説明

赤外および2重モードディスプレイ

本発明の1つの態様は、赤外範囲内の第1波長の光および可視スペクトル内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素(102)を備えるディスプレイ(100)に関する。本発明の別の態様は、少なくとも3つの反射性ディスプレイ要素(104、106、108)を備えるカラーディスプレイ(100)に関する。各ディスプレイ要素(104、106、108)は、可視範囲内の異なる波長の光を選択的に反射するように構成される。3つの反射性ディスプレイ要素(104、106、108)の少なくとも1つの反射性ディスプレイ要素はさらに、赤外範囲内の波長の光を選択的に反射するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(microelectromechanical system)(MEMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータおよび電子部品を含む。微小機械要素は、堆積、エッチング、ならびに/または、基材および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかあるいは電気デバイスおよび電気機械デバイスを形成するために層を追加する他の微小機械加工プロセスを使用して作られることができる。1つのタイプのMEMSデバイスは、干渉変調器と呼ばれる。本明細書で使用されるように、干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光干渉の原理を使用して、光を選択的に吸収するかつ/または反射するデバイスを指す。いくつかの実施形態では、干渉変調器は、1対の導電性板を備えてもよく、導電性板の一方または両方は、全体的にまたは部分的に透過性かつ/または反射性であってもよく、適切な電気信号の印加によって相対運動が可能である。特定の実施形態では、一方の板は、基材上に堆積された固定層を備えてもよく、他の板は、空気ギャップによって固定層から分離された金属膜を備えてもよい。本明細書でより詳細に述べるように、一方の板の別の板に対する位置は、干渉変調器に入射する光の光干渉を変化させ得る。こうしたデバイスは、広い範囲の用途があり、また、既存の製品を改良し、未だ開発されていない新しい製品を作るときにその特徴が活用され得るように、これらのタイプのデバイスの特性を利用しかつ/または修正することが、当技術分野で有利となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のシステム、方法およびデバイスはそれぞれ、いくつかの態様を有し、その態様のうちのどの1つも、単独ではその望ましい属性のもとにならない。本発明の範囲を制限することなく、本発明のより目立った特徴が、ここで簡潔に説明されるであろう。この説明を考慮した後、また特に「いくつかの実施形態の詳細な説明(Detailed Description of Certain Embodiments)」という名称のセクションを読んだ後に、本発明の特徴が、他のディスプレイデバイスに比べてどのように利点を提供するかが理解されるであろう。
【0004】
一態様では、ディスプレイが開示される。ディスプレイは、赤外範囲内の第1波長の光および可視範囲内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素を備える。
【0005】
別の態様では、カラーディスプレイが開示される。ディスプレイは、少なくとも3つの反射性ディスプレイ要素を備える。各ディスプレイ要素は、可視範囲内の異なる波長の光を選択的に反射するように構成される。3つの反射性ディスプレイ要素の少なくとも1つの反射性ディスプレイ要素はさらに、赤外範囲内の波長の光を選択的に反射するように構成される。
【0006】
別の態様では、ディスプレイが開示される。ディスプレイは、可視範囲内の波長の光および赤外範囲内の波長の光を選択的に反射する手段を備える。ディスプレイはさらに、反射する手段に少なくとも1つの信号を送出する手段を備える。
【0007】
別の態様では、ディスプレイを動作させる方法が開示される。方法は、ディスプレイを可視モードから赤外モードへ切換えるステップを含む。方法はさらに、赤外モードに関連するスキームによってディスプレイを駆動するステップを含む。
【0008】
別の態様では、ディスプレイを作製する方法が開示される。方法は、赤外範囲内の第1波長の光および可視範囲内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素を作製するステップを含む。
【0009】
別の態様では、ディスプレイが開示される。ディスプレイは、波長の第1範囲および波長の第2範囲の光を選択的に反射するように構成される第1ディスプレイ要素を備え、第1範囲および第2範囲はそれぞれ、紫外スペクトル、可視スペクトル、または赤外スペクトルの1つのスペクトル内にある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1干渉変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、第2干渉変調器の可動反射層が作動位置にある、干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組込む電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の1つの例示的な実施形態についての、可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するのに使用されてもよい行電圧および列電圧のセットの図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイ内のディスプレイデータの1つの例示的なフレームを示す図である。
【図5B】図5Aのフレームに書込むのに使用されてもよい行信号および列信号についての、1つの例示的なタイミング図である。
【図6A】複数の干渉変調器を備える視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備える視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の別の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器のなお別の代替の実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器のさらなる代替の実施形態の断面図である。
【図8】可視スペクトルとIRスペクトルの両方において可視の2色ディスプレイ100の一実施形態を示す図である。
【図9】約480nmの明状態光学ギャップ長を有する例示的な干渉変調器のスペクトル応答を示す図である。
【図10】別の例示的な干渉変調器のスペクトル応答を示す図である。
【図11】可視スペクトルとIRスペクトルの両方において可視のカラーディスプレイ100の一実施形態を示す図である。
【図12】本明細書で述べるディスプレイにおいて赤外画像を表示する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図13】IRモードと可視スペクトルモードとの間でディスプレイを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態を対象とする。しかし、本発明は、複数の異なる方法で具現化され得る。本説明では、同じ部品が全体を通して同じ数字で指定される図面に対して参照が行われる。以下の説明から明らかになるように、実施形態は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、また、テキストであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成されている任意のデバイスにおいて実施されてもよい。より詳細には、実施形態は、限定はしないが、移動体電話、無線デバイス、携帯情報端末(PDA)、手持ち式または可搬型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、クロック、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(たとえば、車両のリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたはサイン、投影器、建築構造、パッケージングおよび美的構造(たとえば、一個の宝石上への画像の表示)などの種々の電子デバイス内で、または、それに関連して実施されてもよいことが考えられる。本明細書で述べる構造と類似の構造のMEMSデバイスはまた、電子スイッチングデバイスなどの非ディスプレイ用途で使用され得る。
