説明

細胞の定常状態の膜ポテンシャルの近赤外線による電磁的改変

近赤外線光エネルギー及び線量測定を適用して、すべての照射された細胞の生体エネルギー論的な定常状態の膜貫通及びミトコンドリアポテンシャル(ΔΨ−steady)を、光による脱分極効果によって変えるためのシステム及び方法をここに開示する。この脱分極は、照射されたミトコンドリア及び原形質膜の膜貫通ポテンシャルΔΨの絶対値の付随的な減少を引き起こす。多くの細胞の同化作用反応及び薬物耐性機構は、膜ポテンシャルΔΨの減少、プロトン起動力Δpの密接に関連する弱化、及び関連する低下したリン酸化ポテンシャルΔGpによって一層機能的でなくされ且つ/又は弱められうる。照射露出領域内では、膜ポテンシャルΔΨの減少が、細菌、真菌及び哺乳動物細胞中で同時に起きる。この膜の脱分極は、標的とされた望ましくない細胞のみに対して、抗菌剤、抗真菌剤及び/又は抗新生物剤を強化する能力を与える。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の適切な薬物;及び
NIMELS照射λnの出力をNIMELS線量測定Tnにて発生して標的部位を照射するように構成されて配置されたNIMELS光発生レーザー、
を含む治療用システムであって、
該出力は、照射された細胞膜の膜双極子ポテンシャルΨdを変え、それにより、NIMELS効果を生じることができ、該NIMELS効果は、該薬物の薬効を強化する当該治療用システム。
【請求項2】
前記のシステムが、前記の標的部位の生物学的部分に対する望ましくないダメージを回避するように構成されて配置されている、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項3】
前記のNIMELS光発生レーザーが、波長870nm又は930nm又は両方の前記のNIMELS照射の出力を発生するように構成されて配置されている、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項4】
前記のNIMELS光発生レーザーが、標的部位を50〜1200秒の時間(Tn)にわたって照射するように構成されて配置されている、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項5】
前記のNIMELS線量測定が、前記の標的部位において、100〜2000J/cm2のエネルギー密度を与える、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項6】
前記の出力を前記の標的部位において散乱させるように構成されて配置されている光分散用チップを更に含む、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項7】
幾何学的に平坦な先端強度分布を有する出力を発生するように構成されて配置されている光送達用サブシステムを更に含む、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項8】
前記の光送達用サブシステムが、平坦な先端のレンズを含む、請求項7に記載の治療用システム。
【請求項9】
光ファイバーを含む光送達用システムを更に含む、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項10】
前記のエネルギー出力を標的部位における全エネルギー又は出力のパワー若しくは時間の計算に基づいて調節して、定常状態の膜貫通ポテンシャルΔΨ−steadyを過渡的状態の膜貫通ポテンシャルΔΨ−transに変えることのできるNimels効果を造り出すように構成されて配置されている線量測定制御装置を更に含む、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項11】
前記の薬物が、抗菌(antibacterial)剤、抗真菌(antifungal)剤、抗新生物剤及びこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項1に記載の治療用システム。
【請求項12】
前記の抗菌剤が、β−ラクタム系抗生物質、糖ペプチド、環状ポリペプチド、マクロライド系抗生物質、ケトライド系抗生物質、アニリノウラシル、リンコサミド、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、アミノグリコシド、バシトラシン、セファゾリン、セファロスポリン、ムピロシン、ニトロイミダゾール、キノロン及びフルオロキノロン、ノボビオシン、ポリミキシン、カチオン性デタージェント抗生物質、オキサゾリジンオン又は他のヘテロ環状有機化合物、グリシルサイクリン、リポペプチド、環状リポペプチド、プレウロムチリン、及びグラミシジン、ダプトマイシン、リネゾリド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、モノバクタム、プラテンシマイシン、ストレプトグラミン、チニダゾール、並びにこれらの任意の塩を含むこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項11に記載の治療用システム。
