画像形成装置
【課題】媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制すること。
【解決手段】元画像(6)に基づいて画像を媒体(S)に記録する画像記録部(UY〜UK+T1+B+T2+F)と、分岐路(3)が接続される検査路(SH6)と、搬送先を切り替える排出切替部材(G3)と、媒体(S)を撮像する撮像部材(4)と、媒体(S)を搬送する搬送部材(Ra1,Ra2)と、元画像(6)と撮像された画像(7)とに基づいて欠陥があるか判別する画像欠陥判別手段(C2e)と、搬送部材(Ra1,Ra2)による搬送速度を制御して媒体(S)を搬送させる搬送速度制御手段(C2g)と、欠陥があると判別された場合に搬送先を分岐路(3)に切り替える排出切替部材制御手段(C2f)と、分岐路(3)に搬送された媒体(S)が排出される欠陥媒体排出部(TRhp)と、を備えた画像形成装置(U)。
【解決手段】元画像(6)に基づいて画像を媒体(S)に記録する画像記録部(UY〜UK+T1+B+T2+F)と、分岐路(3)が接続される検査路(SH6)と、搬送先を切り替える排出切替部材(G3)と、媒体(S)を撮像する撮像部材(4)と、媒体(S)を搬送する搬送部材(Ra1,Ra2)と、元画像(6)と撮像された画像(7)とに基づいて欠陥があるか判別する画像欠陥判別手段(C2e)と、搬送部材(Ra1,Ra2)による搬送速度を制御して媒体(S)を搬送させる搬送速度制御手段(C2g)と、欠陥があると判別された場合に搬送先を分岐路(3)に切り替える排出切替部材制御手段(C2f)と、分岐路(3)に搬送された媒体(S)が排出される欠陥媒体排出部(TRhp)と、を備えた画像形成装置(U)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、不要となった媒体を仕分する以下の技術が知られている。
特許文献1としての特開2001−199627号公報には、シート(12)が排出される第1トレイ(2)、第2トレイ(4)、第3トレイ(6)を有する画像形成装置が記載されている。特許文献1の前記画像形成装置では、排出先を切り替えるフラッパ(5,6)などを制御して、画像形成動作に応じたトレイ(2,4,6)にシート(12)を排出している。
特許文献1には、前記画像形成装置において、画像形成動作中に電源がオフとなったり、画像形成動作中に紙詰まり、いわゆるジャムが発生したりして、画像形成動作が中断したときに、装置内部に残留した不要紙(15)を仕分けして排出する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、画像形成装置の電源がオンに戻ったり、ジャムが解消されたりして、中断された画像形成動作を再開する際に、センサ(13,14)に基づいて不用紙(15)の有無を判別している。そして、特許文献1に記載の技術では、不用紙(15)が存在していると判別した場合には、フラッパ(5,6)などを制御して、前記不用紙(15)を、正常な画像形成動作で印刷されたシート(12)が排出されるトレイ(2,4,6)とは別のトレイ(2,4,6)に排出して仕分けし、その後に画像形成動作を再開している。
【0003】
【特許文献1】特開2001−199627号公報(「0001」、「0040」〜「0060」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させる搬送速度制御手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替える待機切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結分岐部と、前記分岐路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結合流部と、を連結する連結路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記連結分岐部の下流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記媒体が前記排出分岐部を通過する前に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の搬送方向前端が前記排出分岐部を前記検査路の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記媒体の搬送方向後端が前記連結分岐部を通過した後に、前記搬送部材を制御し前記媒体を逆送させて前記連結路に搬送する搬送部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備え、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別されるまでの処理時間に比べて、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度で搬送され、且つ前記検査路に沿って搬送された前記媒体の搬送方向前端が、前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間が短い場合に、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする
ことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記処理時間が経過するまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする搬送速度制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替えることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする待機切替部材制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向上流側に接続された媒体反転装置であって、画像が記録された前記媒体の表裏を逆転させて前記検査路に前記媒体を搬送可能な媒体反転装置と、
前記撮像領域が、前記検査路に設けられた第1撮像領域と、前記第1撮像領域の下流側に設けられた第2撮像領域とにより構成され、前記媒体の第1面に記録された画像を前記第1撮像領域において撮像する第1撮像部材と、前記媒体の前記第1面とは異なる第2面に記録された画像を前記第2撮像領域において撮像する第2撮像部材と、により構成された前記撮像部材と、
前記媒体の1面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される1面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する1面目予測処理時間演算手段と、
前記媒体の2面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される2面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する2面目予測処理時間演算手段と、
前記1面目予測処理時間と前記2面目予測処理時間とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する長時間面判別手段と、
前記長時間面判別手段により予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、前記媒体反転装置に、前記媒体を前記検査路に搬送させる媒体反転装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、媒体の搬送速度を変化させて、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、媒体を待機路に搬送させ、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、媒体の表裏を逆転させて撮像し、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成システムSYSは、情報通信回線網Nを有する。前記情報通信回線網Nには、利用者が印刷するための画像情報を送信する画像情報送信端末COM1や、情報通信回線網Nで送受信される情報の管理を行う管理装置COM2や、その他の端末COM4,COM5,COM6、前記各端末COM1,COM4,COM5,COM6から送信された画像情報に基づいて印刷を行う本発明の実施例1の画像形成装置Uや、その他の画像形成装置Vが接続されており、相互に情報の送受信が可能である。
【0015】
前記各端末COM1,COM4〜COM6や管理装置COM2は、情報処理装置の一例としてのコンピュータ装置により構成されており、装置本体H1と、表示器H2と、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4、図示しない情報記憶装置の一例としてのハードディスクドライブ等により構成されている。前記端末等COM1,COM4〜COM6には、コンピュータ装置の基本動作を制御するプログラム、いわゆるソフトウェアが組み込まれている。前記ソフトウェアとしては、例えば、基本ソフトウェア、いわゆるオペレーティングシステムや、文書作成用のワープロソフトウェアや作図ソフトウェア、電子メール送受信用のソフトウェア等のアプリケーションプログラム、各画像形成装置U,Vを制御するためのソフトウェアの一例であるプリンタドライバ等が組み込まれている。
【0016】
(実施例1の画像形成装置の説明)
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、前記画像形成装置Uは、いわゆる、大型のプリンタUにより構成されており、画像形成装置本体U1と、プリンタUを操作するための操作部UIを有する操作装置の一例としてのインターフェースモジュールU2と、媒体排出装置の一例としての第1スタッカ装置U3、媒体反転装置の一例としての媒体反転ユニットU4と、を有する。
【0017】
(画像形成装置本体の説明)
図2において、前記画像形成装置本体U1は、画像形成装置本体U1の制御を行う本体側制御部Cや、情報通信回線網Nで接続された各端末COM1,COM4〜COM6から送信された画像情報を受信する図示しない情報送受信装置、および前記本体側制御部Cにより制御される潜像形成装置駆動回路D、電源回路E等を有している。本体側制御部Cにより作動を制御される潜像形成装置駆動回路Dは、前記各端末COM1,COM4〜COM6から送信された画像情報に基づいて、黄色、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像情報を作成し、それに応じた駆動信号を所定の時期に各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。なお、前記各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKは、画像形成装置本体U1の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U1内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
【0018】
各可視像形成装置UY,UM,UC,UKにおいて、像保持体Py,Pm,Pc,Pkの周囲には、帯電器CR、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、像保持体清掃器CLp等が配置されている。
図2において、像保持体Py,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CRにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光Lによりその表面に静電潜像が形成される。前記像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像部材の一例としての現像ロールR0により黄色、マゼンタ、シアン、黒色の色の可視像、いわゆるトナー像に現像される。なお、現像により現像器Gy〜Gkの現像器が消費されると、画像形成装置本体U1の上部に配置された現像剤補給装置U1aから現像剤が補給される。前記現像剤補給装置U1aには、現像剤補給容器、いわゆるトナーカートリッジTy,Tm,Tc,Tkが着脱、交換可能に支持されている。
【0019】
像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面上の可視像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1により、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に一次転写領域Q3で順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成された多色画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、単色画像のみの場合は黒Kの像保持体Pkおよび現像器Gkのみが使用され、黒の可視像のみが形成される。
1次転写後、像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留物は、像保持体清掃器CLpにより除去、清掃される。
【0020】
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有する。前記中間転写ベルトBは、中間転写体駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張力発生部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1と、により矢印Ya方向に回転可能に支持されている。実施例1では、各部材Rd,Rt,Rw,Rf,T2a、T1は、いわゆるロール状の部材により構成されている。
【0021】
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtには、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが設けられており、前記2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、実施例1では、前記バックアップロールT2aには本体側制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記二次転写対向部材T2a、二次転写部材T2bなどにより、実施例1の2次転写器T2が構成されており、前記一次転写ロールT1、中間転写ベルトB、二次転写器T2により実施例1の転写装置が構成されている。
【0022】
前記中間転写ベルトBの下方には、記録媒体の一例としての記録紙Sが収容される媒体収容容器の一例として給紙トレイTR1〜TR3が設けられている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容された記録紙Sは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpで取り出され、捌き部材の一例としての捌きロールRsで一枚ずつ分離されて、給紙路SH1に搬送される。また、画像形成装置本体U1の左方には、手差し給紙容器の一例としての手差しトレイTR4が設けられており、前記給紙路SH1に記録紙Sが供給される。前記給紙路SH1に搬送された記録紙Sは、搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
レジロールRrに搬送された記録紙Sは、多色画像または単色画像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録紙Sに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録紙Sに2次転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0024】
未定着可視像が2次転写された前記記録紙Sは、転写後媒体案内部材SG、媒体搬送部材HBを通って定着装置Fに搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、一対の定着部材Fh,Fpが圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5に前記記録紙Sは搬送される。前記記録紙S上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
前記可視像形成装置UY〜UK、一次転写ロールT1、中間転写ベルトB、二次転写器T2、定着装置Fにより、実施例1の画像記録部UY〜UK+T1+B+T2+Fが構成されている。
【0025】
前記定着装置Fの下流側には切替部材G1が設けられている。前記切替部材G1は搬送路SH1を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録紙Sを、媒体反転ユニットU4側または反転路SH3側のいずれかに選択的に切り替える。前記反転路SH3には、正逆回転可能な搬送部材の一例としての反転ロールRbが設けられている。前記反転ロールRbにより、前記反転路SH3に搬送された記録紙Sは、逆方向に搬送、いわゆるスイッチバックして、循環路SH4に搬送され、レジロールRrに再送され、転写領域Q4に搬送される。
前記符号SH1、SH3、SH4で示された要素により本体側媒体搬送路SHが構成されている。
【0026】
(媒体反転ユニットU4の説明)
図2において、実施例1の媒体反転ユニットU4には、画像形成装置本体U1の搬送路SH1に接続される中継路SH2が形成されている。前記中継路SH2は、前記搬送路SH1から搬送された記録紙Sを表裏反転させずに下流側に搬送する接続中継路SH2aを有している。前記接続中継路SH2aの下方には、接続中継路SH2aに反転分岐部Bi1で分岐し且つ前記反転分岐部Bi1よりも下流側の反転合流部Bi2で合流する検査反転路SH2bが配置されている。前記検査反転路SH2bは、反転分岐部Bi1から斜め下方に延びる上流検査反転路SH2cと、前記上流検査反転路SH2cの下流端である反転連結部Bi3から下方に延びる中流検査反転路SH2dと、反転連結部Bi3から反転合流部Bi2まで延びる下流検査反転路SH2eと、を有する。
【0027】
前記反転分岐部Bi1には、反転切替部材G2が設けられている。前記反転切替部材G2は、記録紙Sの画像を検査する面に応じて、記録紙Sが接続中継路SH2aまたは検査反転路SH2bのいずれかに搬送されるように、切り替えられる。
前記反転連結部Bi3には、可撓性案内部材の一例としてのマイラーゲートMG1が設けられている。
前記接続中継路SH2aには、搬送ロールRaが設けられ、中流検査反転路SH2cには、反転ロールRbが設けられている。
【0028】
搬送ロールRaにより搬送路SH1から搬送されてきた記録紙Sは、表裏反転しない場合は、反転切替部材G2により接続中継路SH2aに搬送され、表裏反転する場合は、反転切替部材G2により、検査反転路SH2bに搬送される。
上流検査反転路SH2cに搬送された場合は、記録紙SはマイラーゲートMG1を通過して、中流検査反転路SH2dに搬送される。中流検査反転路SH2dに搬送された記録紙Sは、記録紙Sの搬送方向後端がマイラーゲートMG1を通過すると、反転ロールRbが逆回転して、搬送方向が逆転、いわゆるスイッチバックし、マイラーゲートMG1により下流検査反転路SH2eに案内される。そして、下流検査反転路SH2eを搬送された記録紙Sは、表裏反転した状態で接続中継路SH2aに搬送される。
前記接続中継路SH2a、検査反転路SH2bにより、実施例1の中継路SH2が形成されている。
【0029】
(インターフェースモジュールU2の説明)
図2において、実施例1のインターフェースモジュールU2は、上端部に情報を表示する表示部U2aや、画像形成装置Uの各種設定を行うための入力釦U2bを有する操作部UIが設けられている。また、インターフェースモジュールU2は、各端末COM1,COM4〜COM6や管理装置COM2から送信された画像情報を受信して、各種処理および画像形成装置Uの制御を行う主制御部C2が設けられている。さらに、前記インターフェースモジュールU2の内部には、前記画像形成装置本体U1で記録紙Sに定着された画像を検査する画像検査部U2cが設けられている。
【0030】
(画像検査部U2cの説明)
図3は実施例1の画像検査部の要部拡大図である。
前記画像検査部U2cは、媒体が搬送される検査路SH6を有する。前記検査路SH6は、前記中継路SH2に接続される画像検査路1と、前記画像検査路1の下流端である排出分岐部Bi4から第1スタッカ装置U3側に延びる媒体排出路2と、を有する。
前記排出分岐部Bi4には、前記排出分岐部Bi4から右上方に延びる分岐路3が接続されている。また、前記排出分岐部Bi4には、排出切替部材G3が設けられており、前記排出切替部材G3は、搬送される記録紙Sの画像の状態に応じて、前記記録紙Sの搬送先を検査路SH6の下流側である媒体排出路2または分岐路3に切り替える。
【0031】
前記画像検査路1の上方には、撮像部材の一例としてのラインカメラ4が配置されている。前記ラインカメラ4は、搬送される記録紙Sの画像を撮像し、主制御部C2に画像の情報を送る。なお、前記ラインカメラ4は、定着装置Fを抜けた記録紙Sの熱などによる影響を受けない程度の上流側に配置されている。前記ラインカメラ4の配置位置に対応して、前記画像検査路1には撮像領域Q6が設けられている。すなわち、前記撮像領域Q6は、前記画像検査路1に沿って排出分岐部Bi4の上流側に設けられている。前記画像検査路1の撮像領域Q6の上流側には、搬送ロールRaが設けられている。また、前記画像検査路1の撮像領域Q6の下流側には、搬送部材の一例としての上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2が、順に設けられている。そして、前記媒体排出路2には、下流側に搬送ロールRaが設けられている。前記分岐路3には、下流側に欠陥媒体排出部材の一例としてのパージ排出ロールRhpが設けられている。
【0032】
(パージトレイTRhpの説明)
図2において、インターフェースモジュールU2の右方には、分岐路3からの記録紙Sが排出される欠陥媒体排出部の一例としてのパージトレイTRhpが設けられている。分岐路3に搬入された記録紙Sは、前記パージ排出ロールRhpにより、パージトレイTRhpに排出される。
【0033】
(第1スタッカ装置U3の説明)
前記パージトレイTRhpの下方には、第1スタッカ装置U3が配置されている。実施例1の第1スタッカ装置U3には、前記検査路SH6の媒体排出路2に接続される第1排出路SH11が形成されている。前記第1排出路SH11の下流側には、媒体排出部材の一例としての第1排出ロールRhが配置されており、下方に配置された積載容器の一例としての第1スタッカ容器TRh1に記録紙Sが排出、積載される。前記第1スタッカ容器TRh1内には、上面に記録紙Sが積載される積載部材の一例としての第1底板TRh1aが配置されており、第1底板TRh1aは、記録紙Sの積載量に応じて自動的に昇降するように構成されている。
【0034】
前記第1排出路SH11の上流端部から右側には、媒体排出装置を追加して接続する場合に、記録紙Sを搬送するための第1再中継路SH12が延びており、第1再中継路SH12には複数の搬送ロールRaが配置されている。前記第1排出路SH11と第1再中継路SH12との分岐部には、搬送路SH11,SH12を切り替えるための第1排出切替部材の一例としての第1排出ゲートGTh1が配置されている。
【0035】
(実施例1の制御部の説明)
次に、実施例1の画像形成システムSYSにおける各機能手段の説明を行うが、実施例1では各端末COM1,COM4〜COM6からは、印刷実行の入力に応じて、ドライバを介して画像情報が送信されるだけであり、従来公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
(プリンタUの制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成システムにおける画像形成装置の制御部の要部説明図である。
図4において、実施例1のプリンタUの制御部は、いわゆる、マイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/Oである入出力機器、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶された記憶装置ROM,HDDや、必要なデータを一時的に記憶するための一次記憶装置RAM、前記記憶装置ROM,HDD,RAM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置CPU、ならびに回路の同期を取るための周期的信号、いわゆるクロックを発振する図示しない発振器等を有する。
図4において、前記構成のプリンタUは、前記記憶装置の一例であるリードオンリーメモリーROMやハードディスクHDDや一次記憶装置の一例であるランダムアクセスメモリーRAM等に記憶された画像形成プログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0037】
(前記本体側制御部Cに接続された信号入力要素)
前記本体側制御部Cには、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
【0038】
(本体側制御部Cに接続された被制御要素)
本体側制御部Cは、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D1:主駆動源制御回路
主駆動源制御回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、像保持体Py〜Pk、2次転写部材T2b、定着装置Fおよび中間転写ベルトB等を回転駆動する。
E:電源回路
電源回路Eは、現像器Gy〜Gkに現像電圧を印加する現像用電源回路E1と、帯電器CRに帯電電圧を印加する帯電用電源回路E2と、一次転写部材T1および二次転写部材T2bに転写電圧を印加する転写用電源回路E3および定着装置Fに加熱用の電源を供給する定着用電源回路E4を有している。
D:潜像形成装置駆動回路
潜像形成装置駆動回路Dは、潜像形成装置ROSy〜ROSkを制御して、潜像を形成する。
【0039】
(前記本体側制御部Cの機能)
前記本体側制御部Cは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、画像形成プログラムを構成するプログラムモジュールを有している。前記本体側制御部Cの各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C1a:主駆動源回転制御手段
主駆動源回転制御手段C1aは、前記主駆動源制御回路D1を介してメインモータM1の動作を制御して、像保持体Py〜Pk等の回転を制御する。
C1b:電源回路制御手段
電源回路制御手段C1bは、前記電源回路Eを制御して、前記現像電圧、帯電電圧、転写電圧、定着温度を制御する。
【0040】
(前記主制御部C2に接続された信号入力要素)
前記主制御部C2には、操作部UIや、撮像領域通過検知センサSN1、ラインカメラ4等からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、画像が表示される表示部U2aや、各種入力を行うための入力釦U2b等を備えている。なお、前記表示部U2aとしては、例えば、液晶ディスプレイを使用可能であり、入力釦U2bとしては、いわゆるテンキーやコピースタートキー等を挙げることができる。
撮像領域通過検知部材の一例としての撮像領域通過検知センサSN1は、撮像領域Q6における記録紙Sの通過を検知する。
前記ラインカメラ4は、前記撮像領域Q6において検査路SH6を搬送される記録紙Sに記録された画像を撮像する。
【0041】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
主制御部C2は、本体側制御部Cや第1スタッカ装置U3の第1収容制御部C3、媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4等の制御信号等を出力している。
また、主制御部C2は、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D2:搬送駆動源制御回路
搬送駆動源制御回路D2は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM2を駆動することにより、上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2を回転駆動する。
D3:排出切替駆動源制御回路
