波数識別タグのサブセットに関連付けられる。ローカルエリアゾーン450外のRFIDタグの各サブセットを有する三つのシステム420、430、440間の双方向通信カップリングは、移動体または衛星データリンクによって行うことが可能である。
【0041】
長距離輸送および鉄道の通信の場合、図4で示されているように、RFIDタグは、移動体または衛星データリンクによってNOCと通信可能である。移動体は世界的にその範囲を網羅していないため、好適な方法は直接衛星通信である。衛星または移動体システムは、NOCに接続される基地局(衛星)またはNOCに接続されるモデムバンク(移動体)によって、RFIDタグデータをNOCに中継可能である。長距離輸送オペレーションは、RFIDタグが船舶搭載されていないまたはターミナルにない場合(RF通信システムが運用されているローカルエリア)、全てのオペレーションを含めることができる。各タグのGPS受信機は、コンテナの動きおよび位置をトラッキングするために長距離輸送時に利用可能である。また、長距離輸送オペレーション時にコンテナが積層されていないことが好ましい。鉄道列車において可能であるように、タグ付けされたコンテナの上に別のコンテナを積層している場合、衛星または移動体モデムのデータリンクおよびGPSシステムが機能しない可能性がある。積層の上側の別のタグ付けされたコンテナを最初のコンテナのリピーターまたはリレー(エクステンダー)とすることは可能である。より詳しく説明すると、その他の方法がうまくいかない場合に、第一のコンテナはHSSRF通信を利用可能である。第二のコンテナは、そのHSSRF受信機によってこうした通信を受信可能であり、次に、その衛星または移動体モデムデータリンクを利用してNOCに中継することが可能である。
【0042】
(2.RFIDタグの説明)
各RFIDタグは、四つの機能ブロック、(1)マイクロプロセッサコントロールサブシステム、(2)センサーサブシステム、(3)通信サブシステム、および(4)電力供給サブシステムを含むことができる。図5は、RFIDタグのブロック図を示す。
【0043】
図5を参照すると、無線周波数識別タグ500は、マイクロプロセッサ制御サブシステム510、電力供給サブシステム520、センサーサブシステム530および通信サブシステム540を含む。マイクロプロセッサ制御サブシステム510は、入力/出力インターフェース回路511を含む。マイクロプロセッサ回路512は、入力/出力インターフェース回路511に接続される。フラッシュメモリ回路513は、マイクロプロセッサ回路512に接続される。ランダムアクセスメモリ回路514も、マイクロプロセッサ回路512に接続される。マイクロプロセッサ回路512は、電力ライン515によって電力供給サブシステム520に接続される。
【0044】
電力供給サブシステム520は、電力管理モジュール回路521を含む。
【0045】
AC〜DC電力回路522は電力管理モジュール521に接続される。電池523(例えば、リチウムイオン)は、電力管理モジュール521に接続される。代替電力源524は、電力管理モジュール521に接続される。電力供給サブシステム520は電力ライン525のセットによってセンサーサブシステム530に電力を供給する。電力供給サブシステム520は電力ライン526のセットによって通信サブシステム540に電力を供給する。
【0046】
センサーサブシステム530は、ライン532によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続されるシリアルインターフェース531を含む。温度センサー533は、シリアルインターフェース531に接続される。相対湿度センサー534は、シリアルインターフェース531に接続される。ドア開放センサー535はシリアルインターフェース531に接続される。その他のセンサー536(例えば、イオン化放射線センサー)は、シリアルインターフェース531に接続される。センサーサブシステム530は、マイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続されるGPSモジュール537を含む。センサーサブシステム530は、インターフェースコンバーター回路539によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続される参照ユニットデータポート538を含む。
【0047】
通信サブシステム540は、全てライン545によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続される、ローカル/シリアル通信回路541、移動体モデムモジュール542、ハイブリッド型拡散スペクトル無線周波数モジュール543および衛星モジュール544を含む。一つ以上のアンテナ546は、移動体モデムモジュール542、ハイブリッド型拡散スペクトル無線周波数モジュール543および/または衛星モジュール544に接続される。
【0048】
マイクロプロセッサコントロールサブシステム:マイクロプロセッサコントロールサブシステムは、RFIDタグのコントローラとして動作可能である。通信モジュール、センサーモジュール、および電力モジュールとのインターフェースが可能である。マイクロプロセッサは、システムソフトウェア、システムコマンド、およびセンサーデータを保存するために非揮発メモリおよび揮発メモリの両方を利用可能である。
【0049】
センサーサブシステム:センサーサブシステムは、一つ以上のセンサーモジュールとの通信のために、IEEE1451準拠プロトコルを利用可能である。これにより、1451プロトコルに準拠していることを条件にいずれかのセンサーでも将来的に追加可能である。GPSおよびリーファーデータポート読み取り装置などの基本的なセンサーのいくつかは、マイクロプロセッサにおいてシリアル通信ポートを利用可能である。RFIDタグの一部にできるセンサーの種類には、温度、相対湿度、放射線、生物学的、科学的、加速度計、ドアスイッチ、侵入などがある。
【0050】
通信サブシステム:通信サブシステムは、複数の異なる種類の通信リンクをタグプラットフォームに組み込むことが可能である。これらは、例えば、シリアルポートまたはイーサネット(登録商標)ポートによって接続可能である。
【0051】
基本的な通信モードを以下に説明する。
【0052】
RF通信−RF通信は、利用可能なワイヤレス通信プロトコル(いくつでもよい)の形態にすることが可能である。しかし、好適な方法は、ハイブリッド型拡散スペクトルプロトコルである。このプロトコルにより、その他のワイヤレス技術よりも高い信頼性、より低い電力消費、および安定した通信がもたらされる。RF通信は、タグが船舶上またはターミナル内(ローカルエリア通信)にある場合に優先的に用いられるようにすることが可能である。
【0053】
移動体/PCS通信−CDMまたはGSMなどの標準の商用移動体のアナログまたはデジタルのモデムは、長距離輸送(トラックまたは鉄道輸送)通信のためにタグによって利用可能である。しかし、標準的な移動体インフラストラクチャーが全世界に整備されているわけではない。そのため、各タグは、いくつかの異なるプロトコルを、制限された市場エリア以外でも運用可能にすることが必要な場合がある。さらに、タグは、移動体の対象範囲となっていないエリアに移動される可能性がある。
【0054】
衛星通信−世界のどこでも利用可能な長距離輸送通信リンクを提供するために衛星ベースの通信ネットワークを利用する。これにより、移動体システムの代替として、またはその追加として、より簡単で、より安定した、さらにより安全な通信システムを利用することが可能である。好適な実施形態は、低地球軌道(LEO)衛星ネットワークシステムを利用可能である。
【0055】
地方の通信−各タグは、開発、トラブルシューティング、および/または初期セットアップに利用されるシリアルポートを有することが可能である。シリアルポートは、例えば、RS232、USBまたはIrDA(赤外線)の形態にすることが可能である。
【0056】
電力供給サブシステム:電力供給サブシステムは、全てのその他のサブシステムに電力を供給可能である。利用可能な電力源には、電池、(例えば、リーファーの冷蔵電力供給からの)AC電力および、光電池、振動トランスデューサー、帯電チャージャー、無線周波数電力整流器、熱電発電機および/または放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置などのその他の電力スカベンジングおよび/または発電装置が含まれる。コンテナ以外の資産に配置されたRFIDタグでは、資産の電力システムからのDC電力も利用可能である。電力供給サブシステムは、電力源の電圧を各サブシステムで必要な電圧に変換可能である。さらに、電池状態および電力源の利用率をモニターするために電力管理機能を実行することも可能である。
【0057】
(3.RFIDタグ読み取り装置)
RFIDタグ読み取り装置は、RFIDタグの通信をサイトサーバーに(およびサイトサーバーから)中継する。RFIDタグ読み取り装置はRFIDタグと同様にすることができるが、異なる通信モジュールを用い、またセンサーをなしにすることもできる。RFIDタグ読み取り装置は、ローカルのRF通信モジュールによって(好適にはHSSプロトコルを利用して)RFIDタグと通信することが可能である。RFIDタグ読み取り装置は、いくつかの考えられる技術の一つ、つまり、ワイヤレスRF通信(好適には5.8GHzなどのRFIDタグ通信以外の周波数のHSS通信)、(電力ライン通信、イーサネット(登録商標)またはシリアルなどの)有線通信、および/または(光ファイバーまたは視線方向レーザー通信などの)光通信によって、サイトサーバーと通信可能である。
【0058】
図6を参照すると、複数のインターモダル輸送コンテナ610は、二段階の高さのアレイに積層される。インターモダル輸送コンテナ610のそれぞれは、無線周波数識別タグ620を含む。複数のタグ読み取り装置630は、二段階の高さのアレイによって規定されるオープン通路の端に位置する。
【0059】
MASTシステムの光通信の別の特徴は、『コンテナからRFIDタグデータおよび積荷目録を直接読み取るためのハンドヘルド(携帯可能)読み取り装置』の使用である。ハンドヘルド読み取り装置は、税関、沿岸警備隊、船員、またはコンテナの中身およびその貨物ステータス(センサーデータ、動きの履歴など。)を確認するその他の認定されたグループによって使用可能である。ハンドヘルド読み取り装置は、コンテナ付近に設置され、運用することが可能である。適切な識別コード(またはバーコード)をハンドヘルド読み取り装置に入力し、および次にRFIDタグと通信するためにRF通信をハンドヘルド読み取り装置に使用可能である。RF通信は、地方のターミナルおよび船舶通信に利用されるHSS通信を利用可能であることが好ましい。RFIDタグは次に、ハンドヘルド読み取り装置にコンテナ積荷目録(RFIDタグに保存されているまたはダウンロードされた積荷目録から、あるいはRFIDタグからのアップリンクリクエストによってNOCから)とコンテナセンサーの旅程ログをダウンロードする。この旅程ログには、全てのセンサー、センサーアラーム(コンテナ侵入、温度範囲逸脱などを含む。)、およびコンテナの特定の地理的なルートの履歴のための履歴報告を含むことが可能である。
【0060】
ハンドヘルド読み取り装置はまた、コンテナの積荷目録をアップロードするために利用可能である(これは、ポータルを使用して行うこともできる)。コンテナに荷物が積まれると、バーコードまたはその他の種類のパッケージング種類RFIDタグをハンドヘルド読み取り装置に読み込むことが可能である。ハンドヘルド読み取り装置(またはその他の種類のRFID読み取り装置)から、貨物IDをコンテナのRFIDタグのコンテナ目録にロードし、次にNOCにアップロードすることが可能である。
【0061】
コンテナでIrDA(赤外線)データポートを利用するためには代替アプローチを利用する。次にハンドヘルド読み取り装置をlrDAポートおよび確立された通信に向ける。データのダウンロードは、上記と同様となる。
【0062】
(4.サイトサーバー)
サイトサーバーは、RFIDタグ読み取り装置からRFIDタグのデータを受信可能である。サイトサーバーはRFIDタグデータをNOCに送信可能である。サイトサーバーはRFIDタグのデータのローカル分析を実行し、何万ものタグをターミナルまたは船舶上に設置することを可能にする、本発明のマルチアクセスという面を管理可能である。サイトサーバーは、三つのメインサブシステム、(1)コンピュータベースのサーバーおよびシステムコントローラ、(2)RFIDタグ読み取り装置との通信に関してRFIDタグ読み取り装置と同じ通信モジュールを含むRFIDタグ読み取り装置通信サブシステム[つまり、ワイヤレスRF通信(好適には5.8GHzなどのRFIDタグ通信以外の周波数のHS通信)、(電力ライン通信、イーサネット(登録商標)またはシリアルなどの)有線通信、または(光ファイバーまたは視野方向レーザー通信などの)光通信にすることができる]、および(3)有線の、移動体、光通信または衛星通信モジュールを利用可能なNOC通信サブシステムを含むことが可能である。
【0063】
(5.ネットワークオペレーションセンター)
ネットワークオペレーションセンター(NOC)は、世界的な海上輸送コントロールシステムの情報センターとすることが可能である。世界中に設置されている全てのRFIDタグからの全てのRFIDタグデータは、地方のサイトサーバーまたは直接移動体または衛星通信によってNOCに中継可能である。NOCは、位置、センサーデータ、およびRFIDタグステータスを含むRFIDタグデータを収集、保存、逆アセンブルする。
【0064】
本発明は、中央オペレーションセンターのアーキテクチャにおける技術の統合を含むことが可能である。この技術には、プライベートセクターの資産および貨物オーナー、関連する州および国の政府機関(沿岸警備隊、TSA、税関、NTSB、およびDoDなど。)、および地方の第一対応機関(法律機関、消防局、地方政府)へ確固とした連続データフローを提供するためのグローバルな位置決定システム、無線周波数識別(RFID)に基づく資産および貨物コンテナのトラッキングシステム、グローバルに利用可能な商用衛星およびインターネット通信システム、地理情報システム(GIS)およびリアルタイム物流分析機能、フォールトトレラントシステム、および資産および貨物トラッキングのための既存の国のシステムおよび商用プログラムが含まれる。
【0065】
NOCにおける地理的な情報システム(GIS)の使用により、簡単なウェブブラウザベースの緯度/経度による報告から地図ベースの市/州/郵便番号/国情報までの様々な形式で資産位置を分析および表示することが可能である。このシステムは、地理的なパターンを含む特定の基準に基づいて、資産をリアルタイムでモニターおよびプロファイルすることが可能である。このアプローチはまた、資産の動きに関するリアルタイムの物流分析の組み込みも行うことが可能である。GIS開発の長期目標は、サプライチェーンにおける商品および資産の動きを分析可能な情報インフラストラクチャーを作成することと、地理的なパターンを含むコンテナの高度なプロファイリングを行うことである。
【0066】
RFIDタグデータは、MASTシステムを作成するためにグローバルな衛星通信ネットワークによって、中央化GISベースのトラッキングインフラストラクチャーに統合可能である。MASTシステムの好適な発明の実施形態は、一つ以上のグローバルな衛星ネットワークを含む。
【0067】
衛星ネットワークによって、資産をグローバルかつリアルタイムにトラッキングおよびモニタリングするだけでなく、全ての情報を一つの位置に効果的に集中させることができるようになる。これにより、セキュリティ、耐故障性、データバックアップ/アーカイブ、およびメンテナンスという利点が得られる。NOCは、オープンシステムアーキテクチャにおいてリアルタイムトラッキングおよび資産管理システムを作成するために、地理情報システム(GIS)技術、衛星通信、グローバルな位置決定システム、RFID(電子印など。)、およびインターネットを統合することができる。NOCは、厳密な情報保護プロトコル(例えば、ログインおよび/または暗号化)によって、個人または組織がインターネット経由でリアルタイムに資産を管理可能なウェブベースのトラッキングシステムを使い、移動資産のグローバルな管理のためのリアルタイム物流支援の単一位置を実現可能である。情報は必要に応じて安全なトランザクションにより関連団体に配信され、こうして資産の盗難のためにシステムが利用されることを不可能にすることができる。
【0068】
NOCは、一つ以上の以下のオペレーション機能を有することが可能である。これはつまり、1)詳細な航海履歴によるリアルタイムのグローバルな船舶位置トラッキング、2)窃盗通知および内部環境および放射線のステータスによる、コンテナ位置および状態のトラッキング、3)考えられる脅威、リスク、および責務を識別する監査証跡による、米国の海域および港における船舶およびコンテナ到着の早期警告/脅威の識別、4)疑わしい輸送活動の検知およびモニタリング(予定外の港への入港など。)および船舶およびコンテナレベルの両方における長期の活動パターンの識別、5)防衛省、米国沿岸警備隊、米国税関、本土防衛担当省、さらに、地方自治体の本土防衛、港湾セキュリティ、密輸、および盗難の問題についての『即時対応』法的機関との間のやりとりにおけるデータの保全、6)必要に応じて貨物の到着および流通を計画および管理するための乗組員および港との間でのデータの保全、7)包括的な港、船舶、およびコンテナの管理のためのシステムおよび税関検査のための『ファストトラック』プロトコル、8)冷蔵貨物、重要貨物、およびHAZMAT貨物のリアルタイムのモニタリング機能、9)重要情報(例えば、規則、規定、天候情報、乗組員への注意事項、など。)の効率および連絡先の中央化を最大限にするための海運業用リモートコントロールタワー、10)インターモダル倉庫保管、港、船舶、道路、および鉄道サプライチェーン管理およびグローバルな規模における安全性適用の統合。
【0069】
(6.多重アクセス)
本明細書で説明されている多重アクセスのアプローチによって、近くのターミナルまたは船舶に設置されている90,000を超えるさらなるRFIDタグ(考えられる干渉源)を含むことがある環境に位置するターミナルまたは船舶に分散されたおよそ10,000のRFIDタグを動作可能に収容可能な多重アクセスネットワークが実現される。この多重アクセスの設計では、こうした要件を達成するためにCDMA、FDMA、TDMAおよび/またはSDMA(空間分割多重アクセス)の一つ以上を利用可能である。RFIDタグは、それぞれ、ターミナルまたは船舶の周囲に境界またはターミナルまたは船舶内にグリッドのどちらかを形成するRFIDタグ読み取り装置のアレイに、電子的な識別コード、センサーデータ、および位置情報を報告することが可能である。RFIDタグ読み取り装置の位置に、現在ヤード内にある街灯タワーという既存のインフラストラクチャーを利用する場合もある。こうしたRFIDタグ読み取り装置は、タグからのデータを調整し、全ての便利なデータを近くのサイトサーバーに報告可能である。次に、サイトサーバーは、重要なイベントおよびセンサーデータをNOCに中継可能である。以下に、RFIDタグからRFIDタグへの読み取り装置リンクに焦点を絞った、ターミナル/船舶エリアの通信について説明する。
【0070】
(一般的な戦略)
以下に、好適な全体的な通信戦略のエレメントを説明する。本発明の実施形態は、直接拡散型スペクトル拡散(DSSS)および周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)の両方を利用する符号分割多元接続方式(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)および空間分割多重アクセス(SDMA)の組み合わせを含むことが可能であり、タグから読み取り装置へのリンクに利用可能である。本発明の実施形態は、異なる周波数帯域(例えば5GHz)を利用する読み取り装置からサーバーへのリンクを含むことができる。本発明の実施形態は、電力コントロールをCDMAおよびSDMAの方法の最適化のために採用可能にする双方向通信を含むことが可能である。本発明の実施形態は、近所どうしに存在するヤードからの拡散コードグループを識別可能である、近距離に存在する独立したターミナル(ヤード)を含むことが可能である。本発明の実施形態は、ヤードを微小なセルに再分割するオプションを含むことが可能である。
【0071】
以下に、上記で説明した好適な全体的な通信戦略の主要なパフォーマンスのパラメータについて説明する。サイトサーバーは、99.99%の成功率で、少なくとも100秒に一度、10,000の近似タグから更新内容を受信する。サイトサーバーを含むネットワークは、最高で90,000の準近似タグを『無視する』ことができる。タグからの優先順位の高いメッセージは、遅延一秒以内で送信可能である。
【0072】
(実装)
以下の実装の分析では、以下の条件を仮定している。100秒毎に一回、各ノードから1,000ビットが使用される。5MHzの帯域幅のオフセット直交位相シフトキー(OQPSK)変調およびほぼ一定のエンベロープ信号を使用する。重複率が制御された16以上の非重複ホップ周波数。直接拡散型のための長さ63の拡散コードを使用する。
【0073】
上記の明示的な仮定に基づき、1,000ビット(125バイト)のパケットが、ビットレート80kbps、チッピング長63で、それぞれ10,000ノードから、100秒に一回、送信される。このため、本発明の実施形態のチッピングレートは、OQPSK変調によって約5MHzのスペクトル帯域幅に変換する約2.5Mbpsとなる。RFIDタグ読み取り装置は、約100秒に一度各RFIDタグと通信する必要があると仮定する。そのため、10,000のRFIDタグは、100秒毎に平均20,000のパケットに変換する。こうした20,000のパケットは、4,000の時間スロット(25msの長さ)および32のCDMAユーザーに多重化される(63の長さコードと16のホップの組み合わせであり、同時最大ユーザー数は、およそ、チップ長さの二乗×ホップの二乗の数と仮定する。)
周辺RFIDタグ読み取り装置は、RFIDタグ通信のためにコンテナ列間に配置するようにされた指向性アンテナを利用可能である。異なる周波数帯域(例えば5GHz)[またはあるいは、電力ライン通信]で動作する指向性アンテナを、タワーからタワー/サーバーへの通信に使用することも可能である。ヤードサイズおよびその他の環境的なパラメータによっては、中継通信を行うためにタワーも必要となることがある。
【0074】
RFIDタグ読み取り装置のメイン機能として、全RFIDタグから情報をキャプチャし、次にこの情報をサイトサーバーに中継するようにできる。この機能は、10K以上のタグのための多重アクセスプランを最適化するように互いに調整したり、サイトサーバーに直接通信するのみにしたりすることができる。例えば、いくつかの読み取り装置が単一のRFIDタグからデータをキャプチャする場合、読み取り装置は、少なくとも一つの読み取り装置がRFIDタグと確実に通信できる最小の電力レベルを協調的に決定することができる。
【0075】
(電力コントロール)
上記で説明したように、ネットワーク通信を最適化するために電力コントロールを利用可能である。当然ながら、電力コントロールは、DS−CDMAを利用する場合に最も好ましい。この多重アクセスアプローチは、全てRFIDタグからの送信電力のコントロールに関与する、ネットワーク検出プロトコル、電力バックオフ、および干渉緩和技術を含むことができる。
【0076】
(再送信の冗長度)
上記の分析では、システムは、100秒に一回の割合で各RFIDタグを聞く必要があり、約1,000ビットのメッセージで十分であると仮定する。これには、100%のパケット長でのインターパケットガード時間の控えめな推定を含む。上記の例において、パケットはおよそ12.5msの長さとなり、平均ガード時間も約12.5msとなる。このガード時間は非常に控えめに見積もった値であり、90%以上も低下して、スループットまたは冗長がさらにほぼ二倍になる可能性がある。ガード時間の小区分は、CSMAの方式で『緊急時』イベントに利用するものである。さらに、ほとんどの適用において100秒の更新レートは必要ないため、次の100秒のサイクル時の連続した時間スロットを不良パケットの再送信に使用可能である。例えば、一時間、一秒あるいは三時間に一回の更新レートで、ほとんどの場合十分である。
【0077】
上記で説明したように電力コントロールを実行し、チャネル割り当ておよびネットワーク最適化の典型的なデューティーを実行するために、全てのノードの起動シーケンスで厳格なフローコントロールを確立する必要がある。図7〜図8(フローチャート)を参照して説明される以下の記載は、そのプロセス設計例について述べる。
【0078】
(検知プロセス)
図7に示すように、ノードは、システムコントロールの(デフォルトの)RFチャネルで起動する。ノードは、RFIDタグ読み取り装置の一つとのリンクを確立するまで、小規模な『パイロット』チャネルセットを周期的に繰り返す。このループは、読み取り装置(または、所定のシステムで代わりのタグからタグへのアプローチが利用可能な場合には別のタグ)によって正常な通信が確立されるまで、または確立されない限り、必然的にエンドレスとなる。本発明の実施形態は、電力の増大および/またはこのプロセスを含むことが可能である。
【0079】
図7を参照すると、例示のタグ起動シーケンスはステップ710においてタグがオンされることによって開始可能である。ステップ720において、タグはデフォルトの受信機コードを設定する。ステップ730において、タグはタワーからのパイロット送信シグナルを聞く。ステップ740において、タワーからのシグナルが識別される場合、タグは、ネットワークへの送信の通信750に進む。タワーが識別されない場合、タグは、ステップ760において、タイムアウト期間が経過したかどうかを判断する。タイムアウト期間が経過していない場合、タグは引き続きタワーを識別しようとする。タイムアウト期間が経過している場合、タグは、代替受信機周波数コードの設定を含むステップ770に進む。代替受信機周波数コードの設定後、タグはステップ730に進み、再び、タワーからのパイロット送信を聞く。
【0080】
発見プロセス時において、所定の時間において送信するタグ数を最小化することが好適である場合がある。これは、読み取り装置ノードに発見プロセスをコントロールさせることによって実行可能である。読み取り装置は、その範囲内の全てのタグを所定の順番、所定のテンポラリコード(以下のネットワークID送信順序を参照)で送信するようプロンプトするIDリクエストを送信する。次に読み取り装置はタグからのメッセージの受信および処理を開始する。第一のノード識別サイクルが完了すると、読み取り装置は、受信を認証しタグのネットワークIDおよび時間スロット割り当ての両方を指定するタグへのメッセージを送信する。ネットワークID割り当てを有する(その読み取り装置IDに関連付けられた)全てのタグがIDリクエストメッセージを承認するわけではないという条件において、サイクルが繰り返される。本発明は、衝突の解決のためのプロトコルなどを含むことが可能である。
【0081】
(ネットワークIDの送信順)
読み取り装置は、そのIDリクエストをデコードすることのできる(およびその読み取り装置によって以前にログされていない)全てのタグが、5msのメッセージx×リクエストの受信後10msを送信するようリクエスト可能である。(xは、タグUUIDの3つの最下位桁)。(例えば、12345678というUUIDを有するタグは、読み取り装置への送信前に6,780ms待機することになる。)さらに、タグは、FHおよびDSコードの組み合わせを選択するために、そのすぐ上の2桁(この例では45)を使用できる。このため、読み取り装置は、100,000のタグを確実に処理できる必要がある。
【0082】
RFIDタグおよびRFIDタグ読み取り装置がリンクを確立すると、読み取り装置は、RFIDタグを、最適化されたネットワークの一部となるコードと周波数の組み合わせに割り当てる。このプロセスを図8に示す。
【0083】
図8を参照すると、通信検知810からの送信時において、タグは、ステップ820において、デフォルトの送信周波数コードを取得または採用する。ステップ830において、タグは、デフォルトの送信周波数コードをタワーに送信する。ステップ840において、タワーがデフォルトの送信周波数コードを認証する場合、サイトサーバーはステップ850においてタグをコード周波数および時間スロットに割り当てる。タワーがステップ840において認証しない場合には、タグは、タイムアウト期間が経過したかどうかを決定するステップ860に進む。タイムアウト期間が経過すると、タグはステップ840に戻り、タワーからの認証が行われるまで引き続き待機する。ステップ860においてタイムアウト期間が経過すると、タグは、代替送信周波数コードが取得または採用されるステップ870に進む。タグはステップ830に戻る。
【0084】
(パケット構造)
このセクションは、プリアンブルおよびエラー修正/検出コーディングなどの安定した通信専用のパケット部分について説明する。パケットのペイロードは便利なペイロード(例えば、識別、位置、線量測定など)のいずれかにすることができる。
【0085】
好適な波形は周波数ホッピングと共に直接拡散型スペクトルを利用するため、プリアンブルは二つの部分を利用できる。つまり、64ビットの一定周波数DSSSの部分と、63ビットのハイブリッドFH/DSSSの部分である。受信機修正装置は公知の周波数における自動修正のピークにおいて、伝送波形の開始を検索可能である。受信機が『ビット』エッジの(時間的)位置を得ると、その搬送周波数のホッピングを開始可能である。データデリミタ文字の働きをするプリアンブルの第二の部分の開始時に、伝送波形はホッピングを開始可能である。受信機は、この第二の(63ビットの)シーケンスの開始時においてホッピングシーケンスとの同期化を再確立可能である。これにより、受信機は5ビット以上のシーケンスを無視することができるだけでなく、データペイロードの開始を正常に検知できる。32ビットの長さのCRCワードによってパケットが完成し、実際のデータペイロードの完全性を補償するために利用可能である。
【0086】
(直接拡散型スペクトル)
長さ63の約520のコードを生成するKasamiコードジェネレータから、DSSS割り当てを選択可能である。所定の時間スロット内で、約32のコードのみを所定のセル内で使用可能である。しかし、この最大コードセットを利用することで、コード割り当てプロセスの管理は簡単になる。
【0087】
(周波数ホッピングスペクトル拡散)
所定のパケットスロット時において、周波数ホッピング割り当てにより、チャネル直交性をいくらか達成可能である。仮定条件としてのRFタグのスペクトルは約5MHzであり、2.45GHzの産業、科学、および医療分野の(ISM)帯域は80MHzであるため、16のホッピング中心周波数のみをこの例で用いる。ハイブリッド型拡散スペクトルは厳しいマルチパス環境におかれた個々のリンクの安定性を向上させるようにすることが何よりも望ましいが、これは、時間スロットに存在する同時ユーザーの数を増やすためにも利用できるという利点がある。特定の実施形態におけるこのシステムのタイミング同期化は高速のホッピングスキームをサポートするには十分ではないため、複数の同時ユーザーを区別するためにDSSSスペクトル拡散のみを利用可能である。
【0088】
(7.海上システムの観測および分析)
船舶ターミナル施設のサイズは、この施設の拡大においてコンテナを追跡するのに必要な陸上側のRFシステム(つまり、受信機の数および分散)の設定に大きく影響する。ターミナルの街灯は、施設の受信機および送信機(またはトランシーバー)の好適な位置である。
【0089】
船上RFコンテナモニタリング受信機は、船舶の船首のマストに配置することがある。コンテナはデッキ上に常に均一な高さでまたは非常に一貫した配置で積層されているわけではないことを留意することが重要である。対象範囲内の船倉へのまたは船倉からのRFの伝播(鋼製ハッチ)は基本的にゼロにすることができるため、そこでのコンテナのモニタリングに役立つよう、船倉内にRFシステム受信機を設置する必要があることがある。
【0090】
荷物を積んだ船舶において、コンテナは多くの場合、デッキ上に船体の端まで積層される。ブリッジウィングおよびMASTを、MASTシステムのためにRFインフラストラクチャーコンポーネントを搭載するために利用可能である。各列およびコンテナ積層間の隙間により、船舶の端に達する前に適した波長のRFシグナルがあちこち跳ね返ることが可能になる。デッキ上の全てのコンテナの一貫した受信範囲を実現するために、船舶の周囲に沿ってこのスペースの各端にシステムアンテナを配置することが望ましい。
【0091】
コンテナは典型的には、船倉に緊密に積層される。コンテナは、船舶構造に設置された垂直方向の固定レールを滑り降りる。金属製の隔壁はコンテナの端周辺のエリアを効果的に細分化し、さらに船倉内のコンテナからのRF伝播を妨害する。船倉にハッチを設置すると、非常に良好なファラデーケージが形成され、RFがここを通過することはほとんど不可能である。そのため、船倉に積層されたコンテナからリアルタイムに近い(例えば、毎日の)遠隔測定が必要な場合には、いくつかの船倉内RFインフラストラクチャーを設置することが必要になる場合がある(つまり、受信機および関連付けられたデータリンクが船舶のブリッジ上の中央モニタリングステーションに戻る)。コンテナロッキングメカニズムは、積層されたコンテナの上部と下部の間に約5センチメートル〜約7.6センチメートルの隙間が空くようにする。コンテナの上部と下部の間のこのおよそ約5センチ〜約7.6センチメートルのスペースは、コンテナの間に(適した周波数の)RFパスを提供するのに十分である。コンテナの側面の間のこれに相当するスペースは、典型的には、約1.3センチメートルから約5センチメートルである。この構成により、コンテナ間における無線周波数のオームの(非可逆)および/または容量的な接続を生成することが可能であり、これは、積層からのシグナル伝播をいくらか損なうことがある。
