説明

異なる材料のフィルタを縦続接続するための装置及び方法

本発明の一部の実施例は、第1のフィルタがそれぞれ、少なくとも1つの第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである少なくとも1つの第1のフィルタと、少なくとも1つの第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を第2のフィルタがそれぞれ有する少なくとも1つの第2のフィルタであって、第2のフィルタがそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である少なくとも1つの第2のフィルタとを有するフィルタが提供される。フィルタを形成するために、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタのうちの少なくとも1つは併せて縦続接続される。第1の材料及び第2の材料は異なる材料である。縦続接続フィルタは、第1の材料及び第2の材料の関数である新たな第3のフィルタ・パラメータの組を有する。本発明の他の実施例は、フィルタを製造する方法、及び前述の縦続接続フィルタを使用したフィルタリングの方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフィルタの縦続接続に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の水準から性能を向上させたミニチュア型フィルタに対して、電気通信市場において、特に、4G無線通信システム、及び既存の無線システムにおいて強いニーズが存在している。4Gシステムは、非常に高い速度のデータ転送を目標としているので、GSM、CDMA及びUMTSなどの既存のシステムよりもずっと広い帯域幅を必要とする。一方、4Gシステムにおける周波数資源の制限により、最大のユーザ容量を可能にするために、できる限り狭いガードバンドを無線キャリア企業が設定することが必要である。前述の2つの課題の組合せは、広いパス・バンド又は阻止バンドを有するのみならず、急峻な遷移バンドも有する、無線端末装置用のミニチュアRFフィルタを4G無線通信システムが必要とするということを意味している。
【0003】
表面弾性波(SAW)フィルタ、薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)フィルタ、及び/又はバルク弾性波(BAW)フィルタは、そのミニチュア・サイズ及び低コストにより、種々の無線システムの小型ポータブル端末装置において広く使用されている。しかし、前述のフィルタのフィルタ性能の現在の水準は、4G無線システム・フィルタ要件とはなお、かけ離れている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属型空洞フィルタ又は誘電体フィルタなどの一部の非音響マイクロ波技術型フィルタは、前述の適用例のフィルタ性能要件を満たすよう企図することが可能であるが、前述のタイプの設計は、非常に高いコストを有し、物理的な大きなフィルタをもたらす。その結果、サイズ及び重量がかなりの重要度を有する無線端末における適用例において、金属型空洞フィルタ及び誘電体フィルタは望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面によれば、第1のフィルタがそれぞれ、個別の第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである少なくとも1つの第1のフィルタと、個別の第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を第2のフィルタがそれぞれ有する少なくとも1つの第2のフィルタであって、第2のフィルタがそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である第2のフィルタとを備えるフィルタが提供され、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1つの第2のフィルタのうちの少なくとも1つは併せて縦続接続され、第1の材料及び第2の材料は異なる材料であり、フィルタは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【0006】
一部の実施例では、少なくとも1つの阻止バンドを有するフィルタ応答を備えた狭帯域バンド阻止型フィルタであり、各阻止バンドは、第2のフィルタそれぞれの遷移バンドに対して急峻な遷移バンドを有する。
【0007】
一部の実施例では、第1の材料は、第1のフィルタそれぞれが、第2のフィルタそれぞれよりも少ない温度依存周波数ドリフトを有するように第2の材料よりも小さい振幅の温度係数を有する。
【0008】
一部の実施例では、第2のフィルタはそれぞれ、広帯域バンド・パス型フィルタ、及び広帯域バンド阻止型フィルタの一方である。
【0009】
一部の実施例では、第2の材料は、第1の材料よりも高い電気機械結合係数を有する。
【0010】
一部の実施例では、第1のフィルタはそれぞれ、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置され、2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンド、及び2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置され、2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの1つを有する。
【0011】
一部の実施例では、第1のフィルタはそれぞれ、表面弾性波(SAW)技術、薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)技術、及びバルク弾性波(BAW)フィルタ技術の何れか1つを使用して製造され、第2のフィルタは、SAW技術、FBAR技術、及びBAWフィルタ技術の何れか1つを使用して製造される。
【0012】
一部の実施例では、第1の材料は、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/AlN/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、AlN、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0013】
一部の実施例では、第2の材料は、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、ZnO、AlN、及びそれらの組合せの少なくとも1つを備える。
【0014】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタ、及び少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタは、第1のフィルタ及び第2のフィルタを直接、電気接続するリンク、及び第1のフィルタ及び第2のフィルタが電気接続されるパッケージ内の接続の共有点の少なくとも一方を使用してパッケージ内で互いに縦続接続される。
【0015】
一部の実施例では、フィルタは、フィルタへの入力及びフィルタからの出力の少なくとも一方をマッチングさせる回路マッチング素子、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタをマッチングさせる回路マッチング素子、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタをマッチングさせる回路マッチング素子、並びに、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタが互いに縦続接続されるフィルタ内の点をマッチングさせる回路マッチング素子のうちの少なくとも1つを更に備える。
【0016】
本発明の第2の局面によれば、フィルタを製造する方法を提供し、上記方法は、第1のフィルタそれぞれが、個別の第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである少なくとも1つの第1のフィルタと、第2のフィルタがそれぞれ、個別の第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有する少なくとも1つの第2のフィルタであって、第2のフィルタはそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である少なくとも1つの第2のフィルタとを縦続する工程を含み、第1の材料及び第2の材料は異なる材料であり、フィルタは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【0017】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタであって、第1のフィルタが、少なくとも1つの阻止バンドを有するフィルタ応答を備えた狭帯域バンド阻止型フィルタであり、阻止バンドはそれぞれ、少なくとも1つの第2のフィルタそれぞれの遷移バンドに対して急峻な遷移バンドを有する第1のフィルタと、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタとを縦続接続する工程を含む。
【0018】
一部の実施例では、第1の材料は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタそれぞれが、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタそれぞれよりも少ない温度依存周波数ドリフトを有するように第2の材料よりも小さい振幅の温度係数を有する。
