説明

空冷式燃料電池車両

【課題】空冷式燃料電池車両において、空冷式燃料電池スタック及び電気機器冷却用の放熱器の冷却性能を向上させることにある。
【解決手段】空冷式燃料電池スタック(12)は、車両幅方向(Y)の両側部に空気入口(27L、27R)を備えるとともに、車両幅方向(Y)の中央部に空気出口(28L、28R)とこの空気出口(28L、28R)から流出した空気を車両後方に排出する排気ダクト(29)を備え、空気入口(27L、27R)には夫々車両前方へ延びる吸気ダクト(32L、32R)を接続し、この吸気ダクト(32L、32R)の空気取入口(33L、33R)を放熱器(26)の車両幅方向(Y)の両側かつ放熱器(26)よりも車両前側に開口させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空冷式燃料電池車両に係り、特に放熱器と空冷式燃料電池スタックとをレイアウトする空冷式燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
低圧のブロアファンを用い、反応用の空気と冷却用の空気を兼用する空冷式燃料電池車両においては、吸排気損失を低減、十分な空気を供給するために、空冷式燃料電池スタックの吸排気部を大きく取らなければならない。
また、電動車両としてモータ等の電気部品の冷却に約60〜70℃の放熱を行う放熱器(ラジエータ)が必要となるが、比較的低温で駆動する空冷式燃料電池車両においては、車体パネルによって囲まれる車両前部の空間内の放熱器で暖められた空気では温度差が得られず、冷却効率が著しく低減し、燃料電池スタックへの空気に使用できないため、内燃機関搭載車両以上の遮熱構造が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−216783号公報
【0004】
特許文献1に係る車載用燃料電池スタックの運転方法は、発電セルの温度を計測し、この計測した温度が、予め定めた発電セル運転基準温度以下であれば、空気量配分機構により、冷却用空気の配分をゼロにする制御を行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、内燃機関を搭載する車両においては、燃焼用・冷却用の吸気部と放熱器、エアコン(A/C)コンデンサ等の熱交換器の相対的なレイアウトに関して多くの技術が存在しているが、空冷式燃料電池車両についての技術は確認できなかった。
【0006】
また、水冷式燃料電池車両では、一般的に、図6に示すように、水冷式燃料電池システム101において、高圧水素タンク102に圧縮して貯蔵された水素ガスを、減圧弁103を介して水冷式燃料電池スタック104のアノード吸気部に導入し、一方で、フィルタ105を通して吸入した空気をコンプレッサ106により圧縮して水冷式燃料電池スタック104のカソード吸気部に導入することにより、水冷式燃料電池スタック104で発電が行われる。水冷式燃料電池スタック104のカソード排気部から排気されたカソード排気は、気水分離器107により排気中の水分の一部が分離された後、カソード系の圧力制御を目的とした背圧弁108を介して外気に放出される。また、水冷式燃料電池スタック104からのアノード排気も、同様に、気水分離器109を通り、パージ弁110を経てカソード排気に混入される。アノードからのパージ水素排気量は、カソード排気量に比べて十分に相対的に流量が小さいものである。このため、カソード排気により、アノードパージ水素を可燃下限濃度である4%以下として外気に放出することができる。一方、水素の利用率を向上させるため、水素ポンプ111を用いて、アノード排気を水冷式燃料電池スタック104のアノード吸気部に再循環させる。
次いで、水冷式燃料電池システム101の冷却システム112について説明する。
この冷却システム112の冷却ループには、水冷式燃料電池スタック104の前段あるいは後段に水ポンプ113を備え、冷却水を圧送する。水冷式燃料電池スタック104を冷却した冷却水は、ラジエータ114において大気と熱交換した後、再度、水冷式燃料電池スタック104に戻される。また、ラジエータ114と並列に、調整弁115を介して車室内暖房のためのヒータコア116を具備し、暖房が必要な場合は調整弁115を開けることでヒータコア116に高温冷却水を供給し、送風のための送風ファン117を駆動することにより、暖房に供するものである。但し、水冷式燃料電池スタック104の廃熱量は、内燃機関のそれに比べて非常に小さいため、この他に電気ヒータ等他の熱源を併用するのが一般的である。
上述のように、水冷式燃料電池システム101においては、水冷式燃料電池スタック104の出力密度を向上させるために導入空気を圧縮するコンプレッサ106を始めとして多くの補機類を備えるため、システムの複雑化、大型化、重量化、高コスト化に繋がるという不都合があった。
これに対し、空気を反応ガス兼冷却媒体として使用する空冷式燃料電池システムでは、空気で燃料電池スタックを冷却でき、かつ空気を低圧のブロアファンによって燃料電池スタックに供給できるため、水冷式燃料電池システムと比べてシステムを簡素化できる。しかし、車両の前部には電気機器冷却用の放熱器等が配置されており、このような放熱器を冷却して昇温した空気を吸気ダクトに吸入しないように配慮する必要があった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、空冷式燃料電池スタック及び電気機器冷却用の放熱器の冷却性能を向上させる空冷式燃料電池車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上方及び車両幅方向両側を車体パネルによって囲まれる車両前部の空間に電気機器を冷却する放熱器を配置し、空気を反応ガス兼冷却媒体として使用する空冷式燃料電池スタックを前記放熱器の後方に配置した空冷式燃料電池車両において、前記空冷式燃料電池スタックは、車両幅方向両側部に空気入口を備えるとともに、車両幅方向中央部に空気出口とこの空気出口から流出した空気を車両後方に排出する排気ダクトを備え、前記空気入口には夫々車両前方へ延びる吸気ダクトを接続し、この吸気ダクトの空気取入口を前記放熱器の車両幅方向両側かつ前記放熱器よりも車両前側に開口させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の空冷式燃料電池車両は、空冷式燃料電池スタック及び電気機器冷却用の放熱器の冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は車両前部の平面図である。(実施例)
