説明

液処理装置、液処理方法及びその液処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体

【課題】長尺ノズルにより複数の処理液を供給して基板を均一に処理することができる液処理装置及び液処理方法を提供する。
【解決手段】基板保持部と、回転駆動部と、第1の方向に沿って長尺に形成され、第1の処理液を供給する第1の処理液供給部81と、第1の方向に沿って長尺に形成されており、第1の処理液供給部81と平行に設けられた、第2の処理液を供給する第2の処理液供給部83と、第1の処理液供給部81と第2の処理液供給部83とを、第2の方向に移動させる移動駆動部123と、制御部200とを有する。制御部200は、第1の処理液を供給するときは、第1の処理液が基板の回転中心に到達するように、第1の処理液供給部81を移動駆動部123により移動させ、第2の処理液を供給するときは、第2の処理液が基板の回転中心に到達するように、第2の処理液供給部83を移動駆動部123により移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理液により処理する液処理装置、液処理方法及びその液処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、半導体ウェハやガラス基板等の各種の基板に処理液を供給して処理を行うプロセスが多用されている。このようなプロセスとしては、例えば、処理液による洗浄処理、エッチング処理、メッキ処理、現像処理等を挙げることができる。
【0003】
上記したような洗浄処理等のプロセスを基板に対して行う液処理装置としては、枚葉式の複数の液処理ユニットと、搬送装置とを備えたものが用いられている。搬送装置は、これら液処理ユニットへの基板の搬入出を行う。
【0004】
液処理ユニットは、例えば、基板保持手段、回転手段、処理液供給ノズルを有する(例えば特許文献1参照)。基板保持手段は、基板を保持する。回転手段は、基板保持手段に保持された基板を回転させる。処理液供給ノズルは、基板の上面の中心に向けて薬液を供給する。液処理ユニットは、半導体ウェハ等の基板を基板保持手段に保持し、基板を回転手段により回転させた状態で、処理液供給ノズルにより例えば基板の表面に薬液を供給して処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−353739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記した液処理装置における液処理方法においては、次のような問題がある。
【0007】
基板上である方向に沿って長尺に形成された長尺ノズルを用いて、基板に複数種の処理液を供給することがある。しかし、一の長尺ノズルを基板の回転中心を通る直線上に配置して、一の長尺ノズルにより供給される処理液が基板の回転中心に到達するようにすると、他の長尺ノズルを基板の回転中心上に配置することができない。従って、他の長尺ノズルにより供給される処理液を基板の回転中心に到達させることができないため、基板を均一に処理できないおそれがある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、長尺ノズルにより複数の処理液を供給して基板を均一に処理することができる液処理装置及び液処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の一実施例によれば、基板を処理液により処理する液処理装置において、基板を回転可能に保持する基板保持部と、前記基板保持部に保持されている基板を回転駆動する回転駆動部と、前記基板上で第1の方向に沿って長尺に形成されている、前記基板に第1の処理液を供給する第1の処理液供給部と、前記基板上で前記第1の方向に沿って長尺に形成されており、前記第1の処理液供給部と平行に設けられた、前記基板に第2の処理液を供給する第2の処理液供給部と、前記第1の処理液供給部と前記第2の処理液供給部とを、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動駆動部と、前記基板保持部と、前記回転駆動部と、前記第1の処理液供給部と、前記第2の処理液供給部と、前記移動駆動部とを制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記第1の処理液を供給するときは、前記第1の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第1の処理液供給部を前記移動駆動部により第1の位置に移動させ、前記第2の処理液を供給するときは、前記第2の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第2の処理液供給部を前記移動駆動部により第2の位置に移動させる、液処理装置が提供される。
【0011】
また、本発明の他の一実施例によれば、回転している基板を処理液により処理する液処理方法において、前記基板上で第1の方向に沿って長尺に形成されている第1の処理液供給部により、前記基板に第1の処理液を供給する第1の供給工程と、前記基板上で前記第1の方向に沿って長尺に形成されている第2の処理液供給部により、前記基板に第2の処理液を供給する第2の供給工程とを有し、前記第1の供給工程において、前記第1の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第1の処理液供給部を第1の位置に移動させ、前記第2の供給工程において、前記第2の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第2の処理液供給部を第2の位置に移動させる、液処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、長尺ノズルにより複数の処理液を供給して基板を均一に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係る液処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】液処理ユニットの概略構成を示す一部断面を含む正面図である。
【図3】保持部材、ウェハ、上面側ノズル部及び押圧機構の概略構成を示す平面図である。
【図4】上面側ノズル部、押圧機構及びウェハの周辺を拡大して示す側面図である。
【図5】上面側ノズル部を拡大して示す正面図及び底面図(その1)である。
【図6】上面側ノズル部を拡大して示す正面図及び底面図(その2)である。
【図7】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、保持部材、ウェハ及び上面側ノズル部の概略構成を示す平面図(その1)である。
【図8】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その1)である。
【図9】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その2)である。
【図10】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、保持部材、ウェハ及び上面側ノズル部の概略構成を示す平面図(その2)である。
【図11】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その3)である。
【図12】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その4)である。
【図13】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、保持部材、ウェハ及び上面側ノズル部の概略構成を示す平面図(その3)である。
【図14】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その5)である。
【図15】実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図(その6)である。
【図16】保持部材、ウェハ及び上面側ノズル部の概略構成を示す平面図である。
【図17】上面側ノズル部及びウェハの周辺を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。ここでは、本発明を半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」と記す。)の表面洗浄を行う液処理装置に適用した場合について示す。