【0019】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程を含み、第2のフィルタは、広帯域バンド・パス型フィルタ及び広帯域バンド阻止型フィルタの一方である。
【0020】
一部の実施例では、第2の材料は、第1の材料よりも高い電気機械結合係数を有する。
【0021】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタであって、第1のフィルタが、表面弾性波(SAW)技術、薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)技術、及びバルク弾性波(BAW)フィルタ技術の何れか1つを使用して製造される少なくとも1つの第1のフィルタを、少なくとも1つの第2のフィルタの第2のフィルタであって、第2のフィルタが、SAW技術、FBAR技術、及びBAWフィルタ技術のうちの何れか一つを使用して製造される第2のフィルタと縦続接続する工程を含む。
【0022】
一部の実施例では、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置され、2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンド、及び2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置され、2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドが少なくとも1つの第2のフィルタの阻止バンドの1つの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの1つを有する。
【0023】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程を含み、第1のフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AIN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、AlN、及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む第1の材料を使用して製造される。
【0024】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程を含み、第2のフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AIN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNb0、ZnO、AlN、及びこれらの組合せの少なくとも1つを備える第2の材料を使用して製造される。
【0025】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、第1のフィルタ及び第2のフィルタを直接、電気接続するリンク、及び第1のフィルタ及び第2のフィルタが電気接続される接続の共有点の少なくとも一方を使用してパッケージ内で、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと、パッケージ内で互いに縦続接続する工程を含む。
【0026】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、素子への入力及びフィルタからの出力の少なくとも一方を回路マッチングさせる工程と、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを回路マッチングさせる工程と、少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタを回路マッチングさせる工程と、少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタが互いに縦続接続されるフィルタ内の点をマッチングさせる工程とを含む。
【0027】
本発明の第3の局面によれば、信号をフィルタリングする方法を提供し、上記方法は、第1のフィルタの入力に信号を供給する工程であって、第1のフィルタは、第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである工程と、第1のフィルタを使用して信号をフィルタリングし、それにより、第1のフィルタの出力が生成される工程と、第1のフィルタの出力を第2のフィルタに供給する工程であって、第2のフィルタは、第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有し、第2のフィルタは、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である工程と、第2のフィルタを使用して第1のフィルタの出力をフィルタリングし、それにより、第2のフィルタの出力が生成される工程とを含み、第1の材料及び第2の材料は異なる材料であり、第1のフィルタ及び第2のフィルタの組合せは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】高温での一応答及び低温での一応答である、広帯域パスバンド・フィルタ応答の対のグラフィカルなプロットを示す図である。
【図1B】高温での一応答及び低温での一応答である、広帯域阻止バンド・フィルタ応答の対のグラフィカルなプロットを示す図である。
【図2A】高温での一応答及び低温での一応答である、狭帯域パスバンド・フィルタ応答の対のグラフィカルなプロットを示す図である。
【図2B】高温での一応答及び低温での一応答である、狭帯域バンド阻止フィルタ応答の対のグラフィカルなプロットを示す図である。
【図3】本発明の一部の実施例による、直列に縦続接続された2つのフィルタを示すブロック図である。
【図4A】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図4B】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図4C】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図4D】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図4E】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図5A】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図5B】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図5C】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのパスバンド・フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図6A】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図6B】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図6C】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図7A】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図7B】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図7C】本発明の一部の実施例による、個々のフィルタのフィルタ応答、及び、個々のフィルタを縦続接続するフィルタのバンド阻止フィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す図である。
【図8】本発明の一部の実施例による、縦続接続されたフィルタ、及びマッチング・ネットワークを示すブロック図である。
【図9A】本発明の実施例による、パッケージにおける縦続接続された2つのフィルタ間の直接ワイヤ・ボンド接続を示す概略図である。
【図9B】本発明の実施例による、パッケージにおける縦続接続された2つのフィルタ間の共有回路パッド電気接続を示す概略図である。
【図9C】本発明の実施例による、縦続接続された2つのフィルタのフリップチップ実現形態を示す概略図である。
【図10】本発明の一部の実施例を実現する方法を示すフロ―図である。
【図11】本発明の一部の実施例を実現する別の方法を示すフロ―図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の他の局面及び特徴は、添付図面とともに、本発明の特定の実施例に以下の説明を読むと、当該技術分野における当業者に明らかになるであろう。
【0030】
本発明の実施例は次に、添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0031】
