説明

無線通信システム

【課題】自動車の車載通信装置と携帯無線装置の間でLF通信を行う際、搬送波周波数に対して送受信回路の共振周波数が変動すると、LF受信信号の振幅に変動が現れ、信号の復調が出来なくなり通信不能に陥る。
【解決手段】携帯機2のLF受信回路24に共振周波数を多段階に切り替える共振回路241を設け、携帯機2は車載機1から送信された電界強度測定用信号を共振回路の共振周波数を切り替えながら受信して各段階の電界強度を測定し、測定した電界強度のうち、電界強度が最大値となるときの共振周波数に共振回路を切り替えた後に、車載機1からの認証要求信号を受信して認証応答信号を送信するようした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載される無線通信機能を有する車載機と、車両ユーザーによって携帯される無線通信機能を有する携帯機とで通信を行い、スマートキーレスエントリーシステムなどを実現するための無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアの施錠や解錠を、自動車のユーザーによって携帯される携帯無線装置からの遠隔操作によって行うことを可能とするキーレスエントリーシステムが知られている。また携帯無線装置を操作することなく、ドアの施錠や解錠を行うスマートエントリーシステムが知られている。
【0003】
特許文献1では、車載通信装置(以下、車載機と称する)と携帯無線装置(以下、携帯機と称する)を有するキーレスエントリーシステムにおいて、車載機からのLF(Low Frequency )通信によるリクエスト信号に対して、携帯機から車載機に返信するRF(Radio Frequency )通信の周波数(チャンネル)を切り替えることにより、妨害電波による通信不良を回避する方式を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−255679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自動車の車載通信装置と携帯無線装置の間でLF通信を行う際、搬送波周波数に対して送受信回路の共振周波数が変動すると、LF受信信号の振幅に変動が現れる。受信信号の振幅変動が許容範囲を超えると信号の復調が出来なくなり通信不能に陥る。
対策方法として送受信系のQを下げたり、共振周波数の変動幅を抑えることで振幅変動を抑える方法があるが、送受信系のQを下げると通信距離は短くなり、共振周波数の変動幅を抑える為に高精度の部品使用や共振周波数調整を行うとコストアップが発生していた。
【0006】
この発明はこのような背景に鑑みてなされたもので、共振周波数変動の影響による通信性能の低下を防止して良好なLF受信性能を確保するようした無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る無線通信システムは、車両に搭載される無線通信機能を有する車載機と、車両ユーザーによって携帯される無線通信機能を有する携帯機とで構成される無線通信システムであって、車載機は、CPUと、認証コードを記憶するメモリと、電界強度測定用信号と認証要求信号を送信する送信回路と、認証応答信号を受信する受信回路とを備え、携帯機は、CPUと、認証コードを記憶するメモリと、電界強度測定用信号と認証要求信号を受信する受信回路と、認証応答信号を送信する送信回路と、電界強度測定用信号の電界強度を測定する電界強度測定部とを備え、携帯機の受信回路には、共振周波数を多段階に切り替える共振回路を有し、携帯機は、車載機から送信された電界強度測定用信号を共振回路の共振周波数を切り替えながら受信して各段階の電界強度を測定し、測定した電界強度のうち、電界強度が最大値となるときの共振周波数に共振回路を切り替えた後に、認証要求信号を受信して認証応答信号を車載機に送信するようしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、スマートキーレスシステムのような無線通信システムにおいて、車載機の送信回路、及び携帯機の受信回路に使用している回路素子定数の経年変化や、公差によるばらつきにより、共振周波数が変動した場合においても、自動的に良好なLF通信状態を実現することが可能となり、高精度の部品使用や、緻密な共振周波数調整が不用となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る無線通信システムをスマ−トキーレスエントリーシステムに適用した概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における車載機の回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1における携帯機の回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1における携帯機のLF受信回路の詳細図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおけるスマ−トキーレスエントリーシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおけるスマ−トキーレスエントリーシステムの動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施形態の無線通信システムとしてスマートキーレスエントリーシステムを図に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明の実施形態であるスマートキーレスエントリーシステムの構成を示している概略図である。