【0092】
図9を参照すると、複数のインターモダル輸送コンテナ910は直交アレイに配置されている。無線周波数識別タグ920はインターモダル輸送コンテナ910の一つの上部に示される。複数の読み取り装置930が、複数の多様な輸送コンテナ910によって形成される通路の端に配置されている。
【0093】
図9は、コンテナグループが船舶のデッキまたはターミナルヤード内の地面に配置される場合の、緊密に積層されたコンテナグループ(名目上は約1219メートル)の平面図を示す。単一のRFエミッタ(図では放射している赤い点で示される)は、コンテナの上部の中央付近に搭載可能である。コンテナの脚部および上部のレールはシグナルの縦方向に延びる傾向にあるため、大部分のRFエネルギーは、コンテナの二つの端から両方向(図では上下方向)の隣接する通路に漏れ出す。こうしたシグナルは、アレイのエッジに現れるまで、通路の境界を決定するコンテナの両端間を跳ね返るため、中程度の喪失が生じ波形が大きく歪むという欠点がある。拡散およびマルチパスタイプの歪みに対して高い免疫を持つシかなりの広帯域(数MHz)スペクトラム拡散シグナルが、最も良く受信されると考えられる。当然ながら、本発明は、特定の状況の構成に制限されるものではない。
【0094】
考えられるRF受信および/または送信位置が、通路の端の点によって、図9に示されている。各点は別個のアンテナを示すことが可能であるが、より実際的で、強固な構成では、通路同士をつなぐのに小型の『漏れやすい同軸』ケーブルを、そして標準的な低損失の同軸をその間に採用することがある。より優れた物理的な保護を行うには、厚肉のPVCパイプの断面内に『漏れやすい』ケーブルを収容することが可能であるが、これは、最高数GHzの周波数で相対的に低い損失を示す。従来の同軸ケーブルは完全にシールドされているため、標準のケーブルは最高のクラッシュ抵抗を実現するためにPVCまたは金属性の導管内を通すことができる。こうした受信および/または送信位置システムは、(半)永久的に船舶の周囲、デッキレベル上、デッキレベル付近、および手すりまたはその他の便利な構造の上にも設置することができる。典型的には、貨物の船倉の各側面におけるコンテナの列間に乗組員用通路がある。通路構造の適切なスポットにコンテナの遠隔測定リンクのRFシステムのアンテナを設置可能である。
【0095】
こうしたアンテナコンポーネントを設置するための正確な位置およびモードは、個々の船舶の構造の詳細な仕様にかなり依存する。船舶の船倉の一つにあるコンテナの場合、漏れやすい同軸ケーブルは、コンテナのガイドレールとほぼ同じ垂直面に、側壁に沿って設置することが可能である。どちらの場合においても、漏れやすい同軸ケーブルの向きは、コンテナ上のアンテナの偏向および向きに対して、最も効率的なエネルギー移動を提供するよう維持する必要がある。例えば、水平方向のコンテナRF発射装置の場合、ケーブルは、コンテナからローカル受信機へのRFリンクにおいて相対的に低いカップリングロスを保持するために、ほぼ水平方向に通す必要がある(水平方向にコンテナのアンテナを偏向すると仮定)。
【0096】
その他の主要なシステム設計の問題点は、適切なRF動作周波数の選択にある。法的およびライセンス上の制約では、13.56、27.55、433、902〜928、2450〜2483.5、および5725〜5825MHzの現在の産業的、科学的、および医学的(ISM)帯域,および米国およびその他の北米大陸地域における5150〜5250および5250〜5350MHz[および/または世界のその他の地域における同様の割り当て]のいわゆる無認可の国の情報インフラストラクチャー(U―NII)帯域などの、割り当てられたライセンス不要の帯域の利用が好ましい。最初の三つのセグメントの帯域幅は狭いが(1MHz未満)、後の五つのセグメントは様々な形態のスペクトル拡散シグナリングのためのものである。
【0097】
狭帯域は非常に低いレートのデータ送信をサポートする場合があるが、電波探知および非常に安定したリンクのための機能ははっきりと制限されている。一方で、スペクトル拡散帯域はかなり高いRF電力レベルを可能にし、ずっと弾力性の高い変調技術をサポートする。全体的に、902〜928MHz帯域によって最大の範囲が得られるが2450〜2483.5MHZ帯域が基本的に普遍的であり世界中で(少なくとも一部で)利用可能である。電波探知および遠隔測定の一般的な分野においてはいくつかの新しいRF規格が定められている。現在の米国の通信委員会の規則ではISMおよびU―NIIの帯域においてHSSプロトコルが既に明示的に利用可能となっている。
【0098】
タグのコスト、電力効率、および複雑性による不利益は非常に深刻なものとなる可能性があるが、コンテナトラッキングのための複数帯域および/または複数プロトコル装置の柔軟性を、本発明でも利用可能である。本発明は、世界的なMASTシステムの概念で好適な高度に統合された複数帯域のRF装置(送信機および受信機エレクトロニクス、フィルター構造、およびアンテナを含む)を利用可能である。
【0099】
さらなる問題とは、所望の機能性レベルを達成するにために必要なRFシステムアーキテクチャの特定の種類である。双方向データ―遠隔測定システムによって、正確なRF―シグナル電力コントロール、リモート再プログラム能力、個々のタグ(アドレス指定可能な)クエリ、マルチタグ中継機能、RFパスのブロックおよび低電池状態のノードを解決するためのアドホックダイナミックタグ間データのルーティング、および周期的セキュリティコード、ネットワーク経由のリモートソフトウェアの変更/更新、およびノード―ステータスの問い合わせなどのネットワーキングタスクを含む、より高度なタグ―装置機能セットが可能になる。全体的なノードの電力効率およびエネルギー利用は双方向プロトコルにおいて通常、最適であるため、電池寿命時間は最も長くなり、ノード―アラームの報告および診断機能は最もタイムリーとなる。当然ながら、この種類のRFIDタグノードの短所として、搭載型RF受信機の存在によるさらなる複雑化およびコスト増加があるが、さらなる取得コストは電池寿命の増加による差分よりも大きいため、船舶の乗組員またはその他のメンテナンス/サービス要員によるメンテナンスの手間が省けることになる。
【0100】
対照的に、基本的な一方向性ネットワークは、一般的に『dumb chirper』モードで動作する自律的なタグを含む。このモードではタグは、所定の間隔でシステムインフラストラクチャーの受信機にデータを送信するのみである。こうした送信間隔は、定期的、不定期的、スロットを使用して不定期的にしたり、またはタグデータの性質によって変えることが可能である。例えば、非常に好適な実施形態とは、新しい、変更された読み取り値のみを送信する代わりに重複データの送信は省略する『高性能』タグである。このプロトコルの小さな修正点として、(変更にうっかり気づかなかった場合に)真のデータ値を再計算し、ノードが適切に機能していることを確認するためのいくつかの基本的なステータス情報を伝えるための、選択した間隔における追加の数回の送信の直接挿入を含む。
【0101】
遠隔測定システムアーキテクチャの三つめの種類は、特定の実行シナリオで説明されているように、双方向および一方向性タグを戦略的に(または非戦略的に)組み合わせたものをサポートする。この形式により、全体的なRFシステムのパフォーマンスに多少の負担がかかり、一般的にタグ電池寿命は短くなるが、タグ種類の選択はより柔軟になる。以上の説明は名目上、単一帯域ネットワークセットアップに基づくものであるが、(特に全てのタグのトータル価格において)大きなコスト上の不利益はあるが、マルチ帯域システムにおいてより高い柔軟性、高いパフォーマンスが得られる。こうした全ての例において、HSS技術の利用はビットエラーレート、パケットロス、衝突レート、RF電力効率、およびその他の施設のRFシステムに対する明らかな干渉レベル、特に同じ一般的な帯域を共有するものにおいてより有利である。本発明の実施形態は、一つのシステムにおいて『dumb chirper』タグと双方向中継タグを組み合わせたものを含むことが可能である。
【0102】
冷蔵コンテナ(『リーファー』)は、典型的には、船舶の配電システムから給電される上記のデッキのコンセントにプラグインされる3段階電力ケーブルを含む。一般的に、冷蔵貨物(例えば、医薬品、生鮮食品、および医療用品)は価値が高いために、リーファーモニタリングの適用は特に重要である。現在行われているのは、船舶の担当要員が、航海中に、定期的に単一の内部温度を手動でモニターおよび記録(つまり、鉛筆およびクリップボードで)するということであり、値が範囲を超えている場合には船舶の乗組員に報告される。(いくつかのスポットにおける)内部温度だけでなく、相対湿度、コンプレッサー圧力、冷却液フロー、供給電圧/電流、およびコンテナの保全性(ドアの破損)などのさらなるデータを、自動的モニタリングおよびアラーム遠隔測定によって得ることが可能である。この情報は、冷蔵機能の故障を早期に警告することにより本発明の実施形態に大きな経済的な価値をもたらすため、早急な修理を行い、コストのかかる貨物の劣化を避けることができる。この遠隔測定は、以前に説明したようにRF技術または船舶のAC電力システムによる安定したデータ送信によって処理可能である。電子署名分析などのより高度な方法でも、コンプレッサー、ファン、ポンプ、バルブ、およびその他の電動およびソレノイド駆動負荷の動作状態をより正確に査定することができ、重要な船上装置の高レベルのリアルタイム状態モニタリングを実行できる。
【0103】
(8.RFIDタグ付けシステムの通信要件の分析)
おそらく、実行可能なRFベースのタグ付けシステムプロトコルの開発における最も技術的な問題とは、特にコンテナおよび施設に搭載されるセンサー/IDタグと船上受信機インフラストラクチャーの間における、非常に信頼性の高い安定した、低電力RF通信リンクのニーズであろう。ハイブリッド(直接/周波数ホッピング)スペクトル拡散送信技術を使ってRFタグパフォーマンスを(データおよび位置の正確性に関して)著しく向上させると共にRFの干渉の生成およびその他のタグおよび施設のRFシステムについての感度を低下させる遠隔測定アプローチを用いることが望ましい。上記で説明するように、本明細書で使用されている位相ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)、および例えばPCT公開出願番号第WO02/27992号および/または2003年12月31日に出願された米国のシリアル番号第10/817,759号に記載されている、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせとして規定可能である。この技術の別の利点は電力利用の分野についてのものである。HSSプロトコルは、各タグからのRF送信の数を制限すると同時にその他のタグとの衝突を最小限に動的に抑え、こうしてタグデータメッセージの要件(例えば、再送信)を(絶対的)最小限に抑えることにより電力の節約に役立つ機能を組み込んでいる。別の主要なシステム動作上の問題に、タグサブシステムの内部電力管理の問題(つまり、論理、RF回路、およびセンサー)がある。
【0104】
便利な電池の再充電間隔を保持するために、受信システムの電力消費レベルは送信機のレベルよりもそれほど低くないため、RFIDタグのコマンド受信およびデータ送信機能の両方を非常に低い負荷サイクルで実行可能である。さらに、高機能タグセンサーからの全てのデータを、冗長な送信を排除するためにまとめて処理可能である。最後に、適切なタグの動作性を(つまり、データアクセスおよびタグ位置)、好適には常時、確保するために、電池容量低下の警告を必要に応じて(タグデータ送信に埋め込まれた)施設の受信機に送信可能である。代替のタグへのエネルギー供給オプションには、インタロゲーターのワンド、搭載型光電池またはその他の電力供給源によるローカルな受動型電力供給が含まれる。上記で説明したシステムプロトコルの一部はコンテナタグへの双方向送信を前提としているが、オンデマンドのタグインタロゲーション機能を必要としないいくつかのシステム実施形態のために一方向性『dumb―chirper』タグを考慮することができる。
【0105】
適当な港湾(陸上側)施設システム設計の問題には、施設内の適切かつ一貫した空間的なRF受信範囲を提供するための、分散されたトランシーバー/無線位置装置、内部インフラストラクチャーシグナリングオプションの配置、およびRFリピーターの利用が含まれる。基本的なインフラストラクチャーには、施設のトランシーバーおよび中央コンテナモニタリングおよびコントロールポイント間のデータ転送のために、ツイストペア配線、同軸ケーブル、電力ラインRF送信技術、またはワイヤレスRFトランシーバーを利用できる。こうした配置はターミナルの特定のセットアップに大きく依存するが、ヤードRFトランシーバーは既存の構造に搭載されることが最も多い。対応する船上RFインフラストラクチャーは、船舶のレイアウトと、最適な受信範囲のためにRF装置を最適位置に設置するための機会が限られていることによって、より大きな制約を受ける。固定されたRF機器は船舶の電力によって動作する必要があり、通常の船上での動作およびメンテナンス活動から外れた位置に搭載する必要がある場合もあるため、多くの妥協を受け入れることができる。このため、船舶のAC電力配電システムによってRFインフラストラクチャーデータ通信を処理することが非常に望ましく、こうすることにより、パスが物理的に保護されると共に、本発明のシステムの実施形態を船舶に実施する場合に船舶にさらなるケーブル配設を行う必要がなくなる。
【0106】
(9.コンテナのモニタリングおよびセンサーの要件)
鉄道およびトラック輸送に対して、船舶輸送では、コンテナ位置トラッキングは異なるソリューションを必要とすることがある。船舶上においては、三角測量機能が組み込まれていない場合には、GPSベースのタグのみを実行することができない場合がある。より詳細には、GPSは、受信機が三つ以上の衛星源を『見る』ことができなければならない、視線方向位置システムである。デッキ上または船舶の船倉内に積層されたコンテナは、GPS衛星源を利用するために必要な視線方向シグナルを得ることができず、ローカルのGPSリピーターを船舶上に追加することによりこの問題を解決することはできない。適切な強度のGPSシグナルを受信および繰り返す場合であっても、積層における高レベルなローカルのRFマルチパス反射により、位置の正確さに大きな不確実性が生じ、結果を概して容認できないものにしてしまうことがある。さらに、非常に低いタグ動作電力の要件により、ほぼ確実に、適切な衛星受信が可能であっても、個々のGPS受信機が排除されてしまう。好適な船上ソリューションには、ローカルの三角測量システムの利用が含まれる。ローカルの船上環境に合わせたローカルの三角測量システムを利用することにより、最高のコンテナ位置のパフォーマンスが得られる。深刻なマルチパス反射および(電力の制約を受ける)タグ送信時間の制限のため、こうしたシステムでは全ての場合において正確なコンテナ位置を提供することはできないが、およそコンテナ一個分の誤差で(上/下、前方/船尾、および港/右舷のコンテナ一個分)位置を提供することが可能である。大部分の場合において、このレベルの精度はきわめて適切であるといえる。
【0107】
船上三角測量では、複数の受信機が必要となる場合がある。所定のコンテナから固定された中央受信機への視線方向の伝播がない場合、上記のデッキ上に積層されたコンテナのコンテナ送信位置のローカライズに受信機セットが必要となる。さらに、どの船倉にコンテナがあるのかを識別する以上に、船倉内のコンテナをローカライズすることは困難である。圧倒的なレベルのマルチパスおよびRFシグナルパスの障害のために、各船倉は、その船倉内のコンテナ位置を正確にローカライズするために、各コンテナの端付近の隔壁に搭載された、コンテナ一個につき最高で一つの受信機およびアンテナを必要とする場合がある。これは恐らく、現在の技術を用いたコスト効率の高いソリューションで許容可能な数を超えている。さらに、一度船倉に積層されてしまったらほとんどのコンテナにアクセスする実際的な方法がないため、船倉内の各コンテナの正確な位置を知る増分値は大きくないと思われる。いずれの場合においても、船倉内の特定のコンテナ検索の優先度は、積荷および荷揚によって正確に追跡するものに比べて確実に低く、これにより、全体的な貨物輸送および移送プロセスに対し(時間のために)、経済的に大きく影響する。
【0108】
この問題のソリューションに、高度なアンテナ構造の配備がある(つまり、全てがリモートコントロールされたRF PIN―ダイオードスイッチによって共通ケーブルに接続された、複数の相互接続され、水平に偏向された配線の種類の、船倉の壁に取り付けられたダイポールアンテナ)。このセットアップにより、船倉のスキャンアンテナアレイのグループが効果的に実行され、こうして船倉に積まれたコンテナを識別して、積荷時にその位置を指定することが可能である。特定の船倉の配置機能は、『アラート』または『ウェークアップ』シグナルとしてコンテナタグが受動的または半受動的に感知するローカルのコンテナ―タグのRFインタロゲーションシグナル(つまり、13.56 MHzまたは別の便利な周波数におけるコード化されたRFエネルギーのバースト)によってトリガー可能である。コードがアラートシグナル(例えば、コンテナシリアルID番号の最後の数桁)と一致する、このようにインタロゲートされたコンテナは次に、擬似ランダム時間方式でHSS送信シグナルに反応する。船倉受信サブシステムはこうしたシグナルを獲得し、船舶のコンテナ積荷目録データベースにおいて完全なシリアル番号との相関付けのためにメイン船上システムに結果を中継する。
【0109】
MASTシステムの別の主要機能とは、積荷ドックまたはコンテナヤードのコンテナの位置をトラッキングすることである。こうした施設の内外を移動するコンテナが大量である場合、施設運営者に特定のコンテナの位置の通知が可能なトラッキングシステムによって、大いに時間を節約できる。ヤード内において、ローカルのスペクトル拡散RF三角測量システムを、コンテナ位置のトラッキングに使用可能である。ヤード付近の四つ以上の受信機を戦略的に配置すること(大規模な施設の場合はこれ以上)により、コンテナ位置を動的にトラッキングできる。さらなる受信ユニットは、一般的に、施設からのコンテナの出入りを記録することができるようターミナルの入り口および出口に配置される。オープンヤードにおける典型的な直接視線方向通信距離は、10mWのタグRF送信電力レベルにおいて、300mからおよそ500mである。また、100mWのタグでは約1kmに容易に延長可能である。電波探知の精度は、典型的な(短い)タグ読み取り平均時間において1m未満にすることができる。さらに、長い平均化時間を利用する場合にはより優れた位置のソリューションを得ることができる。典型的には、適応ビーム操作アンテナを搭載した電波探知受信機セットが、船舶へまたは船舶から移送される際に短距離における各コンテナの完全な遠隔測定および位置データを取得するために各積荷クレーンに設置される。特定のコンテナがヤードから船舶へ実際に移動する、またはその逆に移動するトラッキングデータベースシステムに対し、このデータセットは最も信頼性の高い検証方法となる。コンテナ―位置モニタリングソフトウェアに組み込み可能な光学的機能とは動き検出の機能であり、コンテナの位置が偶発的な量以上に(つまり、システム位置の不確実性の指定以上に)変わるたびに、セキュリティルーチンを作動可能であり、こうして、アクティブ輸送積荷目録に対してそのIDを比較してコンテナの動きがトラッキングされる。コンテナが大きな距離を移動するが(通常のヤード非追跡/再追跡操作を超えると通常は)移送するよう予定されていない場合には、ヤード要員に対して自動的に、置き違いまたは盗難の可能性があることを自動的にアラート発信する。
【0110】
一般的に、GPSコンテナ位置トラッキングは、理論上はGPS衛星に対して明確な視線方向によってコンテナに適用可能であるが、船上のコンテナに対して以前に説明した理由により、ターミナルヤードにおいて特に積層状態にある場合には実際的ではない場合がある(十分な視線方向の受信)。同じ論理が、鉄道またはトラックによって輸送されるコンテナにも適用される。
【0111】
本発明はさらに、コンテナ貨物、コンテナ温度、機械的衝撃、放射線、密航者、または化学的/生物学的薬剤による干渉を検知可能な広範囲のセンサー装置を含む、コンテナ貨物のステータスをモニタリングまたは感知する光学的技術を含むことが可能である。こうしたセンサーの一部は(例えば、温度センサー、ドアスイッチ、加速度計、ビーズ状衝撃センサー)、少々の工学的作業がコンテナのモニタリングシステムへの組み込みのために必要ではあるが、基本的に市販の装置である。
【0112】
ドア保全性モニタリングでは、コンテナのドアが開いているまたは取り外されている場合にこれを示すセンサーを使用している。このセンサーは多くの場合機械的または磁気スイッチとなるが、光学的、容量的、またはリラクタンス測定の装置などのその他の手段を採用することもできる。全てのこうしたアイテムは市販のものであり、低コストで配置できる必要がある。
【0113】
一般的な従業員の線量測定モニタリングに利用される種類の標準の熱ルミネサンス線量計(TLD)などの放射線と物質との相互作用を記録するセンサーを使って、放射線モニタリングを実行可能である。数日間にわたる放射線誘発の物質の変化の分析により、非常に低レベルの放射線を検知することが可能である。このセンサーでは連続的な電池からの電力ではなく、媒体の検出における変化を断続的に計測するための電池電力のみが必要とされる。TLDは市販品であり、安価な自動的読み取り装置が市販されているが、コンテナへの応用では、中程度の最適化工学作業について指示している。連続的なコンテナ内放射線感知を実行するために、アルファ、ベータ、ガンマ、X線、および/または中性子の放射の測定が望ましいかどうかによって、およびどの感度レベルかによって、標準的なコストで多くの方法を利用可能である。大規模な応用例においては、本発明は、低電力CMOS電位計回路(安価な家庭用煙検出器と類似)による読み取りが可能な低レベル光電流を有する小さな放射フラックスに対応可能な安価な多層構造検出器物質を含むことができる。以下に詳細に説明する受動積分イオン化放射線センサーを用いて放射線モニタリングを行うこともできる。
【0114】
コンテナの高速で広範囲の放射線スクリーニングの代替の戦略は、積荷用クレーン上にまたは陸上施設内に搭載される高精度のマルチ検出器アレイによって実施すると最適であろう。しかし、積荷/荷揚作業におけるきわめて経済的時間圧力のため、こうしたコンテナのスキャンは、全体的なコンテナスループット率への影響を回避するために、クレーン移送作業の前に(または直後に)オンザフライでまたはオフラインで行う必要がある。
【0115】
コンテナ内の密航者のモニタリングは、いくつかの種類のセンサーによって実行可能である。本発明は、密閉空間検出システムとして知られている心拍検出器の利用を含めることができる。振動プローブ(例えば、加速度計)および検出および認識用の電子機器を含むこのセンサーシステムは、周期的にコンテナにおける微細な振動を記録し、人間の(または動物の)心拍に特徴的な時間/周波数シグナルの署名のウェーブレット変換方法によってこれを分析可能である。このシステムは、単一の分離されたコンテナのモニタリングに最も効果的であるが(例えば、ドック―ヤード内)船上での利用にも適用可能である。その他の考えられる密航者やコンテナへの未認可のアイテムの検知方法には、コンテナ内(またはコンテナへの)特定の電磁場パルスを発生させる装置がある。二つ以上の位置における溶接レベルを、検知、遠隔計測、および記録する。周期的な電磁場パルスの再送信および新しいおよびオリジナルの応答の比較により、コンテナ内の物質の配置によって示される磁場パターンの大きな変化が示される。これにより、貨物の位置のずれまたは人間(または動物)の存在のどちらかによるコンテナ内の物質の動きが示される。技術は市販のものを入手可能であるが、この問題に対するより従来型の(および恐らくより安価な)アプローチには、より簡単ではあるがより感度の低い、市販の侵入アラームに機能が類似した、定常状態のまたはパルス化された超音波および/またはRF(電磁波)システムを含むことができる。後記の技術は基本的には市販のものであるが、センサーの前に積層された貨物によってブロックまたは阻害されることがある。
【0116】
化学的/生物学的薬剤は、主にこうした薬剤のごく少量を高精度で感知しなければならないために、検知するのが困難でありコストがかかる(マイナスでもプラスでも誤認は低レベルでなければならない)。本発明は、化学的または生物化学的な『lab―on―a―chip』検出器を含むことができる。比較的安価なコンテナの化学/生物検出システムは、移送クレーン上またはその付近に検出器を搭載でき、ここで、短時間のオンライン試験のためにコンテナは『sniffer tunnel』を通過可能である。さらに、個々の化学/生物学的検出器を、コンテナ内および/または上に搭載可能である。
【0117】
デリケートな貨物の衝撃および/または加速度感知は、MEMS/電子機器装置(自動車のエアバッグセンサーと同様)、ガラス製ビーズまたは粒(衝撃または傾斜製限度の感知用)、圧電装置(例えば、従来の加速度計)、マイクロカンチレバーおよび誘導センサー(例えば、受信機)を含むいくつかの技術の一つによって実現可能である。主な制約として、一般的に、利用可能な電力の制約があり、こうした装置の大部分は必要な電力が大きすぎるため、長期間(例えば、月単位)にわたって小型電池で処理することができない。しかし、連続的に時間サンプルを取った加速度プロファイルの利用は、デリケートな貨物のトラッキングおよび輸送中のコンテナの乱暴すぎる取り扱いが起こった時点を判断する上で非常に役立つ。こうした種類のセンサーの大部分は、現在、市販されており、コンテナ遠隔測定システムに対するこれらの適切なパッケージングおよびインターフェースは、短時間で済み、また簡単である。
【0118】
冷蔵コンテナシステム、特にコンプレッサーおよび冷却システムのコンポーネントは、理想的にはリーファーについて以前説明した技術を利用してモニターされる。このコンプレッサーおよび電子署名分析コンポーネントを含む冷却システム技術は既に市販されており、輸送環境ですぐに実行が可能であろう。
【0119】
典型的なコンテナタグ―コンテナの安全性および内部状態(温度、湿度、衝撃)の詳細なモニタリングのための単純な長距離のID装置またはより複雑なデータ取得/遠隔測定装置は、好適には電池により電力供給される。このため、ユニットおよびシステムの慎重な設計も、長期における適切な自動動作を確保する上で好ましいため、輸送業界において広く受け入れられるであろう。タグは、少なくともおよそ一年間はメンテナンス不要で利用できる期間を有することが好ましい。大部分の輸送業者は、入手の容易な商用製品において現在市販されている最も高いエネルギー密度フォーマットである、カメラ用のリチウム電池の小容量の寿命を概算し、3年から5年の間隔を最適としている。リチウムイオン電池の保管寿命は、典型的にはおよそ10年であるため、使用前に何年も電源の入らない状態で保存される密閉されたコンテナタグは、3年〜5年という通常の動作寿命期間目標を示す。ほとんど考えられるケースにおける提案されているタグクエリーの間隔は、一日に一回から四回であり、これは、コンテナの種類、その貨物の相対的なもろさまたは感度、および安全性、貨物の価格、盗難の可能性、および外傷的な出来事(例えば、船外コンテナ)などのその他の要因に依存する。後記の要因の一部によって、こうした緊急事態に対する即時の対応に役立つようコンテナにおける緊急送信機またはビーコンが配置されている理由が理解されるであろう。典型的な電池容量を1400 mAh(3―V Aサイズ)と仮定すると、一時間に一度の決まったクエリ(10秒間に平均10mを消費)により、動作電池寿命は5年以上となる。再充電を実行する場合、この間隔は容易に20年を超え、これは、電子機器パッケージの予想される寿命期間に近くなると思われる。利用する再充電メカニズムとして太陽電池再充電が好適であるが、マイクロ燃料電池、動的ジェネレータ(例えば、微細な振り子またはMEMSの種類)、熱電対列(温度差)、およびRFエネルギースカベンジングを含むその他の電力メカニズムも可能である。
【0120】
本発明の実施形態は、コンテナ構造へのRFIDタグの埋め込みを含むことが可能である。本発明の実施形態は、一つのコンテナへ複数のRFIDタグを重複のためにまたは(非)機能的なおとりとして提供することを含むことが可能である。
【0121】
輸送コンテナにおける放射線の非常に低い電力測定のための空間電荷線量計
電子線量計装置はコンテナ内の線量を測定可能であるが、これらは、積分時間中に電力供給される必要がある(アクティブ)。そのため、電池残量を保持するために短期間で積分する必要がある(このため感度が低下する)。サイズの大きいまたは容量の大きい電池の利用また、コンテナ寿命中の電池取り替え(典型的な輸送コンテナ寿命は5年から7年である)は経済的に適していない。
【0122】
そこで必要とされるのは、単純で、安定した、受動的に放射線量を積分するために各輸送コンテナに設置可能な低コストの低電力装置である。この装置は、輸送中にコンテナ内の放射線量を非常に高精度に測定するために非常に長い期間にわたって放射線量を積分することが可能である。十分にシールドされた放射性物質であっても、コンテナ内のバックグラウンド放射線レベルはわずかに向上する。さらに必要とされているのは、擬陽性の発生率を低下可能な装置である。
【0123】
空間電位線量計(SCD)は、放射線量を連続的に受動的に積分することが可能であり、読み出しまたは装置の再充電のためにのみ電力を必要とする。こうした装置は、充電することにより、または陽極および陰極の間の開始電位を発生させることにより、動作する。誘電性媒体は、陰極および陽極の間に位置する。この電位により、誘電性媒体において電場が発生する。放射線が誘電性物質を通過すると、誘電体のイオン化が発生する。次に電場はイオンを一掃するまたは誘電体から搬送波に電荷するため、陽極および陰極の間の電位が低下する。照射期間における劣化した電荷の測定とは、測定期間における積分されたイオン化の測定である。電荷(または電荷によって制御される装置のいくつかの物理的な面)は、線量レートを取得するために、照射前および後で読み取られる。
【0124】
SCDの周囲にフィルターとして様々な物質を利用すると、感知された放射線の種類を決定したり、放射線のエネルギー範囲を決定したりすることが可能である。各SCDの周囲に異なるフィルターを持つ各コンテナの(複数の)こうした低コストセンサーのセットは、高いバックグラウンド放射を示すだけでなく、放射の種類およびエネルギーレベルについても示す。これにより、コンテナの放射性物質の考えられる種類の特定、例えば、コンテナ内の高度な放射線レベルは、鉛製のシールドボックスにおけるコバルト60ではなくバナナ(カリウム40)によるものであるかどうかの特定に役立つ。
【0125】
本発明の実施形態は、放射線センサーは低コストおよび電池によって電力供給されるものでなくてはならないが電池は何年も持続するという輸送コンテナにおける放射線測定の問題を解決することができる。本発明の実施形態は、受動的に射線量を積分するためにエレクトレット電離箱(EIC)などの非常に低いコストの空間電位線量計(SCD)、IGFET(絶縁ゲート電界効果トランジスタ)、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)および/またはマイクロカンチレバーなどの電界効果トランジスタ(FET)を利用可能である。こうした装置において、線量計の感応容積を通過する放射線(FETおよびマイクロカンチレバーのEICの空気室または誘電性レイヤー)により、気体または誘電体がイオン化される(つまり、電荷ペアが生成される)。こうした放射線誘導の電荷は次に、装置の電位または電場を変化させる。この電位または電場の変化は受信する放射線量に比例する。
【0126】
本発明の実施形態は、絶縁体である物質のアクティブな放射線検出量を含むことが可能である。放射線がこの量に影響する場合、電荷が生成され、この量内にトラップされる。この捕獲電荷は電場分布を変化させる。本発明の実施形態は次に、この量の両側に電極を配置することでこの電場における変化を感知できる。こうした電極がこの電場に反応することに注意することは重要である。こうした電極が、例えば、ゲートおよびIGFETトランジスタ本体である場合、本発明の実施形態は、捕獲電荷を阻害することなく、トランジスタのチャネル伝導をモニタリングすることで溶接の変化を間接的に測定可能である。あるいは、本発明の実施形態に、例えば、マイクロカンチレバーなど、生成された電荷が絶縁電極に向かう検出量が含まれる場合、本発明の実施形態は、カンチレバーの偏向を読み込み、同じ結果を得ることが可能である。
【0127】
