説明

液滴吐出方法および液滴吐出装置

【課題】 超微少量の液滴を精度良く吐出することができる液滴吐出方法および液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】 液体12をノズル11の先端から切れない状態で微少量吐出し、ノズル11の下に位置するプレート50に対して吐出された液体12を接触させ、その状態でプレート50を水平移動させることにより吐出された液体12をプレート側に引っ張ってノズル11から切り離しプレート50上に液滴13として滴下することを繰り返し、プレート50に対して液滴13を所定の間隔で滴下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の液体を一定微量に小分けしてスポット的に吐出する液滴吐出方法および液滴吐出装置に関する。例えば、バイオチップ製造等の分野にて好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬液等の液体を一定微量ずつ小分けしてスポット的に相手容器等に吐出する技術として、例えば、下記の非特許文献1に記載されるものがある。ここに記載されている技術では、分注器のノズル先端から、「0.1〜2.5μl」程度の容量の液体を「0.1μl」の精度で吐出することができるようになっている。
【0003】
ところが、上記非特許文献1に記載された装置では、「μl」レベルの精度の分注が限界であり、それ以上の精度で液体を超微量に分注することが困難であった。これは、前記分注器では、主として「液滴法」が使用され、液体には表面張力と呼ばれる「液体分子間の凝集力」や「管壁に対する付着力」があるためである。一般に、垂直な管の下端から落下する液滴は、その質量分の重力が表面張力等に打ち勝つときに落下することから、落下に必要な最少の液滴量が「μl」レベルになってしまうからである。従って、従来の吐出技術では、「nl」レベルの超微量な液滴を吐出することができなかった。
【0004】
そして、この問題を解決した技術が特開2004−101480号公報に開示されている。ここに開示された分注装置は、先端に吐出口を有する一つの外管と、その外管に内包され、その外管の吐出口の近傍に位置する吐出口を有する少なくとも一つの内管と、外管又は内管に分注液を供給するための分注液供給手段と、分注液が供給されない管に搬送流体を供給するための搬送流体供給手段と、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体を吐出させるために搬送流体供給手段を制御する供給制御手段とを備えたものである。
【0005】
そして、この分注装置では、分注液供給手段により外管又は内管に分注液が供給されることにより、その管の吐出口へ分注液が導かれる。又、分注液が供給されない管に、搬送流体供給手段により搬送流体が供給されることにより、その管の吐出口へ搬送流体が導かれる。ここで、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、供給制御手段による搬送流体供給手段の制御により、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体が吐出されることにより、その搬送流体が滴下前の分注液に作用し、その表面張力に打ち勝って分注液が液滴として落とされる。したがって、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の液滴が分注(吐出)される。
【0006】
【非特許文献1】アズワン(株)カタログ「研究用総合機器70000」第568頁
【特許文献1】特開2004−101480号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開2004−101480号公報に開示された分注装置では、自重で滴下するときの容量より少ない超微量(「nl」レベル)の液滴を吐出することはできるが、その吐出量が目標量であるか否かが不明であった。このため、吐出条件によって、吐出される液滴の体積(吐出量)にばらつきが生じるおそれがあった。言い換えると、精度よく液滴の吐出を行うことができないおそれがあったのである。
【0008】
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、超微少量の液滴を精度良く吐出することができる液滴吐出方法および液滴吐出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る液滴吐出方法は、液体をノズルの先端から切れない状態で微少量吐出し、前記ノズルの下に位置するプレートに対して前記吐出された液体を接触させ、その状態で前記プレートを水平移動させることにより前記吐出された液体を前記プレート側に引っ張って前記ノズルから切り離し前記プレート上に液滴として滴下することを繰り返して、前記プレートに対して液滴を所定の間隔で滴下することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の液滴吐出方法は、前記ノズルから間欠的に液体を吐出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の液滴吐出方法は、前記プレート上に液体を滴下させる際、前記ノズルが上下動すことなく液体を吐出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の液滴吐出方法は、前記ノズルから吐出される液滴を撮像し、その撮像データを画像解析して前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出して、算出された体積が目標値となるように吐出条件を調節することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の液滴吐出方法は、前記ノズルから吐出される液滴の直径を測長し、測長された直径に基づき前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出して、算出された体積が目標値となるように吐出条件を調節することを特徴とする。
