説明

減圧下照射による処理方法及び装置

【課題】
【解決手段】紫外光線を使用して、多孔質低誘電率半導体ウェハのような、基板を処理するシステム及び方法が開示されている。基板は、最初に、湿式処理モジュール内にて清浄化し、次に、減圧圧力及び100℃以下、好ましくは80℃以下の温度にて紫外線モジュール内にて乾燥させる。ロボット式モジュールが基板を湿式処理モジュールから紫外線モジュールまで搬送する。紫外線モジュールは、172nmのインコヒーレントな真空紫外VUV光線を提供するパルスキセノンエキシマーランプを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] 本出願は、その内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めた、2004年7月9日付けで出願された、米国仮特許出願明細書60/586,773号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、全体として、基板を処理するシステム及び方法、特に、シリコンウェハ又はフォトマスク基板を清浄化し且つ(又は)乾燥させるシステム及び方法に関する。本発明は、また、単一のウェハの清浄化及び乾燥方法及び装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 有機質コンパウンドを除去し又は清浄化するような、色々な基板の処理ステップの間、紫外光線を使用することは既知である。しかし、既存のシステムは、処理が過度に長く掛かり又は最適な最終結果の要求を実現しない点にて最適ではない。
[0004] 単一ウェハの湿式処理システムが利用可能となっており、また、商業的に使用されつつあり、その内には、「ゴールドフィンガ(Goldfinger)」単一ウェハ超音波清浄化システム、「サハラ(Sahara)」単一ウェハ乾燥システム、「ロタゴニ(Rotagoni)」及び「オアシス(Oasis)」単一ウェハスピン乾燥システムがあり、これらは、更なる処理のため十分に乾燥すると従来は考えられていたウェハをもたらす。かかる単一ウェハ湿式処理システムは、全て、ヴェルテック(Verteq)インク、ゴールドフィンガ(Goldfinger)LLC、アクリオン(Akrion)LLC及びIMECに以前に譲渡された、米国特許明細書6,754,980号、米国特許明細書6,732,749号、米国特許明細書6,684,891号、米国特許明細書6,681,782号、米国特許明細書6,463,938号、米国特許明細書6,295,999号、米国特許明細書6,140,744号、米国特許明細書6,122,837号、米国特許明細書6,039,059号、米国特許明細書5,556,479号、米国特許明細書5,556,479号、米国特許明細書5,286,657号、米国特許明細書5,090,432号、及びアプライドマテリアルズ(Applied Materials)インクに譲渡された米国特許公報2002/0029788A1号及び米国特許明細書6,843,855(‘855)号に記載されており、これらは全てその内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
[0005] 上述した第‘855号特許には、従来のSiOは、約4の相対的誘電定数を有するが、半導体業界は、最近、「低誘電率」材料と称される、4以下の相対的誘電定数を有する誘電性材料を導入しており、また、かかる低誘電率材料の多くは、低誘電率の特性を得るために細孔又は空隙の介在に依存しており、液体が従来の湿式清浄化及び乾燥過程にて、特に、上述した従来の単一ウェハ湿式処理システム内にて使用されるとき、毛管力が液体をかかる細孔又は空隙内に吸引することが開示されている。取り込まれる液体は、水、試薬、又はその他のリンシング又は清浄化流体である。湿式処理装置にて使用される従来のスピン乾燥、IPAスピン乾燥、又はその他の乾燥方法は、かかる取り込まれた液体を乾燥させない。第‘855号特許にて提案された解決策は、超臨界的乾燥チャンバ又は低圧力チャンバの何れか及び基板の搬送チャンバを従来の湿式清浄化チャンバに追加して取り込まれた流体を乾燥させるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0006] 第‘855号特許の超臨界的流体乾燥チャンバは、例えば、二酸化炭素の乾燥気体を使用するものであった。