説明

経路案内システムのセンタ装置

【課題】ナビゲーション装置とセンタ装置間で、保存データや機能分担を適切にする。
【解決手段】車載されたナビゲーション装置100には、既知の領域を走行するうえで日常的に使用する機能として現在位置を画面上で知るロケーション機能を単独で常時使用可能にするため、描画地図データを格納し、表示装置106に現在位置周辺地図と現在位置を併せて表示する。走行経路案内が必要な場合、目的地までの走行経路をセンタ装置150から受信することで、ナビゲーション装置100の保存データ減少と処理負担軽減を達成する。走行経路は、目的地までの全走行経路について一度で行わず、現在位置から所定距離分の走行経路だけ送信することで、通信データ量を少なくでき、車両側では早期に出発することができる。また分割経路を送信する前毎に新たに目的地までの送信経路を探索することで最新の交通情報を考慮した最適な走行経路を送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経路案内システムに係り、詳細には、車両に搭載されるナビゲーション装置と複数のナビゲーション装置との間で通信が行われるセンタ装置とから構成される経路案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの走行経路を運転者に案内するナビゲーション装置が広く普及している。このナビゲーション装置では、案内対象となる目的地に関するデータや、目的地までの走行経路を探索するための道路データや、描画用の地図データを備え、現在地から目的地までの経路を道路情報を用いて探索すると共に、GPS受信装置等を使用して車両の現在位置を検出しながら、車両の現在位置と探索経路に従って走行すべき方向(直進、進路変更等)の案内を行うようになっている。
【0003】
このようなナビゲーション装置では、電話番号や施設の名称、ジャンル、住所等の種々の方法から目的地を設定できるようにするために目的地に関する詳細な目的地データを備えると共に、道路データとして車線数や道路幅、一方通行、右折禁止、進入禁止等の種々の情報を各交差点や各道路毎に備える必要があり、膨大なデータを格納するようになっている。
【0004】
一方、最近ではナビゲーション装置は最低限のデータだけ備えておき、現在地の検出と経路案内を車両側のナビゲーション装置で担当し、目的地までの経路探索は所定の情報センタで一括して行うようにした通信ナビシステムも開発されている。このシステムでは、自動車電話や、装置に接続された携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)等の無線通信手段によって、探索された目的地までの走行経路や、地図データ等を情報センタから受信するようになっている。
このような通信ナビシステムによれば、地図データ、目的地データ、経路探索用道路データを保持しておく必要がなく、また、経路探索処理といった計算処理量の大きな処理が不要になり制御装置の負担が軽減される分他の処理を高速に行うことが可能になる。
【0005】
ところで本願発明者らは、運転者等のユーザが必要とする機能は、運転目的や走行状況によって異なっていることを知見した。
すなわち、車両で走行する場合、自宅や会社周辺を走行したり、同一の一定地域内を繰り返し走行する場合がもっとも多い。このような場合、わざわざ目的地設定及び経路探索を行い、探索した走行経路に従った音声による経路案内をしてもらわなくても、適宜目的地に到着することが可能である。例えば、既知のデパートや遊園地、ゴルフ場、支店、顧客の営業所等のように目的地の場所がわかっている場合には経路案内は当然に不要であり、走行経験のある道路周辺にある目的地であればその目的地周辺まで走行した後には車両の現在位置を画面上で確認できれば十分である。
【0006】
そして、目的地までの走行経路を案内が必要な場合は、全く目的地及びその周辺を知らない場合や、目的地までの経路が複雑である場合などに限られており、このような場合には目的地までの経路案内は必須の機能であるが、このような走行の回数は全走行回数(車両乗車回数)からすると比較的少ない。
このように、運転者が車両走行の際に必要とする機能は状況や目的地によって異なっているが、従来のナビゲーション装置ではこのような運転者の走行目的や走行条件とは無関係にナビゲーション装置や通信ナビシステムが構成されているため、無駄な機能部分や、使用効率が悪い部分が多かった。
すなわち、ナビゲーションとして可能な最大の機能、処理を想定し、その機能を車載側のナビゲーション装置で実現する場合には、設定対象となる目的地や、探索対象となる道路は広範な特定領域、例えば全国(日本全国、アメリカ全国、ドイツ全国等)を対象としているため、目的地データや道路データが膨大になると共に、膨大な量のデータに基づいて目的地設定処理や、経路探索処理を行うため、必要な計算量や計算時間が長くなると共に、これらの処理を行う制御部の負担が大きくなるという問題がある。また、新道路の完成や右左折禁止の新規設定や変更等によって道路データは常時変化するため、各ナビゲーション装置毎にデータを更新する必要がある。
【0007】
一方、通信ナビシステムによる場合には、このようなデータ保存や高度な処理による制御装置の負担が軽減される利点があるが、情報センタ間の通信を頻繁に行う必要があり通信費用がかかると共に、保持データを少なくしたことにより情報センタから受信するデータ量が増加して受信時間が長くなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたもので、車両に搭載されるナビゲーション装置とセンタ装置との間で、保存するデータや機能分担が適切に行なわれ、ユーザの運転目的や状況により合致した経路案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1記載の発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置と、複数のナビゲーション装置との間で通信が行われるセンタ装置とから構成され、
前記ナビゲーション装置は、背景地図データが格納された記憶手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、表示装置と、前記現在位置検出手段で検出した現在位置周辺の背景地図を前記背景地図データ記憶手段から読み出して前記表示装置に表示すると共に前記現在位置を背景地図上に表示するロケーション手段と、前記検出した現在位置及びセンタ装置での目的地設定に必要な要求情報を送信すると共に探索された目的地までの走行経路をセンタ装置から受信する車両側通信手段と、この通信手段で受信した走行経路を案内する経路案内手段とを備え、
前記センタ装置は、背景地図データベースと、目的地を設定するための目的地に関連する詳細な情報が格納された目的地データベースと、目的地までの経路探索を行うための走行道路データベースと、前記ナビゲーション装置から送信される要求情報に合致した目的地を前記目的地データベースを使用して設定する目的地設定手段と、前記ナビゲーション装置から送信される車両の現在位置から前記目的地設定手段により設定された目的地までの走行経路を前記走行道路データベースを使用して探索する経路探索手段と、前記ナビゲーション装置との通信により前記要求情報及び前記現在位置を受信すると共に経路探索手段で探索した走行経路を送信するセンタ側通信手段とを備えた
経路案内システムとする。
(2)請求項2記載の発明では、車両に搭載されるナビゲーション装置と、複数のナビゲーション装置との間で通信が行われるセンタ装置とから構成され、センタ装置は目的地まで探索した走行経路を分割して前記ナビゲーション装置に送信する経路案内システムであって、
前記ナビゲーション装置は、背景地図データが格納された背景地図データ記憶手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、表示装置と、前記現在位置検出手段で検出した現在位置周辺の背景地図を前記背景地図データ記憶手段から読み出して前記表示装置に表示すると共に前記現在位置を背景地図上に表示するロケーション手段と、前記センタ装置での目的地設定に必要な要求情報を送信すると共に走行経路をセンタ装置から受信する車両側通信手段と、この通信手段で受信した走行を案内する経路案内手段とを備え、 前記センタ装置は、目的地を設定するための目的地に関連する詳細な情報が格納された目的地データベースと、目的地までの経路探索を行うための走行道路データベースと、前記走行道路データベースを更新する更新手段と、前記ナビゲーション装置から送信される要求情報に合致した目的地を前記目的地データベースを使用して設定する目的地設定手段と、分割した走行経路を前記ナビゲーション装置に送信する前毎に前記目的地設定手段により設定された目的地までの走行経路を前記走行道路データベースを使用して探索する経路探索手段と、前記経路探索手段で探索された走行経路を分割して送信する走行経路を生成する経路分割手段と、前記ナビゲーション装置との通信により前記要求情報を受信すると共に、前記分割手段で生成された走行経路を送信するセンタ側通信手段とを備え、
