説明

走行支援装置及び走行支援システム

【課題】運転者にとって違和感の無い車線変更を支援することができる走行支援装置を提供する。
【解決手段】走行支援装置1は、自車3の走行位置を取得する受信器6と、自車3の車速を検出する車速計7と、自車3の加速度を検出する加速度計8と、他車5の走行状態を検出するレーダ9と、車線変更することが可能な車線変更タイミングTCLを求めるコントローラ10と、車線変更を行うときの情報を運転者に提示する表示器11とを備えている。そして、この走行支援装置1は、自車3及び他車5の走行状態に基づいて、将来における自車3と他車5との位置関係データを時系列に算出し、時系列の位置関係データから、自車3の車線変更可能な車線変更タイミングTCLを求め、車線変更タイミングTCLに基づいて、自車3の車線変更を支援する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線変更を支援する走行支援装置及び走行支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば高速道路の合流車線等において、車両が合流車線から本車線へ合流する場合、本車線を走行している車両の状況から車線変更の動作を適切に判断しなくてはならない。そのため、車両の車線変更を支援する走行支援装置が開発されている。
【0003】
このような走行支援装置としては、例えば、特許文献1に記載された車線変更支援装置が知られている。この車線変更支援装置は、自車の走行状態を検出する自車状態検出手段と、周囲車両を検出する周囲車両検出手段と、自車の周囲の車線を検出する車線検出手段と、車線変更が完了する合流終端を設定する合流終端設定手段と、周囲車両の挙動を予測する周囲車両予測手段と、自車が合流終端に到達するまでの操作量時系列を生成する自車操作量設定手段と、操作量時系列を判定する操作量判定手段と、自車の操作等を運転者に伝達する支援情報提示手段と、を備えている。
【特許文献1】特開2005−38325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、常に合流終端でのみ車線変更するような走行支援が行われる。すなわち、適切な車線変更可能な位置が、合流終端以外に存在する場合であっても、この合流終端で車線変更するように支援されてしまう。従って、当該走行支援は、運転者にとって違和感のあるものになる場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、運転者にとって違和感の無い車線変更を支援することができる走行支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明に係る走行支援装置は、車両に搭載され、第1車線から第2車線への車線変更を支援する走行支援装置であって、第1車線を走行する自車両の走行状態を検出する自車両走行状態検出手段と、第2車線を走行する他車両の走行状態を検出する他車両走行状態検出手段と、自車両走行状態検出手段により検出された自車両の走行状態、及び他車両走行状態検出手段により検出された他車両の走行状態に基づいて、将来における自車両と他車両との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段と、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、自車両が第1車線から第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段と、車線変更タイミング取得手段により求められた車線変更タイミングに基づいて、自車両の車線変更を支援する車線変更支援手段と、備えることを特徴とする。
【0007】
このような本発明の走行支援装置では、まず、自車両及び他車両の走行状態に基づいて、将来における自車両と他車両との位置関係データが時系列に算出される。次に、時系列の位置関係データから、自車両の車線変更可能な車線変更タイミングが定められる。この車線変更タイミングは、自車両が車線変更した際に、例えば自車両と他車両とが所定の距離以上離れているような位置関係を満たすタイミングである。そして、この車線変更タイミングに基づいて、自車両の車線変更が支援される。このように、自車両の車線変更位置を特定せずに、車線変更が行い易い車線変更可能なタイミングを求めるため、特別な車両の走行制御や操作量の変更指示等を行わなくとも、適切な車線変更を支援することが可能となる。従って、運転者にとって簡易な操作で違和感の少ない車線変更を行うよう支援することが可能となる。
【0008】
さらに、車線変更位置を特定せずに自車両の車線変更が支援されるため、従来の走行支援装置のように一定の位置で車線変更を行うことに限られず、幅広い範囲の車線位置における柔軟な車線変更を支援することも可能となる。
【0009】
ここで、自車両の走行状態に基づいて、将来における自車両の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を更に備え、車線変更タイミング取得手段は、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、自車両が第1車線から第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たすと共に自車両の車速が所定以上であるタイミングを車線変更タイミングとして求めることが好ましい。
【0010】