【0014】
更に、本発明の液滴吐出方法は、前記ノズルを有する液体を充填したディスペンサに圧縮エアを供給して、その圧縮エアによる加圧力と加圧時間を制御することにより前記液滴一滴分の液量を調節し、前記プレートの移動距離を制御することにより液滴同士の間隔を調節するようにしたことを特徴とする。
【0015】
一方、本発明の液滴吐出装置は、液体を充填して下端にその液体を吐出させるノズルを備えたディスペンサと、液体を加圧して前記ノズルから液体を吐出させるべく、前記ディスペンサに接続されて圧縮エアを供給する流体制御機器が設けられたエアラインと、前記エアライン上の流体制御機器と前記プレートを搭載するとともに、前記ノズルから吐出された液体が切れない状態で前記プレートに接触するように前記プレートを位置させた状態で水平方向に移動させるテーブルと、前記ノズルから吐出された液体を前記プレート側に引っ張って前記ノズルから切り離し前記プレート上に液滴として滴下するように前記テーブルの動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の液滴吐出装置では、前記制御手段は、前記プレートに対して前記ディスペンサから複数の液滴が所定の間隔で滴下されるように前記テーブルの動作を制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の液滴吐出装置は、前記ノズルから吐出される液滴を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像データを画像解析して前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるように前記エアライン上の流体制御機器の動作を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の液滴吐出装置は、前記ノズルから吐出される液滴の直径を測長する測長手段と、前記測長手段で得られた液滴の直径に基づき前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるように前記エアライン上の流体制御機器の動作を制御することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明の液滴吐出装置は、前記エアラインには、ディスペンサ内の薬液を加圧する圧縮エアを送り込むエアポンプ、そのエアポンプからの圧縮エアの圧力を調節する可変可能なレギュレータ及び、ディスペンサへの圧縮エアの供給切り換えを行う高速切換弁が接続され、前記制御手段が、液体の粘度に応じてディスペンサに供給する圧縮エアの圧力と、その圧縮エアよる加圧時間とを制御して前記プレートへ滴下する液滴一滴分の液量を調節し、また要求される液滴のピッチに応じてプレートの移動距離とを調整するようにしたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
よって、本発明の液滴吐出方法では、ノズル先端から吐出したプレートに接触した微少量の液体を、プレートを移動させることにより当該プレート上に液滴として滴下するので、常に超微少量であってかつ一定量の液滴をプレート上に吐出することができる。
【0021】
そして、ノズルから吐出される液体を撮像して、その撮像データから液体の体積を算出し、その算出された体積が目標値になるように吐出条件を調節するようにしたので、液体の吐出量を高精度に管理することができる。
【0022】
あるいは、ノズルから吐出される液体の直径を測長して、得られた直径から液体の体積を算出し、その算出された体積が目標値になるように吐出条件を調節するようにしたので、液体の吐出量を高精度に管理することができる。
【0023】
また、本発明の液滴吐出装置は、上記した液滴吐出方法を実行すべく、ディスペンサ、流体制御機器が設けられたエアラインと、プレートを水平方向に移動させるテーブルと、エアライン上の流体制御機器及びプレートを搭載したテーブルの動作を制御する制御手段とを有するようにしたので、簡単な構成によってプレート上に超微少量の液体を吐出することができる。
【0024】
更に、前記ノズルから吐出される液滴を撮像する撮像手段と、撮像手段の撮像データを画像解析して前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、制御手段は、液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるようにエアライン上の流体制御機器の動作を制御するようにしたので、液体の吐出量を高精度に管理することができる。
【0025】
