説明

車両情報通知装置

【課題】車両情報の緊急度に応じて車両の運転に支障がない状況になるように車両を誘導して、速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を提供すること。
【解決手段】受信部11が通知すべき車両情報を受信すると、状況判定部12が車両情報を通知しても運転に支障がない状況であるか否か、すなわち車両が停止しているか否かを判定し、車両が停止している場合には通知部15に車両情報通知要求を出力して車両情報を通知させる。車両が停止していない(走行中)場合には、緊急度判定部13が通知すべき車両情報の緊急度を判定し、緊急度が高いと判定された場合には誘導部14が通知部15を用いて、音声や表示装置7の一部を点滅、または点灯させて車両情報を受信したことを運転者に認識させて車両を停車させるように誘導して車両を停車させた後に車両情報を運転者に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両情報を運転者に通知する車両情報通知装置に関し、特に、車両状況および通知する車両情報の緊急度に応じて車両情報を通知しても車両の運転に支障がない状況に誘導する車両情報通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の車両には、ナビゲーション・システムやABS(Anti-Lock Braking System)などの制御のために複数のマイコンが搭載されている。また、ブレーキ制御やアクセル制御、パワー・ステアリング制御、エンジン制御、トラッスミッション制御、灯火系(ヘッドライトやウインカーランプなど)制御などもマイコンによって行なわれている。
【0003】
たとえば、エンジン・コントロール・ユニット(ECU)は、バキュームセンサや吸気温センサ、スロットルポジションセンサ、クランク角センサ、水温センサ、ノッキングセンサ、O2センサなどからの情報に基づいてエンジンを制御するマイコンである。ECUは、各センサからの情報に基づいてエンジンを制御する際に、各センサからの情報から異常を検出すると、異常を通知する車両情報(メッセージ)を車両情報通知装置に出力して運転者に通知する。ECUには、自己診断機能(ダイアグノーシス)で故障箇所を通知するも機能を備えているものもあり、この場合も、故障箇所を車両情報として車両情報通知装置に出力して運転者に通知する。
【0004】
ECUに限らず、車両の内のマイコンは、各センサなどからの情報に基づいて制御対象となる部品を制御したり、状態を監視しており、異常を検出すると、車両情報を車両情報通知装置に出力して運転者に通知する。
【0005】
一方、近年では、センタが車両メンテナンスの情報を自動的に収集してカスタマサポートに利用したり、センタがメンテナンス時期を車両に通知する管理システムも普及している。このような管理システムを用いた場合も、車両情報通知装置がセンタから受信した情報を車両情報として運転者に通知する。
【0006】
車両情報通知装置は、様々な車両情報を表示ランプを点灯させたり、音声によって運転者に通知するが、車両の異常や故障に関する通知の場合、運転中の運転者が動揺したりパニック状態になることも考えられる。たとえば、高速走行中やカーブを走行中に車両の異常や故障に関する通知を受け、運転者が動揺した場合、事故を引き起こす原因にもなりかねないという問題があった。
【0007】
このような問題を改善するために、従来から、車両の状況を考慮して運転者に情報を通知する種々の技術が考えられている。たとえば、特許文献1に記載の従来技術には、車両が道路の分岐点付近にあって車両が曲がっている場合や、車両が道路のカーブにさしかかる前やカーブ走行中の場合、前方車両との車間距離が所定距離以下の場合、車両が一般道路を走行中であってその走行速度が所定速度以上の場合など、車両情報に相当するRACS(Road Automobile Communication System)の緊急メッセージを運転者に通知することが運転に支障をきたす状況であると判断される場合には、その状況が消滅するまで待機し、その状況が消滅した後に緊急メッセージを運転者に通知する緊急メッセージ通知方法に関する技術が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−52488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の従来技術では、緊急メッセージを運転者に通知することが運転に支障をきたす状況であると判断される場合には、その状況が消滅するまで待機し、その状況が消滅した後に緊急メッセージを運転者に通知するようにしているので、運転者が緊急メッセージを受けたために動揺することを回避することができる。
【0010】
ところで、車両の異常や故障に関する通知内容には様々なものがある。たとえば、エンジン制御やブレーキ制御に関する異常など即座に走行や安全面に影響を与える内容の通知、灯火系の異常など即座に走行や安全面に影響を与えることはない内容の通知、ウインドウォッシャーの残量が少なくなったことやメンテナンス時期であることなど現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容の通知など、運転者に認識させる緊急度が異なる。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、緊急メッセージ(車両情報)を運転者に通知することが運転に支障をきたす状況であると判断される場合には、その状況が消滅するまで待機し、その状況が消滅した後に車両情報を運転者に通知するようにしているので、緊急度の高い車両情報(たとえば、即座に走行や安全面で影響を与える通知や、即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある通知)を運転者に速やかに通知することができないという問題があった。すなわち、上記特許文献1に記載の従来技術では、車両情報の緊急度に応じた対応が考慮されていないため、緊急度の高い車両情報を運転者に通知するタイミングが遅れてしまうという問題があった。