この場合、車線変更時には自車両の車速が所定以上に上がることになるため、円滑な車線変更を支援することができる。これにより、車線変更後に交通停滞等を引き起こすことを確実に防止することが可能となる。
【0011】
また、車線変更タイミングは、所定の時間幅を有するタイミングであることが好ましい。このように、車線変更タイミングが所定の時間幅を有することから、短時間で車線変更を行うことを運転者に要せず、ゆとりをもって運転者が車線変更を行うように支援することができる。従って、一層違和感の少ない車線変更を支援することが可能となる。
【0012】
また、第1車線は、合流終端を有する合流車線であり、車線変更タイミング取得手段は、車線変更タイミングとして、合流車線を走行している自車両が合流終端に到達する前のタイミングを求めることが好ましい。
【0013】
合流車線においては、自車両は合流終端に到達するまでに、合流車線(第1車線)から本車線(第2車線)へ車線変更しなければならない。そこで、このように、自車両が合流終端に到達する前のタイミングを車線変更タイミングとして求め、この車線変更タイミングに基づいて車線変更を支援することにより、自車両は、合流終端に到達する前に確実に車線変更することが可能となる。
【0014】
このとき、車線変更タイミング取得手段は、自車両の現在の走行状態では車線変更タイミングが存在しないと判断したときに、自車両の走行状態を変更したと仮定した場合の車線変更タイミングを新たに求め、車線変更支援手段は、新たに求めた車線変更タイミングに応じて自車両の走行状態を変更するように、自車両の車線変更を支援することが好ましい。
【0015】
これにより、自車両の現在の走行状態では、例えば自車両が合流終端に到達する前に車線変更することができない場合に、自車両の走行状態(例えば加速度)を変更するように支援することで、自車両は、合流終端に到達する前に確実に車線変更することが可能となる。
【0016】
また、他車両の走行状態は、他車両の加速度を含むことが好ましい。他車両の加速度が所定値以下又は所定値以上の場合、他車両は、その前方又は後方に自車両を合流させる意思があると考えられる。従って、他車両の加速度を含む走行状態を検出することにより、他車両の意思を考慮した車線変更を行うように支援することが可能となる。
【0017】
また、車線変更支援手段は、車線変更タイミング取得手段により求めた車線変更タイミングに基づいて、自車両の車線変更を行うときの情報を報知する手段を有することが好ましい。この場合、運転者は、自車両と他車両との位置関係、どの他車両の前後に合流するべきか等の情報を正確に知ることが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る走行支援システムは、第1車線から第2車線への車線変更を支援する走行支援システムであって、第1車線を走行する第1車両と第2車線を走行する第2車両との走行状態を検出する車両走行状態検出手段と、車両走行状態検出手段により検出された第1車両の走行状態及び第2車両の走行状態に基づいて、将来における第1車両と第2車両との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段と、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、第1車両が第1車線から第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段と、車線変更タイミング取得手段により求められた車線変更タイミングに基づいて、第1車両の車線変更を支援する車線変更支援手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
このような本発明の走行支援システムでは、まず、第1車両及び第2車両の走行状態に基づいて、将来における第1車両と第2車両との位置関係データが時系列に算出される。次に、時系列の位置関係データから、第1車両の車線変更可能な車線変更タイミングが定められる。この車線変更タイミングは、第1車両が車線変更した際に、例えば第1車両と第2車両とが所定の距離以上離れているような位置関係を満たすタイミングである。そして、この車線変更タイミングに基づいて、第1車両の車線変更が支援される。このように、第1車両の車線変更位置を特定せずに、車線変更が行い易い車線変更可能なタイミングを求めるため、特別な車両の走行制御や操作量の変更指示等を行わなくとも、適切な車線変更を支援することが可能となる。従って、運転者にとって簡易な操作で違和感の少ない車線変更を行うよう支援することが可能となる。
【0020】
さらに、第1車両の車線変更位置を特定せずに車線変更が支援されるため、従来の走行支援装置のように一定の位置で車線変更を行うことに限られず、幅広い範囲の車線位置における柔軟な車線変更を支援することも可能となる。また、このように構成することで、本発明の走行支援システムを、例えば車線脇等のいわゆるインフラ側に設置することができる。
【0021】
ここで、第1車両の走行状態に基づいて、将来における第1車両の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を更に備え、車線変更タイミング取得手段は、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、第1車両が第1車線から第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たすと共に第1車両の車速が所定以上であるタイミングを車線変更タイミングとして求めることが好ましい。