た経路案内システムとする。
(3)請求項3記載の発明では、前記ナビゲーション装置は、分割経路の送信要求を前記センタ装置に送信し、
前記センタ装置の経路探索手段は、分割経路の送信要求を受信する度に、又は、前回送信済みの走行経路において交通事故等の走行障害要因が発生した場合に、目的地までの走行経路を探索する。
(4)請求項4記載の発明では、前記センタ側通信手段は、広範な特定領域についての背景地図データを格納する背景地図データベースを備え、前記ナビゲーション装置から要求された背景地図データを前記背景地図データベースから読み出し、送信要求があった前記ナビゲーション装置に送信し、
前記ナビゲーション装置は、背景地図データ記憶手段に前記特定領域より狭い所定領域の背景地図データを格納し、前記背景地図データ記憶手段に格納された所定領域外の背景地図データを前記車両側通信手段を介して前記センタ装置に送信要求する要求手段と、この要求手段により送信要求した背景地図データを一時的に格納する第2記憶手段を備える、。
(5)請求項5、請求項6記載の発明では、前記ナビゲーション装置は、代表的な目的地からなる基本目的地設定データと、この基本目的地設定データに従って簡易に目的地を設定する簡易目的地設定手段とを備え、
前記ロケーション手段は、前記簡易目的地設定手段で設定された目的地を、前記表示装置に表示した背景地図、現在位置と共に表示する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の経路案内システムによれば、車両に搭載されるナビゲーション装置とセンタ装置との間で、保存するデータや機能分担を適切に行なわれているので、ユーザの運転目的や状況により合致したロケーション機能や経路案内機能を効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1図は、本発明の一実施形態における経路案内システムのシステム構成図である。
【図2】第2図は、同上、実施形態における経路案内システムのナビゲーション装置とセンタ装置との機能分担を表した説明図である。
【図3】第3図は、ロケーション処理の動作を表したフローチャートである。
【図4】第4図は、同上、実施形態におけるナビゲーション装置が単独で行うロケーション処理の内容を表した説明図である。
【図5】第5図は、同上、実施形態における目的地設定処理と経路探索処理におけるナビゲーション装置とセンタ装置における動作を表したフローチャートである。
【図6】第6図は、同上、実施形態におけるナビゲーション装置が単独で行う経路案内処理の内容を表した説明図である。
【図7】第7図は、センタ装置とナビゲーション装置とのデータのやり取りの代表的な一例を表した説明図である。
【図8】第8図は、センタ装置で行われる走行経路の分割を概念的に説明するための説明図である。
【図9】第9図は、車両目的地まで探索した走行経路を所定単位で分割して送信するセンタ装置側の経路探索・案内データ送信処理の動作を表したフローチャートである。
【図10】第10図は、情報センタにおける探索経路データを概念的に表した説明図である。
【図11】第11図は、分割経路の送信を順次要求しながら車両目的地まで経路案内するナビゲーション装置側のリクエスト・経路案内処理の動作を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明における好適な実施の形態について、第1図から第11図を参照して詳細に説明する。
(1)第1実施形態の概要
本実施形態では、通常最も利用度が高い既知領域を走行する場合に必要な機能と、利用頻度が低い未知領域を走行する場合に必要な機能とを区別している。ここで、既知領域はユーザーが地名や代表的な施設の存在については知っていると考えられる領域で、詳細な道路や走行経路まで知っている必要はない。
そして、車載されたナビゲーション装置には、既知の領域を走行するうえで日常的に使用する機能として現在位置を画面上で知るロケーション機能をスタンドアロンで常時使用可能にする。そのために、200Km程度の所定範囲の描画地図データ(画面表示用)をハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置に格納しておき、表示装置に現在位置周辺の地図を表示すると共に、車両の現在位置を併せて表示する。これにより現在どの辺を走行しているのかをユーザが知ることが可能になり、既知領域の日常的な走行の場合これで十分である。
【0013】
このようにロケーション機能を既知領域で使用することで、走行経路までは知らなくても、また走行経路案内がされなくても、地名や施設等の既知の情報と併せて車両現在位置を地図上で確認することで目的地までの走行を十分に行うことが可能である。
【0014】
ナビゲーション装置は、目的地設定用のデータベースや経路探索用の走行道路データベースを備えていず、目的地設定処理や経路探索処理の機能も備えていない。従って、既知領域内での走行案内が必要になった場合や、未知領域を走行する場合のように目的地までの走行経路の案内が必要になった場合、ナビゲーション装置は、目的地設定処理や経路探索処理を行わず、目的地までの走行経路をセンタ装置から受信することで、保存データの減少と、処理負担の軽減を達成する。そして、受信した走行経路の音声案内と交差点図の表示による走行経路案内をナビゲーション装置が行う。
【0015】
一方、センタ装置では、データ量が大きい詳細な目的地データベースと走行道路データベースを保持し、これらのデータベースを使用して通信による目的地設定と、目的地までの走行経路の探索を行うことで、ナビゲーション装置の負担を軽減するようにしている。
【0016】
走行経路の送信(センタ装置)と受信(ナビゲーション装置)は、目的地までの全走行経路について一度で行わず、現在位置(又は、送信済みの走行経路の終端)から所定距離分の走行経路だけ送信することで、通信時間を短く(通信データ量を少なく)することができ、車両側では早期に出発することができる。
【0017】
そして、車両が受信済みの走行経路の終端から所定距離(例えば、200m)手前に到達すると、ナビゲーション装置が再度走行経路の要求を送信し、又はセンタ装置が自動的に検出して、車両現在位置から目的地までの走行経路を情報センタが再度探索して、送信済みの走行経路に続く走行経路を所定距離分ナビゲーション装置に送信する。このように、要求がある毎に目的地までの走行経路を新たに探索して所定距離ずつ送信することで、要求があった時点における最新の交通情報(事故情報や渋滞情報)を考慮した最適な走行経路を送信することができる。
【0018】
(2)第1実施形態の詳細
第1図は経路案内システムの構成を表したものである。
この経路案内システムは、車載されたナビゲーション装置100と、複数のナビゲーション装置100との間で通信を行うセンタ装置150とで構成されている。
ナビゲーション装置100は、演算処理部101、プログラム格納部102、記憶部103、現在位置検出部104、入力部105、表示部106、音声出力部107、車両側通信部108を備えている。
【0019】
センタ装置150は、センタ側通信部151と、システム制御部152と、データベース153と外部情報収集部154を備えている。
ナビゲーション装置100における、演算処理部101は、CPUを備えており、車両側で単独使用(機能)可能なロケーション処理と、センタ装置150との経路探索に関する通信を行う通信処理、及びこの通信処理によりセンタ装置150から受信する目的地までの走行経路を案内する経路案内処理を行うようになっている。本実施形態では、目的地までの走行経路を受信する場合、目的地までの全走行経路を一度に受信せず、所定距離の走行経路(分割経路)単位で受信して案内処理を行うと共に、受信済みの分割経路の終端近傍で次の走行経路の要求をセンタ装置150に送信する通信処理が行われる。この両処理については、リクエスト・経路案内処理として後述する(第10図)。
