説明

磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

【課題】本発明は、摺動耐性や腐食耐性等の耐久性を向上させつつ、薄膜化を図ることのできる保護層を備える磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 基体上110に少なくとも、磁気記録層122と、保護層126とを、この順に備える垂直磁気記録媒体100において、保護層126は表層側に希ガスの原子を含有し、かつ、保護層のラマン分光法におけるGピークの高さをGhとし、Dピークの高さをDhとし、Gピークの蛍光を含んだバックグラウンド強度をBとし、Gピークの蛍光を除いたピーク強度をAとした場合、保護層126のラマン分光法による測定結果は、Dh/Ghが0.78〜0.96であり、B/Aが1.31〜1.34であることにより、保護層を薄膜化可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径の磁気記録媒体にして、1枚あたり200GByteを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり400GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。
【0003】
HDD等に用いられる磁気記録媒体において高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式が提案されている。垂直磁気記録方式に用いられる垂直磁気記録媒体は、磁気記録層の磁化容易軸が基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は従来の面内記録方式に比べて、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、いわゆる熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。
【0004】
また、このような情報記録密度の増加に伴い、円周方向の線記録密度(BPI:Bit Per Inch)、半径方向のトラック記録密度(TPI:Track Per Inch)のいずれも増加の一途を辿っている。さらに、磁気記録媒体の磁気記録層と、磁気ヘッドの記録再生素子との間隙(磁気的スペーシング)を狭くしてSNR(Signal to Noise Ratio)を向上させる技術も検討されている。近年望まれる磁気ヘッドの浮上量は6nm以下である。
【0005】
上述した磁気的スペーシングを狭くするための技術として、磁気ヘッド素子の動作時に、ヘッド素子を発熱させ、その熱によって磁気ヘッドを熱膨張させ、ABS(Air Bearing Surface)方向にわずかに突出させるDFH(Dynamic Flying Height)ヘッドが提案されている。これにより、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間隙を調節し、狭い磁気的スペーシングで磁気ヘッドを常に安定して飛行させることができる。
【0006】
また、磁気ヘッドが低浮上量化してきたことに伴い、外部衝撃や飛行の乱れによって磁気ヘッドが磁気記録媒体表面に接触する可能性が高まっている。このため磁気記録媒体では、磁気ヘッドが磁気記録媒体に衝突した際、磁気記録層の表面が傷つかないように保護する保護層が設けられる。保護層は、カーボンオーバーコート(COC)、すなわち、カーボン(炭素)皮膜によって高硬度な皮膜を形成する。保護層は、カーボンの硬いダイヤモンドライクカーボンと、柔らかいグラファイトカーボンとが混在している(例えば、特許文献1)。また、ダイヤモンドライクカーボン保護膜を、CVD法(Chemical Vapor Deposition)によって製造する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
また保護層の上には、磁気ヘッドが衝突した際に保護層および磁気ヘッドを保護するために、潤滑層が形成される。潤滑層は、例えばパーフルオロポリエーテルを塗布して焼結することにより形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−11734号公報
【特許文献2】特開2006−114182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように磁気記録層の上には保護層や潤滑層が必要であるが、高記録密度化に伴い磁気ヘッドと磁気記録層との間隔(ギャップ)をさらに狭くする要請がある。特に垂直磁気記録媒体では磁気記録層に垂直方向の強い磁界を印加するために軟磁性層を形成する場合が多いが、磁気ヘッドと軟磁性層との間隔はさらに大きくなっている。このため、軟磁性層より基体表面側の層、特に磁気記録層より基体表面側の層は、できるだけ薄くすることが好ましい。
