説明

無線通信方法及び無線通信装置

【課題】複数の周波数帯による送信機と受信機との間の相互通信にかかる通信成立性を高く維持することのできる無線通信方法及び該無線通信方法を用いた無線通信装置を提供する。
【解決手段】携帯機100側での手動操作に基づくスイッチ操作の都度、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号を予め定められた規定時間を単位として送信する。そして、車載機200を構成する受信機200R側では、送信機100Sから送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間を複数の周波数帯の別に定めてかつ、それら定めた各受信待機期間の周期を無線信号の送信の単位とする規定時間以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法及び該無線通信方法を用いた無線通信装置に関し、特にマルチチャネルを用いたリモート・キーレス・エントリ(RKE)システム等に採用して有益な方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記リモート・キーレス・エントリ・システム等、一般に、セキュリティ機器などを無線通信によって遠隔操作する無線通信装置では、車両ユーザによって所持される送受信機能を有する携帯機(送信機)と車両に搭載された同じく送受信機能を有する通信制御装置を備えた車載機(受信機)との間で無線による相互通信が行われる。そして、こうした相互通信を通じて、車両のドア錠を自動的に施解錠させたり、エンジンを始動させるようにしている。
【0003】
ところで、こうした無線通信装置では、携帯機と車載機との間での相互通信にいわゆるマルチチャネル方式が用いられることが多い。すなわちこの方式では、予め用意された複数の周波数帯の中から一つの周波数帯を選択的に用いるとともに、ユーザによる携帯機操作が行われる都度、携帯機と車載機との間での相互通信に用いられる周波数帯を自動的に切り替える。これにより、上記選択された周波数帯による携帯機と車載機との間での相互通信がノイズ等による通信環境の悪化に伴い妨害されたとしても、こうした周波数帯の切り替えを通じて、上記相互通信に用いられる周波数帯がノイズの影響の大きい周波数帯からノイズの影響の小さい周波数帯へと適宜切り替えられるようになる。
【0004】
また、こうした携帯機と車載機との間では、予め周波数が特定された周波数帯により携帯機が車載機の規格に適合したものであるか等を定期的に確認するための定期照合が行われている。
【0005】
このように、携帯機と車載機との間では、ユーザによる入力操作を通じて切り替えられる周波数帯による相互通信と、定期照合用に特定された周波数帯による相互通信とが行われている。すなわち、車載機は、ユーザによる入力操作を通じて切り替えられた未知の周波数帯による信号と、予め特定された既知の周波数帯による信号とが送信されることとなり、携帯機から送信される信号の全てを車載機により安定して受信することは難しい。そしてこのことが、携帯機と車載機との間での通信成功率の低下を招いている。
【0006】
そこで、このように複数の周波数帯を用いた携帯機と車載機との間での相互通信を安定して確立すべく、例えば特許文献1に記載の無線通信装置が提案されている。図7〜図9にこの特許文献1に記載の無線通信装置についてその概要を示す。
【0007】
図7に示すように、この無線通信装置は、無線通信機能を有する携帯機10と、車両に搭載されて例えば車両のドア錠の施解錠制御を行うドア錠施解錠装置などとして用いられる通信制御装置20とによって構成されている。
【0008】
このうち、携帯機10は、通信制御装置20との相互通信機能を備えており、上記車両のユーザによる操作指令が操作部13に入力される。この操作部13に入力されたユーザによる操作指令は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットに伝達される。これにより、制御部11では、操作部13による操作指令に応じて上記車両のドア錠の施解錠を行うための施錠操作信号や解錠操作信号といった各種操作信号が生成され、この生成された操作信号が、同信号を所定周波数の電波に変調する送信部12に出力される
。送信部12では、制御部11から入力された操作信号を変調し、この変調した操作信号を送信アンテナ12aを介して外部に送信する。なお、この送信部12は、操作信号を複数種の周波数の電波に変調することができ、制御部11から入力される周波数制御信号に基づいて送信周波数を変更できるようになっている。
【0009】
このように構成される携帯機10では、制御部11による施解錠操作信号の送信時に、6個のデータフレーム(第1〜第6データフレーム)を連続して送信する。このとき、制御部11では、送信部12に対して周波数切換信号を出力することにより、周波数チャンネルを第1チャンネルまたは第2チャンネルに切り換え、両チャンネルで施解錠操作信号を送信することができるようにしている。
【0010】
ここで、上記送信部12は、図8に示すように、第1送信回路31及び第2送信回路32からなる2つの送信回路を備えて構成されている。また、送信部12は、送信回路31及び32と制御部11との間に設けられた第1切換スイッチ33と、送信回路31及び32と送信アンテナ12aとの間に設けられた第2切換スイッチ34とを併せて備えている。このうち、第1送信回路31は、制御部11から入力される操作信号を第1周波数faに変調し、この変調された信号を送信アンテナ12aを介して外部に送信する。一方、第2送信回路32は、制御部11から入力される操作信号を上記第1周波数faとは異なる第2周波数fbに変調し、この変調された信号を送信アンテナ12aを介して外部に送信する。そして、上記切換スイッチ33及び34の接続状態の切り換えにより、「制御部11−第1送信回路31−送信アンテナ12a」となる接続状態と、「制御部11−第2送信回路32−送信アンテナ12a」となる接続状態との切り替えが行われる。
【0011】
一方、通信制御装置20は、先の図7に示したように、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成された通信制御手段としての通信制御部21を備えている。また、通信制御装置20は、送信アンテナ12aによって送信された電波(施解錠操作信号)を受信するための受信アンテナ22aを有しており、この受信アンテナ22aにより受信された施解錠操作信号が、同信号を復調する受信部22に入力される。こうして、携帯機10から送信された施解錠操作信号が受信部22によりパルス信号に復調されて通信制御部21に出力される。そして、この通信制御部21により復調された施解錠操作信号に基づきドアロック装置23の駆動制御が行われることによって、車両のドア錠の施解錠が行われるようになる。
【0012】
ここで、上記受信部22は、図9に示すように、高周波フィルタ61、高周波増幅器62、イメージキャンセルミキサ63、中間波フィルタ64、中間波増幅器65及び復調回路66が、受信アンテナ22aと通信制御部21との間に順に接続されて構成されている。また、受信部22は、上記第1周波数faの電波を検波可能な第1局部発振器68aと、上記第2周波数fbの電波を検波可能な第2局部発振器68bとを併せて備えている。さらに、これら第1局部発振器68a及び第2局部発振器68bと上記イメージキャンセルミキサ63との間には切換スイッチ67が接続されている。そして、この切換スイッチ67の接続状態の切り換えにより、「イメージキャンセルミキサ63−第1局部発振器68a」となる接続状態と、「イメージキャンセルミキサ63−第2局部発振器68b」となる接続状態との切り替えが実行される。すなわち、受信部22では、イメージキャンセルミキサ63と第1局部発振器68aとが接続された状態においては第1周波数faの電波が検波可能とされ、イメージキャンセルミキサ63と第2局部発振器68bとが接続された状態においては第2周波数fbの電波が検波可能とされる。
【0013】
このように構成される無線通信装置では、携帯機を構成する上記切換スイッチ33及び34の接続状態の切り換えを通じて、上記施解錠操作信号が第1周波数faや第2周波数fbといった異なる周波数の電波に変調される。そして、通信制御装置20では、周波数
