説明

脂肪アルコール薬物複合体

【課題】癌、ウィルス性疾患、精神疾患の治療に有用な、脂肪アルコールと薬剤の複合体の提供。
【解決手段】下記化学式(1)で表される化合物(1)


(式中、Rは脂肪アルコールROHのC8〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば癌、ウィルス性疾患および精神疾患の治療に有用な、脂肪アルコールと薬剤例えば抗癌剤、抗ウィルス剤、および抗精神病薬との複合体、ならびにその組成物および配合物に関する。該複合体の生成方法および使用方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
標的組織に対する薬物選択性の改善は、医学の分野における確立された目的である。一般に、薬物をその標的に選択的に送達し、それにより投与量を減少させ、したがって副作用を低減することが望ましい。これは特に、抗癌剤などの毒性のある薬物にあてはまり、なぜならば、癌治療に有効な治療的用量の達成が、正常で健康な組織に対する抗癌剤の有毒な副作用により、しばしば制限されるからである。
標的組織への薬物選択性を改善する剤としての脂肪酸の使用については、多大な研究がなされている。脂肪酸は前もって薬物と複合され、複合体としての薬物が血液脳関門を越えるのを補助している。DHA(ドコサヘキサエン酸)は、薬物と複合した場合、血液脳関門を超えるのに非常に有効であることが示された、炭素数22の天然に存在する非分岐状脂肪酸である。DHAは、酸性基を介して親水性の薬物に結合し、これらの薬物をより疎水性(親油性)にする。DHAが、それと複合する薬物が血液脳関門を越えるのを補助する作用機構は、まだ知られていない。
【0003】
脂肪酸の薬物への複合の他の例は、ステアリン酸、パルミチン酸、エナント酸、ウンデシレン酸または2,2ジメチルパルミチン酸へのピポチアジンの結合である。ピポチアジンは、中枢神経系内で作用する薬物である。ピポチアジンを脂肪酸に複合する目的は、薬物の油性溶液を生成し、筋肉内注射された場合に該薬物を徐々に放出する液体インプラントとするためである。薬物の放出は選択された特定の脂肪酸に依存すると考えられ、薬物は、中枢神経系におけるその活性について試験された。
【0004】
脂肪酸を含む脂質分子もまた薬物と複合して、複合していない薬物に比べ複合体の親油性を高めている。一般に、高められた親油性は、薬物のリンパ系への腸内取り込みを増進させ、それにより複合体の脳への進入を増進させ、またそれにより肝臓における複合体の初回通過代謝を回避するための機構として示唆されている。用いられる脂質分子のタイプには、リン脂質、天然に存在しない分岐状および非分岐状脂肪酸、ならびに炭素原子数が4個程度に少ないものから30を超えるものの範囲の天然に存在する分岐状および非分岐状脂肪酸が含まれる。一つの例においては、受容体結合活性の増大が観察され(アデノシン受容体作動薬について)、これは、ペンダント脂質分子がリン脂質膜と相互作用し、受容体のミクロな膜環境において受容体リガンドの遠位のアンカーとして作用したと考えられた。しかし、この作用強度(potency)の増加は、アデノシン受容体アンタゴニストの同一の脂質誘導体を用いた場合には観察されず、したがってこれらの研究から一般化することはできなかった。
【0005】
癌、ウィルス性疾患、および精神疾患の治療における最重要事項は、薬物の組織に対する選択性と標的性である。標的性の増大は、必要な薬剤の量を減少させ、薬剤の投与頻度を減少させる。これらの特徴は、周辺組織に対し有毒である可能性があり、副作用を及ぼす可能性のある薬剤の投与を含む治療においては、特に重要である。癌、ウィルス性疾患、および精神疾患に対する有効な治療の決定的重要性および、病気に冒された組織を選択的に標的とすることの困難さのために、現在、副作用と投与方式の難しさを減少させつつ、強力な薬物で組織を標的とする有効な方法が必要とされている。
脂肪アルコールは、末端がアルコール基の脂質分子である(末端がカルボン酸基の脂肪酸とは当然異なる)。脂肪酸とは異なり、脂肪アルコールは哺乳動物に一般的な組織成分ではない。脂肪アルコールは、典型的には脂肪酸を開始材料として合成により製造される。
【0006】
発明の概要
本発明は、癌、ウィルス性疾患、および精神疾患を含むがこれには限定されない種々の疾患の治療のための薬剤に、脂肪アルコールが複合できるという、驚くべき発見に関する。これら薬剤−脂肪アルコール複合体の利点は、以下の項目の1または2以上を含む:薬物を対象組織に標的化すること;対象組織での薬物の分布容に有利な影響をおよぼすこと;薬物の毒性を減少させること;薬物の副作用を減少させること;薬物のクリアランスを減少させること;薬物の必要量および/または投与回数を減少させること、または、分布容、組織での分布、および/またはある態様においては、非活性複合体からの活性薬物の放出動態、などに有利な影響を与えることにより、対象が耐容可能な薬物の量を増加させること。脂肪アルコール−薬剤複合体の他の驚くべき観点は、脂肪アルコールが生体内で薬剤との複合から一旦分離されると、天然に存在する脂肪酸に直ちに転換され得ることである。
【0007】
脂肪アルコール−薬剤複合体の前述の特徴のいずれかおよび全ては、癌、ウィルス性疾患、および精神疾患などの疾患の治療が必要な対象を利し、薬物の投与量を変更し投与回数を減らし、よりよい結果と副作用の減少をもたらすことを可能とするであろう。
本発明の一つの観点によって、物質の組成物を提供する。組成物または化合物は、炭酸結合を介して脂肪アルコールの脂肪基と複合した薬剤(すなわち薬物)を含み、式
【化1】

で表わされ、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分(pharmaceutical agent moiety)である。
【0008】
本発明の他の観点によって、リン酸塩リンカーを介して脂肪アルコールと複合した薬剤を提供する。化合物は式
【化2】

を有し、式中、Rは、脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であり、さらに式中、ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH,イオン、または保護基から選択される。
【0009】
本発明の他の観点によって、カルバメート結合を介して脂肪アルコールに結合した薬剤複合体を提供する。これらの化合物は式
【化3】

を有し、式中、Rは、脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分であり、R”はH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等から選択される。
【0010】
本発明の他の観点によって、エステル結合を介して脂肪アルコールに複合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化4】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XC(O)OHの薬剤部分である。
【0011】
本発明のさらに他の観点によって、グアニジン結合を介して脂肪アルコールに複合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化5】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNH(またはXOH)の薬剤部分である。
【0012】
本発明のさらに他の観点によって、チオノカルバメート結合を介して脂肪アルコールに結合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化6】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である。
【0013】
本発明のさらに他の観点によって、ホスホン酸結合を介して脂肪アルコールに結合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化7】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XCHPO、XCHR’POH、またはXCR’R”POの薬剤部分であり、R’およびR”は互いに独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルキル置換ヘテロ原子、アルケニル置換ヘテロ原子、またはアリール置換ヘテロ原子等から選択される。
【0014】
本発明のさらに他の観点によって、オキシム結合を介して脂肪アルコールに結合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化8】

で表され、これらは(E)および(Z)異性体であり、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xはケトンまたはアルデヒド官能基性(functionality)、すなわちXC(O)HまたはXC(O)R’を有する薬剤の薬剤部分であり式中R’はアルキル、アルケニル、アリール等である。
【0015】
本発明のさらに他の観点によって、イソウレア結合を介して脂肪アルコールに結合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化9】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XNHの薬剤部分である。
【0016】
本発明のさらに他の観点によって、脂肪アルコールに結合した薬剤を提供する。これらの化合物は式
【化10】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である。
ある態様においては、脂肪アルコール部分は、天然に存在する脂肪アルコールまたは脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する。ある態様においては、脂肪アルコール部分は、ヒトに天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する。好ましくは、脂肪アルコール部分はC12〜C26と同じ炭素構造を有し、より好ましくは、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸と同じ炭素構造を有する。
【0017】
他の態様においては、脂肪アルコール部分は、天然に存在しない脂肪アルコールまたは脂肪酸と同じ炭素構造を有する。ある態様においては、脂肪アルコール部分は偶数個の炭素原子を有する。ある態様においては、脂肪アルコール部分は奇数個の炭素原子を有する。ある態様においては、炭素構造は飽和型であり、他の態様においては、炭素構造は非飽和型(オレフィン型)である。炭素構造は非飽和型で、すなわち少なくとも一つの二重結合を有するのが好ましい。
【0018】
ある態様においては、脂肪アルコール部分は、以下の脂肪酸のいずれかと同じ炭素構造を有する:カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ゴンド酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸。これら脂肪酸は、二重結合および二重結合の位置に関する(E)および(Z)立体化学を含む、種々の可能な異性体全てを含む。例えば、本明細書中で用いるリノレン酸は、炭素鎖の二重結合の位置は異なるが同じ分子式(および分子量)を有する、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸およびα−リノレン酸を含む。
【0019】
ある態様においては、脂肪アルコール部分は下記の群から選択した脂肪酸と同じ炭素構造を有する:オクタン(カプリル);ノナン(ペラルゴン);デカン(カプリン);アンデカン(ウンデカン);ドデカン(ラウリン);トリデカン;テトラデカン(ミリスチン);ペンタデカン;ヘキサデカン(パミチン);ヘプタデカン(マルガリン);オクタデカン(ステアリン);12−ヒドロキシステアリン;ノナデカン;エイコサン(アラキジン);ウンエイコサン;ドコサン(ベヘン);トリコサン;およびテトラコサン(リグノセリン)。
【0020】
これらおよび他の態様においては、脂肪アルコールン部分は下記の群から選択した脂肪酸と同じ炭素構造を有する:10−アンデセン(ウンデセン);11−ドデセン;12−トリデセン;9−テトラデセン(ミリストレイン);9−トランス−テトラデセン(ミリストエライジン);10−ペンタデセン;10−トランス−ペンタデセン;9−ヘキサデセン(パルミトレイン);8−トランス−ヘキサデセン(パルミトエライジン);10−ヘプタデセン;10−トランス−ヘプタデセン;6−オクタデセン(ペトロセリン);6−トランス−オクタデセン(ペトロスエライジン);8−オクタデセン(オレイン);9−11−オクダデセン(バクセン);11−トランス−オクダデセン(トランスバクセン);9−シス−12 ヒドロキシ−オクタデセン(リシノール);9−トランス−12−ヒドロキシ−オクタデセン(リシンエライジン);7−ノナデセン;7−トランス−ノナデセン;10−ノナデセン;10−トランス−ノナデセン;10−13−ノナデカジエン;10−13−トランス−ノナ−デカジエン;8−12−オクタデカジエン(リノール);9−トランス−12−トランス オクタデカジエン(リノエライジン);オクタデカジエン(複合体);9−12−15−オクタデカトリエン(リノレン);6−9−12−オクタデカトリエン(ガンマリノレン);11−トランス−エイコセン;8−エイコセン;11−エイコセン;5−エイコセン;11−14−エイコサジエン;8−11−14−エイコサトリエン(ホモガンマリノレン);11−14−17−エイコサトリエン;5−8−11−14−エイコサテトラエン(アラキドン);5−8−11−14−17−エイコサペンタエン;7−10−13−16−19−ドコサペンタエン;アラキドン;13−ドコセン(エルカ);13−トランスドコセン(ブランジン);13−16−ドコサジエン;13−16−19−ドコサトリエン;7−10−13−16−ドコサテトラエン;4−7−10−13−16−19−ドコサヘキサエン(DHA);12−ヘンエイコセン;12−15−ヘンエイコサジエン;14−トリコセン;および15−テトラコセン(ネルボン)。
【0021】
当業者は、脂肪アルコールは薬剤との複合の前に、O−脂肪アルコールヒドロキシルアミンに転換されてもよいことを認識する。それらは、脂肪アルコールの結合と類似の結合を介して結合されてもよく、以下に例示の、チオノカルバメート結合、カルバメート結合、グアニジン結合、アミド結合、チオウレア結合、リンアミド結合、ホスホンアミド結合等を含む。
【化11】

