説明

画像形成装置

【課題】トナーボトル等の消耗部品の装着箇所の外観上の違和感を解消することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成に係る交換可能なトナーボトル32Mと、トナーボトル32Mを収容するトナーボトル収容部と、を備え、トナーボトル収容部の前面の下段カバー105bには、トナーボトル32Mを挿脱するための開口部が設けられ、開口部には、トナーボトル32Mと位置合せするための凹凸形状が設けられ、トナーボトル32Mには、前記凹凸形状と位置合せするための他の凹凸形状が設けられ、双方の凹凸形状の組合せが適正な場合に、トナーボトル32Mをトナーボトル収容部に収容可能としたカラー複写機において、トナーボトル32Mに、トナーボトル収容部の開口部を覆うフランジ部107Mを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカラー画像形成装置には、トナー補給および消耗部品の交換等のメンテナンス作業を軽減するために、像担持体、帯電装置、クリーニング装置等の消耗部品とトナーを収容した現像装置をプロセスカートリッジとして一体形成し、さらにプロセスカートリッジとトナーボトルを個別に着脱可能として、トナーボトルから現像装置へトナーを補給しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この場合、各色のプロセスカートリッジの誤装着を防止するために、プロセスカートリッジのトナー補給部とトナー搬送パイプとの接続部の組合せ形状(凹凸形状)を、色ごとに互いに異なるように構成している。この構成により、トナー補給部にトナー搬送パイプを挿入する際、色を間違っても形状の違いから挿入して直に誤装着を検出することができる。
【0004】
また、トナーボトルには把手を備え、ボトル収容器にトナーボトルを載置して把手を回転させることにより、トナーボトルとボトル収容器とが連結するようにしている。なお、トナーボトルとボトル収容器との接続部の組合せ形状を、色ごとに互いに異なるようにした構成については記載がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置においては、トナー補給部の一面に形成された挿入口にトナー搬送パイプを挿入したとき、前記挿入口の凹凸形状が露呈するため、外観上の違和感があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、例えば、トナーボトル等の消耗部品の装着箇所の外観上の違和感を解消することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像形成に係る交換可能な部品と、前記部品を収容する部品収容手段と、を備え、前記部品収容手段の前面には、前記部品を挿脱するための開口部が設けられ、前記開口部には、前記部品と位置合せするための収容位置合せ部が設けられ、前記部品には、前記収容位置合せ部と位置合せするための部品位置合せ部が設けられ、前記収容位置合せ部と前記部品位置合せ部との凹凸形状の組合せが適正な場合に、前記部品を前記部品収容手段に収容可能とした画像形成装置において、前記部品に、前記開口部を覆う被覆部を設けた構成を有している。
【0008】
この構成によれば、部品収容手段の前面に形成された開口部(挿脱孔)を、収容された部品の被覆部が覆うので、前記開口部に形成された収容位置合せ部の凹凸形状が露呈することはない。よって、部品交換時に外観上の違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置においては、前記部品収容手段の前面に段差部を設け、前記段差部の下段に前記開口部を設け、前記部品の挿入端側に前記部品位置合せ部を設けた構成を有している。
【0010】
また、本発明の画像形成装置において、前記被覆部は、前記段差部の下段に接して前記下段と略同一面を形成する構成を有している。
【0011】
また、本発明の画像形成装置において、前記部品は、色ごとの略円筒状のトナーボトルであって、前記収容位置合せ部と前記部品位置合せ部との凹凸形状の組合せが色ごとに異なる構成を有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、トナーボトル等の部品に、前記部品を挿脱するための挿脱孔を覆う被覆部を設けることにより、トナーボトル等の部品の装着箇所の外観上の違和感を解消することができるという効果を有する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の一形態としてのカラー複写機の斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態としてのカラー複写機の断面図である。
【図3】本発明の実施の一形態としてのトナーボトル収容部の斜視図である。
【図4】本発明の実施の一形態としてのトナーボトルの斜視図である。
【図5】本発明の実施の一形態としてのトナーボトル収容部の開口部の斜視図である。
【図6】本発明の実施の一形態としてのトナーボトルのフランジ部の斜視図である。
【図7】本発明の実施の一形態としてのトナー搬送装置の斜視図である。
【図8】本発明の実施の一形態としての現像装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の画像形成装置の実施の一形態としてのカラー複写機について、図面を用いて説明する。
