説明

画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】本発明は、間隔保持部材の磨耗を抑制することで、印字不良の発生を抑えることができる画像形成装置と、この画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、回転可能な感光体(感光ドラム53)と、感光体の軸方向に並ぶ複数の明滅部を有して感光体を露光する露光部材(LEDヘッド41)と、感光体と接触して、感光体と露光部材との間隔を保持する一対の間隔保持部材(ガイドローラ43)と、感光体に摺接する一対のクリーニング部材100を備えている。そして、一対の間隔保持部材と一対のクリーニング部材100は、感光体の軸方向で対応する位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体と露光部材との間隔を保持する一対の間隔保持部材を備えた画像形成装置と、この画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDヘッドで感光ドラムを露光する画像形成装置として、LEDヘッドと感光ドラムとの間に、LEDヘッドと感光ドラムとの光軸方向の間隔を保持するためのローラ(間隔保持部材)を設けたものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、LEDヘッドに回転可能に設けたローラが、感光ドラムと接触することで、LEDヘッドと感光ドラムとの光軸方向の間隔が保持されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−19602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、感光ドラムの周面に紙粉やトナー等の異物が付着すると、この異物が感光ドラムとローラとの間に挟まってローラと摺接することで、ローラ表面が徐々に削れるおそれがあった。そして、このようにローラ表面が削れると、LEDヘッドと感光ドラムとの光軸方向の間隔が変化して、印字不良が発生するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、間隔保持部材の磨耗を抑制することで、印字不良の発生を抑えることができる画像形成装置と、この画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、回転可能な感光体と、前記感光体の軸方向に並ぶ複数の明滅部を有して前記感光体を露光する露光部材と、前記感光体と接触して、前記感光体と前記露光部材との間隔を保持する一対の間隔保持部材と、を備えた画像形成装置であって、前記感光体に摺接し、前記感光体上の付着物を除去する一対のクリーニング部材をさらに備え、前記一対の間隔保持部材と前記一対のクリーニング部材とが、前記感光体の軸方向で対応する位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、画像形成装置に設けられる露光部材によって露光される回転可能な感光体を備え、画像形成装置に装着された際に、前記感光体が露光部材に設けられる一対の間隔保持部材と接触するプロセスカートリッジであって、前記感光体に摺接する一対のクリーニング部材をさらに備え、前記画像形成装置に装着された際に、前記一対の間隔保持部材と前記一対のクリーニング部材とが、前記感光体の軸方向で対応する位置に配置されることを特徴とする。
【0008】
ここで、「感光体の軸方向」とは、感光体が感光ドラムである場合には、その軸方向を意味し、感光体がベルトとベルトを回転可能に支持する支持軸とで構成される場合には、支持軸の軸方向を意味する。
【0009】
本発明によれば、感光体に接触する一対の間隔保持部材と一対のクリーニング部材とが、感光体の軸方向で対応する位置に配置されるので、感光体の間隔保持部材に対応する位置に付着した異物が感光体の回転に伴って間隔保持部材に向けて移動しても、間隔保持部材に到達する前にクリーニング部材で拭き取られる。そのため、異物による間隔保持部材の磨耗を抑制することができ、印字不良の発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、感光体に接触する一対の間隔保持部材と一対のクリーニング部材とが、感光体の軸方向で対応する位置に配置されるので、クリーニング部材で異物を拭き取ることで、間隔保持部材の磨耗を抑制することができ、印字不良の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図であり、図2はLEDユニットおよびプロセスカートリッジを示す拡大図である。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0012】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0013】
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10内に、被転写体の一例としての用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
【0014】
本体筐体10の上部には本体筐体10に対し相対的に開閉自在なアッパーカバー12が、後側に設けられたヒンジ12Aを支点として上下に回動自在に設けられている。アッパーカバー12の上面は、本体筐体10から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ13となっており、下面には後述するLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材14が設けられている。
