説明

車両案内装置及びコンピュータプログラム

【課題】オンストリートパーキングのパーキングメータの位置をユーザに予め把握させることにより、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することを可能とした車両案内装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】自車がオンストリートパーキングに駐車を行った場合に、駐車したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータから案内対象とするパーキングメータを特定し、特定したパーキングメータの設置位置を案内するとともに、走行中の自車位置周辺にオンストリートパーキングが設置されている場合には、そのオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置を案内するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対して各種情報の案内を行う車両案内装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、運転者を所望の目的地まで確実に案内するようになっている。そして、かかるナビゲーション装置の中には、自車の現在位置の周囲や目的地周辺にある駐車場を案内する機能を持つものもある。
【0003】
例えば、特開2001−349740号公報には、駐車場に関するデータから利用者が入力した目的地もしくは近傍の駐車場を検索し、その検索結果の中から所定の日時に営業している駐車場、利用者の車両の車幅、車高、車種の条件に合致する駐車場を表示したり、駐車場の混雑情報や空き情報を取得したりして、利用者の希望に応じた駐車場を表示する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−349740号公報(第6頁〜第7頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前記した特許文献1に記載された技術では、オフロードの所定エリア内に形成された駐車場を案内対象としている。しかしながら、駐車場にはオフロードに形成される駐車場以外にも、オンロードに形成される所謂オンストリートパーキング(路上駐車場)がある。
【0005】
このオンストリートパーキングは、道路に沿ってオンロードに形成された駐車場である。オンストリートパーキングは、特に欧米の都市に多く見られ、オンストリートパーキングに駐車することは一般化している。そして、有料の場合には、パーキングメータにより駐車にかかる料金の支払いを行う。
【0006】
前記した特許文献1に記載された技術では、上記オンストリートパーキングを案内対象としていなかった。更に、オフロードの駐車場では、出入り口が明確なため、利用者は出入り口で料金の精算を行うことができるが、オンストリートパーキングでは、出入り口が決まっていないため、パーキングメータの位置も明確でない。
【0007】
従って、旅行者等の土地勘の無い者がオンストリートパーキングに駐車する場合、パーキングメータを探す必要がある。そして、駐車位置によってはパーキングメータを見つけるまで長時間費やすこともあり、ユーザの負担が大きかった。
【0008】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、オンストリートパーキングのパーキングメータの位置をユーザに予め把握させることにより、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することを可能とした車両案内装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る車両案内装置(1)は、オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置に関する位置情報を取得するメータ位置情報取得手段(13)と、前記メータ位置情報取得手段によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記パーキングメータの設置位置を案内する案内手段(13)と、を有することを特徴とする。
尚、「オンストリートパーキング」とは、オンロードに形成される駐車場のことをいい、パーキングベイ、パーキングゾーン、路面駐車場、路上駐車場、路肩駐車場、時間制限駐車区間とも呼ばれる。
【0010】
また、請求項2に係るナビゲーション装置(1)は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、車両が前記オンストリートパーキングに駐車されたことを検出する駐車検出手段(13)を有し、前記案内手段(13)は、車両が前記駐車検出手段によって前記オンストリートパーキングに駐車されたことを検出した場合に、前記駐車したオンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係るナビゲーション装置(1)は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、車両の駐車位置を取得する駐車位置取得手段(13)を有し、前記案内手段(13)は前記車両の駐車位置から最も近い位置に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係るナビゲーション装置(1)は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、車両の駐車位置を取得する駐車位置取得手段(13)を有し、前記案内手段(13)は前記車両の駐車した路側帯側に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係るナビゲーション装置(1)は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、車両の現在位置を取得する車両位置取得手段(13)と、前記メータ位置情報取得手段(13)によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記車両の現在位置の周辺に位置するパーキングメータを特定するメータ特定手段(13)と、を有し、前記案内手段(13)は前記メータ特定手段によって特定された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係るナビゲーション装置(1)は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段(13)を有し、前記案内手段(13)は前記案内経路設定手段によって設定された案内経路上に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る車両案内方法は、オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置に関する位置情報を取得するメータ位置情報取得ステップ(S6、S13、S17)と、前記メータ位置情報取得ステップによって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記パーキングメータの設置位置を案内する案内ステップ(S7、S14、S18)と、を有することを特徴とする