の異なる第1周波数fa及び第2周波数fbを受信すべく上記切換スイッチ67の接続状態が切り換えられることにより、第1周波数fa及び第2周波数fbがそれぞれ第1局部発振器68a及び第2局部発振器68bによって検波される。これにより、通信環境に応じて選択された周波数の異なる電波を携帯機10によって送信することができるようになるとともに、この周波数が変更された電波を通信制御装置20によって受信することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2008−187558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、こうした無線通信装置にあっては、周波数の異なる信号を受信する際に受信対象とする信号の周波数に応じて上記切換スイッチ67が切り替えられることにより、第1局部発振器68a及び第2局部発振器68bがその都度起動される。このため、それら第1局部発振器68a及び第2局部発振器68bの立ち上がり時間や起動電流の増加が避けらず、ひいては、こうした無線通信装置が搭載される車両のバッテリ電圧(電力)の低下をも招きかねない。
【0016】
また通常、こうした無線通信装置は車両の駐車時に駆動されることから、その消費電力の低減を図るために、受信回路を所定の間隔のもとに起動し、携帯機から送信される電波を間欠的に受信可能としている。一方、一回の携帯機操作によって同携帯機から電波が送信される時間とは予め規定されている限られた時間でしかない。すなわち、上記携帯機10では、携帯機操作が行われてから例えば「500ms」の間、複数の周波数帯のうちから選択された周波数帯による電波が送信されることとなる。このため、間欠的に受信待機状態とされた車載機により複数の周波数帯を受信しようとすると、各々の周波数帯を受信することのできる機会が自ずと減り、携帯機による無線信号の送信タイミングと車載機による受信待機状態のタイミングとにずれが生じる。そして、このずれに起因して携帯機から送信された電波を正しく受信できなくなるなど、携帯機と車載機との間での通信にかかる信頼性の低下も免れない。
【0017】
なお、上述したリモート・キーレス・エントリ・システムに限らず、複数の周波数帯を切り替えて相互通信する無線通信装置にあっては、こうした課題も概ね共通したものになっている。
【0018】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の周波数帯による送信機と受信機との間の相互通信にかかる通信成立性を高く維持することのできる無線通信方法及び該無線通信方法を用いた無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、送信機側での手動操作に基づくスイッチ操作の都度、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号を予め定められた規定時間を単位として送信するとともに、受信機側では前記送信される無線信号を受信しつつ、前記スイッチ操作に対応して予め割り当てられている指令内容を認識する無線通信方法において、前記送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間を前記複数の周波数帯の別に定めてかつ、それら定めた各受信待機期間の周期を前記無線信号の送信の単位とする規定時間以下とすることを要旨とする。
【0020】
上記方法によれば、送信機から送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間が複数の周波数帯の別に定められるとともに、それら定められた各受信待機期間の周期が無線信号の送信の単位とする規定時間以下とされる。このため、一つの規定時間には、いずれの周波数帯にも対応する受信待機期間が各々包含されるようになり、送信機から送信される無線信号の全ての周波数帯に対してそれら周波数帯の無線信号を受信する機会が与えられるようになる。そして、複数の周波数帯から選択された周波数帯によって上記規定時間を単位とする無線信号が送信機から送信されると、受信機側では、送信機から送信された無線信号の周波数帯が未知の周波数帯であっても同周波数帯のもとに送信された無線信号を受信することができるようになる。これにより、複数の周波数帯を用いて送信機と受信機との間の相互通信が行われる場合であれ、その通信成立性を高く維持することができるようになる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信方法において、前記複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の直後に連続する期間として配列される態様で定めることを要旨とする。
【0022】
上記方法によるように、複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の直後に連続する期間として配列される態様で定めることとすれば、複数の周波数帯の別に対応する受信待機期間が一定のまとまりをもって設定される。これにより、いずれの周波数帯に対しても近似するタイミングで受信可能な機会が与えられるようになる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信方法において、前記複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の間に位置する期間として配列される態様で定めることを要旨とする。
【0024】
上記方法によるように、複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の間に位置する期間として配列される態様で定めることとすれば、複数の周波数帯の別の受信待機期間が一つの規定時間内で分配されるようになり、複数の周波数帯による無線信号を受信する機会が一つの規定時間内で所定の間隔毎に分配して設定されるようになる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の無線通信方法において、前記受信待機期間を、通信成功回数の多い周波数帯の順に配列される態様で定めることを要旨とする。
【0026】
上記方法によるように、上記受信待機期間を、通信成功回数の多い周波数帯の順に配列される態様で定めることとすれば、無線通信に複数の周波数帯を用いる通信形式でありながらも、送信機と受信機との間での通信をより早い段階で成立させることができるようになる。
【0027】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無線通信方法において、前記受信待機期間の周期として、第1の周期と該第1の周期よりも周期が長い第2の周期との各々異なる周期を設定し、前記受信機の消費電力を低減する節電モードとして前記第2の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信を行うとともに、前記受信機による
通常の待機モードである非節電モードとして前記第1の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信を行うことを要旨とする。
【0028】
上記受信機にあっては、無線信号を受信可能な受信待機期間となる頻度が多いほど、無線信号の受信に必要な受信回路等の起動に伴う消費電力が増大する。この点、上記方法によれば、非節電モード、換言すれば受信機による通常の待機状態においては、第1の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信が行われる。一方、受信機による節電モードにおいては、第1の周期よりも周期が長い第2の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信が行われる。これにより、節電モードにおいては、受信待機期間の間欠時間が拡大されるようになり、より少ない消費電力のもとに送信機から送信された無線信号を受信することができるようになる。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の無線通信方法において、前記節電モードでは、前記第2の周期に基づく受信待機期間で予め特定した周波数帯の無線信号のみを受信することを要旨とする。
