説明

表示体、検査装置、および検査方法

【課題】製造効率性が良好で、かつ簡単構成で精度よくリーク電流を検出可能な表示体、検査装置、および検査方法を提供する。
【解決手段】液晶パネル1は、互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、駆動基板に設けられて、互いに直交する複数のソース線Sおよび複数のゲート線Gと、ソース線Sおよびゲート線Gとの交差部に設けられ、ソース線からの入力される電荷を電気光学材料に印加する画素電極PEと、ゲート線Gから入力される駆動信号に応じて、ソース線Sから画素電極PEへの電荷の印加状態を切り替えるTFT12と、対向基板に設けられるとともに、画素電極PEに接続される複数の共通電極線と、複数の共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示体、この表示体における線間リーク欠陥を検査する検査装置、およびその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルなどの表示体において、表示体の表示異常を検査する検査装置や検査方法が知られている。(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0003】
特許文献1では、液晶パネルは、複数の信号電極および複数の走査電極を備えている。そして、液晶パネルの検査時において、信号電極を信号電極用導電性部材に、また走査電極を走査電極用導電性部材に接触させて、各信号電極、各走査電極をそれぞれ短絡させる。この状態で、全信号線に所定の駆動電圧を印加し、例えば白一色または黒一色の画像を表示させ、その画像を目視または、カメラでの撮像により観測することで表示領域内の欠陥を検出する。
【0004】
特許文献2では、液晶パネルは、複数のゲートバスライン、複数のソースバスラインを備え、検査装置により検査を実施する際には、各ゲートバスラインおよび各ソースバスラインを、それぞれ検査装置に設けられる検査用の端子に接触させて接続する。この検査装置では、ゲートバスラインを接続する端子は、奇数番目と偶数番目とに分離され、共通配線により結線され、それぞれ対応した検査端子に接続され、ソースバスラインに接続される端子は、共通配線により結線され、所定の検査端子に接続される。そして、これら共通配線に接続される検査端子に順次所定の電圧の印加し、リーク欠陥を検出する。
【0005】
特許文献3では、液晶表示パネル上に、複数の映像信号配線(ソース線)を、それぞれの色(RGB)に応じた共通バス配線により結線する構成が採られており、検査装置により検査する際に検査装置の端子と、この共通バス配線の端部とを接触させることでリーク欠陥検出を実施する。また、この液晶表示パネルでは、欠陥検出の終了後に、レーザーカットにより表示領域のみをカットして製品化する。
【0006】
【特許文献1】特開平9−329799号公報
【特許文献2】特開平7−294374号公報
【特許文献3】特開平9−185072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1に記載のような検査装置および検査方法では、全信号電極、および2相以上に分割された走査電極を、導電性部材により一括短絡させることで、欠陥検査を実施している。このような検査方法では、隣接画素間や、配線間にリークがあった場合、検出が困難となる問題がある。
一方、特許文献2に記載の検査装置および検査方法では、画素間や配線間のリークを検出できるが、ゲートバスラインやソースバスラインの各端子に対して、それぞれ検査用の端子を接触させて接続する必要があり、検査装置の構成が複雑化し、高価な装置が必要となり、正確に端子同士を接触させるための要求アライメント精度も高くなる。
また、特許文献3に記載の方法では、検査後にレーザーカットによる切断工程が必要となるため、製造工程が増えるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述のような問題に鑑みて、製造効率性が良好で、かつ簡単構成で精度よくリーク電流を検出可能な表示体、検査装置、および検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示体は、互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、表示体は、共通電極線がそれぞれ複数相に分割されている。このような表示体では、リーク電流の検査時において、各ソース線、各ゲート線をそれぞれ一括短絡させるプローブバンプを用い、これらのプローブバンプに所定のテスト電圧を印加させてテスト画像を表示させることで、容易に表示領域中の画素欠陥を検査することができる。また、各ゲート線のみをプローブバンプで一括短絡させ、ソース線をオープン状態にし、検査対象となるソース線に、画素電極を介して接続された共通電極線に対応した共通電極検査線に例えば電流計などリーク電流を検出する検出手段を接続する。そして、他の共通電極検査線に交流電圧を印加し、検出手段に流れる電流を検査する。このような検査方法を実施することで、ソース線間に発生するリーク電流をも容易に検査することができる。この場合でも、各ゲート線は、プローブバンプなどにより一括短絡させるだけの簡単な配線でよいため、検査装置において、各ゲート線を接続する接続端子が不要となり、検査装置の構成を簡単にでき、容易な検査方法によりリーク電流の検査を実施できる。
また、各ソース線やゲート線が複数相に分割されて結線されるなどの構成ではなく、それぞれ単独で駆動基板上に設けられているため、欠陥検査終了後にレーザーカットなどによる切断工程が不要となり、製造工程も簡単にできる。
