説明

窒化物半導体素子及びその製造方法

【課題】耐圧を高めた窒化物半導体素子及び製造方法を提供する。
【解決手段】第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成された窒化物半導体層30と、窒化物半導体層30上にオーミック接触されるソース電極50とドレイン電極60と、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に形成され、ソース電極50から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成された多数のP型窒化物半導体セグメント80と、ソース電極50とドレイン電極60との間でソース電極50に近く形成され、多数のP型窒化物半導体セグメント80間の窒化物半導体層30上及びP型窒化物半導体セグメント80上に接触されるゲート電極70とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体素子及びその製造方法に関し、特に、窒化物半導体層構造上にP型窒化物半導体層が部分的に形成された窒化物半導体素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グリーンエネルギ政策などに伴って、電力消費の節減への関心が増加している。このために、電力変換効率の上昇は必須な要素である。電力変換において、パワースイッチング素子の効率は、全電力変換効率を左右する。
【0003】
現在、通常利用される電力素子は、シリコンを用いるパワーMOSFETやIGBTが大部分であるが、シリコンの材料的な限界によって、素子の効率増加に限界があることがある。これを解決するために、窒化ガリウム(Gallium Nitride:GaN)のような窒化物半導体を用いるトランジスタを製作して、変換効率を高めようとする特許が出願されている。
【0004】
しかし、現在までは、同種(homogeneous)GaN基板の場合、製作が非常に難しく、大部分の場合、シリコン(Si)、サファイヤ(Sapphire)、シリコンカーバイド(SiC)などの基板に異種成長をしてGaN膜を製作していて、高品質のGaN基板を得るのに困難さがある。そのため、現在までは、電気的特性が理論値に応じないため、設計的に耐圧を高めようとする研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−225765号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2004−0013136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の窒化物半導体、例えばGaN HFETは、ターンオフ時にもチャネル抵抗が非常に低く、ゲート電極端に電圧が集中して高耐圧を具現するのが難しいという不都合がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、窒化物半導体層構造上にP型窒化物半導体層を部分的に形成し、ターンオフ時にチャネルの2DEGを空乏(depletion)させて耐圧を高める半導体素子及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、本発明の第1の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成された窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、前記ソース電極から離間して窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定の距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成された多数のP型窒化物半導体セグメントと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で該ソース電極に近く形成され、前記多数のP型窒化物半導体セグメント間の窒化物半導体層上及び該P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と整列されるソース側の側壁方向に延在するP型窒化物半導体セグメント上に接触されるゲート電極と、を含む窒化物半導体素子が提供される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁は、ゲート電極のソース側の側壁と一致するように整列されるかまたは該ソース側の側壁に至らないように整列される。
【0010】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触される。
【0011】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料はAlGaNである。
【0012】
また、本発明の一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントは、第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなる。
【0013】
また、上記目的を解決するために、本発明の第2の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成された窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、前記ソース電極から離間して窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定の距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成された多数のP型窒化物半導体セグメントと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の窒化物半導体層上でソース電極に近く形成され、前記ドレイン側の側壁がP型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と接触されるゲート電極と、を含む窒化物半導体素子が提供される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触される。
【0015】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料は、AlGaNである。
【0016】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントは、第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなる。
【0017】
また、上記目的を解決するために、本発明の第3の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、前記ソース電極から離間して窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定距離だけ離間され前記ソース電極に並行して配設された幹部と該幹部からドレイン側へ長く形成された多数の枝セグメントとを含むP型窒化物半導体構造物と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で該ソース電極に近く形成され、窒化物半導体層上と前記幹部のソース側の第1の側壁と整列されるソース側の側壁に至らないP型窒化物半導体構造物の幹部上とに接触されるゲート電極と、を含む窒化物半導体素子が提供される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物の枝セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触される。
【0019】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料は、AlGaNである。
【0020】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物は、第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなる。
【0021】
また、上記目的を解決するために、本発明の第4の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、ソース電極及び該ソース電極から離間されたドレイン電極を窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、窒化物半導体層上に多数のP型窒化物半導体セグメントを形成し、P型窒化物半導体セグメントの各々は、ソース電極とドレイン電極との間に配設され、ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成されるようにして、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメントを形成するステップと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で該ソース電極に近く配設されるように、多数のP型窒化物半導体セグメント間の窒化物半導体層上、及びP型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と整列されるソース側の側壁方向に延在するP型窒化物半導体セグメント上に接触されるゲート電極を形成するステップと、を含む窒化物半導体素子の製造方法が提供される。
【0022】
一実施形態によれば、前記ゲート電極を形成するステップにて、前記ゲート電極のソース側の側壁は、P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と一致して整列されるように前記ゲート電極を形成するか、P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁がゲート電極のソース側の側壁に至ることなく整列されるように前記ゲート電極を形成する。
【0023】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触されるようにP型窒化物半導体セグメントを配設する。
【0024】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、P−GaNを用いてP型窒化物半導体セグメントを形成する。
【0025】
