説明

粉体充填方法、粉体収納容器、現像剤補給装置、現像剤補給方法、画像形成装置、並びに粉体充填済み粉体収納容器の製造方法。

【課題】 比重が異なる2種類以上の粉体を粉体収納容器に充填するもので、充填後の粉体収納容器内に2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができる粉体充填方法を提供することである。
【解決手段】 最も比重が大きい粉体であるキャリアを含まない第一粉体であるトナーToをトナー貯留部615内で空気と混合し、トナーToの粒子間に空気を含んでその嵩が増加した状態として、トナー充填装置610が空気を含んだトナーToを粉体収納容器であるトナーボトル120に充填し終わった後で、キャリア充填装置620が第二粉体であるキャリアCaの充填を開始し、トナーボトル120内のトナーToの粒子間から空気が抜けて嵩が低減してトナーToの嵩が安定する前に、キャリアCaの充填を完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比重が異なる2種類以上の粉体を粉体収納容器に充填する粉体充填方法、この粉体充填方法によって粉体が充填された粉体収納容器、並びにこの粉体収納容器を備える現像剤補給装置、画像形成装置に関するものである。さらに、本発明はこの粉体収納容器を用いた現像剤補給方法、並びに、粉体充填済みの粉体収納容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉体を収納する粉体収納容器としては、容積が減少する粉体収納部と粉体排出口とを有し、負圧が働くことによって粉体を外部に排出する粉体収納容器がある。このような粉体収納容器は様々な技術分野で使用されているが、例えば、画像形成装置の分野のおいては特許文献1に開示された粉体収納容器がある。
この粉体収納容器では、粉体として現像装置に補給するためのトナーが粉体収納部に収納され、この粉体収納部は、袋状の変形可能な柔軟な材料で形成されている。そして、特許文献1に記載の画像形成装置の現像剤供給装置は、その内部をトナーが通過する搬送路部材と粉体ポンプとを備え、粉体ポンプの吸引力による負圧によって粉体排出口近傍のトナーを粉体排出口から排出し、現像装置に補給する。このとき、粉体ポンプの吸引力による負圧によって粉体収納部が収縮し、粉体収納容器の容積が減少する。また、負圧によって粉体排出口近傍のトナーが現像装置に向かって排出されるとき、粉体排出口近傍にないトナーは粉体排出口近傍のトナーが外部に排出されることで、粉体排出口に向かって移動する。このような粉体収納容器では、粉体ポンプの吸引によってトナーの排出と粉体収納部内でのトナーの移動が行われるため、粉体収納部内にトナーを移動させるための粉体搬送部材が不要となる。
【0003】
また、特許文献2に記載の画像形成装置が備える粉体収納容器は、粉体としてトナーのみではなく、トナーとキャリアとを所定の割合で含む現像剤を収納している。このように粉体収納容器内に現像剤を収納し、現像装置にトナーだけでなく、キャリアも供給することにより、消費されるトナーの補給だけでなく、現像装置内のキャリアを入れ替えることができる。キャリアを入れ替えることにより、現像装置内に存在するキャリアのうちの劣化したキャリアが占める割合を少なくすることができる。
特許文献2に記載の粉体収納容器に収納されるトナーとキャリアとのように、比重が異なる2種類の粉体を収納する粉体収納容器は、画像形成装置に用いられるものに限るものではなく、様々な技術分野で使用されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−323062号公報
【特許文献2】特開2004−264510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、比重が異なる2種類の粉体を収納する粉体収納容器では、粉体を充填した後の粉体収納容器内の各粉体が均一に混ざっていることを望まれることがある。例えば、2種類の粉体として、トナーとキャリアとからなる現像剤を収納する粉体収納容器では、収納する現像剤を現像装置に供給するときに、トナーとキャリアとが均一に混ざっていることが望まれる。これは、トナーとキャリアとが均一に混ざっていると、現像装置に供給する現像剤のトナーとキャリアとの割合を一定に保つことができるためである。しかし、比重が異なる2種類の粉体では、一度均一に混ぜたとしても、混ぜるときの攪拌動作で粉体の粒子間に含まれた空気が抜ける間に、比重の大きい粉体は比重の小さい粉体よりも下方に移動し易い。このため、攪拌動作の後で粒子間の空気が抜けた状態では、比重が大きい粉体が下方に、比重が小さい粉体が上方に片寄って存在する状態となる。このように、比重が異なる2種類の粉体が均一に混ざった状態とすることは技術的に困難であり、これらの粉体を収納する粉体収納容器内では、各粉体がバラツキのある状態で存在することになる。
【0006】
このようにバラツキのある状態で、最も比重の大きい粉体のみが存在する領域があると不具合が生じる場合がある。
この不具合の一例として、比重が異なる2種類の粉体としてトナーとキャリアとからなる現像剤を収納する粉体収納容器内に、最も比重の大きい粉体であるキャリアのみが存在する領域があることによって生じる不具合について説明する。
特許文献1の画像形成装置では、粉体収納容器はトナーを収納し、粉体ポンプを備える現像剤供給装置によって、トナーを現像装置に補給するものである。本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、特許文献1に記載の画像形成装置の粉体収納容器に、特許文献2に記載の粉体収納容器のようにトナーとキャリアとからなる現像剤を収納し、粉体ポンプの負圧によって現像剤を現像装置に供給することができることを見出した。
そして、粉体ポンプの負圧によって現像剤を現像装置に供給する構成で、本発明者らが実験を重ねたところ、次のような不具合が生じることが分かった。すなわち、トナーとキャリアとからなる現像剤であれば粉体ポンプは負圧によって搬送することができるが、キャリアのみでは粉体ポンプによる搬送が停止するという不具合が生じる。粉体ポンプによるキャリアの搬送が停止した状態では、搬送路部材の途中でキャリアが詰まり、負圧がかかっても移動しない状態になっていた。
【0007】
特許文献1の画像形成装置が備える粉体収納容器に現像剤を収納し、この現像剤を粉体ポンプの負圧によって搬送し、現像装置に供給するときに、キャリアのみを搬送する場合としては次のような場合が考えられる。
一つ目は、粉体収納容器にトナーとキャリアとを充填するときに、トナーを粉体収納容器に充填し、粉体収納容器内のトナーの嵩が安定している状態で、粉体収納容器にキャリアを充填する場合である。トナーの嵩が安定している状態、すなわち、トナー粒子間の空気が抜けて粒子同士に摩擦が働き易い状態であると、トナーの充填後に比重が大きいキャリアの補給が成されてもキャリアはトナー粒子の間に沈みこむことができない。このとき、トナーは粉体収納部の下方、キャリアは粉体収納部の上方に片寄った状態となる。ここで、粉体収納部に現像剤を充填する開口部が粉体排出口であり、現像剤を充填するときには粉体排出口を上方に向けるものであれば、トナーは粉体収納部の奥側(下方)、キャリアは粉体排出口近傍(上方)に片寄った状態となる。このような粉体収納容器を画像形成装置に設置して、粉体ポンプの負圧によって搬送しようとすると、設置当初の粉体排出口近傍にはキャリアが片寄って存在する。そして、キャリアが片寄って多く存在する領域内にはキャリアのみが存在する領域が生じることがある。このとき、キャリアのみが存在する領域が粉体排出口近傍に到達し、現像剤の搬送動作が行われるとキャリアのみが搬送され、粉体ポンプによる搬送が不能になるおそれがある。
2つ目は、粉体収納容器にトナーとキャリアとを充填するときに、キャリアを粉体収納容器に充填した後に、粉体収納容器にトナーを充填する場合である。粉体収納容器内にキャリアが充填されている状態で粉体収納容器内にトナーを供給すると、キャリアの集まりの上にトナーの集まりが載った状態となる。ここで、粉体収納部に現像剤を充填する開口部が粉体排出口であり、現像剤を充填するときには粉体排出口を上方に向けるものであれば、トナーは粉体収納部の粉体排出口近傍(上方)、キャリアは奥側(下方)に片寄った状態となる。そして、キャリアが片寄って多く存在する領域内にはキャリアのみが存在する領域が生じることがある。このような粉体収納容器を画像形成装置に設置して、粉体ポンプの負圧によって搬送しようとすると、設置当初の粉体排出口近傍にはトナーの割合が多い現像剤が搬送されるため、粉体ポンプによる搬送には問題は生じない。しかし、粉体収納部内の現像剤の量がすくなくなると、粉体収納部内にキャリアのみが存在する状態となるおそれがあり、このキャリアのみを粉体ポンプで搬送すると粉体ポンプによる搬送が不能になるおそれがある。
【0008】