【0015】
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、本体筐体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を主に備えている。この給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、用紙供給機構22によって一枚ずつ分離されて画像形成部30に供給される。
【0016】
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とから主に構成されている。
【0017】
LEDユニット40は、LED取付部材14に対して揺動可能に連結される連結部材16に揺動可能に支持されており、本体筐体10に設けられる位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。なお、LEDユニット40の詳細な構造は、後述することとする。
【0018】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー12と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、図2に示すように、ドラムユニット51と、ドラムユニット51に対して着脱自在に装着される現像ユニット61とを備えている。なお、各プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61のトナー収容室66に収容されるトナーの色が相違するのみであり、構成は同一である。
【0019】
ドラムユニット51は、ドラムフレーム52と、ドラムフレーム52に回転可能に支持される感光体の一例としての感光ドラム53と、帯電器54とを主に備えている。
【0020】
現像ユニット61は、現像フレーム62と、現像フレーム62に回転可能に支持される現像ローラ63および供給ローラ64と、層厚規制ブレード65と、トナーを収容するトナー収容室66を有している。プロセスカートリッジ50は、現像ユニット61がドラムユニット51に装着されることで現像フレーム62とドラムフレーム52との間に形成される露光穴55を有しており、この露光穴55の下方には、感光ドラム53が配置されている。そして、この露光穴55にLEDユニット40が挿入されることで、LEDユニット40が感光ドラム53に対向して配置されている。
【0021】
図1に示すように、転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を主に備えている。
【0022】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム53に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム53に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0023】
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0024】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム53の表面が、帯電器54により一様に帯電された後、各LEDユニット40から照射される光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム53上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0025】
また、トナー収容室66内のトナーが、供給ローラ64の回転により現像ローラ63に供給され、現像ローラ63の回転により現像ローラ63と層厚規制ブレード65との間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ63上に担持される。
【0026】
現像ローラ63上に担持されたトナーは、現像ローラ63が感光ドラム53に対向して接触するときに、感光ドラム53上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム53上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像(現像剤像)が形成される。
【0027】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム53と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム53上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0028】
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、手前側に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
【0029】
<感光ドラム周りの構成>
次に、本発明の特徴部分である感光ドラム53周りの構成について説明する。参照する図面において、図3は感光ドラム周りの構造を簡略的に示す正面図である。
【0030】
図2に示すように、感光ドラム53の周りには、LEDユニット40と、クリーニング部材100とが配設されている。
【0031】
図3に示すように、LEDユニット40は、露光部材の一例としてのLEDヘッド41と、支持フレーム42と、間隔保持部材の一例としての一対のガイドローラ43とを主に備えて構成されている。