【0022】
これにより、車線変更時には第1車両の車速が所定以上に上がることになるため、円滑な車線変更を支援することができ、車線変更後に交通停滞等を引き起こすことを確実に防止することが可能となる。
【0023】
また、車線変更タイミングは、所定の時間幅を有するタイミングであることが好ましい。この場合、短時間で車線変更を行うことを運転者に要せず、ゆとりをもって運転者が車線変更を行うように支援することができ、一層違和感の少ない車線変更を支援することが可能となる。
【0024】
また、第1車線は、合流終端を有する合流車線であり、車線変更タイミング取得手段は、車線変更タイミングとして、合流車線を走行している第1車両が合流終端に到達する前のタイミングを求めることが好ましい。
【0025】
上述のように、合流車線においては、第1車両は合流終端に到達するまでに車線変更しなければならないため、第1車両が合流終端に到達する前のタイミングを車線変更タイミングとして求め、この車線変更タイミングに基づいて車線変更を支援することにより、第1車両は、合流終端に到達する前に確実に車線変更することが可能となる。
【0026】
このとき、車線変更タイミング取得手段は、第1車両の現在の走行状態では車線変更タイミングが存在しないと判断したときに、第1車両の走行状態を変更したと仮定した場合の車線変更タイミングを新たに求め、車線変更支援手段は、新たに求めた車線変更タイミングに応じて第1車両の走行状態を変更するように、第1車両の車線変更を支援することが好ましい。
【0027】
これにより、第1車両の現在の走行状態では、例えば第1車両が合流終端に到達する前に車線変更することができない場合に、第1車両の走行状態(例えば加速度)を変更するように支援することで、第1車両は、合流終端に到達する前に確実に車線変更することが可能となる。
【0028】
また、第2車両の走行状態は、第2車両の加速度を含むことが好ましい。上述のように、第2車両の合流させる意思の有無を第2車両の加速度の大小から判断することができるため、第2車両の加速度を含む走行状態を検出することにより、第2車両の意思を考慮した車線変更を行うように支援することが可能となる。
【0029】
また、車線変更支援手段は、車線変更タイミング取得手段により求めた車線変更タイミングに基づいて、第1車両の車線変更を行うときの情報を報知する手段を有することが好ましい。この場合、運転者は、自車両と他車両との位置関係、どの他車両の前後に合流するべきか等の情報を正確に知ることが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、運転者にとって違和感の無い車線変更を支援することができる走行支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0032】
まず、本発明の走行支援装置を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る走行支援装置を示す概略構成図であり、図2は図1の走行支援装置の適用例を示す図である。各図において、本実施形態の走行支援装置1は、車両に搭載され、車両を運転する運転者の運転操作の支援を行う装置であり、具体的には、例えば高速道路の合流車線(第1車線)2を走行する自車(自車両)3が、本車線(第2車線)4へ合流するときの車線変更を支援する。なお、図2に示す適用例では、走行支援装置1は、本車線4に2台の他車(他車両)5が走行している状況になっているが、勿論その台数は1台でも3台以上でも良く、合流車線2を走行する台数に因らずに適用されるものである。
【0033】
図1及び図2に示すように、走行支援装置1は、自車3の走行位置を取得する受信器6と、自車3の車速を計測する車速計7と、自車3の加速度を計測する加速度計8と、他車5の走行状態に関するパラメータを計測するレーダ9と、車線変更することが可能な車線変更タイミングを求めるコントローラ10と、車線変更を行うときの情報を運転者に提示する表示器11とを備えている。
【0034】
受信器6は、例えばGPS(GlobalPositioning System)や路車間通信等の受信器であり、自車3の現在の走行位置及び合流車線の道路情報を取得するものである。この受信器6は、コントローラ10に接続されており、計測した走行位置及び道路情報に関する出力信号をコントローラ10に出力する。
【0035】
車速計7及び加速度計8は、コントローラ10にそれぞれ接続されている。そして、計測した車速及び加速度に関する出力信号をコントローラ10に出力する。
【0036】
レーダ9としては、例えばミリ波や電磁波を発信して他車5で反射される反射波を検知するミリ波レーダや電磁波レーダが用いられる。なお、他車5の走行状態に関するパラメータを計測する手段としては、レーダ9以外に、撮像画像に基づく画像処理によるものほか、車車間通信等を用いる場合もある。レーダ9は、コントローラ10に接続されており、計測したパラメータに関する出力信号をコントローラ10に出力する。
【0037】
コントローラ10は、例えばCPU、ROM、及びRAM等から成り、走行位置検出部12と自車走行状態検出部13と他車走行状態検出部14と合流予測演算部15とを有している。
【0038】
走行位置検出部12は、受信器6の出力信号に基づいて、自車3の現在位置と合流車線の終端位置との差である合流終端距離Lを算出する。
【0039】