上述の一例では、画像形成装置に用いられる粉体収納容器について、互いに比重が異なる粉体であるトナー粒子とキャリア粒子とからなる現像剤を収納する粉体収納容器における不具合について説明した。しかし、比重が異なる2種類の粉体を収納するものは画像形成装置に用いられる粉体収納容器に限るものではない。そして、粉体収納容器内に最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることにより不具合が生じるものは画像形成装置に用いられる粉体収納容器に限るものではない。また、比重が異なる2種類の粉体を収納するものについて説明したが、比重が異なる粉体は2種類に限らず、3種類以上の場合であっても粉体収納容器内に最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることにより不具合が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、比重が異なる2種類以上の粉体を粉体収納容器に充填するもので、充填後の粉体収納容器内に2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができる粉体充填方法、及びこの粉体充填方法によって粉体を充填された粉体充填済み粉体収納容器、この粉体充填済み粉体収納容器を用いる現像剤補給装置、現像剤補給方法、画像形成装置、並びに粉体充填済み粉体収納容器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、比重が異なる2種類以上の粉体を粉体収納容器に充填する粉体充填方法において、該2種類以上の粉体のうち、最も比重が大きい粉体を含まない1種類以上の粉体からなる第一粉体を空気と混合し、該第一粉体の粒子間に空気を含ませて該第一粉体の嵩を増加させ、該第一粉体を該粉体収納容器に充填し始めた後で、該2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体を含む第二粉体を充填し始め、該粉体収納容器内の該第一粉体の粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該第一粉体の嵩が安定する前に、該第二粉体の充填を完了することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の粉体充填方法において、上記第一粉体を該粉体収納容器に充填し終わった後に、上記第二粉体を充填し始めることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の粉体充填方法において、上記第一粉体を該粉体収納容器に充填している途中で、上記第二粉体を充填し始めることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の粉体充填方法において、上記2種類以上の粉体はトナーとキャリアとを含み、上記第一粉体は該トナーを含み、上記第二粉体は該キャリアを含むことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、粉体収納容器に比重が異なる2種類以上の粉体を充填した状態の粉体充填済み粉体収納容器において、該粉体収納容器に収納する該2種類以上の粉体を、請求項1、2、3または4の粉体充填方法で充填したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収納容器と、該現像剤を搬送先に搬送する現像剤搬送手段とを有する現像剤補給装置において、該現像剤収納容器として請求項5に記載の粉体充填済み粉体収納容器を用いることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像剤補給装置において、上記現像剤搬送手段は、その内部を現像剤が通過する搬送路部材と、上記現像剤収納容器が収容する上記現像剤に負圧を作用させ、該搬送路部材内を通して該現像剤の上記搬送先へ該現像剤を移動させる粉体ポンプとを有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像担持体と、現像剤収容部内の現像剤を用いて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置と、該現像剤収容部に現像剤を供給する現像剤補給手段とを備えた画像形成装置において、該現像剤補給手段として、請求項6または7の現像剤補給装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記現像剤収容部から現像剤を排出する現像剤排出手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、比重が異なるトナーとキャリアとからなる現像剤を、現像剤収納容器から現像装置に補給する現像剤補給方法において、該トナーを空気と混合し、該トナーの粒子間に空気を含ませて該トナーの嵩を増加させ、該トナーを該現像剤収納容器に充填し始めた後で、該キャリアを充填し始め、該現像剤収納容器内の該トナーの粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該トナーの嵩が安定する前に、該キャリアの充填を完了することによって、該トナーと該キャリアとからなる現像剤を充填された充填済み現像剤収納容器から該現像剤を排出して、現像装置に該現像剤を補給することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、比重が異なる2種類以上の粉体が充填された粉体収納容器を製造する粉体充填済み粉体収納容器の製造方法において、該2種類以上の粉体のうち、最も比重が大きい粉体を含まない1種類以上の粉体からなる第一粉体を空気と混合し、該第一粉体の粒子間に空気を含ませて該第一粉体の嵩を増加させ、該第一粉体を該粉体収納容器に充填し始めた後で、該2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体を含む第二粉体を充填し始め、該粉体収納容器内の該第一粉体の粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該第一粉体の嵩が安定する前に、該第二粉体の充填を完了することを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項1乃至11の発明においては、最も比重が大きい粉体を含まない第一粉体を空気と混合して、その粒子間に空気を含ませてその嵩を増加させることにより、第一粉体の流動性を高めることができ、第二粉体が供給されたときに第一粉体の粒子間に第二粉体の粒子が入ることができる。また、第一粉体を粉体収納容器に充填し始めた後で最も比重が大きい粉体を含む第二粉体を充填し始めることにより、第一粉体の存在する領域に対して粉体収納容器の下方に最も比重が大きい粉体を含む第二粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができる。そして、粉体収納容器内の第一粉体の粒子間から空気が抜けて嵩が低減し、第一粉体の嵩が安定する前に、言い換えると、第一粉体の流動性が高い状態のときに、第二粉体の充填を完了することにより、第一粉体よりも比重が大きな粒子を含む第二粉体が第一粉体の粒子間に入ることができる。このため、第一粉体の存在する領域に対して粉体収納容器の上方に最も比重が大きい粉体を含む第二粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができる。また、第二粉体が第一粉体の粒子間に入るため、第二粉体の多くの粒子が固まって存在しにくくなり、第一粉体の中に入った第二粉体についても第二粉体のみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至11の発明によれば、粉体充填後の粉体収納容器内の第一粉体に対して、粉体収納容器の上方、下方、そして第一粉体が存在する領域内にも比重が最も大きい粉体を含む第二粉体のみが存在する領域領域が生じること防止することができるため、充填後の粉体収納容器内に最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機」という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
【0014】
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
【0015】
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
【0016】
以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18について説明する。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
【0017】
次に、中間転写ユニットについて説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
【0018】
次に、二次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23は、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
【0019】
