説明

経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体

【課題】店舗における物品の価格の変動に応じて、ユーザにとって利益の高い経路を提供すること。
【解決手段】経路探索装置100は、変動情報取得部101、判断部102、探索部103、位置取得部104によって構成される。変動情報取得部101は、物品を販売する店舗における物品の価格の変動情報を取得する。判断部102は、変動情報取得部101によって取得された変動情報に基づいて、物品を店舗で購入するか否かを判断する。探索部103は、判断部102によって物品を購入すると判断された場合、店舗までの経路を探索する。位置取得部104は、自装置の現在位置を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体の移動経路を探索する経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、上述した経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、食材などを購入するために最適な買い物経路を算出し、算出した買い物経路に従ってユーザを誘導する経路誘導装置が知られている。このような経路誘導装置では、ユーザが選択した献立を調理するために不足している食材とその量の情報、および、その食材を販売している店舗の名称と位置の情報が記載された買い物リストを作成する。そして、作成された買い物リストを参照して、食材を購入するために最適な買い物経路を算出し、算出した経路に従ってユーザを誘導する。
【0003】
これにより、ユーザは、確実かつ、効率的に買い物リストに記載された商品を購入することができる。また、冷蔵庫などに食材があるにもかかわらず、食材を不要に買い足してしまうことを防止することができる(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−172743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術によれば、商品を販売する店舗ごとに日々変動する価格情報を、経路の算出に反映することができないという問題点が一例として挙げられる。日用品を販売するスーパーマーケットなどでは、「日替わりサービス」「タイムサービス」「月間特価」など、商品の値段が日々(または時間帯ごとに)変動しており、これらの変動情報を反映できないと、価格情報の精度が低下してしまう。
【0006】
特に、食料品や日用品などは、ほぼ毎日購入するものであり、同じものであれば、できるだけ安く購入したいという要望が大きい。たとえば、生活必需品などは、通常価格より大幅に安い価格の場合は、在庫を切らしていない場合でもまとめ買いすることがある。また、1回の買い物に際して複数の店舗を回って、商品ごとに最も値段が安い店舗で購入する場合などがある。このように、商品の価格は、どの店舗で商品を購入するかを決定する要因の1つとなっているにも関わらず、従来技術では、変動する価格情報を反映できないため、ユーザに適切な経路を提供することができないという問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる経路探索装置は、物品を販売する店舗における前記物品の価格の変動情報を取得する変動情報取得手段と、前記変動情報取得手段によって取得された変動情報に基づいて、前記物品を前記店舗で購入するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記物品を購入すると判断された場合、前記店舗までの経路を探索する探索手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項6の発明にかかる経路探索方法は、物品を販売する店舗における前記物品の価格の変動情報を取得する変動情報取得工程と、前記変動情報取得工程によって取得された変動情報に基づいて、前記物品を前記店舗で購入するか否かを判断する判断工程と、前記判断工程によって前記物品を購入すると判断された場合、前記店舗までの経路を探索する探索工程と、を含んだことを特徴とする。
【0009】
また、請求項7の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項6に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項8の発明にかかる記録媒体は、請求項7に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
はじめに、実施の形態にかかる経路探索装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。経路探索装置100は、変動情報取得部101、判断部102、探索部103、位置取得部104によって構成される。
【0013】
変動情報取得部101は、物品を販売する店舗における物品の価格の変動情報を取得する。変動情報とは、たとえば、物品の通常価格と今回の販売価格との差額を含む情報である。また、たとえば、前日の販売価格と本日の販売価格の差分であってもよい。変動情報は、店舗で販売されるすべての商品に関する情報であってもよいし、通常価格との差分がある商品のみに関する情報であってもよい。
【0014】