【0020】
プログラム格納部102は、演算処理部101により各種処理を行うためのプログラムが格納され、ROM等の各種記憶媒体が使用される。
記憶部103は、RAM、CD−ROM、フラッシュメモリ、DVD、ハードディスク等の各種記憶媒体が使用される。この記憶部103は、描画用地図データベース(DB)1031と走行経路格納部1032を備えている。
この記憶部103には、走行道路DBは格納されてない。この道路DBは、道路データ、交差点データ、車線データ、一方通行データ、工事中データ、渋滞情報(場所と渋滞時間帯)等の目的地までの経路探索に必要な走行道路データで構成され、後述するようにセンタ装置150に格納されている。このように、走行道路DBをナビゲーション装置が保有しないようにすることで、記憶部103の必要な容量を小さくすることができる。また、走行経路DBの非保有とする共に、ナビゲーション装置100は、目的地までの経路を探索する経路探索処理のためのプログラムも保有しないことで、演算処理部101の負担を軽減している。
【0021】
描画用地図DB1031は、ハードディスクに確保され、ロケーション処理や経路案内処理において表示される、広範な特定領域(例えば、日本全国、ドイツ全国、アメリカ全国等)の全領域についての描画用地図データ(背景地図データ)が格納される。描画用地図DB1031は背景地図データ記憶手段として機能する。
描画用地図データは、道路を含む地図をビットマップ形式で格納する場合の他、JPEG等の所定の方式で圧縮した地図データを使用することが可能である。また、描画用地図データとして、背景色データ(地図の背景色を示すデータで、例えば、茶色を示すデータ)及び、道路を表示するためのベクトルデータ若しくは背景上に道路を描画するためのノードデータと道路幅を示すデータから構成されるようにしてもよい。ベクトルデータやノードデータにより道路を描画する場合には、これらのデータを使用して現在位置のマップマッチングが容易になる。
【0022】
また、走行経路格納部1032はRAMに確保され、センタ装置150で探索されて送信された目的までの走行経路に関する道路データが格納される。このRAMは、プログラムの実行や、センタ装置150との通信の際に必要なデータが読み書きされるいわゆるワーキングエリアとしても使用される。
【0023】
また、記憶部103は、現在位置検出部104により計測された車両現在位置(東経・北緯)を所定時間間隔で記憶する現在位置記憶エリアも有している。現在位置記憶エリアには、複数の位置が記憶され、走行軌跡を表す。現在位置記憶エリアは一定距離または一定数の位置が記憶されるようになっており、車両現在位置が新たに計測されると、最も古くに記憶された位置が消去され、新たに計測された車両現在位置が記憶される。現在位置記憶エリアに記憶された位置(走行軌跡を表す複数の東経・北緯)は、経路上の車両現在位置を特定するための、いわゆるマップマッチングに利用される。
【0024】
現在位置検出部104は、複数のGPS衛星からの信号を受信し車両の絶対位置を計測するGPS受信装置、車両の相対位置を計測するための速度センサ、方位センサ等を備えている。速度センサや方位センサにより計測される相対位置は、GPS受信装置が衛星からの電波を受信できないトンネル内等の位置を得るため、その他GPS受信装置により計測された絶対位置の測位誤差を補正するため等に用いられる。
【0025】
入力部105は、表示部106の表示面に取り付けられたタッチパネルや、ジョイスティックや、音声認識装置を利用した情報入力装置等の各種入力装置が使用される。タッチパネルでは、表示部106に表示されたアイコン等を利用者が指でタッチすることにより、対応する情報や命令が入力される。
また、音声認識装置を利用した情報入力装置では、利用者が発した音声を認識し、認識した音声に対応する情報や命令が入力される。
【0026】
表示部106は、液晶やCRT等の各種ディスプレイが使用され、ロケーション用の背景地図や、経路案内における交差点図が表示され、さらに、センタ装置150との通信による目的設定処理における目的設定用の各種画面が表示される他、タッチパネルに対応した入力用のキー画像等の各種画像が表示されるようになっている。
音声出力部107は、音声合成装置とスピーカを備えており、目的までの経路案内を行う場合の案内音声、例えば、「100m先の交差点を右方向です。」といった案内音声を合成し、スピーカから出力するようになっている。このような案内音声を出力するスピーカは、車載オーディオ用のスピーカと兼用にしてもよく、また、運転席上部やフロントガラス中央上部等に専用のスピーカを配置するようにしてもよい。
【0027】
車両側通信部108は、モデム等と、これに接続される携帯電話、PHS等の無線通信機器で構成されており、センタ装置150との音声やデータによる通信を行うようになっている。
この車両側通信部108とセンタ側通信部151との間の通信は、本実施形態の場合パケット通信により行われるが、経路案内システムによっては回線交換による場合も存在する。
【0028】
ナビゲーション装置100は以上のように構成されるが、車両側通信部108に接続される通信機器、及び現在位置検出部104、音声出力部107のスピーカを除いて、1DIN一体サイズに形成され、オーディオ操作部近傍に配置されるようになっている。
【0029】
一方、センタ装置150のセンタ側通信部151は、モデム、ターミナルアダプタ等の通信機器で構成され、ナビゲーション装置100との通信回線(PHS、携帯電話、その他の無線通信手段による通信回線)の接続を行うようになっている。
システム制御部152は、図示しないCPU、ROM、RAM、その他の機器等を備えたコンピュータシステムにより構成されている。
CPUはROMを含めた記憶手段に記憶された各種プログラムに従って、システム全体を制御すると共に、本実施形態における、通信による目的地設定や、車両現在位置から目的地までの経路探索処理、その他のセンタ装置150で必要な各種処理を行うようになっている。また、システム制御部152は、車両目的地まで探索した走行経路を所定単位で分割してナビゲーション装置100に送信する経路探索・案内データ送信処理及び、この処理におけるセグメント処理、案内データ抽出処理も行うようになっている。
ROMには、これらの各種処理をCPUで実行するためのプログラムやデータが格納されている。
RAMは、CPUが各種プログラム実行に際して各種データが読み書きされるいわゆるワーキングエリアとして使用される。
【0030】
データベース153としては、各種データが格納されるハードディスク、光磁気ディスク等の大容量の記憶媒体が使用されるが、本実施形態ではハードディスクが使用される。このデータベース153には、目的地DB(データベース)1531と、走行道路DB1532とその他の各種データが格納されている。
目的地DB1531には、目的地設定に必要な各種目的関連データとして、全目的地をジャンル別に分類したジャンルデータ、地域毎に分類した地域データ、電話番号帳、住所録等が格納されている。また目的地の解説的な情報、例えば、目的地が旅館であれば温泉の有無や温泉の効能等の解説情報、目的地が遊園地であれば駐車場の広さ(駐車可能台数)や対象年齢(3歳児以上向き、小学生以上向き、成人向き等)や入場料や休園日等の解説情報、寺院であれば宗派や起源等の解説情報、ゴルフ場であればプレー料金等の解説情報、も各目的地に対応して格納されている。このように、解説情報を豊富に収集、保存することで、ナビゲーション装置100のユーザからの「鎌倉で、5歳以下の子供が自然の中で遊べる場所」といった条件を探し出して目的地設定することが可能になる。なお、このような目的地設定の場合、目的地の要求を音声通話により取得し、オペレータがアシストすることで適切な目的地設定を行うようにしてもよい。
【0031】
また、目的地DB1531には、目的地設定用プログラムや目的地設定用データを有していない携帯情報端末やナビゲーション装置が、WWW(World Wide Web)のブラウザ(browser)ソフトによりインターネット経由での目的地設定を可能にするための、目的地設定用のWeb情報(目的地設定画面)も格納するようにしてもよい。
走行道路DB1532には、目的地までの経路探索に必要な走行道路データとして、道路データ、交差点データ、車線データ、ノードデータ、一方通行データ、工事中データ、渋滞情報(場所と渋滞時間帯)等の各種データが格納されている。
