説明

被写体認証装置、被写体認証方法及びプログラム

【課題】一時的な類似度の変動で被写体が正しく認証されなくなることを低減する。
【解決手段】顔検出部113は、画像データから第1の被写体領域を検出する。顔追跡処理部114は、被写体が認証済みの第2の被写体領域の、前記画像データより過去の画像データからの経時的な変化を追跡する。特徴情報抽出処理部115は、第1の被写体領域から被写体の第1の特徴情報を抽出する。類似度算出処理部117は、第1の特徴情報と特徴情報記憶部116に記憶される第2の特徴情報とを比較し、第1の特徴情報に対応する被写体と第2の特徴情報に対応する被写体との類似度を算出する。閾値決定部119は、第1の被写体領域に対応する第2の被写体領域が追跡されているか否かに応じて異なる閾値を設定する。認証判定部120は、算出された類似度と閾値との比較結果に応じて、第1の特徴情報に対応する被写体と第2の特徴情報に対応する被写体との一致性を認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ内の被写体領域に含まれる被写体を認証する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
認証の処理機能を備えた撮像装置では、撮像装置で撮影して得られた画像データから、特定の被写体領域が含まれる被写体画像領域を検出する。次に撮像装置は、当該被写体画像領域の画像データから、その被写体領域を被認証対象として識別するための特徴情報を抽出し、抽出した特徴情報と予めデータベースに登録されている登録対象の画像の特徴情報とを比較する。次に撮像装置は、比較結果から被認証対象と登録対象との類似度を判定し、類似度に基づいて、被認証対象がどの登録対象であるか、又は該当する登録対象がいないかの認証を行う。このような技術の例として、撮影して得られた画像データから特定の被写体領域として人物の顔を検出し、この顔の特徴情報を抽出して、この顔が誰であるか個人認証を行うシステムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−271310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような個人認証処理を行うに際し、画像データ中の顔の大きさ、顔の向き及び顔の明るさ等の要因で類似度が変動し、あるフレームでは正しく認証できるが次のフレームでは誤認証することがある。また、認証を行わないフレームで顔検出や被写体追尾を用いて認証した顔を追跡する際、誤って追跡することも考えられるため、一度認証された顔も定期的に認証を繰り返すことが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、一時的な類似度の変動で被写体が正しく認証されなくなることを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の被写体認証装置は、画像データから第1の被写体領域を検出する検出手段と、被写体が認証済みの第2の被写体領域の、前記画像データより過去の画像データからの経時的な変化を追跡する追跡手段と、前記第1の被写体領域から被写体の第1の特徴情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記第1の特徴情報と記憶手段において予め記憶される第2の特徴情報とを比較し、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との類似度を算出する第1の算出手段と、前記第1の被写体領域に対応する前記第2の被写体領域が前記追跡手段により追跡されているか否かに応じて異なる閾値を設定する設定手段と、前記第1の算出手段により算出された類似度と前記設定手段により設定された閾値との比較結果に応じて、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との一致性を認証する認証手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、既に認証済みの被写体の被写体領域が追跡されており、その被写体領域の被写体が認証中の被写体と同一らしいときに、一時的な類似度の変動で被写体が正しく認証されなくなることを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る個人認証機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る撮像装置による個人認証処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る撮像装置による相関値算出方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る撮像装置による閾値設定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る個人認証機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示す撮像装置は、撮影して得られた画像データから特定の被写体領域として人物の顔を検出し、この顔の特徴情報を抽出して、その顔が誰であるかを識別する個人認証を行う機能を有する。なお、本実施形態に係る撮像装置は、本発明の被写体認証装置の適用例となる構成である。
