説明

画像形成装置およびベルト駆動機構ならびにベルト体駆動方法

【課題】ベルトを用いてトナー像を重ね合わせる画像形成装置において、画像の色ずれが発生することを防止するとともに、ベルトを長寿命化する。
【解決手段】この発明のベルト駆動機構によれば、回転軸を回転中心として回転される駆動ローラ21の回転によりベルト面が移動される転写ベルト2の端部の変位と、ベルトの任意の位置の温度と、に基づいて、ベルトの所定位置が加熱機構3により加熱されるとともに、冷却機構4により冷却されることで、ベルト面が移動される際の回転軸に沿った方向のベルト2の変位が所定の大きさに制御される。従って、ベルト2を用いてトナー像を重ね合わせる画像形成装置において、画像の色ずれが発生することが防止できる。また、ベルトの寿命が長寿命化でき、装置のコストが低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、単色の画像を形成する画像形成ユニットを画像形成媒体(用紙)の搬送方向に複数設け、単色画像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置ならびに画像形成装置に用いられるエンドレスベルトの斜行修正機構であるベルト駆動機構、ベルト体駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の用紙や透明な樹脂シートなどの画像形成媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法には種々の方法がある。例えば、感光ドラム上に静電気の画像である静電潜像を形成し、トナーによって可視化した像を画像形成媒体上に転写する電子写真方式、インキ滴を直接画像形成媒体に吹き付けて画像を形成するインクジェット方式や感光発色色材に画像を露光して記録する銀塩写真方式などが知られている。
【0003】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光ドラム上にカラー画像を形成するための3原色(黄、マゼンタ、シアン)のうち1色のトナー像を形成して画像形成媒体(以下、用紙と呼称する)に転写する工程を3回(場合によっては黒を含めて4回)繰り返す方式や、単色トナー画像を形成する画像形成ユニットを黒と3原色分だけ用紙搬送方向に並べて、順次用紙上に単色画像を重ね合わせてカラー画像を形成する方式などがあげられる。
【0004】
これらの方式のなかでも、画像形成ユニットを用紙搬送方向に複数並べた方式(以下、タンデム方式と呼ぶ)は、画像形成(印字記録)速度が他の方式より優れ、また画像形成装置を小型化する上で、最も適した方式の一つである。なお、タンデム方式においては、用紙を搬送するためのエンドレスベルトが用いられることが一般的である。しかしながら、エンドレスベルトを用いる場合には、ベルトが斜行することが知られている。
【0005】
特許文献1には、転写ベルト(エンドレスベルト)の斜行を防止するために、ベルトにリブを設け、リブにローラの肩部を接触させて、斜行を規制する方法が示されている。
【特許文献1】特開2005−148675
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報に示された方式を用いた場合においても、ベルトにリブを精度良く取り付けることができずにベルトが蛇行してしまうなどの問題点がある。
【0007】
また、ローラの肩部とベルトのリブとが衝突した際に発生する応力集中により、ベルトに皺が発生して主走査方向の画像のずれが生じることや、最悪の場合には、ベルトが破損することが知られている。
【0008】
なお、上記公報に記載された方式の他にも、ベルトに外部から直接押圧をかける方式、ベルトの回転軸に設けられた微動調整機構による軸の平行度を変化させる方式などが提案されているが、いずれの場合においても転写ベルトに直接力が加わることによるベルトの寿命が低下し、あるいは駆動系が複雑になる問題がある。
【0009】