また、上記目的を解決するために、本発明の第5の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、ソース電極及び該ソース電極から離間されたドレイン電極を窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、窒化物半導体層上に多数のP型窒化物半導体セグメントを形成し、P型窒化物半導体セグメントの各々は、ソース電極とドレイン電極との間に配設され、ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成されるようにして、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメントを形成するステップと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の窒化物半導体層上でソース電極に近く配設され、ドレイン側の側壁がP型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と接触されるゲート電極を形成するステップと、を含む窒化物半導体素子の製造方法が提供される。
【0026】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触されるようにP型窒化物半導体セグメントを配設する。
【0027】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、P−GaNを用いてP型窒化物半導体セグメントを形成する。
【0028】
また、上記目的を解決するために、本発明の第6の実施形態によれば、第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、ソース電極及び該ソース電極から離間されたドレイン電極を窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、窒化物半導体層上に幹部と該幹部から形成された多数の枝セグメントとを含むP型窒化物半導体構造物を形成し、P型窒化物半導体構造物は、ソース電極とドレイン電極との間に配設され、幹部は、ソース電極から所定距離だけ離間されソース電極に並行して配設されるようにし、枝セグメントの各々は、ドレイン側に長く形成されるようにして、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体構造物を形成するステップと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で該ソース電極に近く配設されるように、窒化物半導体層上及び幹部のソース側の第1の側壁と整列されるソース側の側壁に至らないP型窒化物半導体構造物の幹部上に接触されるゲート電極を形成するステップと、を含む窒化物半導体素子の製造方法が提供される。
【0029】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物の枝セグメントのドレイン側の第2の側壁は、該ドレイン電極から所定距離だけ離間されるかまたは該ドレイン電極と接触される。
【0030】
また、一実施形態によれば、第1の窒化物層の材料はGaNで、第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、P−GaNを用いてP型窒化物半導体構造物を形成する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、窒化物半導体層構造上にP型窒化物半導体層を部分的に形成し、ターンオフ時にチャネルの2DEGを空乏させて耐圧を高めることができるという効果が奏する。
【0032】
また、本発明によれば、窒化物高電子移動度トランジスタ(HFET)は、既存の窒化物半導体形態より高い耐圧を具現することができるという効果が奏する。
【0033】
また、ゲート/ドレイン間の距離を狭めて低いオン抵抗も具現することができるという効果が奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1a】本発明の一実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図である。
【図1b】本発明の一実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図である。
【図2】図1a中のI−I′線に沿った概略的な断面図である。
【図3a】図1aに示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図3b】図1aに示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図3c】図1aに示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図3d】図1aに示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図である。
【図5a】図4に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図5b】図4に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図5c】図4に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図5d】図4に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図である。
【図7】図6中のII−II′線に沿った概略的な断面図である。
【図8a】図6に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図8b】図6に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【図8c】図6に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【図8d】図6に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0036】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による窒化物半導体素子及び製造方法について詳記する。
【0038】
図1a及び図1bは、本発明の一実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図で、図2は、図1aのI−I′線に沿った概略的な断面図で、図3a〜図3dは、図1aに示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。図4は、本発明の他の実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図で、図5a〜図5dは、図4に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図である。図6は、本発明のさらに他の実施形態による窒化物半導体素子の概略的な斜視図で、図7は、図6のII−II′線に沿った概略的な断面図で、図8a〜図8dは、図6に示す窒化物半導体素子の製造方法を概略的に示す断面図または斜視図である。
【0039】
図1a及び図1bに示すように、本発明の第1の実施形態による窒化物半導体素子は、窒化物半導体層30、ソース電極50、ドレイン電極60、多数のP型窒化物半導体セグメント80及びゲート電極70を含む。例えば、窒化物半導体素子は、2DEGを有する水平型窒化物HFETである。
【0040】
図1a及び図1bに示すように、窒化物半導体層30は、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合されている。窒化物半導体層30の接合界面寄りに、2次元電子ガス(2DEG)チャネル35が形成される。窒化物半導体層30は、異種接合された窒化ガリウム系列の半導体層30で、異種接合された界面でエネルギバンドギャップの差によって2次元電子ガスチャネル35が形成される。異種接合される窒化ガリウム系列の半導体層30において異種接合間の格子定数の差が小さいほど、バンドギャップと極性との間の差が減るようになり、2DEGチャネル35の形成が抑止される。異種接合の時、エネルギバンドギャップの不連続性によって広いバンドギャップを有する材料から、小さなバンドギャップを有する材料へと自由電子が移動するようになる。このような電子は、異種接合界面に蓄積されて2DEGチャネル35を形成し、ドレイン電極60とソース電極50との間で電流が流れるようにする。
【0041】
窒化物半導体層30は、第1の窒化物層31及び第2の窒化物層33を含む。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31上に異種接合され、第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列の材料を含む。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31内に形成される2DEGチャネル35へ電子を供給する。一実施形態によれば、電子を供給する第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31より薄い厚さで形成される。
【0042】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30を成す窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。また、一実施形態によれば、第1の窒化物層31は窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33には、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つが挙げられる。例えば、第1の窒化物層31の材料は窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料はアルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0043】
一実施形態によれば、図3dに示すように、窒化物半導体層30の第1の窒化物層31は、基板10の上部に配設される。基板10は、一般に絶縁基板が挙げられ、実質的に絶縁性を有する高抵抗性の基板を用いてもよい。例えば、基板10は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al)のうちの少なくともいずれか一つを用いて製造されてもよく、公知の他の基板材料を用いて製造されてもよい。
【0044】
窒化物半導体層30は、基板10の上部に直接形成される。一実施形態によれば、窒化物半導体層30は、単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて形成してもよい。また、一実施形態によれば、示されていないが、基板10と窒化物半導体層30との間にバッファ層を設け、窒化物半導体層30をバッファ層上に形成してもよい。例えば、バッファ層(図示せず)は、基板10と窒化物半導体層30との格子不一致(lattice mismatch)による問題を解決するために設けられる。このバッファ層は、単一層だけではなく、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などを含む複数の層で形成されてもよい。また、バッファ層は、窒化ガリウム以外の他の3−5族化合物半導体で形成されてもよい。例えば、基板10がサファイヤ基板の場合、窒化ガリウムを含む窒化物半導体層30との格子定数及び熱膨張係数の差によってミスマッチ(mismatch)されることを阻むため、バッファ層の成長が重要になる。