【0010】
図1において、101は撮像レンズである。102はフォーカスレンズである。本実施形態に係る撮像装置は、フォーカスレンズ102を制御することにより、撮像される被写体の合焦状態を制御することが可能に構成されている。103は撮像レンズ101を通過した被写体の光束を光電変換し、電気信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子である。104は撮像素子103から出力されたアナログの画像信号にクランプ処理、ゲイン処理等を行い、ディジタル信号である画像データに変換するA/D変換部である。105はディジタル信号処理部であり、A/D変換部104からの画像データに対して予め定められた画素補間処理や色変換処理を実行する。ディジタル信号処理部105で信号処理された画像データは記録再生部106に供給され、光ディスク記録媒体、半導体記録媒体等、各種のユーザの要求で取り外し可能な記録媒体107に記録される。また、画像データは表示制御部108に送られ、表示装置109での画像データの表示が制御される。
【0011】
110はシステム制御部である。システム制御部110は、基本的に撮像装置全体の動作を制御するものであって、通常内部にCPUを備える。例えば、システム制御部110は、撮像して得られる画像データを用いて予め定められた演算処理を実行し、その演算結果に基づいて、焦点制御部111及び露出制御部112を制御する。この制御により、焦点制御部111はフォーカスレンズ102に対して自動焦点制御(AF)を実行し、露出制御部112は撮像レンズ101内の絞り及びシャッタ、さらには撮像素子103の電子シャッタに対して自動露出制御(AE)を実行する。
【0012】
113は顔検出部である。顔検出部113は、撮像する画像データに含まれる被写体から、目、口等のエッジを検出して人物の顔の特徴部分を検出する。即ち、顔検出部113は、顔が占める画像データの領域(顔位置と顔の大きさ)、顔の確からしさ(顔信頼度)から、その画像領域のデータを顔画像データとして検出する顔検出処理や識別処理を実行する。さらに顔検出部113は、検出した顔画像データの数も同時に検出する。顔検出処理は、個人認証のように個人別に参照用データを蓄積しておく必要がないため、個人認証と比較して十分に早く処理を完了させることが可能である。
【0013】
114は顔追跡処理部であり、顔検出部113で検出された顔画像データから抽出可能な情報を用いて、タイミングの異なる画像フレーム間で同じ人物の顔の経時的な変化を追跡する。顔追跡処理部114の機能の詳細については後述する。
【0014】
115は特徴情報抽出処理部であり、顔検出部113で検出された顔画像データと、個人認証用に登録された人物の顔画像データとから、個人認証の際に用いられる特徴情報を抽出する。116は特徴情報記憶部であり、個人認証用に登録された人物の顔画像データから特徴情報抽出処理部115で抽出された特徴情報を記憶する。なお、特徴情報抽出処理部115によって抽出される特徴情報は、本発明の第1の特徴情報の例であり、特徴情報記憶部116において記憶される特徴情報は、本発明の第2の特徴情報の例である。
【0015】
117は類似度算出処理部であり、特徴情報記憶部116において記憶されている少なくとも一人の顔画像データの特徴情報と、特徴情報抽出処理部115で抽出された顔画像データの特徴情報とを比較し、その比較結果である類似度を算出する。
【0016】
なお、特徴情報抽出処理部115で抽出される特徴情報には、例えば目、鼻、口及び顔の輪郭といった物理的な形状の特徴や各々の相対位置を示す情報を用いることができる。類似度算出処理部117は、これらの特徴情報でパターンマッチングを行い、特徴情報記憶部116において特徴情報が記憶されている顔画像データと、特徴情報抽出処理部115で特徴情報が抽出された顔画像データとがどれくらい似ているかを表す値(類似度)を算出する。
【0017】
118は相関値算出処理部であり、顔検出部113で検出された顔画像データから抽出可能な情報を用いて顔画像データの相関を示す相関値を算出する。119は閾値決定部であり、相関値算出処理部118により算出された相関値に応じて閾値を決定する。120は認証判定部であり、類似度算出処理部117によって算出された類似度と、相関値算出処理部118により算出された相関値に応じて閾値決定部119で決定された閾値とを比較する。類似度が閾値以上である場合、認証判定部120は、類似度算出に用いられた2つの顔画像データの顔の一致性を判定することにより、当該2つの顔データが同一の人物のものであるかの認証を実行する。相関値算出処理部118及び閾値決定部119の詳細については後述する。
【0018】