排出切替駆動源制御回路D3は、排出切替駆動源M3を駆動することにより、排出切替部材G3を切り替える。
【0042】
(主制御部C2の機能)
前記主制御部C2は、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記主制御部C2の各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C2a:画像情報受信手段
画像情報受信手段C2aは、各端末COM1、COM4〜COM6から送信された元画像の一例としての元画像情報6を受信し、記憶する。
C2b:画像情報展開手段
画像情報展開手段C2bは、受信した元画像情報6に基づいて、印刷用の情報である印刷画像情報に変換、展開する。
【0043】
C2c:撮像画像情報取得手段
撮像画像情報取得手段C2cは、前記ラインカメラ4により撮像された画像の一例としての撮像画像情報7を取得し、記憶する。
【0044】
C2d:減速開始時期判別手段
減速開始時期判別手段C2dは、減速開始時間計時手段C2d1を有し、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を、記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて低速な搬送速度にする減速開始時期P1であるか否かを判別する。
C2d1:減速開始時間計時手段
減速開始時間計時手段C2d1は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1を計時する。
すなわち、前記減速開始時期判別手段C2dは、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過すると、減速開始時期P1であると判別する。
なお、実施例1では、減速開始時間t1を計時することにより、減速開始時期P1を判別したが、記録紙Sの前端または後端の通過を検知する検知部材を画像検査路1に設けて、前記検知部材に前記記録紙Sの通過が検知された際に、減速開始時期P1と判別する構成にすることも可能である。
【0045】
C2e:画像欠陥判別手段
画像欠陥判別手段C2eは、欠陥判別終了判別手段C2e1と、終了信号出力手段C2e2と、を有し、前記元画像情報6と、前記撮像画像情報7と、に基づいて、前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例1の前記画像欠陥判別手段C2eは、前記元画像情報6と、前記撮像画像情報7と、に基づいて、搬送途中での接触や転写不良などにより記録紙Sに記録された画像が欠けてないか、記録紙Sに記録された画像が記録紙Sに対して傾いていないか等を判別する。
なお、前記画像欠陥判別手段C2eにより画像に欠陥があるか否かの判別に費やされる処理時間は、元画像情報6や撮像画像情報7の情報量の大きさなどに応じて異なる。
C2e1:欠陥判別終了判別手段
欠陥判別終了判別手段C2e1は、前記画像欠陥判別手段C2eによる前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了したか否かを判別する。
C2e2:終了信号出力手段
終了信号出力手段C2e2は、前記欠陥判別終了判別手段C2e1により、前記欠陥判別終了判別手段C2e1による判別が終了したと判別された場合に、判別終了信号を出力する。
【0046】
C2f:排出切替部材制御手段
排出切替部材制御手段C2fは、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記分岐路3に切り替える。
実施例1の排出切替部材制御手段C2fは、前記画像欠陥判別手段C2eにより記録紙Sの画像に欠陥がないと判別された場合に、前記排出切替駆動源制御回路D3を介して排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2に切り替える。
また、実施例1の排出切替部材制御手段C2fは、画像欠陥判別手段C2eにより記録紙Sの画像に欠陥があると判別された場合に、前記排出切替駆動源制御回路D3を介して排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3に切り替える。
【0047】
C2g:搬送速度制御手段
搬送速度制御手段C2gは、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2による前記記録紙Sの搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度の一例としての通常搬送速度V1に比べ、低速な搬送速度の一例としての低速搬送速度V2で、前記記録紙Sを搬送させる。
【0048】
実施例1の搬送速度制御手段C2gは、画像形成動作が開始されると、前記搬送駆動源制御回路D2を介して、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1で回転駆動させる。そして、実施例1の前記搬送速度制御手段C2gは、前記画像欠陥判別手段C2eによる処理が終わる前に、前記減速開始時期判別手段C2dにより減速開始時期P1であると判別されると、前記搬送駆動源制御回路D2を介して、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を低速搬送速度V2で回転駆動させる。そして、実施例1の搬送速度制御手段C2gは、前記画像欠陥判別処理が終了すると、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1で回転駆動させる。
【0049】
図5は実施例1における減速開始時間、通常搬送速度、低速搬送速度などの説明図であり、図5Aは上流側搬送ロール及び下流側搬送ロールの搬送速度の時間変化の説明図、図5Bは検査路に沿った経路長との関係についての説明図、図5Cは記録紙の媒体間隔の関係についての説明図である。
ここで、実施例1の前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、最大の記録紙Sに対して、前記画像欠陥判別手段C2eにより画像に欠陥があるか否かの判別に費やされる最長処理時間t2が経過しても、前記記録紙Sの前端が前記排出分岐部Bi4に到達しないように設定されている。
【0050】
すなわち、図5Aに示すように、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2は、通常搬送速度V1から低速搬送速度V2に移行する際に、減速開始時期P1よりも遅れて低速搬送速度V2になる。この遅れる時間は、前記搬送モータM2などの特性に応じて予め定まり、V1からV2に減速する時間またはV2からV1に加速する時間は、時間t(V1,V2)として定まる。前記時間t(V1,V2)を用いて、前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、最長処理時間t2、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLp、撮像領域Q6から前記排出分岐部Bi4までの前記検査路SH6に沿った経路長Lqに対して、図5Bに示すように、以下の式(1)を満たすように設定されている。
V1×t1+((V1+V2)/2)×T(V1,V2)+Lp+V2×(t2−t1−t(V1,V2))<Lq・・・(1)
なお、時間(t2−t1−t(V1,V2))は低速搬送速度V2で搬送される最長の場合の時間になる。
【0051】
また、連続して記録紙Sが検査路SH6に搬送される際は、先行する記録紙Sが低速搬送速度V2に減速されても、後続の記録紙Sが衝突しないように設定されている。すなわち、前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、連続する記録紙Sの搬送方向に沿った減速前の媒体間隔Lrに対して、以下の式(2)を満たすように設定されている。
V1×(t2−t1)+V1×t(V1,V2)−((V1+V2)/2)×t(V1,V2)−V2×(t2−t1−t(V1,V2))−((V1+V2)/2)×t(V1,V2)<Lr・・・(2)
なお、式(2)は図5Aの斜線部の面積Diが媒体間隔Lrよりも小さければ良いことを示す。
【0052】
(前記第1収容制御部C3に接続された信号入力要素)
前記第1スタッカ装置U3の第1収容制御部C3には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(収容制御部C3に接続された被制御要素)
収容制御部C3は、排出ロールRhや搬送ロールRaを駆動する制御信号等を出力している。
【0053】
(前記媒体反転制御部C4に接続された信号入力要素)
前記媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(媒体反転制御部C4に接続された被制御要素)
媒体反転制御部C4は、搬送ロールRaや、反転ロールRb、反転切替部材G2、を駆動する制御信号等を出力している。
【0054】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(画像欠陥判別処理のフローチャートの説明)
図6は実施例1の画像形成装置での画像欠陥判別処理のフローチャートである。
図6のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図6に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0055】
図6のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、元画像情報6を取得して、ST3に進む。
ST3において、撮像画像情報7を取得して、ST4に進む。
ST4において、元画像情報6と、撮像画像情報7と、に基づいて、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別を開始して、ST5に進む。
【0056】
ST5において、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST5を繰り返す。
ST6において、判別終了信号を出力して、ST7に進む。
ST7において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST2に進む。
【0057】
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図7は実施例1の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図7に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0058】
図7のST11において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST11を繰り返す。
ST12において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST13に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
ST13において、撮像領域通過検知センサSN1により、記録紙Sの搬送方向後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST13を繰り返す。
【0059】
ST14において、減速開始時間計時手段C2d1に減速開始時間t1をセットして、ST15に進む。
ST15において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST16に進む。
ST16において、減速開始時間t1がタイムアップしたか否か、すなわち、減速開始時期P1か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に進み、ノー(N)の場合はST15に進む。
ST17において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST18に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を低速搬送速度V2にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を低速搬送速度V2にする。
【0060】
ST18において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST18を繰り返す。
ST19において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。
イエス(Y)の場合はST20に進み、ノー(N)の場合はST21に進む。
ST20において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2に切り替え、ST22に進む。
【0061】
ST21において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3に切り替え、ST22に進む。
ST22において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST23に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
ST23において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に戻り、ノー(N)の場合はST12に進む。
【0062】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUにおいて、各端末COM1,COM4,COM5,COM6から元画像情報6がプリンタUに送信されると、画像形成動作が開始される。画像形成動作が開始されると、給紙トレイTR1〜TR4から記録紙Sが供給される。供給された記録紙Sには、二次転写領域Q4において、元画像情報6に基づいた可視像が転写され、可視像が転写された記録紙Sは、定着領域Q5に搬送される。定着領域Q5において前記可視像が加熱定着され、前記記録紙Sに画像が記録される。そして、前記記録紙Sは中継路SH2などを搬送されて、検査路SH6に搬送される。
【0063】
前記検査路SH6に搬送された記録紙Sは、通常搬送速度V1で搬送され、撮像領域Q6を通過する。前記記録紙Sが撮像領域Q6を通過する際、ラインカメラ4により、記録紙Sに記録された画像が撮像され、撮像画像情報7が主制御部C2に送信される。そして、画像欠陥判別処理のST2〜ST4により、前記元画像情報6と、撮像画像情報7と、に基づいて、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が開始される。
【0064】
前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了すると、排出分岐部Bi4に設けられた排出切替部材G3による前記記録紙Sの搬送先が切り替えられる。すなわち、撮像領域Q6を通過した記録紙Sは、前記記録紙Sの画像に欠陥がないと判別された場合、媒体排出路2に搬送されて第1スタッカ装置U3に排出される。また、前記記録紙Sは、前記記録紙Sの画像に欠陥がある場合、分岐路3に搬送され、パージトレイTRhpに排出される。
【0065】
このとき、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了する前に、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過した場合、媒体搬送処理のST17により、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2の搬送速度は、通常搬送速度V1から低速搬送速度V2まで減速される。また、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過する前に、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了した場合、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2の搬送速度は減速されずに、通常搬送速度V1のまま搬送される。
【0066】
ここで、画像の判別の処理時間に関わらず、一定の搬送速度で記録紙Sを搬送する構成では、記録紙Sが大きい場合など画像判別の処理に時間がかかる場合、排出切替部材G3が制御される前に、記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達し、欠陥のある画像が記録された記録紙Sを分別できない場合があった。また、一定の搬送速度で記録紙Sを搬送しつつ、処理時間が最長になる場合でも記録紙Sの前端が排出分岐部Bi4に到達しないようにする構成では、すべての記録紙Sを、最長処理時間t2に対応した経路長の搬送路に搬送させる必要があり、最長処理時間t2に対応した経路長を確保するため装置全体が大型化したり、必要以上に時間がかかる場合があった。
しかし、実施例1のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて前記記録紙Sの搬送速度を制御し、前記記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する前に、排出切替部材G3を制御して搬送先を切り替え、記録紙Sが搬送されるべき搬送先に搬送されている。すなわち、実施例1のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて搬送処理の時間が変わっており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、単位時間当たりの画像が記録された記録紙Sの出力枚数、いわゆる生産性の低下を抑制している。
【0067】
また、実施例1では、連続して記録紙Sが搬送される際に、先行する記録紙Sのみが減速されても、先行する記録紙Sと後続の記録紙Sとの差は、減速前の媒体間隔Lr以上は縮まらない。したがって、後続の記録紙Sに対する画像の判別処理に時間がかからない場合は、後続の記録紙Sの搬送処理を遅らせる必要がなく、排出されるまでの時間が長時間化しない。すなわち、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、生産性の低下を抑制している。
【実施例2】
【0068】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0069】
(画像検査部U2cの説明)
図8は実施例2の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例2の検査路SH6は、実施例1の画像検査路1に替えて、画像検査路1′を有している。
前記画像検査路1′は、上流側搬送ロールRa1と下流側搬送ロールRa2の間に、上下一対の搬送壁8を有している。前記搬送壁8の上側搬送壁8aは、前方から見て上方に凸状に湾曲している。前記上側搬送壁8aと搬送壁8の下側搬送壁8bとの間には、媒体湾曲空間9が形成されている。
【0070】
(前記主制御部C2の機能)
図9は実施例2の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例2の主制御部C2は、実施例1の搬送速度制御手段C2gに替えて、搬送速度制御手段C2g′を有する。
【0071】
C2g′:搬送速度制御手段
搬送速度制御手段C2g′は、前記下流側搬送ロールRa2による前記記録紙Sの搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、通常搬送速度V1にくらべ、低速な搬送速度の一例としての0で、前記記録紙Sを搬送させる。
実施例2の搬送速度制御手段C2g′は、画像判別の処理が終了する前に、減速開始時間t1が経過した場合、実施例1の搬送速度制御手段C2gが、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1から低速搬送速度V2に減速させていたのに替えて、下流側搬送ロールRa2のみを0、すなわち、停止させる。
【0072】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図10は実施例2の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例2のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10のフローチャートにおいて、実施例2の媒体搬送制御処理では、実施例1のフローチャートのST17に替えて、ST17′が実行される。
図10のST17′において、下流側搬送ロールRa2の搬送速度を0にして、ST18に進む。
【0073】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、画像判別の処理が終了する前に、減速開始時間t1が経過した場合、媒体搬送制御処理のST17′により、上流側搬送ロールRa1を通常搬送速度V1で回転させたまま、下流側搬送ロールRa2のみを停止させる。したがって、記録紙Sの搬送方向後端側は通常搬送速度V1で搬送される一方で、記録紙Sの搬送方向前端側は停止される。すなわち、上側搬送壁8aと下側搬送壁8bの間に搬送された記録紙Sは、記録紙Sの搬送方向後端側から挿入されるようにして、媒体湾曲空間9に湾曲した状態で収容されていく。
そして、画像判別の処理が終了すると、画像判別の結果に基づいて排出切替部材G3の制御が行われ、下流側搬送ロールRa2による記録紙Sの搬送が再開される。これにより、画像判別の処理が行われている間、停止していた記録紙Sの搬送方向前端側が、通常搬送速度V1で搬送され、排出分岐部Bi4を通過する。
【0074】
すなわち、実施例2のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて、記録紙Sの搬送方向前端を排出分岐部Bi4の搬送方向手前で停止させて、前記記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する時期を調節しており、実施例1と同様に、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例3】
【0075】
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1〜2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例2と相違しているが、他の点では前記実施例2と同様に構成される。
【0076】
(画像検査部U2cの説明)
図11は実施例3の画像検査部の要部拡大図であり、実施例2の図8に対応する図である。
実施例3の検査路SH6は、実施例2の画像検査路1′に替えて、画像検査路1″を有している。前記画像検査路1″において、撮像領域Q6から排出分岐部Bi4までの経路長Lq′は、実施例2の経路長Lqに比べ短く構成されている。
【0077】
(前記主制御部C2の機能)
図12は実施例3の制御部の説明図であり、実施例2の図9に対応する図である。
実施例3の主制御部C2は、実施例2の減速開始時期判別手段C2dに替えて、減速開始時期判別手段C2d′を有する。
C2d′:減速開始時期判別手段
減速開始時期判別手段C2d′は、実施例2の減速開始時間計時手段C2d1に替えて、減速開始時間計時手段C2d1′を有し、下流側搬送ロールRa2を、記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて低速な搬送速度にする減速開始時期P1′であるか否かを判別する。
C2d1′:減速開始時間計時手段
減速開始時間計時手段C2d1′は、実施例2の減速開始時間計時手段C2d1が、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1を計時していたのに替えて、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの前端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1′を計時する。
すなわち、実施例3の減速開始時期判別手段C2d′は、記録紙Sの前端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1′が経過すると、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過しているか否かに関わらず、減速開始時期P1′であると判別する。
【0078】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図13は実施例3の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例2の図10に対応する図である。
実施例3のフローチャートの説明を行うが、実施例2と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13のフローチャートにおいて、実施例3の媒体搬送制御処理では、実施例2のフローチャートのST13に替えて、ST13′が実行される。
図13のST13′において、記録紙Sの搬送方向前端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST13′を繰り返す。
【0079】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの搬送方向前端の通過が検知され、減速開始時間t1′が経過すると、記録紙Sの搬送方向後端が撮像領域Q6を通過中でも、下流側搬送ロールRa2が停止される。
したがって、記録紙Sの搬送方向前端が停止する際に、ラインカメラ4が前記記録紙Sに記録された画像を撮像している場合がある。しかし、撮像領域Q6における記録紙Sは、上流側搬送ロールRa1により通常搬送速度V1で搬送され続け、且つ媒体湾曲空間9に搬送された下流側の部分で湾曲し、上流側搬送ロールRa1より搬送方向上流側の撮像領域Q6における部分は平坦な状態が保たれ、ラインカメラ4による撮像画像情報7への影響が低減されている。すなわち、撮像領域Q6と上流側搬送ロールRa1との距離が短くても上流側搬送ロールRa1と下流側搬送ロールRa2との間で記録紙Sを湾曲させており、撮像領域Q6での撮像の悪影響が低減されている。
これにより、実施例3のプリンタUでは、画像検査路1″の経路長Lq′が実施例2の経路長Lqに比べ短い構成でも、実施例2と同様に画像の判別処理がされて、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例4】
【0080】
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0081】
(画像検査部U2cの説明)
図14は実施例4の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例4の検査路SH6は、実施例1の画像検査路1に替えて、画像検査路11を有している。前記画像検査路11には、前記画像検査路11に沿って前記撮像領域Q6の下流側且つ前記排出分岐部Bi4の上流側に、待機分岐部Bi5及び待機合流部Bi6が設けられている。実施例4の待機分岐部Bi5は、待機合流部Bi6に比べ、画像検査路11の搬送方向下流側に設けられている。前記待機分岐部Bi5及び待機合流部Bi6は、前記待機分岐部Bi5から前記待機合流部Bi6までの画像検査路11に沿った経路長よりも長い経路長を有する環状の待機路12により連結されている。
【0082】
前記待機分岐部Bi5には、前記画像検査路11の排出分岐部Bi4側または前記待機路12のいずれかに切り替える待機切替部材G4が設けられている。画像検査路11を搬送される記録紙Sは、待機切替部材G4により待機路12に案内される場合、待機路12から画像検査路11に搬送されて、また待機分岐部Bi5に向かう。
【0083】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
図15は実施例4の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例4の主制御部C2は、実施例1の主制御部C2の被制御要素に加えて、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D4:待機切替駆動源制御回路
待機切替駆動源制御回路D4は、待機切替駆動源M4を駆動することにより、待機切替部材G4を切り替える。
【0084】
(主制御部C2の機能)
実施例4の主制御部C2は、実施例1の減速時期判別手段C2dと、搬送速度制御手段C2gと、が省略されている。また、実施例4の主制御部C2は、媒体大小判別手段C2hと、待機切替部材制御手段C2iと、分岐部通過判別手段C2jと、が追加されている。