【0016】
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置に関する位置情報を取得するメータ位置情報取得機能(S6、S13、S17)と、前記メータ位置情報取得機能によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記パーキングメータの設置位置を案内する案内機能(S7、S14、S18)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
前記構成を有する請求項1に記載の車両案内装置によれば、オンストリートパーキングのパーキングメータの位置をユーザに予め把握させることができる。その結果、駐車位置からの死角にパーキングメータが設置されている場合等においても、駐車後にパーキングメータを探すユーザの作業負担を減らすことができる。また、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることも可能となる。従って、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0018】
また、請求項2に記載の車両案内装置によれば、オンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、対応するパーキングメータの設置位置を容易に把握させることができるので、駐車後にパーキングメータを探すユーザの作業負担を減らすことができる。
【0019】
また、請求項3に記載の車両案内装置によれば、複数のパーキングメータを備えるオンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、複数のパーキングメータの内からユーザの最も近くにある利用し易いパーキングメータの設置位置を把握させることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の車両案内装置によれば、複数のパーキングメータを備えるオンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、複数のパーキングメータの内からユーザに利用し易い適当なパーキングメータの設置位置を把握させることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の車両案内装置によれば、オンストリートパーキングに駐車を行う前のユーザに対して、車両周囲に位置するパーキングメータの設置位置を予め把握させることができる。従って、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることが可能となり、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0022】
また、請求項6に記載の車両案内装置によれば、案内経路に従って走行するユーザに対して、案内経路上に位置するパーキングメータの設置位置を予め把握させることができる。従って、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることが可能となり、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することができる。また、ユーザにとって不要な案内を減らすことにより、よりユーザに理解しやすい案内を行うことが可能となる。
【0023】
また、請求項7に記載の車両案内方法によれば、オンストリートパーキングのパーキングメータの位置をユーザに予め把握させることができる。その結果、駐車位置からの死角にパーキングメータが設置されている場合等においても、駐車後にパーキングメータを探すユーザの作業負担を減らすことができる。また、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることも可能となる。従って、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0024】
更に、請求項8に記載のコンピュータプログラムによれば、オンストリートパーキングのパーキングメータの位置をユーザに予め把握させることができる。その結果、駐車位置からの死角にパーキングメータが設置されている場合等においても、駐車後にパーキングメータを探すユーザの作業負担を減らすことができる。また、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることも可能となる。従って、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る車両案内装置についてナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0026】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(メータ位置情報取得手段、案内手段、駐車検出手段、駐車位置取得手段、車両位置取得手段、メータ特定手段、案内経路設定手段)13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、地図情報やオンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置等に関する各種情報を出力する情報出力部15と、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール16と、から構成されている。
【0027】
