説明

米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤を含む美容組成物

【課題】皮膚の老化の徴候を防止し、及び/または軽減させる美容方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む組成物を顔の皮膚に施用することにより、特に、顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制する美容方法に関する。
本発明はまた、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物、ならびにラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物と、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、およびその塩および光学異性体および幾何異性体から選択される、グリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む美容組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物、およびグリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む組成物を顔の皮膚に施用することにより、皮膚の老化の徴候を防止し、及び/または軽減させる、特に顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制する美容方法に関する。
【0002】
本発明はまた、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物、ならびにラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物と、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、およびその塩および光学異性体および幾何異性体から選択される、グリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む美容組成物に関する。
【0003】
本発明はまた、組成物中での、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物の、グリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤と組み合わせた、顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制する薬剤としての化粧用の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
皮膚の老化の徴候は、経時的原因(遺伝的にプログラムされた老化)、ならびにUV線への暴露、および、とりわけ閉経中に起こるホルモン不足などの、さらに悪化させる要因の両方を有することが知られている。これらは、皮膚のすべての層の「萎縮」により反映される、基本的に皮膚機能の緩徐化および不均衡による皮膚の状態の変化を反映している。すなわち、真皮(エラスチン、コラーゲンおよびグリコサミノグリカン)の質の低下および細胞外マトリックスの整合性の損失;表皮の厚さの減少(細胞再生の緩徐化);表皮構造のタンパク質および脂質産生の緩徐化;落屑の不均衡;および皮膚の含水量の減少。
【0005】
特に、上記の変異に続いて、皮膚を支持するマットレスが弱くなり脂肪の集合が溶ける:それによって、顔が徐々にくぼんできて皮膚がたるむ傾向を持つ。この現象は、ますますくぼんでゆく頬、眼の周囲の領域、および輪郭が不画定になってくる(頬の外観)顔の卵形において特に目立つ。
【0006】
現在、これらの老化の徴候の開始を抑制し、またはせめて遅らせ、それによってより長くより若く見えるための手段が絶えず探求されている。
【0007】
この皮膚のたるみおよび上記くぼみの出現を抑制するために、コラーゲンおよびグリコサミノグリカン(以下GAGと呼ぶ)の合成を刺激する活性剤により、真皮の構造を強化することからなる手段がよく知られている。この目的に従来使用されている活性剤は特に:アスコルビン酸およびその誘導体、ツボクサ(Centella asiatica)抽出物、レチノイド類、ある種のダイズタンパク質加水分解物およびオーキシン類(これらはコラーゲンの合成を増大させる)、さらに褐藻類パディナパボニカ(Padina pavonica)および酵母(Saccharomyces cerevisiae)抽出物(これらはGAG合成を増大させる)である。しかしこれらの経路により得られた結果は、完全には満足なものではない。
【0008】
本出願人は、まったく驚くべきことに、かつ予想外に、WO02/102347に記載のものなどの低分子量のペプチド(1400ダルトン未満)、および/または1400ダルトンを超える分子量を有するペプチドを含む米タンパク質加水分解物が、脂肪分解を阻害し、それによって皮膚の支持組織中に含まれる脂肪が落ちるのを防止し、または緩徐化する特性を有することを発見した。
【0009】
本出願人が、皮膚の老化の徴候を効果的に抑制し、特に顔がくぼみ且つたるむ種々のメカニズムを抑制するために、グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤と組み合わせて米タンパク質加水分解物を使用することを考えたのはこのことに関連している。
【0010】
従来技術により、毛髪または皮膚用美容組成物中に、特に保湿剤(EP1090630)としてまたはしわ防止剤(WO02/102347)として、米タンパク質加水分解物の使用が開示されている。
【0011】