【0012】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、車両情報の緊急度に応じて車両の運転に支障がない状況になるように車両を誘導して、速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る車両情報通知装置は、車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況か否かを判定する状況判定手段を備え、該状況判定手段によって車両の運転に支障がないと判定された場合には、前記車両情報を前記車両に搭載されている音声出力手段および/または表示手段を用いて運転者に通知する車両情報通知装置において、前記状況判定手段によって運転に支障があると判定された場合には通知すべき車両情報の緊急度を判定する緊急度判定手段と、前記緊急度判定手段によって前記通知すべき車両情報の緊急度が高いと判定された場合には、前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導する誘導手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明によれば、車両情報を運転者に通知する際に、状況判定手段が、車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況か否かを判定し、運転に支障がある場合には、緊急度判定手段が通知すべき車両情報の緊急度を判定して、緊急度が高い場合には、誘導手段が車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導し、状況判定手段によって車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定された後に、車両に搭載されている音声出力手段および/または表示手段を用いて車両情報を運転者に通知するようにしている。
【0015】
また、請求項2の発明に係る車両情報通知装置は、請求項1の発明において、前記緊急度判定手段は、前記車両情報を、少なくとも即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報、および現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容を通知する車両情報に分類し、前記即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、および即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報を緊急度が高いと判定すること、を特徴とする。
【0016】
この請求項2の発明によれば、緊急度判定手段は、車両情報を、少なくとも即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報、および現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容を通知する車両情報に分類し、即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、および即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報を緊急度が高いと判定するようにしている。
【0017】
また、請求項3の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項1または2の発明において、前記誘導手段は、音声および/またはアラーム音を前記音声出力手段に出力して前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、を特徴とする。
【0018】
この請求項3の発明によれば、誘導手段は、音声および/またはアラーム音を車両に搭載されている音声出力手段に出力して車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしている。
【0019】
また、請求項4の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項1〜3の何れか一つの発明において、前記誘導手段は、前記表示手段の一部を点滅、または点灯させて前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、を特徴とする。
【0020】
この請求項4の発明によれば、車両に搭載されている表示手段の一部を点滅、または点灯させて車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしている。
【0021】
また、請求項5の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項4の発明において、前記表示手段の中に前記車両を運転中の前記運転者以外の者が認識することができる表示枠を設け、前記誘導手段は、前記表示枠を点滅、または点灯させること、を特徴とする。
【0022】
この請求項5の発明によれば、車両に搭載されている表示手段の中に車両を運転中の運転者以外の者が認識することができる表示枠を設け、誘導手段は、表示枠を点滅、または点灯させるようにしている。
【0023】
また、請求項6の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項1〜5の何れか一つの発明において、前記誘導手段は、前記車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、前記ナビゲーション装置に所定の場所を設定して前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、を特徴とする。
【0024】
この請求項6の発明によれば、誘導手段は、車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、ナビゲーション装置に所定の場所を設定して車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしている。
【0025】
また、請求項7の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項1〜6の何れか一つの発明において、前記状況判定手段は、前記車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、前記車両が停止している場合に前記通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定すること、を特徴とする。