小型化及び低コスト化に対する要望により、表面弾性波(SAW)、薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)、及び/又はバルク弾性波(BAW)の技術のフィルタは、現代の種々の無線通信システム用の小型ポータブル端末装置において多く利用される構成部分になっている。バンド・パス型及びバンド阻止型のフィルタは、SAW、FBAR、及びBAWの技術を使用して設計することが可能である。しかし、現在のSAW、BAW、及びFBARフィルタ設計手法は、より急峻な遷移バンド及びより高い電力処理機能などの更に向上させたフィルタ特性を有するフィルタ・ソリューションを提供することは可能でない。30年を超えるSAWフィルタ技術開発、15年を超えるFBARフィルタ技術開発、10年を超えるBAWフィルタ技術開発の後、前述のタイプの装置の最大フィルタ性能にほぼ近いフィルタ性能に達したといえる。したがって、新材料が実現されない限り、既存のSAW、FBAR、及びBAWのフィルタ設計技術に基づいて単一サブストレート・フィルタについて、大規模の性能向上が生じる可能性は低い。
【0032】
高い電気機械結合係数を備えたフィルタを製造するための材料は、それぞれの広い遷移バンド、及び広い阻止バンド又は広いパス・バンドを備えたバンド阻止フィルタ又はバンド・パス・フィルタの実現に適している。しかし、通常、大きな振幅の温度係数が理由で、材料は、劣悪な温度安定度を有し、これにより、大きな温度依存周波数応答ドリフトを有する材料でできた装置における周波数応答がもたらされる。SAW、FBAR、及びBAWの技術を使用して設計された現在の広帯域フィルタは、十分急峻でない遷移バンドの帯域幅、及び大きな周波数依存周波数応答ドリフトという、特に厄介な2つの欠点を有している。図1Aは、SAW技術、FBAR技術、及びBAW技術の何れか1つによって製造することが可能な単一サブストレート材料フィルタのバンド・パス・フィルタ応答のコンピュータ・シミュレーションの例を示す。x軸に沿って示す周波数範囲は、1.30GHz乃至1.55GHzである。y軸上の減衰範囲は、10dB乃至−100dBに及ぶ。図1Aの第1のフィルタ応答10は、約85°Cの温度で動作しているフィルタの周波数応答である。第1のフィルタ応答10の3dB帯域幅は、1.370GHz乃至1.450GHzの約0.080GHzの範囲内にある。図1Aの第2のフィルタ応答12は、約−40°Cの温度で動作している同じフィルタの周波数応答である。第2のフィルタ応答12の3dB帯域幅は、1.380GHz乃至1.460GHzの約0.080GHzという同じ範囲内にある。周波数応答10、12それぞれについて、パス・バンドの両側の遷移バンドは幾分大きく、例えば、図1Aのフィルタ応答10の場合、−20dB遷移帯域幅は、パス・バンドの低い側では1.360GHz乃至1.370GHzの約0.010GHzであり、パス・バンドの高い側では1.460GHz乃至1.470GHzの約0.010GHzである。高温度フィルタ応答10と低温度フィルタ応答12との間の同様な減衰値での周波数の変動である温度依存周波数応答ドリフトは、0.010GHzにほぼ等しい。
【0033】
図1Bは、図1Aのフィルタ応答について示される同様に広い遷移バンド、及び温度にわたる同様な周波数応答ドリフトを示す高温14及び低温16の場合のバンド阻止フィルタ応答を示す。
【0034】
遷移バンドの帯域幅を狭くすることに対する更なる改良に対する余地は、SAW、FBAR、及びBAWの設計技術においてほとんど存在しない。現在、前述のフィルタにおいて実現可能な遷移バンド最大急峻度は、フィルタに使用される材料に固有のQ係数によって制限される。高いQ係数は、急峻な遷移バンド・フィルタ特性を可能にする。しかし、一般に、広帯域フィルタ特性を可能にする材料特性である、高い電気機械結合係数を備えた材料は、低い電気機械結合係数を備えた材料と比較して、低いQ係数を有する。高い電気機械結合係数材料は更に、通常、より劣悪な温度安定度を有する。したがって、図1A及び図1Bに示すものなどの、広帯域型フィルタの遷移バンドの帯域幅は比較的広く、フィルタ応答は、動作温度範囲にわたって、より大きく変動する。
【0035】
低い温度係数を備えたフィルタを製造するための材料は、非常に低い温度依存周波数ドリフトを有するバンド阻止フィルタ又はバンド・パス・フィルタの実現に適している。更に、低い温度係数を備えた材料は通常、低い結合係数を有する。低い結合係数は、狭いバンド・フィルタをもたらす。
【0036】
石英は、水晶デバイス技術における最大温度安定度のサブストレートの1つであり、非常に高いQを有しているが、その結合係数は極めて小さく、例えば、一部のSAW実現形態では、0.11%である。そういうものとして、石英は、非常に急な遷移バンドを有する狭帯域型フィルタの設計に非常に好適である。
【0037】
図2Aは、SAW技術、FBAR技術、及びBAW技術のうちの何れか1つによって製造されたことがあり得る単一サブストレート材料フィルタのバンド・パス・フィルタ応答のコンピュータ・シミュレーションの例を示す。周波数及び減衰範囲は、上述の図1Aと同様である。図2Aのフィルタの第1のフィルタ応答20は、約85°Cの温度で動作している周波数応答である。第1のフィルタ応答20の3dB帯域幅は、1.442GHz乃至1.450GHzの約0.008GHzの範囲内にある。図2Aの第2のフィルタ応答22は、約−40°Cの温度で動作している同じフィルタの周波数応答である。第2のフィルタ応答22の3dB帯域幅は、1.443GHz乃至1.451GHzの約0.008GHzの範囲内にある。3dB帯域幅は、より高い結合係数材料で製造されたデバイスの場合の図1Aに示す3dB帯域幅の約1/10である。周波数応答20、22それぞれの場合、パス・バンドの両側の遷移バンドは、図1Aの広帯域フィルタ応答の遷移バンドに対して幾分小さいことが分かる。例えば、図2Aのフィルタ応答の−20dB遷移帯域幅は、約0.001GHzであり、パス・バンドの低い側で1.442GHz乃至1.443GHzであり、パス・バンドの高い側で1.450GHz乃至1.451GHzである。遷移バンド帯域幅は、より高い結合係数材料で製造されたデバイスの場合の図1Aに示す遷移バンド帯域幅の約1/10である。フィルタ応答20とフィルタ応答22との間の同様な減衰値における周波数の変動である温度依存周波数応答ドリフトは、0.002GHzにほぼ等しい。これは、より高い結合係数材料で製造されたデバイスの場合の図1Aに示す温度依存周波数応答ドリフトの約1/5である。図2Bは、同様に狭い遷移バンド、及び温度にわたって同様な周波数応答ドリフトを示すバンド阻止フィルタ応答を示す。
【0038】
図1A、図1B、図2A、及び図2Bの例に関連付けられたフィルタ応答パラメータは、性質上例示的なものに過ぎない。何れかの特定の適用例のためのフィルタの設計に関係するパラメータは、実現形態特有である。
【0039】
高い結合係数材料で製造されたSAWフィルタにおける大きな温度依存周波数ドリフトの欠点を改良する1つのやり方は高結合係数材料の上にSiOの薄膜を堆積させることである。SiOは、SAW設計に使用される高結合係数材料のものと逆の温度係数を有する。したがって、SiOの薄膜は、高結合係数材料の高い温度係数を補償する。しかし、このプロセスは、実現可能なフィルタ性能に悪影響を及ぼす。SiO膜が、合成されたSiO被覆された高結合係数材料の実効結合係数を削減するからである。その結果、SAWフィルタの実現可能な帯域幅は削減される。更に、SiO膜によってもたらされる質量負荷効果により、合成されたサブストレート上のSAWの位相速度が低減し、これは、SAWデバイスの物理的な実現形態における電極指の幅における低減に対応する。これは、高周波(>2GHz)SAWフィルタ設計の場合、好ましくない。
【0040】
本発明の一部の実施例では、ガードバンド低減特殊タイプの1900MHz CDMA及び/又は1.5GHz乃至2.5GHzのワイマックス無線システムに適したフィルタ・ソリューションが提供される。前述の無線システムは、低い挿入損失、高い電力処理能力、及び非常に狭い遷移バンドを有する高性能フィルタの恩恵を受ける。
【0041】
更に、前述の適用例用のフィルタは、携帯電話機、無線対応PDA、コンピュータ等などの無線端末において使用することが可能であるように低コストでありかつ非常にコンパクトであることが望ましい。一部のガードバンド低減の特殊タイプの1900MHzCDMA及び/又は1.5GHz乃至2.5GHzのワイマックス無線システムは、本明細書及び特許請求の範囲記載のフィルタ・ソリューションの実施例の恩恵を受け得るが、本発明の実施例は、他の周波数帯で動作している他の通信標準にも適用可能であり得る。
【0042】
一般に、SAWで製造されたフィルタ、FBARで製造されたフィルタ、及びBAWで製造されたフィルタの場合、低い挿入損失要件(<3dB)を備えた広帯域バンド・パス型フィルタ又は広帯域バンド阻止型フィルタ(3%以上)は、高結合係数材料(K>2%)を使用して設計される。使用される材料の結合係数が高いほど、フィルタの最大帯域幅は広くなる。しかし、高結合係数を備えた材料は、非常に一般的には、低結合係数材料と比較して、より大きな振幅の温度係数を有する。例えば、高結合係数材料とみなされる42Y−X LiTaOは、結合係数K=4.7%及び温度係数−45ppm/°Cを有する。一方、低結合係数材料とみなされるST−石英は、室温で、温度係数0ppm/°C及び結合係数K=0.12%を有する。一般には、高結合係数材料でできたフィルタにおける温度変動による周波数ドリフトは、低結合係数材料でできたフィルタよりも大きい。更に、通常、高結合係数材料は、低結合係数材料よりも劣悪なQ係数を有する。42Y−X LiTaOでできたSAW共振器は、1000乃至2000に及ぶQを有する一方、ST−石英でできたSAW共振器は、10,000超のQを有し得る。異なる材料でできた共振器のQ係数の差は、フィルタ遷移バンドの急峻度の差としてあらわれる。
【0043】