断続的にSCD線量計の電圧または電位を読み出すことにより、装置が受信した放射線量に比例する読み出しが得られる。一つ以上のSCDを輸送コンテナに、または無線周波数識別タグにおいても搭載可能である。(船舶または鉄道などの)コンテナ輸送時において、SCDは受信した放射線量を積分する。例えば毎24時間などの時間間隔の後、各SCDの電圧電位を読み出し可能である。読み出しごとによる電位の変化は、放射線量に比例する。
【0128】
様々なフィルター種類を持つ複数のSCDを、例えばガンマ、X線、中性子またはベータなどの放射線の種類を区別するために、およびこうした粒子または光子のエネルギーレベルを区別するために利用可能である。コンテナ外に配置されたSCDまたはコンテナ内にシールドされたSCDを利用して、周辺またはバックグラウンドの放射を差し引くことが可能である。
【0129】
こうした放射線センサーからのデータは次に、コンテナのRFIDタグに中継可能である。このRFIDタグは放射線センサー、その他のセンサー(例えば、温度、音響など)、および位置情報(例えばGPSまたは三角測量から)からのデータを収集可能であり、この全てのワイヤレス通信によって(例えば、HSS)中央データベースに接続される受信機に送信可能である。中央データベースにおいて、放射線量の読み取りは、コンテナは通常よりも高い照射野を有していると示すものを探すために分析可能である。通常よりも高い放射線レベルは、危険な(放射性物質)貨物がコンテナに収容されていることを示す可能性があるため、その特定のコンテナをより詳細な検査のためにフラグ付けする必要がある。
【0130】
本発明の実施形態は、空間電位線量計(SCD)を利用するシステムを含むことができる。SCDには、エレクトレット電離箱(EIC)、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(lGFET)などの半導体装置および/またはマイクロカンチレバーが含まれる。SCDは、輸送コンテナの放射線レベルを連続的にモニターするために使用可能である。こうした放射線センサーは、コンテナ内の放射線レベルおよびコンテナ位置のリアルタイムの世界的なモニタリングを可能にするために各コンテナに配置される通信およびトラッキングシステムと組み合わせることが可能である。説明のつかない、または予想されるよりも高いコンテナ内の放射線レベルを、次に米国の港に入港の際に、または好適には米国の港のデッキに到着する前に、より詳細な検査のためにコンテナをフラグ付けするために利用可能である。
【0131】
上記に述べているように、SCDの動作の基本的な原理は、電荷ペア(イオン化)を生成するためのイオン化放射線が物質との相互作用である(空気または誘電性など)。こうした電荷ペアは次に、電場の存在のために物質間を移動する。電荷担体の移動および収集によって、次に装置における電圧電位が低下する。SCDを充電すると、アクティブ領域のイオン化により、電位が低下する。装置の充電には極めて少量の電力を必要とする。充電されると、電位の低下として計測されるこの受け取った線量を装置は連続的に積分する。このため、照射前および後のこの電位の読み取りから受け取った線量が示される。重要なことに、SCDは、線量積分期間において電力は不要である。電力が必要となるのは、装置の充電時または電位の読み取り時である。上記でも述べているように、受動的に線量を積分可能な三つの考えられるSCDには、エレクトレット電離箱(EIC)線量計、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(lGFET)線量計、およびマイクロカンチレバー線量計がある。
【0132】
本発明における放射線センサーの好適な動作方法は、以下の通りである。一つ以上の放射線センサーおよびRFID通信システムが搭載されているコンテナ、次にコンテナに貨物が積まれる。コンテナは次に、輸送ターミナルに輸送される。コンテナは次に米国またはその他の輸出先国への輸送のために船舶に積まれる。航海中、シグナルはRFIDシステムに送られ、放射線センサー(ベースライン読み取りを行うためのセンサーの読み取り、またはセンサーを充電してから次にベースライン読み取りを行う)を起動する。RFIDシステムがセンサーを別の読み取りに向けるまでまたは事前設定した時間が過ぎるまで、放射線センサーは受動的に受け取った放射線量を積分する。放射線センサーは次にパワーアップし、電圧レベルを読み取り、RFIDシステムに読み取りを送信する。この読み取りは次に周囲のRFIDシステムに中継されて、一つ以上の中央位置および分析における収集を行う。線量積分時間(間隔)は、分単位から日単位まで好きなように設定可能である。航海は何日も続くことがあるため、非常に精度の高い測定の線量積分には数日間かけることが可能である。
【0133】
中央RFIDシステムは、船舶が出港すると、ベースライン読み取りを取るために各コンテナにメッセージを送信可能である。中央システムは次に、航海の間において定期的に放射線センサーを読み取るために直接RFIDタグを使用する(例えば、毎12時間または24時間)。センサー読み取りは、受信した線量を回収および分析するとすぐにRFIDタグ、タグ読み取り装置、サイトサーバーなどによってRFID中央システムに受け渡すことが可能である。船舶が航海中に(つまり航海時に)、上記で想定されたバックグラウンドレベルの放射線量の読み取り値はフラグ付けされ、適切な機関に通知される。これにより、船舶が米国港に到着する前に(またはその他の輸入先国)船舶を停止させたりコンテナを検査したりすることが可能になる。
【0134】
(エレクトレット電離箱(EIC)線量計)
EICは公知の空気量を含む導電性プラスティック密閉空間内に配置されるエレクトレットと呼ばれる帯電ポリマー(例えば、テフロン(登録商標))フィラメントまたはデスクから構成される。エレクトレットは、密閉空間が電離箱として動作するのに必要な高電圧(陽極)の電源として機能する。これは、空気室のイオン化の測定のためにセンサーとしても機能する。密閉空間の感応容積内において空気の放射線誘電イオン化によって生成されるマイナスイオンは、電荷の減少を引き起こすエレクトレットによって収集される。照射期間における減少した電荷の測定とは、測定期間における積分されたイオン化の測定である。エレクトレット電荷は、非接触エレクトレット電圧読み取り装置を使って照射後または公知のスケジュールにおいて読み取り可能である。
【0135】
本発明の好適な実施形態において、エレクトレット電荷読み取り電圧計は、非常に小さい低コストのエレクトロニクス回路、またはエレクトレット電荷を読み取るだけでなく必要に応じてエレクトレットを再充電するASICチップにすることができる。この回路またはチップはさらに、測定した電圧を放射線量に変換しこのデータを(例えば、IEEE1451準拠)センサーバスに送信するために十分なデータを含むことができる。
【0136】
本発明のさらなる光学的特徴として、各EICを異なる放射線の種類(例えば中性子、ガンマまたはX線)またはエネルギー(硬X線、軟X線など)に対して感度を上げるために、EICの周囲に放射線フィルター物質またはコンバーターを組み込んでいるということがある。放射線レベルの増加の有無またはクオリティだけでなく放射線の質的特徴も計測することによって、通常よりも高い放射線レベルを有する無害の貨物(バナナ、一部の陶器など)を区別するのに役立つ。さらに、コンテナ内のセンサー測定からのバックグラウンド減算のためにバックグラウンド放射を計測するため、一つのEICセンサーを搭載してシールドすることが可能である。
【0137】
EIC装置は衝撃に対して敏感であり、振動を与えた場合または落下した場合に特に一部放電することがある。輸送コンテナで起こる手荒な取り扱いのための擬陽性の放射線測定を防ぐために、本発明は、アクティブおよび受動的な防止策を組み込むことが可能である。第一に、各コンテナ上のRFIDタグによって各センサーと通信することができるため、放射線センサーは、線量を積分することができ、次に海上輸送時などにおける、衝撃が低いと考えられる公知の期間中の読み出しが可能になる。読み取りは、船舶の出港時および航海中に行うことができる。第二に、加速度計は、EICの放電を発生させるのに十分な大きさの衝撃イベントを識別するためのセンサーと共に設置することが可能である。こうしたイベントの後、EICは読み出しを行うことができ、線量積分時間を再開可能である。
【0138】
(電界効果トランジスタ線量計)
FET線量計の動作は、イオン化放射線による(例えば、IGFET)構造(酸化ゲート)の酸化物(または正孔移動度が非常に低いその他の絶縁体物質)における正孔ペアの生成に基づく。酸化ケイ素の正孔ペアを一つ生成するためのエネルギーは約18eVである。電子の移動度は、電子がトランジスタのゲートで収集を行う(n―チャネルの装置と仮定)ようになっているが、正孔移動度はずっと小さい。そのため孔は、ゲートと本体の間の酸化物内において効果的に固定される。これによって、チャネルの電流含有機能を変化させるトランジスタのゲートおよびチャネル間の電場に変化が生じる。この変化は、線量測定的に変更する電場に影響を与えることなく、いつでも読み取り可能である。そのため、ゲートのバイアス電圧は、吸収された放射線量の直接測定である。この技術は、所定のCMOSプロセスにおいて意図的に製造されたFETまたは電界酸化FET(寄生性FET、IGFET)の両方に適用可能である。このうち後者は、酸化物がより厚いため、より大きい感度を示す。
【0139】
(マイクロカンチレバー線量計)
マイクロカンチレバー線量計は、マイクロカンチレバーを、絶縁体によって地面から分離させた電極にすることで作成する。マイクロカンチレバーには電荷が負荷される。この電荷は、放射線が絶縁体に正孔ペアを作成するまで変化しない。このため、吸収された放射線量は連続的および受動的に積分される。放射線量を読み出すには、マイクロカンチレバーの電圧電位の変化を測定する。この電位または電位の変化は、マイクロカンチレバーの偏向を計測することにより判断される。
【0140】
放射線の種類またはエネルギーレベルを区別するためのフィルターおよびコンバーター
本発明は、放射線センサーを特定の種類の放射線または異なるエネルギーレベルに対して高精度に感知するために、異なる種類および厚さの物質の利用を含むことができる。
【0141】
本発明は、それぞれ異なるフィルターを有する、輸送コンテナにおける複数の(例えば、アレイ)低コスト検出器の利用を含むことが可能である。上記で説明されているSCD放射線検出器の種類は非常に低コストで大量生産可能であるため、検出器アレイをコンテナ全体に配置できる。鉛、錫、およびアルミニウムなどの異なる密度の金属でできたフィルターを、衝突ガンマまたはX線のエネルギーをおおざっぱに判断するために利用可能である。ボロンまたはリチウム6などの放射線コンバーターを、装置を熱中性子に対して高性能に反応させるために利用可能である。中程度のエネルギー中性子への感度を上げるためにテフロン(登録商標)または高水素含有プラスティックを利用可能である。コンテナ内部に位置し、それぞれ異なるフィルターおよびコンバーターを利用する検出器のアレイを利用することにより、コンテナで検出される放射線をエネルギー帯域(例えば、低、中、および高)および放射線種類(ベータ、X線、ガンマ)に分類可能である。
【0142】
(RFID通信システム)
本発明は、各コンテナからの放射線データを、さらに詳細な検査を必要とするコンテナのフラグ付けのために分析可能な、中央化データベースにセンサーデータおよびコンテナ位置を中継する通信およびトラッキングシステムに放射線センサーを積分することが可能である。全体的なRFIDシステムは『海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システム』と呼ばれる。MASTシステムは好適には海運業で標準の輸送コンテナを積荷、陸揚げ、および移送作業時、およびコンテナの海外輸送時における船上において、港湾ドック施設でトラッキングおよびモニタリングするためのワイヤレス(RF)ベースの通信および感知/遠隔測定システムである。このシステムはさらに、衛星および/または移動体/PCSを含む、ローカルのターミナル通信システムおよびその他の広域商用通信システムの両方を利用して、船舶、鉄道、長距離輸送トラック上およびその関連ターミナル施設内で運用可能な、真のインターモダルトラッキングおよびモニタリングシステムを実現する。このRFIDタグ付けシステムは、各輸送コンテナ、船舶内および輸送ターミナル内に配置されるローカルサイト読み取り装置、各船舶上または各ターミナル内の中央サイトサーバー、および全てのデータを収集、統合、保存、分析および逆アセンブルするナショナルオペレーションセンター(NOC)に設置されるRFIDタグを含むことが可能である。輸送コンテナは、冷蔵貨物輸送コンテナ(リーファー)およびドライ貨物輸送コンテナ(ドライボックス)の両方にすることが可能である。さらにRFIDタグの一つに搭載されているコンテナまたはその他の装置の位置の識別およびトラッキングのために、各タグには、コンテナ貨物またはその他のタグ付けされた装置の状態をモニターするための広範囲のセンサーのRFIDタグへの接続を可能にするための、例えば、IEEE1451センサーインターフェースおよび追加のシリアルインターフェースが装備されている。RFIDタグに接続可能なその他のセンサーには、温度、圧力、相対湿度、加速度計、放射線、ドアシール、およびGPS(グローバルな位置決定システム)が含まれる(がこれに制限されない)。さらなるセンサーを、冷蔵コンプレッサーなどの機器の状態モニタリングのために、またはいくつかの冷蔵貨物コンテナ上の診断データポートを読み取るために含めることが可能である。
【0143】
本発明は、MASTシステムのRFIDタグのための放射線センサーシステムの実装を含むことができる。線量積分時間において電力を利用しない問題は受動的に積分する放射線センサーセットを利用することによって解決され、MASTシステムは、全体的なモニタリング、トラッキングまたは通信システムへコンテナ設置からのデータを統合する問題のソリューションを提供する。本発明の実施形態は、連続的、受動的に放射線量を積分し、IEEE1451センサーインターフェースによってコンテナのRFIDタグにデータを送信し、位置およびその他のセンサーデータを有するこのデータをMASTシステムのナショナルオペレーションセンター(NOC)に送信する放射線の線量計の等級を含むことが可能である。NOCにおいて、全てのセンサーデータ、コンテナの積荷目録、コンテナのルートおよびその他の情報が分析され、入港時における詳細な検査を行うコンテナを識別するために利用される。
【0144】
本発明は、受信した線量読み出しのために電力しか利用しないが、長期間にわたる受動的積分放射線量を含むことが可能である。本発明は、放射線センサーの、異常な放射線量読み取りによってコンテナを識別化およびフラグ付けするようセンサーデータ分析を実行可能な中央データベースへほぼリアルタイムでセンサーデータに通信するRFIDシステムへの放射線センサーの接続を含むことができる。
【0145】
本発明は、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーからの線量測定のデータの読み出しを含む受動積分イオン化放射線センサーの元位置ポーリンググループを含み、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは線量測定のデータの読み出し時において線量測定のデータが統合された位置に留まり、第一の受動積分放射線センサーおよび第二の積分放射線センサーは、積分された線量測定のデータを破壊することなく、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの最大限までイオン化放射線の連続的な積分を可能にして、受動積分モードおよびアクティブ読み出しモードにおいて非常に高いインピーダンスを示す読み出し回路に接続される。最大積分制限の実施を感知すると、読み出し回路は受動積分放射線センサーをリセットし、センサーリセットサイクルの数を非揮発的に累積することが可能である。
【0146】
本発明は、第一の受動積分イオン化放射線センサー、第二の受動積分イオン化放射線センサー、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの両方に接続される読み出し回路、読み出し回路が受動積分モードである場合および読み出し回路がアクティブ読み出しモードである場合の両方において第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの両方に対して非常に高いインピーダンスを示す読み出し回路、および読み出し回路に接続される通信回路を含み、第一の受動積分放射線センサーおよび第二の受動積分放射線センサーの両方からの線量測定のデータの読み出しは通信回路に示される。
【0147】
第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの一方または両方は、絶縁ゲート電界効果トランジスタ空間電位線量計を含むことができる。読み出し回路は、およそ1011オームからおよそ1015オーム、好適にはおよそ1012オームからおよそ1014オーム、最も好適にはおよそ1013オームのインピーダンスを示すことができる。
【0148】
上記に説明するように、本発明は厚膜酸化物線量計(TOD)を含むことが可能である。このようなTODにおいて、FETは、金属またはポリシリコンの二つ以上のレベルに接続するよう編成可能である。これにより、イオン化放射線と相互作用するSiO2のアクティブ容量が増加する。こうした装置には、電源が共通の電位に接続されると仮定した場合に、ドレイン間の電圧を読み出すことにより温度およびプロセスを補填できるという光学的な重要な利点がある。所定のIGFETのゲートおよびドレインは共に接続可能である。
【0149】
この技術は、FETを追加し、使用している半導体製造プロセスの制限まで、金属層を互いに積み重ねていくだけで拡大可能である。これの利点は、検出のために使用する酸化物のアクティブボリュームが増加するが、二つのプレート間の捕獲電荷によって生成される電場がプレート間の距離の増加の分だけ低下するということである。製造プロセスと同じ数のプレートを、検出の可能性を最大限にするために所定のイオン化放射線イベントの最大の電場を取得するために利用可能である。
【0150】
図10から図11は、本発明の二つのIGFET例について説明する。こうした図に示される要素の説明において「第一の」、「第二の」および「第三の」という用語の利用は、同様の要素を区別する目的にすぎず、こうした用語の割り当ては任意である。
【0151】
図10を参照すると、受動積分イオン化放射線センサーのセットは、第一のフィルター1011によってシールドされる第一のセンサー1010を含む。この受動積分イオン化放射線センサーのセットは、さらに、第二のフィルター1021によってシールドされる第二のセンサー1020も含む。第一のセンサー1010および第二のセンサー1020は共に、通信回路1030に接続される。温度補正回路1040は、通信回路1030に接続される。較正回路1050も通信回路1030に接続される。センサー1010、1020のそれぞれは、絶縁ゲート電界効果トランジスタのペアに基づいている。
【0152】
本発明は、厚膜酸化物線量計、および厚膜酸化物線量計に接続される読み出し回路を含む装置を含む。厚膜酸化物線量計および読み出し回路の両方は一つの高インピーダンスおよび漏れの低い基板に設計される。厚膜酸化物線量計は厚膜酸化物絶縁ゲート電界効果トランジスタ空間電位線量計を含むことが可能である。一つの高インピーダンスおよび低漏れ基板は、サファイヤ上のシリコン、絶縁体上のシリコンおよび/または変形した高抵抗のシリコンの構成を含むことが可能である。基板は、およそ1011オームからおよそ1015オームの、好適にはおよそ1012オームからおよそ1014オームの、最も好適にはおよそ1013オームのインピーダンスを有することが可能である。
【0153】
図11を参照すると、受動積分イオン化放射線センサー1100は、第一のアクティブエリア(領域)1110および第二のアクティブエリア(領域)1120を含む。第二のアクティブエリア1110は共通のコンダクター1130および第一のアクティブエリアコンダクター1140との間に配置される。第二のアクティブエリア1120は、共通のコンダクター1130および第二のアクティブエリアコンダクター1150との間に配置される。第一のアクティブエリアコンダクター1140は第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1160のゲートに接続される。第二のアクティブエリアコンダクター1150は、第二の絶縁ゲート溶接効果トランジスタ1170のゲートに接続される。第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1160および第二の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1170の両方の源は共に接続され、共通のコンダクター1130に接続される。第三の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1180は、統合された温度補正機能を提供する。
【0154】
図11に示される例の、受動モード線量測定作業時において、イオン化放射線はアクティブエリアを通過し、酸化物に捕獲された総電荷を生成する。この電荷により隣接するコンダクター間に電場が生成され、こうして電源およびそのアクティブエリアに当たるFETのゲート間に見られる抵抗の総変化が生成される。図11に示される例の読み出し作業において、電源と各ドレインの間の抵抗が読み込まれる。総放射線量は抵抗の変化に対して比例する。その他よりもずっと少ない放射線感度を有する第三のIGFETの変化をトラッキングすることにより、温度補正を適用する。
【0155】
本発明は、第一の電源を含む第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ、第一のドレインおよび第一の絶縁ゲート、第二の源を含む第二の絶縁ゲート溶接効果トランジスタ、第二のドレインおよび第二の絶縁ゲート、第一の電源に接続される第二の電源、第二のゲートに接続される第一のコンダクター、第一のコンダクターに接続される第一のアクティブ領域、入射イオン化放射線からの線量測定のデータを蓄積する第一のアクティブ領域、第一のアクティブ領域に接続される第二のコンダクター、第二のコンダクターに接続される第二のアクティブ領域、入射イオン化放射線からの線量測定のデータを蓄積する第二のアクティブ領域、および第二のアクティブ領域および第一のゲートの間に接続される第三のコンダクターを含み、第二のコンダクターは第一の電源および第二の電源の両方に接続される。第三の絶縁ゲート電界効果トランジスタは温度補正データを提供可能である。
【0156】
本発明は、空間的に分散した(例えば、アレイ)構成における複数のセンサーの配置および複数のセンサーにおける読み取りに基づくアラーム状態の設定を含むことができる。
【0157】
本発明はパターン認識を含むことができる。例えば、方法は、空間的に分散したアレイにおける複数の受動積分イオン化放射線センサーの配置、所望のボリュームを規定するための複数の受動積分イオン化放射線センサーのそれぞれの相対位置の決定、複数の受動積分イオン化放射線センサーの少なくともサブセットからのイオン化放射線データの収集、および複数の受動積分イオン化放射線センサーのサブセットからの収集されたイオン化放射線データが所定の空間パターン基準に適合する場合のアラーム状態のトリガーを含むことが可能である。所定の空間パターン基準は、複数の代替パターンを含むことが可能である。所定の空間パターン基準は、イオン化放射線源の近似位置からの半径の立方根を含む関数によって規定される線量測定のデータパターンを含むことが可能である。
【0158】
発明の実施形態は、少なくとも以下の理由によって、コスト効率が高くおよび有利であるといえる。本発明の実施形態は、世界的な資産および/または貨物トラッキング、モニタリングおよびセキュリティを実現可能である。本発明の実施形態は、資産トラッキング、管理、および視覚化のためのGISベースのシステムにおけるRFIDタグデータの統合を含むことが可能である。本発明の実施形態は、ハイブリッド型拡散スペクトルシグナリングを利用するRFIDタグ通信を含むことが可能である。本発明の実施形態は、同じRFIDタグ読み取り装置ゾーンにおける90,000個までのタグは無視しながら、10,000個以上のRFIDタグによる通信を可能にする、マルチアクセス技術を含むことが可能である。本発明の実施形態により、クオリティは向上し、および/または以前のアプローチと比較してコストは低減する。
【0159】
本明細書で使用されている位相ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)は、符号分割多重アクセス(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)、および周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせにより規定される。本明細書で使用されている「a」または「an」という用語は一つまたは一つ以上として規定される。本明細書で使用されている「複数の」という用語は、二つまたは二つ以上として規定される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも二番目のまたはそれ以上のものとして規定される。本明細書で使用される『含む(comprising)』、『含む(including)』および/または『有する(having)』は、オープンな言語として規定される(つまり、それ以降の記述が必要であるが、特定されていない手順、構造および/または構成要素の含有については、その量が大量であってもオープンである。本明細書で使用される『構成する(consisting)』および/または『構成する(composing)』は、通常これに関連付けられた付属物、付加物および/または混入物を除く、記載された方法、装置または構成を手順、構造および/または構成要素の含有に限定するものである。『含む(consisting)または(composing)』という用語と共に記載される『基本的に(essentially)』という用語は、構成の基本的な新規の特徴に実質的に影響しない指定されていない手順、構造および/または構成要素の含有についてオープンである、記載された方法、装置および/または構成を示す。本明細書で使用される『接続された(coupled)』という用語は、必ずしも直接にでも、また必ずしも機械的にではないが、『接続される』と規定される。本明細書で使用される『いずれかの(any)』という用語は、全ての適用可能なセットの一部または全ての適用可能なセットのメンバーの少なくともサブセットとして規定される。本明細書で使用される『およそ(approximately)』という用語は、少なくとも所定の値に(例えば、好適にはその10%以内、より好適にはその1%以内、および最も好適にはその0.1%以内)近い値として規定される。本明細書で使用される『本質的に(substantially)』という用語は、指定されているものの大部分であるが必ずしも全体ではない、として規定されている。本明細書で使用される『一般的に(generally)』という用語は、少なくとも所定の状態に近いものとして規定される。本明細書で使用される『配備する(deploying)』という用語は、設計、建設、輸送、設置および/または運用として規定される。本明細書で使用される『手段(means)』という用語は、結果を達成するためのハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアとして規定される。本明細書で使用されるプログラムまたは位相コンピュータプログラムという用語は、コンピュータシステムでの実行のために設計される命令のシーケンスとして規定される。プログラムまたはコンピュータプログラムは、サブルーチン、関数、プロシージャ、オブジェクトの方法、オブジェクトの実行、実行可能アプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共有ライブラリ/ダイナミックロードライブラリおよび/またはその他のコンピュータまたはコンピュータシステムの実行を目的とする命令シーケンスを含むことが可能である。本明細書で使用される『近似(proximate)』という用語は、隣接するおよび/または一致するに近いものとして規定され、指定された関数および/または結果を実行可能なおよび/または達成可能な空間シチュエーションを含む。本明細書で使用される位相無線周波数は、赤外線、およそ300GHz以下の周波数を含むものとして規定される。
【0160】
本明細書において開示されている全ての開示された実施形態は、開示内容に照らして、不必要な実験をせずに実行および利用することが可能である。本発明の実施形態は、本明細書に記載されている仮定の記述に制限されるものではない。発明者が意図した本発明の実施形態を実施する最良の形態が開示されているが、本発明の実施形態の実行はこれに制限されるものではない。従って、特に本明細書に記載されていない限り、本発明の実施形態を実行可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0161】
基礎となる発明の概念の精神および/または範囲内において、本発明の実施形態の特徴の様々な代替、修正、追加および/または再編成を実行可能であることが明らかであろう。添付の請求項およびその同等物によって規定される基礎となる発明の概念の精神および/または範囲は、全てのこうした代替、修正、追加および/または再構成を包含するものと見なされる。
【0162】
開示された各実施形態の全ての開示された要素および特徴は、こうした要素または特徴が互いに矛盾する場合を除き、その他の開示された各実施形態の開示された要素および特徴と統合するまたはその代替とすることが可能である。本発明に記載されている方法を規定するステップまたはステップシーケンスは、変更を行うことが可能である。
【0163】
本明細書に記載されているフィルターを有するまたは有さないセンサーは個別のモジュールにすることができるが、センサーはそれが関連付けられたシステムに統合可能であることが明らかであろう。個々のコンポーネントは開示された形状に形成したり、または開示された構成に結合したりする必要はなく、あらゆる形状として提供可能である、および/またはあらゆる構成で結合可能である。個々のコンポーネントは開示されている物質で製造する必要はなく、全ての適した物質で製造することが可能である。
【0164】
添付の請求項は、『〜の手段』および/または『〜のステップ』というフレーズを使用する所定の請求項においてこのような制限が明示的に記載されている場合を除き、手段および機能の制限を含むものと解釈すべきではない。本発明の従属的な実施形態は、添付の従属請求項およびその同等物によって規定される。本発明の特定の実施形態は、添付の独立した請求項およびそれと同等のものとは区別される。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の一実施形態を表す、海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムの全体斜視図を示す。
【図2】本発明の一実施形態を示す、陸上ベースおよび船舶ベースの両方の受信機と同時に通信可能な無線周波数識別(RFID)タグによる船舶搭載およびターミナル内で共に利用される無線周波数RFデータリンクのオペレーションの概略図を示す。
【図3】本発明の一実施形態を示す、タグがRFをローカルエリア通信(例えば、船舶ベースおよびターミナルのローカルエリア(陸上側の)オペレーション)に利用している場合の、陸上側または船舶側のサイトサーバーによるRFIDタグおよびネットワークオペレーションセンター(NOC)の間の通信の概略図を示す。
【図4】本発明の一実施形態を示す、長距離輸送または鉄道輸送時において移動体または衛星通信を利用している場合の、RFIDタグおよびネットワークオペレーションセンター(NOC)の間の双方向通信の概略図を示す。
【図5】本発明の一実施形態を示す、RFIDタグを含む機能的なコンポーネントを含む略ブロック図を示す。
【図6】本発明の一実施形態を示す、コンテナの積層アレイにおける読み取り装置およびRFIDタグの略斜視図を示す。
【図7】本発明の一実施形態を示す、コンピュータプログラムで実行可能なノード検出シーケンスモードを含む、RFIDタグ起動シーケンスのフローチャートを示す。
【図8】本発明の一実施形態を示す、コンピュータプログラムで実行可能なRFIDタグ起動シーケンスモードのフローチャートを示す。
【図9】本発明の一実施形態を示す、船舶のデッキ上またはターミナルヤード内において、そのホストコンテナの上部の中心付近に設置された一つのRFエミッタ(放射線状の線のついた点)と共に堅密に積層されたコンテナ(通常は約13.9メートル)のグループの略平面図を示す。矢印は隣接する通路へのコンテナの端から発せられ、通路に沿って反射するRFエネルギーを示し、考えられるRF受信位置は、通路の端に配置される点によって示される。
【図10】本発明の一実施形態を示す、各センサーが異なるフィルターを有している、センサーのその場でのポーリンググループの略ブロック図を示す。
【図11】本発明の一実施形態を示す、温度補正を組み込んだ、その場でのポーリングセンサーの略構造図である。
