説明

車両用走行誘導装置及び車両用走行誘導装置の更新地図データ生成方法

【課題】 地図データが更新された後にユーザが更新前の情報しか知らない場合でも所定の情報を検索可能な、またユーザをより好適に誘導可能な車両用走行誘導装置を提供する。
【解決手段】 制御部17と、地図データベース1から第1の地図データを読取る地図データ読取り部2と、更新用の第2の地図データを取得する地図データ取得部3と、前記第1の地図データと前記第2の地図データとを用いて更新地図データを生成する地図データ更新部17aと、ユーザが検索条件を指定して得られた検索結果や走行経路などを履歴情報として管理する履歴情報管理部24とを備えた車両用走行誘導装置10であって、地図データ更新部17aが、履歴情報と関連がある第1の地図データを対応する第2の地図データに関連付けて、該第2の地図データとともに有するようにして更新地図データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用走行誘導装置及び車両用走行誘導装置の更新地図データの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両が現在走行している位置情報を人工衛星から受信し、車両の位置情報を地図情報と共に表示部に表示し、ユーザを誘導する車両用走行誘導装置が実用化されている。また、この車両用走行誘導装置では、道路地図とともに施設を示すアイコンが表示部に表示される。これら道路地図や施設の情報を含む地図データは、車両用走行誘導装置で記録媒体や記憶装置に格納された状態で地図データベースとして活用される。地図データベースは、地図データが格納されたCD(コンパクトディスク)−ROM(Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)−ROMのほか、HDD(Hard Disc Drive)によっても実現されている。そして、HDDが地図データを格納している場合には、格納している地図データを、この地図データに代えて新たな地図データに更新できる。更新された地図データによって、ユーザは最新の地図情報を知ることができるが、表示部に表示された地図情報が変更されたものかどうかを認識しづらいと、この地図情報が的確な判断を行うための適切な情報とならないという問題点がある。
【0003】
このような問題点に対し、特許文献1では以下に示す技術を提案している。特許文献1では、差分情報などによって古い地図情報(第1の地図データ)を更新した際には、更新された地図情報(第2の地図データ)が容易にユーザに伝わるナビゲーション装置を提案している。このナビゲーション装置によれば、差分データ検出部で検出されたデータに基づく地図情報を強調して表示することによって、あるいは強調案内することによって更新された地図情報を容易にユーザに伝えることが可能である。また、特許文献1では、強調表示の詳細度を地図データ利用特性学習部が学習した利用特性に従って決定している。これによって、頻繁に利用している道路付近の更新された地図情報については詳細な内容までユーザに示すなど、利用頻度によってユーザに示す内容の詳細さを変えることが可能である。また、特許文献1の提案技術では外部からユーザが取得したい地図情報を選択し、または指定することが可能である。このようにユーザが必要とする地図情報のみを更新することで、ナビゲーション装置が格納すべきデータ容量を小さく抑制することが可能である。
【特許文献1】特開2002−188926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば施設が別の施設に変更されたことを知らないユーザが変更前の施設を検索しようとした場合に、特許文献1の提案技術は目的の施設を検索できるような機能を備えていない。そのため、特許文献1の提案技術では係る状況でユーザに対して有用な検索結果を提供することができない。また、特許文献1の提案技術では、利用頻度に応じて強調表示の詳細度を決定しているが、例えば利用したことがない道路付近の施設更新情報については、更新された場合であっても必ずしも強調表示する必要はないと言える。なぜならば、利用したことがない道路付近の施設は、その後初めてユーザに知られることになる場合が多く、変更前の施設が何であったかをユーザが知らなくても不都合がないからである。ここで、特許文献1では実施の形態1で強調表示の一態様として、変更前の道路と変更後の道路とを同時に表示する強調表示の態様を例示している。ところが、このような態様で強調表示を実行するためには、更新前の地図情報が必要となる。そのため、特許文献1の提案技術では更新後の地図情報とともに対応する更新前の地図情報すべてを格納しておかなければならない。また、特許文献1の提案技術では強調表示の詳細度を利用頻度によって変更できるが、たとえ強調表示の詳細度によって「更新前の地図情報を表示しない」ようにできるとしてもそれは表示しないようにするだけである。すなわち、上述のような観点からすれば、必ずしも強調表示をする必要がないと言える更新後の地図情報でも、更新前の地図情報とともに格納する必要があるのでその分データ容量が増大してしまう。また、特許文献1の提案技術では、外部からユーザが取得したい地図情報を選択し、または指定することが可能であるが、例えば利用したことがない道路付近の施設の地図情報まで取得するかどうかをユーザに選択、または指定させることは困難であり、たとえ可能であったとしても利便性が高いとは言えない。