【0032】
目的地DB1531及び走行道路DB1532に格納されている各データが対象とする領域は、広範な特定領域である。この特定領域としては、日本全国、ドイツ全国、アメリカ全国、特定の国全国、特定の州や地方全体が全領域となる。例えば、目的地データの場合日本国内に存在する目的地として設定可能な全ての施設等が目的地データとして目的地DB131に格納され、道路データの場合日本国内の全道路(所定幅以下の細街路については含まれないが、所定地域又は全国の細街路を含めることも可能である)についてのデータが走行道路DB1531に格納される。その他の各データについても同様に日本全国が対象とされている。
【0033】
データベース053には、更新手段として機能する外部情報収集部154が接続されている。この外部情報収集部154が収集する外部情報としては、渋滞情報(渋滞箇所と距離、渋滞の程度)、工事情報(工事区間と、工事期間)、事故発生箇所(事故発生場所、事故の程度、通行可能か否か、処理終了予想時間等)等の各種交通情報があり、いずれもシステム制御部152による経路探索処理で使用される。外部情報収集部154は、収集した渋滞情報等の外部情報に基づき、走行道路DB1531の内容を更新することで、更新手段として機能するようになっている。
【0034】
データベース153に格納されるその他のデータとしては、例えば、案内用データが格納される。この案内用データは、各交差点や道路の地図データ、主要な施設を示すランドマークデータ、音声案内データなどの各種案内データが含まれる。
【0035】
外部情報収集部154は、また、道路、交差点、交通規則の新設や変更(走行道路DB1532)、施設の新設、駐車場の満車、空車、混雑等の情報(目的DB1531)等を収集し、データベース153に格納されたデータを随時更新するようになっている。
この外部情報収集部154は、これらの外部情報を、電話回線や専用回線、無線通信などの通信手段を利用して収集する。
【0036】
次に、このように構成された経路案内システムにおいて、ナビゲーション装置100の演算処理部101が行う機能と、センタ装置150のシステム制御部152が行う機能について、第2図を参照して説明する。
第2図(a)に示されるように、ナビゲーション装置100の演算処理部101が分担する機能として、ロケーション機能、通信機能、及び走行経路案内機能がある。このうちロケーション機能は完全にナビゲーション装置100単独で処理可能である。走行経路案内機能は単独で処理可能であるが、センタ装置150との通信機能による走行経路の受信が前提となる。
【0037】
演算処理部101は、ロケーション機能として背景地図の描画と、現在位置の表示と、走行軌跡の表示を表示部106に対して行い、通信機能として現在位置の送信と、目的地設定用の要求情報の送信と、走行経路の受信をセンタ装置150間で行い、走行経路案内機能として、背景地図の描画・走行経路表示と、交差点図の描画及び音声案内を行う。
【0038】
また、第2図(b)に示されるように、センタ装置150のシステム制御部152が分担する機能として、目的地設定機能、経路探索機能、通信機能がある。システム制御部152は、通信機能として、現在位置受信、要求情報受信、走行経路の送信を行う。また、経路探索機能として、目的地までの走行経路の探索と、探索した走行経路を分割してナビゲーション装置100に送信する走行経路の生成を行う。目的地までの走行経路の探索は全走行経路送信モードと分割経路送信モードで行われ、走行経路を分割して送信する走行経路の生成は分割経路送信モードで行われる。
【0039】
次にこのように機能分担された経路案内システムにおける動作について説明する。
(i)ロケーション処理
このロケーション処理は、運転者が既知の地域や既知の道路を走行する場合のように日常最も頻繁に使用される処理である。
第3図は、ロケーション処理の動作を表したフローチャートで、第4図は、ロケーション機能の実行により表示部106に表示される画像を表したものである。
演算処理部101は、ロケーションモードが設定されているか否かを判断する(ステップ1)。ロケーションモードである場合(ステップ1;Y)、演算処理部101は、このロケーション処理において、現在位置検出部104で検出される車両の現在位置を継続的に取得する(ステップ2)。
【0040】
そして、演算処理部101は、地図上での車両現在位置を表示するロケーション表示を行う(ステップ3)。すなわち、演算処理部101は、取得した現在位置が含まれる背景地図データを描画用地図DB1031から読み出し、現在位置を中心とする周辺の地図を表示部106に表示する。さらに、表示した背景地図上に車両の現在地P(図面上は三角形のマークで表示)を重ねて表示する。さらに演算処理部101は、現在位置Pの位置変化から走行軌跡を求めて、走行軌跡Qを表示する。この走行軌跡は画面上走行した道路を赤等の色で表示するようになっている。
【0041】
その後演算処理部101は、ロケーションモードの終了か否かを判断する(ステップ4)。演算処理部101は、経路案内モードが選択された場合、ナビゲーションの電源がオフされた場合にロケーションモードの終了と判断し(ステップ4;Y)、メインルーチンにリターンする。一方、ロケーションモードが終了でない場合(ステップ4;N)、演算処理部101は、ステップ2に戻ってロケション処理を継続する。
【0042】
このように、既知領域を走行する場合には、地名や施設、主要道路等をユーザーが知っている場合が多いため、現在車両がどのあたりを走行しているかを地図上で確認できるロケーション機能に限定して使用できれば十分であり、支障なくナビゲーション装置100を使用することができる。このようなロケーション機能では、従来のように目的地設定や経路探索をする必要がないので、ロケーション機能の利用率が向上する。またロケーション機能をスタンドアロンで使用できるため、ロケーション機能に対する通信時間や通信費用が不要になる。
【0043】
(ii)目的地設定処理、経路探索処理
この目的地設定処理と経路探索処理は、センタ装置150において行われる処理であるが、例えば、車両側のユーザが未知の地域や道路を走行する場合のように、目的地までの走行経路の案内を希望する場合に行われる。目的地設定処理、経路探索処理は、車両の現在位置や目的地の位置にかかわらず、車両側ユーザが走行経路の案内を希望した場合に行われ、現在位置や目的地がロケーション機能の実行可能な領域内(描画用地図DB1031に格納された背景地図の領域内)であってもユーザーの希望により行うことができる。
そして、センタ装置150における目的地設定処理と経路探索処理を補完する処理として、ナビゲーション装置100とセンタ装置150の通信機能による必要なデータの送受信処理が行われる。
【0044】
第5図は、目的地設定処理、経路探索処理及び、これらを補完する通信処理の流れを表したフローチャートである。
このフローチャートによる処理が開始されるきっかけは車両側ユーザによる、走行経路案内要求により開始される。すなわち、車両側のユーザによって入力部105(表示部106に取り付けたタッチパネルを含む)から走行経路案内が入力されると、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、車両側通信部108を介してセンタ装置150側のセンタ装置に自動ダイヤルして回線の接続要求を行い、車両側通信部108とセンタ側通信部151との間で回線を接続する(ステップ10a、ステップ10b)。
この車両側通信部108とセンタ側通信部151との間の通信は、パケット通信により行われる。
【0045】
センタ装置150との回線が接続されると、演算処理部101は車両側通信部108を介して、現在位置検出部104で検出した車両の現在位置(緯度、経度)を送信する(ステップ11a)。なお、この車両の現在位置の送信は、目的地設定の後、目的地設定の途中、又は経路探索が開始される直前に送信するようにしてもよい。
【0046】
システム制御部152では、送信される現在位置をセンタ側通信部151を介して受信し、RAMの所定エリアに格納する(ステップ11b)。そしてシステム制御部152は、目的地DB1531を使用し、目的地設定に必要な目的地入力画面を送信し、要求情報を受信することで目的地設定処理を行う(ステップ12b)。一方、演算処理部101では目的地入力画面を表示部106に表示し、ユーザにより選択された状態やキーを目的地を設定するための要求情報として順次送信する(ステップ12a)。