高結合係数材料と対照的に、低結合係数材料(K<2%)は、狭帯域型バンド・パス・フィルタ又はバンド阻止フィルタの設計に使用される。上述の高いQ及び小さい温度係数の特性が理由で、前述の低結合係数材料タイプの狭帯域バンド・パス又はバンド阻止フィルタは常に、高結合係数材料タイプの広帯域バンド・パス又はバンド阻止フィルタよりも急峻な遷移バンド及び小さな温度依存周波数ドリフトを有する。したがって、低結合係数材料は多くの場合、より狭いバンド・タイプのフィルタ設計に使用される。
【0044】
以下の表1は、SAWデバイス、BAWデバイス、及びFBARデバイスを製造するために使用することが可能な異なる材料(材料名)のリストを含み、更に、製造するために当該材料を使用することができるデバイスのタイプ(フィルタ・タイプ)を具体的に規定する。表1は、材料毎の音波速度(速度)、電気機械結合係数(結合係数(K2))、及び室温での温度係数(室温での温度係数)を表中に含む。
【0045】
【表1】

一部の実施例では、より低い結合係数及びより低い温度係数を備えた第1のタイプのフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/AlN/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、AlN、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む第1の材料で製造される。
【0046】
一部の実施例では、より高い結合係数を備えた第2のタイプのフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/AlN/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、ZnO、AlN、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む第2の材料で製造される。
【0047】
異なる材料特性(すなわち、高/低結合係数及び高/低温度係数)を有するフィルタを製造するために使用することが可能な材料のタイプに重なりが存在している。しかし、使用される材料が、互いにそれぞれの高い特性及び低い特性を有している限り、所望の特性を備えた縦続接続フィルタを設計し、製造することが可能である。材料の選択によって影響を受け得る縦続接続フィルタ・パラメータは、限定列挙でないが、遷移バンドの急峻度、応答の温度依存周波数ドリフトの量、バンド・パス又はバンド阻止の場合のフィルタ応答の広帯域部分の幅を含み得る。
【0048】
SAW設計技術、FBAR設計技術、及び/又はBAW設計技術を使用することにより、本発明の一部の実施例は、物理的にコンパクトなサイズを有する経済的に低コストのデバイスをもたらす。本発明の一局面は、低い温度依存周波数ドリフトを可能にする低い温度係数を有する材料で製造された少なくとも1つのフィルタ、及び広帯域(>3%)のパス・バンド又は広帯域の阻止バンドを可能にする大きな電気機械結合係数を有する材料で製造された少なくとも1つのフィルタという少なくとも2つのSAW設計型フィルタ、FBAR設計型フィルタ、又はBAW設計型フィルタを縦続接続することである。前述の異なる特性を材料が有する少なくとも2つのフィルタの組合せは、縦続接続された周波数フィルタ応答全体の低い温度依存周波数ドリフト及び急峻な遷移バンド、広帯域のパス・バンド又は広帯域の阻止バンドを含むフィルタ・パラメータによる全体的なフィルタ性能を実現する。
【0049】
本発明の一部の実施例では、低い温度係数を有する材料で製造されたバンド阻止型フィルタは、縦続接続されたフィルタ応答の非常に安定した温度依存周波数ドリフト及び超狭遷移バンドを備えた広帯域フィルタを実現するために高い結合係数を有する材料で製造されたバンド阻止型フィルタ又はバンド・パス型フィルタの一方と縦続接続される。
【0050】
本明細書及び特許請求の範囲記載の実施例によって実現された縦続接続フィルタの具体例においては、縦続接続フィルタは、非常に広いパス・バンド/阻止バンド(>3% 又は>l.93GHzにおける60MHz)、非常に急峻な遷移バンド(<0.5% 又は <l.93GHzにおける10MHz)、及び非常に安定した温度依存周波数ドリフト(−40°C乃至80°Cにわたり、<360ppm)を有する。
【0051】
図3は、互いに縦続接続されたフィルタA及びフィルタBという2つのフィルタのブロック図を示す。一部の実施例では、フィルタAは、フィルタBを製造するために使用される材料の結合係数と比較して、低い結合係数を有するサブストレート材料を使用して製造された狭帯域フィルタである。フィルタAを製造するために使用される材料は、フィルタBを製造するために使用される材料の温度係数と比較して、より小さな振幅の温度係数を有しており、そういうものとして、フィルタAは、フィルタBの温度依存周波数ドリフトと比較して、低い温度依存周波数ドリフトを有する。フィルタAを製造するために使用される材料の材料特性に基づいて、フィルタAは、フィルタBの遷移バンドと比較して狭い遷移バンドを提供する。
【0052】
フィルタBは、フィルタAを製造するために使用される材料の結合係数と比較して、より高い結合係数を有するサブストレート材料を使用して製造された広帯域フィルタである。フィルタBの材料特性に基づいて、フィルタBは、広いパス・バンド又は阻止バンドを提供する。
【0053】
フィルタA及びフィルタBという縦続接続された2つのフィルタの周波数応答は、広いパス・バンド又は広い阻止バンドの少なくとも一方端上に狭い遷移バンドを備えた広いパス・バンド又は広い阻止バンドをもたらす。一部の実施例では、フィルタAが、単一の狭帯域阻止バンドのみを備えたフィルタ応答を有する場合、縦続接続されたフィルタA及びBのフィルタ応答は、フィルタAの設計パラメータに応じて、広帯域のパス・バンド又は阻止バンドの一方端上(高周波端上又は低周波端上)にのみ、狭い遷移バンドを有する。一部の実施例では、フィルタAが、少なくとも2つの狭帯域阻止バンドを備えたフィルタ応答を有する場合、縦続接続されたフィルタA及びBのフィルタ応答は、場合によっては、広帯域のパス・バンド又は阻止バンドの両端上に、狭い遷移バンドを有する。
【0054】
本発明の一部の実施例は、単一ダイのFBAR型バンド阻止フィルタ又は単一ダイのFBAR型バンド・パス・フィルタと比較して、ずっと狭い遷移バンド、より改良された温度安定度、及び広いパス・バンド又は阻止バンドを備えた新たなタイプの縦続接続FBAR型バンド・パス又はバンド阻止フィルタを提供する。
【0055】
窒化アルミニウム(AlN)薄膜及び酸化亜鉛(ZnO)薄膜は、FBAR型デバイスに広く使用されており、普及している圧電材料である。AlNは、約−25ppm/°Cの温度係数、及び約6.5%の結合係数を有する。ZnOは、約60ppm/°Cの温度係数、及び約8.5%の結合係数を有する。AlNは、ZnOと比較して、より好適なQ係数を有している。ZnOよりも大きなQ係数及びZnOよりも好適な温度安定度を有するAlNを、フィルタを製造するための材料として使用することにより、急峻な遷移バンド及び低い温度依存周波数ドリフトを備えたフィルタが提供される。AlNよりも高い結合係数を有するZnOを、フィルタを製造するための材料として使用することにより、広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンドを備えたフィルタが提供される。一方が、AlNを使用して製造されたバンド阻止型フィルタであり、他方が、ZnOを使用して製造されたバンド・パス型フィルタ又はバンド阻止型フィルタである2つのFBAR型フィルタを縦続接続することにより、単一ダイ型のAlNのFBARフィルタ及び単一ダイ型のZnOのFBARフィルタの何れかが個々にもたらし得るよりも、狭い遷移バンド、広い帯域のパス・バンド又は広い帯域の阻止バンド、及び低い温度依存周波数ドリフトを含むフィルタ・パラメータを有する新たなFBARフィルタが得られる。別の実現形態では、上記AlNでできたバンド阻止型FBARフィルタは、新たな性能のバンド・パス型フィルタ又はバンド阻止型フィルタを得るために、一定の温度範囲にわたり、急峻な遷移バンド及び小さな周波数ドリフトなどのフィルタ特性を有するSAWバンド阻止フィルタ又はBAWバンド阻止フィルタによって置き換えることが可能である。
【0056】
特定のフィルタ設計では、フィルタ遷移バンドの急峻度、動作温度範囲にわたる最大周波数ドリフト、及び特定の材料の製造公差全てを、ガードバンド仕様を満たすために考慮に入れなければならない。一般に、より広い帯域のタイプの応答、及びより大きな量の温度依存周波数ドリフトを有する高結合係数材料で製造された単一材料サブストレート・フィルタは、低結合係数材料の狭帯域型フィルタよりもずっと広いガードバンド仕様を必要とする。
【0057】
一部の実施例では、縦続接続されたフィルタは、第1のフィルタそれぞれが、少なくとも1つの第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである少なくとも1つの第1のフィルタを含む。縦続接続されたフィルタは更に、第2のフィルタそれぞれが、少なくとも1つの第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有する少なくとも1つの第2のフィルタを含む。第2のフィルタはそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である。少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタは、縦続接続されたフィルタを形成するよう互いに縦続接続される。一部の実施例では、第1の材料及び第2の材料は異なる材料である。縦続接続されたフィルタは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【0058】