(実施の形態)
始めに、本発明の実施の形態に係る液処理装置について説明する。
【0015】
図1は本実施の形態に係る液処理装置の概略構成を示す平面図である。
【0016】
この液処理装置10は、複数のウェハWを収容するウェハキャリアWCを載置し、ウェハWの搬入・搬出を行う搬入出ステーション(基板搬入出部)1と、ウェハWに洗浄処理を施すための処理ステーション(液処理部)2とを備えている。搬入出ステーション(基板搬入出部)1及び処理ステーション(液処理部)2は、隣接して設けられている。
【0017】
搬入出ステーション1は、キャリア載置部11、搬送部12、受け渡し部13及び筐体14を有している。キャリア載置部11は、複数のウェハWを水平状態で収容する4個のウェハキャリアWCを載置する。搬送部12は、ウェハWの搬送を行う。受け渡し部13は、ウェハWの受け渡しを行う。筐体14は、搬送部12および受け渡し部13を収容する。
【0018】
搬送部12は、搬送機構15を有している。搬送機構15は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム15a及びウェハ保持アーム15aを前後に移動させる機構を有している。また搬送機構15は、ウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に延在する水平ガイド17に沿って移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構15により、ウェハキャリアWCと受け渡し部13との間でウェハWが搬送される。
【0019】
受け渡し部13は、受け渡しステージ19上に、ウェハWを載置可能な載置部を複数備えた受け渡し棚20を有している。受け渡し部13は、この受け渡し棚20を介して処理ステーション2との間でウェハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0020】
処理ステーション2は、直方体状をなす筐体21を有している。処理ステーション2は、筐体21内には、その中央上部にウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に直交するY方向に沿って延びる搬送路を構成する搬送室21aと、搬送室21aの両側に設けられた2つのユニット室21b、21cとを有している。ユニット室21b、21cにはそれぞれ搬送室21aに沿って6個ずつ合計12個の液処理ユニット22が水平に配列されている。
【0021】
搬送室21aの内部には搬送機構24が設けられている。搬送機構24は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム24a及びウェハ保持アーム24aを前後に移動させる機構を有している。また、搬送機構24は、搬送室21aに設けられた水平ガイド25に沿ってY方向に移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構24により、各液処理ユニット22に対するウェハWの搬入出を行うようになっている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る液処理装置に搭載された液処理ユニット22について説明する。
【0023】
図2は、液処理ユニット22の概略構成を示す一部断面を含む正面図である。なお、図2は、液処理ユニット22を、図1におけるY方向に沿って視た図である。また、図2において、図示を容易にするため、押圧機構100を破線により図示している。
【0024】
液処理ユニット22は、回転プレート30、保持部材40、回転駆動部50、基板昇降部材60、下面側供給機構65、上面側供給機構70、押圧機構100、移動機構120、昇降機構130及び制御部200を有する。
【0025】
回転プレート30は、プレート31及び回転軸32を有する。プレート31は、水平にかつ回転可能に設けられ、中央に円形の孔31aを有する。回転軸32は、プレート31から下方に向かって延在するように設けられており、中心に孔32aが設けられた円筒状の形状を有する。
【0026】
保持部材40は、プレート31上に設けられている。保持部材40は、例えば保持部材40の内周側に複数箇所設けられた保持爪41により、ウェハWの端部を挟んで保持する。
【0027】
なお、回転プレート30及び保持部材40は、本発明における基板保持部に相当する。
【0028】
また、回転プレート30の周りには、排液カップ35が設けられており、排液カップ35に排出された処理液等は、排液カップ35に設けられた液排出口36から排出される。また、回転プレート30の周りには、排液カップ35と連通するように、図示しない排気カップが設けられており、排気カップ内のガスは、排気カップに接続された排気管を介して排気される。
【0029】
回転駆動部50は、モータ51を有する。モータ51は、回転軸32の外周に、ベアリング33を介して接触するように設けられている。回転駆動部50は、モータ51により回転軸32を回転させることによって、プレート31及び保持部材40を回転させる。
【0030】
基板昇降部材60は、プレート31の孔31a及び回転軸32の孔32a内に昇降可能に設けられている。基板昇降部材60は、リフト軸61を有する。リフト軸61は基板昇降部材60から下方に延在している。基板昇降部材60は、上面に複数例えば3本の図示しないリフトピンを有している。リフト軸61の下側部分にはシリンダ機構62が接続されており、シリンダ機構62によって基板昇降部材60を昇降させることにより、ウェハWを昇降させて搬送機構24との間でウェハWのローディング及びアンローディングが行われる。
【0031】
また、基板昇降部材60は、ウェハWの下面側に処理液等を供給する下面側供給機構65と一体で設けられていてもよい。図2に示す例では、基板昇降部材60と下面側供給機構65とが一体で設けられている例を示す。
【0032】
下面側供給機構65は、下面側ノズル部66を有する。下面側ノズル部66は、保持部材40に保持されているウェハWの下方に、昇降可能に設けられている。下面側ノズル部66は、保持されているウェハWの下面側に処理液等を供給する。下面側ノズル部66は、供給流路67を介し、処理液、リンス液等を切り替え可能に供給する供給源68に接続されている。下面側ノズル部66は、後述する上面側供給ノズル部71と同様に、処理液を吐出する複数の吐出口69が配列されたものであってもよい。
【0033】
上面側供給機構70は、上面側ノズル部71、処理液供給源72、73、74及びガス供給源75を有する。
【0034】
上面側ノズル部71は、保持部材40に保持されているウェハWの上方に、X方向に沿って長尺に形成されている。上面側ノズル部71は、X方向と直交するY方向に水平移動可能に設けられているとともに、昇降可能に設けられている。上面側ノズル部71は、保持されているウェハWの上面側に処理液等を供給する。上面側ノズル部71の詳細な構成は、図3及び図4を用いて後述する。
【0035】
処理液供給源72は、処理液供給流路76を介して上面側ノズル部71に接続されており、上面側ノズル部71に処理液を供給する。処理液供給源73は、処理液供給流路77を介して上面側ノズル部71に接続されており、上面側ノズル部71にリンス液を供給する。処理液供給源74は、処理液供給流路78を介して上面側ノズル部71に接続されており、上面側ノズル部71に有機溶剤を供給する。ガス供給源75は、ガス供給流路79を介して上面側ノズル部71に接続されており、上面側ノズル部71にガスを供給する。
【0036】
押圧機構100は、上面側ノズル部71と略平行に設けられている。押圧機構100の詳細な構成については、図3及び図4を用いて後述する。
【0037】
移動機構120は、上面側ノズル部用アーム121、昇降駆動部122及び移動駆動部123を有する。昇降駆動部122は、回転プレート30、保持部材40及び排液カップ35により、構成される処理容器の外方に設けられており、上下に移動できるようになっている。上面側ノズル部用アーム121は、上面側ノズル部71と昇降駆動部122とを接続するように設けられている。また、移動駆動部123は、昇降駆動部122と上面側ノズル部アーム121とに接続された状態で、一体に水平移動可能に設けられている。すなわち、移動機構120は、上面側ノズル部用アーム121を介して昇降駆動部122により上面側ノズル部71を昇降させるとともに、移動駆動部123により上面側ノズル部71を水平移動させる。