【0010】
しかし、特許文献1および2に記載の従来のCVD法を用いて、単に保護層を薄膜化しても、保護層自体の摺動耐性や腐食耐性等の耐久性が劣化することとなる。すなわち保護層は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の硬さと、グラファイトカーボンの粘りと弾性が必要であり、硬すぎると割れてしまい、やわらかすぎると削れてしまう。特に保護層の薄膜化を図る場合、薄くするほど組織が緻密であることを要するため、保護層の薄膜化は困難である。従来の保護層は、必要な機能を満たすために、4.5nm以上の膜厚が必要とされていた。
【0011】
本発明は、摺動耐性や腐食耐性等の耐久性を向上させつつ、薄膜化を図ることのできる保護層を備える磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の発明者らが鋭意検討したところ、従来の方法で成膜した保護層よりも硬い保護層を成膜できれば、保護層自体を薄膜化しても、耐久性を維持できると考えた。従来の保護層よりも硬い保護層を成膜する方法としては、CVD法におけるバイアス電圧を上げる方法もしくは雰囲気圧力を下げる方法が考えられる。
【0013】
しかし、CVD法において、バイアス電圧を上げると、磁気記録媒体の基体が溶解して割れてしまうという問題があった。垂直磁気記録媒体において保護層は、磁気記録層の上に書き込み特性を上げるために設けられた補助記録層の上に成膜される。このときCVD法によって保護層を成膜する際に高いバイアス電圧を印加すると、電気抵抗が高い基体に熱が生じ、その熱により基体が溶解してしまうためであると考えられる。
【0014】
また、CVD法において成膜する際の雰囲気圧力を下げるとプラズマが安定して生成できず、保護膜が成膜できたりできなかったりするという問題がある。
【0015】
また、他の問題としては、雰囲気圧力を下げると、従来の媒体保護層よりも硬い摺動耐性の高い保護層を成膜できる反面、膜中の応力の向上に伴い、膜にピンホール、クラック等が形成されやすくなり、耐腐食性が悪化するという問題もある。
【0016】
そこで発明者は、材料ガスの圧力を低下させつつも、プラズマの生成を安定化する手段があれば、硬くて薄い保護層を成膜できるのではないかと考えた。そして、CVD法における雰囲気に希ガス(不活性ガス)を添加することにより、雰囲気ガスの圧力を下げた場合と同等の効果が得られることを見出した。
【0017】
ただし、結果として保護層を単に硬くしたのでは、やはり脆くなって割れやすくなってしまう。そこで発明者らはさらに検討し、硬さと柔らかさを兼ね備えた保護層とすることにより、全体として保護層の薄膜化を図ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0018】
すなわち上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の代表的な構成は、基体上に少なくとも、磁気記録層と、保護層とを、この順に備える垂直磁気記録媒体において、保護層は表層側に希ガスの原子を含有し、かつ、保護層のラマン分光法におけるGピークの高さをGhとし、Dピークの高さをDhとし、Gピークの蛍光を含んだバックグラウンド強度をBとし、Gピークの蛍光を除いたピーク強度をAとした場合、保護層のラマン分光法による測定結果は、Dh/Ghが0.78〜0.96であり、B/Aが1.31〜1.34であることにより、保護層を薄膜化可能であることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、Dh/Ghが0.96以下(Dhの上限を規定している)であって、B/Aが1.34以下(Ghの上限を規定している)の保護層を実現することができる。したがって、硬さとやわらかさを兼ね備えた保護層を得ることができ、保護層の薄膜化を図ると共に、十分な耐腐食性および摺動耐性を有する保護層を構成することが可能である。
【0020】
また上記構成によれば、保護層の膜厚は3.0nm程度に薄膜化することが可能である。このように保護層の膜厚が薄くなることで、スペーシングロスを改善してSN比(シグナルノイズ比)を向上させることができ、更なる高記録密度化を達成することが可能となる。
【0021】
希ガスは、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選択される1以上の分子からなることを特徴とする。中でも工業用として安価に入手可能なArを用いることが好適である。
【0022】
本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、CVD法により水素化炭素を用いて第1保護層を成膜する第1保護層成膜工程と、CVD法により水素化炭素に希ガスを添加して第2保護層を成膜する第2保護層成膜工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