【0032】
LEDヘッド41は、半導体チップに多数のLEDを配列して構成された複数のLEDアレイ41Aと、ヘッドフレーム41Bと、レンズアレイ41Cとを備えて構成されている。本実施形態においては、明滅部は、一例として、複数のLEDアレイ41Aとレンズアレイ41Cとにより構成されている。
【0033】
複数のLEDアレイ41Aは、左右方向(感光ドラム53の軸方向)に一列に配列されており、選択的に駆動されることで適宜発光して、光を感光ドラム53に向けて照射するように構成されている。具体的に、各LEDアレイ41Aは、形成すべき画像のデータに基づいて、図示しない制御装置により信号が入力されて発光し、感光ドラム53を露光する。
【0034】
ヘッドフレーム41Bは、樹脂で形成されており、その下部で複数のLEDアレイ41Aを支持している。なお、ヘッドフレーム41Bが樹脂で形成されることにより、LEDヘッド41の小型化および低コスト化が図られるとともに、帯電器などの高圧部品からの放電が抑制されている。
【0035】
レンズアレイ41Cは、複数のセルフォックレンズ(登録商標)が配列されたものであり、各LEDアレイ41Aの配列方向に沿って延びて、ヘッドフレーム41Bに固定されている。
【0036】
支持フレーム42は、左右方向に延びるベース部42Aと、ベース部42Aの両端から下方に延出する一対の延出部42Bとを備えて構成されている。ベース部42Aの下面には、LEDヘッド41が設けられ、各延出部42Bの下部には、ガイドローラ43が回転可能に設けられている。そして、ベース部42Aは、コイルバネ44を介して前述した連結部材16(図1参照)に支持されている。
【0037】
ガイドローラ43は、円筒状の部材であり、前述したコイルバネ44からの付勢力が支持フレーム42を介して伝達されることで、感光ドラム53に押し付けられて感光ドラム53に従動回転するようになっている。ガイドローラ43は、感光ドラム53と接触することで、感光ドラム53が偏芯している場合でも、感光ドラム53と支持フレーム42に支持されたLEDヘッド41との光軸方向の間隔を保持している。そして、各ガイドローラ43は、感光ドラム53の表面に塗布される感光層53Aよりも左右方向外側の領域(感光層53Aの未塗布領域53B)に配置されている。
【0038】
ここで、感光ドラム53は、金属製の素管の中央部分に感光層53Aを塗布することで構成されており、この金属製の素管の表面(未塗布領域53B)上を各ガイドローラ43が転がるようになっている。また、感光層53Aの幅(感光ドラム53の軸方向の長さ)は、現像ローラ63(図2参照)の幅よりも大きく形成されており、これにより、現像ローラ63は感光層53Aの軸方向全体に亘って当接するようになっている。
【0039】
図2に示すように、クリーニング部材100は、撓み変形可能なフィルム110と、フィルム110の先端に貼り付けられるスポンジ120とを備えて構成されている。フィルム110は、所定量撓んだ状態で基端部がドラムフレーム52に固定されており、これにより、スポンジ120を感光ドラム53に対して押し付けて、感光ドラム53上の付着物(紙粉等)を除去している。
【0040】
ここで、スポンジ120には、フッ素油とフッ素系樹脂とを含む潤滑剤を塗布するとよい。これによれば、スポンジ120が感光ドラム53の表面上を良好に滑って、感光ドラム53をスムーズに回転させることができる。なお、潤滑剤としては、例えば、関東化成工業株式会社製のハナール(登録商標)などを採用できる。
【0041】
このように構成されるクリーニング部材100は、図3に示すように、そのスポンジ120が感光ドラム53と摺接するように左右に一対設けられ、感光ドラム53の軸方向で一対のガイドローラ43と同じ位置(対応する位置)に配置されている。すなわち、各クリーニング部材100のスポンジ120は、各ガイドローラ43と同様に、感光層53Aの未塗布領域53Bに配置されている。より具体的には、スポンジ120は、図に2点鎖線で示すガイドローラ43が感光ドラム53と接触する領域53Cの幅(感光ドラム53の軸方向の幅)よりも大きく形成されており、この領域53Cをすべて覆うように感光ドラム53に摺接している。これにより、ガイドローラ43が感光ドラム53に接触する領域53Cの全体が、スポンジ120で確実に拭き取られるようになっている。
【0042】
また、スポンジ120は、図2に示すように、転写位置CPよりも感光ドラム53の回転方向下流側で、かつ、帯電位置EPよりも回転方向上流側に配置されている。ここで、「転写位置CP」とは、感光ドラム53上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する位置をいい、「帯電位置EP」とは、感光ドラム53が帯電器54により帯電される位置であり、感光ドラム53を帯電させる帯電器54の近傍の位置をいう。そして、このようにスポンジ120が配置されることにより、用紙Pと感光ドラム53との摺接などにより転写位置CPから発生した紙粉を、直ぐにスポンジ120で拭き取ることが可能となっている。
【0043】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
感光ドラム53に接触する一対のガイドローラ43と一対のクリーニング部材100(スポンジ120)とが、感光ドラム53の軸方向で同じ位置に配置されるので、クリーニング部材100で異物を拭き取ることで、ガイドローラ43の磨耗を抑制することができ、印字不良の発生を抑えることができる。
【0044】
