説明

測位システム、測位方法及び測位プログラム

【課題】 より短い時間で受信機の状態に応じた測位結果を得る。
【解決手段】 測位サーバ10は、セルラ通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有するセルラ端末20の位置を推定する測位システムである。測位サーバ10は、セルラ端末20におけるセルラ通信に関する情報を取得する無線通信情報取得部14と、無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定部15と、推定された有効性に基づいて、セルラ端末20のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機の位置を推定する測位システム、測位方法及び測位プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を用いて受信機の測位を行う技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、移動体通信網から取得した衛星の位置等を示すアシストデータを利用して、測位を行うAGPS(Assisted GPS)という方式も知られている。
【0003】
GPSによる位置測位が成功しない場合(即ち、GPSによる測位結果がフィックスしない場合)、移動体通信網の信号を用いて測位を行う基地局測位やGPS衛星からの信号と移動体通信網の信号とを併用して測位を行うハイブリッド(Hybrid)と呼ばれる測位が行われることがある。
【非特許文献1】井坂丈泰、「GPS技術入門」、東京電機大学出版局、2003年2月28日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、GPSによる位置測位が成功するか否かは、実際に測位を開始してみないと判らなかった。また、上記の判断を含むGPS測位も時間がかかっていた。受信機において演算処理が行われるUE−based AGPS測位方式では、特に時間がかかっていた。例えば、GPS衛星からの信号が受信できない屋内においては、GPS測位が不能となった後に、基地局測位等の別の測位に入るため測位全体の時間としては多くの時間がかかっていた。この場合、測位に時間がかかった割には測位精度が悪い結果しか返ってこないという結果になる。また、市街地等では、屋外であってもマルチパスの影響で、良好なGPSの測位精度が出ないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、より短い時間で受信機の状態に応じた測位結果を得ることができる測位システム、測位方法及び測位プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る測位システムは、無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定する測位システムであって、受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得手段と、無線通信情報取得手段によって取得された無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定手段と、有効性推定手段によって推定された有効性に基づいて、受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る測位システムでは、受信機における無線通信に関する情報が取得される。続いて、当該情報に基づいてGPS測位の有効性が推定されて、当該有効性に基づいて、受信機におけるGPS測位の実行が制御される。上記の受信機における無線通信に関する情報は、受信機の状態に応じたものである。従って、受信機が、GPS測位が行いやすい状態にある場合にはGPS測位を実行させ、GPS測位が行いにくい状態にある場合にはGPS測位を実行させない等の制御を行うことができる。また、上記のように測位システムでは、実行可否の判断に時間がかかるGPS測位を実際に行うことなく、GPS測位の実行可否の制御を行うことができる。即ち、本発明に係る測位システムによれば、より短い時間で受信機の状態に応じた測位結果を得ることができる。
【0008】
受信機が備える無線通信機能は、セルラ通信機能であり、GPS測位制御手段は、GPS測位の実行の制御によってGPS測位が実行されない場合に、受信機と基地局との間で送受信された信号に基づいて、当該受信機の測位を行なうように制御する、ことが望ましい。この構成によれば、GPS測位が行われない場合であっても、受信機の測位結果を得ることができる。
【0009】
測位システムは、測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶した測位精度データベースを更に備え、受信機が備える無線通信機能は、セルラ通信機能であり、無線通信情報取得手段は、受信機によって受信された基地局からの信号に基づいて、無線通信に関する情報として受信機の概算位置を算出して、有効性推定手段は、無線通信情報取得手段によって算出された概算位置を測位位置として、測位精度データベースを参照してGPS測位の精度を示す情報を取得することによって、GPS測位の有効性を推定する、ことが望ましい。この構成によれば、測位位置に応じたGPS測位の精度に基づいて、GPS測位の実行可否の制御を行うことができ、より適切に本発明を実施することができる。
【0010】
具体的には、GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じてGPS衛星からの電波の受信状態をシミュレーションした情報を含むことが望ましい。また、GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じてGPS衛星が遮蔽される度合を示す情報に基づくことが望ましい。また、GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じた土地の種類を示す情報に基づくことが望ましい。また、GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じて実測して得られたGPS測位の精度を示す情報に基づくことが望ましい。また、GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じた土地の建蔽率又は容積率に基づくことが望ましい。これらの構成によれば、測位位置に応じたGPS測位の精度をより正確なものにすることができ、更に適切に本発明を実施することができる。
【0011】
無線通信情報取得手段は、受信機によって受信された無線通信の信号の強度に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を無線通信に関する情報とすることが望ましい。GPS測位の実行できるか否かは、受信機が屋内にいるか否かに大きく係わっている。上記の構成によれば、受信機が屋内にいるか否かを適切に判定することができ、より適切に本発明を実施することができる。
【0012】
無線通信情報取得手段は、受信機によって受信された無線通信の信号の強度の時間変化に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を無線通信に関する情報とすることが望ましい。上記の構成によれば、受信機によって受信された無線通信の信号の強度の時間変化に基づいて、受信機が屋内にいるか否かをより適切に判定することができ、より適切に本発明を実施することができる。
【0013】
無線通信情報取得手段は、受信機によって受信された無線通信の信号の発信元に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を無線通信に関する情報とすることが望ましい。上記の構成によっても、受信機が屋内にいるか否かを適切に判定することができ、より適切に本発明を実施することができる。
【0014】
無線通信情報取得手段は、受信機によって受信された無線通信の信号に含まれる情報に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を無線通信に関する情報とすることが望ましい。上記の構成によっても、受信機が屋内にいるか否かを適切に判定することができ、より適切に本発明を実施することができる。
【0015】
受信機によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶したマッチング用データベースを更に備え、無線通信情報取得手段は、無線通信に関する情報として受信機によって受信された無線通信の信号の強度を示す情報を取得して、有効性推定手段は、無線通信情報取得手段によって取得された受信機によって受信された無線通信の信号の強度を示す情報と、マッチング用データベースに記憶された情報とを比較することによって、GPS測位の有効性を推定する、ことが望ましい。受信機によって受信される無線通信の信号の強度が、受信機の位置等の状態に応じたものになる場合、この構成によれば、GPS測位の実測結果等に基づいて、適切にGPS測位の有効性を推定することができる。これにより、より適切に本発明を実施することができる。
【0016】
測位システムは、受信機に接続される測位サーバによって構成されることが望ましい。あるいは、測位システムは、受信機によって構成されることが望ましい。これらの構成によれば、確実に本発明を実施することができる。
【0017】
ところで、本発明は、上記のように測位システムの発明として記述できる他に、以下のように測位方法及び測位プログラムの発明としても記述することができる。これはカテゴリ等が異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0018】