なお、図1に示す撮像装置の構成は飽くまでも一例であり、以下に説明する動作を実行できるのであれば、本発明を適用可能な撮像装置の構成は図1に示す構成に限定されるものではない。また、図1において、顔検出部113は本発明の検出手段の適用例となる構成である。顔追跡処理部114は本発明の追跡手段の適用例となる構成である。特徴情報抽出処理部115は本発明の抽出手段の適用例となる構成である。類似度算出処理部117は本発明の第1の算出手段の適用例となる構成である。閾値決定部119は本発明の設定手段の適用例となる構成である。認証判定部120は本発明の認証手段の適用例となる構成である。相関値算出処理部118は本発明の第2の算出手段の適用例となる構成である。
【0019】
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置による個人認証処理を、図2に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図2においては、処理開始後のステップS201において、顔検出部113は、現在の画像フレームt+kの画像データに対して顔検出処理を実行する。続くステップS202において、顔追跡処理部114は、過去の画像フレームで認証に成功した顔の追跡処理を実行する。即ちステップS202において、顔追跡処理部114は、画像フレームt+k−1まで追跡中の顔がある場合、又は、画像フレームt+k−1で認証に成功した顔がある場合、ステップS201で検出された顔の中から追跡中の顔、又は、画像フレームt+k−1で認証に成功した顔と同一の人物であると判断できる顔を検出し、その顔を追跡結果とする。なお、顔追跡処理部114の追跡処理の例としては、タイミングの異なる画像フレームにおいて顔検出部113によって検出された顔の位置座標の距離が最も近いものを同一の人物とみなして追跡する方法がある。また、他の追跡処理の例として、タイミングの異なる画像フレームにおいて顔検出部113によって検出された顔を含む領域の輝度や色情報の類似度が最も高いものを同一の人物であるとみなして追跡を行う方法も考えられる。
【0020】
続くステップS203において、特徴情報抽出処理部115は、ステップS201で検出された顔のうち、今認証を行う顔F[t+k]の顔画像データから認証に用いられる特徴情報を抽出する。続くステップS204において、類似度算出処理部117は、ステップS203で抽出された顔F[t+k]の特徴情報と特徴情報記憶部116に記憶されている登録者の特徴情報とを比較し、その比較結果である類似度を算出する。すなわち、ステップS203で抽出された顔F[t+k]と、特徴情報記憶部116に特徴情報が記憶されている登録者に対応する顔の、類似度を算出している。続くステップS205において、顔追跡処理部114は、過去の画像フレーム(例えば、画像フレームt)において認証に成功し、その認証に成功した顔が現在の画像フレームt+kまで追跡できているかどうかを判断する。過去の画像フレームで認証に成功した顔が現在の画像フレームt+kまで追跡できている場合、ステップS206に進む。ステップS206において、認証を行う顔である顔F[t+k]と過去の画像フレームtで認証に成功した顔F[t]を現在の画像フレームt+kで追跡している顔とでマッチングを実行する。即ちステップS206において、類似度算出処理部117は、顔F[t+k]と顔F[t]を顔追跡処理部114で追跡している顔とが同一の顔であるかを判定する。この場合、顔F[t+k]の位置座標と顔F[t]を追跡した結果の顔の位置座標とが等しい場合に同一の顔であると判定される。顔F[t+k]と顔F[t]を顔追跡処理部114で追跡している顔とが同一の顔であると判定された場合、ステップS207に進み、顔F[t+k]と顔F[t]の相関が調べられる。なお、顔F[t+k]の顔画像データは本発明における第1の被写体領域の例であり、顔F[t]の顔画像データは本発明における第2の被写体領域の例である。
【0021】
ステップS207において、相関値算出処理部118は、顔F[t+k]と顔F[t]との相関値を算出する。ここで、2つの顔の相関値について図3を用いて詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る撮像装置による相関値算出方法を説明するための図である。図3の例では、相関値として顔の移動した距離を用いる場合について説明する。図3に示すように、画像フレームt+kの顔画像データから顔F[t+k]の中心位置座標(x[t+k],y[t+k])、画像フレームtの顔画像データから顔F[t]の中心位置座標(x[t],y[t])が取得できる。相関値Cは相関値算出処理部118によって算出されるが、例えば、顔F[t]から顔F[t+k]までの移動した距離(移動量)から式1のようにして算出される。
【0022】
【数1】

【0023】