式中、Xは薬剤XOH、XNH等の薬剤部分である。
【0022】
多くの薬剤が本発明に有用である。当業者が認識するように、脂肪アルコールがそれに(直接に、または記載した結合を介して)複合できる基を有するいかなる薬剤も、本発明に有用である。かかる薬剤は、次のような基を含む:−OH、−NH、−NHR”、−COH、−SH、−PO等の基(式中R”はアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル基等を言う)。例えばフラボピリドールなど多くの薬剤が、脂肪アルコールが複合可能な基を1個以上有する。当業者が認識するように、薬剤中の脂肪アルコールが複合する基は、例えば既知の「保護および非保護戦略(protection and deprotection strategies)」を用いることによって選択可能である。一般に、ただ1種の脂肪アルコール部分が1種の薬剤へ複合することが好ましい。ただし、当業者は、1種以上の脂肪アルコールが1種の薬剤へ複合することも可能であることを認識するであろう。
【0023】
ある態様においては、薬剤は以下から選択してよい:アドレナリン作用剤;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;アルコール妨害物;アルドステロンアンタゴニスト;アミノ酸;アンモニア解毒剤;同化剤;興奮剤;鎮痛薬;アンドロゲン;麻酔薬(anesthesia);麻酔薬(anesthetic);食欲抑制薬;アンタゴニスト;下垂体前葉抑制剤;駆虫薬;抗にきび剤;抗アドレナリン作用剤;抗アレルギー剤;抗アメーバ剤;抗アンドロゲン剤;抗貧血剤;抗狭心症剤;抗不安剤;抗関節炎剤;抗喘息剤;抗アテローム硬化剤;抗菌剤;抗胆石剤;抗コレリソゲン(anticholelithogenic)剤;抗コリン作用剤;抗凝固剤;抗コクシジウム剤(anticoccidal);抗痙攣剤;抗うつ剤;抗糖尿病剤;抗下痢剤;抗利尿剤;解毒薬;制吐剤;抗癲癇剤;抗エストロゲン剤;抗線維素溶解剤;抗真菌剤;抗緑内障剤;抗血友病剤;抗出血剤;抗ヒスタミン剤;抗高脂血症剤;抗高リポタンパク血症剤;抗高血圧症剤;抗低血圧症剤;抗感染剤;局所的抗感染剤;抗炎症剤;抗角化剤;抗マラリア剤;抗菌剤;抗片頭痛;抗有糸分裂剤;抗真菌剤;制嘔吐剤;抗腫瘍剤;抗好中球減少剤;抗強迫剤;駆虫剤;
【0024】
抗パーキンソン症剤;抗ぜん動剤;抗ニューモシスティス剤;抗増殖剤;抗前立腺肥大剤;抗原性動物剤;かゆみ止め;抗精神病薬;抗リウマチ剤;抗住血吸虫剤;抗脂漏剤;抗分泌剤;抗痙攣剤;抗血栓剤;咳止め;抗潰瘍剤;抗尿結石剤;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;良性前立腺過形成治療剤;血中グルコース調節剤;骨再吸収阻害剤;気管支拡張薬;炭酸脱水酵素阻害剤;心臓抑制薬;心臓保護剤(cardioprotectant);強心剤;心臓血管剤;胆汁分泌薬;コリン作用剤;コリン作用性アゴニスト;コリンエステラーゼ失活剤;コクシジウム抑制薬;認識補助剤;認識増強剤;抑制剤;診断助剤;利尿薬;ドーパミン作用薬;外寄生生物撲滅薬;催吐薬;酵素阻害剤;エストロゲン;フィブリン溶解剤;蛍光剤;遊離酸素基スカベンジャー;胃腸運動性エフェクター;糖質コルチコイド;性腺刺激原理;毛髪成長刺激剤;止血剤;ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト;ホルモン;低コレステロール血症剤;低血糖剤;低脂血症剤;低血圧剤;イメージング剤;免疫化剤;免疫モジュレーター;免疫レギュレーター;免疫刺激剤;
【0025】
免疫抑制剤;インポテンス療法添加物;阻害剤;角質溶解剤;LNRHアゴニスト;肝臓障害治療;黄体融解素;記憶補助剤;精神作業増強剤;気分調節剤;粘液溶解剤;粘膜保護剤;瞳孔拡大因子;鼻うっ血除去薬;神経筋遮断剤;神経保護剤;NMDAアンタゴニスト;非ホルモンステロール誘導体;分娩促進薬;プラスミノーゲン活性化剤;血小板活性化因子アンタゴニスト;血小板凝集阻害剤;発作後および頭部外傷後治療;増強剤;プロゲスチン;プロスタグランジン;前立腺成長阻害剤;プロチロトロピン;向精神薬;肺表面;放射性剤;レギュレーター;弛緩薬;再分割剤;殺疥癬虫薬;硬化剤;鎮静薬;鎮静薬−催眠薬;選択的アデノシンA1アンタゴニスト;セロトニンアンタゴニスト;セロトニン阻害剤;セロトニン受容体アンタゴニスト;ステロイド;刺激剤;抑制剤;症候性多発性硬化症治療薬;相乗剤;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺模倣剤;トランキライザー;筋萎縮性側索硬化症の治療薬;脳虚血の治療薬;パジェット病の治療薬;不安定狭心症の治療薬;尿酸排泄剤;血管収縮薬;血管拡張薬;外傷治療薬;創傷治癒剤;およびキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【0026】
ある重要な態様においては、薬剤は抗癌剤である。重要な抗癌剤は以下を含む:アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アドリアマイシン;アルデスロイキン;アリトレチノイン;アロプリノールナトリウム、アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アノナセウスアセトゲニンス;アントラマイシン;アシミシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ベキサロテン;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナーナトリウム;ブロピリミン;ブラタシン;ブスルファン;カベルゴリン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;DACA(N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリジン−4−カルボキサミド);ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;ダウノマイシン;デシタビン;デニロイキンジフチトックス;デキソーマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;
【0027】
ドロロキシフェンシトレート;ドロモスタノロンプロピオネート;ズアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エチオード化油I131;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロキスリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;5−FdUMP;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;FK−317;FK−973;FR−66979;FR−900482;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ゲムツズマブオゾガミシン;金Au198;ゴセレリンアセテート;グアナコーン;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチドアセテート;レトロゾール;ロイプロリドアセテート;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロールアセテート;メレンゲストロールアセテート;
【0028】
メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキサートナトリウム;メトキサレン;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン;マイトクロミン;マイトギリン;マイトマルシン;マイトマイシン;マイトマイシンC;マイトスパー;ミトタン;マイトキサントロン塩酸塩;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オプレルベキン;オーマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;パミドロナートジナトリウム;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;パーホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポーファイマーナトリウム;ポーフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;リツキシマブ;ログレチミド;ロリニアスタチン;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;サマリウム/レキシドロナム;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;スクアモシン;スクアモタシン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;塩化ストロンチウムSr89;スロフェヌル;タリソマイシン;タキサン;タキソイド;テコガランナトリウム;テガフル;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;
【0029】
テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チミタク;チアゾフリン;チラパザミン;トムデックス;TOP−53;トポテカン塩酸塩;トレミフェンクエン酸塩;トラスツズマブ;トレストロンアセテート;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキセート;トリメトレキセートグルクロネート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バルルビシン;バプレオチド;バーテポルフィン;ビンブラスチン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンロイロシン硫酸塩;ビノレルビンタータレート;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩;2−クロロデオキシアデノシン;2’−デオキシホルマイシン;9−アミノカンプトテシン;ラルチトレキセド;N−プロパルギル−5,8−ジデアザホル酸;2−クロロ−2’−アラビノ−フルオロ−2’−デオキシアデノシン;2−クロロ−2’−デオキシアデノシン;アニソマイシン;トリコスタチンA;hPRL−G129R;CEP−751;リノミド;硫黄マスタード;窒素マスタード(メクロレタミン);
【0030】
シクロホスファミド;メルファラン;クロラムブシル;イホスファミド;ブスルファン;N−メチル−N−ニトロソウレア(MNU);N,N’−ビス(2−クロロエチル)−N−ニトロソウレア(BCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−シクロヘキシル−N−ニトロソウレア(CCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−(トランス−4−メチルシクロヘキシル−N−ニトロソウレア(MeCCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−(ジエチル)エチルホスホネート−N−ニトロソウレア(ホテムスチン);ストレプトゾトシン;ジアカルバジン(DTIC);マイトゾロミド;テモゾロミド;チオテパ;マイトマイシンC;AZQ;アドゼレシン;シスプラチン;カルボプラチン;オーマプラチン;オキサリプラチン;C1−973;DWA2114R;JM216;JM335;ビス(白金);トムデックス;アザシチジン;シタラビン;ゲムシタビン;6−メルカプトプリン;6−チオグアニン;ヒポキサンチン;テニポシド9−アミノカンプトテシン;トポテカン;CPT−11;ドキソルビシン;ダウノマイシン;エピルビシン;ダルビシン;マイトキサントロン;ロソキサントロン;ダクチノマイシン(アクチノマイシンD);アムサクリン;ピラゾロアクリジン;すべてトランスのレチノール;14−ヒドロキシ−レトロ−レチノール;すべてトランスのレチノイン酸;N−(4−ヒドロキシフェニル)レチンアミド;13−シスレチノイン酸;3−メチルTTNEB;9−シスレチノイン酸;フルダラビンおよび(2−F−アラ−AMP);2−クロロデオキシアデノシン(2−Cda)。
【0031】
他の抗腫瘍化合物は、以下を含む:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキナスタチン2;アキナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブレオマイシンA;ブレオマイシンB;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体(例えば、10−ヒドロキシ−カンプトテシン);カナリポックスIL−2;カペシタビン;
【0032】
カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カーゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリンス;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラチンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;2’デオキシコホルマイシン(DCF);デスロレリン;デキシホスファミド;デキシラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、9−;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ジスコデルモリド;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エポチロン(A、R=H;B、R=Me);エピチロン;エピステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;
【0033】
エトポシド;エトポシド4’−リン酸塩(エトポホス);エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ホモハリングトニン(HHT);ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド;インシュリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イリノテカン;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;
【0034】
ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶菌ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二重鎖RNA;ミトラシン;マイトグアゾン;マイトラクトール;マイトマイシン類似体;マイトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;マイトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多重薬剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍サプレッサー1に基づく療法;マスタード抗癌剤;マイカペロキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;
【0035】
ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナートグラスチン;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節剤;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラチン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルマイトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸塩ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;
【0036】
白金−トリアミン錯体;ポドフィロトキシン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファーネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;デメチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;セントピン;SarCNU;サルコフェトールA;サルグラモスチム;模擬Sdi1;セムスチン;センセンス由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;情報伝達阻害剤;情報伝達調節剤;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロキャプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパーホシン酸;
【0037】
スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン;サリドマイド;チオコラリン;トロンボポイエチン;模擬トロンボポイエチン;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トポテカン;トポセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメックス;泌尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラメル。
【0038】
他の抗癌剤は、抗増殖剤(例えば、イソチオン酸ピリトレキシム)、抗前立腺肥大剤(例えば、シトグルシド)、良性前立腺肥大治療剤(例えば、塩酸タムスロシン)、前立腺肥大阻害剤(例えば、ペントモン)、および以下の放射性剤を含む:フィブリノーゲンI125;フルデオキシグルコースF18;フルオロドーパF18;インシュリンI125;インシュリンI131;イオベングアンI123;ヨージパミドナトリウムI131;ヨードアンチピリンI131;ヨードコレステロールI131;ヨードヒップレートナトリウムI123;ヨードヒップレートナトリウムI125;ヨードヒップレートナトリウムI131;ヨードピラセットI125;ヨードピラセットI131;イオフェタミン塩酸塩I123;イオメチンI125;イオメチンI131;イオタラメートナトリウムI125;イオタラメートナトリウムI131;イオチロシンI131;リオチロニンI125;リオチロニンI131;メリソプロールアセテートHg197;メリソプロールアセテートHg203;メリソプロールHg197;セレノメチオニンSe75;テクネチウムTc99m三硫化アンチモンコロイド;テクネチウムTc99mビシセート;テクネチウムTc99mジソフェニン;テクネチウムTc99mエチドロネート;テクネチウムTc99mエクサメタジム;テクネチウムTc99mフリホスミン;テクネチウムTc99mグルセプテート;テクネチウムTc99mリドフェニン;テクネチウムTc99mメブロフェニン;テクネチウムTc99mメドロネート;テクネチウムTc99mメドロネート二ナトリウム;テクネチウムTc99mメリチアチド;テクネチウムTc99mオキシドロネート;テクネチウムTc99mペンテテート;テクネチウムTc99mペンテテートカルシウム三ナトリウム;テクネチウムTc99mセスタミビ;テクネチウムTc99mシボロキシム;テクネチウムTc99mスッシマー;テクネチウムTc99m硫黄コロイド;テクネチウムTc99mテボロキシム;テクネチウムTc99mテトロホスミン;テクネチウムTc99mチアチド;チロキシンI125;チロキシンI131;トルポビドンI131;トリオレインI125;およびトリオレインI131。
【0039】
本発明の薬剤として有用な他のカテゴリーの抗癌剤は、抗癌剤補充性増強剤(anticancer supplementary potentiating agent)を含む。抗癌剤補充性増強剤は、以下を含む:三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピンおよびマプロチリン);非三環系抗うつ薬(例えば、サートラリン、トラゾドンおよびシタロプラム);Ca++アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピンおよびカロベリン);カルモジュリン阻害剤(例えば、プレニルアミン、トリフルオロペラジンおよびクロミプラミン);アンホテリシンB;トリパラノール類似体(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);抗高血圧薬(例えば、レセルピン);チオール枯渇剤(例えば、ブチオニンおよびスルホキシミン)並びに多重薬剤耐性低減剤、例えばクレマホルEL。
【0040】
本発明で用いる抗癌剤のクラスとして特に好ましいのは、タキサンである。タキサン類のうち、パクリタキセルおよびドセタキセルが好ましい。本発明で用いる他の好ましい抗癌剤は、フラボピリドールである。他の重要な抗癌剤は、アノナセウスアセトゲニン(annonaceous acetogenins)およびSN−38である。
本発明に使用する他のカテゴリーの薬剤は抗精神病薬である。抗精神病薬は以下のものを含む:ロラゼパム;クロルジアゼポキシド;クロラゼペート;ジアゼパム;アルプラゾラム;ヒドロキシジン;ブスピロン;ベンラファキシン;メホバルビタール;メプロバメート;ドキセピン;ペルフェナジン;ヒドロキシジンパモエート;ベンラファキシン;ミルタザピン;ネファゾドン;ブプロピオン;フェネルジン;トラニルシプロミン;シタロプラム;パラキセフィン;サートラリン;アミトルプチリン;プロトリプチリン;ジバルプロエックス;クロナゼパム;クロザピン;ハロペリドール;ロキサピン;モリンドン;チオチキセン;ピモジド;リスペリドン;クエフィアピン;チオチキセン;オランザピン;クエチアピン;プロクロルペラジン;メソリダジン;トリフルオペラジン;クロルプロマジン;パーフェナジン;およびフルボキサミン。最も好ましい抗精神病薬は、クロザピン、ベンラファキシン、リスペリドン、クエフィアピン、チオチキセン、およびオランザピンを含む。
【0041】
本発明に有用な他のカテゴリーの薬剤は抗ウィルス剤である。抗ウィルス剤は、ヌクレオシド類似体、ノンヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤を含み、以下のものを含む:アセマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデフォビル;アロブジン;アルビルセプトスドトックス;アマンタジン塩酸塩;アラノチン;アリルドン;アテビルジンメシレート;アブリジン;BRL47923;BRL44385;シドホビル;シパンフィリン;シタラビン塩酸塩;デラビルジンメシレート;デスシクロビル;ジダノシン;ジソキサリル;エドクスジン;エンビラデン;エンビロキシム;ファムシクロビル;ファモチン塩酸塩;フィアシタビン;フィアルリジン;ホサリレート;ホスカルネットナトリウム;ホスホネットナトリウム;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドクスリジン;インジナビル;ケトキサル;ラミブジン;ロブカビル;メモチン塩酸塩;メチサゾン;ネルフィナビル;ネビラピン;ペンシクロビル;ピロダビル;リバビリン;リマンタジン塩酸塩;リトナビル;サキナビルメシレート;ソマンタジン塩酸塩;ソリブジン;スタトロン;スタブジン;チロロン塩酸塩;トリフルリジン;バラシクロビル塩酸塩;ビダラビン;ビダラビンリン酸塩;ビダラビンリン酸ナトリウム;ビロキシム;ザルシタビン;ジドブジン;ジンビロキシム、インテグラーゼ阻害剤、TMC−125およびTMC−114。アデフォビル、シドホビル、BRL47923、およびBRL44385は特に重要な薬剤である。
【0042】
本発明に特に好ましい薬剤は、以下を含む:アノナセウスアセトゲニン;アシミシン;ロリニアスタチン;グアナコーン、スクアモシン、ブラタシン;スクアモタシン;タキサン;メトトレキサート FR−900482;FK−973;3,FR−66979;FK−317;5−FU;FUDR;FdUMP;ヒロドキシウルカ;メタ−パック;イリノテカン;SN−38;7−ヒドロキシスタウロスポリン;10−OHカンプト;トポテカン;アドリアマイシン;シス−Pt;カルボ−Pt;ブレオマイシン;マイトマイシンC;ミトラマイシン;カペシタビン;シタラビン;2−Cl−2’デオキシアデノシン;フルダラビン−PO;マイトキサントロン;ミトゾロミド;ペントスタチン;およびトムデックス。
【0043】
本発明に用いる他の特に好ましい薬剤は以下を含む:ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、SN−38、BRL47923、BRL44385、シドフィボル、アンヒドロビンブラスチン、フラボピリドール、プルバラノールA、プルバラノールB、アミノプルバラノール、ロスコビチン、エトポシド、7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、ドクソルビシン、マイトマイシンC、ミトラシン、エポチロンB、エポチロンD、カンプトテシン、ジスコデルモリド、アデフォビル(PMEA)、TMC−125、およびTMC−114、バルガンシクロビル;ホミビルセン;ザナミビル;オセルタミビル;リマンチジン;アデフォビル=ジピボキシル;テノホビル;テノホビル=ジソプロキシル;ビラミジン;3−デアザネプラノシンA;ネプラノシンA;サクアニビル;マリバビル;N−メタノカルバチミジン;フザリン酸;シングアノール;グリシルヒジック酸;フルダリビン;エンテカビル;MIV−210。
【0044】
当業者は、これらの薬剤が脂肪アルコールとの複合に好適であることを、通常技術の範囲で容易に認識する。例えば、当業者は、フラボピリドールはカルボン酸部分を含まず、したがってエステル複合は有利に合成されないことを認識する。表1に、好ましい薬剤を好ましい結合と共に示す。
【0045】
表1:脂肪アルコール薬剤複合体
【表1】

【0046】
表1、続き
【表2】

【0047】
上記の例が好ましいが、これに限定されるものではない。本発明の記載により他の複合体を合成してもよい。
本発明の他の観点によって、物質の組成物を提供する。組成物は、脂肪アルコール薬剤複合体の中間体として有用であり、次式で表される。
【化12】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Tは離脱基である。
本発明の他の観点によって、薬剤脂肪アルコール複合体の中間体として有用な、式
【化13】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の基であり、R’はH、イオン、または保護基から選択され、Tは離脱基である、
で表される化合物が提供される。
【0048】
本発明のさらに他の観点によって、薬剤脂肪アルコール複合体の合成における中間体として有用な化合物を提供する。これらの化合物は、式
【化14】