あるいは、ノズルから吐出される液滴の直径を測長する測長手段と、測長手段で得られた液滴の直径に基づき前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、制御手段は、液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるようにエアライン上の流体制御機器の動作を制御するようにしたので、液体の吐出量を高精度に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明に係る液滴吐出方法の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、液滴吐出方法を実行するための液滴吐出装置の一実施形態を示した図である。この液滴吐出装置では、プレート50が水平なX−Yテーブル1上に置かれ、X方向及びY方向に高速移動できるようになっている。そうしたプレート50に対して試薬などの液体を吐出すべく、その液体を充填したマイクロディスペンサ2が垂直に設置されている。マイクロディスペンサ2は、プレート50全体に液滴を吐出することができるに十分な液体を充填することができる容積をもった容器型をしたものであって、下端には微少量の液体が液滴となって吐出するようにしたノズル11が形成されている。
【0027】
マイクロディスペンサ2にはエアライン3が接続され、そこにはマイクロディスペンサ2内部の液体を加圧する圧縮エアを送り込むためのエアポンプ4が接続されている。更にそのエアライン3には、エアポンプ4が接続された上流側から順にレギュレータ5、高速切換弁6そして圧力計7が接続されている。レギュレータ5は可変型であってディスペンサ2内の液体を加圧する圧縮エアのエア圧がこれによって切り換えられるようになっている。そして、液体を加圧する圧縮エアの供給が高速切換弁6によって切り換えられるようになっている。なお、本実施形態の高速切換弁6の応答速度は例えば3msecである。
【0028】
そして、ノズル11から吐出される液体を水平方向から撮像するCCDカメラ20がテーブル1の脇に設置されている。このCCDカメラ20は、制御手段8に接続されている。これにより、CCDカメラ20の撮像データが制御手段8に送信されるようになっている。
【0029】
こうした液滴吐出装置では、マイクロディスペンサ2のノズル11先端がプレート50に対して極めて接近したところに位置するよう配置されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出方法では、図2に示すようにノズル11の先から吐出した吐出液12がそのままの形(略半球形状)で切れることなくプレート50の表面に接触するようにしている。そして、その後に吐出液12がノズル11から切り離され、図1に示すようにプレート50上には液体が順に液滴13となって並べられるようになっている。図2に示すノズル11は、例えば内径が0.10mmで外径が0.15mmである。そして、そのノズル11下端からプレート50までの距離Hを0.252mmとすると、ノズル11先端から出た吐出液12は、半径が0.15/2mmの半球になるため、液滴13の液量は約0.01μL(10nL)になる。
【0030】
そして、実際にノズル11から出た吐出液12をCCDカメラ20で撮像して、制御手段8で撮像データが画像分析され、吐出液12の液量(体積)が算出される。具体的には、例えば、吐出液12は半球になるので、半球の断面積(投影面積)をSとすると、画像解析により断面積Sを算出することができる。これにより、このときの半球の半径Rは、
R=√(S/2π)
となる。したがって、吐出液12の理想液量(体積)V’は、
V’=4・π・R3/6
となる。
【0031】
ところが、実際には完全な半球にはならないので補正係数をKとして、吐出液12の液量(体積)Vは、
V=K・V’
となる。なお、補正係数Kは、使用する液体の性状により決定されるものであり、実験などにより予め求めておけばよい。
【0032】
本実施形態の液滴吐出方法では、こうしたノズル11先端から出た吐出液12を順にプレート50に液滴13として並べていく。なお、液滴13のピッチは、製造するバイオチップの条件等により予め決定されている。液滴13一滴分の液量、すなわち吐出液12の液量は、液体の粘度に応じてマイクロディスペンサ2に供給される圧縮エアの圧力と、その圧縮エアよる加圧時間によって決定される。そして、制御手段8で算出される吐出液12の液量が目標値になるように、マイクロディスペンサ2に供給される圧縮エアの圧力と、その圧縮エアよる加圧時間が調整される。
【0033】
また、液滴13のピッチは、製造するバイオチップの条件等により予め決定されて
おり、それに応じてプレート50の移動距離が決定される。そのため、この液滴吐出装置には液滴13のピッチ調節を行うため、マイクロコンピュータなどの制御手段8が設けられている。
【0034】
制御手段8は、エアポンプ4を駆動させるモータ9の他、レギュレータ5や高速切換弁6、更にはX−Yテーブル1に接続されている。そして、制御手段8は、吐出する液体の粘度情報や液滴ピッチなどの諸条件に応じ、モータ9、レギュレータ5、高速切換弁6およびX−Yテーブル1を適切に駆動させるための制御プログラムを有している。さらに、制御手段8は、CCDカメラ20にも接続されている。そして、制御手段8は、CCDカメラ20の撮像データを画像分析して吐出液12の液量を算出する演算プログラム、および算出された吐出液12の液量が目標値になるようにレギュレータ5と高速切換弁6とを適切に駆動させるための制御プログラムも有している。