C2h:媒体大小判別手段
媒体大小判別手段C2hは、予め設定された記録紙Sの大きさを記憶する基準サイズ記憶手段C2h1を有し、前記検査路SH6を搬送される記録紙Sの大きさが、予め設定された大きさに比べ大きいか否か判別する。
【0085】
C2h1:基準サイズ記憶手段
基準規格記憶手段の一例としての基準サイズ記憶手段C2h1は、予め設定された記録紙Sの大きさの一例としての基準サイズS0を記憶する。実施例4の基準サイズ記憶手段C2h1は、検査路SH6を搬送される記録紙Sであって、搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する前に画像に欠陥があるか否かの処理が必ず終了する最大の記録紙Sの大きさを基準サイズS0として予め記憶している。すなわち、各サイズごとの記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、各サイズごとの最長処理時間t2が(Lq−Lp)/V1より小さい記録紙Sの中で、最大の大きさの記録紙Sが基準サイズS0として記憶されている。
【0086】
C2i:待機切替部材制御手段
待機切替部材制御手段C2iは、前記基準サイズS0より大きい場合に、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記待機路12に切り替える。
実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記媒体大小判別手段C2hにより記録紙Sが大きいと判別された場合に、前記待機切替駆動源制御回路D4を介して待機切替部材G4を制御し、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記待機路12に切り替える。そして、実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記記録紙Sが待機路12に搬送されると、前記待機切替駆動源制御回路D4を介して待機切替部材G4を制御し、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を排出分岐部Bi4側に切り替える。すなわち、実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記記録紙Sの大きさが基準記録サイズS0より大きい場合に、記録紙Sが待機路12を一周してから搬送されるように切り替える。
【0087】
図16は実施例4の検査路の経路長と、待機路の経路長と、の説明図であり、図16Aは検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図、図16Bは最長処理時間と、最大の記録紙の長さと、検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図である。
図16において、実施例4の経路長Lqは、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から待機合流部Bi6までの経路長Lq1と、画像検査路11に沿った待機合流部Bi6から待機分岐部Bi5までの経路長Lq2と、画像検査路11に沿った待機分岐部Bi5から排出分岐部Bi4までの経路長Lq3と、により構成されている。
【0088】
ここで、最長処理時間t2、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq1+Lq2+Ls+Lq2+Lq3>Lp+V1×t2を満たすように経路長Lq1〜Lq3、待機路12の経路長Lsは、設定されている。すなわち、待機路12を搬送された最大の記録紙Sは、記録された画像の判別の結果に基づいて排出切替部材G3が切り替えられた後に、排出分岐部Bi4に到達する。
なお、実施例4の待機路12において、Lq2+Ls>Lpも満たすように設定されている。
C2j:分岐部通過判別手段
分岐部通過判別手段C2jは、待機分岐部通過時間計時手段C2j1を有し、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したか否かを判別する。
C2j1:待機分岐部通過時間計時手段
待機分岐部通過時間計時手段C2j1は、通常搬送速度V1で搬送される記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから、画像検査路11に沿って待機分岐部Bi5を通過するまでの予め設定された待機分岐部通過時間t3を計時する。
すなわち、前記分岐部通過判別手段C2jは、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから待機分岐部通過時間t3が経過すると、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したと判別する。
【0089】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図17は実施例4の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例4のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17のフローチャートにおいて、実施例4の媒体搬送制御処理では、実施例1のフローチャートのST13〜ST17,ST23に替えて、ST33〜ST38,ST39が実行される。また、実施例4の媒体搬送制御処理では、実施例1のST22が省略されている。
【0090】
図17のST33において、記録紙Sの大きさが基準サイズS0に比べ大きいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に進み、ノー(N)の場合はST38に進む。
ST34において、待機切替部材G4を切り替えて記録紙Sの搬送先を待機路12にし、ST35に進む。
ST35において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST36に進み、ノー(N)の場合はST35を繰り返す。
ST36において、待機分岐部通過時間計時手段C2j1に待機分岐部通過時間t3をセットし、ST37に進む。
【0091】
ST37において、待機分岐部通過時間t3がタイムアップしたか否か、すなわち、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に進み、ノー(N)の場合はST37を繰り返す。
ST38において、待機切替部材G4を切り替えて記録紙Sの搬送先を排出分岐部Bi4側にし、ST18に進む。
ST39において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に戻り、ノー(N)の場合はST33に進む。
【0092】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のプリンタUにおいて、検査路SH6に搬送された記録紙Sは、撮像領域Q6において画像が撮像され、画像に欠陥があるか否かの判別処理が行われる。
このとき、基準サイズS0以下の記録紙Sは、画像検査路11に沿って直接排出分岐部Bi4に通常搬送速度V1で搬送され、画像の判別処理の終了後に排出分岐部Bi4に到達する。
一方、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sが、基準サイズS0以下の記録紙Sと同様に、画像検査路11に沿って直接排出分岐部Bi4に通常搬送速度V1で搬送されると、画像の判別処理の終了前に、排出分岐部Bi4に到達する場合がある。しかし、実施例4では、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sは、待機路12に一度搬送されて、判別処理が終了してから、排出分岐部Bi4に到達する。
【0093】
したがって、記録紙Sを大きさにより異なる経路で搬送させ、画像の判別処理の時間を確保し、排出切替部材G3を制御しており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
なお、待機路12に搬送される記録紙Sは基準サイズS0より大きく、基準サイズS0以下の記録紙Sも待機路12に搬送される場合に比べて、紙詰まり、いわゆるジャムの発生は少ない。
【実施例5】
【0094】
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例4と相違しているが、他の点では前記実施例4と同様に構成される。
【0095】
(主制御部C2の機能)
図18は実施例5の制御部の説明図であり、実施例4の図15に対応する図である。
実施例5の主制御部C2には、実施例4の主制御部C2に、待機切替時期判別手段C2kが追加されている。
C2k:待機切替時期判別手段
待機切替時期判別手段C2kは、待機切替時間計時手段C2k1を有し、待機切替部材を切り替える時期である待機切替時期P2であるか否かを判別する。
C2k1:待機切替時間計時手段
待機切替時間計時手段C2k1は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である待機切替時間t4を計時する。
これにより、前記待機切替時期判別手段C2kは、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから待機切替時間t4が経過すると、待機切替時期P2であると判別する。
なお、実施例5では、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から待機分岐部Bi5までの経路長Lq1+Lq2は、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq1+Lq2>Lpを満たすように設定されている。また、実施例5の待機切替時間t4は、Lq1+Lq2>Lp+V1×t4を満たすように設定されている。
【0096】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図19は実施例5の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例4の図17に対応する図である。
次に、実施例5のフローチャートの説明を行うが、実施例4と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図19のフローチャートにおいて、実施例4の媒体搬送制御処理のST34〜ST36に替えて、ST44〜ST48が実行される。
【0097】
図19のST44において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST45に進み、ノー(N)の場合はST44を繰り返す。
ST45において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST46に進む。
(1)待機分岐部通過時間計時手段C2j1に待機分岐部通過時間t3をセットする。
(2)待機切替時間計時手段C2k1に待機切替時間t4をセットする。
ST46において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に進み、ノー(N)の場合はST47に進む。
【0098】
ST47において、待機切替時間t4がタイムアップしたか否か、すなわち、待機切替時期P2か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST48に進み、ノー(N)の場合はST46に進む。
ST48において、待機切替部材G4による記録紙Sの搬送先を待機路12に切り替え、ST37に進む。
【0099】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5のプリンタUにおいて、待機切替部材G4は、記録紙Sの大きさと画像の処理時間に応じて制御される。すなわち、実施例4では、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sは、待機路12を搬送された後に、排出分岐部Bi4に搬送されていた。しかし、実施例5では、待機切替時間t4が経過する前に画像の判別処理が終了した場合、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sであっても、直接排出分岐部Bi4に搬送される。したがって、実施例5では、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、実施例4に比べてさらに、生産性の低下を抑制している。
【実施例6】
【0100】
次に本発明の実施例6の説明をするが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0101】
(画像検査部U2cの説明)
図20は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例6の検査路SH6では、媒体排出路2′の排出分岐部Bi4の下流側に、連結分岐部Bi7が設けられている。また、実施例6の分岐路3′の排出分岐部Bi4の下流側には、連結合流部Bi8が設けられている。前記連結分岐部Bi7と連結合流部Bi8との間は、連結路13で連結されている。
前記媒体排出路22の媒体搬送方向に沿って連結分岐部Bi7の下流側には、搬送部材の一例としての排出反転ロールRb1が設けられている。
前記連結合流部Bi8には、可撓性案内部材の一例としてのパージマイラーゲートMG2が設けられている。
【0102】
これにより、検査路SH6に沿って搬送された記録紙Sが、連結分岐部Bi7を通過する際は、前記パージマイラーゲートMG2が弾性変形して、下流側に搬送される。また、記録された画像に欠陥のある記録紙Sが、媒体排出路2′に進入した場合、前記記録紙Sの搬送方向後端が連結分岐部Bi7を通過した後、排出反転ロールRb1により逆送、いわゆる、スイッチバックされる。スイッチバックされた前記記録紙Sは、パージマイラーゲートMG2により排出分岐部Bi4への移動が規制され、連結路13に案内される。そして、前記記録紙Sは、連結路13から分岐路3′に搬送され、パージトレイTRhpに排出される。
【0103】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
図21は実施例6の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
D2′:搬送駆動源制御回路
搬送駆動源制御回路D2′は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM2を駆動することにより、上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2を回転駆動する。また、実施例6の搬送駆動源制御回路D2′は、反転用駆動源の一例としての反転用搬送モータM2′を駆動することにより、排出反転ロールRb1を正回転駆動、逆回転駆動する。
【0104】
(主制御部C2の機能)
実施例6の主制御部C2は、実施例1の搬送速度制御手段C2gに替えて、搬送部材制御手段C2g″を有する。また、実施例6の主制御部C2は、実施例1の減速時期判別手段C2dが省略されている。さらに、実施例6の主制御部C2は、分岐部通過判別手段C2j′と、排出切替制限時期判別手段C2k′と、が追加されている。
【0105】
C2g″:搬送部材制御手段
搬送部材制御手段C2g″は、記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4を検査路SH6の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記連結分岐部Bi7を通過した後に、排出反転ロールRb1を制御し前記記録紙Sを逆送させて連結路13に搬送する。
実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、搬送駆動源制御回路D2′を介して排出反転ロールRb1を制御する。すなわち、実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、排出反転ロールRb1を正回転させて、記録紙Sを通常搬送速度V1で搬送させる。また、実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、搬送方向前端が排出分岐部Bi4を通過した記録紙Sの画像に欠陥があると判別された場合、排出反転ロールRb1を逆回転させて、前記記録紙Sをスイッチバックさせる。
【0106】
C2j′:分岐部通過判別手段
分岐部通過判別手段C2j′は、連結分岐部通過時間計時手段C2j1′を有し、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したか否かを判別する。
C2j1′:連結分岐部通過時間計時手段
連結分岐部通過時間計時手段C2j1′は、通常搬送速度V1で搬送される記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから、検査路SH6に沿って連結分岐部Bi7を通過するまでの予め設定された連結分岐部通過時間t3′を計時する。
すなわち、前記分岐部通過判別手段C2j′は、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから連結分岐部通過時間t3′が経過すると、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したと判別する。
【0107】
C2k′:排出切替制限時期判別手段
排出切替制限時期判別手段C2k′は、排出切替制限時間計時手段C2k1′を有し、排出切替部材G3の切り替えを制限する時期である排出切替制限時期P3であるか否かを判別する。
C2k1′:排出切替制限時間計時手段
排出切替制限時間計時手段C2k1′は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である排出切替制限時間t4′を計時する。
これにより、前記排出切替制限時期判別手段C2k′は、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから排出切替制限時間t4′が経過すると、排出切替制限時期P3が経過したと判別する。
なお、実施例6では、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から排出分岐部Bi4までの経路長Lqは、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq>Lpを満たすように設定されている。また、実施例6の排出切替制限時間t4′は、Lq>Lp+V1×t4′を満たすように設定されている。
【0108】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図22は実施例6の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例6のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図22のフローチャートにおいて、実施例5の媒体搬送制御処理では、ST51〜ST65が実行される。
【0109】
図22のST51において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST52に進み、ノー(N)の場合はST51を繰り返す。
ST52において、次の(1)〜(4)の処理を実行し、ST53に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(3)排出反転ロールRb1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(4)排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2′に切り替える。
【0110】
ST53において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST54に進み、ノー(N)の場合はST53を繰り返す。
ST54において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST55に進む。
(1)連結分岐部通過時間計時手段C2j1′に連結分岐部通過時間t3′をセットする。
(2)排出切替制限時間計時手段C2k1′に排出切替制限時間t4′をセットする。
ST55において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST56に進み、ノー(N)の場合はST55を繰り返す。
【0111】
ST56において、排出切替制限時間t4′がタイムアップしたか否か、すなわち、排出切替制限時期P3が経過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST57に進み、ノー(N)の場合はST61に進む。
ST57において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST58に進み、ノー(N)の場合はST60に進む。
ST58において、連結分岐部通過時間t3′がタイムアップしたか否か、すなわち、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST59に進み、ノー(N)の場合はST58を繰り返す。
【0112】
ST59において、排出反転ロールRb1を逆回転させて、ST60に進む。
ST60において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST51に戻り、ノー(N)の場合はST52に進む。
ST61において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST62に進み、ノー(N)の場合はST60に進む。
ST62において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3′に切り替え、ST60に進む。
【0113】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6のプリンタUにおいて、検査路SH6に搬送された記録紙Sは、撮像領域Q6において画像が撮像され、画像に欠陥があるか否かの判別処理が行われる。
このとき、画像の判別処理が、排出分岐部Bi4を通過する前、すなわち、排出切替制限時期P3が経過する前に終了した場合、媒体搬送制御処理のST55〜ST56,ST61〜ST62により、画像に欠陥のある記録紙Sは、排出切替部材G3により搬送先を切り替えられて、分岐路3′に搬送される。また、画像の判別処理が、排出切替制限時期P3が経過した後に終了した場合、媒体搬送制御処理のST55〜ST59により、画像に欠陥のある記録紙Sは、排出反転ロールRb1によりスイッチバックされて、連結路13から分岐路3′に搬送される。
したがって、実施例6では、画像の判別処理の時間を確保するために、記録紙Sの排出分岐部Bi4への到達時期をずらしたりせずに、通常搬送速度V1のまま記録紙Sを搬送させており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例7】
【0114】
次に本発明の実施例7の説明をするが、この実施例7の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0115】
(画像検査部U2cの説明)
図23は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例7の検査路SH6は、画像検査路1に替えて、画像検査路21を有している。前記画像検査路21には、撮像領域Q6′が設けられている。前記撮像領域Q6′は、第1撮像領域Q6a′と、前記第1撮像領域Q6a′よりも下流側に設けられた第2撮像領域Q6b′と、を有する。前記第2撮像領域Q6b′には、撮像領域通過検知センサSN1が設けられている。
なお、実施例7において、第2撮像領域Q6b′から排出分岐部Bi4までの画像検査路21に沿った経路長Lq″は、実施例1の前記経路長Lqと同一の長さに設定されている。
【0116】
前記画像検査路21の上方には、前記第1撮像領域Q6a′において、記録紙Sの第1面Saに記録された画像を撮像する第1撮像部材の一例としての第1ラインカメラ14が設けられている。また、前記画像検査路21の下方には、前記第2撮像領域Q6b′において、記録紙Sの第2面Sbに記録された画像を撮像する第2撮像部材の一例としての第2ラインカメラ16が設けられている。前記第1撮像部材14と第2撮像部材16とにより、実施例7の撮像部材14+16が構成されている。
したがって、両面に画像が記録された記録紙Sが検査路SH6に搬送されると、第1ラインカメラ14により、記録紙Sの第1面Saの画像が撮像されるとともに、第2ラインカメラ16により、記録紙Sの第2面Sbの画像が撮像される。
【0117】
(前記主制御部C2に接続された信号入力要素)
図24は実施例7の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
前記主制御部C2には、実施例1のラインカメラ4に替えて、第1ラインカメラ14及び第2ラインカメラ16からの出力信号が入力されている。
前記ラインカメラ14は、前記第1撮像領域Q6a′において検査路SH6を搬送される記録紙Sの第1面Saに記録された画像を撮像する。
前記ラインカメラ16は、前記第2撮像領域Q6b′において検査路SH6を搬送される記録紙Sの第2面Sbに記録された画像を撮像する。
【0118】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
主制御部C2は、本体側制御部Cや第1スタッカ装置U3の収容制御部C3、媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4等の制御信号等を出力している。
【0119】
(主制御部C2の機能)
前記主制御部C2は、実施例1の撮像画像情報取得手段C2cと、画像欠陥判別手段C2eと、に替えて、第1撮像画像情報取得手段C2c′と、第2撮像画像情報取得手段C2c″と、第1画像欠陥判別手段C2e′と、第2画像欠陥判別手段C2e″と、を有する。
また、1面目予測処理時間演算手段C2m、2面目予測処理時間演算手段C2n、長時間面判別手段C2pが追加されている。
【0120】
C2c′:第1撮像画像情報取得手段
第1撮像画像情報取得手段C2c′は、前記第1ラインカメラ14により撮像された画像の一例としての第1撮像画像情報7′を取得し、記憶する。
C2c″:第2撮像画像情報取得手段
第2撮像画像情報取得手段C2c″は、前記第2ラインカメラ16により撮像された画像の一例としての第2撮像画像情報7″を取得し、記憶する。
【0121】
C2e′:第1画像欠陥判別手段
第1画像欠陥判別手段C2e′は、欠陥判別終了判別手段C2e1′と、終了信号出力手段C2e2′と、を有し、前記元画像情報6と、第1撮像画像情報7′に基づいて記録紙Sの第1面Saの画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例7の第1画像欠陥判別手段C2e′は、撮像画像情報7に替えて、第1撮像画像情報7′に基づいており、元画像情報6に基づく画素情報と、第1撮像画像情報7′に基づく画素情報と、の差分を求め、予め定められた閾値と比べて大きいか否かで、画像に欠陥があるか否かを判別していること以外は、実施例1の画像欠陥判別手段C2eと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
C2e″:第2画像欠陥判別手段
第2画像欠陥判別手段C2e″は、欠陥判別終了判別手段C2e1″と、終了信号出力手段C2e2″と、を有し、前記元画像情報6と、第2撮像画像情報7″に基づいて記録紙Sの第2面Sbの画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例7の第2画像欠陥判別手段C2e″は、撮像画像情報7に替えて、第2撮像画像情報7″に基づいており、元画像情報6に基づく画素情報と、第2撮像画像情報7″に基づく画素情報と、の差分を求め、予め定められた閾値と比べて大きいか否かで、画像に欠陥があるか否かを判別していること以外は、実施例1の画像欠陥判別手段C2eと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0122】
C2m:1面目予測処理時間演算手段
1面目予測処理時間演算手段C2mは、前記記録紙Sの1面目の画像について欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される1面目予測処理時間pt1を、前記元画像情報6に基づいて演算する。実施例7の1面目予測処理時間演算手段C2mは、元画像情報6に基づく1面目の画素数に基づいて1面目予測処理時間pt1を演算する。