【0047】
第4図のフローチャート左側に表示された表示部106Aでは、ユーザが電話番号による目的地設定を選択することで、センタ装置150側から送信された電話番号入力画面が表示されている状態である。この電話番号入力画面において所望の電話番号を入力すると、その電話番号が要求情報としてセンタ装置150に送信される。
なお、センタ装置150からは、要求情報に応じて複数回にわたって目的地入力画面を送信するようにしてもよい。例えば、ジャンルに基づく目的地設定がユーザに選択された場合には、各階層毎の目的地設定画面(選択画面)が複数回にわたって送信される。
【0048】
ナビゲーション装置100による目的地が設定されると、センタ装置150では、設定された目的地までの走行経路を探索し、走行経路をナビゲーション装置に送信するが、探索した全走行経路をナビゲーション装置100に送信する全走行経路送信モードと、目的地までの走行経路を分割して送信する分割経路送信モードとがある。第5図のステップ13a、13b以降の処理では、全走行経路送信モードについて説明し、分割経路送信モードについては後述する。
【0049】
センタ装置150では、システム制御部152が、RAMに格納しておいた車両の現在位置から設定した目的地までの走行経路を、走行道路DB1532を使用して探索する(ステップ13b)。
この経路探索が行われている間、ナビゲーション装置100の演算処理部101では、センタ装置150において経路探索中であることを画面表示する(ステップ13a)。第4図に示すフローチャートの左側に表示された表示部106Bには、経路探索中を示すコメントと、経路探索の進行状況を表す棒グラフが示されている。
目的地までの経路探索が終了すると、センタ装置150のシステム制御部152は、探索した走行経路の道路データを送信して(ステップ14b)、処理を終了する。
【0050】
一方、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、センタ装置150から送信される走行経路の道路データを受信すると、記憶部103の走行経路格納部1032に格納して(ステップ14a)、処理を終了する。
このように、ナビゲーション装置100は、目的地に関する要求情報の送信や、走行経路の受信といった簡単な補助的処理のみを行い、目的地設定処理や経路探索処理は行わないので、演算処理部101の負担を少なくすることができる。
【0051】
また、目的地設定処理や経路探索処理を行わないので、ナビゲーション装置100の記憶部103に、大容量で使用頻度が低いデータである目的地DBや走行道路DBを各車両毎に格納する必要がなく、従って記憶部103の記憶容量を小さくすることができる。
そして、目的地DB1531と走行道路DB1532を、各車両のナビゲーション装置100毎に複数箇所で保存するのではなく、センタ装置150で集中的に保存することで、経路案内システム全体としての記憶容量を小さくすることができると共に、複数のナビゲーション装置100からの経路探索要求に応じて目的地設定処理と経路探索処理を行うので両データベースの使用効率を高めることが可能になる。
【0052】
(iii)経路案内処理
この経路案内処理は、センタ装置150から受信した目的地までの走行経路の案内を行うもので、受信した走行経路の道路データに従ってナビゲーション装置100単独で行われる処理である。この経路案内処理は、全走行経路送信モード、分割経路送信モードのいずれも同様に行われる。両モードの違いは送信される走行経路の範囲が異なるのみであり、受信した走行経路の範囲では同様に経路案内が行われる。
【0053】
第5図は、走行経路の案内内容を表したものである。
この第5図に示されるように、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、現在位置検出部104で検出される車両の現在位置を継続的に取得し、その取得した現在位置が含まれる背景地図データを描画用地図DB1031から読み出し、現在位置を中心とする周辺の地図を表示部106aに表示する。そして、表示した背景地図上に車両の現在地Pを重ねて表示する。なお、以上の処理はロケーション機能における地図描画処理と同様であるため、同一の処理プログラムを共用するようにしてもよい。
【0054】
演算処理部101は、表示部106aに表示した背景地図上に、走行経路格納部1032に格納された案内すべき走行経路Rを重ねて表示する。この走行経路Rも青色等の道路の色や、走行軌跡Qの色と別の色で表示するようにする。
更に演算処理部101は、車両の現在位置が、走行経路格納部1032に格納されている、走行経路において進路変更が必要な交差点近傍に到達すると、第5図の106bに示すように、該当交差点の拡大図を走行経路格納部1032に格納されている道路データ(交差点データ、車幅データ等)を使用して描画し表示する。この交差点拡大図には、車両の現在位置P′が表示されると共に、進路変更の方向が矢印Tで表示されると共に、右下には現在地から進路変更すべき交差点までの距離が距離表示欄Sに表示される。
また演算処理部101は、音声出力部107のスピーカから「左方向です」等の案内音声を出力する。
【0055】
(iv)分割経路送信モードの処理
次に分割経路送信モードにおける、ナビゲーション装置100とセンタ装置150における動作について説明する。まず、動作の概要として、本実施形態による代表的な一連の動作について第7図、第8図を参照しながら説明する。
第7図は、センタ装置150とナビゲーション装置100とのデータのやり取りの代表的な一例を表したものである。
Fsでステップ10a、10b(第5図)の通信が開始(パケット通信の場合には発呼要求パケットCRの送信、回線交換の場合には発呼(オフ・フック))され、Feで通信が終了(パケット通信の場合には切断確認パケットの受信、回線交換の場合には切断(オン・フック))する。
【0056】
いま、通信開始Fsの後、第5図に示したステップ11a(現在位置送信)、ステップ11b(現在位置受信)、ステップ12a(目的地入力)、ステップ12b(目的地設定処理)の各処理は完了しているものとする。なお、分割送信モードの場合、センタ装置150のシステム制御部152は、ステップ12bで設定した目的地を、RAMの所定エリアに格納しておき、分割送信する前毎に行う経路探索処理で使用する。
【0057】
まず、矢印F1で示すように、ナビゲーション装置100がセンタ装置150に対して現在位置、要求道路長、及び経路案内取得要求(図示せず)を通知する。なお、要求道路長についてはナビゲーション装置100のユーザーが設定をし、記憶部103に格納されている場合に送信される。
センタ装置150では、第9図を参照して後述するが、矢印F2で示すように、受信データに基づいて経路探索、セグメント分割、要求分案内データ抽出が行われる。そして、矢印F3で示すように、得た経路・案内データをナビゲーション装置100に送信する。
【0058】
以上の、センタ装置150における動作を第8図を参照して説明する。
この第8図に示されるように、太実線で示すL1が送信済み分割経路の終端位置PDから車両目的地PAまで新たに探索された全走行経路である。Mは、車両の現在位置に対応して表示される車両位置を示すマークである。
この探索経路L1は、所定距離(例えば、2km)を単位とした場合に、5つのセグメントS1〜S5に分割されており、セグメント分割点はP1〜P4である。要求道路長がLRであるとすると、セグメントS1及びS2で、送信道路長>要求道路長となるので、ナビゲーション装置100にはセグメントS1、S2の経路データ及び案内データが送信される。
【0059】
一方、ナビゲーション装置100では、第11図を参照して後述するが、第7図の矢印F4で示すように、分割受信した経路・案内データに基づいて、上述した走行経路の経路案内が行われる。なお、必要がなくなった経路・案内データは適宜破棄される。ここで、経路案内の継続データが必要となった場合、演算処理部101は、矢印F5で示すように、再び現在位置及び経路案内取得要求(リクエスト)をセンタ装置150に通知する。なお、要求道路長は最初の送信によりセンタ装置150に格納されているので2度目以降は送信されないが、センタ装置15で格納せずに毎回要求道路長を送信するようにしてもよい。