【0026】
この請求項7の発明によれば、状況判定手段は、車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両が停止している場合に通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定するようにしている。
【0027】
また、請求項8の発明にかかる車両情報通知装置は、請求項1〜6の何れか一つの発明において、前記状況判定手段は、前記車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、前記車両が停止している場合、または前記車両の速度が所定の速度以下の状態が所定の時間以上継続した場合に、前記通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定すること、を特徴とする。
【0028】
この請求項8の発明によれば、状況判定手段は、車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両が停止している場合、または車両の速度が所定の速度以下の状態が所定の時間以上継続した場合に、通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定するようにしている。
【発明の効果】
【0029】
請求項1の発明によれば、車両情報を運転者に通知する際に、状況判定手段が、車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況か否かを判定し、運転に支障がある場合には、緊急度判定手段が通知すべき車両情報の緊急度を判定して、緊急度が高い場合には、誘導手段が車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導し、状況判定手段によって車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定された後に、車両に搭載されている音声出力手段および/または表示手段を用いて車両情報を運転者に通知するようにしているため、速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項2の発明によれば、緊急度判定手段は、車両情報を、少なくとも即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報、および現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容を通知する車両情報に分類し、即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、および即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報を緊急度が高いと判定するようにしているため、速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項3の発明によれば、誘導手段は、音声および/またはアラーム音を車両に搭載されている音声出力手段に出力して車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしているため、運転者に通知すべき車両情報があることを運転者に認識させて車両の運転に支障がない状況に誘導して速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項4の発明によれば、車両に搭載されている表示手段の一部を点滅、または点灯させて車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしているため、運転者に通知すべき車両情報があることを運転者に認識させて車両の運転に支障がない状況に誘導して速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項5の発明によれば、車両に搭載されている表示手段の中に車両を運転中の運転者以外の者が認識することができる表示枠を設け、誘導手段は、表示枠を点滅、または点灯させるようにしているため、車両に運転者以外の者(同乗者)がいる場合には、同乗者を介して運転者に通知すべき車両情報があることを認識させて車両の運転に支障がない状況に誘導し、速やかに緊急度の高い車両情報を運転者に通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0034】
また、請求項6の発明によれば、誘導手段は、車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、ナビゲーション装置に所定の場所を設定して車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導するようにしているため、運転者が停車場所を探す必要が無くなり、運転者の負荷を軽減して安全に車両情報を通知しても運転に支障がない状況に誘導して、速やかに緊急度の高い車両情報を運転者に通知することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0035】
また、請求項7の発明によれば、状況判定手段は、車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両が停止している場合に通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定するようにしているため、車両情報の内容によって運転者がパニック状態を起しても運転に支障を与えることが無くなり、車両情報の通知による事故を防止することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【0036】