【0030】
上記方法によれば、節電モードにおいては、予め特定された周波数帯の無線信号のみが受信可能とされる。すなわち、節電モードでは、受信機側で特定可能な周波数帯の無線信号のみが受信可能とされる。これにより、受信機に設定される受信待機期間の頻度がより低減されるようになり、消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0031】
また上記方法によれば、予め特定された周波数帯の無線信号の受信のみが行われることから、上記節電モードを設定する上で送信機と受信機との間での通信成立性を担保することができるようにもなる。
【0032】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の無線通信方法において、前記送信され受信される無線信号には、予め規定された周波数帯に基づき送信され受信される定期通信が含まれ、この定期通信に用いられる周波数帯の受信待機期間を基準として前記複数の周波数帯の別の受信待機期間を定めることを要旨とする。
【0033】
一般に、送信機と受信機との間では、送信機に対するスイッチ操作に対応して送信され受信される無線信号とは別途に、送信機及び受信機間での規格等の認証のための定期通信が行われることが多い。このため、上記方法によれば、こうした定期通信に用いられる周波数帯の受信待機期間を基準として複数の周波数帯の別の受信待機期間を定めることによって、各受信待機期間の設定を容易に行うことができるようになる。
【0034】
請求項8に記載の発明は、手動操作の可能なスイッチを有し、該スイッチが操作される都度、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号を予め定められた規定時間を単位として送信する送信機と、前記送信される無線信号を受信しつつ、前記スイッチ操作に対応して予め割り当てられている指令内容を認識する受信機とを備える無線通信装置において、前記送信機と前記受信機との間での無線通信を請求項1〜7のいずれか一項に記載の無線通信方法に基づき行うことを要旨とする。
【0035】
上記構成によれば、上記受信機では、送信機から送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間が複数の周波数帯の別に定められるとともに、それら定められた受信待機期間の周期が無線信号の送信の単位とする規定時間以下とされる。このため、送信機にて設定された一つの規定時間には、いずれの周波数帯にも対応する受信待機期間が包含されることとなる。これにより、受信機には、送信機から送信される無線信号の全ての周波数帯に対してそれら周波数帯の無線信号を受信する機会が与えら
れることとなる。そして、複数の周波数帯から選択された周波数帯によって上記規定時間を単位とする無線信号が送信機から送信されると、受信機側では、送信機から送信された無線信号の周波数帯が未知の周波数帯であっても同周波数帯のもとに送信された無線信号を受信することができるようになる。これにより、複数の周波数帯を用いて送信機と受信機との間の相互通信が行われる場合であれ、無線送信装置としての通信成立性を高く維持することができるようになる。
【0036】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の無線通信装置において、前記受信機は、前記無線信号を受信する受信回路を備えた受信部と、該受信部が受信可能な周波数帯を切り替える制御部と、前記受信回路を起動させる起動部とを備え、前記受信回路は、前記起動部から入力される信号に基づき位相の同期した信号を出力する位相同期回路を有し、前記起動部は、前記受信待機期間に対応して前記位相同期回路を起動し、該位相同期回路による位相同期動作を通じて前記送信機から送信される複数の周波数帯の無線信号を受信可能な状態とすることを要旨とする。
【0037】
上記構成によれば、上記受信回路は、上記起動部から入力される信号に基づき位相の同期した信号を出力する位相同期回路を有して構成される。そして、上記起動部によって受信待機期間に対応して位相同期回路が起動されると、この位相同期回路による位相同期動作を通じて送信機から送信される複数の周波数帯の無線信号が受信可能な状態とされる。このため、位相同期回路が一旦起動されると、上記起動部から入力される信号に基づき受信機にて受信可能な周波数帯が適宜切り替えられるようになる。これにより、送信機から送信される複数の周波数帯の無線信号を受信する上で、周波数帯に応じた各別の回路を設ける必要もなく、またそれら各別の回路を周波数帯に応じて起動する必要もない。そのため、受信回路における立ち上がり回数を少なくすることができるようになり、受信回路の起動時における起動電流が低減されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の無線通信方法及び無線通信装置の第1の実施の形態について、無線通信方法が適用される無線通信装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態の受信機の概略構成を示すブロック図。
【図3】(a)〜(c)は、同実施の形態の受信機による無線信号の受信態様の一例を示すタイムチャート。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の無線通信方法及び無線通信装置の第2の実施の形態について、無線信号の受信態様の一例を示すタイムチャート。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の無線通信方法及び無線通信装置の第3の実施の形態について、無線信号の受信態様の一例を示すタイムチャート。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の無線通信方法及び無線通信装置の第4の実施の形態について、無線信号の受信態様の一例を示すタイムチャート。
【図7】従来の無線通信装置の概略構成を示すブロック図。
【図8】従来の無線通信装置の送信部の概略構成を示すブロック図。
【図9】従来の無線通信装置の受信部の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる無線通信方法及び無線通信装置を具体化した第1の実施の形態について図1〜図3を参照して説明する。なお、本実施の形態の無線通信方法が適用される無線通信装置は、無線通信の送受信に2以上の周波数帯が用いられるマルチチャネル方式を採用して、車両に搭載される制御対象としての車両のドアやトランク等の施解錠を携帯機側から遠隔操作するリモート・キーレス・エントリ・システムに用いられる装置である。
【0040】
すなわち、図1に示すように、この無線通信装置は、大きくは、上記車両のドアやトランク等の施解錠等を遠隔操作するためにユーザによって携帯される携帯機100と、車両側に搭載されて携帯機100との無線通信を通じてその操作内容を認識するとともに必要に応じて上記施解錠等にかかる制御指令を発する車載機200とによって構成されている。
【0041】
このうち携帯機100は、上記遠隔操作のために車両のユーザによって押下操作(スイッチ操作)されるスイッチ110を備えている。このスイッチ110は、ノーマリオフでかつ自動復帰式の押下スイッチ(ボタンスイッチ)からなり、ユーザによるスイッチ操作が行われている間は、オン状態に維持され、ユーザによるスイッチ操作が行われていないときにはオフ状態に自動復帰する。なお、本実施の形態では、スイッチ110に対するスイッチ操作が一度行われると、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号が予め定められた規定時間を単位として携帯機100から送信される。また、本実施の形態では、この送信単位とされる規定時間として約「500ms」が設定されている。
【0042】