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、地図データが更新された後にユーザが更新前の情報しか知らない場合でも所定の情報を検索可能な、またユーザをより好適に誘導可能な車両用走行誘導装置及び車両用走行誘導装置の更新地図データ生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、制御部と、地図データベースから第1の地図データを読取る地図データ読取り部と、更新用の第2の地図データを取得する地図データ取得部と、前記第1の地図データと前記第2の地図データとを用いて更新地図データを生成する地図データ更新部と、ユーザが検索条件を指定して得られた検索結果や走行経路などを履歴情報として管理する履歴情報管理部とを備えた車両用走行誘導装置であって、前記地図データ更新部が、前記履歴情報と関連がある前記第1の地図データを対応する前記第2の地図データに関連付けて、該第2の地図データとともに有するようにして前記更新地図データを生成することを特徴とする。
【0006】
本発明では、地図データ更新部が生成した更新地図データは、履歴情報と関連がある第1の地図データ(変更前の地図データ)を、対応する第2の地図データ(変更後の地図データ)とともに有している。このような更新地図データを活用すれば、例えば施設が変更されたことをユーザが知らなくても、車両用走行誘導装置は変更前の施設情報を変更後の施設情報とともに表示するなどして、ユーザに伝わりやすい種々の情報を提供可能である。また、本発明では、履歴情報と関連がある第1の地図データをユーザにとって必要な変更前の地図データとしている。これによって、上述のようにしてユーザに伝わりやすい種々の情報を提供可能でありながらも、更新地図データの容量を小さく抑制することが可能である。また、これによって、更新地図データを生成する際に第1の地図データを更新地図データに含める条件を、ユーザが例えばある地域に指定するといった必要がないので、ユーザに要する手間を省くことが可能である。
【0007】
また、本発明は、前記地図データ更新部が、前記第1の地図データと、対応する前記第2の地図データとが同一であるかどうかを判断し、前記第1の地図データと、対応する前記第2の地図データとが異なる場合に、前記履歴情報と関連がある前記第1の地図データについては、該第1の地図データを対応する前記第2の地図データに関連付けて該第2の地図データとともに有するようにして前記更新地図データを生成し、前記履歴情報と関連がない前記第1の地図データについては、該第1の地図データを対応する前記第2の地図データに更新することによって前記更新地図データを生成してもよい。
【0008】
本発明によれば、第2の地図データが、更新に必要な地図データのみで構成されていない場合に、地図データ更新部が第1の地図データと対応する第2の地図データとが異なる場合に、この異なる第2の地図データを更新に必要な第2の地図データとして検出することができる。これによって、履歴情報と関連がある第1の地図データを、更新に必要な対応する第2の地図データとともに有する更新地図データを生成することが可能である。なお、第1の地図データと対応する第2の地図データとが同一の場合には、いずれかの地図データを用いて更新地図データを生成すればよい。
【0009】
また、本発明は、前記地図データベースを、前記第1の地図データを格納した記憶装置として備え、前記地図データ更新部が、前記更新地図データを新たな第1の地図データとして前記第1の地図データの代わりに前記記憶装置に格納してもよい。生成した更新地図データは例えば記憶装置を備えてこれに格納することも可能であるが、本発明では、地図データを格納した記憶装置を地図データベースとするので別途記憶装置を備える必要がない。また、次回地図データを更新する際には、記憶装置に格納した新たな第1の地図データと新たに取得した第2の地図データとを用いて更新地図データを生成することができる。なお、地図データベースが地図データを格納した記録媒体の場合でも、例えば別途備える記憶装置に新たな第1の地図データを格納すれば、次回地図データを更新する際には、この新たな第1の地図データと新たに取得した第2の地図データとを用いて更新地図データを生成することができる。
【0010】
また、本発明は、ユーザが指定した検索条件に対して、前記制御部が、前記更新地図データが有する前記第1の地図データ及び前記第2の地図データを参照して前記検索条件に該当するデータ内容を有する地図データを検索してもよい。本発明によれば、例えばユーザが以前行ったことがある施設が変更されたことを知らずにその施設を検索した場合でも、車両用走行誘導装置はその施設を検索して、ユーザに有用な情報として提供可能である。
【0011】
また、本発明は、前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく表示情報を、対応する前記第2の地図データに基づく表示情報とともに表示するための更新情報を生成する第1の更新情報生成部を備えてもよい。本発明によれば、例えば上述のようにして変更前の施設をユーザが検索条件として指定した場合でも、車両用走行誘導装置は、生成した更新情報を表示して変更前後の施設をユーザに知らせることが可能である。これによって、ユーザは例えば検索条件として指定した施設の位置を知ることができるとともにその施設が変更されたことを知ることができる。
【0012】