【0015】
本発明の実施の一形態としてのカラー複写機を図1〜図8に示す。
図1において、カラー複写機1は、4連タンデム方式のカラー複写機であって、表示器および操作ボタンを備えた操作表示部60と、読取り対象の原稿D(図2参照)を読取位置へ搬送する自動原稿搬送部(ADF)200と、コンタクトガラス(不図示)上に搬送されるか、あるいは載置された原稿の画像を読取る画像読取部(スキャナ)81と、原稿の画像または送信された画像データに基づいて記録紙に画像を形成する画像形成部100と、画像形成部100に記録紙を給紙する給紙部80と、を有する構成である。
【0016】
画像形成部100には、4色(イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、ブラック:K)のトナーボトル32Y、32M、32C、32Kを挿脱可能に収容するトナーボトル収容部31(図2参照)が設けられている。トナーボトル収容部31は、筐体の外カバー102を開放することにより露呈する。外カバー102が開放された状態で、トナーボトル収容部31の前面はカバー105によって覆われ、カバー105からトナーボトル32Y、32M、32C、32Kの先端部が突出するようになっている。なお、図1では、トナーボトルの先端部に形成されたフランジ(例えば、図4の107Y参照)の記載を省略している。
【0017】
図2に示すように、ADF200は、原稿Dを載置するための原稿テーブル61と、原稿テーブル61上の原稿Dを取出して1枚ずつ分離し、コンタクトガラス(不図示)上の読取位置へ反転搬送する分離搬送部(ピックアップローラ、給紙ベルト、分離ローラ、レジストローラ等)と、読取り後の原稿Dを排出するための排紙トレイ23と、不図示の各種センサ(原稿セットセンサ、レジストセンサ等)と、不図示の制御部と、を有する。
【0018】
また、ADF200は、ヒンジ等によって画像読取部81に連結され、画像読取部81のコンタクトガラス上に開閉可能に搭載されている。ADF200を原稿搬送面に対して開放することで、原稿Dをコンタクトガラス上に載置し、あるいはコンタクトガラス上から取除くことができ、原稿搬送面に対して閉じることで、原稿Dをコンタクトガラス面に押圧できるようにしている。
【0019】
画像読取部81は、コンタクトガラス上に載置された原稿Dに向けて、光源81aにより光を照射し、反射光を第1ミラー81b、第2ミラー81c、第3ミラー81dを経由してレンズ81eによって集光し、コンタクトガラス上の原稿Dの像をCCD81f上に結像するものである。また、画像読取部81は、副走査方向の読取りを行う際に、光源81aおよび第1ミラー81bが図2中、右側に「1」だけ進む間に第2ミラー81c、第3ミラー81dは「1/2」だけ進むことにより、レンズ81eの光路長を一定に保ちながら走査する構成になっている。
【0020】
また、画像読取部81は、コンタクトガラスの下方を移動しながら、コンタクトガラス上に載置された原稿を読取る原稿固定読取方式と、コンタクトガラスの読取位置の下方で停止し、原稿テーブル61に載置された原稿Dを読取位置に搬送しながら読取るシートスルー方式と、によって原稿Dを読取る。
【0021】
なお、操作表示部60の操作によって、前述したシートスルー方式で原稿を読取る自動搬送モード(ADFモード)、前述した原稿固定読取方式で原稿を読取る圧板モードなどの動作モードが任意に設定できるようになっている。
【0022】
画像形成部100は、4色のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを有する。これらは、画像形成物質として互いに異なる色(Y、M、C、K)のトナーを用いている。トナーは、寿命に達する前に交換される。
【0023】
例えば、Yトナー像を形成するためのプロセスカートリッジ6Yは、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像装置5Y等を有する(図8参照)。プロセスカートリッジ6Yは、画像形成部100に脱着可能であり、消耗部品を一度に交換できるようになっている。なお、他のプロセスカートリッジ6M、6C、6Kも同様の構成を有している。
【0024】
帯電装置4Yは、時計回りに回転する感光体1Yの表面を一様に帯電させる。一様に帯電された感光体1Yの表面は、露光装置7のレーザ光によって露光走査され、Y用の静電潜像を担持する。Y用の静電潜像は、現像装置5YによってYトナー像に現像され、さらに中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写行程を経た後の感光体1Yの表面に残留したトナーを除去する。除電装置は、クリーニングが行われた後の感光体1Yの残留電荷を除電する。他のプロセスカートリッジ6M、6C、6Kにおいても、上記と同様にして感光体1M、1C、1K上にトナー像が形成され、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0025】
また、図2に示すように、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの下方には、露光装置7が配置されている。露光装置7は、画像データに基づいてレーザ光を発生させ、それぞれの感光体1Y、1M、1C、1Kに照射して露光する。この露光により、それぞれの感光体1Y、1M、1C、1K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。