図1に示すように、スマートキーレスエントリーシステムは、自動車100に搭載されている無線通信装置1(以下、車載機1と称す)と、車両のユーザー200によって携帯される無線通信装置2(以下、携帯機2と称す)とを含んで構成される。車載機1は、自動車100のイグニションスイッチに関する制御とドアの施錠・解錠を制御する装置4(以下、制御装置4と称す)に電気的に接続されている。
【0011】
車載機1には、自動車100のドアに設けられるLF送信アンテナ14a、14bおよび車室内の前後部席の間に設けられるLF送信アンテナ14cが接続され、さらに携帯機2からの信号を受信するRF受信アンテナ15、自動車100のドアノブに設けられるリクエストSW16a、16bが接続される。
【0012】
この発明の実施形態によるスマートキーレスエントリーシステムでは、携帯機2から送られてくる信号を車載機1が受信し、受信した信号の内容に応じて、車載機1はイグニッション操作の許可・禁止を判断し、制御装置4にイグニション操作の許可又は禁止を指示する。又、車載機1は受信信号の内容に応じて、ドアの施錠・解錠を判断し、制御装置4にドアの施錠又は解錠を指示する。又、車載機1は受信信号の内容に応じて、携帯機2が車載機1との通信可能圏内にあるかを判断し、制御装置4に警報用ブザー吹鳴の許可・禁止、警告用ランプの点灯・消灯を指示する。
【0013】
なお、以下に説明する実施形態において、車載機1から携帯機2への通信はLF(Low Frequency)通信方式を使用し変調を行った信号を使用する。また携帯機2から携帯機1への通信はRF(Radio Frequency)通信方式を使用し変調を行った信号を使用する。
【0014】
図2はこの発明の実施形態として無線通信システムの車載機1の回路構成を示している。車載機1は、CPU10、認証コード110や実行プログラムを記憶するROMやRAM等からなるメモリ11、電界強度測定用信号と認証要求信号を送信するLF送信回路12、携帯機2からの認証応答信号を受信するRF受信回路13、リクエストSW16a、16bからの信号を入力するSW信号入力回路17を含んで構成される。車載機1のLF送信回路12にはLF送信アンテナ14a、14b、14cが、RF受信回路13にはRF受信アンテナ15が、SW信号入力回路17にはリクエストSW16a、16bが接続される。
【0015】
CPU10は、車載機1の統合的な制御を行い、メモリ11に記憶されているプログラムを実行することで各種機能を実現する。メモリ11には、携帯機2から送信されてくるデータを認証するための認証コード110が記憶されている。
【0016】
LF送信回路12は、CPU10から出力されてくる信号をLF周波数帯の正弦波の搬送波で変調した送信信号を生成する変調回路121と、送信信号を増幅する増幅回路122で構成され、送信信号を大気中に送信するLF送信アンテナ14a、14b、14cが接続される。
LF送信アンテナ14cは車室内への送信に使用し、LF送信アンテナ14a、14bは車外への送信に使用する。
【0017】
RF受信回路13は、大気中の無線信号を受信するRF受信アンテナ15に接続され、RF受信アンテナ15から入力される受信信号を増幅する増幅回路131と、受信信号を復調することにより生成される復調信号をCPU10に出力する復調回路132で構成される。
【0018】
図3はこの発明の実施形態として無線通信システムの携帯機2の回路構成を示している。携帯機2は、CPU20、キーレスエントリー機能を利用するためのトリガーとなるスイッチなどの操作入力を検出する入力回路21、認証コード220や測定した電界強度221を記憶するROMやRAM等からなるメモリ22、認証応答信号を送信するRF送信回路23、車載機1から送信される電界強度測定用信号と認証要求信号を受信するLF受信回路24、RF送信アンテナ25、LF受信アンテナ26、電界強度測定用信号の電界強度を測定する電界強度測定部であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路27を含んで構成される。
なお、入力回路21は、携帯機2を操作することなくドアの施錠や解錠を行うスマートエントリーシステムに適用する場合は省略される。
【0019】