また、本発明は、前記表示情報は施設を示すアイコンであり、前記第1の更新情報生成部は、前記第1の地図データに基づく施設の位置情報と、前記第2の地図データに基づく施設の位置情報とが異なる場合に、前記第1の地図データに基づくアイコンの代わりに前記施設が存在した位置であることを知らせる表示情報を更新情報として生成してもよい。本発明によれば、施設が移転したことを知らずにその施設をユーザが検索条件として指定した場合でも、車両用走行誘導装置は、その施設が存在した位置を例えば「以前○○がありました。」といった更新情報を表示することによってユーザに知らせることができる。
【0013】
また、本発明は、前記第1の更新情報生成部は、前記第2の地図データに基づく移転後の施設位置を表示するかをユーザに問い合わせる表示情報を更新情報として生成してもよい。本発明によれば、車両用走行誘導装置は上述のようにして施設が移転したことを知らせた後に、例えば「施設の移転先を表示しますか?」という更新情報を表示することによって施設の移転先の表示をするかどうかをユーザに問い合わせることができる。これに対して、ユーザがさらにその施設の移転先を知りたい場合には、例えば「施設の移転先を表示する」というサブメニューを選択することによって移転先の施設の位置を知ることができる。
【0014】
また、本発明は、前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく表示情報を、対応する前記第2の地図データに基づく表示情報と交互に表示するための更新情報を生成する第2の更新情報生成部を備えてもよい。本発明によれば、交互に表示するための更新情報を表示してユーザに知らせることも可能である。
【0015】
また、本発明は、前記表示情報は、施設名称であってもよい。本発明によれば、例えば「○○○○○店(旧×××××店)」といった表示をすることでユーザに施設が変更されたことを知らせることが可能である。
【0016】
また、本発明は、前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく音声案内を、対応する前記第2の地図データに基づく音声案内とともに出力するための更新情報を生成する第3の更新情報生成部を備えてもよい。本発明によれば、例えば車両用走行誘導装置は、車両が交差点に差し掛かる手前において「300m先の交差点を右折です。「○○○○○店」が目印です。以前は「×××××店」でした。」などと音声案内することで、変更前の施設が何であったかをユーザに知らせることが可能である。
【0017】
また、本発明は、ユーザが指定した検索条件に該当するデータ内容を有する地図データが、前記更新地図データが有する前記第1の地図データにある場合に、前記制御部が、検索結果をユーザに知らせる際に前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行してもよい。本発明によれば、検索結果を知らせるときに更新情報を表示または音声案内することで、効果的に更新情報を表示してユーザに知らせることが可能である。
【0018】
また、本発明は、ユーザが指定した目的地へのルート案内を実行している際に、前記制御部が、所定のタイミングで前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行してもよい。本発明によれば、ルート案内を実行しているときに更新情報を表示または音声案内することによって、効果的に更新情報を表示してユーザに知らせることが可能である。なお、加えて上述した検索結果を知らせるときにも更新情報を表示するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明は、道路地図を表示している際に、前記制御部が、所定のタイミングで前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行してもよい。本発明によれば、例えば車両の現在位置を示す道路地図が表示されている場合にも、該当する施設が表示されるタイミングで更新情報を表示してユーザに知らせることが可能である。また、車両の現在位置以外の道路地図をユーザが参照しようとする際にも、表示する道路地図内に該当する施設があれば、更新情報を表示してユーザに知らせることが可能である。
【0020】
また、本発明は、ユーザが所定の操作をすることによって、前記地図データ更新部が、該地図データ更新部が有する前記第1の地図データを、対応する前記第2の地図データに更新してもよい。本発明によれば、例えば上述したような更新情報を表示、または音声案内した後に、ユーザが次からは変更後の施設のみ表示されればよいと判断した場合に変更後の施設のみを表示させることが可能である。これによって、第1の地図データを第2の地図データに更新して更新地図データの容量を縮小することが可能である。
【0021】
また、本発明は、前記記憶装置のデータ容量が所定の容量に達した際に、前記地図データ更新部が、該地図データ更新部が有する前記第1の地図データを、対応する前記第2の地図データに更新してもよい。本発明によれば、記憶装置が格納するデータが容量に対してオーバーフローすることを抑制可能である。なお、更新地図データが所定の容量に達した際に、第1の地図データを対応する第2の地図データに更新してもよい。また、第1の地図データを対応する第2の地図データに更新する際には、例えば「容量が不足します。地図データを更新しますか?」といった表示をして、ユーザに更新地図データが有する第1の地図データを対応する第2の地図データに更新して容量を確保することを選択させたり、容量増大となる操作を取り下げることを選択させてもよい。
【0022】