【0012】
いくつかの実施形態は、可視スペクトルおよび赤外(IR)スペクトルの両方において反射性のディスプレイを提供する。ディスプレイは、1つまたは複数の干渉変調器を備えてもよい。一実施形態では、ディスプレイは、2つのモード、すなわち、可視モードおよび赤外モードで使用可能である。ディスプレイはさらに、これら2つのモード間切換える機構を備えてもよい。図1〜7は、干渉ディスプレイを示し、図8〜13は、可視スペクトルおよびIRスペクトルの両方において反射性の干渉ディスプレイを示す。
【0013】
干渉MEMSディスプレイ要素を備える1つの干渉変調器ディスプレイの実施形態は、図1に示される。これらのデバイスでは、画素は、明状態かまたは暗状態にある。明(「オン」または「オープン」)状態では、ディスプレイ要素は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(「オフ」または「クローズ」)状態にあるとき、ディスプレイ要素は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に応じて、「オン」状態および「オフ」状態の光反射特性が逆になってもよい。単一カラー(または、波長)を、オープン状態またはクローズ状態のそれぞれでレンダリングすることが可能な同一画素で構成されたディスプレイは、2色ディスプレイ(たとえば、黒/黄ディスプレイまたは赤/緑ディスプレイ)として知られている。MEMS画素は、選択されたカラーにおいて主として反射するように構成され得、2色ディスプレイに加えてカラーディスプレイを可能にする。同様に、MEMS画素は、IRディスプレイまたはIR波長と可視波長の両方で動作することが可能なディスプレイなどのために、不可視波長または波長の組合せにおいて主として反射するように構成され得る。
【0014】
図1は、各画素がMEMS干渉変調器を備える視覚ディスプレイの一連の画素内の2つの隣接画素を示す等角図である。一部の実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これらの干渉変調器の行/列アレイを備える。各干渉変調器は、少なくとも1つの可変寸法を有する共振光学ぶギャップを形成するために、互いから可変でかつ制御可能な距離に配置された1対の反射層を含む。一実施形態では、反射層の一方は、2つの位置の間で移動してもよい。本明細書で弛緩位置と呼ばれる第1位置では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的遠い距離に配置される。本明細書で作動位置と呼ばれる第2位置では、可動反射層は、部分反射層によりピッタリ隣接して配置される。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて建設的にまたは破壊的に干渉し、各画素について全体的な反射状態または非反射状態を生成する。2つの層間のギャップは、最大反射の波長をある程度確定する。ギャップは、調波的に関連する複数の応答を生成する可能性がある。本明細書で使用されるように、建設的干渉反射最大がそれについて生成される最も長い波長は、1次応答として、または、可視反射の場合、1次カラーとして知られる。1次応答の波長の1/2における建設的干渉反射最大は、2次応答として知られ、1次応答の波長の1/3、1/4、またはそれ以上について、3次応答、4次応答などとして知られる。干渉変調器ディスプレイは、1次応答の波長に応じて、いくつかの同時の反射最大(一部の最大は可視波長内に、一部の最大は不可視波長内にある)を有するようにデザインされてもよい。
【0015】
図1の画素アレイの示す部分は、2つの隣接する干渉変調器12aおよび12bを含む。左の干渉変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む光スタック16aから所定距離の弛緩位置にある状態で示される。右の干渉変調器12bでは、可動反射層14bは、光スタック16bに隣接する作動位置にある状態で示される。
【0016】
本明細書で参照される、(集合的に、光スタック16と呼ばれる)光スタック16aおよび16bは、通常、いくつかの溶融層を備え、溶融層は、酸化インジウム錫(ITO)などの電極層、クロムなどの部分反射層および透明誘電体を含み得る。そのため、光スタック16は、導電性があり、部分的に透明あり、部分的に反射性があり、たとえば上記層の1つまたは複数を透明基材20上に堆積することによって作製されてもよい。部分反射層は、種々の金属、半導体および誘電体などの部分的に反射性がある種々の材料から形成され得る。部分反射層は、1つまたは複数の材料層で形成され、層はそれぞれ、単一材料または材料の組合せで形成され得る。
【0017】
一部の実施形態では、光スタック16の層は、平行ストリップにパターニングされ、以下でさらに述べるように、ディスプレイデバイス内に行電極を形成してもよい。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上部およびポスト18間に堆積される介在する犠牲材料上に堆積される列を形成するために、(16a、16bの行電極に垂直な)1つまたは複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして形成されてもよい。犠牲材料がエッチング除去されると、可動反射層14a、14bは、画定されたギャップ19によって光スタック16a、16bから分離される。アルミニウムなどの導電性が高くかつ反射性が大きい材料が、反射層14のために使用されてもよく、これらのストリップは、ディスプレイデバイスの列電極を形成してもよい。
【0018】
電圧が印加されない場合、ギャップ19は、可動反射層14aと光スタック16aとの間に留まり、そのとき、可動反射層14aは、図1の画素12aで示すように、機械的に弛緩状態にある。しかし、選択された行および列に電位差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差部に形成されたキャパシタが充電され、静電力が電極を共に引寄せる。電圧が十分に高い場合、可動反射層14は、変形し、光スタック16に押しつけられる。光スタック16内の誘電性層(この図では示さず)は、短絡を防止し、図1の右の画素12bで示すように、層14と16との間の分離距離を制御してもよい。挙動は、印加される電位差の極性によらず同じである。こうして、反射画素状態対非反射画素状態を制御し得る行/列作動は、従来のLCDおよび他のディスプレイ技術で使用される行/列作動と多くの点で類似する。
【0019】
図2〜5Bは、ディスプレイ用途において干渉変調器のアレイを使用する1つの例示的なプロセスおよびシステムを示す。
【0020】
図2は、本発明の態様を組込んでもよい電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態では、電子デバイスは、プロセッサ21を含み、プロセッサ21は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)またはALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルチップまたはマルチチップマイクロプロセッサ、あるいは、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラまたはプログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサであってよい。当技術分野で慣例であるように、プロセッサ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成されてもよい。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、emailプログラムまたは任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてもよい。
【0021】