一部の実施例では、縦続接続フィルタは、異なる材料でできた別個の2つのダイを含む。一部の実施例では、同じフィルタ設計技術は両方のフィルタに使用されるが、異なる材料がそれぞれのフィルタに使用される。例えば、両方のフィルタを、SAW、FBAR、又はBAWを使用して設計し、製造することができる。一部の実施例では、異なるフィルタ設計及び製造技術を使用して異なるフィルタを製造することができ、異なる材料がそれぞれのフィルタに使用される。第1の例では、第1のフィルタはSAWを使用して製造され、第2のフィルタはFBARを使用して製造される。第2の例では、第1のフィルタはFBARを使用して製造され、第2のフィルタはBAWを使用して製造される。第3の例では、第1のフィルタはSAWを使用して製造され、第2のフィルタはBAWを使用して製造される。第4の例では、第1のフィルタはBAWを使用して製造され、第2のフィルタはFBARを使用して製造される。フィルタの他の組合せが、異なるフィルタ設計及び製造技術の置換に基づいて考えられる。縦続接続された2つのフィルタは、SAWフィルタ、FBARフィルタ、及びBAWフィルタの混合の組合せであり得るので、この縦続接続フィルタ設計は広い範囲の設計の柔軟性を有する。
【0059】
各フィルタを製造するために使用されるフィルタ設計及び製造技術にかかわらず、第1のフィルタ・タイプの少なくとも1つのフィルタは、急峻な遷移バンド及び低い温度依存周波数ドリフトを備える狭帯域フィルタを生成するために、第2のフィルタ・タイプの少なくとも1つのフィルタを製造するために使用される材料に対して低い温度係数を備えた低結合係数材料を使用して製造される。第2のフィルタ・タイプの少なくとも1つのフィルタは、広帯域型フィルタを生成するために、第1のフィルタ・タイプの少なくとも1つのフィルタを製造するために使用される材料に対して、高結合係数材料を使用して製造される。
【0060】
2つのフィルタの材料の異なる特性が理由で、広帯域型フィルタが有する2つの欠点(すなわち、非急峻性遷移バンド、及び動作温度範囲にわたる大きな温度依存周波数ドリフト)を改良するために利用することが可能である。狭帯域バンド阻止型フィルタが、温度変動にわたる広帯域フィルタの周波数応答のドリフトを補償するために十分広い阻止バンド及び十分深い阻止レベルを有している限り、互いに縦続接続された2つのフィルタの周波数応答は、2つのタイプのフィルタそれぞれの有利な構成(すなわち、1)広いパス・バンド又は阻止バンド、2)広いパス・バンド又は阻止バンドの少なくとも一方端上の急峻な遷移バンド、及び3)フィルタ応答の低い温度依存周波数ドリフト)全てを有する性能をもたらす。
【0061】
一部の実施例では、2つのフィルタは1つのパッケージを共有する。一部の実施例では、縦続接続されたフィルタ・パッケージは、2つのフィルタが別個にパッケージングされた場合よりも小さい。
【0062】
2つの別個のダイは、パッケージ内の配線及びパッドを介して電気的に縦続接続される。一部の実現形態では、縦続接続された2つのフィルタは、パッケージ内の回路パッド及び/又は短ワイヤを介して互いに電気結合される。前述の実現形態では、更なる損失はほとんど存在せず、それにより、所望の低い挿入損失を実現するための縦続接続フィルタ設計全体が可能になる。
【0063】
一部の実施例では、リンクは、第1のフィルタ及び第2のフィルタを直接、電気接続する。例えば、短ワイヤ・ボンドを、一方のフィルタを他方のフィルタと直結させるために使用し得る。パッケージ900内のフィルタA及びフィルタBを直接接続する短ワイヤ・ボンド910の例は図9Aに示す。
【0064】
一部の実施例では、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタはそれぞれ、パッケージ内の共有接続点に電気接続される。一部の実施例では、短ワイヤ・ボンドはパッケージ内に配置された回路パッドに各フィルタを接続し得、フィルタ間の電気接続は、共有回路パッドを介して行われる。パッケージ920においてパッド930にフィルタAを接続する第1の短ワイヤ・ボンド915及びパッド930にフィルタBを接続する第2の短ワイヤ・ボンド925を図9Bに示す。
【0065】
一部の実施例では、フリップチップ・ボンディング技術を使用して、フィルタそれぞれをパッケージに金属バンプを使用して接合することが可能である。金属バンプ950を介してパッケージ940に接続されたフィルタBのダイ及びフィルタAのダイの例を図9Cに示す。金属バンプ接続の接点間のパッケージ内の回路パスは、フィルタ間の電気接続をもたらすことが可能である。
【0066】
上記例は、複数ダイのフィルタを縦続接続し、パッケージングするための考えられる実現形態の一部に過ぎない。パッケージングの他のやり方も考えられる。更に、図9A、図9B、及び図9Cの例では、2つのフィルタのみを示すが、前述の図に示す原理は、マルチフィルタの実現形態にもあてはまり得る。
【0067】
一部の実施例では、マルチフィルタ縦続接続手法は、ガードバンドにおいて異なる幅を有する不規則なフィルタの仕様のフィルタ設計を実現するために使用される。
【0068】
一部の実施例では、2つのフィルタのみが互いに縦続接続される一方、2つのフィルタはそれぞれ、複数のパス・バンド又は阻止バンドを備え得る。例えば、第1の材料を使用して製造された第1のフィルタは、第2の材料を使用して製造された第2のフィルタの単一の広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンドの実質的に同等の距離だけ離間した狭い遷移バンドを備えた2つの狭帯域阻止バンドを備え得る。
【0069】
一部の実施例では、特定のフィルタ応答をそれぞれが有する複数のフィルタを互いに縦続接続することが可能であり、それにより、併せて、所望の全体的なフィルタ応答がもたらされる。例えば、第1の材料を使用して製造した第1のフィルタ・タイプの第1のフィルタは、第2の材料を使用して製造された第2のフィルタ・タイプの第2のフィルタの広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンドの低周波端において急峻な遷移バンドを備えた1つの狭帯域阻止バンドを備え得る。第1の材料を使用して製造された第1のフィルタ・タイプの第3のフィルタは、広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンドのより高い周波端において急峻な遷移バンドを備えた1つの狭帯域阻止バンドを備え得る。一部の実施例では、第3のフィルタは、第2の材料よりも第1の材料と、より類似した特性を有する第3の材料を使用して製造し得る。前述のやり方では、フィルタの広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンドの高周波端及び低周波端において異なる急峻度を備えた遷移バンドを有することが考えられる場合がある。
【0070】
次に、縦続接続されたフィルタの別々の4つの実施例を各種フィルタ応答特性について説明する。
【0071】
第1の例示的な実施例
次に、広帯域フィルタの高周波側において阻止バンドを有する狭帯域バンド阻止フィルタと広帯域パスバンド・フィルタが縦続接続される第1の例示的な実施例を図4A乃至図4Eに関して説明する。
【0072】
図4Aは、高温(約85°C)での応答を示す1つのフィルタ応答40、及び低温(約−40°C)での応答を示す1つのフィルタ応答41を示す、広帯域パスバンド・フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。広帯域フィルタは、狭帯域フィルタを製造するために使用される材料よりも高い結合係数を有する材料で製造される。図4Aは図1Aと実質的に同じである。
【0073】
図4Bは、低温での応答を示す1つのフィルタ応答43及び高温での応答を示す1つのフィルタ応答42という、狭帯域阻止バンド・フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。狭帯域フィルタは、広帯域フィルタを製造するために使用される材料よりも低い温度係数、及び広帯域フィルタを製造するために使用される材料よりも低い結合係数を有する材料で製造される。図4Bのバンド阻止フィルタ応答が1.450GHz乃至1.480GHzの周波数範囲内に位置する以外は、図4Bは図2Bと同様である。
【0074】
図4Cは、より高い温度における、結果として生じる縦続接続されたフィルタのフィルタ応答44のグラフィカル・プロットを示す。プロットの周波数範囲及び減衰範囲は、図4A及び図4Bと同じである。フィルタ応答の3dB帯域幅は、1.370GHz乃至1.450GHzの約0.080GHzの範囲内にある。フィルタ応答の低周波側の遷移バンドは幾分大きく、例えば、−20dB遷移帯域幅は、1.36GHz乃至1.37GHzの約0.01GHzである。フィルタ応答の高周波側の遷移バンドは、低周波側と比較して小さく、例えば、−20dB遷移帯域幅は、1.450GHz乃至1.451GHzの約0.01GHzである。
【0075】
図4Dは、より低い温度における、結果として生じる縦続接続されたフィルタのフィルタ応答45のグラフィカル・プロットを示す。プロットの周波数範囲及び減衰範囲は、図4Cと同じである。フィルタ応答の3dB帯域幅は、1.378GHz乃至1.453GHzの約0.075GHzの範囲内にある。フィルタ応答の低周波側の遷移バンドは幾分大きく、例えば、−20dB遷移帯域幅は、1.368GHz乃至1.378GHzの約0.010GHzである。フィルタ応答の高周波側の遷移バンドは、低周波側と比較して小さく、例えば、−20dB遷移帯域幅は、1.453GHz乃至1.454GHzの約0.001GHzである。
【0076】