即ち、本発明に係る測位方法は、無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定する測位方法であって、受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得ステップと、無線通信情報取得ステップにおいて取得された無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定ステップと、有効性推定ステップにおいて推定された有効性に基づいて、受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る測位プログラムは、コンピュータに、無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定させる測位プログラムであって、受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得機能と、無線通信情報取得機能によって取得された無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定機能と、有効性推定機能によって推定された有効性に基づいて、受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、受信機が、GPS測位が行いやすい状態にある場合にはGPS測位を実行させ、GPS測位が行いにくい状態にある場合にはGPS測位を実行させない等の制御を行うことができる。また、実行可否の判断に時間がかかるGPS測位を実際に行うことなく、GPS測位の実行可否の制御を行うことができる。即ち、本発明によれば、より短い時間で受信機の状態に応じた測位結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面とともに本発明に係る測位システム及び測位方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1に、本実施形態に係る測位システムである測位サーバ10を示す。測位サーバ10は、本実施形態に係る受信機であるセルラ端末20の位置を推定する装置である。測位サーバ10によるセルラ端末20の測位(の制御)は、セルラ通信システム(移動通信システム)の枠組みを利用して行われる。測位サーバ10は、セルラ通信システムに含まれる複数のセルラ基地局30と接続されており各セルラ基地局30との間で情報を送受信することができ、また、セルラ基地局30を介してセルラ端末20との間で通信を行うことができる。また、測位サーバ10は、セルラ通信システムに含まれていてもよい。
【0023】
本実施形態に係る測位サーバ10を詳細に説明する前に、測位対象であるセルラ端末20について説明する。セルラ端末20は、無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する装置であり、具体的には、図1に示すようにセルラ通信部21と、GPS受信部22と、データ蓄積部23とを備えて構成されている。
【0024】
セルラ通信部21は、セルラ通信システムのセルラ通信網(移動体通信網)に含まれる複数のセルラ基地局30との間で無線通信することにより、セルラ通信(移動体通信)を行う手段である。セルラ通信部21には、セルラ通信用のアンテナが設けられており、そのアンテナが用いられてセルラ通信が行われる。セルラ通信部21は、電話通信等の通常のセルラ通信を行うと共に、測位サーバ10における自端末20の測位のために用いられるセルラ通信による情報を取得する。具体的にどのような情報を取得するのかについては後述する。セルラ通信部21は、取得した情報をデータ蓄積部23に蓄積させる。
【0025】
また、セルラ通信部21は、セルラ基地局30(セルラ通信網)を介して測位サーバ10との間で情報の送受信を行う。セルラ通信部21は、データ蓄積部23に蓄積されている、測位サーバ10において測位のために用いられる情報を、測位サーバ10に送信する。セルラ通信部21から測位サーバ10に送信される情報には、後述するGPS測位や基地局測位に用いられる情報と、GPS測位の制御に用いられる情報(後述する無線通信に関する情報、又は当該無線通信に関する情報を生成するための情報)とが含まれる。この送信は、セルラ端末20の測位が行われる際に、例えば測位サーバ10からの要求又は自端末20に対してのユーザからの操作をトリガとして行われる。
【0026】
GPS受信部22は、GPS衛星40から送信される、測位に用いられる信号を受信する手段である。GPS受信部22には、GPS衛星からの信号を受信するためのアンテナが設けられており、そのアンテナが用いられて受信が行われる。GPS受信部22は、GPS測位の演算に用いられる、受信したGPS衛星40からの信号に関する情報をデータ蓄積部23に蓄積させる。なお、GPS測位の演算自体は、測位サーバ10にて行われる。
【0027】
上記のGPS衛星40は、時刻に応じて所定の場所に位置しており、当該位置から測位に用いられる測位用の信号を送信している。具体的には、GPS衛星40は、高度約2万kmの6個の周回軌道上に4〜5個ずつ配置されており、時間の経過に伴って周回軌道上を移動する。GPS衛星40が送信する測位用の信号には、GPS衛星40を区別して特定するための識別情報、GPS衛星40の軌道を示す情報、及び信号を送信した時刻を示す情報が含まれている。
【0028】
データ蓄積部23は、セルラ通信部21及びGPS受信部22各々によって取得された測位に用いられる情報が格納される。以上が、セルラ端末20の機能構成である。
【0029】
引き続いて、図2に本実施形態に係るセルラ端末20のハードウェア構成を示す。図2に示すように、セルラ端末20は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、操作部204、ディスプレイ205、セルラ通信モジュール206、セルラ通信用アンテナ207、GPS受信モジュール208及びGPS受信用アンテナ209等のハードウェアにより構成されている。これらの構成要素が動作することにより、上述した機能が発揮される。以上が、セルラ端末20の構成である。
【0030】
続いて、測位サーバ10について説明する。図1に示すように、測位サーバ10は、送受信部11と、GPS測位演算部12と、基地局測位演算部13と、無線通信情報取得部14と、有効性推定部15と、推定用データベース16と、GPS測位制御部17とを備えて構成される。
【0031】
送受信部11は、セルラ基地局30を介してセルラ端末20との間で情報の送受信を行う手段である。送受信部11は、セルラ端末20から受信した情報を、情報に応じてGPS測位演算部12、基地局測位演算部13及び無線通信情報取得部14に出力する。
【0032】
GPS測位演算部12は、セルラ端末20の位置をGPS測位によって算出する手段である。具体的には、GPS測位演算部12は、(セルラ端末20のGPS受信部22によって受信されて)セルラ端末20から測位サーバ10に送信された、セルラ端末20がGPS衛星40から受信した信号の情報を受信する。続いて、GPS測位演算部12は、その情報からGPS衛星40の位置、セルラ端末20からGPS衛星40までの距離等を算出して、セルラ端末20の位置を算出する。また、この算出には、セルラ端末20によってセルラ通信システムから取得されて測位サーバ10に送信された、GPS衛星40の位置等を示すアシストデータが用いられてもよい。GPS測位演算部12は、後述するようにGPS測位制御部17からGPS測位の実行可否の制御を受けて、GPS測位(演算)を行う。GPS測位演算部12は、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力する。GPS測位演算部12は、GPS測位によるセルラ端末20の位置の算出が失敗した場合、その旨を基地局測位演算部13に通知する。
【0033】
基地局測位演算部13は、セルラ端末20の位置を基地局測位によって算出する手段である。基地局測位とは、具体的には、以下に示すような処理である。基地局測位演算部13は、セルラ端末20から測位サーバ10に送信された、基地局測位測位用の情報を受信する。基地局測位測位用の情報は、例えば、セルラ端末20のセルラ通信部21によって測定されて取得される、セルラ端末20とセルラ基地局30との間で送受信される電波の伝送遅延(例えばRTT:Round Trip Time)や電波の減衰量を示す情報(あるいはそれらの情報を算出するために測定された情報でもよい)、及びセルラ基地局30やセクタを特定する情報(基地局ID,セクタID)である。基地局測位演算部13は、上記の電波の伝送遅延等の情報に基づいて、セルラ端末20とセルラ基地局30との間の距離を算出して、セルラ基地局30の位置情報等を参照して、セルラ端末20の位置を算出する。ここで、測位サーバ10には、セルラ基地局30の位置やセクタの方向を示す情報を、予め記憶している(この情報は、基地局測位演算部13だけでなく後述する無線通信情報取得部14等にも用いられる)。
【0034】
基地局測位演算部13は、後述するようにGPS測位制御部17からGPS測位の実行可否の制御を受けて、基地局測位(演算)を行う。また、GPS測位演算部12からGPS測位によるセルラ端末20の位置の算出が失敗した旨の通知がなされた場合にも、基地局測位(演算)を行う。基地局測位演算部13は、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力する。なお、基地局測位については、GPS測位と比べて相対的に速い時間で測位処理を行うことができる。
【0035】
無線通信情報取得部14及び有効性推定部15は、GPS測位によるセルラ端末20の位置の算出を行うか否かを判定するための手段である。この判定には、大きく分けて、測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報に基づいて行う方法と、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判別結果に基づいて行う方法との2つの方法がある。以下、それぞれの方法毎に無線通信情報取得部14及び有効性推定部15の機能を説明する。まず、測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報に基づいて判定するための構成について説明する。
【0036】
無線通信情報取得部14は、セルラ端末20における無線通信(セルラ通信)に関する情報を取得する無線通信情報取得手段である。無線通信に関する情報は、GPS測位によるセルラ端末20の位置の算出を行うか否かを判定するための情報である。
【0037】
具体的には、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって受信されたセルラ基地局30からの信号に基づいて、無線通信に関する情報としてセルラ端末20の概算位置を算出する。例えば、セルラ端末20が通信を行っているセルラ基地局30やセクタを特定する情報を、セルラ端末20から受信して、その情報からセルラ端末20の概算位置を算出する。具体的には、セルラ基地局30がある位置やセクタの中心位置等をセルラ端末20の概算位置とする。また、無線通信情報取得部14は、基地局測位演算部13と同様の基地局測位を行ってセルラ端末20の概算位置としてもよい。無線通信情報取得部14は、算出したセルラ端末20の概算位置の情報を有効性推定部15に出力する。なお、概算位置の算出については、上記のGPS測位と比べて相対的に速い時間で処理を行うことができる。