この発明の目的は、エンドレスベルトのベルト面をローラ体により移動させる際に発生するベルトの斜行を、高精度の加工部品による組み立てや、接触式の斜行補正機構を付加することなく、長期間にわたって安定に制御できるベルト駆動機構、ならびにエンドレスベルトを用いた画像形成装置において、画像の歪みや色ずれなどの生じにくいカラー画像形成装置、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、回転軸を有し、第1の方向に回転される第1のローラと、前記第1の方向と直交する第2の方向に所定の幅が与えられたベルト面を含み、前記第1のローラからの駆動力により回転されるベルト状感光体と、前記ベルト状感光体に、前記第1のローラと協働して所定の張力を与える第2のローラと、を備えることを特徴とするベルト駆動機構、を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明した通り、この発明によれば、回転軸の回転によりベルト面が移動される転写ベルトの幅方向に関して独立して制御可能な加熱機構と冷却機構とにより、ベルトを局所的に加熱およびまたは冷却することで、ベルト面が移動される方向と直交する方向の転写ベルトの変位が修正される。
【0012】
これにより、ベルトがローラ端部やローラ保持部と接触することが抑止されることから、画像の色ずれが発生することが防止できる。また、ベルトの寿命が長寿命化でき、装置のコストが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、この発明のベルト斜行修正機構が適用されるエンドレスベルトを画像保持体に用いてカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成装置の一例を示す。
【0015】
図1に示すカラー画像形成装置1は、以下に詳述する単色画像形成ユニットにより形成されるトナー像を保持するシート状の画像形成媒体(40)を搬送するエンドレスベルト(以下、転写ベルトと呼称する)2を有する。
【0016】
転写ベルト2が周回される領域のうちのベルト2に温度変化を与えることのできる所定の位置には、ベルト2の任意の位置を選択的に加熱する加熱ユニット3とベルト2の任意の位置を選択的に冷却する冷却ユニット4が位置されている。なお、加熱ユニット3および冷却ユニット4は、ベルト2の任意の一面に対して非接触に配置されている。
【0017】
加熱ユニット3または冷却ユニット4の近傍であってベルト2の温度を検出可能な所定の位置には、図2に抜き出して示す通り、ベルト2の温度を検出する温度検知ユニット5が、また、転写ベルト2が周回される領域のうちのベルトの端部の通過を検出可能な所定の位置には、ベルト2の端部位置を検出するベルト端部検知装置20が、それぞれ、設けられている。
【0018】
転写ベルト2が周回される領域のうちシート状の画像形成媒体(以下、用紙と称する)が搬送される所定の範囲には、転写ベルト2との間に所定の間隔を置いて、黄(yellow、以下、Y画像と称する)、マゼンタ(magenta、以下、M画像と称する)、シアン(cyan、以下、C画像と称する)、および黒(black、以下、Bk画像と称する)の4つの単色画像を形成する第1ないし第4の画像形成ユニット6,7,8,9が用紙40の搬送方向すなわち転写ベルト2のベルト面が移動される方向に沿って配置されている。
【0019】
各画像形成ユニットは、静電気の画像である静電潜像を保持する画像記録媒体すなわち感光ドラム6a,7a,8a,9aと、感光ドラム表面を均一に帯電させる帯電ローラ6b,7b,8b,9bと、画像情報に対応した光である露光光6c,7c,8c,9cにより感光ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、トナー像を形成する現像器6d,7d,8d,9dと、感光ドラム上のトナー像を転写ベルト2に保持されている用紙40に転写する転写器6e,7e,8e,9eと、転写後の感光ドラム表面を除電するための除電ランプ6g,7g,8g,9gと、感光ドラム上の転写残りトナーを除去するためのクリーニングブレード6h,7h,8h,9hと、を備える。
【0020】
なお、露光光6c,7c,8c,9cのそれぞれは、画像処理部31から出力される4色分の画像の画像情報に対応して露光光の強度を変化させるためにレーザ制御部32から露光装置33に供給されたレーザ駆動信号に応じて、その強度が変化されて露光装置から出射されるレーザ光である。
【0021】
転写ベルト2は、例えば用紙40が供給される側である給紙部の近傍に位置されるテンションローラ21と、モータ22により回転される駆動ローラ23との間に掛け渡されることにより(自身の)ベルト面が所定の速度で移動される。
【0022】