【0045】
また、図1a及び図1bに示すように、ソース電極50は、窒化物半導体層30上にオーミック接触されている。
【0046】
また、図1a及び図1bに示すように、ドレイン電極60は、ソース電極50から離間して窒化物半導体層30上にオーミック接触されている。
【0047】
ソース電極50及びドレイン電極60は、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、チタニウム(Ti)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか一つの金属、金属シリサイド及びこれらの合金を用いて形成する。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0048】
続いて、図1a及び図1bに示すように、多数のP型窒化物半導体セグメント80は、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に形成されている。P型窒化物半導体セグメント80の各々は、ソース電極50から所定の距離だけ離間したソース側の第1の側壁81からドレイン側へ長く形成されている。図2を参照して、多数のP型窒化物半導体セグメント80は、所定の間隔を置いて離間して配設される。この場合、P型窒化物半導体セグメント80の下部では、窒化物半導体層30の2DEGが空乏35aされて2DEGチャネル35が切られるようになる。
【0049】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80の材料には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などがP型でドープされた材料が挙げられるが、これに限定されるのではない。例えば、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80は、第1の窒化物層31の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなってもよい。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体セグメント80は、P−GaN材料からなる。
【0050】
本発明の実施形態において、P型窒化物半導体セグメント80、例えばP−GaNセグメント下部の2DEGは、空乏35aされて、P型窒化物半導体セグメント80のない部分の2DEGとは交差されるように形成される。そのため、ターンオフ時、2DEGチャネル35とP型窒化物半導体セグメント80、例えばP−GaNとが互いに空乏されてイントリンシク(intrinsic)化され、チャネル抵抗が高くなって高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によれば、素子の耐圧が高くなった分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らしてオン抵抗を低めることができる。
一実施形態によれば、ターンオフ時、2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体セグメント80のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0051】
また、一実施形態によれば、ドレイン電極60とゲート電極70との間に2DEG部分35と2DEGとを相殺し、2DHGまたはP半導体を形成する部分35aを電流流れと平行な方向に交差するように配設されるようにして、高電流及び高耐圧型の素子を得ることができる。一実施形態によれば、2DEGを相殺して2次元ホールガス(2DHG)を形成する層の例として、P−GaNが挙げられる。ターンオン時には、2DEGと2DHGとが同時にキャリアとして動作してオン抵抗を低くし、ターンオフ時、交差で構成された2DEGと2DHGとが互いに空乏され、ゲート電極70の電界集中を抑止する。また、下部の2DEGを空乏させ、上部にP型のキャリアを形成するような他の実施形態も利用されてもよい。
【0052】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80の第1の側壁81は、図1aに示すように、ゲート電極70のソース側の側壁71と一致するように整列される。または、P型窒化物半導体セグメント80の第1の側壁81は、図1bに示すように、ゲート電極70のソース側の側壁71に至らないように整列される。
【0053】
また、一実施形態によれば、図1a及び図1bに示すように、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間されて設けられる。または他の例として、示されていないが、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60と接触されてもよい。一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して設けられることが望ましい。
【0054】
また、図1a及び図1bに示すように、ゲート電極70は、ソース電極50とドレイン電極60との間でソース電極50に近く形成されている。ゲート電極70の一部は、多数のP型窒化物半導体セグメント80間の窒化物半導体層30上に接触されている。ゲート電極70は、ショットキー接触される。また、ゲート電極70のソース側の側壁71は、P型窒化物半導体セグメント80各々の第1の側壁81と整列されている。また、一実施形態によれば、ゲート電極70のソース側の側壁71と整列されるP型窒化物半導体セグメント80各々の第1の側壁81は、図1aに示すように、ゲート電極70のソース側の側壁71と一致するように整列されてもよく、または図1bに示すように、ゲート電極70のソース側の側壁71に至らないように整列されてもよい。
【0055】
続いて、図1a及び図1bに示すように、ゲート電極70の他の一部は、各々のP型窒化物半導体セグメント80の一部上に接触されている。ゲート電極70は、ショットキー接触される。ゲート電極70の下部に接触されるP型窒化物半導体セグメント80各々は、ゲート電極70のソース側の側壁71の方に延在する。
【0056】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。例えば、ショットキー接合が可能なアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、チタニウム(Ti)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか一つの金属、金属シリサイド及びこれらの合金を用いて形成する。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは、異なる材料からなる。
【0057】
本発明の実施形態によれば、シリコンFETで具現されたスーパー接合(Super−junction)効果を窒化物高電子移動度トランジスタ、例えばGaN HFETで具現することができる。
【0058】
本実施形態によれば、2DEGチャネル35を有する窒化物半導体層30上でゲート電極70とドレイン電極60との間にゲート電極70と接続された形態のP型窒化物半導体セグメント80を部分的に形成し、部分的な2DEGの除去、及び2DHGまたはP型半導体層の形成を図ることができる。
【0059】
続いて、図4を参照して、本発明の第2の実施形態による窒化物半導体素子について詳記する。前述の第1の実施形態による窒化物半導体素子の構成と重複する説明は省略する。
【0060】
図4に示すように、本発明の第2の実施形態による窒化物半導体素子は、窒化物半導体層30、ソース電極50、ドレイン電極60、多数のP型窒化物半導体セグメント80及びゲート電極70を含む。例えば、窒化物半導体素子は、2DEGを有する水平型窒化物HFETから成る。
【0061】
また、図4に示すように、窒化物半導体層30は、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合されている。窒化物半導体層30の接合界面寄りに、2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。第1の窒化物層31と異種接合される第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列材料から成る。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31内に形成される2DEGチャネル35へ電子を供給する。一実施形態によれば、電子を供給する第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31より薄い厚さで形成される。
【0062】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30を成す窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。例えば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む。一実施形態によれば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0063】
一実施形態によれば、図5dに示すように、窒化物半導体層30の第1の窒化物層31は、基板10の上部に配設される。基板10は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al)のうちの少なくともいずれか一つを用いて製造されてもよく、または公知の他の基板材料を用いて製造されてもよい。また、一実施形態によれば、示されていないが、基板10と窒化物半導体層30との間にバッファ層を設け、窒化物半導体層30を該バッファ層上に形成させてもよい。また、該バッファ層は、単一層で形成されてもよく、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などを含む複数の層で形成されてもよい。
【0064】
また図4に示すように、ソース電極50は、窒化物半導体層30上にオーミック接触されており、ドレイン電極60は、ソース電極50から離間して窒化物半導体層30上にオーミック接触されている。
【0065】
例えば、ソース電極50及びドレイン電極60は、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0066】