【0035】
また、ノズル11からプレート50へ液体を移すには、図2に示すように吐出液12がプレート50に接触し、表面張力によってノズル11から切り離されてプレート50側へと移動して液滴13となる。このとき、プレート50の表面の接触角が小さくなるように温度など雰囲気がコントロールできるようになっている。
【0036】
よって、この液滴吐出装置によれば、プレート50上には次のようにして液体が吐出される。先ず、図1に示すようにマイクロディスペンサ2がノズル11を垂直にして設置され、その下にはX−Yテーブル1に載せられたプレート50が配置される。ノズル11から出た吐出液12はプレート50の隅部から順に液滴13となって滴下されるように、X−Yテーブル1の動きが制御される。このとき、各吐出液12がCCDカメラ20により撮像され、その撮像データが制御手段8に送信される。
【0037】
マイクロディスペンサ1内には液体が充填されており、エアライン3を介してマイクロディスペンサ1に圧縮エアが送り込まれる。すなわち、モータ9の駆動によってポンプ4が稼働し、圧縮エアがレギュレータ5によって設定圧に調節されてマイクロディスペンサ1へと送り込まれる。このときマイクロディスペンサ1へは高速切換弁6の開閉切り換えによって間欠的に圧縮エアが送り込まれる。このとき、制御手段8により、CCDカメラ20からの撮像データに基づき吐出液12の体積が算出され、その算出された体積が目標値になるように、レギュレータ5の設定圧および高速切換弁6の開閉時間が調整される。
【0038】
従って、マイクロディスペンサ1のノズル11からは間欠的に図2に示すような半球状の吐出液12がとび出してプレート50へと接触し、そのタイミングでプレート50がX−Yテーブル1の駆動によって移動し、液滴12がノズル11から切り離されて液滴13となってプレート50上に移る。具体的には、図3の(a)から(b)に示すように半球状の液滴12がプレート50に接触し、その後、表面張力によってプレート50側への接触面積が広がっていく。そしてプレート50がX−Yテーブル1の移動によってノズル11の先端から切り離される。このとき、各液滴13の体積は、ほぼ目標値になっている。
【0039】
ノズル11から切り離されてたプレート50上の液滴13は、図4に示すように所定ピッチで並べられる。そして、プレート50上の滴下された液滴13の液量がすべてほぼ目標値になっている。つまり、プレート50上に超微少量の液体が非常に精度良く吐出されている。
【0040】
このように、本実施形態の液滴吐出方法にれば、超微少量の液体を高精度に吐出することができた。そして、液滴吐出装置では、液滴13一滴分の液量と要求される液滴ピッチに応じてドット数(液滴13のピッチ)の制御を行えばよく、そのためには液体の粘度に応じてマイクロディスペンサ2に供給される圧縮エアの圧力及び加圧時間と、プレート50を移動させるX−Yテーブル1の移動距離とを調節する簡単な制御だけでよく、それを実行する液滴吐出装置も簡単な構成とすることができた。
【0041】
ここで、上記した実施形態の変形例について図5を参照しながら説明する。この変形例には、図5にしめすように、CCDカメラ20の代わりに、測長手段を構成する投光器21と受光器22とが備わっている。そして、これら投光器21と受光器22がそれぞれコントローラ15に接続されている。投光器21は、シート状のレーザ光を照射するものであり、そのレーザ光が吐出液12の中心を通過するように配置されている。また、受光器22は、投光器21から照射されたレーザ光を受光するものであり、そのレーザ光を受光できるように配置されている。そして、吐出液12を通過したレーザ光の波長は、他の部分と波長が異なるから、投光器21で検出される波長差から吐出液12の直径を測定することができるようになっている。
【0042】
このようにして吐出液12の直径が測定されると、制御手段8によって吐出液12の体積が算出される。そして、制御手段8により、吐出液12の体積が目標値になるように、レギュレータ5の設定圧および高速切換弁6の開閉時間が調整される。したがって、この変形例でも、プレート50上の滴下された液滴13の液量がすべてほば目標値になる。
【0043】
以上、本発明に係る液滴吐出方法および液滴吐出装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る液滴吐出方法を実行するための液滴吐出装置の一実施形態を示した図である。
【図2】液体の吐出状態を示したノズル先端の拡大図である。
【図3】液体がプレート上に滴下する状態を示した図である。
【図4】複数の液滴がプレート上に滴下された状態を示した図である。
【図5】本発明に係る液滴吐出方法を実行するための液滴吐出装置の変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0045】
1 X−Yテーブル
2 マイクロディスペンサ
3 エアライン
4 エアポンプ
5 レギュレータ
6 高速切換弁
7 圧力計
8 制御手段
9 モータ
11 ノズル
20 CCDカメラ