また、本発明は、制御部と、地図データベースから第1の地図データを読取る地図データ読取り部と、更新用の第2の地図データを取得する地図データ取得部と、前記第1の地図データと前記第2の地図データとを用いて更新地図データを生成する地図データ更新部と、ユーザが検索条件を指定して得られた検索結果や走行経路などを履歴情報として管理する履歴情報管理部とを備えた車両用走行誘導装置であって、前記地図データ生成部が、前記第1の地図データが履歴情報に関連しているかを判断するステップと、前記地図データ生成部が、前記第1の地図データが履歴情報と関連している場合に、該第1の地図データと対応する前記第2の地図データとを関連付けてともに有するようにして前記更新地図データを生成するステップとを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、地図データが更新された後にユーザが更新前の情報しか知らない場合でも所定の情報を検索可能な、またユーザをより好適に誘導可能な車両用走行誘導装置及び車両用走行誘導装置の更新地図データ生成方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【0025】
本実施例に係る車両用走行誘導装置10の構成を、図1を用いて詳細に説明する。図1において、地図データベース1は、第1の地図データを格納したHDD(Hard Disc Drive)である。ただし、これに限定されずCD(コンパクトディスク)−ROM(Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の記録媒体やその他の記憶装置であってもよい。地図データは、データ内容として道路情報や、施設情報のほか音声案内情報なども含んでいる。地図データ読取り部2は、地図データベース1から地図データを読取るための構成である。地図データ取得部3は、車両用走行誘導装置10外部から携帯電話などの無線通信によって最新の地図情報を第2の地図データとして取得するための構成である。なお、地図データベース1がHDDなどの記憶装置である場合には、地図データベース1は本発明に係る車両用走行誘導装置に構成として含まれるが、地図データベース1がCD−ROMなどの記録媒体である場合には、地図データベース1は本発明に係る車両用走行誘導装置に構成として含まれない。
【0026】
操作部4は、ユーザが車両用走行誘導装置10に各種操作・設定を入力するための構成である。これは、リモートコントローラ装置やコントロールパネル等のように個別に構成されていても、後述する表示部8と一体に形成されたタッチパネル式の入力装置として構成されていても良い。更には、音声入力用のマイクロフォン等で構成されてもよい。
【0027】
VICS(道路交通情報通信システム)受信部5は、電波ビーコン又は光ビーコンから送信されてくるVICS情報を受信するための構成である。GPS(Global Positioning System)受信部6は、GPS衛星から送信されてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の緯度及び経度を検出するための構成である。自律航法センサ7は、車両方位を検出するためのジャイロ等を含む角度センサ7aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する距離センサ7bとを有して構成されており、車両の進行方向や速度を検出する。
【0028】
表示部8は、例えば液晶表示方式のディスプレイ装置等で構成され、車両用走行誘導装置10から入力された、地図や誘導経路や車両の現在位置や建造物その他アイコン等の各種情報を表示するための構成である。スピーカ9は、同じく車両用走行誘導装置10から入力された音声案内情報等を出力するための構成である。尚、スピーカ9はその他、音響装置等から入力された音楽等も出力することができる。
【0029】
また、車両用走行誘導装置10において、バッファメモリ11は、後述する制御部17からの制御の下に地図データ読取り部2や地図データ取得部3から入力された地図データ等を一時的に格納するための構成である。I/F(インタフェース)12,13,14,15は、それぞれ操作部4,VICS受信部5,GPS受信部6,自律航法センサ7と車両用走行誘導装置10における内部バスとを接続するための構成である。
【0030】
制御部17は、例えばマイクロコンピュータやCPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置で構成される。この制御部17は、ナビゲーション用のプログラムを内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信部6及び自律航法センサ7から出力される信号に基づいて車両の現在位置を検出したり、表示させたい地図のデータ等を地図データ読取り部2からバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出した地図データから誘導経路を探索したり、設定された探索条件に合う誘導経路をバッファメモリ11に読み出された地図データ等を用いて1つ以上探索する等のナビゲーションに係る種々の処理を実行する。但し、例えば上記のプログラムはCD−ROMやDVD−ROM等に記憶しておくことも可能である。この場合、制御部17は必要に応じてこれを読出し、実行する。
【0031】