しかし、本出願人の知る限り、皮膚の老化の徴候を抑制し、特に顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制するために、グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤と組み合わせた米加水分解物の使用が提案されたことはない。
【特許文献1】WO02/102347
【特許文献2】EP1090630
【特許文献3】WO99/24009
【特許文献4】WO02/051828
【特許文献5】EP-l074262
【特許文献6】EP-0582503
【特許文献7】EP-1038519
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の1つの主題は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む組成物を、顔の皮膚に施用することによる、皮膚の老化の徴候を防止し、及び/または軽減させるための美容方法である。
【0013】
特に、本発明による美容方法は、顔を再構築することおよび/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制することを対象とする。
【0014】
より具体的には、本発明による美容方法は、顔の輪郭を画定し直し、並びに/または頬および/もしくは眼の輪郭のくぼみを抑制することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の方法で使用される米タンパク質加水分解物は、低分子量(1400ダルトン未満)のペプチド、および/または1400ダルトンを超える分子量を有するペプチドを含み得る。
【0016】
特に、5000ダルトン以下の分子量、又は、好ましくは3000ダルトン以下の分子量を有するペプチドを含む米タンパク質加水分解物が使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この米タンパク質加水分解物を調製する方法は、例えば、
- 米穀粒(例えば:イネ(Oryza sativa))を粉砕すること、
- 米タンパク質を水中に溶解して、懸濁液を得ること、
- この懸濁液を、1種または複数のプロテアーゼの存在下で加水分解すること、
- 有利には、不溶性化合物、残留酵素および高分子量ペプチド(10000ダルトンを超える)を除去するために、膜を通してろ過すること、ならびに
- 任意選択で、この濃縮物に滅菌ろ過を行うことからなるステップを含む。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、本発明の方法で使用される米タンパク質加水分解物は、1000〜5000ダルトンの範囲の平均分子量、好ましくは2000〜3000ダルトンの範囲の平均分子量を有するペプチドを含む。
【0019】
この米タンパク質加水分解物を調製する方法は、例えば、
- 米穀粒(例えば:イネ(Oryza sativa))を粉砕すること、
- 米タンパク質を水中に溶解して、懸濁液を得ること、
- この懸濁液を、1種または複数のプロテアーゼの存在下で加水分解すること、
- 不溶性化合物、残留酵素、および高分子量ペプチドを除去するために、膜を通してろ過して、活性画分に1000〜5000ダルトン、好ましくは2000〜3000ダルトンの範囲の分子量を有するペプチドを濃縮すること、ならびに
- 任意選択で、この濃縮物に滅菌ろ過を行うことからなるステップを含む。
【0020】
この米タンパク質加水分解物を調製する方法は、発酵または発芽ステップを含まないことが有利である。さらに、本発明による組成物中に使用される、および/または上記方法で使用される米は、好ましくはイネ属(Oryza)に属し、より好ましくはイネ種(Oryza sativa L.)である。本発明による組成物中に使用される、および上記調製方法で得られた米加水分解物は、米糠を含まない米の部分から誘導されることが有利である。
【0021】
この米タンパク質加水分解物は、特に以下のアミノ酸プロファイル(アミノ酸の総%に対する%)により規定される。
【0022】
【表1】

【0023】
このような米タンパク質加水分解物は、Chemical AbstractsでCAS No.94350-05-7として参照される。これは特に、Pentapharm社から商標名Colhibin(登録商標)として市販されている。
【0024】
本発明の他の実施形態によれば、本発明の方法で使用される米タンパク質加水分解物は、1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドに富む。
【0025】
米タンパク質加水分解物中に含まれる、好ましくは50%を超え、より好ましくは70%を超えるペプチドは、1400ダルトン未満の質量を有する。さらに、米タンパク質加水分解物中に含まれるペプチドは、好ましくは300と400ダルトンの間、有利には350と370ダルトンの間の平均分子量を有する。最後に、1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドの少なくとも40%は、75と175ダルトンの間の分子量(「短ペプチド」)を有することが好ましい。一般に、1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドの60%未満、さらには50%未満は、75と175ダルトンの間の分子量を有するであろう。
【0026】
言い換えれば、この米タンパク質加水分解物中に含まれるペプチドの少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%が、75と175ダルトンの間の分子量を有することが好ましい。これらの低分子量ペプチドは、一般に米タンパク質加水分解物中に含まれるペプチドの50%未満、さらには40%未満を占める。これらは、基本的にはモノ-、ジ-およびトリペプチドからなることが好ましい。
【0027】