複写機本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙を給紙路46に向けて送り出される。
【0020】
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、その路内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
【0021】
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着せしめられる。
【0022】
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかする。
【0023】
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
【0024】
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
【0025】
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,M,C,K内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y,M,C,K上に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
【0026】
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて反転給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
【0027】
本複写機は、2色以上のトナーからなる他色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y,M,C,Kを接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY,M,C用の感光体1Y,M,Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,M,Cについては、感光体1だけでなく、現像器も駆動を停止させて、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
【0028】
本複写機は、複写機内の下記機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
【0029】
図2は、4つプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kのうちの1つが備える現像装置4及び感光体1を示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。
図2に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
【0030】
現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ5を有している。また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら図2の奥方向に現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュ8を有している。供給スクリュ8は、回転軸とこの回転軸に設けられた羽部とを備え、回転することにより軸方向に現像剤を搬送する現像剤搬送スクリュである。
現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する回収搬送部材としての回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の横方向に、回収スクリュ6を備えた回収搬送路としての回収搬送路7は現像ローラ5の下方に並設されている。
【0031】
現像装置4は、供給搬送路9の下方で回収搬送路7に並列して、攪拌搬送路10を設けている。攪拌搬送路10は、現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材としての攪拌スクリュ11を備えている。
供給搬送路9と攪拌搬送路10とは仕切り部材としての第一仕切り壁133によって仕切られている。第一仕切り壁133の供給搬送路9と攪拌搬送路10とを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。
なお、供給搬送路9と回収搬送路7とも第一仕切り壁133によって仕切られているが、第一仕切り壁133の供給搬送路9と回収搬送路7とを仕切る箇所には開口部を設けていない。
また、攪拌搬送路10と回収搬送路7との2つの搬送路は仕切り部材としての第二仕切り壁134によって仕切られている。第二仕切り壁134は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路10と回収搬送路7とが連通している。
また、現像装置4では、現像剤を収容する現像剤収容部を供給搬送路9、回収搬送路7及び攪拌搬送路10によって構成する。
【0032】
現像後の現像剤は回収搬送路7にて回収を行い、図2中の断面手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた第一仕切り壁133の開口部で、攪拌搬送路10へ現像剤が移送される。なお、攪拌搬送路10における現像剤搬送方向上流側の第一仕切り壁133の開口部の付近で攪拌搬送路10の上側に設けられたトナー補給口から攪拌搬送路10にキャリアを含んだプレミックストナーが補給される。
【0033】
次に、3つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。
図3は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置4の模式図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
【0034】
攪拌搬送路10から現像剤の供給を受けた供給搬送路9では、現像ローラ5に現像剤を供給しながら、供給スクリュ8の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ5に供給され現像に用いられず供給搬送路9の搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤は第一仕切り壁133の余剰開口部92より攪拌搬送路10に供給される(図3中矢印E)。
現像ローラ5から回収搬送路7に送られ、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁134の回収開口部93より攪拌搬送路10に供給される(図3中矢印F)。
そして、攪拌搬送路10は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュ11の搬送方向下流側であり、供給スクリュ8の搬送方向上流側に搬送し、第一仕切り壁133の供給開口部91より供給搬送路9に供給される(図3中矢印D)。
攪拌搬送路10では攪拌スクリュ11によって、回収現像剤、余剰現像剤及びトナー補給口95から必要に応じて補給されるプレミックストナーを、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で連通している供給搬送路9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、攪拌搬送路10の下方には、不図示のトナー濃度センサが設けられ、センサ出力により詳細は後述するトナー補給装置を作動し、トナー収容部からトナー補給を行う。
【0035】
図3に示す現像装置4では、供給搬送路9と回収搬送路7とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路9に混入することがない。よって、供給搬送路9の搬送方向下流側ほど現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路7と攪拌搬送路10とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。よって、十分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路9に供給されるため、供給搬送路9に供給されるの現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路9内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
【0036】
次に、現像装置4の供給搬送路9、攪拌搬送路10及び回収搬送路7からなる現像剤搬送路へのトナーを補給する位置について説明する。図4は、現像装置4の外観斜視図である。
図4に示すように、トナーを補給するトナー補給口95を攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に設けている。このトナー補給口95は現像ローラ5の幅方向端部よりも外側に設けてある。