第2保護層成膜工程において材料ガスである水素化炭素に希ガスを添加して成膜することにより、第2保護層の硬度を上昇させることができる。また第1保護層は希ガスを添加せずに成膜することにより、従来通りのやわらかい保護層を成膜することができる。これにより、薄くても、Dh/Ghが0.78〜0.96であり、B/Aが1.31〜1.34である保護層を実現することができる。
【0024】
上述した磁気記録媒体の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該磁気記録媒体の製造方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、摺動耐性や腐食耐性等の耐久性を向上させつつ、薄膜化を図ることのできる保護層を備える磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。
【図2】実施例と比較例の膜厚、B/A、Dh/Gh、スクラッチテスト(摺動耐性試験)、コロージョンテスト(腐食耐性試験)の結果を示す図である。
【図3】ラマンスペクトルのイメージを説明するための説明図である。
【図4】実施例と比較例のDh/GhとB/Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0028】
(実施形態)
本発明にかかる磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体100の構成を説明する図である。図1に示す垂直磁気記録媒体100は、ディスク基体110、付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、前下地層116、第1下地層118a、第2下地層118b、非磁性グラニュラー層120、第1磁気記録層122a、第2磁気記録層122b、補助記録層124、保護層126、潤滑層128で構成されている。なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとはあわせて磁気記録層122を構成する。
【0029】
[基体成型工程]
ディスク基体110は、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体110を得ることができる。
【0030】
[成膜工程]
上述した基体成型工程で得られたディスク基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112、軟磁性層114、前下地層116、下地層118、非磁性グラニュラー層120、磁気記録層122(磁気記録層成膜工程)、補助記録層124(補助記録層成膜工程)を順次成膜を行い、保護層126はCVD法により成膜する(保護層成膜工程)。この後、潤滑層128をディップコート法により成膜する(潤滑層成膜工程)。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および製造方法について説明する。
【0031】
付着層112はディスク基体110に接して形成され、この上に成膜される軟磁性層114とディスク基体110との剥離強度を高める機能と、この上に成膜される各層の結晶グレインを微細化及び均一化させる機能を備えている。付着層112は、ディスク基体110がアモルファスガラスからなる場合、そのアモルファスガラス表面に対応させる為にアモルファス(非晶質)の合金膜とすることが好ましい。
【0032】
付着層112としては、例えばCrTi系非晶質層、CoW系非晶質層、CrW系非晶質層、CrTa系非晶質層、CrNb系非晶質層から選択することができる。中でもCoW系合金膜は、微結晶を含むアモルファス金属膜を形成するので特に好ましい。付着層112は単一材料からなる単層でも良いが、複数層を積層して形成してもよい。例えばCrTi層の上にCoW層またはCrW層を形成してもよい。またこれらの付着層112は、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、又は酸素を含む材料によってスパッタを行うか、もしくは表面層をこれらのガスで暴露したものであることが好ましい。
【0033】
軟磁性層114は、垂直磁気記録方式において記録層に垂直方向に磁束を通過させるために、記録時に一時的に磁路を形成する層である。軟磁性層114は第1軟磁性層114aと第2軟磁性層114cの間に非磁性のスペーサ層114bを介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することができる。これにより軟磁性層114の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化方向の垂直成分が極めて少なくなるため、軟磁性層114から生じるノイズを低減することができる。第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成としては、CoTaZrなどのコバルト系合金、CoCrFeB、CoFeTaZrなどのCo−Fe系合金、[Ni−Fe/Sn]n多層構造のようなNi−Fe系合金などを用いることができる。