このような加水分解物は、特にSilab社から商標名Nutriskinとして市販されている。これは、特許出願WO02/102347に記載された通りに得てもよい。
【0028】
この米タンパク質加水分解物を調製する方法は、例えば、
- 米タンパク質を水中に溶解して、懸濁液を得ること、
- この懸濁液を、中性または酸性媒体中の細菌性アミノペプチダーゼ、酸性媒体中の動物起源の胃プロテアーゼ、中性媒体中の細菌性プロテアーゼ、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)または枯草菌(Bacillus subtilis)から抽出した、アルカリ性媒体中の細菌性プロテアーゼ、細菌性エンドプロテアーゼ、および動物起源の膵酵素から選択される1種または複数の酵素の存在下で加水分解すること、
- 活性画分に1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドを濃縮すること、ならびに
- 任意選択で、この濃縮物に滅菌ろ過を行うことからなるステップを含む。
【0029】
この方法は、発酵または発芽ステップを含まないことが有利である。さらに、本発明による組成物中に使用される、および/または上記方法で使用される米は、好ましくはイネ属(Oryza)に属し、より好ましくはイネ種(Oryza sativa L.)である。本発明による組成物中に使用される、および上記調製方法で得られた米加水分解物は、米糠を含まない米の部分から誘導されることが有利である。
【0030】
米ペプチド抽出物は、一般に、以下の実施例1に提示されたものと同様の試験に従って、脂肪細胞トリグリセリドのin vitroでの加水分解を阻害するのに有効な量で本発明に使用される。
【0031】
すなわちこれは、例えば、組成物の総重量に対して0.01〜2重量%(の活性物質)、より好ましくは0.02〜0.4重量%(の活性物質)を占める。好ましくは、これは組成物の総重量に対して0.01〜0.5重量%(の活性物質)、より好ましくは0.02〜0.2重量%(の活性物質)を占める。
【0032】
本発明の方法で使用される組成物の他の必須の成分は、グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤である。
【0033】
本発明により特に使用され得るグリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤としては、特に特許出願WO99/24009に記載の、D-キシロース、そのエステルおよびD-キシロースを含むオリゴ糖;C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体などの、特許出願WO02/051828に記載のC-グリコシド;Brooks社により商標名Biomin yogourth(登録商標)として販売されている製品などの、乳の乳酸棹菌ウルガリス(Lactobacillus vulgaris)による発酵産物;Alban Muller社より商標名HSP3(登録商標)として販売されている製品などの、褐藻類パディナパボニカ(Padina pavonica)抽出物;特にSilab社から商標名Firmalift(登録商標)として、またはLSN社から商標名Cytovitin(登録商標)として入手可能な、酵母(Saccharomyces cerevisiae)抽出物;Secma社から商標名Laminaine(登録商標)として入手可能な製品などの、ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物;Roche社から商標名Etca(登録商標)として入手可能な製品などの、ツボクサ(Centella asiatica)抽出物;ならびにSilab社から商標名Odraline(登録商標)として入手可能なカラシナ(オランダガラシ(Nasturtium officinale))抽出物がある。
【0034】
好ましくは、D-キシロース、そのエステルおよびD-キシロースを含むオリゴ糖、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体などの、特許出願WO02/051828に記載のC-グリコシド、褐藻類パディナパボニカ(Padina pavonica)抽出物、ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物、ならびにカラシナ(オランダガラシ(Nasturtium officinale))抽出物から選択されるグリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤が使用される。
【0035】
本発明に関連して、グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤として、ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物、あるいはC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体を使用することが好ましい。
【0036】
ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)は、酸化ストレスおよび細胞の老化を抑制し、特にグリコサミノグリカンの合成を促進することが知られている、黄褐色の種々のラミナリア属海草である((参考文献)EP-l074262)。
【0037】
ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物は、特に特許出願EP-1074262に記載の方法に従って入手可能であり、これは、例えば、
- 例えばブルターニュの北部海岸線から、新鮮な藻類を収穫すること、
- これらを洗浄すること、
- これらを有利には100と200μmの間のサイズにミリングすること、