【技術分野】
【0001】
(連邦資金援助された研究開発のもとでの発明に対する権利の記載)
本発明は、エネルギー省(Department of Energy)によってUT−Battele,L.L.C.に対して査定された、プライム契約番号第DE−AC05−00OR22725号のもとで、合衆国政府の支援によってなされたものである。合衆国政府は本発明における一定の権利を有する。
【0002】
(技術分野)
本発明の実施形態は主に、セキュリティおよびトラッキングの分野に関する。本発明の実施形態は、より具体的には、海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)に関する。
【背景技術】
【0003】
海上輸送システム(MTS)と呼ばれる世界規模の海上貨物輸送インフラストラクチャーは、テロリズム、旧式の技術、環境上の制約、ジャストインタイムの製造工程、州/国/地方の司法権の重複、および基本的な技術インフラストラクチャーの不足を含む、複数の問題の影響を受けている。テロリストによる攻撃は、今日の世界の変化に影響する経済的なテロリズムに焦点を合わせる可能性がある。大規模な経済的ダメージを及ぼす簡単で効果的、かつ効率的な手段を見出すためには、コンテナ貨物のオープンな動きに注目するだけで十分である。(RFID Journal、2003年)。いくつかの主要港におけるフローの破壊または停止は、経済的なダメージを与えるとともに、数週間で国の機能を麻痺させる可能性がある(Flynn、2003年)。そのために、自国および他国の経済的福祉に役立つグローバルなサプライチェーンおよび重要な港湾施設のセキュリティの保持に貢献する、コンテナレベルでのトラッキングおよびモニタリング技術の開発および配備が必要とされている(GillsおよびMcHugh、2002年、Bonner、2002年、Verton、2002年)。
【0004】
港は、多くの施設、組織および機能の集合体である。これには、国の管理機関(例えば、米国の税関、沿岸警備隊、DOD、TSA、FBlなど。)、州の政府機関(例えば、港湾管理局、州の法的機関、緊急時対応機関など。)、および地方自治体の機関(例えば、地方の法的機関、地方の消防局、港湾安全局、および民間のターミナル運営者、労働組合など。)が含まれる。港湾のセキュリティ/管理および船舶/貨物のセキュリティ/トラッキング/管理を実現するための各港における重要な運営コンポーネントをネットワーク化させるさらなる施設を開発することが、各港の効率的な利用およびセキュリティに役立つ。最終的には、こうした地方の港湾施設は、国際的に拡大する可能性のある地域センターおよび/または国家センターとリンクする必要がある。そのためには、好適には複数の公的および私的組織が参加できるようなオープンシステムアーキテクチャによって、地理情報システム(GIS)、国際衛星通信、インターネット、および今日のサプライチェーンの管理およびセキュリティの強化におけるワイヤレスモニタリング/トラッキング/セキュリティインフラストラクチャーなどの技術を採用する必要がある。
【0005】
海上輸送システム(MTS)による輸送は貨物では4800億ドルとなり、1999年の米国の国内総生産に対し、7500億ドルを占めている。また、現在の国内海上輸送量は、今後20年で二倍になると予想されている(USDOT、1999年)国際的な海上輸送は、同じ期間において、三倍になると予想されている(Prince、2001年)。しかし、多くの港湾施設は、安全で効率的なコンテナ管理システムを構築する上で、旧式の技術、環境による制約、ジャストインタイムの製造工程、国/州/地方の司法権の重複、および基本的な技術インフラストラクチャーの不足などの上記で述べたいくつかの問題からの経済的な影響を受けている。さらに、土地不足および環境の規定は、ほとんどの現在の港湾施設の地理的な拡大を制限する。コンテナ管理を実行する情報システムは、いまだにその大部分を手動のデータ入力に頼っている。このように、港湾施設の効率およびセキュリティの向上のために、自動化された技術ソリューションが必要とされている(GillsおよびMcHugh、2002年、Verton、2002年、Gillis、2002年)。
【0006】
MTSの経済的な非効率性についての問題だけでなく、MTSは現在、陸上のセキュリティにかつてないほどの比重を置いている。2001年に、MTSによって、570万個のコンテナが米国に陸揚げされた(GillsおよびMcHugh、2002年)。米国の税関が実際に人手を使って検査したのはこうしたコンテナの2パーセント以下に過ぎず、コンテナを「プロファイル」するために情報に依存している。沿岸警備隊および米国の税関は、米国に陸揚げされる各コンテナを人手を使って探索するための必要人員やリソースを有しておらず、また、もし各コンテナを捜索したとするとサプライチェーンは混乱状態に陥り機能を停止してしまう(Loy、2002年)。貨物およびコンテナの高度なプロファイリングはグローバルなサプライチェーンのセキュリティ確保および合法的な商業活動の実施にとって重要なものである。トラッキングおよびモニタリングによって、高度なプロファイルを構築するためのより優れたデータが得られる。そのため、安全性および経済効率の向上のための鍵として、適切なトラッキングおよびモニタリング技術への投資が必要とされている(Flynn、2003年)。
【0007】
コンテナ貨物輸送に関する主な懸念は、「放射能爆弾(dirty bomb)」のための熱核反応装置または放射性物質を輸送コンテナにおいて輸出先国に密輸することが比較的容易であるということである。国家防衛についての重要な特定の問題とは、「放射能爆弾」のための放射性物質が輸送コンテナにおいて米国に輸送される可能性である。標準的な海上輸送コンテナは、物品を世界的に輸出入する主要な方法となっている。米国の港に毎日発着するコンテナ数はあまりに膨大であるため、そのうちのごく一部のみしか検査されていない。ごく少数のコンテナしか検査できないため、検査対象のコンテナを「フラグ付け」するためのいくつかの方法を採用する必要がある。各コンテナが各港湾施設において通過しなければならないとするセンサーポータルの設置は、現実的ではないと考えられている。こうしたボトルネックは、毎日米国経済に対する何十億ドルものコストを発生する可能性がある。高レベルの放射線を探知するために貨物コンテナの内部、上部、または付近に放射線センサーを採用することが、コンテナのフラグ付けをする一つの方法となる。
【0008】
しかし、輸送コンテナに関して提案されてきた既存の放射線センサーには問題がある。第一に、既存の放射線センサーは、線量積分(アクティブ感知)時において電力を利用する必要がある。既存のアクティブ放射線センサーは、非常に短い積分時間を利用するために感度が低下するか、または、コンテナの耐久寿命のずっと前に利用可能な電池容量を使い切ってしまう。電池の交換には、メンテナンス要員の作業時間、メンテナンススケジュールおよびコンテナの物理位置の間の調整、および物流サポートが必要となる。このため、電池交換の不要な利用寿命がさらに長い放射線センサーが求められている。
【0009】
第二に、既存のアクティブ放射線センサーは線量積分データを、各コンテナの安全かつ連続したモニタリングのために利用することができない。線量積分データの読み取りには、個々のセンサーを取り除いて読み取りを行うか、または少なくとも個々に読み取ることが必要であり、コストのかかるメンテナンス要員の作業時間、データ収集スケジュールおよびコンテナの物理的位置の調整、および物流におけるサポートという同じ問題が生じる。このため、線量積分データを高度なプロファイリングおよび分析のために、自動的および遠隔的に利用可能にする放射線センサーが必要とされている。
【0010】
第三に、既存のアクティブ放射線センサーは誤ってアラームを発生させやすい。既存のアクティブ放射線センサーは異なる種類の放射線を区別することができないために、医療診断に使用される物質や、イオン化放射線物質(例えば、カリウム)の集中を自然に含むバナナなどの無害の貨物からも、誤ってアラームを発することがある。つまり、より高度で識別力に優れた放射線センサーが必要とされている。
【0011】
これまで、高度なプロファイリングおよび分析のための重要なデータを自動的および遠隔的に利用可能にし、誤認アラームを低減させる寿命の長いセンサーによる、コンテナレベルのトラッキングおよびモニタリングという要件は満たされていない。こうした要件を(好適には全てを同時に)満たすグローバルなコンテナのセキュリティおよび資産(船舶および貨物)のトラッキングシステムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下の発明の実施形態に対するニーズが存在する。当然ながら、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明の実施形態に従って、方法は、無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを送信することを包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを送信する無線周波数タグを備える。
【0014】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使用して無線周波数タグから識別データおよび位置データを送信すること包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使用して識別データおよび位置データの両方を送信する無線周波数タグを備える。
【0015】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーからの線量測定データの読み出し含む、1組の受動積分イオン化放射線センサーをその場でポーリングすること(insitu polling)を包含し、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは読み出しの間、線量測定データが積分された位置に留まる。本発明の別の実施形態に従って、装置は、第一の受動積分イオン化放射線センサーと、第一の受動積分イオン化放射線センサーに接続された第二の受動積分イオン化放射線センサーと、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーに接続された通信回路とを備え、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは、通信回路へ線量測定データを読み出す。
【0016】
本発明の別の実施形態に従って、方法は、空間的に分散されたアレイへ複数のイオン化放射線センサーを配置することと、対象の容積を規定するために複数のセンサーのそれぞれの相対位置を決定することと、複数のイオン化放射線センサーの少なくともサブセットからイオン化放射線データを収集することと、イオン化放射線源の線量レベルが閾値を上回るように計算される場合のアラーム状態をトリガーすることと、を包含する。本発明の別の実施形態に従って、装置は、複数のセンサーアレイのそれぞれの相対位置が対象の容積を規定するように決定されている空間的に分散したアレイに配置される複数のイオン化放射線センサーと、複数のイオン化放射線センサーの少なくともサブセットからイオン化放射線データを収集するために複数のイオン化放射線センサーに接続されたデータ収集回路と、i)イオン化放射源の線量レベルを計算しその線量レベルと閾値とを比較するために、およびii)線量レベルが閾値以上となる場合にアラームをトリガーするために、データ収集回路に接続されたコンピュータと、を備える。
【0017】
これらの、およびその他の発明の実施形態は、以下の説明および添付の図面と共に考慮すされる場合には、より良く評価および理解される。しかし、以下の説明は、発明の様々な実施形態およびその多くの特定の詳細を示すものの、それは制限ではなく説明を意図していることが理解されるべきである。本発明の実施形態の範囲内においてその精神を逸脱することなく、多くの代替、修正、追加および/または再構成がなされ得るが、本発明の実施形態は、このような全ての代替、修正、追加および/または再構成を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付された、この明細書の一部をなす図面は、本発明の特定の実施形態を図示するために含まれている。本発明の実施形態の、本発明の実施形態と組み合わせ可能なコンポーネントの、および本発明の実施形態と共に提供されるシステムのオペレーションのより明確な概念は、図面に示されている例示的な、すなわち限定されない実施形態を参照することによって、より容易に明らかとなる。本発明の実施形態は、本明細書の記載と共にこれらの一つ以上の図面を参照することによって、よりよく理解され得る。図面に示される特徴は、必ずしも縮尺が正確であるとは限らないことに留意されたい。
【0019】
本発明の実施形態およびその様々な特徴および利点の詳細は、添付の図面に説明され以下の説明において詳細が示されている非限定の実施形態を参照することで、より完全に説明される。公知の出発原料、加工技術、コンポーネントおよび装置の説明は、本発明の実施形態の詳細を不必要にあいまいにすることのないよう、省略されている。しかし、好適な発明の実施形態を説明してはいるが、制限ではなく説明を目的として、詳細な説明および特定の例が説明されていることを理解されたい。基本となる発明の概念の精神および/または範囲を逸脱しない様々な代替、変更、追加および/または再編成が、当業者には本開示内容から明らかとなるであろう。
【0020】
以下で参照する米国特許、米国を指定先とするPCT公開出願、および米国特許申請は、その意図する目的に対して有益な実施形態を開示する。米国特許番号第6、603,818号、第6,606,350号、第6,625,229号、第6,621,878号、第6,556,942号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。PCT公開出願番号第WO02/27992号、第WO02/19550号、第WO02/19293号、および第WO02/23754号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。2000年9月27日に出願された米国のシリアル番号第09/671,636号、2000年9月1日に出願された第09/653,788号、2001年8月29日に出願された第09/942,308号、2000年9月13日に出願された第09/660,743号、2003年12月3日に出願された第10/726,446号、2003年12月3日に出願された第10/726、475号、および2003年12月31日に出願された第10/817,759号の全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。即時出願には、2004年5月6日に出願された同時係属米国のシリアル番号(代理人整理番号UBAT1570)にも含まれ、現在では係属中となっている開示内容が含まれおり、その全内容は、全ての目的のために本明細書に参照として明示的に組み込まれている。
【0021】
本発明の実施形態は、輸送ターミナルにおける、および長距離輸送(トラックおよび鉄道)時における輸送コンテナ搭載型船舶のステータスのモニタリングおよび位置のトラッキングのための方法および/または装置を含むことが可能である。つまり、本発明は、真の『インターモダル』トラッキングおよびモニタリングシステムを含むことが可能である。この方法および/または装置は、コンテナ搭載型船舶への、およびコンテナ搭載型船舶からの、さらに、輸送ターミナルにおけるデータの安定した双方向送信のためにハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)通信を利用可能である。本明細書で利用される「ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)」という用語は、例えば符号分割多重アクセス(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)と、例えばPCT公開出願番号第WO02/27992号および/または2003年12月31日に出願された米国のシリアル番号第10/817,759号に記載されている、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割複数多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせとによって規定される。高速HSSは特に、ビット時間(つまり、各ビットが個別に分散およびホッピングする)において分散およびホッピングが行われる、特に好適な実施形態である。本発明は、長距離輸送時の通信のために移動体および/または衛星データ送信を利用可能である。コンテナ貨物のステータスおよび状態のモニタリングのためのセンサーを、このシステムに含めることが可能である。コンテナ位置は、長距離輸送時にグローバルな位置決定システム(GPS)を使って、またHSS通信のRFシグナルを利用するよりローカライズされた電波探知技術を使って決定可能である。コンテナの位置およびステータスはナショナルオペレーションセンターに中継され、こうしてこのデータを理情報システムデータベースの積荷目録に統合し、コンテナ情報をモニタリング、トラッキング、管理および表示する。
【0022】
本発明の実施形態は、オープンシステムアーキテクチャを利用して真にグローバルな資産管理および貨物トラッキング/可視度システムを作成するために、グローバルな衛星通信ネットワークによって、安定した長距離RFID技術をGISベースのトラッキングインフラストラクチャーにリンクさせる海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムを含むことができる。MASTシステムは、港およびサプライチェーンのセキュリティ上のニーズのために、オープンシステムアーキテクチャにおいて、リアルタイムの船舶/車両/鉄道コンテナおよび貨物のトラッキングを実現することを目的としている。このトラッキング技術により、システムの拡大および採用に資金を供給するために、陸上のセキュリティ、サプライチェーン管理、港湾作業の自動化、保険申請、および市場において起こりうる紛失したおよび方向を外れた貨物の回収作業/救出作業を含む、多くの商業機会が生み出される。MASTシステムの取り組みは、コンテナ貨物および資産のトラッキングおよび安全性のモニタリングのための新しい基準および『最適管理』の慣例の開発にも役立つ。
【0023】
本発明は、港湾のセキュリティ/管理のニーズのためにリアルタイムの資産、コンテナ、および貨物トラッキングを実現し、インターモダル輸送ネットワークにおける人命および積荷の安全性を向上させるよう設計可能である。内部状態モニタリングによりリアルタイムでコンテナをグローバルに追跡することができる能力はサプライチェーンおよび港湾システムのセキュリティにとって重要である。好適なHSS、双方向の低電力ワイヤレス通信は、およそ10mWの電力において船舶および/またはターミナル通信距離(例えば、300から500メートルの範囲)において効果を発揮する。
【0024】
堅密に積層されたスチール輸送コンテナ内およびその周囲のRF伝播の問題は、個々のコンテナRFタグから船舶受信機(読み取り装置)へと遠隔測定シグナルを正常に送信するための非常に安定したデータ通信技術(例えば、高度なスペクトラム拡散変調およびダイバーシティ受信システム)の使用に影響を与える。特に船舶の船倉におけるこうした大型の堅密にパッキングされた積層コンテナの非常に正確な電波探知目標は、多くの受信機(読み取り装置)をヤード施設および各船舶のデッキおよび船倉に分散していない限り、達成しにくい。通常のオペレーションにおいて位置分解能の喪失が許容されている場合、たいてい、特定の環境(つまり、ヤードまたは船舶)で利用されることを想定した綿密に設計されたコンテナRFタグおよびインフラストラクチャーコンポーネントを利用することにより、コンテナIDおよびステータスデータ(例えば、ドアの安全性、温度)の効果的な遠隔測定、および特定の環境の大部分の場合における適度に正確なコンテナ位置情報(つまり、一つの積層位置内)が得られる。
【0025】
好適なMASTシステムの実施には、特に外国の港で荷積みされている船舶に対して国際的な規定に準拠するために、2450〜2483.5MHzのISM帯域を利用可能である。さらに、海外の港湾施設は、コンテナのトラッキングについてある種のRF遠隔測定を最終的に必ず利用する。MASTシステムプロトコルが2.45GHzのISM帯域における国際的な割り当て範囲に適合する場合、最初は港の、最終的には鉄道、飛行機およびトラックなどのその他の場所の輸送コンテナのトラッキングのためにこれが世界的に採用されることになるだろう。狭帯域システムアラートシグナル、ビーコンなどの場合は、考えられるその他のISM帯域には、13.56および433MHzがあり、868MHz(ヨーロッパ)および915MHz(北米)帯域は、より高いレートおよびスペクトラム拡散の利用のためにより広い帯域をもたらす。本発明の商用実施形態のデータプロトコルは、プロセスゲインおよび混雑(jamming)抵抗の向上およびより低い衝突率のための時間スロットのコントロールのために、かなり広い帯域幅(>1MHz)、長いコード長(例えば、≧63)を有するハイブリッドまたは直接スペクトラム拡散シグナルとすることがある。
【0026】
海事(ヤード/船舶)環境においてMASTシステムを配備するには、システムにいくつかの機能領域を組み込む必要がある。第一の機能グループは海上ベースのシステムのための基本的なアーキテクチャ、つまり(1)通信リンク(2)アンテナ(3)エレクトロニクス、(4)コンテナユニットの電力源、(5)船舶から陸上へのシステムインターフェース(例えば、衛星リンク)、(6)コンテナ遠隔測定システム統合、(7)地方のRF三角測量によって最適に強化されたコンテナ位置検出GPS、(8)センサー、(9)システムの中央モニタリングユニット、および(10)コンテナデータベースインターフェースを含む。第二の機能グループには、船上セットアップと機能的にはほぼ同じであるが、船舶およびヤードシステムの間のトラッキングシステムのハンドオフの管理にさらなるシステム論理が必要となる点が異なっている、港のコンテナヤードシステムを含む。
【0027】
(1.概要)
図1を参照すると、コンテナ105に接続された一つ以上の無線周波数識別タグ101は、船舶110の読み取り装置107によって双方向無線周波数通信を行う。船舶110はさらに、サイトサーバー(図1には図示せず)も含むが、低地球軌道衛星120と双方向無線周波数通信を行う。低地球軌道衛星120は、地上局125と双方向無線周波数通信を行う。
【0028】
同時に、別の無線周波数識別タグ102およびインターモダルコンテナ106(トラックシャーシにより保持される)も、低地球軌道衛星120と接している。無線周波数識別タグ102は、(あるいはおよび/または同時に)セルタワー130とも通信を行うことができることに留意することが重要である。無線周波数識別タグ102は低地球軌道衛星120および/またはセルタワー130と直接通信を行うように示されているが、無線周波数識別タグ102はトラックシャーシに配置されている読み取り装置および/またはサイトサーバーによって中継可能であることを留意することが重要である。
【0029】
ネットワークオペレーションセンター140は、地上局125およびセルタワー130の両方と双方向通信を行う。ネットワークオペレーションセンター(NOC)は、これに対し、この実施形態において、税関、防衛省、国の交通安全機関、陸上安全局、米国沿岸警備隊、国の調査機関および商業機関を含む複数の受信先にデータをダウンロードしている。
【0030】
図1に示す海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムは、港湾側ドック施設における積荷時、陸揚げ時、および移送作業における海運業界で標準の約6.9メートルおよび約13.9メートルの輸送コンテナ、さらに、コンテナの海外輸送時における搭載船舶のトラッキングおよびモニタリングのための、ワイヤレス(RF)ベースの通信および感知/遠隔測定システムである。このシステムは、衛星および/または移動体/PCSを含むローカルターミナル通信システムおよびその他のワイドエリア商用通信システムの両方を利用する、船舶、鉄道、飛行機、長距離輸送トラックおよびその関連のターミナル施設内で運用可能な、真のインターモダルトラッキングおよびモニタリングシステムを実現可能である。このRFIDタグ付けシステムは、各輸送コンテナに取り付けられたRFIDタグ、船舶上および輸送ターミナル内に配置されるローカルサイト読み取り装置、各船舶上または各ターミナル内のある中央サイトサーバー、および全てのデータを収集、集約、保存、分析および逆アセンブル可能なネットワークオペレーションセンター(NOC)を含むことが可能である。輸送コンテナは冷蔵貨物輸送コンテナ(リーファー)およびドライ貨物輸送コンテナ(ドライボックス)の両方にすることができる。コンテナまたはRFIDタグの一つに装備されたその他の装置の位置の識別およびトラッキングに加え、各タグを、コンテナ貨物またはその他のタグ付けされた装置の状態をモニターするためのRFIDタグへの広範囲のセンサーの接続を許可するための(例えば、IEEE1451)センサーインターフェースおよびオプションの追加シリアルインターフェースに装備することが可能である。RFIDタグに接続可能なセンサーは温度、圧力、相対湿度、加速度計、放射線、およびGPS(グローバルな位置決定システム)を含む(しかしこれに限定されない)。さらなるセンサーを冷蔵コンプレッサーなどの機器の状態モニタリング、またはいくつかの冷蔵貨物コンテナにおける診断用データポートからの読み取りのために含めることが可能である。
【0031】
MASTシステムは、三つのメインオペレーションモードを有している。つまり、第一のモードはRFIDタグが船舶上にある場合、第二のモードはRFIDタグがターミナルにある場合、および第三のモードはRFIDタグが長距離輸送または鉄道上にある場合(これにはRFIDタグが船舶またはターミナルにない全ての場合を含む)。ターミナルは、RF通信システムによって運用されているローカルエリアであると考えられる。RFIDタグ付けされたシステムには、a)全てのRFIDタグおよびその関連付けられた貨物コンテナ(またはその他の資産)のステータスおよびデータを含み、この情報をユーザーに提供可能なネットワークオペレーションセンター(NOC)、b)ローカルエリア通信(つまり各船舶またはターミナル)を管理し中央のシステムサーバーにRFIDタグデータを中継可能なローカルのサイトサーバー(船舶またはターミナル毎に一つ)、c)ローカルエリアでRFIDタグから通信を受信しこれを地方のサイト受信機に中継可能なRFIDタグ読み取り装置、およびd)RFIDタグを含むことができる。
【0032】
図2を参照し、本発明の陸上側および/または船舶側の通信のフレキシビリティについて説明する。第一のコンテナ211に接続される第一の無線周波数識別タグ201は、船舶230に配置された複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224に通信可能に接続される。複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224は、船舶230に配置されたサイトサーバー235に通信可能に接続される。サイトサーバー235は衛星(図2には図示せず)に通信可能に接続されるが、ネットワークオペレーションセンターにも通信可能に接続される。
【0033】
第二のコンテナ212に接続される第二の無線周波数識別タグ202は、複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224に通信可能に接続され、さらに、同時に、ターミナル内または付近の街灯柱またはタワーに位置する複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242にも通信可能に接続される。複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242は、ターミナルに関連付けられたサイトサーバー250に通信可能に接続される。サイトサーバー250は、衛星データリンクまたはその他の通信回路(例えば、有線のインターネット接続)経由でネットワークオペレーションセンターに通信可能に接続される。
【0034】
第三のコンテナ213に接続される第三の無線周波数識別タグ203は、複数のサイト無線周波数識別タグ読み取り装置241、242に通信可能に接続される。第三の無線周波数識別タグ203は複数の無線周波数識別タグ読み取り装置221、222、223、224と通信するようには示されていないが、その第三のコンテナ213の位置を船舶230に物理的に近づけると、通信が可能であることを理解することが重要である。
【0035】
引き続き図2を参照すると、船上またはターミナル通信RFIDタグは、RFIDタグ読み取り装置と通信するためにRF通信を利用可能である。好適なRF通信は、2.45GHZ帯域で実行されるハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)RFデータリンクである。各タグからのRFシグナルの電波探知または三角測量は、各RFIDタグの位置を決定するために利用可能である。
【0036】
図3を参照すると、ネットワークオペレーションセンター310はイーサネット(登録商標)たは衛星データリンクを経由して、陸上側サイトサーバー320と双方向に接続される。同時に、ネットワークオペレーションセンター310は、衛星データリンクを経由して、船上サイトサーバー330と双方向に接続される。
【0037】
陸上側サイトサーバー320は、第一の無線周波数識別タグ読み取り装置340、第二の無線周波数識別タグ読み取り装置350および第三の無線周波数識別タグ読み取り装置360に双方向に接続される。この実施形態において、サイトサーバー320および三つのタグ読み取り装置340、350、360の間の通信カップリングは無線周波数ワイヤレス、電力ライン、イーサネット(登録商標)または任意データリンクの一つ以上とすることができることに留意することが重要である。ターミナル345に位置する複数の無線周波数識別タグは、三つのタグ読み取り装置340、350、360の少なくとも一つに、双方向で通信可能に接続される。
【0038】
船上サイトサーバー330は、第四の無線周波数識別タグ読み取り装置370、第五の無線周波数識別タグ読み取り装置380および第六の無線周波数識別タグ読み取り装置390に双方向に通信可能に接続される。船上サイトサーバー330は、一つ以上の電力ライン、無線周波数ワイヤレスまたはイーサネット(登録商標)データリンクによって、三つのタグ読み取り装置370、380、390に接続されることに留意することが重要である。船舶375に配置される複数の無線周波数識別タグは、三つのタグ読み取り装置370、380、390の少なくとも一つと双方向通信を行う。
【0039】
図3に示すように、RFIDタグ通信はRFIDタグ読み取り装置による検知が可能であり、以下の複数の方法の一つ以上により、地方のサイトサーバーへ中継可能である。a)RFデータリンク、b)イーサネット(登録商標)、c)電力ラインのデータリンク、d)光通信および/またはe)その他。タグデータが地方のサイトサーバーに中継されると、データは、衛星ベースのデータリンクまたはその他のインターネットサービスプロバイダーリンク(例えば、イーサネット(登録商標))のどちらかによってNOCにアップロードすることが可能である。ローカルのサイトサーバーは、船舶の機関士などのローカルの人員が利用できる報告を生成することも可能である。データをNOCにアップロードされると、NOCは、タグ命令、検証および/またはクエリと再び通信することが可能である。どの特定のコンテナのためのデータでも、インターネットアクセスおよび適切なセキュリティの検証手段を有する世界中のユーザーが利用することが可能になる。
【0040】
図4を参照すると、ネットワークオペレーションセンター410は、第一の移動体または衛星システム420、第二の移動体または衛星システム430および第三の衛星または移動体システム440に接続される。ネットワークオペレーションセンター410およびシステム420、430、440の間の双方向通信カップリングは電話線または基地局の接続にすることができる。三つのシステム420、430、440のそれぞれは、ローカルエリア(RF対象範囲)ゾーン450外の複数の無線周波数識別タグのサブセットに関連付けられる。ローカルエリアゾーン450外のRFIDタグの各サブセットを有する三つのシステム420、430、440間の双方向通信カップリングは、移動体または衛星データリンクによって行うことが可能である。
【0041】