CPU20は、携帯機2の統合的な制御を行い、メモリ22に記憶されているプログラムを実行することで各種機能を実現する。メモリ22には、携帯機2から車載機1に送信されて、車載機1において携帯機2を認証するのに必要なデータである認証コード220がROMに記憶されている。又、メモリ22のRAMには電界強度測定結果である電界強度E1、E2、E3として記憶するメモリエリア221を有する。
【0020】
RF送信回路23は、CPU20から出力されてくる信号により、RF周波数帯の搬送波を変調した送信信号を生成するRF変調回路231と、送信信号を増幅する増幅回路232を備え、送信信号を大気中に送信するRF送信アンテナ25に接続されている。
LF受信回路24は、大気中の無線信号を受信するLF受信アンテナ26に接続され、LF受信アンテナ26から入力される受信信号と共振する共振回路241と、受信信号を復調することにより生成される復調信号をCPU20に入力するLF復調回路242とを備えている。
【0021】
共振回路241について、携帯機のLF受信回路24の詳細を示す図4により具体的に説明する。
共振回路241では、LF受信アンテナ26にコンデンサC21、C22、C23が並列に接続され、各コンデンサの接続・開放は、CPU20からの指令信号によって各コンデンサに直列に接続されたスイッチ回路SW1、SW2、SW3をON又はOFFすることによって制御される。
【0022】
共振回路241のLF共振周波数は、コンデンサC21、C22、C23の接続状態によって決定する。コンデンサC21が選択された場合、すなわちスイッチ回路SW1のみがON状態となった場合には、共振周波数FC1が選択され、コンデンサC22が選択された場合、すなわちスイッチ回路SW2のみがON状態となった場合には、共振周波数FC2が選択され、コンデンサC23が選択された場合、すなわちスイッチ回路SW3のみがON状態となった場合には、共振周波数FC3が選択される。
こうして共振回路241は、携帯機のCPU20の指令信号により、共振周波数を切り替えることになる。
【0023】
入力回路21は、携帯機2を持った車両ユーザー200による、ドアやトランクを施錠または解錠する操作入力を検出し、操作入力に応じた信号をCPU20へ出力する。
電界強度測定部であるRSSI回路27は、共振回路241から入力される受信信号の電界強度をアナログ電圧信号に変換して検出し、それをデジタル化してCPU20へ出力する。
【0024】
次に、以上のように構成されている無線通信システムにおいて、図5のフローチャートと図6のタイミングチャートを用いて、この発明の実施の形態1に係るスマートキーレスエントリーシステムの具体的な動作を説明する。
なお、図5のフローチャートと図6のタイミングチャートは、携帯機2を持った車両ユーザー200が車外においてリクエストSW16aを操作し、ドアの解錠操作を行おうとしている場合を説明している。
【0025】
図5において、先ず、車両ユーザー200が自動車100のドアノブに取り付けられているリクエストSW16aを操作すると、車載機1のCPU10は、その操作信号をSW信号入力回路17で検出し(S400:YES)、携帯機2が車外に存在するかどうかを確認するためにLF送信回路12を制御して、無線信号(以下、電界強度測定用信号と称す)の送信を開始する。電界強度測定用信号はLF送信アンテナ14a、14bから車外に向けて送信される。電界強度測定用信号は図6(a)に示すように所定周期毎に3段階に分けて、所定期間づつ送信し、まず最初に電界強度測定用信号1を送信する(S401)。
【0026】
携帯機2では、あらかじめCPU20の指令により、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC1に設定するために、スイッチ回路SW1をON、スイッチ回路SW2をOFF、スイッチ回路SW3をOFFに設定している(S402)。電界強度測定用信号1をLF受信アンテナ26で受信し、LF受信回路24を経由して受信を開始すると(S403:YES)、RSSI回路27は図6(b)に示すように受信信号をアナログ電圧信号に変換してその電界強度を測定し、電界強度測定結果を電界強度E1とする(S404)。電界強度測定用信号1の受信が完了すれば(S405:YES)、電界強度E1をデジタル信号に変換してCPU20へ出力し、測定結果のピーク値のみをメモリ22のメモリエリア221に電界強度E1のピーク値として記憶する(S406)。
【0027】
引き続き、車載機1は電界強度測定用信号2を送信する(S407)。携帯機2のCPU20は、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC2に設定するために、スイッチ回路SW1をOFF、スイッチ回路SW2をON、スイッチ回路SW3をOFFに設定する(S408)。電界強度測定用信号2はLF受信アンテナ26を経由してLF受信回路24で受信され、RSSI回路27は図6(b)に示すように受信信号をアナログ電圧信号に変換してその電界強度を測定し、電界強度測定結果を電界強度E2とする(S409)。電界強度測定用信号2の受信が完了すれば(S410:YES)、電界強度E2をデジタル信号に変換してCPU20へ出力し、測定結果のピーク値のみをメモリ22のメモリエリア221に電界強度E2のピーク値として記憶する(S411)。