【0011】
本発明の表示体では、前記ソース線は、赤色用ソース信号が入力されるRソース線、緑色用ソース信号が入力されるGソース線、および青色用ソース信号が入力されるBソース線を備え、前記共通電極線は、各色ソース線に対応してそれぞれ設けられる、R共通電極線、G共通電極線、およびB共通電極線を備え、前記共通電極検査線は、R共通電極線同士、G共通電極線同士、およびB共通電極線同士をそれぞれ結線することが好ましい。
【0012】
この発明によれば、各色ソース線に対応する各共通電極線をそれぞれ共通電極検査線にて結線している。このため、表示体の検査時において、各色毎に線間リーク電流の検査を実施することができ、検査効率を向上させることができる。
【0013】
本発明の検査装置は、互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備した表示体におけるリーク欠陥を検査する検査装置であって、複数の前記ゲート線に接触して、これらの接触した複数のゲート線を一括短絡させるとともに、ゲート検査端子に接続されるゲートプローブと、複数の前記ソース線に接触して、これらの接触した複数のソース線を一括短絡させるとともに、ソース検査端子に接続されるソースプローブと、各共通電極検査線に接続されるとともに、共通電極検査端子に接続される複数の共通電極プローブと、前記ソースプローブと前記ソース線との接続状態を、切断および接続のうち少なくともいずれか一方に切り替えるソース接続切替手段と、前記共通電極検査端子のうち、検査対象以外の共通電極検査端子に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、検査対象となる前記共通電極検査端子に流れるリーク電流を検出する電流検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の検査方法は、互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備した表示体におけるリーク欠陥を検査する検査方法であって、ゲート検査端子に接続されるゲートプローブを複数の前記ゲート線に接触させて、これらの接触した複数のゲート線を一括短絡させ、ソース検査端子に接続されるソースプローブを、複数の前記ソース線から離隔させて各ソース線をオープン状態とし、共通電極検査端子に接続される共通電極プローブを各共通電極検査線に接続し、前記共通電極検査端子のうち、検査対象以外の共通電極検査端子に交流電圧を印加し、検査対象となる前記共通電極検査端子に流れるリーク電流を検出することを特徴とする。
【0015】
これらの発明によれば、上記発明と同様に、表示体の検査時において、ソース検査端子とソース線との接続が切断された状態で、複数の共通電極検査線のうちの検査対象以外の共通電極検査端子に交流電圧を印加し、検査対象となる共通電極検査端子に流れるリーク電流を電流検出手段で検査することで、検査装置に複雑な接続端子を設ける必要がなく、簡単な構成で容易に精度よくリーク電流欠陥の有無を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態に係る表示体である液晶パネル、およびこの液晶パネルのリーク欠陥を検査する検査装置について、図面に基づいて説明する。
【0017】
〔液晶パネルの構成〕
図1は、本発明の一実施の形態に係る液晶パネルの概略構成を示す図である。
図1において、1は、本発明の表示体を構成する液晶TFT(Thin Film Transistor)パネル1(以降、液晶パネル1と称す)であり、この液晶パネル1は、入力される信号に基づいて、基本色として例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を混色してカラー画像を表示させる装置である。なお、本実施の形態では、電気光学材料である液晶としてアモルファスシリコンが用いられるアモルファスTFTパネルを例示するが、例えば、LTPS-TFTパネル(Low-Temperature Poly-Silicon TFT:低温ポリシリコンTFT液晶パネル)、HTPS-TFTパネル(High Temperature Poly-Sillicon TFT:高温ポリシリコンTFT液晶パネル)など、液晶としてポリシリコンが用いられるTFTであってもよい。また、表示体として液晶パネル1を例示したが、これに限定されず、例えば電気光学材料としてジアミンやアントラセンなどの有機物が採用されたOLEDパネル(Organic Light Emitting Diode:有機EL)などの表示パネルにも利用できる。
【0018】
この液晶パネル1は、詳細な図面は省略するが、筐体内に対向配置された一対の透明基板(駆動基板および対向基板)と、これらの透明基板間を複数の領域に分割するスペーサと、を備え、これらの一対の透明基板およびスペーサにて囲われる領域に画素11が形成されている。ここで、液晶パネル1では、列方向に沿って単一の基本色(R、G、B)を発色する画素11が配列され、行方向に沿ってこれらの画素11がR,G,Bの配列順で繰り返し配列されている。具体的には、液晶パネル1に対向して、各画素11の基本色に対応した波長の光束のみを透過させる図示しない偏向フィルタが設けられている。これにより、各画素11では、偏向フィルタを透過した基本色の光束のみが透過されることとなる。
【0019】