長距離輸送および鉄道の通信の場合、図4で示されているように、RFIDタグは、移動体または衛星データリンクによってNOCと通信可能である。移動体は世界的にその範囲を網羅していないため、好適な方法は直接衛星通信である。衛星または移動体システムは、NOCに接続される基地局(衛星)またはNOCに接続されるモデムバンク(移動体)によって、RFIDタグデータをNOCに中継可能である。長距離輸送オペレーションは、RFIDタグが船舶搭載されていないまたはターミナルにない場合(RF通信システムが運用されているローカルエリア)、全てのオペレーションを含めることができる。各タグのGPS受信機は、コンテナの動きおよび位置をトラッキングするために長距離輸送時に利用可能である。また、長距離輸送オペレーション時にコンテナが積層されていないことが好ましい。鉄道列車において可能であるように、タグ付けされたコンテナの上に別のコンテナを積層している場合、衛星または移動体モデムのデータリンクおよびGPSシステムが機能しない可能性がある。積層の上側の別のタグ付けされたコンテナを最初のコンテナのリピーターまたはリレー(エクステンダー)とすることは可能である。より詳しく説明すると、その他の方法がうまくいかない場合に、第一のコンテナはHSSRF通信を利用可能である。第二のコンテナは、そのHSSRF受信機によってこうした通信を受信可能であり、次に、その衛星または移動体モデムデータリンクを利用してNOCに中継することが可能である。
【0042】
(2.RFIDタグの説明)
各RFIDタグは、四つの機能ブロック、(1)マイクロプロセッサコントロールサブシステム、(2)センサーサブシステム、(3)通信サブシステム、および(4)電力供給サブシステムを含むことができる。図5は、RFIDタグのブロック図を示す。
【0043】
図5を参照すると、無線周波数識別タグ500は、マイクロプロセッサ制御サブシステム510、電力供給サブシステム520、センサーサブシステム530および通信サブシステム540を含む。マイクロプロセッサ制御サブシステム510は、入力/出力インターフェース回路511を含む。マイクロプロセッサ回路512は、入力/出力インターフェース回路511に接続される。フラッシュメモリ回路513は、マイクロプロセッサ回路512に接続される。ランダムアクセスメモリ回路514も、マイクロプロセッサ回路512に接続される。マイクロプロセッサ回路512は、電力ライン515によって電力供給サブシステム520に接続される。
【0044】
電力供給サブシステム520は、電力管理モジュール回路521を含む。
【0045】
AC〜DC電力回路522は電力管理モジュール521に接続される。電池523(例えば、リチウムイオン)は、電力管理モジュール521に接続される。代替電力源524は、電力管理モジュール521に接続される。電力供給サブシステム520は電力ライン525のセットによってセンサーサブシステム530に電力を供給する。電力供給サブシステム520は電力ライン526のセットによって通信サブシステム540に電力を供給する。
【0046】
センサーサブシステム530は、ライン532によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続されるシリアルインターフェース531を含む。温度センサー533は、シリアルインターフェース531に接続される。相対湿度センサー534は、シリアルインターフェース531に接続される。ドア開放センサー535はシリアルインターフェース531に接続される。その他のセンサー536(例えば、イオン化放射線センサー)は、シリアルインターフェース531に接続される。センサーサブシステム530は、マイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続されるGPSモジュール537を含む。センサーサブシステム530は、インターフェースコンバーター回路539によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続される参照ユニットデータポート538を含む。
【0047】
通信サブシステム540は、全てライン545によってマイクロプロセッサコントロールサブシステム510の入力/出力インターフェース回路511に接続される、ローカル/シリアル通信回路541、移動体モデムモジュール542、ハイブリッド型拡散スペクトル無線周波数モジュール543および衛星モジュール544を含む。一つ以上のアンテナ546は、移動体モデムモジュール542、ハイブリッド型拡散スペクトル無線周波数モジュール543および/または衛星モジュール544に接続される。
【0048】
マイクロプロセッサコントロールサブシステム:マイクロプロセッサコントロールサブシステムは、RFIDタグのコントローラとして動作可能である。通信モジュール、センサーモジュール、および電力モジュールとのインターフェースが可能である。マイクロプロセッサは、システムソフトウェア、システムコマンド、およびセンサーデータを保存するために非揮発メモリおよび揮発メモリの両方を利用可能である。
【0049】
センサーサブシステム:センサーサブシステムは、一つ以上のセンサーモジュールとの通信のために、IEEE1451準拠プロトコルを利用可能である。これにより、1451プロトコルに準拠していることを条件にいずれかのセンサーでも将来的に追加可能である。GPSおよびリーファーデータポート読み取り装置などの基本的なセンサーのいくつかは、マイクロプロセッサにおいてシリアル通信ポートを利用可能である。RFIDタグの一部にできるセンサーの種類には、温度、相対湿度、放射線、生物学的、科学的、加速度計、ドアスイッチ、侵入などがある。
【0050】
通信サブシステム:通信サブシステムは、複数の異なる種類の通信リンクをタグプラットフォームに組み込むことが可能である。これらは、例えば、シリアルポートまたはイーサネット(登録商標)ポートによって接続可能である。
【0051】
基本的な通信モードを以下に説明する。
【0052】
RF通信−RF通信は、利用可能なワイヤレス通信プロトコル(いくつでもよい)の形態にすることが可能である。しかし、好適な方法は、ハイブリッド型拡散スペクトルプロトコルである。このプロトコルにより、その他のワイヤレス技術よりも高い信頼性、より低い電力消費、および安定した通信がもたらされる。RF通信は、タグが船舶上またはターミナル内(ローカルエリア通信)にある場合に優先的に用いられるようにすることが可能である。
【0053】
移動体/PCS通信−CDMまたはGSMなどの標準の商用移動体のアナログまたはデジタルのモデムは、長距離輸送(トラックまたは鉄道輸送)通信のためにタグによって利用可能である。しかし、標準的な移動体インフラストラクチャーが全世界に整備されているわけではない。そのため、各タグは、いくつかの異なるプロトコルを、制限された市場エリア以外でも運用可能にすることが必要な場合がある。さらに、タグは、移動体の対象範囲となっていないエリアに移動される可能性がある。
【0054】
衛星通信−世界のどこでも利用可能な長距離輸送通信リンクを提供するために衛星ベースの通信ネットワークを利用する。これにより、移動体システムの代替として、またはその追加として、より簡単で、より安定した、さらにより安全な通信システムを利用することが可能である。好適な実施形態は、低地球軌道(LEO)衛星ネットワークシステムを利用可能である。
【0055】
地方の通信−各タグは、開発、トラブルシューティング、および/または初期セットアップに利用されるシリアルポートを有することが可能である。シリアルポートは、例えば、RS232、USBまたはIrDA(赤外線)の形態にすることが可能である。
【0056】
電力供給サブシステム:電力供給サブシステムは、全てのその他のサブシステムに電力を供給可能である。利用可能な電力源には、電池、(例えば、リーファーの冷蔵電力供給からの)AC電力および、光電池、振動トランスデューサー、帯電チャージャー、無線周波数電力整流器、熱電発電機および/または放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置などのその他の電力スカベンジングおよび/または発電装置が含まれる。コンテナ以外の資産に配置されたRFIDタグでは、資産の電力システムからのDC電力も利用可能である。電力供給サブシステムは、電力源の電圧を各サブシステムで必要な電圧に変換可能である。さらに、電池状態および電力源の利用率をモニターするために電力管理機能を実行することも可能である。
【0057】
(3.RFIDタグ読み取り装置)
RFIDタグ読み取り装置は、RFIDタグの通信をサイトサーバーに(およびサイトサーバーから)中継する。RFIDタグ読み取り装置はRFIDタグと同様にすることができるが、異なる通信モジュールを用い、またセンサーをなしにすることもできる。RFIDタグ読み取り装置は、ローカルのRF通信モジュールによって(好適にはHSSプロトコルを利用して)RFIDタグと通信することが可能である。RFIDタグ読み取り装置は、いくつかの考えられる技術の一つ、つまり、ワイヤレスRF通信(好適には5.8GHzなどのRFIDタグ通信以外の周波数のHSS通信)、(電力ライン通信、イーサネット(登録商標)またはシリアルなどの)有線通信、および/または(光ファイバーまたは視線方向レーザー通信などの)光通信によって、サイトサーバーと通信可能である。
【0058】
図6を参照すると、複数のインターモダル輸送コンテナ610は、二段階の高さのアレイに積層される。インターモダル輸送コンテナ610のそれぞれは、無線周波数識別タグ620を含む。複数のタグ読み取り装置630は、二段階の高さのアレイによって規定されるオープン通路の端に位置する。
【0059】
MASTシステムの光通信の別の特徴は、『コンテナからRFIDタグデータおよび積荷目録を直接読み取るためのハンドヘルド(携帯可能)読み取り装置』の使用である。ハンドヘルド読み取り装置は、税関、沿岸警備隊、船員、またはコンテナの中身およびその貨物ステータス(センサーデータ、動きの履歴など。)を確認するその他の認定されたグループによって使用可能である。ハンドヘルド読み取り装置は、コンテナ付近に設置され、運用することが可能である。適切な識別コード(またはバーコード)をハンドヘルド読み取り装置に入力し、および次にRFIDタグと通信するためにRF通信をハンドヘルド読み取り装置に使用可能である。RF通信は、地方のターミナルおよび船舶通信に利用されるHSS通信を利用可能であることが好ましい。RFIDタグは次に、ハンドヘルド読み取り装置にコンテナ積荷目録(RFIDタグに保存されているまたはダウンロードされた積荷目録から、あるいはRFIDタグからのアップリンクリクエストによってNOCから)とコンテナセンサーの旅程ログをダウンロードする。この旅程ログには、全てのセンサー、センサーアラーム(コンテナ侵入、温度範囲逸脱などを含む。)、およびコンテナの特定の地理的なルートの履歴のための履歴報告を含むことが可能である。
【0060】
ハンドヘルド読み取り装置はまた、コンテナの積荷目録をアップロードするために利用可能である(これは、ポータルを使用して行うこともできる)。コンテナに荷物が積まれると、バーコードまたはその他の種類のパッケージング種類RFIDタグをハンドヘルド読み取り装置に読み込むことが可能である。ハンドヘルド読み取り装置(またはその他の種類のRFID読み取り装置)から、貨物IDをコンテナのRFIDタグのコンテナ目録にロードし、次にNOCにアップロードすることが可能である。
【0061】
コンテナでIrDA(赤外線)データポートを利用するためには代替アプローチを利用する。次にハンドヘルド読み取り装置をlrDAポートおよび確立された通信に向ける。データのダウンロードは、上記と同様となる。
【0062】
(4.サイトサーバー)
サイトサーバーは、RFIDタグ読み取り装置からRFIDタグのデータを受信可能である。サイトサーバーはRFIDタグデータをNOCに送信可能である。サイトサーバーはRFIDタグのデータのローカル分析を実行し、何万ものタグをターミナルまたは船舶上に設置することを可能にする、本発明のマルチアクセスという面を管理可能である。サイトサーバーは、三つのメインサブシステム、(1)コンピュータベースのサーバーおよびシステムコントローラ、(2)RFIDタグ読み取り装置との通信に関してRFIDタグ読み取り装置と同じ通信モジュールを含むRFIDタグ読み取り装置通信サブシステム[つまり、ワイヤレスRF通信(好適には5.8GHzなどのRFIDタグ通信以外の周波数のHS通信)、(電力ライン通信、イーサネット(登録商標)またはシリアルなどの)有線通信、または(光ファイバーまたは視野方向レーザー通信などの)光通信にすることができる]、および(3)有線の、移動体、光通信または衛星通信モジュールを利用可能なNOC通信サブシステムを含むことが可能である。
【0063】
(5.ネットワークオペレーションセンター)
ネットワークオペレーションセンター(NOC)は、世界的な海上輸送コントロールシステムの情報センターとすることが可能である。世界中に設置されている全てのRFIDタグからの全てのRFIDタグデータは、地方のサイトサーバーまたは直接移動体または衛星通信によってNOCに中継可能である。NOCは、位置、センサーデータ、およびRFIDタグステータスを含むRFIDタグデータを収集、保存、逆アセンブルする。
【0064】
本発明は、中央オペレーションセンターのアーキテクチャにおける技術の統合を含むことが可能である。この技術には、プライベートセクターの資産および貨物オーナー、関連する州および国の政府機関(沿岸警備隊、TSA、税関、NTSB、およびDoDなど。)、および地方の第一対応機関(法律機関、消防局、地方政府)へ確固とした連続データフローを提供するためのグローバルな位置決定システム、無線周波数識別(RFID)に基づく資産および貨物コンテナのトラッキングシステム、グローバルに利用可能な商用衛星およびインターネット通信システム、地理情報システム(GIS)およびリアルタイム物流分析機能、フォールトトレラントシステム、および資産および貨物トラッキングのための既存の国のシステムおよび商用プログラムが含まれる。
【0065】
NOCにおける地理的な情報システム(GIS)の使用により、簡単なウェブブラウザベースの緯度/経度による報告から地図ベースの市/州/郵便番号/国情報までの様々な形式で資産位置を分析および表示することが可能である。このシステムは、地理的なパターンを含む特定の基準に基づいて、資産をリアルタイムでモニターおよびプロファイルすることが可能である。このアプローチはまた、資産の動きに関するリアルタイムの物流分析の組み込みも行うことが可能である。GIS開発の長期目標は、サプライチェーンにおける商品および資産の動きを分析可能な情報インフラストラクチャーを作成することと、地理的なパターンを含むコンテナの高度なプロファイリングを行うことである。
【0066】
RFIDタグデータは、MASTシステムを作成するためにグローバルな衛星通信ネットワークによって、中央化GISベースのトラッキングインフラストラクチャーに統合可能である。MASTシステムの好適な発明の実施形態は、一つ以上のグローバルな衛星ネットワークを含む。
【0067】
衛星ネットワークによって、資産をグローバルかつリアルタイムにトラッキングおよびモニタリングするだけでなく、全ての情報を一つの位置に効果的に集中させることができるようになる。これにより、セキュリティ、耐故障性、データバックアップ/アーカイブ、およびメンテナンスという利点が得られる。NOCは、オープンシステムアーキテクチャにおいてリアルタイムトラッキングおよび資産管理システムを作成するために、地理情報システム(GIS)技術、衛星通信、グローバルな位置決定システム、RFID(電子印など。)、およびインターネットを統合することができる。NOCは、厳密な情報保護プロトコル(例えば、ログインおよび/または暗号化)によって、個人または組織がインターネット経由でリアルタイムに資産を管理可能なウェブベースのトラッキングシステムを使い、移動資産のグローバルな管理のためのリアルタイム物流支援の単一位置を実現可能である。情報は必要に応じて安全なトランザクションにより関連団体に配信され、こうして資産の盗難のためにシステムが利用されることを不可能にすることができる。
【0068】
NOCは、一つ以上の以下のオペレーション機能を有することが可能である。これはつまり、1)詳細な航海履歴によるリアルタイムのグローバルな船舶位置トラッキング、2)窃盗通知および内部環境および放射線のステータスによる、コンテナ位置および状態のトラッキング、3)考えられる脅威、リスク、および責務を識別する監査証跡による、米国の海域および港における船舶およびコンテナ到着の早期警告/脅威の識別、4)疑わしい輸送活動の検知およびモニタリング(予定外の港への入港など。)および船舶およびコンテナレベルの両方における長期の活動パターンの識別、5)防衛省、米国沿岸警備隊、米国税関、本土防衛担当省、さらに、地方自治体の本土防衛、港湾セキュリティ、密輸、および盗難の問題についての『即時対応』法的機関との間のやりとりにおけるデータの保全、6)必要に応じて貨物の到着および流通を計画および管理するための乗組員および港との間でのデータの保全、7)包括的な港、船舶、およびコンテナの管理のためのシステムおよび税関検査のための『ファストトラック』プロトコル、8)冷蔵貨物、重要貨物、およびHAZMAT貨物のリアルタイムのモニタリング機能、9)重要情報(例えば、規則、規定、天候情報、乗組員への注意事項、など。)の効率および連絡先の中央化を最大限にするための海運業用リモートコントロールタワー、10)インターモダル倉庫保管、港、船舶、道路、および鉄道サプライチェーン管理およびグローバルな規模における安全性適用の統合。
【0069】
(6.多重アクセス)
本明細書で説明されている多重アクセスのアプローチによって、近くのターミナルまたは船舶に設置されている90,000を超えるさらなるRFIDタグ(考えられる干渉源)を含むことがある環境に位置するターミナルまたは船舶に分散されたおよそ10,000のRFIDタグを動作可能に収容可能な多重アクセスネットワークが実現される。この多重アクセスの設計では、こうした要件を達成するためにCDMA、FDMA、TDMAおよび/またはSDMA(空間分割多重アクセス)の一つ以上を利用可能である。RFIDタグは、それぞれ、ターミナルまたは船舶の周囲に境界またはターミナルまたは船舶内にグリッドのどちらかを形成するRFIDタグ読み取り装置のアレイに、電子的な識別コード、センサーデータ、および位置情報を報告することが可能である。RFIDタグ読み取り装置の位置に、現在ヤード内にある街灯タワーという既存のインフラストラクチャーを利用する場合もある。こうしたRFIDタグ読み取り装置は、タグからのデータを調整し、全ての便利なデータを近くのサイトサーバーに報告可能である。次に、サイトサーバーは、重要なイベントおよびセンサーデータをNOCに中継可能である。以下に、RFIDタグからRFIDタグへの読み取り装置リンクに焦点を絞った、ターミナル/船舶エリアの通信について説明する。
【0070】
(一般的な戦略)
以下に、好適な全体的な通信戦略のエレメントを説明する。本発明の実施形態は、直接拡散型スペクトル拡散(DSSS)および周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)の両方を利用する符号分割多元接続方式(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)および空間分割多重アクセス(SDMA)の組み合わせを含むことが可能であり、タグから読み取り装置へのリンクに利用可能である。本発明の実施形態は、異なる周波数帯域(例えば5GHz)を利用する読み取り装置からサーバーへのリンクを含むことができる。本発明の実施形態は、電力コントロールをCDMAおよびSDMAの方法の最適化のために採用可能にする双方向通信を含むことが可能である。本発明の実施形態は、近所どうしに存在するヤードからの拡散コードグループを識別可能である、近距離に存在する独立したターミナル(ヤード)を含むことが可能である。本発明の実施形態は、ヤードを微小なセルに再分割するオプションを含むことが可能である。
【0071】
以下に、上記で説明した好適な全体的な通信戦略の主要なパフォーマンスのパラメータについて説明する。サイトサーバーは、99.99%の成功率で、少なくとも100秒に一度、10,000の近似タグから更新内容を受信する。サイトサーバーを含むネットワークは、最高で90,000の準近似タグを『無視する』ことができる。タグからの優先順位の高いメッセージは、遅延一秒以内で送信可能である。
【0072】
(実装)
以下の実装の分析では、以下の条件を仮定している。100秒毎に一回、各ノードから1,000ビットが使用される。5MHzの帯域幅のオフセット直交位相シフトキー(OQPSK)変調およびほぼ一定のエンベロープ信号を使用する。重複率が制御された16以上の非重複ホップ周波数。直接拡散型のための長さ63の拡散コードを使用する。
【0073】
上記の明示的な仮定に基づき、1,000ビット(125バイト)のパケットが、ビットレート80kbps、チッピング長63で、それぞれ10,000ノードから、100秒に一回、送信される。このため、本発明の実施形態のチッピングレートは、OQPSK変調によって約5MHzのスペクトル帯域幅に変換する約2.5Mbpsとなる。RFIDタグ読み取り装置は、約100秒に一度各RFIDタグと通信する必要があると仮定する。そのため、10,000のRFIDタグは、100秒毎に平均20,000のパケットに変換する。こうした20,000のパケットは、4,000の時間スロット(25msの長さ)および32のCDMAユーザーに多重化される(63の長さコードと16のホップの組み合わせであり、同時最大ユーザー数は、およそ、チップ長さの二乗×ホップの二乗の数と仮定する。)
周辺RFIDタグ読み取り装置は、RFIDタグ通信のためにコンテナ列間に配置するようにされた指向性アンテナを利用可能である。異なる周波数帯域(例えば5GHz)[またはあるいは、電力ライン通信]で動作する指向性アンテナを、タワーからタワー/サーバーへの通信に使用することも可能である。ヤードサイズおよびその他の環境的なパラメータによっては、中継通信を行うためにタワーも必要となることがある。
【0074】
RFIDタグ読み取り装置のメイン機能として、全RFIDタグから情報をキャプチャし、次にこの情報をサイトサーバーに中継するようにできる。この機能は、10K以上のタグのための多重アクセスプランを最適化するように互いに調整したり、サイトサーバーに直接通信するのみにしたりすることができる。例えば、いくつかの読み取り装置が単一のRFIDタグからデータをキャプチャする場合、読み取り装置は、少なくとも一つの読み取り装置がRFIDタグと確実に通信できる最小の電力レベルを協調的に決定することができる。
【0075】
(電力コントロール)
上記で説明したように、ネットワーク通信を最適化するために電力コントロールを利用可能である。当然ながら、電力コントロールは、DS−CDMAを利用する場合に最も好ましい。この多重アクセスアプローチは、全てRFIDタグからの送信電力のコントロールに関与する、ネットワーク検出プロトコル、電力バックオフ、および干渉緩和技術を含むことができる。
【0076】
(再送信の冗長度)
上記の分析では、システムは、100秒に一回の割合で各RFIDタグを聞く必要があり、約1,000ビットのメッセージで十分であると仮定する。これには、100%のパケット長でのインターパケットガード時間の控えめな推定を含む。上記の例において、パケットはおよそ12.5msの長さとなり、平均ガード時間も約12.5msとなる。このガード時間は非常に控えめに見積もった値であり、90%以上も低下して、スループットまたは冗長がさらにほぼ二倍になる可能性がある。ガード時間の小区分は、CSMAの方式で『緊急時』イベントに利用するものである。さらに、ほとんどの適用において100秒の更新レートは必要ないため、次の100秒のサイクル時の連続した時間スロットを不良パケットの再送信に使用可能である。例えば、一時間、一秒あるいは三時間に一回の更新レートで、ほとんどの場合十分である。
【0077】
上記で説明したように電力コントロールを実行し、チャネル割り当ておよびネットワーク最適化の典型的なデューティーを実行するために、全てのノードの起動シーケンスで厳格なフローコントロールを確立する必要がある。図7〜図8(フローチャート)を参照して説明される以下の記載は、そのプロセス設計例について述べる。
【0078】
(検知プロセス)
図7に示すように、ノードは、システムコントロールの(デフォルトの)RFチャネルで起動する。ノードは、RFIDタグ読み取り装置の一つとのリンクを確立するまで、小規模な『パイロット』チャネルセットを周期的に繰り返す。このループは、読み取り装置(または、所定のシステムで代わりのタグからタグへのアプローチが利用可能な場合には別のタグ)によって正常な通信が確立されるまで、または確立されない限り、必然的にエンドレスとなる。本発明の実施形態は、電力の増大および/またはこのプロセスを含むことが可能である。
【0079】
図7を参照すると、例示のタグ起動シーケンスはステップ710においてタグがオンされることによって開始可能である。ステップ720において、タグはデフォルトの受信機コードを設定する。ステップ730において、タグはタワーからのパイロット送信シグナルを聞く。ステップ740において、タワーからのシグナルが識別される場合、タグは、ネットワークへの送信の通信750に進む。タワーが識別されない場合、タグは、ステップ760において、タイムアウト期間が経過したかどうかを判断する。タイムアウト期間が経過していない場合、タグは引き続きタワーを識別しようとする。タイムアウト期間が経過している場合、タグは、代替受信機周波数コードの設定を含むステップ770に進む。代替受信機周波数コードの設定後、タグはステップ730に進み、再び、タワーからのパイロット送信を聞く。
【0080】
発見プロセス時において、所定の時間において送信するタグ数を最小化することが好適である場合がある。これは、読み取り装置ノードに発見プロセスをコントロールさせることによって実行可能である。読み取り装置は、その範囲内の全てのタグを所定の順番、所定のテンポラリコード(以下のネットワークID送信順序を参照)で送信するようプロンプトするIDリクエストを送信する。次に読み取り装置はタグからのメッセージの受信および処理を開始する。第一のノード識別サイクルが完了すると、読み取り装置は、受信を認証しタグのネットワークIDおよび時間スロット割り当ての両方を指定するタグへのメッセージを送信する。ネットワークID割り当てを有する(その読み取り装置IDに関連付けられた)全てのタグがIDリクエストメッセージを承認するわけではないという条件において、サイクルが繰り返される。本発明は、衝突の解決のためのプロトコルなどを含むことが可能である。
【0081】
(ネットワークIDの送信順)
読み取り装置は、そのIDリクエストをデコードすることのできる(およびその読み取り装置によって以前にログされていない)全てのタグが、5msのメッセージx×リクエストの受信後10msを送信するようリクエスト可能である。(xは、タグUUIDの3つの最下位桁)。(例えば、12345678というUUIDを有するタグは、読み取り装置への送信前に6,780ms待機することになる。)さらに、タグは、FHおよびDSコードの組み合わせを選択するために、そのすぐ上の2桁(この例では45)を使用できる。このため、読み取り装置は、100,000のタグを確実に処理できる必要がある。
【0082】
RFIDタグおよびRFIDタグ読み取り装置がリンクを確立すると、読み取り装置は、RFIDタグを、最適化されたネットワークの一部となるコードと周波数の組み合わせに割り当てる。このプロセスを図8に示す。
【0083】
図8を参照すると、通信検知810からの送信時において、タグは、ステップ820において、デフォルトの送信周波数コードを取得または採用する。ステップ830において、タグは、デフォルトの送信周波数コードをタワーに送信する。ステップ840において、タワーがデフォルトの送信周波数コードを認証する場合、サイトサーバーはステップ850においてタグをコード周波数および時間スロットに割り当てる。タワーがステップ840において認証しない場合には、タグは、タイムアウト期間が経過したかどうかを決定するステップ860に進む。タイムアウト期間が経過すると、タグはステップ840に戻り、タワーからの認証が行われるまで引き続き待機する。ステップ860においてタイムアウト期間が経過すると、タグは、代替送信周波数コードが取得または採用されるステップ870に進む。タグはステップ830に戻る。
【0084】
(パケット構造)
このセクションは、プリアンブルおよびエラー修正/検出コーディングなどの安定した通信専用のパケット部分について説明する。パケットのペイロードは便利なペイロード(例えば、識別、位置、線量測定など)のいずれかにすることができる。
【0085】
好適な波形は周波数ホッピングと共に直接拡散型スペクトルを利用するため、プリアンブルは二つの部分を利用できる。つまり、64ビットの一定周波数DSSSの部分と、63ビットのハイブリッドFH/DSSSの部分である。受信機修正装置は公知の周波数における自動修正のピークにおいて、伝送波形の開始を検索可能である。受信機が『ビット』エッジの(時間的)位置を得ると、その搬送周波数のホッピングを開始可能である。データデリミタ文字の働きをするプリアンブルの第二の部分の開始時に、伝送波形はホッピングを開始可能である。受信機は、この第二の(63ビットの)シーケンスの開始時においてホッピングシーケンスとの同期化を再確立可能である。これにより、受信機は5ビット以上のシーケンスを無視することができるだけでなく、データペイロードの開始を正常に検知できる。32ビットの長さのCRCワードによってパケットが完成し、実際のデータペイロードの完全性を補償するために利用可能である。
【0086】
(直接拡散型スペクトル)
長さ63の約520のコードを生成するKasamiコードジェネレータから、DSSS割り当てを選択可能である。所定の時間スロット内で、約32のコードのみを所定のセル内で使用可能である。しかし、この最大コードセットを利用することで、コード割り当てプロセスの管理は簡単になる。
【0087】
(周波数ホッピングスペクトル拡散)
所定のパケットスロット時において、周波数ホッピング割り当てにより、チャネル直交性をいくらか達成可能である。仮定条件としてのRFタグのスペクトルは約5MHzであり、2.45GHzの産業、科学、および医療分野の(ISM)帯域は80MHzであるため、16のホッピング中心周波数のみをこの例で用いる。ハイブリッド型拡散スペクトルは厳しいマルチパス環境におかれた個々のリンクの安定性を向上させるようにすることが何よりも望ましいが、これは、時間スロットに存在する同時ユーザーの数を増やすためにも利用できるという利点がある。特定の実施形態におけるこのシステムのタイミング同期化は高速のホッピングスキームをサポートするには十分ではないため、複数の同時ユーザーを区別するためにDSSSスペクトル拡散のみを利用可能である。
【0088】
(7.海上システムの観測および分析)
船舶ターミナル施設のサイズは、この施設の拡大においてコンテナを追跡するのに必要な陸上側のRFシステム(つまり、受信機の数および分散)の設定に大きく影響する。ターミナルの街灯は、施設の受信機および送信機(またはトランシーバー)の好適な位置である。
【0089】
船上RFコンテナモニタリング受信機は、船舶の船首のマストに配置することがある。コンテナはデッキ上に常に均一な高さでまたは非常に一貫した配置で積層されているわけではないことを留意することが重要である。対象範囲内の船倉へのまたは船倉からのRFの伝播(鋼製ハッチ)は基本的にゼロにすることができるため、そこでのコンテナのモニタリングに役立つよう、船倉内にRFシステム受信機を設置する必要があることがある。
【0090】
荷物を積んだ船舶において、コンテナは多くの場合、デッキ上に船体の端まで積層される。ブリッジウィングおよびMASTを、MASTシステムのためにRFインフラストラクチャーコンポーネントを搭載するために利用可能である。各列およびコンテナ積層間の隙間により、船舶の端に達する前に適した波長のRFシグナルがあちこち跳ね返ることが可能になる。デッキ上の全てのコンテナの一貫した受信範囲を実現するために、船舶の周囲に沿ってこのスペースの各端にシステムアンテナを配置することが望ましい。
【0091】
コンテナは典型的には、船倉に緊密に積層される。コンテナは、船舶構造に設置された垂直方向の固定レールを滑り降りる。金属製の隔壁はコンテナの端周辺のエリアを効果的に細分化し、さらに船倉内のコンテナからのRF伝播を妨害する。船倉にハッチを設置すると、非常に良好なファラデーケージが形成され、RFがここを通過することはほとんど不可能である。そのため、船倉に積層されたコンテナからリアルタイムに近い(例えば、毎日の)遠隔測定が必要な場合には、いくつかの船倉内RFインフラストラクチャーを設置することが必要になる場合がある(つまり、受信機および関連付けられたデータリンクが船舶のブリッジ上の中央モニタリングステーションに戻る)。コンテナロッキングメカニズムは、積層されたコンテナの上部と下部の間に約5センチメートル〜約7.6センチメートルの隙間が空くようにする。コンテナの上部と下部の間のこのおよそ約5センチ〜約7.6センチメートルのスペースは、コンテナの間に(適した周波数の)RFパスを提供するのに十分である。コンテナの側面の間のこれに相当するスペースは、典型的には、約1.3センチメートルから約5センチメートルである。この構成により、コンテナ間における無線周波数のオームの(非可逆)および/または容量的な接続を生成することが可能であり、これは、積層からのシグナル伝播をいくらか損なうことがある。
【0092】
図9を参照すると、複数のインターモダル輸送コンテナ910は直交アレイに配置されている。無線周波数識別タグ920はインターモダル輸送コンテナ910の一つの上部に示される。複数の読み取り装置930が、複数の多様な輸送コンテナ910によって形成される通路の端に配置されている。