【0038】
なお、図2では図示を省略するが、移動機構120の上面側ノズル部用アーム121は、押圧機構100のアーム107と接続されている。そして、図4を用いて説明するように、移動機構120は、昇降駆動部122により押圧機構100を昇降させるとともに、移動駆動部123により押圧機構100を水平移動させる。
【0039】
なお、移動駆動部123は、水平移動可能に設けられている例について説明するが、略水平面内で移動可能に設けられていればよく、水平面から多少の角度ずれた平面内で移動可能に設けられていてもよい。
【0040】
次に、図3から図6を参照し、上面側ノズル部71及び押圧機構100の詳細な構成について説明する。
【0041】
図3は、保持部材40、ウェハW、上面側ノズル部71及び押圧機構100の概略構成を示す平面図である。
【0042】
図4は、上面側ノズル部71、押圧機構100及びウェハWの周辺を拡大して示す側面図である。なお、図4は、上面側ノズル部71及び押圧機構100を図2において視ている方向と直交する方向に沿って視た図である。従って、図2が例えば図1におけるY方向に沿って視た図であるときは、図4は、図1における−X方向に沿って視た図である。
【0043】
図5及び図6は、上面側ノズル部71を拡大して示す正面図及び底面図である。図5及び図6において、(a)は正面図を示し、(b)は底面図を示す。また、図5(a)及び図6(a)は、上面側ノズル部71を図2において紙面奥側から手前側に向かって視た図である。
【0044】
上面側ノズル部71は、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85を有する。
【0045】
処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、X方向に沿って長尺に形成されている。また、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、図3に示すように、上面側ノズル71として一体で、X方向と直交するY方向に水平移動可能に設けられている。そして、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、移動駆動部123により、X方向と直交するY方向に水平移動する。
【0046】
なお、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、Y方向に代え、X方向と異なる方向、すなわちX方向と交差する方向に移動可能に設けられていてもよい。また、前述したように、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、略水平面内で移動可能に設けられていればよく、水平面から多少の角度ずれた平面内で移動可能に設けられていてもよい。
【0047】
また、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、一体に形成された上面側ノズル部71の内部に個別に形成された流路及びノズル孔であってもよい。あるいは、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、各供給部に対応して設けられた各ノズルの集合体であってもよい。以下では、図4に示すように、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85が、一体に形成された上面側ノズル部71の内部に個別に形成された流路及びノズル孔である例について説明する。
【0048】
処理液供給部81は、バルブV1、V2を含む切替機構86を介し、処理液T1を供給する処理液供給源72a又はリンス液Rを供給する処理液供給源73に切り替え可能に接続されている。処理液供給部82は、バルブV3、V4を含む切替機構87を介し、処理液T2を供給する処理液供給源72b又はリンス液Rを供給する処理液供給源73に切り替え可能に接続されている。処理液供給部83は、バルブV5を介し、処理液T3を供給する処理液供給源74に接続されている。ガス供給部84、85は、バルブV6、V7を含むガス切替機構88を介し、ガス供給源75に切替可能に接続されている。
【0049】
なお、処理液供給部81は、本発明における第1の処理液供給部に相当し、処理液供給部83は、本発明における第2の処理液供給部に相当し、処理液供給部82は、本発明における第3の処理液供給部に相当する。また、ガス供給部84は、本発明における第1のガス供給部に相当し、ガス供給部85は、本発明における第2のガス供給部に相当する。
【0050】
処理液供給部81は、ウェハW上に、処理液T1を吐出する複数の処理液吐出口91aが配列されてなる、処理液吐出口列91を含む。処理液供給部81は、複数の処理液吐出口91aを介してウェハWに処理液T1を供給する。
【0051】
なお、処理液供給部81は、前述したように、バルブV1、V2を含む切替機構86を介し、処理液供給源72a又は73に切り替え可能に接続されている。従って、処理液吐出口91aは、処理液T1又はリンス液Rを切り替え可能に吐出する。そして、処理液供給部81は、複数の処理液吐出口91aを介してウェハWに処理液T1又はリンス液Rを切り替え可能に供給する。
【0052】
処理液供給部82は、ウェハW上に、処理液T2を吐出する複数の処理液吐出口92aが配列されてなる、処理液吐出口列92を含む。処理液供給部82は、複数の処理液吐出口92aを介してウェハWに処理液T2を供給する。
【0053】
なお、処理液供給部82は、前述したように、バルブV3、V4を含む切替機構87を介し、処理液供給源72b又は73に切り替え可能に接続されている。従って、処理液吐出口92aは、処理液T2又はリンス液Rを切り替え可能に吐出する。そして、処理液供給部82は、複数の処理液吐出口92aを介してウェハWに処理液T2又はリンス液Rを切り替え可能に供給する。
【0054】
処理液T1として、アルカリ系の処理液、例えばアンモニア過水(SC1)等を用いることができる。処理液T2として、酸系の処理液、例えば硫酸過水(SPM)、希フッ酸(DHF)等を用いることができる。あるいは、処理液T1が酸系の処理液であり、処理液T2がアルカリ系の処理液であってもよい。
【0055】
処理液供給部83は、ウェハW上に、有機溶剤を吐出する複数の処理液吐出口93aが配列されてなる、処理液吐出口列93を含む。処理液供給部83は、複数の処理液吐出口93aを介してウェハWに処理液T3を供給する。
【0056】
なお、以下では、処理液T3として、有機溶剤OSを供給する例について説明する。
【0057】
有機溶剤OSとして、例えばIPA(イソプロピルアルコール)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)等の、リンス液よりも表面張力が小さい各種の有機溶剤を用いることができる。
【0058】
処理液吐出口91aは、ウェハW上であって処理液吐出口列93と略平行に配列されている。すなわち、処理液吐出口列91は、複数の処理液吐出口91aが、ウェハW上であって処理液吐出口列93と略平行に、すなわち略X方向に配列されてなる。
【0059】
処理液吐出口92aは、処理液吐出口列93を中心として処理液吐出口列91と反対側であって処理液吐出口列93と略平行に配列されている。すなわち、処理液吐出口列92は、複数の処理液吐出口92aが、処理液吐出口列93を中心として処理液吐出口列91と反対側であって処理液吐出口列93と略平行に、すなわち略X方向に配列されてなる。
【0060】
複数の処理液吐出口91aは、処理液供給部81がウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に移動したときに、いずれかの処理液吐出口91aから吐出される処理液T1が略回転中心C上に到達するように、配列されていることが好ましい。例えば、処理液供給部81がY方向に移動して直線CL上に配置されたときに、いずれかの処理液吐出口91aがウェハWの略回転中心C上に配置されるようにしてもよい。これにより、保持部材40に保持されているウェハWを回転させた状態で、ウェハWの上面全面に、十分に、処理液T1を供給することができる。
【0061】