C2n:2面目予測処理時間演算手段
2面目予測処理時間演算手段C2nは、前記記録紙Sの2面目の画像について欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される2面目予測処理時間pt2を、前記元画像情報6に基づいて演算する。実施例7の2面目予測処理時間演算手段C2nは、元画像情報6に基づく2面目の画素数に基づいて2面目予測処理時間pt2を演算する。
なお、実施例7において、記録紙Sの1面目とは、前記記録紙Sが二次転写領域Q4を最初に通過する際に、上方を向いている記録紙Sの面であり、記録紙の2面目とは、前記記録紙Sが二次転写領域Q4を最初に通過する際に、下方を向いている記録紙Sの面である。
【0123】
C2p:長時間面判別手段
長時間面判別手段C2pは、前記1面目予測処理時間pt1と前記2面目予測処理時間pt2とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する。
実施例7の長時間面判別手段C2pは、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べて大きい場合に、1面目を予測処理時間が長い面であると判別する。また、実施例7の長時間面判別手段C2pは、2面目予測処理時間pt2が1面目予測処理時間pt1以上の場合に、2面目を予測処理時間が長い面であると判別する。
【0124】
(前記媒体反転制御部C4に接続された信号入力要素)
媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
また、反転連結部通過検知センサSN2により記録紙Sの通過検知信号が入力される。
【0125】
(媒体反転制御部C4に接続された被制御要素)
媒体反転制御部C4は、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D6:反転搬送駆動源制御回路
反転搬送駆動源制御回路D6は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM6を駆動することにより、搬送ロールRaを回転駆動する。また、反転搬送駆動源制御回路D6は、反転搬送駆動源の一例としての反転搬送モータM6′を駆動することにより、反転ロールRbを回転駆動する。
D7:反転切替駆動源制御回路
反転切替駆動源制御回路D7は、反転切替駆動源M7を駆動することにより、反転切替部材G2を切り替える。
【0126】
(媒体反転制御部C4の機能)
媒体反転制御部C4は、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記媒体反転制御部C4の各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C4a:媒体反転装置制御手段
媒体反転装置制御手段C4aは、反転切替駆動源制御手段C4a1と、反転搬送駆動源制御手段C4a2とを有し、前記主制御部C2の長時間面判別手段C2pにより予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、媒体反転ユニットU4に、前記記録紙Sを前記検査路SH6に搬送させる。
【0127】
C4a1:反転切替駆動源制御手段
反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記排出切替駆動源制御回路D7を介して反転切替駆動源M7を制御し、反転切替部材G2を切り替える。
実施例7の反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記長時間面判別手段C2pにより、1面目が長時間面であると判別された場合に、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を検査反転路SH2bに切り替える。
また、実施例7の反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記長時間面判別手段C2pにより、2面目が長時間面であると判別された場合に、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を接続中継路SH2aに切り替える。
【0128】
C4a2:反転搬送駆動源制御手段
反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記搬送駆動源制御回路D6を介して搬送ロールRa、反転ロールRbを回転させる。
実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、搬送ロールRaを正回転させる。
また、実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記長時間面判別手段C2pにより、1面目が長時間面であると判別された場合に、反転ロールRbを正回転させる。そして、実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記通過検知センサSN2により、記録紙Sの後端の通過が検知されると、反転ロールRbを逆回転させる。
【0129】
これにより、実施例7において、媒体反転ユニットU4に搬送された記録紙Sは、両面印刷時に2面目が長時間面であると判別された場合、媒体反転ユニットU4により、表裏が逆転されずに搬送され、2面目が上方に向いた状態で検査路SH6に搬送される。また、媒体反転ユニットU4に搬送された記録紙Sは、両面印刷時に記録紙Sの1面目が長時間面であると判別された場合、媒体反転ユニットU4により表裏が逆転されて、1面目が上方を向いた状態で検査路SH6に搬送される。
【0130】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体反転切替処理のフローチャートの説明)
図25は実施例7の画像形成装置での媒体反転切替処理のフローチャートである。
図25のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図25に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0131】
図25のST71において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST72に進み、ノー(N)の場合はST71を繰り返す。
ST72において、搬送ロールRaを回転させ、ST73に進む。
ST73において、両面印刷か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST74に進み、ノー(N)の場合はST81に進む。
【0132】
ST74において、元画像情報6を取得し、ST75に進む。
ST75において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST76に進む。
(1)1面目予測処理時間pt1を元画像情報6に基づいて演算する。
(2)2面目予測処理時間pt2を元画像情報6に基づいて演算する。
ST76において、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べ大きいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST78に進み、ノー(N)の場合はST77に進む。
【0133】
ST77において、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を接続中継路SH2aに切り替え、ST81に進む。
ST78において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST79に進む。
(1)反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を検査反転路SH2bに切り替える。
(2)反転ロールRbを正回転させる。
【0134】
ST79において、反転連結部通過検知センサSN2により記録紙Sの後端が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST80に進み、ノー(N)の場合はST79を繰り返す。
ST80において、反転ロールRbを逆回転させ、ST81に進む。
ST81において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST71に戻り、ノー(N)の場合はST72に進む。
【0135】
(画像欠陥判別処理のフローチャートの説明)
図26は実施例7の画像形成装置での第1画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
次に、実施例7のフローチャートの説明を行うが、実施例1の画像欠陥判別処理と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図26のフローチャートにおいて、実施例7の第1画像欠陥判別処理では、実施例1のフローチャートのST3、ST4に替えて、ST3′、ST4′が実行される。
図26のST3′において、第1撮像画像情報7′を取得し、ST4′に進む。
図26のST4′において、元画像情報6と第1撮像画像情報7′に基づいて記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別を開始し、ST5に進む。
【0136】
図27は実施例7の画像形成装置での第2画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
図27のフローチャートにおいて、第2画像欠陥判別処理は、第1画像欠陥判別処理が第1撮像画像情報7′に基づいていたのに替えて、第2撮像画像情報7″に基づく点が異なるだけなので、その詳細な説明は省略する。
【0137】
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図28は実施例7の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例7のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図28のフローチャートにおいて、実施例1の媒体搬送制御処理のST15,ST18に替えて、ST15′,ST18′が実行される。
ST15′において、対象記録紙Sの第1画像欠陥判別処理及び第2画像欠陥判別処理の判別終了信号があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST16に進む。
ST18′において、対象記録紙Sの第1画像欠陥判別処理及び第2画像欠陥判別処理の判別終了信号があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST18′を繰り返す。
【0138】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7のプリンタUにおいて、両面印刷用の元画像情報6に基づいて画像が記録される場合、二次転写領域Q4で上方を向いている記録紙Sの1面目に画像が記録された後に、反転路SH3で表裏反転されて、二次転写領域Q4に搬送され、記録紙Sの2面目にも画像が記録される。そして、両面に画像が記録された記録紙Sは、2面目が上方を向いた状態で、媒体反転ユニットU4に搬送される。
この際に、媒体反転切替処理のST74、ST75により、元画像情報6に基づいて、1面目の画像に欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される1面目予測処理時間pt1と、2面目の画像に欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される2面目予測処理時間pt2が演算される。
【0139】
媒体反転ユニットU4において、媒体反転切替処理のST76,STST78〜ST80により、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2にくらべ長い記録紙Sは、検査反転路SH2bで表裏反転されて、1面目が上方に向いた状態で検査路SH6に搬送される。また、媒体反転切替処理のST76〜ST77により、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2以下の記録紙Sは、検査反転路SH2bに搬送されることなく、接続中継路SH2aに搬送され、2面目が上方を向いたまま検査路SH6に搬送される。
【0140】
検査路SH6に搬送される際に、上方を向いている記録紙Sの面は、第1面Saとして、第1撮像領域Q6a′において、第1ラインカメラ14により撮像される。また、下方を向いている記録紙Sの面は、第2面Sbとして、第1撮像領域Q6a′に比べて下流側の第2撮像領域Q6b′において、第2ラインカメラ16により撮像される。
これにより、第1ラインカメラ14により撮像された第1撮像画像情報7′に基づいて第1画像判別処理が実行されるとともに、第2ラインカメラ16により撮像された第2撮像画像情報7″に基づいて第2画像判別処理が実行されて、記録紙Sの両面に記録された場合も、記録された画像に欠陥があるかないか判別される。そして、画像の判別結果に基づいて、記録紙Sは第1スタッカ装置U3又はパージトレイTRhpに搬送される。
【0141】
この際に、第1撮像領域Q6a′において撮像される第1撮像画像情報7′に基づく第1画像判別処理の処理は、第1撮像領域Q6a′よりも下流側に設けられた第2撮像領域Q6b′において撮像される第2撮像画像情報7″に基づく第2画像判別処理の処理に比べ、早く開始される。したがって、画像の処理に時間がかかる面を第1面Saとして検査路SH6に搬送する実施例7のプリンタUでは、時間のかかる面を第2面Sbとして検査路SH6に搬送する場合に比べて、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
なお、実施例7のプリンタUにおいて、片面印刷の場合、二次転写領域Q4で画像が転写された面は上方を向いたまま、検査路SH6まで搬送される。すなわち、前記記録紙Sの画像が記録された面は、第1面Saとして第1撮像領域Q6a′において撮像される。
【0142】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0143】
(H02)前記各実施例において、画像判別処理は、記録された画像全体の元画像情報6と、記録された画像全体の撮像画像情報7,7′,7″と、で判別したが、これに限定されず、撮像領域Q6、Q6′を通過した部分の画像に基づく撮像画像情報により、逐次的に画像の欠陥を判別することも可能である。
(H03)前記実施例1〜6において、プリンタUは媒体反転ユニットU4を有していたが、これを省略することも可能である。
(H04)前記実施例2〜3において、減速開始時間t1が経過すると、下流側搬送ロールRa2が停止して記録紙Sが湾曲する構成を例示したが、これに限定されず、減速開始時間t1が経過すると、下流側搬送ロールRa2が通常搬送速度V1に比べ低速な搬送速度、例えば、低速搬送速度V2で回転し、相対速度差で記録紙Sが湾曲する構成にすることも可能である。
【0144】
(H05)前記実施例4〜6において、分岐部通過判別手段C2j,C2j′は、撮像領域Q6を記録紙Sが通過してから予め設定された時間t3、t4が経過すると、記録紙Sが分岐部Bi5,Bi7を通過したと判別していたが、これに限定されず、記録紙Sの通過を検知する検知部材を分岐部Bi5,Bi7に設けて、記録紙Sの通過を判別する構成にすることも可能である。
(H06)前記実施例6において、画像検査路11に設けられた待機分岐部Bi5は、画像検査路11に沿って待機合流部Bi6の下流側に設けられていたが、これに限定されず、待機分岐部Bi5が、待機合流部Bi6に比べ画像検査路11に沿って上流側に設けられている構成も可能である。すなわち、前記実施例6の待機路は、環状の待機路12に限定されず、待機分岐部Bi5から待機合流部Bi6までの画像検査路11に沿った経路長よりも長い経路長を有する待機路であって、画像検査路11を迂回するように待機分岐部Bi5と待機合流部Bi6とを連結する待機路とすることも可能である。
【0145】
(H07)前記実施例7において、片面印刷の場合、媒体反転ユニットU4に記録紙Sの表裏を反転させなかったが、例えば、記録紙Sの表裏を反転させずに搬送すると、画像の記録された面が第2面Sbとして検査路SH6に搬送される画像形成装置の場合、媒体反転ユニットU4に記録紙Sの表裏を反転させて、画像の記録された面を第1面Saとして、検査路SH6に搬送させる構成にすることが可能である。
(H08)前記実施例7において、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させて、予測処理時間pt1,pt2の長い面を第1面Saとして、検査路SH6に搬送する構成を例示したが、予測処理時間pt1,pt2の長い画像が第1面Saとなるように、1面目と2面目に画像を印刷する構成にすることも可能である。
【0146】
(H09)前記実施例7において、媒体反転ユニットU4に反転された記録紙Sは、反転されたまま第1スタッカ装置U3に積載されていたが、検査路SH6の排出分岐部Bi4の搬送方向下流側且つ第1スタッカ装置U3の搬送方向上流側で、再反転させて、頁順や表裏が揃った状態で第1スタッカ装置U3に積載されるようにすることも可能である。
(H010)前記実施例7の撮像領域Q6′において、記録紙Sの第1面Saを撮像する第1撮像領域Q6a′と、記録紙Sの第2面Sbを撮像する第2撮像領域Q6b′と、は画像検査路21の媒体搬送方向上流側と下流側とに設けられていたが、読取り用の光源がなかったり、干渉しない撮像部材の場合、同じ位置に配置することも可能である。
【0147】
(H011)前記実施例7において、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べ長い場合に、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させていたが、反転にかかる時間を考慮し、1面目予測処理時間pt1が、2面目予測処理時間pt2と反転にかかる時間との合計時間に比べ長い場合に、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させることも可能である。
(H012)前記実施例7において、予測処理時間演算手段C2m,C2nは、元画像情報6に基づく各面目の画素数に基づいて予測処理時間pt1,pt2を演算する構成を例示したが、これに限定されない。画像欠陥判別手段C2e′,C2e″の画像欠陥判別の処理は、従来公知の様々な処理(例えば、特開2005−217931号公報、特開2007−85870号公報等参照)が可能であるが、例えば、画像欠陥判別手段C2e′,C2e″が、特開2005−217931号公報に示すように、文字の欠陥を判別する画像欠陥判別手段であれば、予測処理時間演算手段C2m,C2nは、それに応じて、元画像情報6に基づく文字が記録される領域の面積に基づいて予測処理時間pt1,pt2を演算する構成にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像検査部の要部拡大図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置の制御部の要部説明図である。
【図5】図5は実施例1における減速開始時間、通常搬送速度、低速搬送速度などの説明図であり、図5Aは上流側搬送ロール及び下流側搬送ロールの搬送速度の時間変化の説明図、図5Bは検査路に沿った経路長との関係についての説明図、図5Cは記録紙の媒体間隔の関係についての説明図である。
【図6】図6は実施例1の画像形成装置での画像欠陥判別処理のフローチャートである。
【図7】図7は実施例1の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートである。
【図8】図8は実施例2の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図9】図9は実施例2の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図10】図10は実施例2の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図11】図11は実施例3の画像検査部の要部拡大図であり、実施例2の図8に対応する図である。
【図12】図12は実施例3の制御部の説明図であり、実施例2の図9に対応する図である。
【図13】図13は実施例3の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例2の図10に対応する図である。
【図14】図14は実施例4の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図15】図15は実施例4の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図16】図16は実施例4の検査路の経路長と、待機路の経路長と、の説明図であり、図16Aは検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図、図16Bは最長処理時間と、最大の記録紙の長さと、検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図である。
【図17】図17は実施例4の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図18】図18は実施例5の制御部の説明図であり、実施例4の図15に対応する図である。
【図19】図19は実施例5の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例4の図17に対応する図である。
【図20】図20は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図21】図21は実施例6の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図22】図22は実施例6の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図23】図23は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図24】図24は実施例7の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図25】図25は実施例7の画像形成装置での媒体搬送切替処理のフローチャートである。
【図26】図26は実施例7の画像形成装置での第1画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
【図27】図27は実施例7の画像形成装置での第2画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
【図28】図28は実施例7の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【符号の説明】
【0149】
3,3′…分岐路、
4…撮像部材、
6…元画像、
7,7′,7″…撮像された画像、
12…待機路、
13…連結路、
14…撮像部材、第1撮像部材、
16…撮像部材、第2撮像部材、
Bi4…排出分岐部、
Bi5…待機分岐部、
Bi6…待機合流部、
Bi7…連結分岐部、
Bi8…連結合流部、
C2e,C2e′,C2e″…画像欠陥判別手段、
C2f…排出切替部材制御手段、
C2g,C2g′…搬送速度制御手段、
C2g″…搬送部材制御手段、
C2i…待機切替部材制御手段、
C2m…1面目予測処理時間演算手段、
C2n…2面目予測処理時間演算手段、
C2p…長時間面判別手段、
C4a…媒体反転装置制御手段、
G3…排出切替部材、
G4…待機切替部材、
pt1…1面目予測処理時間、
pt2…2面目予測処理時間、
Q6,Q6′…撮像領域
Q6a′…第1撮像領域、
Q6b′…第2撮像領域、
Ra1,Ra2…搬送部材、
Rb1…搬送部材、
S…媒体、
Sa…第1面、
Sb…第2面、
SH6…検査路、
TRhp…欠陥媒体排出部、
U…画像形成装置、
U4…媒体反転装置、
UY〜UK+T1+B+T2+F…画像記録部、
V1,V2…搬送速度。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、不要となった媒体を仕分する以下の技術が知られている。
特許文献1としての特開2001−199627号公報には、シート(12)が排出される第1トレイ(2)、第2トレイ(4)、第3トレイ(6)を有する画像形成装置が記載されている。特許文献1の前記画像形成装置では、排出先を切り替えるフラッパ(5,6)などを制御して、画像形成動作に応じたトレイ(2,4,6)にシート(12)を排出している。
特許文献1には、前記画像形成装置において、画像形成動作中に電源がオフとなったり、画像形成動作中に紙詰まり、いわゆるジャムが発生したりして、画像形成動作が中断したときに、装置内部に残留した不要紙(15)を仕分けして排出する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、画像形成装置の電源がオンに戻ったり、ジャムが解消されたりして、中断された画像形成動作を再開する際に、センサ(13,14)に基づいて不用紙(15)の有無を判別している。そして、特許文献1に記載の技術では、不用紙(15)が存在していると判別した場合には、フラッパ(5,6)などを制御して、前記不用紙(15)を、正常な画像形成動作で印刷されたシート(12)が排出されるトレイ(2,4,6)とは別のトレイ(2,4,6)に排出して仕分けし、その後に画像形成動作を再開している。
【0003】
【特許文献1】特開2001−199627号公報(「0001」、「0040」〜「0060」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させる搬送速度制御手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替える待機切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結分岐部と、前記分岐路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結合流部と、を連結する連結路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記連結分岐部の下流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記媒体が前記排出分岐部を通過する前に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の搬送方向前端が前記排出分岐部を前記検査路の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記媒体の搬送方向後端が前記連結分岐部を通過した後に、前記搬送部材を制御し前記媒体を逆送させて前記連結路に搬送する搬送部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備え、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別されるまでの処理時間に比べて、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度で搬送され、且つ前記検査路に沿って搬送された前記媒体の搬送方向前端が、前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間が短い場合に、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする
ことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記処理時間が経過するまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする搬送速度制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替えることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする待機切替部材制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記検査路の媒体搬送方向上流側に接続された媒体反転装置であって、画像が記録された前記媒体の表裏を逆転させて前記検査路に前記媒体を搬送可能な媒体反転装置と、