第‘855号特許の低圧力乾燥チャンバは、100℃ないし200℃の温度及び1.33kPa(10トル)以下の圧力を使用して湿式過程にて清浄化し且つ乾燥させた低誘電率の基板から取り込まれた流体を乾燥させる。超臨界的流体乾燥を使用することが望ましくない幾つかの理由があり、また、低圧力乾燥チャンバ内にて100℃ないし200℃の温度を使用することが望ましくない理由もあり、例えば、かかる高温度にてナトリウム、リチウム、カリウム及び(又は)その他のイオンが移行する可能性がある。我々は、超臨界的流体を回避すると共に、100℃ないし200℃の温度まで加熱するのを回避する低誘電率の基板に対する乾燥システム及び方法を提供する必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0007] 上記及びその他の課題は、1つの形態において、基板を清浄化する方法であって、基板を湿式清浄化モジュール内にて清浄化するステップと、基板を湿式清浄化モジュール内にて乾燥させるステップと、基板を湿式清浄化モジュールから紫外光線源を有する紫外線モジュールまで搬送するステップと、基板を大気以下の圧力及び100℃以下の温度にて紫外光線を使用して紫外線モジュール内にて乾燥させるステップとを備え、湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールは、基板の搬送モジュールと連結され、該基板の搬送モジュールは、基板を湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールまで及び湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールから搬送する、上記方法である本発明によって実現される。
[0008] 本発明のシステムの形態は、紫外光線源を有する紫外線モジュールと、乾燥手段を有する湿式清浄化モジュールと、清浄化した基板を湿式清浄化モジュールから紫外線モジュールまで搬送する手段を有する基板の搬送モジュールと、紫外線モジュール内の圧力を減少させる手段と、大気以下の圧力及び100℃以下の温度にて基板を乾燥させることのできる紫外線モジュール内の紫外光線源とを備える、基板を清浄化する装置である。
[0009] 好ましくは、温度は80℃を超えないものとする。本発明は、特定のレチクル、特に細孔を有する低誘電率材料のような、乾燥が困難な基板に対し特に有用である。好ましくは、紫外線モジュール内での乾燥は、より長く、また短い乾燥時間が確実に実現可能ではあるが、60ないし90秒間、実行されるものとする。
[0010] 好ましい紫外光線源は、冷却することなしに、80℃以下の温度にて172nmのインコヒーレントな真空紫外(VUV)光線を提供するパルスキセノンエキシマーランプである。幾つかの実施の形態において、紫外光線源は、冷却することなしに、80℃を超えない温度にて172nmのインコヒーレントな真空紫外(VUV)光線を提供するパルスキセノンエキシマーランプである。その他の実施の形態において、紫外線モジュールは3つの紫外光源を有する真空紫外光ボックスと、窒素の雰囲気内にて172nmのインコヒーレントな真空紫外光線を提供する反射器と、気体の分配マニホルド、真空マニホルド、センサポートを有する真空紫外処理モジュールとを備えている。
[0011] 1.33kPa(10トル)以下の大気以下の圧力を制御するためコントローラ及び圧力弁を使用することができる。
[0012] 選択的な紫外線透過性窓部は、フッ化ガラス又はサファイアにて出来たものであることが好ましい。紫外線光ボックスは、均一な紫外光線の透過を実現する反射器を保持することができる。
[0013] コントローラは、圧力を減少させる構成要素を作動させたとき、清浄化気体の雰囲気を形成する構成要素を作動させることができ、これにより望ましくない気体が除去されたとき、第一のモジュールを清浄化気体にて再充填することができる。
[0014] 装置は、窒素及びアルゴンから成る群から選ばれた不活性気体源を含み、また、2つ又はより多くの紫外線モジュールを含むこともできる。
[0015] 紫外線モジュールは、少なくとも1つの基板を支持する手段を有する処理チャンバと、処理チャンバ内の圧力を大気圧力以下に減少させる手段と、処理チャンバ内にて支持された基板に対し紫外光線を提供する紫外(UV)光線源と、選択的に、紫外線モジュール内にて不活性気体の雰囲気を形成する手段と、選択的に、処理チャンバと紫外線チャンバと分離する紫外線透過性窓部とを備えることができる。