ガイドローラ43とクリーニング部材100が感光ドラム53の感光層53Aの未塗布領域53Bに配置されているので、ガイドローラ43またはクリーニング部材100によって感光層53Aが削られることがない。そのため、ガイドローラ43等を感光層53A上に配置したものに比べ、感光層53Aが削られることでガイドローラ43の位置が変わって感光ドラム53とLEDヘッド41との光軸方向の間隔が変わることを防止することができる。
【0045】
また、ガイドローラ43等を未塗布領域53Bに配置することで、ガイドローラ43等によって感光層53Aが削られないので、現像ローラ63を感光層53Aに常に当てることができる。これに対し、ガイドローラ43等を感光層53A上に配置する場合には、ガイドローラ43等で感光層53Aが削られて金属製の素管が露出すると、この露出した部分が現像ローラ63と接触してしまう場合がある。この場合には、現像ローラ63の電位が落ち、現像ローラ63でトナーを保持しにくくなってしまうが、ガイドローラ43等を未塗布領域53Bに配置した場合には、感光層53Aが削られずに現像ローラ63を感光層53Aに常に当てることができるので、現像ローラ63で確実にトナーを保持することができる。
【0046】
クリーニング部材100(スポンジ120)が転写位置CPよりも感光ドラム53の回転方向下流側で、かつ、帯電位置EPよりも回転方向上流側に配置されるので、転写位置CPで用紙Pから紙粉が発生した直後に、その紙粉をクリーニング部材100で良好に捕捉することができる。
【0047】
クリーニング部材100をフィルム110とスポンジ120とで構成することで、フィルム110の弾性力によりスポンジ120を適度な力で感光ドラム53に押し付けることができるので、スポンジ120から感光ドラム53にかかる負荷を抑えることができ、感光ドラム53をスムーズに回転させることができる。
【0048】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、クリーニング部材としてフィルム110にスポンジ120を貼り合わせたものを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばクリーニング部材をフィルムのみ、スポンジのみ、またはフェルトのみなどで構成してもよい。
【0049】
前記実施形態では、感光ドラム53の周方向におけるクリーニング部材100(スポンジ120)の位置を、転写位置CPよりも感光ドラム53の回転方向下流側で、かつ、帯電位置EPよりも回転方向上流側としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、スポンジのみで構成されるクリーニング部材200を、帯電位置EPに配設してもよい。具体的には、帯電器54の左右両側にクリーニング部材200を1つずつ設けてもよい。これによれば、LEDユニット40で感光ドラム53を露光する直前に、感光ドラム53の表面をクリーニング部材200で拭き取ることができるので、拭き取ってから露光するまでの間に紙粉等が感光ドラム53に再度付く可能性が低い。そのため、ガイドローラ43の磨耗をより確実に抑制することができ、印字不良の発生をより確実に抑えることができる。
【0050】
また、図5に示すように、スポンジのみで構成されるクリーニング部材300を、現像位置PPよりも感光ドラム53の回転方向下流側で、かつ、転写位置CPよりも回転方向上流側に配設してもよい。具体的には、ドラムフレーム52内の左右両側にクリーニング部材300を1つずつ設けてもよい。ここで、「現像位置PP」とは、現像ローラ63から感光ドラム53にトナーを供給する位置であり、感光ドラム53上に形成された静電潜像をトナー像に現像する位置をいう。これによれば、現像位置PPからトナーが飛散した場合であっても、飛散したトナーが転写位置CPに到達する前にクリーニング部材300で拭き取ることができ、用紙Pが汚れるのを抑えることができる。
【0051】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム53を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体を採用してもよい。
【0052】
前記実施形態では、露光部材として左右方向に一列に配列された複数のLEDアレイ41Aおよびレンズアレイ41Cを備えるLEDヘッド41を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向に並ぶ複数のLEDアレイ等を前後に複数列有するLEDヘッドを露光部材として採用してもよい。また、LEDや蛍光灯などの1つの発光素子と、発光素子の外側に、左右方向に並んだ複数の液晶またはPLZT素子の光学シャッタとで、複数の明滅部を構成し、このような明滅部を有するものを露光部材としてもよい。また、露光部材の光源としては、LEDに限らず、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子や蛍光体などであってもよい。
【0053】
前記実施形態では、間隔保持部材として回転可能なガイドローラ43を採用したが、本発明はこれに限定されず、回転しないものを間隔保持部材として採用してもよい。また、被転写体としては、用紙Pに限らず、例えば中間転写ベルトなどを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図である。
【図2】LEDユニットおよびプロセスカートリッジを示す拡大図である。
【図3】感光ドラム周りの構造を簡略的に示す正面図である。
【図4】クリーニング部材を帯電位置に設けた形態を示す断面図である。
【図5】クリーニング部材を現像位置よりも下流側で、かつ、転写位置よりも上流側に設けた形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 カラープリンタ
40 LEDユニット