前記撮像領域が、前記検査路に設けられた第1撮像領域と、前記第1撮像領域の下流側に設けられた第2撮像領域とにより構成され、前記媒体の第1面に記録された画像を前記第1撮像領域において撮像する第1撮像部材と、前記媒体の前記第1面とは異なる第2面に記録された画像を前記第2撮像領域において撮像する第2撮像部材と、により構成された前記撮像部材と、
前記媒体の1面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される1面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する1面目予測処理時間演算手段と、
前記媒体の2面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される2面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する2面目予測処理時間演算手段と、
前記1面目予測処理時間と前記2面目予測処理時間とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する長時間面判別手段と、
前記長時間面判別手段により予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、前記媒体反転装置に、前記媒体を前記検査路に搬送させる媒体反転装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、媒体の搬送速度を変化させて、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、媒体を待機路に搬送させ、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、媒体の表裏を逆転させて撮像し、媒体の選別精度を向上させつつ生産性の低減を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成システムSYSは、情報通信回線網Nを有する。前記情報通信回線網Nには、利用者が印刷するための画像情報を送信する画像情報送信端末COM1や、情報通信回線網Nで送受信される情報の管理を行う管理装置COM2や、その他の端末COM4,COM5,COM6、前記各端末COM1,COM4,COM5,COM6から送信された画像情報に基づいて印刷を行う本発明の実施例1の画像形成装置Uや、その他の画像形成装置Vが接続されており、相互に情報の送受信が可能である。
【0015】
前記各端末COM1,COM4〜COM6や管理装置COM2は、情報処理装置の一例としてのコンピュータ装置により構成されており、装置本体H1と、表示器H2と、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4、図示しない情報記憶装置の一例としてのハードディスクドライブ等により構成されている。前記端末等COM1,COM4〜COM6には、コンピュータ装置の基本動作を制御するプログラム、いわゆるソフトウェアが組み込まれている。前記ソフトウェアとしては、例えば、基本ソフトウェア、いわゆるオペレーティングシステムや、文書作成用のワープロソフトウェアや作図ソフトウェア、電子メール送受信用のソフトウェア等のアプリケーションプログラム、各画像形成装置U,Vを制御するためのソフトウェアの一例であるプリンタドライバ等が組み込まれている。
【0016】
(実施例1の画像形成装置の説明)
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、前記画像形成装置Uは、いわゆる、大型のプリンタUにより構成されており、画像形成装置本体U1と、プリンタUを操作するための操作部UIを有する操作装置の一例としてのインターフェースモジュールU2と、媒体排出装置の一例としての第1スタッカ装置U3、媒体反転装置の一例としての媒体反転ユニットU4と、を有する。
【0017】
(画像形成装置本体の説明)
図2において、前記画像形成装置本体U1は、画像形成装置本体U1の制御を行う本体側制御部Cや、情報通信回線網Nで接続された各端末COM1,COM4〜COM6から送信された画像情報を受信する図示しない情報送受信装置、および前記本体側制御部Cにより制御される潜像形成装置駆動回路D、電源回路E等を有している。本体側制御部Cにより作動を制御される潜像形成装置駆動回路Dは、前記各端末COM1,COM4〜COM6から送信された画像情報に基づいて、黄色、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像情報を作成し、それに応じた駆動信号を所定の時期に各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。なお、前記各色の可視像形成装置UY,UM,UC,UKは、画像形成装置本体U1の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U1内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
【0018】
各可視像形成装置UY,UM,UC,UKにおいて、像保持体Py,Pm,Pc,Pkの周囲には、帯電器CR、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、像保持体清掃器CLp等が配置されている。
図2において、像保持体Py,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CRにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光Lによりその表面に静電潜像が形成される。前記像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像部材の一例としての現像ロールR0により黄色、マゼンタ、シアン、黒色の色の可視像、いわゆるトナー像に現像される。なお、現像により現像器Gy〜Gkの現像器が消費されると、画像形成装置本体U1の上部に配置された現像剤補給装置U1aから現像剤が補給される。前記現像剤補給装置U1aには、現像剤補給容器、いわゆるトナーカートリッジTy,Tm,Tc,Tkが着脱、交換可能に支持されている。
【0019】
像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面上の可視像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1により、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に一次転写領域Q3で順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成された多色画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、単色画像のみの場合は黒Kの像保持体Pkおよび現像器Gkのみが使用され、黒の可視像のみが形成される。
1次転写後、像保持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留物は、像保持体清掃器CLpにより除去、清掃される。
【0020】
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有する。前記中間転写ベルトBは、中間転写体駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張力発生部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1と、により矢印Ya方向に回転可能に支持されている。実施例1では、各部材Rd,Rt,Rw,Rf,T2a、T1は、いわゆるロール状の部材により構成されている。
【0021】
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtには、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが設けられており、前記2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、実施例1では、前記バックアップロールT2aには本体側制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記二次転写対向部材T2a、二次転写部材T2bなどにより、実施例1の2次転写器T2が構成されており、前記一次転写ロールT1、中間転写ベルトB、二次転写器T2により実施例1の転写装置が構成されている。
【0022】
前記中間転写ベルトBの下方には、記録媒体の一例としての記録紙Sが収容される媒体収容容器の一例として給紙トレイTR1〜TR3が設けられている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容された記録紙Sは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpで取り出され、捌き部材の一例としての捌きロールRsで一枚ずつ分離されて、給紙路SH1に搬送される。また、画像形成装置本体U1の左方には、手差し給紙容器の一例としての手差しトレイTR4が設けられており、前記給紙路SH1に記録紙Sが供給される。前記給紙路SH1に搬送された記録紙Sは、搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
レジロールRrに搬送された記録紙Sは、多色画像または単色画像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録紙Sに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録紙Sに2次転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0024】
未定着可視像が2次転写された前記記録紙Sは、転写後媒体案内部材SG、媒体搬送部材HBを通って定着装置Fに搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、一対の定着部材Fh,Fpが圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5に前記記録紙Sは搬送される。前記記録紙S上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
前記可視像形成装置UY〜UK、一次転写ロールT1、中間転写ベルトB、二次転写器T2、定着装置Fにより、実施例1の画像記録部UY〜UK+T1+B+T2+Fが構成されている。
【0025】
前記定着装置Fの下流側には切替部材G1が設けられている。前記切替部材G1は搬送路SH1を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録紙Sを、媒体反転ユニットU4側または反転路SH3側のいずれかに選択的に切り替える。前記反転路SH3には、正逆回転可能な搬送部材の一例としての反転ロールRbが設けられている。前記反転ロールRbにより、前記反転路SH3に搬送された記録紙Sは、逆方向に搬送、いわゆるスイッチバックして、循環路SH4に搬送され、レジロールRrに再送され、転写領域Q4に搬送される。
前記符号SH1、SH3、SH4で示された要素により本体側媒体搬送路SHが構成されている。
【0026】
(媒体反転ユニットU4の説明)
図2において、実施例1の媒体反転ユニットU4には、画像形成装置本体U1の搬送路SH1に接続される中継路SH2が形成されている。前記中継路SH2は、前記搬送路SH1から搬送された記録紙Sを表裏反転させずに下流側に搬送する接続中継路SH2aを有している。前記接続中継路SH2aの下方には、接続中継路SH2aに反転分岐部Bi1で分岐し且つ前記反転分岐部Bi1よりも下流側の反転合流部Bi2で合流する検査反転路SH2bが配置されている。前記検査反転路SH2bは、反転分岐部Bi1から斜め下方に延びる上流検査反転路SH2cと、前記上流検査反転路SH2cの下流端である反転連結部Bi3から下方に延びる中流検査反転路SH2dと、反転連結部Bi3から反転合流部Bi2まで延びる下流検査反転路SH2eと、を有する。
【0027】
前記反転分岐部Bi1には、反転切替部材G2が設けられている。前記反転切替部材G2は、記録紙Sの画像を検査する面に応じて、記録紙Sが接続中継路SH2aまたは検査反転路SH2bのいずれかに搬送されるように、切り替えられる。
前記反転連結部Bi3には、可撓性案内部材の一例としてのマイラーゲートMG1が設けられている。
前記接続中継路SH2aには、搬送ロールRaが設けられ、中流検査反転路SH2cには、反転ロールRbが設けられている。
【0028】
搬送ロールRaにより搬送路SH1から搬送されてきた記録紙Sは、表裏反転しない場合は、反転切替部材G2により接続中継路SH2aに搬送され、表裏反転する場合は、反転切替部材G2により、検査反転路SH2bに搬送される。
上流検査反転路SH2cに搬送された場合は、記録紙SはマイラーゲートMG1を通過して、中流検査反転路SH2dに搬送される。中流検査反転路SH2dに搬送された記録紙Sは、記録紙Sの搬送方向後端がマイラーゲートMG1を通過すると、反転ロールRbが逆回転して、搬送方向が逆転、いわゆるスイッチバックし、マイラーゲートMG1により下流検査反転路SH2eに案内される。そして、下流検査反転路SH2eを搬送された記録紙Sは、表裏反転した状態で接続中継路SH2aに搬送される。
前記接続中継路SH2a、検査反転路SH2bにより、実施例1の中継路SH2が形成されている。
【0029】
(インターフェースモジュールU2の説明)
図2において、実施例1のインターフェースモジュールU2は、上端部に情報を表示する表示部U2aや、画像形成装置Uの各種設定を行うための入力釦U2bを有する操作部UIが設けられている。また、インターフェースモジュールU2は、各端末COM1,COM4〜COM6や管理装置COM2から送信された画像情報を受信して、各種処理および画像形成装置Uの制御を行う主制御部C2が設けられている。さらに、前記インターフェースモジュールU2の内部には、前記画像形成装置本体U1で記録紙Sに定着された画像を検査する画像検査部U2cが設けられている。
【0030】
(画像検査部U2cの説明)
図3は実施例1の画像検査部の要部拡大図である。
前記画像検査部U2cは、媒体が搬送される検査路SH6を有する。前記検査路SH6は、前記中継路SH2に接続される画像検査路1と、前記画像検査路1の下流端である排出分岐部Bi4から第1スタッカ装置U3側に延びる媒体排出路2と、を有する。
前記排出分岐部Bi4には、前記排出分岐部Bi4から右上方に延びる分岐路3が接続されている。また、前記排出分岐部Bi4には、排出切替部材G3が設けられており、前記排出切替部材G3は、搬送される記録紙Sの画像の状態に応じて、前記記録紙Sの搬送先を検査路SH6の下流側である媒体排出路2または分岐路3に切り替える。
【0031】
前記画像検査路1の上方には、撮像部材の一例としてのラインカメラ4が配置されている。前記ラインカメラ4は、搬送される記録紙Sの画像を撮像し、主制御部C2に画像の情報を送る。なお、前記ラインカメラ4は、定着装置Fを抜けた記録紙Sの熱などによる影響を受けない程度の上流側に配置されている。前記ラインカメラ4の配置位置に対応して、前記画像検査路1には撮像領域Q6が設けられている。すなわち、前記撮像領域Q6は、前記画像検査路1に沿って排出分岐部Bi4の上流側に設けられている。前記画像検査路1の撮像領域Q6の上流側には、搬送ロールRaが設けられている。また、前記画像検査路1の撮像領域Q6の下流側には、搬送部材の一例としての上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2が、順に設けられている。そして、前記媒体排出路2には、下流側に搬送ロールRaが設けられている。前記分岐路3には、下流側に欠陥媒体排出部材の一例としてのパージ排出ロールRhpが設けられている。
【0032】
(パージトレイTRhpの説明)
図2において、インターフェースモジュールU2の右方には、分岐路3からの記録紙Sが排出される欠陥媒体排出部の一例としてのパージトレイTRhpが設けられている。分岐路3に搬入された記録紙Sは、前記パージ排出ロールRhpにより、パージトレイTRhpに排出される。
【0033】
(第1スタッカ装置U3の説明)
前記パージトレイTRhpの下方には、第1スタッカ装置U3が配置されている。実施例1の第1スタッカ装置U3には、前記検査路SH6の媒体排出路2に接続される第1排出路SH11が形成されている。前記第1排出路SH11の下流側には、媒体排出部材の一例としての第1排出ロールRhが配置されており、下方に配置された積載容器の一例としての第1スタッカ容器TRh1に記録紙Sが排出、積載される。前記第1スタッカ容器TRh1内には、上面に記録紙Sが積載される積載部材の一例としての第1底板TRh1aが配置されており、第1底板TRh1aは、記録紙Sの積載量に応じて自動的に昇降するように構成されている。
【0034】
前記第1排出路SH11の上流端部から右側には、媒体排出装置を追加して接続する場合に、記録紙Sを搬送するための第1再中継路SH12が延びており、第1再中継路SH12には複数の搬送ロールRaが配置されている。前記第1排出路SH11と第1再中継路SH12との分岐部には、搬送路SH11,SH12を切り替えるための第1排出切替部材の一例としての第1排出ゲートGTh1が配置されている。
【0035】
(実施例1の制御部の説明)
次に、実施例1の画像形成システムSYSにおける各機能手段の説明を行うが、実施例1では各端末COM1,COM4〜COM6からは、印刷実行の入力に応じて、ドライバを介して画像情報が送信されるだけであり、従来公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
(プリンタUの制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成システムにおける画像形成装置の制御部の要部説明図である。
図4において、実施例1のプリンタUの制御部は、いわゆる、マイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/Oである入出力機器、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶された記憶装置ROM,HDDや、必要なデータを一時的に記憶するための一次記憶装置RAM、前記記憶装置ROM,HDD,RAM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置CPU、ならびに回路の同期を取るための周期的信号、いわゆるクロックを発振する図示しない発振器等を有する。
図4において、前記構成のプリンタUは、前記記憶装置の一例であるリードオンリーメモリーROMやハードディスクHDDや一次記憶装置の一例であるランダムアクセスメモリーRAM等に記憶された画像形成プログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0037】
(前記本体側制御部Cに接続された信号入力要素)
前記本体側制御部Cには、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
【0038】
(本体側制御部Cに接続された被制御要素)
本体側制御部Cは、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D1:主駆動源制御回路
主駆動源制御回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、像保持体Py〜Pk、2次転写部材T2b、定着装置Fおよび中間転写ベルトB等を回転駆動する。
E:電源回路
電源回路Eは、現像器Gy〜Gkに現像電圧を印加する現像用電源回路E1と、帯電器CRに帯電電圧を印加する帯電用電源回路E2と、一次転写部材T1および二次転写部材T2bに転写電圧を印加する転写用電源回路E3および定着装置Fに加熱用の電源を供給する定着用電源回路E4を有している。
D:潜像形成装置駆動回路
潜像形成装置駆動回路Dは、潜像形成装置ROSy〜ROSkを制御して、潜像を形成する。
【0039】
(前記本体側制御部Cの機能)
前記本体側制御部Cは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、画像形成プログラムを構成するプログラムモジュールを有している。前記本体側制御部Cの各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C1a:主駆動源回転制御手段
主駆動源回転制御手段C1aは、前記主駆動源制御回路D1を介してメインモータM1の動作を制御して、像保持体Py〜Pk等の回転を制御する。
C1b:電源回路制御手段
電源回路制御手段C1bは、前記電源回路Eを制御して、前記現像電圧、帯電電圧、転写電圧、定着温度を制御する。
【0040】
(前記主制御部C2に接続された信号入力要素)
前記主制御部C2には、操作部UIや、撮像領域通過検知センサSN1、ラインカメラ4等からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、画像が表示される表示部U2aや、各種入力を行うための入力釦U2b等を備えている。なお、前記表示部U2aとしては、例えば、液晶ディスプレイを使用可能であり、入力釦U2bとしては、いわゆるテンキーやコピースタートキー等を挙げることができる。
撮像領域通過検知部材の一例としての撮像領域通過検知センサSN1は、撮像領域Q6における記録紙Sの通過を検知する。
前記ラインカメラ4は、前記撮像領域Q6において検査路SH6を搬送される記録紙Sに記録された画像を撮像する。
【0041】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
主制御部C2は、本体側制御部Cや第1スタッカ装置U3の第1収容制御部C3、媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4等の制御信号等を出力している。
また、主制御部C2は、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D2:搬送駆動源制御回路
搬送駆動源制御回路D2は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM2を駆動することにより、上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2を回転駆動する。
D3:排出切替駆動源制御回路
排出切替駆動源制御回路D3は、排出切替駆動源M3を駆動することにより、排出切替部材G3を切り替える。
【0042】
(主制御部C2の機能)
前記主制御部C2は、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記主制御部C2の各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C2a:画像情報受信手段
画像情報受信手段C2aは、各端末COM1、COM4〜COM6から送信された元画像の一例としての元画像情報6を受信し、記憶する。
C2b:画像情報展開手段
画像情報展開手段C2bは、受信した元画像情報6に基づいて、印刷用の情報である印刷画像情報に変換、展開する。
【0043】
C2c:撮像画像情報取得手段
撮像画像情報取得手段C2cは、前記ラインカメラ4により撮像された画像の一例としての撮像画像情報7を取得し、記憶する。
【0044】
C2d:減速開始時期判別手段
減速開始時期判別手段C2dは、減速開始時間計時手段C2d1を有し、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を、記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて低速な搬送速度にする減速開始時期P1であるか否かを判別する。
C2d1:減速開始時間計時手段
減速開始時間計時手段C2d1は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1を計時する。
すなわち、前記減速開始時期判別手段C2dは、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過すると、減速開始時期P1であると判別する。
なお、実施例1では、減速開始時間t1を計時することにより、減速開始時期P1を判別したが、記録紙Sの前端または後端の通過を検知する検知部材を画像検査路1に設けて、前記検知部材に前記記録紙Sの通過が検知された際に、減速開始時期P1と判別する構成にすることも可能である。
【0045】
C2e:画像欠陥判別手段
画像欠陥判別手段C2eは、欠陥判別終了判別手段C2e1と、終了信号出力手段C2e2と、を有し、前記元画像情報6と、前記撮像画像情報7と、に基づいて、前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例1の前記画像欠陥判別手段C2eは、前記元画像情報6と、前記撮像画像情報7と、に基づいて、搬送途中での接触や転写不良などにより記録紙Sに記録された画像が欠けてないか、記録紙Sに記録された画像が記録紙Sに対して傾いていないか等を判別する。
なお、前記画像欠陥判別手段C2eにより画像に欠陥があるか否かの判別に費やされる処理時間は、元画像情報6や撮像画像情報7の情報量の大きさなどに応じて異なる。
C2e1:欠陥判別終了判別手段
欠陥判別終了判別手段C2e1は、前記画像欠陥判別手段C2eによる前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了したか否かを判別する。
C2e2:終了信号出力手段
終了信号出力手段C2e2は、前記欠陥判別終了判別手段C2e1により、前記欠陥判別終了判別手段C2e1による判別が終了したと判別された場合に、判別終了信号を出力する。
【0046】
C2f:排出切替部材制御手段
排出切替部材制御手段C2fは、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記分岐路3に切り替える。
実施例1の排出切替部材制御手段C2fは、前記画像欠陥判別手段C2eにより記録紙Sの画像に欠陥がないと判別された場合に、前記排出切替駆動源制御回路D3を介して排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2に切り替える。
また、実施例1の排出切替部材制御手段C2fは、画像欠陥判別手段C2eにより記録紙Sの画像に欠陥があると判別された場合に、前記排出切替駆動源制御回路D3を介して排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3に切り替える。
【0047】
C2g:搬送速度制御手段
搬送速度制御手段C2gは、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2による前記記録紙Sの搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度の一例としての通常搬送速度V1に比べ、低速な搬送速度の一例としての低速搬送速度V2で、前記記録紙Sを搬送させる。
【0048】
実施例1の搬送速度制御手段C2gは、画像形成動作が開始されると、前記搬送駆動源制御回路D2を介して、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1で回転駆動させる。そして、実施例1の前記搬送速度制御手段C2gは、前記画像欠陥判別手段C2eによる処理が終わる前に、前記減速開始時期判別手段C2dにより減速開始時期P1であると判別されると、前記搬送駆動源制御回路D2を介して、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を低速搬送速度V2で回転駆動させる。そして、実施例1の搬送速度制御手段C2gは、前記画像欠陥判別処理が終了すると、前記上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1で回転駆動させる。
【0049】
図5は実施例1における減速開始時間、通常搬送速度、低速搬送速度などの説明図であり、図5Aは上流側搬送ロール及び下流側搬送ロールの搬送速度の時間変化の説明図、図5Bは検査路に沿った経路長との関係についての説明図、図5Cは記録紙の媒体間隔の関係についての説明図である。