続いて、図4に示すように、多数のP型窒化物半導体セグメント80は、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に形成されている。各々のP型窒化物半導体セグメント80は、ソース電極50から所定の距離だけ離間したソース側の第1の側壁81からドレイン側へ長く形成されている。図4を図1aのI−I′方向に沿って切断すると、図2のような断面が得られる。図2に示すように、多数のP型窒化物半導体セグメント80は、所定の間隔を置いて離間して配設されるが、P型窒化物半導体セグメント80の下部では、窒化物半導体層30の2DEGチャネル35が切られるようになる。
【0067】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80の材料には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などがP型でドープされた材料が挙げられるが、これに限定されるのではない。一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80は、第1の窒化物層31の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなる。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体セグメント80は、P−GaN材料からなる。
【0068】
本発明の実施形態において、P型窒化物半導体セグメント80、例えばP−GaNセグメント下部の2DEGは、空乏35aされ、P型窒化物半導体セグメント80のない部分の2DEGと交差するようになるため、ターンオフ時に2DEGチャネル35とP型窒化物半導体セグメント80とが互いに空乏されて、チャネル抵抗が高くなり、高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によって素子の耐圧が高くなる分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らし、オン抵抗を低めることができる。
【0069】
一実施形態によれば、ターンオフ時2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体セグメント80のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0070】
また、一実施形態によれば、ドレイン電極60とゲート電極70との間に2DEG部分35と2DEGとを相殺し、2DHGまたはP半導体を形成する部分35aを電流流れと平行な方向に交差するように配設して、高電流及び高耐圧型の素子を得ることができる。一実施形態によれば、2DEGを相殺して2次元ホールガス(2DHG)を形成する層の例として、P−GaNがある。ターンオン時には、2DEGと2DHGとが同時にキャリアとして動作してオン抵抗を低くし、ターンオフ時交差で構成された2DEGと2DHGとが互いに空乏されて、ゲート電極70の電界集中を抑止することができる。また、下部の2DEGを空乏させ、上部にP型のキャリアを形成することができる他の実施形態の構造が利用されてもよい。
【0071】
また、一実施形態によれば、図4に示すように、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間されている。または他の例として、示されていないが、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60と接触されてもよい。一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間されていることが望ましい。
【0072】
また、図4に示すように、ゲート電極70は、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上でソース電極50に近く形成されている。ゲート電極70は、ショットキー接触される。また、ゲート電極70のドレイン側の側壁は、P型窒化物半導体セグメント80の第1の側壁81と接触されている。
【0073】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは、異なる材料からなる。
【0074】
続いて、図6を参照して、本発明の第3の実施形態による窒化物半導体素子について詳記する。前述の第1及び第2の実施形態による窒化物半導体素子の構成と重複する説明は省略する。
【0075】
図6に示すように、本発明の第3の実施形態による窒化物半導体素子は、窒化物半導体層30、ソース電極50、ドレイン電極60、P型窒化物半導体構造物180及びゲート電極70を含む。例えば、窒化物半導体素子は、2DEGを有する水平型窒化物HFETから成る。
【0076】
図6に示すように、窒化物半導体層30は、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合されている。窒化物半導体層30の接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。窒化物半導体層30の接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。第1の窒化物層31と異種接合される第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列材料を含む。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31内に形成される2DEGチャネル35へ電子を供給する。一実施形態によれば、電子を供給する第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31より薄い厚さで形成される。
【0077】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30を成す窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。例えば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む。一実施形態によれば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0078】
一実施形態によれば、図8dに示すように、窒化物半導体層30の第1の窒化物層31は、基板10の上部に配設される。基板10は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al)のうちの少なくともいずれか一つを用いて製造されてもよく、または公知の他の基板材料を用いて製造されてもよい。また、一実施形態によれば、示されていないが、基板10と窒化物半導体層30との間にバッファ層を設け、窒化物半導体層30を該バッファ層上に形成してもよい。また、該バッファ層は、単一層で形成されてもよく、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などを含む複数の層で形成されてもよい。
【0079】
また図6に示すように、ソース電極50は、窒化物半導体層30上にオーミック接触されており、ドレイン電極60は、ソース電極50から離間して窒化物半導体層30上にオーミック接触されている。
【0080】
例えば、ソース電極50及びドレイン電極60は、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0081】
続いて、図6に示すように、P型窒化物半導体構造物180は、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に形成されている。P型窒化物半導体構造物180は、幹部181と多数の枝セグメント183とを含む。P型窒化物半導体構造物180の幹部181は、ソース電極50から所定距離だけ離間され、ソース電極50に並行して配設されている。P型窒化物半導体構造物180の多数の枝セグメント183は、幹部181からドレイン側へ長く形成されている。図7に示すように、P型窒化物半導体構造物180の幹部181の下部では、窒化物半導体層30の2DEGチャネル35が切られるようになる。また、図6を図1aのI−I′方向に沿って切断すると、図2のような断面が得られる。P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183は、所定の間隔を置いて離間して配設されるが、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183の下部では、窒化物半導体層30の2DEGチャネル35が切られるようになる。
【0082】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物180の材料には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などがP型でドープされた材料が挙げられるが、これに限定されるのではない。一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物180は、第1の窒化物層31の材料がP型でドープされたP型半導体材料からなる。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体構造物180は、P−GaN材料からなる。
【0083】
本発明の実施形態において、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183の下部の2DEGは、空乏(図2の35a参照)され、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のない部分の2DEGと交差して設けられるが、ターンオフ時、2DEGチャネル35とP型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183とが互いに空乏され、チャネル抵抗が高くなり、高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によって素子の耐圧が高くなる分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らし、オン抵抗を低めることができる。
【0084】
一実施形態によれば、ターンオフ時に2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体セグメント80のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0085】
また、一実施形態によれば、ドレイン電極60とゲート電極70との間に2DEG部分と2DEGとを相殺し、2DHGまたはP半導体を形成する部分を電流流れと平行な方向に交差して配設することによって、高電流及び高耐圧型の素子を得ることができる。一実施形態によれば、2DEGを相殺し、2次元ホールガス(2DHG)を形成する層の例として、P−GaNが挙げられる。ターンオン時には、2DEGと2DHGとが同時にキャリアとして動作し、オン抵抗を低くし、ターンオフ時、交差で構成された2DEGと2DHGとが互いに空乏されて、ゲート電極70の電界集中を抑止することができる。また、下部の2DEGを空乏させ、上部にP型のキャリアを形成することができる他の実施形態の構造が利用されてもよい。