【図2】図2は車両前部の左側面図である。(実施例)
【図3】図3は空冷式燃料電池スタックの正面図である。(実施例)
【図4】図4は空冷式燃料電池スタックのセルの断面図である。(実施例)
【図5】図5は空冷式燃料電池システムの構成図である。(実施例)
【図6】図6は水冷式燃料電池システムの構成図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明は、空冷式燃料電池スタック及び電気機器冷却用の放熱器の冷却性能を向上させる目的を、コンプレッサ等の補機類を極力廃し、システムを簡素化して実現するものである。
【実施例】
【0012】
図1〜図5は、この発明の実施例を示すものである。
図1、図2において、1は空冷式燃料電池車両、2は車体パネル(フロントフード)、3はダッシュパネル、4Lは左側前輪、4Rは右側前輪、5Lは左側フェンダ、5Rは右側フェンダ、6Lは左サイドパネル、6Rは右サイドパネル、7は前側クロスメンバである。車体パネル2は、上方及び車両前後方向Xと直交する方向の車両幅方向(車両左右方向)Yの両側を囲んで車両前部に空間8を形成する。
【0013】
空冷式燃料電池車両1には、上記の空間8内に空冷式燃料電池システム9が搭載される。
図5に示すように、空冷式燃料電池システム9においては、高圧の水素タンク10に圧縮して貯蔵された水素ガスを減圧弁11により降圧した後に空冷式燃料電池スタック12のアノード吸気部に導入するが、一般的に、カソード吸気部に空気を供給する経路には高圧圧縮のコンプレッサを有さず、フィルタ13を通じて吸入された空気を低圧のブロアファン14によって空冷式燃料電池スタック12に供給する。この空冷式燃料電池スタック12に供給された空気は、空冷式燃料電池スタック12における発電反応に供するのみでなく、空冷式燃料電池スタック12における廃熱を奪い、空冷式燃料電池スタック12を冷却する役割を有する。空冷式燃料電池スタック12のアノード排気は、パージ弁15を介して空冷式燃料電池スタック12からのカソード排気に混合し、このアノード側のパージを行う際には、排気水素ガスをカソード側排気により可燃下限濃度以下に希釈して外部に放出する。
この空冷式燃料電池システム9では、電気化学反応と、それに付随して水を生成する。空冷式燃料電池スタック12は、通常、セルと呼ばれる最小構成単位を多数積層して構成されている。
【0014】
図4に示すように、通常の固体高分子型の空冷式燃料電池スタック12において、各セル16には、水素及び空気(酸素)をそれぞれ供給するアノード極17とカソード極18とを電流線19で接続するとともにこの電流線19の途中に電気負荷20を配置し、また、アノード極17とカソード極18とに挟まれてアノード側拡散層21・カソード側拡散層22及び反応活性化のためのアノード側触媒層23・カソード側触媒層24、そして、中央部位に水素イオンを選択的に透過させる電解質膜25を配置している。
そして、アノード極17に供給された水素分子(H)は、アノード極17の電解質膜25の表面にあるアノード側触媒層23において活性な水素原子となり、さらに水素イオン(H)となって電子を放出する。
この図4において「1」で示される反応は、以下の式(1)で表される。
→2H+2e …(l)
この式(1)により発生した水素イオン(H)は、電解質膜25に含まれる水分を伴ってアノード極17側からカソード極18側へと電解質膜25中を移動し、また、電子(e)は、外部回路を通じてカソード極18に移動する。一方のカソード極18に供給された空気中の酸素分子(O)は、カソード側触媒層24において外部回路から供給された電子(e)を受け取り酸素イオンとなり、電解質膜25を移動してきた水素イオン(H)と結合して水(HO)となる。
この図4において「2」で示される反応は、以下の式(2)で表される。
1/2×O+2H+2e→HO …(2)
この式(2)で生成された水分(HO)の一部は、濃度拡散によりカソード極18からアノード極17へと移動する。
上述の化学反応において、空冷式燃料電池スタック12の内部では電解質膜25や電極の電気抵抗に起因する抵抗過電圧、水素と酸素とが電気化学反応を起こすための活性化過電圧、アノード側拡散層21・カソード側拡散層22中を水素や酸素が移動するための拡散過電圧等の様々な損失が発生し、それにより発生した廃熱を冷却する必要がある。
【0015】
空冷式燃料電池システム9においては、空冷式燃料電池スタック12の冷却に専用の熱交換機器を必要としない。しかし、電動車両としてモータ等の電気部品の冷却には、60〜70℃の放熱を行うように、後述の放熱器(ラジエータ)26が必要となる。
車両前部の空間8内に空冷式燃料電池スタック12を搭載する空冷式燃料電池車両1においては、放熱器26からの廃熱を空冷式燃料電池スタック12が吸収することは、避けたい。