【0034】
前下地層116は非磁性の合金層であり、軟磁性層114を防護する作用と、この上に成膜される下地層118に含まれる六方最密充填構造(hcp構造)の磁化容易軸をディスク垂直方向に配向させる機能を備える。前下地層116は面心立方構造(fcc構造)の(111)面がディスク基体110の主表面と平行となっていることが好ましい。また前下地層116は、これらの結晶構造とアモルファスとが混在した構成としてもよい。前下地層116の材質としては、Ni、Cu、Pt、Pd、Zr、Hf、Nb、Taから選択することができる。さらにこれらの金属を主成分とし、Ti、V、Cr、Mo、Wのいずれか1つ以上の添加元素を含む合金としてもよい。例えばfcc構造を採る元素としてはNiW、CuW、CuCrを好適に選択することができる。
【0035】
下地層118はhcp構造であって、磁気記録層122のCoのhcp構造の結晶をグラニュラー構造として成長させる作用を有している。したがって、下地層118の結晶配向性が高いほど、すなわち下地層118の結晶の(0001)面がディスク基体110の主表面と平行になっているほど、磁気記録層122の配向性を向上させることができる。下地層118の材質としてはRuが代表的であるが、その他に、RuCr、RuCoから選択することができる。Ruはhcp構造をとり、また結晶の格子間隔がCoと近いため、Coを主成分とする磁気記録層122を良好に配向させることができる。
【0036】
下地層118をRuとした場合において、スパッタ時のガス圧を変更することによりRuからなる2層構造とすることができる。具体的には、下層側の第1下地層118aを形成する際にはArのガス圧を所定圧力、すなわち低圧にし、上層側の第2下地層118bを形成する際には、下層側の第1下地層118aを形成するときよりもArのガス圧を高くする、すなわち高圧にする。これにより、第1下地層118aによる磁気記録層122の結晶配向性の向上、および第2下地層118bによる磁気記録層122の磁性粒子の粒径の微細化が可能となる。
【0037】
また、ガス圧を高くするとスパッタリングされるプラズマイオンの平均自由行程が短くなるため、成膜速度が遅くなり、皮膜が粗になるため、Ruの結晶粒子の分離微細化を促進することができ、Coの微細化も可能となる。
【0038】
非磁性グラニュラー層120はグラニュラー構造を有する非磁性の層である。下地層118のhcp結晶構造の上に非磁性のグラニュラー層を形成し、この上に第1磁気記録層122a(または磁気記録層122)のグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期成長の段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。これにより、磁気記録層122の磁性粒子の孤立化を促進することができる。非磁性グラニュラー層120の組成は、Co系合金からなる非磁性の結晶粒子の間に、非磁性物質を偏析させて粒界を形成することにより、グラニュラー構造とすることができる。
【0039】
本実施形態においては、かかる非磁性グラニュラー層120にCoCr−SiOを用いる。これにより、Co系合金(非磁性の結晶粒子)の間にSiO(非磁性物質)が偏析して粒界を形成し、非磁性グラニュラー層120がグラニュラー構造となる。なお、CoCr−SiOは一例であり、これに限定されるものではない。他には、CoCrRu−SiOを好適に用いることができ、さらにRuに代えてRh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Au(金)も利用することができる。また非磁性物質とは、磁性粒(磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。例えば酸化珪素(SiOx)、クロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)を例示できる。
【0040】
なお本実施形態では、下地層188(第2下地層188b)の上に非磁性グラニュラー層120を設けているが、これに限定されるものではなく、非磁性グラニュラー層120を設けずに垂直磁気記録媒体100を構成することも可能である。
【0041】