で表され、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の基であり、Tは離脱基であり、BOCはtert−ブトキシ基である。
【0049】
ある態様においては、離脱基TはOH、ハロゲン、または他の離脱基である。特に重要な離脱基は下記を含む:N−ヒドロキシスクシンイミジル、N−ヒドロキシフタルイミジル、イミダゾイル、パラ−ニトロフェニル、オルト−ニトロフェニル、アジド、ヒドロキシベンゾトリアゾリル、クロロ、フルオロ、N−ヒドロキシマレイミジル、ペンタフルオロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、1−ヒドロキシピペリジニル、ペンタクロロフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、ヒドロキシピリジニル、4−ジメチルアミノピリジニル、1−トリアゾロピリジニル、ピラゾリル、3,5−ジメチルピラゾリル、および1H−1,2,3−トリアザオロ−[4,5−b]ピリジニル。これらの離脱基は、随意に、電子吸引基または電子供与基に置換されてもよい。他の離脱基は以下の基を含むが、これには限定されない:
【化15】

【0050】
重要かつ好ましい態様における脂肪アルコールおよび脂肪アルコール部分が上に記載されているが、本明細書に特定的に再度記述する。
当業者は、記述された合成方法に対する種々の改変が可能であり、本発明に含まれることを理解する。かかる改変は、例えば、ポリマー支持または固相の化学を含む。
本発明の他の観点によって、本明細書に記載された全ての組成物の医薬製剤を提供する。ある態様においては、医薬製剤は、式
【化16】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む。
【0051】
本発明の他の観点によって、式
【化17】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であって式中ZはO、第一級アミノ基または第二級アミノ基であり、R’はH、イオンまたは保護基から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0052】
本発明のさらに他の観点によって、式
【化18】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤HNR”Xの薬剤部分であって式中R”はH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0053】
本発明のさらに他の観点によって、式
【化19】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XC(O)OHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0054】
本発明のさらに他の観点によって、式
【化20】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0055】
本発明の他の観点によって、式
【化21】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0056】
本発明の他の観点によって、式
【化22】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XCHPO、XCHR’POH、またはXCR’R”POの薬剤部分であり、R’およびR”は互いに独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルキル置換ヘテロ原子、アルケニル置換ヘテロ原子、またはアリール置換ヘテロ原子等から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0057】
本発明の他の観点によって、式
【化23】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xがケトンまたはアルデヒド官能基性、すなわちXC(O)HまたはXC(O)R’を有する薬剤の薬剤部分であり式中R’はアルキル、アルケニル、アリール等である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0058】
本発明の他の観点によって、式
【化24】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0059】
本発明のさらに他の観点によって、式
【化25】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
重要かつ好ましい態様における脂肪アルコールおよび脂肪アルコール部分が上に記載されているが、本明細書に特定的に再度記述する。
薬剤カテゴリーのある態様は上に挙げられており、特に重要なカテゴリーは抗癌剤、抗精神病薬および抗ウィルス剤である。かかる重要な剤および好ましい態様は上述の通りであり、本明細書に特定的に再度記述する。
【0060】
本発明の他の観点によって、疾病の治療方法を提供する。一つの観点においては、かかる治療が必要な対象に式
【化26】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0061】
本発明の他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化27】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であって式中ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH,イオン、または保護基から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0062】
本発明の他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化28】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分であって式中R”はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0063】
本発明のさらに他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化29】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XC(O)OHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0064】
本発明の他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化30】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0065】
本発明の他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化31】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0066】
本発明のさらに他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化32】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XCHPO、XCHR’POH、またはXCR’R”POの薬剤部分であり、R’およびR”は互いに独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルキル置換ヘテロ原子、アルケニル置換ヘテロ原子、またはアリール置換ヘテロ原子等から選択される、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0067】
本発明のさらに他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化33】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xがケトンまたはアルデヒド官能基性、すなわちXC(O)HまたはXC(O)R’を有する薬剤の薬剤部分であり式中R’はアルキル、アルケニル、アリール等である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0068】
本発明のさらに他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化34】

式中、Rが脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0069】
本発明の他の観点によって、治療が必要な対象に式
【化35】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含む、疾病の治療方法を提供する。
【0070】
重要かつ好ましい態様における脂肪アルコールおよび脂肪アルコール部分が上に記載されているが、本明細書に特定的に再度記述する。
薬剤カテゴリーのある態様は上に挙げられており、特に重要なカテゴリーは抗癌剤、抗精神病薬および抗ウィルス剤である。かかる重要な剤および好ましい態様は上述の通りであり、本明細書に特定的に再度記述する。
ある態様においては、疾病は哺乳類の細胞増殖性疾患、哺乳類のウィルス性疾患、または哺乳類の精神疾患である。
【0071】
本発明の他の態様によれば、脂肪アルコール薬剤複合体化合物の合成方法が提供される。一般に、該方法は、脂肪アルコールを適切な結合および離脱基で誘導体化して中間体を形成し、該中間体を薬剤と反応させて複合体化合物を形成することを含む。代替的に、薬剤を適切な結合および離脱基で誘導体化し、脂肪アルコールと反応させて複合体化合物を形成してもよい。一般に、脂肪アルコールを結合および離脱基に連結した後、薬剤と複合することが好ましい。当業者には明確なように、薬剤の複合する位置の近傍の他の反応基を保護する必要がある場合もあり、これは、当分野で知られている通常の方法で達成でき、例えば、文献Greene, T.W., et al., In “Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley & Sons, Inc., New York, NY; 1999に記述されており、参照によって本明細書に組み込まれる。さらに、幾つかの代表的な合成方法を例に示す。
【0072】
ある態様においては、炭酸結合およびエステル結合を介して脂肪アルコールと複合した薬剤の合成方法を提供する。該方法は、式ROC(O)Tの中間体を、複合体を形成するのに十分な時間、式XOHの薬剤と反応させることを含み、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは式XOHまたはXC(O)OHの薬剤の薬剤部分であり、Tは離脱基である。当業者に明白なように、薬剤XOHは炭酸結合を介して複合体を生成し、薬剤XCO(O)Hはエステル結合を介して複合体を生成する。
【0073】
他の態様においては、リン酸結合を介して脂肪アルコールと複合した薬剤の合成方法を提供する。該方法は、式
【化36】