また、トナー補給口95としては、攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に限らず、回収搬送路7の下流端部の上方に設けても良い。
さらに、回収搬送路7から攪拌搬送路10へ現像剤の受渡しを行う箇所である回収開口部93の真上にトナー補給口95を設けるようにしても良い。受渡し部である回収開口部93では現像剤が混ざりやすいため、この位置で補給を行うことにより、より効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。
【0037】
次に、現像装置4のトナー補給口95から現像装置4内にプレミックストナーを補給する現像剤補給装置としてのトナー補給装置500について説明する。
図5は、本複写機が有するトナー補給装置500の斜視説明図であり、図6はトナー補給装置500を示す断面説明図である。また、図7は、粉体収納容器であるトナーボトル120の外観斜視図である。トナーボトル120は、2種類以上の粉体としてトナーとキャリアからなり、トナーの割合が現像装置4内の現像剤よりも多い現像剤であるプレミックストナーを収納する粉体収納容器としての現像剤収納容器である。なお、図5中の符号Tfはプレミックストナーの流れを示している。
タンデム方式の画像形成装置で本複写機は、図5のように各色のプレミックストナーを収容するトナーボトル120が並んで配置される構成をとる。各色のトナーボトル120はそれぞれ現像剤の搬送路部材であるトナー補給チューブ65を介してサブホッパ68、粉体ポンプであるトナーポンプ60等を備えた補給ユニットと接続し、現像装置4は補給ユニットの下方に接続している。トナーポンプ60としては、内部に螺旋状溝を有する弾性部材のステータ69とステータ69内部で回転することにより軸方向にプレミックストナーを移動させるロータ61を備えたスクリューポンプであるモーノポンプを用いている。トナーポンプ60としては、特開2000−98721に記載のものを用いることができる。
トナーボトル120は図6及び図7に示すように、粉体収納部であるトナー収容体121と、唯一の粉体排出口であるトナー排出口122に取り付けられる口金部材130とで構成されている。このトナーボトル120の具体的な構成については後に詳述する。
【0038】
トナーボトル120は複写機本体にセットされた状態で、トナーボトル120内に、口金部材130に連結される装置本体側の連結部材としてのノズル80の先端が挿入された状態となる。これにより、トナー排出口122とノズル80のトナー受入口が連通する。ノズル80にはチューブ接続用ジョイント形状部を有し、トナー補給チューブ65はトナーポンプ60に連通しており、さらに、トナーポンプ60は、サブホッパ68を介して現像装置4と連通している。このように、トナーボトル120は複写機本体にセットされることで、現像装置4と連通する。
【0039】
トナーポンプ60は、吸引型の一軸偏心スクリューポンプといわれているものであって、ロータ61とステータ69の2つの主要部品を備えている。ロータ61は、硬質な断面円形の軸状部材が螺旋状にねじれた形状に形成されたものであって、駆動モータ66とユニバーサルジョイント64を介して連結されている。ステータ69はゴム状の柔軟な材料から作られて長円形の断面が螺旋状にねじれた形状の穴を有しており、また、ステータ69の螺旋のピッチはロータ61の螺旋のピッチの2倍の長さに形成されている。このような2つの部品を嵌合し、ロータ61を回転することでロータ61とステータ69の間にできるスペースに入ったプレミックストナーを移送することができる。
なお、図6の説明図では、駆動モータ66とユニバーサルジョイント64とを直接接続している。駆動力の伝達を図5の斜視図を用いて説明すると、駆動モータ66からの駆動力は駆動シャフト66b及び駆動シャフトギヤ66aを介して、ユニバーサルジョイント64に駆動力が伝達される。
【0040】
このように構成されたトナーポンプ60は、ロータ61が回転駆動されると、トナーボトル120内のプレミックストナーがトナー吸引口63からトナーポンプ60に入る。そして、図6中の左から右に吸引搬送されてトナー吐出口67からサブホッパ68を介して下方に配置された現像装置4のトナー補給口95から現像装置4内に供給される。
【0041】
図7は、トナーボトル120を示す外観斜視図である。
図7において、トナーボトル120のプレミックストナーTpを収容するトナー収容体121は軟包材と呼ばれるシート状の樹脂を溶着して袋状に形成したものである。トナー収容体121を構成するシート状の樹脂は、材質の異なる複数の樹脂のフィルムを積層して1枚のフィルムとしたものを使用している。具体的には袋状に形成したときに内側になる層から、溶着しやすい材料からなる溶着層、気密性に優れた材料からなる気密層、及び剛性に優れた剛性層の3層で構成する。
溶着層としては比較的低温で溶解する材質であるポリエチレン等が用いられ、気密層や剛性層には内容物の種類(固体、液体、粉体等)や目的(食品、医薬品等)等に合わせて、PET、ナイロン、アルミ、紙等が用いられる。
なお、本複写機で用いるトナーボトル120では、トナー収容体121の内側から外側に向かってポリエチレン、ナイロン、PETの3つの材質の複合材で構成されている。
【0042】
ここで、トナー収容体121の各層についてより詳しく説明する。
トナー収容体121を袋状に形成したときに内側になる溶着層として比較的低温で溶解する材質を用いることにより、熱を加えたときに全体がむらなく溶けて、隙間なくシート状部材を貼り合わせることができる。
また、プレミックストナーTpを保管中に外気に触れるとプレミックストナーTpが劣化することがある。特に湿気が高い環境ではプレミックストナーTpが凝集してトナー補給不良の原因となることがある。これを防止するため、袋部材を構成するシート状部材に気密層を設けることでトナーボトル120の気密性を高めている。
さらに、トナーボトル120はユーザーが直接触れるため、持ちやすさを考慮する必要がある。袋部材を構成するシート状部材に、比較的剛性の高い材質を用いるとこの材質の厚みを変えることでトナーボトル120の剛性を調整できるため、トナーボトル120に望ましい剛性を持たせることができる。
なお、この3つの層以外の層をさらに備えても良い。
【0043】
トナー収容体121は、溶着層どうしが向かい合うようにシート状部材を折りたたんで溶着する、という工程を繰り返して袋を形成する。溶着しないトナー収容体121の例としては、シート状部材を接着剤で貼り合わせたものがある。(例:紙袋状の袋部材)この場合は、容器を折って稜線を形成しているので、稜線の強度は他の部分と同じである。
それに対して、トナー収容体121では、その稜線には溶着代123があり、溶着代123では2枚のシートが溶着されて、シートの厚みが他の部分の倍の厚みになっている。このため、容器の稜線が「柱」のような役割りを果たすため、容器全体の剛性が高くなる。これによって、輸送時の振動や落下時の衝撃で容器が座屈したり、プレミックストナーTp補給中にトナー排出口122の付近で面部分が変形してトナーボトル120が閉塞したり、ということを防止することができる。
【0044】
上述のようにトナー収容体121はシートで形成されているため、内容物の形や量の多少等に応じて変形可能であり、例えば使い終わったトナーボトル120は小さく丸めて回収することができる。
【0045】
変形可能なトナー収容体121をトナー補給装置500と固定するのは難しいため、硬質樹脂等で構成された口金部材130にトナー収容体121を取り付けておき、口金部材130とトナー補給装置500が勘合するように形成すると確実にトナーボトル120をトナー補給装置500にセットできる。
口金部材130はトナー収容体121に比べて小さいもので剛性のある成形樹脂で構成されている。トナー収容体121の内側層と口金部材130の材質をポリエチレンで形成すると、溶着によって隙間なく取り付けることができる。詳しくは、口金部材130の一部をトナー収容体121の中に差し込んで加熱した溶着コテで荷重を加えると、口金部材130とトナー収容体121とを溶着できる。
詳細は後述する本発明の粉体充填方法は、トナー収容体121のように内部にスクリュ等の攪拌、搬送部材を利用しないトナー収容体で効果的である。
【0046】
このような柔軟なトナー収容体121と口金部材130からなるトナーボトル120では、口金部材130の本体側との係合部である取り付け部材136は、各色のトナーボトル120間で異なる形状をしている。これにより、誤った色のトナーボトル120をセットするのを防止することができる。さらに、情報記録部材であるRFタグ124を口金部材130の側面に設けている。ここで、RFタグ124とは、電波(電磁波)を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体である。このRFタグ124には、例えば、そのトナーボトル120と容器内に収納されているプレミックストナーに適合する画像形成装置の機種、トナーの色、製造日、トナー残量等の情報が記録されている。
【0047】
次に、現像装置4内の現像剤の入れ替えについて説明する。