【0026】
露光装置7の下方には、給紙カセット26、給紙ローラ27、レジストローラ対28等を有する給紙部80が配置されている。給紙カセット26は、記録紙Pを積載して収納するものであり、最上面の記録紙Pには給紙ローラ27が当接している。給紙ローラ27が反時計回りに回転することにより、最上面の記録紙Pがレジストローラ対28のニップ部に向けて給紙される。レジストローラ対28は、記録紙Pを適切なタイミングで2次転写ニップに送り出す。
【0027】
プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの上側には、中間転写ユニット15が配置されている。中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、クリーニング装置10、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14等を有する。中間転写ベルト8は、3つのローラに張架されながら、反時計回りに無端移動する。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、感光体1Y、1M、1C、1Kとの間に中間転写ベルト8を挟み込み、1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、中間転写ベルト8の裏面(内周面)にトナーとは逆極性の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト8が1次転写ニップを通過する過程で、感光体1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が重ね合せて1次転写される。1次転写によって、中間転写ベルト8上に4色トナー像が形成される。
【0028】
2次転写バックアップローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟んで2次転写ニップを形成している。2次転写ニップにおいて、中間転写ベルト8上の4色トナー像が記録紙Pに2次転写される。ここで中間転写ベルト8に残留したトナーは、クリーニング装置10によって除去される。
【0029】
2次転写ニップから送り出された記録紙Pは、定着装置20を通過する際に加圧および加熱処理が行われ、表面に転写された4色トナー像が定着される。定着処理後の記録紙Pは、排紙ローラ対29を経てスタック部30に排出され、順次スタックされる。
【0030】
次に、図3〜図6を用い、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kおよびトナーボトル収容部31について説明する。
【0031】
図3に示すように、4色のトナーボトル32Y、32M、32C、32Kは、略横一列に並んだ状態でトナーボトル収容部31に収容される。トナーボトル32Y、32M、32C、32Kのトナーは、それぞれ後述するトナー搬送装置40Y、40M、40C、40Kにより、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの現像装置5Y、5M、5C、5Kに適宜補給される。トナーボトル32Y、32M、32C、32Kは、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kとは独立してカラー複写機1の本体に着脱(挿脱)可能となっている。
【0032】
図4に示すように、トナーボトル32Yは、軸方向に回転可能なトナー容器であって、ボトル本体33Yの先端部(前側端部)に把手35Yおよびフランジ部107Yが形成され、トナーボトル収容部31に支持される後端部には樹脂ケース34Yが形成されている。フランジ部107Yは、トナーボトル32Yがトナーボトル収容部31に収容された状態で下段カバー105bと接して開口部(挿脱孔109(図5参照))を覆うようになっている。前記後端部の外周(樹脂ケース34Yの外周)には、色ごとに形状の異なる複数の凸部104a、104bが2箇所に形成されている。また、ボトル本体33Yの樹脂ケース34Y側には、ボトル本体と一体で回転するギヤ(不図示)およびトナー排出口(不図示)が設けられている。さらに、ボトル本体33Yの樹脂ケース34Y側には、トナーボトル収容部31に収容したとき、トナーボトル32Yの回転を制止するための凸部または凹部(不図示の嵌合部)が形成されている。このようなトナーボトル32Yは、例えば、ポリエチレン樹脂等の軟弾性樹脂をブロー成型することで作製される。なお、他のトナーボトル32M、32C、32Kも同様の構成を有している。
【0033】
トナーボトル収容部31は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを軸回転可能に支持する。トナーボトル収容部31には、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kの底面(把手35と反対側の端面)に設けられたトナー排出口(不図示)を開閉するための排出口シャッタ(不図示)が設けられている。トナーボトル収容部31には、収容したトナーボトル32Y、32M、32C、32Kの回転を阻止するための凸部または凹部(不図示の嵌合部)が設けられている。同じく、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kの後端部の凸部104a、104bや突起間の凹部と位置合せを行うための凹部106a、106cや凸部106bが設けられている(図5参照)。このようなトナーボトル収容部31は、例えば、弾性および対衝撃性を備えたポリアセタール樹脂(POM)またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)を成型することで作製される。