ここで、以下にオンストリートパーキングについて図2を用いて簡単に説明する。オンストリートパーキングとはオンロードに形成される駐車場のことをいう。図2には、片側一車線の道路に沿って路側帯に形成されたオンストリートパーキング4を示す。図2に示すように、オンストリートパーキング4を備える道路では、白線等の境界線5によって車両2が走行する走行エリア6と駐車可能スペース7、8とが区分される。即ち、境界線5によって囲まれた領域がオンストリートパーキング4の駐車可能スペース7、8となる。また、図2に示すオンストリートパーキング4では、左右の路側帯にそれぞれ駐車可能スペース7、8が形成されているが、いずれか一方のみの路側帯に形成してもよい。
また、駐車可能スペース7、8の近傍にはパーキングメータ9が設置されている。オンストリートパーキング4の利用者は、車両2を駐車可能スペース7、8に駐車した後に、パーキングメータ9に所定額の硬貨を入れることにより駐車券を入手する。そして、入手した駐車券を駐車した車両2に載置することにより、オンストリートパーキング4での所定時間の駐車が可能となる。
尚、オンストリートパーキングは、パーキングベイ、パーキングゾーン、路面駐車場、路上駐車場、路肩駐車場、時間制限駐車区間とも呼ばれる。
【0028】
そして、上記ストリートパーキングでは、従来において以下の問題が生じていた。
第1にユーザがパーキングメータの位置を予め把握していない場合には、目的地に近い位置に駐車したとしても、駐車位置からパーキングメータまでの距離が遠くなる虞があり、その結果、目的地到着に遅れてしまうという問題があった。
第2に、オンストリートパーキングの利用料金や利用可能時間帯等の情報はパーキングメータに記載されているので、パーキングメータを確認しないとそれらの情報をユーザが把握できない問題があった。
【0029】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS31、地磁気センサ32、車速センサ33、ステアリングセンサ34、ジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、自車の走行速度等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ33は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0030】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB22、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0031】
ここで、地図情報DB22は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。具体的には、道路(リンク)形状に関するリンクデータ24、ノード点に関するノードデータ25、施設に関する施設データ26、経路を探索するための探索データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ17に描画するための画像描画データ等から構成されている。
【0032】
ここで、リンクデータ24としては、道路を構成する各リンクに関してリンク長、リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0033】
また、ノードデータ25としては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0034】
また、施設データ26としては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、オンストリートパーキングを含む駐車場、観光施設、レストラン、サービスエリア等の各種施設に関するデータが記録される。
【0035】
次に、施設データ26の内、特にオンストリートパーキングに関するデータについて図3を用いて説明する。図3は地図情報DB22に記憶されるオンストリートパーキングに関する施設データの一例を示した図である。
図3に示すように、オンストリートパーキングに関する施設データは、オンストリートパーキングを識別する『識別ID』と、オンストリートパーキングを備えるリンクの『リンクID』と、オンストリートパーキングを利用者が利用可能な時間帯である『利用可能時間帯』と、オンストリートパーキングを利用する際に必要な『利用料金』と、オンストリートパーキングの設置場所を示す『位置座標』と、予想される駐車スペースの空き具合を示す『空車確率』と、利用可能な利用者の条件を示す『利用者制限』と、オンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置の座標を特定する『パーキングメータ設置位置』から構成される。尚、『利用料金』は、時間帯(例えは、9:00〜12:00、12:00〜21:00)によって利用料金が変化するオンストリートパーキングについては、時間帯毎の利用料金が記憶される。また、『位置座標』はオンストリートパーキングの開始点の座標と終了点の座標がそれぞれ記憶され、オンストリートパーキングがリンクの全長に渡って形成されているときにはそのリンクの両端の座標となる。また、『空車確率』はそのオンストリートパーキングにおける過去の駐車状況から算出される値であり、オンストリートパーキングが備える駐車スペースの内、空きスペースのある割合に相当する。尚、『空車確率』はオンストリートパーキングの現在の駐車状況をセンタから取得し、取得した現在の駐車状況に基づいて算出しても良い。また、過去の駐車スペースの空き情報を曜日毎及び時間帯毎に累積記憶し、累積された空き情報の統計結果に基づいて曜日毎及び時間帯毎の『空車確率』を算出し、記憶するようにしても良い。また、『利用者制限』には、制限無し、住民専用、障害者専用等の複数種類の条件がある。また、『パーキングメータ設置位置』は、オンストリートパーキング毎に対応する全パーキングメータの位置座標が記憶されている。尚、対応するパーキングメータの設置個数はオンストリートパーキング毎に異なり、長いオンストリートパーキングほど基本的に多くのパーキングメータを備える。但し、利用料金が終日無料のオンストリートパーキングについてはパーキングメータが設置されていないのでパーキングメータの位置座標は記憶されない。
【0036】