【0093】
図9は、コンテナグループが船舶のデッキまたはターミナルヤード内の地面に配置される場合の、緊密に積層されたコンテナグループ(名目上は約1219メートル)の平面図を示す。単一のRFエミッタ(図では放射している赤い点で示される)は、コンテナの上部の中央付近に搭載可能である。コンテナの脚部および上部のレールはシグナルの縦方向に延びる傾向にあるため、大部分のRFエネルギーは、コンテナの二つの端から両方向(図では上下方向)の隣接する通路に漏れ出す。こうしたシグナルは、アレイのエッジに現れるまで、通路の境界を決定するコンテナの両端間を跳ね返るため、中程度の喪失が生じ波形が大きく歪むという欠点がある。拡散およびマルチパスタイプの歪みに対して高い免疫を持つシかなりの広帯域(数MHz)スペクトラム拡散シグナルが、最も良く受信されると考えられる。当然ながら、本発明は、特定の状況の構成に制限されるものではない。
【0094】
考えられるRF受信および/または送信位置が、通路の端の点によって、図9に示されている。各点は別個のアンテナを示すことが可能であるが、より実際的で、強固な構成では、通路同士をつなぐのに小型の『漏れやすい同軸』ケーブルを、そして標準的な低損失の同軸をその間に採用することがある。より優れた物理的な保護を行うには、厚肉のPVCパイプの断面内に『漏れやすい』ケーブルを収容することが可能であるが、これは、最高数GHzの周波数で相対的に低い損失を示す。従来の同軸ケーブルは完全にシールドされているため、標準のケーブルは最高のクラッシュ抵抗を実現するためにPVCまたは金属性の導管内を通すことができる。こうした受信および/または送信位置システムは、(半)永久的に船舶の周囲、デッキレベル上、デッキレベル付近、および手すりまたはその他の便利な構造の上にも設置することができる。典型的には、貨物の船倉の各側面におけるコンテナの列間に乗組員用通路がある。通路構造の適切なスポットにコンテナの遠隔測定リンクのRFシステムのアンテナを設置可能である。
【0095】
こうしたアンテナコンポーネントを設置するための正確な位置およびモードは、個々の船舶の構造の詳細な仕様にかなり依存する。船舶の船倉の一つにあるコンテナの場合、漏れやすい同軸ケーブルは、コンテナのガイドレールとほぼ同じ垂直面に、側壁に沿って設置することが可能である。どちらの場合においても、漏れやすい同軸ケーブルの向きは、コンテナ上のアンテナの偏向および向きに対して、最も効率的なエネルギー移動を提供するよう維持する必要がある。例えば、水平方向のコンテナRF発射装置の場合、ケーブルは、コンテナからローカル受信機へのRFリンクにおいて相対的に低いカップリングロスを保持するために、ほぼ水平方向に通す必要がある(水平方向にコンテナのアンテナを偏向すると仮定)。
【0096】
その他の主要なシステム設計の問題点は、適切なRF動作周波数の選択にある。法的およびライセンス上の制約では、13.56、27.55、433、902〜928、2450〜2483.5、および5725〜5825MHzの現在の産業的、科学的、および医学的(ISM)帯域,および米国およびその他の北米大陸地域における5150〜5250および5250〜5350MHz[および/または世界のその他の地域における同様の割り当て]のいわゆる無認可の国の情報インフラストラクチャー(U―NII)帯域などの、割り当てられたライセンス不要の帯域の利用が好ましい。最初の三つのセグメントの帯域幅は狭いが(1MHz未満)、後の五つのセグメントは様々な形態のスペクトル拡散シグナリングのためのものである。
【0097】
狭帯域は非常に低いレートのデータ送信をサポートする場合があるが、電波探知および非常に安定したリンクのための機能ははっきりと制限されている。一方で、スペクトル拡散帯域はかなり高いRF電力レベルを可能にし、ずっと弾力性の高い変調技術をサポートする。全体的に、902〜928MHz帯域によって最大の範囲が得られるが2450〜2483.5MHZ帯域が基本的に普遍的であり世界中で(少なくとも一部で)利用可能である。電波探知および遠隔測定の一般的な分野においてはいくつかの新しいRF規格が定められている。現在の米国の通信委員会の規則ではISMおよびU―NIIの帯域においてHSSプロトコルが既に明示的に利用可能となっている。
【0098】
タグのコスト、電力効率、および複雑性による不利益は非常に深刻なものとなる可能性があるが、コンテナトラッキングのための複数帯域および/または複数プロトコル装置の柔軟性を、本発明でも利用可能である。本発明は、世界的なMASTシステムの概念で好適な高度に統合された複数帯域のRF装置(送信機および受信機エレクトロニクス、フィルター構造、およびアンテナを含む)を利用可能である。
【0099】
さらなる問題とは、所望の機能性レベルを達成するにために必要なRFシステムアーキテクチャの特定の種類である。双方向データ―遠隔測定システムによって、正確なRF―シグナル電力コントロール、リモート再プログラム能力、個々のタグ(アドレス指定可能な)クエリ、マルチタグ中継機能、RFパスのブロックおよび低電池状態のノードを解決するためのアドホックダイナミックタグ間データのルーティング、および周期的セキュリティコード、ネットワーク経由のリモートソフトウェアの変更/更新、およびノード―ステータスの問い合わせなどのネットワーキングタスクを含む、より高度なタグ―装置機能セットが可能になる。全体的なノードの電力効率およびエネルギー利用は双方向プロトコルにおいて通常、最適であるため、電池寿命時間は最も長くなり、ノード―アラームの報告および診断機能は最もタイムリーとなる。当然ながら、この種類のRFIDタグノードの短所として、搭載型RF受信機の存在によるさらなる複雑化およびコスト増加があるが、さらなる取得コストは電池寿命の増加による差分よりも大きいため、船舶の乗組員またはその他のメンテナンス/サービス要員によるメンテナンスの手間が省けることになる。
【0100】
対照的に、基本的な一方向性ネットワークは、一般的に『dumb chirper』モードで動作する自律的なタグを含む。このモードではタグは、所定の間隔でシステムインフラストラクチャーの受信機にデータを送信するのみである。こうした送信間隔は、定期的、不定期的、スロットを使用して不定期的にしたり、またはタグデータの性質によって変えることが可能である。例えば、非常に好適な実施形態とは、新しい、変更された読み取り値のみを送信する代わりに重複データの送信は省略する『高性能』タグである。このプロトコルの小さな修正点として、(変更にうっかり気づかなかった場合に)真のデータ値を再計算し、ノードが適切に機能していることを確認するためのいくつかの基本的なステータス情報を伝えるための、選択した間隔における追加の数回の送信の直接挿入を含む。
【0101】
遠隔測定システムアーキテクチャの三つめの種類は、特定の実行シナリオで説明されているように、双方向および一方向性タグを戦略的に(または非戦略的に)組み合わせたものをサポートする。この形式により、全体的なRFシステムのパフォーマンスに多少の負担がかかり、一般的にタグ電池寿命は短くなるが、タグ種類の選択はより柔軟になる。以上の説明は名目上、単一帯域ネットワークセットアップに基づくものであるが、(特に全てのタグのトータル価格において)大きなコスト上の不利益はあるが、マルチ帯域システムにおいてより高い柔軟性、高いパフォーマンスが得られる。こうした全ての例において、HSS技術の利用はビットエラーレート、パケットロス、衝突レート、RF電力効率、およびその他の施設のRFシステムに対する明らかな干渉レベル、特に同じ一般的な帯域を共有するものにおいてより有利である。本発明の実施形態は、一つのシステムにおいて『dumb chirper』タグと双方向中継タグを組み合わせたものを含むことが可能である。
【0102】
冷蔵コンテナ(『リーファー』)は、典型的には、船舶の配電システムから給電される上記のデッキのコンセントにプラグインされる3段階電力ケーブルを含む。一般的に、冷蔵貨物(例えば、医薬品、生鮮食品、および医療用品)は価値が高いために、リーファーモニタリングの適用は特に重要である。現在行われているのは、船舶の担当要員が、航海中に、定期的に単一の内部温度を手動でモニターおよび記録(つまり、鉛筆およびクリップボードで)するということであり、値が範囲を超えている場合には船舶の乗組員に報告される。(いくつかのスポットにおける)内部温度だけでなく、相対湿度、コンプレッサー圧力、冷却液フロー、供給電圧/電流、およびコンテナの保全性(ドアの破損)などのさらなるデータを、自動的モニタリングおよびアラーム遠隔測定によって得ることが可能である。この情報は、冷蔵機能の故障を早期に警告することにより本発明の実施形態に大きな経済的な価値をもたらすため、早急な修理を行い、コストのかかる貨物の劣化を避けることができる。この遠隔測定は、以前に説明したようにRF技術または船舶のAC電力システムによる安定したデータ送信によって処理可能である。電子署名分析などのより高度な方法でも、コンプレッサー、ファン、ポンプ、バルブ、およびその他の電動およびソレノイド駆動負荷の動作状態をより正確に査定することができ、重要な船上装置の高レベルのリアルタイム状態モニタリングを実行できる。
【0103】
(8.RFIDタグ付けシステムの通信要件の分析)
おそらく、実行可能なRFベースのタグ付けシステムプロトコルの開発における最も技術的な問題とは、特にコンテナおよび施設に搭載されるセンサー/IDタグと船上受信機インフラストラクチャーの間における、非常に信頼性の高い安定した、低電力RF通信リンクのニーズであろう。ハイブリッド(直接/周波数ホッピング)スペクトル拡散送信技術を使ってRFタグパフォーマンスを(データおよび位置の正確性に関して)著しく向上させると共にRFの干渉の生成およびその他のタグおよび施設のRFシステムについての感度を低下させる遠隔測定アプローチを用いることが望ましい。上記で説明するように、本明細書で使用されている位相ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)、および例えばPCT公開出願番号第WO02/27992号および/または2003年12月31日に出願された米国のシリアル番号第10/817,759号に記載されている、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせとして規定可能である。この技術の別の利点は電力利用の分野についてのものである。HSSプロトコルは、各タグからのRF送信の数を制限すると同時にその他のタグとの衝突を最小限に動的に抑え、こうしてタグデータメッセージの要件(例えば、再送信)を(絶対的)最小限に抑えることにより電力の節約に役立つ機能を組み込んでいる。別の主要なシステム動作上の問題に、タグサブシステムの内部電力管理の問題(つまり、論理、RF回路、およびセンサー)がある。
【0104】
便利な電池の再充電間隔を保持するために、受信システムの電力消費レベルは送信機のレベルよりもそれほど低くないため、RFIDタグのコマンド受信およびデータ送信機能の両方を非常に低い負荷サイクルで実行可能である。さらに、高機能タグセンサーからの全てのデータを、冗長な送信を排除するためにまとめて処理可能である。最後に、適切なタグの動作性を(つまり、データアクセスおよびタグ位置)、好適には常時、確保するために、電池容量低下の警告を必要に応じて(タグデータ送信に埋め込まれた)施設の受信機に送信可能である。代替のタグへのエネルギー供給オプションには、インタロゲーターのワンド、搭載型光電池またはその他の電力供給源によるローカルな受動型電力供給が含まれる。上記で説明したシステムプロトコルの一部はコンテナタグへの双方向送信を前提としているが、オンデマンドのタグインタロゲーション機能を必要としないいくつかのシステム実施形態のために一方向性『dumb―chirper』タグを考慮することができる。
【0105】
適当な港湾(陸上側)施設システム設計の問題には、施設内の適切かつ一貫した空間的なRF受信範囲を提供するための、分散されたトランシーバー/無線位置装置、内部インフラストラクチャーシグナリングオプションの配置、およびRFリピーターの利用が含まれる。基本的なインフラストラクチャーには、施設のトランシーバーおよび中央コンテナモニタリングおよびコントロールポイント間のデータ転送のために、ツイストペア配線、同軸ケーブル、電力ラインRF送信技術、またはワイヤレスRFトランシーバーを利用できる。こうした配置はターミナルの特定のセットアップに大きく依存するが、ヤードRFトランシーバーは既存の構造に搭載されることが最も多い。対応する船上RFインフラストラクチャーは、船舶のレイアウトと、最適な受信範囲のためにRF装置を最適位置に設置するための機会が限られていることによって、より大きな制約を受ける。固定されたRF機器は船舶の電力によって動作する必要があり、通常の船上での動作およびメンテナンス活動から外れた位置に搭載する必要がある場合もあるため、多くの妥協を受け入れることができる。このため、船舶のAC電力配電システムによってRFインフラストラクチャーデータ通信を処理することが非常に望ましく、こうすることにより、パスが物理的に保護されると共に、本発明のシステムの実施形態を船舶に実施する場合に船舶にさらなるケーブル配設を行う必要がなくなる。
【0106】
(9.コンテナのモニタリングおよびセンサーの要件)
鉄道およびトラック輸送に対して、船舶輸送では、コンテナ位置トラッキングは異なるソリューションを必要とすることがある。船舶上においては、三角測量機能が組み込まれていない場合には、GPSベースのタグのみを実行することができない場合がある。より詳細には、GPSは、受信機が三つ以上の衛星源を『見る』ことができなければならない、視線方向位置システムである。デッキ上または船舶の船倉内に積層されたコンテナは、GPS衛星源を利用するために必要な視線方向シグナルを得ることができず、ローカルのGPSリピーターを船舶上に追加することによりこの問題を解決することはできない。適切な強度のGPSシグナルを受信および繰り返す場合であっても、積層における高レベルなローカルのRFマルチパス反射により、位置の正確さに大きな不確実性が生じ、結果を概して容認できないものにしてしまうことがある。さらに、非常に低いタグ動作電力の要件により、ほぼ確実に、適切な衛星受信が可能であっても、個々のGPS受信機が排除されてしまう。好適な船上ソリューションには、ローカルの三角測量システムの利用が含まれる。ローカルの船上環境に合わせたローカルの三角測量システムを利用することにより、最高のコンテナ位置のパフォーマンスが得られる。深刻なマルチパス反射および(電力の制約を受ける)タグ送信時間の制限のため、こうしたシステムでは全ての場合において正確なコンテナ位置を提供することはできないが、およそコンテナ一個分の誤差で(上/下、前方/船尾、および港/右舷のコンテナ一個分)位置を提供することが可能である。大部分の場合において、このレベルの精度はきわめて適切であるといえる。
【0107】
船上三角測量では、複数の受信機が必要となる場合がある。所定のコンテナから固定された中央受信機への視線方向の伝播がない場合、上記のデッキ上に積層されたコンテナのコンテナ送信位置のローカライズに受信機セットが必要となる。さらに、どの船倉にコンテナがあるのかを識別する以上に、船倉内のコンテナをローカライズすることは困難である。圧倒的なレベルのマルチパスおよびRFシグナルパスの障害のために、各船倉は、その船倉内のコンテナ位置を正確にローカライズするために、各コンテナの端付近の隔壁に搭載された、コンテナ一個につき最高で一つの受信機およびアンテナを必要とする場合がある。これは恐らく、現在の技術を用いたコスト効率の高いソリューションで許容可能な数を超えている。さらに、一度船倉に積層されてしまったらほとんどのコンテナにアクセスする実際的な方法がないため、船倉内の各コンテナの正確な位置を知る増分値は大きくないと思われる。いずれの場合においても、船倉内の特定のコンテナ検索の優先度は、積荷および荷揚によって正確に追跡するものに比べて確実に低く、これにより、全体的な貨物輸送および移送プロセスに対し(時間のために)、経済的に大きく影響する。
【0108】
この問題のソリューションに、高度なアンテナ構造の配備がある(つまり、全てがリモートコントロールされたRF PIN―ダイオードスイッチによって共通ケーブルに接続された、複数の相互接続され、水平に偏向された配線の種類の、船倉の壁に取り付けられたダイポールアンテナ)。このセットアップにより、船倉のスキャンアンテナアレイのグループが効果的に実行され、こうして船倉に積まれたコンテナを識別して、積荷時にその位置を指定することが可能である。特定の船倉の配置機能は、『アラート』または『ウェークアップ』シグナルとしてコンテナタグが受動的または半受動的に感知するローカルのコンテナ―タグのRFインタロゲーションシグナル(つまり、13.56 MHzまたは別の便利な周波数におけるコード化されたRFエネルギーのバースト)によってトリガー可能である。コードがアラートシグナル(例えば、コンテナシリアルID番号の最後の数桁)と一致する、このようにインタロゲートされたコンテナは次に、擬似ランダム時間方式でHSS送信シグナルに反応する。船倉受信サブシステムはこうしたシグナルを獲得し、船舶のコンテナ積荷目録データベースにおいて完全なシリアル番号との相関付けのためにメイン船上システムに結果を中継する。
【0109】
MASTシステムの別の主要機能とは、積荷ドックまたはコンテナヤードのコンテナの位置をトラッキングすることである。こうした施設の内外を移動するコンテナが大量である場合、施設運営者に特定のコンテナの位置の通知が可能なトラッキングシステムによって、大いに時間を節約できる。ヤード内において、ローカルのスペクトル拡散RF三角測量システムを、コンテナ位置のトラッキングに使用可能である。ヤード付近の四つ以上の受信機を戦略的に配置すること(大規模な施設の場合はこれ以上)により、コンテナ位置を動的にトラッキングできる。さらなる受信ユニットは、一般的に、施設からのコンテナの出入りを記録することができるようターミナルの入り口および出口に配置される。オープンヤードにおける典型的な直接視線方向通信距離は、10mWのタグRF送信電力レベルにおいて、300mからおよそ500mである。また、100mWのタグでは約1kmに容易に延長可能である。電波探知の精度は、典型的な(短い)タグ読み取り平均時間において1m未満にすることができる。さらに、長い平均化時間を利用する場合にはより優れた位置のソリューションを得ることができる。典型的には、適応ビーム操作アンテナを搭載した電波探知受信機セットが、船舶へまたは船舶から移送される際に短距離における各コンテナの完全な遠隔測定および位置データを取得するために各積荷クレーンに設置される。特定のコンテナがヤードから船舶へ実際に移動する、またはその逆に移動するトラッキングデータベースシステムに対し、このデータセットは最も信頼性の高い検証方法となる。コンテナ―位置モニタリングソフトウェアに組み込み可能な光学的機能とは動き検出の機能であり、コンテナの位置が偶発的な量以上に(つまり、システム位置の不確実性の指定以上に)変わるたびに、セキュリティルーチンを作動可能であり、こうして、アクティブ輸送積荷目録に対してそのIDを比較してコンテナの動きがトラッキングされる。コンテナが大きな距離を移動するが(通常のヤード非追跡/再追跡操作を超えると通常は)移送するよう予定されていない場合には、ヤード要員に対して自動的に、置き違いまたは盗難の可能性があることを自動的にアラート発信する。
【0110】
一般的に、GPSコンテナ位置トラッキングは、理論上はGPS衛星に対して明確な視線方向によってコンテナに適用可能であるが、船上のコンテナに対して以前に説明した理由により、ターミナルヤードにおいて特に積層状態にある場合には実際的ではない場合がある(十分な視線方向の受信)。同じ論理が、鉄道またはトラックによって輸送されるコンテナにも適用される。
【0111】
本発明はさらに、コンテナ貨物、コンテナ温度、機械的衝撃、放射線、密航者、または化学的/生物学的薬剤による干渉を検知可能な広範囲のセンサー装置を含む、コンテナ貨物のステータスをモニタリングまたは感知する光学的技術を含むことが可能である。こうしたセンサーの一部は(例えば、温度センサー、ドアスイッチ、加速度計、ビーズ状衝撃センサー)、少々の工学的作業がコンテナのモニタリングシステムへの組み込みのために必要ではあるが、基本的に市販の装置である。
【0112】
ドア保全性モニタリングでは、コンテナのドアが開いているまたは取り外されている場合にこれを示すセンサーを使用している。このセンサーは多くの場合機械的または磁気スイッチとなるが、光学的、容量的、またはリラクタンス測定の装置などのその他の手段を採用することもできる。全てのこうしたアイテムは市販のものであり、低コストで配置できる必要がある。
【0113】
一般的な従業員の線量測定モニタリングに利用される種類の標準の熱ルミネサンス線量計(TLD)などの放射線と物質との相互作用を記録するセンサーを使って、放射線モニタリングを実行可能である。数日間にわたる放射線誘発の物質の変化の分析により、非常に低レベルの放射線を検知することが可能である。このセンサーでは連続的な電池からの電力ではなく、媒体の検出における変化を断続的に計測するための電池電力のみが必要とされる。TLDは市販品であり、安価な自動的読み取り装置が市販されているが、コンテナへの応用では、中程度の最適化工学作業について指示している。連続的なコンテナ内放射線感知を実行するために、アルファ、ベータ、ガンマ、X線、および/または中性子の放射の測定が望ましいかどうかによって、およびどの感度レベルかによって、標準的なコストで多くの方法を利用可能である。大規模な応用例においては、本発明は、低電力CMOS電位計回路(安価な家庭用煙検出器と類似)による読み取りが可能な低レベル光電流を有する小さな放射フラックスに対応可能な安価な多層構造検出器物質を含むことができる。以下に詳細に説明する受動積分イオン化放射線センサーを用いて放射線モニタリングを行うこともできる。
【0114】
コンテナの高速で広範囲の放射線スクリーニングの代替の戦略は、積荷用クレーン上にまたは陸上施設内に搭載される高精度のマルチ検出器アレイによって実施すると最適であろう。しかし、積荷/荷揚作業におけるきわめて経済的時間圧力のため、こうしたコンテナのスキャンは、全体的なコンテナスループット率への影響を回避するために、クレーン移送作業の前に(または直後に)オンザフライでまたはオフラインで行う必要がある。
【0115】
コンテナ内の密航者のモニタリングは、いくつかの種類のセンサーによって実行可能である。本発明は、密閉空間検出システムとして知られている心拍検出器の利用を含めることができる。振動プローブ(例えば、加速度計)および検出および認識用の電子機器を含むこのセンサーシステムは、周期的にコンテナにおける微細な振動を記録し、人間の(または動物の)心拍に特徴的な時間/周波数シグナルの署名のウェーブレット変換方法によってこれを分析可能である。このシステムは、単一の分離されたコンテナのモニタリングに最も効果的であるが(例えば、ドック―ヤード内)船上での利用にも適用可能である。その他の考えられる密航者やコンテナへの未認可のアイテムの検知方法には、コンテナ内(またはコンテナへの)特定の電磁場パルスを発生させる装置がある。二つ以上の位置における溶接レベルを、検知、遠隔計測、および記録する。周期的な電磁場パルスの再送信および新しいおよびオリジナルの応答の比較により、コンテナ内の物質の配置によって示される磁場パターンの大きな変化が示される。これにより、貨物の位置のずれまたは人間(または動物)の存在のどちらかによるコンテナ内の物質の動きが示される。技術は市販のものを入手可能であるが、この問題に対するより従来型の(および恐らくより安価な)アプローチには、より簡単ではあるがより感度の低い、市販の侵入アラームに機能が類似した、定常状態のまたはパルス化された超音波および/またはRF(電磁波)システムを含むことができる。後記の技術は基本的には市販のものであるが、センサーの前に積層された貨物によってブロックまたは阻害されることがある。
【0116】
化学的/生物学的薬剤は、主にこうした薬剤のごく少量を高精度で感知しなければならないために、検知するのが困難でありコストがかかる(マイナスでもプラスでも誤認は低レベルでなければならない)。本発明は、化学的または生物化学的な『lab―on―a―chip』検出器を含むことができる。比較的安価なコンテナの化学/生物検出システムは、移送クレーン上またはその付近に検出器を搭載でき、ここで、短時間のオンライン試験のためにコンテナは『sniffer tunnel』を通過可能である。さらに、個々の化学/生物学的検出器を、コンテナ内および/または上に搭載可能である。
【0117】
デリケートな貨物の衝撃および/または加速度感知は、MEMS/電子機器装置(自動車のエアバッグセンサーと同様)、ガラス製ビーズまたは粒(衝撃または傾斜製限度の感知用)、圧電装置(例えば、従来の加速度計)、マイクロカンチレバーおよび誘導センサー(例えば、受信機)を含むいくつかの技術の一つによって実現可能である。主な制約として、一般的に、利用可能な電力の制約があり、こうした装置の大部分は必要な電力が大きすぎるため、長期間(例えば、月単位)にわたって小型電池で処理することができない。しかし、連続的に時間サンプルを取った加速度プロファイルの利用は、デリケートな貨物のトラッキングおよび輸送中のコンテナの乱暴すぎる取り扱いが起こった時点を判断する上で非常に役立つ。こうした種類のセンサーの大部分は、現在、市販されており、コンテナ遠隔測定システムに対するこれらの適切なパッケージングおよびインターフェースは、短時間で済み、また簡単である。
【0118】
冷蔵コンテナシステム、特にコンプレッサーおよび冷却システムのコンポーネントは、理想的にはリーファーについて以前説明した技術を利用してモニターされる。このコンプレッサーおよび電子署名分析コンポーネントを含む冷却システム技術は既に市販されており、輸送環境ですぐに実行が可能であろう。
【0119】
典型的なコンテナタグ―コンテナの安全性および内部状態(温度、湿度、衝撃)の詳細なモニタリングのための単純な長距離のID装置またはより複雑なデータ取得/遠隔測定装置は、好適には電池により電力供給される。このため、ユニットおよびシステムの慎重な設計も、長期における適切な自動動作を確保する上で好ましいため、輸送業界において広く受け入れられるであろう。タグは、少なくともおよそ一年間はメンテナンス不要で利用できる期間を有することが好ましい。大部分の輸送業者は、入手の容易な商用製品において現在市販されている最も高いエネルギー密度フォーマットである、カメラ用のリチウム電池の小容量の寿命を概算し、3年から5年の間隔を最適としている。リチウムイオン電池の保管寿命は、典型的にはおよそ10年であるため、使用前に何年も電源の入らない状態で保存される密閉されたコンテナタグは、3年〜5年という通常の動作寿命期間目標を示す。ほとんど考えられるケースにおける提案されているタグクエリーの間隔は、一日に一回から四回であり、これは、コンテナの種類、その貨物の相対的なもろさまたは感度、および安全性、貨物の価格、盗難の可能性、および外傷的な出来事(例えば、船外コンテナ)などのその他の要因に依存する。後記の要因の一部によって、こうした緊急事態に対する即時の対応に役立つようコンテナにおける緊急送信機またはビーコンが配置されている理由が理解されるであろう。典型的な電池容量を1400 mAh(3―V Aサイズ)と仮定すると、一時間に一度の決まったクエリ(10秒間に平均10mを消費)により、動作電池寿命は5年以上となる。再充電を実行する場合、この間隔は容易に20年を超え、これは、電子機器パッケージの予想される寿命期間に近くなると思われる。利用する再充電メカニズムとして太陽電池再充電が好適であるが、マイクロ燃料電池、動的ジェネレータ(例えば、微細な振り子またはMEMSの種類)、熱電対列(温度差)、およびRFエネルギースカベンジングを含むその他の電力メカニズムも可能である。
【0120】
本発明の実施形態は、コンテナ構造へのRFIDタグの埋め込みを含むことが可能である。本発明の実施形態は、一つのコンテナへ複数のRFIDタグを重複のためにまたは(非)機能的なおとりとして提供することを含むことが可能である。
【0121】
輸送コンテナにおける放射線の非常に低い電力測定のための空間電荷線量計
電子線量計装置はコンテナ内の線量を測定可能であるが、これらは、積分時間中に電力供給される必要がある(アクティブ)。そのため、電池残量を保持するために短期間で積分する必要がある(このため感度が低下する)。サイズの大きいまたは容量の大きい電池の利用また、コンテナ寿命中の電池取り替え(典型的な輸送コンテナ寿命は5年から7年である)は経済的に適していない。
【0122】
そこで必要とされるのは、単純で、安定した、受動的に放射線量を積分するために各輸送コンテナに設置可能な低コストの低電力装置である。この装置は、輸送中にコンテナ内の放射線量を非常に高精度に測定するために非常に長い期間にわたって放射線量を積分することが可能である。十分にシールドされた放射性物質であっても、コンテナ内のバックグラウンド放射線レベルはわずかに向上する。さらに必要とされているのは、擬陽性の発生率を低下可能な装置である。
【0123】
空間電位線量計(SCD)は、放射線量を連続的に受動的に積分することが可能であり、読み出しまたは装置の再充電のためにのみ電力を必要とする。こうした装置は、充電することにより、または陽極および陰極の間の開始電位を発生させることにより、動作する。誘電性媒体は、陰極および陽極の間に位置する。この電位により、誘電性媒体において電場が発生する。放射線が誘電性物質を通過すると、誘電体のイオン化が発生する。次に電場はイオンを一掃するまたは誘電体から搬送波に電荷するため、陽極および陰極の間の電位が低下する。照射期間における劣化した電荷の測定とは、測定期間における積分されたイオン化の測定である。電荷(または電荷によって制御される装置のいくつかの物理的な面)は、線量レートを取得するために、照射前および後で読み取られる。
【0124】
SCDの周囲にフィルターとして様々な物質を利用すると、感知された放射線の種類を決定したり、放射線のエネルギー範囲を決定したりすることが可能である。各SCDの周囲に異なるフィルターを持つ各コンテナの(複数の)こうした低コストセンサーのセットは、高いバックグラウンド放射を示すだけでなく、放射の種類およびエネルギーレベルについても示す。これにより、コンテナの放射性物質の考えられる種類の特定、例えば、コンテナ内の高度な放射線レベルは、鉛製のシールドボックスにおけるコバルト60ではなくバナナ(カリウム40)によるものであるかどうかの特定に役立つ。
【0125】
本発明の実施形態は、放射線センサーは低コストおよび電池によって電力供給されるものでなくてはならないが電池は何年も持続するという輸送コンテナにおける放射線測定の問題を解決することができる。本発明の実施形態は、受動的に射線量を積分するためにエレクトレット電離箱(EIC)などの非常に低いコストの空間電位線量計(SCD)、IGFET(絶縁ゲート電界効果トランジスタ)、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)および/またはマイクロカンチレバーなどの電界効果トランジスタ(FET)を利用可能である。こうした装置において、線量計の感応容積を通過する放射線(FETおよびマイクロカンチレバーのEICの空気室または誘電性レイヤー)により、気体または誘電体がイオン化される(つまり、電荷ペアが生成される)。こうした放射線誘導の電荷は次に、装置の電位または電場を変化させる。この電位または電場の変化は受信する放射線量に比例する。
【0126】
本発明の実施形態は、絶縁体である物質のアクティブな放射線検出量を含むことが可能である。放射線がこの量に影響する場合、電荷が生成され、この量内にトラップされる。この捕獲電荷は電場分布を変化させる。本発明の実施形態は次に、この量の両側に電極を配置することでこの電場における変化を感知できる。こうした電極がこの電場に反応することに注意することは重要である。こうした電極が、例えば、ゲートおよびIGFETトランジスタ本体である場合、本発明の実施形態は、捕獲電荷を阻害することなく、トランジスタのチャネル伝導をモニタリングすることで溶接の変化を間接的に測定可能である。あるいは、本発明の実施形態に、例えば、マイクロカンチレバーなど、生成された電荷が絶縁電極に向かう検出量が含まれる場合、本発明の実施形態は、カンチレバーの偏向を読み込み、同じ結果を得ることが可能である。
【0127】
断続的にSCD線量計の電圧または電位を読み出すことにより、装置が受信した放射線量に比例する読み出しが得られる。一つ以上のSCDを輸送コンテナに、または無線周波数識別タグにおいても搭載可能である。(船舶または鉄道などの)コンテナ輸送時において、SCDは受信した放射線量を積分する。例えば毎24時間などの時間間隔の後、各SCDの電圧電位を読み出し可能である。読み出しごとによる電位の変化は、放射線量に比例する。
【0128】
様々なフィルター種類を持つ複数のSCDを、例えばガンマ、X線、中性子またはベータなどの放射線の種類を区別するために、およびこうした粒子または光子のエネルギーレベルを区別するために利用可能である。コンテナ外に配置されたSCDまたはコンテナ内にシールドされたSCDを利用して、周辺またはバックグラウンドの放射を差し引くことが可能である。
【0129】