用紙40は、複数(本実施の形態では2本)のガイドローラ17,18により、たるみなどが生じることの無い所定の張力が与えられることにより、ベルト面が概ね平坦になるよう駆動されるベルト2により、各画像形成ユニットに沿って搬送される。
【0023】
用紙40には、それぞれの画像形成ユニットで形成された4つの単色トナー像すなわちY画像、M画像、C画像およびBk画像が対応する色のトナーを保持した現像器6d,7d,8d,9dにより現像されて形成されたトナー像が、転写器6e,7e,8e,9eからの静電力により、順次重ね合わせられて転写される。
【0024】
4つのトナー像が転写されて積層された状態にある用紙40は、転写ベルト2のベルト面が移動されることにより定着器12に案内され、定着器12からの熱および圧力によりトナー像が固着され、画像形成装置1の外部に搬送される。すなわち、上述の一連の画像形成工程により、用紙40にカラー画像が形成される。
【0025】
ところで、転写ベルト2は、駆動ローラ23の回転によりベルト面が移動される際に、長期的には、駆動ローラ23の軸線方向に移動することが知られている。この駆動ローラ23の軸線方向へのベルト2の移動は、斜行あるいは蛇行と呼ばれている。
【0026】
転写ベルト2の斜行あるいは蛇行を取り除くために、ベルト自身に外力を与えることやテンションローラの軸線を変化させることは既に実用化されているが、ベルトに皺が寄るなどの未解決の課題もある。
【0027】
図3は、画像形成が所定回数(期間)繰り返された場合の転写ベルト2のベルト面の局所的な変形、すなわち熱による伸びなどの影響を除去できる原理を示している。
【0028】
転写ベルト2には、例えばテンションローラ21(図1参照)あるいはガイドローラ17,18により、画像形成時に転写精度を保つための一定量の張力が掛けられている。
【0029】
図3(a)に示すように、駆動ローラ23とテンションローラ21により所定の張力が与えられている転写ベルト2を、ローラによる駆動が停止している状態すなわちベルト面の移動が無い状態で局所的に加熱または冷却すると、ベルトの面内(ベルト自身)に温度分布が発生し、図3(b)に抜き出して示すように、ベルトの材質に固有の線膨張係数に比例したベルトの伸びあるいは縮みが発生する。なお、図3(a)は、ベルト2の任意の位置(加熱対象部)65を加熱し、任意の位置(冷却対象部)66を冷却する例を示している。このとき、図3(b)に示す通り、加熱された位置65およびその近傍ではベルト2が矢印67a,67bに示すように膨張するとともに、冷却された位置66およびその近傍ではベルト2が矢印68a,68bに示すように収縮する。この結果、切り出した部分のベルト69は、概扇形69´のように変形する。
【0030】
この状態でベルト2を駆動すると、図3(c)に示すように、ベルト2の一部が扇形に熱変形した状態で矢印70により示す搬送方向にベルト面が移動される。従って、ベルト2のベルト面は、矢印71で示すように、ローラ21,23の軸線方向に移動していく。すなわち、転写ベルト2のベルト面は、温度勾配がない状態に比較して、扇形に変形した状態で移動されることになり、結果として、ベルト2が横移動する(斜行する)。
【0031】
このことは、換言すると、画像形成が繰り返されることに起因してベルトの材質に固有の線膨張係数に応じた伸びや縮みが生じて、ベルト2が斜行するような場合においては、ベルト2の局所的な加熱もしくは冷却により、ベルト2の横移動の大きさを制御することができることに他ならない(ベルト2の斜行をベルト自身に温度勾配を与えることで制御できることになる)。
【0032】
図4は、図3により説明したベルト自身に温度勾配を与えるために利用可能な加熱ユニットの一例を示す。すなわち、図4に示すような加熱ユニットを、図1により全体の概略を説明した画像形成装置に組み込むことにより、転写ベルト2を局所的に膨張させることができる。
【0033】
図4に示すように、加熱ユニット3は、ベルト2を短時間で加熱可能な、例えば遠赤外線ヒータ81がマトリクス状に配置されたアレイであり、図6により後段に説明する制御機構により、任意のヒータが選択的に動作可能な構造である。従って、ベルト2の温度を局所的に、すなわちベルト2を幅方向に対して部分的に加熱できる。
【0034】
図5は、図3により説明したベルト自身に温度勾配を与えるために利用可能な冷却ユニットの一例を示す。すなわち、図5に示すような冷却ユニットを、図1により全体の概略を説明した画像形成装置に組み込むことにより、転写ベルト2を局所的に収縮させることができる。