50 プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体をノズルの先端から切れない状態で微少量吐出し、前記ノズルの下に位置するプレートに対して前記吐出された液体を接触させ、その状態で前記プレートを水平移動させることにより前記吐出された液体を前記プレート側に引っ張って前記ノズルから切り離し前記プレート上に液滴として滴下することを繰り返して、前記プレートに対して液滴を所定の間隔で滴下することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項2】
請求項1に記載する液滴吐出方法において、
前記ノズルから間欠的に液体を吐出することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液滴吐出方法において、
前記プレート上に液体を滴下させる際、前記ノズルが上下動することなく液体を吐出することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する液滴吐出方法において、
前記ノズルから吐出される液滴を撮像し、その撮像データを画像解析して前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出して、算出された体積が目標値となるように吐出条件を調節することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する液滴吐出方法において、
前記ノズルから吐出される液滴の直径を測長し、測長された直径に基づき前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出して、算出された体積が目標値となるように吐出条件を調節することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5に記載するいずれか1つの液滴吐出方法において、
前記ノズルを有する液体を充填したディスペンサに圧縮エアを供給して、その圧縮エアによる加圧力と加圧時間を制御することにより前記液滴一滴分の液量を調節し、
前記プレートの移動距離を制御することにより液滴同士の間隔を調節するようにしたことを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項7】
液体を充填して下端にその液体を吐出させるノズルを備えたディスペンサと、
液体を加圧して前記ノズルから液体を吐出させるべく、前記ディスペンサに接続されて圧縮エアを供給する流体制御機器が設けられたエアラインと、
前記エアライン上の流体制御機器と前記プレートを搭載するとともに、前記ノズルから吐出された液体が切れない状態で前記プレートに接触するように前記プレートを位置させた状態で水平方向に移動させるテーブルと、
前記ノズルから吐出された液体を前記プレート側に引っ張って前記ノズルから切り離し前記プレート上に液滴として滴下するように前記テーブルの動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項8】
請求項7に記載する液滴吐出装置において、
前記制御手段は、前記プレートに対して前記ディスペンサから複数の液滴が所定の間隔で滴下されるように前記テーブルの動作を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載する液滴吐出装置において、
前記ノズルから吐出される液滴を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像データを画像解析して前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるように前記エアライン上の流体制御機器の動作を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項10】
請求項7または請求項8に記載する液滴吐出装置において、
前記ノズルから吐出される液滴の直径を測長する測長手段と、
前記測長手段で得られた液滴の直径に基づき前記ノズルから吐出される液滴の体積を算出する液滴体積算出手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記液滴体積算出手段で算出される体積が目標値となるように前記エアライン上の流体制御機器の動作を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項11】
請求項7から請求項10に記載するいずれか1つの液滴吐出装置において、
前記エアラインには、ディスペンサ内の液体を加圧する圧縮エアを送り込むエアポンプ、そのエアポンプからの圧縮エアの圧力を調節する可変可能なレギュレータ及び、ディスペンサへの圧縮エアの供給切り換えを行う高速切換弁が接続され、
前記制御手段が、液体の粘度に応じてディスペンサに供給する圧縮エアの圧力と、その圧縮エアよる加圧時間とを制御して前記プレートへ滴下する液滴一滴分の液量を調節し、また要求される液滴のピッチに応じて前記プレートの移動距離とを調整するようにしたものであることを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−61794(P2006−61794A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245870(P2004−245870)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(502128800)株式会社オクテック (83)
【Fターム(参考)】