上述したように、現像剤補給装置であるトナー補給装置500は、粉体収納容器であるトナーボトル120内のトナーとキャリアとを含むプレミックストナーをトナー補給口95から現像装置4に補給する。
また、現像装置4には、供給搬送路9内の現像剤が所定の嵩を越えた場合にその一部を現像装置4の外部に排出する現像剤排出手段である現像剤排出口94と、現像剤排出口94から排出された現像剤を現像装置4の外部に搬送する排出搬送路2とを有する。排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流側で仕切り壁135を挟んで供給搬送路9と隣り合うように配置され、現像剤排出口94は供給搬送路9と排出搬送路2とを連通するように仕切り壁135に設けられた開口である。
【0048】
現像装置4では、供給搬送路9の現像剤の搬送量、現像ローラ5への現像剤の供給量、及び、余剰開口部92を通る供給搬送路9から攪拌搬送路10への現像剤の移動量のバランスにより、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で現像剤が滞留する。現像装置4内の現像剤量が一定の間は、時間当りに供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量と、時間当りに余剰開口部92を通って攪拌搬送路10へと移動する現像剤量とが一致し、滞留する現像剤の嵩は一定となる。一方、現像装置4内の現像剤量が増加すると、時間当りに余剰開口部92を通って攪拌搬送路10へと移動する現像剤量よりも時間当りに供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量の方が多くなる。これにより、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する現像剤の嵩が増加する。
また、現像剤排出口94は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤が滞留する位置に配置されており、滞留する現像剤の嵩が増したときに、現像剤排出口94の高さに到達した現像剤を排出搬送路2へ排出する。
このような現像装置4では、トナー補給装置500からのプレミックストナーの供給がない状態では、現像装置4内の現像剤量がほとんど変化せず、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する現像剤の嵩も変動はほとんどない。一方、トナー補給装置500によってプレミックストナーが現像装置4内に補給されると、現像装置4内の現像剤量が増加し、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する現像剤の嵩が増加する。そして、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤の嵩が、現像剤排出口94の高さまで上昇すると、現像剤排出口94の高さに到達した現像剤が排出搬送路2へと排出され、排出搬送路2を通って現像装置4の外部に排出される。
現像剤排出口94から排出搬送路2を通って現像装置4の外部に排出される現像剤にはトナーとキャリアとが含まれており、プレミックストナーには未使用のトナーとキャリアとが含まれている。このため、トナー補給装置500のプレミックストナーの補給と現像剤排出口94からの現像剤の排出とによって、現像装置4内の現像剤の入れ替えを行うことができる。
【0049】
トナーとキャリアとからなる現像剤を使用する二成分現像装置を備えた従来の画像形成装置としては、現像によって使用されたトナーを補充するために、トナー補給装置によってトナーのみを現像装置に補給するものがある。このような画像形成装置では、使用していくにつれて現像装置内の現像剤が劣化して、画像劣化やトナー飛散などが発生する。このため、トナーのみを現像剤に補給するものであると、定期的にサービスマンが現像剤を交換するメンテナンス作業を行っていた。
一方、本実施形態の複写機のように、現像装置4にトナーとキャリアとからなるプレミックストナーを補給することにより、作像中に現像装置4内の現像剤を入れ替え、現像剤の寿命を延長することができる。これにより、メンテナンス間隔を広げてダウンタイムを低減することができる。
【0050】
本実施形態のトナー補給装置500では、粉体ポンプであるトナーポンプ60の負圧により粉体収納容器であるトナーボトル120内のトナーとキャリアとからなるプレミックストナーTpを吸引し、トナー補給チューブ65内を搬送して現像装置4に供給する。本発明者らが、トナーポンプ60を用いてプレミックストナーを搬送する実験を行ったところ、トナーポンプ60による搬送が不能になる場合があった。トナーのみが搬送される場合や、トナーとキャリアとが混合されたものが搬送される場合は、トナーポンプ60による搬送は問題なく行うことができたが、キャリアのみが搬送されている場合は、トナー補給チューブ65内等にキャリアが詰まり、負圧がかかっても移動しなくなり、トナーポンプ60による搬送ができなくなることが分かった。
キャリアがトナー補給チューブ65内等に詰まって、トナーポンプ60による搬送が不能になると、部品の交換やサービスマンによるメンテナンス等の修復作業が必要となり、この修復作業が終わるまでは使用することができず、ダウンタイムとなる。
【0051】
トナーポンプ60の搬送が不能になるキャリアのみが搬送される状態は、トナーボトル120内にキャリアのみが存在する領域があるために生じる。トナーボトル120内のキャリアのみが存在する領域は、トナーボトル120にプレミックストナーを充填するときに発生する。トナーボトル120にプレミックストナーを充填するときには、トナーとキャリアとが所定の割合となるように、充填用のトナーを収納する装置から所定量のトナーを供給し、充填用のキャリアを収納する装置から所定量のキャリアを供給する。このようにトナーとキャリアとをそれぞれ充填するため、その充填方法によってはトナーとキャリアとを充填したあとのトナーボトル120内にキャリアのみが存在する領域が発生する。
【0052】
このように、プレミックストナーをトナーボトル120に充填するときに、キャリアのみが存在する領域が発生しても、トナーボトル120を振ることでキャリアのみが存在する領域を解消することができる。トナーボトル120を振ることでトナーとキャリアとが攪拌され混ざった状態となる。混ぜるときの振る動作でトナーとキャリアとの粒子間に空気が含まれ、この空気が抜ける間に、比重が大きいキャリア粒子は比重が小さいトナー粒子に対して下方に移動し易い。このため、トナーボトル120を振った後、トナーボトル120を静止させたときに下方となった側にキャリアが片寄って存在し、トナーボトル120を静止させたときに上方となった側にトナーが片寄って存在することになる。トナーボトル120内でトナーとキャリアとがそれぞれ片寄って存在する状態であっても、トナーボトル120を振ったときにキャリア粒子とトナー粒子とが接触したため、キャリア粒子が片寄って存在する領域でもキャリア粒子の周りをトナー粒子が被覆した状態となる。よって、キャリアが片寄って存在する領域でもトナーが存在し、キャリアのみが存在する領域を解消することができる。キャリアのみが存在する領域を解消することができれば、トナーボトル120内のプレミックストナーをトナーポンプ60で吸引したときに、キャリアのみを吸引することで生じる搬送不能となることを防止することができる。
このため、使用者がトナーボトル120を交換するときに、トナーボトル120を振ってからトナー補給装置500に設置することで、トナーポンプ60が搬送不能になることを防止することができる。
【0053】
しかし、使用者がトナーボトル120を振ることを失念してトナー補給装置500に設置することは起こり得ることである。また、トナーボトル120のようにトナー収容体121内に攪拌部材がない粉体収納容器では、トナー補給装置500に設置された後は、トナー排出口122近傍の粒子から順次排出され、奥側の粒子が順次トナー排出口122に向かって移動するもので、粒子同士の相対的な位置の変動は起こりにくい。このため、トナー補給装置500に設置されたトナーボトル120内にキャリアのみが存在する領域があると、キャリアのみが存在する領域がいずれトナー排出口122に到達してしまう。
よって、プレミックストナーを充填したときにトナーボトル120内にキャリアのみが存在する領域があるトナーボトル120を振らずにトナー補給装置500に設置すると、キャリアのみが存在する領域がトナー排出口122に到達し、トナーポンプ60によってキャリアのみが吸引、搬送され、トナーポンプ60による搬送が不能となるおそれがある。
【0054】
このような問題に対して、所定の割合のトナーとキャリアとを予め混合して、トナーとキャリアとが混ざり合った状態の現像剤としてのプレミックストナーを複数のトナーボトルに充填することが考えられる。特許文献2では、ミキサー等でトナーとキャリアを混合してから混合した現像剤を、スクリュを用いて粉体収納容器に充填する方法が示されている。この方法では、トナーとキャリアが均一に混合できていないと、充填の順序などによって粉体収納容器ごとのプレミックストナーに含まれるトナーとキャリアの比率が異なることになる。