地図描画部18は、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図イメージの描画処理を行うための構成である。表示情報生成部19は、動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)やカーソル等の各種マークを生成するための構成である。誘導経路記憶部20は、出発地及び目的地やその他の探索条件に基づいて制御部17において探索された誘導経路の全てのノードに関するデータ及び探索中に変更された誘導経路のデータ(以下、これらを誘導経路データという)を格納しておくための構成である。誘導経路描画部21は、誘導経路記憶部20から誘導経路データを読み出して誘導経路を他の道路とは異なる表示態様(色や線幅を用いた強調表示等)で描画するための構成である。アイコン描画部22は、地図イメージ上に描画する建造物やスポットや自車または他車などのアイコンの描画処理を行うための構成である。音声出力部23は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等を含んで構成され、制御部17からの信号に基づいて音声信号をスピーカ9に出力する。
【0032】
履歴管理部24は、ユーザが指定した検索条件に対して得られた検索結果や走行経路を履歴情報として管理するための構成である。履歴情報として管理する検索結果は、例えば以下のようにして得られる。表示情報生成部19が生成する検索操作画面はユーザの操作によって表示部8に表示され、ユーザは表示された検索操作画面に従って操作部4で検索条件を入力する。検索条件が入力された制御部17は、バッファメモリ11に読み出された第1の地図データを参照し、検索条件に該当する地図データがあるかどうかを判断する。そして、該当する地図データがあった場合に、検索結果として該当する地図データを履歴情報管理部24に履歴情報として管理する。ただし、例えばユーザが指定した施設名称などの検索条件を、履歴情報として管理することも可能である。また、履歴情報として管理する走行経路は、例えばGPS信号に基づいてGPS受信部6が検出した車両の現在位置の緯度及び経度を取得することによって得られる。
【0033】
また、制御部17は、バッファメモリ11に読み出された第1の地図データと第2の地図データとを用いて更新地図データを生成するための構成である地図データ更新部17aを含んでいる。また、地図データ更新部17aは、生成した更新地図データを新たな第1の地図データとして、第1の地図データの代わりに地図データベース1に格納する。次回地図データを更新する際には、地図データ更新部17aは、バッファメモリ11に読み出された新たな第1の地図データと、新たに地図データ取得部3が取得した第2の地図データとを用いて更新地図データを生成することになる。なお、地図データベース1がCD−ROMなどの記録媒体である場合には、車両用走行誘導装置10に別途記憶装置を備えて、この記憶装置に新たな第1の地図データを格納することも可能である。この場合に制御部17は、新たな第1の地図データ格納後には、別途備えた記憶装置からバッファメモリ11に新たな第1の地図データを第1の地図データとして読み出すことになる。
【0034】
上述した地図データ更新部17aは、より具体的には以下に示すようにして更新地図データを生成する。地図データ更新部17aは、バッファメモリ11に読み出された第1の地図データと対応する第2の地図データとが同一であるかどうかを判断する。第1の地図データと第2の地図データとが対応するかどうかは、例えば地図データ構造におけるデータアドレスが一致しているかどうかにより判断する。第1の地図データと第2の地図データとが同一であれば、地図データ更新部17aは、第1の地図データを残すことによって更新地図データを生成する。ただし、第1の地図データを第2の地図データに更新することによって更新地図データを生成しても構わない。
【0035】
第1の地図データと対応する第2の地図データとが異なる場合には、地図データ更新部17aは、次に第1の地図データが履歴管理部25の有する履歴情報と関連があるかどうかを判断する。例えば履歴情報として管理されている地図データと、第1の地図データとが一致すれば、第1の地図データは履歴情報と関連がある。また、履歴情報が走行経路である場合には、例えば第1の地図データに基づく施設がその走行経路沿いとみなせる所定の範囲内に存在すると判断すれば、第1の地図データは履歴情報と関連がある。第1の地図データが履歴情報と関連がある場合には、地図データ更新部17aは、第1の地図データと第2の地図データとを関連付けてともに有するようにして更新地図データを生成する。第1の地図データが履歴情報と関連がない場合には、地図データ更新部17aは、第1の地図データを第2の地図データに更新して更新地図データを生成する。上述のようにして生成した更新地図データは、地図データ更新部17aによって新たな第1の地図データとして第1の地図データの代わりに地図データベース1に格納される。
【0036】
図2は、地図データベース1に格納された新たな第1の地図データ(更新地図データ)を模式的に示す図である。図2に示すように、新たな第1の地図データは、データ内容として施設名称「×××××店」を有している第1の地図データ(施設変更前の地図データ)を、データ内容として施設名称「○○○○○店」を有している第2の地図データ(施設変更後の地図データ)とともに有している。また、図2に示すように、第1の地図データは第2の地図データと関連付けされた状態で地図データベース1に格納される。これによって、例えば新たな第1の地図データ(更新地図データ)が有する第1の地図データを、地図データ読取り部2を介してバッファメモリ11に読み出そうとする際に、同時に関連付けした第2の地図データを読み出すことが可能になる。なお、ユーザは以前「×××××店」を検索したことがあり、検索結果として得られた「×××××店」をデータ内容として有している第1の地図データは履歴情報管理部24に履歴情報として管理されていたものである。