【0028】
引き続き、車載機1は電界強度測定用信号3を送信する(S412)。携帯機2のCPU20は、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC3に設定するために、スイッチ回路SW1をOFF、スイッチ回路SW2をOFF、スイッチ回路SW3をONに設定する(S413)。電界強度測定用信号3はLF受信アンテナ26を経由してLF受信回路24で受信され、RSSI回路27は図6(b)に示すように受信信号をアナログ電圧信号に変換してその電界強度を測定し、電界強度測定結果を電界強度E3とする(S414)。電界強度測定用信号3の受信が完了すれば(S415:YES)、電界強度E3をデジタル信号に変換してCPU20へ出力し、測定結果のピーク値のみをメモリ22のメモリエリア221に電界強度E3のピーク値として記憶する(S416)。
【0029】
次に、メモリ22のメモリエリア221に記憶した電界強度E1が電界強度E2、E3よりも大きいかどうかを判定し(S417)、大きければ(S417:YES)電界強度E1測定時の共振周波数FC1が最適な共振状態であると判断し、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC1に設定するために、スイッチ回路SW1をON、スイッチ回路SW2をOFF、スイッチ回路SW3をOFFに設定する(S418)。
【0030】
メモリ22のメモリエリア221の電界強度E1が電界強度E2、E3よりも大きくなければ(S417:NO)電界強度E2が電界強度E1、E3よりも大きいかどうかを判定し(S419)、大きければ(S419:YES)電界強度E2測定時の共振周波数FC2が最適な共振状態であると判断し、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC2に設定するために、スイッチ回路SW1をOFF、スイッチ回路SW2をON、スイッチ回路SW3をOFFに設定する(S420)。
【0031】
メモリ22のメモリエリア221の電界強度E2が電界強度E1、E3よりも大きくなければ(S419:NO)電界強度E3測定時の共振周波数FC3が最適な共振状態であると判断し、共振回路241の共振周波数を共振周波数FC3に設定するために、スイッチ回路SW1をOFF、スイッチ回路SW2をOFF、スイッチ回路SW3をONに設定する(S421)。
このように携帯機2のメモリ20に記憶された電界強度E1、E2、E3をそれぞれ比較し、最も高い電界強度が得られた時の状態を、最適なLF信号受信状態と判断し、以降のLF受信実施時には、この共振周波数を選択して使用する。例えば、電界強度E2が最も高い電界強度であれば、受信回路の共振周波数をFC2に選択して使用する。
【0032】
最適なLF信号受信状態と判断され、LF受信回路の共振周波数が選択されたら、車載機1は図6(c)に示すように認証要求信号を送信する(S422)。携帯機2は車載機1からの認証要求信号を受信すると(S423:YES)、メモリ22に記憶している認証コード220を、認証応答信号としてRF送信回路23を経由して、RF送信アンテナ25から送信する(S425)。車載機1のRF受信アンテナ15で受信した信号はRF受信回路13を経由してCPU10に入力され、認証応答信号として受信されれば(S426:YES)、受信信号の内容がメモリ11に記憶している認証コード111に一致しているかどうかを判定し(S427)、一致していれば(S427:YES)、ドアロック解錠要求を制御装置4に送信し(S428)、ドアロックの解錠を行う。
【0033】
車載機1は、認証応答信号が受信されないか(S426:NO)又は、受信信号の内容がメモリ11に記憶している認証コード111に一致していない(S427:NO)場合は、規定時間が経過したかどうかを判定し(S429)、規定時間を経過していないならば(S429:NO)、認証応答信号の受信待ちとなる(S401)。規定時間を経過したならば(S429:YES)、通信エラーとして認証通信を終了する。
【0034】
このように、携帯機2のLF受信回路24の共振周波数を最適値に自動的に調整することにより、良好なLF通信を継続することが可能となるため、車載機の送信回路、及び携帯機の受信回路に使用している回路素子定数の経年変化や、公差によるばらつきにより、共振周波数が変動した場合においても、自動的に良好なLF通信状態を実現することが可能となり、高精度の部品使用や、緻密な共振周波数調整が不用となる。
したがってこの無線通信システム及び無線通信方法をスマートキーレスエントリーシステムに適用することにより、スマートキーレス性能の向上を実現することができる。
【0035】
実施の形態1では、携帯機2のLF受信回路24、メモリ22、RF送信回路23及びRSSI回路27は、CPU20の外部に回路を構成していたが、CPU20に内蔵することでも同様な効果を得ることが可能である。
