説明

赤外線照射部材及び赤外線透過ブロックを用いた圧縮成形装置及び圧縮成形方法

【課題】 電子部品のチップ6等を搭載した大型基板7等の大面積を圧縮成形する場合の樹脂封止装置において、樹脂材料9の加熱作用や成形品14の離型作用を改善して樹脂成形効率を向上させると共に、型加熱効率を向上させて電力の節減化を図る。
【解決手段】 樹脂封止成形用型1における樹脂成形用凹部10を、赤外線透過性を有するブロック4・8の表面に形成すると共に、前記赤外線透過ブロック4・8の背面側に該赤外線透過ブロック4・8背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして形成された赤外線照射部材5・11を配設し、さらに、前記赤外線照射部材5・11における背面、側面及び赤外線透過ブロック4・8の側面とに前記赤外線照射部材5・11から照射された赤外線を反射する赤外線反射部材12・13を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の樹脂封止装置及び樹脂封止方法に関するものであり、大型基板等の大面積を圧縮成形する場合における樹脂材料の加熱作用や成形品の離型作用を改善して樹脂成形効率を向上させると共に、型加熱効率を向上させて電力の節減化を図る改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品のパッケージを樹脂封止する樹脂封止方法には、様々な種類の方法が開発され実用化されている。その1つに、圧縮成形によって電子部品の樹脂封止成形を行なう方法がある。この方法は、一般的に以下のようにして行なわれる。まず、所要数の電子部品等のチップを装着した基板を樹脂封止成形用型の所定の位置に止着すると共に、溶融樹脂材料を樹脂成形用凹部内に供給する。溶融樹脂材料は発熱体によって加熱される。次に、両型を型締めする。このとき基板に装着されたチップは凹部内の溶融樹脂材料中に浸漬され、凹部の形状に対応した樹脂成形体に封止成形される。溶融樹脂の硬化に必要な所要時間の経過後、両型を型開きして成形体すなわち樹脂成形済の基板を離型する。
【0003】
この方法における発熱体には一般的にシーズヒータが用いられている。このシーズヒータは発熱線が金属製の円筒形の外筒で保護されている。このため、使用環境の影響を受けて発熱線が侵食されることがない。よって、長期間使用しても発熱量に大きな変化が生じないという利点がある。
【0004】
しかしながら、シーズヒータの発熱線として用いられるニクロム線は電気抵抗が大きいため、電気が流れて電気エネルギーが熱エネルギーに変換されるまでに長時間を要する。そのため、樹脂成形を安定的に実施するためには、樹脂成形を開始する長時間前からシーズヒータに電源からの電力を供給し加熱を開始しておく必要があった。さらに、シーズヒータから発せられた熱は上型及び下型に伝わり、成形用型全体を加熱するように設けられていた。その結果、溶融樹脂材料が成形開始前に熱せられた樹脂成形用型に接触することで樹脂の硬化が速くなり、適正な樹脂成形を行なうことができないという問題が生じていた。また、一度ニクロム線を加熱すると冷却には長時間を要する。したがって、シーズヒータに電源からの電力を停止させた後もニクロム線には余熱が生じているため、シーズヒータと成形用型との冷却に時間がかかり、その結果、成形後の溶融樹脂材料の冷却に時間を要していた。以上のことから、樹脂封止装置の温度調整を短時間で行ない、効率よく圧縮成形を行なうことは困難であった。
【0005】
上記記載の問題を解決するために、発熱体に赤外線照射部材を用い前記赤外線照射部材より照射された赤外線の光エネルギーを、赤外線透過性材料の表面に形成された凹部内の溶融樹脂材料に吸収させることにより硬化を行なう方法が提案されている。この方法によれば、第一に、赤外線照射部材を用いることにより、電源からの電力を供給した後、短時間で赤外線の光エネルギーを照射し加熱を開始することが可能である。第二に、成形後の溶融樹脂の冷却を短時間で行なうことが可能である。赤外線照射部材からは熱エネルギーではなく光エネルギーが発せられているため、赤外線照射を停止しても赤外線照射部材に余熱が長時間残ることがなく、赤外線照射部材の冷却を短時間で行なうことができる。また、赤外線透過性材料は赤外線照射部材から照射された赤外線の光エネルギーを吸収しないため、赤外線透過性材料自体の冷却も短時間で行なうことができる。以上により、赤外線照射部材と赤外線透過性材料とを用いれば、樹脂封止成形時の加熱及び冷却を短時間で行なうことが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−90326号(第5頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この樹脂封止方法は、赤外線照射部材の周囲に湾曲した赤外線反射部材を設けることで赤外線照射部材から照射された赤外線の光エネルギーを集光させて樹脂の加熱(硬化)を行なうものであるから、光エネルギーを集光照射できる範囲の限られた小面積の樹脂成形品を成形する場合に限られている。したがって、この方法は、多数個取りの大型基板を樹脂封止する場合等、大面積の樹脂成形用凹部内に供給された樹脂材料に対して均一に赤外線に照射させなければならない電子部品の圧縮成形においては実質的に採用することができない。