【0038】
有効性推定部15は、無線通信情報取得部14によって取得された無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定手段である。具体的には、無線通信情報取得部14から無線通信に関する情報としてセルラ端末20の概算位置の情報が入力されると、有効性推定部15は、当該概算位置を測位位置として、推定用データベース16を参照してGPS測位の精度を示す情報を取得することによって、GPS測位の有効性を推定する。
【0039】
推定用データベース16は、GPS測位の有効性を推定するための情報を格納したデータベースである。具体的には、推定用データベース16は、測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶した測位精度データベースである。GPS測位の精度とは、上記の測位位置においてGPS測位によって、(より正確な)セルラ端末20の位置が得られる度合を示す。GPS測位の精度は、セルラ端末20が上記の測位位置でGPS衛星40から信号を受信できる度合、受信できた信号から測位演算によってセルラ端末20の位置を算出できる度合(受信される信号の質が高い度合)等が高いほど高くなる。
【0040】
例えば、推定用データベース16は、図3に示すようなテーブルに、測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報を格納している。本実施形態では、測位位置を示す情報をメッシュに区切った場所として、メッシュを表す情報を保持する。メッシュを表す情報としては、各メッシュを特定するメッシュ番号、メッシュの大きさを示すメッシュサイズ、並びにメッシュの場所を示すメッシュ中点緯度及びメッシュ中点経度がある。それらの情報に対応付けて、「良好」又は「劣悪」かのGPS測位の精度を示す情報を保持する。ここで、メッシュは、例えば、一辺が数m程度の矩形等の大きさに設定される。
【0041】
有効性推定部15は、推定用データベース16を参照して、セルラ端末20の概算位置がいずれのメッシュに位置するかを決定して、そのメッシュに対応するGPS測位精度の情報を取得することによって有効性を推定する。具体的には、例えば、GPS測位精度が「良好」であるとされた場合GPS測位は有効であると推定し、GPS測位精度が「劣悪」であるとされた場合GPS測位は有効でないと推定する。有効性推定部15は、推定したGPS測位の有効性を示す情報をGPS測位制御部17に出力する。
【0042】
ここで、推定用データベース16に格納されるGPS測位の精度を示す情報について説明する。この情報は、例えば、以下のようないくつかの方法によって推定することができる。
【0043】
建物データベースを用いて、測位位置に応じてGPS衛星40からの電波の受信状態をシミュレーションして推定することができる(GPS測位精度推定法1)。建物データベースは、建物の位置、形状等を示す情報が格納されたデータベースである。レイトレースの手法を用いて、図4に示すようなセルラ端末20による電波の受信状況を詳細にシミュレーションすることができる。レイトレースは、建物データベースの情報をもとに幾何学的な手法を用いて、送信点(GPS衛星40の位置)から放射された電波がマルチパスによって様々な建物50に反射、回折されて受信点(測位位置)に到達する経路を計算する手法として確立されている。GPS衛星40の軌道は決まっているので、ある時刻のGPS衛星40の位置は、GPS衛星40の軌道情報を元に求めることができる。このGPS衛星40の位置から送信された電波をレイトレースの手法を用いて、受信点までの伝搬経路長を計算する。この伝搬経路長とGPS衛星40から受信点までの直線距離との差分をΔdとすると、受信点でのGPS衛星40の受信タイミングは、Δdだけ遅れることになる。この受信点で、受信可能なGPS衛星40の数をnとすると、それぞれのGPS衛星40に対してΔdを求めて、この分散をDとする。
【0044】
GPS測位での測位誤差はこの分散Dに比例するため、Dが大きいとGPS測位の精度が悪いと推定できる。以上の手法を用いて、測位の対象となるサービスエリア内の全ての点に対してDを求める。続いて、メッシュ内にある受信点でのDの平均値F(マルチパス影響度指数)を求める(図3に示される、推定用データベース16に格納されているFはこの値である)。Fが大きいとそのメッシュ内ではGPS測位の精度が悪いと見なせるので、予め設定しておいた閾値kを用いて、閾値がkを超える場合は、そのメッシュはGPS測位の精度が「劣悪」であると判断し、超えない場合には「良好」であると判断する。このように判断された情報が、GPS測位精度を示す情報として推定用データベース16に格納される。
【0045】
GPS測位の精度を示す情報は、建物データベースを用いて測位位置に応じてGPS衛星40が遮蔽される度合を算出して、当該度合に基づくものにもすることができる(GPS測位精度推定法2)。建物が何も無い平原では、地上の点から空が見える範囲は、地平線から下が遮蔽されてしまうので半球状に分布している。ここに建物が建つと、観測点から見て建物の立っている部分だけ、更に遮蔽されていることになる。建物の大きさと位置、及び観測点の位置が分かれば遮蔽されている方位角の範囲と、仰角の範囲とを求めることができ、この両者の範囲の積から角度範囲を特定することができる。建物データベースを用いると、任意の観測点における遮蔽度合を計算することができる。半球に対する遮蔽による角度範囲の比を求め、この比が大きいとGPS衛星40からの電波が受信しにくくなるため、GPSの受信精度が悪いと判断する。上記の受信状態の算出と同様に、メッシュ毎に遮蔽度合を示す指数(半球に対する遮蔽による角度範囲の比)を用意して、メッシュ毎にGPS測位の精度を判断する。このように判断された情報が、GPS測位精度を示す情報として推定用データベース16に格納される。
【0046】
GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じた土地の種類を示す情報に基づくものにもすることができる(GPS測位精度推定法3)。土地の種類を示す情報としては、具体的には、測定位置が市街地、住宅地、郊外地等の都市構造の情報を用いることができる。測位位置と土地の種類との対応関係の情報を用意して、予め設定された土地の種類とGPS測位の精度を示す情報との対応関係から、測定位置に応じたGPS測位の精度を決定することができる。例えば、市街地では信号を遮る建物が多くあるためGPS衛星40からの信号が受信しにくいためGPS精度を低くし、郊外地では信号を遮る建物が少ないためGPS衛星40からの信号が受信しやすいためGPS精度を高くするといったように設定することができる。上記と同様に、メッシュ毎にGPS測位の精度を設定することができる。
【0047】
GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じて実測して得られたGPS測位の精度を示す情報に基づくものにもすることができる(GPS測位精度推定法4)。この方法では、予め各測位位置でセルラ端末20によってGPS衛星40からの信号を受信させてGPS測位を行い、それによって得られるGPS測位の精度を示す情報が用いられる。実測が行われていない場所は、実測結果を用いて補完する。
【0048】
GPS測位の精度を示す情報は、測位位置に応じた土地の建蔽率又は容積率に基づくものにもすることができる(GPS測位精度推定法5)。ここで、建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合であり、容積率とは、敷地面積に対する建物の述べ床面積の割合である。上述した建物データベースから建蔽率又は容積率を求める。建蔽率が高いと建物が密集しているため、GPS衛星40からの電波が受信しにくく、測位精度が悪いと推定できる。同様に、容積率が高いと種物が密集して林立していることになるので、GPS衛星40からの電波が受信しにくく、測位精度が悪いと推定できる。上述したような各メッシュにおける建蔽率又は容積率の平均値を求め、予め定めておいた閾値を超える場合は、そのメッシュでの測位精度は悪いと判断される。
【0049】
上記の各GPS測位の精度を示す情報は、測位サーバ10以外の装置において生成された上で測位サーバ10に入力されてもよいし、生成するための情報を測位サーバ10に入力して測位サーバ10によって生成されてもよい。その場合、有効性推定部15によるGPS測位の有効性の推定の前に予め生成が行われる。
【0050】
上記のGPS測位の有効性を推定に用いた概算位置の情報は、特定の位置を示す情報(例えば、セルラ基地局30がある位置)を用いたが、必ずしも特定の位置を示す情報が用いられる必要はない。例えば、セルラ基地局30を特定するセルID等の位置に対応する情報であればどのような情報が用いられてもよい。また、基地局測位演算部13と同様な測位演算によって得られた位置情報が用いられてもよい。
【0051】
上記の各GPS測位の精度を示す情報は、それぞれが単独で用いられてもよいが、複数の精度を示す情報を組み合わせて総合的にGPS測位の精度を決定してもよい。例えば、それぞれの精度を示す情報を点数化して、点数の合計によってGPS測位の精度を決定してもよい。上記が測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報に基づいてGPS測位の有効性を判定するための構成である。
【0052】
続いて、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判定結果に基づいて、GPS測位によるセルラ端末20の位置の算出を行うか否かを判定する場合の構成について説明する。この場合、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって受信されたセルラ通信の信号に基づいて、セルラ端末20が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を無線通信に関する情報とする。
【0053】