[0016] 紫外光線の強度を検出するセンサを処理チャンバ又は紫外線チャンバ内に設けて、紫外線ランプが適正に作動することを保証することができる。また、処理チャンバはその内部に基板が配置されたとき、密封することができるようにすることも好ましい。少なくとも1つの基板を支持する手段は、高さが調節可能であり、また、少なくとも1つの基板を実質的に水平方向に支持することが好ましい。
[0017] 紫外線モジュールは、湿式処理モジュールの上方又は下方に配置することができる。紫外線モジュール内の不活性気体雰囲気は、窒素から成るものとし、また、清浄化気体の雰囲気は酸素及び(又は)オゾンからなるものとすることができる。
[0018] 別の形態において、本発明は、基板の支持体を有する第一のモジュールと、第一のモジュール内の圧力を大気圧力以下に降下させる手段と、第一のモジュールに流体的に連結された気体源と、紫外光線を第一のモジュール内にて支持された基板に提供する紫外光線源を有する紫外線モジュールと、紫外線モジュールに流体的に連結された不活性気体源と、第一及び第二のモジュールを分離する紫外線透過性窓部とを備える、少なくとも1つの基板を処理する装置である。
[0019] 更に別の形態において、本発明は、基板の支持体を有する第一のモジュールと、第一のモジュール内の圧力を大気圧力以下に降下させる手段と、第一のモジュールに流体的に連結された清浄化気体源と、紫外光線を第一のモジュールに提供する紫外光線源を有する第二のモジュールと、第一及び第二のモジュールを分離する紫外線透過性窓部とを備える、少なくとも1つの基板を処理する装置である。
[0020] 更に別の形態において、本発明は、基板の支持体を有する気密的に密封可能な第一のモジュールと、第一のモジュール内の圧力を大気圧力以下に降下させる手段と、基板を第一のモジュール内にて処理する少なくとも1つの気体からなる気体状雰囲気を発生させる手段と、第一のモジュールと共通の壁を有する第二のモジュールと、共通の壁の少なくとも一部分を形成する紫外線透過性窓部と、作動させたとき、紫外光線を窓部を通して且つ第一のモジュール内に放出し得るよう第二のモジュール内に配置された紫外光線源と、第二のモジュール内にて実質的に不活性な気体状雰囲気を発生させる手段とを備える、少なくとも1つの基板を清浄化する装置である。
[0021] 更に別の形態において、本発明は、基板の支持体を有する気密的に密封可能な第一のチャンバと、第一のチャンバ内の圧力を大気圧力以下に降下させる手段と、第一のチャンバ内にて基板を処理するため少なくとも1つの気体からなる気体状雰囲気を発生させる手段と、紫外光線を基板の支持体の上に配置された基板に提供する紫外光線源とを備える、少なくとも1つの基板を清浄化する装置である。
[0022] 更に別の形態において、本発明は、紫外光線源を保持するチャンバと、チャンバの壁の少なくとも一部を形成する紫外線透過性窓部と、チャンバ内にて実質的に不活性な気体状雰囲気を形成する手段とを備える、紫外光線を少なくとも1つの基板に提供する装置である。
[0023] 本発明の別の形態は、基板を第一のモジュール内にて支持するステップと、第一のモジュール内の圧力を大気以下の圧力に降下させるステップと、第一のモジュール内にて清浄化気体の雰囲気を形成するステップと、基板を紫外光線に曝すステップとを備える、少なくとも1つの基板を清浄化する方法である。
[0024] 紫外線モジュールは、迅速な乾燥時間を保証し得るよう僅かに真空圧に維持されることが好ましい。紫外光線源は、100ないし300ナノメートルの範囲、最も好ましくは172ナノメートルの波長を有する紫外光線を発生させる紫外線ランプであることが好ましい。1つの適当な紫外線ランプは、水又はその他の冷却を使用することを必要とせずに、80℃を超えることなく、172nmにてインコヒーレントな真空紫外(VUV)光線を放出するオスラムゼラデックス(Osramu Xeradex)(登録商標名)の商標名のものである。この型式の真空紫外ランプはまた、第‘855特許及びその他の上述した特許に開示されたように、先行の湿式処理モジュールを有することが好ましいが、湿式処理モジュールにより提供される効果を上回る追加的な清浄化効果も提供する。これらの真空紫外型式のランプは、オゾン及び酸素基を発生させ、湿式処理システム単独の場合に実現可能な場合よりも良好に低誘電率の基板を乾燥させ且つ清浄化することができる。