本実施形態のように、所定の割合のトナーとキャリアとを収納する粉体収納容器からプレミックストナーを現像装置に補給して、消費されたトナーを補給しつつ、キャリアを入れ替える構成は、一つの粉体収納容器内の現像剤を補給し終わったときに、現像装置内の現像剤のトナーとキャリアとの割合のバランスが保たれるように粉体収納容器内のトナーとキャリアとの割合が決められている。そして、1つの粉体収納容器内の現像剤中のトナーとキャリアとの割合に、粉体収納容器毎に個体差があると一つの粉体収納容器内のプレミックストナーを補給し終わった状態で、現像装置内のトナーとキャリアとの割合のバランスが崩れる畏れがある。現像装置内のトナーとキャリアとの割合のバランスが崩れると、画像の均一性や階調性が悪化して画質が低下したり、トナー飛散によるきない汚染が生じたりする畏れがある。例えば、一つの粉体収納容器が収納するプレミックストナー内のキャリアの割合が少なすぎると現像剤劣化を早めたり、キャリアの割合が多すぎるとトナーイールド低下を引き起こしたりことがある。
また、キャリアとトナーとに比重差があるため、攪拌しても攪拌した現像剤を収納する収納容器内の現像剤の下方にキャリアを多く含む領域が生じやすく、トナーとキャリアとの分布が均一に混合させることを困難である。そして、トナーとキャリアが均一に混合させようと、高回数や長時間の攪拌を行なうと、トナーやキャリアの劣化につながる。
【0055】
次に、本実施形態の粉体収納容器であるトナーボトル120にトナーとキャリアと充填する充填装置について説明する。
図8は、本実施形態のトナーボトル120にトナーとキャリアとからなるプレミックストナーを充填する粉体充填装置600の説明図である。
図8に示すように、粉体充填装置600は、トナーボトル120にトナーを充填するトナー充填装置610と、トナーボトル120にキャリアを充填するキャリア充填装置620とを有する。さらに、トナーとキャリアとを充填したあとのトナーボトル120から空気を抜く、脱気装置630を有する。また、トナーボトル120に現像剤であるプレミックストナーを充填するときには、図8に示すようにトナー排出口122を上方に向けて、トナー排出口122からトナー及びキャリアを充填する。
【0056】
トナー充填装置610は、トナー供給口612から供給されたトナーToを貯留するトナー貯留部615と、トナー貯留部615内のトナーに空気を供給する空気供給装置613とを有する。トナー貯留部615には、不図示の粉体ポンプの吸引力によってトナー貯留部615内のトナーToを搬送するトナー充填ノズル614が接続されている。また、空気は通過可能であるがトナーは通過できない程度の目の大きさの篩である気体−粉体分離篩611がトナー貯留部615の下方に配置されている。そして、気体−粉体分離篩611によって仕切られるトナー貯留部615の下方の空間には、空気供給装置613に接続された空気供給ノズル616が接続されている。トナー充填ノズル614のトナー貯留部615に接続されていない側の端部を粉体収納容器であるトナーボトル120の粉体排出口であるトナー排出口122に挿入して不図示の粉体ポンプを駆動させることにより、トナーボトル120へのトナーToの充填を行うことができる。トナーToの充填量は不図示の粉体ポンプの駆動時間によって調節する。
【0057】
一方、キャリア充填装置620は、キャリア供給口621から供給されたキャリアCaを貯留するキャリア貯留部622を有する。キャリア貯留部622の最下部にはキャリア充填ノズル623が接続されており、キャリア貯留部622のキャリア充填ノズル623の接続部には不図示の開閉弁が設けられている。キャリア充填ノズル623のキャリア貯留部622に接続されていない側の端部をトナーボトル120のトナー排出口122に挿入して不図示の開閉弁を開放することにより、トナーボトル120へのキャリアCaの充填を行うことができる。キャリア貯留部622からトナーボトル120へのキャリアCaの移動は重力によって行われ、キャリアCaの充填量は不図示の開閉弁の開放時間によって調節する。
また、脱気装置630には脱気ノズル631の一端が接続されており、他端をトナーボトル120のトナー排出口122に挿入して脱気装置630を駆動することにより、トナーボトル120内の空気を抜くことができる。
【0058】
[実施例1]
次に、図8に示す粉体充填装置600を用いて行う、トナーとキャリアとを粉体収納容器であるトナーボトル120に充填する、本発明の粉体充填方法の一つ目の実施例(以下、「実施例1」と呼ぶ)について説明する。
図9は、実施例1の粉体充填方法の説明図である。
実施例1の粉体充填方法は、以下の(1)〜(4)の手順で行われる。
(1)図8に示すトナー充填装置610のトナー貯留部615内のトナーToに空気供給装置613によって空気を送り込み、トナーToの粒子間に空気を含ませてトナーToの嵩を増加させ、流動性の高い状態にする。
(2)図9(a)に示すように、空気を含ませたトナーToをトナー充填ノズル614からトナーボトル120に充填する。
(3)図9(b)に示すように、トナーToの充填が終了した後に、キャリア充填装置620によってキャリア貯留部622内のキャリアCaをキャリア充填ノズル623からトナーボトル120に充填する。
(4) 図9(c)に示すように、キャリアCaの充填が終了した後、図9(d)に示すように、脱気装置630によって脱気ノズル631からトナーボトル120内の余剰空気を抜く。
【0059】
手順(3)では、先に充填されたトナーボトル120内のトナーToの粒子間から空気が抜けて、トナーToの嵩が低減し、その嵩が安定する前に、キャリアCaの充填を行うようにする。トナー粒子間の空気が抜けきる前のトナーToの流動性が高い状態でキャリアCaを充填することにより、トナーToよりも比重が大きいキャリアCaがトナーToの中に沈みこみ、トナーToの粒子の間に、キャリアCaの粒子が入ることができる。流動性が高い状態のトナーTo内に入ったキャリアCaの粒子は、トナーTo内を容易に移動することができるの。このため、図9(b)に示すように、トナーToとキャリアCaの比重差でキャリアCaはトナーToの中に沈み、対流が生じてトナーとキャリアが混合する。この滞留によるトナーとキャリアとの混合によって、図9(c)に示すようにトナーToの中にキャリアCaが分散する。
【0060】
図9(c)に示すように、トナーToの中にキャリアCaが分散した状態で、手順(4)のように、余剰空気を抜くことによって、トナーToの粒子間に含有されていた空気が抜ける。トナーToの粒子間の空気が抜けると、図9(d)に示すように、トナーToとキャリアCaを含有する現像剤の嵩が減少し、トナーTo及びキャリアCaの粒子間が詰まった状態となって、トナーToとキャリアCaとが流動しなくなる。トナーToの中にキャリアCaが分散した状態で空気を抜き、流動しない状態とするため、トナーToとキャリアCaとの混合状態を保持することができる。
【0061】
実施例1の粉体充填方法であれば、比重が異なる2種類の粉体からなるプレミックストナーが含む最も比重が大きい粉体であるキャリアCaを含まない第一粉体であるトナーToに空気を混合することで、トナーToの流動性を高めることができる。また、トナーToを粉体収納容器であるトナーボトル120に充填した後、2種類の粉体のうち最も比重が大きい粉体としての第二粉体であるキャリアCaを充填し始めることにより、トナーToの存在する領域に対してトナーボトル120の下方にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。そして、先にトナーボトル120に充填されているトナーToの粒子間から空気が抜けて嵩が低減し、トナーToの嵩が安定する前に、言い換えると、トナーToの流動性が高い状態のときに、キャリアCaの充填を完了することにより、トナーToよりも比重が大きいキャリアCaが沈み込むようにトナーToの粒子間に入ることができる。このため、トナーToの存在する領域に対してトナーボトル120に粉体を供給する開口部であるトナー排出口122側にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。また、キャリアCaがトナーToの粒子間に入るため、キャリアCaの多くの粒子が固まって存在しにくくなり、トナーToの中に入ったキャリアCaについてもキャリアCaのみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
【0062】
[実施例2]
次に、図8に示す粉体充填装置600を用いて行う、トナーとキャリアとを粉体収納容器であるトナーボトル120に充填する、本発明の粉体充填方法の二つ目の実施例(以下、「実施例2」と呼ぶ)について説明する。
図10は、実施例2の粉体充填方法の説明図である。
実施例2の粉体充填方法は、以下の(1)〜(4)の手順で行われる。
(1)図8に示すトナー充填装置610のトナー貯留部615内のトナーToに空気供給装置613によって空気を送り込み、トナーToの粒子間に空気を含ませてトナーToの嵩を増加させ、流動性の高い状態にする。
(2)図10(a)に示すように、空気を含ませたトナーToをトナー充填ノズル614からトナーボトル120に充填する。