例えば、図3に示す施設データでは、オンストリートパーキング「A」に関する情報として、ID:000001のリンクに(x1,y1)〜(x2,y2)の範囲で設置され、利用者制限無く0:00〜24:00まで無料で利用でき、空車確率が0.42であり、対応するパーキングメータが設置されていないことが記憶される。また、オンストリートパーキング「B」に関する情報として、ID:002468のリンクに(x3,y3)〜(x4,y4)の範囲で設置され、利用者制限無く0:00〜24:00まで700円/60分で利用でき、空車確率が0.45であり、対応するパーキングメータが(X1,Y1)に設置されていることが記憶される。同様にして、他のオンストリートパーキングに関する情報も記憶されている。
【0037】
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、地図情報DB22に記憶されたオンストリートパーキングに関する施設データ26に基づいて、オンストリートパーキングの案内を行う。特に、オンストリートパーキングへの駐車を行った際には、駐車したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置を案内する。また、通常の走行中であっても、自車周辺に位置するオンストリートパーキングやパーキングメータの設置位置を案内する。
【0038】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定処理、オンストリートパーキングに駐車を行った車両に対して対応するパーキングメータの案内を行う駐車案内処理、走行中の車両に対して車両周囲にあるオンストリートパーキングやパーキングメータに関する案内を行う走行案内処理等等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや後述の通過リスト(図9)等が記憶されるRAM42、ナビゲーション装置1の備える各種装置の制御用のプログラムを記録するROM43、ROM43から読み出したプログラムのほか、駐車案内処理プログラム(図4参照)、走行案内処理プログラム(図7参照)等を記録するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0039】
操作部14は、案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ17の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、操作部14は案内開始地点としての出発地の入力にも用いられる場合がある。
【0040】
また、情報出力部15は、液晶ディスプレイ17やスピーカ18等によって構成され、ユーザに対して自車周辺の地図や案内経路及びオンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置等に関する各種情報を出力する。
【0041】
ここで、情報出力部15を構成する液晶ディスプレイ17は、車両の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等を表示する。また、自車がオンストリートパーキングに接近した際には、オンストリートパーキングに関する情報(パーキングメータの設置位置、利用可能時間帯、利用料金、空車確率、利用者制限等)が表示される。更に、自車がオンストリートパーキングに駐車を行った場合には、対応するパーキングメータの設置位置が表示される。
【0042】
また、情報出力部15を構成するスピーカ18は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、自車がオンストリートパーキングに駐車を行った場合には、対応するパーキングメータの設置位置を案内する音声が出力される。
【0043】
また、通信モジュール16は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0044】
また、ナビゲーション装置1にはDVDドライブを設けても良い。DVDドライブは、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB22の更新等が行われる。
【0045】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する駐車案内処理プログラムについて図4に基づき説明する。図6は本実施形態に係る駐車案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、駐車案内処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば200ms毎)で実行され、オンストリートパーキングに駐車が行われた際に対応するパーキングメータを案内するプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0046】
先ず、駐車案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は自車の現在位置を取得する。具体的には、先ずGPS31によって自車の現在位置を検出し、地図情報DB22に記憶された地図情報から自車の現在位置を地図上で特定するマップマッチング処理を行う。尚、後述のS3でオンストリートパーキングへの駐車が検出された場合には、前記S1で取得した自車の現在位置がオンストリートパーキングへの駐車位置に相当する。また、上記S1が駐車位置取得手段の処理に相当する。
【0047】
次に、S2においてCPU41は、前記S1で取得した自車の現在位置の周辺(例えば、自車の現在位置を中心とした半径2km以内、自車の現在位置を含む探索ブロック内)にあるオンストリートパーキングに関する施設データ(図3参照)を地図情報DB22から取得する。
【0048】
続いて、S3においてCPU41は、前記S1で取得した自車の現在位置と前記S2で取得したオンストリートパーキングに関する施設データに基づいて、自車がオンストリートパーキングに駐車を行ったか否か判定する。具体的には、車両のシフト位置が「P」に変更されたことを検出し、その検出タイミングでの自車の現在位置が、オンストリートパーキングの設置エリアに含まれる場合に、自車がオンストリートパーキングに駐車を行ったと判定する。尚、上記S3が駐車検出手段の処理に相当する。
【0049】
そして、自車がオンストリートパーキングに駐車を行ったと判定された場合(S3:YES)には、S4へと移行する。一方、自車がオンストリートパーキングに駐車を行っていないと判定された場合(S3:NO)には、当該駐車案内処理プログラムを終了する。
【0050】
S4においてCPU41は、前記S1で取得した自車の現在位置と前記S2で取得したオンストリートパーキングに関する施設データに基づいて、自車が駐車したオンストリートパーキングを特定する。
【0051】