こうしたスイッチ110には、例えば車両のドアロックの施解錠を行うための操作として、この短時間オン操作が同操作の操作回数を識別するための所定の時間内に1回行われる操作、すなわち「短押し1回操作」が規定されている。また、例えば車両のトランクの施解錠を行うための操作として、短時間オン操作が所定時間内に2回行われる操作、すなわち「短押し2回操作」が規定されている。なお、本実施の形態では、第1のオン操作態様としての上記「短押し1回操作」が行われる都度、上記携帯機100と車載機200との間での無線通信に用いられる周波数帯が、予め定められた3以上の周波数帯のなかで自動的に切り替えられるものとする。
【0043】
そして、ユーザによるスイッチ操作がスイッチ110を通じて行われると、それら各スイッチ操作態様に応じた操作信号がスイッチ110を介して制御部120に入力される。この制御部120では、ユーザによるスイッチ操作が行われる都度、上記携帯機100と車載機200との間での無線通信に用いられる周波数帯が、予め定められた2以上の周波数帯のなかで自動的に切り替えられる。
【0044】
このように、携帯機100においては、ユーザによりスイッチ110を通じてスイッチ操作が行われると、その都度、制御部120によって予め定められた周波数帯のなかで無線通信に用いられる周波数帯の切り替えが行われるとともに、入力されたスイッチ操作に対応する無線信号が送信部130及び送信アンテナ131を介して車載機200に送信される。
【0045】
また、携帯機100は、同携帯機100から送信された無線通信に対する応答や同携帯機100との定期照合を行うために車載機200から送信される無線通信を受信する受信アンテナ141と受信部140とを備えている。
【0046】
なお、本実施の形態においては、図1に併せて示すように、上記スイッチ110、制御部120、そして送信部130によって送信機100Sが構成されている。
一方、こうした携帯機100との通信が行われる車載機200では、携帯機100から送信された無線信号が受信アンテナ221を介して受信部220に取り込まれる。この受信部220では、携帯機100から送信される無線信号を受信処理するとともに、この受信した無線信号に基づき、上記スイッチ110のスイッチ操作に対応して予め割り当てられている指令内容を認識する。なお、この受信部220は、同受信部220や各種機器を制御する通信制御装置210からの指令に応じて受信可能な周波数帯を適宜切り替えるこ
とにより、携帯機100から送信される複数の周波数帯を用いた無線通信を受信可能とされている。そして、この受信部220により認識された指令内容は、同指令内容に応じて車載機器の制御を促す通信制御装置210に入力される。
【0047】
この通信制御装置210では、受信部220により認識された携帯機100からの指令内容に応じて、車両制御装置230にその制御対象としてのドアロック装置231、トランク232等の各種機器の施解錠等を促す指令を伝達する。すなわち、上記スイッチ110に「短押し1回操作」が入力されたとすると、その旨の指令を受けた車両制御装置230を通じてドアロック装置231を施解錠する制御が行われる。また、上記スイッチ110に「短押し2回操作」が行われたとすると、その旨の指令を受けた車両制御装置230を通じてトランク232を施解錠する制御が行われる。
【0048】
そして、こうした車載機200と携帯機100との通信の成立の有無や、車載機200に対して無線通信を行った通信機器が車載機200の規格に適合したものであるか否かの定期照合のための無線通信が、送信部240にて予め特定された周波数帯により送信アンテナ241を介して携帯機100に送信される。
【0049】
なお、本実施の形態においては、図1に併せて示すように、上記通信制御装置210、上記受信部220、そして受信アンテナ221によって受信機200Rが構成されている。また、受信機200Rは、同受信機200Rの消費電力の低減のための節電モードと通常の待機モードである非節電モードとを備えており、例えば車両の駐停車時間が所定時間以上となる場合や上記携帯機100との定期照合の終了時等に節電モードとされる。
【0050】
図2、こうした受信機200Rを構成する上記受信部220の概略構成を示す。
図2に示すように、受信部220は、上記受信アンテナ221と上記通信制御装置210との間に順に設けられた、高周波フィルタ250、高周波増幅器251、イメージキャンセルミキサ252、中間波フィルタ253、中間波増幅器254及び復調回路255とによって構成される受信回路を備えている。また、受信部220は、受信回路として、上記携帯機100から送信された無線信号の周波数帯に応じて受信可能な周波数帯が可変とされる位相同期回路(PLL回路)260を、イメージキャンセルミキサ252と上記通信制御装置210との間に備えている。なお、受信部220を構成する各要素250〜255はそれぞれ周知の構成をなしており、その機能も周知であることから、ここでの詳細な説明を割愛する。
【0051】
ここで、上記位相同期回路260は、上記通信制御装置210によって起動され、同通信制御装置210から基準周波数frefが入力されると、この基準周波数frefはまず、同基準周波数frefとN分周器264の出力信号との位相差を電圧として出力する位相ディテクター(Phase Detector)261に取り込まれる。そして、この位相ディテクター261の出力結果は、ループ・フィルター262を介して積分され、この積分された信号がその電圧値に基づき出力周波数を決定するVCO(電圧制御発振器)263に出力される。
【0052】
このように構成される位相同期回路260では、こうした位相ディテクター261、ループ・フィルター262、VCO263、N分周器264による協働のもとに位相同期動作が行われることによって出力周波数Nxfrefが決定される。そして、この出力周波数Nxfrefが上記イメージキャンセルミキサ252に出力されることにより、位相同期回路260から入力された出力周波数Nxfrefに対応する周波数帯の無線信号が受信可能とされるようになる。
【0053】
なお、本実施の形態では、上記通信制御装置210が、上記受信部220を構成する受
信回路を起動する起動部として機能するとともに、上記受信部220の制御を通じて受信可能な周波数帯を切り替える制御部として機能する。また、本実施の形態では、こうした受信部220を備えて構成される上記受信機200Rは、主に車両の駐停車時に起動されるとともに、その消費電力の低減を図るために所定の間隔のもとに起動されることで携帯機100から送信される電波を間欠的に受信可能とされている。
【0054】
以下、このような前提のもとに行われる本実施の形態の無線通信方法について図3を参照して説明する。なお、この図3において、図3(a)は、上記設定された規定時間のもとに上記携帯機100から送信される無線信号の一例を示しており、図3(b)は、上記無線信号を受信可能な期間として上記受信機200Rに規定されている受信待機期間の推移例を示している。また、図3(c)は、上記受信機200Rの待機状態(節電モード/非節電モード)の推移例を示している。
【0055】
なお、ここでの例では上記送信機100Sと上記受信機200Rとの間で予め定められた複数の周波数帯として、第1の周波数帯CH1と第2の周波数帯CH2とが規定されている。また、上記定期照合が行われる定期通信のための周波数帯として、第1の周波数帯CH1が規定されている。
【0056】
図3(a)に示すように、本実施の形態では、ユーザによるスイッチ操作が行われると、規定時間Tsとして約「500ms」の間、例えば第1の周波数帯CH1から切り替えられた第2の周波数帯CH2の無線信号が送信される。また、上記定期通信が行われる際には、例えば、上記受信機200Rと送信機100Sとの間で予め定められた第1の周波数帯CH1による無線通信が同じく上記規定時間Tsを単位として所定の間隔毎に行われる。
【0057】