また、実施の形態1では、電界強度測定用信号は所定周期毎に所定期間づつ3回送信され、各送信期間中に携帯機の受信回路の共振周波数をFC1、FC2、FC3に切替を実施し、各期間中に測定した電界強度を、電界強度E1、E2、E3として順次携帯機のメモリに記憶するようにしたが、電界強度測定用信号の送信回数は3回に限らず、2回以上であればよい。但し、あまり回数を多くすると認証に時間を要するので、多くても5回目までが望ましい。
【符号の説明】
【0036】
1 車載機、 2 携帯機、
4 制御装置、 10 CPU、
11 メモリ、 12 LF送信回路、
13 RF受信回路、 14a LF送信アンテナ、
14b LF送信アンテナ、 14c LF送信アンテナ、
15 RF受信アンテナ、 16a リクエストSW、
16b リクエストSW、 17 SW入力回路、
20 CPU、 21 入力回路、
22 メモリ、 23 RF送信回路、
24 LF受信回路、 25 RF送信アンテナ、
26 LF受信アンテナ、 27 RSSI回路、
100 自動車 200 車両ユーザ
110 認証コード、 121 増幅回路、
122 変調回路、 131 復調回路、
132 増幅回路、 220 認証コード、
221 メモリエリア 231 変調回路、
232 増幅回路、 241 共振回路、
242 復調回路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される無線通信機能を有する車載機と、車両ユーザーによって携帯される無線通信機能を有する携帯機とで構成される無線通信システムであって、前記車載機は、CPUと、認証コードを記憶するメモリと、電界強度測定用信号と認証要求信号を送信する送信回路と、認証応答信号を受信する受信回路とを備え、前記携帯機は、CPUと、認証コードを記憶するメモリと、前記電界強度測定用信号と前記認証要求信号を受信する受信回路と、前記認証応答信号を送信する送信回路と、前記電界強度測定用信号の電界強度を測定する電界強度測定部とを備え、前記携帯機の受信回路には、共振周波数を多段階に切り替える共振回路を有し、前記携帯機は、前記車載機から送信された前記電界強度測定用信号を前記共振回路の共振周波数を切り替えながら受信して各段階の電界強度を測定し、前記測定した電界強度のうち、電界強度が最大値となるときの共振周波数に前記共振回路を切り替えた後に、前記認証要求信号を受信して前記認証応答信号を前記車載機に送信するようしたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記携帯機の共振回路は、前記携帯機のCPUの指令信号により、共振周波数を切り替える回路を内蔵することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記電界強度測定部は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路を用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記車載機から送信される電界強度測定用信号は、LF (Low Frequency) 帯の正弦波で、所定周期毎に所定期間づつn回(nは2以上の整数)送信し、前記携帯機は前記共振回路の共振周波数をn段階に切り替えて前記電界強度測定用信号を受信してそれぞれ電界強度を測定し、各段階に測定した電界強度E1〜Enを順次、前記携帯機のメモリに記憶するようした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記携帯機のメモリに記憶された電界強度E1〜Enをそれぞれ比較し、最も高い電界強度が得られた時の状態を、最適なLF信号受信状態と判断し、以降のLF受信実施時には、この共振周波数を選択して使用するようした請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記車載機は、車両のドアの施錠・解錠を制御する制御装置に接続され、前記制御装置に前記ドアの施錠・解錠を指示する信号を送信するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記車載機は、警報用ブザーの吹鳴、及び/または警告用ランプの点灯を制御する制御装置に接続され、前記制御装置に警報用のブザー及び/または警告ランプの動作を指示する信号を送信するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記車載機は、車両のイグニション操作に関する制御を行う制御装置に接続され、前記制御装置に前記イグニション操作の許可・禁止を指示する信号を送信するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−67499(P2012−67499A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212915(P2010−212915)
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】