こうした放射線センサーからのデータは次に、コンテナのRFIDタグに中継可能である。このRFIDタグは放射線センサー、その他のセンサー(例えば、温度、音響など)、および位置情報(例えばGPSまたは三角測量から)からのデータを収集可能であり、この全てのワイヤレス通信によって(例えば、HSS)中央データベースに接続される受信機に送信可能である。中央データベースにおいて、放射線量の読み取りは、コンテナは通常よりも高い照射野を有していると示すものを探すために分析可能である。通常よりも高い放射線レベルは、危険な(放射性物質)貨物がコンテナに収容されていることを示す可能性があるため、その特定のコンテナをより詳細な検査のためにフラグ付けする必要がある。
【0130】
本発明の実施形態は、空間電位線量計(SCD)を利用するシステムを含むことができる。SCDには、エレクトレット電離箱(EIC)、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(lGFET)などの半導体装置および/またはマイクロカンチレバーが含まれる。SCDは、輸送コンテナの放射線レベルを連続的にモニターするために使用可能である。こうした放射線センサーは、コンテナ内の放射線レベルおよびコンテナ位置のリアルタイムの世界的なモニタリングを可能にするために各コンテナに配置される通信およびトラッキングシステムと組み合わせることが可能である。説明のつかない、または予想されるよりも高いコンテナ内の放射線レベルを、次に米国の港に入港の際に、または好適には米国の港のデッキに到着する前に、より詳細な検査のためにコンテナをフラグ付けするために利用可能である。
【0131】
上記に述べているように、SCDの動作の基本的な原理は、電荷ペア(イオン化)を生成するためのイオン化放射線が物質との相互作用である(空気または誘電性など)。こうした電荷ペアは次に、電場の存在のために物質間を移動する。電荷担体の移動および収集によって、次に装置における電圧電位が低下する。SCDを充電すると、アクティブ領域のイオン化により、電位が低下する。装置の充電には極めて少量の電力を必要とする。充電されると、電位の低下として計測されるこの受け取った線量を装置は連続的に積分する。このため、照射前および後のこの電位の読み取りから受け取った線量が示される。重要なことに、SCDは、線量積分期間において電力は不要である。電力が必要となるのは、装置の充電時または電位の読み取り時である。上記でも述べているように、受動的に線量を積分可能な三つの考えられるSCDには、エレクトレット電離箱(EIC)線量計、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(lGFET)線量計、およびマイクロカンチレバー線量計がある。
【0132】
本発明における放射線センサーの好適な動作方法は、以下の通りである。一つ以上の放射線センサーおよびRFID通信システムが搭載されているコンテナ、次にコンテナに貨物が積まれる。コンテナは次に、輸送ターミナルに輸送される。コンテナは次に米国またはその他の輸出先国への輸送のために船舶に積まれる。航海中、シグナルはRFIDシステムに送られ、放射線センサー(ベースライン読み取りを行うためのセンサーの読み取り、またはセンサーを充電してから次にベースライン読み取りを行う)を起動する。RFIDシステムがセンサーを別の読み取りに向けるまでまたは事前設定した時間が過ぎるまで、放射線センサーは受動的に受け取った放射線量を積分する。放射線センサーは次にパワーアップし、電圧レベルを読み取り、RFIDシステムに読み取りを送信する。この読み取りは次に周囲のRFIDシステムに中継されて、一つ以上の中央位置および分析における収集を行う。線量積分時間(間隔)は、分単位から日単位まで好きなように設定可能である。航海は何日も続くことがあるため、非常に精度の高い測定の線量積分には数日間かけることが可能である。
【0133】
中央RFIDシステムは、船舶が出港すると、ベースライン読み取りを取るために各コンテナにメッセージを送信可能である。中央システムは次に、航海の間において定期的に放射線センサーを読み取るために直接RFIDタグを使用する(例えば、毎12時間または24時間)。センサー読み取りは、受信した線量を回収および分析するとすぐにRFIDタグ、タグ読み取り装置、サイトサーバーなどによってRFID中央システムに受け渡すことが可能である。船舶が航海中に(つまり航海時に)、上記で想定されたバックグラウンドレベルの放射線量の読み取り値はフラグ付けされ、適切な機関に通知される。これにより、船舶が米国港に到着する前に(またはその他の輸入先国)船舶を停止させたりコンテナを検査したりすることが可能になる。
【0134】
(エレクトレット電離箱(EIC)線量計)
EICは公知の空気量を含む導電性プラスティック密閉空間内に配置されるエレクトレットと呼ばれる帯電ポリマー(例えば、テフロン(登録商標))フィラメントまたはデスクから構成される。エレクトレットは、密閉空間が電離箱として動作するのに必要な高電圧(陽極)の電源として機能する。これは、空気室のイオン化の測定のためにセンサーとしても機能する。密閉空間の感応容積内において空気の放射線誘電イオン化によって生成されるマイナスイオンは、電荷の減少を引き起こすエレクトレットによって収集される。照射期間における減少した電荷の測定とは、測定期間における積分されたイオン化の測定である。エレクトレット電荷は、非接触エレクトレット電圧読み取り装置を使って照射後または公知のスケジュールにおいて読み取り可能である。
【0135】
本発明の好適な実施形態において、エレクトレット電荷読み取り電圧計は、非常に小さい低コストのエレクトロニクス回路、またはエレクトレット電荷を読み取るだけでなく必要に応じてエレクトレットを再充電するASICチップにすることができる。この回路またはチップはさらに、測定した電圧を放射線量に変換しこのデータを(例えば、IEEE1451準拠)センサーバスに送信するために十分なデータを含むことができる。
【0136】
本発明のさらなる光学的特徴として、各EICを異なる放射線の種類(例えば中性子、ガンマまたはX線)またはエネルギー(硬X線、軟X線など)に対して感度を上げるために、EICの周囲に放射線フィルター物質またはコンバーターを組み込んでいるということがある。放射線レベルの増加の有無またはクオリティだけでなく放射線の質的特徴も計測することによって、通常よりも高い放射線レベルを有する無害の貨物(バナナ、一部の陶器など)を区別するのに役立つ。さらに、コンテナ内のセンサー測定からのバックグラウンド減算のためにバックグラウンド放射を計測するため、一つのEICセンサーを搭載してシールドすることが可能である。
【0137】
EIC装置は衝撃に対して敏感であり、振動を与えた場合または落下した場合に特に一部放電することがある。輸送コンテナで起こる手荒な取り扱いのための擬陽性の放射線測定を防ぐために、本発明は、アクティブおよび受動的な防止策を組み込むことが可能である。第一に、各コンテナ上のRFIDタグによって各センサーと通信することができるため、放射線センサーは、線量を積分することができ、次に海上輸送時などにおける、衝撃が低いと考えられる公知の期間中の読み出しが可能になる。読み取りは、船舶の出港時および航海中に行うことができる。第二に、加速度計は、EICの放電を発生させるのに十分な大きさの衝撃イベントを識別するためのセンサーと共に設置することが可能である。こうしたイベントの後、EICは読み出しを行うことができ、線量積分時間を再開可能である。
【0138】
(電界効果トランジスタ線量計)
FET線量計の動作は、イオン化放射線による(例えば、IGFET)構造(酸化ゲート)の酸化物(または正孔移動度が非常に低いその他の絶縁体物質)における正孔ペアの生成に基づく。酸化ケイ素の正孔ペアを一つ生成するためのエネルギーは約18eVである。電子の移動度は、電子がトランジスタのゲートで収集を行う(n―チャネルの装置と仮定)ようになっているが、正孔移動度はずっと小さい。そのため孔は、ゲートと本体の間の酸化物内において効果的に固定される。これによって、チャネルの電流含有機能を変化させるトランジスタのゲートおよびチャネル間の電場に変化が生じる。この変化は、線量測定的に変更する電場に影響を与えることなく、いつでも読み取り可能である。そのため、ゲートのバイアス電圧は、吸収された放射線量の直接測定である。この技術は、所定のCMOSプロセスにおいて意図的に製造されたFETまたは電界酸化FET(寄生性FET、IGFET)の両方に適用可能である。このうち後者は、酸化物がより厚いため、より大きい感度を示す。
【0139】
(マイクロカンチレバー線量計)
マイクロカンチレバー線量計は、マイクロカンチレバーを、絶縁体によって地面から分離させた電極にすることで作成する。マイクロカンチレバーには電荷が負荷される。この電荷は、放射線が絶縁体に正孔ペアを作成するまで変化しない。このため、吸収された放射線量は連続的および受動的に積分される。放射線量を読み出すには、マイクロカンチレバーの電圧電位の変化を測定する。この電位または電位の変化は、マイクロカンチレバーの偏向を計測することにより判断される。
【0140】
放射線の種類またはエネルギーレベルを区別するためのフィルターおよびコンバーター
本発明は、放射線センサーを特定の種類の放射線または異なるエネルギーレベルに対して高精度に感知するために、異なる種類および厚さの物質の利用を含むことができる。
【0141】
本発明は、それぞれ異なるフィルターを有する、輸送コンテナにおける複数の(例えば、アレイ)低コスト検出器の利用を含むことが可能である。上記で説明されているSCD放射線検出器の種類は非常に低コストで大量生産可能であるため、検出器アレイをコンテナ全体に配置できる。鉛、錫、およびアルミニウムなどの異なる密度の金属でできたフィルターを、衝突ガンマまたはX線のエネルギーをおおざっぱに判断するために利用可能である。ボロンまたはリチウム6などの放射線コンバーターを、装置を熱中性子に対して高性能に反応させるために利用可能である。中程度のエネルギー中性子への感度を上げるためにテフロン(登録商標)または高水素含有プラスティックを利用可能である。コンテナ内部に位置し、それぞれ異なるフィルターおよびコンバーターを利用する検出器のアレイを利用することにより、コンテナで検出される放射線をエネルギー帯域(例えば、低、中、および高)および放射線種類(ベータ、X線、ガンマ)に分類可能である。
【0142】
(RFID通信システム)
本発明は、各コンテナからの放射線データを、さらに詳細な検査を必要とするコンテナのフラグ付けのために分析可能な、中央化データベースにセンサーデータおよびコンテナ位置を中継する通信およびトラッキングシステムに放射線センサーを積分することが可能である。全体的なRFIDシステムは『海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システム』と呼ばれる。MASTシステムは好適には海運業で標準の輸送コンテナを積荷、陸揚げ、および移送作業時、およびコンテナの海外輸送時における船上において、港湾ドック施設でトラッキングおよびモニタリングするためのワイヤレス(RF)ベースの通信および感知/遠隔測定システムである。このシステムはさらに、衛星および/または移動体/PCSを含む、ローカルのターミナル通信システムおよびその他の広域商用通信システムの両方を利用して、船舶、鉄道、長距離輸送トラック上およびその関連ターミナル施設内で運用可能な、真のインターモダルトラッキングおよびモニタリングシステムを実現する。このRFIDタグ付けシステムは、各輸送コンテナ、船舶内および輸送ターミナル内に配置されるローカルサイト読み取り装置、各船舶上または各ターミナル内の中央サイトサーバー、および全てのデータを収集、統合、保存、分析および逆アセンブルするナショナルオペレーションセンター(NOC)に設置されるRFIDタグを含むことが可能である。輸送コンテナは、冷蔵貨物輸送コンテナ(リーファー)およびドライ貨物輸送コンテナ(ドライボックス)の両方にすることが可能である。さらにRFIDタグの一つに搭載されているコンテナまたはその他の装置の位置の識別およびトラッキングのために、各タグには、コンテナ貨物またはその他のタグ付けされた装置の状態をモニターするための広範囲のセンサーのRFIDタグへの接続を可能にするための、例えば、IEEE1451センサーインターフェースおよび追加のシリアルインターフェースが装備されている。RFIDタグに接続可能なその他のセンサーには、温度、圧力、相対湿度、加速度計、放射線、ドアシール、およびGPS(グローバルな位置決定システム)が含まれる(がこれに制限されない)。さらなるセンサーを、冷蔵コンプレッサーなどの機器の状態モニタリングのために、またはいくつかの冷蔵貨物コンテナ上の診断データポートを読み取るために含めることが可能である。
【0143】
本発明は、MASTシステムのRFIDタグのための放射線センサーシステムの実装を含むことができる。線量積分時間において電力を利用しない問題は受動的に積分する放射線センサーセットを利用することによって解決され、MASTシステムは、全体的なモニタリング、トラッキングまたは通信システムへコンテナ設置からのデータを統合する問題のソリューションを提供する。本発明の実施形態は、連続的、受動的に放射線量を積分し、IEEE1451センサーインターフェースによってコンテナのRFIDタグにデータを送信し、位置およびその他のセンサーデータを有するこのデータをMASTシステムのナショナルオペレーションセンター(NOC)に送信する放射線の線量計の等級を含むことが可能である。NOCにおいて、全てのセンサーデータ、コンテナの積荷目録、コンテナのルートおよびその他の情報が分析され、入港時における詳細な検査を行うコンテナを識別するために利用される。
【0144】
本発明は、受信した線量読み出しのために電力しか利用しないが、長期間にわたる受動的積分放射線量を含むことが可能である。本発明は、放射線センサーの、異常な放射線量読み取りによってコンテナを識別化およびフラグ付けするようセンサーデータ分析を実行可能な中央データベースへほぼリアルタイムでセンサーデータに通信するRFIDシステムへの放射線センサーの接続を含むことができる。
【0145】
本発明は、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーからの線量測定のデータの読み出しを含む受動積分イオン化放射線センサーの元位置ポーリンググループを含み、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーは線量測定のデータの読み出し時において線量測定のデータが統合された位置に留まり、第一の受動積分放射線センサーおよび第二の積分放射線センサーは、積分された線量測定のデータを破壊することなく、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの最大限までイオン化放射線の連続的な積分を可能にして、受動積分モードおよびアクティブ読み出しモードにおいて非常に高いインピーダンスを示す読み出し回路に接続される。最大積分制限の実施を感知すると、読み出し回路は受動積分放射線センサーをリセットし、センサーリセットサイクルの数を非揮発的に累積することが可能である。
【0146】
本発明は、第一の受動積分イオン化放射線センサー、第二の受動積分イオン化放射線センサー、第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの両方に接続される読み出し回路、読み出し回路が受動積分モードである場合および読み出し回路がアクティブ読み出しモードである場合の両方において第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの両方に対して非常に高いインピーダンスを示す読み出し回路、および読み出し回路に接続される通信回路を含み、第一の受動積分放射線センサーおよび第二の受動積分放射線センサーの両方からの線量測定のデータの読み出しは通信回路に示される。
【0147】
第一の受動積分イオン化放射線センサーおよび第二の受動積分イオン化放射線センサーの一方または両方は、絶縁ゲート電界効果トランジスタ空間電位線量計を含むことができる。読み出し回路は、およそ1011オームからおよそ1015オーム、好適にはおよそ1012オームからおよそ1014オーム、最も好適にはおよそ1013オームのインピーダンスを示すことができる。
【0148】
上記に説明するように、本発明は厚膜酸化物線量計(TOD)を含むことが可能である。このようなTODにおいて、FETは、金属またはポリシリコンの二つ以上のレベルに接続するよう編成可能である。これにより、イオン化放射線と相互作用するSiO2のアクティブ容量が増加する。こうした装置には、電源が共通の電位に接続されると仮定した場合に、ドレイン間の電圧を読み出すことにより温度およびプロセスを補填できるという光学的な重要な利点がある。所定のIGFETのゲートおよびドレインは共に接続可能である。
【0149】
この技術は、FETを追加し、使用している半導体製造プロセスの制限まで、金属層を互いに積み重ねていくだけで拡大可能である。これの利点は、検出のために使用する酸化物のアクティブボリュームが増加するが、二つのプレート間の捕獲電荷によって生成される電場がプレート間の距離の増加の分だけ低下するということである。製造プロセスと同じ数のプレートを、検出の可能性を最大限にするために所定のイオン化放射線イベントの最大の電場を取得するために利用可能である。
【0150】
図10から図11は、本発明の二つのIGFET例について説明する。こうした図に示される要素の説明において「第一の」、「第二の」および「第三の」という用語の利用は、同様の要素を区別する目的にすぎず、こうした用語の割り当ては任意である。
【0151】
図10を参照すると、受動積分イオン化放射線センサーのセットは、第一のフィルター1011によってシールドされる第一のセンサー1010を含む。この受動積分イオン化放射線センサーのセットは、さらに、第二のフィルター1021によってシールドされる第二のセンサー1020も含む。第一のセンサー1010および第二のセンサー1020は共に、通信回路1030に接続される。温度補正回路1040は、通信回路1030に接続される。較正回路1050も通信回路1030に接続される。センサー1010、1020のそれぞれは、絶縁ゲート電界効果トランジスタのペアに基づいている。
【0152】
本発明は、厚膜酸化物線量計、および厚膜酸化物線量計に接続される読み出し回路を含む装置を含む。厚膜酸化物線量計および読み出し回路の両方は一つの高インピーダンスおよび漏れの低い基板に設計される。厚膜酸化物線量計は厚膜酸化物絶縁ゲート電界効果トランジスタ空間電位線量計を含むことが可能である。一つの高インピーダンスおよび低漏れ基板は、サファイヤ上のシリコン、絶縁体上のシリコンおよび/または変形した高抵抗のシリコンの構成を含むことが可能である。基板は、およそ1011オームからおよそ1015オームの、好適にはおよそ1012オームからおよそ1014オームの、最も好適にはおよそ1013オームのインピーダンスを有することが可能である。
【0153】
図11を参照すると、受動積分イオン化放射線センサー1100は、第一のアクティブエリア(領域)1110および第二のアクティブエリア(領域)1120を含む。第二のアクティブエリア1110は共通のコンダクター1130および第一のアクティブエリアコンダクター1140との間に配置される。第二のアクティブエリア1120は、共通のコンダクター1130および第二のアクティブエリアコンダクター1150との間に配置される。第一のアクティブエリアコンダクター1140は第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1160のゲートに接続される。第二のアクティブエリアコンダクター1150は、第二の絶縁ゲート溶接効果トランジスタ1170のゲートに接続される。第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1160および第二の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1170の両方の源は共に接続され、共通のコンダクター1130に接続される。第三の絶縁ゲート電界効果トランジスタ1180は、統合された温度補正機能を提供する。
【0154】
図11に示される例の、受動モード線量測定作業時において、イオン化放射線はアクティブエリアを通過し、酸化物に捕獲された総電荷を生成する。この電荷により隣接するコンダクター間に電場が生成され、こうして電源およびそのアクティブエリアに当たるFETのゲート間に見られる抵抗の総変化が生成される。図11に示される例の読み出し作業において、電源と各ドレインの間の抵抗が読み込まれる。総放射線量は抵抗の変化に対して比例する。その他よりもずっと少ない放射線感度を有する第三のIGFETの変化をトラッキングすることにより、温度補正を適用する。
【0155】
本発明は、第一の電源を含む第一の絶縁ゲート電界効果トランジスタ、第一のドレインおよび第一の絶縁ゲート、第二の源を含む第二の絶縁ゲート溶接効果トランジスタ、第二のドレインおよび第二の絶縁ゲート、第一の電源に接続される第二の電源、第二のゲートに接続される第一のコンダクター、第一のコンダクターに接続される第一のアクティブ領域、入射イオン化放射線からの線量測定のデータを蓄積する第一のアクティブ領域、第一のアクティブ領域に接続される第二のコンダクター、第二のコンダクターに接続される第二のアクティブ領域、入射イオン化放射線からの線量測定のデータを蓄積する第二のアクティブ領域、および第二のアクティブ領域および第一のゲートの間に接続される第三のコンダクターを含み、第二のコンダクターは第一の電源および第二の電源の両方に接続される。第三の絶縁ゲート電界効果トランジスタは温度補正データを提供可能である。
【0156】
本発明は、空間的に分散した(例えば、アレイ)構成における複数のセンサーの配置および複数のセンサーにおける読み取りに基づくアラーム状態の設定を含むことができる。
【0157】
本発明はパターン認識を含むことができる。例えば、方法は、空間的に分散したアレイにおける複数の受動積分イオン化放射線センサーの配置、所望のボリュームを規定するための複数の受動積分イオン化放射線センサーのそれぞれの相対位置の決定、複数の受動積分イオン化放射線センサーの少なくともサブセットからのイオン化放射線データの収集、および複数の受動積分イオン化放射線センサーのサブセットからの収集されたイオン化放射線データが所定の空間パターン基準に適合する場合のアラーム状態のトリガーを含むことが可能である。所定の空間パターン基準は、複数の代替パターンを含むことが可能である。所定の空間パターン基準は、イオン化放射線源の近似位置からの半径の立方根を含む関数によって規定される線量測定のデータパターンを含むことが可能である。
【0158】
発明の実施形態は、少なくとも以下の理由によって、コスト効率が高くおよび有利であるといえる。本発明の実施形態は、世界的な資産および/または貨物トラッキング、モニタリングおよびセキュリティを実現可能である。本発明の実施形態は、資産トラッキング、管理、および視覚化のためのGISベースのシステムにおけるRFIDタグデータの統合を含むことが可能である。本発明の実施形態は、ハイブリッド型拡散スペクトルシグナリングを利用するRFIDタグ通信を含むことが可能である。本発明の実施形態は、同じRFIDタグ読み取り装置ゾーンにおける90,000個までのタグは無視しながら、10,000個以上のRFIDタグによる通信を可能にする、マルチアクセス技術を含むことが可能である。本発明の実施形態により、クオリティは向上し、および/または以前のアプローチと比較してコストは低減する。
【0159】
本明細書で使用されている位相ハイブリッド型拡散スペクトル(HSS)は、符号分割多重アクセス(CDMA)などの直接拡散型スペクトル(DSSS)、および周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重OFDMおよび/または空間分割多重アクセス(SDMA)の少なくとも一つの組み合わせにより規定される。本明細書で使用されている「a」または「an」という用語は一つまたは一つ以上として規定される。本明細書で使用されている「複数の」という用語は、二つまたは二つ以上として規定される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも二番目のまたはそれ以上のものとして規定される。本明細書で使用される『含む(comprising)』、『含む(including)』および/または『有する(having)』は、オープンな言語として規定される(つまり、それ以降の記述が必要であるが、特定されていない手順、構造および/または構成要素の含有については、その量が大量であってもオープンである。本明細書で使用される『構成する(consisting)』および/または『構成する(composing)』は、通常これに関連付けられた付属物、付加物および/または混入物を除く、記載された方法、装置または構成を手順、構造および/または構成要素の含有に限定するものである。『含む(consisting)または(composing)』という用語と共に記載される『基本的に(essentially)』という用語は、構成の基本的な新規の特徴に実質的に影響しない指定されていない手順、構造および/または構成要素の含有についてオープンである、記載された方法、装置および/または構成を示す。本明細書で使用される『接続された(coupled)』という用語は、必ずしも直接にでも、また必ずしも機械的にではないが、『接続される』と規定される。本明細書で使用される『いずれかの(any)』という用語は、全ての適用可能なセットの一部または全ての適用可能なセットのメンバーの少なくともサブセットとして規定される。本明細書で使用される『およそ(approximately)』という用語は、少なくとも所定の値に(例えば、好適にはその10%以内、より好適にはその1%以内、および最も好適にはその0.1%以内)近い値として規定される。本明細書で使用される『本質的に(substantially)』という用語は、指定されているものの大部分であるが必ずしも全体ではない、として規定されている。本明細書で使用される『一般的に(generally)』という用語は、少なくとも所定の状態に近いものとして規定される。本明細書で使用される『配備する(deploying)』という用語は、設計、建設、輸送、設置および/または運用として規定される。本明細書で使用される『手段(means)』という用語は、結果を達成するためのハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアとして規定される。本明細書で使用されるプログラムまたは位相コンピュータプログラムという用語は、コンピュータシステムでの実行のために設計される命令のシーケンスとして規定される。プログラムまたはコンピュータプログラムは、サブルーチン、関数、プロシージャ、オブジェクトの方法、オブジェクトの実行、実行可能アプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共有ライブラリ/ダイナミックロードライブラリおよび/またはその他のコンピュータまたはコンピュータシステムの実行を目的とする命令シーケンスを含むことが可能である。本明細書で使用される『近似(proximate)』という用語は、隣接するおよび/または一致するに近いものとして規定され、指定された関数および/または結果を実行可能なおよび/または達成可能な空間シチュエーションを含む。本明細書で使用される位相無線周波数は、赤外線、およそ300GHz以下の周波数を含むものとして規定される。
【0160】
本明細書において開示されている全ての開示された実施形態は、開示内容に照らして、不必要な実験をせずに実行および利用することが可能である。本発明の実施形態は、本明細書に記載されている仮定の記述に制限されるものではない。発明者が意図した本発明の実施形態を実施する最良の形態が開示されているが、本発明の実施形態の実行はこれに制限されるものではない。従って、特に本明細書に記載されていない限り、本発明の実施形態を実行可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0161】
基礎となる発明の概念の精神および/または範囲内において、本発明の実施形態の特徴の様々な代替、修正、追加および/または再編成を実行可能であることが明らかであろう。添付の請求項およびその同等物によって規定される基礎となる発明の概念の精神および/または範囲は、全てのこうした代替、修正、追加および/または再構成を包含するものと見なされる。
【0162】
開示された各実施形態の全ての開示された要素および特徴は、こうした要素または特徴が互いに矛盾する場合を除き、その他の開示された各実施形態の開示された要素および特徴と統合するまたはその代替とすることが可能である。本発明に記載されている方法を規定するステップまたはステップシーケンスは、変更を行うことが可能である。
【0163】
本明細書に記載されているフィルターを有するまたは有さないセンサーは個別のモジュールにすることができるが、センサーはそれが関連付けられたシステムに統合可能であることが明らかであろう。個々のコンポーネントは開示された形状に形成したり、または開示された構成に結合したりする必要はなく、あらゆる形状として提供可能である、および/またはあらゆる構成で結合可能である。個々のコンポーネントは開示されている物質で製造する必要はなく、全ての適した物質で製造することが可能である。
【0164】
添付の請求項は、『〜の手段』および/または『〜のステップ』というフレーズを使用する所定の請求項においてこのような制限が明示的に記載されている場合を除き、手段および機能の制限を含むものと解釈すべきではない。本発明の従属的な実施形態は、添付の従属請求項およびその同等物によって規定される。本発明の特定の実施形態は、添付の独立した請求項およびそれと同等のものとは区別される。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の一実施形態を表す、海上資産のセキュリティおよびトラッキング(MAST)システムの全体斜視図を示す。
【図2】本発明の一実施形態を示す、陸上ベースおよび船舶ベースの両方の受信機と同時に通信可能な無線周波数識別(RFID)タグによる船舶搭載およびターミナル内で共に利用される無線周波数RFデータリンクのオペレーションの概略図を示す。
【図3】本発明の一実施形態を示す、タグがRFをローカルエリア通信(例えば、船舶ベースおよびターミナルのローカルエリア(陸上側の)オペレーション)に利用している場合の、陸上側または船舶側のサイトサーバーによるRFIDタグおよびネットワークオペレーションセンター(NOC)の間の通信の概略図を示す。
【図4】本発明の一実施形態を示す、長距離輸送または鉄道輸送時において移動体または衛星通信を利用している場合の、RFIDタグおよびネットワークオペレーションセンター(NOC)の間の双方向通信の概略図を示す。
【図5】本発明の一実施形態を示す、RFIDタグを含む機能的なコンポーネントを含む略ブロック図を示す。
【図6】本発明の一実施形態を示す、コンテナの積層アレイにおける読み取り装置およびRFIDタグの略斜視図を示す。
【図7】本発明の一実施形態を示す、コンピュータプログラムで実行可能なノード検出シーケンスモードを含む、RFIDタグ起動シーケンスのフローチャートを示す。
【図8】本発明の一実施形態を示す、コンピュータプログラムで実行可能なRFIDタグ起動シーケンスモードのフローチャートを示す。
【図9】本発明の一実施形態を示す、船舶のデッキ上またはターミナルヤード内において、そのホストコンテナの上部の中心付近に設置された一つのRFエミッタ(放射線状の線のついた点)と共に堅密に積層されたコンテナ(通常は約13.9メートル)のグループの略平面図を示す。矢印は隣接する通路へのコンテナの端から発せられ、通路に沿って反射するRFエネルギーを示し、考えられるRF受信位置は、通路の端に配置される点によって示される。
【図10】本発明の一実施形態を示す、各センサーが異なるフィルターを有している、センサーのその場でのポーリンググループの略ブロック図を示す。
【図11】本発明の一実施形態を示す、温度補正を組み込んだ、その場でのポーリングセンサーの略構造図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別データと、位置データと、環境状態センサーとを無線周波数タグから送信するステップを包含する方法。
【請求項2】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線周波数タグは、前記環境状態センサーデータに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
識別データと、位置データと、環境状態センサーデータとを、読み取り装置において前記無線周波数タグから受信するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無線周波数タグが前記読み取り装置から応答を受信しない場合には、該無線周波数タグはタグ間モードに切り替えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータは、第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