ところで、上記受信機200Rは、車両の駐停車時等における消費電力を低減するために間欠的に起動されることから、これに伴って、携帯機100から送信される無線信号を受信可能な期間も間欠的なものでしかない。これに対し、携帯機100から無線信号が送信される時間は、予め規定されている限られた規定時間Tsでしかない。このため、間欠的に受信待機状態とされた受信機200Rにより複数の周波数帯を受信しようとすると、各々の周波数帯を受信することのできる機会が自ずと減り、送信機100Sによる無線信号の送信タイミングと受信機200Rによる受信待機状態のタイミングとにずれが生じる。そして、このずれに起因して携帯機100から送信された無線信号を車載機200で正しく受信できなくなる虞がある。
【0058】
そこで本実施の形態では、受信機200Rにおける受信待機期間を第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2の別に定めてかつ、それら定めた受信待機期間の周期を無線信号の送信の単位とする規定時間Ts以下に設定することとする。
【0059】
すなわち、図3(b)に示すように、上記受信機200Rには、第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2を受信可能な期間として、第1の受信待機期間T1及び第2の受信待機期間T2がそれぞれ設定されている。そして、同図3(b)及び(c)に示すように、非節電モードにおいては、上記第1の周波数帯CH1の無線信号を受信可能な第1の受信待機期間T1の周期Tpa1は、上記規定時間Tsの半分の「250ms」とされている。そして、この第1の受信待機期間T1を基準として、第2の受信待機期間T2が基準とされた第1の受信待機期間T1の直後に連続する期間として配列されている。この第2の受信待機期間T2の周期Tpa2もまた、非節電モードにおいては上記規定時間Tsの半分の「250ms」とされている。なお、こうした非節電モードにおける第1の受信待機期間T1の周期Tpa1及び第2の受信待機期間T2の周期Tpa2が上記第1の周期に相当する。
【0060】
また、図3(b)及び(c)に示すように、節電モードにおいては、上記第1の周波数帯CH1の無線信号を受信可能な第1の受信待機期間T1の周期Tpb1は、上記規定時間Ts以下の「400ms」とされている。また、第1の受信待機期間T1を基準としてその直後に配列される第2の受信待機期間T2の周期Tpb2もまた、上記規定時間Ts以下の「400ms」とされている。なお、こうした節電モードにおける第1の受信待機期間T1の周期Tpb1及び第2の受信待機期間T2の周期Tpb2が上記第2の周期に相当する。
【0061】
この結果、携帯機100による無線通信の送信の単位とされる一つの規定時間Ts内には、いずれのタイミングにおいても第1の受信待機期間T1及び第2の受信待機期間T2が包含されることとなる。これにより、車載機200では、携帯機100から送信される無線信号の周波数帯が周波数帯CH1及びCH2のいずれの周波数帯であるかが未知の場合であっても、それら周波数帯CH1及びCH2の無線信号を確実に受信することが可能となる。
【0062】
なお、本実施の形態では、このように第1の受信待機期間T1の直後に第2の受信待機期間T2が配列される態様での受信待機期間の設定は、上記位相同期回路260による位相同期動作を通じて実現される。このため、受信部220を構成する受信回路が一旦起動された後は、通信制御装置210から入力される基準周波数frefを適宜変更することによって、受信可能な無線信号の周波数帯の切り替えが行われる。これにより、2つの周波数帯CH1及びCH2を連続して受信可能とする上で、それら周波数帯CH1及びCH2に対応する受信回路を各別に設ける必要もなく、上記位相同期回路260をはじめとする各回路を周波数帯CH1及びCH2に応じて立ち上げる必要もない。この結果、受信部220としての簡略化はもとより、消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0063】
そして、このような前提のもとにユーザによる車両操作等に基づき車両の駐停車等が確認されると、まず上記受信機200Rが起動される。こうして起動された受信機200Rでは、はじめに非節電モードとされ、例えば「250ms」の周期のもとに上記受信部220を構成する受信回路が起動・停止される。そして、受信機200Rが起動されてから所定時間Txが経過すると、消費電力を低減すべく受信機200Rの起動状態が非節電モードから節電モードに移行する。こうして、受信機200Rが非節電モードに移行すると、例えば「400ms」の周期のもとに上記受信部220を構成する受信回路が起動される。
【0064】
そして、こうした周期のもとに受信回路が起動されている間、換言すれば、連続する期間として配列された第1の受信待機期間T1あるいは第2の受信待機期間T2の間に、携帯機100から第1の周波数帯CH1あるいは第2の周波数帯CH2の無線信号が送信されると、この無線信号はその周波数帯がいずれの周波数帯であっても各々対応する各受信待機期間T1及びT2にて受信されるようになる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態にかかる無線通信方法及び無線通信装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)受信機200Rにおける各受信待機期間T1及びT2を第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2の別に定めてかつ、それら定めた受信待機期間T1及びT2の各周期を送信機100Sにおける無線信号の送信の単位とする規定時間Ts以下に設定することとした。このため、一つの規定時間Ts内には、第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2のいずれの周波数帯にも対応する受信待機期間T1及びT2が各々包含されるようになる。つまり、受信機200Rには、送信機100Sから送信される無線信号の全ての周波数帯に対してそれら周波数帯の無線信号を受信する機会が与えられるようにな
る。それゆえ、受信機200Rを備えて構成される車載機200では、送信機100Sを備えて構成される携帯機100から送信された無線信号の周波数帯が第1の周波数帯CH1あるいは第2の周波数帯CH2のうちいずれの周波数帯であるかが未知であっても同周波数帯のもとに送信された無線信号を受信することができるようになる。このため、複数の周波数帯を用いて送信機100Sと受信機200Rとの間の相互通信が行われる場合であれ、その通信成立性を高く維持することができるようになる。
【0066】
(2)また、上記方法によれば、必要最小限の間欠的な各受信待機期間T1及びT2の設定を通じて複数の周波数帯による無線信号を受信可能なことから、受信機200Rでの消費電力の低減が図られるようにもなる。すなわち、複数の周波数帯を用いた相互通信の通信成立性と消費電力の低減との好適な両立が図られるようになる。
【0067】
(3)上記各受信待機期間T1及びT2の設定を、第1の受信待機期間T1を基準として、第2の受信待機期間T2をこの基準とした第1の受信待機期間T1の直後に連続する期間として配列される態様で行うこととした。これにより、第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2の別に対応する各受信待機期間T1及びT2が一定のまとまりをもって設定されるようになり、いずれの周波数帯に対しても近似するタイミングで受信可能な機会が与えられるようになる。
【0068】
(4)受信部220を構成する受信回路として、通信制御装置210から入力される信号に基づき位相の同期した信号を出力する位相同期回路260を備える構成とした。そして、各受信待機期間T1及びT2に対応して位相同期回路260を含む受信回路を起動するとともに、この位相同期回路260による位相同期動作を通じて携帯機100から送信される各周波数帯CH1及びCH2の周波数帯の無線信号を受信可能な状態とすることとした。このため、位相同期回路260が一旦起動されると、上記通信制御装置210から入力される信号に基づいて受信機200R側で受信可能な周波数帯が適宜切り替えられるようになる。これにより、携帯機100から送信される複数の周波数帯の無線信号を受信する上で周波数帯に応じた各別の回路を設ける必要もなく、またそれら各別の回路を周波数帯に応じて起動する必要もない。そのため、受信回路における立ち上がり回数を少なくすることができるようになり、受信回路の起動時における起動電流が低減されるようになる。すなわち、受信機200Rとしての消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0069】