【0034】
また、図3に示すように、トナーボトル収容部31の前面は上段カバー105aと下段カバー105bによって覆われている。上段カバー105aと下段カバー105bとは、段差を有するカバー105を形成している。下段カバー105bには、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを挿脱するための挿脱孔109(図5参照)が開口している。図3では、開口部の形状を示すため、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kに形成されたフランジ部107Y、107M、107C、107K(図7参照)を省略している。
【0035】
図5に示すように、トナーボトル収容部31の下段カバー105bには、挿脱孔109が設けられ、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを後端部から挿入するようになっている。挿脱孔109の開口部には、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kの後端部の凸部104a、104bや突起間の凹部と位置合せするための凹部106a、106cや凸部106bが形成されている。ここでは、トナーの色ごとに凸部104a、104bの形状が異なるようにしている。したがって、挿入すべきトナーボトルを間違えた場合、トナーボトルの挿入開始時に位置合せができないことによって、トナーの色違いを検出することができる。
【0036】
図6に示すように、トナーボトル収容部31に例えば、トナーボトル32Mを収容した状態では、トナーボトル32Mのフランジ部107Mが下段カバー105bを覆うようになっている。この場合、下段カバー105bに設けられた開口部(挿脱孔109)はフランジ部107Mによって覆われ、開口部に設けられた凹部106a、106cや凸部106b(図5参照)は露呈しない。したがって、トナーボトル32Mが挿入された開口部の外観上の違和感を解消することができる。
【0037】
また、フランジ部107Mの表面にはトナーボトル32M内のトナーの色情報108b、108cとしての文字「M」が記されている。一方、下段カバー105b(あるいは上段カバー105aでもよい)の表面には、トナーボトル収容部31の当該挿脱孔に挿入すべきトナーボトルの色情報108aとしての文字「M」が記されている。双方の文字「M」が一致するようにトナーボトル32Mを選択することで、トナー交換時等の誤装着を未然に防ぐことができる。なお、他のトナーボトル32Y、32C、32Kの挿脱孔についても同様の構成を有している。
【0038】
次に、図7、図8を用い、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kのトナーをプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kへ搬送する構成、動作について説明する。
【0039】
トナー搬送装置40Y、40M、40C、40K(図7参照)は、中間転写ユニット15(図2参照)の側方にあって、カラー複写機1の本体に設けられている。
【0040】
図7に示すように、トナー搬送装置40Yは、駆動モータ41Yと、駆動ギヤ42Yと、トナー搬送パイプ43Yと、を有する構成である。トナー搬送パイプ43Yの内部には、樹脂製のコイル(不図示)が設けられている。駆動ギヤ42Yは、トナーボトル32Yのギヤ37Yと噛合し、駆動モータ41Yの回転によって、ギヤ37Yと一体でボトル本体33Yが回転するようになっている。なお、他のトナー搬送装置40M、40C、40Kについても同様の構成を有している。
【0041】
図8において、現像装置5Yでは、第1現像剤収容部53Yから現像剤を取込むことにより、現像スリーブ51Y上に現像剤層が形成される。現像剤が所定のトナー濃度範囲にない場合には、トナー補給部58Yから第2現像剤収容部54Yへトナーが補給される。現像剤中に取込まれたトナーは、キャリアとの摩擦により帯電する。帯電した現像剤は、内部に磁極を有する現像スリーブ51Yの表面に供給され、磁力によって担持される。現像スリーブ51Yに形成された現像剤層は、現像スリーブ51Yの回転に伴って矢印方向に搬送される。途中、ドクタ52Yで現像剤層の厚さが規制された後、感光体1Yと対向する現像領域まで搬送される。現像領域では、感光体1Y上に形成された静電潜像に基づいて現像が行われる。現像スリーブ51Y上に残留した現像剤は、現像スリーブ51Yの回転に伴って第1現像剤収容部53Yの搬送方向上流に搬送される。
【0042】