【請求項13】
前記の抗真菌剤が、ポリエン、アゾール、イミダゾール、トリアゾール、アリルアミン、エキノカンジン、シクロピロクス、フルシトシン、グリゼオフルビン、アモロロフィン、ソダリン、及びこれらの任意の塩を含むこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項11に記載の治療用システム。
【請求項14】
抗新生物剤が、アクチノマイシン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、タキサン、エトポシド、テニポシド、及びこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項11に記載の治療用システム。
【請求項15】
治療に有効な量の薬物;
脂質二重層の長鎖脂肪酸中のC−H共有結合を選択的に照射するために、NIMELS照射λnをNIMELS線量測定Tnで発生して標的部位を照射するように構成されて配置されたNIMELS光発生レーザーであって、該共有結合の標的を定めた照射が、照射された細胞膜の膜双極子ポテンシャルΨdを変えるのに有効であり、λnとTnの組合せが、(i)シトクロム鎖の照射、並びに(ii)膜の生体エネルギー状態を一つの熱力学的定常状態条件から一つの過渡的状態のエネルギーストレス及び/又はレドックスストレスの一つへの変更、に適している光発生レーザー;並びに
該NIMELS照射λnをNIMELS線量測定Tnで標的部位に送達するのに適した光送達システムであって、該光送達システムが、該NIMELS照射λnを該NIMELS線量測定Tnで該標的部位に望ましい宿主細胞にダメージを与えずに送達するように構成されて配置されている光送達システム;
を含む治療用システム。
【請求項16】
前記のNIMELS光発生レーザーが、50〜1200秒の時間(Tn)にわたって標的部位を照射するように構成されて配置されている、請求項15に記載の治療用システム。
【請求項17】
前記のNIMELS線量測定が、標的部位において、100〜2000J/cm2のエネルギー密度を与える、請求項15に記載の治療用システム。
【請求項18】
前記の薬物が、抗菌剤、抗真菌剤、抗新生物剤、及びこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項15に記載の治療用システム。
【請求項19】
前記の抗新生物剤が、アクチノマイシン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、及びこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項18に記載の治療用システム。
【請求項20】
前記の抗菌剤が、β−ラクタム系抗生物質、糖ペプチド、環状ポリペプチド、マクロライド系抗生物質、ケトライド系抗生物質、アニリノウラシル、リンコサミド、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、アミノグリコシド、バシトラシン、セファゾリン、セファロスポリン、ムピロシン、ニトロイミダゾール、キノロン及びフルオロキノロン、ノボビオシン、ポリミキシン、カチオン性デタージェント抗生物質、オキサゾリジンオン又は他のヘテロ環状有機化合物、グリシルサイクリン、リポペプチド、環状リポペプチド、プレウロムチリン、及びグラミシジン、ダプトマイシン、リネゾリド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、モノバクタム、プラテンシマイシン、ストレプトグラミン、チニダゾール、及びこれらの任意の塩を含むこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項18に記載の治療用システム。
【請求項21】
前記の抗真菌剤が、ポリエン、アゾール、イミダゾール、トリアゾール、アリルアミン、エキノカンジン、シクロピロクス、フルシトシン、グリゼオフルビン、アモロロフィン、ソダリン、及びこれらの任意の塩を含むこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項18に記載の治療用システム。
【請求項22】
前記のシステムが、プロトン起動力Δpを変えるように構成されて配置されており、生物学的部分中の細胞又は生物学的夾雑物が、適切なATPを生成すること又は、該生物学的部分又は生物学的夾雑物におけるタンパク質、RNA、DNA、ペプチドグリカン、リポテイコ酸、及び脂質の合成を含む、適切な成長及び繁殖に必要とされる必須栄養分を取ることを妨げられている、請求項15に記載の治療用システム。
【請求項23】
前記のシステムが、変化されたギブス自由エネルギー値、ΔGpにより利用可能なATPを、プロトン起動力Δpと共役した前記の薬物のエネルギー依存性流出を損なうように低下させることにより、薬物を強化するように構成されて配置されている、請求項22に記載の治療用システム。