また、請求項8の発明によれば、状況判定手段は、車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両が停止している場合、または車両の速度が所定の速度以下の状態が所定の時間以上継続した場合に、通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定するようにしているため、車両情報の内容によって運転者がパニック状態を起しても運転に支障を与えることが無くなり、車両情報の通知による事故を防止することができる車両情報通知装置を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車両情報通知装置の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0038】
図1〜図5を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は、この発明における車両情報通知装置1の概要構成を示す概要構成図である。図1において、車両情報通知装置1は、ナビゲーション装置3と、スピーカーなどの音声出力装置5と、液晶ディスプレイなどで構成される表示装置7と、自車両の走行速度を測定する速度センサ9とに接続される。
【0039】
ナビゲーション装置3は、GPS(Global Positioning System)人工衛星と通信して特定した自車両の位置と地図データ31とを用いて走行経路の設定、および誘導を行なう車載装置である。この経路の誘導は具体的には、音声出力装置5および表示装置7を用いて行なわれる。
【0040】
車両情報通知装置1は、受信部11、状況判定部12、緊急度判定部13、誘導部14、通知部15、音声ガイドテーブル17、および緊急度テーブル16を備えている。
【0041】
受信部11は、車両情報を受信すると、受信した車両情報を緊急度判定部13および通知部15に出力するとともに、車両情報を受信したことを状況判定部12に通知する。ここで、車両情報とは、自車両が予め契約しているセンタからの車両のメンテナンスに関する情報や、自車両内の各センサからの情報から検出した異常通知など、運転者に通知すべき車両に関する情報であり、通知すべき情報の内容を識別するための識別子(たとえば、メッセージコード)が含まれている。
【0042】
状況判定部12は、速度センサ9が測定した走行速度に基づいて、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であるか否かを判定する。状況判定部12は、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であると判定した場合には、車両情報通知要求を通知部15に出力し、車両情報を運転者に通知すると運転に支障がある状況であると判定した場合には、緊急度判定要求を緊急度判定部13に出力する。
【0043】
緊急度テーブル16には、メッセージコードに対応付けて車両情報の緊急度が登録される。図2は、緊急度テーブル16の構成の一例を示す図である。図2においては、緊急度は3段階に分類されており、緊急度「3」は即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知であり、緊急度「2」は即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある内容の通知であり、緊急度「1」は現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容の通知である。すなわち、緊急度「3」が最も緊急度が高く、緊急度「2」、緊急度「1」の順に緊急度が低くなっている。
【0044】
図2においては、メッセージコード「01」はエンジン制御系の異常を通知する車両情報で緊急度「3」が対応付けられ、メッセージコード「02」はブレーキ制御系の異常を通知する車両情報で緊急度「3」が対応付けられ、メッセージコード「03」は灯火系の異常を通知する車両情報で緊急度「2」が対応付けられ、メッセージコード「04」はウインドウォッシャー切れを通知する車両情報で緊急度「1」が対応付けられ、メッセージコード「05」はメンテナンス時期を通知する車両情報で緊急度「1」が対応付けられている。
【0045】
図1に戻って、緊急度判定部13は、緊急度判定要求を受けると、緊急度テーブル16および受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに基づいて車両情報の緊急度を判定して、車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に車両を導く必要があるか否かを判定する。車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に車両を導く必要があると判定した場合、緊急度判定部13は誘導要求を誘導部14に出力する。
【0046】
誘導部14は、誘導要求を受けると、車両情報を受信したことを通知する受信通知要求を通知部15に出力する。また、誘導部14は、ナビゲーション装置3がルート案内中の場合には、車両を停車可能な場所を立ち寄り地点として設定して、ナビゲーション装置3に車両を誘導させる。
【0047】
音声ガイドテーブル17には、受信通知要求やメッセージコードなどに対応付けて音声ガイドが登録される。音声ガイドは、予め録音されている音声データであり、受信通知要求に対応付けられて登録される音声ガイドは、たとえば、「メッセージの受信があります。停車可能な場所で停車してください」というような、運転者に車両の停止を促す内容のアナウンスである。また、メッセージコードに対応付けて登録される音声ガイドは、たとえば、エンジン制御系の異常を通知する車両情報に含まれるメッセージコード「01」に対応付けて登録される音声ガイドの場合、「エンジン制御系の異常が検出されましたので、点検を行なってください」というような、車両情報の内容を通知するアナウンスである。
【0048】
通知部15は、誘導部14から受信通知要求を受けると、受信通知要求に対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力するとともに、表示装置7の一部を点滅、または点灯させる。また、通知部15は、状況判定部12から車両情報通知要求を受けると、受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力するとともに、車両情報の内容を表示装置7に表示させる。