【0086】
また、一実施形態によれば、図6に示すように、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60から所定距離だけ離間されている。または他の例として、示されていないが、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60と接触されてもよい。一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して設けられることが望ましい。
【0087】
また、図6に示すように、ゲート電極70は、ソース電極50とドレイン電極60との間でソース電極50に近く形成されている。ゲート電極70の一部は、窒化物半導体層30上に接触され、ゲート電極70の他の一部は、P型窒化物半導体構造物180の幹部181上に接触されている。また、ゲート電極70は、ショットキー接触される。また、ゲート電極70のソース側の側壁71は、P型窒化物半導体構造物180の幹部181のソース側の第1の側壁181aと整列され、ゲート電極70の下部に接触されるP型窒化物半導体構造物180の幹部181は、ゲート電極70のソース側の側壁71に至らないように形成されている。
【0088】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは異なる材料からなる。
【0089】
続いて、図3a〜図3dに示すように、本発明の第4の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法について詳記する。本発明の第4の実施形態は、前述の第1の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法に関するもので、重複する説明は省略する。
【0090】
図3a〜図3dに示すように、窒化物半導体素子の製造方法は、異種接合窒化物半導体層形成ステップ(図3a)と、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3b及び図3c)と、ゲート電極形成ステップ(図3d)とを含む。ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3b及び図3c)は、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図3b及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)の順で行われるか、または逆に、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)が行われた後、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図3b)が行われてもよい。
【0091】
まず、図3aに示すように、異種接合窒化物半導体層形成ステップでは、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合される。異種接合によって、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31内に形成される2DEGチャネル35へ電子を供給する。一実施形態によれば、電子を供給する第2の窒化物層33は第1の窒化物層31より薄い厚さで形成される。
【0092】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30に用いられる窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。また、一実施形態によれば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0093】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30は、単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて形成する。第1の窒化物層31及び第2の窒化物層33は、エピタキシャル成長工程(Epitaxial Growth Process)によって形成される。例えば、第1の窒化物層31は、図3aに示すように、基板10の上部に窒化ガリウム系列単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて形成する。基板10は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al)のうちの少なくともいずれか一つを用いて製造されてもよく、または公知の他の基板材料を用いて製造されてもよい。また、示されていないが、基板10の上部にバッファ層をエピタキシャル成長させた後、該バッファ層上に第1の窒化物層31をエピタキシャル成長させてもよい。続いて、第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31をシード層として第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列材料を含む窒化物層をエピタキシャル成長させて形成する。
【0094】
一実施形態によれば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含む窒化ガリウム系列単結晶をエピタキシャル成長させて形成する。第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む窒化ガリウム系列単結晶をエピタキシャル成長させて形成する。例えば、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)をエピタキシャル成長させて形成する。
【0095】
第1及び第2の窒化物層31、33を形成するためのエピタキシャル成長工程には、液相成長法(LPE:Liquid Phase Epitaxy)、化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposjtion)、分子ビーム成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、有機金属気相蒸着法(MOCVD:Metalorganic CVD)などが挙げられる。エピタキシャル成長時、選択的に成長させて過成長されないように調節することができる。もし、過成長された場合、エッチバック(etchback)工程やCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程を用いて平坦化する過程を追加に行ってもよい。
【0096】
続いて、図3b及び図3cに示すように、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップでは、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図3b)及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)が順にまたは逆に行われてもよい。一例として、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図3b)及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)の順に説明する。
【0097】
図3bに示すように、ソース電極及びドレイン電極形成ステップでは、ソース電極50及びソース電極50から離間されたドレイン電極60が、窒化物半導体層30上にオーミック接触されて形成される。ソース電極50及びドレイン電極60の形成ステップは、後続のP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)後に行われてもよい。
【0098】
ソース電極50及びドレイン電極60は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0099】
続いて、図3cに示すように、P型窒化物半導体セグメント形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に多数のP型窒化物半導体セグメント80が形成される。P型窒化物半導体セグメント80の各々は、ソース電極50から所定の距離だけ離間したソース側の第1の側壁81からドレイン側へ長く形成される。
【0100】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体層を窒化物半導体層30上に形成した後、パターニング工程によって多数のP型窒化物半導体セグメントの形状をパターニングし、エッチング工程を通じて所定の多数のP型窒化物半導体セグメント80を形成する。
【0101】
本実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80の下部の2DEGは空乏され、P型窒化物半導体セグメント80のない部分の2DEGとは交差して設けられるため、ターンオフ時に2DEGチャネル35とP型窒化物半導体セグメント80とが互いに空乏され、チャネル抵抗が高くなり、高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によって素子の耐圧が高くなる分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らし、オン抵抗を低めることができる。また、一実施形態によれば、ターンオフ時2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体セグメント80のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0102】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)において、第1の窒化物層31の材料を使ったP型窒化物半導体セグメント80が形成される。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体セグメント80は、P−GaN材料からなる。
【0103】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図3c)では、図3cに示すように、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間してP型窒化物半導体セグメント80が形成される。また、示されていないが、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60と接触されるようにP型窒化物半導体セグメント80が形成される。一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して設けられることが望ましい。