一実施形態では、プロセッサ21はまた、アレイドライバ22と通信するように構成される。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイまたはパネル30に信号を供給する行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を含む。図1に示すアレイの断面は、図2のライン1-1によって示される。MEMS干渉変調器の場合、行/列作動プロトコルは、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用してもよい。干渉変調器は、可動層が弛緩状態から作動状態に変形するようにさせるために、たとえば10ボルト電位差を必要とする可能性がある。しかし、電圧がその値から減少すると、電圧が10ボルト未満に低下するため、可動層はその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に低下するまで、完全には弛緩しない。そのため、図3に示す例では、デバイスが、その中で弛緩状態または作動状態で安定である、印加電圧の窓、約3〜7Vが存在する。これは、本明細書では、「ヒステリシス窓(hysteresis window)」または「安定性窓(stability window)」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、行/列作動プロトコルは、行ストローブ中に、作動されるはずのストローブされた行の画素が、約10ボルトの電圧差にさらされ、弛緩されるはずの画素が、ゼロボルトに近い電圧差にさらされるようにデザインされ得る。ストローブ後、行ストローブが画素をどの状態に置こうともその状態に画素が留まるように、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。書込まれた後、各画素は、この例では、3〜7ボルトの「安定性窓」内の電位差を経験する。この特徴は、前もって存在する作動または弛緩の状態における同じ印加電圧条件下で、図1に示す画素デザインを安定にさせる。干渉変調器の各画素が、作動状態であれ、弛緩状態であれ、本質的に固定反射層と移動反射層によって形成されるキャパシタであるため、この安定状態は、電力消費がほとんど全くない状態で、ヒステリシス窓内の電圧に保持され得る。本質的に、印加電位が一定である場合、電流は画素内に流れない。
【0022】
通常の用途では、ディスプレイフレームは、第1行内の作動画素の所望のセットに従って列電極のセットをアサートすることによって作られてもよい。行パルスが、次に、行1電極に印加され、アサートされた列線に相当する画素を作動する。列電極のアサートされたセットは、次に、第2行内の作動画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスは、次に、行2電極に印加され、アサートされた列電極に従って行2の適切な画素を作動する。行1の画素は、行2パルスによって影響を受けず、行1パルス中にセットされた状態のまま留まる。これは、フレームを生成するために、逐次方式で行の全シリーズについて繰返されてもよい。一般に、フレームは、1秒当たりある所望のフレーム数でこのプロセスを連続して繰返すことによって、リフレッシュされかつ/または新しいディスプレイデータで更新される。ディスプレイフレームを生成するための、画素アレイの行および列電極を駆動するいろいろなプロトコルが、同様によく知られており、また、本発明と関連して使用されてもよい。
【0023】
図4、5A、および5Bは、図2の3×3アレイに関するディスプレイフレームを作るための1つの考えられる作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素について使用されてもよい列および行電圧レベルの考えられるセットを示す。図4の実施形態では、画素を作動させることは、適切な列を-Vbiasに、適切な行を+ΔVにセットすることを含み、これらは、それぞれ、-5ボルトおよび+5ボルトに相当してもよい。画素を弛緩させることは、適切な列を+Vbiasに、適切な行を同じ+ΔVにセットすることによって達成され、画素にわたるゼロボルト電位差を生成する。行電圧がゼロボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbiasであるか、または、-Vbiasであるかによらず、画素は、画素が元々どの状態にあってもその状態で安定である。図4に同様に示すように、上述した電圧と逆極性の電圧が使用され得る、たとえば、画素を作動させることが、適切な列を+Vbiasに、適切な行を-ΔVにセットすることを含み得ることが理解されるであろう。この実施形態では、画素をリリースすることは、適切な列を-Vbiasに、適切な行を同じ-ΔVにセットし、画素にわたってゼロボルト電位差を生成することによって達成される。
【0024】
図5Bは、作動画素が非反射性である図5Aに示すディスプレイ配置構成をもたらすことになる図2の3×3アレイに印加される一連の行および列信号を示すタイミング図である。図5Aに示すフレームを書込む前に、画素は、任意の状態であり得、この例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧によって、全ての画素が、既存の作動状態または弛緩状態で安定である。
【0025】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)および(3,3)が作動される。これを達成するために、行1用の「線時間(line time)」中に、列1および2が-5ボルトにセットされ、列3が+5ボルトにセットされる。これは、全ての画素が3〜7ボルト安定性窓内に留まるため、いずれの画素の状態も変更しない。行1は、次に、0から5ボルトまで上がり、再びゼロに下がるパルスでストローブされる。これは、(1,1)および(1,2)画素を作動し、(1,3)画素を弛緩させる。アレイ内の他の画素は影響を受けない。行2を所望の状態にセットするために、列2が-5ボルトにセットされ、列1および3が+5ボルトにセットされる。次に、行2に印加される同じストローブが、画素(2,2)を作動し、画素(2,1)および画素(2,3)を弛緩させることになる。やはり、アレイの他の画素は影響を受けない。行3は、列2および3を-5ボルトにセットし、列1を+5ボルトにセットすることによって同様にセットされる。行3ストローブは、図5Aに示すように行3の画素をセットする。フレームに書込んだ後、行電位はゼロであり、列電位は+5または-5ボルトに留まることができ、ディスプレイは、そのため、図5Aの配置構成において安定である。同じプロシジャ(procedure)が、何十または何百もの行および列のアレイについて使用され得ることが理解されるであろう。行および列作動を実施するのに使用されるタイミング、シーケンスおよび電圧レベルは、先に概説した一般的な原理内で幅広く変わり得、上記例は例示に過ぎず、本明細書で述べるシステムおよび方法に関して任意の作動電圧法が使用され得ることが理解されるであろう。
【0026】
図6Aおよび6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、携帯電話または移動体電話であり得る。しかし、ディスプレイデバイス40の同じコンポーネントまたはそのわずかの変形体もまた、テレビおよび可搬型メディアプレーヤなどの種々のタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0027】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、一般に、射出成形および真空成形を含む、当業者によく知られている種々の製造プロセスの任意のプロセスから形成される。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミックまたはそれらの組合せを含む種々の材料の任意の材料から作られてもよい。一実施形態では、ハウジング41は、異なるカラーの他の取外し可能部分と交換されてもよい、または、異なるロゴ、絵またはシンボルを含む取外し可能部分(図示せず)を含む。
【0028】
例示的なディスプレイデバイス40のディプレイ30は、本明細書で述べるように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイの任意のディスプレイであってよい。他の実施形態では、ディプレイ30は、上述したように、プラズマ、EL、OLED、STN LCDまたはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、あるいは、当業者によく知られているように、CRTまたは他の真空管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を述べる目的で、ディプレイ30は、本明細書で述べるように、干渉変調器ディスプレイを含む。
【0029】