例えば、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって、セルラ基地局30から受信されたセルラ通信の信号の強度に基づいて、屋内外を判定する(屋内外推定法1)。具体的には、以下のように複数のセルラ基地局30からの電波の受信レベルの整合性により屋内外を判定する。
【0054】
図5に2つのセルラ基地局30からの距離と受信レベルとの関係を示す。屋外にあるセルラ基地局30から放射された電波は伝搬する距離に従い減衰し、距離が離れるほど受信レベルは低下する。セルラ基地局30から放射される電波の受信レベルは、セルラ基地局30からの距離に基づいて予測することができ、図5に示す、屋外での受信レベルとセルラ基地局30からの距離との関係を示す特性曲線(受信レベル曲線)を予め用意することができる。屋外にあるセルラ基地局30から電波が建物内に到達する場合、屋外での受信レベルから建物侵入損失Xだけ減衰してセルラ端末20に到達することが知られている。具体的には、電波が建物内に侵入する場合、数10dB程度の減衰が生じる。
【0055】
図5に示す例の場合、セルラ端末20は屋内にあり、セルラ基地局A及びセルラ基地局Bの電波を受信している。この場合、セルラ端末20が受信したセルラ基地局Aからの電波の受信レベル(m1)は屋外で同じ位置にいる場合に受信されるレベルに比べてXだけ減衰される。同様に、基地局Bからの電波の受信レベル(m2)もXだけ減衰される。m1、m2の受信レベルでの電波が屋外で受信されセルラ端末20がセルラ基地局Aとセルラ基地局Bとを結ぶ直線上に位置しているものとすると、屋外での受信レベル曲線を参照するとセルラ基地局A(m1)から受信された電波に基づく位置はp1となり、セルラ基地局B(m2)から受信された電波に基づく位置はp2となる。セルラ端末20はセルラ基地局A及びセルラ基地局Bからも同時に電波を受信しているため、セルラ端末20がセルラ基地局Aとセルラ基地局Bとを結ぶ直線上に位置しているものとすると、受信レベルから推定される位置がセルラ基地局Aとセルラ基地局Bとで異なったものとなり、矛盾を生じる。
【0056】
よってp1とp2との差分(距離)を求めて、これが予め定めておいた閾値Tよりも大きい場合は上記の矛盾が生じたと判断することができる。この結果、予め定めておいた建物侵入損失Xを加算して、セルラ端末20が受信した結果m1,m2から屋外での受信レベル曲線を用いて、それぞれの電波に基づく位置を求めると、両者とも位置ptとなり、2つのセルラ基地局からの情報が整合する。
【0057】
上記の原理を用いて、セルラ端末20が屋内にいるのか屋外にいるのかを判定する。ここでは、セルラ端末20がセルラ基地局Aとセルラ基地局Bとを結ぶ直線上(一次元上)に位置している場合の例を示したが、セルラ端末20が二次元平面上にある場合も、セルラ基地局30を3つ以上用いて同様に判定することができる。以下にセルラ基地局30が3つ以上ある場合の例を、図6を用いて説明する。
【0058】
無線通信情報取得部14は、セルラ端末20が電波を受信したセルラ基地局A,B,Cを特定する情報と、当該電波の受信レベルを示す情報とを、セルラ端末20から受信する。無線通信情報取得部14は、予め記憶しておいた受信レベル曲線に基づいて、電波の受信レベルから、それぞれのセルラ基地局A,B,Cからの距離p1,p2,p3を求める。
【0059】
図6(a)に示すように、セルラ基地局A,B,Cの座標(位置)と距離p1,p2,p3から3つの円がかけるが、この3つの円の交点d,e,fを幾何的に一意に求めることができる。なお、無線通信情報取得部14は、地理情報データベース(GISデータベース)等を利用した各セルラ基地局30の座標の情報を予め記憶しており、それを利用して上記の交点を算出する。
【0060】
各交点d,e,fが離れていると一次元の場合に説明したように矛盾が生じていることになるので、無線通信情報取得部14は、3つの点d,e,fのそれぞれの距離の和を求めて、以下の式のようにこれが閾値Sよりも大きいか否か判断して大きければ矛盾が生じていると認識する。
|d−e|+|d−f|+|e−f|>S
この場合、無線通信情報取得部14は、予め設定されている建物侵入損失Xを用いて受信レベルの補正を行い再度、受信レベル曲線から距離p1´,p2´,p3´を求める。続いて、図6(b)に示すように、セルラ基地局A,B,Cの位置を中心として距離p1´,p2´,p3´から定まる3つの円の交点d´,e´,f´を求め、交点d´,e´,f´のそれぞれの距離の和を求める。この和の値が、以下の式のように閾値Uよりも小さいか否か判断して、小さいと判断されればこのセルラ端末20が屋内にいると判定する。
|d´−e´|+|d´−f´|+|e´−f´|<U
【0061】
また、ここでは単純な受信レベル曲線を用いたがレイトレース等の高度な伝搬推定技術を用いて更に複雑な受信レベル曲線を求めることができ、この曲線を用いても同様な判定が可能になる。この場合、受信レベル曲線も複雑になり、受信レベルは距離に対して単調な減少傾向を示すとは限らないので、一つの受信レベルに対して、複数の距離をもつことが考えられる。この場合、パターンマッチングの手法を用いて屋内にいるかどうかの判定を行う。
【0062】
パターンマッチングの手法として、複数の距離が判定された場合、全ての組み合わせに対して、上記の判定を行い、この組み合わせの中で上記の2つの条件(閾値S,Uを用いた条件)を満たす組み合わせがある場合、セルラ端末20が屋内にいると判定する。上記の条件を満たさない場合は、判定不能となる。
【0063】
また、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって、セルラ基地局30から受信されたセルラ通信の信号に含まれる情報に基づいて、屋内外を判定してもよい(屋内外推定法2)。
【0064】
具体的には例えば、セルラ基地局30から受信される報知情報に含まれる、セルラ基地局30(自装置)を特定する情報に基づいて判定する(即ち、このセルラ基地局30は、セルラ端末20と無線通信を行っている装置になる)。その場合、測位サーバ10では、推定用データベース16等において、図7に示す、セルラ基地局30を特定する情報(基地局名)に対応付けて、当該セルラ基地局30が屋内にあるか屋外にあるかを示す情報を保持しておく。この情報は、測位サーバ10の管理者等によって予め入力される。
【0065】
無線通信情報取得部14は、送受信部11を介して、図8に示すようなセルラ端末20が受信された報知情報に含まれるセルラ基地局名と、当該報知情報の受信時の受信レベルとを対応付けた情報を、セルラ端末20から受信する。図8(a)に示す例では、セルラ端末20では、基地局Bからの信号が受信レベル65で受信され、基地局Cからの信号が受信レベル45で受信されたことを示している。
【0066】
続いて、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20から受信された情報に基づいて、上述したセルラ基地局30が屋内にあるか屋外にあるかを示す情報を参照して、セルラ端末20が信号を受信したセルラ基地局30が屋内にあるか屋外にあるかを判断する。無線通信情報取得部14は、その判断に基づいて、セルラ端末20の屋内外を判定する。具体的には、セルラ端末20が信号を受信したセルラ基地局30の何れかが屋内にあるものであった場合、セルラ端末20は屋内にいるものとして判定する。セルラ基地局30が屋内にあるか屋外にあるかを示す情報が図7に示す例、セルラ端末20から受信された情報が図8(a)に示す例である場合、基地局Cが屋内にあるセルラ基地局30なので、セルラ端末20は屋内にいるものと判定される。また、セルラ端末20から受信された情報が図8(b)に示す例である場合、屋内にあるセルラ基地局30は存在しないので、セルラ端末20は屋外にいるものと判定される。
【0067】
また、上記の判定において、セルラ端末20から受信された情報において、予め設定された閾値以上の受信レベルのセルラ基地局30のみを用いることとしてもよい。
【0068】
上述した方法においては、屋内外の判定にセルラ基地局30を特定する情報を用いていたが、屋内にあるか屋外にあるかを示す情報と対応付けられた何らかの情報が用いられてもよい。また、その場合、セルラ通信により取得された情報でなくても、セルラ端末20が何らかの無線通信によって受信した情報であればよい。
【0069】
例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等の無線タグを特定する情報が用いられてもよい(屋内外推定法3)。その場合、セルラ端末20が、無線タグの情報を(近距離)無線通信によって読み取る機能を有しており、無線タグから当該無線タグを特定する情報(例えば、タグ名)を読み取る。無線タグは、測位の対象となるサービスエリア内の様々な場所に設置されており、セルラ端末20は、自端末の位置に応じた無線タグから、当該無線タグを特定する情報を読み取ることができる。
【0070】
一方、測位サーバ10では、推定用データベース16等において、図9に示す、無線タグを特定する情報(タグ名)に対応付けて、当該無線タグが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報を保持しておく。この情報は、測位サーバ10の管理者等によって予め入力される。
【0071】
無線通信情報取得部14は、送受信部11を介して、図10に示すようなセルラ端末20が無線タグから読み取ったタグ名を、セルラ端末20から受信する。図10(a)に示す例では、セルラ端末20では、タグBとタグCの無線タグからタグ名を読み取ったことを示している。
【0072】
続いて、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20から受信された情報に基づいて、上述した無線タグが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報を参照して、セルラ端末20がタグ名を読み取った無線タグが屋内にあるか屋外にあるかを判断する。無線通信情報取得部14は、その判断に基づいて、セルラ端末20の屋内外を判定する。具体的には、セルラ端末20がタグ名を読み取った無線タグの何れかが屋内にあるものであった場合、セルラ端末20は屋内にいるものとして判定する。無線タグが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報が図9に示す例、セルラ端末20から受信された情報が図10(a)に示す例である場合、タグCが屋内にあるので、セルラ端末20は屋内にいるものと判定される。また、セルラ端末20から受信された情報が図10(b)に示す例である場合、屋内にある無線タグは存在しないので、セルラ端末20は屋外にいるものと判定される。上記では、RFIDタグの例を示したがその他の近距離無線通信(例えば、Bluetooth)によって読み取られた情報が屋内外の判定に用いられてもよい。