【0049】
つぎに、図3のフローチャートを参照して、この発明における車両情報通知装置1の動作を説明する。車両情報を受信すると(ステップS100)、受信部11は、受信した車両情報を緊急度判定部13および通知部15に出力するとともに、車両情報を受信したことを状況判定部12に通知する。
【0050】
状況判定部12は、速度センサ9が測定した速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、状況判定部12は、速度センサ9が測定した速度が「0km/h」であるか否か、すなわち車両が停止しているか否かを判定する。車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況である(車両が停止している)場合、状況判定部12は、車両情報通知要求を通知部15に出力する。
【0051】
車両情報を運転者に通知すると運転に支障がある状況(車両が停止していない、すなわち走行中)である場合、状況判定部12は、緊急度判定要求を緊急度判定部13に出力する。
【0052】
緊急度判定要求を受けると、緊急度判定部13は、緊急度テーブル16および受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに基づいて、車両情報の緊急度を判定して、車両を車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導く必要があるか否かを判定する。ここでは、車両情報の緊急度の値と予め定められた閾値とを比較して、車両情報の緊急度の値が予め定められた閾値以上であるか否かで緊急度を判定する(ステップS102)。
【0053】
具体的には、緊急度判定部13は、車両情報に含まれるメッセージコードを検索キーとして緊急度テーブル16のメッセージコードを検索し、検索キーと一致したメッセージコードに対応付けられた緊急度の値を取得する。
【0054】
緊急度の値が予め定められた閾値より小さい場合、緊急度判定部13は、受信部11が受信した車両情報の緊急度は低く、運転者によって車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導かれてから車両情報を通知しても問題ないと判断する。すなわち、車両情報を通知するために車両を誘導することなく、運転者の意思によって車両が停車されるのを待って、車両情報を通知する。より詳細には、状況判定部12は、受信部11より車両情報を受信したことが通知されてから、車両情報を運転者に通知しても支障が無い状況になって車両情報通知要求を通知部15に出力するまで、速度センサ9が測定した速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であるか否かを判定している。したがって、受信した車両情報は、車両が停止した際に必ず運転者に通知される。
【0055】
緊急度の値が予め定められた閾値以上の場合、緊急度判定部13は、受信部11が受信した車両情報の緊急度は高く、車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導く必要があると判定して誘導要求を誘導部14に出力する。
【0056】
たとえば、先の図2に示した緊急度テーブル16の場合、緊急度「3」は即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知であり、緊急度「2」は即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要のある内容の通知であるので、速やかに運転者に通知する必要がある。したがって、閾値を「2」としておけば、緊急度「3」および緊急度「2」の車両情報(この場合は、メッセージコード「01」のエンジン制御系の異常に関する車両情報、メッセージコード「02」のブレーキ制御系の異常に関する車両情報、およびメッセージコード「03」の灯火系の異常に関する車両情報)を受信した場合に、緊急度判定部13は、車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導く必要があると判定して誘導要求を誘導部14に出力する。
【0057】
誘導要求を受けると、誘導部14は、車両情報を受信したことを通知する受信通知要求を通知部15に出力する。受信通知要求を受けると、通知部15は、受信通知要求に対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを選択し、選択した音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力する。上述したように、音声ガイドテーブル17には、受信通知要求に対応付けられ運転者に車両の停止を促す内容のアナウンスの音声ガイドが登録されている。したがって、音声出力装置5からは、「メッセージ(車両情報)の受信があります。停車可能な場所で停車してください」というような停止を促すアナウンスが出力される(ステップS103)。
【0058】
また、通知部15は、表示装置7の一部(たとえば、表示装置7の表示部の枠)を点滅、または点灯させる(ステップS104)。具体的には、図4に示すように、表示装置7の表示部71の枠72を点滅、または点灯させて、運転者に車両情報を受信したことを認識させる。点灯、または点滅させる色は、原色を避けることが好ましい。また、表示部71の枠72を点滅、または点灯させるとともに、表示装置7の一部にメッセージ表示エリア73を設けて、「メッセージの受信があります」とういようなメッセージを表示するようにしてもよい。
【0059】
一方、受信通知要求を出力した後に、誘導部14は、ナビゲーション装置3がルート案内中であるか否かを判定する(ステップS105)。ナビゲーション装置3がルート案内中の場合、誘導部14は、立ち寄り地点として車両が停車可能な場所をナビゲーション装置3に設定する(ステップS106)。たとえば、誘導部14は、車両が高速道路を走行中の場合にはサービス・エリア(SA)やパーキング・エリア(PA)を立ち寄り地点として設定し、一般道路を走行中の場合にはコンビニエンス・ストアなどを立ち寄り地点として設定する。これにより、ナビゲーション装置3は、経路誘導機能を用いて車両を停車可能な場所への誘導を開始する。
【0060】