自車走行状態検出部13は、車速計7及び加速度計8の出力信号に基づいて、自車3の速度(自車速)V及び加速度(自車加速度)aを検出する。
【0040】
他車走行状態検出部14は、レーダ9の出力信号に基づいて、他車5との車間距離、他車5の速度、及び他車5の加速度を検出する。図2に示す適用例では、他車5aとの車間距離L、他車5aの速度(他車速度)V、他車5aの加速度(他車加速度)a、他車5bとの車間距離L、他車5bの速度(他車速度)V、他車5bの加速度(他車加速度)aとを検出する。
【0041】
合流予測演算部15は、将来における自車3と他車5との挙動データを時系列で算出して予測し、予測された挙動から、自車3が合流車線2から本車線4に合流(車線変更)することが可能な車線変更タイミングTCLを求める。ここで、この車線変更タイミングTCLついて説明する。
【0042】
合流予測演算部15の処理によって算出された将来における時系列の予測挙動データの一例を図3に示す。図3(a)は、将来における自車3と他車5aとの時系列の車間距離である車間距離予測関数L(t)に関する線図であり、図3(b)は、将来における自車3と他車5bとの時系列の車間距離である車間距離予測関数L(t)に関する線図であり、図3(c)は、将来における自車3の時系列の車速である自車速予測関数V(t)に関する線図である。なお、各線図において、横軸が時間軸となっている。
【0043】
図3(a)及び図3(b)における矢印に示す領域A,Bは、車間距離予測関数の絶対値|L(t)|,|L(t)|が所定値Lc(但し、Lc>0)より大きい領域である。このように、車間距離の絶対値が所定値Lcより大きい場合、車線変更しても自車3と他車5とが衝突せずに車線変更可能と判断される。すなわち領域A,Bは、車線変更可能な位置関係を満たす領域である。
【0044】
また、図3(c)における矢印で示す領域Cは、自車速予測関数V(t)が所定値Vcより大きい領域である。このように、自車速予測関数V(t)が所定値Vcより大きい場合、円滑に車線変更できると共に、本車線4における他車5の走行の流れに従うように車線変更でき、交通停滞等を引き起こすことを確実に防止することが可能とされる。すなわち領域Cは、車線変更可能な自車速を満たす領域である。
【0045】
ここで、短時間で車線変更を行うことを運転者に要せずに、ゆとりのある車線変更を行うために、車線変更可能なタイミングは、所定の時間幅であることが好ましい。よって、領域A,B,Cに対応する時間軸のうち、重複する時間が連続して一定時間Δt以上存在する場合、この連続する時間幅が車線変更タイミングTCLとなる。換言すると、車線変更可能な位置関係を満たし、かつ、車線変更可能な自車速を満たすことで、ゆとりを持って車線変更を行うことができるタイミングが車線変更タイミングTCLとなる。
【0046】
以上のように、合流予測演算部15は、車線変更タイミングTCLを取得する。そして、この車線変更タイミングTCLに基づいて、合流するための合流情報を表示器11に表示させる。合流情報としては、自車3と他車5との車線軸上の距離である位置関係、どの他車5の前後に合流すべきかの指示、自車3の加速動作の指示、他車5の加減速状況、等のデータが挙げられる。
【0047】
表示器11は、例えばインストルメントパネルに設けられる表示部を有し、表示部に合流情報を表示して、運転者の視覚を通じて車線変更を行うときの情報を提示する。なお、表示部に代えて、もしくは表示部に加えて音声出力部を設け、音声により車線変更を指示しても良い。
【0048】
以上のような走行支援装置1が搭載された自車3においては、合流車線2から本車線4に車線変更を行うために合流車線2に侵入したとき、自車3が合流車線を走行していることが受信器6により判定され、以下の支援が実行される。
【0049】
まず、受信器6により自車3の走行位置及び合流車線2の道路情報を取得し、これらより合流終端距離Lを算出する。そして、車速計7及び加速度計8の出力信号から自車速V、自車加速度aを取得する。さらに、レーダ9の出力信号を用いて自車3と他車5a,5bとの車線軸上の車間距離L,L、他車5a,5bの速度V,V、他車5a,5bの加速度a,a、をそれぞれ取得する。
【0050】
次に、合流予測演算部15において、上記のパラメータに基づいて、車線変更タイミングTCLを取得する。図4は合流予測演算部15による処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて合流予測演算部15の処理動作を説明する。
【0051】
まず、例えば下記(1)式に従って、自車3が合流終端Pに到達するまでの時間である合流猶予時間Tを求める(S1)。
【数1】


但し、
:合流猶予時間、
:自車速、
:自車加速度、
:合流終端距離
【0052】
続いて、例えば下記(2)式に従って、図3(a)に示すような合流猶予時間Tまでの他車5aの車間距離予測関数L(t)、及び図3(b)に示すような合流猶予時間Tまでの他車5bの車間距離予測関数L2(t)をそれぞれ求める(S2)。
【数2】


但し、
(t):他車5aにおける車間距離予測関数、
(t):他車5bにおける車間距離予測関数、
:任意の時間(但し、t≦T)、
:他車5aの速度、
:他車5bの速度、
:他車5aの加速度、
:他車5bの加速度
【0053】
続いて、例えば下記(3)式に従って、図3(c)に示すような合流猶予時間Tまでの自車3の自車速予測関数V(t)を求める(S3)。なお、本実施形態では、自車3は自車加速度aで等加速度走行するものとして自車速予測関数V(t)を求めているが、例えば加速度の時間変化率を考慮する等して、加速度が変化する場合の自車速予測関数を求めてもよい。