例示的なディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントは、図6Bに概略的に示される。示す例示的なディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、また、ハウジング41内に少なくとも部分的に閉囲されるさらなるコンポーネントを含み得る。たとえば、一実施形態では、例示的なディスプレイデバイス40は、送受信機47に結合するアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含む。送受信機47は、コンディショニングハードウェア52に接続されるプロセッサ21に接続される。コンディショニングハードウェア52は、信号を調節する(たとえば、信号をフィルタリングする)ように構成されてもよい。コンディショニングハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21はまた、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次いでディスプレイアレイ30に結合される。電源50は、特定の例示的なディスプレイデバイス40のデザインによる要求に応じて全てのコンポーネントに電力を供給する。
【0030】
ネットワークインタフェース27は、アンテナ43および送受信機47を含むため、例示的なディスプレイデバイス40は、ネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信し得る。一実施形態では、ネットワークインタフェース27はまた、プロセッサ21の要求を軽減するためのある程度の処理能力を有してもよい。アンテナ43は、信号を送受信するための当業者に知られている任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)または(g)を含むIEEE 802.11規格に従ってRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナは、CDMA信号、GSM信号、AMPS信号、または無線携帯電話ネットワーク内で通信するのに使用される他の知られている信号を受信するようデザインされる。送受信機47は、アンテナ43から受信される信号が、プロセッサ21によって受信されさらに操作されるように、信号を前処理する。送受信機47はまた、プロセッサ21から受信される信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイデバイス40から送信されるように信号を処理する。
【0031】
代替の実施形態では、送受信機47は受信機で置換えられ得る。なお別の代替の実施形態では、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に送出される画像データを格納するかまたは生成し得る画像源で置換えられ得る。たとえば、画像源は、画像データを収容するデジタルビデオディスク(DVD)またはハードディスクドライブあるいは画像データを生成するソフトウェアモジュールであり得る。
【0032】
プロセッサ21は、一般に、例示的なディスプレイデバイス40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインタフェース27または画像源から圧縮画像データなどのデータを受信し、データを処理して、未処理画像データに、または、未処理画像データになるように容易に処理されるフォーマットにする。プロセッサ21は、次に、処理済みデータを、ドライバコントローラ29にまたは格納のためにフレームバッファ28に送出する。未処理データは、通常、画像内の各ロケーションにおいて画像特性を識別する情報を指す。たとえば、こうした画像特性は、カラー、飽和度およびグレースケールレベルを含み得る。
【0033】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロコントローラ、CPUまたはロジックユニットを含む。コンディショニングハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送信し、マイクロフォン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、例示的なディスプレイデバイス40内のディスクリートコンポーネントであってよく、または、プロセッサ21または他のコンポーネント内に組込まれてもよい。
【0034】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された未処理画像データを、プロセッサ21から直接、または、フレームバッファ28から取得し、未処理画像データを、アレイドライバ22への高速伝送のために適切にリフォーマットする。具体的には、未処理画像データが、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに適した時間順序を有するように、ドライバコントローラ29は、未処理画像データをラスタ様のフォーマットを有するデータフローにリフォーマットする。次に、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送出する。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に連結されるが、こうしたコントローラは、多くの方法で実施されてもよい。コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋めこまれてもよく、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋めこまれてもよく、または、ハードウェアでアレイドライバ22と完全に一体化されてもよい。
【0035】
通常、アレイドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信し、ビデオデータをリフォーマットして、ディスプレイの画素のx-yマトリクスから出てくる何百もの、時として何千ものリード線に対して、1秒当たり多数回印加される波形の並列なセットにする。
【0036】
一実施形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22およびディスプレイアレイ30は、本明細書で述べるタイプのディスプレイの任意のディスプレイにとって適切である。たとえば、一実施形態では、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、干渉変調器コントローラ)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化される。こうした実施形態は、携帯電話、時計および他の小面積ディスプレイなどの高集積化システムにおいて一般的である。なお別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、通常のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0037】
入力デバイス48は、ユーザが例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にする。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチ感応スクリーンあるいは圧力感応膜または熱感応膜を含む。一実施形態では、マイクロフォン46は、例示的なディスプレイデバイス40用の入力デバイスである。マイクロフォン46が、デバイスにデータを入力するために使用されるとき、例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドが、ユーザによって提供されてもよい。
【0038】
電源50は、当技術分野でよく知られているように、種々のエネルギー貯蔵デバイスを含み得る。たとえば、一実施形態では、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能なエネルギー源、キャパシタ、または、プラスチック太陽電池を含む太陽電池、および太陽電池ペイントである。別の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を受取るように構成される。
【0039】