【0073】
また、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを特定する情報が用いられてもよい(屋内外推定法4)。その場合、セルラ端末20は、無線LANに接続して通信する機能を有している。セルラ端末20は、無線通信を行っている無線LANのアクセスポイントを特定する情報(例えば、MACアドレス)を取得する。無線LANのアクセスポイントは、測位の対象となるサービスエリア内の様々な場所に設置されており、セルラ端末20は、自端末の位置に応じたアクセスポイントと無線通信を行う。
【0074】
一方、測位サーバ10では、推定用データベース16等において、図11に示す、アクセスポイントを特定する情報(無線LANアドレス名)に対応付けて、当該アクセスポイントが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報を保持しておく。この情報は、測位サーバ10の管理者等によって予め入力される。
【0075】
無線通信情報取得部14は、送受信部11を介して、図12に示すようなセルラ端末20がアクセスポイントから取得した無線LANアドレス名を、セルラ端末20から受信する。図12(a)に示す例では、セルラ端末20では、無線LANアドレスBと無線LANアドレスCのアクセスポイントから無線LANアドレス名を取得したことを示している。
【0076】
続いて、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20から受信された情報に基づいて、上述したアクセスポイントが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報を参照して、セルラ端末20が無線LANアドレス名を読み取ったアクセスポイントが屋内にあるか屋外にあるかを判断する。無線通信情報取得部14は、その判断に基づいて、セルラ端末20の屋内外を判定する。具体的には、セルラ端末20が無線LANアドレス名を取得したアクセスポイントの何れかが屋内にあるものであった場合、セルラ端末20は屋内にいるものとして判定する。アクセスポイントが屋内に設けられているか屋外に設けられているかを示す情報が図11に示す例、セルラ端末20から受信された情報が図12(a)に示す例である場合、無線LANアドレスBのアクセスポイントが屋内にあるので、セルラ端末20は屋内にいるものと判定される。また、セルラ端末20から受信された情報が図12(b)に示す例である場合、屋内にあるアクセスポイントは存在しないので、セルラ端末20は屋外にいるものと判定される。
【0077】
以上が、無線通信情報取得部14による、セルラ端末20の屋内外の判定である。無線通信情報取得部14は、セルラ端末20の屋内外の判定を示す情報を、無線通信に関する情報として有効性推定部15に出力する。なお、セルラ端末20の屋内外の判定については、上記のGPS測位や基地局測位と比べて相対的に速い時間で処理を行うことができる。また、上記のセルラ端末20の屋内外の各判定結果の情報は、それぞれが単独で用いられてもよいが、各情報を組み合わせて総合的にセルラ端末20の屋内外の判定を行ってもよい。例えば、それぞれの屋内外の判定を示す情報を点数化して、点数の合計が所定の閾値を超えている場合に屋内にいると判定してもよい。
【0078】
有効性推定部15は、無線通信情報取得部14から無線通信に関する情報としてセルラ端末20が屋内にいるか屋外にいるかを示す情報が入力されると当該情報に基づいてGPS測位の有効性を推定する。例えば、セルラ端末20が屋外にあるとされた場合は、GPS測位は有効であると推定し、セルラ端末20が屋内にあるとされた場合は、GPS測位は有効でないと推定される。これは、セルラ端末20が屋外にない場合、GPS衛星40からの電波を受信できないため測位不能となるためである。有効性推定部15は、推定したGPS測位の有効性を示す情報をGPS測位制御部17に出力する。上記が、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判別結果に基づいてGPS測位の有効性を判定するための構成である。
【0079】
GPS測位制御部17は、有効性推定部15によって推定された有効性に基づいて、セルラ端末20のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御手段である。具体的には、GPS測位制御部17は、GPS測位が有効であるとされた場合、GPS測位演算部12に対して、GPS測位を実行させるように制御する。一方、GPS測位が有効でないとされた場合、基地局測位演算部13に対して基地局測位を実行させるように制御する(GPS測位演算部12に対してはGPS測位の実行は指示しない、あるいはGPS測位の実行を禁止する)。以上が、測位サーバ10の機能構成である。
【0080】
図13に測位サーバ10のハードウェア構成を示す。図13に示すように測位サーバ10は、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した測位サーバ10の機能が発揮される。
【0081】
引き続いて、図14のフローチャートを用いて、本実施形態に係る測位サーバ10で実行される測位処理(測位方法)を説明する。この処理は、例えば、測位サーバ10によって、セルラ端末20からセルラ通信網を介して測位要求が受信されることによって開始される。なお、上記以外をトリガとして測位処理が開始されてもよい。
【0082】
まず、セルラ端末20において取得された、セルラ通信部21による通信の情報が測位サーバ10に送信される。この情報は、上述した無線通信に関する情報に係るものである。測位サーバ10では、送受信部11を介して無線通信情報取得部14によって当該情報が受信される。受信された情報に基づいて、無線通信情報取得部14によって、無線通信に関する情報が取得される(S01、無線通信情報取得ステップ)。無線通信に関する情報は、上述したようにセルラ端末20の概算位置を示す情報、及びセルラ端末20が屋内にいるか否かの判定情報である。取得された上記の無線通信に関する情報は、無線通信情報取得部14から有効性推定部15に出力される。
【0083】
続いて、有効性推定部15によって、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判定情報からGPS測位の有効性が推定される(S02、有効性推定ステップ)。上記からGPS測位が有効であると推定された場合、即ち、セルラ端末20が屋外にいると判定されていた場合、続いて、有効性推定部15によって、推定用データベース16が参照されてセルラ端末20の概算位置を示す情報からGPS測位の精度を示す情報が取得され、それに基づいてGPS測位の有効性が推定される(S03、有効性推定ステップ)。上記からGPS測位が有効であると推定された場合、即ち、GPS測位の精度が良好と推定された場合、その旨が有効性推定部15からGPS測位制御部17に入力される。
【0084】
GPS測位が有効である旨がGPS測位制御部17に入力されると、GPS測位制御部17からGPS測位演算部12に対して、セルラ端末20のGPS測位を実行させる制御が行われる。続いて、制御を受けたGPS測位演算部12によって、GPS測位演算が行われる(S04、GPS測位制御ステップ)。なお、GPS測位演算を行うための、セルラ端末20によるGPS衛星40からの測位用信号の受信に係る情報は、この時点で測位サーバ10からセルラ端末20に要求されて取得してもよいし、セルラ端末20からこの時点までに送信するようにされていてもよい。
【0085】
GPS測位演算部12によるGPS測位演算が成功した場合(S05)、GPS測位演算部12によって、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。
【0086】
S02及びS03の何れか一方で、GPS測位が有効でないと推定された場合、即ち、セルラ端末20が屋内にいると判定された場合、又はGPS測位の精度が劣悪と推定された場合、その旨が有効性推定部15からGPS測位制御部17に入力される。GPS測位が有効でない旨がGPS測位制御部17に入力されると、GPS測位制御部17から基地局測位演算部13に対して、セルラ端末20の基地局測位を実行させる制御を行う(GPS測位演算部12に対して測位演算を行う制御は行われない)。続いて、制御を受けた基地局測位演算部13によって、基地局測位演算が行われる(S06、GPS測位制御ステップ)。また、GPS測位演算部12によるGPS測位演算が成功しなかった場合も(S05)、基地局測位演算部13によって、基地局測位演算が行われる(S06)。
【0087】
なお、基地局測位演算を行うための、セルラ端末20によるセルラ基地局30との間の信号の送受信に係る情報は、この時点で測位サーバ10からセルラ端末20に要求されて取得してもよいし、セルラ端末20からこの時点までに送信するようにされていてもよい。また、上述したGPS測位の有効性の推定の処理の際に概算位置の算出として基地局測位演算部13と同様の演算処理が行われていた場合は、概算位置を示す情報を測位結果の情報とし、必ずしもこの時点で基地局測位演算部13による測位演算が行われなくてもよい。
【0088】
基地局測位演算部13による基地局測位演算が成功した場合(S07)、基地局測位演算部13によって、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。また、基地局測位演算部13による基地局測位演算が失敗した場合(S07)、測位処理が失敗した旨を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。
【0089】
以上が本実施形態に係る測位サーバ10で実行される測位処理である。なお、S02及びS03におけるGPS測位の有効性の推定は、必ずしも両方行われる必要はなく、少なくともいずれか一方が行われればよい。
【0090】
引き続いて、図15のフローチャートを用いて、本実施形態に係る測位サーバ10で実行される測位処理(測位方法)の別の例を説明する。上記の例では、GPS測位演算は、GPS測位が有効であると推定された後に行われていたが、測位サーバ10における処理の開始時点からGPS測位を開始させるものである。