【数3】


但し、
(t):自車速予測関数
【0054】
ここで、他車の加速度が所定値af(但し、af>0)以上である場合、この他車は加速して先に進み、その後ろに自車3を合流させる意思があると考えることできる。一方、他車の加速度が所定値ax(但し、ax<0)以下である場合、この他車は減速して、その前に自車3を合流させる意思があると考えることができる。従って、これらの場合には、衝突せずに車線変更可能である車間距離の所定値Lcを短くする補正をしても、車変更可能と考えられる。
【0055】
そこで、他車5の加速度a,aが所定値af以上であるか、又は所定値ax以下かどうか判定する(S4)。そして、加速度が所定値af以上である、又は加速度が所定値ax以下である場合には、車間距離の所定値Lcを小さくするように補正する(S5)。これにより、他車両の意思を考慮した車線変更を行うように支援することができる。
【0056】
続いて、求められた時系列の予測関数のうち、車線変更タイミングTCLが得られるかどうか判断する。すなわち、上述したように、車間距離予測関数の絶対値|L(t)|,|L(t)|が所定値Lc以上、かつ、自車速予測関数V(t)が所定値Vc以上となる任意の時間tが一定時間Δt以上連続して存在するという条件(以下、「合流条件」という。)を満たすかどうか判断する(S6)。
【0057】
このとき、合流条件を満たさない場合、自車3は合流終端Pに到達するまでに車線変更を行うことができないと判断され、合流条件を満たすような、最も少ない加速度変動が探索される。具体的には、自車速予測関数V(t)が所定値Vc以上となる任意の時間tが一定時間Δt以上連続して存在しない場合には、自車加速度aが所定だけ高くする補正が行われる。一方、この自車速予測関数V(t)に関する条件は満たすものの、車間距離予測関数の絶対値|L(t)|,|L(t)|が所定値Lc以上となる任意の時間tが一定時間Δt以上連続して存在しない場合には、自車加速度aが所定だけ低くする補正が行われる(S7)。そして、自車加速度aが補正された後、合流猶予時間Tを求める処理へフィードバックされる(S7→S1)。
【0058】
一方、合流条件を満たす場合、自車3は合流終端Pに到達するまでに車線変更を行うことができると判断され(S6→S8)、合流条件を満たした一定時間Δt以上連続した時間幅のタイミングが車線変更タイミングTCLとして取得される(S9)。
【0059】
そして、車線変更タイミングTCLに基づいて、例えば、現状の車線状況にどの他車5の前後に合流すべきかのという移動先を矢印Oで指示する映像(図5参照)を表示器11に表示させる(図4のS10)。これにより、合流車線2から本車線4へ合流するときの車線変更を運転者に支援することになる。
【0060】
以上において、受信器6、車速計7、加速度計8、コントローラ10の走行位置検出部12、コントローラ10の自車走行状態検出部13は、第1車線2を走行する自車3の走行状態を検出する自車両走行状態検出手段を構成する。レーダ9、コントローラ10の他車走行状態検出部14は、第2車線4を走行する他車5の走行状態を検出する他車両走行状態検出手段を構成する。コントローラ10の合流予測演算部15におけるS1及びS2は、自車両走行状態検出手段により検出された自車3の走行状態、及び他車両走行状態検出手段により検出された他車5の走行状態に基づいて、将来における自車3と他車5との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段を構成する。コントローラ10の合流予測演算部15におけるS3は、自車3の走行状態に基づいて、将来における自車3の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を構成する。コントローラ10の合流予測演算部15におけるS4〜S9は、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、自車3が第1車線2から第2車線4に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段を構成する。コントローラ10の合流予測演算部15におけるS10、表示器11は、車線変更タイミング取得手段により求められた車線変更タイミングに基づいて、自車3の車線変更を支援する車線変更支援手段を構成する。
【0061】
このように本実施形態の走行支援装置1によれば、合流車線2から本車線4に合流するときに、車線変更することができるタイミングである車線変更タイミングTCLが、現在の車線状況に基づいて予測された将来における予測挙動から抽出されるかたちで求められ、この車線変更タイミングTCLに基づいて走行支援がなされる。従って、特別な車両の走行制御や操作量の変更指示を必要とされず、運転者にとって違和感の無い車線変更を支援することができる。
【0062】
さらに、車線変更位置を特定しないため、例えば本車線4を他車が一台も走行していない場合には、運転者にとって任意のタイミング、かつ、合流車線2における任意の位置で車線変更を行うように走行支援される。すなわち、合流車線2における車線変更を行い得る位置の範囲が広がるだけでなく、自車3が合流車線2に侵入してから合流終端Pに到達するまでの時間における車線変更を行い得るタイミングの範囲が広がることになる。従って、本実施形態の走行支援装置1によれば、あらゆる車線状況に応じた柔軟な車線変更を行うことが可能となる。