【請求項24】
2〜10の値を有するNIMELS効果、Neを発生するように構成されて配置されている、請求項15に記載の治療用システムであって、Neが、任意の組織、部分、又は溶液における微生物病原体に対する抗菌性強化のレベルを表す当該治療用システム。
【請求項25】
前記の光送達システムが、平坦な先端レンズ、光ファイバー、又は分散用チップを含む、請求項15に記載の治療用システム。
【請求項26】
細胞同化経路を阻害して抗菌性分子に対する細胞耐性機構を弱化させるために、標的部位の細胞中のΔμH+又はΔμx+を減じる方法であって:
λn及びTnを組み合わせて標的部位を照射すること;
同時に、該標的部位のΔp−mito−mam、及び/又はΔp−plas−Bactを減じること;及び
同時に又は順次的に、1の抗菌剤を該標的部位に投与すること
を含み、該標的部位における少なくとも一つの細胞同化経路の阻害を実現する当該方法。
【請求項27】
前記の標的とされる同化経路が、ペプチドグリカン生合成であり、それは、細菌トランスペプチダーゼ酵素の活性部位に結合する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記の標的とされる細菌同化経路が、ペプチドグリカン生合成であり、それは、細胞壁中間体中のアシル−D−アラニル−D−アラニン基に結合する前記の抗菌剤によって同時に標的とされ、それにより、N−アセチルムラミン酸(NAM)−及びN−アセチルグルコサミン(NAG)−ペプチドサブユニットのペプチドグリカンマトリクスへの組込みが阻害され、それにより、グラム陽性細菌におけるペプチドグリカンの適切な形成が妨げられる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記の標的とされる細菌同化経路が、ペプチドグリカン生合成であり、それは、前記の抗菌剤によって同時に標的とされ、該抗菌剤は、C55−イソプレニルピロホスフェートと結合し、それにより、ピロホスファターゼがC55−イソプレニルピロホスフェートと相互作用するのを防止し、それにより、ビルディングブロックペプチドグリカンを内膜の外側に運ぶのに利用することのできるC55−イソプレニルピロホスフェートの量を減少させる、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記の標的とされる同化経路が、細菌タンパク質の生合成であり、それは、細菌リボソームの50Sサブユニット内の23SrRNA分子に結合し、それにより、ペプチジル−tRNAを細胞内に蓄積させ、それにより、α−アミノ酸の活性化に必要な遊離のtRNAを涸渇させて、ペプチジルtRNAのリボソームからの早すぎる解離を引き起こすことによりトランスペプチデーションを阻害する、前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記の抗菌剤が、50Sの細菌リボソームサブユニットの23SRNAの2つのドメインに同時に結合し、それにより、細菌リボソームサブユニット50S及び30Sの形成を阻害する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記の抗菌剤が、その親油性を増大させるために塩素化されており、細菌リボソームの50Sサブユニットの23S部分に結合して、ペプチジル−tRNAの活性部位(A部位)からペプチジル部位(P部位)への移動を阻止し、それにより、トランスペプチダーゼ反応を阻害する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記の標的とされる同化経路が、細菌タンパク質の生合成であり、それは、30S細菌リボソームサブユニットに結合し、それにより、アミノアシルtRNAのリボソームのアクセプター部位(A部位)への結合をブロックし、それにより、コドン−アンチコドン相互作用及びタンパク質合成の伸長期を阻害する、前記の抗菌剤により同時に標的とされる、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記の抗菌剤が、前記の細菌リボソームに一層強力に、オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド骨格を有する典型的サブクラスのポリケチド抗菌剤とは異なる向きで結合する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記の標的とされる同化経路が、細菌タンパク質の生合成であり、それは、特異的アミノアシル−tRNAシンテターゼに結合し、それにより、特異的アミノ酸又はその前駆体のその互換可能なtRNAの一つへのエステル化を防止し、そうして、アミノアシル−tRNAの形成を防止する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記の標的とされる同化経路が、細菌タンパク質の生合成であり、それは、50SrRNAに23SrRNAのドメインVを介して結合すると共に30Sリボソームサブユニットの