一部の実施形態では、制御のプログラム可能性は、上述したように、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に位置し得るドライバコントローラ内に存在する。一部の実施形態では、制御のプログラム可能性はアレイドライバ22内に存在する。上述した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントにおいて、また、種々の構成で実施されてもよいことを当業者が認識するであろう。
【0040】
上述した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は幅広く変わってもよい。たとえば、図7A〜7Eは、可動反射層14およびその支持構造の5つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、金属材料のストリップ14が、垂直に延在する支持体18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、テザー32上で、角だけで支持体に取付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、可撓性金属を含んでもよい変形可能層34から懸垂保持される。変形可能層34は、変形可能層34の外周の周りで直接的にまたは間接的に基材20に接続される。これらの接続は、本明細書で支持ポストと呼ばれる。図7Dに示す実施形態は、変形可能層34がその上に載置される支持ポストプラグ42を有する。可動反射層14は、図7A〜7Cの場合と同様に、ギャップを覆って懸垂保持されたままであるが、変形可能層34は、変形可能層34と光スタック16との間の穴を充填することによる支持ポストを形成しない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するのに使用される平坦化材料で形成される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示す実施形態に基づくが、図7A〜7Cに示す実施形態のうちの任意の実施形態ならびに図示されないさらなる実施形態と共に働くようになっていてもよい。図7Eに示す実施形態では、金属または他の導電性材料の追加の層が、バス構造44を形成するのに使用された。これは、干渉変調器の背面に沿う信号の経路指定を可能にし、普通なら基材20上に形成されなければならないいくつかの電極をなくす。
【0041】
図7に示すような実施形態では、干渉変調器は、直視デバイスとして機能し、直視デバイスでは、画像が、透明基材20の前側から観察され、その対向側には、変調器が配列される。これらの実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む、基材20と反対の反射層の側で干渉変調器の部分を光学的に遮蔽する。これは、遮蔽されるエリアが、画質に悪い影響を与えることなく、構成され、動作することを可能にする。こうした遮蔽は、図7Eのバス構造44を可能にし、これはアドレス指定およびアドレス指定から生じる運動などの変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器アーキテクチャは、変調器の電気機械的態様および光学的態様のために使用される構造デザインおよび材料が、互いに独立に選択され機能することを可能にする。さらに、図7C〜7Eに示す実施形態は、変形可能層34によって実施される、反射層14の機械特性からの反射層14の光学特性のデカップリングから引出されるさらなる利益を有する。これは、反射層14のために使用される構造デザインおよび材料が光学特性に関して最適化され、変形可能層34のために使用される構造デザインおよび材料が所望の機械特性に関して最適化されることを可能にする。
【0042】
一部の用途は、可視スペクトルとIRスペクトルの両方で観察可能な2重ディスプレイを必要とする。特定の用途に応じて、2重ディスプレイは、可視スペクトルとIRスペクトルの両方で同時に観察可能であり得るか、または、各モードでIRスペクトルおよび可視スペクトルの一方のスペクトルでだけ観察可能である2つの別個のモードで動作し得るであろう。他の用途は、IRスペクトルでだけ観察可能なディスプレイを必要としてもよい。軍事運用では、敵によって受信され得る可視光を夜間に放出しないことが重要である。昼間に可視であり、夜間にはIR撮像デバイスに対してだけ可視であるディスプレイは、夜間における可視スペクトルの光放出を回避するのに役立ち得る。可視スペクトルとIRスペクトルの両方で同時に可視であるディスプレイは、濃い煙の中でIR撮像機器を使用する消防士が、こうしたディスプレイを装備した機器を動作させるのを助ける可能性がある。
【0043】
2重ディスプレイに対するいくつかの解決策が存在するが、解決策はそれぞれ、各自の欠点を有する。1つの手法は、可視スペクトルバックライトに加えて、IRバックライトによって液晶ディスプレイ(LCD)を照明することである。しかし、LCDディスプレイは、暗状態でかなりのIRを通過させるとき、IRコントラスト比が低い。有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの発光ディスプレイにおいて、手法は、可視スペクトルLEDに加えて、各画素に付加的なIR LEDを含むことであり得る。IRおよび可視スペクトルディスプレイとして動作することが可能であるが、このデザインは、付加的なIR LEDが各画素に必要とされるため、費用がかかりかつエネルギー多消費型である。さらに、発光ディスプレイとして、このデザインは、軍事用途など、低可視発光または低IR発光が望ましい状況では、検出される可能性が高い。
【0044】
以下で述べられることになるいくつかの実施形態は、可視スペクトルとIRスペクトルの両方において反射性である干渉ディスプレイを提供する。ディスプレイは、日光の下または人工光の下にあるとき、可視スペクトルの画像を形成する可能性がある。ディスプレイは、たとえばIR光源で照射されると、IRスペクトルの画像を形成する可能性がある。異なる実施形態は、可視スペクトルおよびIRスペクトルで同時に動作可能であるか、または、2つのモードの一方のモードだけで使用可能で、各モードにおいてスペクトルの一方のスペクトルだけに対して観察可能であるディスプレイを提供し得る。これらの実施形態は、とりわけ、既存の手法に比べていくつかの利益を提供する。第1に、干渉ディスプレイは、低電力を消費する。第2に、反射性ディスプレイは、ディスプレイに入射する光を反射するだけである。これは、さらに、その秘密能力を高める。それは、IR発光ディスプレイが、暗視機器を装備した敵に対して可視である可能性がある有意のIR放射源になり得るからである。
【0045】
これらの実施形態はそれぞれ、図1に示す干渉変調器のような干渉変調器を備える。先に説明したように、干渉変調器は、明状態または暗状態にあるように構成される。明状態では、干渉変調器は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗状態にあるとき、干渉変調器は、入射可視光をほとんどユーザに反射しない。干渉変調器の反射スペクトル特性は、反射層14aと16aとの間の光学ギャップに依存する(図1を参照されたい)。光学ギャップを変更することによって、干渉変調器は、可視スペクトルとIRスペクトルの両方内の光を反射する可能性がある。
【0046】
IR画像は、IR撮像デバイスを使用して、人観測者に対して可視である。必要とされるディスプレイのIR応答は、使用されるIR撮像デバイスに応じて変わる可能性がある。通常、IR撮像システムは、2つの広いエリア、すなわち、ほぼ800〜1200nmの範囲の近IR、ならびに、ほぼ3〜5μmの範囲と8〜12μmの範囲の長波長IRに属する。近IRは、IRから可視光までの拡張型撮像システムが必要とされる場合に使用されることが多く、一方、長波長IRは、IRだけの撮像システムで使用されることが多い。
【0047】
図8は、可視スペクトルとIRスペクトルの両方において可視である2色ディスプレイ100の一実施形態を示す。ディスプレイ100は、画素102のアレイを備えてもよい。各画素102は、図1に示す干渉変調器を備える。
【0048】
干渉変調器は、暗状態において可視スペクトルおよびIRスペクトル内の入射光をほとんどユーザに反射しないように、適切な波長にセットされた暗状態の光学ギャップを有してもよい。一例では、暗状態における反射応答のピークは、紫外(UV)スペクトルに移動する。
【0049】