で表される中間体を、化合物を形成するのに十分な時間、薬剤XZHと反応させることを含み、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であって式中ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH、イオン、保護基、または第二の薬剤から選択される。
【0074】
代替的に、薬剤脂肪アルコール複合体は、薬剤をまずカルボキシル酸基においてリン酸結合−保護基部分に誘導体化し、次に、脂肪アルコールと結合することにより合成してもよい。両方法ともに当業者に既知の技術を用いて達成できるが、合成方法例を例に示す。
本発明のさらに他の態様においては、カルバメート結合を介して脂肪アルコールに複合した薬剤の生成方法を提供する。該方法は、式ROC(O)Tの中間体を、化合物を生成するのに十分な時間、式HNR”Xの薬剤を反応させることを含み、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤HNR”Xの薬剤部分であり、R”はH、アルキル基、アリール基等であり、Tは離脱基である。
【0075】
本発明の他の態様においては、グアニジン結合を介して脂肪アルコールと複合した薬剤の生成方法を提供する。該方法は、脂肪アルコールROHを、グアニル化剤、例えば1、3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオシュードウレアまたは1、3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンと反応させ、得られた生成物を化合物を形成するのに十分な時間式XOHの薬剤と反応させることを含み、式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である。
【0076】
本発明のさらに他の観点によって、イソウレア結合を介して薬剤と複合した脂肪アルコールの生成方法を提供する。該方法は、アジド基を脂肪アルコールに加え、還元してアミノ基とし、該アミノ基を4−ニトロフェニルクロロフォルマートと反応させ、生成物を複合体を形成するのに十分な時間、薬剤XNHと結合させることを含む。
本発明のさらに他の観点によって、チオノカルバメート結合を介して薬剤と複合した脂肪アルコールの生成方法を提供する。該方法は、脂肪アルコールをチオホスゲン(または類似の反応剤、例えばジ−2−ピリジルチオノカルボナートまたはジ−N−ヒドロキシスクシンイミジル=チオノカルボナート)脂肪アルキルクロロチオノフォルマート(または、脂肪アルキル2−ピリジル=チオノカルボナートまたは脂肪アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジル=チオノカルボナート)で処理することを含む。これらいずれかの活性中間体による処理は、対応するチオノカルバメート複合体を提供し、薬剤を脂肪アルコールに結合する。
【0077】
本発明のさらに他の観点によって、ホスホン酸結合を介して薬剤に複合した脂肪アルコールの生成方法を提供する。該方法は、ホスホン酸基を有する薬剤を塩化チオニルまたは塩化オキサリルのどちらかと処理して、対応するホスホン酸ニ塩化物中間体を提供することを含む。一つまたは2個の脂肪アルコールの同等物によるこの中間体の処理は、それぞれモノホスホン酸複合体およびビスホスホン酸複合体を提供する。
本発明のさらに他の観点によって、オキシム結合を介して薬剤に複合した脂肪アルコールの生成方法を提供する。該方法は、脂肪アルコールをO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンに転換し、次に該O−脂肪アルキルヒドロキシルアミンを薬剤のケトンまたはアルデヒド部分と共に濃縮して、(E)または(Z)オキシム複合体を提供する。
【0078】
本発明の他の観点によれば、ある態様における脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体が、かかる治療を受けた対象の血漿スペースに予想外に封入されたと考えられ、該複合体は、驚くべきことに、次の特徴を有している:(i)複合していない抗癌剤化合物のみの場合と比べて小さな分布容(多くの場合、〜100倍低い)、(ii)複合していない抗癌剤化合物のみの場合と比べて小さいクリアランス(多くの場合、〜100倍低い)。さらに、該脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体は、複合していない抗癌剤化合物と比べて腫瘍細胞内により高い濃度で存在する可能性があると考えられる。
【0079】
そこで、対象に投与する脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体組成物を提供する。組成物は、対象に投与するための、容器に入った少なくとも1種の脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体を含む。容器中の脂肪アルコール−抗癌剤化合物の量は、複合していない少なくとも1種の抗癌剤化合物に対する最大許容用量(MTD)より少なくとも約10%高い量である(複合体中の抗癌剤化合物の重量対抗癌剤化合物そのものの重量に基づくか、または、複合体対複合していない抗癌剤化合物をモルベース(molar basis)で計算する)。好ましくは、容器中の脂肪アルコール−抗癌剤化合物の量は、複合していない少なくとも1種の抗癌剤化合物に対するMTDより、少なくとも約20%高い、該MTDより30%高い、該MTDより40%高い、該MTDより50%高い、該MTDより75%高い、該MTDより100%高い、該MTDより200%高い、該MTDより300%高い、または該MTDより400%高い量である。ある好ましい態様においては、容器は静脈内投与用の容器である。他の態様においては、抗癌剤化合物はタキサンであり、より好ましくはパクリタキセルまたはドセタキセルである。重要な態様においては、複合体はリポソーム内にカプセル封入しない。
【0080】
本発明のさらに他の観点によって、哺乳類の異常増殖性疾患を有する対象に対する治療法を提供する。該方法は、脂肪アルコール−タキサン複合体を、対象に対し単位体表面積(BSA)当たりの複合体の量にして少なくとも以下の用量を投与することを含む:250、275、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850.900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350または1400mg/m。ある態様においては、前記の量を対象に対し、24時間以内、6時間以内、3時間以内、または2時間以内にわたって投与する。ある態様においては、脂肪アルコールは、C〜C26の脂肪アルコールの炭素構造を有する。ある重要な態様においては、脂肪アルコールはC〜C16の非分岐で天然に存在する脂肪酸の炭素構造を有する。ある特定の好ましい態様においては、脂肪アルコールは、リノール酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、2−オクタノン酸、2−ヘキサノン酸、CH−ヘキサノン酸、CH−ブタノン酸、またはオレイン酸と同じ炭素構造を有する。好ましい態様においては、前記タキサンはパクリタキセルである。重要な態様においては、前記タキサンがパクリタキセルの場合、脂肪アルコールはパクリタキセルの2’OHの位置において複合する。
前述の態様のいずれにおいても、最大許容用量は当業者に既知の方法により決定できる。多くの化合物の最大許容用量は既に知られている。既知の抗癌剤についてのそれらを幾つか下に記す。
【0081】
本発明の他の観点によって、物質の組成物を提供する。組成物は、ポリ不飽和脂肪アルコールと薬物の複合体の結晶を含む。好ましい態様においては、脂肪アルコールは、C12〜C22またはC16〜C22の脂肪酸の炭素構造を有する。ある態様においては、脂肪アルコールは、天然に存在する非分岐脂肪酸の炭素構造を有する。ある態様においては、脂肪アルコールは、リノール酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、2−オクタノン酸、2−ヘキサノン酸、CH−ヘキサノン酸、CH−ブタノン酸、またはオレイン酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する。
前述の態様のいずれにおいても、薬剤は下にリストしたものであってよい。薬剤は、本明細書に記載されているように、脂肪アルコールまたは脂肪アルコール誘導体との複合のために修正可能な部位(反応基)を含んでいなければならない。当分野の通常の化学者はかかる決定を行うことができる。抗癌剤化合物はタキサンであってよい。ある態様においては、タキサンはパクリタキセルである。重要な態様においては、タキサンがパクリタキセルの場合、脂肪アルコールはパクリタキセルの2’OHの位置において複合する。
【0082】
他の観点における本発明は、対象、好ましくはヒト対象、に投与するための組成物および製剤であって、複合していない抗癌剤化合物の最大許容用量を超える用量の、脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体を含んでいる、前記組成物および製剤を提供する。脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体は、好ましくは対象への投与のための容器に入れる。該容器は、IVバッグなどの、静脈内投与用の容器が好ましい。
容器中の脂肪アルコール−抗癌剤化合物の量は、複合していない化合物のMTDより少なくとも約10%多い量とする。好ましくは、容器中の脂肪アルコール−抗癌剤化合物の量は、少なくとも1種の複合していない抗癌剤化合物のMTDより少なくとも約20%、30%、40%、50%、75%、100%、200%、300%、または400%、多い量とする。抗癌剤化合物は、タキサン、特にパクリタキセルまたはドセタキセルが好ましい。
【0083】
複合体はリポソームにカプセル封入してもよいが、ある態様においては、複合体をリポソームにカプセル封入しないのが好ましい。前記方法の好ましい対象は、ヒトである。
本明細書に記載された複合した抗癌剤化合物は、対応する複合していない抗癌剤化合物に比べて、毒性が少なく、効果が高い。したがって、脂肪アルコール−抗癌剤化合物複合体は、対応する複合していない抗癌剤化合物に比べて、同等の毒性だがより有効な量、または、同等の効果だがより毒性の少ない用量での投与が可能である。一般に、脂肪アルコールと抗癌剤化合物の複合は、複合していない抗癌剤化合物に比べて最大許容用量の増加を可能とする。
【0084】
発明の詳細な説明
本明細書に記載の本発明は、脂肪アルコール−薬剤複合体の調製と、疾患の治療における該複合体の使用方法に関する。複合体は、脂肪アルコールと薬剤の直接複合体、例えばエステル結合によるもの、または炭酸塩、リン酸塩、カルバメート、クアニジン、チオノカルバメート、イソウレア、もしくはウレア結合などの結合を介したものであってよい。ある態様においては複合体は、生体内で分解し、天然に存在する成分となるか、または、すぐに代謝されて天然に存在する分子になる成分となる。これは、本発明の特に望ましい観点である。
【0085】
本発明は物質の組成物を提供する。本発明はまた、物質の組成物を生成するプロセスにおいて形成される中間体を提供する。本発明はまた、脂肪アルコールと薬剤の複合体の特に純度の高い結晶を提供する。本発明はまた、脂肪アルコールと薬剤を複合し調製する方法を含む。物質の組成物を生成するプロセスおよび該プロセスにおける中間体の例としては、限定を意図するものではないが、例えば、エトポフォス脂肪アルコールリン酸エステルの合成がある(例に示す)。本明細書に幾つかの合成プロセスを記述するが、当業者は、他にも可能な合成方法があることを認識する。
【0086】
組成物の調製においては、脂肪アルコールは薬剤と反応して複合体を生成することができる。本明細書中で用いる用語脂肪アルコール(または脂肪アルコール中間体)が薬剤と“反応する”とは、該脂肪アルコールと薬剤が適切な条件のもとで、薬剤と脂肪アルコール(または脂肪アルコール中間体)の共有結合による複合体を生じるのに十分な時間、接触することを意味する。かかる条件は標準化学方法を含み、当業者により決定することができる。
組成物の調製においては、ある反応物は離脱基を有してもよい。本明細書中で用いる用語「離脱基」は、反応の過程で取り除かれて、複合体の一部を形成することのない化学物質部分を意味する。離脱基は当業者によく知られている。したがって、当業者は通常技術の範囲で適切な離脱基を選択することができる。
【0087】
脂肪アルコールは植物に天然に存在する脂質分子である。培養されたヒトの細胞においても限定された型の脂肪アルコールが同定されており、これはヘキサデカノール(C16−0−OH)およびオクタデカノール(18:0−OH)を含む。脂肪アルコールは合成することも可能で、典型的には天然または合成の脂肪酸から合成される。したがって、脂肪アルコールは天然に存在するポリ不飽和脂肪酸と同じ炭素構造を有し得るが、脂肪酸の末端酸性基の代わりに末端アルコール基を有する(すわなち、ポリ不飽和脂肪酸のアルコール型)。ある態様においては、脂肪アルコールは好ましくは、C12〜C26の非分岐の天然に存在する脂肪酸と同じ炭素構造を有する。他の態様においては、脂肪アルコールは好ましくは、C12〜C24の非分岐の天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する。すなわち、脂肪アルコールは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の炭素原子を有してよい。
【0088】
代替的に、脂肪アルコールは、天然に存在しない脂肪酸のものと同じ炭素構造を有してもよい。該炭素構造は、偶数個または奇数個の炭素原子および、各二重結合について(E)または(Z)の立体化学を有してもよく、また天然に存在する脂肪酸の天然に存在する脂肪部分の異性体を含み、該異性体は、例えば、炭素鎖全体の二重結合の位置を変えることによって形成される。当業者には、記載の脂肪アルコールおよび脂肪酸の種々の異性体が含まれることは明白である。例えば、リノール酸には、二重結合の位置が異なる数種類の異性体が存在する。
【0089】
本発明に有用な脂肪アルコールの炭素構造は、次の脂肪酸の炭素構造を含む:オクタン(カプリル);ノナン(ペラルゴン);デカン(カプリン);アンデカン(ウンデカン);ドデカン(ラウリン);トリデカン;テトラデカン(ミリスチン);ペンタデカン;ヘキサデカン(パミチン);ヘプタデカン(マルガリン);オクタデカン(ステアリン);12−ヒドロシキステアリン;ノナデカン;エイコサン(アラキジン);ウンエイコサン;ドコサン(ベヘン);トリコサン;テトラコサン(リグノセリン)。
【0090】
本発明に有用な脂肪アルコールの他の炭素構造は、次の脂肪酸の炭素構造を含む:10−アンデセン(ウンデセン);11−ドデセン;12−トリデセン;9−テトラデセン(ミリストレイン);9−トランス−テトラデセン(ミリストエライジン);10−ペンタデセン;10−トランス−ペンタデセン;9−ヘキサデセン(パルミトレイン);8−トランス−ヘキサデセン(パルミトエライジン);10−ヘプタデセン;10−トランス−ヘプタデセン;6−オクタデセン(ペトロセリン);6−トランス−オクタデセン(ペトロスエライジン);8−オクタデセン(オレイン);9−11−オクダデセン(バクセン);11−トランス−オクダデセン(トランスバクセン);9−シス−12 ヒドロキシ−オクタデセン(リシノール);9−トランス−12−ヒドロキシ−オクタデセン(リシンエライジン);7−ノナデセン;7−トランス−ノナデセン;10−ノナデセン;10−トランス−ノナデセン;10−13−ノナデカジエン;10−13−トランス−ノナ−デカジエン;8−12−オクタデカジエン(リノール);9−トランス−12−トランス オクタデカジエン(リノエライジン);オクタデカジエン(複合体);9−12−15−オクタデカトリエン(リノレン);6−9−12−オクタデカトリエン(ガンマリノレン);11−トランス−エイコセン;8−エイコセン;11−エイコセン;5−エイコセン;11−14−エイコサジエン;8−11−14−エイコサトリエン(ホモガンマリノレン);11−14−17−エイコサトリエン;5−8−11−14−エイコサテトラエン(アラキドン);5−8−11−14−17−エイコサペンタエン;7−10−13−16−19−ドコサペンタエン;アラキドン;13−ドコセン(エルカ);13−トランスドコセン(ブランジン);13−16−ドコサジエン;13−16−19−ドコサトリエン;7−10−13−16−ドコサテトラエン;4−7−10−13−16−19−ドコサヘキサエン(DHA);12−ヘンエイコセン;12−15−ヘンエイコサジエン;14−トリコセン;15−テトラコセン(ネルボン)。
【0091】
重要な態様においては、脂肪アルコールの炭素構造は以下の物質の炭素構造と同じであってよい:リノール酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘサエン酸、2−オクタン酸、2−ヘキサン酸、CH−ヘキサン酸、CH−ブタン酸、またはオレイン酸。特に好ましい態様においては、脂肪アルコールは以下の物質と同じ炭素構造を有する:リノール酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、またはドコサヘキサエン酸。
幾つかの脂肪アルコールは天然に存在し、したがって天然の給源から得ることができる。他の脂肪アルコールは、当業者によく知られている標準の方法を用いて脂肪酸を脂肪アルコールに転換することにより、生成できる。例えば、脂肪アルコールは、脂肪酸から対応する脂肪酸メチルエステルを形成し、該エステルをNaBH、LiAlHまたは他の還元剤を用いて還元することにより、合成できる。
【0092】
本発明の方法および/または生成物は、種々の医学的症状の治療に有用である。該症状は下の薬物のリストから明白である。該症状は、異常な哺乳類細胞増殖性疾患、精神疾患、感染症、心臓血管疾患、卒中、アルツハイマー病、および痴呆を含む。一つの重要な態様は、異常な哺乳類細胞増殖を含む症状である。本発明の方法および/または生成物は以下の癌の治療に有用であるが、これには限定されない:胆道癌;膀胱癌;神経膠芽腫および髄芽腫を含む脳の腫瘍;乳癌;子宮頸癌;絨毛癌;大腸癌;子宮内膜癌;食道癌;胃癌;急性リンパ性白血病および骨髄性白血病を含む血液腫瘍;多発性骨髄腫;AIDS付随白血病および成人T細胞白血病リンパ腫;ボーエン病およびパジェット病を含む上皮内腫瘍;肝臓癌;肺癌;ホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含むリンパ腫;神経芽細胞腫;扁平上皮癌を含む口腔癌;上皮細胞、間質細胞、生殖細胞、および間葉細胞由来のものを含む卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;直腸癌;平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および骨肉種を含む肉腫;メラノーマ、カポジ肉腫、好塩基細胞癌(basocellular cancer)および扁平上皮癌を含む皮膚癌;セミノーマ、非セミノーマ(テラトーマ、絨毛癌)などの胚腫瘍、間質腫瘍、および生殖細胞腫瘍を含む精巣癌;甲状腺腺癌および髄様癌を含む甲状腺癌;ならびに、腺癌およびウィルムス腫瘍を含む腎臓癌。
【0093】
本発明の生成物および/または方法は、一般に、癌以外の哺乳類細胞増殖性疾患であって乾癬症、紫外線角化症等を含む疾患の治療に有用である。それらはさらに、糖尿病およびその合併症、酸過剰分泌症、コレステロールに関連する心血管症状(例えば、高脂血症および高コレステロール血症)、下痢、卵巣疾患(例えば、子宮内膜症、卵巣嚢腫等)の治療、および避妊薬として有用である。本発明記載の他の治療可能な症状は、本開示および提供された化合物のリストに基づき当業者には明白である。
【0094】
本発明の方法および/または生成物はまた、中枢神経系組織および非中枢神経系組織に特有の症状の治療に有用である。かかる症状は、胸部組織、胃腸の組織および卵巣組織に特有のものであってもよい。組織はまた、その他の非中枢神経系組織であってもよい。非中枢神経系組織は以下の組織を含む:血小板、血管壁、および骨髄を含む血液および血液生成系;心臓および血管系を含む心血管系;消化管、胆管、腎臓、肝臓、膵臓および尿管を含む消化および排泄系;副腎、腎臓、卵巣、脳下垂体、腎臓の腺(renal gland)、唾液腺、皮脂腺、精巣、胸腺および甲状腺を含む内分泌系;身体を動かす筋肉を含む筋肉系;乳房、卵巣、ペニス、および子宮を含む生殖系;気管支、肺および気管を含む呼吸器系;骨および関節を含む骨格系;脂肪組織、軟骨、結合組織、クチクラ(毛小皮)、真皮、上皮細胞、筋膜、毛嚢(胞)、靱帯、骨髄、メラニン、メラニン形成細胞、粘膜、皮膚、軟組織、滑液胞および腱を含む組織、線維および表皮系。
【0095】
本発明のこの観点に記載の薬剤は、本発明記載の脂肪アルコールまたは脂肪アルコール中間体と複合体を形成することができるいかなる薬物でもよい。好ましくは、薬物は、脂肪アルコールの遊離アルコールまたは本発明の一つの中間体の反応基と反応する、遊離基を有する。より好ましくは、薬物は、遊離の−OH(ヒドロキシル基)、−NH(第一級アミノ基)、−NHR’(第二級アミノ基で、R’はアルキル、アリール等)、−SH(チオ基)または−COH(カルボキシル酸)を有する。
本発明記載の薬剤部分は、例えば−OH、−NH、−NHR’、−COH基の場合においては、水素を失った薬剤である。
【0096】
本明細書中で用いる薬剤は以下の剤から選択してよいが、これには限定しない:アドレナリン作用剤;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;アルコール妨害物;アルドステロンアンタゴニスト;アミノ酸;アンモニア解毒剤;同化剤;興奮剤;鎮痛薬;アンドロゲン;麻酔薬(anesthesia);麻酔薬(anesthetic);食欲抑制薬;アンタゴニスト;下垂体前葉抑制剤;駆虫薬;抗にきび剤;抗アドレナリン作用剤;抗アレルギー剤;抗アメーバ剤;抗アンドロゲン剤;抗貧血剤;抗狭心症剤;抗不安剤;抗関節炎剤;抗喘息剤;抗アテローム硬化剤;抗菌剤;抗胆石剤;抗コレリソゲン(anticholelithogenic)剤;抗コリン作用剤;抗凝固剤;抗コクシジウム剤(anticoccidal);抗痙攣剤;抗うつ剤;抗糖尿病剤;抗下痢剤;抗利尿剤;解毒薬;制吐剤;抗癲癇剤;抗エストロゲン剤;抗線維素溶解剤;抗真菌剤;抗緑内障剤;抗血友病剤;抗出血剤;抗ヒスタミン剤;抗高脂血症剤;抗高リポタンパク血症剤;抗高血圧症剤;抗低血圧症剤;抗感染剤;局所的抗感染剤;抗炎症剤;抗角化剤;抗マラリア剤;抗菌剤;抗片頭痛;抗有糸分裂剤;抗真菌剤;制嘔吐剤;抗腫瘍剤;抗好中球減少剤;抗強迫剤;駆虫剤;抗パーキンソン症剤;抗ぜん動剤;抗ニューモシスティス剤;抗増殖剤;
【0097】
抗前立腺肥大剤;抗原性動物剤;かゆみ止め;抗精神病薬;抗リウマチ剤;抗住血吸虫剤;抗脂漏剤;抗分泌剤;抗痙攣剤;抗血栓剤;咳止め;抗潰瘍剤;抗尿結石剤;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;良性前立腺過形成治療剤;血中グルコース調節剤;骨再吸収阻害剤;気管支拡張薬;炭酸脱水酵素阻害剤;心臓抑制薬;心臓保護剤(cardioprotectant);強心剤;心臓血管剤;胆汁分泌薬;コリン作用剤;コリン作用性アゴニスト;コリンエステラーゼ失活剤;コクシジウム抑制薬;認識補助剤;認識増強剤;抑制剤;診断助剤;利尿薬;ドーパミン作用薬;外寄生生物撲滅薬;催吐薬;酵素阻害剤;エストロゲン;フィブリン溶解剤;蛍光剤;遊離酸素基スカベンジャー;胃腸運動性エフェクター;糖質コルチコイド;性腺刺激原理;毛髪成長刺激剤;止血剤;ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト;ホルモン;低コレステロール血症剤;低血糖剤;低脂血症剤;低血圧剤;イメージング剤;免疫化剤;免疫モジュレーター;免疫レギュレーター;免疫刺激剤;免疫抑制剤;インポテンス療法添加物;阻害剤;角質溶解剤;LNRHアゴニスト;肝臓障害治療;黄体融解素;記憶補助剤;精神作業増強剤;気分調節剤;粘液溶解剤;粘膜保護剤;瞳孔拡大因子;鼻うっ血除去薬;神経筋遮断剤;神経保護剤;NMDAアンタゴニスト;非ホルモンステロール誘導体;
【0098】
分娩促進薬;プラスミノーゲン活性化剤;血小板活性化因子アンタゴニスト;血小板凝集阻害剤;発作後および頭部外傷後治療;増強剤;プロゲスチン;プロスタグランジン;前立腺成長阻害剤;プロチロトロピン;向精神薬;肺表面;放射性剤;レギュレーター;弛緩薬;再分割剤;殺疥癬虫薬;硬化剤;鎮静薬;鎮静薬−催眠薬;選択的アデノシンA1アンタゴニスト;セロトニンアンタゴニスト;セロトニン阻害剤;セロトニン受容体アンタゴニスト;ステロイド;刺激剤;抑制剤;症候性多発性硬化症治療薬;相乗剤;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺模倣剤;トランキライザー;筋萎縮性側索硬化症の治療薬;脳虚血の治療薬;パジェット病の治療薬;不安定狭心症の治療薬;尿酸排泄剤;血管収縮薬;血管拡張薬;外傷治療薬;創傷治癒剤;およびキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【0099】
これらのカテゴリーの各々における化合物の列挙は、米国特許第5,795,909号中に見いだすことができ、この開示を参照により本明細書中に組み込む。薬剤の好ましい群には、抗癌剤、抗菌剤もしくは抗ウイルス剤を含む抗感染剤、および抗精神病薬を含む神経薬がある。抗癌剤、抗ウイルス剤、抗精神病薬;および好ましい抗癌剤、好ましい抗ウイルス剤、および好ましい抗精神病薬を以下に記す。
【0100】
抗感染剤は以下を含むが、これには限定されない:ジフロキサチン塩酸塩;ラウリルイソキノリニウムブロミド;モキサラクタム二ナトリウム;オルニダゾール;ペントイソミシン;サラフロキサチン塩酸塩;HIVおよび他のレトロウイルスのプロテアーゼ阻害剤;HIVおよび他のレトロウイルスのインテグラーゼ阻害剤;セファクロール(セクロール);アシクロビル(ゾビラックス);ノルフロキサチン(ノロキシン);セホキシチン(メホキシン);セフロキシムアクセチル(セフチン);シプロフロキサチン(シプロ);アミナクリン塩酸塩;ベンゼトニウムクロリド;ビチオノレートナトリウム;ブロムクロレノン;カルバミドペルオキシド;セタルコニウムクロリド;セチルピリジニウムクロリド;クロルヘキシジン塩酸塩;クリオキノール;ドミフェンブロミド;フェンチクロール;フルダゾニウムクロリド;フクシン、塩基性;フラゾリドン;ゲンチアンバイオレット;ハルキノール;ヘキサクロロフェン;過酸化水素;イクタムモール;イミデシルヨウ素;ヨウ素;イソプロピルアルコール;マフェニドアセテート;メラレインナトリウム;マーキュフェノールクロリド;水銀、アンモニア化;メチルベンゼトニウムクロリド;ニトロフラゾン;ニトロメルゾール;オクテニジン塩酸塩;オキシクロロセン;オキシクロロセンナトリウム;パラクロロフェノール、樟脳化;過マンガン酸カリウム;ポビドン−ヨウ素;セパゾニウムクロリド;硝酸銀;スルファジアジン;銀;シンクロセン;チメルホネートナトリウム;チメロザル;トロクロセンカリウム。
【0101】
抗菌剤は以下を含むが、これには限定されない:アセダプソン;アセトスルホンナトリウム;アラメチン;アレキシジン;アムジノシリン;アムジノシリンピボキシル;アミシクリン;アミフロキサチン;アミフロキサチンメシレート;アミカシン;アミカシン硫酸塩;アミノサリチル酸;アミノサリチル酸ナトリウム;アモキシシリン;アンホマイシン;アンピシリン;アンピシリンナトリウム;アパルシリンナトリウム;アプラマイシン;アスパートシン;アストロマイシン硫酸塩;アビラマイシン;アボパルシン;アジスロマイシン;アズロシリン;アズロシリンナトリウム;バカンピシリン塩酸塩;バシトラシン;バシトラシンメチレンジサリチレート;バシトラシン亜鉛;バンバーマイシン;ベンゾイルパスカルシウム;ベリスロマイシン;ベタマイシン硫酸塩;ビアペネム;ビニラマイシン;ビフェナミン塩酸塩;ビスピリチオンマグスルフェックス;ブチカシン;ブチロシン硫酸塩;カプレオマイシン硫酸塩;カルバドックス;カルベニシリン二ナトリウム;カルベニシリンインダニルナトリウム;カルベニシリンフェニルナトリウム;カルベニシリンカリウム;カルモナムナトリウム;セファクロール;セファドロキシル;セファマンドール;