駆動基板には、互いに直交する複数のゲート線Gおよびソース線S(S1,S2,S3,…Sn)が配設されている。ゲート線Gは、液晶パネル1の例えば水平方向の左右(図1における左右)に分割される。具体的には、ゲート線Gは、信号入力端が左側に設けられるLゲート線Gl(Gl1、Gl2,Gl3…)と、信号入力端が右側に設けられるRゲート線Gr(Gr1,Gr2,Gr3…)と、を備えている。これらLゲート線GlおよびRゲート線Grは、図1に示すように水平方向に沿って配線され、かつ水平方向に直交する垂直方向に沿って、Lゲート線G11,Rゲート線Gr1,Lゲート線Gl2…といった状態に、交互に配列されている。ソース線Sは、垂直方向に沿って配線されている。また、ここでソース線Sは、RGBの各色画素に対応して、赤色画像信号が入力されるRソース線(S1,S4,S7…Sn)、緑色画像信号が入力されるGソース線(S2,S5,S8…Sn+1)、および青色画像信号が入力されるBソース線(S3,S6,S9…Sn+2)を備え、Rソース線、Gソース線、Bソース線の順に交互に配設されている。なお、以降の説明において、Rソース線をRソース線Sr,Gソース線をGソース線Sg、Bソース線をBソース線Sbと称す。
また、各ソース線Sおよび各ゲート線Gの終端部には、それぞれリングトランジスタ(RingTr)が接続され、このリングトランジスタを介して例えばR共通電極検査線14r(G共通電極検査線14gやB共通電極検査線14bであってもよい)に接続される。ここで、このリングトランジスタは、回路に発生する静電気を除去して静電保護処理をするとともに、ゲート線Gやソース線Sを流れる電流量を一定に維持する。これにより、ゲート線Gやソース線Sへの過度の電流通過が抑えられ、消費電力の低減が可能となる。また、リングトランジスタは、このリングトランジスタを挟む接続部の電位差が大きいほど電流を通過させ、電位差が小さい場合には、電流をほぼ通過させない特性があり、電流の逆流などの不都合をも防止する。
【0020】
そして、ゲート線Gおよびソース線Sの各交差部近傍には、画素を構成する液晶セルLVに電圧を印加する画素電極PEが形成されている。これらの画素電極PEは、例えばITO(Idium Tin Oxide)膜などにより形成されている。
また、駆動基板には、それぞれのソース線Sと、それぞれの画素電極PEとを接続し、ゲート線に出力された電圧に応じて画素電極PEへの電圧の印加状態を切り替えるスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)12が設けられている。これらTFT12は、ゲート線Gに接続されるゲートと、ソース線Sに接続されるソースと、画素電極PEに接続されるドレインとを備えている。
【0021】
そして、TFT12は、ゲートにゲート線Gを介して、液晶パネル1を駆動する図示しないドライバや、後述する検査装置からオン電圧(例えば+15V)が印加されると、オン状態(ソース−ドレイン間がローインピーダンスの状態)となり、ソース−ドレイン間の電流の導通が許容される。この状態で、ソース線Sを介して、ドライバや検査装置2から映像信号がソースに印加されると、この映像信号に係る電荷がソース−ドレイン間を導通し、ドレインに接続される画素電極PEに印加される。
一方、ゲートにゲート線Gを介してドライバや検査装置2からオフ電圧(例えば−10V)が印加されると、TFT12はオフ状態(ソース−ドレイン間がハイインピーダンスの状態)となり、ソース−ドレイン間の電流の導通が規制される。したがって、ソースに接続されたソース線Sに映像信号に係る電荷が印加されたとしても、電流がソース−ドレイン間を導通せず、画素電極PEへの電荷の印加が規制される。
【0022】
画素電極PEは、液晶セルLVに接続されるとともに、保持キャパシタCVに接続されている。この保持キャパシタCVは、液晶パネル1の駆動に必要な電圧の振幅を低く抑え、液晶パネル1の省電力化およびフリッカ防止を図るためのものである。これら液晶セルLVおよび保持キャパシタCVは、画素電極PEだけでなく、対向基板の対向電極に接続されている。そして、これらの液晶セルLVおよび保持キャパシタCVには、ソース線SからTFT12を介して画素電極PEに印加された電圧と、対向電極に印加された電圧との電位差に相当する電荷が書き込まれ、保持される。
【0023】
そして、前記した各画素11は、TFT12、画素電極PE、液晶セルLVおよび保持キャパシタCVにより構成され、これら全ての画素11により液晶パネル1の表示領域が構成されている。
【0024】
また、画素電極PEに接続される液晶セルLVおよび保持キャパシタCVは、対向電極に形成される共通電極線に接続される。この共通電極線は、各ソース線Sに対応して、すなわち、1本のソース線に1本の共通電極線が設けられている。ここで、Rソース線Srに対してR共通電極線(R共通電極線13r)、Gソース線Sgに対してG色共通電極線(G共通電極線13g)、Bソース線Sbに対してB共通電極線(B共通電極線13b)がそれぞれ設けられている。また、各R共通電極線13rは、例えばパネル終端縁において、R共通電極検査線14rに接続され、このR共通電極検査線14rは、R共通電極端子VcomRに接続される。同様に、各G共通電極線13gは、例えばパネル終端縁において、G共通電極検査線14gに接続され、このG共通電極検査線14gは、G共通電極端子VcomGに接続される。また、各B共通電極線13bは、例えばパネル終端縁において、B共通電極検査線14bに接続され、このB共通電極検査線14bは、B共通電極端子VcomBに接続される。
【0025】
〔検査装置の構成〕
次に、図2および図3に基づいて、上記液晶パネル1を検査する検査装置2の構成を説明する。
図2は、本発明に係る一実施の形態の検査装置の概略構成を示すブロック図である。
図3は、検査装置の接続部の概略構成を示す図である。