干渉変調器は、IR範囲内の1次明状態反射応答を有するようにセットされた明状態のその光学ギャップを有してもよく、それが、可視範囲内の高次応答をもたらす。したがって、ディスプレイは、明状態において、可視スペクトルとIRスペクトルの両方内の光を反射することになる。一実施形態では、単一可視カラーを生成するために、可視範囲内の単一の高次応答が使用される。別の実施形態では、特定の色相として共に知覚されるカラーにおいて、いくつかの高次応答が生成される。本明細書で使用するように、「色相(hue)」は、人観測者によって知覚される反射光のカラーを指す。一例では、赤、緑、および青スペクトルの同時の応答が、生成され得、白の色相として共に知覚される。
【0050】
一実施形態では、干渉変調器は、ほぼ800〜1200nmIR範囲内の1次反射応答を有するように適切な長さにセットされたその明状態光学ギャップを有し、そのため、可視範囲内の2次応答がもたらされる。2次応答のカラーは、1次反射応答が、明状態光学ギャップに応じてほぼ800〜1200nmIRにおいて変動するにつれて、可視範囲内で変動することになる。
【0051】
図9は、例示的な干渉変調器のスペクトル応答を示す。縦軸は干渉変調器の反射率を表し、一方、横軸は反射光の波長を表す。図示するように、干渉変調器は、IRスペクトル内の約1120nmにピークをもつ1次反射応答901、および、可視スペクトル内の約560nmにピークをもつ2次反射応答902を生成する。
【0052】
別の実施形態では、いくつかの高次可視スペクトル応答が結合して、単一色相として知覚される応答が生成される。図10は、別の例示的な干渉変調器のスペクトル応答を示す。縦軸は干渉変調器の反射率を表し、一方、横軸は反射光の波長を表す。図示するように、干渉変調器は、IRスペクトル内の約1900nmにピークをもつ1次反射応答102を有するようにセットされたその明状態光学ギャップを有する。これは、近IRスペクトル内にピークをもつ2次反射応答104を、また、可視スペクトル内に3次反射応答106、4次反射応答108、および5次反射応答109をもたらす。3次、4次、および5次反射応答は、白の可視色相として人観測者によって共に知覚される。IR応答の一方または両方は、特定の用途に応じて、IR画像を形成するために使用されてもよい。
【0053】
長波長1次IR応答は、明状態の光学ギャップをさらに増加させることによって生成される可能性がある。干渉変調器が、遠IRスペクトル(ほぼ3〜12μm)内にあるべき明状態のその1次反射応答を有するとき、高次応答が、近IRスペクトルおよび可視スペクトル全体を通して存在する可能性がある。
【0054】
図11は、可視スペクトルとIRスペクトルの両方において可視であるカラーディスプレイ100の一実施形態を示す。ディスプレイ100は、画素102のアレイを備えてもよい。各画素102は、3つのサブ画素104、106、および108を備える。各サブ画素は、図8〜10に関して先に説明した干渉変調器を備え、干渉変調器は、可視範囲内の異なる波長の光を選択的に反射するように構成される。本明細書で使用されるように、「波長の光を反射する(reflecting light of a wavelength)」は、1つの波長、または、ある範囲の波長の光を反射することを意味し得るであろう。画素102によって生成される色相は、各サブ画素によって反射される光のカラーおよび量によって確定されるであろう。一実施形態では、3つのサブ画素104、106、および108はそれぞれ、異なる主要なカラーにおいて近IR応答および可視応答を有する。可視スペクトルの画像を形成するとき、3つのサブ画素全てが共に使用されて、人観測者によって知覚されるのに望ましいカラーが形成される。ディスプレイのIR動作は、用途に応じて変わる。
【0055】
一実施形態では、特定のIR応答が必要とされる。これは、3つの主要なカラーの1つのカラーの高次応答にマッピングされる。たとえば、通常のIR撮像デバイスは、約900nmのIR応答を有する。約900nmの1次IR応答は、450nmの可視青応答をもたらす。この例では、サブ画素の1つのサブ画素は、900nmIR応答および450nmの可視青応答を有する。ディスプレイが、IR可視画像を表示するのに使用されるとき、可視青応答を有するサブ画素だけが、画像信号によって駆動される。必要とされるIR応答を有さない他のサブ画素は、未使用のままになる。ディスプレイは、IR撮像デバイスの単色の性質に適合するために、IRスペクトルにおける単色ディスプレイになる。ディスプレイは、2つの別個のモード、すなわち、可視スペクトルの画像を表示する可視モード、および、IRスペクトルの画像を表示するIRモードで動作してもよい。
【0056】
別の実施形態では、単色出力を有するIR撮像デバイスは、より広い範囲のIR波長を受容してもよい。その場合、その範囲に属し、したがって、使用されるIR応答を有する2つ以上のサブ画素が存在してもよい。2つ以上のサブ画素が画像信号によって駆動される場合、ディスプレイは、IRスペクトルにおいて高分解能単色ディスプレイとして動作してもよい。あるいは、さらなるサブ画素が利用されて、IR画像についてさらなるレベルのグレースケールが提供され得る。
【0057】
別の実施形態では、IR撮像デバイスは、検出される画像の各波長に偽カラーを割当てることなどによって、検出されるIRの波長に出力が依存する状態で、より広い範囲のIR波長を受容してもよい。この場合、各画素内の2つ以上のサブ画素が、撮像デバイスのIR波長検出範囲内にIR応答を有する場合、2つ以上のサブ画素が駆動されて、撮像デバイスの能力が利用されてもよい。たとえば、各画素内のサブ画素が駆動されて、それぞれのIR波長の光を反射し、IR撮像デバイスの出力として偽カラー画像を生成してもよい。
【0058】
一実施形態では、図11に関して上述したディスプレイは、2つのモード、すなわち、IRモードおよび可視スペクトルモードで動作して、代替の駆動スキームを適用してもよい。可視スペクトルモードでは、各サブ画素は、適切な駆動信号によって駆動されることになる。IRモードでは、全てのサブ画素が、特定の実施形態に応じた駆動信号によって駆動されることが必要であるわけではない。一実施形態では、サブ画素は、IRスペクトルモードにおいて、可視スペクトルモードについて使用される信号と異なる信号によって駆動される。ディスプレイは、適切な画像を生成し、電力消費を低減するために、2つのモード間を切換えるように構成されてもよい。
【0059】
別の実施形態では、サブ画素は、同じ駆動信号によって駆動されてもよい。結果として、2つのモード間の切換えは必要とされない。ディスプレイは、可視スペクトルとIRスペクトルの両方において同時に観察可能である。
【0060】
ディスプレイデバイスは、IR光によって照射されるとき、IRモードで動作する必要があるだけである。一実施形態では、ディスプレイは、到来するIR照射を検出するように構成されるIR検出器を備えてもよい。IR検出器は、フォトトランジスタおよびフォトダイオードなどの、この目的に適す任意のデバイスであってよい。IR検出器は、たとえば、ディスプレイに隣接して搭載されてもよい。可視照射に応答する第2検出器はまた、利用可能な1つまたは複数のタイプの照射に従って動作モードをセットするために、組み合わせて含まれてもよい。ディスプレイは、可視照射だけが検出される場合、可視スペクトルモードで、IR照射だけが検出される場合、IRモードで働く。ディスプレイは、あるタイプの照射の所定の密度または量が検出される場合に、そのタイプの照射が検出されたと判定する。両方のタイプの照射が存在するか、いずれのタイプの照射も存在しないときに、ディスプレイが働くモードは、特定の用途に依存する。
【0061】
IRスペクトルの光だけを反射するように構成されるIRだけのディスプレイは、IRフィルタを、上述した可視/IRディスプレイのいずれかと組み合わせることによって作られてもよい。IRフィルタは、実質的に、IR光に対して透明で、かつ、可視光に対して不透明であるようにデザインされてもよい。IRフィルタは、たとえば、ディスプレイアレイと観察者との間に設置されてもよい。一実施形態では、複数の層を含むIRフィルタは、干渉変調器を含むディスプレイアレイと同様な製造プロセスを使用してディスプレイのガラス基材20(図1を参照されたい)上に堆積される。
【0062】
図12は、本明細書で述べるディスプレイに赤外画像を表示する方法の一実施形態を示すフローチャートである。実施形態に応じて、方法のいくつかのステップは、除去されるか、一緒に合体されるか、または、順序が再配置されてもよい。以下のステップは、アレイドライバ22によって実施されるものとして述べられるが、これらのステップは、プロセッサ21によって実施され得る(図2を参照されたい)。例示的な実施形態では、ディスプレイは、干渉変調器のアレイを備える。
【0063】