以後、目的地に至るまで、同様の動作を繰り返し行い、目的地に到着すると、矢印Fnで示すように目的地に到着したことをセンタ装置150に通知して、ナビゲーション装置100とセンタ装置150間の通信を終了する。
【0060】
次に、車両目的地まで探索した走行経路を所定単位で分割して送信するセンタ装置150側の経路探索・案内データ送信処理(第9図)と、分割経路の送信を順次要求しながら車両目的地まで経路案内するナビゲーション装置100側のリクエスト・経路案内処理(第11図)について説明する。
(a)経路探索・案内データ送信処理
第9図に示すように、センタ装置150のシステム制御部152は、ナビゲーション装置100(車載装置)から経路案内データ取得要求(リクエスト)を受信したか否か監視し(ステップ65)、受信した場合(;Y)、受信情報に含まれる車両現在位置を抽出する(ステップ66)。
【0061】
次に、受信情報中で要求道路長が指定されている場合は(ステップ67;Y)指定された要求道路長をRAMの所定エリアに格納し(ステップ68)、指定されていない場合には(ステップ67;N)要求道路長として予め用意されている初期値をデータベース153の図示しないその他のデータから読み出し、RAMに格納する(ステップ69)。
【0062】
次にシステム制御部152は、車両現在位置から目的地までの経路を探索する(ステップ70)。経路探索は、走行道路DB1532の経路探索用データ、すなわち、交差点データ、道路データ、ノードデータを参照して行われる。この経路探索処理は公知であり、例えば特開平1−173297号公報、特開平1−173298号公報に開示された方法で行われ、経路全体の距離が最も短いものを最適経路とするなどの条件で推奨経路を設定する。
【0063】
本形態では、ナビゲーション装置100からリクエストを受信(ステップ65;Y)する度に、車両現在位置から目的地までの経路が探索される。センタ装置150では、外部情報収集部70によって外部から、渋滞の状態と距離、事故の発生による通行の不可、工事区間といった道路情報や交通情報などを取得し、データベース153が最新の情報に更新されている。このため、車両側からのリクエスト毎に経路探索を行うことにより、渋滞等を避けるなど常に最新のデータに基づく推奨経路とその案内データがナビゲーション装置100に提供される。
【0064】
次に、システム制御部152は、セグメント処理プログラムを実行し、探索された目的地までの走行経路をナビゲーションの単位であるセグメント毎に分割する(ステップ71)。分割する単位は、データサイズ一定(例えば1セグメントが1024バイト)、道路長一定(例えば1km、2km等)などが考えられる。探索された全経路は、例えば第10図(A)に示すように、分割経路1、分割経路2、……に分割される。各分割経路が1セグメントである。各分割経路データには、第10図(B)に示すように、データヘッド、交差点情報、道路情報、ノード情報、目印情報などが含まれている。
【0065】
このようにデータをセグメント化することにより、(i)センタ装置150とナビゲーション装置100との通信が中断しても、中断時に送信が終了していたセグメントについてはそのまま経路案内を行うことができる、(ii)中断時に送信中であったセグメントから再送すればよい、という効果がある。別言すれば、セグメントは、車両側でデコードできる情報単位である。例えば、10kmの経路・案内データを全体で一つのファイルとして車両側に送信し車両側でデコードできなかったとすると、該10kmの全てについて経路案内はできない。しかし、2km毎のセグメントに分割してファイル化することで、セグメント毎にファイルをデコードして経路案内することが可能となる。
【0066】
次に、システム制御部152は、探索した経路の範囲内で、車両位置に最も近い一つのセグメントを順に追加し(ステップ72)、送信道路の道路長を算出する(ステップ73)。すなわち、送信道路長(セグメントの総道路長)=セグメント追加前の送信道路長+追加したセグメントの道路長の演算を繰り返し行ってセグメントを一つずつ追加していく。
【0067】
そして、各セグメントに含まれる道路の長さを加算して得た合計の送信道路長が、当該IDのユーザデータ50に格納した要求道路長よりも長くなるまで、セグメントの追加が行われる(ステップ74;N)。
その結果、送信道路長>要求道路長(あるいは送信道路長≧要求道路長)となると(ステップ74;Y)、システム制御部152は、案内データ抽出プログラムを実行し、データベース153にその他のデータとして格納されている案内用データを参照して、送信道路長に相当する範囲の案内データ(各交差点や道路の地図データ、主要な施設を示すランドマークデータ、音声案内データなど)を検索して抽出し、RAMの抽出案内データ格納エリアに格納する(ステップ75)。
以上のようにして得た経路データと案内データは、リクエストを行ったナビゲーション装置100に通信制御部12を介して送信される(ステップ76)。このとき、セグメント化された経路・案内データは、車両現在位置に近いものから順に車両側に送信される。
【0068】
(b)リクエスト・経路案内処理
次に、以上説明したセンタ装置150による経路探索・案内データ送信処理に対応してナビゲーション装置100で実行されるリクエスト・経路案内処理について第11図のフローチャートに従って説明する。
第11図に示すように、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、センタ装置150に対して車両現在位置及びリクエスト(経路案内データ取得要求)、要求道路長を送信する(ステップ80)。ここで要求道路長は、要求道路長がユーザーによって設定されている場合で、かつ、最初の1回目だけ送信する。
そして演算処理部101は、センタ装置150から要求道路長に対応して分割された経路・案内データ(分割道路データ)を受信したか否かを監視し(ステップ81)、受信すると(;Y)、経路・案内データを記憶部103の走行経路格納部1032に格納し、上記(iii)で説明した経路案内プログラムによる経路案内処理を実行する(ステップ82)。
【0069】
演算処理部101は経路案内として、例えば、経路の地図やランドマークを表示部106に表示すると共に、位置計測部104における車両現在位置を参照しながら、進路変更すべき交差点の所定距離手前において「およそ200m先の交差点を右/左方向です。」といった音声案内を音声出力部107から出力させる。
本実施形態でセンタ装置150から受信する経路・案内データは、目的地までの全走行経路のデータではなく、分割経路のリクエスト毎に新たに経路探索した走行経路から抽出された分割経路を受信する。そしてリクエストに応じて新たに行う経路探索では、常に外部情報収集部70で収集される最新の交通情報、道路情報が使用される。従って、走行中の道路状況の変化(渋滞や事故の発生等)によって、出発時に探索した走行経路とは異なる経路が分割経路として抽出されることがある。このように、走行中に発生した道路状況の変化に対しても、分割経路を受信することで、常に現時点における最適経路を受信して案内することができる。また、目的地の変更についても柔軟に対応することができる。
【0070】
更に、必要とする要求道路長に対応する経路長(送信道路長)の分割経路のみをセンタ装置150から受信することができ、ナビゲーション装置100のメモリ容量に応じたデータ受信が可能になる。
また要求道路長に対応した分割経路を受信することで少ない受信データ量とし、短時間で分割経路の受信が完了するため、全走行経路を受信する場合に比べて、車両走行の開始及び経路案内の開始を早くすることができる。
また、リクエスト毎に車両現在位置から目的地までの経路探索が行われるので、例えば車両が経路を逸脱したような場合でも、逸脱した道路上の現在位置でリクエストすることで目的地までの経路・案内データを得ることができ、安心して運転を行うことができる。
【0071】
経路案内中、演算処理部101は、所定時間間隔毎に位置計測部104から車両の現在地を取得し、走行経路格納部1032に格納されている分割経路の終端から一定距離(例えば200m)手前の位置に車両が到達したかどうかを監視し(ステップ83)、到達していなければ(;N)、ステップ82に戻って経路案内を継続する。
【0072】
そして、車両が分割経路の終端から上述の一定距離手前の位置に到達すると(ステップ83;Y)、演算処理部101は、分割経路の終端が、目的地と一致するか否かを判断する(ステップ84)。分割経路終端が目的地と一致しなければ(ステップ84;N)、ステップ80に戻って再度車両現在位置とリクエスト(経路案内データ取得要求)をセンタ装置150に送信し次の分割経路受信と経路案内を継続する。