【0063】
また、自車3が合流終端Pに到達するまでの時間である合流猶予時間Tが求められ、この合流猶予時間Tより前のタイミングとして車線変更タイミングTCLが求められるため、車線変更タイミングTCLに基づいた走行支援装置1の走行支援は、自車3は合流終端Pに到達する前に確実に車線変更することができる。
【0064】
次に、本発明の一実施形態に係る走行支援システムについて図6〜図7に基づいて説明する。ここで、上記した実施形態と同一の説明を省略し、異なる点のみ説明する。
【0065】
図6は本発明の一実施形態に係る走行支援システムを示す概略構成図であり、図7は図6の走行支援システム20の適用例を示す図である。各図において、本実施形態の走行支援システム20は、例えば高速道路の合流車線2を走行する第1車両21が、本車線4へ合流するときの車線変更を支援するものである。走行支援システム20は、例えば合流車線2の合流終端P近傍に設置される走行支援ユニット32を備えている。
【0066】
図6及び図7に示すように、走行支援ユニット32は、第1車両21の走行位置を取得する受信器23と、第1車両21及び第2車両22の走行状態に関するパラメータを計測するレーダ24と、車線変更することが可能な車線変更タイミングを求めるコントローラ25と、車線変更を行うときの情報を運転者に報知する表示器26とを備えている。
【0067】
受信器23は、例えばGPSや路車間通信等の受信器であり、第1車両21の現在の走行位置及び合流車線2の道路情報を取得する。この受信器23は、コントローラ25に接続されており、取得した走行位置及び道路情報に関する出力信号をコントローラ25に出力する。
【0068】
レーダ24としては、例えばミリ波レーダが用いられる。レーダ24は、コントローラ25に接続されており、計測したパラメータに関する出力信号をコントローラ25に出力する。
【0069】
コントローラ25は、例えばCPU、ROM、及びRAM等から成り、走行位置検出部27と車両走行状態検出部28と合流予測演算部29と発信部30とを有している。
【0070】
走行位置検出部27は、受信器23の出力信号に基づいて、第1車両21の現在位置と合流車線2の合流終端Pとの差である合流終端距離を算出する。
【0071】
車両走行状態検出部28は、レーダ24の出力信号に基づいて、第1車両21と第2車両22との車間距離、第1車両21の速度、第2車両22の速度、第1車両21の加速度、及び第2車両22の加速度を検出する。
【0072】
合流予測演算部29は、上記実施形態と同様にして、将来における第1車両21と第2車両22との挙動データを時系列で算出して予測し、予測された挙動から第1車両21が合流車線2から本車線4に合流(車線変更)をすることが可能な車線変更タイミングを求める。この合流予測演算部29の処理手順の詳細については、上記実施形態における合流予測演算部15と同様である(図4参照)。そして、発信部30は、この車線変更タイミングに基づいて、合流するための合流情報を、例えば電波として車両に搭載された表示器26に向け、それぞれ発信させる。
【0073】
表示器26は、発信部30から発信された合流情報を表示部に表示して、運転者の視覚を通じて車線変更を行うときの情報を提示する。この表示器26は、第1車両21には少なくとも搭載されており、第2車両22にも搭載されることが好ましい。なお、表示部に代えて、もしくは表示部に加えて音声出力部を設け、音声により車線変更を指示しても良い。
【0074】
以上のような走行支援システム20においては、合流車線2に第1車両21が侵入したとき、第1車両21が合流車線2を走行していることが受信器23により判定され、以下の支援が実行される。
【0075】
まず、受信器23により第1車両21の走行位置及び合流車線2の道路情報を取得し、合流終端距離を算出する。そして、レーダ24の出力信号を用いて、第1車両21と第2車両22との車線軸上の車間距離、第1車両21及び第2車両22の車速、加速度をそれぞれ取得する。
【0076】
次に、合流予測演算部29において、上記のパラメータに基づいて、車線変更タイミングを取得する。そして、この車線変更タイミングに基づいて、合流するための合流情報を発信部30から発信して表示器26に表示させる。これにより、合流車線2から本車線4へ合流するときの車線変更を運転者に支援することになる。
【0077】
以上において、受信器23、レーダ24、コントローラ25の走行位置検出部27、コントローラ25の車両走行状態検出部28は、第1車線2を走行する第1車両21と第2車線4を走行する第2車両22との走行状態を検出する車両走行状態検出手段を構成する。コントローラ25の合流予測演算部29の一部は、車両走行状態検出手段により検出された第1車両21の走行状態及び第2車両22の走行状態に基づいて、将来における第1車両21と第2車両22との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段を構成する。コントローラ25の合流予測演算部29の他の一部は、第1車両21の走行状態に基づいて、将来における第1車両21の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を構成する。コントローラ25の合流予測演算部29の更に他の一部は、位置関係予測手段により算出された時系列の位置関係データから、第1車両21が第1車線2から第2車線4に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段を構成する。コントローラ25の合流予測演算部29の更に他の一部、表示器26もしくは表示設備31は、車線変更タイミング取得手段により求められた車線変更タイミングに基づいて、第1車両21の車線変更を支援する車線変更支援手段を構成する。