磁気記録層122は、Co系合金、Fe系合金、Ni系合金から選択される硬磁性体の磁性粒の周囲に非磁性物質を偏析させて粒界を形成した柱状のグラニュラー構造を有した強磁性層である。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層120を設けることにより、そのグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長することができる。本実施形態では組成および膜厚の異なる第1磁気記録層122aと、第2磁気記録層122bとから構成されている。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bは、いずれも非磁性物質としてはSiO、Cr、TiO、B、Fe等の酸化物や、BN等の窒化物、B等の炭化物を好適に用いることができる。本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100は、ディスクリート型であるため、磁気記録層122がグラニュラー構造をとる構成により、SNRを向上させることが可能となる。
【0042】
本実施形態では、第1磁気記録層122aにCoCrPt−Crを用いる。CoCrPt−Crは、CoCrPtからなる磁性粒(グレイン)の周囲に、非磁性物質であるCrおよびCr(酸化物)が偏析して粒界を形成し、磁性粒が柱状に成長したグラニュラー構造を形成した。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層のグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長した。
【0043】
また第2磁気記録層122bには、CoCrPt−SiO−TiOを用いる。第2磁気記録層122bにおいても、CoCrPtからなる磁性粒(グレイン)の周囲に非磁性物質であるCrおよびSiO、TiO(複合酸化物)が偏析して粒界を形成し、磁性粒が柱状に成長したグラニュラー構造を形成した。
【0044】
なお、上記に示した第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bに用いた物質は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態では、第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bで異なる材料(ターゲット)であるが、これに限定されず組成や種類が同じ材料であってもよい。非磁性領域を形成するための非磁性物質としては、例えば酸化珪素(SiO)、クロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化鉄(Fe)、酸化ボロン(B)等の酸化物を例示できる。また、BN等の窒化物、B等の炭化物も好適に用いることができる。
【0045】
さらに本実施形態では、第1磁気記録層122aにおいて1種類の、第2磁気記録層122bにおいて2種類の非磁性物質(酸化物)を用いているが、これに限定されるものではなく、第1磁気記録層122aまたは第2磁気記録層122bのいずれかまたは両方において2種類以上の非磁性物質を複合して用いることも可能である。このとき含有する非磁性物質の種類には限定がないが、本実施形態の如く特にSiOおよびTiOを含むことが好ましい。したがって、本実施形態とは異なり、磁気記録層122が1層のみで構成される場合、かかる磁気記録層122はCoCrPt−SiO−TiOからなることが好ましい。
【0046】
補助記録層124は基体主表面の面内方向に磁気的にほぼ連続した磁性層である。補助記録層124は磁気記録層122に対して磁気的相互作用を有するように、隣接または近接している必要がある。補助記録層124の材質としては、例えばCoCrPt、CoCrPtB、またはこれらに微少量の酸化物を含有させて構成することができる。補助記録層124は逆磁区核形成磁界Hnの調整、保磁力Hcの調整を行い、これにより耐熱揺らぎ特性、OW特性、およびSNRの改善を図ることを目的としている。この目的を達成するために、補助記録層124は垂直磁気異方性Kuおよび飽和磁化Msが高いことが望ましい。なお本実施形態において補助記録層124は磁気記録層122の上方に設けているが、下方に設けてもよい。
【0047】
なお、「磁気的に連続している」とは磁性が連続していることを意味している。「ほぼ連続している」とは、補助記録層124全体で観察すれば一つの磁石ではなく、結晶粒子の粒界などによって磁性が不連続となっていてもよいことを意味している。粒界は結晶の不連続のみではなく、Crが偏析していてもよく、さらに微少量の酸化物を含有させて偏析させても良い。ただし補助記録層124に酸化物を含有する粒界を形成した場合であっても、磁気記録層122の粒界よりも面積が小さい(酸化物の含有量が少ない)ことが好ましい。補助記録層124の機能と作用については必ずしも明確ではないが、磁気記録層122のグラニュラー磁性粒と磁気的相互作用を有する(交換結合を行う)ことによってHnおよびHcを調整することができ、耐熱揺らぎ特性およびSNRを向上させていると考えられる。またグラニュラー磁性粒と接続する結晶粒子(磁気的相互作用を有する結晶粒子)がグラニュラー磁性粒の断面よりも広面積となるため磁気ヘッドから多くの磁束を受けて磁化反転しやすくなり、全体のOW特性を向上させるものと考えられる。