更に、S5においてCPU41は、前記S4で特定したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの内から案内対象となるパーキングメータを特定する。
以下に、前記S5における案内対象のパーキングメータの特定方法について説明する。
先ず、前記S4で特定したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータが一箇所のみ設置されている場合には、そのパーキングメータが案内対象のパーキングメータとして特定される。
一方、前記S4で特定したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータが複数箇所に設置されている場合には、以下の(1)〜(4)の基準に基づいて案内対象となるパーキングメータが特定される。
(1)車両が駐車する道路と同じ道路名称の道路沿いで、且つ駐車された路側帯側に設置され、車両の駐車位置から直線距離で最も近い位置に設置されたパーキングメータ。
(2)車両が駐車された路側帯側に設置され、車両の駐車位置から直線距離で最も近い位置に設置されたパーキングメータ。
(3)車両が駐車する道路と同じ道路名称の道路沿いに設置され、車両の駐車位置から直線距離で最も近い位置に設置されたパーキングメータ。
(4)直線距離で最も近い位置に設置されたパーキングメータ。
【0052】
具体的に、上記(1)〜(4)の基準に基づいて案内対象となるパーキングメータを特定する際には、前記S1で取得した自車の現在位置と該当するオンストリートパーキングのパーキングメータ設置位置(図3参照)と地図情報DB22に記憶された地図情報を用い、先ず上記(1)の基準に基づいてパーキングメータが特定される。一方、上記(1)の基準に該当するパーキングメータが無い場合には上記(2)の基準に基づいてパーキングメータが特定される。また、上記(2)の基準に該当するパーキングメータも無い場合には上記(3)の基準に基づいてパーキングメータが特定される。更に、上記(3)の基準に該当するパーキングメータも無い場合には上記(4)の基準に基づいてパーキングメータが特定される。
【0053】
ここで、前記S5の処理について図5に示す具体例を挙げて説明する。図5に示すオンストリートパーキング51は、左右の路側帯にそれぞれ駐車スペース52、53を備える。また、周囲の3箇所にパーキングメータ54〜56が設置されている。
この場合に、図5に示す駐車スペース52の所定位置に自車両57が駐車されると、パーキングメータ54〜56の内から案内対象とするパーキングメータが特定される。ここで、上記(1)の基準に基づいて特定すると、先ずパーキングメータ54〜56の内、パーキングメータ54、55が自車両57の駐車する道路と同じ道路名称の道路沿いで、且つ駐車された路側帯側に設置されている。また、自車両57からパーキングメータ54までの距離L1と自車両57からパーキングメータ55までの距離L2とを比較すると、距離L2の方が短い。従って、図5に示す例では、パーキングメータ55が案内対象となるパーキングメータとして特定される。
【0054】
その後、S7においてCPU41は、前記S6で取得したパーキングメータの位置情報に基づいて、該当するパーキングメータの設置位置の案内を行う。
前記S7で行われる案内としては、例えば、自車の駐車位置から案内対象のパーキングメータへの方位と自車の駐車位置から案内対象のパーキングメータまでの距離とをそれぞれ算出し、算出した方位及び距離を液晶ディスプレイ17に表示したり、スピーカ18から出力する。
【0055】
ここで、図6は本実施形態に係るナビゲーション装置1において、自車がオンストリートパーキングへの駐車を行った場合に、液晶ディスプレイ17に表示される駐車案内画面61を示した図である。
図6に示すように、駐車案内画面61には、地図画像上にパーキングメータの設置位置に関する情報を示す情報ウィンドウ62が重畳して表示される。尚、図6は、案内対象となるパーキングメータが、自車の後方であって、20m離れた位置に設置されている場合に表示される駐車案内画面61である。従って、情報ウィンドウ62に「最寄りのパーキングメータは車両後方の約20m先にあります。」との文が表示される。尚、スピーカ18からは情報ウィンドウ62に表示された文と同内容の音声案内が出力される。
また、1箇所のパーキングメータのみではなく、2箇所以上のパーキングメータの設置位置を案内するようにしても良い。例えば、自車が駐車を行ったオンストリートパーキングと同じ道路上にある全てのパーキングメータ、或いは自車が駐車を行ったオンストリートパーキングと同じ道路上にあって駐車位置から近い順に所定個数以内のパーキングメータを案内するようにしても良い。また、駐車位置から所定距離以内にある全てのパーキングメータ、或いは駐車位置から所定距離以内にあって駐車位置から近い順に所定個数以内のパーキングメータを案内するようにしても良い。
【0056】
続いて、ナビゲーション装置1においてCPU41が実行する走行案内処理プログラムについて図7に基づき説明する。図7は本実施形態に係る走行案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行案内処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば200ms毎)で実行され、走行中の車両に車両周囲にあるオンストリートパーキングやパーキングメータに関する情報を案内するプログラムである。尚、以下の図7にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0057】
先ず、走行案内処理プログラムではS11において、CPU41は自車の現在位置を取得する。具体的には、先ずGPS31によって自車の現在位置を検出し、地図情報DB22に記憶された地図情報から自車の現在位置を地図上で特定するマップマッチング処理を行う。尚、上記S11が車両位置取得手段の処理に相当する。
【0058】
次に、S12においてCPU41は、ナビゲーション装置1において案内経路の設定がされているか否かを判定する。ここで、案内経路は自車の現在位置(出発地)からユーザにより設定された目的地までを結ぶ経路であり、例えばダイクストラ法による経路探索の結果に基づいて設定される。尚、ダイクストラ法による経路探索は公知の技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0059】
そして、ナビゲーション装置1において案内経路の設定がされていないと判定された場合(S12:NO)には、S13へと移行する。一方、ナビゲーション装置1において案内経路の設定がされていると判定された場合(S12:YES)には、S16へと移行する。