【0035】
図5に示すように、冷却ユニット4は、ベルト2を短時間で冷却可能な、例えば空気流(エアー)を提供可能なバルブ(エアーノズル)91がマトリクス状に配置されたアレイであり、図6により後段に説明する制御機構により、任意のバルブがオンされる(任意のバルブにエアーが供給される)。従って、ベルト2を、局所的に、幅方向に対して部分的に冷却できる。
【0036】
次に、図1に示した画像形成装置1による画像形成を継続しながら、転写ベルト2の横移動を制御する方法(ベルト斜行修正制御)について、説明する。
【0037】
図4および図5により説明した加熱ユニット3および冷却ユニット4は、図6を用いて以下に説明する制御機構により制御される。なお、加熱ユニット3および冷却ユニット4は、図2に示したように、転写ベルト2の幅方向(駆動ローラ23により転写ベルト2のベルト面が移動される方向と直交する方向)の全域を覆うことのできる長さが与えられている。また、温度検知ユニット5は、ベルト2のベルト面が駆動ローラ23(図1参照)の回転により移動される方向と直交する方向すなわち上述した転写ベルト2の幅方向に、距離を置いて設けられる2つの温度センサ(5a,5b)を含むことが好ましい。
【0038】
モータ22により回転される駆動ローラ23によりベルト面が移動される転写ベルト2の任意の位置に関し、変位センサ(ベルト端部検知手段)20および温度検知ユニット5により、ベルト2の横移動の大きさおよびベルト2の温度が検知される。
【0039】
検知されたベルト2の横移動の大きさに従って、予め予備運転などにより求めておいたベルト2の移動量(ベルト斜行量)と温度との関係に基づいて規定された制御量テーブル51が参照される。なお、加熱ユニット3および冷却ユニット4の動作、すなわちオン/オフと目標温度は、制御装置(コントローラ)50の制御により、設定される。
【0040】
すなわち、図3(c)において矢印71により示される方向へのベルト2の横移動は、ベルト2の温度がある温度に達するまでの間もしくはベルト2の伸びがある大きさの範囲内である場合において、ベルト2の幅方向の温度が高い方向と一致する。このため、多くの場合、ベルト2の幅方向で温度の高い側の冷却ユニット4がオンされ、幅方向で温度が低い側の加熱ユニット3がオンされる。このことは、ベルト2の幅方向に関して温度勾配をなくすことである。
【0041】
なお、ベルト2の横移動の大きさは、駆動ローラ23、テンションローラ21あるいはガイドローラ17,18のそれぞれの取り付け誤差、各ローラの直径あるいはベルト2の全長のばらつき等に起因して僅かに異なる。このため、制御量テーブル51に記憶されるべき制御量は、上述した予備運転に基づいて、画像形成装置毎に規定される。
【0042】
また、ベルト2の横移動の大きさは、ベルト2の伸びがある大きさよりも大きくなった場合あるいはベルトの温度が所定の温度を超えるような特別な場合において、ベルト2が伸びる方向と逆向きになる場合が存在することが確認されている。従って、上述した制御量テーブル51は、温度の変化に加え、端部センサ20により実際に、ベルト2の横移動が検知された方向に応じて、補正される。
【0043】
このように構成されたベルト駆動機構を用いることにより、ベルトの成形精度、回転軸の精度、および/または駆動系を構成する際の組み付け誤差などに起因する転写ベルトの斜行を、画像形成の累計に合わせて長期に亘り、確実に修正することができる。
【0044】
図7は、図2に示した転写ベルト斜行修正機構の別の実施の形態を示す。
【0045】
図7に示す転写ベルト斜行修正機構は、転写ベルト2を保持しながらベルト2に所定の張力を与えるローラのうちの任意の1つ、例えばテンションローラ21を中空、すなわち円筒状とし、その内部に加熱源103と冷却源104を一体的に組み込んだものである。
【0046】
加熱源103は、例えばハロゲンヒータであり、円筒状のローラの2つの開口部の内側の所定の位置に、それぞれ独立に制御可能に設けられている(左右一対で少なくとも2個設けられる)。
【0047】
冷却源104は、例えばエアーノズルであり、円筒状のローラの2つの開口部の内側の所定の位置に、それぞれ独立に制御可能に設けられている(左右一対で少なくとも2個設けられる)。
【0048】
なお、ローラ21の長手方向の概ね中央には、一端側の冷却源104からローラ21に供給されるエアーすなわち冷却風120が他の一端側に吹き抜けて反対側に設けられる加熱源を冷却することを防止するための遮蔽用隔壁121が設けられている。