また、複数の処理液吐出口92aは、処理液供給部82がウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に移動したときに、いずれかの処理液吐出口92aから吐出される処理液T2が略回転中心C上に到達するように、配列されていることが好ましい。例えば、処理液供給部82がY方向に移動して直線CL上に配置されたときに、いずれかの処理液吐出口92aがウェハWの略回転中心C上に配置されるようにしてもよい。これにより、保持部材40に保持されているウェハWを回転させた状態で、ウェハWの上面全面に、十分に、処理液T2を供給することができる。
【0062】
また、複数の処理液吐出口93aは、処理液供給部83がウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に移動したときに、いずれかの処理液吐出口93aから吐出される有機溶剤がウェハWの略回転中心C上に到達するように、配列されていることが好ましい。例えば、処理液供給部83がY方向に移動して直線CL上に配置されたときに、微小な間隔で隣接する2つの処理液吐出口93aが、回転中心Cを挟んで反対側に配置されるようにしてもよい。これにより、保持部材40に保持されているウェハWを回転させた状態で、ウェハWの上面全面に、十分に、有機溶剤を供給することができる。
【0063】
ガス供給部84は、ウェハW上に、ガスを吐出する複数のガス吐出口94aが配列されてなる、ガス吐出口列94を含む。ガス供給部84は、複数のガス吐出口94aを介してガスを供給する。
【0064】
ガス供給部85は、ウェハW上に、ガスを吐出する複数のガス吐出口95aが配列されてなる、ガス吐出口列95を含む。ガス供給部85は、複数のガス吐出口95aを介してガスを供給する。
【0065】
ガスとして、例えば窒素(N)ガス等の各種の不活性ガスを用いることができる。
【0066】
ガス吐出口94aは、ウェハW上であって処理液吐出口列93と処理液吐出口列91との間に配列されている。すなわち、ガス吐出口列94は、複数のガス吐出口94aが、ウェハW上であって処理液吐出口列93と処理液吐出口列91との間に、略X方向に配列されてなる。
【0067】
ガス吐出口95aは、ウェハW上であって処理液吐出口列93と処理液吐出口列92との間に配列されている。すなわち、ガス吐出口列95は、複数のガス吐出口95aが、ウェハW上であって処理液吐出口列93と処理液吐出口列92との間に、略X方向に配列されてなる。
【0068】
ガス供給部84は、ガス吐出口94aが、処理液吐出口91a側へ向くように設けられている。すなわち、複数のガス吐出口94aの各々は、複数の処理液吐出口91aの各々を避けた位置で、処理液供給部81側へ向けてガスを吐出する。これにより、処理液供給部81により処理液T1を供給する際に、上面側ノズル部71に付着した処理液T1がガス吐出口94aから吐出されたガスにより吹き飛ばされるため、処理液T1が上面側ノズル部71の下面(図4において斜線を付した領域I)に付着することを防止できる。また、処理液供給部81によりリンス液Rを供給する際に、ガス吐出口94aから処理液吐出口93aとは逆方向に向けてガスを吐出することになるため、リンス液Rが処理液吐出口93aに付着することを防止できる。また、複数のガス吐出口94aの各々が、複数の処理液吐出口91aの各々を避けた位置で、処理液供給部81側へ向けてガスを吐出するため、処理液吐出口91aから吐出される処理液T1の流れが乱されることを防止できる。
【0069】
なお、複数のガス吐出口94aの各々は、複数の処理液吐出口91aの各々の周辺にガスを吐出するように、配列されている。ここで、複数のガス吐出口94aの各々が、複数の処理液吐出口91aの各々の周辺にガスを吐出するとは、複数のガス吐出口94aの各々から吐出されたガスが複数の処理液吐出口91aに直接当たらないことを意味する。従って、複数のガス吐出口94aの各々が、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、複数の処理液吐出口91aの各々と同じ位置に配置されていても、ガス吐出口94aの各々の向きが、処理液吐出口91aの各々の位置に向かう方向と異なる方向を向いていればよい。
【0070】
また、処理液吐出口91aの周辺とは、上面側ノズル部71の処理液吐出口91aが形成されている面の領域、すなわち、処理液T1を吐出する面の領域であって、処理液吐出口91aを囲む領域を意味する。そして、処理液吐出口91aが形成されている面の領域であって、処理液吐出口91aを囲む領域は、図4における領域Iに相当する。図4における領域Iは、上面側ノズル部71の下方に突出した部分の下面、側面、及び下方に突出した部分の周囲の部分の表面を含む。
【0071】
同様に、ガス供給部85は、ガス吐出口95aが、処理液吐出口92a側へ向くように設けられている。すなわち、複数のガス吐出口95aの各々は、処理液供給部82側へ向けてガスを吐出する。これにより、処理液供給部82により処理液T2を供給する際に、上面側ノズル部71に付着した処理液T2がガス吐出口95aから吐出されたガスにより吹き飛ばされるため、処理液T2が上面側ノズル部71の下面(図4において斜線を付した領域II)に付着することを防止できる。また、処理液供給部82によりリンス液Rを供給する際に、ガス吐出口95aから処理液吐出口93aとは逆方向に向けてガスを吐出することになるため、リンス液Rが処理液吐出口93aに付着することを防止できる。また、複数のガス吐出口95aの各々が、複数の処理液吐出口92aの各々を避けた位置で、処理液供給部82側へ向けてガスを吐出するため、処理液吐出口92aから吐出される処理液T2の流れが乱されることを防止できる。
【0072】
また、複数のガス吐出口95aの各々は、複数の処理液吐出口92aの各々の周辺にガスを吐出するように、配列されている。ここで、処理液吐出口92aの周辺とは、上面側ノズル部71の処理液吐出口92aが形成されている面の領域、すなわち、処理液T2を吐出する面の領域であって、処理液吐出口92aを囲む領域を意味する。そして、処理液吐出口92aが形成されている面の領域であって、処理液吐出口92aを囲む領域は、図4における領域IIに相当する。図4における領域IIは、上面側ノズル部71の下方に突出した部分の下面、側面、及び下方に突出した部分の周囲の部分の表面を含む。
【0073】
また、複数のガス吐出口94aの各々は、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、隣接する2つの処理液吐出口91aの間の位置でガスを吐出するように、配列されていることが好ましい。これにより、処理液供給部81により処理液T1を供給する際に、処理液T1が上面側ノズル部71に付着することを確実に防止できる。また、処理液供給部81によりリンス液Rを供給する際に、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを確実に防止できる。
【0074】
同様に、複数のガス吐出口95aの各々は、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、隣接する2つの処理液吐出口92aの間の位置でガスを吐出するように、配列されていることが好ましい。これにより、処理液T2が上面側ノズル部71に付着することを確実に防止でき、処理液供給部82によりリンス液Rを供給する際に、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを確実に防止できる。
【0075】
更に、図5(a)及び図5(b)に示すように、複数のガス吐出口94aの各々は、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、処理液吐出口91aと処理液吐出口93aとの間の位置でガスを吐出するように、配列されていることが好ましい。このとき、複数の処理液吐出口91aと、複数の処理液吐出口93aとは、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、交互に配列するように設けられている。これにより、処理液供給部81により処理液T1を供給する際に、処理液T1が上面側ノズル部71に付着することを更に確実に防止できる。また、処理液供給部81によりリンス液Rを供給する際に、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを更に確実に防止できる。