【0048】
なお補助記録層124として、単一の層ではなく、高い垂直磁気異方性かつ高い飽和磁化Msを示す薄膜を形成するCGC構造(Coupled Granular Continuous)としてもよい。なおCGC構造は、グラニュラー構造を有する磁気記録層と、PdやPtなどの非磁性物質からなる薄膜のカップリング制御層と、CoBとPdとの薄膜を積層した交互積層膜からなる交換エネルギー制御層とから構成することができる。
【0049】
保護層126は、真空を保ったままカーボンをCVD法により成膜して形成する。本実施形態において保護層126は、CVD法により水素化炭素を用いて成膜される第1保護層126aと、CVD法により水素化炭素に希ガスを添加して成膜される第2保護層126bとから構成される。一般にCVD法によって成膜されたカーボンはスパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録媒体100を防護することができる。
【0050】
上記の保護層126は、CVD法により水素化炭素を用いて第1保護層126aを成膜する第1保護層成膜工程と、CVD法により水素化炭素に希ガスを添加して第2保護層126bを成膜する第2保護層成膜工程とから成膜される。材料ガスに希ガスを添加するのは、材料ガスの分圧を下げるためである。ここで、混入するガスと材料ガスである水素化炭素とが反応することを防止するために希ガスを用いており、例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeから選択される1以上の分子から構成することができる。
【0051】
第1保護層成膜工程と、第2保護層成膜工程とは、同じチャンバ内で1つのタクト時間内に行ってもよいし、異なるチャンバを用いて異なるタクト時間に行ってもよい。いずれの場合においても、同様に上記の保護層126(第1保護層126a、第2保護層126b)を成膜することができる。
【0052】
上記のように構成すると、まず第1保護層126aは、グラファイトカーボンの多いやわらかいカーボン層として成膜することができる。次に、特に第2保護層126bは、希ガスを添加して水素化炭素の分圧を下げていることから、ダイヤモンドライクカーボンの多い硬いカーボン層を成膜することができる。
【0053】
これにより、第1保護層126aがやわらかく緻密な膜であるため、腐食耐性を向上させることができる。また、第2保護層126bが硬いことから、保護層126の摺動耐性を向上させることができる。これらのことから、保護層126が薄くとも所望の摺動耐性と腐食耐性を得ることができ、保護層126全体の薄膜化を図ることができる。
【0054】
なお、希ガスを添加したガスを用いてCVD成膜を行うと、第2保護層126bには希ガスの原子(分子が分解したもの)が混入する。しかしこの場合においても、希ガスであればCやHと化学変化が生じないため、保護層の特性に影響を与えることがなく、支障が生じない。
【0055】
水素化炭素と希ガスの流量比(成分比)は適宜定めることができるが、一例として50%:50%とすることができる。
【0056】
なお、雰囲気ガスの圧力を低下させることによっても、保護層を硬くできることが知られている。しかしこの場合は、プラズマ生成が不安定になるために保護層の成膜が不確実になってしまう。これに対し上記のように希ガスを添加することにより、圧力が低い状態と同様に硬い膜を成膜することができると共に、雰囲気ガス全体の圧力は低下していないことからプラズマの安定性を維持し、均一な膜を形成することができる。
【0057】
保護層126を成膜した後は、さらに窒化処理工程を行う。窒化処理工程は、チャンバ内に窒素ガスを導入して、磁気記録媒体に高周波バイアスを印加し、表面エッチングにより行う(窒素を保護層にドープする方法)。なお窒化炭素を用いたCVD法やスパッタリング法によって窒化炭素膜を形成してもよい。
【0058】
潤滑層128は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜する。PFPEは長い鎖状の分子構造を有し、末端に水酸基(OH)を配している。PFPEの末端に配される水酸基は保護層126の表面に存在する窒素と高い親和性がある。したがって、本実施形態にかかる保護層成膜工程および窒化処理工程を含むことにより保護層126の表面に窒素を含有させることが可能となり、潤滑層128の保護層126に対する付着率(ボンデッドレシオ)を向上させることができる。この潤滑層128の作用により、垂直磁気記録媒体100の表面に磁気ヘッドが接触しても、保護層126の損傷や欠損を防止することができる。