- 遠心分離により細胞片を除去して、第1上澄み液を得ること、
- この上澄み液を、酸、好ましくは塩酸を用いた沈殿により、および活性炭上への吸着により分別して、第2上澄み液を得ること、
- ろ液がHPLCにより測定して、12.5%±2.5%のグリシンベタイン濃度に達するまで、第2の上澄み液をろ過すること(例えば、1000ダルトンのカットオフ閾値を用いたタンジェンシャルフィルトレーションによる)
からなるステップを含む。
【0038】
C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにこれらの塩および光学異性体および幾何異性体などのC-グリコシドは、特許出願WO02/051828に記載されており、これは参照により本特許出願に援用される。
【0039】
グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤は、組成物の総重量に対して0.001〜5重量%(の活性物質)、好ましくは0.01〜1重量%(の活性物質)を占め得る。これがラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物の場合は、この薬剤は、組成物の総重量に対して0.005〜0.1%(固体の重量による)、好ましくは0.01〜0.05%(固体の重量による)を占めることが有利である。
【0040】
上文において、「活性物質」という用語は、その中で販売される溶媒、およびそれと共に販売される添加剤(防腐剤など)、ならびに化合物がその中で合成されたまたは化合物がそれによって抽出された溶媒のない、化合物または化合物の混合物を意味する。
【0041】
本発明はまた、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物および少なくとも1種のラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物を含む、本発明による方法で使用し得る美容組成物に関する。
【0042】
本発明はまた、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物および少なくともC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体を含む、本発明による方法で使用し得る美容組成物に関する。
【0043】
前記組成物中に使用し得る、米タンパク質加水分解物およびラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物およびC-グリコシドは、説明中で上記に定義されている。
【0044】
米タンパク質加水分解物はこれらの組成物中で、例えば、組成物の総重量に対して0.01〜2重量%(の活性物質)、より好ましくは0.02〜0.4重量%(の活性物質)を占める。
【0045】
好ましくは、これは組成物の総重量に対して0.01〜0.5重量%(の活性物質)、より好ましくは0.02〜0.2重量%(の活性物質)を占める。ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物は、組成物の総重量に対して0.001〜5重量%(の活性物質)、好ましくは0.1〜1重量%(の活性物質)を占める。これがラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物の場合、この薬剤は、組成物の総重量に対して有利には0.005〜0.1%(固体の重量による)、好ましくは0.01〜0.05%(固体の重量による)を占める。
【0046】
C-グリコシド、特にC-β-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体は、例えば、組成物の総重量に対して0.001〜5重量%(の活性物質)、好ましくは0.01〜1重量%(の活性物質)を占める。
【0047】
本発明による組成物は、一般に皮膚への局所施用に適しており、したがって、一般に生理的に許容される媒体、すなわち皮膚および/またはその外皮と適合性のある媒体を含む。これは好ましくは、化粧品として許容される媒体、すなわち、好ましい色、匂いおよび感触を有し、使用者がこの組成物の使用を避けがちないずれの許容できない不快感(刺すような痛み、つっぱりまたは発赤)も生じない媒体である。
【0048】
本発明による組成物は、従来局所施用に使用される任意の生薬の形態、特にローションもしくは水性ゲルタイプの分散体、水性相中に脂肪相を分散させることにより得られる(O/W)、または逆(W/O)の、乳液タイプの液体もしくは半液体コンシステンシーのエマルジョン、またはクリームもしくはゲルタイプの軟らかい、半固体もしくは固体コンシステンシーの懸濁液またはエマルジョン、あるいは多相エマルジョン(W/O/WまたはO/W/O)、マイクロエマルジョン、イオン性および/または非イオン性タイプのベシクル分散体、またはワックス/水性相分散体の形態であり得る。これらの組成物は、通常の方法により調製される。
【0049】
本発明の好ましい一実施形態によれば、組成物は水中油型(O/W)エマルジョンの形態である。さらに、本発明の一変形形態によれば、米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤は、一緒にまたはそれぞれ単独でリポソームタイプまたはニオソームタイプのベシクル中に、特に特許出願EP-0582503に記載のようにニオソーム中に取り込まれている。これらのニオソームは、スクロースの脂肪酸エステルなどの、ポリオールのエーテルまたはエステル、特にスクロースジステアレートから;アニオン性またはカチオン性両親媒性脂質、特にグルタミン酸ステアロイル塩(特に二ナトリウム塩)などのアニオン性両親媒性脂質から;およびコレステロールなどのステロールから形成される。
【0050】