方法は、ブロック1202で開始し、ここで赤外照射がディスプレイによって受信される。次に、ブロック1204にて、ディスプレイデバイスは、受信した赤外照射内の波長の光を選択的に反射することによって赤外画像を表示する。ディスプレイは、到来する赤外照射を干渉変調することによって赤外画像を表示する。
【0064】
図13は、IRモードと可視スペクトルモード間でディスプレイを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。実施形態に応じて、方法のいくつかのステップは、除去されるか、一緒に合体されるか、または、順序が再配置されてもよい。以下のステップは、アレイドライバ22によって実施されるものとして述べられるが、これらのステップは、プロセッサ21によって実施され得る(図2を参照されたい)。例示的な実施形態では、ディスプレイは、干渉変調器のアレイを備える。ディスプレイは、両方のモードで画像を形成するために、受信した照射を干渉変調するように構成される。
【0065】
方法は、ブロック1302で開始し、ここでディスプレイは、可視スペクトルモードに関連するスキームによって駆動される。ブロック1304に移動して、ディスプレイは、可視スペクトルモードからIRモードに切換えられる。ディスプレイは、たとえば、IR照射の所定の密度または量が受信されていることを示す信号をアレイドライバ22がIR検出器から受信すると、IRモードに切換えられる。別の例では、ディスプレイは、ユーザ要求に応答してIRモードに切換えられる。次に、ブロック1306にて、ディスプレイは、IRモードに関連するスキームによって駆動される。各画素が3つのサブ画素を備えるディスプレイの場合、1つまたは複数のサブ画素が、用途に応じてIRモードで駆動されないままにされてもよい。
【0066】
本明細書で述べる実施形態は、とりわけ、既存の手法に比べて種々の利益を提供する。第1に、多くの実施形態が、可視スペクトルとIRスペクトルで同時に動作し得る。第2に、これらの実施形態は、入射IR照射を反射すること以外には、IR放射を全く放出しない反射性ディスプレイを提供する。第3に、ディスプレイの可視カラーバージョンは、IRモードにおいて向上した分解能またはグレースケール動作を提供する。最後に、いくつかの実施形態は、常に利益となる低電力を有する干渉変調器のアレイを含む。
【0067】
先の説明では、各ディスプレイは、少なくとも、赤外範囲内の第1波長の光および可視範囲内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素を備える。干渉変調器は、ディスプレイ要素の例として使用されてきた。先の実施形態は、可視スペクトルおよびIRスペクトル内の光を反射してもよい他のディスプレイ要素を使用してもよく、したがって、干渉変調器を備えるディスプレイに限定されないことが留意されるべきである。
【0068】
先の実施形態は、複数のスペクトル範囲内で観察可能なディスプレイを述べる。IRスペクトルと可視スペクトルの両方において観察可能なディスプレイは、示すだけのために例として使用される。ディスプレイの他の実施形態は、限定はしないが、IRスペクトルおよび可視スペクトルを含む複数のスペクトル範囲内で観察可能であってよい。たとえば、ディスプレイは、波長の第1範囲および波長の第2範囲の光を選択的に反射し得るディスプレイ要素(たとえば、干渉変調器)を含んでもよく、第1範囲および第2範囲はそれぞれ、紫外スペクトル、可視スペクトル、または赤外スペクトルの1つのスペクトル内にある。
【0069】
一実施形態では、ディスプレイは、可視スペクトル内の第1波長および紫外スペクトル内の第2波長の光を選択的に反射し得るディスプレイ要素を含む。一実施形態では、ディスプレイは、紫外スペクトル内の第1波長および紫外スペクトル内の第2波長の光を選択的に反射し得るディスプレイ要素を含む。一実施形態では、ディスプレイは、赤外スペクトル内の第1波長、可視スペクトル内の第2波長、および紫外スペクトル内の第3波長の光を選択的に反射し得るディスプレイ要素を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、オン状態または明状態において可視スペクトル内の第1波長の光、および、オフ状態または暗状態において紫外スペクトル内の第2波長の光を選択的に反射するように構成される干渉変調器を含んでもよい。紫外スペクトルは、たとえば、ほぼ200nmから400nmに及ぶ。干渉変調器は、オフ状態または暗状態においてほぼ200nmの光を反射するように構成される。使用される紫外検出デバイスに応じて、紫外スペクトルの明状態/暗状態が逆にされてもよい。紫外検出デバイスが、300nmに中心をもつ紫外光に応答して明状態を検出するように構成される場合、明状態の画素は、紫外スペクトルのディスプレイを見るユーザにとって明るく見える。紫外検出デバイスが、200nmに中心をもつ紫外光に応答して明状態を検出するように構成される場合、明状態の画素は、紫外スペクトルのディスプレイを見るユーザにとって暗く見える、また、その逆であり、したがって、ディスプレイは、紫外スペクトルの場合、逆向きに働く。必要である場合、これは、可視スペクトルの駆動スキームと異なる紫外スペクトルの駆動スキームを使用することによって補償されてもよい。
【0071】
先の説明は、本発明のいくつかの実施形態を詳述する。しかし、どれだけ詳細に上記が文書中に記載されても、本発明は多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。本発明のいくつかの特徴または態様を述べるときの、特定の用語の使用は、用語が、その用語に関連する本発明の特徴または態様の任意特定の特性を含むことに制限されるように、本明細書で再定義されることを意味すると考えられるべきでないことが留意されるべきである。
【符号の説明】
【0072】
12a、12b 干渉変調器
14、14a、14b 可動反射層
16、16a、16b 光スタック
18 ポスト
19 ギャップ
20 透明基材
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行ドライバ回路
26 列ドライバ回路
27 ネットワークインタフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイアレイ
32 テザー
34 変形可能層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
42 支持ポストプラグ
43 アンテナ
44 バス構造
45 スピーカ
46 マイクロフォン
47 送受信機
48 入力デバイス
50 電源
52 コンディショニングハードウェア
100 ディスプレイ
102 ディスプレイ要素 1次反射応答
104 ディスプレイ要素 2次反射応答
106 ディスプレイ要素 3次反射応答
108 ディスプレイ要素 4次反射応答
901 1次反射応答
902 2次反射応答
109 5次反射応答

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外範囲内の第1波長の光および可視範囲内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素を備えるディスプレイ。
【請求項2】
前記ディスプレイ要素は画素を形成する請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記ディスプレイ要素は干渉変調器を形成する請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記干渉変調器は、可動層と固定層によって画定されるギャップを備え、前記第1波長および前記第2波長は、前記干渉変調器が作動されないときの前記ギャップの長さに少なくとも部分的に基づく請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1波長はほぼ800〜1200nmの範囲内である請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第1波長はほぼ1900nmである請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記第1波長の光の反射は1次反射応答である請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記ディスプレイ要素はさらに、可視範囲内の第2、第3、および第4波長の光を反射するように構成され、第2、第3、および第4波長の光を反射することは、ほぼ白の色相の光を集合的にかつ作動的に表示する請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記第1波長は、ほぼ3〜12μmの範囲内である請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記ディスプレイ要素と観察者との間に配置されたフィルタをさらに備え、前記フィルタは、赤外光に対して透明であり、可視光に対して不透明である請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