【0076】
同様に、複数のガス吐出口95aの各々は、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、処理液吐出口92aと処理液吐出口93aとの間の位置でガスを吐出するように、配列されていることが好ましい。このとき、複数の処理液吐出口92aと、複数の処理液吐出口93aとは、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、交互に配列するように設けられている。これにより、処理液供給部82により処理液T2を供給する際に、処理液T2が上面側ノズル部71に付着することを更に確実に防止できる。また、処理液供給部82によりリンス液Rを供給する際に、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを更に確実に防止できる。
【0077】
なお、図6(a)及び図6(b)に示すように、複数のガス吐出口94aの各々は、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、処理液吐出口93aの各々の位置と同じ位置に、配列されていてもよい。この場合も、処理液T1が上面側ノズル部71に付着することを防止でき、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを防止できる。
【0078】
同様に、複数のガス吐出口95aの各々も、処理液吐出口列93の配列方向に沿って、処理液吐出口93aの各々の位置と同じ位置に、配列されていてもよい。この場合も、処理液T2が上面側ノズル部71に付着することを防止でき、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを防止できる。
【0079】
押圧機構100は、ウェハW上で例えばX方向に沿って長尺に形成されているとともに、ウェハW上でX方向と異なる例えばY方向に移動可能に設けられている。押圧機構100は、ウェハWを上方から下方へ向かって押圧する。これにより、ウェハWを保持部材40に押し付けることができるため、保持部材40に保持されているウェハWがずれたり、保持部材40から外周方向に飛び出すことを防止できる。
【0080】
押圧機構100は、押圧機構100の下面100aに、ガスを吐出するための吐出口101と、ガスを吸引するための吸引口102が形成されていてもよい。吐出口101には、吐出口101を介してガスを供給する供給源103がバルブ104を介して接続されていてもよく、吸引口102には、吸引口102を介してガスを吸引する吸引源105がバルブ106を介して接続されていてもよい。吐出口101により押圧用ガスを下方に向けて吐出するとともに、吸引口102を介してガスを吸引することによって、ウェハWを上方から下方へ向かって押圧するようにしてもよい。これにより、ウェハWが反っている場合でもウェハWの反りを矯正して平坦にした状態で、ウェハWを保持することができるため、処理液による処理をウェハWの面内で均一にすることができる。また、ウェハWの下面を例えば図示しないブラシにより洗浄する場合に、ブラシをウェハWに接触させる際の圧力を、ウェハWの面内で均一にすることができる。
【0081】
また、押圧機構100は、ウェハWの回転方向に沿って、上面側ノズル部71よりも上流側に配置されていることが好ましい。これにより、上面側ノズル部71から供給された各処理液、リンス液、有機溶剤の流れを乱すことを防止できる。
【0082】
また、押圧機構100は、押圧機構100に固定されているアーム107が、上面側ノズル部用アーム121と、接続機構140を介して接続されていてもよい。接続機構140は、可動部材141と、弾性部材142を有する。可動部材141の上側部分141aは、上面側ノズル部用アーム121に固定されている。可動部材141の中間部分141bは、例えばアーム107に設けられた穴107aを貫通して上下動可能に設けられている。可動部材141の下側部分141cは、可動部材141がアーム107に対して最も上側に相対変位したときに、アーム107の下面107bと当接するように設けられている。弾性部材142は、可動部材141とアーム107の上面107cとの間に設けられている。弾性部材142は、アーム107を上面側ノズル部用アーム121に対して上下方向に弾性変位可能に設けるためのものである。
【0083】
このような構成を有する接続機構140を設けることにより、移動機構120の昇降駆動部122により上面側ノズル部71が下端位置にあるときは、押圧機構100は、上面側ノズル部71に対し上下方向に弾性変位可能に配置されている。また、移動機構120の昇降駆動部122により上面側ノズル部71が上端位置にあるときは、押圧機構100は、下側部分141cがアーム107の下面107bと当接した状態で配置されている。
【0084】
また、移動機構120の移動駆動部123により、押圧機構100も、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85と一体で、水平移動される。
【0085】
制御部200は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ201を有しており、液処理装置10の各構成部がこのプロセスコントローラ201に接続されて制御される構成となっている。また、プロセスコントローラ201には、工程管理者が液処理装置10の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、液処理装置10の各構成部の可動状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース202が接続されている。さらに、プロセスコントローラ201には、液処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ201の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて液処理装置10の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピが格納された記憶部203が接続されている。レシピは記憶部203の中の記憶媒体(記録媒体)に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0086】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース202からの指示等にて任意のレシピを記憶部203から呼び出してプロセスコントローラ201に実行させることで、プロセスコントローラ201の制御下で、各部材を制御し、液処理装置10での所望の処理が行われる。
【0087】
次に、図7から図15を参照し、上記した制御部200により液処理ユニット22を用いて行われる液処理方法について説明する。
【0088】
図7、図10及び図13は、本実施の形態に係る液処理方法の各工程における、保持部材40、ウェハW及び上面側ノズル部71の概略構成を示す平面図である。図8、図9、図11、図12、図14及び図15は、本実施の形態に係る液処理方法の各工程における、上面側ノズル部71及びウェハWの周辺を拡大して示す側面図である。なお、図7に示す平面図は、図8及び図9に示す側面図と対応しており、図10に示す平面図は、図11及び図12に示す側面図と対応しており、図13に示す平面図は、図14及び図15に示す側面図と対応している。また、図7から図12では、上面側ノズル部71に対し、ウェハWを水平方向に縮小して示している。また、図8、図9、図11、図12、図14、図15においては、図7、図10及び図13に示した押圧機構100の図示を省略している。
【0089】
予め、搬入出ステーション1のキャリア載置部11に載置されたウェハキャリアWCから搬送機構15により1枚のウェハWを取り出して受け渡し棚20の載置部に載置し、この動作を連続的に行う。受け渡し棚20の載置部に載置されたウェハWは、処理ステーション2の搬送機構24により順次搬送されて、いずれかの液処理ユニット22に搬入される。そして、液処理ユニット22において、ウェハWは、基板昇降部材60に受け渡され、降下し、保持部材40により保持される。
【0090】