本発明による組成物中に使用し得る油としては、脂肪酸および脂肪アルコールのエステル;揮発性シリコーン油(シクロメチコンなど)または非揮発性シリコーン油(ジメチコンなど);オクチルドデカノールなどの分枝脂肪アルコール;ワセリン、スクアラン、イソヘキサデカンおよび鉱油などの炭化水素をベースとする油;植物油;およびシアバターを挙げることができる。油性相はまた、ミツロウなどのワックスを含み得る。
【0051】
この組成物はまた、ポリオール類、特にグリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール;任意選択でオキシエチレン化された、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリセロールの脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル、およびメチルグルコースの脂肪酸エステルを含めた乳化剤;セチルアルコールおよびステアリルアルコールなどの共乳化剤;充填剤、特にシリカ、およびKemanord Plast社により商品名Expancelとして販売されている、塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよびメタクリレートのターポリマーから形成された微粒子などの発泡粉末;多糖類またはシリコーンガム、アクリルアミドホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸ホモポリマーおよびコポリマー、およびアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)ホモポリマーおよびコポリマーなどの、増粘剤および/またはゲル化剤;防腐剤;金属イオン封鎖剤;トリエタノールアミン、水酸化ナトリウムまたはクエン酸などのpH調整剤;エタノール;染料;パール光沢剤;および香料などの化粧品に一般に使用される種々の補助剤を含んでいてもよい。
【0052】
言うまでもなく、当業者なら、このまたはこれらの任意選択の追加の化合物(または複数)および/またはこれらの量を、本発明による組成物の有利な特性が考慮した添加により悪影響を受けない、または実質上受けないように留意して選択するであろう。
【0053】
本発明による組成物は、加齢による顔のくぼみおよびそのたるみの原因となる、顔からの物質の損失を緩徐化することを可能にする。この組成物の効果を増強するために、以下から選択される少なくとも1の化合物を含んでもよい。
- 以下のテンショニング剤:
(1)ポリウレタンラテックスまたはアクリル酸/シリコーンラテックス、特に、プロピルチオ(ポリアクリル酸メチル)、プロピルチオ(ポリメタクリル酸メチル)とプロピルチオ(ポリメタクリル酸)でグラフトされたポリジメチルシロキサン、あるいはプロピルチオ(ポリメタクリル酸イソブチルとプロピルチオ(ポリメタクリル酸)でグラフトされたポリジメチルシロキサンなどの、特許出願EP-l038519に記載のもの。このようなグラフトされたシリコーンポリマーは、特に3M社により商標名VS 80、VS 70およびLO21として販売されている。
(2)天然起源のポリマー、特に、(a)例えば、(i)特に、米、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバ、エンドウマメ、コムギ(Triticum aestivum)、カラスムギ、等から誘導されたデンプンの形態、または(ii)有利には、ゲルマイクロパーティクルの水性分散体として、カラゲナン、アルギネート、寒天、ジェラン、セルロースをベースとするポリマーおよびペクチンの形態のポリホロシド、ならびに(b)セラック樹脂、サンダラックガム、ダンマー樹脂、エレミガム、コーパル樹脂およびセルロース誘導体と、これらの混合物からなるラテックス。
(3)特に、トウモロコシ、ライムギ、コムギ(Triticum aestivum)、ソバ、ゴマ、スペルトコムギ、エンドウマメ、インゲンマメ、レンズマメ、ダイズおよびルピナスからの植物タンパク質および植物タンパク質加水分解物。
(3)混合ケイ酸塩、特に層状ケイ酸塩および特にラポナイト。
(4)例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウおよびエスパルト草ロウから選択されるワックスマイクロパーティクル。
(5)0.1と100nmの間、好ましくは3と30nmの間の数平均直径を有し、例えば、シリカ、シリカ/アルミナ複合材料、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛および二酸化チタンから選択される無機充填剤のコロイド粒子。
- 真皮リラクシング剤、例えば、アデノシン、マグネシウムおよびマンガン塩(特にグルコネート)、およびジオスゲニンを含むナガイモ(Dioscorea opposita)またはメキシコヤマノイモ(Dioscorea villosa)抽出物など。
- 真皮表皮接合部のタンパク質の合成を増大させる薬剤、ラミニン、コラーゲンIVおよび/またはコラーゲンVII、および特にアスコルビン酸、またはColetica社により商標名Basalineとして販売されている製品などの、酵素的加水分解により得られた麦芽加水分解物など。
- 保湿剤、これは、ヒルアロン酸およびその塩などの湿潤剤、あるいはSilab社により商標名Structurine(登録商標)として販売されている製品などのルピナスのペプチド抽出物などの、ケラチノサイト分化を刺激し、それによって皮膚が完全に乾燥するのを防止する皮膚バリアを強化する薬剤であり得る。:Seporga社により商標名Phytocohesine(登録商標)として販売されている製品などのβ-シトステリル硫酸ナトリウム;Solabia社により商標名Phytovityl(登録商標)として販売されている製品などのトウモロコシの水溶性抽出物;Laboratoires Serobiologiques社により商標名Filladyn LS 9397(登録商標)として販売されている製品などの、バンバラマメ(Voandzeia subterranea)のペプチド抽出物;およびセコイソラリシレシノールなどのリグナンなど。