【0091】
上述した処理と同様に測位サーバ10では、無線通信情報取得部14によって、無線通信に関する情報が取得される(S11、無線通信情報取得ステップ)。取得された上記の無線通信に関する情報は、無線通信情報取得部14から有効性推定部15に出力される。その一方で、GPS測位演算部12によってGPS測位演算が開始される(S12)。
【0092】
続いて、無線通信に関する情報が入力された有効性推定部15によって、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判定情報からGPS測位の有効性が推定される(S13、有効性推定ステップ)。上記からGPS測位が有効であると推定された場合、即ち、セルラ端末20が屋外にいると判定されていた場合、続いて、有効性推定部15によって、推定用データベース16が参照されてセルラ端末20の概算位置を示す情報からGPS測位の精度を示す情報が取得され、それに基づいてGPS測位の有効性が推定される(S14、有効性推定ステップ)。上記からGPS測位が有効であると推定された場合、即ち、GPS測位の精度が良好と推定された場合、その旨が有効性推定部15からGPS測位制御部17に入力される。その場合、GPS測位制御部17からGPS測位演算部12に対して、特段の制御は行われず、GPS測位演算部12によるGPS測位の演算処理は継続される。
【0093】
S13及びS14の何れか一方で、GPS測位が有効でないと推定された場合、即ち、セルラ端末20が屋内にいると判定された場合、又はGPS測位の精度が劣悪と推定された場合、その旨が有効性推定部15からGPS測位制御部17に入力される。GPS測位が有効でない旨がGPS測位制御部17に入力されると、GPS測位制御部17からGPS測位演算部12に対して、GPS測位演算を中止させる制御が行われる。制御を受けたGPS測位演算部12は、GPS演算処理を中止する(S15、GPS測位制御ステップ)。
【0094】
GPS測位の中止の制御が行われずに、GPS測位演算部12によるGPS測位演算が成功した場合(S16)、GPS測位演算部12によって、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。
【0095】
また、GPS測位演算を中止させる制御が行われた際、併せて、GPS測位制御部17から基地局測位演算部13に対して、セルラ端末20の基地局測位を実行させる制御を行う。続いて、制御を受けた基地局測位演算部13によって、基地局測位演算が行われる(S17、GPS測位制御ステップ)。また、GPS測位演算部12によるGPS測位演算が成功しなかった場合も(S16)、基地局測位演算部13によって、基地局測位演算が行われる(S17)。
【0096】
基地局測位演算部13による基地局測位演算が成功した場合(S18)、基地局測位演算部13によって、算出したセルラ端末20の位置を示す情報を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。また、基地局測位演算部13による基地局測位演算が失敗した場合(S18)、測位処理が失敗した旨を測位結果の情報として、例えばセルラ端末20に出力し、測位処理が終了する。以上が本実施形態に係る測位サーバ10で実行される測位処理の別の例である。
【0097】
上述したように本実施形態に係る測位サーバ10では、例えばセルラ端末20の位置等の状態に応じたセルラ通信部21による無線通信に関する情報が取得される。続いて、当該情報に基づいてGPS測位の有効性が推定されて、当該有効性に基づいて、受信機におけるGPS測位の実行が制御される。従って、セルラ端末20が、GPS測位が行いやすい状態にある場合にはGPS測位を実行させ、GPS測位が行いにくい状態にある場合にはGPS測位を実行させない等の制御を行うことができる。また、測位サーバ10では、実行可否の判断に時間がかかるGPS測位を実際に行うことなく、GPS測位の実行可否の制御を行うことができる。即ち、本実施形態に係る測位サーバ10によれば、GPS測位が不得手とするセルラ端末20の状態の場合にGPS測位を回避することで、より短い時間でセルラ端末20の状態に応じた測位結果を得ることができる。また、その場合、GPS測位用の信号受信を回避、あるいはその時間を減少させることによって、セルラ端末20における消費電力を低減することができる。
【0098】
また、本実施形態のようにGPS測位が行われない場合に、セルラ端末20の基地局測位を行なうように制御することが望ましい。このような構成によれば、GPS測位が行われない場合であっても、測位サーバ10の測位結果を得ることができる。即ち、上記のように無線通信に関する情報によって、セルラ端末20の位置等の状態に応じて適切な測位方法が選択されて測位処理が実行される。
【0099】
GPS測位(特にAGPS測位)及び(ハイブリッドを含む)基地局測位のセルラ通信部21の状態に応じた特徴は、以下の表に示す。
【表1】


上記の表に示すように、屋内にセルラ端末20がいる場合は、GPS衛星40の電波が受信できないため測位不能となり、基地局測位を行うことが望ましい。また、屋外にある場合でも、GPS測位は郊外地にいる方が良好な測位精度を得ることができ、その場合にGPS測位を行うことが望ましい。
【0100】
従って、本実施形態に係る測位サーバ10のように、セルラ端末20の概算位置を算出して、それに基づいてGPS測位の有効性を推定することが望ましい。この構成によれば、測位位置に応じたGPS測位の精度に基づいて、GPS測位の実行可否の制御を行うことができ、より適切に本発明を実施することができる。また、本実施形態に係る測位サーバ10のように、セルラ端末20の屋内外の判定を行い、それに基づいてGPS測位の有効性を推定することが望ましい。
【0101】
なお、上述したように、本実施形態では、測位演算を行う主体が測位サーバ10であったが、測位演算を行う主体がセルラ端末20であってもよい。即ち、その場合、本発明の機能をセルラ端末20が全て備えている構成であってもよい。その場合、判定等に必要な情報を予めセルラ端末20に送信しておく。また、セルラ端末20が備えるICチップに全ての機能が備えられていてもよい。また、上述した機能の何れかをセルラ端末20が備える構成としてもよい。例えば、セルラ端末20の概算位置の算出や屋内外の判定は、セルラ端末20において行われてもよい。また、GPS測位演算機能(GPS測位演算部12の機能)をセルラ端末20が有していてもよい。
【0102】
また、上述したように測位対象となるセルラ端末20は、必ずしもセルラ通信が行えるものでなくてもよく、無線通信が行えるものであればよい。具体的には例えば、上述したように無線タグから情報の読出しができたり、無線LANが行えたりするものであればよい。
【0103】
GPS測位の制御のための判定は、上述したものに加えて、以下のように行うことができる。例えば、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって、セルラ基地局30から受信されたセルラ通信の信号の強度から、セルラ端末20が屋内にいるか否かを判定する方法について上述したが、それらの方法以外に以下のように行われてもよい。
【0104】
無線通信情報取得部14は、セルラ端末20が受信した電波の受信レベル(信号の強度)を示す情報を、セルラ端末20から受信する。ここで、セルラ端末20が受信した電波の受信レベルを示す情報は、各セルラ基地局30に応じて複数あってもよい(即ち、複数のセルラ基地局30からの電波の受信レベルを示す情報を受信してもよい)。無線通信情報取得部14は、上記の屋外セルラ基地局30の受信レベルのうち、予め記憶している閾値を超えるものがあるか否かを判断する。閾値を超えている受信レベルがあると判断した場合、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20が屋外にいる(可能性が高い)と判定する。これは、通信事業者によって設けられるセルラ基地局のように、セルラ基地局30が屋外に設けられている場合、屋内にまで到達するセルラ基地局30からの電波は減衰されて一定の受信レベル以下となると考えられることを前提としている。
【0105】
また、無線通信情報取得部14は、上記の受信レベルが全体的に低下しているか否かを判断する。例えば、無線通信情報取得部14は、上記の受信レベルの平均をとり、平均が予め記憶している閾値を超えるものがあるか否かを判断する。平均が閾値を超えていると判断した場合、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20が屋外にいる(可能性が高い)と判定する。また、無線通信情報取得部14は、上記の(複数の)受信レベルの分散を算出して、分散が予め記憶している閾値を超えるものがあるか否かを判断する。分散が閾値を超えていると判断した場合、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20が屋外にいる(可能性が高い)と判定する。これらも、セルラ基地局30が屋外に設けられている場合、屋内にまで到達するセルラ基地局30からの電波は一様に減衰されて一定の受信レベル以下となると考えられることを前提としている(減衰を受けずに飛びぬけて高い受信レベルの電波が存在しない)。
【0106】
また、無線通信情報取得部14による、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判定は、複数の時間に渡ってセルラ端末20(のセルラ通信部21)によって受信されたセルラ基地局30の電波の強度から、当該信号の強度の時間変化に基づいて行われてもよい。例えば、受信される信号の強度が低下してきたら屋内と判定する。この判定は、セルラ端末20が屋外から屋内に移動した場合、セルラ端末20によって受信される電波が減衰して、受信レベルが顕著に減少することによるものである。
【0107】
具体的には、まず、無線通信情報取得部14は、複数のセルラ端末20が受信した電波の受信レベル(信号の強度)を示す情報を、セルラ端末20から受信する。ここで、セルラ端末20のセルラ通信部21は、一定間隔(例えば、数秒間隔)でセルラ基地局30から信号を受信し、その受信レベルを示す情報を測位サーバ10に送信する。無線通信情報取得部14は、上記の情報、即ち、時系列の受信レベルを示す情報(時系列データ)を受信する。
【0108】