そこで、この実施例では、空間8内に空冷式燃料電池スタック12を搭載する空冷式燃料電池車両1において、空冷式燃料電池スタックへ12の吸気部位を、放熱器26の左右に配置することで、放熱器26の廃熱を空冷式燃料電池スタック12の吸気部へ送られることを回避するレイアウトとする。つまり、空冷式燃料電池スタック12に供給される空気は、発電反応に供するのみではなく、空冷式燃料電池スタック12の冷却にも使用されるため、放熱器26からの暖められた空気を吸入しないようなレイアウトとしている。
【0016】
以下に、車両前部における空冷式燃料電池スタック12等の部品のレイアウトを、具体的に説明する。
図1、図2に示すように、車体パネル2で形成された空間8には、電気機器を冷却する放熱器(ラジエータ)26が配置される。この放熱器26は、車両前部の前側で且つ車両幅方向Yの中央部で、車両幅方向Yに延びるように配置されている。この放熱器26の後方には、空気を反応ガス兼冷却媒体として使用する空冷式燃料電池スタック12が配置される。
空冷式燃料電池スタック12は、車両幅方向Yの中央部に対して両側部の、左側燃料電池スタック12Lと右側燃料電池スタック12Rとからなる。
この左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rは、車両幅方向Yの両側部の空気入口として、左側空気入口27L・右側空気入口27Rを備えているとともに、車両幅方向Yの中央部に左側空気出口28L・右側空気出口28Rを備えている。また、左側空気出口28L・右側空気出口28Rの車両幅方向Yの中央部側には、低圧のブロアファン14としての、左側ブロアファン14L・右側ブロアファン14Rが配置されている。
【0017】
また、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rは、左側空気出口28L・右側空気出口28Rから流出した空気を車両後方に排出するように、左側ブロアファン14L・右側ブロアファン14Rの内壁に沿った排気ダクト29を車両幅方向Yの中央部で備えている。この排気ダクト29は、空冷式燃料電池スタック12の正面視で略中央部位に配置され、排気通路30を形成して空冷式燃料電池スタック12の後端から後方へ所定の長さで突出している。
更に、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの車両前方側には、放熱器26からの排気を車両幅方向Yの中央部の排気ダクト29内に円滑(スムーズ)に導くように傾斜した左側導風板31L・右側導風板31Rが配置されている。
左側空気入口27L・右側空気入口27Rには、夫々車両前方へ延びる左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rが接続している。
この左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rの左側空気取入口33L・右側空気取入口33Rは、放熱器26の車両幅方向Yの両側かつ放熱器26よりも車両前側に開口している。
左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの後方で且つ排気ダクト29の下方には、電気機器としてのモータ34が配置されている。
【0018】
上記のようなレイアウトにより、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの車両幅方向Yの両側の左側空気入口27L・右側空気入口27Rから空気を取り入れ、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rを冷却した空気を左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの車両幅方向Yの中央部の左側空気出口28L・右側空気出口28Rからまとめて車両後方へ排気することができ、これにより、放熱器26を放熱器26の車両幅方向Yの両側を通過する冷えた空気を左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rに取り入れ易い構造とすることができる。
そして、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rを上記のような構造とすることによって、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rの左側空気取入口33L・右側空気取入口33Rの開口面積を増加させるとともに、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rの曲がりを減少させて通路抵抗を減少させることができ、これにより、放熱器26を冷却する前の冷えた空気をより多量に左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rに供給でき、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの冷却性能を向上させることができる。
また、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rの左側空気取入口33L・右側空気取入口33Rを放熱器26よりも前方、若しくは並列に配置させているので、放熱器26の廃熱の吸気を避けることができる。
さらに、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの排気系では、図1、図2に示すように、放熱器26の後方に排気ダクト29を設けることで、放熱器26から排出された暖気が滞留することなく、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの排気と共に外部に排出される構造となり、このような構造により、放熱器26の排熱を滞留させることなくできるため、空間8内の温度上昇を抑えることができ、この結果、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rの温度上昇を抑えることができ、また、通常走行時には、ラムエアが入ってくるため、スムーズに排気できる。