次いで、図7及び図8に示す工程では、保持部材40に保持されているウェハWを回転駆動部50により回転させているとともに、ガス供給部84によりガスを吐出している状態で、処理液供給部81によりウェハWに処理液T1を供給する(第1の処理液供給工程)。
【0091】
なお、第1の処理液供給工程は、本発明における第1の供給工程に相当する。
【0092】
処理液供給部81により供給される処理液T1がウェハWの回転中心Cに到達するように、処理液供給部81を、移動駆動部123により移動させる(第1の位置)。本実施の形態では、長尺に形成されている処理液供給部81が、ウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に配置されるように、処理液供給部81を含む上面側ノズル部71全体を、移動駆動部123により移動させる。
【0093】
そして、バルブV1、V2を含む切替機構86を切り替えることによって、処理液供給源72aを処理液供給部81に接続する。そして、ガス供給部84により、複数のガス吐出口94aの各々から、複数の処理液吐出口91aの各々を避けるように処理液供給部81側へ向けてガスを吐出している状態で、処理液T1を供給する。これにより、処理液供給部81により供給される処理液T1をウェハWの回転中心Cに到達させることができる。また、処理液T1が上面側ノズル部71(領域I)に付着することを防止できる。
【0094】
このときのウェハWの回転数を、例えば500〜1500rpmとし、処理液T1の流量を、例えば1000〜1500sccmとすることができる。
【0095】
なお、第1の処理液供給工程では、ガス供給部85からも、すなわち、複数のガス吐出口95aの各々からも、ガスを吐出している。これにより、処理液T1がウェハW上から跳ね上がり、上面側ノズル部71(領域II)に付着することを防止できる。
【0096】
次いで、図9に示す工程では、ウェハWを回転させているとともに、ガス供給部84によりガスを吐出している状態で、処理液供給部81によりウェハWにリンス液Rを供給する(第1のリンス液供給工程)。また、図9に示す工程における、保持部材40、ウェハW、上面側ノズル部71及び押圧機構100の概略構成を示す平面図は、図7と同様である。
【0097】
まず、バルブV1を閉じることによって、処理液供給部81からの処理液T1の供給を停止する。
【0098】
そして、処理液供給部81により供給されるリンス液RがウェハWの回転中心Cに到達するように、処理液供給部81を、移動駆動部123により移動させた状態のままにする。本実施の形態では、長尺に形成されている処理液供給部81が、ウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に配置されるように、処理液供給部81を含む上面側ノズル部71全体を、移動駆動部123により移動させたままにする。
【0099】
そして、バルブV2を開くことによって、処理液供給源73を処理液供給部81に接続する。そして、ガス供給部84により、複数のガス吐出口94aの各々から、複数の処理液吐出口91aの各々を避けるように処理液供給部81側へ向けてガスを吐出している状態で、リンス液Rを供給する。これにより、処理液供給部81により供給されるリンス液RをウェハWの回転中心Cに到達させることができる。また、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを防止できる。
【0100】
このときのウェハWの回転数を、例えば500〜1500rpmとし、リンス液Rの流量を、例えば1000〜1500sccmとすることができる。
【0101】
なお、第1のリンス液供給工程では、ガス供給部85からも、すなわち、複数のガス吐出口95aの各々からも、ガスを吐出している。
【0102】
次いで、図10及び図11に示す工程では、ウェハWを回転させているとともに、ガス供給部85によりガスを吐出している状態で、処理液供給部82によりウェハWに処理液T2を供給する(第2の処理液供給工程)。
【0103】
なお、第2の処理液供給工程は、本発明における第3の供給工程に相当する。
【0104】
まず、切替機構86のバルブV1、V2を閉じることによって、処理液供給部81からのリンス液Rの供給を停止する。
【0105】
そして、処理液供給部82により供給される処理液T2がウェハWの回転中心Cに到達するように、処理液供給部82を、移動駆動部123により移動させる(第3の位置)。本実施の形態では、長尺に形成されている処理液供給部82が、ウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に配置されるように、処理液供給部82を含む上面側ノズル部71全体を、移動駆動部123により移動させる。
【0106】
更に、バルブV3、V4を含む切替機構87を切り替えることによって、処理液供給源72bを処理液供給部82に接続する。そして、ガス供給部85により、複数のガス吐出口95aの各々から、複数の処理液吐出口92aの各々を避けるように処理液供給部82側へ向けてガスを吐出している状態で、処理液T2を供給する。これにより、処理液供給部82により供給される処理液T2をウェハWの回転中心Cに到達させることができる。また、処理液T2が上面側ノズル部71(領域II)に付着することを防止できる。
【0107】
このときのウェハWの回転数を、例えば500〜1500rpmとし、処理液T2の流量を、例えば1000〜1500sccmとすることができる。
【0108】
なお、第2の処理液供給工程では、ガス供給部84からも、すなわち、複数のガス吐出口94aの各々からも、ガスを吐出している。これにより、処理液T2がウェハW上から跳ね上がり、上面側ノズル部71(領域I)に付着することを防止できる。
【0109】
次いで、図12に示す工程では、ウェハWを回転させているとともに、ガス供給部85によりガスを吐出している状態で、処理液供給部82によりウェハWにリンス液Rを供給する(第2のリンス液供給工程)。また、図12に示す工程における、保持部材40、ウェハW、上面側ノズル部71及び押圧機構100の概略構成を示す平面図は、図10と同様である。
【0110】
まず、バルブV3を閉じることによって、処理液供給部82による処理液T2の供給を停止する。
【0111】
そして、処理液供給部82により供給されるリンス液RがウェハWの回転中心Cに到達するように、処理液供給部82を、移動駆動部123により移動させた状態のままにする。本実施の形態では、長尺に形成されている処理液供給部82が、ウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に配置されるように、処理液供給部82を含む上面側ノズル部71全体を、移動駆動部123により移動させたままにする。
【0112】
そして、バルブV4を開くことによって、処理液供給源73を処理液供給部82に接続する。そして、ガス供給部85により、複数のガス吐出口95aの各々から、複数の処理液吐出口92aの各々を避けるように処理液供給部82側へ向けてガスを吐出している状態で、リンス液Rを供給する。これにより、処理液供給部82により供給されるリンス液RをウェハWの回転中心Cに到達させることができる。また、リンス液Rが処理液供給部83に付着することを防止できる。
【0113】
このときのウェハWの回転数を、例えば500〜1500rpmとし、リンス液Rの流量を、例えば1000〜1500sccmとすることができる。
【0114】
なお、第2のリンス液供給工程では、ガス供給部84から、すなわち、複数のガス吐出口94aの各々から、ガスを吐出している。
【0115】
次いで、図13及び図14に示す工程では、ウェハWを回転させている状態で、処理液供給部83によりウェハWに有機溶剤OSを供給する(有機溶剤供給工程)。
【0116】
なお、有機溶剤供給工程は、本発明における第2の供給工程に相当する。
【0117】
まず、切替機構87のバルブV3、V4を閉じることによって、処理液供給部82からのリンス液Rの供給を停止する。
【0118】
そして、処理液供給部83により供給される有機溶剤OSがウェハWの回転中心Cに到達するように、処理液供給部83を、移動駆動部123により移動させる(第2の位置)。本実施の形態では、長尺に形成されている処理液供給部83が、ウェハWの回転中心Cを通る直線CL上に配置されるように、処理液供給部83を含む上面側ノズル部71全体を、移動駆動部123により移動させる。
【0119】