図4Eは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答46及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答47という、結果として生じる縦続フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。これは、基本的に、図4C及び図4Dを互いに重ねたものである。パスバンド・フィルタ応答46、47の低周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.010GHzの周波数間隔を有する。パスバンド・フィルタ応答46、47の高周波側では、遷移バンドは低周波端と比較して狭く、実質的に並列である。高温応答46及び低温応答47は、特定の減衰に対して、約0.003GHzの周波数間隔を有する。したがって、パス・バンドの高周波側遷移バンドは、パス・バンドの低周波側遷移バンドよりも約2/3少ない温度依存周波数ドリフトを有する。
【0077】
一部の実施例では、上記やり方で、2つのフィルタの縦続接続に基づいてフィルタの適切な遷移バンドを設計する場合、設計プロセスの一部としての特定の考慮点には、狭帯域フィルタの阻止バンドの帯域幅がある。図4A及び図4Bに示すように、狭帯域フィルタの阻止バンドの帯域幅は、動作温度範囲にわたり、広帯域フィルタの周波数応答ドリフトによってもたらされる阻止の欠如を補償するために十分広くなければならない。
【0078】
狭帯域バンド阻止フィルタの阻止バンドの帯域幅を適切に設計することにより、所望の動作温度範囲内の何れかの温度における要件を、縦続接続フィルタ性能全体が満たすということを確実にするためにフィルタを設計する場合に留意しなければならない。
【0079】
第2の例示的な実施例
次に、広帯域フィルタの低周波側における1つの阻止バンド、及び広帯域フィルタの高周波側における1つの阻止バンドという2つの狭帯域阻止バンドを有するフィルタと、広帯域パスバンド・フィルタが縦続接続される第2の例示的な実施例を図5A乃至図5Cに関して説明する。
【0080】
図5Aは、図4Aに示す2つのフィルタ応答と実質的に同じ高温(約85°C)フィルタ応答50及び低温(約−40°C)フィルタ応答51を含む。
【0081】
図5Bは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答52及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答53という、狭帯域阻止バンドの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。狭帯域フィルタは、温度変動にわたって安定した低い結合係数材料で製造される。図5Bは、1.35GHz乃至1.38GHzの約0.030GHzである第1の阻止バンド、及び1.45GHz乃至1.48GHzの約0.030GHzである第2の阻止バンドを有する。
【0082】
図5Cは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答54及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答55という、結果として生じた縦続接続フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。フィルタ応答54、55の低周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.002GHzの周波数間隔を有する。フィルタ応答54、55の高周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.002GHzの周波数間隔を有する。2つのフィルタの縦続接続の結果、フィルタ応答全体は、温度変動にわたる非常に低い周波数ドリフト、及びパス・バンドの両側に急峻な遷移バンドを備えた広帯域パス・バンドを有する。
【0083】
第3の例示的な実施例
次に、広帯域フィルタの低周波側において阻止バンドを有する狭帯域バンド阻止フィルタと広帯域パス阻止フィルタが縦続接続される第3の例示的な実施例を図6A乃至図6Cに関して説明する。
【0084】
図6Aは、低温(約−40°C)での応答を示す1つのフィルタ応答61及び高温(約85°C)での応答を示す1つのフィルタ応答60という、広帯域バンド阻止フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。広帯域フィルタは、高結合係数材料で製造される。図6Aは、図1Bと実質的に同じである。
【0085】
図6Bは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答62及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答63という、狭帯域バンド阻止フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。狭帯域フィルタは、温度変動にわたって安定した低結合係数材料で製造される。図6Bのバンド阻止フィルタ応答が、1.37GHz乃至1.40GHzの周波数範囲に位置する以外は、図6Bは図2Bと同様である。
【0086】
図6Cは、低温での応答を示す1つのフィルタ応答65及び高温での応答を示す1つのフィルタ応答64という、縦続接続された2つのフィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。フィルタ応答64,65の低周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.002GHzの周波数間隔を有する。フィルタ応答64,65の高周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.010GHzの周波数間隔を有する。したがって、阻止バンドの低周波側遷移バンドは、阻止バンドの高周波側遷移バンドよりも約4/5少ない温度依存周波数ドリフトを有する。
【0087】
第4の例示的な実施例
次に、広帯域フィルタの高周波側における1つの阻止バンド、及び広帯域フィルタの低周波側における1つの阻止バンドという2つの狭帯域阻止バンドを有するフィルタと、広帯域バンド阻止フィルタが縦続接続される第4の例示的な実施例を図7A乃至図7Cに関して説明する。
【0088】
図7Aは、図6Aに示す2つのフィルタ応答と実質的に同じ低温(約−40°C)フィルタ応答71及び高温(約85°C)フィルタ応答70を含み、これらは、図6Aに示す2つのフィルタ応答と実質的に同じである。
【0089】
図7Bは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答72及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答73という、狭帯域バンド阻止フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。狭帯域フィルタは、温度変動にわたって安定したより低い結合係数材料で製造される。図7Bは、図6Bに示す2つのフィルタ応答と実質的に同じである。
【0090】
図7Cは、高温における応答を示す1つのフィルタ応答74及び低温における応答を示す1つのフィルタ応答75という、結果として生じた縦続接続フィルタの2つのフィルタ応答のグラフィカル・プロットを示す。フィルタ応答74,75の低周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.002GHzの周波数間隔を有する。フィルタ応答74、75の高周波側では、遷移バンドは、実質的に並列であり、特定の減衰に対して、約0.002GHzの周波数間隔を有する。縦続接続された2つのフィルタの結果、全体的なフィルタ応答は、温度変動にわたる非常に低い周波数ドリフト、及び阻止バンドの両側の急峻な遷移バンドを備えた広帯域阻止バンドを有する。
【0091】
図4A乃至図4E、図5A乃至図5C、図6A乃至図6C、及び図7A乃至図7Cの例に関連付けられたフィルタ応答パラメータは、性質上例示的なものに過ぎない。限定列挙でないが、温度依存周波数ドリフト、パス・バンド帯域幅又はバンド阻止帯域幅、遷移バンドの急峻度などの、何れかの特定の適用例用のフィルタの設計に関係するパラメータは、実現形態特有である。
【0092】
一部の実施例では、マッチング・ネットワークを、縦続接続フィルタ設計に関して使用し得る。一部の実施例では、マッチング・ネットワークの使用は、フィルタ全体の性能を向上させ得る。図8は、マッチング回路を、縦続接続フィルタ設計に関して使用し得るやり方を示すブロック図である。図8では、フィルタA及びフィルタBはパッケージ860内で互いに縦続接続され、全体的なフィルタ応答をもたらす。第1のマッチング回路810はフィルタAの入力に結合される。第1のマッチング回路810は、入力対812、814を有する。縦続接続されたフィルタへの入力は、入力812、814において印加され得る。第2のマッチング回路820は、フィルタBの出力に結合される。第2のマッチング回路820は出力対822、824を有する。縦続接続されたフィルタの出力は、出力822、824で供給される。第3のマッチング回路830は、フィルタA自体をマッチングするためにフィルタAに結合される。第3のマッチング回路830は接地される。第4のマッチング回路840は、フィルタB自体をマッチングするためにフィルタBに結合される。第4のマッチング回路840は接地される。第5のマッチング回路850は、フィルタAとフィルタBとの間の接続をマッチングするためにフィルタAとフィルタBとの間の接続に結合される。第5のマッチング回路850は接地される。