【0078】
このような本実施形態の走行支援システム20であっても、上記実施形態と同様の効果、すなわち、運転者に簡易な操作で違和感の少ない車線変更を提示することができるという効果を得ることができる。
【0079】
また、走行支援システム20によれば、走行支援ユニットを合流車線2の合流終端P近傍だけでなく、例えば合流車線2の脇等に設置することもできる。また、走行支援ユニットを受信器23、レーダ24のみからなる構成とし、コントローラ25を道路から遠く離れたセンターホストコンピュータに設けるようにしてもよい。このように様々な箇所に、いわゆるインフラ設備として設置することが可能となる。
【0080】
あるいは、本実施形態の他の形態として、図6中の括弧内に示すように、表示器26に代えて、もしくは表示器26に加えて表示設備31を備える構成としてもよい。表示設備31は、例えば車線上における合流終端P近傍の運転者に見え易い位置に設置される。この表示設備31は、発信部30から発信された合流情報や車線変更を行うときの情報を表示部に表示する。
【0081】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0082】
例えば、上記実施形態では、合流車線を走行する車両が本車線に合流するときの車線変更に適用したが、走行車線から追越車線への車線変更、及び追越車線から走行車線への車線変更等にも適用可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、車両の加速度を加速度計で直接計測しているが、速度計で検出した車両の速度に時間微分を施して車両の加速度を求めても良い。また、同様に、受信器で取得した走行位置に時間微分を施して車両の速度を求めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に係る走行支援装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の走行支援装置の適用例を示す図である。
【図3】図1の走行支援装置の合流予測演算部により算出された将来における時系列の予測挙動データの一例を示す図である。
【図4】図1の走行支援装置の合流予測演算部による処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の走行支援装置の表示器による情報提示の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る走行支援システムを示す概略構成図である。
【図7】図6の走行支援システムの適用例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1…走行支援装置、2…合流車線(第1車線)、3…自車(自車両)、4…本車線(第2車線)、5,5a,5b…他車(他車両)、6…受信器(自車両走行状態検出手段)、7…速度計(自車両走行状態検出手段)、8…加速度計(自車両走行状態検出手段)、9…レーダ(他車両走行状態検出手段)、11…表示器(車線変更支援手段)、12…走行位置検出部(自車両走行状態検出手段)、13…自車走行状態検出部(自車両走行状態検出手段)、14…他車走行状態検出部(他車両走行状態検出手段)、15…合流予測演算部(位置関係予測手段,車線変更タイミング取得手段,車線変更支援手段,車速予測手段)、20…走行支援システム、21…第1車両、22…第2車両、23…受信器(車両走行状態検出手段)、24…レーダ(車両走行状態検出手段)、26…表示器(車線変更支援手段)、27…走行位置検出部(車両走行状態検出手段)、28…車両走行状態検出部(車両走行状態検出手段)、29…合流予測演算部(位置関係予測手段,車線変更タイミング取得手段,車線変更支援手段,車速予測手段)、31…表示設備(車線変更支援手段)、a…自車加速度、a,a…他車加速度、L,L…車間距離、P…合流終端、TCL…車線変更タイミング、V…自車速、V,V…他車速度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、第1車線から第2車線への車線変更を支援する走行支援装置であって、
前記第1車線を走行する自車両の走行状態を検出する自車両走行状態検出手段と、
前記第2車線を走行する他車両の走行状態を検出する他車両走行状態検出手段と、
前記自車両走行状態検出手段により検出された前記自車両の走行状態、及び前記他車両走行状態検出手段により検出された前記他車両の走行状態に基づいて、将来における前記自車両と前記他車両との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段と、
前記位置関係予測手段により算出された前記時系列の位置関係データから、前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段と、
前記車線変更タイミング取得手段により求められた前記車線変更タイミングに基づいて、前記自車両の車線変更を支援する車線変更支援手段と、
を備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項2】