ここで、現像装置5Yの濃度検知センサ56Yが第2現像剤収容部54Yにおけるトナー濃度の不足を検知すると、制御部57Yに対して検知信号を出力する。この検知信号に基づいて制御部57Yから駆動モータ41Yに対して補給信号が出力され、駆動モータ41Yが回転する。ボトル本体33Yの内壁内面には螺旋状のトナー案内溝が形成されているため、回転により内部のトナーがボトル本体33Y奥側から先端の樹脂ケース34Y側に搬送される。ボトル本体33Y内のトナーは樹脂ケース34Yの排出口(不図示)からトナー搬送装置40Yのトナー受け部(不図示)に落下する。トナー受け部はトナー搬送パイプ43Yに接続されており、駆動モータ41Yの回転によって、ボトル本体33Yが回転すると同時に、トナー搬送パイプ43Y内のコイルが回転する。このコイルの回転により、トナー受け部に落下したトナーは、トナー搬送パイプ43Yの先端部まで搬送され、トナー補給部58Yに供給される。
【0043】
最後に、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kの装着手順について説明する。
【0044】
まず、カラー複写機1の外カバー102を開放してトナーボトル収容部31を露出させる。次いで、トナーボトル収容部31の下段カバー105bの開口部付近に記された色情報108aに基づいてトナーボトルを選択する。例えば、トナーボトル32Yを選択し、トナーボトル収容部31の開口部(挿脱孔109)にトナーボトル32Yを後端側から挿入し、前述のようにトナーの色ごとに異なる形状の凹凸部(例えば、凸部104a、104b、凹部106a、106c、凸部106b)によって位置合せを行う。さらにトナーボトル32Yを挿入してトナーボトル収容部31にセット(嵌合)する。この場合、トナーボトル収容部31の排出口シャッタ(不図示)が樹脂ケース34Yの底面を移動してトナー排出口(不図示)が開口する。同時に、樹脂ケース34Yとトナーボトル収容部31とが連結して固定される。なお、トナーボトル収容部31にトナーボトル32Yがセットされると同時に、トナーボトル32Yのフランジ部107Yが当該開口部を覆うことになる。
【0045】
一方、トナーボトル収容部31からトナーボトル32Yを取外す場合、把手35Yを掴んで手前側に引くことにより、樹脂ケース34Yとトナーボトル収容部31との連結が解除される。同時にトナーボトル収容部31の排出口シャッタ(不図示)が閉じてトナー排出口(不図示)が閉塞される。さらに、把手35Yを把持した状態で、トナーボトル32Yをトナーボトル収容部31から取出すことができる。この場合、前述のようにトナーボトル収容部31の開口部(挿脱孔109)に対するトナーボトル32Yの位置合せが行われ、トナーボトル32Yは支障なく取出される。なお、トナーボトル32Yがトナーボトル収容部31から取出された状態では、把手35Yおよび樹脂ケース34Yを回転させても排出口シャッタ(不図示)は開かないようになっている。
【0046】
このような本発明の実施の一形態としてのカラー複写機1によれば、トナーボトル収容部31のカバー105に設けられた挿脱孔109をトナーボトル32Y、32M、32C、32Kのフランジ部107Y、107M、107C、107Kが覆うので、開口部に設けられた位置決め用の凹凸形状(例えば、凹部106a、106c、凸部106b)が露呈することはない。よって、例えば、トナーボトルを交換するために外カバー102を開放したとき、外観上の違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、位置決め用の凸部104a、104bはトナーボトル32Y、32M、32C、32Kの後端側(挿入端側)に形成されているので、開口部に設けられた位置決め用の凹凸形状(例えば、凹部106a、106c、凸部106b)との組合せにより、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kの挿入開始時にトナーボトル32Y、32M、32C、32Kの正誤(当該挿脱孔に挿入すべきトナーボトルであるか否か)を判断することができる。また、トナーボトル収容部31の挿脱孔109は奥側の下段カバー105bに形成されているため、手前側の上段カバー105aに形成された場合に比べ、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを外した状態で前記位置決め用の凹凸形状は目立たなくなる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを収容した状態で、挿脱孔109が設けられたトナーボトル収容部31の下段カバー105bと、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kのフランジ部107Y、107M、107C、107Kと、が略同一面となるため、双方の面が非同一である場合と比べてトナーボトル収容部31の面の数を少なくすることができる。したがって、外カバー102を開放したとき、トナーボトル収容部31の前面を平坦に見せて外観上の違和感を解消することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、色ごとのトナーボトル32Y、32M、32C、32Kを収容する場合、色ごとに異なる位置決め用の凹凸形状(例えば、トナーボトルの凸部104a、104b、トナーボトル収容部31の開口部の凹部106a、106c、凸部106b)の組合せによって、誤セットを早期に検出することができる。