41 LEDヘッド
43 ガイドローラ
50 プロセスカートリッジ
52 ドラムフレーム
53 感光ドラム
53A 感光層
53B 未塗布領域
54 帯電器
63 現像ローラ
74 転写ローラ
100 クリーニング部材
110 フィルム
120 スポンジ
CP 転写位置
EP 帯電位置
PP 現像位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な感光体と、
前記感光体の軸方向に並ぶ複数の明滅部を有して前記感光体を露光する露光部材と、
前記感光体と接触して、前記感光体と前記露光部材との間隔を保持する一対の間隔保持部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記感光体に摺接し、前記感光体上の付着物を除去する一対のクリーニング部材をさらに備え、
前記一対の間隔保持部材と前記一対のクリーニング部材とが、前記感光体の軸方向で対応する位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記間隔保持部材および前記クリーニング部材は、前記感光体の感光層の未塗布領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニング部材は、前記感光体が帯電器により帯電される帯電位置に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記クリーニング部材は、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤像に現像する現像位置よりも前記感光体の回転方向下流側で、かつ、前記感光体上に形成された現像剤像を被転写体に転写する転写位置よりも前記感光体の回転方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記クリーニング部材は、前記感光体上に形成された現像剤像を被転写体に転写する転写位置よりも前記感光体の回転方向下流側で、かつ、前記感光体が帯電器により帯電される帯電位置よりも前記感光体の回転方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニング部材は、撓み変形可能なフィルムにスポンジを貼り付けることで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記スポンジには、フッ素油とフッ素系樹脂とを含む潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記クリーニング部材は、フッ素油とフッ素系樹脂とを含む潤滑剤が塗布されたスポンジであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置に設けられる露光部材によって露光される回転可能な感光体を備え、画像形成装置に装着された際に、前記感光体が露光部材に設けられる一対の間隔保持部材と接触するプロセスカートリッジであって、
前記感光体に摺接し、前記感光体上の付着物を除去する一対のクリーニング部材をさらに備え、
前記画像形成装置に装着された際に、前記一対の間隔保持部材と前記一対のクリーニング部材とが、前記感光体の軸方向で対応する位置に配置されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記クリーニング部材は、前記感光体の感光層の未塗布領域に配置されることを特徴とする請求項9に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記クリーニング部材は、前記感光体が帯電器により帯電される帯電位置に設けられていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記クリーニング部材は、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤像に現像する現像位置よりも前記感光体の回転方向下流側で、かつ、前記感光体上に形成された現像剤像を被転写体に転写する転写位置よりも前記感光体の回転方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記クリーニング部材は、前記感光体上に形成された現像剤像を被転写体に転写する転写位置よりも前記感光体の回転方向下流側で、かつ、前記感光体が帯電器により帯電される帯電位置よりも前記感光体の回転方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
前記クリーニング部材は、撓み変形可能なフィルムにスポンジを貼り付けることで構成されていることを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項15】
前記スポンジには、フッ素油とフッ素系樹脂とを含む潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項14に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項16】
前記クリーニング部材は、フッ素油とフッ素系樹脂とを含む潤滑剤が塗布されたスポンジであることを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−79133(P2010−79133A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249572(P2008−249572)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】