【0102】
セファマンドールナフェート;セファマンドールナトリウム;セファパロール;セファトリジン;セファザフルアナトリウム;セファゾリン;セファゾリンナトリウム;セフブペラゾン;セフジニル;セフェピム;セフェピム塩酸塩;セフェテコール;セフィキシム;セフメノキシム塩酸塩;セフメタゾール;セフメタゾールナトリウム;セホニシド一ナトリウム;セホニシドナトリウム;セホペラゾンナトリウム;セホラニド;セホタキシムナトリウム;セホテタン;セホテタン二ナトリウム;セホチアム塩酸塩;セホキシチン;セホキシチンナトリウム;セフピミゾール;セフピミゾールナトリウム;セフピラミド;セフピラミドナトリウム;セフピローム硫酸塩;セフポドキシムプロキセチル;セフプロジル;セフロキサジン;セフスロジンナトリウム;セフタジジム;セフチブテン;セフチゾキシムナトリウム;セフトリアキソンナトリウム;セフロキシム;セフロキシムアキセチル;セフロキシムピボキセチル;セフロキシムナトリウム;セファセトリルナトリウム;セファレキシン;セファレキシン塩酸塩;セファログリシン;セファロリジン;セファロチンナトリウム;セファピリンナトリウム;セフラジン;セトシクリン塩酸塩;セトフェニコール;クロラムフェニコール;クロラムフェニコールパルミテート;クロラムフェニコールパントテネート複合体;クロラムフェニコールナトリウムスクシネート;クロルヘキシジンホスファニレート;クロロキシレノール;クロルテトラサイクリンビサルフェート;クロルテトラサイクリン塩酸塩;シノキサチン;シプロフロキサチン;シプロフロキサチン塩酸塩;シロレマイシン;クラリスロマイシン;クリナフロキサチン塩酸塩;クリンダマイシン;クリンダマイシン塩酸塩;クリンダマイシンパルミテート塩酸塩;クリンダマイシンリン酸塩;クロファジミン;クロキサシリンベンザチン;クロキサシリンナトリウム;クロキシキン;コリスチメセートナトリウム;コリスチン硫酸塩;クメルマイシン;クメルマイシンナトリウム;シクラシリン;シクロセリン;ダルホプリスチン;ダプソン;ダプトマイシン;デメクロシクリン;デメクロシクリン塩酸塩;デメシクリン;デノフンギン;
【0103】
ジアベリジン;ジクロキサシリン;ジクロキサシリンナトリウム;ジヒドロストレプトマイシン硫酸塩;ジピリチオン;ジリスロマイシン;ドキシシクリン;ドキシシクリンカルシウム;ドキシシクリンホスファテックス;ドキシシクリンヒクレート;ドロキサチンナトリウム;エノキサチン;エピシリン;エピテトラサイクリン塩酸塩;エリスロマイシン;エリスロマイシンアシストレート;エリスロマイシンエストレート;エリスロマイシンエチルスクシネート;エリスロマイシングルセプテート;エリスロマイシンラクトビオネート;エリスロマイシンプロピオネート;エリスロマイシンステアレート;エタムブトール塩酸塩;エチオナミド;フレロキサチン;フロキサシリン;フルダラニン;フルメキン;ホスホマイシン;ホスホマイシントロメタミン;フモキシシリン;フラゾリウムクロリド;フラゾリウムタータレート;フシデートナトリウム;フシジン酸;ゲンタマイシン硫酸塩;グロキシモナム;グラミシジン;ハロプロギン;ヘタシリン;ヘタシリンカリウム;ヘキセジン;イバフロキサチン;イミペネム;イソコナゾール;イセパミシン;イソニアジド;ジョサマイシン;カナマイシン硫酸塩;キタサマイシン;レボフラルタドン;レボプロピルシリンカリウム;レキシスロマイシン;リンコマイシン;
【0104】
リンコマイシン塩酸塩;ロメフロキサチン;ロメフロキサチン塩酸塩;ロメフロキサチンメシレート;ロラカルベフ;マフェニド;メクロシクリン;メクロシクリンスルホサリチレート;メガロマイシンリン酸カリウム;メキドックス;メロペネム;メタサイクリン;メタサイクリン塩酸塩;メタナミン;メタナミンヒップレート;メタナミンマンデレート;メチシリンナトリウム;メチオプリム;メトロニダゾール塩酸塩;メトロニダゾールリン酸塩;メズロシリン;メズロシリンナトリウム;ミノサイクリン;ミノサイクリン塩酸塩;ミリンカマイシン塩酸塩;モネンシン;モネンシンナトリウム;ナフシリンナトリウム;ナリジキセートナトリウム;ナリジキシン酸;ナタマイシン;ネブラマイシン;ネオマイシンパルミテート;ネオマイシン硫酸塩;ネオマイシンウンデシレネート;ネチルマイシン硫酸塩;ニュートラマイシン;ニフラデン;ニフラルデゾン;ニフラテル;ニフラトロン;ニフルダジル;ニフリミド;ニフルピリノール;ニフルキナゾール;ニフルチアゾール;ニトロサイクリン;
【0105】
ニトロフラントイン;ニトロミド;ノルフロキサチン;ノボビオシンナトリウム;オフロキサチン;オルメトプリム;オキサシリンナトリウム;オキシモナム;オキシモナムナトリウム;オキソリニン酸;オキシテトラサイクリン;オキシテトラサイクリンカルシウム;オキシテトラサイクリン塩酸塩;パルジマイシン;パラクロロフェノール;パウロマイシン;ペフロキサチン;ペフロキサチンメシレート;ペナメシリン;ペニシリンGベンザチン;ペニシリンGカリウム;ペニシリンGプロカイン;ペニシリンGナトリウム;ペニシリンV;ペニシリンVベンザチン;ペニシリンVヒドラバミン;ペニシリンVカリウム;ペンチジドンナトリウム;フェニルアミノサリチレート;ピペラシリンナトリウム;ピルベニシリンナトリウム;ピリジシリンナトリウム;ピルリマイシン塩酸塩;ピバンピシリン塩酸塩;ピバンピシリンパモエート;ピバンピシリンプロベネート;ポリマイキシンB硫酸塩;ポルフィロマイシン;プロピカシン;ピラジンアミド;ピリチオン亜鉛;キンデカミンアセテート;キヌプリスチン;ラセフェニコール;ラモプラニン;ラニマイシン;レロマイシン;
【0106】
レプロマイシン;リファブチン;リファメタン;リファメキシル;リファミド;リファンピン;リファペンチン;リファキシミン;ロリテトラサイクリン;ロリテトラサイクリンニトレート;ロサラマイシン;ロサラマイシンブチレート;ロサラマイシンプロピオネート;ロサラマイシンナトリウムホスフェート;ロサラマイシンステアレート;ロソキサチン;ロキサルソン;ロキシスロマイシン;サンサイクリン;サンフェトリネムナトリウム;サルモキシシリン;サルピシリン;スコパフンギン;シソマイシン;シソマイシン硫酸塩;スパーフロキサチン;スペクチノマイシン塩酸塩;スピラマイシン;スタリマイシン塩酸塩;ステッフィマイシン;ストレプトマイシン硫酸塩;ストレプトニコツィド;スルファベンズ;スルファベンズアミド;スルファセトアミド;スルファセトアミドナトリウム;スルファシチン;スルファジアジン;スルファジアジンナトリウム;スルファドキシン;スルファレン;スルファメラジン;スルファメーター;スルファメタジン;スルファメチゾール;スルファメトキサゾール;スルファモノメトキシン;スルファモキソール;スルファニレート亜鉛;スルファニトラン;スルファサラジン;スルファソミゾール;スルファチアゾール;スルファザメト;スルフィソキサゾール;
【0107】
スルフィソキサゾールアセチル;スルフィソキサゾールジオラミン;スルホミキシン;スロペネム;スルタミシリン;サンシリンナトリウム;タランピシリン塩酸塩;テイコプラニン;テマフロキサチン塩酸塩;テモシリン;テトラサイクリン;テトラサイクリン塩酸塩;テトラサイクリンリン酸塩複合体;テトロキソプリム;チアンフェニコール;チペンシリンカリウム;チカルシリンクレシルナトリウム;チカルシリン二ナトリウム;チカルシリン一ナトリウム;チクラトン;チオドニウムクロリド;トブラマイシン;トブラマイシン硫酸塩;トスフロキサチン;トリメトプリム;トリメトプリム硫酸塩;トリスルファピリミジン;トロレアンドマイシン;トロスペクトマイシン硫酸塩;チロスリシン;バンコマイシン;バンコマイシン塩酸塩;ビルジニアマイシン;およびゾルバマイシン。
【0108】
本発明は、脂肪アルコール−抗癌薬剤の調製および使用を含む。本発明において有用な化合物は、抗癌カクテルの形態で送達されてもよい。抗癌カクテルは、本発明において有用な任意の一つの化合物と他の抗癌剤、例えば抗癌薬、サイトカイン、および/または補充性増強剤との混合物である。癌の治療におけるカクテルの使用は通常のものである。この態様においては、一般的な投与媒体(例えば、ピル、錠剤、インプラント、注射可能溶液等)が、本発明において有用な脂肪アルコール−抗癌薬剤複合体および/または補充性増強剤の両方を含む。
【0109】
抗癌剤は以下の抗悪性腫瘍剤を含むが、これには限定されない:アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アドリアマイシン;アルデスロイキン;アリトレチノイン;アロプリノールナトリウム、アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アノナセウスアセトゲニンス;アントラマイシン;アシミシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ベキサロテン;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナーナトリウム;ブロピリミン;ブラタシン;ブスルファン;カベルゴリン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;DACA(N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリジン−4−カルボキサミド);ダクチノマイシン;
【0110】
ダウノルビシン塩酸塩;ダウノマイシン;デシタビン;デニロイキンジフチトックス;デキソーマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンシトレート;ドロモスタノロンプロピオネート;ズアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エチオード化油I131;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロキスリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;5−FdUMP;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;FK−317;FK−973;FR−66979;FR−900482;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ゲムツズマブオゾガミシン;金Au198;ゴセレリンアセテート;グアナコーン;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;インターフェロンα−2a;
【0111】
インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチドアセテート;レトロゾール;ロイプロリドアセテート;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロールアセテート;メレンゲストロールアセテート;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキサートナトリウム;メトキサレン;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン;マイトクロミン;マイトギリン;マイトマルシン;マイトマイシン;マイトマイシンC;マイトスパー;ミトタン;マイトキサントロン塩酸塩;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オプレルベキン;オーマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;パミドロナートジナトリウム;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;パーホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポーファイマーナトリウム;ポーフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;リツキシマブ;ログレチミド;ロリニアスタチン;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;
【0112】
サマリウム/レキシドロナム;セムスチン;7−ヒドロキシスタウロスポリン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;スクアモシン;スクアモタシン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;塩化ストロンチウムSr89;スロフェヌル;タリソマイシン;タキサン;タキソイド;テコガランナトリウム;テガフル;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チミタク;チアゾフリン;チラパザミン;トムデックス;TOP−53;トポテカン塩酸塩;トレミフェンクエン酸塩;トラスツズマブ;トレストロンアセテート;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキセート;トリメトレキセートグルクロネート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バルルビシン;バプレオチド;バーテポルフィン;ビンブラスチン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンロイロシン硫酸塩;ビノレルビンタータレート;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;
【0113】
ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩;2−クロロデオキシアデノシン;2’−デオキシホルマイシン;9−アミノカンプトテシン;ラルチトレキセド;N−プロパルギル−5,8−ジデアザホル酸;2−クロロ−2’−アラビノ−フルオロ−2’−デオキシアデノシン;2−クロロ−2’−デオキシアデノシン;アニソマイシン;トリコスタチンA;hPRL−G129R;CEP−751;リノミド;硫黄マスタード;窒素マスタード(メクロレタミン);シクロホスファミド;メルファラン;クロラムブシル;イホスファミド;ブスルファン;N−メチル−N−ニトロソウレア(MNU);N,N’−ビス(2−クロロエチル)−N−ニトロソウレア(BCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−シクロヘキシル−N−ニトロソウレア(CCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−(トランス−4−メチルシクロヘキシル−N−ニトロソウレア(MeCCNU);N−(2−クロロエチル)−N’−(ジエチル)エチルホスホネート−N−ニトロソウレア(ホテムスチン);ストレプトゾトシン;ジアカルバジン(DTIC);マイトゾロミド;テモゾロミド;チオテパ;マイトマイシンC;AZQ;アドゼレシン;シスプラチン;カルボプラチン;オーマプラチン;オキサリプラチン;C1−973;DWA2114R;JM216;JM335;ビス(白金);トムデックス;アザシチジン;シタラビン;ゲムシタビン;6−メルカプトプリン;6−チオグアニン;ヒポキサンチン;テニポシド9−アミノカンプトテシン;トポテカン;CPT−11;ドキソルビシン;ダウノマイシン;エピルビシン;ダルビシン;マイトキサントロン;ロソキサントロン;ダクチノマイシン(アクチノマイシンD);アムサクリン;ピラゾロアクリジン;すべてトランスのレチノール;14−ヒドロキシ−レトロ−レチノール;すべてトランスのレチノイン酸;N−(4−ヒドロキシフェニル)レチンアミド;13−シスレチノイン酸;3−メチルTTNEB;9−シスレチノイン酸;フルダラビン(2−F−アラ−AMP);および2−クロロデオキシアデノシン(2−Cda)。
【0114】
その他の抗悪性腫瘍化合物は以下を含むが、これには限らない:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキナスタチン2;アキナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;
【0115】
ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブレオマイシンA;ブレオマイシンB;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体(例えば、10−ヒドロキシカンプトテシン);カナリポックスIL−2;カペシタビン; カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カーゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリンス;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;
【0116】
コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラチンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;2’デオキシコホルマイシン(DCF);デスロレリン;デキシホスファミド;デキシラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、9−;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ジスコデルモリド;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エポチロン(A、R=H;B、R=Me);エピチロン;エピステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシド;エトポシド4’−リン酸塩(エトポホス);エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;
【0117】
フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ホモハリングトニン(HHT);ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド;インシュリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イリノテカン;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;
【0118】
ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶菌ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二重鎖RNA;マイトラシン;マイトグアゾン;マイトラクトール;マイトマイシン類似体;マイトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;マイトキサントロン;モファロテン;
【0119】
モルグラモスチム;モノクローナル抗体ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多重薬剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍サプレッサー1に基づく療法;マスタード抗癌剤;マイカペロキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナートグラスチン;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節剤;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラチン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルマイトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;
【0120】
パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸塩ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポドフィロトキシン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;rafアンタゴニスト;
【0121】
ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファーネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;デメチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;セントピン;SarCNU;サルコフェトールA;サルグラモスチム;模擬Sdi1;セムスチン;センセンス由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;情報伝達阻害剤;情報伝達調節剤;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロキャプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパーホシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;
【0122】
テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン;サリドマイド;チオコラリン;トロンボポイエチン;模擬トロンボポイエチン;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トポテカン;トポセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメックス;泌尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラメル。
【0123】
他の抗癌剤は、これに限定するものではないが、抗増殖剤(例えば、イソチオン酸ピリトレキシム)、抗前立腺肥大剤(例えば、シトグルシド)、良性前立腺肥大治療剤(例えば、塩酸タムスロシン)、前立腺肥大阻害剤(例えば、ペントモン)、および以下の放射性剤を含む:フィブリノーゲンI125;フルデオキシグルコースF18;フルオロドーパF18;インシュリンI125;インシュリンI131;イオベングアンI123;ヨージパミドナトリウムI131;ヨードアンチピリンI131;ヨードコレステロールI131;ヨードヒップレートナトリウムI123;ヨードヒップレートナトリウムI125;ヨードヒップレートナトリウムI131;ヨードピラセットI125;ヨードピラセットI131;イオフェタミン塩酸塩I123;イオメチンI125;イオメチンI131;イオタラメートナトリウムI125;イオタラメートナトリウムI131;イオチロシンI131;リオチロニンI125;リオチロニンI131;メリソプロールアセテートHg197;メリソプロールアセテートHg203;メリソプロールHg197;セレノメチオニンSe75;テクネチウムTc99m三硫化アンチモンコロイド;テクネチウムTc99mビシセート;テクネチウムTc99mジソフェニン;テクネチウムTc99mエチドロネート;テクネチウムTc99mエクサメタジム;テクネチウムTc99mフリホスミン;テクネチウムTc99mグルセプテート;テクネチウムTc99mリドフェニン;テクネチウムTc99mメブロフェニン;テクネチウムTc99mメドロネート;テクネチウムTc99mメドロネート二ナトリウム;テクネチウムTc99mメリチアチド;テクネチウムTc99mオキシドロネート;テクネチウムTc99mペンテテート;テクネチウムTc99mペンテテートカルシウム三ナトリウム;テクネチウムTc99mセスタミビ;テクネチウムTc99mシボロキシム;テクネチウムTc99mスッシマー;テクネチウムTc99m硫黄コロイド;テクネチウムTc99mテボロキシム;テクネチウムTc99mテトロホスミン;テクネチウムTc99mチアチド;チロキシンI125;チロキシンI131;トルポビドンI131;トリオレインI125;およびトリオレインI131。
【0124】
抗癌剤補充性増強剤も脂肪アルコール部分と複合してよい。かかる剤は以下を含むが、これには限定しない:三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピンおよびマプロチリン);非三環系抗うつ薬(例えば、サートラリン、トラゾドンおよびシタロプラム);Ca++アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピンおよびカロベリン);カルモジュリン阻害剤(例えば、プレニルアミン、トリフルオロペラジンおよびクロミプラミン);アンホテリシンB;トリパラノール類似体(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);抗高血圧薬(例えば、レセルピン);チオール枯渇剤(例えば、ブチオニンおよびスルホキシミン)並びに多重薬剤耐性低減剤、例えばクレマホルEL。本発明の化合物はまた、顆粒球コロニー刺激因子などのサイトカインと共に投与することができる。
【0125】
好ましい抗癌剤(幾つかはカッコ内にMTDの値と共に示す)は以下を含むが、これには限定しない:アノナセウスアセトゲニン;アシミシン;ロリニアスタチン;グアナコン、スクアモシン、ブラタシン;スクアモタシン;タキサン;パクリタキセル(225mg/m);ゲムシタビン(1000mg/m);メトトレキサート(15mg/mi.v.+leuco.<500mg/mi.v.w/oleuco.);FR−900482;FK−973;3,FR−66979;FK−317;5−FU(500mg/m/日x5日間);FUDR(マウスにおいて100mg/kgx5、ヒトにおいて0.6mg/kg/日i.a.);FdUMP;ヒドロキシウルカ(男性において35mg/kg/日);ドセタキセル(60〜100mg/m);ジスコデルモリド;エポチロン類;ビンクリスチン(1.4mg/m);ビンブラスチン(段階的に増加:3.3.〜11.1mg/m、または、稀に18.5mg/m);ビノレルビン(30mg/m/週);メタパク;イリノテカン(対象の反応に応じて50〜150mg/m、1x/週);SN−38(イリノテカンより〜100倍以上効き目が強い);10−OHカンプト;トポテカン(ヒトにおいて1.5mg/m/日、1x iv LD10マウス=75mg/m);エトポシド(男性において100mg/m);アドリアマイシン;フラボピリドール;シス−Pt(男性において100mg/m);カルボ−Pt(男性において360mg/m);ブレオマイシン(20mg/m);マイトマイシンC(20mg/m);ミトラマイシン(30μg/kg);カペシタビン(経口にて2.5g/m);シタラビン(100mg/m/日);2−Cl−2’デオキシアデノシン;フルダラビン−PO(25mg/m/日、x5日間);マイトキサントロン(12〜14mg/m);ミトゾロミド(>400mg/m);ペントスタチン;およびトムデックス。
【0126】
タキサンは特に好ましい薬剤である。本明細書中で用いるタキサンは、随意のメチル基とともに示された次の三環(A、B、およびC)炭素原子結合性ネットワーク:
【化37】