ここで、実施例1の前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、最大の記録紙Sに対して、前記画像欠陥判別手段C2eにより画像に欠陥があるか否かの判別に費やされる最長処理時間t2が経過しても、前記記録紙Sの前端が前記排出分岐部Bi4に到達しないように設定されている。
【0050】
すなわち、図5Aに示すように、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2は、通常搬送速度V1から低速搬送速度V2に移行する際に、減速開始時期P1よりも遅れて低速搬送速度V2になる。この遅れる時間は、前記搬送モータM2などの特性に応じて予め定まり、V1からV2に減速する時間またはV2からV1に加速する時間は、時間t(V1,V2)として定まる。前記時間t(V1,V2)を用いて、前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、最長処理時間t2、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLp、撮像領域Q6から前記排出分岐部Bi4までの前記検査路SH6に沿った経路長Lqに対して、図5Bに示すように、以下の式(1)を満たすように設定されている。
V1×t1+((V1+V2)/2)×T(V1,V2)+Lp+V2×(t2−t1−t(V1,V2))<Lq・・・(1)
なお、時間(t2−t1−t(V1,V2))は低速搬送速度V2で搬送される最長の場合の時間になる。
【0051】
また、連続して記録紙Sが検査路SH6に搬送される際は、先行する記録紙Sが低速搬送速度V2に減速されても、後続の記録紙Sが衝突しないように設定されている。すなわち、前記減速開始時間t1、通常搬送速度V1及び低速搬送速度V2は、連続する記録紙Sの搬送方向に沿った減速前の媒体間隔Lrに対して、以下の式(2)を満たすように設定されている。
V1×(t2−t1)+V1×t(V1,V2)−((V1+V2)/2)×t(V1,V2)−V2×(t2−t1−t(V1,V2))−((V1+V2)/2)×t(V1,V2)<Lr・・・(2)
なお、式(2)は図5Aの斜線部の面積Diが媒体間隔Lrよりも小さければ良いことを示す。
【0052】
(前記第1収容制御部C3に接続された信号入力要素)
前記第1スタッカ装置U3の第1収容制御部C3には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(収容制御部C3に接続された被制御要素)
収容制御部C3は、排出ロールRhや搬送ロールRaを駆動する制御信号等を出力している。
【0053】
(前記媒体反転制御部C4に接続された信号入力要素)
前記媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
(媒体反転制御部C4に接続された被制御要素)
媒体反転制御部C4は、搬送ロールRaや、反転ロールRb、反転切替部材G2、を駆動する制御信号等を出力している。
【0054】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(画像欠陥判別処理のフローチャートの説明)
図6は実施例1の画像形成装置での画像欠陥判別処理のフローチャートである。
図6のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図6に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0055】
図6のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、元画像情報6を取得して、ST3に進む。
ST3において、撮像画像情報7を取得して、ST4に進む。
ST4において、元画像情報6と、撮像画像情報7と、に基づいて、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別を開始して、ST5に進む。
【0056】
ST5において、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST5を繰り返す。
ST6において、判別終了信号を出力して、ST7に進む。
ST7において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST2に進む。
【0057】
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図7は実施例1の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図7に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0058】
図7のST11において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST11を繰り返す。
ST12において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST13に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
ST13において、撮像領域通過検知センサSN1により、記録紙Sの搬送方向後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST13を繰り返す。
【0059】
ST14において、減速開始時間計時手段C2d1に減速開始時間t1をセットして、ST15に進む。
ST15において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST16に進む。
ST16において、減速開始時間t1がタイムアップしたか否か、すなわち、減速開始時期P1か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に進み、ノー(N)の場合はST15に進む。
ST17において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST18に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を低速搬送速度V2にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を低速搬送速度V2にする。
【0060】
ST18において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST18を繰り返す。
ST19において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。
イエス(Y)の場合はST20に進み、ノー(N)の場合はST21に進む。
ST20において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2に切り替え、ST22に進む。
【0061】
ST21において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3に切り替え、ST22に進む。
ST22において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST23に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
ST23において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に戻り、ノー(N)の場合はST12に進む。
【0062】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUにおいて、各端末COM1,COM4,COM5,COM6から元画像情報6がプリンタUに送信されると、画像形成動作が開始される。画像形成動作が開始されると、給紙トレイTR1〜TR4から記録紙Sが供給される。供給された記録紙Sには、二次転写領域Q4において、元画像情報6に基づいた可視像が転写され、可視像が転写された記録紙Sは、定着領域Q5に搬送される。定着領域Q5において前記可視像が加熱定着され、前記記録紙Sに画像が記録される。そして、前記記録紙Sは中継路SH2などを搬送されて、検査路SH6に搬送される。
【0063】
前記検査路SH6に搬送された記録紙Sは、通常搬送速度V1で搬送され、撮像領域Q6を通過する。前記記録紙Sが撮像領域Q6を通過する際、ラインカメラ4により、記録紙Sに記録された画像が撮像され、撮像画像情報7が主制御部C2に送信される。そして、画像欠陥判別処理のST2〜ST4により、前記元画像情報6と、撮像画像情報7と、に基づいて、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が開始される。
【0064】
前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了すると、排出分岐部Bi4に設けられた排出切替部材G3による前記記録紙Sの搬送先が切り替えられる。すなわち、撮像領域Q6を通過した記録紙Sは、前記記録紙Sの画像に欠陥がないと判別された場合、媒体排出路2に搬送されて第1スタッカ装置U3に排出される。また、前記記録紙Sは、前記記録紙Sの画像に欠陥がある場合、分岐路3に搬送され、パージトレイTRhpに排出される。
【0065】
このとき、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了する前に、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過した場合、媒体搬送処理のST17により、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2の搬送速度は、通常搬送速度V1から低速搬送速度V2まで減速される。また、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1が経過する前に、記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別が終了した場合、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2の搬送速度は減速されずに、通常搬送速度V1のまま搬送される。
【0066】
ここで、画像の判別の処理時間に関わらず、一定の搬送速度で記録紙Sを搬送する構成では、記録紙Sが大きい場合など画像判別の処理に時間がかかる場合、排出切替部材G3が制御される前に、記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達し、欠陥のある画像が記録された記録紙Sを分別できない場合があった。また、一定の搬送速度で記録紙Sを搬送しつつ、処理時間が最長になる場合でも記録紙Sの前端が排出分岐部Bi4に到達しないようにする構成では、すべての記録紙Sを、最長処理時間t2に対応した経路長の搬送路に搬送させる必要があり、最長処理時間t2に対応した経路長を確保するため装置全体が大型化したり、必要以上に時間がかかる場合があった。
しかし、実施例1のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて前記記録紙Sの搬送速度を制御し、前記記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する前に、排出切替部材G3を制御して搬送先を切り替え、記録紙Sが搬送されるべき搬送先に搬送されている。すなわち、実施例1のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて搬送処理の時間が変わっており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、単位時間当たりの画像が記録された記録紙Sの出力枚数、いわゆる生産性の低下を抑制している。
【0067】
また、実施例1では、連続して記録紙Sが搬送される際に、先行する記録紙Sのみが減速されても、先行する記録紙Sと後続の記録紙Sとの差は、減速前の媒体間隔Lr以上は縮まらない。したがって、後続の記録紙Sに対する画像の判別処理に時間がかからない場合は、後続の記録紙Sの搬送処理を遅らせる必要がなく、排出されるまでの時間が長時間化しない。すなわち、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、生産性の低下を抑制している。
【実施例2】
【0068】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0069】
(画像検査部U2cの説明)
図8は実施例2の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例2の検査路SH6は、実施例1の画像検査路1に替えて、画像検査路1′を有している。
前記画像検査路1′は、上流側搬送ロールRa1と下流側搬送ロールRa2の間に、上下一対の搬送壁8を有している。前記搬送壁8の上側搬送壁8aは、前方から見て上方に凸状に湾曲している。前記上側搬送壁8aと搬送壁8の下側搬送壁8bとの間には、媒体湾曲空間9が形成されている。
【0070】
(前記主制御部C2の機能)
図9は実施例2の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例2の主制御部C2は、実施例1の搬送速度制御手段C2gに替えて、搬送速度制御手段C2g′を有する。
【0071】
C2g′:搬送速度制御手段
搬送速度制御手段C2g′は、前記下流側搬送ロールRa2による前記記録紙Sの搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、通常搬送速度V1にくらべ、低速な搬送速度の一例としての0で、前記記録紙Sを搬送させる。
実施例2の搬送速度制御手段C2g′は、画像判別の処理が終了する前に、減速開始時間t1が経過した場合、実施例1の搬送速度制御手段C2gが、上流側搬送ロールRa1及び下流側搬送ロールRa2を通常搬送速度V1から低速搬送速度V2に減速させていたのに替えて、下流側搬送ロールRa2のみを0、すなわち、停止させる。
【0072】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図10は実施例2の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例2のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10のフローチャートにおいて、実施例2の媒体搬送制御処理では、実施例1のフローチャートのST17に替えて、ST17′が実行される。
図10のST17′において、下流側搬送ロールRa2の搬送速度を0にして、ST18に進む。
【0073】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、画像判別の処理が終了する前に、減速開始時間t1が経過した場合、媒体搬送制御処理のST17′により、上流側搬送ロールRa1を通常搬送速度V1で回転させたまま、下流側搬送ロールRa2のみを停止させる。したがって、記録紙Sの搬送方向後端側は通常搬送速度V1で搬送される一方で、記録紙Sの搬送方向前端側は停止される。すなわち、上側搬送壁8aと下側搬送壁8bの間に搬送された記録紙Sは、記録紙Sの搬送方向後端側から挿入されるようにして、媒体湾曲空間9に湾曲した状態で収容されていく。
そして、画像判別の処理が終了すると、画像判別の結果に基づいて排出切替部材G3の制御が行われ、下流側搬送ロールRa2による記録紙Sの搬送が再開される。これにより、画像判別の処理が行われている間、停止していた記録紙Sの搬送方向前端側が、通常搬送速度V1で搬送され、排出分岐部Bi4を通過する。
【0074】
すなわち、実施例2のプリンタUでは、画像の判別処理の時間に応じて、記録紙Sの搬送方向前端を排出分岐部Bi4の搬送方向手前で停止させて、前記記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する時期を調節しており、実施例1と同様に、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例3】
【0075】
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1〜2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例2と相違しているが、他の点では前記実施例2と同様に構成される。
【0076】
(画像検査部U2cの説明)
図11は実施例3の画像検査部の要部拡大図であり、実施例2の図8に対応する図である。
実施例3の検査路SH6は、実施例2の画像検査路1′に替えて、画像検査路1″を有している。前記画像検査路1″において、撮像領域Q6から排出分岐部Bi4までの経路長Lq′は、実施例2の経路長Lqに比べ短く構成されている。
【0077】
(前記主制御部C2の機能)
図12は実施例3の制御部の説明図であり、実施例2の図9に対応する図である。
実施例3の主制御部C2は、実施例2の減速開始時期判別手段C2dに替えて、減速開始時期判別手段C2d′を有する。
C2d′:減速開始時期判別手段
減速開始時期判別手段C2d′は、実施例2の減速開始時間計時手段C2d1に替えて、減速開始時間計時手段C2d1′を有し、下流側搬送ロールRa2を、記録紙Sの搬送方向前端が前記撮像領域Q6を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて低速な搬送速度にする減速開始時期P1′であるか否かを判別する。
C2d1′:減速開始時間計時手段
減速開始時間計時手段C2d1′は、実施例2の減速開始時間計時手段C2d1が、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1を計時していたのに替えて、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの前端の通過が検知されると、予め設定された時間である減速開始時間t1′を計時する。
すなわち、実施例3の減速開始時期判別手段C2d′は、記録紙Sの前端が前記撮像領域Q6を通過してから減速開始時間t1′が経過すると、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過しているか否かに関わらず、減速開始時期P1′であると判別する。
【0078】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図13は実施例3の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例2の図10に対応する図である。
実施例3のフローチャートの説明を行うが、実施例2と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13のフローチャートにおいて、実施例3の媒体搬送制御処理では、実施例2のフローチャートのST13に替えて、ST13′が実行される。
図13のST13′において、記録紙Sの搬送方向前端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST13′を繰り返す。
【0079】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの搬送方向前端の通過が検知され、減速開始時間t1′が経過すると、記録紙Sの搬送方向後端が撮像領域Q6を通過中でも、下流側搬送ロールRa2が停止される。
したがって、記録紙Sの搬送方向前端が停止する際に、ラインカメラ4が前記記録紙Sに記録された画像を撮像している場合がある。しかし、撮像領域Q6における記録紙Sは、上流側搬送ロールRa1により通常搬送速度V1で搬送され続け、且つ媒体湾曲空間9に搬送された下流側の部分で湾曲し、上流側搬送ロールRa1より搬送方向上流側の撮像領域Q6における部分は平坦な状態が保たれ、ラインカメラ4による撮像画像情報7への影響が低減されている。すなわち、撮像領域Q6と上流側搬送ロールRa1との距離が短くても上流側搬送ロールRa1と下流側搬送ロールRa2との間で記録紙Sを湾曲させており、撮像領域Q6での撮像の悪影響が低減されている。
これにより、実施例3のプリンタUでは、画像検査路1″の経路長Lq′が実施例2の経路長Lqに比べ短い構成でも、実施例2と同様に画像の判別処理がされて、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例4】
【0080】
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0081】
(画像検査部U2cの説明)
図14は実施例4の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例4の検査路SH6は、実施例1の画像検査路1に替えて、画像検査路11を有している。前記画像検査路11には、前記画像検査路11に沿って前記撮像領域Q6の下流側且つ前記排出分岐部Bi4の上流側に、待機分岐部Bi5及び待機合流部Bi6が設けられている。実施例4の待機分岐部Bi5は、待機合流部Bi6に比べ、画像検査路11の搬送方向下流側に設けられている。前記待機分岐部Bi5及び待機合流部Bi6は、前記待機分岐部Bi5から前記待機合流部Bi6までの画像検査路11に沿った経路長よりも長い経路長を有する環状の待機路12により連結されている。
【0082】
前記待機分岐部Bi5には、前記画像検査路11の排出分岐部Bi4側または前記待機路12のいずれかに切り替える待機切替部材G4が設けられている。画像検査路11を搬送される記録紙Sは、待機切替部材G4により待機路12に案内される場合、待機路12から画像検査路11に搬送されて、また待機分岐部Bi5に向かう。
【0083】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
図15は実施例4の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例4の主制御部C2は、実施例1の主制御部C2の被制御要素に加えて、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D4:待機切替駆動源制御回路
待機切替駆動源制御回路D4は、待機切替駆動源M4を駆動することにより、待機切替部材G4を切り替える。
【0084】
(主制御部C2の機能)
実施例4の主制御部C2は、実施例1の減速時期判別手段C2dと、搬送速度制御手段C2gと、が省略されている。また、実施例4の主制御部C2は、媒体大小判別手段C2hと、待機切替部材制御手段C2iと、分岐部通過判別手段C2jと、が追加されている。
C2h:媒体大小判別手段
媒体大小判別手段C2hは、予め設定された記録紙Sの大きさを記憶する基準サイズ記憶手段C2h1を有し、前記検査路SH6を搬送される記録紙Sの大きさが、予め設定された大きさに比べ大きいか否か判別する。
【0085】
C2h1:基準サイズ記憶手段
基準規格記憶手段の一例としての基準サイズ記憶手段C2h1は、予め設定された記録紙Sの大きさの一例としての基準サイズS0を記憶する。実施例4の基準サイズ記憶手段C2h1は、検査路SH6を搬送される記録紙Sであって、搬送方向前端が排出分岐部Bi4に到達する前に画像に欠陥があるか否かの処理が必ず終了する最大の記録紙Sの大きさを基準サイズS0として予め記憶している。すなわち、各サイズごとの記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、各サイズごとの最長処理時間t2が(Lq−Lp)/V1より小さい記録紙Sの中で、最大の大きさの記録紙Sが基準サイズS0として記憶されている。
【0086】
C2i:待機切替部材制御手段
待機切替部材制御手段C2iは、前記基準サイズS0より大きい場合に、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記待機路12に切り替える。
実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記媒体大小判別手段C2hにより記録紙Sが大きいと判別された場合に、前記待機切替駆動源制御回路D4を介して待機切替部材G4を制御し、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を前記待機路12に切り替える。そして、実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記記録紙Sが待機路12に搬送されると、前記待機切替駆動源制御回路D4を介して待機切替部材G4を制御し、前記検査路SH6を搬送される前記記録紙Sの搬送先を排出分岐部Bi4側に切り替える。すなわち、実施例4の待機切替部材制御手段C2iは、前記記録紙Sの大きさが基準記録サイズS0より大きい場合に、記録紙Sが待機路12を一周してから搬送されるように切り替える。
【0087】
図16は実施例4の検査路の経路長と、待機路の経路長と、の説明図であり、図16Aは検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図、図16Bは最長処理時間と、最大の記録紙の長さと、検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図である。
図16において、実施例4の経路長Lqは、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から待機合流部Bi6までの経路長Lq1と、画像検査路11に沿った待機合流部Bi6から待機分岐部Bi5までの経路長Lq2と、画像検査路11に沿った待機分岐部Bi5から排出分岐部Bi4までの経路長Lq3と、により構成されている。
【0088】
ここで、最長処理時間t2、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq1+Lq2+Ls+Lq2+Lq3>Lp+V1×t2を満たすように経路長Lq1〜Lq3、待機路12の経路長Lsは、設定されている。すなわち、待機路12を搬送された最大の記録紙Sは、記録された画像の判別の結果に基づいて排出切替部材G3が切り替えられた後に、排出分岐部Bi4に到達する。
なお、実施例4の待機路12において、Lq2+Ls>Lpも満たすように設定されている。
C2j:分岐部通過判別手段
分岐部通過判別手段C2jは、待機分岐部通過時間計時手段C2j1を有し、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したか否かを判別する。
C2j1:待機分岐部通過時間計時手段
待機分岐部通過時間計時手段C2j1は、通常搬送速度V1で搬送される記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから、画像検査路11に沿って待機分岐部Bi5を通過するまでの予め設定された待機分岐部通過時間t3を計時する。
すなわち、前記分岐部通過判別手段C2jは、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから待機分岐部通過時間t3が経過すると、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したと判別する。
【0089】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図17は実施例4の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例4のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17のフローチャートにおいて、実施例4の媒体搬送制御処理では、実施例1のフローチャートのST13〜ST17,ST23に替えて、ST33〜ST38,ST39が実行される。また、実施例4の媒体搬送制御処理では、実施例1のST22が省略されている。
【0090】
図17のST33において、記録紙Sの大きさが基準サイズS0に比べ大きいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に進み、ノー(N)の場合はST38に進む。
ST34において、待機切替部材G4を切り替えて記録紙Sの搬送先を待機路12にし、ST35に進む。
ST35において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST36に進み、ノー(N)の場合はST35を繰り返す。
ST36において、待機分岐部通過時間計時手段C2j1に待機分岐部通過時間t3をセットし、ST37に進む。
【0091】