【0037】
更新情報生成部25は、第1の更新情報生成部25aと、第2の更新情報生成部25bと、第3の更新情報生成部25cとからなり、バッファメモリ11に読み出された更新地図データに基づいて次に示すような方法で更新情報を生成するための構成である。第1の更新情報生成部25aは、更新地図データが有する第1の地図データに基づく表示情報を、対応する第2の地図データに基づく表示情報とともに表示するための更新情報を生成する。また、第1の更新情報生成部25aは、第1の地図データに基づく施設の位置情報と、第2の地図データに基づく施設の位置情報とが異なるかどうかを判断し、これら位置情報が異なる場合、すなわち施設が移転した場合には、第1の地図データに基づく表示情報としてのアイコンの代わりに施設が存在した位置であることを知らせる表示情報を更新情報として生成する。さらに、第1の更新情報生成部25aは、上述のようにして生成した更新情報を表示した後に、第2の地図データに基づく移転後の施設位置を表示するかをユーザに問い合わせるための表示情報を更新情報として生成する。
【0038】
第2の更新情報生成部25bでは、更新地図データが有する第1の地図データに基づく表示情報を、対応する第2の地図データに基づく表示情報と交互に表示するための更新情報を生成する。また、第3の更新情報生成部25cでは、更新地図データが有する第1の地図データに基づく音声案内を、対応する第2の地図データに基づく音声案内とともに出力するための更新情報を生成する。
【0039】
画像合成部26は、地図描画部18で描画された地図イメージに、誘導経路描画部21で描画された誘導経路や、表示情報生成部19で描画された操作画面及び各種マークや、アイコン描画部22で描画された各種アイコンや、更新情報生成部24で生成された更新情報や、制御部17から入力された画像等を適宜重ねて、表示部8に表示させるための構成である。
【0040】
上述した構成で、更新地図データを生成するために車両用走行誘導装置10で実行される制御例を図3に示すフローチャートを用いて詳述する。図3において、まず、ユーザが携帯電話などを操作し車両用走行誘導装置10外部から無線通信によって最新の地図情報を第2の地図データとして地図データ取得部3に取得する(ステップ11)。地図データ取得部3が第2の地図データを取得したことを知らせる信号を制御部17に出力すると、制御部17は、まず、第1の地図データと、対応する第2の地図データとが同一であるかどうか、すべてのデータについて判断したかを判定する(ステップ12)。すべてのデータについて判断していれば、制御部17は、更新地図データがすべて生成されたものとして、第1及び第2地図データをバッファメモリ11に読み出すための後述するステップ13から15に示す制御を終了する。すべてのデータについて判断していなければ、制御部17は、地図データベース1から地図データ読取り部2に第1の地図データを読み出し(ステップ13)、さらに地図データ読取り部2からバッファメモリ11に第1の地図データを読み出す(ステップ14)。続いて制御部17は、地図データ取得部3から第2の地図データであって、第1の地図データに対応するものを、バッファメモリ11に読み出す(ステップ15)。
【0041】
続いて地図データ生成部17aは、バッファメモリ11に読み出された第1の地図データと、対応する第2の地図データとが同一かどうかを判断する(ステップ16)。同一であれば、地図データ生成部17aは、第1の地図データを更新せずに残すことによって更新地図データを生成する(ステップ17)。同一でなければ、地図データ生成部17aは、第1の地図データが履歴情報に関連しているかを判断する(ステップ18)。関連していなければ、地図データ生成部17aは、第1の地図データを第2の地図データに更新することによって更新地図データを生成する(ステップ19)。関連していれば、地図データ生成部17aは、第1の地図データと第2の地図データとを関連付けてともに有するようにして更新地図データを生成する(ステップ20)。地図データ生成部17aは、ステップ17、ステップ19またはステップ20で生成した更新地図データを、新たな第1の地図データとして地図データベース1に第1の地図データの代わりに格納する(ステップ21)。地図データ生成部17aは、再びステップ12を実行し、第1の地図データと、対応する第2の地図データとが同一かどうか、すべてのデータについて判断するまでステップ13からステップ21を繰返し実行する。なお、すべての地図データについて判断したかは、例えば地図データをすべてのデータアドレスについて読み出したかどうかによって判断する。これによって、履歴情報に関連している第1の地図データを、対応する第2の地図データとともに有する更新地図データを生成することが可能である。
【0042】
次に、更新情報生成部24が、更新地図データ(新たな第1の地図データ)を用いてユーザに伝わりやすい更新情報を生成するタイミング及び生成した更新情報をユーザに知らせるタイミングの例を図4に示すフローチャートを用いて詳述する。本例では、ユーザが検索条件を指定し、その検索条件が更新地図データの有する第1の地図データのデータ内容に該当する場合に、以下に示す所定の条件に従い更新情報を生成する。ただし、ユーザが目的地設定をした場合に、探索経路沿いとみなされる所定の範囲に含まれる施設が更新地図データの有する第1の地図データのデータ内容に該当する場合に、更新情報を生成することも可能である。また、車両の現在位置を表示する道路地図に更新情報を反映させるために、更新地図データが有する第1の地図データに対応する第2の地図データに基づく情報を表示するタイミング、より正確にはその直前の所定の時間内に更新情報を生成することも可能である。