検査装置2は、液晶パネル1のソース線S、ゲート線G、および共通電極線に所定の電圧を印加して液晶パネル1を駆動させ、液晶パネル1の一部に発生する例えば線間リーク欠陥などの欠陥を検出する装置である。
この検査装置2は、図2に示すように、接続部21と、駆動部22と、測定部23と、制御部24と、を備えている。
【0026】
接続部21は、図3に示すように、接続基板211を備え、この接続基板211上には、Lゲート接続部212A、Rゲート接続部212B、ソース接続部212C、R共通電極接続部212D、G共通電極接続部212E、およびB共通電極接続部212Fが設けられている。
Lゲート接続部212Aには、Lゲート線Glの先端に形成されるゲート端子が、例えば図3の示すように、千鳥状に交互に配置される。そして、Lゲート接続部212Aは、配置されたLゲート線Glの各ゲート端子に接触し、一括短絡させるLゲートプローブ213Aを備えている。このLゲートプローブ213Aは、Lゲート検査端子GLcに接続される。
Rゲート接続部212Bも、Lゲート接続部212Aと同様であり、図3に示すように、Rゲート線Grのゲート端子が千鳥状に配置される。そして、Rゲート接続部212Bは、Rゲート検査端子GRcに接続されるRゲートプローブ213Bを備え、このRゲートプローブ213Bにより、Rゲート線Grのゲート端子が一括短絡される。
【0027】
また、ソース接続部212Cも、Lゲート接続部212AおよびRゲート接続部212Bと略同様に構成されている。すなわち、ソース接続部212Cには、ソース線Sが千鳥状に交互に配置され、これらソース線Sに接触して、一括短絡可能で、ソース検査端子Scに接続されるソースプローブ213Cが設けられている。このソースプローブ213Cは、ソース接続部212Cに配置されるソース線Sの各ソース端子に対して接離移動可能に設けられている。このソースプローブ213Cの移動機構としては、特に限定されず、例えば、モータなどの駆動発生手段により発生した駆動力により、ソースプローブ213Cを接続基板211から離れる方向、近接する方向に駆動させる構成などが例示できる。
そして、ソース接続部212Cは、ソースプローブ213Cを制御するプローブ制御手段214を備えている。このプローブ制御手段214は、制御部24から出力される制御信号に基づいて、駆動発生手段を制御し、ソースプローブ213Cを駆動させる。これにより、プローブ制御手段214は、ソースプローブ213Cとソース端子とが接触する接続状態、およびソースプローブ213Cとソース端子とが離れる切断状態を切り替える。
【0028】
R共通電極接続部212Dには、R共通電極検査線14rの先端に形成されるR共通電極端子VcomRが配置される。また、R共通電極接続部212Dは、R共通電極端子VcomRに接触するとともに、R共通電極検査端子VcomRcに接続されるR共通電極プローブ213Dを備えている。
G共通電極接続部212E、およびB共通電極接続部212Fについても同様であり、G共通電極接続部212EおよびB共通電極接続部212Fには、それぞれG共通電極端子VcomG,B共通電極端子VcomBが配置される。そして、G共通電極接続部212Eには、G共通電極端子VcomGに接触し、G共通電極検査端子VcomGcに接続されるG共通電極プローブ213Eを備えている。また、B共通電極接続部212Fには、B共通電極端子VcomBに接触し、B共通電極検査端子VcomBcに接続されるB共通電極プローブ213Fを備えている。
【0029】
また、上述したLゲート検査端子GLc、Rゲート検査端子GRc、ソース検査端子Sc、R共通電極検査端子VcomRc、G共通電極検査端子VcomGc、およびB共通電極検査端子VcomBcは、図2に示すように、それぞれスイッチを介して駆動部22および測定部23に接続されている。
【0030】
駆動部22は、接続部21の各検査端子に対して所定の電圧を印加し、液晶パネル1を駆動させる。また、駆動部22は、制御部24の駆動電圧制御手段242とともに本発明の交流電圧印加手段を構成し、交流電圧を所定の共通電極検査端子に印加する。
測定部23は、例えば各検査端子に接続される複数の電流計を備え、接続部21の各検査端子から入力される電流を検出する。この測定部23は、本発明の電流測定手段を構成する。
【0031】
制御部24は、駆動切替手段241と、駆動電圧制御手段242と、欠陥検出手段243と、結果出力手段244とを備えている。
駆動切替手段241は、液晶パネル1の検査モードを切り替える。具体的には、駆動切替手段241は、例えば操作者の設定入力により、検査モードを、パターン表示モードおよび線間リーク検査モードのいずれかに切り替える。ここで、パターン表示モードは、ソース線Sおよびゲート線Gに所定の駆動電圧を印加して、液晶パネル1に所定のパターン画像を表示させるモードである。また、線間リーク検査モードは、例えば隣接するソース線S同士において発生する線間リーク欠陥を、測定部23により測定される電流に基づいて検出するモードである。また、駆動切替手段241は、線間リーク検査モードにおいて、プローブ制御手段214に制御信号を出力して、ソース検査端子Scからソースプローブ213Cを離隔させ、切断状態にする。
【0032】
駆動電圧制御手段242は、駆動部22から各検査端子に印加する電圧を制御し、液晶パネル1を駆動させる。
具体的には、駆動電圧制御手段242は、駆動切替手段241により、パターン表示モードに切り替えられた場合、図4に示すようなパターンの電圧を印加する。図4は、パターン表示モードにおける電圧の印加パターンおよびタイミングを示す図である。なお、本実施の形態における液晶パネル1は、ノーマリーホワイトであり、駆動電圧が印加されず、液晶セルLVに電荷が蓄積されていない状態では、例えばバックライトなどの光源からの光をそのまま透過させて白色光を発色させるものとする。