【0060】
S13においてCPU41は、前記S11で取得した自車の現在位置と、液晶ディスプレイ17に表示する地図の縮尺設定と、地図情報DB22に記憶されたオンストリートパーキングの位置情報に基づいて、液晶ディスプレイ17に表示する地図画面内に位置するオンストリートパーキングを特定する。そして、特定したオンストリートパーキングに関する情報を地図情報DB22から取得する。
【0061】
その後、S14においてCPU41は、前記S13で取得したオンストリートパーキングに関する情報とともに自車位置周辺の地図画像を液晶ディスプレイ17に描画する。それによって、オンストリートパーキングに関する情報を案内した走行案内画面が液晶ディスプレイ17に表示される。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、オンストリートパーキングに関する情報の内、特にパーキングメータの設置位置に関する情報について、パーキングメータの設置位置を特定する記号やマークを地図画面上に表示することによりユーザに案内する。それによって、ユーザは自車周辺にあるパーキングメータの設置位置を視覚的に容易に把握することが可能となる。
【0062】
ここで、図8は本実施形態に係るナビゲーション装置1において案内経路の設定がされていない状態で、車両走行中に液晶ディスプレイ17に表示される走行案内画面71を示した図である。
図8に示すように、走行案内画面71は、自車の現在位置を示す自車位置マーク72と、オンストリートパーキングの設置位置を示すパーキングマーク73〜76と、パーキングメータの設置位置を示すメータ設置マーク77〜80と、オンストリートパーキングに関する情報を示す情報ウィンドウ81〜84とから構成される。
【0063】
ここで、図8に示すメータ設置マーク77は、パーキングマーク73のオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置に表示される。また、メータ設置マーク78、79はパーキングマーク74のオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置に表示される。また、メータ設置マーク80はパーキングマーク76のオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置に表示される。更に、情報ウィンドウ81〜84は地図上に表示されたオンストリートパーキングに関する情報が文章で表示される。尚、表示される内容としては、利用料金に関する情報と、利用可能時間帯に関する情報と、空車確率に関する情報と、利用者制限に関する情報がある。
【0064】
従って、ユーザは液晶ディスプレイ17に表示された走行案内画面71を参照することによって、案内経路上に位置するオンストリートパーキングに関する各種情報を把握することが可能となる。特に、パーキングマーク73〜76の表示位置と長さから、オンストリートパーキングの設置されたリンクと、オンストリートパーキングの長さ(即ち、駐車可能距離)を把握することが可能となる。また、メータ設置マーク77〜80の表示位置を参照することによって、各オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置を容易に把握することが可能となる。それにより、パーキングメータの位置も考慮して、ユーザは駐車する場所を決めることができる。
尚、本実施形態では液晶ディスプレイ17の表示範囲に含まれる全てのパーキングメータの設置位置を表示することとしているが、自車の走行中の道路に沿って設置され、且つ自車の進行方向に設置されたパーキングメータの設置位置のみを案内するようにしても良い。また、走行中の道路及び走行中の道路に接続された道路に設置されたパーキングメータの設置位置のみを案内するようにしても良い。
【0065】
その後、S15でCPU41は、自車が目的地に到達又は走行を終了したか否かを判定する。尚、走行を終了した場合とは、例えば、同一地点に所定時間以上停車をした場合や、オンストリートパーキングを備えるリンクでACCがオフされた場合等が該当する。そして、自車が目的地に到達した、又は走行を終了したと判定された場合(S15:YES)には、当該走行案内処理プログラムを終了する。一方、自車が目的地に到達しておらず、且つ走行も終了していないと判定された場合(S15:NO)にはS11へと戻り、継続して走行の案内を行う。
【0066】
また、ナビゲーション装置1で案内経路が設定されていると判定された場合(S12:YES)に実行されるS16では、CPU41は設定された案内経路上に位置する全てのオンストリートパーキングを特定する。そして、特定された各オンストリートパーキングに関する情報を地図情報DB22に記憶された施設データ26(図3参照)から取得する。そして、取得した情報に基づいて通過リストを作成する。
【0067】
ここで、図9は前記S16で作成される通過リストの一例を示した図である。図9では4箇所のオンストリートパーキングを通過する案内経路が設定された場合に作成される通過リストである。
図9に示すように、通過リストに記憶されるオンストリートパーキングに関する情報は、案内経路に沿って走行した際に通過する『通過順』と、オンストリートパーキングから『目的地までの距離』と、オンストリートパーキングの設置場所を示す『位置座標』と、オンストリートパーキングを利用者が利用可能な時間帯である『利用可能時間帯』と、オンストリートパーキングを利用する際に必要な『利用料金』と、予想される駐車スペースの空き具合を示す『空車確率』と、利用可能な利用者の条件を示す『利用者制限』と、オンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置の座標を特定する『パーキングメータ設置位置』等から構成される。
【0068】
続いて、S17においてCPU41は、前記S11で取得した自車の現在位置と、液晶ディスプレイ17に表示する地図の縮尺設定と、前記S16で作成した通過リストに基づいて、液晶ディスプレイ17に表示する地図画面内に位置するオンストリートパーキングを特定する。そして、特定したオンストリートパーキングに関する情報を通過リストから取得する。尚、上記S6、S13、S16、S17がメータ位置情報取得手段の処理に相当し、S13、S16、S17がメータ特定手段の処理に相当する。
【0069】