【0007】
本発明の目的は、大型基板等の大面積を圧縮成形する場合の樹脂封止成形において、樹脂材料の加熱作用や成形品の離型作用を改善して樹脂成形効率を向上させると共に、型加熱効率を向上させて電力の節減化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明に係る樹脂封止装置は、基板上に装着した電子部品を樹脂封止成形用型における樹脂成形用凹部内の溶融樹脂材料中に浸漬させると共に、前記溶融樹脂材料に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を樹脂封止する電子部品の圧縮成形装置であって、前記型における樹脂成形用凹部を、赤外線透過性を有するブロックの表面に形成すると共に、前記赤外線透過ブロックの背面側に該赤外線透過ブロック背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして形成された赤外線照射部材を配設し、さらに、前記赤外線照射部材における背面、側面及び赤外線透過ブロックの側面に前記赤外線照射部材から照射された赤外線を反射する赤外線反射部材を配設して構成したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る樹脂封止装置は、上述の樹脂封止装置において、赤外線照射部材と赤外線透過ブロックとを接合して配設したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る樹脂封止装置は、上述の樹脂封止装置において、赤外線照射部材と赤外線透過ブロックとの間に所要の間隙が設定された状態で配設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る樹脂封止方法は、基板上に装着した電子部品を樹脂封止成形用型における樹脂成形用凹部内の溶融樹脂材料中に浸漬させると共に、前記溶融樹脂材料に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を樹脂封止する電子部品の圧縮成形方法であって、樹脂封止成形用型における下型の赤外線透過ブロックに形成した樹脂成形用凹部内に樹脂材料を供給する樹脂材料供給工程と、前記樹脂封止成形用型における上型の底面に電子部品を装着した基板をその電子部品が底面側となる状態で供給セットする基板供給セット工程と、前記赤外線透過ブロックの背面側に該赤外線透過ブロック背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして配設した赤外線照射部材から前記樹脂成形用凹部内の樹脂材料に赤外線を均一に照射させることにより、該樹脂材料を樹脂成形温度にまで加熱する樹脂材料加熱工程と、前記樹脂封止成形用型を型締めして前記基板上の電子部品を前記樹脂成形用凹部内の溶融樹脂材料中に浸漬させる電子部品の溶融樹脂材料浸漬工程と、前記溶融樹脂材料に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を該樹脂材料にて封止成形する圧縮樹脂成形工程と、前記樹脂材料加熱工程を停止して前記樹脂成形用凹部内の成形樹脂を冷却する樹脂成形体冷却工程と、前記樹脂成形用凹部内から前記基板と一体化された樹脂成形体を離型させると共に、該基板を外部へ取り出す成形体取出工程とを行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る樹脂封止方法は、上述の樹脂封止方法において、樹脂成形体冷却工程が、前記樹脂材料加熱工程を停止すると共に、前記樹脂封止成形用型内に冷却水を循環させて前記樹脂成形用凹部内の成形樹脂を強制的に冷却する強制冷却工程を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、樹脂封止成形用型内に設けられた赤外線透過ブロックの背面側に前記赤外線透過ブロック背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして形成された赤外線照射部材を発熱体として使用することにより、この赤外線照射部材から樹脂成形用凹部内の樹脂材料に赤外線を均一に照射させることができるため、該樹脂材料を樹脂成形温度にまで加熱する樹脂材料加熱工程を効率よくかつ確実に行うことができる。