【0033】
すなわち、駆動電圧制御手段242は、液晶パネル1において、グレイ画像を表示させる場合、ソース検査端子Scに、所定周期で0Vおよび5Vの電圧が交互に入れ替わる交流電圧(パターンC)を印加し、各共通電極検査端子VcomRc,VcomGc,VcomBcには、パターンAと逆位相となる交流電圧(パターンD)を印加する。
また、駆動電圧制御手段242は、Lゲート検査端子GLcに、ソース検査端子Scに5Vの信号電圧が印加されるタイミング(図2におけるタイミングT1)で、オン電圧である15Vを印加する。この時、Rゲート検査端子GRcには、オフ電圧である−10Vが印加される。なお、オン電圧が印加される期間は図4に示すように、交流電圧の周期に対して十分小さい僅かな期間であり、オン電圧を印加した後、ソース検査端子Scへの電圧が0Vに切り替わる前に、オフ電圧に切り替える。また、駆動電圧制御手段242は、ソース検査端子Scの信号電圧が0Vに切り替わった後、タイミングT2で、Rゲート検査端子GRcにオン電圧を印加する。このとき、Lゲート検査端子GLcは、オフ信号である−10Vの電圧が保持される。なお、このRゲート検査端子GRcに印加するオン電圧の入力期間も、交流電圧の周期に対して十分小さい僅かな期間に設定される。すなわち、駆動電圧制御手段242は、タイミングT1において、Lゲート線Glにより制御される画素11の液晶セルLVに駆動信号(5V)に基づいた電荷を保持させ、タイミングT2において、Rゲート線Grにより制御される画素11の液晶セルLVに蓄電されている電荷を放電させる。これにより、液晶パネル1のLゲート線に対応する画素11のみでグレイ画像が表示される。
【0034】
そして、駆動電圧制御手段242は、Lゲート線Glに対応する画素11のみでのグレイ画像表示の後、所定期間Tmを開けて、Rゲート線Grに対応する画素11のみでグレイ画像を表示させる制御をする。これには、上記タイミングT1,T2と逆の操作をタイミングT3,T4において実施する。
すなわち、駆動電圧制御手段242は、ソース検査端子Scに0Vが印加され、各共通電極検査端子VcomRc,VcomGc,VcomBcに任意電圧(0〜5v)が印加されるタイミングT3で、Lゲート検査端子GLcにオン電圧を印加する。この間、Rゲート検査端子GRcはオフ電圧に保持される。また、駆動電圧制御手段242は、ソース検査端子Scへの印加電圧が5Vに切り替わった後、Rゲート検査端子GRcにオン電圧を印加させる。この間、Lゲート検査端子GLcは、オフ電圧に保持される。
以上により、液晶パネル1において、Lゲート線Glに接続される画素11と、Rゲート線Grに接続される画素11とで交互にグレイ画像を表示させることが可能となる。
【0035】
また、液晶パネル1に基本色画像を表示させる場合では、駆動電圧制御手段242は、表示させる基本色に対応する共通電極検査端子に、ソース検査端子Scと同一のパターンCの交流電圧を印加し、その他の共通電極検査端子にパターンCの交流電圧と逆位相となるパターンDの交流電圧を印加する。例えば、液晶パネル1により赤色画像を表示させる場合、上記グレイ画像の表示時と同様に、駆動電圧制御手段242は、ソース検査端子ScにパターンCの交流電圧、G共通電極検査端子VcomGcおよびB共通電極検査端子VcomBcにパターンDの交流電圧、Lゲート検査端子GLcにパターンAの駆動電圧、Rゲート検査端子GRcにパターンBの駆動電圧を印加する。一方、駆動電圧制御手段242は、R共通電極検査端子VcomRcには、ソース検査端子Scと同様のパターンCの交流電圧を印加する。以上により、液晶パネル1において、Lゲート線Glに接続される画素11と、Rゲート線Grに接続される画素11とで交互に赤色画像を表示させることが可能となる。
【0036】
また、駆動電圧制御手段242は、線間リーク検査モードでは、図5に示すようなタイミングにより、液晶パネル1を駆動させる。図5は、線間リーク検査モードにおける電圧印加パターンおよび検出される電流を示す図である。
この線間リーク検査モードでは、駆動切替手段241により線間リーク検査モードに設定された場合、ソース検査端子Scとソースプローブとが切断されるため、ソース検査端子Scはオープン状態となり、常に0Vとなる。そして、線間リーク検査モードでは、図5に示すように、駆動電圧制御手段242は、Lゲート検査端子GLcおよびRゲート検査端子GRcに対して、15Vのオン電圧を印加し続ける。また、駆動電圧制御手段242は、検査対象となるソース線Sに接続される共通電極線に対応する共通電極検査端子以外の共通電極検査端子に、交流電圧を印加する。
例えば、Gソース線Sgに隣接する他のソース線Sから、このGソース線Sgにリークする線間リークを検査する場合、駆動電圧制御手段242は、R共通電極検査端子VcomRcおよびB共通電極検査端子VcomBcに交流電圧を印加する。この場合、Rソース線SrやBソース線Sbに接続される液晶セルLvまたは保持キャパシタCVにおいて、電荷の充電および放電が繰り返される。したがって、線間リークが発生している場合では、液晶セルLvまたは保持キャパシタCVにおける電荷の放電時に、Gソース線Sgに電流が流れ込み、G共通電極検査端子VcomGcに、図5の「不良」にて示すような電流が検出される。一方、線間リークがない場合では、G共通電極検査端子VcomGcにおいて、図5の「良品」にて示すように、電流が検出されない。
【0037】
欠陥検出手段243は、駆動切替手段241により、線間リーク検査モードが選択されている際に、測定部23にて測定される電流値を読み込み、検査対象となる共通電極検査線にリークする線間リーク欠陥があるか否かを判断する。