更に、バルブV5を開き、処理液供給源74を処理液供給部83に接続する。そして、処理液供給部83により、有機溶剤OSを供給する。これにより、処理液供給部83により供給される有機溶剤OSをウェハWの回転中心Cに到達させることができる。
【0120】
なお、有機溶剤供給工程では、ガス供給部84、85から、すなわち、複数のガス吐出口94a、95aの各々から、ガスを吐出している。
【0121】
次いで、図15に示す工程では、ウェハWを回転させることによって、有機溶剤OSを振り切り乾燥する(乾燥工程)。また、図15に示す工程における、保持部材40、ウェハW、上面側ノズル部71及び押圧機構100の概略構成を示す平面図は、図13と同様である。
【0122】
まず、バルブV5を閉じることによって、処理液供給部83からの有機溶剤OSの供給を停止する。
【0123】
そして、ウェハWを回転させることによって、有機溶剤OSを振り切って乾燥させる。このときのウェハWの回転数を、例えば1000〜1500rpmとすることができる。
【0124】
その後、回転駆動部50が停止され、保持部材40に保持されているウェハWの回転も停止される。そして、搬送機構24により液処理ユニット22からウェハWを搬出し、受け渡し棚20に載置し、受け渡し棚20から搬送機構15によりウェハキャリアWCに戻す。
【0125】
以上の一連の工程により、一枚のウェハWの処理が終了する。
【0126】
以上、本実施の形態によれば、第1の処理液供給工程及び第1のリンス液供給工程において、処理液供給部81により供給される処理液T1及びリンス液Rがウェハの回転中心に到達するように、処理液供給部81を移動させる。また、第2の処理液供給工程及び第2のリンス液供給工程において、処理液供給部82により供給される処理液T2及びリンス液Rがウェハの回転中心に到達するように、処理液供給部82を移動させる。また、有機溶剤供給工程において、処理液供給部83により供給される有機溶剤がウェハの回転中心に到達するように、処理液供給部83を移動させる。これにより、複数の長尺ノズルにより供給される処理液のいずれをもウェハの回転中心に到達させることができるため、ウェハを均一に処理することができる。
【0127】
更に、例えば処理液T1、T2として、例えば170℃程度の高温の硫酸過水(SPM)又は例えば80℃程度の高温のアンモニア過水(SC1)が処理液吐出口から吐出される際に、処理液吐出口の雰囲気に含まれるいずれかの処理液が処理液吐出口に付着することを防止できる。
【0128】
また、本実施の形態によれば、処理液吐出口93aから有機溶剤を吐出する際に、吐出された有機溶剤にリンス液が混入することを防止できる。これにより、ウェハに供給された有機溶剤にリンス液が混入してウェハにウォーターマークが発生し、パーティクルが発生することを防止できる。
【0129】
また、本実施の形態によれば、処理液T1、T2として、アンモニア過水(SC1)を処理液供給部81、82によりウェハに供給した後、処理液吐出口93aから有機溶剤を吐出する際に、アンモニア過水(SC1)に含まれていたアンモニアが処理液吐出口93aの周辺に残留することを防止できる。これにより、アンモニア成分がウェハに残り、ウォーターマークが発生することを防止できる。
【0130】
また、本実施の形態によれば、処理液を吐出していないノズルの処理液吐出口に向けても常時ガスを吐出しているので、処理液吐出口の近傍で酸/アルカリ雰囲気が共存しない。そのため、処理液吐出口に結晶(塩)が生成して付着することを抑制できる。また処理液吐出口に付着した結晶がウェハに落下し、ウェハ表面にパーティクルとなって付着することを抑制できる。
【0131】
更に、本実施の形態によれば、処理液吐出口の内部に処理液T1、T2が付着することも防止できる。
【0132】
なお、処理液供給部81、82、83、ガス供給部84、85は、例えば長尺に形成された筐体に帯状に吐出口が形成されたものであってもよい。
【0133】
また、本実施の形態に係る液処理装置では、上面側供給ノズル部71が、処理液供給部82及びガス供給部85を有しておらず、処理液供給部81、83及びガス供給部84のみを有していてもよい。また、本実施の形態に係る液処理方法では、第2の処理液供給工程及び第2のリンス液供給工程を有しておらず、第1の処理液供給工程、第1のリンス液供給工程及び有機溶剤供給工程のみを有していてもよい。
(実施の形態の変形例)
次に、本発明の実施の形態の変形例に係る液処理装置について説明する。
【0134】
本変形例に係る液処理装置は、上面側ノズル部が、処理液供給部83、ガス供給部84、85を有していない点で、実施の形態に係る液処理装置と相違する。また、処理液供給部81、82が別体で水平面内に移動可能に設けられている点で、実施の形態に係る液処理装置と相違する。更に、押圧機構を有していない点で、実施の形態に係る液処理装置と相違する。従って、本変形例に係る液処理装置のうち、上面側ノズル部以外の部分は、押圧機構を有していない点を除き、実施の形態の液処理装置と同一構造を有しているため、説明を省略する。
【0135】
図16は、保持部材40、ウェハW及び上面側ノズル部71aの概略構成を示す平面図である。
【0136】
図17は、上面側ノズル部71a及びウェハWの周辺を拡大して示す側面図である。なお、図17は、上面側ノズル部71aを図2において視ている方向と直交する方向に沿って視た図である。従って、図2が例えば図1におけるY方向に沿って視た図であるときは、図17は、図1における−X方向に沿って視た図である。
【0137】
図16及び図17に示すように、上面側ノズル部71aは、処理液供給部81、82を有する。処理液供給部81、82は、実施の形態の上面側ノズル部71における処理液供給部81、82と同一構造を有しているため、説明を省略する。
【0138】
処理液供給部81、82は、X方向に沿って長尺に形成されている。また、処理液供給部81、82は、図16に示すように、X方向と直交するY方向に独立して水平移動可能に設けられている。また、処理液供給部81、82は、それぞれ移動駆動部123a、123bにより、X方向と直交するY方向に独立に水平移動させられる。
【0139】
なお、処理液供給部81、82は、Y方向に代え、X方向と異なる方向、すなわちX方向と交差する方向に移動可能に設けられていてもよい。また、処理液供給部81、82は、略水平面内で移動可能に設けられていればよく、水平面から多少の角度ずれた平面内で移動可能に設けられていてもよい。
【0140】
本変形例に係る液処理方法は、実施の形態に係る液処理方法の各工程のうち、有機溶剤供給工程を有していない。
【0141】
また、本変形例に係る液処理方法では、第1の処理液供給工程及び第1のリンス液供給工程において、ガス供給部により、処理液供給部81側へ向けてガスを吐出しない。また、第2の処理液供給工程及び第2のリンス液供給工程において、ガス供給部により、処理液供給部82側へ向けてガスを吐出しない。
【0142】
本変形例でも、第1の処理液供給工程及び第1のリンス液供給工程において、処理液供給部81により供給される処理液T1及びリンス液Rがウェハの回転中心に到達するように、処理液供給部81を移動させる。また、第2の処理液供給工程及び第2のリンス液供給工程において、処理液供給部82により供給される処理液T2及びリンス液Rがウェハの回転中心に到達するように、処理液供給部82を移動させる。これにより、複数の長尺ノズルにより供給される処理液のいずれをもウェハの回転中心に到達させることができるため、ウェハを均一に処理することができる。
【0143】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0144】
10 液処理装置
22 液処理ユニット
30 回転プレート
40 保持部材
50 回転駆動部
81〜83 処理液供給部
84、85 ガス供給部
91a、92a、93a 処理液吐出口
94a、95a ガス吐出口
123 移動駆動部
200 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理液により処理する液処理装置において、
基板を回転可能に保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持されている基板を回転駆動する回転駆動部と、
前記基板上で第1の方向に沿って長尺に形成されている、前記基板に第1の処理液を供給する第1の処理液供給部と、