また、大型基板等の大面積を圧縮成形する場合において、樹脂材料に対する加熱冷却作用を迅速に行うことにより、樹脂成形品の離型作用を改善することができる。このため、全体的な樹脂成形効率の向上を図ることができると共に、型加熱効率を向上させることにより、電力の節減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明に係る樹脂封止方法の実施例1を図1〜図6を参照して説明する。
【0016】
実施例1は、成形用型1における下型のブロック8に形成した凹部10内に液状の熱硬化性樹脂を供給すると共に、上型2の所定の位置にチップ6を装着した基板7を止着した後に、下型ブロック8の背面側に配設されたハロゲンヒータ11から凹部10内の熱硬化性樹脂9に赤外線を均一に照射させることにより、熱硬化性樹脂9を加熱硬化させてチップ6を樹脂封止するものである。
図1は、ハロゲンヒータ11とブロック8とが当接して配設された成形用型1の上型2と下型3とが型開きされた状態を示す断面図である。
図2は、ブロック8の表面(上面)上に設けられた凹部10に所定量の熱硬化性樹脂9を充填した状態の下型3と、所定の位置に基板7を止着した状態の上型2とを示している。
図3は、両型2・3を型締めすると共に、基板7に装着されたチップ6を凹部10内の熱硬化性樹脂9中に浸漬させた状態を示している。
図4は、基板7に装着されたチップ6が樹脂封止された状態を示している。
図5は、熱硬化性樹脂9が収縮した状態を示している。
図6は、樹脂成形後の基板7を離型させると共に、これを外部へ取り出す状態を示している。
【0017】
図1に示すように、成形用型1は上型2と下型3から構成され、相対向するように設けられている。
上型2には赤外線透過性を有するブロック4が組み込まれると共に、このブロック4の底面(下面)は基板7の止着面が設けられており、さらに、その背面(図例では上面側)にはハロゲンヒータ5が設けられている。
また、上型2には、基板止着面の所定の位置に半導体等のチップ6を装着した基板7を止着するため係止具や吸着具等から構成される適宜な止着機構(図示なし)が設けられている。
【0018】
下型3には、赤外線透過性を有するブロック8が組み込まれると共に、このブロック8の上面には熱硬化性樹脂9が充填される凹部10が設けられており、さらに、その背面(図例では下面側)にはハロゲンヒータ11が設けられている。
また、前記した上型2及び下型3に組み込まれた両ブロック4・8の側面(前後左右の側面部)と、ハロゲンヒータ5の側面と背面(図例では上面側)、及び、ハロゲンヒータ11の側面と背面(図例では下面側)とには、赤外線反射性素材から形成された反射板12・13が設けられている。したがって、ハロゲンヒータ5・11から照射された赤外線はこの反射板12・13によって前記した凹部10内の熱硬化性樹脂9に向かって均一に照射されることになる。
【0019】
また、前記ブロック4・8には、耐圧及び瞬間的な温度上昇に対応するため耐圧性及び耐熱性に優れたガラスが用いられる。前記ガラスは、石英、ゲルマニウム、シリコン、サファイア等により形成され、赤外線を透過するという特徴を有する。よって、ハロゲンヒータ5・11から照射された赤外線の光エネルギーは、前記ブロック4・8には吸収されない。
【0020】
また、前記ハロゲンヒータ5・11は、ブロック4・8の背面形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして形成されている。
さらに、制御部(図示なし)からの指示により電源のON・OFF操作が自在であること、又は、短時間での温度調整が可能であること、すなわち、短時間での赤外線量の調整が可能となるように設けられている。
【0021】
次に、基板7上のチップ6を樹脂封止する方法について説明する。
【0022】
図2に示されるように、ディスペンサー(図示なし)等により、凹部10に液状の熱硬化性樹脂9の必要量を供給すると共に、チップ6を装着した基板7をそのチップ6が底面側となる状態で上型2の所定の位置に止着させる。
【0023】
次に、制御部(図示なし)の電源をON操作して、前記両ハロゲンヒータ5・11から赤外線をそれぞれ照射させると、各ハロゲンヒータ5・11から照射された赤外線はあらゆる方向に進むが、各反射板12・13に照射された赤外線は該各反射板によって反射されるため、結局、各各ハロゲンヒータ5・11から照射された赤外線はブロック4又はブロック8を透過して前記凹部10内に均一に照射されて該凹部内に供給された熱硬化性樹脂9に均一に照射されることになる。これにより、凹部10内の熱硬化性樹脂9は赤外線の光エネルギーを吸収して昇温することになるため、この状態で硬化性樹脂9が硬化開始温度(樹脂成形温度)に達するまで加熱すればよい。
なお、このとき、ハロゲンヒータ5からの赤外線はブロック4を透過して前記基板7に照射されるため、該基板を加熱するように作用することになる。
また、ゲル化し易い熱硬化性樹脂9の場合は、前記した電源のON操作の段階で赤外線の量を少なく設定したうえで赤外線照射を開始することも可能である。
【0024】