ST37において、待機分岐部通過時間t3がタイムアップしたか否か、すなわち、記録紙Sが待機分岐部Bi5を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に進み、ノー(N)の場合はST37を繰り返す。
ST38において、待機切替部材G4を切り替えて記録紙Sの搬送先を排出分岐部Bi4側にし、ST18に進む。
ST39において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に戻り、ノー(N)の場合はST33に進む。
【0092】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のプリンタUにおいて、検査路SH6に搬送された記録紙Sは、撮像領域Q6において画像が撮像され、画像に欠陥があるか否かの判別処理が行われる。
このとき、基準サイズS0以下の記録紙Sは、画像検査路11に沿って直接排出分岐部Bi4に通常搬送速度V1で搬送され、画像の判別処理の終了後に排出分岐部Bi4に到達する。
一方、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sが、基準サイズS0以下の記録紙Sと同様に、画像検査路11に沿って直接排出分岐部Bi4に通常搬送速度V1で搬送されると、画像の判別処理の終了前に、排出分岐部Bi4に到達する場合がある。しかし、実施例4では、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sは、待機路12に一度搬送されて、判別処理が終了してから、排出分岐部Bi4に到達する。
【0093】
したがって、記録紙Sを大きさにより異なる経路で搬送させ、画像の判別処理の時間を確保し、排出切替部材G3を制御しており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
なお、待機路12に搬送される記録紙Sは基準サイズS0より大きく、基準サイズS0以下の記録紙Sも待機路12に搬送される場合に比べて、紙詰まり、いわゆるジャムの発生は少ない。
【実施例5】
【0094】
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例4と相違しているが、他の点では前記実施例4と同様に構成される。
【0095】
(主制御部C2の機能)
図18は実施例5の制御部の説明図であり、実施例4の図15に対応する図である。
実施例5の主制御部C2には、実施例4の主制御部C2に、待機切替時期判別手段C2kが追加されている。
C2k:待機切替時期判別手段
待機切替時期判別手段C2kは、待機切替時間計時手段C2k1を有し、待機切替部材を切り替える時期である待機切替時期P2であるか否かを判別する。
C2k1:待機切替時間計時手段
待機切替時間計時手段C2k1は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である待機切替時間t4を計時する。
これにより、前記待機切替時期判別手段C2kは、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから待機切替時間t4が経過すると、待機切替時期P2であると判別する。
なお、実施例5では、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から待機分岐部Bi5までの経路長Lq1+Lq2は、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq1+Lq2>Lpを満たすように設定されている。また、実施例5の待機切替時間t4は、Lq1+Lq2>Lp+V1×t4を満たすように設定されている。
【0096】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図19は実施例5の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例4の図17に対応する図である。
次に、実施例5のフローチャートの説明を行うが、実施例4と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図19のフローチャートにおいて、実施例4の媒体搬送制御処理のST34〜ST36に替えて、ST44〜ST48が実行される。
【0097】
図19のST44において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST45に進み、ノー(N)の場合はST44を繰り返す。
ST45において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST46に進む。
(1)待機分岐部通過時間計時手段C2j1に待機分岐部通過時間t3をセットする。
(2)待機切替時間計時手段C2k1に待機切替時間t4をセットする。
ST46において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に進み、ノー(N)の場合はST47に進む。
【0098】
ST47において、待機切替時間t4がタイムアップしたか否か、すなわち、待機切替時期P2か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST48に進み、ノー(N)の場合はST46に進む。
ST48において、待機切替部材G4による記録紙Sの搬送先を待機路12に切り替え、ST37に進む。
【0099】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5のプリンタUにおいて、待機切替部材G4は、記録紙Sの大きさと画像の処理時間に応じて制御される。すなわち、実施例4では、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sは、待機路12を搬送された後に、排出分岐部Bi4に搬送されていた。しかし、実施例5では、待機切替時間t4が経過する前に画像の判別処理が終了した場合、基準サイズS0よりも大きい記録紙Sであっても、直接排出分岐部Bi4に搬送される。したがって、実施例5では、記録紙Sの選別精度を向上させつつ、実施例4に比べてさらに、生産性の低下を抑制している。
【実施例6】
【0100】
次に本発明の実施例6の説明をするが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0101】
(画像検査部U2cの説明)
図20は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例6の検査路SH6では、媒体排出路2′の排出分岐部Bi4の下流側に、連結分岐部Bi7が設けられている。また、実施例6の分岐路3′の排出分岐部Bi4の下流側には、連結合流部Bi8が設けられている。前記連結分岐部Bi7と連結合流部Bi8との間は、連結路13で連結されている。
前記媒体排出路22の媒体搬送方向に沿って連結分岐部Bi7の下流側には、搬送部材の一例としての排出反転ロールRb1が設けられている。
前記連結合流部Bi8には、可撓性案内部材の一例としてのパージマイラーゲートMG2が設けられている。
【0102】
これにより、検査路SH6に沿って搬送された記録紙Sが、連結分岐部Bi7を通過する際は、前記パージマイラーゲートMG2が弾性変形して、下流側に搬送される。また、記録された画像に欠陥のある記録紙Sが、媒体排出路2′に進入した場合、前記記録紙Sの搬送方向後端が連結分岐部Bi7を通過した後、排出反転ロールRb1により逆送、いわゆる、スイッチバックされる。スイッチバックされた前記記録紙Sは、パージマイラーゲートMG2により排出分岐部Bi4への移動が規制され、連結路13に案内される。そして、前記記録紙Sは、連結路13から分岐路3′に搬送され、パージトレイTRhpに排出される。
【0103】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
図21は実施例6の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
D2′:搬送駆動源制御回路
搬送駆動源制御回路D2′は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM2を駆動することにより、上流側搬送ロールRa1、下流側搬送ロールRa2を回転駆動する。また、実施例6の搬送駆動源制御回路D2′は、反転用駆動源の一例としての反転用搬送モータM2′を駆動することにより、排出反転ロールRb1を正回転駆動、逆回転駆動する。
【0104】
(主制御部C2の機能)
実施例6の主制御部C2は、実施例1の搬送速度制御手段C2gに替えて、搬送部材制御手段C2g″を有する。また、実施例6の主制御部C2は、実施例1の減速時期判別手段C2dが省略されている。さらに、実施例6の主制御部C2は、分岐部通過判別手段C2j′と、排出切替制限時期判別手段C2k′と、が追加されている。
【0105】
C2g″:搬送部材制御手段
搬送部材制御手段C2g″は、記録紙Sの搬送方向前端が排出分岐部Bi4を検査路SH6の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段C2eにより前記記録紙Sに記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記記録紙Sの搬送方向後端が前記連結分岐部Bi7を通過した後に、排出反転ロールRb1を制御し前記記録紙Sを逆送させて連結路13に搬送する。
実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、搬送駆動源制御回路D2′を介して排出反転ロールRb1を制御する。すなわち、実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、排出反転ロールRb1を正回転させて、記録紙Sを通常搬送速度V1で搬送させる。また、実施例6の搬送部材制御手段C2g″は、搬送方向前端が排出分岐部Bi4を通過した記録紙Sの画像に欠陥があると判別された場合、排出反転ロールRb1を逆回転させて、前記記録紙Sをスイッチバックさせる。
【0106】
C2j′:分岐部通過判別手段
分岐部通過判別手段C2j′は、連結分岐部通過時間計時手段C2j1′を有し、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したか否かを判別する。
C2j1′:連結分岐部通過時間計時手段
連結分岐部通過時間計時手段C2j1′は、通常搬送速度V1で搬送される記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから、検査路SH6に沿って連結分岐部Bi7を通過するまでの予め設定された連結分岐部通過時間t3′を計時する。
すなわち、前記分岐部通過判別手段C2j′は、記録紙Sの後端が撮像領域Q6を通過してから連結分岐部通過時間t3′が経過すると、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したと判別する。
【0107】
C2k′:排出切替制限時期判別手段
排出切替制限時期判別手段C2k′は、排出切替制限時間計時手段C2k1′を有し、排出切替部材G3の切り替えを制限する時期である排出切替制限時期P3であるか否かを判別する。
C2k1′:排出切替制限時間計時手段
排出切替制限時間計時手段C2k1′は、前記撮像領域通過検知センサSN1により記録紙Sの後端の通過が検知されると、予め設定された時間である排出切替制限時間t4′を計時する。
これにより、前記排出切替制限時期判別手段C2k′は、記録紙Sの後端が前記撮像領域Q6を通過してから排出切替制限時間t4′が経過すると、排出切替制限時期P3が経過したと判別する。
なお、実施例6では、画像検査路11に沿った撮像領域Q6から排出分岐部Bi4までの経路長Lqは、最大の記録紙Sの搬送方向の長さLpに対して、Lq>Lpを満たすように設定されている。また、実施例6の排出切替制限時間t4′は、Lq>Lp+V1×t4′を満たすように設定されている。
【0108】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図22は実施例6の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例6のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図22のフローチャートにおいて、実施例5の媒体搬送制御処理では、ST51〜ST65が実行される。
【0109】
図22のST51において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST52に進み、ノー(N)の場合はST51を繰り返す。
ST52において、次の(1)〜(4)の処理を実行し、ST53に進む。
(1)上流側搬送ロールRa1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(2)下流側搬送ロールRa2の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(3)排出反転ロールRb1の搬送速度を通常搬送速度V1にする。
(4)排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を媒体排出路2′に切り替える。
【0110】
ST53において、記録紙Sの後端の通過が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST54に進み、ノー(N)の場合はST53を繰り返す。
ST54において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST55に進む。
(1)連結分岐部通過時間計時手段C2j1′に連結分岐部通過時間t3′をセットする。
(2)排出切替制限時間計時手段C2k1′に排出切替制限時間t4′をセットする。
ST55において、対象記録紙Sの判別終了信号の出力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST56に進み、ノー(N)の場合はST55を繰り返す。
【0111】
ST56において、排出切替制限時間t4′がタイムアップしたか否か、すなわち、排出切替制限時期P3が経過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST57に進み、ノー(N)の場合はST61に進む。
ST57において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST58に進み、ノー(N)の場合はST60に進む。
ST58において、連結分岐部通過時間t3′がタイムアップしたか否か、すなわち、記録紙Sが連結分岐部Bi7を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST59に進み、ノー(N)の場合はST58を繰り返す。
【0112】
ST59において、排出反転ロールRb1を逆回転させて、ST60に進む。
ST60において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST51に戻り、ノー(N)の場合はST52に進む。
ST61において、対象記録紙Sに記録された画像に欠陥があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST62に進み、ノー(N)の場合はST60に進む。
ST62において、排出切替部材G3による記録紙Sの搬送先を分岐路3′に切り替え、ST60に進む。
【0113】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6のプリンタUにおいて、検査路SH6に搬送された記録紙Sは、撮像領域Q6において画像が撮像され、画像に欠陥があるか否かの判別処理が行われる。
このとき、画像の判別処理が、排出分岐部Bi4を通過する前、すなわち、排出切替制限時期P3が経過する前に終了した場合、媒体搬送制御処理のST55〜ST56,ST61〜ST62により、画像に欠陥のある記録紙Sは、排出切替部材G3により搬送先を切り替えられて、分岐路3′に搬送される。また、画像の判別処理が、排出切替制限時期P3が経過した後に終了した場合、媒体搬送制御処理のST55〜ST59により、画像に欠陥のある記録紙Sは、排出反転ロールRb1によりスイッチバックされて、連結路13から分岐路3′に搬送される。
したがって、実施例6では、画像の判別処理の時間を確保するために、記録紙Sの排出分岐部Bi4への到達時期をずらしたりせずに、通常搬送速度V1のまま記録紙Sを搬送させており、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
【実施例7】
【0114】
次に本発明の実施例7の説明をするが、この実施例7の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0115】
(画像検査部U2cの説明)
図23は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
実施例7の検査路SH6は、画像検査路1に替えて、画像検査路21を有している。前記画像検査路21には、撮像領域Q6′が設けられている。前記撮像領域Q6′は、第1撮像領域Q6a′と、前記第1撮像領域Q6a′よりも下流側に設けられた第2撮像領域Q6b′と、を有する。前記第2撮像領域Q6b′には、撮像領域通過検知センサSN1が設けられている。
なお、実施例7において、第2撮像領域Q6b′から排出分岐部Bi4までの画像検査路21に沿った経路長Lq″は、実施例1の前記経路長Lqと同一の長さに設定されている。
【0116】
前記画像検査路21の上方には、前記第1撮像領域Q6a′において、記録紙Sの第1面Saに記録された画像を撮像する第1撮像部材の一例としての第1ラインカメラ14が設けられている。また、前記画像検査路21の下方には、前記第2撮像領域Q6b′において、記録紙Sの第2面Sbに記録された画像を撮像する第2撮像部材の一例としての第2ラインカメラ16が設けられている。前記第1撮像部材14と第2撮像部材16とにより、実施例7の撮像部材14+16が構成されている。
したがって、両面に画像が記録された記録紙Sが検査路SH6に搬送されると、第1ラインカメラ14により、記録紙Sの第1面Saの画像が撮像されるとともに、第2ラインカメラ16により、記録紙Sの第2面Sbの画像が撮像される。
【0117】
(前記主制御部C2に接続された信号入力要素)
図24は実施例7の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
前記主制御部C2には、実施例1のラインカメラ4に替えて、第1ラインカメラ14及び第2ラインカメラ16からの出力信号が入力されている。
前記ラインカメラ14は、前記第1撮像領域Q6a′において検査路SH6を搬送される記録紙Sの第1面Saに記録された画像を撮像する。
前記ラインカメラ16は、前記第2撮像領域Q6b′において検査路SH6を搬送される記録紙Sの第2面Sbに記録された画像を撮像する。
【0118】
(主制御部C2に接続された被制御要素)
主制御部C2は、本体側制御部Cや第1スタッカ装置U3の収容制御部C3、媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4等の制御信号等を出力している。
【0119】
(主制御部C2の機能)
前記主制御部C2は、実施例1の撮像画像情報取得手段C2cと、画像欠陥判別手段C2eと、に替えて、第1撮像画像情報取得手段C2c′と、第2撮像画像情報取得手段C2c″と、第1画像欠陥判別手段C2e′と、第2画像欠陥判別手段C2e″と、を有する。
また、1面目予測処理時間演算手段C2m、2面目予測処理時間演算手段C2n、長時間面判別手段C2pが追加されている。
【0120】
C2c′:第1撮像画像情報取得手段
第1撮像画像情報取得手段C2c′は、前記第1ラインカメラ14により撮像された画像の一例としての第1撮像画像情報7′を取得し、記憶する。
C2c″:第2撮像画像情報取得手段
第2撮像画像情報取得手段C2c″は、前記第2ラインカメラ16により撮像された画像の一例としての第2撮像画像情報7″を取得し、記憶する。
【0121】
C2e′:第1画像欠陥判別手段
第1画像欠陥判別手段C2e′は、欠陥判別終了判別手段C2e1′と、終了信号出力手段C2e2′と、を有し、前記元画像情報6と、第1撮像画像情報7′に基づいて記録紙Sの第1面Saの画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例7の第1画像欠陥判別手段C2e′は、撮像画像情報7に替えて、第1撮像画像情報7′に基づいており、元画像情報6に基づく画素情報と、第1撮像画像情報7′に基づく画素情報と、の差分を求め、予め定められた閾値と比べて大きいか否かで、画像に欠陥があるか否かを判別していること以外は、実施例1の画像欠陥判別手段C2eと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
C2e″:第2画像欠陥判別手段
第2画像欠陥判別手段C2e″は、欠陥判別終了判別手段C2e1″と、終了信号出力手段C2e2″と、を有し、前記元画像情報6と、第2撮像画像情報7″に基づいて記録紙Sの第2面Sbの画像に欠陥があるか否かを判別する。実施例7の第2画像欠陥判別手段C2e″は、撮像画像情報7に替えて、第2撮像画像情報7″に基づいており、元画像情報6に基づく画素情報と、第2撮像画像情報7″に基づく画素情報と、の差分を求め、予め定められた閾値と比べて大きいか否かで、画像に欠陥があるか否かを判別していること以外は、実施例1の画像欠陥判別手段C2eと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0122】
C2m:1面目予測処理時間演算手段
1面目予測処理時間演算手段C2mは、前記記録紙Sの1面目の画像について欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される1面目予測処理時間pt1を、前記元画像情報6に基づいて演算する。実施例7の1面目予測処理時間演算手段C2mは、元画像情報6に基づく1面目の画素数に基づいて1面目予測処理時間pt1を演算する。
C2n:2面目予測処理時間演算手段
2面目予測処理時間演算手段C2nは、前記記録紙Sの2面目の画像について欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される2面目予測処理時間pt2を、前記元画像情報6に基づいて演算する。実施例7の2面目予測処理時間演算手段C2nは、元画像情報6に基づく2面目の画素数に基づいて2面目予測処理時間pt2を演算する。
なお、実施例7において、記録紙Sの1面目とは、前記記録紙Sが二次転写領域Q4を最初に通過する際に、上方を向いている記録紙Sの面であり、記録紙の2面目とは、前記記録紙Sが二次転写領域Q4を最初に通過する際に、下方を向いている記録紙Sの面である。
【0123】
C2p:長時間面判別手段
長時間面判別手段C2pは、前記1面目予測処理時間pt1と前記2面目予測処理時間pt2とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する。
実施例7の長時間面判別手段C2pは、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べて大きい場合に、1面目を予測処理時間が長い面であると判別する。また、実施例7の長時間面判別手段C2pは、2面目予測処理時間pt2が1面目予測処理時間pt1以上の場合に、2面目を予測処理時間が長い面であると判別する。
【0124】
(前記媒体反転制御部C4に接続された信号入力要素)
媒体反転ユニットU4の媒体反転制御部C4には、主制御部C2等からの出力信号が入力されている。
また、反転連結部通過検知センサSN2により記録紙Sの通過検知信号が入力される。
【0125】
(媒体反転制御部C4に接続された被制御要素)
媒体反転制御部C4は、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D6:反転搬送駆動源制御回路
反転搬送駆動源制御回路D6は、搬送駆動源の一例としての搬送モータM6を駆動することにより、搬送ロールRaを回転駆動する。また、反転搬送駆動源制御回路D6は、反転搬送駆動源の一例としての反転搬送モータM6′を駆動することにより、反転ロールRbを回転駆動する。
D7:反転切替駆動源制御回路
反転切替駆動源制御回路D7は、反転切替駆動源M7を駆動することにより、反転切替部材G2を切り替える。
【0126】
(媒体反転制御部C4の機能)
媒体反転制御部C4は、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段、いわゆる、プログラムモジュールを有している。前記媒体反転制御部C4の各種機能を実現する機能実現手段を次に説明する。
C4a:媒体反転装置制御手段
媒体反転装置制御手段C4aは、反転切替駆動源制御手段C4a1と、反転搬送駆動源制御手段C4a2とを有し、前記主制御部C2の長時間面判別手段C2pにより予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、媒体反転ユニットU4に、前記記録紙Sを前記検査路SH6に搬送させる。
【0127】
C4a1:反転切替駆動源制御手段
反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記排出切替駆動源制御回路D7を介して反転切替駆動源M7を制御し、反転切替部材G2を切り替える。
実施例7の反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記長時間面判別手段C2pにより、1面目が長時間面であると判別された場合に、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を検査反転路SH2bに切り替える。
また、実施例7の反転切替駆動源制御手段C4a1は、前記長時間面判別手段C2pにより、2面目が長時間面であると判別された場合に、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を接続中継路SH2aに切り替える。
【0128】
C4a2:反転搬送駆動源制御手段
反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記搬送駆動源制御回路D6を介して搬送ロールRa、反転ロールRbを回転させる。
実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、搬送ロールRaを正回転させる。
また、実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記長時間面判別手段C2pにより、1面目が長時間面であると判別された場合に、反転ロールRbを正回転させる。そして、実施例7の反転搬送駆動源制御手段C4a2は、前記通過検知センサSN2により、記録紙Sの後端の通過が検知されると、反転ロールRbを逆回転させる。
【0129】
これにより、実施例7において、媒体反転ユニットU4に搬送された記録紙Sは、両面印刷時に2面目が長時間面であると判別された場合、媒体反転ユニットU4により、表裏が逆転されずに搬送され、2面目が上方に向いた状態で検査路SH6に搬送される。また、媒体反転ユニットU4に搬送された記録紙Sは、両面印刷時に記録紙Sの1面目が長時間面であると判別された場合、媒体反転ユニットU4により表裏が逆転されて、1面目が上方を向いた状態で検査路SH6に搬送される。
【0130】
(プリンタUのフローチャートの説明)
(媒体反転切替処理のフローチャートの説明)
図25は実施例7の画像形成装置での媒体反転切替処理のフローチャートである。
図25のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、プリンタUのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図25に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
【0131】
図25のST71において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST72に進み、ノー(N)の場合はST71を繰り返す。
ST72において、搬送ロールRaを回転させ、ST73に進む。
ST73において、両面印刷か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST74に進み、ノー(N)の場合はST81に進む。
【0132】
ST74において、元画像情報6を取得し、ST75に進む。