【0104】
また、図3dに示すように、ゲート電極形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間でソース電極50に近くゲート電極70が形成される。ゲート電極70の一部は、多数のP型窒化物半導体セグメント80間の窒化物半導体層30上に接触して配設され、ゲート電極70の他の一部は、P型窒化物半導体セグメント80各々の一部上に接触して配設される。ゲート電極70は、ショットキー接触される。また、ゲート電極70のソース側の側壁71がP型窒化物半導体セグメント80各々の第1の側壁81と整列して配設されるが、ゲート電極70の下部に接触されるP型窒化物半導体セグメント80がゲート電極70のソース側の側壁71方向に延在するような構造を有する。
【0105】
また、一実施形態によれば、ゲート電極形成ステップ(図3d)にて、図1aまたは/及び図3dに示すように、ゲート電極70のソース側の側壁71は、P型窒化物半導体セグメント80の第1の側壁81と一致して整列されるように、ゲート電極70が形成される。または図1bに示すように、P型窒化物半導体セグメント80の第1の側壁81がゲート電極70のソース側の側壁71に至ることなく整列されるように、ゲート電極70が形成される。
【0106】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは、異なる材料からなる。
【0107】
本実施形態によれば、2DEGチャネル35を有する窒化物半導体層30上でゲート電極70とドレイン電極60との間にゲート電極70と接続された形態のP型窒化物半導体セグメント80を部分的に形成し、部分的な2DEGの除去及び2DHGまたはP型半導体層の形成を図ることができる。
【0108】
続いて、図5a〜図5dに示すように、本発明の第5の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法について詳記する。本発明の第5の実施形態は、前述の本発明の第2の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法に関するもので、重複する説明は省略する。
【0109】
図5a〜図5dに示すように、本発明の第5の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法は、異種接合窒化物半導体層形成ステップ(図5a)と、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5b及び図5c)と、ゲート電極形成ステップ(図5d)とを含む。ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5b及び図5c)は、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図5b)及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)の順に行われるか、または逆に、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)が行われた後、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図5b)が行われてもよい。
【0110】
まず、図5aに示すように、異種接合窒化物半導体層形成ステップでは、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合される。該異種接合によって、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31内に形成される2DEGチャネル35へ電子を供給する。
【0111】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30に用いられる窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。また、一実施形態によれば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0112】
一実施形態によれば、第1の窒化物層31及び第2の窒化物層33は、エピタキシャル成長工程によって形成される。例えば、第1の窒化物層31は、図5aに示すように、基板10の上部に窒化ガリウム系列単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて形成する。基板10は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al)のうちの少なくともいずれか一つを用いて製造されてもよく、または公知の他の基板材料を用いて製造されてもよい。また、示されていないが、基板10の上部にバッファ層をエピタキシャル成長させた後に該バッファ層上に第1の窒化物層31をエピタキシャル成長させてもよい。続いて、第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31をシード層として、第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列材料を含む窒化物層をエピタキシャル成長させて形成する。
【0113】
第1及び第2の窒化物層31、33を形成するためのエピタキシャル成長工程では、 液相成長法(LPE)、化学気相蒸着法(CVD)、分子ビーム成長法(MBE)、有機金属気相蒸着法(MOCVD)などが挙げられる。
【0114】
続いて、図5b及び図5cに示すように、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップでは、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図5b)及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)が順にまたは逆に行われてもよい。一例として、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図5b)及びP型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)の順に説明する。
【0115】
図5bに示すように、ソース電極及びドレイン電極形成ステップでは、ソース電極50及びソース電極50から離間したドレイン電極60が、窒化物半導体層30上にオーミック接触されるように形成される。ソース電極50及びドレイン電極60の形成ステップは、後続のP型窒化物半導体セグメント形成ステップ後に行われてもよい。
【0116】
ソース電極50及びドレイン電極60は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0117】
続いて、図5cに示すように、P型窒化物半導体セグメント形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上に、ソース電極50から所定の距離だけ離間したソース側の第1の側壁81からドレイン側へ長く、多数のP型窒化物半導体セグメント80が形成される。
【0118】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体層を窒化物半導体層30上に形成した後、パターニング工程を通じて多数のP型窒化物半導体セグメントの形状をパターニングし、続いて、エッチング工程を通じて所定の多数のP型窒化物半導体セグメント80を形成する。
【0119】
本実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80下部の2DEGは空乏され、P型窒化物半導体セグメント80のない部分の2DEGとは交差して設けられるため、ターンオフ時、2DEGチャネル35とP型窒化物半導体セグメント80とが互いに空乏され、チャネル抵抗が高くなり、高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によって素子の耐圧が高くなる分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らし、オン抵抗を低めることができる。また、一実施形態によれば、ターンオフ時、2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体セグメント80のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0120】
また一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)にて、第1の窒化物層31の材料を使ったP型窒化物半導体セグメント80が形成される。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体セグメント80は、P−GaN材料からなる。
【0121】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント形成ステップ(図5c)にて、図5c及び/または図4に示すように、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83がドレイン電極60から所定距離だけ離間してP型窒化物半導体セグメント80が形成される。または示されていないが、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83がドレイン電極60と接触されるようにP型窒化物半導体セグメント80が形成される。一実施形態によれば、P型窒化物半導体セグメント80のドレイン側の第2の側壁83は、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して設けられることが望ましい。
【0122】
また、図5dに示すように、ゲート電極形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上でソース電極50に近くゲート電極70が形成される。ゲート電極70は、ショットキー接触される。ゲート電極70のドレイン側の側壁がP型窒化物半導体セグメント80各々の第1の側壁81と接触される。
【0123】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは、異なる材料からなる。
【0124】
続いて、図8a〜図8dを参照して、本発明の第6の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法について詳記する。本発明の第6の実施形態は、前述の本発明の第3の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法に関するもので、重複する説明は省略する。