を有する分子であり、炭素−炭素多重結合、置換基、官能基、および追加の環、を含んでもよい。タキサンは慣例的に、上の式に示すように番号付けされている。
【0127】
タキソイドは、構造的にタキサンと関連する分子であって、上記のタキサン炭素原子結合性ネットワークが次のような特徴、例えば、1または2以上の炭素環式環の開裂、炭素置換基の欠失または添加、通常は互いに結合していない炭素原子の結合、通常互いに結合している炭素原子の分離、または、タキサン炭素原子結合性ネットワークに対するその他の再構成または調節、により変更されているが、しかし、タキサン炭素原子結合性ネットワークに特有の1または2以上の構造的特徴が保存されている、前記分子である。
【0128】
パクリタキセルおよびドセタキセルは両者ともタキサンであり、本発明の好ましい抗癌薬剤である。本発明に有用で好ましい他の薬剤はフラボピリドールを含み、これはタキサン抗癌薬剤ではない。
本明細書中で用いる「アノナセウスアセトゲニン」は、以下のNADH:ユビキノン酸化還元酵素の阻害剤を含むが、これには限定されない:アシミシン(CAS Reg.No.102989−24−2)、ロリニアスタチン=アシミシン(CAS Reg.No.157966−79−5)、グアナコン(CAS Reg.No.212616−61−0)、スクアモシン=アシミシン(CAS Reg.No.120298−30−8)、ブラタシン=アシミシン(CAS Reg.No.123123−32−0)、およびスクアモタシン=アシミシン(CAS Reg.No.174158−66−8)。
本明細書中で用いるマイトマイシンは非常に有効なDNA架橋剤化合物の族であり、マイトマイシンC、FR−66979、FR−900482、FK−973、およびFK−317を含むが、これには限定されない。
【0129】
有効量の本発明の複合体を、薬剤による治療が必要な対象に投与する。かかる対象およびかかる量は、当業者が決定することができる。例えば、抗増殖治療が必要な対象は、哺乳類の増殖性疾患(例えば、癌)と診断された、またはそれに罹患している疑いのある、罹患しつつある、または罹患しつつある疑いのある対象を含む。増殖性疾患に罹患している疑いのある対象の同定方法は、物理的検査、生検、対象の家族の病歴、対象の病歴、または幾つかの画像検査、例えばマンモグラフィ、磁気共鳴影像法、磁気共鳴分光法、またはポジトロン放射断層撮影法などを含んでよい。増殖性疾患の診断方法および臨床的描写(clinical delineation)は医学分野の当業者によく知られている。
【0130】
有効量とは、治療を施される特定の症状の発症を遅延させる、進行を抑制する、または発症と進行を完全に止める、またはその診断をするのに必要な量を意味する。例えば、癌の治療に有効な量とは、生体内での哺乳類の癌細胞の増殖を阻害する、遅延させる、または増殖のスピードを下げるのに必要な量である。
対象に投与された場合、有効量は当然以下の項目に依存する:治療を施す特定の症状;症状の重篤度;年齢、身体の状態、サイズおよび体重を含む個々の対象のパラメータ;併用療法;治療頻度;および投与様式。これらのファクターは当業者に既知であり、通常の実験の範囲で対応可能である。一般に、最大用量、すなわち適切な医学的判断による最大安全用量、を用いるのが好ましい。
【0131】
任意の治療化合物についての最大許容用量(MTD)は、この臨床的評価の一部として同定される。例えば、第I相試験は、試験化合物の最大許容用量、用量制限毒性(DLT)および薬物動態の決定を含むことができる。本明細書中で用いる「最大許容用量」は、成人患者が、特定の疾患または症状を治療するために安全に摂取することができる、薬剤の最大の用量のことである。従って、食品医薬品局(FDA)により承認された任意の治療化合物についてのMTDは、公的な記録の問題として当業者に知られている。すべての特定の治療化合物についてのMTDは、その配合(例えば、注射可能な配合物、移植可能な生体内崩壊性ポリマー配合物、経口配合物)、送達の経路(例えば、静脈内、経口、腫瘍内)、送達の様式(例えば、注入、ボーラス注射)、投与スケジュール(例えば、毎時、毎日、毎週)等に従って変化し得る。MTDは、しばしば、薬物を投与された対象の50%が用量制限毒性を発生する最高の用量レベルとして定義される。医師用卓上参考書(PDR)において見いだされる抗腫瘍薬剤についての用量は、これらの剤についてのMTDとして定義される。MTDは、さらに、単一の剤として用いられ、MTDを変化させるために加えられる追加の細胞的、遺伝子的、薬学的またはその他の剤を含まない薬剤(抗腫瘍剤を含む)についての用量のみを含む。臨床的に関連する、および一般的に受け入れられている他の定義は、当業者に知られている。
【0132】
最大許容用量の測定は、対象の重量あたりの薬剤の重量、体表面積あたりの薬剤の重量等として表現することができる。抗癌剤化合物のMTDは、しばしば体表面積の平方メートルあたりの重量(mg/m)として表現される。例えば、ヒトにおけるパクリタキセル注入についてのMTDは、225mg/mである。最もしばしば用いられる臨床的許容用量は、175mg/mである。MTDはまた、時間成分に対する用量、例えば1日あたり体表面積あたり薬剤の重量として表現することができる。
【0133】
ヒト臨床試験を受けていないかまたはヒトにおけるMTDの決定を何も受けていない治療(例えば、実験的または高い毒性の化合物)について、当業者は、動物モデルを用いることによりMTDを推定することができる。動物におけるMTDの計算は、多くの生理学的なパラメーター、例えば死、特定の毒性、薬剤誘発重量損失等に基づくことができる。死をエンドポイントとして用いると、MTDは、ある試験動物について試験群の各々の成員が生存した用量である。毒性をエンドポイントとして用いると、MTDは、中程度であるが重篤ではない毒性が観察された用量である。重量損失をエンドポイントとして用いると、MTDは、それ以上では体重に一定の百分率変化が誘発される用量である。動物モデルおよび種々のエンドポイントを用いてMTDを決定する他の方法は、当業者に知られている。治療化合物についての動物のMTDとヒトのMTDの間の相関は、薬学の業界における慣例である。
【0134】
例えば、DHAとパクリタキセル(タキソプレキシン(登録商標))との複合体の動物(マウス、ラットおよびイヌ)における最大許容用量は、パクリタキセル単独よりも約4〜5倍大きい(重量比)、またはパクリタキセル単独よりも約3〜4倍大きい(モル比)値を有することが決定された。
【0135】
本発明の一つの観点においては、対象は抗ウィルス剤による治療の必要を有する。当業者は、医学業界においてウィルス感染症の治療に用いられる種々の抗ウィルス剤をよく理解している。本発明に有用な他のカテゴリーの薬剤は、抗ウィルス剤である。抗ウィルス剤はヌクレオシド類似体、ノンヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤を含むが、これに限定はせず、例えば以下を含む:アセマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデフォビル;アロブジン;アルビルセプトスドトックス;アマンタジン塩酸塩;アラノチン;アリルドン;アテビルジンメシレート;アブリジン;BRL47923;BRL44385;シドホビル;シパンフィリン;シタラビン塩酸塩;デラビルジンメシレート;デスシクロビル;ジダノシン;ジソキサリル;エドクスジン;エンビラデン;エンビロキシム;ファムシクロビル;ファモチン塩酸塩;フィアシタビン;フィアルリジン;ホサリレート;ホスカルネットナトリウム;ホスホネットナトリウム;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドクスリジン;インジナビル;ケトキサル;ラミブジン;ロブカビル;メモチン塩酸塩;メチサゾン;ネルフィナビル;ネビラピン;ペンシクロビル;ピロダビル;リバビリン;リマンタジン塩酸塩;リトナビル;サキナビルメシレート;ソマンタジン塩酸塩;ソリブジン;スタトロン;スタブジン;チロロン塩酸塩;トリフルリジン;バラシクロビル塩酸塩;ビダラビン;ビダラビンリン酸塩;ビダラビンリン酸ナトリウム;ビロキシム;ザルシタビン;ジドブジン;ジンビロキシム;インテグラーゼ阻害剤;TMC−125、およびTMC−114、バルガンシクロビル;ホミビルセン;ザナミビル;オセルタミビル;リマンチジン;アデフォビルジピボキシル;テノホビル;テノホビルジソプロキシル;ビラミジン;3−デアザネプラノシンA;ネプラノシンA;サクアニビル;マリバビル;N−メタノカルバチミジン;フサリック酸:シングアノール;グリシルヒジック酸;フルダリビン;エンテカビル、MIV−210。アデフォビル、シドホビルおよびBRL44385は特に重要な薬剤である。
【0136】
したがって本発明は、ウィルス感染症に罹患している、罹患している疑いのある、罹患しつつある、または罹患しつつある疑いのある対象、の治療に関連して用いられ、ウィルス感染症は例えばHIVなどのレトロウィルス感染症を含む。本発明の好ましい抗ウィルス剤はアデフォビルである。アデフォビル、[9−(2−ホスホノメチオキシレチル)アデニン(PMEA)]は、他の使用の中で逆転写酵素阻害剤として有用なことが示された、ヌクレオチド類似体である。
【0137】
ウィルスの場合の有効量とは、ウィルス感染症の発症を遅延させる、進行を抑制する、または発症と進行を完全に止めるのに必要な量を意味する。特定の態様においては感染症はレトロウィルス感染症であり、さらに特定の態様においてはHIVである。一般に、有効量とは、ウィルス感染症の症状または生理学的(例えば、免疫学的またはウィルス学的)特徴であって、本発明の治療を行わなければウィルス感染症に罹った対象に生じたであろう前記症状および特徴を抑制するのに必要な量を言う。ウィルス感染症の緩和を評価するのに幾つかのパラメータを用いてもよく、パラメータは以下を含む:例えば、治療前の対象のパラメータと比較して、治療しない対象と比較して、または、カクテルによる治療の場合は、抗ウィルス剤のみによって治療されたウィルス感染症対象(すなわち、本発明の複合体を用いた治療を行わない対象)と比較して、抑制されたウィルスの複製、CD4+T細胞数の減少の抑制、CD4+T細胞数の安定化またはその増加、および/またはウィルス負荷の増加の抑制またはその減少。これらのパラメータは、ELISA、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRおよびRT−PCR)、およびフローサイトメトリーを含む標準の診断方法を用いて監視可能である。
【0138】
本発明の一つの観点によれば、精神疾患の対象を治療する。当業者は、医学業界において統合性失調症などの精神疾患の治療に用いられる種々の抗精神病薬をよく理解している。抗精神病薬は以下を含むが、これには限定されない:アセトフェナジンマレエート;アレンテモール臭化水素酸塩;アルペルチン;アザペロン;バテラピンマレエート;ベンペリドール;ペンジンドピリン塩酸塩;ブロホキシン;ブロンペリドール;ブロンペリドールデカノエート;ブタクラモール塩酸塩;ブタペラジン;ブタペラジンマレエート;カーフェナジンマレエート;カーボトロリン塩酸塩;クロルプロマジン;クロルプロマジン塩酸塩;クロルプロチキセン;シンペレン;シントリアミド;クロマクランリン酸塩;クロペンチキソール;クロピモジド;クロピパザンメシレート;クロロペロン塩酸塩;クロチアピン;クロチキアミドマレエート;クロザピン;シクロフェナジン塩酸塩;ドロペリドール;エタゾレート塩酸塩;フェニミド;フルシンドール;フルメザピン;フルフェナジンデカノエート;フルフェナジンエナンテート;フルフェナジン塩酸塩;フルスピペロン;フルスピリレン;フルトロリン;ゲボトロリン塩酸塩;ハロペミド;ハロペリドール;ハロペリドールデカノエート;イロペリドン;イミドリン塩酸塩;レンペロン;マザパーチンスクシネート;メソリダジン;メソリダジンベシレート;
【0139】
メチアピン;ミレンペロン;ミリパーチン;モリンドン塩酸塩;ナラノール塩酸塩;ネフルモジド塩酸塩;オカペリドン;オランザピン;オキシペロミド;ペンフルリドール;ペンチアピンマレエート;ペルフェナジン;ピモジド;ピノキセピン塩酸塩;ピパンペロン;ピペラセタジン;ピポチアジンパルミテート;ピキンドン塩酸塩;プロクロルペラジンエジシレート;プロクロルペラジンマレエート;プロマジン塩酸塩;クエチアピン;レモキシプリド;レモキシプリド塩酸塩;リスペリドン;リムカゾール塩酸塩;セペリドール塩酸塩;サーチンドール;セトペロン;スピペロン;チオリダジン;チオリダジン塩酸塩;チオチキセン;チオチキセン塩酸塩;チオペリドン塩酸塩;チオスピロン塩酸塩;トリフルオペラジン塩酸塩;トリフルペリドール;トリフルプロマジン;トリフルプロマジン塩酸塩;およびジプラシドン塩酸塩。
【0140】
好ましい抗精神病薬は以下を含むが、これには限定しない:ロラゼパム;クロルジアゼポキシド;クロラゼペート;ジアゼパム;アルプラゾラム;ヒドロキシジン;ブスピロン;ベンラファキシン;メホバルビタール;メプロバメート;ドキセピン;ペルフェナジン;ヒドロキシジンパモエート;ベンラファキシン;ミルタザピン;ネファゾドン;ブプロピオン;フェネルジン;トラニルシプロミン;シタロプラム;パラキセフィン;サートラリン;アミトルプチリン;プロトリプチリン;ジバルプロエックス;クロナゼパム;クロザピン;ハロペリドール;ロキサピン;モリンドン;チオチキセン;ピモジド;リスペリドン;クエフィアピン;チオチキセン;オランザピン;クエチアピン;プロクロルペラジン;メソリダジン;トリフルオペラジン;クロルプロマジン;パーフェナジン;およびフルボキサミン。最も好ましい抗精神病薬は、クロザピン;ベンラファキシン;リスペリドン;クエフィアピン;チオチキセン;およびオランザピンを含む。
【0141】
精神疾患の場合の有効量とは、統合性失調症などの精神疾患症状の発症を遅延させる、進行を完全に阻害するまたは進行を抑制する、あるいは発症と進行を完全に止めるのに必要な、単独の用量または複合用量を意味する。一般に、有効量とは、精神疾患症状の陰性症状または陽性症状のどちらかを抑制するのに必要な量であり、好ましくは統合性失調症などの精神疾患症状の陰性症状および陽性症状の両方を抑制するのに必要な量である。統合性失調症の陰性症状および/または陽性症状の抑制は、対象の経時的な標準精神鑑定法により監視することができる。さらに、統合性失調症の症状に付随する脳機能の変化を監視するその他の生理学的方法もまた、症状抑制の監視に用いることができる。例えば、統合性失調症の進行状況は、磁気共鳴影像法(MRI)(例えば、DeLisi et al., (Psychiatry Res. 74(3): 129-140, 1997参照)またはポジトロン放射トモグラフィ(PET)(例えば、Sabri et al., Lancet 349: 1735-1739, 1997; Andreasen et al., Lancet 349: 1730-1734参照)を用いて評価することができる。対象に投与する場合、有効量は当然以下の項目に依存する:治療を施す特定の症状;症状の重篤度;年齢、身体の状態、サイズおよび体重を含む個々の対象のパラメータ;併用療法;治療頻度;および投与様式。これらのファクターは当業者に既知であり、通常の実験の範囲で対応可能である。一般に、最大用量、すなわち適切な医学的判断による最大安全用量を用いるのが好ましい。
【0142】
一般に用量は、局部的または全身的に所望の薬物レベルを達成するため、適切に調節してもよい。一般に、複合体の1日の経口用量は1日当たり約0.01mg/kgから1000mg/kgであり、好ましくは1日当たり0.01mg/kgから10mg/kgである。同じ範囲のIV用量も有効であることが期待される。かかる用量では対象の反応が不充分である場合は、より高い用量(または有効なより高い用量を、別のより局所的な送達経路にて)を、対象の許容限界の範囲において使用してもよい。例えば24時間の連続的IV用量、または1日に複数の用量もまた、化合物の適切な全身的なレベルを達成すると予想される。
【0143】
本明細書中の、抗癌剤、抗ウィルス剤または抗精神病薬化合物を含む医薬製剤および組成物は、随意に他の抗癌剤、抗ウィルス剤または抗精神病薬化合物をそれぞれ含むことができる(カクテル)。以下の配合物、製剤、および組成物は、リポソームの配合の標準方法に従ってリポソームにカプセル封入されてもよいが、そうでない方が好ましい。
組成物はまた、ヒトに投与するための医薬製剤の配合に有用な他の成分を含むことができ、それらは、界面活性剤、溶媒、保存剤、希釈剤等を含み、すべて薬学業界においては標準である。
【0144】
本発明に使用するのに好適な界面活性剤は、長鎖脂肪酸およびその非水溶性誘導体などの非イオン剤を含む。これらは以下を含む:ラウリルセチルおよびステアリルアルコールなどの脂肪アルコール、天然に存在するモノ−、ジ−、およびトリグリセリドなどのグルセリルエステル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビタン、サッカロースおよびコレステロールなどの脂肪アルコールの脂肪酸エステル。エーテル結合を介してアルコール基に付加されたポリオキシエチレン基を有する化合物もまた有用である。本発明に特に有用な化合物は、ポリオキシエチレン=ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン=グリセロールおよびステロイド性エステルである。特に好ましい界面活性剤は、クレモホルEL(登録商標)およびクレモホルEL−P(登録商標)であり、これらはポリオキシエチル化ひまし油(castor oil)界面活性剤である。
【0145】
本明細書に記載の組成物を可溶化するために他の界面活性剤を使用することも考慮する。例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム,およびモノオレイン酸ソルビタンは、本発明のある態様において有用であることが予想される。非イオン界面活性剤はまた、本発明の実用において有用である可能性がある。これらの例としては以下を含むが、これには限定しない:コール酸ナトリウム、ラウリン硫酸ナトリウム、二酸化コール酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、およびラウリン酸カリウム。
【0146】
ある態様においては、無水エタノールを本明細書に記載の組成物における溶媒として用いる。他の態様においては、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール類は本発明の範囲内である。単純な複合ポリオールもまた好適な溶媒としてよい。さらに、非無水アルコールの使用もまた、本発明の範囲において好適としてよい。脂肪アルコール−抗癌剤、脂肪アルコール−抗ウィルス剤、脂肪アルコール−抗精神病薬組成物などの複合体を完全に可溶化するのに適切な溶媒およびその適切な濃度の決定は、当業者の範囲内であり、余分な実験を必要としないことが認識される。
【0147】
投与する場合、本発明の配合物は薬学的に許容し得る組成にて適用する。かかる調製物は、通常、塩、緩衝剤、保存剤、相溶性担体、および随意に他の治療用成分を含んでよい。医薬品として用いる場合、塩は薬学的に許容し得るものとするが、しかし薬学的に許容し得ない塩も、それらから薬学的に許容し得る塩を調製するために有利に用いてもよく、これは本発明の範囲から除外しない。かかる薬理学的および薬学的に許容し得る塩は以下の酸から調製した塩を含むが、これには限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、薬学的に許容し得る塩はアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、またはカルシウム塩として調製することができる。
【0148】
好適な緩衝剤は、酢酸および塩(1〜2%W/V);クエン酸および塩(1〜3%W/V);ならびにリン酸および塩(0.8〜2%W/V)を含む。
好適な保存剤は、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%W/V);クロロブタノール(0.3〜0.9%W/V);パラベン(0.01〜0.25%W/V);およびチメロサール(0.004〜0.02%W/V)を含む。
【0149】
本発明の活性化合物は、随意に薬学的に許容し得る担体に含まれる本発明の複合体を、治療に有効な量有する薬学的組成物であってよい。本明細書中で用いる用語「薬学的に許容し得る担体」は、1または2以上の適合性固体または液体の充填剤、希釈剤またはカプセル封入物質で、ヒトまたは他の動物に投与するのに好適なものを意味する。用語「担体」は、天然または合成の有機または無機の成分であって、それに活性成分が組み合わされて適用を促進するものを指す。薬学的組成物の成分は、所望の薬学的効果を重大に損ねる相互作用をおこすことなく、本発明の分子およびお互い同士を混合することができる。
【0150】
非経口投与に好適な組成物は、有利には、本発明の複合体の無菌調製物を含む。この調製物は既知の方法により処方することができる。タキサンの処方についてはTaxol: Science and Application, CRC Press, Inc., 2000 Corporate Boulevard, N.W., Boca Raton, FL 33431の第9章に見出すことができる。一般に、タキソールは、6mg/mlのクレモホルEL(ポリオキシエチル化ひまし油)/エタノールの混合物として処方されており、これを、通常の生理的食塩水または5%デキストロースで最終体積に希釈する。タクソテアの15mg/ml溶液はポリソルベート80(ポリオキシエチレン=ソルビタンモノオレエート)/エタノールの混合物中に処方されており、5%デキストロースで希釈する。
【0151】
無菌の調製物はしたがって、無毒性で非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の、無菌溶液または懸濁液であってよい。さらに、無菌の不揮発性油は従来、溶媒または懸濁媒体として用いられている。この目的には、合成のモノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を使用してよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注入剤の調製に用途が見出されている。経口、皮下、静脈内、筋肉内投与等に好適な担体配合物は、文献Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PAに見出すことができる。
本明細書中で用いる「対象」は、ヒト、霊長類、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコおよびげっ歯類を意味する。
【0152】
種々の投与経路が利用可能である。選択した特定の様式は、当然、選択した特定の薬剤、治療する病態の重篤度、および治療の有効性に必要な投与量に依存する。本発明の方法は、一般に、医学的に許容できる任意の投与様式、すなわち、臨床的に許容できない副作用を生じることなく活性化合物の有効な濃度を生成する任意の様式、を用いて実施することができる。かかる投与様式は、経口、直腸、舌下、局所、鼻内、経皮、または非経口の経路を含む。用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、または注入を含む。静脈内または経口経路が好ましい。
【0153】
組成物は、有利には、単位投与量の形態で提供してもよく、製薬業界においてよく知られている任意の方法で調製してよい。全ての方法は、本発明の複合体を、1種または2種以上の補助的な成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般に組成物は、液体担体、細かく分割した固体担体、またはその両者に化合物を均一かつ十分に会合させ、次に必要な場合は形を整えて調製する。
経口投与に好適な組成物は、カプセル、カシェ剤、錠剤、または薬用ドロップなどの分離した単位で提供することもでき、各々が所定の量の活性化合物を含む。他の組成物としては、水溶液内または、非水溶液、例えばシロップ、エリキシル剤、もしくは乳濁液中の懸濁物を含む。
【0154】
他の送達システムは、時間放出、遅延放出、または持続放出の送達システムを含む。かかるシステムは、本発明の活性化合物の繰り返し投与を回避することができ、対象および医師の便宜を増大させる。多くのタイプの放出送達システムが利用可能であり、当業者に知られている。それらは次のシステムを含む:ポリ乳酸およびポリグリコール酸、ポリ無水物およびポリカプロラクトンなどの重合体に基づくシステム;コレステロール、コレステロールエステルなどのステロールならびに、モノ−、ジ−およびトリグルセリドなどの脂肪酸または中性脂肪を含む脂質である、非重合体システム;ヒドロゲル放出システム;シラスティックシステム;ペプチドに基づくシステム;ワックス被覆、従来のバインダーおよび賦形剤を用いた圧縮錠剤、部分溶融インプラント剤等。さらに、ポンプに基づくハードウェア送達システムも使用可能で、それらの幾つかは移植(implantation)に適応されている。
【0155】
長期持続放出インプラントもまた用いてよい。本明細書中で用いる「長期」放出は、インプラントが、治療レベルの活性成分を少なくとも30日、好ましくは60日間送達するよう構成および調節されていることを意味する。長期持続放出インプラントは当業者によく知られており、上述の放出システムのいくつかを含む。
当業者は、通常の実験の範囲において、上記記載の特定の生成物およびプロセスについての非常に多数の均等物を認識することができる。特許請求の範囲には、かかる均等物も含めることを意図している。
【0156】
以下の例は、当業者への指針として提供する。当業者に明らかなように、種々の変更や改変を実施してもよく、それらも本発明の範囲内である。リノレイルアルコール、他の脂肪アルコールおよび脂肪酸は、Nu‐Chek Prep,Inc.(エリシアン、MN)から入手した。用いた試薬および溶媒は、例えば、アルドリッチケミカル(ミルウォーキー、WI)、EMサイエンス(シンシナチ、OH)およびVWRサイエンティフィック(ブリッジポート、NJ)などから直ちに入手可能である。
【0157】