分割経路の終端が目的地と一致する場合(ステップ84;Y)、演算処理部101は車両が目的地に到着したか否かを判断し(ステップ85)、目的地に到着していなければ(ステップ85;N)、ステップ82に戻って経路案内を継続する。
【0073】
一方、目的地に到着した場合(ステップ85;Y)、演算処理部101は、車両現在位置と目的地に到着したことをセンタ装置150に送信し(ステップ86)、制御プログラム154によるメインルーチンにリターンする。
なお、目的地へ到着したか否かの判断は、実際に車両が目的地に到達した場合の他、目的地までの走行距離が500m以内でありかつ音声による最後の経路案内地点を通過後の位置(目的地周辺)に到達した場合に目的地へ到着したと判断される。
【0074】
このように、ナビゲーション装置100によれば、未知の目的地であっても、センタ装置150から受信した走行経路を使用することで、目的地設定処理や経路探索処理を行うことなく、また、目的地DBや走行道路DBを記憶することなく、単独で走行経路の案内を行うことができる。
なお、本実施形態における経路案内処理は、センタ装置150で経路探索された走行経路の道路データのみを使用して行うようになっており、ナビゲーション装置側で経路探索を行うことはない。
【0075】
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲の各項に記載された発明の範囲において他の実施形態を採用し、また、変形することが可能である。
例えば、説明した実施形態では、目的地設定処理は車載のナビゲーション装置において行わない構成としたが、センタ装置1500目的地DB1531に格納されている目的地データのうち限定した目的地データをナビゲーション装置100の記憶部103に格納するようにしてもよい。この場合の目的地データは、ジャンル別に目的地を設定するためのデータ等のに機能限定した基本目的地設定データであり、また、描画用地図DB1031に格納される地図データの領域内に存在する目的地データのみに限定して格納することで、データ格納量を少なくすることができる。
【0076】
記憶部103に格納される基本目的地設定データは、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等の書き換え可能な記憶媒体に格納される。そして、機能限定された基本目的地設定データの内容を、センタ装置150との通信により変更できるようにしてもよい。例えば、ジャンル別に設定可能な基本目的地設定データの内容から、電話番号からの目的地設定可能な基本目的地設定データに変更するようにセンタ装置150に要求して変更するようにしてもよい。
この基本目的地設定データを使用したナビゲーション装置100における目的地設定は、限定された機能、例えば、ジャンルからの選択、電話番号からの選択、住所からの選択等により行われる。
【0077】
ナビゲーション装置100で設定された目的地は、ロケーション機能においてのみ使用される。すなわち、設定した目的地を第3図に示す表示部106の背景地図上に配置する。この場合、目的地と現在地の双方が表示部106に表示できるスケールの地図が選択され、また、ユーザにより現在地位P周辺の詳細地図表示が選択されて目的地を併せて表示できない場合には、目的地の方向を矢印等で画面上に表示するようにしてもよい。
このように、本変形例において保存、使用される基本目的地設定データは機能及び地域が限定されているため、少ないデータ量で済むと共に、目的地の方向や位置を表示することが可能になるため、ロケーション機能において有効に利用することができる。
【0078】
また説明した実施形態では、ロケーション機能で使用される広範な特定領域(説明した実施形態では全国)の全領域についての描画用地図データをナビゲーション装置100の描画用地図DB1031に格納しているが、描画用地図DB1031に格納される描画用地図データとしては、特定領域の全領域についてのデータではなく、特定領域に含まれ特定領域よりも狭い所定領域、すなわち、特定領域の一部の領域を対象とするようにしてもよい。そして所定領域としては、ユーザーの自宅や勤務地の一方を中心とする領域、又は双方を含む領域とすることで、使用効率を高くすることができる。また、最もよく走行する所定領域に限定して描画地図データを格納対象とすることで、ナビゲーション装置100の描画地図DB1031の記憶容量を小さくすることができる。
この所定領域としては、特定領域よりも狭い領域が対象となり、例えば、特定領域が全国である場合、200Km四方の範囲、nKm四方の範囲(nは例えば、100、50、20、その他任意に設定可能な値)北海道・東北・関東・中部・関西・中国・四国・九州の各地域に区分された範囲、指定した都府県とその隣接都府県を含む範囲、都道府県毎の範囲、指定した市区町村とその隣接市区町村を含む範囲、市区町村の範囲、特定の州の範囲や地方の範囲等各種限定された範囲が選択される。
【0079】
このように所定領域の描画用地図データのみをナビゲーション装置100に格納する場合、センタ装置150のデータベース153には描画用地図データが格納されていないので、ナビゲーション装置100の描画用地図DB1031に格納された所定領域(以下、通常使用地域という)の外を走行する場合には、ロケーション機能は全く使用できず、また経路案内機能も音声案内のみになってしまう。そこで、センタ装置150のデータベース153に、広範な特定領域(例えば、日本全国、アメリカ全国、ドイツ全国、特定国の全国、EC諸国全体、州や都道府県等の特定の領域等)の描画地図データを特定領域描画地図DBに格納し、ナビゲーション装置100からの要求により必要な地域の描画地図データを送信するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置100は、受信した描画地図データをハードディスクやフラッシュメモリ等に一時的に格納するようにし、車両が通常使用地域内に戻った場合には消去するようにする。
【0080】
なお、経路案内システムにおける描画用地図データは、次の各場合に送受信される。すなわち、ナビゲーション装置のユーザが予め必要な地域を指定してセンタ装置150に要求した場合、要求された地域の描画用地図データが送受信される。また、第4図で説明した目的地設定処理において通常使用地域の外に存在する目的地を設定した場合、その後の経路探索で探索された走行経路を含む通常使用地域外の描画用地図データが自動的に送受信される。この場合、第4図のステップ11aにおける現在位置の送信時に、併せて通常使用地域がナビゲーション装置100からセンタ装置150に送信される。
【0081】
また、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、現在位置が通常使用地域の境界から1km手前に到達した場合に、連続する一定地域の描画用地図データの送信をセンタ装置150に要求するようにしてもよい。
このように、通常使用地域外を走行する場合にも、センタ装置150から描画地図データを受信して、一時的に記憶することで、全国を対象としたロケーション機能を提供することができる。
【0082】
説明した実施形態におけるセンタ装置150は、ナビゲーション装置100からの分割経路のリクエスト毎に新たに目的地までの走行経路を探索し、分割走行データを送信するようにしているが、ナビゲーション装置100からのリクエストによらずに送信するようにしてもよい。すなわち、センタ装置150は、ナビゲーション装置100から定期的に(例えば、所定時間毎に、又は所定距離走行毎に)車両現在位置を受信するようにする。そして、受信した車両現在位置が送信済みの分割経路の終端から所定距離(例えば、200m)手前に到達したか否かをセンタ装置150が判断し、到達したと判断した時点で目的地までの走行経路を新たに経路探索し、上述したと同様に分割経路データをナビゲーション装置100に送信する。
【0083】