次に、図3に示されるように、チップ6を下型ブロック8の凹部10に充填された熱硬化性樹脂9中に浸漬させる。
その後、該熱硬化性樹脂に前記加熱作用と上下両型2・3による所定の型締作用を加える。
なお、この上下両型2・3による型締時において、上下両型2・3間を減圧状態に設定することによって、溶融樹脂材料(9)中のガス及びエアを脱気するようにしてもよい。
また、前述したように、ゲル化し易い熱硬化性樹脂9で、最初にハロゲンヒータ5・11から照射される赤外線の量を少なく設定した場合等は、この段階で制御部(図示なし)を操作して赤外線の量を調節することも可能である。具体的にはハロゲンヒータ5・11から照射される赤外線の量を多くすればよい。
【0025】
前記した圧縮樹脂成形工程が終了すると、図4〜図5に示されるように、基板7に装着されたチップ6は熱硬化性樹脂9で覆われた成形体14が形成されるので、次に、制御部(図示なし)を操作して、ハロゲンヒータ5・11から発せられる赤外線量を調整する。具体的には、ハロゲンヒータ5・11からの赤外線の照射を停止すればよい。
なお、前記ハロゲンヒータ5・11から発せられた赤外線の光エネルギーはブロック4・8には吸収されていない。また、ハロゲンヒータ5・11からは熱エネルギーではなく光エネルギーが発せられているため、赤外線照射を停止してもハロゲンヒータ5・11に余熱が長時間残ることはない。よって、ブロック4・8及びハロゲンヒータ5・11の冷却を短時間で行なうことができる。したがって、成形樹脂(9)の冷却を短時間で行なうことができる。
【0026】
次に、この成形樹脂(9)の冷却工程が終了すると、図5に示されるように、膨張していた成形樹脂(9)が収縮するので凹部10から離型しやすくなるため、その後、図6に示されるように、上下両型2・3を型開きすると共に、前記成形体14を凹部10から離型させて外部に取り出せばよい。
【実施例2】
【0027】
以下、本発明の他の実施例2について説明する。
実施例2が前述した実施例1と異なる点は、成形用型1の所定の位置に冷却水路15を設けたところである(図3〜図6参照)。
なお、この冷却水路15は外部の貯水タンク(図示なし)に連通接続されている。
したがって、この場合は、ハロゲンヒータ5・11より赤外線を照射し、チップ6を樹脂封止した後に、成形用型1内に冷却水を循環させて成形体14を迅速に冷却することができる。
【0028】
なお、実施例1と共通する構成要素及び動作については、説明の重複を避けるため省略する。
【実施例3】
【0029】
以下、本発明の他の実施例3について説明する。
実施例3が前述した各実施例と異なる点は、ハロゲンヒータ5・11とブロック4・8とを所要の間隙16・17を設けて配設したところである(図7参照)。
【0030】
なお、前記各実施例と共通する構成要素及び動作については、説明の重複を避けるため省略する。図7は、ブロック4・8とハロゲンヒータ5・11とを所要の間隙16・17を設けて配設された上型2と下型3とを示しており、上下両型2・3を型締めして成形体14を形成した後、成形樹脂(9)が収縮して凹部10から離型した状態を概略的に示している。
【0031】
実施例3においては、図7に示されるように、ブロック4・8とハロゲンヒータ5・11とは、所要の間隙16・17が設けて配設されているため、上下両型2・3の型締時にかかる圧力によって、ハロゲンヒータ5・11が湾曲されてブロック4・8が変形したり破損する等の弊害を未然に防止することができる。
【実施例4】
【0032】
以下、本発明の他の実施例4について説明する。
実施例4が前述した各実施例と異なる点は、前述した実施例3における成形用型1の所定の位置に冷却水路15を設けたところである(図7参照)。
したがって、この場合は、成形用型1内に冷却水を循環させて成形体14を迅速に冷却することができる前述した実施例2の作用効果に加えて、ブロック4・8の変形や破損を防止することができる前述した実施例3の作用効果を奏するものである。
【0033】
なお、各実施例においては、溶融樹脂材料に液状の熱硬化性樹脂を用いて説明したが、熱硬化性樹脂の形態は、液状のほか粉末又は顆粒状のものでもよい。この場合には、粉末又は顆粒状の熱硬化性樹脂を溶融させた後に硬化させることになる。
また、赤外線照射部材にハロゲンヒータを用いる場合を説明したが、これに替えてセラミックヒータ又はカーボンヒータを用いてもよい。
また、赤外線照射部材より照射される赤外線の周波数は、熱硬化性樹脂を構成する分子が吸収し得る範囲において適宜選択することができる。
また、ブロックとハロゲンヒータとに設けられる間隙の幅については、型締圧力及びハロゲンヒータとブロックとの特徴等を考慮して適宜に変更・選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、赤外線照射部材と赤外線透過性素材からなるブロックとを接合して配設された上型と下型とを示し、両型を型開きした状態を示す成形用型要部の断面図である。