具体的には、欠陥検出手段243は、図5の「不良」にて示されるように、周期的な電流値が検出された場合、線間リークがあると判断し、図5の「良品」にて示されるように電流値が検出されなかった場合は、線間リーク欠陥がないと判断する。
【0038】
結果出力手段244は、欠陥検出手段243にて判断されたリーク欠陥の有無を出力する。具体的には、結果出力手段244は、検査装置2に設けられた図示しない表示手段に、リーク欠陥の有無を表示させる。なお、結果出力手段244は、上記リーク欠陥の有無を他の態様で出力してもよく、例えば、記憶媒体にデータなどとして出力したり、印刷により出力したり、音声によりリーク欠陥の有無を報知したりしてもよい。
【0039】
〔検査装置の動作〕
次に、上述した検査装置2の動作について、図面に基づいて説明する。
検査装置2を用いた検査方法では、検査装置2は、現在の検査モードを認識し、検査モードに応じた駆動信号を液晶パネル1に出力し、欠陥検査処理を実施する。
【0040】
〔パターン表示モード〕
図6は、検査装置の動作におけるパターン表示モードのフローチャートである。
検査装置2は、例えば操作者の設定入力などにより、検査モードとしてパターン表示モードを設定する旨の要求がなされた場合、駆動切替手段241は、検査モードをパターン表示モードに切り替える(ステップS101)。
このパターン表示モードでは、駆動切替手段241は、プローブ制御手段214を制御してソースプローブ213Cをソース線Sに接触させ、接続状態とする(ステップS102)。
【0041】
この後、駆動電圧制御手段242は、駆動部22を制御して、図4に示すようなパターン電圧を各検査端子に印加する(ステップS103)。
すなわち、駆動電圧制御手段242は、グレイ画像を表示させる場合では、ソース検査端子ScにパターンCの交流電圧を印加し、各共通電極検査端子VcomRc,VcomGc,VcomBcにパターンCと逆位相となるパターンDの交流電圧を印加する。そして、Lゲート検査端子GLcにパターンAの駆動電圧、Rゲート検査端子GRcにパターンBの駆動電圧を印加する。
また、赤色、緑色、青色画像を表示させる場合では、駆動電圧制御手段242は、表示対象基本色に対応する共通電極検査端子にパターンCの交流電圧を印加させる。例えば、赤色画像を表示させる場合では、駆動電圧制御手段242は、ソース検査端子ScにパターンCの交流電圧を印加し、G共通電極検査端子VcomGcおよびB共通電極検査端子VcomBcにパターンCと逆位相となるパターンDの交流電圧を印加し、R共通電極検査端子VcomRcにパターンCの交流電圧を印加する。そして、Lゲート検査端子GLcにパターンAの駆動電圧、Rゲート検査端子GRcにパターンBの駆動電圧を印加する。
これにより、液晶パネル1のLゲート線Glにより制御される画素11と、Rゲート線Grにより制御される画素11とが交互に駆動され、液晶パネル1にパターン画像が表示される(ステップS104)。
このようなパターン表示画像では、例えば垂直方向に隣接する画素11間でリーク欠陥がある場合、隣接画素も駆動されて例えば輝点などにより表示される。したがって、液晶パネル1を例えば目視による確認や、カメラなどの撮像手段による撮像により、画素間リーク欠陥を容易に判別することが可能となる。
【0042】
〔線間リーク検査モード〕
次に、検査装置2の動作における線間リーク検査モードについて説明する。図7は、本実施の形態の検査装置の動作における線間リーク検査モードのフローチャートである。
【0043】
検査装置2は、例えば操作者の設定入力などにより、検査モードとして線間リーク検査モードを設定する旨の要求がなされた場合、駆動切替手段241は、検査モードを線間リーク検査モードに切り替える(ステップS201)。
この線間リーク検査モードでは、駆動切替手段241は、プローブ制御手段214を制御してソースプローブ213Cをソース線Sから離隔する方向に移動させ、切断状態とする(ステップS202)。
【0044】
この後、駆動電圧制御手段242は、駆動部22を制御して、図5に示すようなパターン電圧を各検査端子に印加する(ステップS203)。この時、検査対象となるソース線Sに対応する共通電極検査端子を、スイッチング処理により測定部23に接続する。
例えば、図5に示すように、Gソース線Sgに流れ込むリーク電流を測定する場合、G共通電極検査端子VcomGcを測定部23に接続する。そして、駆動電圧制御手段242は、Lゲート検査端子GLcおよびRゲート検査端子GRcに、オン電圧を印加し、R共通電極検査端子VcomRcおよびB共通電極検査端子VcomBcに、交流電圧を印加する。
【0045】
また、欠陥検出手段243は、ステップS203の処理により測定部23に流れるリーク電流が検出されたか否かを判断する(ステップS204)。このステップS204において、共通電極検査端子に印加された交流電圧に応じた波形の電流が検出された場合、線間リーク欠陥があると判断する(ステップS205)。一方、ステップS204において、電流値が検出されない場合、線間リーク欠陥がないと判断する(ステップS206)。
そして、結果出力手段244は、このステップS205およびステップS206の線間リーク欠陥の検査結果を例えば表示手段に表示させる(ステップS207)。
【0046】
〔本実施の形態の作用効果〕
上述したように、液晶パネル1は、各ソース線Sに対応して設けられる共通電極線を、基本色毎に分割し、共通電極検査線で結線している。