【0043】
図4に示すように、まずユーザが操作部8によって検索条件を指定する(ステップ21)。検索条件が入力された制御部17は、まず、更新地図データ(新たな第1の地図データ)が有するすべての第1の地図データについて、そのデータ内容が検索条件に該当するかどうか判断したかを判定する(ステップ22)。すべて判断していなければ、制御部17は、地図データベース1から地図データ読取り部2に更新地図データを読み出し(ステップ23)、さらに地図データ読取り部2からバッファメモリ11に更新地図データを読み出す(ステップ24)。続いて制御部17は、検索条件が更新地図データの有する第1の地図データのデータ内容に該当するかどうか判断する(ステップ25)。該当していなければ、制御部17はステップ22を実行する。該当していれば、制御部17は更新情報生成部24に指令を出し、指令を受けた更新情報生成部24は、バッファメモリ11から該当する第1の地図データと、対応する第2の地図データとを読み出して更新情報を生成する(ステップ26)。より具体的には、前述したように第1から第3の更新情報生成部24a、24b、24cが更新情報を生成する。なお、ステップ25において、検索条件が更新地図データの有する第1の地図データに対応する第2の地図データのデータ内容に該当した場合に、同様にステップ26で更新情報を生成してもよい。
【0044】
制御部17は、更新情報生成部24に指令を出した後に再びステップ22を実行する。制御部17は、更新地図データが有するすべての第1の地図データについて、そのデータ内容が検索条件に該当するかどうかを判断するまでステップ23からステップ26を繰返し実行する。ステップ22においてすべて判断したと判定した場合、制御部17は、続いて、更新地図データが有するすべての第2の地図データについて、そのデータ内容が検索条件に該当するかどうか判断する(ステップ27)。なお、本ステップは更新情報の生成とは関係がないため詳細な説明は省略する。続いて制御部17は、検索条件に該当するデータ内容を有する第1の地図データがあったかどうか判定する(ステップ28)。該当するデータ内容を有する第1の地図データがなかった場合には、第2の地図データに基づく情報または検索条件に該当する情報がない旨を検索結果としてユーザに知らせる(ステップ29)。該当する第1の地図データがあった場合、制御部17は更新情報生成部24が生成した更新情報を検索結果としてユーザに知らせる(ステップ30)。
【0045】
図5は、上述したステップ30において更新情報を検索結果としてユーザに知らせるための表示画面の一例を示す図である。本例において、ユーザは地図データ更新前に検索したことがある施設名称「×××××店」を検索条件として指定していた。「×××××店」は現在「○○○○○店」に変更されており、更新地図データは第2の地図データのデータ内容として「○○○○○店」を有する第2の地図データを用いて生成されていた。本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、更新地図データは、上述したように履歴情報と関連している第1の地図データを、第2の地図データとともに有している。すなわち、更新地図データは「×××××店」をデータ内容として有している第1の地図データを、「○○○○○店」をデータ内容として有している第2の地図データとともに有しているので、ユーザが「×××××店」を検索条件として指定した場合でも制御部17は、更新地図データから「×××××店」に該当するデータ内容を有する第1の地図データを検索して、検索結果としてユーザに知らせることが可能である。さらに本実施例では、更新情報生成部25aが生成した更新情報を検索結果として図5に示すように「○○○○○店(旧×××××店)」と同時に表示することができる。これによって、「○○○○○店」になったことを知らないユーザが「×××××店」を検索条件として指定しても、ユーザは「×××××店」の位置を知ることができるとともに、「○○○○○店」になったことを同時に知ることが可能である。
【0046】
また、更新情報生成部25bが生成した更新情報を利用すれば、上述したように施設名称を同時に表示せず、代わりに施設名称を交互に表示するための更新情報を表示することも可能である。なお、更新情報生成部25aが生成した更新情報と、更新情報生成部25bが生成した更新情報とのいずれを表示するかは、例えば設定によって選択可能にしてもよい。また、更新情報生成部25が更新情報生成部25bのみを備えていてもよく、逆に更新情報生成部25aのみを備えていてもよい。このような更新情報を表示することによって、地図データが更新された後にユーザが更新前の情報しか知らない場合でも所定の情報を検索可能な車両用走行誘導装置10を実現できる。
【0047】
図6は、ユーザが設定した目的地へのルート案内を実行している際に更新情報をユーザに知らせるための表示画面の一例を示す図である。図6に示す道路30は、ユーザが以前走行したことがある走行経路である。この走行経路沿いでは、以前「×××××店」だった施設が現在「○○○○○店」になり、「×××○○店」だった施設が現在「○○○××店」になっている。その後、ユーザはこれらの変更が最新情報として反映された第2の地図データによって更新地図データを生成した。このような場合であっても、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、例えば図6に示すように走行経路沿いの施設を更新情報によって「○○○○○店(旧×××××店)」及び「○○○××店(旧×××○○店)」と表示して、ユーザに知らせることが可能である。これによって、ユーザが以前「×××××店」を目印にして交差点を覚えていて「○○○○○店」になったことを知らなかった場合でも、ユーザに伝わりやすい情報として提供することが可能である。