【0049】
このように、転写ベルト2に所定の張力を与えるテンションローラ21の内部に加熱源と冷却源とを一体的に配置することにより、駆動ローラ23およびテンションローラ21により所定の張力が与えられることでベルト面が駆動ローラ23の回転により移動される転写ベルト2の幅方向の左右を、それぞれ独立して、加熱あるいは冷却することにより、転写ベルト2の幅方向に、温度勾配を与えることができる。
【0050】
これにより、画像形成が繰り返されることに起因してベルトの材質に固有の線膨張係数に応じた伸びや縮みが生じてベルト2が斜行すなわち横移動する際の移動の大きさを制御することができる。
【0051】
従って、転写ベルトの成形精度、回転軸の精度、および/または駆動系を構成する際の組み付け誤差などに起因する転写ベルトの斜行の大きさを、画像形成の累計に合わせて、任意に修正することができる。
【0052】
なお、上述の加熱源および冷却源は、テンションローラ21以外の、例えば駆動ローラ23やガイドローラ17,18のいずれかに組み込まれてもよいことはいうまでもない。
【0053】
以上説明したように、本発明によれば、エンドレスベルトのベルト面をローラ体により所定の速度で移動させる際に、ベルト面が斜行する程度すなわちベルトの横移動を、任意のタイミング、かつ、ベルト端部への衝撃の無い、非接触で正確に設定できる。従って、ベルトがローラ端部やローラ保持部と接触することが抑止されることから、画像の色ずれが発生することが防止できる。また、ベルトの寿命が長寿命化でき、装置のコストが低減される。
【0054】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形もしくは変更が可能である。また、個々の実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施形態が適用可能な転写ベルトを有する画像形成装置の一例を説明する概略図。
【図2】図1に示した画像形成装置に組み込まれる転写(エンドレス)ベルトの斜行修正機構の一例を説明する概略図。
【図3】図2に示したベルトの移動(回転軸による駆動と斜行)を説明する概略図。
【図4】図2に示したベルト斜行修正機構の加熱ユニットの一例を説明する概略図。
【図5】図2に示したベルト斜行修正機構の冷却ユニットの一例を説明する概略図。
【図6】図2に示したベルト斜行修正機構を制御する斜行修正機構制御部の一例を説明する概略ブロック図。
【図7】図1に示したベルト斜行修正機構の別の実施の形態(回転軸に一体に組み込んだ斜行修正機構)の一例を説明する概略図。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、2…エンドレスベルト(転写ベルト)、3…加熱ユニット、4…冷却ユニット、5…温度検知ユニット、5a,5b…温度センサ、6,7,8,9…画像形成ユニット、12…定着器、17,18…ガイドローラ、20…ベルト端部検知装置(変位センサ)、21…テンションローラ、22…モータ、23…駆動ローラ、31…画像処理部、32…レーザ制御部、33…露光装置、50…制御装置(コントローラ)、51…制御量テーブル、71…(ベルト)移動方向、81…遠赤外線ヒータ(ヒータアレイ)、91…バルブ(エアーノズル)、103…ハロゲンヒータ(加熱源)、104…エアーノズル(冷却源)、121…遮蔽用隔壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有し、第1の方向に回転される第1のローラと、
前記第1の方向と直交する第2の方向に所定の幅が与えられたベルト面を含み、前記第1のローラからの駆動力により回転されるベルト状感光体と、
前記ベルト状感光体に、前記第1のローラと協働して所定の張力を与える第2のローラと、
を備えることを特徴とするベルト駆動機構。
【請求項2】
前記温度制御装置は、前記ベルト面の前記第2の方向に沿った少なくとも2箇所において、独立して前記ベルト面を加熱する熱源を有することを特徴とする請求項1記載のベルト駆動機構。
【請求項3】
前記温度制御装置は、前記ベルト面の前記第2の方向に沿った少なくとも2箇所において、独立して前記ベルト面を冷却する冷却機構を有することを特徴とする請求項1記載のベルト駆動機構。
【請求項4】