また、複数のトナーボトル32Y、32M、32C、32Kのいずれにもトナーボトル収容部31の前面(例えば、下段カバー105b)と略同一面をなすフランジ部107Y、107M、107C、107Kが形成されているため、外カバー102を開放したとき、外観上の違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、トナーボトル収容部31の当該開口部(挿脱孔109)の周縁にトナーの色情報108aを表示し、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kのフランジ部107Y、107M、107C、107Kにもトナーの色情報108b、108cを表示しているので、双方の色情報が一致するようにトナーボトルを選択することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、画像形成装置の交換可能な部品としてトナーボトル32Y、32M、32C、32Kを用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、例えば、インクボトル、プロセスカートリッジユニット(PCU)などを用いても同様の誤セット防止効果が得られるものである。さらに、従来のインクボトルのように横置きにセットした後、回転して位置決めする部品に対しても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明は、トナーボトル等の交換部品の挿脱孔の複雑な形状が目立たないようにし、交換部品の装着箇所の外観上の違和感を解消することができるという効果を有し、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 カラー複写機(画像形成装置)
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y ドラムクリーニング装置
4Y 帯電装置
5Y 現像装置
6Y、6M、6C、6K プロセスカートリッジ
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9Y、9M、9C、9K 1次転写バイアスローラ
10 クリーニング装置
12 2次転写バックアップローラ
13 クリーニングバックアップローラ
14 テンションローラ
15 中間転写ユニット
19 2次転写ローラ
20 定着装置
23 排紙トレイ
26 給紙カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排紙ローラ対
30 スタック部
31 トナーボトル収容部(部品収容手段)
32Y、32M、32C、32K トナーボトル(部品)
33Y 本体
34Y 樹脂ケース
35Y 把手
37Y ギヤ
40Y、40M、40C、40K トナー搬送装置
41Y 駆動モータ
43Y トナー搬送パイプ
51Y 現像スリーブ
52Y ドクタ
53Y 第1現像剤収容部
54Y 第2現像剤収容部
55Y トナー搬送スクリュ
56Y 濃度検知センサ
57Y 制御部
58Y トナー補給部
60 操作表示部
61 原稿テーブル
80 給紙部
81 画像読取部(スキャナ)
100 画像形成部
102 外カバー
104a、104b 凸部(部品位置合せ部、凹凸形状)
105 カバー
105a 上段カバー
105b 下段カバー(段差部の下段)
106a、106c 凹部(収容位置合せ部、凹凸形状)
106b 凸部(収容位置合せ部、凹凸形状)
107Y、107M、107C、107K フランジ部(被覆部)
108a、108b、108c 色情報
109 挿脱孔
200 ADF
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2005−62422号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に係る交換可能な部品と、前記部品を収容する部品収容手段と、を備え、前記部品収容手段の前面には、前記部品を挿脱するための開口部が設けられ、前記開口部には、前記部品と位置合せするための収容位置合せ部が設けられ、前記部品には、前記収容位置合せ部と位置合せするための部品位置合せ部が設けられ、前記収容位置合せ部と前記部品位置合せ部との凹凸形状の組合せが適正な場合に、前記部品を前記部品収容手段に収容可能とした画像形成装置において、
前記部品に、前記開口部を覆う被覆部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記部品収容手段の前面に段差部を設け、前記段差部の下段に前記開口部を設け、前記部品の挿入端側に前記部品位置合せ部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記被覆部は、前記段差部の下段に接して前記下段と略同一面を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記部品は、色ごとの略円筒状のトナーボトルであって、前記収容位置合せ部と前記部品位置合せ部との凹凸形状の組合せが色ごとに異なることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−175830(P2010−175830A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18326(P2009−18326)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】