【0125】
図8a〜図8dに示すように、本発明の第6の実施形態による窒化物半導体素子の製造方法は、異種接合窒化物半導体層形成ステップ(図8a)と、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体構造物を形成するステップ(図8b及び図8c)と、ゲート電極形成ステップ(図8d)とを含む。ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体構造物を形成するステップ(図8b及び図8c)は、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図8b)及びP型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)の順序に行われるか、または逆に、P型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)が行われた後、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図8b)が行われてもよい。
【0126】
まず、図8aに示すように、異種接合窒化物半導体層形成ステップでは、第1の窒化物層31と該第1の窒化物層31の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層33とが異種接合される。該異種接合によって、接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される。
【0127】
一実施形態によれば、窒化物半導体層30に用いられる窒化物には、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)などが挙げられるが、これに限定されるのではない。また、一実施形態によれば、第1の窒化物層31は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化ガリウム(InAlGaN)のうちのいずれか一つを含む。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、第2の窒化物層33の材料は、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)を含む。
【0128】
一実施形態によれば、第1の窒化物層31及び第2の窒化物層33は、エピタキシャル成長工程によって形成される。例えば、第1の窒化物層31は、図5aに示すように、基板10の上部に窒化ガリウム系列単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて形成する。また、示されていないが、基板10の上部にバッファ層をエピタキシャル成長させた後に該バッファ層上に第1の窒化物層31をエピタキシャル成長させてもよい。続いて、第2の窒化物層33は、第1の窒化物層31をシード層として、第1の窒化物層31より広いエネルギバンドギャップを有する異種の窒化ガリウム系列材料を含む窒化物層をエピタキシャル成長させて形成する。第1及び第2の窒化物層31、33を形成するためのエピタキシャル成長工程では、液相成長法(LPE)、化学気相蒸着法(CVD)、分子ビーム成長法(MBE)、有機金属気相蒸着法(MOCVD)などが挙げられる。
【0129】
続いて、図8b及び図8cに示すように、ソース電極、ドレイン電極及びP型窒化物半導体構造物を形成するステップでは、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図8b)及びP型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)が順にまたは逆に行われてもよい。一例として、ソース電極及びドレイン電極形成ステップ(図8b)及びP型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)の順に説明する。
【0130】
図8bに示すように、ソース電極及びドレイン電極形成ステップでは、ソース電極50と該ソース電極50から離間したドレイン電極60とが窒化物半導体層30上にオーミック接触されるように形成される。ソース電極50及びドレイン電極60の形成ステップは、後続のP型窒化物半導体構造物形成ステップ後に行われてもよい。
【0131】
ソース電極50及びドレイン電極60は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ソース電極50及びドレイン電極60は、同じ材料からなる。
【0132】
続いて、図8cに示すように、P型窒化物半導体構造物形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間の窒化物半導体層30上にP型窒化物半導体構造物180が形成される。P型窒化物半導体構造物180は、ソース電極50から所定の距離だけ離間されソース電極50に並行して配設された幹部181と、該幹部181からドレイン側へ長く形成された多数の枝セグメント183とを含む。
【0133】
一実施形態によれば、P型窒化物半導体層を窒化物半導体層30上に形成した後、パターニング工程を通じてP型窒化物半導体構造物の形状をパターニングし、続いて、エッチング工程を通じて所定のP型窒化物半導体構造物180を形成する。
【0134】
本実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183下部の2DEGは空乏され、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のない部分の2DEGとは交差して設けられるため、ターンオフ時に2DEGチャネル35とP型窒化物半導体セグメント80とが互いに空乏されて、チャネル抵抗が高くなり、高耐圧を具現することができる。また、本発明の実施形態によって素子の耐圧が高くなった分、ゲート電極70とドレイン電極60との間の距離を減らしてオン抵抗を低めることができる。また、一実施形態によれば、ターンオフ時に2DEGを効果的に空乏させるために、P型窒化物半導体構造物180のドーピング濃度、セグメント間の間隔及びサイズを調節することができる。
【0135】
また一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)にて、第1の窒化物層31の材料を用いてP型窒化物半導体構造物180を形成する。例えば、第1の窒化物層31の材料は、窒化ガリウム(GaN)を含み、P型窒化物半導体構造物180は、P−GaN材料からなる。
【0136】
また、一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物形成ステップ(図8c)にて、図8c及び/または図6に示すように、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して形成される。または示されていないがP型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60と接触される。一実施形態によれば、P型窒化物半導体構造物180の枝セグメント183のドレイン側の第2の側壁183aは、ドレイン電極60から所定距離だけ離間して設けられることが望ましい。
【0137】
また、図8dに示すように、ゲート電極形成ステップでは、ソース電極50とドレイン電極60との間でソース電極50に近くゲート電極70が形成される。ゲート電極70の一部は、窒化物半導体層30上に接触して配設され、ゲート電極70の他の一部は、P型窒化物半導体構造物180の幹部181上に接触して配設される。ゲート電極70は、ショットキー接触される。また、ゲート電極70のソース側の側壁71は、P型窒化物半導体構造物180の幹部181のソース側の第1の側壁181aと整列されるように形成される。なお、ゲート電極70の下部に接触されるP型窒化物半導体構造物180の幹部181がゲート電極70のソース側の側壁71に至らないようにゲート電極70が形成される。
【0138】
ゲート電極70は、例えば、金属、金属シリサイドまたはこれらの合金を用いて形成される。一実施形態によれば、ショットキー接触されるゲート電極70は、オーミック接触されるソース電極50及びドレイン電極60とは異なる材料からなる。
【0139】
一実施形態によれば、本発明の実施形態による窒化物半導体素子は、パワートランジスタから成る。
【0140】
本発明の実施形態による窒化物半導体素子または窒化物半導体素子の製造方法によれば、2DEGチャネル35を有する窒化物半導体層30上でゲート電極70とドレイン電極60との間にゲート電極70と接続された形態のP型窒化物半導体セグメント80を部分的に形成し、部分的な2DEGの除去及び2DHGまたはP型半導体層の形成を図ることができる。
【0141】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0142】
10 基板
30 窒化物半導体層
31 第1の窒化物層
33 第2の窒化物層
35 2DEGチャネル
35a 空乏領域
50 ソース電極
60 ドレイン電極
70 ゲート電極
71 ゲート電極のソース側の側壁
73 ゲート電極のドレイン側の側壁
80 P型窒化物半導体セグメント
81 P型窒化物半導体セグメントのソース側の第1の側壁
83 P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁
180 P型窒化物半導体構造物
181 P型窒化物半導体構造物の幹部
181a P型窒化物半導体構造物の幹部のソース側の第1の側壁
183 P型窒化物半導体構造物の枝セグメント
183a P型窒化物半導体構造物の枝セグメントのドレイン側の第2の側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、
前記ソース電極から離間して前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成された多数のP型窒化物半導体セグメントと、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ソース電極に近く形成され、前記多数のP型窒化物半導体セグメント間の前記窒化物半導体層上及び前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と整列されるソース側の側壁方向に延在する前記P型窒化物半導体セグメント上に接触されるゲート電極
とを含む窒化物半導体素子。
【請求項2】
前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁は、前記ゲート電極の前記ソース側の側壁と一致するように整列されるか、または前記ソース側の側壁に至らないように整列される請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項3】