判断部102は、変動情報取得部101によって取得された変動情報に基づいて、変動情報を取得した店舗で物品を購入するか否かを判断する。また、判断部102は、閾値入力部102a、提示部102b、指示入力部102cを備えている。閾値入力部102aは、ユーザによって物品を購入する価格の閾値が入力される。提示部102bは、変動情報をユーザに提示する。指示入力部102cは、提示部102bによって変動情報が提示された結果、ユーザによって物品を購入するか否かの指示入力が入力される。
【0015】
判断部102は、たとえば、変動情報によって示される物品の価格が閾値入力部102aに入力された閾値を下回る場合、変動情報を取得した店舗で物品を購入すると判断する。また、判断部102は、指示入力部102cに、ユーザから物品を購入すると指示入力があった場合、変動情報を取得した店舗で物品を購入すると判断する。
【0016】
探索部103は、判断部102によって物品を購入すると判断された場合、店舗までの経路を探索する。探索部103は、たとえば、ユーザの指定した地点から店舗までの経路を探索する。また、たとえば、後述する位置取得部104によって取得された自装置の現在位置から店舗までの経路を探索する。
【0017】
位置取得部104は、自装置の現在位置を取得する。位置取得部104によって現在位置が取得された場合、判断部102は、変動情報とともに、位置取得部104によって取得された自装置の現在位置と店舗の位置とに基づいて、変動情報を取得した店舗で物品を購入するか否かを判断する。たとえば、通常価格と今回の販売価格との差分が、現在位置から店舗まで移動する際のガソリン代や交通費より小さい場合は、物品を購入すると判断しない。
【0018】
また、変動情報取得部101が取得する変動情報は、時間帯別の価格の変動に関する情報を含むものであってもよい。時間帯の価格の変動とは、たとえば、1日単位の価格の変動や、所定時間帯(たとえば、10時から11時までの間など)の価格の変動、1週間ごとや月ごとの価格の変動である。この場合、判断部102は、変動情報を取得した物品を購入するか否かとともに、物品をいずれの時間帯に購入するかを判断し、探索部103は、判断部102によって物品を購入すると判断された時間帯までに店舗に到着する経路を探索する。
【0019】
つぎに、経路探索装置100による経路探索処理について説明する。図2は、経路探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、経路探索装置100は、まず、閾値入力部102aによって、物品を購入する価格の閾値の入力を受け付ける(ステップS201)。
【0020】
変動情報取得部101によって変動情報を取得するまでは(ステップS202:No)、ステップS201に戻り、以降の処理を繰り返す。変動情報を取得すると(ステップS202:Yes)、変動情報が示す物品の価格が、ステップS201で入力された閾値を下回るか否かを判断する(ステップS203)。
【0021】
閾値を下回る場合は(ステップS203:Yes)、ステップS206に移行する。一方、閾値を下回らない場合は(ステップS203:No)、提示部102bに変動情報を提示して(ステップS204)、指示入力部102cを介して、物品を購入する旨の指示入力があったか否かを判断する(ステップS205)。
【0022】
指示入力があった場合は(ステップS205:Yes)、商品を購入すると判断し(ステップS206)、商品を購入する店舗までの経路を探索し(ステップS207)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、指示入力がなかった場合は(ステップS205:No)、商品を購入しないと判断し(ステップS208)、ステップS202に戻り、以降の処理を継続する。
【0023】
なお、図2のフローチャートでは、ステップS203で閾値を下回る場合(ステップS203:Yes参照)、そのまま商品を購入すると判断することとしたが(ステップS206参照)、ユーザに商品購入の意志を確認してから商品を購入すると判断してもよい。また、閾値を下回らない場合(ステップS203:No参照)、ユーザに商品購入の意志を確認せず(ステップS204,S205参照)、そのまま商品を購入しないと判断してもよい。また、閾値の受け付けをおこなわず、ユーザによる指示入力のみによって、商品を購入するか否かを判断してもよい。
【0024】
以上説明したように、経路探索装置100によれば、物品の価格の変動情報に基づいて物品を購入するか否かを判断し、購入する店舗までの経路を探索する。これにより、物品の価格の変動、おもに値引きなどの機会を逃さずに物品を購入することができる。
【0025】
また、物品を購入するか否かの判断に、ユーザによってあらかじめ入力された価格の閾値を用いることによって、変動情報を取得した際に迅速に物品を購入するか否かを判断することができる。また、物品を購入するか否かの判断に、ユーザの指示入力の入力結果を用いることによって、ユーザの意志をより尊重して物品を購入するか否かを判断することができる。
【0026】
また、物品を購入するか否かの判断に、自装置の現在位置と店舗の位置とを考慮することによって、価格の変動によるユーザの利益が、店舗まで移動する際のユーザの負担を下回らないか否かを判断することができる。さらに、店舗に到着する時間帯を考慮して経路を探索することによって、店舗における価格の変動に、より柔軟に対応することができる。
【実施例】
【0027】
(特価情報提供システム300のシステム構成)
つぎに、上述した実施の形態にかかる経路探索装置100の実施例について説明する。図3は、実施例にかかる特価情報提供システムのシステム構成を示す説明図である。実施例にかかる特価情報提供システム300は、店舗情報管理サーバ310およびナビゲーション装置320によって構成される。また、店舗情報管理サーバ310とナビゲーション装置320とは、ネットワーク340を介して接続されている。