例1 リノレイル=パラ−ニトロフェニル=カルボナートの合成
十分攪拌した、リノレイルアルコール(1.07g、4.05mmol、1.0等量)、CHCl(15mL)およびEtN(845.9μL,6.07mmol、1.5等量)を含む室温の溶液に対し、アルゴン雰囲気下で、パラ−ニトロフェニルクロロギ酸(815.6mg、4.05mmol、1.0等量)およびCHCl(5mL)を含む溶液を一滴ずつ加えた。1時間後、薄層クロマトグラフィの観測により反応は完了したと見られた。反応完了の確認のため、約50mgのパラ−ニトロフェニルクロロギ酸を加え、反応物をさらに0.5時間攪拌した。このとき該反応物は体積が約2分の1に濃縮され、上澄みは直接、2つのバイオテージ3.0gシリカゲルサンプレット(Biotage, Inc., Charlottesville、VA)に静かに移した。カルボナート生成物の精製は、バイオテージクァッド4精製システムで2つの25M40gシリカカートリッジを用い、1:9EtOAc/ヘキサンで溶出して行った。カルボナート生成物は、透明でかすかに黄色い粘性の液体(1.47g;収率84.2%)として分離された。この反応は次のように図示される。
【化38】

【0158】
例2 2’リノレイルカルボナートパクリタキセルの合成
十分攪拌した、パクリタキセル(500mg、0.59mmol、1.0等量)、CHCl(3mL)および4ジメチルアミノピリジン(78.7mg,0.64mmol、1.1等量)を含む室温の溶液に対し、アルゴン雰囲気下で、リノレイル=パラ−ニトロフェニル=カルボナート(例1にしたがって調製)(303.2mg、0.70mmol、1.2等量)、およびCHCl(2.0mL)を含む溶液を一滴ずつ加えた。80分の攪拌後、薄層クロマトグラフィの観測により反応は完了したと見られた。このとき、反応溶液を直接、2つのバイオテージ3.0gシリカゲルサンプレットに加えた。2’リノレイルカルボナートパクリタキセルの精製は、バイオテージクァッド4精製システムで25M40gシリカカートリッジを用い、最初の20フラクションを1:3EtOAc/ヘキサンで溶出し、最後の20フラクションを1:1EtOAc/ヘキサンで溶出して行った。収率:651.5mg、97.1%;透明、ガラス状白色固体。
【0159】
随意的に、2’リノレイルカルボナートパクリタキセルは、濃度約150mg/mlのエタノールから再結晶化することもできる。この純化合物(フラッシュシリカクロマトグラフィにより精製)は、超音波処理、ボルテックス処理(vortexing)および/またはおだやかな熱処理(50℃)の補助によりこの濃度で溶解し、冷却するとゆっくり結晶化する。反応は次のように図示される。
【化39】