【0093】
図8は、上記で概説したタイプの縦続接続された2つのフィルタを備える、フィルタのマッチング・ネットワークの組を示す。一部の実施例では、図8に表すマッチング・ネットワーク全てが、縦続接続されたフィルタとともに使用される訳でない。マッチング・ネットワークの数、及び縦続接続されたフィルタに対してマッチング・ネットワークがどこに位置しているかは、実現形態特有である。
【0094】
マッチング・ネットワークは、個別構成部分若しくは伝送線路、又はその特定の組合せを使用することによって実現することが可能である。特定の実現形態では、マッチング・ネットワークは個別インダクタを含み得る。
【0095】
次に、フィルタを製造する方法を図10に関して説明する。
【0096】
方法の第1の工程10−1には、少なくとも1つの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタと縦続接続することが関係する。第1のフィルタはそれぞれ、少なくとも1つの第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである。第2のフィルタはそれぞれ、少なくとも1つの第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有する。更に、第2のフィルタはそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である。第1の材料及び第2の材料は、異なる材料である。フィルタは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【0097】
上記方法は、2つのフィルタを有するフィルタを製造する工程を表しているが、上述の本発明の実施例により、第1のフィルタ及び第2のフィルタそれぞれの2つ以上のフィルタは、2つ以上の第1のフィルタ及び2つ以上の第2のフィルタが存在し得るようなフィルタの縦続接続において使用し得る。更に、2つ以上の第1のフィルタが使用された場合、2つ以上の第1のフィルタに使用される材料は、必ずしも、厳密に同じでなくてもよいことがあり得るが、2つ以上の第2のフィルタについて使用される材料よりも、互いに、より類似している。同じことは、2つ以上の第2のフィルタにあてはまる。
【0098】
次に、フィルタをフィルタリングする方法を図11に関して説明する。
【0099】
方法の第1の工程11−1には、信号を第1のフィルタの入力に供給する工程が関係する。第1のフィルタは、少なくとも1つの第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである。
【0100】
方法の第2の工程11−2には、第1のフィルタを使用して信号をフィルタリングし、それにより、第1のフィルタの出力を生成する工程が関係する。
【0101】
方法の第3の工程11−3には、第1のフィルタの出力を第2のフィルタに供給する工程であって、第2のフィルタは、少なくとも1つの第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有し、第2のフィルタはそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である工程が関係する。
【0102】
方法の第4の工程11−4には、第2のフィルタを使用して第1のフィルタの出力をフィルタリングし、それにより、第2のフィルタの出力が生成される工程が関係する。
【0103】
第1の材料及び第2の材料は異なる材料である。信号をフィルタリングするために使用される少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタの組合せは、第1の材料及び第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する。
【0104】
上記方法は2つのフィルタを使用して信号をフィルタリングする工程を表しているが、上述の本発明の実施例により、2つ以上の第1のフィルタ及び2つ以上の第2のフィルタが存在し得るように、第1のフィルタ及び第2のフィルタそれぞれのうちの2つ以上のフィルタを用いて信号をフィルタリングし得る。更に、2つ以上の第1のフィルタが使用された場合、2つ以上の第1のフィルタに使用される材料は、必ずしも、厳密に同じでなくてもよいことがあり得るが、2つ以上の第2のフィルタに使用される材料よりも、互いに、より類似している。同じことは、2つ以上の第2のフィルタにあてはまる。
【0105】
更に、本発明の一部の実施例は、本発明の縦続接続フィルタの発明の局面を適用することにより、低い挿入損失、高い電力処理能力、広帯域パス・バンド又は広帯域阻止バンド、狭い遷移バンド、及び低い温度依存周波数ドリフトという性能を備えた低いコスト及びコンパクトなサイズのタイプのデュプレクサ又はマルチプレクサを提供し得る。
【0106】
本発明の数多くの修正及び変形が上記教示に照らして考えられる。したがって、特許請求の範囲記載の範囲内で、本発明は、本明細書及び特許請求の範囲記載のものとは別のやり方で実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタであって、
少なくとも1つの第1のフィルタであって、第1のフィルタそれぞれが、前記第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである少なくとも1つの第1のフィルタと、
少なくとも1つの第2のフィルタであって、第2のフィルタそれぞれが、前記第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有する少なくとも1つの第2のフィルタであって、前記第2のフィルタそれぞれが
バンド阻止型フィルタ、及び
バンド・パス型フィルタ
の一方である少なくとも1つの第2のフィルタと
を備え、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの少なくとも1つは互いに縦続接続され、
前記第1の材料及び前記第2の材料は異なる材料であり、
前記フィルタは、前記第1の材料及び前記第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有するフィルタ。
【請求項2】
請求項1記載のフィルタであって、第1のフィルタはそれぞれ、少なくとも1つの阻止バンドを有するフィルタ応答を備えた狭帯域バンド阻止型フィルタであり、各阻止バンドは、第2のフィルタそれぞれの遷移バンドに対して急峻な遷移バンドを有するフィルタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタであって、第1のフィルタそれぞれが、第2のフィルタそれぞれよりも少ない温度依存周波数ドリフトを有するように、前記第1の材料が前記第2の材料よりも小さな振幅の温度係数を有するフィルタ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のフィルタであって、第2のフィルタはそれぞれ、
広帯域バンド・パス型フィルタ、及び
広帯域バンド阻止型フィルタ
の一方であるフィルタ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項のフィルタであって、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い電気機械結合係数を有するフィルタ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のフィルタであって、
第1のフィルタはそれぞれ、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンド、及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの前記パス・バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドという2つの阻止バンド、及び
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンド、及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの前記阻止バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドという2つの阻止バンド
のうちの1つを有するフィルタ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のフィルタであって、
第1のフィルタはそれぞれ、表面弾性波(SAW)技術、薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)技術、及びバルク弾性波(BAW)フィルタ技術の何れか1つを使用して製造され、第2のフィルタは、SAW技術、FBAR技術、及びBAWフィルタ技術
の何れか1つを使用して製造され、
第2のフィルタはそれぞれ、SAW技術、FBAR技術、及びBAWフィルタ技術