その後、S18においてCPU41は、前記S17で取得したオンストリートパーキングに関する情報とともに自車位置周辺の地図画像を液晶ディスプレイ17に描画する。それによって、案内経路に沿って運転者の走行を案内する走行案内画面が液晶ディスプレイ17に表示される。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、オンストリートパーキングに関する情報の内、特にパーキングメータの設置位置に関する情報について、パーキングメータの設置位置を特定する記号やマークを地図画面上に表示することによりユーザに案内する。それによって、ユーザは案内経路に沿って設置されたパーキングメータの設置位置を視覚的に容易に把握することが可能となる。
【0070】
ここで、図10は本実施形態に係るナビゲーション装置1において液晶ディスプレイ17に表示される走行案内画面91を示した図である。
図10に示すように、走行案内画面91は、自車の現在位置を示す自車位置マーク92と、地図画像上で案内経路に沿って描かれた案内経路線93と、オンストリートパーキングの設置位置を示すパーキングマーク94〜97と、パーキングメータの設置位置を示すメータ設置マーク98〜100と、オンストリートパーキングに関する情報を示す情報ウィンドウ101、102とから構成される。
【0071】
ここで、図10に示すメータ設置マーク98は、パーキングマーク94のオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置に表示される。また、メータ設置マーク99、100はパーキングマーク95のオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置に表示される。更に、情報ウィンドウ101、102は案内経路上に表示されたオンストリートパーキングに関する情報が文章で表示される。尚、表示される内容としては、目的地に到達するまでに通過するオンストリートパーキングの残り数と、オンストリートパーキングから目的地までの距離と、利用料金に関する情報と、利用可能時間帯に関する情報と、空車確率に関する情報と、利用者制限に関する情報がある。
また、上記情報の他に、目的地までの直線距離情報、駐車スペースへ駐車した場合の徒歩での目的地到達時間(距離)について案内するようにしても良い。
更に、GPS31により現在の時刻を取得し、現在の時刻に対応する空車確率や現在時刻に対応する利用料金を案内するようにしても良い。また、駐車条件の変更があるオンストリートパーキングについては、例えば、「現在時刻から10分後に無料になります。」のように、オンストリートパーキング(パーキングメータ)の情報に基づいて、現在時刻に応じた案内をするようにしても良い。
【0072】
従って、ユーザは液晶ディスプレイ17に表示された走行案内画面91を参照することによって、案内経路上に位置するオンストリートパーキングに関する各種情報を把握することが可能となる。特に、パーキングマーク94〜97の表示位置と長さから、該当するオンストリートパーキングの設置されたリンクと、オンストリートパーキングの長さ(即ち、駐車可能距離)を把握することが可能となる。また、メータ設置マーク98〜100の表示位置を参照することによって、案内経路上に設置された各オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置を容易に把握することが可能となる。尚、上記S7、S14、S18が案内手段の処理に相当する。
【0073】
その後、S15でCPU41は、自車が目的地に到達又は走行を終了したか否かを判定する。尚、走行を終了した場合とは、例えば、同一地点に所定時間以上停車をした場合や、オンストリートパーキングを備えるリンクでACCがオフされた場合等が該当する。そして、自車が目的地に到達した、又は走行を終了したと判定された場合(S15:YES)には、当該走行案内処理プログラムを終了する。一方、自車が目的地に到達しておらず、且つ走行も終了していないと判定された場合(S15:NO)にはS11へと戻り、継続して走行の案内を行う。
【0074】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、自車がオンストリートパーキングに駐車を行った場合(S3:YES)に、駐車したオンストリートパーキングに対応するパーキングメータから案内対象とするパーキングメータを特定し(S5)、特定したパーキングメータの設置位置を案内する(S7)ので、駐車位置からの死角にパーキングメータが設置されている場合等においても、オンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、対応するパーキングメータの設置位置を容易に把握させることができる。従って、駐車後にパーキングメータを探すユーザの作業負担を減らすことができる。
また、車両の駐車位置から最も近い位置に設置されたパーキングメータの設置位置を案内するので、複数のパーキングメータを備えるオンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、複数のパーキングメータの内からユーザの最も近くにある利用し易いパーキングメータの設置位置を把握させることができる。
また、車両の駐車した路側帯側に設置されたパーキングメータの設置位置を案内するので、複数のパーキングメータを備えるオンストリートパーキングに駐車を行ったユーザに対して、複数のパーキングメータの内からユーザに利用し易い適当なパーキングメータの設置位置を把握させることができる。
また、走行中の自車位置周辺にオンストリートパーキングが設置されている場合には、そのオンストリートパーキングに対応するパーキングメータの設置位置を案内する(S7)ので、オンストリートパーキングに駐車を行う前のユーザに対して、車両周囲に位置するパーキングメータの設置位置を予め把握させることができる。従って、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることが可能となり、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することができる。
更に、案内経路に従って走行するユーザに対しては、案内経路上に位置するパーキングメータの設置位置を予め把握させることができる。従って、予めパーキングメータの設置位置の近傍に駐車させることが可能となり、オンストリートパーキングの駐車時におけるユーザの負担を軽減することができる。また、ユーザにとって不要な案内を減らすことにより、よりユーザに理解しやすい案内を行うことが可能となる。