[0025] 好ましくは、紫外光線は、第二のモジュール内に配置された紫外線ランプのような紫外光線源により形成され、第一及び第二のモジュールは、紫外光線が通過する紫外線透過性窓部によって分離されるものとする。また、窒素又はアルゴンのような不活性気体雰囲気は第二のモジュール内に形成させることも好ましい。第二のモジュールは、大気圧力に維持することができる。基板は半導体ウェハ又はレチクル基板とすることができる。
[0026] 紫外線透過性窓部を設け、この窓部は、フッ化ガラス又はサファイアにて出来ていることが更に好ましい。更に、均一な紫外光線の透過を提供し得るよう反射器を紫外線モジュール内に設けることができる。圧力を降下させる手段を作動させたとき、処理モジュール内にて気体雰囲気を形成する手段を作動させるコントローラを設け、これにより望ましくない気体が除去されたとき、処理モジュールを清浄化ガスにて再充填することができる。
[0027] 基板がフォトマスクであるとき、紫外光線の強度を監視し、また、基板と紫外光線源との間の距離を所望の距離に調節することができる。紫外光線は、最も好ましくは約172ナノメートルの波長を有し、また基板は実質的に垂直又は水平の方向に支持することができる。清浄化気体の雰囲気は酸素又は窒素からなることができる。
[0028] 別の形態において、本発明は、基板を第一のチャンバ内にて支持するステップと、第二のチャンバであって、紫外光線源と、第二のチャンバの壁の少なくとも一部分を形成する紫外線透過性窓部とを有する上記第二のチャンバを第一のチャンバに隣接して提供するステップと、第二のチャンバ内に実質的に不活性な気体雰囲気を提供するステップと、紫外光線が窓部から放出され且つ第一のチャンバ内に入り、これにより基板を紫外光線に対して曝すよう紫外光線源を作動させるステップとを備える、紫外光線を少なくとも1つの基板に提供する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
[0034] 図1及び図2には、本発明による1つの紫外線乾燥モジュール100の実施の形態が概略図的に示されている。基板の処理装置100は、紫外線(「UV」)光ボックス102と、基板の処理チャンバ103と、マスクプラテン104と、紫外線ランプの電源105と、質量流れコントローラを保持する気体ボックス106と、圧送システム109とを含む、装置を作動させる色々な構成要素を支持する支持フレーム組立体101を備えている。基板の処理システム100は、残留する膜及び粒子の形態の汚染物質を除去する目的のため、フォトマスク、レチクル基板、及び半導体基板を低圧力環境内にて紫外光線により照射することを目的とする2チャンバシステムである。基板の処理システム100は、基板の処理チャンバ103と、別個の紫外線チャンバ127(図4に図示)とを備えている。基板の処理チャンバ103及び紫外線チャンバ127は、実質的に垂直に整合されており、紫外線チャンバ127は処理チャンバ103の頂部にある。
[0035] 図3及び図4を参照すると、紫外線光ボックス102は、紫外光線源である紫外線ランプ110を保持する紫外線チャンバ127を形成する。好ましくは、紫外線ランプ110は、約172ナノメートルの波長を有する紫外光線を形成する。作動中、紫外線チャンバ127は、大気圧力に維持され且つ不活性ガスにて充填され、不活性な窒素気体雰囲気を形成することが好ましい。不活性な気体状雰囲気は、紫外線チャンバ127内に維持され、この気体空間内にて紫外光線の吸収を最小にし/減少させる。窒素気体は、窒素気体源/リザーバ(図示せず)に流体的に連結されたパージ接続部111を介して供給(且つ除去)される。これと代替的に、その他の不活性な気体を使用してもよい。質量流れコントローラ、ポンプ及び弁を必要に応じて不活性気体供給管に組み込んで作動上の必要性に適合するようにすることができる。
[0036] 更に、ファセット反射器112が紫外線ランプ110と共に示され、処理チャンバ103内にて支持された基板の表面に対し均一な紫外光線照射を提供する。紫外線チャンバ内にて紫外光線を吸収すると、この反射器は役に立たなくなり、従って、紫外線チャンバ127内は不活性な気体状雰囲気とする。