- 落屑剤、α-およびβ-ヒドロキシ酸、特に、5-n-オクタノイルサリチル酸などのサリチル酸およびその誘導体など;およびGattefosse社により商標名Gatuline(登録商標)として販売されている製品などの、ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)芽抽出物。ならびに
- コラーゲンおよびプロコラーゲンの合成を増大させる化合物、特に、Exsymol社により商標名Algisium Cとして販売されている、モノメチルシラントリオールマンヌロネートなど。
【0054】
本発明による組成物はまた、少なくとも1種のUVAおよび/またはUVB吸収剤を含んでいてもよい。日焼け止め剤は、有機吸収剤および無機吸収剤と、これらの混合物から選択される。
【0055】
特に好ましい有機吸収剤は、以下のもの(CTFA命名法に従って引用する):サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、フェニルベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、4-メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、メチレンビス(ベンゾトリアゾイル)テトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15から、および以下のもの(化学名として引用する):2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、およびこれらの混合物から選択される。
【0056】
無機吸収剤は、顔料、あるいは、コートされたまたはコートされていない金属酸化物、例えば酸化チタン(ルチル形および/またはアナターゼ形のアモルファスまたは結晶化した)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムナノ顔料のナノ顔料(主要な粒子の平均粒径:一般に5nmと100nmの間、好ましくは10nmと50nmの間)から選択される。
【0057】
本発明はまた、顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制する薬剤として、組成物中への少なくとも1種の米タンパク質加水分解物の、グリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤と組み合わせた化粧用の使用に関する。
【0058】
本発明を、以下の非限定的な実施例により例示する。これらの実施例において、量は重量パーセントで示す。
【0059】
(実施例)
(実施例1)
米タンパク質加水分解物の脂肪分解についての特性の実証
本発明者等は、本発明による米タンパク質加水分解物(特許出願WO02/102347に規定されている、Silab社からのNutriskin、活性物質6.25%)の脂肪細胞トリグリセリドの加水分解についての作用を、媒体中への非エステル化脂肪酸(NEFA)の放出を測定することにより評価した。
【0060】
この米タンパク質加水分解物は、低分子量のペプチド(1400ダルトン未満)を含む。
【0061】
2種の参照を使用した:テオフィリン(これは環状AMPの産生を刺激する)、およびイソプロテレノール(これはβ-アドレナリン作動性のアゴニストである)。これらの2種の分子は、脂肪分解作用を有し、すなわち、これらは脂肪細胞による非エステル化脂肪酸の放出を増大させる。
【0062】
手順:
脂肪細胞を、腹部整形術により単離し、次いでコラーゲナーゼ存在下でインキュベートし、洗浄し、試験媒体中に溶解させた。この試験媒体は、
- 試験製品(0.0625%または0.0125%の活性物質で示される加水分解物/1mMのテオフィリン/1μMのイソプロテレノール)、あるいは対照としていずれも含まない、
- 炭酸水素塩1.87mg/ml、
- ペニシリン/ストレプトマイシン25IU/ml/25μg/ml、
- グルタミン2mM、
- フェノールレッド除いて100%(体積/体積)まで適量の、0.5%(重量/体積)の脱脂ウシ血清アルブミンを補ったMEM、
を含んでいた。
【0063】
本発明者等は、次いで脂肪細胞懸濁液を加え、混合物を37℃でインキュベートした。デカンテーション後、脂肪細胞下の媒体部分中でNEFAをアッセイした。このアッセイを、NEFA-Cキットを用いて製造者の説明書に従って実施した。
【0064】
生成物の干渉が存在しない2種の対照(陽性および陰性の)についてNEFAアッセイを実施した。
【0065】
【表2】

【0066】
この試験で、基礎量の脂肪分解は高かった(これらの条件下で2時間に79μMのNEFAが放出された)。1mMのテオフィリンおよび1μMのイソプロテレノールは、脂肪分解を有意に刺激し、(対照に対してそれぞれ、630%および600%)、このことがこの試験を有効にしていた。NEFAアッセイで生成物の任意の干渉が明らかにない対照に対してそれぞれ21%および41%、米タンパク質加水分解物は基礎量の脂肪分解を有意に低下させた。
【0067】
したがって、これらの結果は、この活性剤は脂肪細胞の脂肪分解活性を低下させることを示す。
【0068】
(実施例2)
他の米タンパク質加水分解物の脂肪分解についての特性の実証
本発明者等は、他の米タンパク質加水分解物(Pentapharm社により販売されている、活性物質14.5%のColhibin(登録商標))の脂肪細胞トリグリセリドの加水分解についての作用を、媒体中への非エステル化脂肪酸(NEFA)の放出を測定することにより評価した。
【0069】
この米タンパク質加水分解物は、1000〜5000ダルトンの範囲の平均分子量を有するペプチドを含む。