なお、上記の計算式は飽くまでも一例であり、ここで重要なことは、2つの顔画像データの相関値Cを得ることである。従って、2つの顔画像データの相関値Cが得られるのであれば、上述したパラメータや計算式以外でも使用可能である。当然のことながら、相関値の定義の仕方によってもパラメータや計算式は異なる場合があり得る。即ち、図3に示すように顔F[t+k]の顔画像からは、顔の大きさFS[t+k]、顔領域の平均画素値I[t+k]、顔領域の平均輝度値Y[t+k]等の情報が取得できる。また、同様に顔F[t]の顔画像から、顔の大きさFS[t]、顔領域の平均画素値I[t]、顔領域の平均輝度値Y[t]等の情報が取得できる。これらを用いて、例えば顔の大きさの差から式2のように相関値Cを算出することができる。
【0024】
【数2】

【0025】
また、例えば経過フレーム数(経過時間)kから式3のように相関値Cを算出することができる。
【0026】
【数3】

【0027】
また、例えば顔領域の平均画素値の差から式4のように相関値Cを算出することができる。
【0028】
【数4】

【0029】
また、例えば顔領域の平均輝度値の差から式5のように相関値Cを算出することができる。また、これら式1乃至式5で求めた中のいくつかの相関値C、あるいは、全ての相関値Cを加重加算して、最終的な相関値Cを算出することもできる。
【0030】
【数5】

【0031】
ステップS208において、認証判定部120は、ステップS207で算出された相関値Cを用いて閾値を設定する。ここで、図4を用いて閾値について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る撮像装置による閾値設定方法を説明するための図である。閾値THは認証の判定に用いられる値であり、認証では類似度算出処理部117で算出された類似度が閾値以上である場合に認証成功と判定される。閾値は予め認証判定部120によって所定の値TH=th1に設定されているが、図4に示すようにステップS207で算出された相関値Cの値に応じて、C>c2の場合、TH=th2のように閾値を低く設定することができる。即ち、顔F[t]と顔F[t+k]との相関が高く、認証を行う顔が認証している顔と同一の顔らしいと判断した場合、閾値を通常の値より低く設定することで認証が成功し易くなるよう補正を行う。これにより、一時的な類似度の変動で被写体が正しく認証されなくなることを低減することができる。
【0032】
ステップS205において、過去の画像フレームtにおいて認証に成功し、現在の画像フレームt+kまで顔追跡処理部114によって追跡されている顔が当該画像フレームt+k中に存在しないと判断された場合、処理はステップS209に進む。また、ステップS205において、過去の画像フレームtにおいて認証に成功し、現在の画像フレームt+kまで顔追跡処理部114によって追跡している顔が当該画像フレームt+k中に存在すると判断され、且つ、ステップS206において、顔F[t]と顔F[t+k]を顔追跡処理部114で追跡している顔とが同一の顔ではないと判断された場合、処理はステップS209に進む。ステップS209において、認証判定部120は、閾値を予め設定されている所定の値th1に設定してリセットし、ステップS210に進む。
【0033】
ステップS210において、認証判定部120は、ステップS204にて類似度算出処理部117で算出された類似度とステップS208で決定された閾値THとを比較する。類似度が閾値TH以上である場合、処理はステップS211に進む。ステップS211において、システム制御部110は、認証に成功した結果として、例えば表示装置109において個人認証に成功していることを示す顔枠を表示する。この場合、以後のフレームで顔F[t+k]が顔追跡処理部114により追跡されることとなる。一方、類似度が閾値TH未満の場合、処理はステップS212に進む。ステップS212において、システム制御部110は、認証に失敗した結果として、例えば表示装置109において個人認証成功時とは異なる顔枠を表示する。
【0034】
以上説明した処理により、本実施形態においては、既に認証済みの顔が追跡されており、その顔が認証中の顔と同一の人物らしいときに、一時的な類似度の変動で被写体が正しく認証されなくなることを低減することができる。
【0035】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0036】
110:システム制御部、113:顔検出部、114:顔追跡処理部、115:特徴情報抽出処理部、116:特徴情報記憶部、117:類似度算出処理部、118:相関値算出処理部、119:閾値決定部、120:認証判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから第1の被写体領域を検出する検出手段と、
被写体が認証済みの第2の被写体領域の、前記画像データより過去の画像データからの経時的な変化を追跡する追跡手段と、
前記第1の被写体領域から被写体の第1の特徴情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記第1の特徴情報と記憶手段において予め記憶される第2の特徴情報とを比較し、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との類似度を算出する第1の算出手段と、