【0028】
店舗情報管理サーバ310は、商品を販売する各店舗に設置されており、各店舗の所在地や連絡先、駐車場情報などを提供する。また、店舗情報管理サーバ310は、店舗で販売している商品の価格情報を提供する。価格情報には、通常時の各商品の価格を示す通常価格情報の他、限られた期間における特別価格を示す特価情報がある。特価情報は、新聞の折り込みチラシのように、数日または1日に1回程度ナビゲーション装置320に配信され、直近の期間における特価商品およびその値段が含まれている。また、「雨の日セール」のように、緊急の特価情報は、その都度ナビゲーション装置320に配信される。
【0029】
ナビゲーション装置320は、道路Lを走行する車両330に搭載されている。ナビゲーション装置320は、目的地点までの経路を探索・誘導する他、店舗情報管理サーバ310からネットワーク340を介して特価情報を受信する。また、必要があれば、店舗情報管理サーバ310にアクセスし、各店舗の所在地や連絡先、駐車場情報、通常価格情報などを取得することができる。
【0030】
ナビゲーション装置320は、特価情報を受信する店舗を指定することができる。店舗の指定は、たとえば、1つ1つの店舗を検索して指定してもよいし、店舗の所在エリアを指定してもよい。また、1日に配信される特価情報の数を制限できることとしてもよい。
【0031】
ナビゲーション装置320は、ユーザから商品を購入する値段の閾値(底値)の登録を受け付けておく。ナビゲーション装置320は、店舗情報管理サーバ310から特価情報を受信すると、あらかじめ登録されている商品ごとの底値と照合し、底値商品が含まれているかを判断する。そして、受信した特価情報および底値商品が含まれいるかの判断結果をユーザに提示し、特価情報を受信した店舗で商品を購入するか否かを判断させる。
【0032】
ユーザによって、商品を購入すると判断された場合、ナビゲーション装置320は、その店舗までの経路を探索する。たとえば、購入する商品がタイムサービス商品の場合は、タイムサービス時間内に店舗に到着するように経路を探索する。これにより、ユーザは特価商品を逃すことなく購入することができる。
【0033】
(ナビゲーション装置320のハードウェア構成)
つぎに、ナビゲーション装置320のハードウェア構成について説明する。図4は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、ナビゲーション装置320は、CPU401と、ROM402と、RAM(メモリ)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)408と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、カメラ413と、ディスプレイ414と、通信I/F415と、GPSユニット416と、各種センサ417とを備えている。また、各構成部401〜417はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0034】
まず、CPU401は、ナビゲーション装置320の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、通信プログラム、データベース作成プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
【0035】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御に従って磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0036】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御に従って光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御に従ってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0037】
磁気ディスク405、光ディスク407に記録される情報の他の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)を表す背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、ディスプレイ414の表示画面において2次元または3次元に描画される。ナビゲーション装置320が経路誘導中の場合は、地図データと後述するGPSユニット416によって取得された自車の現在地点とが重ねて表示されることとなる。
【0038】
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。また、スピーカ410からは音声が出力される。なお、マイク409から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク405あるいは光ディスク407に記録可能である。
【0039】
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。さらに、入力デバイス411は、デジタルカメラや携帯電話端末などの他の情報処理端末を接続し、データの入出力をおこなうことができる。
【0040】