(5)また、こうした構成は、上記第1の受信待機期間T1の直後に連続する期間として第2の受信待機期間T2が配列されるときに特に有効であり、各受信待機期間T1及びT2が連続して配列された受信待機期間の実現と起動電流の低減との好適な両立が図られるようになる。
【0070】
(6)各受信待機期間T1及びT2の周期として、第1の周期Tpa1及びTpa2と、この第1の周期Tpa1及びTpa2よりも周期が長い第2の周期Tpb1及びTpb2との各々異なる周期を設定した。そして、受信機200Rでの節電モードとして第2の周期Tpb1及びTpb2に基づく各受信待機期間T1及びT2での無線信号の受信を行うとともに、受信機200Rでの非節電モードとして第1の周期Tpa1及びTpa2に基づく受信待機期間T1及びT2での無線信号の受信を行うこととした。これにより、節電モードにおいては、各受信待機期間T1及びT2の間欠時間が拡大されるようになり、受信機200Rでは、より少ない消費電力のもとに携帯機100から送信された無線信号を受信することができるようになる。
【0071】
(7)携帯機100と車載機200との間で予め規定された周波数帯CH1に基づき送信され受信される定期通信を行うとともに、この定期通信に用いられる第1の周波数帯CH1に対応する第1の受信待機期間T1を基準として第2の受信待機期間T2を定めるこ
ととした。これにより、各周波数帯CH1及びCH2に対応する各受信待機期間T1及びT2の設定を容易に行うことができるようになる。また、これにより、携帯機100及び車載機200間での認証のために必要な定期通信と、リモート・キーレス・エントリシステムに基づく相互通信との好適な両立が図られるようになる。
【0072】
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる無線通信方法及び無線通信装置を具体化した第2の実施の形態について図4を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、上記節電モードにおいて、予め特定された周波数帯の無線信号のみが受信可能とされたものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
【0073】
図4は、先の図3に対応する図として、この第2の実施の形態にかかる受信待機期間の配列態様を示したものである。なお、この図4において、図4(a)は、上記設定された規定時間のもとに上記携帯機100から送信される無線信号の一例を示しており、図4(b)は、上記無線信号を受信可能な期間として上記受信機200Rに規定されている受信待機期間の推移例を示している。また、図4(c)は、上記受信機200Rの待機状態(節電モード/非節電モード)の推移例を示している。また、この図4において、先の図1〜図3に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0074】
図4(b)及び(c)に示すように、本実施の形態では、上記受信機200Rが起動されてから所定時間Txが経過したことによって同受信機200Rの待機状態が非節電モードから節電モードに移行すると、受信機200Rにて予め特定された定期通信用の第1の周波数帯CH1のみが受信可能とされる。すなわち、第2の周期Tpb1に基づく第1の受信待機期間T1にて定期通信用の周波数帯CH1の無線信号のみが受信可能とされる。これにより、節電モードにおいては、受信機200R側で特定可能な周波数帯CH1のみを受信可能としたことで必要最低限の通信成立性を担保しつつも、受信機200Rにて設定される第1の受信待機期間T1の設定頻度、換言すれば上記受信回路の立ち上がり頻度がより低減されるようになる。これにより、受信機200Rでの消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0075】
なお、このように周波数帯CH1の無線信号のみが受信可能とされる場合であれ、ユーザのスイッチ操作を通じて無線送信に用いられる周波数帯が自動で切り替えられることから、リモート・キーレス・エントリ・システムとしての携帯機100と車載機200との間での通信成立性は担保されることとなる。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態にかかる無線通信方法及び無線通信装置によれば、上記(1)〜(7)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0077】
(8)上記節電モードでは、第2の周期Tpb1に基づく第1の受信待機期間T1にて予め特定された定期通信用の第1の周波数帯CH1の無線信号のみを受信することとした。これにより、受信機200Rとしての必要最低限の通信成立性を担保しつつも、受信機200Rにて設定される第1の受信待機期間T1の設定頻度、換言すれば上記受信回路の立ち上がり頻度がより低減されるようになり、消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0078】
(第3の実施の形態)
以下、本発明にかかる無線通信方法及び無線通信装置を具体化した第3の実施の形態について図5を参照して説明する。なお、この第3の実施の形態は、上記第1の受信待機期
間T1及び第2の受信待機期間T2が所定の間隔のもとに分配される態様で配列されたものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
【0079】
図5は、先の図3に対応する図として、この第3の実施の形態にかかる受信待機期間の配列態様を示したものである。なお、この図5において、図5(a)は、上記設定された規定時間のもとに上記携帯機100から送信される無線信号の一例を示しており、図5(b)は、上記無線信号を受信可能な期間として上記受信機200Rに規定されている受信待機期間の推移例を示している。また、図5(c)は、上記受信機200Rの待機状態(節電モード/非節電モード)の推移例を示している。また、この図5において、先の図1〜図3に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0080】
図5(b)及び(c)に示すように、本実施の形態の非節電モードにおいても、上記第1の周波数帯CH1の無線信号を受信可能な第1の受信待機期間T1の周期Tpa1は、上記規定時間Tsの半分の時間である「250ms」とされている。そして、この第1の受信待機期間T1を基準として、この第1の受信待機期間T1が各々配列される中心の位置に、第2の受信待機期間T2がそれぞれ配列されている。この第2の受信待機期間T2の周期Tpa2もまた、非節電モードにおいては上記規定時間Tsの半分の時間の「250ms」とされている。これにより、本実施の形態では、第1の受信待機期間T1及び第2の受信待機期間T2が均等な間隔のもとに交互に配列されるようになる。
【0081】
また、図5(b)及び(c)に示すように、節電モードにおいては、第1の受信待機期間T1の周期Tpb1が上記規定時間Ts以下の「400ms」とされるとともに、第1の受信待機期間T1の中間点に配列される第2の受信待機期間T2の周期Tpb2もまた、上記規定時間Ts以下の「400ms」とされている。
【0082】
このため、本実施の形態においても、携帯機100から無線通信の送信の単位とされる一つの規定時間Ts内には、いずれのタイミングにおいても第1の受信待機期間T1及び第2の受信待機期間T2が包含されることとなる。これにより、車載機200では、携帯機100から送信される無線信号の周波数帯が周波数帯CH1及びCH2のいずれの周波数帯であるかが未知の場合であっても、それら周波数帯CH1及びCH2の無線信号を確実に受信することが可能となる。
【0083】