[0037] 処理チャンバ103は開放した位置と、閉塞した位置とを有する。開放した位置にあるとき、マスクプラテン104は、紫外線チャンバ127から離れた下方位置にある(図1に示すように)。マスクプラテン104は、基板/フォトマスク107を支持する基板/マスク支持体108を備えている。開放した位置にあるとき、基板/フォトマスク107は、基板/マスク支持体108の頂部にて実質的に水平の向きに位置決めすることができる。次に、マスクプラテン104は、該マスクプラテンが完全にガス抜きした鳩の尾状溝内に配置されたチャンバのOリングシール117を圧縮し、これにより処理チャンバ103の側壁116と接触し且つ実質的に密封された嵌まり部を形成する迄、持ち上げられる。処理チャンバ103は、全てステンレス鋼にて出来ており、また、閉塞したとき、1×10−7StdCC/sec空気以下の漏洩率を有することが好ましい。閉塞し且つ密封されたならば、処理チャンバ103は、真空力を付与することにより大気圧以下の状態にて作動させることができる。清浄化気体のような処理ガスを適正な気体源/リザーバと流体的に連結された気体ポート120(図3)を介して処理チャンバ103に供給することができる。
[0038] 図3のみを参照すると、マスクプラテン104は、下方位置に示されている。マスクプラテン104は、案内軸118と組み合さって空気圧リフタを使用することにより、持ち上げることができる。これと代替的に、マスクプラテン104は、静止位置に維持することができる一方、処理チャンバの紫外線光ボックス102(図1)及び側壁116(図4)は、持ち上げ且つ(又は)下降させることができる。マスクプラテン104は、ステンレス鋼にて出来たものであることが好ましい。チャンバ支持体119は、チャンバ103を持ち上がった静止位置に支持するのを助ける。更に別の代替的な実施の形態において、処理チャンバ103は、基板/フォトマスクを自動化したハンドリングシステムにて挿入し且つ除去することを許容する密封可能な開口部を備えることができる。
[0039] 図4を再度参照すると、紫外線チャンバ127と処理チャンバ103との間に、特殊なフッ化ガラス又はサファイアで出来た紫外線透過性窓部113が配置されている。紫外線透過性窓部113は、窓部の締結組立体114及びOリングシール115と共に位置保持され、該Oリングシールは、紫外線チャンバ127を密封し、これにより紫外線チャンバ103から隔離するため設けられる。紫外線透過性窓部113は、処理チャンバ103及び紫外線チャンバ127が異なる圧力にて維持されることに起因する、この窓部における圧力差に耐えるのに十分に厚い。
[0040] 互いに隔離されたチャンバ103、127は、処理チャンバ103を紫外線チャンバ127と異なる圧力にて同時に作動させることを許容する。より具体的には、処理を準備する間、処理チャンバ103は、最初に、大気以下の圧力にて作動させ、フォトマスク、レチクル基板及び半導体基板の清浄化及び(又は)表面処理のような処理に望まれる特定の気体組成物にて処理チャンバ103を再充填しながら、望ましくない気体を処理雰囲気から除去する。
[0041] 紫外線パワー検出器121は、マスクプラテン104内に一体化されて処理の全体に亙って紫外光線の強度を監視する。これと代替的に、一体型紫外光線検出システムを紫外線チャンバ127内に含めてもよい。紫外線ランプは、典型的に寿命が短いため、紫外線パワー検出器121が望まれる。
[0042] 処理中、酸素気体を処理チャンバ103内に導入すると、存在する酸素の量に比例してオゾンを発生させる。しかし、オゾンは、172nm波長の極めて強力な吸収体であり、このため、オゾンの濃度は、正確に制御して短い波長、高エネルギの光線が基板/フォトマスク107の表面に付与され、その基板/フォトマスクにてオゾンが化学的活性を促進するようにする必要がある。従って、かかる監視を実行するためオゾン検出器122が処理チャンバ103に連結されている。
[0043] 新たな基板/フォトマスクを新たに装填する毎に、処理チャンバ103内に正確な処理気体の組成を再確立しなければならない。本発明の大気圧以下の能力は、これを迅速に実行して高生産性をシステムに与える能力を提供する。
[0044] 基板/フォトマスク支持体108は、閉塞した位置にあるとき、マスクプラテン104に対する高さが調節可能であり、基板/フォトマスク107を紫外線窓部113から所定の距離に配置する。窒素、酸素に対する質量流れコントローラ及び将来の使用物(アルゴン)に対する補助的ポートを設けて有機物を除去する目的のため、酸素の組成を正確に制御する能力に加えて、表面処理目的のため、完全に不活性な環境(純粋な窒素又はアルゴンの環境)を許容することができる。清浄化目的のため、紫外線源は、基板における有機質汚染物質を酸化するため、オゾン及び遊離基酸素を発生させる。