読み取り装置において前記無線周波数タグから識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信するステップと、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つによるワイヤレス送信を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記サイトサーバーの前記読み取り装置から識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信するステップと、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
識別データ、位置データ、および環境状態センサーを送信する無線周波数タグを備える装置。
【請求項41】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって特徴づけられる、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項46】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記センサーは、タグが識別データ、位置データ、および環境状態データを送信するために必要としない電源を含む、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項45に記載の装置。
【請求項51】
前記無線周波数タグからの識別データと、位置データと、環境状態センサーデータとは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記無線周波数タグは輸送コンテナに接続されている、請求項40に記載の装置。
【請求項53】
環境状態センサーデータは前記輸送コンテナ内の環境状態を含む、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記輸送コンテナに接続されるアンテナをさらに備える、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記輸送コンテナは輸送コンテナ電源を含み、前記無線周波数タグは該輸送コンテナ電源に接続可能である、請求項52に記載の装置。
【請求項56】
前記輸送コンテナは、ドライボックスとリーファーとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを含む、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記無線周波数タグにワイヤレスで接続された読み取り装置であって、該読取装置は該無線周波数タグから識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信する、読み取り装置をさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項58】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの送信は第一の周波数帯内で行われ、該読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記読み取り装置は読み取り装置の電源ラインを介して前記サイトサーバーに電気的に接続されており、該読み取り装置から該サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項61】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項60に記載の装置。
【請求項63】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項64】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記読み取り装置にワイヤレスで接続されたサイトサーバーであって、該サイトサーバーは該読み取り装置から識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信する、サイトサーバーをさらに備える、請求項57に記載の装置。
【請求項66】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項65に記載の装置。
【請求項68】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項69】
請求項40に記載の装置を備える、車両。
【請求項70】
請求項40に記載の装置を備える、港湾エリアネットワーク。
【請求項71】
請求項40に記載の装置を備える、地方エリアネットワーク。
【請求項72】
請求項40に記載の装置を備える、国内エリアネットワーク。
【請求項73】
請求項40に記載の装置を備える、グローバルエリアネットワーク。
【請求項74】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を利用して無線周波数タグから識別データおよび位置データを送信するステップを包含する、方法。
【請求項75】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を利用して前記無線周波数タグから環境状態センサーデータを送信するステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記無線周波数タグは、前記環境状態センサーデータに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
識別データと位置データとを、読み取り装置において前記無線周波数タグから受信するステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記無線周波数タグが読み取り装置から応答を受信しない場合には、該無線周波数タグはタグ間モードに切り替えられる、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項88】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項89】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項93】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項92に記載の方法。
【請求項99】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
読み取り装置において前記無線周波数タグから識別データおよび位置データを受信するステップと、識別データおよび位置データを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項101】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項108】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記サイトサーバーの前記読み取り装置から識別データおよび位置データを受信するステップと、識別データおよび位置データを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項100に記載の方法。
【請求項110】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データおよび位置データの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って、識別データおよび位置データの両方を送信する無線周波数タグを備える装置。
【請求項115】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項114に記載の装置。
【請求項116】
前記無線周波数タグは、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って環境状態データを送信する、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項116に記載の装置。
【請求項118】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項117に記載の装置。
【請求項119】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項117に記載の装置。
【請求項120】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに備える、請求項116に記載の装置。
【請求項121】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項120に記載の装置。
【請求項122】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項120に記載の装置。
【請求項123】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項120に記載の装置。
【請求項124】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項123に記載の装置。
【請求項125】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項120に記載の装置。
【請求項126】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項125に記載の装置。
【請求項127】
前記無線周波数タグは輸送コンテナに接続されている、請求項114に記載の装置。
【請求項128】
前記無線周波数タグはハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って環境状態データを送信する、請求項127に記載の装置。
【請求項129】
環境状態センサーデータは前記輸送コンテナ内の環境状態を含む、請求項128に記載の装置。
【請求項130】
前記輸送コンテナに接続されるアンテナをさらに備える、請求項127に記載の装置。
【請求項131】
前記輸送コンテナは輸送コンテナ電源を含み、前記無線周波数タグは該輸送コンテナ電源に接続可能である、請求項127に記載の装置。
【請求項132】
前記輸送コンテナは、ドライボックスとリーファーとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを含む、請求項131に記載の装置。
【請求項133】
前記無線周波数タグにワイヤレスで接続された読み取り装置であって、該読み取り装置は、該無線周波数タグから識別データおよび位置データを受信し、識別データおよび位置データを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信する、読み取り装置をさらに備える、請求項114に記載の装置。
【請求項134】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項133に記載の装置。
【請求項135】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項134に記載の装置。
【請求項136】
前記読み取り装置は読み取り装置の電源ラインを介して前記サイトサーバーに電気的に接続されており、該読み取り装置から該サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は前記読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項133に記載の装置。
【請求項137】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項136に記載の装置。
【請求項138】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項136に記載の装置。
【請求項139】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項133に記載の装置。
【請求項140】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項139に記載の装置。
【請求項141】
前記読み取り装置にワイヤレスで接続されたサイトサーバーであって、該サイトサーバーは、該読み取り装置から識別データおよび位置データを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信する、サイトサーバーをさらに備える、請求項133に記載の装置。
【請求項142】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項141に記載の装置。
【請求項143】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データおよび位置データの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項141に記載の装置。
【請求項144】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項141に記載の装置。
【請求項145】
請求項114に記載の装置を備える、車両。
【請求項146】
請求項114に記載の装置を備える、港湾エリアネットワーク。
【請求項147】
請求項114に記載の装置を備える、地方エリアネットワーク。
【請求項148】
請求項114に記載の装置を備える、国内エリアネットワーク。
【請求項149】
請求項114に記載の装置を備える、グローバルエリアネットワーク。
【請求項1】
識別データと、位置データと、環境状態センサーとを無線周波数タグから送信するステップを包含する方法。
【請求項2】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線周波数タグは、前記環境状態センサーデータに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
識別データと、位置データと、環境状態センサーデータとを、読み取り装置において前記無線周波数タグから受信するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無線周波数タグが前記読み取り装置から応答を受信しない場合には、該無線周波数タグはタグ間モードに切り替えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータは、第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
読み取り装置において前記無線周波数タグから識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信するステップと、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つによるワイヤレス送信を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記サイトサーバーの前記読み取り装置から識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信するステップと、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
識別データ、位置データ、および環境状態センサーを送信する無線周波数タグを備える装置。
【請求項41】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって特徴づけられる、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項46】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記センサーは、タグが識別データ、位置データ、および環境状態データを送信するために必要としない電源を含む、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項45に記載の装置。
【請求項51】
前記無線周波数タグからの識別データと、位置データと、環境状態センサーデータとは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記無線周波数タグは輸送コンテナに接続されている、請求項40に記載の装置。
【請求項53】
環境状態センサーデータは前記輸送コンテナ内の環境状態を含む、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記輸送コンテナに接続されるアンテナをさらに備える、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記輸送コンテナは輸送コンテナ電源を含み、前記無線周波数タグは該輸送コンテナ電源に接続可能である、請求項52に記載の装置。
【請求項56】
前記輸送コンテナは、ドライボックスとリーファーとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを含む、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記無線周波数タグにワイヤレスで接続された読み取り装置であって、該読取装置は該無線周波数タグから識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信する、読み取り装置をさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項58】
前記無線周波数タグからの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの送信は第一の周波数帯内で行われ、該読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記読み取り装置は読み取り装置の電源ラインを介して前記サイトサーバーに電気的に接続されており、該読み取り装置から該サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は該読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項61】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項60に記載の装置。
【請求項63】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項64】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記読み取り装置にワイヤレスで接続されたサイトサーバーであって、該サイトサーバーは該読み取り装置から識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信する、サイトサーバーをさらに備える、請求項57に記載の装置。
【請求項66】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項65に記載の装置。
【請求項68】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項69】
請求項40に記載の装置を備える、車両。
【請求項70】
請求項40に記載の装置を備える、港湾エリアネットワーク。
【請求項71】
請求項40に記載の装置を備える、地方エリアネットワーク。
【請求項72】
請求項40に記載の装置を備える、国内エリアネットワーク。
【請求項73】
請求項40に記載の装置を備える、グローバルエリアネットワーク。
【請求項74】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を利用して無線周波数タグから識別データおよび位置データを送信するステップを包含する、方法。
【請求項75】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を利用して前記無線周波数タグから環境状態センサーデータを送信するステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記無線周波数タグは、前記環境状態センサーデータに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
識別データと位置データとを、読み取り装置において前記無線周波数タグから受信するステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
前記無線周波数タグは、タグ間通信の可能なトランシーバーモードに切り替えられ得る、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
トランシーバーモードは、前記無線周波数タグが、無作為に抽出された送信インターバル中に送信し、次に受信およびバッファリングを行うことを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記無線周波数タグが読み取り装置から応答を受信しない場合には、該無線周波数タグはタグ間モードに切り替えられる、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記無線周波数タグは、アラーム状態が有効になっている場合には、前記トランシーバーモードに切り替えられる、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項88】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項89】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項93】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記無線周波数タグは、前記センサーに対して、消費電力の低減のためにセットポイントを調整する、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項92に記載の方法。
【請求項99】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
読み取り装置において前記無線周波数タグから識別データおよび位置データを受信するステップと、識別データおよび位置データを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項74に記載の方法。
【請求項101】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項108】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記サイトサーバーの前記読み取り装置から識別データおよび位置データを受信するステップと、識別データおよび位置データを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信するステップとをさらに包含する、請求項100に記載の方法。
【請求項110】
地理情報システムを使って前記無線周波数タグの位置を表すステップをさらに包含する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データおよび位置データの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って、識別データおよび位置データの両方を送信する無線周波数タグを備える装置。
【請求項115】
前記無線周波数タグは、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む電源を含む、請求項114に記載の装置。
【請求項116】
前記無線周波数タグは、ハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って環境状態データを送信する、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記無線周波数タグはセンサーを含む、請求項116に記載の装置。
【請求項118】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項117に記載の装置。
【請求項119】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項117に記載の装置。
【請求項120】
前記無線周波数タグに接続されるセンサーをさらに備える、請求項116に記載の装置。
【請求項121】
前記センサーは、電離放射と、化学的成分と、生物学的種と、音響放射と、機械的振動と、化学作用のある放射とから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項120に記載の装置。
【請求項122】
前記センサーは、電磁放射と、湿度と、温度と、振動と、加速度と、機械的インターロックとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを特徴とする、請求項120に記載の装置。
【請求項123】
前記センサーは、タグが識別データおよび位置データを送信するために必要としない電源を含む、請求項120に記載の装置。
【請求項124】
前記電源は、光電池と、振動トランスデューサーと、帯電チャージャーと、無線周波数電力整流器と、熱電発電機と、放射性同位元素崩壊エネルギー回収装置とから構成されるグループから選択される少なくとも一つの電流源によって再充電されるエネルギー蓄積装置を含む、請求項123に記載の装置。
【請求項125】
ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによって、前記センサーは前記無線周波数タグにワイヤレスで接続される、請求項120に記載の装置。
【請求項126】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データは第一の周波数帯内で送信され、前記センサーは、該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内でワイヤレスで該無線周波数タグに接続される、請求項125に記載の装置。
【請求項127】
前記無線周波数タグは輸送コンテナに接続されている、請求項114に記載の装置。
【請求項128】
前記無線周波数タグはハイブリッド型拡散スペクトル変調を使って環境状態データを送信する、請求項127に記載の装置。
【請求項129】
環境状態センサーデータは前記輸送コンテナ内の環境状態を含む、請求項128に記載の装置。
【請求項130】
前記輸送コンテナに接続されるアンテナをさらに備える、請求項127に記載の装置。
【請求項131】
前記輸送コンテナは輸送コンテナ電源を含み、前記無線周波数タグは該輸送コンテナ電源に接続可能である、請求項127に記載の装置。
【請求項132】
前記輸送コンテナは、ドライボックスとリーファーとから構成されるグループから選択される少なくとも一つのものを含む、請求項131に記載の装置。
【請求項133】
前記無線周波数タグにワイヤレスで接続された読み取り装置であって、該読み取り装置は、該無線周波数タグから識別データおよび位置データを受信し、識別データおよび位置データを該読み取り装置からデータ蓄積および分析を実行するサイトサーバーへ再送信する、読み取り装置をさらに備える、請求項114に記載の装置。
【請求項134】
前記無線周波数タグからの識別データおよび位置データの送信は第一の周波数帯内で行われ、前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は該第一の周波数帯と重複しない第二の周波数帯内で行われる、請求項133に記載の装置。
【請求項135】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物によるワイヤレス送信を含み得る、請求項134に記載の装置。
【請求項136】
前記読み取り装置は読み取り装置の電源ラインを介して前記サイトサーバーに電気的に接続されており、該読み取り装置から該サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は前記読み取り装置の電源ライン上での送信を含む、請求項133に記載の装置。
【請求項137】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによる送信を含む、請求項136に記載の装置。
【請求項138】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データおよび位置データの再送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項136に記載の装置。
【請求項139】
前記読み取り装置から前記サイトサーバーへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、ハイブリッド型拡散スペクトル、直接拡散型スペクトル、周波数ホッピング、タイムホッピング、時分割多重方式、直交周波数分割多重方式、および赤外線方式から構成されるグループから選択される少なくとも一つのものによるワイヤレス送信を含む、請求項133に記載の装置。
【請求項140】
ハイブリッド型拡散スペクトル変調によるワイヤレス送信は、約50Hzおよび約60Hz、ならびにそれらの実質上全ての高調波から構成されるグループから選択される周波数のノイズの拒否と、分散化とを含む、請求項139に記載の装置。
【請求項141】
前記読み取り装置にワイヤレスで接続されたサイトサーバーであって、該サイトサーバーは、該読み取り装置から識別データおよび位置データを受信し、識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータを該サイトサーバーから分析、比較、およびトラッキングを行う共通データベースの少なくとも一つのサーバーへ再送信する、サイトサーバーをさらに備える、請求項133に記載の装置。
【請求項142】
前記共通データベースはグローバルデータベースを規定する、請求項141に記載の装置。
【請求項143】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データおよび位置データの再送信は、人工衛星と、携帯電話と、音響と、電力ラインと、電話線と、同軸線と、光ファイバーと、光ケーブルとから構成されるグループから選択される少なくとも二つの代替物による送信を含み得る、請求項141に記載の装置。
【請求項144】
前記サイトサーバーから前記共通データベースへの識別データ、位置データ、および環境状態センサーデータの再送信は、インターネットによる送信を含む、請求項141に記載の装置。
【請求項145】
請求項114に記載の装置を備える、車両。
【請求項146】
請求項114に記載の装置を備える、港湾エリアネットワーク。
【請求項147】
請求項114に記載の装置を備える、地方エリアネットワーク。
【請求項148】
請求項114に記載の装置を備える、国内エリアネットワーク。
【請求項149】
請求項114に記載の装置を備える、グローバルエリアネットワーク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−504185(P2008−504185A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511618(P2007−511618)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015785
【国際公開番号】WO2006/083265
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(501393368)ユーティー−バトル, エル.エル.シー. (1)
【出願人】(506371534)ナビゲーショナル サイエンシーズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015785
【国際公開番号】WO2006/083265
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(501393368)ユーティー−バトル, エル.エル.シー. (1)
【出願人】(506371534)ナビゲーショナル サイエンシーズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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