の何れか1つを使用して製造されるフィルタ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のフィルタであって、前記第1の材料は、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、AlN、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むフィルタ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のフィルタであって、前記第2の材料は、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、ZnO、AlN、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むフィルタ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のフィルタであって、前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタ、及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタは、
前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタを直接、電気接続するリンク、及び
前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタが電気接続される、パッケージ内の接続の共有点
の少なくとも一方を使用してパッケージ内で互いに縦続接続されるフィルタ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のフィルタであって、
前記フィルタへの入力、及び前記フィルタからの出力の少なくとも一方をマッチングする回路マッチング素子と、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタをマッチングする回路マッチング素子と、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタをマッチングする回路マッチング素子と、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタと前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタが互いに縦続接続される、前記フィルタ内の点をマッチングする回路マッチング素子とを含むフィルタ。
【請求項12】
フィルタを製造する方法であって、
少なくとも1つの第1のフィルタを少なくとも1つの第2のフィルタと併せて縦続接続する工程を備え、第1のフィルタはそれぞれ、個別の第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタであり、第2のフィルタはそれぞれ、個別の第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有し、第2のフィルタはそれぞれ、バンド阻止型フィルタ及び
バンド・パス型フィルタの一方であり、
前記第1の材料及び前記第2の材料は異なる材料であり、
前記フィルタは、前記第1の材料及び前記第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であり、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを前記少なくとも1つの第2のフィルタの第2のフィルタと縦続接続する工程を備え、前記第1のフィルタは、少なくとも1つの阻止バンドを有するフィルタ応答を備えた狭帯域バンド阻止型フィルタであり、各阻止バンドは前記少なくとも1つの第2のフィルタそれぞれの遷移バンドに対して急峻な遷移バンドを有する方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のフィルタの第1のフィルタそれぞれが、前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタそれぞれよりも少ない温度依存周波数ドリフトを有するように前記第2の材料よりも小さい振幅の温度係数を有する方法。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか一項に記載の方法であって、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを、前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程を含み、前記第2のフィルタは、
広帯域バンド・パス型フィルタ、及び
広帯域バンド阻止型フィルタ
の一方である方法。
【請求項16】
請求項12乃至15の何れか一項に記載の方法であって、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも高い電気機械結合係数を有する方法。
【請求項17】
請求項12乃至16の何れか一項に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のフィルタ及び前記少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを前記少なくとも1つの第2のフィルタの第2のフィルタと縦続接続する工程を含み、前記第1のフィルタは、
表面弾性波(SAW)技術、
薄膜バルク弾性波共振器(FBAR)技術、及び
バルク弾性波(BAW)フィルタ技術
の何れか1つを使用して製造され、前記第2のフィルタは、
SAW技術、
FBAR技術、及び
BAWフィルタ技術
の何れか一つを使用して製造される方法。
【請求項18】
請求項12乃至17の何れか一項に記載の方法であって、
第1のフィルタはそれぞれ、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの高い側の端に配置された第1の阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つのパス・バンドの低い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンド、及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの前記パス・バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドという2つの阻止バンド、
前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの阻止バンドの低い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第1の阻止バンド、及び前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの1つの前記阻止バンドの高い側の端に配置された2つの阻止バンドのうちの第2の阻止バンドという2つの阻止バンドのうちの1つを有する方法。
【請求項19】
請求項12乃至18の何れか一項に記載の方法であって、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程とを含み、前記第1のフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、AlN、及びそれらの組み合わせ
のうちの少なくとも1つを含む前記第1の材料を使用して製造される方法。
【請求項20】
請求項12乃至19の何れか一項に記載の方法であって、少なくとも1つの第1のフィルタ及び少なくとも1つの第2のフィルタを縦続接続する工程は、
前記少なくとも1つの第1のフィルタのうちの第1のフィルタを前記少なくとも1つの第2のフィルタのうちの第2のフィルタと縦続接続する工程とを含み、前記第2のフィルタは、石英、ランガサイト、SiO/ZnO/ダイアモンド、SiO/A1N/ダイアモンド、Li、AlN/Li、LiTaO、LiNbO、SiO/LiTaO、SiO/LiNbO、ZnO、AlN、及びそれらの組み合わせ
のうちの少なくとも1つを含む前記第2の材料を使用して製造される方法。
【請求項21】
信号をフィルタリングする方法であって、
第1のフィルタの入力に信号を供給する工程であって、前記第1のフィルタは、前記第1のフィルタを製造するために使用される第1の材料の関数である第1のフィルタ・パラメータの組を有するバンド阻止型フィルタである工程と、
前記第1のフィルタを使用して前記信号をフィルタリングし、それにより、前記第1のフィルタの出力を生成する工程と、
前記第1のフィルタの出力を第2のフィルタに供給する工程であって、前記第2のフィルタは、前記第2のフィルタを製造するために使用される第2の材料の関数である第2のフィルタ・パラメータの組を有し、前記第2のフィルタは、バンド阻止型フィルタ及びバンド・パス型フィルタの一方である工程と、
前記第2のフィルタを使用して前記第1のフィルタの出力をフィルタし、それにより、前記第2のフィルタの出力を生成する工程と
を含み、
前記第1の材料及び前記第2の材料は異なる材料であり、
前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタの組み合わせは、前記第1の材料及び前記第2の材料の関数である第3のフィルタ・パラメータの組を有する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−524427(P2012−524427A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505003(P2012−505003)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000542
【国際公開番号】WO2010/118512
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511225310)ロックスター ビーアイディーシーオー,エルピー (26)
【Fターム(参考)】