前記自車両の走行状態に基づいて、将来における前記自車両の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を更に備え、
前記車線変更タイミング取得手段は、前記位置関係予測手段により算出された前記時系列の位置関係データから、前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たすと共に前記自車両の車速が所定以上であるタイミングを前記車線変更タイミングとして求めることを特徴とする請求項1記載の走行支援装置。
【請求項3】
前記車線変更タイミングは、所定の時間幅を有するタイミングであることを特徴とする請求項1又は2記載の走行支援装置。
【請求項4】
前記第1車線は、合流終端を有する合流車線であり、
前記車線変更タイミング取得手段は、前記車線変更タイミングとして、前記合流車線を走行している前記自車両が前記合流終端に到達する前のタイミングを求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記車線変更タイミング取得手段は、前記自車両の現在の走行状態では前記車線変更タイミングが存在しないと判断したときに、前記自車両の走行状態を変更したと仮定した場合の前記車線変更タイミングを新たに求め、
前記車線変更支援手段は、前記新たに求めた車線変更タイミングに応じて前記自車両の走行状態を変更するように、前記自車両の車線変更を支援することを特徴とする請求項4記載の走行支援装置。
【請求項6】
前記他車両の走行状態は、前記他車両の加速度を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の走行支援装置。
【請求項7】
前記車線変更支援手段は、前記車線変更タイミング取得手段により求めた前記車線変更タイミングに基づいて、前記自車両の車線変更を行うときの情報を報知する手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の走行支援装置。
【請求項8】
第1車線から第2車線への車線変更を支援する走行支援システムであって、
前記第1車線を走行する第1車両と前記第2車線を走行する第2車両との走行状態を検出する車両走行状態検出手段と、
前記車両走行状態検出手段により検出された前記第1車両の走行状態及び前記第2車両の走行状態に基づいて、将来における前記第1車両と前記第2車両との位置関係を時系列に予測算出する位置関係予測手段と、
前記位置関係予測手段により算出された前記時系列の位置関係データから、前記第1車両が前記第1車線から前記第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たす車線変更タイミングを求める車線変更タイミング取得手段と、
前記車線変更タイミング取得手段により求められた前記車線変更タイミングに基づいて、前記第1車両の車線変更を支援する車線変更支援手段と、
を備えることを特徴とする走行支援システム。
【請求項9】
前記第1車両の走行状態に基づいて、将来における前記第1車両の車速を時系列に予測算出する車速予測手段を更に備え、
前記車線変更タイミング取得手段は、前記位置関係予測手段により算出された前記時系列の位置関係データから、前記第1車両が前記第1車線から前記第2車線に車線変更することが可能な位置関係を満たすと共に前記第1車両の車速が所定以上であるタイミングを前記車線変更タイミングとして求めることを特徴とする請求項8記載の走行支援システム。
【請求項10】
前記車線変更タイミングは、所定の時間幅を有するタイミングであることを特徴とする請求項8又は9記載の走行支援システム。
【請求項11】
前記第1車線は、合流終端を有する合流車線であり、
前記車線変更タイミング取得手段は、前記車線変更タイミングとして、前記合流車線を走行している前記第1車両が前記合流終端に到達する前のタイミングを求めることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項記載の走行支援システム。
【請求項12】
前記車線変更タイミング取得手段は、前記第1車両の現在の走行状態では前記車線変更タイミングが存在しないと判断したときに、前記第1車両の走行状態を変更したと仮定した場合の前記車線変更タイミングを新たに求め、
前記車線変更支援手段は、前記新たに求めた車線変更タイミングに応じて前記第1車両の走行状態を変更するように、前記第1車両の車線変更を支援することを特徴とする請求項11記載の走行支援システム。
【請求項13】
前記第2車両の走行状態は、前記第2車両の加速度を含むことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項記載の走行支援システム。
【請求項14】
前記車線変更支援手段は、前記車線変更タイミング取得手段により求めた前記車線変更タイミングに基づいて、前記第1車両の車線変更を行うときの情報を報知する手段を有することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項記載の走行支援システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−241439(P2007−241439A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59852(P2006−59852)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】