前記P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか、または前記ドレイン電極と接触される請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項4】
前記第1の窒化物層の材料はGaNで、
前記第2の窒化物層の材料は、AlGaNである請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項5】
前記P型窒化物半導体セグメントは、前記第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料から成る請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
【請求項6】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、
前記ソース電極から離間して前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成された多数のP型窒化物半導体セグメントと、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上で前記ソース電極に近く形成され、前記ドレイン側の側壁が前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と接触されるゲート電極
とを含む窒化物半導体素子。
【請求項7】
前記P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか、または前記ドレイン電極と接触される請求項6に記載の窒化物半導体素子。
【請求項8】
前記第1の窒化物層の材料はGaNで、
前記第2の窒化物層の材料は、AlGaNである請求項6に記載の窒化物半導体素子。
【請求項9】
前記P型窒化物半導体セグメントは、前記第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料から成る請求項6〜8のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
【請求項10】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とが異種接合され、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるソース電極と、
前記ソース電極から離間して前記窒化物半導体層上にオーミック接触されるドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上に形成され、前記ソース電極から所定距離だけ離間され前記ソース電極に並行して配設された幹部と該幹部からドレイン側へ長く形成された多数の枝セグメントとを含むP型窒化物半導体構造物と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ソース電極に近く形成され、前記窒化物半導体層上及び前記幹部のソース側の第1の側壁と整列されるソース側の側壁に至らない前記P型窒化物半導体構造物の幹部上に接触されるゲート電極
とを含む窒化物半導体素子。
【請求項11】
前記P型窒化物半導体構造物の枝セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか前記ドレイン電極と接触される請求項10に記載の窒化物半導体素子。
【請求項12】
前記第1の窒化物ガリウム系列材料はGaNで、
前記第2の窒化物ガリウム系列材料は、AlGaNである請求項10に記載の窒化物半導体素子。
【請求項13】
前記P型窒化物半導体セグメントは、前記第1の窒化物層の材料がP型でドープされたP型半導体材料から成る請求項10〜12のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体素子。
【請求項14】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、
ソース電極と該ソース電極から離間したドレイン電極とを前記窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、前記窒化物半導体層上に多数のP型窒化物半導体セグメントを形成し、前記P型窒化物半導体セグメントの各々は、前記ソース電極とドレイン電極との間に配設され、前記ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成されるようにして、ソース電極、前記ドレイン電極及び前記P型窒化物半導体セグメントを形成するステップと、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ソース電極に近く配設され、前記多数のP型窒化物半導体セグメント間の前記窒化物半導体層上及び前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と整列されるソース側の側壁方向に延在する前記P型窒化物半導体セグメント上に接触されるゲート電極を形成するステップ
とを含む窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項15】
前記ゲート電極を形成するステップにて、
前記ゲート電極のソース側の側壁は、前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と一致して整列されるように前記ゲート電極を形成するか、前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁が前記ゲート電極のソース側の側壁に至ることなく整列されるように前記ゲート電極を形成する請求項14に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項16】
前記P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか前記ドレイン電極と接触されるように前記P型窒化物半導体セグメントを形成する請求項14に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項17】
前記第1の窒化物層の材料はGaNで、前記第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、
P−GaNを用いて前記P型窒化物半導体セグメントを形成する請求項14〜16のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項18】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、
ソース電極と該ソース電極から離間したドレイン電極とを前記窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、前記窒化物半導体層上に多数のP型窒化物半導体セグメントを形成し、前記P型窒化物半導体セグメントの各々は、前記ソース電極とドレイン電極との間に配設され、前記ソース電極から所定距離だけ離間された第1の側壁からドレイン側へ長く形成されるようにして、前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記P型窒化物半導体セグメントを形成するステップと、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記窒化物半導体層上で前記ソース電極に近く配設され、ドレイン側の側壁が前記P型窒化物半導体セグメントの第1の側壁と接触されるゲート電極を形成するステップ
とを含む窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項19】
前記P型窒化物半導体セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか前記ドレイン電極と接触されるように前記P型窒化物半導体セグメントを形成する請求項18に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項20】
前記第1の窒化物層の材料はGaNで、前記第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、
P−GaNを用いて前記P型窒化物半導体セグメントを形成する請求項18または19に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項21】
第1の窒化物層と該第1の窒化物層の材料より広いエネルギバンドギャップを有する材料を含む第2の窒化物層とを異種接合させ、該接合界面寄りに2次元電子ガス(2DEG)チャネルが形成される異種接合窒化物半導体層を形成するステップと、
ソース電極と該ソース電極から離間したドレイン電極とを前記窒化物半導体層上にオーミック接触させて形成し、前記窒化物半導体層上に幹部と該幹部から形成された多数の枝セグメントとを含むP型窒化物半導体構造物を形成し、前記P型窒化物半導体構造物は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に配設され、前記幹部は、前記ソース電極から所定距離だけ離間され前記ソース電極に並行して配設され、前記枝セグメントの各々は、ドレイン側に長く形成されるようにして、前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記P型窒化物半導体構造物を形成するステップと、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ソース電極に近く配設され、前記窒化物半導体層上及び前記幹部のソース側の第1の側壁と整列されるソース側の側壁に至らない前記P型窒化物半導体構造物の幹部上に接触されるゲート電極を形成するステップ
とを含む窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項22】
前記P型窒化物半導体構造物の枝セグメントのドレイン側の第2の側壁は、前記ドレイン電極から所定距離だけ離間されるか前記ドレイン電極と接触される請求項21に記載の窒化物半導体素子。
【請求項23】
前記第1の窒化物層の材料はGaNで、前記第2の窒化物層の材料はAlGaNであり、
P−GaNを用いて前記P型窒化物半導体構造物を形成する請求項21または22に記載の窒化物半導体素子。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図3d】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図8c】
image rotate

【図8d】
image rotate


【公開番号】特開2013−80895(P2013−80895A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107335(P2012−107335)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】