誘導部14がナビゲーション装置3に停車可能な場所を設定した場合、緊急度判定部13によって緊急度の値が予め定められた閾値より小さく運転者によって車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導かれてから車両情報を通知しても問題ないと判断された場合、または誘導部14によってナビゲーション装置3がルート案内中ではないと判断された場合に、状況判定部12は、速度センサ9が測定した走行速度に基づいて、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0061】
停止を促すアナウンスやナビゲーション装置3の誘導によって運転者が車両を停止させると、速度センサ9が測定した走行速度が「0km/h」になり、状況判定部12は、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であると判定し、車両情報通知要求を通知部15に出力する。
【0062】
車両情報通知要求を受けると、通知部15は、受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力するとともに、車両情報の内容を表示装置7に表示させて、車両情報を運転者に通知する(ステップS108)。
【0063】
このようにこの実施例1では、通知すべき車両情報を受信した際に、状況判定部12が車両情報を通知しても運転に支障がない状況、すなわち車両が停止しているか否かを判定し、車両が停止している場合は通知部15に車両情報通知要求を出力して車両情報を通知させる。状況判定部12によって車両情報を通知すると運転に支障がある状況、すなわち車両が走行中であると判定された場合には、緊急度判定部13が通知すべき車両情報の緊急度を判定すし、緊急度が高いと判定された場合には誘導部14が通知部15を用いて、音声や表示装置7の一部を点滅、または点灯させて車両情報を受信したことを運転者に認識させて車両を停車させるように誘導して車両を停車させた後に車両情報を運転者に通知するようにしているため、運転者に車両情報を受信したことを運転者に認識させて車両の運転に支障がない状況に誘導して速やかに緊急度の高い車両情報を通知することができる。
【0064】
また、この実施例1では、車両にナビゲーション装置3が搭載され、ルート案内中の場合には、誘導部14がナビゲーション装置3に所定の場所を設定して車両の運転に支障がない状況になるように誘導するようにしているため、運転者が停車場所を探す必要が無くなり、運転者の負荷を軽減して安全に車両情報を通知しても運転に支障がない状況に誘導して、速やかに緊急度の高い車両情報を運転者に通知することができる。
【0065】
さらに、この実施例1では、状況判定部12が、車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両が停止している場合に通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定するようにしているため、車両情報の内容によって運転者がパニック状態を起しても運転に支障を与えることが無くなり、車両情報の通知による事故を防止することができる。
【実施例2】
【0066】
図5および図6を用いてこの発明の実施例2を説明する。先の実施例1では、閾値を「2」として、車両情報が即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知、または即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある内容の通知の場合には運転者に車両の停止を促して車両を車両情報を通知しても支障がない状況に誘導するようにした。しかしながら、車両情報が即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知である場合と、即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある内容の通知の場合とでは緊急度が異なる。この実施例2では、車両情報が即座に走行や安全面で影響を与えることはないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある内容の通知の場合に、運転者ではなく、車両の同乗者に車両情報を受信したことを認識させるものである。
【0067】
この発明における車両情報通知装置1の概要構成は、先の図1に示した実施例1と同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0068】
図5のフローチャートを参照して、この発明における車両情報通知装置1の実施例2の動作を説明する。なお、この実施例2の車両情報通知装置1と先の実施例1の車両情報通知装置1との動作の相違点は、受信した車両情報の緊急度が閾値以上(ここでは、緊急度が「2」以上)の場合に、緊急度が「3」であるのか、「2」であるのかを判定する点と、緊急度が「2」の時の車両の誘導手順であるので、先の実施例1と同じ動作については同一ステップを付し、その詳細な説明は省略する。
【0069】
車両情報を受信すると(ステップS100)、受信部11は、受信した車両情報を緊急度判定部13および通知部15に出力するとともに、車両情報を受信したことを状況判定部12に通知する。
【0070】
状況判定部12は、速度センサ9が測定した速度を取得して車両の走行状態を認識し、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であるか否かを判定し(ステップS101)、車両情報を運転者に通知しても運転に支障がない状況であると判定した場合には車両情報通知要求を通知部15に出力し、車両情報を運転者に通知すると運転に支障がある状況であると判定した場合には緊急度判定要求を緊急度判定部13に出力する。
【0071】
緊急度判定要求を受けると、緊急度判定部13は、緊急度テーブル16および受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに基づいて、車両情報の緊急度が予め定められた閾値(ここでは閾値は「2」)以上であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0072】