一般に、解像度の大きい液晶パネルでは、ゲート線Gやソース線Sの数も多く、例えば画像サイズが小さいQVGA(Quarter Video Graphics Array)であっても、320本のゲート線、720本(240×3)のソース線が必要となるが、これらのゲート線Gやソース線Sのそれぞれに対してプローブを接続させる構成では、構成の複雑化やコストの高騰を引き起こす。これに対して、上記液晶パネル1では、検査時に、全ゲート線Gを、Lゲート線、Rゲート線の2種に分割し、Lゲート線Glを一括短絡させるLゲートプローブ213A、Rゲート線Grを一括短絡させるRゲートプローブ213Bを用い、全ソース線Sを一括短絡させるソースプローブ213Cを用いるため、プローブ構成を簡単にすることができ、検査装置2にかかるコストも低減させることができる。
また、このように各ゲート線G、各ソース線Sを一括短絡させる構成であっても、複数相に分割された共通電極検査線に接続される共通電極検査端子に印加する電圧を図4や図5に示すように制御することで、画素間リークなどの画素欠陥の検査、および線間リーク欠陥の検査を実施することができる。
また、液晶パネル1内において、各ゲート線Gおよび各ソース線Sがそれぞれ独立して配線されているため、液晶パネル1の欠陥検査終了後に、液晶パネル1の表示領域部分のみをレーザーカットなどにより切断する必要がなく、そのままモジュールに組み込むことができる。
以上により、液晶パネル1の切断工程などが不要であるため、製造効率が低下することなく、簡単で安価なプローブ構成で精度よく液晶パネル1内に画素間リーク欠陥や線間リーク欠陥を検出することができる。
【0047】
また、液晶パネル1は、各基本色に対応して、R共通電極検査線14r、G共通電極検査線14g、およびB共通電極検査線14bに分割されている。このため、液晶パネル1の検査モードがパターン表示モードに設定された際に、図4に示すように、各共通電極検査端子のうち、表示させたい基本色に対応した共通電極端子にソース検査端子Scを同じパターンCの交流電圧を印加することで、容易に基本色に対応したパターン画像を表示させることができ、各基本色毎に、画素間リーク欠陥を検査することができる。また、線間リーク検査モードにおいても同様であり、各基本色に対応したソース線S毎に、線間リーク欠陥を検査することができる。したがって、リーク欠陥があった場合に、欠陥がある画素位置や線間を容易に検出することができ、検出精度も向上させることができる。
【0048】
また、検査装置2は、各ソース線Sから接離移動可能に設けられるソースプローブ213Cを備えている。そして、駆動切替手段241により検査モードが切り替えられると、プローブ制御手段214を制御して、ソースプローブ213Cを移動させる。すなわち、駆動切替手段241は、パターン表示モードでは、ソースプローブ213Cと各ソース線Sとを接続状態に、線間リーク検査モードでは、ソースプローブ213Cと各ソース線Sとを切断状態に切り替える。
このため、パターン表示モードでは、ソース線Sから各画素11に駆動電圧を印加させることで、液晶パネル1を駆動させて所定のパターン画像を表示させることができる。また、線間リーク検査モードでは、ソースプローブ213Cと各ソース線とを切断状態にして、共通電極検査端子に交流電圧を印加し、各画素11の液晶セルLVや保持キャパシタCVにおいて、電荷の充電および放電を実施することにより、検査対象となるソース線Sに流れる線間リークを容易に検査することができる。
【0049】
また、ゲート線Gは、Lゲート線GlおよびRゲート線Grを備え、Lゲート線GlはLゲートプローブ213Aに接触してLゲート検査端子GLcに接続され、Rゲート線Grは、Rゲートプローブに接触してRゲート検査端子GRcに接続されている。このため、パターン表示モードにおいて、Lゲート検査端子GLcおよびRゲート検査端子GRcに印加する駆動電圧を交互に切り替えることで、液晶パネル1のLゲート線Glにより制御される画素11と、Rゲート線Grにより制御される画素11とを交互に駆動させることができる。したがって、駆動していない画素11に輝点などの不都合が現れるか否かを観察することにより、容易に画素間リークなどの画素欠陥を検査することができ、検査精度を向上させることができる。
【0050】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0051】
例えば、上記において、ゲート線Gは、Lゲート線GlおよびRゲート線Grを備え、それぞれプローブによりLゲート検査端子GLcおよびRゲート検査端子GRcに接続する構成としたが、例えばゲート線Gに対して、3つ以上のプローブでそれぞれ異なるゲート検査端子GLに接続される構成としてもよい。また、ソース線Sに対しても同様であり、全ソース線Sに対して一括短絡させるソースプローブ213Cを例示したが、ソース線Sを2つ以上のグループに分割し、一方のグループには第一のソースプローブ、他方のグループには第二のソースプローブが接触可能な構成としてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態において、各基本色に対応して、共通電極線を3相に分割する構成としたが、2相に分割する構成や、4層以上に分割する構成などとしてもよい。
【0053】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態に係る液晶パネルの概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係る一実施の形態の検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】検査装置の接続部の概略構成を示す図である。
【図4】パターン表示モードにおける電圧の印加パターンおよびタイミングを示す図である。