【0160】
以下の化合物は、同様の方法により合成される:
【化40】

【0161】
例3 カルバメート結合を介した脂肪アルコール−アデフォビル複合体の合成
以下の手順により、アデフォビル(PMEA)を脂肪アルコールに複合する:
【化41】

式中、Zはメチルまたはエチルであり、ROC(O)Tは次式である。
【化42】

【0162】
例4 エステル結合を介した脂肪アルコール−ビンクリスチン複合体の合成
以下の手順により、ビンクリスチンを23位において脂肪アルコールに複合する:
【化43】

ビンブラスチンも同様の手順で脂肪アルコールに複合する。
【0163】
例5 炭酸結合を介した脂肪アルコール−ビンクリスチン複合体の合成
以下の手順により、ビンクリスチンを4位において脂肪アルコールに複合する:
【化44】

式中、ROC(O)OTは前述と同様である。ビンブラスチンも同様の手順で脂肪アルコールに複合する。
【0164】
例6 O−脂肪アルキルヒドロキシルアミンの合成
以下の手順により、脂肪アルコールをO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンに誘導する:
【化45】

式中、MsClはメタンスルホニルクロリドである。
【0165】
例7 薬剤に複合したO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンの合成
脂肪アルコールを例6に従ってまずヒドロキシルアミンに誘導体化し、次に以下の手順により、薬剤(XOH)に複合する:
【化46】

式中、EtNはトリエチルアミンである。
【0166】
例8 薬剤に複合したO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンの合成
脂肪アルコールを例6に従ってまずヒドロキシルアミンに誘導体化し、次に以下の手順により、薬剤(XNH)に複合する:
【化47】

【0167】
例9 グアニジン結合を介した脂肪アルコール薬剤複合体の合成
以下の手順により、脂肪アルコールを薬剤(XNH)に複合する:
【化48】

【0168】
例10 薬剤に複合したO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンの合成
以下の手順により、O−脂肪アルキルヒドロキシルアミン(上述にしたがって調製)を薬剤(XOH)に複合する:
【化49】

【0169】
例11 グアニジン結合を介した脂肪アルコール薬剤複合体の合成
以下の手順により、脂肪アルコールを薬剤(XNH)に複合する:
【化50】

PPhはトリフェニルホスフィン、DEADはジエチル=アゾジカルボキキシレート、PS−DEADはポリスチレン支持ジエチル=アゾジカルボキキシレート、THFはテトラヒドロフラン溶媒、TFAはトリフルオロ酢酸、およびHClが塩酸である。
【0170】
例12 エトポシド複合体の例
以下のエトポシド−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化51】

【0171】
例13 クロザピン複合体の例
以下のクロザピン−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化52】

【0172】
例14 ゲムシタビン複合体の例
以下のゲムシタビン−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化53】

【0173】
例15 フラボピリドール複合体の例
以下のフラボピリドール−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化54】

同様に、フラボピリドールの5位および3位にて脂肪アルコールに複合した複合体を調整する。
【0174】
例16 ロスコビチン複合体の例
以下のロスコビチン−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化55】

同様に、ロスコビチンの第一級ヒドロキシル基を保護した後、1’グアニジンアミン窒素またはC6ベンジルアミン窒素に脂肪アルコールを複合させて、複合体を調製する。
【0175】
例17 マイトマイシンC複合体の例
以下のロスコビチン−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化56】

【0176】
例18 プルバラノール複合体の例
以下のプルバラノールB−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化57】

プルバラノールAのカルボキシル酸部分での複合は、遊離ヒドロキシル基の保護を必要とし、これは当業者は通常の作業として達成できる。当業者はまた、脂肪アルコールはプルバラノールAのアミノ基でも複合できること、および、類似の脂肪アルコール複合体がプルバラノールBを用いて形成できることを理解する。
【0177】
例19 エトポホス脂肪アルコール複合体の合成
エトポホス−脂肪アルコール複合体を、以下に示すように2つの異なる方法を用いて調製する:
【化58】

【0178】
例20 カルボナート結合を介した脂肪アルコール−SN−38複合体の合成
以下の手順により、SN−38を脂肪アルコールの20位にて複合する:
【化59】

式中、EtSiClはクロロトリエチルシランであり、DMFはジメチルホルムアミドであり、塩基はN,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンであり、TBAFはテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドである。
【0179】
例21 SN−38複合体の例
以下のSN−38−脂肪アルコール複合体を、上述および本明細書中に記載のものと同様の方法を用いて調製する:
【化60】

【0180】
例22 ホスホン酸結合を介した脂肪アルコール−アデフォビル複合体の合成
以下の手順により、アデフォビルを脂肪アルコールに複合する:
【化61】

当業者が認識するように、1当量のリノレイルアルコールは一般に1つの脂肪アルコール部分と複合体を形成し、2当量のリノレイルアルコールは一般に2つの脂肪アルコール部分と複合体を形成する。
【0181】
例23 オキシム結合を介した脂肪アルコール薬剤複合体の合成
以下の手順により、脂肪アルコールをO−脂肪アルキルヒドロキシルアミンに転換し、次にオキシム結合を介して薬剤に複合する:
【化62】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物。
【請求項2】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC12〜C26の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
薬剤が抗癌剤である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
薬剤が抗ウィルス剤である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
薬剤が抗精神病薬である、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
薬剤がパクリタキセルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が式
【化2】

で表される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
化合物が、式
【化3】

からなる群より選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
薬剤がフラボピリドールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が、式
【化4】

からなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】

【化5】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であり、ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH、イオンまたは保護基である、
で表される化合物。
【請求項15】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC12〜C26の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項14に記載の化合物。
【請求項19】
R’がH、Na、K、Li、およびNHからなる群より選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項20】
薬剤が抗癌剤である、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
薬剤が抗ウィルス剤である、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
薬剤が抗精神病薬である、請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
薬剤がパクリタキセルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項24】
薬剤がフラボピリドールである、請求項18に記載の化合物。
【請求項25】
薬剤がアデフォビルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項26】

【化6】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤HNR”Xの薬剤部分であり、R”はH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基ある、
で表される化合物。
【請求項27】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC12〜C26の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
薬剤が抗癌剤である、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
薬剤が抗ウィルス剤である、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
薬剤が抗精神病薬である、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
薬剤がアデフォビルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項34】

【化7】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XC(O)OHの薬剤部分である、
で表される化合物。
【請求項35】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC12〜C26の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項34に記載の化合物。
【請求項39】
薬剤が抗癌剤である、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
薬剤が抗ウィルス剤である、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
薬剤が抗精神病薬である、請求項38に記載の化合物。
【請求項42】
薬剤がアデフォビルである、請求項38に記載の化合物。
【請求項43】

【化8】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物。
【請求項44】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在する脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC12〜C26の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項46】
脂肪アルコールROHが、ヒトに天然に存在するC14〜C24の脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項47】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項48】
薬剤が抗癌剤である、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
薬剤が抗ウィルス剤である、請求項47に記載の化合物。
【請求項50】
薬剤が抗精神病薬である、請求項47に記載の化合物。
【請求項51】
薬剤がパクリタキセルである、請求項47に記載の化合物。
【請求項52】
薬剤がフラボピリドールである、請求項47に記載の化合物。
【請求項53】
薬剤がアデフォビルである、請求項47に記載の化合物。
【請求項54】

【化9】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Tは離脱基である、
で表される化合物。
【請求項55】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
Tがパラニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはベンゾトリアゾールである、請求項55に記載の化合物。
【請求項58】

【化10】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、R’はH、イオン、保護基または薬剤であり、Yは保護基であり、そしてTは離脱基である、
で表される化合物。
【請求項59】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
Yがtert−ブトキシカルボニルである、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
R’がHまたはNaである、請求項59に記載の化合物。
【請求項62】
Tが−SCHまたはピラゾールである、請求項59に記載の化合物。
【請求項63】

【化11】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xが薬剤XOHの薬剤部分である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項64】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項63に記載の医薬製剤。
【請求項65】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項64に記載の医薬製剤。
【請求項66】
薬剤がパクリタキセル、フラボピリドール、またはアデフォビルである、請求項64に記載の医薬製剤。
【請求項67】
化合物が、式
【化12】

からなる群より選択される、請求項66に記載の医薬製剤。
【請求項68】

【化13】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であり、ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH、イオン、または保護基である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項69】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項68に記載の医薬製剤。
【請求項70】
R’がHまたはNaである、請求項69に記載の医薬製剤。
【請求項71】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項69に記載の医薬製剤。
【請求項72】
薬剤がパクリタキセル、フラボピリドール、またはアデフォビルである、請求項69に記載の医薬製剤。
【請求項73】

【化14】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤HNR”Xの薬剤部分であり、R”はH、アルキル基、またはアリール基である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項74】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項73に記載の医薬製剤。
【請求項75】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項73に記載の医薬製剤。
【請求項76】
薬剤がアデフォビルである、請求項73に記載の医薬製剤。
【請求項77】

【化15】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XC(O)OHの薬剤部分である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項78】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項77に記載の医薬製剤。
【請求項79】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項78に記載の医薬製剤。
【請求項80】

【化16】

式中、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分である、
で表される化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項81】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項83に記載の医薬製剤。
【請求項82】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項81に記載の医薬製剤。
【請求項83】

【化17】

で表される化合物を製造する方法であって、式ROC(O)Tで表される中間体を、前記化合物を形成するのに十分な時間、式XOHで表される薬剤と反応させることを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは式XOHで表される薬剤の薬剤部分である、前記方法。
【請求項84】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
薬剤がパクリタキセルまたはフラボピリドールである、請求項84に記載の方法。
【請求項87】

【化18】

で表される化合物を製造する方法であって、式
【化19】

で表される中間体を、前記化合物を形成するのに十分な時間、薬剤XZHと反応させることを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であり、ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH、イオン、保護基または第二の薬剤である、前記方法。
【請求項88】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
薬剤がパクリタキセル、フラボピリドール、またはアデフォビルである、請求項88に記載の方法。
【請求項91】

【化20】

で表される化合物を製造する方法であって、該化合物を形成するのに十分な時間、式ROC(O)Tで表される中間体を式HNR”Xで表される薬剤と反応させることを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは式HNR”Xで表される薬剤の薬剤部分であり、R”はH、アルキル基、またはアリール基である、前記方法。
【請求項92】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
薬剤がパクリタキセル、フラボピリドール、またはアデフォビルである、請求項92に記載の方法。
【請求項95】

【化21】

で表される化合物を製造する方法であって、
式XC(O)OHで表される薬剤を離脱基により誘導体化して中間体を形成すること、および
該中間体を、前記化合物を形成するのに十分な時間、式ROHで表される脂肪アルコールと反応させること、
を含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは式XC(O)OHで表される薬剤の薬剤部分である、前記方法。
【請求項96】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
疾病の治療方法であって、かかる治療の必要な対象に対して、式
【化22】

で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む
ここで、医薬製剤を投与することを含み、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XOHの薬剤部分である、前記方法。
【請求項99】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
薬剤がパクリタキセルまたはフラボピリドールである、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
疾病が哺乳類の細胞増殖性疾患である、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
薬剤がパクリタキセルである、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
化合物が、式
【化23】

で表される、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
化合物が式
【化24】

からなる群より選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
薬剤がフラボピリドールである、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
化合物が、式
【化25】

からなる群より選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項108】
疾病が哺乳類の精神疾患である、請求項99に記載の方法。
【請求項109】
疾病の治療方法であって、かかる治療の必要な対象に対して、式
【化26】

で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含み、、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XZHの薬剤部分であり、ZはO、第一級アミノ基、または第二級アミノ基であり、R’はH、イオン、または保護基である、前記方法。
【請求項110】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
薬剤がパクリタキセル、フラボピリドール、またはアデフォビルである、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
疾病が哺乳類の細胞増殖性疾患である、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
薬剤がパクリタキセルである、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
薬剤がフラボピリドールである、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
疾病が哺乳類のウィルス性疾患である、請求項110に記載の方法。
【請求項117】
疾病が哺乳類の精神疾患である、請求項110に記載の方法。
【請求項118】
疾病の治療方法であって、かかる治療の必要な対象に対して、式
【化27】

で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤HNR”Xの薬剤部分であり、R”はH、アルキル基またはアリール基である、前記方法。
【請求項119】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
疾病が哺乳類の細胞増殖性疾患である、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
疾病が哺乳類のウィルス性疾患である、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
薬剤がアデフォビルである、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
疾病が哺乳類の精神疾患である、請求項119に記載の方法。
【請求項125】
疾病の治療方法であって、かかる治療の必要な対象に対して、式
【化28】

で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XC(O)OHの薬剤部分および薬学的に許容し得る担体である、前記方法。
【請求項126】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
疾病が哺乳類の細胞増殖性疾患である、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
疾病が哺乳類のウィルス性疾患である、請求項126に記載の方法。
【請求項130】
疾病が哺乳類の精神疾患である、請求項126に記載の方法。
【請求項131】
疾病の治療方法であって、かかる治療の必要な対象に対して、式
【化29】

で表される化合物および薬学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を投与することを含み、ここで、Rは脂肪アルコールROHのC〜C26の脂肪基であり、Xは薬剤XNHの薬剤部分および薬学的に許容し得る担体である、前記方法。
【請求項132】
脂肪アルコールROHが、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸の炭素構造と同じ炭素構造を有する、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
薬剤が抗癌剤、抗ウィルス剤、または抗精神病薬である、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
薬剤がアデフォビルである、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
疾病が哺乳類の細胞増殖性疾患である、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
疾病が哺乳類のウィルス性疾患である、請求項132に記載の方法。
【請求項137】
疾病が哺乳類の精神疾患である、請求項132に記載の方法。

【公開番号】特開2010−65038(P2010−65038A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−235343(P2009−235343)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【分割の表示】特願2002−574920(P2002−574920)の分割
【原出願日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【出願人】(504308501)ルイトポルド・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】