【0059】
(実施例と評価)
ディスク基体110上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、付着層112から補助記録層124まで順次成膜を行った。付着層112は、CrTiとした。軟磁性層114は、第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成はCoFeTaZrとし、スペーサ層114bの組成はRuとした。前下地層116の組成はfcc構造のNiW合金とした。下地層118は、第1下地層118aは低圧Ar下でRuを成膜し、第2下地層118bは高圧Ar下でRuを成膜した。非磁性グラニュラー層120の組成は非磁性のCoCr−SiOとした。第1磁気記録層122aの組成は、CoCrPt−Crとし、第2磁気記録層122bの組成は、CoCrPt−SiO−TiOとした。補助記録層124の組成はCoCrPtBとした。保護層126は下記のように実施例と比較例で異なる構成とした。潤滑層128はディップコート法によりPFPEを用いて形成した。
【0060】
ここで実施例として、保護層126を成膜する保護層成膜工程において、CVD法により、第1保護層126aをCを用いて成膜し、第2保護層126bをCにAr(50:50)を添加した雰囲気ガスで成膜した。比較例1として、単層の保護層をCにて成膜した。比較例2として、単層の保護層をCにAr(50:50)を添加した雰囲気ガスで成膜した。
【0061】
図2は実施例と比較例の膜厚、B/A、Dh/Gh、スクラッチテスト(摺動耐性試験)、コロージョンテスト(腐食耐性試験)の結果を示す図である。図3は、ラマンスペクトルのイメージを説明するための説明図である。図4は実施例と比較例のDh/GhとB/Aを示す図である。
【0062】
図2に示すように、スクラッチテストを行った結果、比較例1の保護層は、少なくとも膜厚が4.0nm、比較例2の保護層は3.5nm程度ないとスクラッチを生じてしまう(図2中×で示す)ことがわかった。一方実施例の保護層126は、3.0nm以上あればスクラッチが発生しなかった(図2中○で示す)。
【0063】
さらに図2に示すように、コロージョンテストを行った結果、比較例1、比較例2、実施例は共に、膜厚が3.0nm以上あればよいことが分かった。ここでコロージョンテストは室温85℃、湿度80%の環境下に垂直磁気記録媒体100を約1週間放置した時に直磁気記録媒体100表面上に析出したCoのスポット数を検出し、所定数以上のものを不良品(図2中×で示す)とし、所定数以下のものを良品(図2中○で示す)と判定した。
【0064】
図3は、上述のように、ラマンスペクトルのイメージを説明するための説明図である。ここでは、媒体保護層126の表面に波長が514.5nmのArイオンレーザーを照射し、900cm−1〜1800cm−1の波数帯に表れるラマン散乱によるストークス成分を観察し、ストークス散乱の振動数と入射レーザーの振動数の差であるラマンシフトをスペクトルとして測定している。ラマンスペクトル分析は通常、潤滑層128塗布(成膜)前に行うが、潤滑層128塗布後に測定してもよい。
【0065】
ラマンスペクトルの波数900cm−1から1800cm−1の範囲の内、蛍光によるバックグランドを直線近似で補正し、低波数側(1350cm−1付近をピークとする。以下Dピークと略す)と高波数側(1520cm−1付近をピークとする。以下Gピークと略す)とをガウス関数により波形分離したときの、DピークとGピークのピーク高さ(それぞれDh、Ghと略す)の比をDh/Ghとする。Dhは炭素の未結合手であるダングリングボンドによって周波数がシフトしたストークス成分であり、近距離秩序の高さを反映している。GhはGLC(Graphite like Carbon)によって周波数がシフトしたストークス成分である。Dh/Ghが高いほど近距離秩序が高くアモルファス・グラファイト成分が少なく、ダイヤモンドライク成分が多い、硬い被膜であるということができる。
【0066】
また図3において、Gピークの蛍光を含んだバックグラウンド強度(B)と蛍光を除いたピーク強度(A)との比B/Aによって膜質を評価することができる。B/Aは、媒体保護層126の炭素と水素とのポリマー性結合の割合を示しており、B/Aが大きいほど水素含有量が多いということができる。換言すれば、B/Aが低いほど膜の密度が高くなり、緻密な膜が形成されているということができる。
【0067】
Dh/Ghは、耐摺動性の観点から、0.78以上であることが望ましい。ただし、Dh/Ghが0.96より大きくなると媒体保護層126が脆くなってしまうため、0.96以下であることが望ましい。図4(a)に示すように、比較例1および比較例2を比べると、同じ膜厚でも、雰囲気ガスのうち材料ガスであるCが薄い比較例2のほうが、よりDh/Ghが高いことがわかる。また、実施例は、比較例1および比較例2と比べてさらにDh/Ghが高くなっている。このことから、雰囲気ガスに希ガスを添加し、さらに2層構成とすることにより、媒体保護層126の膜厚を薄膜化しても所定の硬度を得られることがわかる。