(3)図10(b)に示すように、トナーToの充填中に、キャリア充填装置620によってキャリア貯留部622内のキャリアCaをキャリア充填ノズル623からトナーボトル120に充填を開始する。
(4) 図10(c)に示すように、トナーToとキャリアCaとの充填が終了した後、図10(d)に示すように、脱気装置630によって脱気ノズル631からトナーボトル120内の余剰空気を抜く。
【0063】
実施例2の粉体充填方法は、実施例1の粉体充填方法に対して、キャリアCaを充填し始めるタイミングが異なる。実施例1では、トナーToの充填が終了した後にキャリアCaの充填を開始しているが、実施例2では、トナーToを先に充填し始め、トナーToを充填している途中でキャリアCaの充填を開始する。トナーToを充填しながらキャリアCaを充填することにより、トナーToの流動性が実施例1よりも高い状態でキャリアCaの充填を行うことができる。このため、キャリアCaを充填するときに対流が実施例1よりも生じやすく、トナーToとキャリアCaとを混合しやすくなる。
トナーToとキャリアCaとを混合することにより、図10(c)に示すようにトナーToの中にキャリアCaが分散する。
【0064】
図10(c)に示すように、トナーToの中にキャリアCaが分散した状態で、手順(4)のように、余剰空気を抜くことによって、トナーToの粒子間に含有されていた空気が抜ける。トナーToの粒子間の空気が抜けると、図10(d)に示すように、トナーToとキャリアCaを含有する現像剤の嵩が減少し、トナーTo及びキャリアCaの粒子間が詰まった状態となって、トナーToとキャリアCaとが流動しなくなる。トナーToの中にキャリアCaが分散した状態で空気を抜き、流動しない状態とするため、トナーToとキャリアCaとの混合状態を保持することができる。
【0065】
実施例2の粉体充填方法は、第一粉体であるトナーToに空気を混合することで、実施例1と同様にトナーToの流動性を高めることができる。また、トナーToをトナーボトル120に充填し始めた後に、第二粉体であるキャリアCaを充填し始めることにより、トナーToの存在する領域に対してトナーボトル120の下方にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。そして、実施例2では、トナーToを充填している途中でキャリアCaの充填を開始するため、トナーToの流動性が高い状態のときに、キャリアCaを充填することができ、トナーToよりも比重が大きいキャリアCaが沈み込むようにトナーToの粒子間に入ることができる。このため、トナーToの存在する領域に対してトナーボトル120に粉体を供給する開口部であるトナー排出口122側にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。また、キャリアCaがトナーToの粒子間に入るため、キャリアCaの多くの粒子が固まって存在しにくくなり、トナーToの中に入ったキャリアCaについてもキャリアCaのみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
【0066】
このように、実施例1または実施例2の粉体充填方法でトナーToとキャリアCaとをトナーボトル120に充填すると、充填後のトナーボトル120内にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。
そして、実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填された充填済み粉体収納容器であるトナーボトル120は、その内部にキャリアCaのみが存在する領域がない。このため、トナー排出口122からキャリアCaが排出されるときはトナーToとともに排出される。
実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填されたトナーボトル120を、粉体ポンプであるトナーポンプ60の発生させる負圧によって現像剤であるプレミックストナーを搬送する現像剤補給装置としてのトナー補給装置500にセットすると、キャリアCaのみが搬送されることがない。このため、トナーポンプ60による搬送が不能になることを防止することができ、現像装置4に安定したプレミックストナーの補給を行うことができる。
実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填されたトナーボトル120をセットされたトナー補給装置500を有する画像形成装置としての複写機では、現像装置4に安定したプレミックストナーの補給が行われることにより、安定した画像形成を行うことができる。
また、実施例1及び実施例2の粉体充填方法では、トナーTo及びキャリアCaのそれぞれの粒子の粒子間の距離が離れた状態で混合するため、粒子どうしが衝突や接触しにくく、トナーToやキャリアCaにストレスがかかりにくい。このため、実施例1または実施例2の粉体充填方法でトナーボトル120に充填されたプレミックストナーは、トナーボトル120内に充填されるまでのトナーToやキャリアCaの劣化が少ない。よって、本実施形態の複写機では、現像装置4に供給される前のプレミックストナーの劣化を抑制することができ、高品質の画像形成を行うことができる。
【0067】
本実施形態の粉体収納容器であるトナーボトル120は、その内部に攪拌部材を備えない粉体収納容器である。実施例1または実施例2の粉体充填方法でトナーとキャリアとを充填する粉体収納容器としては、その内部にパドル等の攪拌部材を備えるものであっても良い。内部に攪拌部材を備える粉体収納容器であれば、トナーとキャリアとを充填した状態でキャリアのみが存在する領域があっても、攪拌部材によって攪拌が成されるため、キャリアのみが排出されることによる不具合は生じにくい。一方、実施例1及び実施例2の粉体充填方法であれば、トナーとキャリアとを粉体収納容器に充填するまでに、トナーとキャリアとにストレスがかかりにくい。このため、実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーを充填された粉体収納容器を用いることにより、現像装置に供給される前のプレミックストナーの劣化を抑制することができ、高品質の画像形成を行うことができる。
また、内部に攪拌部材を備える粉体収納容器であれば、充填時には粉体収納容器内のトナーとキャリアは完全に均一ではない場合も、画像形成装置にセットして現像装置に補給中でもトナーとキャリアがさらに混合してより均一に分散させることができる。なお、画像形成装置にセットした後に、粉体収納容器を回転させて現像装置に補給する粉体収納容器についても、攪拌部材を備えるものと同様である。
【0068】
本実施形態では、比重が異なる2種類以上の粉体を収納する粉体収納容器として、トナーとキャリアとを収納し、画像形成装置としての複写機にセットされる現像剤収納容器であるトナーボトル120について説明した。
本発明の特徴部である実施例1または実施例2で説明した粉体充填方法を用いて比重が異なる2種類以上の粉体を充填される粉体収納容器としては、現像剤収納容器に限るものではない。実施例1または実施例2の粉体充填方法を用いて比重が異なる2種類以上の粉体を充填することにより、粉体収納容器内に、最も比重が大きい粉体のみが存在する領域が生じることを防止することができる。
【0069】
以上、本実施形態によれば、最も比重が大きい粉体を含まない第一粉体であるトナーToを空気と混合して、その粒子間に空気を含んでその嵩が増加した状態とすることにより、トナーToの流動性を高めることができ、第二粉体であるキャリアCaが供給されたときにトナーToの粒子間にキャリアCaの粒子が入ることができる。また、トナーToを粉体収納容器であるトナーボトル120に充填し始めた後でキャリアCaを充填し始めることにより、トナーToの存在する領域に対してトナーボトル120の下方(奥側)にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。そして、トナーボトル120内のトナーToの粒子間から空気が抜けて嵩が低減し、トナーToの嵩が安定する前に、言い換えると、トナーToの流動性が高い状態のときに、キャリアCaの充填を完了することにより、トナーToよりも比重が大きいキャリアCaがトナーToの粒子間に入ることができる。このため、トナーの存在する領域に対して上方、すなわち、トナーボトル120に粉体を供給する開口部であるトナー排出口122側にキャリアCaのみが存在する領域が生じることを防止することができる。また、キャリアCaがトナーToの粒子間に入るため、キャリアCaの多くの粒子が固まって存在しにくくなり、トナーToの中に入ったキャリアCaについてもキャリアCaのみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
また、実施例1のように、トナーToをトナーボトル120に充填し終わった後に、キャリアCaを充填し始める粉体充填方法であっても、トナーToの流動性が高い状態のときに、キャリアCaの充填を完了することにより、トナーToとキャリアCaとを混合することができ、トナーボトル120内にキャリアCaのみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