【図5】線間リーク検査モードにおける電圧印加パターンおよび検出される電流を示す図である。
【図6】本実施の形態の検査装置の動作におけるパターン表示モードのフローチャートである。
【図7】本実施の形態の検査装置の動作における線間リーク検査モードのフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1…表示体としての液晶パネル、2…検査装置、12…スイッチング素子としてのTFT、13r…R共通電極線、13g…G共通電極線、13b…B共通電極線、14r…R共通電極検査線、14g…G共通電極検査線、14b…B共通電極検査線、22…交流電圧印加手段を構成する駆動部、23…電流検出手段としての測定部、213A…Lゲートプローブ、213B…Rゲートプローブ、213C…ソースプローブ、213D…R共通電極プローブ、213E…G共通電極プローブ、213F…B共通電極プローブ、214…ソース接続切替手段としてのプローブ制御手段、242…交流電圧印加手段を構成する駆動電圧制御手段、S…ソース線、Sr…Rソース線、Sg…Gソース線、Sb…Bソース線、G…ゲート線、PE…画素電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する駆動基板および対向基板と、
これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、
前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、
前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、
前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、
前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、
複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、
を具備したことを特徴とする表示体。
【請求項2】
請求項1に記載の表示体において、
前記ソース線は、赤色用ソース信号が入力されるRソース線、緑色用ソース信号が入力されるGソース線、および青色用ソース信号が入力されるBソース線を備え、
前記共通電極線は、各色ソース線に対応してそれぞれ設けられる、R共通電極線、G共通電極線、およびB共通電極線を備え、
前記共通電極検査線は、R共通電極線同士、G共通電極線同士、およびB共通電極線同士をそれぞれ結線する
ことを特徴とする表示体。
【請求項3】
互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備した表示体におけるリーク欠陥を検査する検査装置であって、
複数の前記ゲート線に接触して、これらの接触した複数のゲート線を一括短絡させるとともに、ゲート検査端子に接続されるゲートプローブと、
複数の前記ソース線に接触して、これらの接触した複数のソース線を一括短絡させるとともに、ソース検査端子に接続されるソースプローブと、
各共通電極検査線に接続されるとともに、共通電極検査端子に接続される複数の共通電極プローブと、
前記ソースプローブと前記ソース線との接続状態を、切断および接続のうち少なくともいずれか一方に切り替えるソース接続切替手段と、
前記共通電極検査端子のうち、検査対象以外の共通電極検査端子に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、
検査対象となる前記共通電極検査端子に流れるリーク電流を検出する電流検出手段と、
を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項4】
互いに対向する駆動基板および対向基板と、これらの駆動基板および対向基板の間に封入される電気光学材料と、前記駆動基板に設けられるとともに、互いに直交する複数のソース線および複数のゲート線と、前記複数のソース線および前記複数のゲート線との交差部近傍に設けられ、前記ソース線に出力された電荷を前記電気光学材料に印加する複数の画素電極と、前記ゲート線、前記ソース線、および前記画素電極に接続されるとともに、前記ゲート線から入力されるゲート信号に応じて、前記ソース線から前記画素電極への電荷の印加状態を切り替えるスイッチング素子と、前記対向基板に設けられるとともに、前記画素電極に接続される複数の共通電極線と、複数の前記共通電極線を2相以上に分割し、これら各相の前記共通電極線をそれぞれ結線する複数の共通電極検査線と、を具備した表示体におけるリーク欠陥を検査する検査方法であって、
ゲート検査端子に接続されるゲートプローブを複数の前記ゲート線に接触させて、これらの接触した複数のゲート線を一括短絡させ、
ソース検査端子に接続されるソースプローブを、複数の前記ソース線から離隔させて各ソース線をオープン状態とし、
共通電極検査端子に接続される共通電極プローブを各共通電極検査線に接続し、
前記共通電極検査端子のうち、検査対象以外の共通電極検査端子に交流電圧を印加し、
検査対象となる前記共通電極検査端子に流れるリーク電流を検出する
ことを特徴とする検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−164714(P2010−164714A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6077(P2009−6077)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】