映像I/F412は、映像入力用のカメラ413および映像出力用のディスプレイ414と接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ414全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ414を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0041】
カメラ413は、車両330内外の映像を撮像し、画像データとして出力する。カメラ413で撮像された画像は、画像データとして磁気ディスク405あるいは光ディスク407に記録可能である。ディスプレイ414には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ414は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0042】
通信I/F415は、無線を介してネットワーク340に接続され、ナビゲーション装置320とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F415は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
【0043】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F415は、たとえば、無線通信装置などによって構成され、店舗情報管理サーバ310から配信される特価情報などを受信する。
【0044】
GPSユニット416は、GPS衛星からの電波を受信し、車両330の現在地点(ナビゲーション装置320の現在地点)を示す情報を出力する。GPSユニット416の出力情報は、後述する各種センサ417の出力値とともに、CPU401による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0045】
また、各種センサ417は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両330の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ417の出力値は、CPU401による現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定に用いられる。
【0046】
なお、管理サーバ310のハードウェア構成は、ナビゲーション装置320のハードウェア構成のうち、少なくともCPU401と、ROM402と、RAM(メモリ)403と、磁気ディスクドライブ404(または光ディスクドライブ406)と、磁気ディスク405(または光ディスク407)と、通信I/F415とを備えるものとする。
【0047】
また、実施の形態にかかる経路探索装置100の構成のうち、変動情報取得部101は通信I/F415によって、判断部102はCPU401によって、閾値入力部102aおよび指示入力部102cは入力デバイス411によって、提示部102bは映像I/F412およびディスプレイ414によって、位置取得部104はCPU401、GPSユニット416、各種センサ417によって、それぞれの機能を実現する。
【0048】
(ナビゲーション装置320による経路探索処理)
つぎに、ナビゲーション装置320による経路探索処理について説明する。ナビゲーション装置320は、店舗情報管理サーバ310から受信した特価情報から底値商品の有無などを判断し、ユーザに提示する。ユーザは、日々変動する特価情報を逐一監視することなく、特価商品を購入することができる。
【0049】
図5は、特価情報受信時の経路探索処理の手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置320は、まず、ユーザから商品の底値情報の登録を受け付ける(ステップS501)。商品の底値情報とは、「この値段以下であれば、在庫の有無にかかわらず商品を購入する」と考える値段の閾値である。底値情報は、入力デバイス411を介してユーザが入力してもよいし、たとえば、ユーザの過去の買い物履歴の情報を用いて、CPU401で算出してもよい。
【0050】
つぎに、ナビゲーション装置320は、店舗情報管理サーバ310から特売情報を受信したか否かを判断する(ステップS502)。特売情報を受信するまでは(ステップS502:No)、ステップS501に戻り、以降の処理を継続する。
【0051】
特売情報を受信すると(ステップS502:Yes)、ステップS501で登録された底値情報と照合し(ステップS503)、底値を下回る商品があるか否かを判断する(ステップS504)。底値を下回る商品がある場合は(ステップS504:Yes)、特価情報とともに、底値商品がある旨を報知する(ステップS505)。これにより、ユーザは、この店舗で通常より大幅に割り引きされた商品があることを、容易に知ることができる。
【0052】
なお、このとき、GPSレシーバ416からの出力値などを用いて、CPU401で車両330の現在位置を算出し、特売情報を受信した店舗の位置を車両330の現在位置とを比較することとしてもよい。そして、通常価格と今回の販売価格との差額、もしくは、ステップS501で登録された底値と今回の販売価格との差額が、ガソリン代や有料道路代を上回るか否かを考慮して、底値を下回るか否かを判断することとしてもよい。すなわち、ユーザが車両330を利用してその商品を買いに行くほどの利益があるか否かを判断することとしてもよい。
【0053】