[0045] 粗調整弁123及びCDAに対する僅かな換気口を有する換気弁124(図2)も処理チャンバ103に作動可能に連結されている。更に、図3に示すように、熱電対真空ゲージ125を設けることもできる。
[0046] 次に、図5を参照すると、ウェハ処理装置500が湿式清浄化チャンバ502と、紫外線乾燥チャンバ504と、ウェハのような基板を処理すべく使用される基板の搬送チャンバ506とを備える、本発明の1つの実施の形態が示されている。必要な処理量に依存して、1つ以上の湿式清浄化チャンバ502及び1つ以上の紫外線乾燥チャンバ504を装置500内に含めることができる。装置500は、装置500内にて処理された基板を検査するため、ツール(図示せず)を有することのできる検査チャンバ510を備えることができる。ツールは、液体の全てがウェハから除去されたかどうかを確認すべくウェハを検査する装置を含むことができる。
[0047]ウェハ処理装置500は、例えば、2つの湿式清浄化チャンバ502と、2つの紫外線乾燥チャンバ504と、基板の搬送チャンバ506とのような幾つかの単一のウェハ処理チャンバを含む1つの群を備えることができる。装置500は、ロボット式アーム組立体509の回りに配置されたその他のものを含むこともできる。図示した装置500は、各々が清浄化し且つ乾燥すべき複数のウェハを保持する、多数のウェハカセット512、514も備えている。
[0048] 1つの実施例において、ウェハは、最初に、湿式清浄化チャンバ502内にて処理され、巨視的清浄化を行い視覚的に検出可能な残留物又は液体(例えば、粒子及び試薬)の全てを除去する。次に、ウェハを紫外線乾燥チャンバ504に移動して、視覚的に検出できないが、ウェハに形成されたフィルムの空隙又は細孔内に取り込まれた液体を除去する。装置500内のウェハの清浄化過程は、時間調節した順序にて進行し、利用可能な空間及びロボット式アーム組立体509の使用を最適にする。フィルムが形成されたウェハを清浄化し且つ乾燥させる1つの可能な順序は、ロボット式アーム組立体509が清浄でないウェハをウェハカセット512から取り出し、ウェハを湿式清浄化チャンバ502内に配置し、清浄となったウェハを別の湿式清浄化チャンバ502から取り出し、この清浄なウェハを紫外線乾燥チャンバ504内に配置し、乾燥したウェハを別の紫外線乾燥チャンバ504から取り出し、乾燥したウェハをウェハカセット514内に配置するステップを含む。ウェハカセット512から1つの湿式清浄化チャンバ502、紫外線乾燥チャンバ504及びその後のチャンバへのこの動きは、ウェハの清浄化時間を最適にする。その他の順序の変更例を使用して最適なウェハの清浄化及び乾燥サイクル時間を選ぶことができる。
[0049] 本発明は、当該技術の当業者が容易に実施し且つ使用するのに十分詳細に説明し且つ図示したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、改変例及び改良例が容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】基板を受け取る開放位置にある本発明の1つの実施の形態に従った基板の処理装置の前方斜視図である。
【図2】図1の基板の処理装置の後方斜視図である。
【図3】紫外線光ボックスハウジングを除去した、図1の基板の処理装置の紫外線チャンバ及び基板の処理チャンバの前方斜視図である。
【図4】閉じた位置にあり且つ基板を支持する図1の基板の処理装置の紫外線チャンバ及び基板の処理チャンバの側面断面図である。
【図5】湿式処理モジュール、紫外線乾燥モジュール及び基板の搬送モジュールを有する装置の1つの実施の形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を清浄化する方法において、基板を湿式清浄化モジュール内にて清浄化するステップと、基板を湿式清浄化モジュール内にて乾燥させるステップと、基板を湿式清浄化モジュールから紫外光線源を有する紫外線モジュールまで搬送するステップと、基板を大気以下の圧力及び100℃以下の温度にて紫外光線を使用して紫外線モジュール内にて乾燥させるステップとを備え、湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールは、基板の搬送モジュールと連結され、該基板の搬送モジュールは、基板を湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールまで及び湿式清浄化モジュール及び紫外線モジュールから搬送する、基板を清浄化する