前記基板上で前記第1の方向に沿って長尺に形成されており、前記第1の処理液供給部と平行に設けられた、前記基板に第2の処理液を供給する第2の処理液供給部と、
前記第1の処理液供給部と前記第2の処理液供給部とを、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動駆動部と、
前記基板保持部と、前記回転駆動部と、前記第1の処理液供給部と、前記第2の処理液供給部と、前記移動駆動部とを制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記第1の処理液を供給するときは、前記第1の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第1の処理液供給部を前記移動駆動部により第1の位置に移動させ、前記第2の処理液を供給するときは、前記第2の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第2の処理液供給部を前記移動駆動部により第2の位置に移動させる、液処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理液供給部は、前記第1の方向に配列されている複数の第1の処理液吐出口を介して前記基板に前記第1の処理液を供給するものであり、
前記第2の処理液供給部は、前記第1の方向に配列されている複数の第2の処理液吐出口を介して前記基板に前記第2の処理液を供給するものであり、
更に、前記第1の処理液供給部と前記第2の処理液供給部との間で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられており、前記第1の方向に配列されている複数の第1のガス吐出口を介してガスを供給する第1のガス供給部を有し、
前記複数の第1のガス吐出口の各々は、前記第1の処理液供給部側へ向けてガスを吐出するように、配列されている、請求項1に記載の液処理装置。
【請求項3】
前記複数の第1のガス吐出口の各々は、前記第1の方向に沿って、隣接する2つの前記第1の処理液吐出口の間の位置でガスを吐出するように、配列されている、請求項2に記載の液処理装置。
【請求項4】
前記複数の第1のガス吐出口の各々は、前記第1の方向に沿って、前記第1の処理液吐出口と前記第2の処理液吐出口との間の位置でガスを吐出するように、配列されている、請求項3に記載の液処理装置。
【請求項5】
前記第2の処理液供給部を中心として前記第1の処理液供給部と反対側で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられており、前記第1の方向に配列されている複数の第3の処理液吐出口を介して前記基板に第3の処理液を供給する第3の処理液供給部と、
前記第3の処理液供給部と前記第2の処理液供給部との間で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられており、前記第1の方向に配列されている複数の第2のガス吐出口を介してガスを供給する第2のガス供給部と
を有し、
前記移動駆動部は、前記第3の処理液供給部を、前記第2の方向に移動させるものであり、
前記複数の第2のガス吐出口の各々は、前記第3の処理液供給部側へ向けてガスを吐出するように、配列されており、
前記制御部は、前記第3の処理液を供給するときは、前記第3の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第3の処理液供給部を前記移動駆動部により第3の位置に移動させるものである、請求項2から請求項4のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項6】
前記複数の第2のガス吐出口の各々は、前記第1の方向に沿って、隣接する2つの前記第3の処理液吐出口の間の位置でガスを吐出するように、配列されている、請求項5に記載の液処理装置。
【請求項7】
前記複数の第2のガス吐出口の各々は、前記第1の方向に沿って、前記第3の処理液吐出口と前記第2の処理液吐出口との間の位置でガスを吐出するように、配列されている、請求項6に記載の液処理装置。
【請求項8】
回転している基板を処理液により処理する液処理方法において、
前記基板上で第1の方向に沿って長尺に形成されている第1の処理液供給部により、前記基板に第1の処理液を供給する第1の供給工程と、
前記基板上で前記第1の方向に沿って長尺に形成されている第2の処理液供給部により、前記基板に第2の処理液を供給する第2の供給工程と
を有し、
前記第1の供給工程において、前記第1の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第1の処理液供給部を第1の位置に移動させ、
前記第2の供給工程において、前記第2の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第2の処理液供給部を第2の位置に移動させる、液処理方法。
【請求項9】
前記第1の供給工程は、前記第1の処理液供給部と前記第2の処理液供給部との間で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられている第1のガス供給部により、前記第1の方向に配列されている複数の第1のガス吐出口の各々から、前記第1の処理液供給部側へ向けてガスを吐出している状態で、前記第1の処理液供給部により、前記第1の方向に配列されている複数の第1の処理液吐出口を介して前記基板に前記第1の処理液を供給するものであり、
前記第2の供給工程は、前記第2の処理液供給部により、前記第1の方向に配列されている複数の第2の処理液吐出口を介して前記基板に前記第2の処理液を供給するものである、請求項8に記載の液処理方法。
【請求項10】
前記第1の供給工程は、前記複数の第1のガス吐出口の各々から、前記第1の方向に沿って、隣接する2つの前記第1の処理液吐出口の間の位置でガスを吐出している状態で、前記第1の処理液を供給するものである、請求項9に記載の液処理方法。
【請求項11】
前記第1の供給工程は、前記複数の第1のガス吐出口の各々から、前記第1の方向に沿って、前記第1の処理液吐出口と前記第2の処理液吐出口との間の位置でガスを吐出している状態で、前記第1の処理液を供給するものである、請求項10に記載の液処理方法。
【請求項12】
前記第2の処理液供給部を中心として前記第1の処理液供給部と反対側で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられている第3の処理液供給部により、前記基板に第3の処理液を供給する第3の供給工程を有し、
前記第3の供給工程は、前記第3の処理液供給部と前記第2の処理液供給部との間で前記第1の方向に沿って長尺に形成されているとともに、前記基板上で前記第2の方向に移動可能に設けられている第2のガス供給部により、前記第1の方向に配列されている複数の第2のガス吐出口の各々から、前記第3の処理液供給部側へ向けてガスを吐出している状態で、前記第3の処理液供給部により、前記第1の方向に配列されている複数の第3の処理液吐出口を介して前記基板に前記第3の処理液を供給するものであり、
前記第3の供給工程において、前記第3の処理液が前記基板の回転中心に到達するように、前記第3の処理液供給部を第3の位置に移動させる、請求項9から請求項11のいずれかに記載の液処理方法。
【請求項13】
前記第3の供給工程は、前記複数の第2のガス吐出口の各々から、前記第1の方向に沿って、隣接する2つの前記第3の処理液吐出口の間の位置でガスを吐出している状態で、前記第3の処理液を供給するものである、請求項12に記載の液処理方法。
【請求項14】
前記第3の供給工程は、前記複数の第2のガス吐出口の各々から、前記第1の方向に沿って、前記第3の処理液吐出口と前記第2の処理液吐出口との間の位置でガスを吐出している状態で、前記第3の処理液を供給するものである、請求項13に記載の液処理方法。
【請求項15】
コンピュータに請求項8から請求項14のいずれかに記載の液処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−195385(P2012−195385A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57104(P2011−57104)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】