可視モードおよび赤外モードで働くように構成され、各モードにおいて異なる駆動スキームによって駆動される請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
赤外照射が検出されると、前記赤外モードに切換えられる請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
赤外照射を検出し、赤外照射が検出されると、ディスプレイを前記赤外モードに切換えるために信号を送出するように構成される赤外検出器をさらに備える請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記赤外検出器は、フォトトランジスタまたはフォトダイオードを備える請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記ディスプレイ要素と通信するように構成されるプロセッサであって、画像データを処理するように構成される、プロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されるメモリデバイスとをさらに備える請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記ディスプレイ要素に少なくとも1つの信号を送出するように構成されるドライバ回路をさらに備える請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくともある部分を送出するように構成されるコントローラをさらに備える請求項16に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記プロセッサに前記画像データを送出するように構成される画像源モジュールをさらに備える請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記画像源モジュールは、受信機、送受信機、および送信機の少なくとも1つを備える請求項18に記載のディスプレイ。
【請求項20】
入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサに通信するように構成される入力デバイスをさらに備える請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項21】
カラーディスプレイであって、
少なくとも3つの反射性ディスプレイ要素を備え、各ディスプレイ要素は、可視範囲内の異なる波長の光を選択的に反射するように構成され、
前記3つの反射性ディスプレイ要素の少なくとも1つはさらに、赤外範囲内の波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ。
【請求項22】
各ディスプレイ要素はサブ画素を形成する請求項21に記載のディスプレイ。
【請求項23】
前記3つのディスプレイ要素は画素を形成する請求項21に記載のディスプレイ
【請求項24】
各ディスプレイ要素は干渉変調器を形成する請求項21に記載のディスプレイ。
【請求項25】
各ディスプレイ要素は、3つの主要なカラー、すなわち、赤、青、および緑のほぼ異なる1つの主要なカラーの光を選択的に反射するように構成される請求項21に記載のディスプレイ。
【請求項26】
前記3つの反射性ディスプレイ要素の少なくとも2つの反射性ディスプレイ要素はさらに、赤外範囲内の波長の光を選択的に反射するように構成される請求項21に記載のディスプレイ。
【請求項27】
可視モードおよび赤外モードで働くように構成され、各モードにおいて異なる駆動スキームによって駆動される請求項21に記載のディスプレイ。
【請求項28】
赤外照射が検出されると、前記赤外モードに切換えられる請求項27に記載のディスプレイ。
【請求項29】
赤外範囲内の波長の光を選択的に反射するように構成されない前記3つのディスプレイ要素の1つまたは複数は、ディスプレイが赤外モードで動作している間、画像データによって駆動されない請求項27に記載のディスプレイ。
【請求項30】
赤外照射を検出し、赤外照射が検出されると、ディスプレイを前記赤外モードに切換えるために信号を送出するように構成される赤外検出器をさらに備える請求項27に記載のディスプレイ。
【請求項31】
前記赤外検出器は、フォトトランジスタまたはフォトダイオードを備える請求項30に記載のディスプレイ。
【請求項32】
可視範囲内の波長の光および赤外範囲内の波長の光を選択的に反射する手段と、
前記反射する手段に少なくとも1つの信号を送出する手段とを備えるディスプレイ。
【請求項33】
前記反射する手段は干渉変調器を備える請求項32に記載のディスプレイ。
【請求項34】
前記送出する手段はドライバ回路を備える請求項32に記載のディスプレイ。
【請求項35】
赤外範囲外の光を遮断するかまたは吸収する手段をさらに備える請求項32に記載のディスプレイ。
【請求項36】
前記遮断する手段は光学フィルタを備える請求項35に記載のディスプレイ。
【請求項37】
可視モードおよび赤外モードで働くように構成され、各モードにおいて異なる駆動スキームによって駆動される請求項32に記載のディスプレイ。
【請求項38】
赤外照射を検出する手段をさらに備える請求項37に記載のディスプレイ。
【請求項39】
前記検出する手段が赤外照射を検出すると、前記赤外モードに切換えられる請求項38に記載のディスプレイ。
【請求項40】
前記検出する手段はフォトトランジスタまたはフォトダイオードを備える請求項38に記載のディスプレイ。
【請求項41】
ディスプレイを動作させる方法であって、
前記ディスプレイを可視モードから赤外モードへ切換えるステップと、
前記赤外モードに関連するスキームによって前記ディスプレイを駆動するステップとを含む方法。
【請求項42】
前記ディスプレイは、受信される赤外照射を干渉変調することによって、前記赤外モードで赤外画像を提供するように構成される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ディスプレイは、前記赤外モードへ切換えるユーザ要求に応答して前記赤外モードに切換えられる請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ディスプレイは、赤外照射が検出されると前記赤外モードに切換えられる請求項41に記載の方法。
【請求項45】
赤外範囲内の第1波長の光および可視範囲内の第2波長の光を選択的に反射するように構成されるディスプレイ要素を作製するステップを含む、ディスプレイを作製する方法。
【請求項46】
ディスプレイであって、
波長の第1範囲および波長の第2範囲の光を選択的に反射するように構成される第1ディスプレイ要素を備え、前記第1範囲および前記第2範囲はそれぞれ、紫外スペクトル、可視スペクトル、または赤外スペクトルの1つのスペクトル内にあるディスプレイ。
【請求項47】
前記第1範囲は前記紫外スペクトル内にあり、前記第2範囲は前記可視スペクトルかまたは前記赤外スペクトル内にある請求項46に記載のディスプレイ。
【請求項48】
前記第1範囲は前記可視スペクトル内にあり、前記第2範囲は前記紫外スペクトルかまたは前記赤外スペクトル内にある請求項46に記載のディスプレイ。
【請求項49】
波長の第3範囲および波長の第4範囲の光を選択的に反射するように構成される第2ディスプレイ要素をさらに備え、前記第1範囲および前記第3範囲は前記可視スペクトル内にあり、前記第2範囲および前記第4範囲は、それぞれ前記紫外スペクトルおよび前記赤外スペクトル内にある請求項46に記載のディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−533304(P2010−533304A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513362(P2010−513362)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/067249
【国際公開番号】WO2008/157558
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】