【0070】
本発明者等は、実施例1に記載の同じプロトコルに従い、同じ試験媒体中で次のものをそれぞれ試験した。
- 最終濃度が10%、2%および0.4%の、それぞれ1.45%、0.29%および0.058%の活性物質に対応する、米タンパク質加水分解物Colhibin(登録商標)、
- 最終濃度1mMのテオフィリン、および最終濃度1μMのイソプロテレノール。
【0071】
本発明者等は、以下の結果を得た。
【0072】
【表3】

【0073】
この試験では、基礎量の脂肪分解は、無処理の対照の条件下で2時間に33.2μMの非エステル化脂肪酸(NEFA)の放出に対応していた。
【0074】
1mMのテオフィリンおよび1μMのイソプロテレノールは、脂肪分解を有意に刺激し、(対照に対してそれぞれ、1888%および1849%)、このことがこの試験を有効にしていた。
【0075】
NEFAアッセイで生成物の任意の干渉が明らかにない対照に対して12%、15%および39%で試験した3種の濃度で、米タンパク質加水分解物Colhibin(登録商標)は基礎量の脂肪分解を有意に低下させた。
【0076】
したがって、これらの結果は、この米タンパク質加水分解物は、脂肪細胞の脂肪分解活性を有意に低下させることを示す。
【0077】
したがって、実施例1および実施例2の結果は、低分子量(1400ダルトン未満)、または1000〜5000ダルトンの範囲の分子量を有するペプチドを含む米タンパク質加水分解物は、
脂肪細胞の脂肪分解活性を有意に低下させることを示す。
【0078】
(実施例3)
抗老化血清
以下の組成を有するO/Wエマルジョンを、当業者に標準的な方法で調製した。
水中の米タンパク質加水分解物* 0.5%
水/プロピレングリコール混合物中の
ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物** 0.1%
油 5%
界面活性剤 1%
テンショニング剤 7%
増粘剤/ゲル化剤 1%
グリセロール 1%
プロピレングリコール 1%
アルコール 13%
パール光沢剤 0.7%
クエン酸 0.1%
防腐剤 十分量
水 100%まで適量
*6.25%の活性物質、特許出願WO02/102347に記載の通りに調製した
**16.3%の固体(Secma社からのLaminaine)
【0079】
この組成物は、皮膚を再構築し、顔の輪郭を画定し直すために、朝および/または晩に顔に施用し得る。
【0080】
(実施例4)
眼の輪郭のケア
以下の組成を有するO/Wエマルジョンを、当業者には標準的な方法で調製した。
米タンパク質加水分解物(Pentapharm社により
販売されているColhibin(登録商標) 0.075%
C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン 2.5%
油 8%
脂肪物質 4%
界面活性剤 2%
増粘剤/ゲル化剤 1.5%
グリセロール 4%
中和剤 0.2%
防腐剤 1.2%
充填剤 3.5%
ヘキシルデカノール 1.5%
水 100%まで適量
【0081】
この組成物は、加齢に伴うくぼみを抑制するために、朝および/または晩に眼の輪郭に施用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤を含む組成物を、顔の皮膚に施用することにより、皮膚の老化の徴候を防止し、及び/または軽減させるための美容方法。
【請求項2】
顔を再構築することおよび/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制することを対象とすることを特徴とする、請求項1に記載の美容方法。
【請求項3】
顔の輪郭を画定し直し、並びに/または頬および/もしくは眼の輪郭のくぼみを抑制することを対象とすることを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の美容方法。
【請求項4】
米タンパク質加水分解物中に含まれるペプチドが、5000ダルトン以下の分子量、好ましくは3000ダルトン以下の分子量を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項5】
米タンパク質加水分解物中に含まれる50%を超えるペプチドが、1400ダルトン未満の分子量を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項6】
1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドの少なくとも40%が、75と175ダルトンの間の分子量を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項7】
米タンパク質加水分解物中に含まれるペプチドが、300と400ダルトンの間の平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項8】
前記米タンパク質加水分解物が、
- 米タンパク質を水中に溶解して、懸濁液を得ること、
- この懸濁液を、中性または酸性媒体中の細菌性アミノペプチダーゼ、酸性媒体中の動物起源の胃プロテアーゼ、中性媒体中の細菌性プロテアーゼ、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)または枯草菌(Bacillus subtilis)から抽出した、アルカリ性媒体中の細菌性プロテアーゼ、細菌性エンドプロテアーゼ、および動物起源の膵酵素から選択される1種または複数の酵素の存在下で加水分解すること、
- 有利には、活性画分に5000ダルトン未満の分子量を有するペプチド、好ましくは
1400ダルトン未満の分子量を有するペプチドを濃縮すること、ならびに
- 任意選択で、この濃縮物を滅菌ろ過すること
からなるステップを含む調製方法により得られることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項9】