緊急度の値が予め定められた閾値より小さい場合、緊急度判定部13は、受信部11が受信した車両情報の緊急度は低く、運転者によって車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導かれてから車両情報を通知しても問題ないと判断する。
【0073】
緊急度の値が予め定められた閾値以上の場合、緊急度判定部13は、受信部11が受信した車両情報の緊急度は高く、車両情報を運転者に通知しても支障がない状況に導く必要があると判定して誘導要求を誘導部14に出力する。このとき、緊急度判定部13は、誘導要求に緊急度を含めて誘導部14に出力する。
【0074】
誘導部14は、誘導要求に含まれる緊急度が「3」であるか否かを判定する(ステップS200)。すなわち、誘導部14は、受信した車両情報が即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知であるか否かを判定する。受信した車両情報の緊急度が「3」(即座に走行や安全面で影響を与える内容の通知)の場合、誘導部14は、緊急度「3」の車両情報を受信したことを通知する受信通知要求を通知部15に出力する。
【0075】
通知部15は、音声ガイドテーブル17に受信通知要求に対応付けて登録されている音声ガイドを選択し、選択した音声ガイドを再生して「メッセージ(車両情報)の受信があります。停車可能な場所で停車してください」というような停止を促すアナウンスを音声出力装置5に出力させる(ステップS103)。また、通知部15は、表示装置7の一部(たとえば、先の図4に示した表示装置7の表示部71の枠72)を点滅、または点灯させて(ステップS104)運転者に停止を促す。
【0076】
受信通知要求を出力した後に、誘導部14は、ナビゲーション装置3がルート案内中であるか否かを判定し(ステップS105)、ナビゲーション装置3がルート案内中の場合、立ち寄り地点として車両が停車可能な場所をナビゲーション装置3に設定する(ステップS106)。
【0077】
車両の停止を促すアナウンスや表示、ナビゲーション装置3などの誘導によって車両が停止したこと、すなわち車両情報を通知しても運転に支障がない状況になったことを認識すると(ステップS107)、状況判定部12は車両情報通知要求を通知部15に出力し、通知部15は、車両情報に受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力するとともに、車両情報の内容を表示装置7に表示させて、車両情報を運転者に通知する(ステップS108)。
【0078】
一方、受信した車両情報の緊急度が「2」(即座に走行や安全面で影響を与えることのないができるだけ早く運転者に認識させる必要がある内容の通知)の場合、誘導部14は、緊急度「2」の車両情報を受信したことを通知する受信通知要求を通知部15に出力する。
【0079】
通知部15は、表示装置7の一部(狭視野部)を点滅、または点灯させる(ステップS201)。狭視野部とは、車両を運転中の運転者以外の者が認識することができる表示枠
のことである。たとえば、図6に示すように、表示装置7の表示部71の助手席側にサブ画面74を設けておき、通知部15は、緊急度「2」の受信通知要求を受けた場合には、サブ画面74を点滅、または点灯させる。このとき、点滅、または点灯させる色は、原色を避けることが好ましい。
【0080】
受信通知要求を出力した後、誘導部14は、ナビゲーション装置3がルート案内中であるか否かを判定し(ステップS105)、ナビゲーション装置3がルート案内中の場合、立ち寄り地点として車両が停車可能な場所をナビゲーション装置3に設定する(ステップS106)。
【0081】
表示装置7の一部(狭視野部)を点滅、または点灯させたことにより、車両を運転中の運転者以外の同乗者が車両情報を受信したことに気が付き、運転者に伝えることにより車両が停止したこと、またはナビゲーション装置3などの誘導によって車両が停止したこと、すなわち車両情報を通知しても運転に支障がない状況になったことを認識すると(ステップS107)、状況判定部12は車両情報通知要求を通知部15に出力し、通知部15は、車両情報に受信部11から入力された車両情報に含まれるメッセージコードに対応付けて音声ガイドテーブル17に登録されている音声ガイドを再生して音声出力装置5に出力するとともに、車両情報の内容を表示装置7に表示させて、車両情報を運転者に通知する(ステップS108)。
【0082】
このようにこの実施例2では、緊急度が最も高い(緊急度「3」)の車両情報については、音声や表示装置7の一部を点滅、または点灯させて車両情報を受信したことを運転者に認識させて車両を停車させるように誘導して車両を停車させた後に車両情報を運転者に通知し、緊急度「2」の車両情報については、運転者以外の者(同乗者)のみが認識することができるように表示装置7の一部を点滅、または点灯させるようにしているので、車両情報の緊急度に応じて、直接運転者に車両情報を受信したことを認識させたり、同乗者を介して運転者に車両情報を受信したことを認識させて、車両の運転に支障がない状況に誘導し、速やかに緊急度の高い車両情報を運転者に通知することができる。
【0083】
なお、実施例1および2において、表示装置7の表示部71の一部(枠72、またはサブ画面74)を点灯、または点滅させた時に、同乗者がその点灯、または点滅の意味がわからずに運転者に問い合わせることも考えられるので、メッセージ表示エリア73、またはサブ画面74に「ディスプレイ点滅、または点灯時には、運転手に停車を促してください」というようなメッセージを表示するようにしてもよい。
【0084】
また、実施例1および2において、車両情報の受信を音声(アナウンス)によって通知するようにしたが、車両情報の受信の通知は音声に限るものではなく、アラーム音であってもかまわない。
【0085】
さらに、実施例1および2においては、音声と表示(表示装置7の表示部71の一部の点滅、または点灯や、メッセージの表示)とで車両情報を受信したことを通知するようにしたが、音声のみ、または表示のみで通知するようにしてもよい。
【0086】
さらにまた、実施例1および2においては、状況判定部12が、速度センサ9の測定した速度が「0km/h」である場合、すなわち車両が停止している場合を、車両情報を通知しても車両の運転に支障がない状態であると判定するようにしたが、徐行中であってもかまわない。この場合、状況判定部12は、速度センサ9の測定した速度が所定の値以下の状態が所定の時間以上継続しているか否かによって車両が徐行中であると判定すればよい。