無線通信情報取得部14は、時系列の受信レベルのデータから、現在(最新)のデータを含む連続したm(mは1以上の整数)個の受信レベルのデータの移動平均Cを計算する。また、現在の測定値からk(kは1以上の整数)個過去に遡った連続したm個の受信レベルのデータの移動平均Pkを計算する。続いて、無線通信情報取得部14は、予め記憶していた閾値Zを用いて、Pk−C>Zが成り立つか否か判断する。Pk−C>Zが成り立つと判断された場合は、無線通信情報取得部14は、現在のセルラ端末20の受信レベルが過去の受信レベルに対して低下していると判断して、セルラ端末20が屋内にいると判定する。なお、上記の判定を行う場合は、無線通信情報取得部14は、セルラ端末20の受信レベルのデータを最新のデータからm+k個分のデータを保持しておけばよい。
【0109】
また、上記のセルラ端末20における受信レベルから屋内外の判定を行う方法は、必ずしもセルラ基地局30からの電波を用いる必要はない。例えば、テレビやラジオの電波の受信レベルによって判断することとしてもよい。その場合、セルラ端末20は、それらの電波を受信する機能を有しており、一定間隔(例えば、数秒間隔)でそれらの電波を受信し、その受信レベルを示す情報を測位サーバ10に送信する。それ以降の判断は、セルラ基地局30からの電波の場合と同様である。
【0110】
また、無線通信情報取得部14による、セルラ端末20が屋内にいるか否かの判定は、セルラ端末20(のセルラ通信部21)によって受信された無線通信の電波の発信元に基づいて行われてもよい。この方法は、例えば、セルラ端末20がDHO(Diversity Hand Over)機能を有している場合に適用することができる。
【0111】
セルラ端末20のセルラ通信部21は、上記の判定が行われる際あるいはその前に、DHOの切替履歴を示す情報を測位サーバ10に送信する。無線通信情報取得部14は、上記の情報を受信し、当該情報からDHOの切替が頻繁に生じているか判断する。無線通信情報取得部14は、切替が頻繁に生じていると判断すると、セルラ端末20が移動している可能性が高いので、セルラ端末20が屋外にいる(可能性が高い)と判定する。即ち、セルラ端末20が無線通信を行っている、電波の発信元であるセルラ基地局30が頻繁に変わっているか否かによって、セルラ端末20の屋内外の判定を行う。以上が、セルラ端末20の屋内外の判定に関するバリエーションである。
【0112】
このような方法によっても、セルラ基地局20に対する屋内外の判定を適切に行うことができる。即ち、このような構成によっても、実行可否の判断に時間がかかるGPS測位を実際に行うことなく、適切にGPS測位の実行可否の制御を行うことができる。
【0113】
上述したようにセルラ端末20の屋内外の判定を行っても、ある確率で判定に誤りが生じて、GPS測位を試みてもGPS測位が失敗することがある。GPS測位の成功又は失敗の情報を用いて、有効性推定部15によって以下のようにGPS測位の有効性を推定することができる。
【0114】
具体的には、まず、測位サーバ10は、セルラ端末20によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶したマッチング用データベースを備える。マッチング用データベースは、例えば、図17に示すようなテーブルに、セルラ端末20によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報を格納している。無線通信の信号の強度を示す情報としては、セルラ基地局30毎のセルラ端末20の受信レベルである。GPS測位の精度を示す情報は、セルラ端末20が上記の受信レベルだったときにGPS測位が成功したか失敗したかを示す情報である。マッチング用データベースには、これらの情報が複数セット格納されており、それぞれはIDで識別される。セルラ基地局30毎のセルラ端末20の受信レベルは、セルラ端末20の位置等のセルラ端末20の状態に対応している。
【0115】
マッチング用データベースに格納されるデータは、セルラ端末20においてGPS測位が行われた際に、セルラ端末20から測位サーバ10に送信されることによって得られる。そのデータは、図18に示すような、GPS測位の成否の結果を示す情報とそのときのセルラ基地局30毎の当該セルラ端末20の受信レベルを示す情報とが対応付けられたものである。上記のようにマッチング用データベースに格納されるデータは、セルラ端末20から送信されるものに加えて、測定器等で得られる高精度なキャリブレーションデータが用いられてもよい。その場合、測位サーバ10の管理者等によって、オフラインで上記のデータが測位サーバのマッチング用データベースに入力されてもよい。マッチング用データベースは、有効性の推定時には、予め図17に示すように各データが格納されている状態になっている。なお、マッチング用データベースに格納された情報は、必ずしも実測データでなくてもよく、例えば、シミュレーションによって得られたデータでもよい。
【0116】
上記のマッチング用データベースが用いられて、以下のようにGPS測位の有効性が推定される。まず、セルラ端末20のセルラ通信部21は、セルラ基地局30から信号を受信し、その受信レベルを示す情報を測位サーバ10に送信する。セルラ端末20が複数のセルラ基地局30から電波を受信した場合は、セルラ基地局30毎の受信レベルを示す情報が送信される。例えば、図19に示すような、セルラ基地局30毎の受信レベルを示す情報である。
【0117】
測位サーバ10では、無線通信情報取得部14が上記の情報を受信して、有効性推定部15に出力する。有効性推定部15は、受信された上記の情報と、マッチング用データベースに格納されている受信レベルの情報とを比較して、マッチング(照合)を行う。即ち、有効性推定部15は、受信された上記の情報と一致あるいは類似する(即ち、受信レベルの差が小さい、あるいは傾向が近い)情報を、マッチング用データベースに格納されている受信レベルの情報から検索する。この処理は、パターンマッチングの技術によって行われてもよい。例えば、受信された情報が図19に示す情報であり、マッチング用データベースに格納されている情報が図17に示す情報であった場合、各セルラ基地局30からの受信レベルが一致しているので、受信された情報はID“2”の情報に相当するものであると判断される。続いて、有効性推定部15は、マッチング用データベースにおいて、受信された情報に相当している情報に対応付けられたGPS測位の成否の情報を取得する。例えば、ID“2”の情報の場合、測位結果は“失敗”である。
【0118】
有効性推定部15は、取得されたGPS測位の成否の情報が“成功”であった場合には、GPS測位は有効であると推定し、“失敗”であった場合には、GPS測位は有効でないと推定する。なお、上記の方法によって屋内外の判定をすることとしてもよい。
【0119】
なお、上記のマッチングにおいて、所定のマッチングの手法を用いた場合には、受信された情報に相当するマッチング用データベースに格納されている受信レベルの情報(推定点)が複数、生じることがある。相当する複数の情報(推定点)を1つの情報に絞り込まずに、それぞれの受信レベルの情報に対して、この方法以外の(例えば上述した方法のいずれか)方法を用いて屋内外判定等を行い、その結果を統計処理することによってGPS測位の有効性を判定してもよい。
【0120】
統計処理としては、例えば、N個の候補に対する判定結果に対して、予め記憶した閾値Mに対して、屋内と判定された結果の数がMよりも大きい場合には、セルラ端末20が屋内にいるとしてGPS測位は有効でないと判定する。また、上述した屋内外推定法1を用いて、個々の受信レベルの情報(推定点)における、建物侵入損失Xiを推定し、Xiの統計値、例えば平均値、中央値、最大値又は最小値等が予め記憶された閾値Yよりも大きいと判断された場合には、セルラ端末20が屋内にいるとしてGPS測位は有効でないと判定する。なお、上記の処理は、上述した実施形態と同様にGPS測位の制御のために、GPS測位の前に行われる。なお、マッチングの結果、1点しかない場合、もしくは、マッチングの結果、1点に絞り込んだ場合は、この1点に対してのみ屋内外判定をするのではなくて、予め定めておいたこの点から周囲Xmの範囲に対して、屋内外判定を行い、この結果も上記と同様に、統計処理することによりGPS測位の有効性を判断する。
【0121】
上記の方法によれば、セルラ端末20によって受信される無線通信の信号の強度が、セルラ端末20の位置等の状態に応じたものになる場合、GPS測位の実測結果等に基づいて、適切にGPS測位の有効性を推定することができる。即ち、このような構成によっても、実行可否の判断に時間がかかるGPS測位を実際に行うことなく、適切にGPS測位の実行可否の制御を行うことができる。
【0122】
引き続いて、上述した一連の測位サーバ10の測位を行う処理をコンピュータに実行させるための測位プログラムを説明する。図16に示すように、測位プログラム61は、コンピュータが備える記録媒体60に形成されたプログラム格納領域60a内に格納される。
【0123】
測位プログラム61は、測位処理を統括的に制御するメインモジュール61aと、送受信モジュール61bと、GPS測位演算モジュール61cと、基地局測位演算モジュール61dと、無線通信情報取得モジュール61eと、有効性推定モジュール61fと、推定用データベースモジュール61gと、GPS測位制御モジュール61hとを備えて構成される。送受信モジュール61b、GPS測位演算モジュール61c、基地局測位演算モジュール61d、無線通信情報取得モジュール61e、有効性推定モジュール61f、推定用データベースモジュール61g及びGPS測位制御モジュール61hを実行させることにより実現される機能は、上述した測位サーバ10の送受信部11、GPS測位演算部12、基地局測位演算部13、無線通信情報取得部14、有効性推定部15、推定用データベース16及びGPS測位制御部17の機能とそれぞれ同様である。
【0124】
なお、測位プログラム61は、その一部若しくは全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態に係る測位システムである測位サーバ、及び受信機であるセルラ端末の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセルラ端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】推定用データベースに記憶される測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報を示す図である。