前記第1の被写体領域に対応する前記第2の被写体領域が前記追跡手段により追跡されているか否かに応じて異なる閾値を設定する設定手段と、
前記第1の算出手段により算出された類似度と前記設定手段により設定された閾値との比較結果に応じて、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との一致性を認証する認証手段とを有することを特徴とする被写体認証装置。
【請求項2】
前記第1の被写体領域と前記第2の被写体領域との相関値を算出する第2の算出手段を更に有し、
前記設定手段は、前記相関値に応じて、前記第2の被写体領域が前記追跡手段によって追跡されている場合における閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の被写体認証装置。
【請求項3】
前記第2の算出手段は、前記画像データにおける前記第1の被写体領域の位置と前記過去の画像データにおける前記第2の被写体領域の位置との移動量に基づいて、前記相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の被写体認証装置。
【請求項4】
前記第2の算出手段は、前記第1の被写体領域の大きさと前記第2の被写体領域の大きさとの差に基づいて、前記相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の被写体認証装置。
【請求項5】
前記第2の算出手段は、前記過去の画像データから前記画像データまでの経過時間に基づいて、前記相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の被写体認証装置。
【請求項6】
前記第2の算出手段は、前記第1の被写体領域の色と前記第2の被写体領域の色との差に基づいて、前記相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の被写体認証装置。
【請求項7】
前記第2の算出手段は、前記第1の被写体領域の輝度と前記第2の被写体領域の輝度との差に基づいて、前記相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の被写体認証装置。
【請求項8】
前記被写体領域は、顔を含む領域であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の被写体認証装置。
【請求項9】
被写体認証装置による被写体認証方法であって、
画像データから第1の被写体領域を検出する検出ステップと、
被写体が認証済みの第2の被写体領域の、前記画像データより過去の画像データからの経時的な変化を追跡する追跡ステップと、
前記第1の被写体領域から被写体の第1の特徴情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第1の特徴情報と記憶手段において予め記憶される第2の特徴情報とを比較し、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との類似度を算出する算出ステップと、
前記第1の被写体領域に対応する前記第2の被写体領域が前記追跡ステップにより追跡されているか否かに応じて異なる閾値を設定する設定ステップと、
前記算出ステップにより算出された類似度と前記設定ステップにより設定された閾値との比較結果に応じて、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との一致性を認証する認証ステップとを含むことを特徴とする被写体認証方法。
【請求項10】
画像データから第1の被写体領域を検出する検出ステップと、
被写体が認証済みの第2の被写体領域の、前記画像データより過去の画像データからの経時的な変化を追跡する追跡ステップと、
前記第1の被写体領域から被写体の第1の特徴情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第1の特徴情報と記憶手段において予め記憶される第2の特徴情報とを比較し、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との類似度を算出する算出ステップと、
前記第1の被写体領域に対応する前記第2の被写体領域が前記追跡ステップにより追跡されているか否かに応じて異なる閾値を設定する設定ステップと、
前記算出ステップにより算出された類似度と前記設定ステップにより設定された閾値との比較結果に応じて、前記第1の特徴情報に対応する被写体と前記第2の特徴情報に対応する被写体との一致性を認証する認証ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−159030(P2011−159030A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18948(P2010−18948)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】