一方、底値を下回る商品がない場合は(ステップS504:No)、特価情報を表示する(ステップS506)。なお、特価情報および底値商品の報知は、特価情報の画面表示や音声出力などによっておこなう。
【0054】
そして、特価情報などを報知した結果、ユーザに商品の購入意志があるか否かを判断する(ステップS507)。商品の購入意志の有無は、たとえば、ユーザから入力デバイス411を介して、商品を購入する旨の入力指示がおこなわれたか否かによって判断する。商品の購入意志は、購入する商品を特定して入力させてもよいし、その店舗への立ち寄るか否かのみを確認することとしてもよい。
【0055】
商品の購入意志がある場合は(ステップS507:Yes)、ユーザが購入する商品がタイムサービス品か否かを判断する(ステップS508)。タイムサービス品である場合は(ステップS508:Yes)、タイムサービス時間内に店舗に到着するドライブプランを提示して(ステップS509)、本フローチャートによる処理を終了する。また、タイムサービス品でない場合は(ステップS508:No)、現在位置から店舗までの経路を提示して(ステップS510)、本フロチャートによる処理を終了する。なお、他の目的地点に向かって走行している場合は、目的地点までの経路またはその帰り道に店舗に立ち寄るように経路を再探索する。
【0056】
以上のような処理によって、ナビゲーション装置320は、受信した特価情報に底値商品が含まれているかを判断し、ユーザが底値商品を買い逃さないように情報を提供する。
【0057】
図6は、特価情報の表示例を示す説明図である。図6において、ナビゲーション装置320のディスプレイ414には、直近に受信した特価情報600が表示されている。特価情報600は、特価となっている商品の名称および値段を表示する価格情報表示部610と、特価情報600を送信した営業時間などを表示する店舗情報表示部620とによって構成される。
【0058】
価格情報表示部610は、1日単位の特価情報611、時間帯ごとの特価情報612、数日単位の特価情報613によって構成される。各商品の値段は、今回の販売価格の他、通常時の価格との差額、生鮮品など値段が変動しやすい商品については参考価格などを表示することとしてもよい。また、底値情報と照合した結果、底値を下回ると判断された商品には底値マーク614が表示され、ユーザは一目で底値商品の有無を確認することができる。
【0059】
店舗情報表示部620には、店舗の営業時間や駐車場情報などが表示される。地図表示ボタン621を押下すると、店舗までの地図が表示される。詳細情報ボタン622を押下すると、店舗の駐車場配置や店内案内図などの詳細情報が表示される。また、燃費情報表示部623には、現在地点やユーザの自宅から、この店舗まで走行した場合のガソリン代が表示される。これにより、この店舗まで買い物に行くための費用と、特価品を購入することで浮かせる費用とを考慮して、買い物をおこなうことができる。
【0060】
受信履歴表示ボタン630を押下すると、過去に受信した特価情報が表示される。また、購入ボタン631を押下すると、この店舗での商品の購入意志がある旨を示すことができる。キャンセルボタン632を押下すると、この店舗での商品の購入意志がない旨を示すことができる。
【0061】
なお、図5のフローチャートでは、特価情報の受信(ステップS502参照)をトリガーとして一連の処理を開始することとしたが、たとえば、ユーザが買い物のための走行を開始する際に、購入を希望する商品をナビゲーション装置320に入力させることによって、一連の処理を開始してもよい。
【0062】
図7は、買い物時の経路探索処理の手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置320は、まず、ユーザから商品の底値情報の登録を受け付ける(ステップS701)。また、店舗情報管理サーバ310によって送信される特価情報を受信している(ステップS702)。受信した特価情報は、ナビゲーション装置320の磁気ディスク405などに記憶しておく。
【0063】
買い物に出かけようとしているユーザから、今回の買い物で購入しようとしている物品の情報(購入物品情報)が入力されるまでは(ステップS703:No)、ステップS701に戻り、以降の処理を継続する。購入物品情報が入力されると(ステップS703:Yes)、ナビゲーション装置320は、あらかじめ受信している特価情報(特価情報に含まれていない商品については、各店舗の通常価格情報)を照合し(ステップS704)、最も経済的に買い物をおこなうことができる推奨経路を探索する(ステップS705)。
【0064】
つぎに、特価情報とステップS701で登録された底値情報とを照合して、底値を下回る商品があるか否かを判断する(ステップS706)。底値商品があるか否かの判断対象店舗は、推奨経路に含まれる店舗のみであってもよいし、特価情報を受信したすべての店舗であってもよい。底値を下回る商品がある場合は(ステップS706:Yes)、ステップS705で探索した推奨経路を提示するとともに底値商品がある旨を報知する(ステップS707)。
【0065】
また、底値を下回る商品がない場合は(ステップS706:No)、ステップS705で探索した推奨経路を提示して(ステップS708)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0066】