また、このように第1の受信待機期間T1及び第2の受信待機期間T2が均等な間隔のもとに交互に配列されることにより、受信機200Rでは、携帯機100から送信された無線信号を受信する機会が第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2に対して均等な間隔のもとに与えられるようになる。
【0084】
そして、このような前提のもとに、ユーザによる車両操作等に基づき車両の駐停車等が確認されると、まず上記受信機200Rが起動される。こうして起動された受信機200Rでは、はじめに非節電モードとされ、例えば「250ms」の周期のもとに上記受信部220を構成する受信回路が起動・停止される。そして、受信機200Rが起動されてから所定時間Txが経過すると、消費電力を低減すべく受信機200Rが非節電モードから節電モードに移行する。こうして、受信機200Rが非節電モードに移行すると、例えば「400ms」の周期のもとに上記受信部220を構成する受信回路が起動される。
【0085】
そして、こうした周期のもとに受信回路が起動されている間、換言すれば、交互に配列された第1の受信待機期間T1あるいは第2の受信待機期間T2の間に、携帯機100から第1の周波数帯CH1あるいは第2の周波数帯CH2の無線信号が送信されると、この無線信号は、その周波数帯がいずれの周波数帯であっても各々対応する各受信待機期間T
1及びT2にて受信されるようになる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態にかかる無線通信方法及び無線通信装置によれば、上記(1)、(2)、(4)、(6)、(7)の効果が得られるようになるとともに、上記(3)の効果に代えて以下の効果が得られるようになる。
【0087】
(3A)各受信待機期間T1及びT2の設定を、第1の受信待機期間T1を基準として、この第1の受信待機期間T1が各々配列される中心の位置に第2の受信待機期間T2が配列される態様で行うこととした。これにより、各受信待機期間T1及びT2が均等な間隔のもとに交互に配列されるようになり、受信機200Rでは、携帯機100から送信された無線信号を受信する機会が第1の周波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2に対して均等な間隔のもとに与えられるようになる。
【0088】
(第4の実施の形態)
以下、本発明にかかる無線通信方法及び無線通信装置を具体化した第4の実施の形態について図6を参照して説明する。なお、この第4の実施の形態は、先の第3の実施の形態における節電モードにおいて予め特定された周波数帯の無線信号のみが受信可能とされたものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
【0089】
図6は、先の図3に対応する図として、この第4の実施の形態にかかる受信待機期間の配列態様を示したものである。なお、この図6において、図6(a)は、上記設定された規定時間のもとに上記携帯機100から送信される無線信号の一例を示しており、図6(b)は、上記無線信号を受信可能な期間として上記受信機200Rに規定されている受信待機期間の推移例を示している。また、図6(c)は、上記受信機200Rの待機状態(節電モード/非節電モード)の推移例を示している。また、この図6において、先の図1〜図3に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0090】
図6(b)及び(c)に示すように、本実施の形態では、上記受信機200Rが起動されてから所定時間Txが経過したことによって同受信機200Rの待機状態が非節電モードから節電モードに移行すると、受信機200Rにて予め特定された定期通信用の第1の周波数帯CH1のみが受信可能とされる。すなわち、第2の周期Tpb1に基づく第1の受信待機期間T1にて定期通信用の周波数帯CH1の無線信号が受信可能とされる。これにより、節電モードにおいては、受信機200R側で特定可能な周波数帯CH1のみを受信可能としたことで必要最低限の通信成立性を担保しつつも、受信機200Rにて設定される第1の受信待機期間T1の設定頻度、換言すれば上記受信回路の立ち上がり頻度がより低減されるようになる。これにより、受信機200Rの消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0091】
なお、このように周波数帯CH1のみが受信可能とされる場合であれ、ユーザのスイッチ操作を通じて無線送信に用いられる周波数帯が自動で切り替わることから、リモート・キーレス・エントリ・システムとしての携帯機100と車載機200との間での通信成立性は担保されることとなる。
【0092】
以上説明したように、本実施の形態にかかる無線通信方法及び無線通信装置によれば、上記(1)、(2)、(3A)(4)、(6)、(7)の効果が得られるようになるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0093】
(8A)上記節電モードでは、第2の周期Tpb1に基づく第1の受信待機期間T1にて予め特定された定期通信用の第1の周波数帯CH1の無線信号のみを受信することとし
た。これにより、受信機200Rとしての必要最低限の通信成立性を担保しつつも、受信機200Rにて設定される第1の受信待機期間T1の頻度、換言すれば上記受信回路の立ち上がり頻度がより低減されるようになり、消費電力のさらなる低減が図られるようになる。
【0094】
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記各実施の形態では、スイッチ操作に対応した無線信号が送信される規定時間Tsとして「500ms」を設定した。また、上記各受信待機期間T1及びT2の第1の周期Tpa1及びTpa2として「250ms」を設定するとともに、各受信待機期間T1及びT2の第2の周期Tpb1及びTpb2として「400ms」を設定することとした。これに限らず、規定時間Ts、第1の周期Tpa1及びTpa2、第2の周期Tpb1及びTpb2としては任意の時間を設定することができる。要は、各受信待機期間T1及びT2の周期が、無線信号の送信の単位とする規定時間Ts以下となる周期であればよい。
【0095】
・上記第3及び第4の実施の形態では、各受信待機期間T1及びT2の設定を、第1の受信待機期間T1を基準として、この第1の受信待機期間T1が各々配列される中心の位置に第2の受信待機期間T2が配列される態様で行うこととした。これに限らず、第2の受信待機期間T2は、第1の受信待機期間T1を基準として同第1の受信待機期間T1の間に順次配列される態様で設定されるものであればよい。
【0096】
・上記第2及び第4の実施の形態では、受信機200Rの節電モードにおいて、第2の周期Tpb1に基づく第1の受信待機期間T1にて第1の周波数帯CH1の無線信号のみを受信可能とすることとした。これに限らず、受信機200Rの節電モードでは、第2の周期Tpb2に基づく第2の受信待機期間T2にて第2の周波数帯CH2の無線信号のみを受信可能とすることとしてもよい。すなわち、受信機200Rの節電モードにおいて受信可能とする無線信号の周波数帯は任意である。
【0097】
・上記各実施の形態では、上記携帯機100及び車載機200間で送受信される無線信号に予め規定された第1の周波数帯CH1に基づき送受信される定期通信を含むこととし、この定期通信に用いられる第1の周波数帯CH1の受信待機期間T1を基準として各受信待機期間T1及びT2を定めることとした。これに限らず、携帯機100と車載機200との間での定期通信を行わないこととし、上記無線通信に用いられる各周波数帯のうちの任意の周波数帯を基準として各受信待機期間T1及びT2を定めるようにしてもよい。
【0098】
・上記各実施の形態では、受信機200Rによる節電モードとして第2の周期Tpb1及びTpb2に基づく各受信待機期間T1及びT2での無線信号の受信を行うとともに、受信機200Rによる非節電モードとして第1の周期Tpa1及びTpa2に基づく各受信待機期間T1及びT2での無線信号の受信を行うこととした。これに限らず、受信機200Rによる節電モード/非節電モードの切り替えを割愛し、第1の周期Tpa1及びTpa2もしくは第2の周期Tpb1及びTpb2のみに基づく各受信待機期間T1及びT2での無線信号の受信を行うようにしてもよい。