また、通常はナビゲーション装置100からのリクエスト毎に新たに経路探索して分割経路データを送信するようにし、送信した分割走行経路が不適切な経路となる状況変化が生じた場合、ナビゲーション装置100からのリクエストによらずに走行経路探索と分割経路データの送信を行うようにしてもよい。すなわち、センタ装置150は、外部情報収集部154により常時最新の交通事故情報や渋滞情報等の交通情報を収集し走行道路DB1532を更新するようにしているので、送信済みの分割経路で発生した交通事故等の走行障害要因を検出することができる。そこで、センタ装置150は、車両の現在位置から送信済みの分割経路の終端までの間で交通事故等の走行障害要因が発生していないか監視し、発生した場合には、直ちに車両現在位置から目的地までの新たな走行経路を探索する。この走行経路探索は、交通事故情報等の交通情報が更新され反映されている走行道路DB1532を使用して行われるため、交通事故や渋滞を考慮した新たな走行経路が探索される。センタ装置150は、この新たな走行経路に基づく分割経路データをナビゲーション装置100に送信する。ナビゲーション装置100では、次の分割経路データをリクエストする前にセンタ装置150から送信される分割走行データを受信すると、受信済みの分割経路上に交通事故等の障害が発生したものと判断し、新たに受信した分割経路データを走行経路格納部1032に格納し、この走行経路の案内を行う。
【0084】
以上のように、本発明の経路案内システムによれば、車両に搭載されるナビゲーション装置とセンタ装置との間で、保存するデータや機能分担を適切に行なわれているので、ユーザの運転目的や状況により合致したロケーション機能や経路案内機能を効率的に提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 ナビゲーション装置
101 演算処理部
102 プログラム格納部
103 記憶部
1031 描画用地図DB
1032 走行経路格納部
104 現在位置検出部
105 入力部
106 表示部
107 音声出力部
108 車両側通信部
150 センタ装置
151 センタ側通信部
152 システム制御部
153 データベース
1531 目的地DB
1532 走行道路DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるナビゲーション装置と、複数のナビゲーション装置との間で通信が行われるセンタ装置とから構成され、
前記ナビゲーション装置は、
背景地図データが格納された記憶手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
表示装置と、
前記現在位置検出手段で検出した現在位置周辺の背景地図を前記背景地図データ記憶手段から読み出して前記表示装置に表示すると共に前記現在位置を背景地図上に表示するロケーション手段と、
前記検出した現在位置及びセンタ装置での目的地設定に必要な要求情報を送信すると共に探索された目的地までの走行経路をセンタ装置から受信する車両側通信手段と、
この通信手段で受信した走行経路を案内する経路案内手段とを備え、
前記センタ装置は、
背景地図データベースと、
目的地を設定するための目的地に関連する詳細な情報が格納された目的地データベースと、
目的地までの経路探索を行うための走行道路データベースと、
前記ナビゲーション装置から送信される要求情報に合致した目的地を前記目的地データベースを使用して設定する目的地設定手段と、
前記ナビゲーション装置から送信される車両の現在位置から前記目的地設定手段により設定された目的地までの走行経路を前記走行道路データベースを使用して探索する経路探索手段と、
前記ナビゲーション装置との通信により前記要求情報及び前記現在位置を受信すると共に経路探索手段で探索した走行経路を送信するセンタ側通信手段とを備えた
ことを特徴とする経路案内システム。
【請求項2】
車両に搭載されるナビゲーション装置と、複数のナビゲーション装置との間で通信が行われるセンタ装置とから構成され、センタ装置は目的地まで探索した走行経路を分割して前記ナビゲーション装置に送信する経路案内システムであって、
前記ナビゲーション装置は、
背景地図データが格納された背景地図データ記憶手段と、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
表示装置と、
前記現在位置検出手段で検出した現在位置周辺の背景地図を前記背景地図データ記憶手段から読み出して前記表示装置に表示すると共に前記現在位置を背景地図上に表示するロケーション手段と、
前記センタ装置での目的地設定に必要な要求情報を送信すると共に走行経路をセンタ装置から受信する車両側通信手段と、
この通信手段で受信した走行を案内する経路案内手段とを備え、
前記センタ装置は、
目的地を設定するための目的地に関連する詳細な情報が格納された目的地データベースと、
目的地までの経路探索を行うための走行道路データベースと、
前記走行道路データベースを更新する更新手段と、
前記ナビゲーション装置から送信される要求情報に合致した目的地を前記目的地データベースを使用して設定する目的地設定手段と、
分割した走行経路を前記ナビゲーション装置に送信する前毎に前記目的地設定手段により設定された目的地までの走行経路を前記走行道路データベースを使用して探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段で探索された走行経路を分割して送信する走行経路を生成する経路分割手段と、
前記ナビゲーション装置との通信により前記要求情報を受信すると共に、
前記分割手段で生成された走行経路を送信するセンタ側通信手段とを備えたことを特徴とする経路案内システム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、分割経路の送信要求を前記センタ装置に送信し、
前記センタ装置の経路探索手段は、分割経路の送信要求を受信する度に、又は、前回送信済みの走行経路において交通事故等の走行障害要因が発生した場合に、目的地までの走行経路を探索する
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の経路案内システム。
【請求項4】
前記センタ側通信手段は、広範な特定領域についての背景地図データを格納する背景地図データベースを備え、前記ナビゲーション装置から要求された背景地図データを前記背景地図データベースから読み出し、送信要求があった前記ナビゲーション装置に送信し、
前記ナビゲーション装置は、背景地図データ記憶手段に前記特定領域より狭い所定領域の背景地図データを格納し、前記背景地図データ記憶手段に格納された所定領域外の背景地図データを前記車両側通信手段を介して前記センタ装置に送信要求する要求手段と、この要求手段により送信要求した背景地図データを一時的に格納する第2記憶手段を備える、
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、又は第3項に記載の経路案内システム。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、代表的な目的地からなる基本目的地設定データと、この基本目的地設定データに従って簡易に目的地を設定する簡易目的地設定手段とを備え、
前記ロケーション手段は、前記簡易目的地設定手段で設定された目的地を、前記表示装置に表示した背景地図、現在位置と共に表示する
ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の経路案内システム。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、代表的な目的地からなる基本目的地設定データと、この基本目的地設定データに従って簡易に目的地を設定する簡易目的地設定手段とを備え、
前記ロケーション手段は、前記簡易目的地設定手段で設定された目的地を、前記表示装置に表示した背景地図、現在位置と共に表示する
ことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、又は第3項に記載の経路案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−103726(P2009−103726A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33189(P2009−33189)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【分割の表示】特願2000−615564(P2000−615564)の分割
【原出願日】平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】