16SrRNAと相互作用して、タンパク質合成のイニシエーターのホルミルメチオニン(f−Met−tRNA)と30Sリボソームサブユニットとの結合を防止することにより、細菌タンパク質合成を開始期より前に阻害する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記の標的とされる同化経路が、細菌タンパク質の生合成であり、それは、細菌リボソームの50Sサブユニットと、ペプチジルトランスフェラーゼセンター近くの23SrRNAP部位の領域内でタンパク質L3にて相互作用し、それにより、ペプチジルトランスフェラーゼ活性及びペプチジルトランスファーを阻害し、P部位相互作用をブロックして、活性な50Sリボソームサブユニットの正常な形成を防止する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製及び転写であり、それは、トポイソメラーゼII(DNAジャイレース)及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製及び翻訳であり、それは、DNAポリメラーゼIIIC(グラム陽性細菌における染色体DNAの複製に必要とされるが、グラム陰性細菌には存在しない酵素)を阻害する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製及び転写であり、それは、トポイソメラーゼII(DNAジャイレース)及び/又はトポイソメラーゼIV及び/又はDNAポリメラーゼIIICを阻害する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記の標的とされる同化経路が、細菌リン脂質の生合成であり、それは、ホスファチジルエタノールアミンに富む細胞質膜に作用する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記の標的とされる同化経路が、細菌脂肪酸の生合成であり、それは、細菌の脂肪酸の生合成を、β−ケトアシル−(アシル−キャリアータンパク質(ACP))シンターゼI/II(FabF/B)(II型脂肪酸の生合成に必須の酵素)の選択的ターゲティングによって阻害する前記の抗菌剤によって同時に標的とされる、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
前記の標的とされる同化経路が、細菌原形質膜貫通ポテンシャルΔΨ−plas−bactの維持であり、前記の抗菌剤が、細菌細胞膜機能を、グラム陽性細胞質膜への結合によって破壊し、それにより、脱分極及び膜ポテンシャルの喪失を引き起こし、それが、タンパク質、DNA及びRNA合成の阻害へと導く、請求項26に記載の方法。
【請求項44】
前記の抗菌剤が、細菌細胞壁の透過性を増大させ、それにより、無機カチオンが該壁を自由に横切ることが可能となり、それにより、細胞質と細胞外環境との間のイオン勾配が消滅する、請求項26に記載の方法。
【請求項45】
前記の標的とされる同化経路が、細菌の膜の選択的透過性及び細菌の原形質膜貫通ポテンシャルΔΨ−plas−bactの維持であり、前記の抗菌剤が、カチオン性抗菌性ペプチドであり、それは、該細菌の膜の負に帯電した表面に対して、真核細胞の中性の膜表面よりも選択的であり、その結果、細菌細胞膜の膜易透化並びに最終的な穿孔及び/又は崩壊を生じ、それにより、細菌細胞内容物の漏出及び膜貫通ポテンシャルの破壊を促進する、請求項26に記載の方法。
【請求項46】
前記の抗菌剤が、細菌プロテアーゼペプチドデホルミラーゼを阻害し、該デホルミラーゼが、新たに合成された細菌ポリペプチドのN末端からのホルミル基の除去を触媒する、請求項26に記載の方法。
【請求項47】
前記の抗菌剤が、細菌における2成分の調節システムを阻害し、該調節システムが、細菌原形質膜を横切るシグナル変換を介してそれらの環境に応答する能力を含み、これらのシグナル変換過程が、哺乳動物膜には存在しない、請求項26に記載の方法。
【請求項48】
前記の抗菌剤が、第二の分子と結合し又は該分子により送達され、該分子は、標的とされる細菌が該抗菌剤を弱め又は不活性化する耐性機構として産生する任意のタンパク質若しくは酵素に対して競争阻害剤として作用し、及び/又は、流出ポンプの阻害剤として作用し、その結果、該抗菌剤の効力の再生を補助する請求項26に記載の方法。
【請求項49】
細胞の同化経路を阻害して抗菌性分子に対する細胞耐性機構を弱化させるために、標的部位の細胞内のΔμH+又はΔμx+を減じる方法であって:
λnとTnを組み合わせて標的部位を照射すること;
同時に、標的部位のΔp−mito−mam及び/又はΔp−plas−Bactを減じること;及び
同時に又は順次的に、複数の抗菌剤を該標的部位に投与すること
を含み、該標的部位における少なくとも一つの細胞同化経路の阻害を実現する当該方法。
【請求項50】
少なくとも一つの前記の抗菌剤を第二の分子と組み合わせ、該分子は、標的とされる細菌が該抗菌剤の一つを弱め又は不活性化するための耐性機構として産生する任意のタンパク質若しくは酵素に対する競争阻害剤として作用し、及び/又は、流出用ポンプの阻害剤として作用し、その結果、該抗菌剤の効力の再生が補助される請求項49に記載の方法。