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、温度は80℃を超えない、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、基板は、細孔を有する低誘電率の誘電性材料を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、基板は残留する液体を有する細孔を持つ低誘電率の誘電性材料を含み、紫外線モジュール内にて基板を紫外線乾燥させることにより細孔内の残留する液体を除去する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、湿式清浄化モジュールから紫外線乾燥モジュールへの基板の搬送は基板の搬送モジュール内に含まれたロボットにより実行される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、紫外線モジュール内での乾燥は、60ないし90秒間、実行される、方法。
【請求項7】
基板を清浄化する装置において、紫外光線源を有する紫外線モジュールと、乾燥手段を有する湿式清浄化モジュールと、清浄化した基板を湿式清浄化モジュールから紫外線モジュールまで搬送する手段を有する基板の搬送モジュールと、紫外線モジュール内の圧力を降下させる手段と、大気以下の圧力及び100℃以下の温度にて基板を乾燥させることのできる紫外線モジュール内の紫外光線源とを備える、基板を清浄化する装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、紫外光線源は、冷却することなしに、80℃を超えない温度にて172nmのインコヒーレントな真空紫外(VUV)光線を提供するパルスキセノンエキシマーランプである、装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置において、紫外線モジュールは3つの紫外光源を有する真空紫外光ボックスと、窒素の雰囲気内にて172nmのインコヒーレントな真空紫外光線を提供する反射器と、気体の分配マニホルド、真空マニホルド、センサポートを有する真空紫外処理モジュールとを備える、装置。
【請求項10】
請求項7に記載の装置において、圧力を降下させる手段は、1.33kPa(10トル)以下の大気以下の圧力を提供することのできる、装置。
【請求項11】
請求項7に記載の装置において、紫外線モジュールは、紫外線光源を有する真空紫外光ボックスと、不活性な気体雰囲気を発生させる手段と、光ボックス及び紫外線モジュールを分離させる紫外線透過性窓部とを有する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、紫外線透過性窓部は、フッ化ガラス又はサファイアにて出来ている、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置において、均一な紫外光線の透過を実現する反射器を更に備える、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置において、圧力を降下させる手段を作動させたとき、清浄化気体の雰囲気を形成する手段を作動させ、これにより望ましくない気体が除去されたとき、第一のモジュールを清浄化気体にて再充填するコントローラを備える、装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置において、窒素及びアルゴンから成る群から選ばれた不活性気体源を更に含む、装置。
【請求項16】
請求項7に記載の装置において、2つ又はより多くの紫外線モジュールを備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−506268(P2008−506268A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520585(P2007−520585)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024510
【国際公開番号】WO2006/010110
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(506413616)アクリオン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】