【0099】
・上記各実施の形態では、受信機200Rを構成する受信回路として位相同期回路260を備える構成とし、この位相同期回路260による位相同期動作を通じて携帯機100から送信される複数の周波数帯の無線信号を受信可能な状態とすることとした。これに限らず、受信機200Rを構成する受信回路として所定の周波数帯を受信可能な複数の発振器を備える構成とし、この発振器の選択を通じて複数の周波数帯を受信するようにしてもよい。
【0100】
・上記各実施の形態では、携帯機100と車載機200との間での無線通信に第1の周
波数帯CH1及び第2の周波数帯CH2を用いることとした。これに限らず、携帯機100と車載機200との間での無線通信に3以上の周波数帯を用いることとし、ユーザによるスイッチ操作が行われる都度、携帯機100から送信される周波数帯を順次切り替えるようにしてもよい。この場合にも、携帯機100から送信される周波数帯の数に応じた受信待機期間を、
a,複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の直後に連続する期間として配列される態様で定める、あるいは、
b、複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の間に位置する期間として配列される態様で定める、
こととすれば、前記(1)〜(7)、(3A)に準じた効果を得ることができる。
【0101】
・なお、上記受信待機期間を、通信成功回数の多い周波数帯の順に配列される態様で定めるようにしてもよい。この場合には、無線通信に複数の周波数帯を用いる通信形式でありながらも、携帯機100と車載器200との間での通信をより早い段階で成立させることができるようになる。
【0102】
・上記第1及び第2の実施の形態では、上記各受信待機期間T1及びT2の設定を、第1の受信待機期間T1を基準として、第2の受信待機期間T2をこの基準とした第1の受信待機期間T1の直後に連続する期間として配列される態様で行うこととした。また、上記第3及び第4の実施の形態では、各受信待機期間T1及びT2の設定を、第1の受信待機期間T1を基準として、この第1の受信待機期間T1の間に第2の受信待機期間T2が配列される態様で行うこととした。この他、例えば、同一の周波数帯に対応する受信待機期間が連続して配列される態様で各受信待機期間を設定するようにしてもよい。要は、携帯機100から送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間を複数の周波数帯の別に定めてかつ、それら定めた各受信待機期間の周期を無線信号の送信の単位とする規定時間以下とするものであればよい。
【0103】
・上記各実施の形態では、上記無線通信方法及び無線通信装置を、車両のキーレス・エントリ・システムに適用することとしたが、この他、家屋等のセキュリティシステムにこの無線通信方法あるいは無線通信装置を適用することも可能である。要は、送信機と受信機との間でスイッチのオン操作に対応する指令内容を複数の周波数帯を用いて送受信するものであれば本発明の適用は可能である。
【符号の説明】
【0104】
100…携帯機、100S…送信機、110…スイッチ、120…制御部、130…送信部、131…送信アンテナ、140…受信部、141…受信アンテナ、200…車載機、200R…受信機、210…通信制御装置、220…受信部、221…受信アンテナ、230…車両制御装置、231…ドアロック装置、232…トランク、240…送信部、241…送信アンテナ、250…高周波フィルタ、251…高周波増幅器、252…イメージキャンセルミキサ、253…中間波フィルタ、254…中間波増幅器、255…復調回路、260…位相同期回路、261…位相ディテクター、262…ループ・フィルター、263…VCO(電圧制御発振器)、264…N分周器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機側での手動操作に基づくスイッチ操作の都度、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号を予め定められた規定時間を単位として送信するとともに、受信機側では前記送信される無線信号を受信しつつ、前記スイッチ操作に対応して予め割り当てられている指令内容を認識する無線通信方法において、
前記送信される無線信号を所定の周期のもとに間欠的に受信可能とする受信待機期間を前記複数の周波数帯の別に定めてかつ、それら定めた各受信待機期間の周期を前記無線信号の送信の単位とする規定時間以下とする
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の直後に連続する期間として配列される態様で定める
請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記複数の周波数帯のうちのある一つの周波数帯に対応して定めた受信待機期間を基準として、他の周波数帯の受信待機期間をそれぞれこの基準とした受信待機期間の間に位置する期間として配列される態様で定める
請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記受信待機期間を、通信成功回数の多い周波数帯の順に配列される態様で定める
請求項2または3に記載の無線通信方法。
【請求項5】
前記受信待機期間の周期として、第1の周期と該第1の周期よりも周期が長い第2の周期との各々異なる周期を設定し、前記受信機の消費電力を低減する節電モードとして前記第2の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信を行うとともに、前記受信機による通常の待機モードである非節電モードとして前記第1の周期に基づく受信待機期間での無線信号の受信を行う
請求項1〜4のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項6】
前記節電モードでは、前記第2の周期に基づく受信待機期間で予め特定した周波数帯の無線信号のみを受信する
請求項5に記載の無線通信方法。
【請求項7】
前記送信され受信される無線信号には、予め規定された周波数帯に基づき送信され受信される定期通信が含まれ、この定期通信に用いられる周波数帯の受信待機期間を基準として前記複数の周波数帯の別の受信待機期間を定める
請求項1〜6のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項8】
手動操作の可能なスイッチを有し、該スイッチが操作される都度、予め定められた複数の周波数帯のなかから周波数帯を切り替えてこのスイッチ操作に対応した無線信号を予め定められた規定時間を単位として送信する送信機と、前記送信される無線信号を受信しつつ、前記スイッチ操作に対応して予め割り当てられている指令内容を認識する受信機とを備える無線通信装置において、
前記送信機と前記受信機との間での無線通信を請求項1〜7のいずれか一項に記載の無線通信方法に基づき行う
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
前記受信機は、前記無線信号を受信する受信回路を備えた受信部と、該受信部が受信可能な周波数帯を切り替える制御部と、前記受信回路を起動させる起動部とを備え、
前記受信回路は、前記起動部から入力される信号に基づき位相の同期した信号を出力する位相同期回路を有し、前記起動部は、前記受信待機期間に対応して前記位相同期回路を起動し、該位相同期回路による位相同期動作を通じて前記送信機から送信される複数の周波数帯の無線信号を受信可能な状態とする
請求項8に記載の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−60252(P2012−60252A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199158(P2010−199158)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】