【0075】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では自車が走行中にオンストリートパーキングに接近した場合には、常にオンストリートパーキングやパーキングメータに関する情報を案内することとしているが、ユーザにより所定の操作が行われた場合にのみ案内することとしても良い。同様に、オンストリートパーキングに駐車が行われた場合においても、ユーザにより所定の操作が行われた場合にのみ対応するパーキングメータの案内をすることとしても良い。
【0076】
また、オンストリートパーキングの内、所定の条件(例えば、利用料金が所定額以下、空車確率が所定割合以上、目的地までの距離が所定距離未満)を満たすオンストリートパーキングのみを対象としてパーキングメータの案内をすることとしても良い。
【0077】
また、カメラで周辺環境を撮像し、撮像された撮像画像の画像処理を行った結果、パーキングメータが撮像画像中に含まれる場合には、現在位置検出部11によって検出された自車の位置情報を関連付けてDBに記憶するように構成しても良い。それによって、DBに記憶されていない新たなパーキングメータに関する位置情報についてDBに追加することができる。また、DBに記憶された位置にパーキングメータが無いと判断した場合には、パーキングメータが撤去されたと判定し、次回から案内しないようにするのが望ましい。
また、タッチパネルのような入力手段を用いることにより、パーキングメータに関する位置情報を手動で更新することも可能である。例えば、ナビゲーション装置1で案内されていないが実際にパーキングメータがあることをユーザが認識した場合には、ユーザはパーキングメータ情報の追加の指示を入力することができる。また、ナビゲーション装置1で案内されているパーキングメータが実際には存在しないことをユーザが認識した場合には、ユーザは該メータを案内から除外する指示を入力することができる。それによって、案内の精度を向上することができる。
更に、通信機能を使うことにより、パーキングメータ情報について、他のユーザからの情報を入手し、入手した情報に基づいてDBの情報を更新することで、案内の精度を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】片側一車線の道路に沿って路側帯に形成されたオンストリートパーキングの一例を示す。
【図3】地図情報DBに記憶されるオンストリートパーキングに関する施設データの一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る駐車案内処理プログラムのフローチャートである。
【図5】案内対象とするパーキングメータの特定方法について説明した図である。
【図6】自車がオンストリートパーキングへの駐車を行った場合に、液晶ディスプレイに表示される駐車案内画面を示した図である。
【図7】本実施形態に係る走行案内処理プログラムのフローチャートである。
【図8】ナビゲーション装置において案内経路の設定がされていない状態で、車両走行中に液晶ディスプレイに表示される走行案内画面を示した図である。
【図9】通過リストの一例を示した図である。
【図10】ナビゲーション装置において液晶ディスプレイに表示される走行案内画面を示した図である。
【符号の説明】
【0079】
1 ナビゲーション装置
4 オンストリートパーキング
9 パーキングメータ
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
22 地図情報DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置に関する位置情報を取得するメータ位置情報取得手段と、
前記メータ位置情報取得手段によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記パーキングメータの設置位置を案内する案内手段と、を有することを特徴とする車両案内装置。
【請求項2】
車両が前記オンストリートパーキングに駐車されたことを検出する駐車検出手段を有し、
前記案内手段は、車両が前記駐車検出手段によって前記オンストリートパーキングに駐車されたことを検出した場合に、前記駐車したオンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする請求項1に記載の車両案内装置。
【請求項3】
車両の駐車位置を取得する駐車位置取得手段を有し、
前記案内手段は前記車両の駐車位置から最も近い位置に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする請求項2に記載の車両案内装置。
【請求項4】
車両の駐車位置を取得する駐車位置取得手段を有し、
前記案内手段は前記車両の駐車した路側帯側に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする請求項2に記載の車両案内装置。
【請求項5】
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、
前記メータ位置情報取得手段によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記車両の現在位置の周辺に位置するパーキングメータを特定するメータ特定手段と、を有し、
前記案内手段は前記メータ特定手段によって特定された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする請求項1に記載の車両案内装置。
【請求項6】
出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段を有し、
前記案内手段は前記案内経路設定手段によって設定された案内経路上に設置された前記パーキングメータの設置位置を案内することを特徴とする請求項5に記載の車両案内装置。
【請求項7】
コンピュータに搭載され、
オンストリートパーキングのパーキングメータの設置位置に関する位置情報を取得するメータ位置情報取得機能と、
前記メータ位置情報取得機能によって取得された前記パーキングメータの位置情報に基づいて前記パーキングメータの位置を案内する案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−162529(P2009−162529A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339875(P2007−339875)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】