【0087】
また、実施例1または2の受信部11、状況判定部12、緊急度判定部13、誘導部14、および通知部15によって実現される前述した各機能を、ソフトウエアによって実現して、ナビゲーション装置3内のCPUに実行させ、車両情報通知装置1の機能をナビゲーション装置3内に備えるようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置3内の記憶部に緊急度テーブル16および音声ガイドテーブル17を備えておけばよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明にかかる車両情報通知装置は、車両に関する様々な車両情報の通知に有用であり、特に、緊急度が異なる車両情報の通知に適している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】この発明における車両情報通知装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図2】図1に示した緊急度テーブルの構成の一例を示す図である。
【図3】この発明における車両情報通知装置の実施例1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した表示装置を点灯、または点滅させるエリアを説明するための図である。
【図5】この発明における車両情報通知装置の実施例2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した表示装置を点灯、または点滅させるエリアを説明するための図である。
【符号の説明】
【0090】
1 車両情報通知装置
3 ナビゲーション装置
5 音声出力装置
7 表示装置
9 速度センサ
11 受信部
12 状況判定部
13 緊急度判定部
14 誘導部
15 通知部
16 緊急度テーブル
17 音声ガイドテーブル
31 地図データ
71 表示部
72 枠
73 メッセージ表示エリア
74 サブ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報を通知しても当該車両の運転に支障がない状況か否かを判定する状況判定手段を備え、該状況判定手段によって車両の運転に支障がないと判定された場合には、前記車両情報を前記車両に搭載されている音声出力手段および/または表示手段を用いて運転者に通知する車両情報通知装置において、
前記状況判定手段によって運転に支障があると判定された場合には通知すべき車両情報の緊急度を判定する緊急度判定手段と、
前記緊急度判定手段によって前記通知すべき車両情報の緊急度が高いと判定された場合には、前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導する誘導手段と、
を備えたことを特徴とする車両情報通知装置。
【請求項2】
前記緊急度判定手段は、
前記車両情報を、少なくとも即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報、および現在の走行や安全面に影響を与えることのない内容を通知する車両情報に分類し、前記即座に走行や安全面で影響を与える内容を通知する車両情報、および即座に走行や安全面で影響を与えることはない内容を通知する車両情報を緊急度が高いと判定すること、
を特徴とする請求項1に記載の車両情報通知装置。
【請求項3】
前記誘導手段は、
音声および/またはアラーム音を前記音声出力手段に出力して前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の車両情報通知装置。
【請求項4】
前記誘導手段は、
前記表示手段の一部を点滅、または点灯させて前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、
を特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の車両情報通知装置。
【請求項5】
前記表示手段の中に前記車両を運転中の前記運転者以外の者が認識することができる表示枠を設け、
前記誘導手段は、
前記表示枠を点滅、または点灯させること、
を特徴とする請求項4に記載の車両情報通知装置。
【請求項6】
前記誘導手段は、
前記車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、前記ナビゲーション装置に所定の場所を設定して前記車両が当該車両の運転に支障がない状況になるように、当該車両を誘導すること、
を特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の車両情報通知装置。
【請求項7】
前記状況判定手段は、
前記車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、前記車両が停止している場合に前記通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定すること、
を特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の車両情報通知装置。
【請求項8】
前記状況判定手段は、
前記車両の速度を取得して車両の走行状態を認識し、前記車両が停止している場合、または前記車両の速度が所定の速度以下の状態が所定の時間以上継続した場合に、前記通知すべき車両情報を運転者に通知しても当該車両の運転に支障がない状況であると判定すること、
を特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の車両情報通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−10528(P2007−10528A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192976(P2005−192976)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】