【図4】セルラ端末に到達するGPS衛星からの電波の建物による影響を模式的に示した図である。
【図5】2つのセルラ基地局からの距離と受信レベルとの関係を示す図である。
【図6】電波レベルから求められるセルラ基地局からの距離からセルラ端末の屋内外を判定する方法を説明するための図である。
【図7】測位サーバに保持される、セルラ基地局が屋内にあるか屋外にあるかを示す情報を示す図である。
【図8】セルラ端末が信号を受信した基地局を示す情報を示す図である。
【図9】測位サーバに保持される、無線タグが屋内にあるか屋外にあるかを示す情報を示す図である。
【図10】セルラ端末が情報を読み取った無線タグを示す情報を示す図である。
【図11】測位サーバに保持される、無線LANのアクセスポイントが屋内にあるか屋外にあるかを示す情報を示す図である。
【図12】セルラ端末が信号を受信した無線LANのアクセスポイントを示す情報を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る測位サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る測位サーバで実行される処理(測位方法)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係る測位サーバで実行される処理(測位方法)の別の例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に係る測位プログラムの構成を示す図である。
【図17】マッチング用データベースに記憶される、セルラ端末によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報を示す図である。
【図18】セルラ端末から測位サーバに送信される、自端末によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報である。
【図19】セルラ端末から測位サーバに送信される、自端末によって受信される無線通信の信号の強度を示す情報である。
【符号の説明】
【0126】
10…測位サーバ、11…送受信部、12…GPS測位演算部、13…基地局測位演算部、14…無線通信情報取得部、15…有効性推定部、16…推定用データベース、17…GPS測位制御部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…通信モジュール、105…補助記憶装置、20…セルラ端末、21…セルラ通信部、22…GPS受信部、23…データ蓄積部、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…操作部、205…ディスプレイ、206…セルラ通信モジュール、207…セルラ通信用アンテナ、208…受信モジュール、209…受信用アンテナ、30…セルラ基地局、40…GPS衛星、60…記録媒体、60a…プログラム格納領域、61…測位プログラム、61a…メインモジュール、61b…送受信モジュール、61c…GPS測位演算モジュール、61d…基地局測位演算モジュール、61e…無線通信情報取得モジュール、61f…有効性推定モジュール、61g…推定用データベースモジュール、61h…GPS測位制御モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定する測位システムであって、
前記受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得手段と、
前記無線通信情報取得手段によって取得された前記無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定手段と、
前記有効性推定手段によって推定された前記有効性に基づいて、前記受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御手段と、
を備える測位システム。
【請求項2】
前記受信機が備える無線通信機能は、セルラ通信機能であり、
前記GPS測位制御手段は、前記GPS測位の実行の制御によってGPS測位が実行されない場合に、前記受信機と基地局との間で送受信された信号に基づいて、当該受信機の測位を行なうように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の測位システム。
【請求項3】
測位位置に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶した測位精度データベースを更に備え、
前記受信機が備える無線通信機能は、セルラ通信機能であり、
前記無線通信情報取得手段は、前記受信機によって受信された基地局からの信号に基づいて、前記無線通信に関する情報として前記受信機の概算位置を算出して、
前記有効性推定手段は、前記無線通信情報取得手段によって算出された概算位置を測位位置として、前記測位精度データベースを参照してGPS測位の精度を示す情報を取得することによって、GPS測位の有効性を推定する、
ことを特徴とする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の測位システム。
【請求項4】
前記GPS測位の精度を示す情報は、前記測位位置に応じてGPS衛星からの電波の受信状態をシミュレーションした情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の測位システム。
【請求項5】
前記GPS測位の精度を示す情報は、前記測位位置に応じてGPS衛星が遮蔽される度合を示す情報に基づくことを特徴とする請求項3又は4に記載の測位システム。
【請求項6】
前記GPS測位の精度を示す情報は、前記測位位置に応じた土地の種類を示す情報に基づくことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項7】
前記GPS測位の精度を示す情報は、前記測位位置に応じて実測して得られたGPS測位の精度を示す情報に基づくことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項8】
前記GPS測位の精度を示す情報は、前記測位位置に応じた土地の建蔽率又は容積率に基づくことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項9】
前記無線通信情報取得手段は、前記受信機によって受信された無線通信の信号の強度に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を前記無線通信に関する情報とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項10】
前記無線通信情報取得手段は、前記受信機によって受信された無線通信の信号の強度の時間変化に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を前記無線通信に関する情報とすることを特徴とする請求項9に記載の測位システム。
【請求項11】
前記無線通信情報取得手段は、前記受信機によって受信された無線通信の信号の発信元に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を前記無線通信に関する情報とすることを特徴とする請求項1〜10に記載の測位システム。
【請求項12】
前記無線通信情報取得手段は、前記受信機によって受信された無線通信の信号に含まれる情報に基づいて、当該受信機が屋内にいるか否かを判定して、当該判定結果を前記無線通信に関する情報とすることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項13】
前記受信機によって受信される無線通信の信号の強度に応じたGPS測位の精度を示す情報を記憶したマッチング用データベースを更に備え、
前記無線通信情報取得手段は、前記無線通信に関する情報として前記受信機によって受信された無線通信の信号の強度を示す情報を取得して、
前記有効性推定手段は、前記無線通信情報取得手段によって取得された前記受信機によって受信された無線通信の信号の強度を示す情報と、前記マッチング用データベースに記憶された情報とを比較することによって、GPS測位の有効性を推定する、
ことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項14】
前記受信機に接続される測位サーバによって構成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項15】
前記受信機によって構成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項16】
無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定する測位方法であって、
前記受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得ステップと、
前記無線通信情報取得ステップにおいて取得された前記無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定ステップと、
前記有効性推定ステップにおいて推定された前記有効性に基づいて、前記受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御ステップと、
を含む測位方法。
【請求項17】
コンピュータに、無線通信機能とGPS測位に用いられる信号の受信機能とを有する受信機の位置を推定させる測位プログラムであって、
前記受信機における無線通信に関する情報を取得する無線通信情報取得機能と、
前記無線通信情報取得機能によって取得された前記無線通信に関する情報に基づいて、GPS測位の有効性を推定する有効性推定機能と、
前記有効性推定機能によって推定された前記有効性に基づいて、前記受信機のGPS測位の実行を制御するGPS測位制御機能と、
をコンピュータに実行させる測位プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−38895(P2010−38895A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222120(P2008−222120)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】