また、実施例2の粉体充填方法のように、トナーToをトナーボトル120に充填している途中で、キャリアCaを充填し始めることにより、トナーToの流動性が実施例1よりも高い状態でキャリアCaの充填を行うことができ、トナーToとキャリアCaとを混合しやすくなる。
また、2種類以上の粉体としてトナーとキャリアとからなる現像剤としてのプレミックストナーであり、最も比重が大きい粉体を含まない1種類以上の粉体からなる第一粉体がトナーとし、上記2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体を含む第二粉体がキャリアとすることにより、本発明の粉体充填方法を現像剤の充填に適用することができる。
また、実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填された粉体収納容器であるトナーボトル120は、その内部にキャリアCaのみが存在する領域領域が生じることを防止することができる。
また、現像剤補給装置であるトナー補給装置500の現像剤収納容器として、実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填されたトナーボトル120を用いることより、トナー補給装置500で搬送される粉体がキャリアのみとなることを防止することができる。
また、トナー補給装置500の現像剤搬送手段として粉体ポンプであるトナーポンプ60を有し、トナーポンプ60の負圧によって現像剤を搬送することにより、トナーボトル120と現像装置4とのレイアウトの自由度が拡がる。ここで、トナーポンプ60による搬送でキャリアのみを搬送しようとすると、搬送路部材内にキャリアが詰まって搬送不能となるおそれがあるが、本実施形態のトナー補給装置500ではキャリアのみを搬送することを防止することができるのでトナーポンプ60による搬送が不能になることを防止することができる。このため、安定したプレミックストナーの補給を行うことができる。
また、現像剤収納容器から現像装置4に補給するときに、現像剤収納容器として実施例1または実施例2の粉体充填方法でプレミックストナーが充填された粉体収納容器であるトナーボトル120からプレミックストナーを排出して、現像装置4に補給することにより、現像装置4にキャリアのみが供給されることを防止することができる。
また、画像形成装置としての複写機が、現像剤補給手段としてトナー補給装置500を用いることにより、プレミックストナーを安定して補給することができるので、安定した画像形成を行うことができる。
また、複写機が、現像装置4の現像剤収容部を構成する供給搬送路9から現像剤を排出する現像剤排出手段である現像剤排出口94を有することにより、トナーボトル120からプレミックストナーを補給により増加した分の現像剤を、現像剤排出口94から排出することができる。これにより、現像装置4内の現像剤の入れ替えを行うことができ、現像剤の寿命を延長することができる。
また、粉体充填済み粉体収納容器であるトナーボトル120を製造する製造方法について、実施例1または実施例2の粉体充填方法を用いて製造することにより、製造後のトナーボトル120の内部にキャリアのみが存在する領域が生じることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】現像装置及び感光体の概略構成図。
【図3】現像装置内の現像剤の流れの模式図。
【図4】現像装置の外観斜視図。
【図5】トナー補給装置の斜視説明図。
【図6】トナー補給装置の断面説明図。
【図7】トナーボトルの外観斜視図。
【図8】粉体充填装置の説明図。
【図9】実施例1の粉体充填方法の説明図。
【図10】実施例2の粉体充填方法の説明図。
【符号の説明】
【0071】
1 感光体
2 排出搬送路
4 現像装置
60 トナーポンプ
100 プリンタ部
120 トナーボトル
121 トナー収容体
122 トナー排出口
130 口金部材
500 トナー補給装置
600 粉体充填装置
610 トナー充填装置
611 気体−粉体分離篩
612 トナー供給口
613 空気供給装置
614 トナー充填ノズル
615 トナー貯留部
616 空気供給ノズル
620 キャリア充填装置
621 キャリア供給口
622 キャリア貯留部
623 キャリア充填ノズル
630 脱気装置
631 脱気ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
比重が異なる2種類以上の粉体を粉体収納容器に充填する粉体充填方法において、
該2種類以上の粉体のうち、最も比重が大きい粉体を含まない1種類以上の粉体からなる第一粉体を空気と混合し、該第一粉体の粒子間に空気を含ませて該第一粉体の嵩を増加させ、
該第一粉体を該粉体収納容器に充填し始めた後で、該2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体を含む第二粉体を充填し始め、該粉体収納容器内の該第一粉体の粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該第一粉体の嵩が安定する前に、該第二粉体の充填を完了することを特徴とする粉体充填方法。
【請求項2】
請求項1の粉体充填方法において、
上記第一粉体を該粉体収納容器に充填し終わった後に、上記第二粉体を充填し始めることを特徴とする粉体充填方法。
【請求項3】
請求項1の粉体充填方法において、
上記第一粉体を該粉体収納容器に充填している途中で、上記第二粉体を充填し始めることを特徴とする粉体充填方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3の粉体充填方法において、
上記2種類以上の粉体はトナーとキャリアとを含み、上記第一粉体は該トナーを含み、上記第二粉体は該キャリアを含むことを特徴とする粉体充填方法。
【請求項5】
粉体収納容器に比重が異なる2種類以上の粉体を充填した状態の粉体充填済み粉体収納容器において、
該粉体収納容器に収納する該2種類以上の粉体を、請求項1、2、3または4の粉体充填方法で充填したことを特徴とする粉体充填済み粉体収納容器。
【請求項6】
トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する現像剤収納容器と、
該現像剤を搬送先に搬送する現像剤搬送手段とを有する現像剤補給装置において、
該現像剤収納容器として請求項5に記載の粉体充填済み粉体収納容器を用いることを特徴とする現像剤補給装置。
【請求項7】
請求項6の現像剤補給装置において、
上記現像剤搬送手段は、その内部を現像剤が通過する搬送路部材と、
上記現像剤収納容器が収容する上記現像剤に負圧を作用させ、該搬送路部材内を通して該現像剤の上記搬送先へ該現像剤を移動させる粉体ポンプとを有することを特徴とする現像剤補給装置。
【請求項8】
潜像担持体と、
現像剤収容部内の現像剤を用いて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置と、
該現像剤収容部に現像剤を供給する現像剤補給手段とを備えた画像形成装置において、
該現像剤補給手段として、請求項6または7の現像剤補給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
上記現像剤収容部から現像剤を排出する現像剤排出手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
比重が異なるトナーとキャリアとからなる現像剤を、現像剤収納容器から現像装置に補給する現像剤補給方法において、
該トナーを空気と混合し、該トナーの粒子間に空気を含ませて該トナーの嵩を増加させ、該トナーを該現像剤収納容器に充填し始めた後で、該キャリアを充填し始め、該現像剤収納容器内の該トナーの粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該トナーの嵩が安定する前に、該キャリアの充填を完了することによって、該トナーと該キャリアとからなる現像剤を充填された充填済み現像剤収納容器から該現像剤を排出して、現像装置に該現像剤を補給することを特徴とする現像剤補給方法。
【請求項11】
比重が異なる2種類以上の粉体が充填された粉体収納容器を製造する粉体充填済み粉体収納容器の製造方法において、
該2種類以上の粉体のうち、最も比重が大きい粉体を含まない1種類以上の粉体からなる第一粉体を空気と混合し、該第一粉体の粒子間に空気を含ませて該第一粉体の嵩を増加させ、
該第一粉体を該粉体収納容器に充填し始めた後で、該2種類以上の粉体のうちの最も比重が大きい粉体を含む第二粉体を充填し始め、該粉体収納容器内の該第一粉体の粒子間から空気が抜けて嵩が低減して該第一粉体の嵩が安定する前に、該第二粉体の充填を完了することを特徴とする粉体充填済み粉体収納容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−179383(P2008−179383A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13076(P2007−13076)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】