ST75において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST76に進む。
(1)1面目予測処理時間pt1を元画像情報6に基づいて演算する。
(2)2面目予測処理時間pt2を元画像情報6に基づいて演算する。
ST76において、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べ大きいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST78に進み、ノー(N)の場合はST77に進む。
【0133】
ST77において、反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を接続中継路SH2aに切り替え、ST81に進む。
ST78において、次の(1)、(2)の処理を実行し、ST79に進む。
(1)反転切替部材G2による記録紙Sの搬送先を検査反転路SH2bに切り替える。
(2)反転ロールRbを正回転させる。
【0134】
ST79において、反転連結部通過検知センサSN2により記録紙Sの後端が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST80に進み、ノー(N)の場合はST79を繰り返す。
ST80において、反転ロールRbを逆回転させ、ST81に進む。
ST81において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST71に戻り、ノー(N)の場合はST72に進む。
【0135】
(画像欠陥判別処理のフローチャートの説明)
図26は実施例7の画像形成装置での第1画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
次に、実施例7のフローチャートの説明を行うが、実施例1の画像欠陥判別処理と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図26のフローチャートにおいて、実施例7の第1画像欠陥判別処理では、実施例1のフローチャートのST3、ST4に替えて、ST3′、ST4′が実行される。
図26のST3′において、第1撮像画像情報7′を取得し、ST4′に進む。
図26のST4′において、元画像情報6と第1撮像画像情報7′に基づいて記録紙Sに記録された画像に欠陥があるか否かの判別を開始し、ST5に進む。
【0136】
図27は実施例7の画像形成装置での第2画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
図27のフローチャートにおいて、第2画像欠陥判別処理は、第1画像欠陥判別処理が第1撮像画像情報7′に基づいていたのに替えて、第2撮像画像情報7″に基づく点が異なるだけなので、その詳細な説明は省略する。
【0137】
(媒体搬送制御処理のフローチャートの説明)
図28は実施例7の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
次に、実施例7のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理については同一のST番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図28のフローチャートにおいて、実施例1の媒体搬送制御処理のST15,ST18に替えて、ST15′,ST18′が実行される。
ST15′において、対象記録紙Sの第1画像欠陥判別処理及び第2画像欠陥判別処理の判別終了信号があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST16に進む。
ST18′において、対象記録紙Sの第1画像欠陥判別処理及び第2画像欠陥判別処理の判別終了信号があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST18′を繰り返す。
【0138】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7のプリンタUにおいて、両面印刷用の元画像情報6に基づいて画像が記録される場合、二次転写領域Q4で上方を向いている記録紙Sの1面目に画像が記録された後に、反転路SH3で表裏反転されて、二次転写領域Q4に搬送され、記録紙Sの2面目にも画像が記録される。そして、両面に画像が記録された記録紙Sは、2面目が上方を向いた状態で、媒体反転ユニットU4に搬送される。
この際に、媒体反転切替処理のST74、ST75により、元画像情報6に基づいて、1面目の画像に欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される1面目予測処理時間pt1と、2面目の画像に欠陥があるか否かを判別する場合に費やされると予測される2面目予測処理時間pt2が演算される。
【0139】
媒体反転ユニットU4において、媒体反転切替処理のST76,STST78〜ST80により、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2にくらべ長い記録紙Sは、検査反転路SH2bで表裏反転されて、1面目が上方に向いた状態で検査路SH6に搬送される。また、媒体反転切替処理のST76〜ST77により、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2以下の記録紙Sは、検査反転路SH2bに搬送されることなく、接続中継路SH2aに搬送され、2面目が上方を向いたまま検査路SH6に搬送される。
【0140】
検査路SH6に搬送される際に、上方を向いている記録紙Sの面は、第1面Saとして、第1撮像領域Q6a′において、第1ラインカメラ14により撮像される。また、下方を向いている記録紙Sの面は、第2面Sbとして、第1撮像領域Q6a′に比べて下流側の第2撮像領域Q6b′において、第2ラインカメラ16により撮像される。
これにより、第1ラインカメラ14により撮像された第1撮像画像情報7′に基づいて第1画像判別処理が実行されるとともに、第2ラインカメラ16により撮像された第2撮像画像情報7″に基づいて第2画像判別処理が実行されて、記録紙Sの両面に記録された場合も、記録された画像に欠陥があるかないか判別される。そして、画像の判別結果に基づいて、記録紙Sは第1スタッカ装置U3又はパージトレイTRhpに搬送される。
【0141】
この際に、第1撮像領域Q6a′において撮像される第1撮像画像情報7′に基づく第1画像判別処理の処理は、第1撮像領域Q6a′よりも下流側に設けられた第2撮像領域Q6b′において撮像される第2撮像画像情報7″に基づく第2画像判別処理の処理に比べ、早く開始される。したがって、画像の処理に時間がかかる面を第1面Saとして検査路SH6に搬送する実施例7のプリンタUでは、時間のかかる面を第2面Sbとして検査路SH6に搬送する場合に比べて、記録紙Sの選別精度を向上させつつ生産性の低下を抑制している。
なお、実施例7のプリンタUにおいて、片面印刷の場合、二次転写領域Q4で画像が転写された面は上方を向いたまま、検査路SH6まで搬送される。すなわち、前記記録紙Sの画像が記録された面は、第1面Saとして第1撮像領域Q6a′において撮像される。
【0142】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0143】
(H02)前記各実施例において、画像判別処理は、記録された画像全体の元画像情報6と、記録された画像全体の撮像画像情報7,7′,7″と、で判別したが、これに限定されず、撮像領域Q6、Q6′を通過した部分の画像に基づく撮像画像情報により、逐次的に画像の欠陥を判別することも可能である。
(H03)前記実施例1〜6において、プリンタUは媒体反転ユニットU4を有していたが、これを省略することも可能である。
(H04)前記実施例2〜3において、減速開始時間t1が経過すると、下流側搬送ロールRa2が停止して記録紙Sが湾曲する構成を例示したが、これに限定されず、減速開始時間t1が経過すると、下流側搬送ロールRa2が通常搬送速度V1に比べ低速な搬送速度、例えば、低速搬送速度V2で回転し、相対速度差で記録紙Sが湾曲する構成にすることも可能である。
【0144】
(H05)前記実施例4〜6において、分岐部通過判別手段C2j,C2j′は、撮像領域Q6を記録紙Sが通過してから予め設定された時間t3、t4が経過すると、記録紙Sが分岐部Bi5,Bi7を通過したと判別していたが、これに限定されず、記録紙Sの通過を検知する検知部材を分岐部Bi5,Bi7に設けて、記録紙Sの通過を判別する構成にすることも可能である。
(H06)前記実施例6において、画像検査路11に設けられた待機分岐部Bi5は、画像検査路11に沿って待機合流部Bi6の下流側に設けられていたが、これに限定されず、待機分岐部Bi5が、待機合流部Bi6に比べ画像検査路11に沿って上流側に設けられている構成も可能である。すなわち、前記実施例6の待機路は、環状の待機路12に限定されず、待機分岐部Bi5から待機合流部Bi6までの画像検査路11に沿った経路長よりも長い経路長を有する待機路であって、画像検査路11を迂回するように待機分岐部Bi5と待機合流部Bi6とを連結する待機路とすることも可能である。
【0145】
(H07)前記実施例7において、片面印刷の場合、媒体反転ユニットU4に記録紙Sの表裏を反転させなかったが、例えば、記録紙Sの表裏を反転させずに搬送すると、画像の記録された面が第2面Sbとして検査路SH6に搬送される画像形成装置の場合、媒体反転ユニットU4に記録紙Sの表裏を反転させて、画像の記録された面を第1面Saとして、検査路SH6に搬送させる構成にすることが可能である。
(H08)前記実施例7において、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させて、予測処理時間pt1,pt2の長い面を第1面Saとして、検査路SH6に搬送する構成を例示したが、予測処理時間pt1,pt2の長い画像が第1面Saとなるように、1面目と2面目に画像を印刷する構成にすることも可能である。
【0146】
(H09)前記実施例7において、媒体反転ユニットU4に反転された記録紙Sは、反転されたまま第1スタッカ装置U3に積載されていたが、検査路SH6の排出分岐部Bi4の搬送方向下流側且つ第1スタッカ装置U3の搬送方向上流側で、再反転させて、頁順や表裏が揃った状態で第1スタッカ装置U3に積載されるようにすることも可能である。
(H010)前記実施例7の撮像領域Q6′において、記録紙Sの第1面Saを撮像する第1撮像領域Q6a′と、記録紙Sの第2面Sbを撮像する第2撮像領域Q6b′と、は画像検査路21の媒体搬送方向上流側と下流側とに設けられていたが、読取り用の光源がなかったり、干渉しない撮像部材の場合、同じ位置に配置することも可能である。
【0147】
(H011)前記実施例7において、1面目予測処理時間pt1が2面目予測処理時間pt2に比べ長い場合に、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させていたが、反転にかかる時間を考慮し、1面目予測処理時間pt1が、2面目予測処理時間pt2と反転にかかる時間との合計時間に比べ長い場合に、媒体反転ユニットU4に記録紙Sを反転させることも可能である。
(H012)前記実施例7において、予測処理時間演算手段C2m,C2nは、元画像情報6に基づく各面目の画素数に基づいて予測処理時間pt1,pt2を演算する構成を例示したが、これに限定されない。画像欠陥判別手段C2e′,C2e″の画像欠陥判別の処理は、従来公知の様々な処理(例えば、特開2005−217931号公報、特開2007−85870号公報等参照)が可能であるが、例えば、画像欠陥判別手段C2e′,C2e″が、特開2005−217931号公報に示すように、文字の欠陥を判別する画像欠陥判別手段であれば、予測処理時間演算手段C2m,C2nは、それに応じて、元画像情報6に基づく文字が記録される領域の面積に基づいて予測処理時間pt1,pt2を演算する構成にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成システムの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像検査部の要部拡大図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置の制御部の要部説明図である。
【図5】図5は実施例1における減速開始時間、通常搬送速度、低速搬送速度などの説明図であり、図5Aは上流側搬送ロール及び下流側搬送ロールの搬送速度の時間変化の説明図、図5Bは検査路に沿った経路長との関係についての説明図、図5Cは記録紙の媒体間隔の関係についての説明図である。
【図6】図6は実施例1の画像形成装置での画像欠陥判別処理のフローチャートである。
【図7】図7は実施例1の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートである。
【図8】図8は実施例2の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図9】図9は実施例2の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図10】図10は実施例2の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図11】図11は実施例3の画像検査部の要部拡大図であり、実施例2の図8に対応する図である。
【図12】図12は実施例3の制御部の説明図であり、実施例2の図9に対応する図である。
【図13】図13は実施例3の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例2の図10に対応する図である。
【図14】図14は実施例4の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図15】図15は実施例4の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図16】図16は実施例4の検査路の経路長と、待機路の経路長と、の説明図であり、図16Aは検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図、図16Bは最長処理時間と、最大の記録紙の長さと、検査路の経路長と、待機路の経路長と、の関係の説明図である。
【図17】図17は実施例4の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図18】図18は実施例5の制御部の説明図であり、実施例4の図15に対応する図である。
【図19】図19は実施例5の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例4の図17に対応する図である。
【図20】図20は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図21】図21は実施例6の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図22】図22は実施例6の媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【図23】図23は実施例6の画像検査部の要部拡大図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図24】図24は実施例7の制御部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図25】図25は実施例7の画像形成装置での媒体搬送切替処理のフローチャートである。
【図26】図26は実施例7の画像形成装置での第1画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
【図27】図27は実施例7の画像形成装置での第2画像欠陥判別処理のフローチャートであり、実施例1の図6に対応する図である。
【図28】図28は実施例7の画像形成装置での媒体搬送制御処理のフローチャートであり、実施例1の図7に対応する図である。
【符号の説明】
【0149】
3,3′…分岐路、
4…撮像部材、
6…元画像、
7,7′,7″…撮像された画像、
12…待機路、
13…連結路、
14…撮像部材、第1撮像部材、
16…撮像部材、第2撮像部材、
Bi4…排出分岐部、
Bi5…待機分岐部、
Bi6…待機合流部、
Bi7…連結分岐部、
Bi8…連結合流部、
C2e,C2e′,C2e″…画像欠陥判別手段、
C2f…排出切替部材制御手段、
C2g,C2g′…搬送速度制御手段、
C2g″…搬送部材制御手段、
C2i…待機切替部材制御手段、
C2m…1面目予測処理時間演算手段、
C2n…2面目予測処理時間演算手段、
C2p…長時間面判別手段、
C4a…媒体反転装置制御手段、
G3…排出切替部材、
G4…待機切替部材、
pt1…1面目予測処理時間、
pt2…2面目予測処理時間、
Q6,Q6′…撮像領域
Q6a′…第1撮像領域、
Q6b′…第2撮像領域、
Ra1,Ra2…搬送部材、
Rb1…搬送部材、
S…媒体、
Sa…第1面、
Sb…第2面、
SH6…検査路、
TRhp…欠陥媒体排出部、
U…画像形成装置、
U4…媒体反転装置、
UY〜UK+T1+B+T2+F…画像記録部、
V1,V2…搬送速度。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させる搬送速度制御手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替える待機切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結分岐部と、前記分岐路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結合流部と、を連結する連結路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記連結分岐部の下流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記媒体が前記排出分岐部を通過する前に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の搬送方向前端が前記排出分岐部を前記検査路の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記媒体の搬送方向後端が前記連結分岐部を通過した後に、前記搬送部材を制御し前記媒体を逆送させて前記連結路に搬送する搬送部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備え、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別されるまでの処理時間に比べて、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度で搬送され、且つ前記検査路に沿って搬送された前記媒体の搬送方向前端が、前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間が短い場合に、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記処理時間が経過するまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする搬送速度制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替えることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする待機切替部材制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検査路の媒体搬送方向上流側に接続された媒体反転装置であって、画像が記録された前記媒体の表裏を逆転させて前記検査路に前記媒体を搬送可能な媒体反転装置と、
前記撮像領域が、前記検査路に設けられた第1撮像領域と、前記第1撮像領域の下流側に設けられた第2撮像領域とにより構成され、前記媒体の第1面に記録された画像を前記第1撮像領域において撮像する第1撮像部材と、前記媒体の前記第1面とは異なる第2面に記録された画像を前記第2撮像領域において撮像する第2撮像部材と、により構成された前記撮像部材と、
前記媒体の1面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される1面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する1面目予測処理時間演算手段と、
前記媒体の2面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される2面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する2面目予測処理時間演算手段と、
前記1面目予測処理時間と前記2面目予測処理時間とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する長時間面判別手段と、
前記長時間面判別手段により予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、前記媒体反転装置に、前記媒体を前記検査路に搬送させる媒体反転装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かの判別がされるまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させる搬送速度制御手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替える待機切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結分岐部と、前記分岐路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の下流側に設けられた連結合流部と、を連結する連結路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記連結分岐部の下流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記媒体が前記排出分岐部を通過する前に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記媒体の搬送方向前端が前記排出分岐部を前記検査路の媒体搬送方向に沿って通過した後に、前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記媒体の搬送方向後端が前記連結分岐部を通過した後に、前記搬送部材を制御し前記媒体を逆送させて前記連結路に搬送する搬送部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
元画像に基づいて画像を媒体に記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体が搬送される検査路であって、前記検査路に設けられた排出分岐部から分岐する分岐路が接続される前記検査路と、
前記排出分岐部に設けられた排出切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の下流側または前記分岐路のいずれかに切り替える前記排出切替部材と、
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記排出分岐部の上流側に設けられた撮像領域において、前記検査路を搬送される前記媒体の画像を撮像する撮像部材と、
前記元画像と、前記撮像部材により撮像された画像と、に基づいて、前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別する画像欠陥判別手段と、
前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があると判別された場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記分岐路に切り替える排出切替部材制御手段と、
前記分岐路の下流側に設けられた欠陥媒体排出部であって、前記分岐路に搬送された前記媒体が排出される前記欠陥媒体排出部と、
を備え、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記画像欠陥判別手段により前記媒体に記録された画像に欠陥があるか否かを判別されるまでの処理時間に比べて、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度で搬送され、且つ前記検査路に沿って搬送された前記媒体の搬送方向前端が、前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間が短い場合に、
前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に配置された前記媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材による前記媒体の搬送速度を制御して、前記処理時間が経過するまで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過する際の予め設定された搬送速度に比べて、低速な搬送速度で前記媒体を搬送させることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする搬送速度制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検査路の媒体搬送方向に沿って前記撮像領域の下流側且つ前記排出分岐部の上流側に設けられた待機分岐部及び待機合流部を連結し、且つ、前記待機分岐部から待機合流部までの経路長が前記検査路に比べて長い待機路と、
前記待機分岐部に設けられた待機切替部材であって、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記検査路の前記排出分岐部側または前記待機路のいずれかに切り替える前記待機切替部材と、
前記媒体の大きさが予め設定された大きさより大きい場合に、前記検査路を搬送される前記媒体の搬送先を前記待機路に切り替えることで、前記媒体の搬送方向前端が前記撮像領域を通過してから前記排出切替部に到達するまでの時間を前記処理時間に比べ長くする待機切替部材制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検査路の媒体搬送方向上流側に接続された媒体反転装置であって、画像が記録された前記媒体の表裏を逆転させて前記検査路に前記媒体を搬送可能な媒体反転装置と、
前記撮像領域が、前記検査路に設けられた第1撮像領域と、前記第1撮像領域の下流側に設けられた第2撮像領域とにより構成され、前記媒体の第1面に記録された画像を前記第1撮像領域において撮像する第1撮像部材と、前記媒体の前記第1面とは異なる第2面に記録された画像を前記第2撮像領域において撮像する第2撮像部材と、により構成された前記撮像部材と、
前記媒体の1面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される1面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する1面目予測処理時間演算手段と、
前記媒体の2面目の画像について欠陥があるか否かを判別をする場合に費やされると予測される2面目予測処理時間を、前記元画像に基づいて演算する2面目予測処理時間演算手段と、
前記1面目予測処理時間と前記2面目予測処理時間とに基づいて、予測処理時間が長い面を判別する長時間面判別手段と、
前記長時間面判別手段により予測処理時間が長い面と判別された面が第1面となるように、前記媒体反転装置に、前記媒体を前記検査路に搬送させる媒体反転装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図3】
【図8】
【図11】
【図14】
【図20】
【図23】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図3】
【図8】
【図11】
【図14】
【図20】
【図23】
【公開番号】特開2010−41430(P2010−41430A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202330(P2008−202330)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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