ステップS707で推奨経路を提示するとともに底値商品がある旨を報知した場合、ユーザに底値商品の購入意志があるか否かを判断する(ステップS709)。購入意志がある場合は(ステップS709:Yes)、底値商品を購入する店舗を考慮して推奨経路を再探索し(ステップS710)、推奨経路を再提示して(ステップS711)、本フローチャートによる処理を終了する。また、ユーザに底値商品の購入意志がない場合は(ステップS709:No)、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
【0067】
以上説明したように、特価情報提供システム300によれば、特価情報をリアルタイムに受信することによって、タイムサービスなどにも対応し、特価商品の買い逃しを最小限に抑えることができる。また、ナビゲーション装置320によって、店舗に到達するための最短経路を探索することができる。特に、立ち寄る店舗が複数の場合であっても、効率よく買い物をおこなうことができる。
【0068】
また、あらかじめ登録された底値情報に基づいて、底値商品の有無を報知することによって、日々送信される特価情報の監視負担の軽減を図ることができる。さらに、ユーザに商品の購入意志を確認することによって、ユーザの意志をより尊重して買い物経路を探索することができる。
【0069】
また、車両330の現在位置から店舗までのガソリン代などを考慮することによって、特価商品を購入することによるユーザの利益が、店舗まで移動する際のユーザの負担を下回らないか否かを確認することができる。さらに、店舗に到着する時間帯を考慮して経路を探索することによって、店舗における価格の変動に、より柔軟に対応することができる。
【0070】
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】経路探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】実施例にかかる特価情報提供システムのシステム構成を示す説明図である。
【図4】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】特価情報受信時の経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】特価情報の表示例を示す説明図である。
【図7】買い物時の経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
100 経路探索装置
101 変動情報取得部
102 判断部
102a 閾値入力部
102b 提示部
102c 指示入力部
103 探索部
104 位置取得部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を販売する店舗における前記物品の価格の変動情報を取得する変動情報取得手段と、
前記変動情報取得手段によって取得された変動情報に基づいて、前記物品を前記店舗で購入するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記物品を購入すると判断された場合、前記店舗までの経路を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記判断手段は、ユーザによって前記物品を購入する価格の閾値が入力される閾値入力手段を備え、前記変動情報によって示される前記物品の価格が前記閾値入力手段に入力された閾値を下回る場合、前記物品を前記店舗で購入すると判断することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記変動情報をユーザに提示する提示手段と、前記提示手段によって前記変動情報が提示された結果、前記ユーザによって前記物品を購入するか否かの指示入力が入力される指示入力手段を備え、前記指示入力手段に前記物品を購入すると指示入力があった場合、前記物品を前記店舗で購入すると判断することを特徴とする請求項1または2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
自装置の現在位置を取得する位置取得手段を備え、
前記判断手段は、前記変動情報とともに、前記位置取得手段によって取得された自装置の現在位置と前記店舗の位置とに基づいて、前記物品を前記店舗で購入するか否かを判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記変動情報は、時間帯別の前記価格の変動に関する情報を含み、
前記判断手段は、前記物品を前記店舗で購入するか否かとともに、前記物品をいずれの時間帯に購入するかを判断し、
前記探索手段は、前記判断手段によって前記物品を購入すると判断された時間帯までに前記店舗に到着する経路を探索することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項6】
物品を販売する店舗における前記物品の価格の変動情報を取得する変動情報取得工程と、
前記変動情報取得工程によって取得された変動情報に基づいて、前記物品を前記店舗で購入するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程によって前記物品を購入すると判断された場合、前記店舗までの経路を探索する探索工程と、
を含んだことを特徴とする経路探索方法。
【請求項7】
請求項6に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−248308(P2007−248308A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73254(P2006−73254)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】