【図2】図2は、チップを装着した基板を、チップが底面側となる状態で上型の所定の位置に止着し、赤外線透過ブロック上面の凹部に所定量の熱硬化性樹脂を充填した状態を示す成型用型要部の断面図である。
【図3】図3は、上型と下型とを型締めし、基板に装着されたチップを下型のブロック上面の凹部に充填された熱硬化性樹脂中に浸漬させ、上型と下型とを型締めした状態を示す成型用型要部の断面図である。
【図4】図4は、基板に装着されたチップが熱硬化性樹脂で覆われ、成形体が形成された状態を示す成型用型要部の断面図である。
【図5】図5は、膨張していた成形樹脂が収縮し、凹部から離型しやすくなった状態を示す成型用型要部の断面図である。
【図6】図6は、上下両型を型開きして成形体を凹部から離型させた状態を示す成型用型要部の断面図である。
【図7】図7は、他の実施例を示す成型用型要部の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 成形用型
2 上型
3 下型
4 ブロック(上型)
5 ハロゲンヒータ(上型)
6 チップ
7 基板
8 ブロック(下型)
9 熱硬化性樹脂
10 凹部
11 ハロゲンヒータ(下型)
12 反射板(上型)
13 反射板(下型)
14 成形体
15 冷却水路
16 所要の間隙(上型)
17 所要の間隙(下型)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に装着した電子部品を樹脂封止成形用型における樹脂成形用凹部内の流動性樹脂中に浸漬させると共に、前記流動性樹脂に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮成形装置であって、
前記型における樹脂成形用凹部を、赤外線透過性を有するブロックの表面に形成すると共に、前記赤外線透過ブロックの背面側に該赤外線透過ブロック背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして形成された赤外線照射部材を配設し、さらに、前記赤外線照射部材における背面、側面及び赤外線透過ブロックの側面とに前記赤外線照射部材から照射された赤外線を反射する赤外線反射部材を配設して構成したことを特徴とする電子部品の圧縮成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載された装置であって、前記赤外線照射部材と前記赤外線透過ブロックとを接合して配設したことを特徴とする電子部品の圧縮成形装置。
【請求項3】
請求項1に記載された装置であって、前記赤外線照射部材と前記赤外線透過ブロックとの間に所要の間隙が設定された状態で配設したことを特徴とする電子部品の圧縮成形装置。
【請求項4】
基板上に装着した電子部品を樹脂封止成形用型における樹脂成形用凹部内の流動性樹脂中に浸漬させると共に、前記流動性樹脂に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮成形方法であって、
前記樹脂封止成形用型における下型の赤外線透過ブロックに形成した樹脂成形用凹部内に樹脂材料を供給する樹脂材料供給工程と、前記樹脂封止成形用型における上型の底面に電子部品を装着した基板をその電子部品が底面側となる状態で供給セットする基板供給セット工程とを行い、
次に、前記赤外線透過ブロックの背面側に該赤外線透過ブロック背面の形状及び大きさに対応する形状及び大きさとして配設した赤外線照射部材から前記樹脂成形用凹部内の樹脂材料に赤外線を均一に照射させることにより、該樹脂材料を樹脂成形温度にまで加熱する樹脂材料加熱工程を行い、
次に、前記樹脂封止成形用型を型締めして前記基板上の電子部品を前記樹脂成形用凹部内の流動性樹脂中に浸漬させる電子部品の流動性樹脂浸漬工程を行い、
次に、前記流動性樹脂に所定の型締圧力を加えて前記基板上の電子部品を該樹脂材料にて封止成形する圧縮樹脂成形工程を行い、
次に、前記樹脂材料加熱工程を停止して前記樹脂成形用凹部内の成形樹脂を冷却する樹脂成形体冷却工程を行い、
次に、前記樹脂成形用凹部内から前記基板と一体化された樹脂成形体を離型させると共に、該基板を外部へ取り出す成形体取出工程を行うことを特徴とする電子部品の圧縮成形方法。
【請求項5】
請求項4に記載された方法であって、前記樹脂成形体冷却工程が、前記樹脂材料加熱工程を停止すると共に、前記樹脂封止成形用型内に冷却水を循環させて前記樹脂成形用凹部内の成形樹脂を強制的に冷却する強制冷却工程を行うことを特徴とする電子部品の圧縮成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−82878(P2010−82878A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252504(P2008−252504)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】