【請求項51】
細胞の同化経路を阻害して抗真菌性分子に対する細胞耐性機構を弱化させるために、標的部位の細胞内のΔμH+又はΔμx+を減じる方法であって:
λnとTnを組み合わせて標的部位を照射すること;
同時に、標的部位のΔp−mito−mam、Δp−mito−Fungi、Δp−plas−Fungiを減じること;及び
同時に又は順次的に、1の抗真菌剤を該標的部位に投与すること
を含み、該標的部位における少なくとも一つの細胞同化経路の阻害を実現する当該方法。
【請求項52】
前記の標的とされる同化経路が、リン脂質の生合成であり、それは、真菌細胞膜中の既存のリン脂質の構造を破壊する前記抗真菌剤によって同時に標的とされる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記の標的とされる同化経路が、エルゴステロールの生合成であり、それは、エルゴステロールの生合成をC−14脱メチル化段階で阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされ、該阻害は、エルゴステロールの涸渇及び、エルゴステロールの膜成分としての機能を原形質膜の構造の破壊によって邪魔するラノステロール及び他の14メチル化ステロールの蓄積を生じる、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記の標的とされる同化経路が、エルゴステロールの生合成であり、それは、スクアレンエポキシダーゼを阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされ、該阻害は次に、真菌細胞におけるエルゴステロールの生合成を阻害し、それは、真菌細胞膜に増大した透過性を持たせる、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記の標的とされる同化経路が、エルゴステロールの生合成であり、それは、d14−レダクターゼ及びd7、d8−イソメラーゼを阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされる、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記の標的とされる同化経路が、真菌細胞壁の生合成であり、それは、(1,3)β−D−グルカン合成を阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされ、該阻害は次に、真菌細胞壁におけるβ−D−グルカン合成を阻害する、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記の標的とされる同化経路が、真菌のステロールの生合成であり、それは、真菌細胞膜中のステロールと結合する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされ、主たる前記ステロールは、エルゴステロールであり、効果的に、細胞膜の転移温度を変化させて該膜中に細孔を形成させ、真菌細胞膜に有害なイオンチャンネルの形成を生じる、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記の抗真菌剤を、送達のために、脂質、リポソーム、脂質複合体及び/又はコロイド分散体中に配合して該剤の毒性を防止する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記の標的とされる同化経路が、タンパク質合成であり、前記の抗真菌剤が、シトシンパーミアーゼにより真菌細胞に取り込まれ、5−フルオロウラシル(5−FU)に脱アミノ化され、ヌクレオシド三リン酸に変換されてRNAに取り込まれて、ミスコーディングを生じる5−FCである、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
前記の標的とされる同化経路が、真菌のタンパク質合成であり、それは、真菌の伸張因子EF−2を阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされる、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
前記の標的とされる同化経路が、真菌のキチンの生合成であり、それは、少なくとも一つの酵素キチンシンターゼ2の作用を阻害することにより真菌のキチンの生合成を阻害する前記の抗真菌剤によって同時に標的とされる、請求項51に記載の方法。
【請求項62】
前記の抗真菌剤が、出芽及び成長、交配及び胞子形成中にキチンの合成に必要な酵素である酵素キチンシンターゼ3の作用を阻害する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記の抗真菌剤が、多価カチオン(Fe+3又はAl+3)をキレートして、ミトコンドリアの電子伝達及び細胞エネルギー産生を受け持っている金属依存性酵素の阻害を生じ、それは又、真菌細胞内の過酸化物の正常な分解の阻害も導く、請求項51に記載の方法。