前記温度制御装置は、前記ベルト面の前記第2の方向に沿った少なくとも2箇所において、独立して前記ベルト面を加熱する熱源と、前記ベルト面の第2の方向に沿った少なくとも2箇所において、独立して前記ベルト面を冷却する冷却機構と、を有することを特徴とする請求項1記載のベルト駆動機構。
【請求項5】
前記熱源および前記冷却機構は、前記ベルト面に沿うとともに、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれについて複数配置されたアレイ状であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のベルト駆動機構。
【請求項6】
前記温度制御装置が参照するための前記ベルト面の前記第2の方向の所定の位置の温度を検出する温度センサと、
前記温度制御装置が参照するための前記ベルト面の端部の位置の変位を検出する変位センサと、
をさらに有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のベルト駆動機構。
【請求項7】
前記第2のローラまたは前記第1のローラの少なくとも一方は円筒状領域を含み、前記熱源および前記冷却機構は、前記円筒状領域の両端から前記円筒状領域内に向けて、一体的に設けられることを特徴とする請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項8】
前記熱源および前記冷却機構は、前記円筒状領域内を共用することを特徴とする請求項7記載のベルト駆動機構。
【請求項9】
前記円筒状領域内は、前記冷却機構により提供されるエアーにより、反対側の端部に設けられる前記熱源が冷却されることを抑止する遮蔽構造が設けられることを特徴とする請求項8記載のベルト駆動機構。
【請求項10】
前記温度制御装置が参照するための前記ベルト面の前記第2の方向の所定の位置の温度を検出する温度センサと、
前記温度制御装置が参照するための前記ベルト面の端部の位置の変位を検出する変位センサと、
をさらに有することを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のベルト駆動機構。
【請求項11】
回転軸を有し、第1の方向に回転される第1のローラと、
前記第1の方向と直交する第2の方向に所定の幅が与えられたベルト面を含み、前記第1のローラからの駆動力により回転されるベルト状感光体と、
前記ベルト状感光体に、前記第1のローラと協働して所定の張力を与える第2のローラと、
前記ベルト状感光体の前記ベルト面が移動される方向に沿って配置され、前記ベルト面の移動とともに搬送される被転写材に転写可能に、任意色のトナー像を形成する画像形成ユニットと、
前記ベルト状感光体の前記ベルト面の所定の位置を加熱する加熱機構と、
前記ベルト状感光体の前記ベルト面の所定の位置を冷却する冷却機構と、
前記加熱機構と前記冷却機構とを選択的に動作させることで、前記ベルト面に前記第2の方向に沿った温度勾配を与える温度制御装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記温度制御装置を動作させるために、前記ベルト面の前記第2の方向の所定の位置の温度を検出する温度センサと、
前記温度制御装置を動作させるために、前記ベルト面の端部の位置の変位を検出する変位センサと、
前記温度センサの出力と前記変位センサの出力とに基づいて、前記温度制御装置の制御量を設定可能な制御量テーブルと、
をさらに有することを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
回転軸を回転中心として回転される駆動ローラの回転によりベルト面が移動されるベルト体の端部の変位を検出し、
ベルト体の任意の位置の温度を検出し、
検出された変位と温度とに基づいてベルト体の所定位置を加熱し、あるいはベルト体の所定位置を冷却して、ベルト体のベルト面が移動される際の回転軸に沿った方向のベルト体が変位する量を制御する
ことを特徴とするベルト体駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−193005(P2007−193005A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10044(P2006−10044)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】