【0068】
一方、図4(b)を参照すれば、B/Aは膜厚が厚いほどに小さくなる(密度が高くなる)ことがわかる。比較例1と比較例2を比較すると、希ガスの添加がある比較例2のほうがB/Aが低下していることがわかる。このことから、希ガスを添加することで緻密な膜が形成されたということができる。さらに実施例は、比較例2よりもB/Aが低下していることがわかる。このことから、希ガスを添加し、2層構成とすることで、さらに緻密な膜が形成されたということができる。ここでB/Aは腐食耐性の観点から1.31〜1.34であることが望ましい。媒体保護層126のB/Aが1.34以下となるのは、実施例では膜厚3.0nm以上、比較例2では膜厚4.0nm以上、比較例1では存在しない。すなわち実施例では所定の条件を膜厚3.0nmで満たし、より薄膜化が可能となった。
【0069】
図2に戻って、膜厚の評価を行えば、上記説明したように、膜厚は薄いほど好ましい。そして従来は4.5nm以上の膜厚が必要であったが、高記録密度化のためにスペーシングロス(磁気ヘッドと磁気記録層とのギャップ)の低減を図ろうと考えた場合、3nm以下とすることが好ましい。その観点から判断して、膜厚が3nm以下を図中○で示し、3.5nm以上を図中△で示している。
【0070】
総合評価は、スクラッチテスト、コロージョンテスト、膜厚評価のうち、最も低い評価を拾い出したものである。総合評価において○となっているものは、全ての項目において○になっているパターンである。そして総合評価が○となっている構成を含むのは、実施例のみであった。他の実施例および比較例でも膜厚が厚くなれば摺動耐性や腐食耐性は要件を満たすようになるが、3.0nmまで薄膜化を達成できるのは実施例の場合のみであった。このことから、保護層を2層とし、第1保護層126aをCを用いて成膜し、第2保護層126bをCにArを添加した雰囲気ガスで成膜することにより、保護層を薄膜化可能であることが確認された。
【0071】
以上を総合すると、実施例では、膜厚3.0nmでも規定の条件を満たすことができ、薄膜化を果たしながら高い耐摺動性や腐食耐性等の耐久性を得ることができた。膜厚が薄くなることで、スペーシングロスを改善してSN比(シグナルノイズ比)を向上させることができ、更なる高記録密度化を達成することが可能となる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 …垂直磁気記録媒体
110 …基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …補助記録層
126 …保護層
126a …第1保護層
126b …第2保護層
128 …潤滑層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に少なくとも、磁気記録層と、保護層とを、この順に備える垂直磁気記録媒体において、
前記保護層は表層側に希ガスの原子を含有し、
かつ、前記保護層のラマン分光法におけるGピークの高さをGhとし、Dピークの高さをDhとし、前記Gピークの蛍光を含んだバックグラウンド強度をBとし、前記Gピークの蛍光を除いたピーク強度をAとした場合、前記保護層のラマン分光法による測定結果は、Dh/Ghが0.78〜0.96であり、B/Aが1.31〜1.34であることにより、
前記保護層を薄膜化可能であることを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】
前記希ガスは、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選択される1以上の分子からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】
磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、
CVD法により水素化炭素を用いて第1保護層を成膜する第1保護層成膜工程と、
CVD法により水素化炭素に希ガスを添加して第2保護層を成膜する第2保護層成膜工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−244666(P2010−244666A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95251(P2009−95251)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(501259732)ホーヤ マグネティクス シンガポール プライベートリミテッド (124)
【Fターム(参考)】