【請求項64】
前記の抗真菌剤が、真菌における2成分の調節システムを阻害し、該調節システムは、真菌原形質膜を横切るシグナル変換により環境に応答する、請求項51に記載の方法。
【請求項65】
前記の抗真菌剤を第二の分子と組み合わせ、該分子は、標的とされる真菌が該抗真菌剤を弱め又は不活性化するために耐性機構として産生任意のタンパク質又は酵素に対する競争阻害剤であり、流出用ポンプの阻害剤として作用し、その結果、該抗真菌剤の効力の再生を補助する第二の分子と組み合わせる、請求項51に記載の方法。
【請求項66】
細胞の同化経路を阻害して抗真菌性分子に対する細胞耐性機構を弱化させるために、
標的部位の細胞内のΔμH+又はΔμx+を減じる方法であって:
λnとTnを組み合わせて該標的部位を照射すること;
同時に、標的部位で、細胞内のΔp−mito−mam及び/又はΔp−mito−fungi及び/又はΔp−plas−fungiを減じること;及び
同時に又は順次的に、複数の抗真菌剤を該標的部位に投与すること
を含み、標的部位における少なくとも一つの細胞同化経路の阻害を実現する当該方法。
【請求項67】
少なくとも一つの前記の抗真菌剤を第二の分子と組み合わせ、該分子は、標的とされる真菌が該抗真菌剤の一つを弱め又は不活性化するための耐性機構として産生する任意のタンパク質若しくは酵素に対する競争阻害剤として作用し、及び流出用ポンプの阻害剤として作用し、その結果、該抗真菌剤の効力の再生が補助される請求項66に記載の方法。
【請求項68】
細胞の同化経路を阻害して抗新生物剤に対する細胞耐性機構を弱化させるために、
標的部位の細胞内のΔμH+又はΔμx+を減じる方法であって:
λnとTnを組み合わせて標的部位を照射すること;
Δp−mito−mam及び/又は哺乳動物の原形質膜貫通ポテンシャルΔΨ−plas−mamを減じること;及び
同時に又は順次的に、抗新生物剤を標的部位に投与すること
を含み、該標的部位における少なくとも一つの細胞同化経路の阻害を実現する当該方法。
【請求項69】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製であり、それは、DNA中のグアニン核酸塩基を架橋させて、DNA複製に必要な、らせんを解いて分離ができないDNA鎖を生じることによりDNAの複製を阻害する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製であり、それは、DNAの同じ鎖内の、又はDNAの異なる鎖内の2つの異なる7−N−グアニン残基と反応する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製であり、それは、DNAの複製及び細胞分裂を、代謝拮抗剤として作用することにより阻害する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記の標的とされる同化経路が、細胞分裂であり、それは、微小管の機能を妨げることにより細胞分裂を阻害する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製であり、それは、細胞がG1期及びDNAの複製に入ることを妨げることによりDNAの複製及び細胞分裂を阻害する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記の標的とされる同化経路が、細胞分裂であり、それは、微小管の安定性を増進して、後期における染色体の分離を妨げる前記の抗新生物剤によって同時に標的とされる、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記の標的とされる同化経路が、DNAの複製であり、それは、I型又はII型トポイソメラーゼの阻害によってDNAの複製及び細胞分裂を阻害する前記の抗新生物剤によって同時に標的とされ、該トポイソメラーゼの阻害は、適切なDNAスーパーコイリングを破壊することによりDNAの転写及び複製を邪魔する、請求項68に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2010−512232(P2010−512232A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541559(P2009−541559)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/087264
【国際公開番号】WO2008/073979
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(508073704)ノミール・メディカル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Nomir Medical Technologies, Inc.
【Fターム(参考)】