米タンパク質加水分解物が、イネ種(Oryza sativa)から誘導されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項10】
前記米タンパク質加水分解物を調製する方法が、発酵または発芽ステップを含まないことを特徴とする、請求項8に記載の美容方法。
【請求項11】
前記米タンパク質加水分解物が、米糠を含まない米の部分から誘導されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項12】
米タンパク質加水分解物が、組成物の総重量に対して0.01〜2重量%(の活性物質)を占めることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項13】
米タンパク質加水分解物が、組成物の総重量に対して0.02〜0.4重量%(の活性物質)を占めることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項14】
グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤が、D-キシロース、そのエステルおよびD-キシロースを含むオリゴ糖類;C-グリコシド;乳の乳酸棹菌ウルガリス(Lactobacillus vurgaris)による発酵産物;褐藻類パディナパボニカ(Padina pavonica)抽出物;酵母(Saccharomyces cerevisiae)抽出物;ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物;ツボクサ(Centella asiatica)抽出物;ならびにカラシナ(オランダガラシ(Nasturtium officinale))抽出物から選択されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項15】
グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤が、ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項16】
グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤が、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項17】
ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物が、
- 新鮮な藻類を収穫すること、
- これらを洗浄すること、
- これらを有利には100と200μmの間のサイズにミリングすること、
- 遠心分離により細胞片を除去して、第1上澄み液を得ること、
- この上澄み液を、酸を用いた沈殿により、および活性炭上への吸着により分別して、第2上澄み液を得ること、
- ろ液がHPLCにより測定して、12.5%±2.5%のグリシンベタイン濃度に達するまで、第2の上澄み液をろ過すること
からなるステップを含む調製方法により得られることを特徴とする、請求項15に記載の美容方法。
【請求項18】
グリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤が、組成物の総重量に対して0.001〜5重量%(の活性物質)を占めることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項19】
ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物が、組成物の総重量に対して0.005〜0.1%(固体の重量による)を占めることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項20】
米タンパク質加水分解物およびグリコサミノグリカン合成を増大させる薬剤が、一緒にまたはそれぞれ単独でニオソーム中に取り込まれていることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項21】
組成物が水中油型エマルジョンの形態であることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の美容方法。
【請求項22】
生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物および少なくとも1種のラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法で使用し得る美容組成物。
【請求項23】
生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の米タンパク質加水分解物、ならびにC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、ならびにその塩および光学異性体および幾何異性体から選択される少なくとも1種の薬剤を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法で使用し得る美容組成物。
【請求項24】
組成物中での、グリコサミノグリカン合成を増大させる少なくとも1種の薬剤と組み合わせた少なくとも1種の米タンパク質加水分解物の、顔を再構築し、及び/または顔の加齢に伴うくぼみを抑制する薬剤としての化粧用の使用。

【公開番号】特開2006−137755(P2006−137755A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−325111(P2005−325111)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】