【0019】
図1に示すように、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rは、車両幅方向Yの内側の左内側外壁35L・右内側外壁35Rが、夫々放熱器26の車両幅方向Yの外側の左外側外壁36L・右外側外壁36Rに沿うように配置されるとともに車両前後方向Xに対して車両幅方向Yの外側へ広がるように所定の角度で傾斜している。
このような構造により、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rは、車両幅方向Yの内側の左内側外壁35L・右内側外壁35Rを放熱器26に対するエアガイド部として機能させ、放熱器26により多くの冷却用の空気を供給することができ、これにより、放熱器26の冷却性能を向上することができる。
つまり、風への抵抗が高い放熱器26を避けるように放熱器26の左右両側を走行風が抜け、冷却性能が低下する可能性がある。この現象を抑えるため、この実施例では、左側空気取入口33L・右側空気取入口33Rを車両外側へ向けることで、全体が放熱器26の導風板の役割をする構造としている。
【0020】
また、左側吸気ダクト32L・右側吸気ダクト32Rは、左側空気取入口33L・右側空気取入口33Rに防塵用の左側メッシュカバー37L・右側メッシュカバー37Rを備えている。
この左側メッシュカバー37L・右側メッシュカバー37Rの存在により、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12R内への異物の侵入を防止できる。
【0021】
更に、排気ダクト29は、車両前方に開口し、放熱器26を通過した空気が流入する放熱器用開口部38を備えている。この放熱器用開口部38は、図3に示すように、正面視で、防塵用のダクト側メッシュカバー39を備え、空冷式燃料電池スタック12の略中央部位に配置されている。
このような排気ダクト29の構造によって、図1に示すように、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rから排出される空気と放熱器26を冷却した空気とを、流速を低下させないように合流させて左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12Rから車両後方にスムーズに排出でき、左側燃料電池スタック12L・右側燃料電池スタック12R及び放熱器26の冷却性能を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明に係る空冷式燃料電池システムのレイアウトを、水冷式燃料電池システムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0023】
1 空冷式燃料電池車両
2 車体パネル
8 空間
9 空冷式燃料電池システム
12 空冷式燃料電池スタック
12L 左側燃料電池スタック
12R 右側燃料電池スタック
14 ブロアファン
14L 左側ブロアファン
14R 右側ブロアファン
26 放熱器
27L 左側空気入口
27R 右側空気入口
28L 左側空気出口
28R 右側空気出口
29 排気ダクト
31L 左側導風板
31R 右側導風板
32L 左側吸気ダクト
32R 右側吸気ダクト
33L 左側空気取入口
33R 右側空気取入口
34 モータ
35L 左内側外壁
35R 右内側外壁
36L 左外側外壁
36R 右外側外壁
37L 左側メッシュカバー
37R 右側メッシュカバー
38 放熱器用開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方及び車両幅方向両側を車体パネルによって囲まれる車両前部の空間に電気機器を冷却する放熱器を配置し、空気を反応ガス兼冷却媒体として使用する空冷式燃料電池スタックを前記放熱器の後方に配置した空冷式燃料電池車両において、前記空冷式燃料電池スタックは、車両幅方向両側部に空気入口を備えるとともに、車両幅方向中央部に空気出口とこの空気出口から流出した空気を車両後方に排出する排気ダクトを備え、前記空気入口には夫々車両前方へ延びる吸気ダクトを接続し、この吸気ダクトの空気取入口を前記放熱器の車両幅方向両側かつ前記放熱器よりも車両前側に開口させたことを特徴とする空冷式燃料電池車両。
【請求項2】
前記各吸気ダクトは、車両幅方向内側の外壁が、夫々前記放熱器の車両幅方向外側の外壁に沿うように配置されるとともに車両前後方向に対して車両幅方向外側へ広がるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の空冷式燃料電池車両。
【請求項3】
前記吸気ダクトは、前記空気取入口に防塵用のメッシュカバーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の空冷式燃料電池車両。
【請求項4】
前記排気ダクトは、車両前方に開口して、前記放熱器を通過した空気が流入する放熱器用開口部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の空冷式燃料電池車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−25294(P2012−25294A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166833(P2010−166833)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】