【0048】
また、図6に示す誘導経路40はユーザが設定した目的地に対して探索された経路である。ユーザは車両の現在位置41を走行中である。このような状況において、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、更新情報生成部25cが生成した更新情報を利用してスピーカ9からユーザに伝わりやすい音声案内を出力可能である。より具体的には、例えば「300m先の交差点を右折です。「○○○○○店」が目印です。以前は「×××××店」でした。」といった音声案内を出力することが可能である。これによって、ユーザが以前「×××××店」があると認識していた交差点で、「×××××店」が「○○○○○店」になったことを知らなくてもユーザに伝わりやすい情報として提供することが可能である。なお、更新情報生成部25aまたは25bが生成する更新情報(表示情報)と、更新情報生成部25cが生成する更新情報(音声案内)とを併用してユーザに更新情報を知らせることも可能である。
【0049】
また、図6に示す地点Aは以前「△△△△△店」があった位置である。このような状況で、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、施設を示すアイコンの代わりに更新情報生成部25aが生成した更新情報を利用して例えば図6に示すように「以前「△△△△△店」がありました。」と表示することができる。続いて本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、更新情報生成部25aが生成した「施設の移転先を表示しますか?」といった更新情報を表示することで、ユーザに施設の移転先を表示するかどうか問い合わせることが可能である。このとき、ユーザが施設の移転先を知りたい場合には、例えば「移転先の施設を表示する」というサブメニューを選択することによって、移転後の施設を示すアイコンがともに表示される道路地図を表示させることもできる。このようにして、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、ユーザに移転後の施設の位置を知らせることも可能である。なお、上述したように検索結果を表示する際、ルート案内を実行している際に更新情報を知らせることによって、ユーザに対して効果的に更新情報を知らせることが可能であるが、これに限られず、例えば車両の現在位置を示す道路地図を表示している際にも、また現在位置を示す道路地図以外にもユーザが所定の操作により選択した道路地図を表示する際にも更新情報を知らせるようにすることが可能である。
【0050】
上述したような更新情報によって例えば施設の変更を知った後には、ユーザは次からは変更後の施設のみが表示されればよいと判断する場合もある。このような場合に対し、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、ユーザが例えば「選択した施設情報を更新する」といったサブメニューを選択することによって、更新地図データが有する第1の地図データを対応する第2の地図データに更新することが可能である。これによって、次からは変更後の施設のみが表示されることになる。また、これによって更新地図データの容量を縮小することが可能である。
【0051】
また、HDDの格納しているデータの容量が、更新地図データの更新を重ねることによって増大する場合もある。また、HDDには地図データ以外に例えば楽曲データなどを格納することも可能であるため、それによってもHDDのデータ容量が増大する場合がある。このような場合に対し、本実施例に係る車両用走行誘導装置10では、HDDが所定の容量に達した際には、地図データ更新部17aが自動的に第1の地図データを対応する第2の地図データに更新する。これによって、記憶装置が格納するデータが容量に対してオーバーフローすることを抑制可能である。なお、HDDが格納しているデータの容量に対して所定の容量を設定せず、更新地図データに対して所定の容量を設定してもよい。また、自動で更新する際には、その前にユーザに対して例えば「容量が不足します。地図データを更新しますか?」といった表示をして、ユーザに更新地図データが有する第1の地図データを対応する第2の地図データに更新して容量を確保することを選択させたり、容量増大となる操作、例えば楽曲データの保存などを取り下げることを選択させたりしてもよい。以上により、地図データが更新された後にユーザが更新前の情報しか知らない場合でも所定の情報を検索可能な、またユーザをより好適に誘導可能な車両用走行誘導装置を実現可能である。
【0052】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施例に係る車両用走行誘導装置10の構成を示す図である。
【図2】地図データベース1に格納された新たな第1の地図データ(更新地図データ)を模式的に示す図である。
【図3】更新地図データを生成するために車両用走行誘導装置10で実行される制御例をフローチャートで示す図である。
【図4】更新情報生成部24が、更新地図データ(新たな第1の地図データ)を用いてユーザに伝わりやすい更新情報を生成するタイミング及び生成した更新情報をユーザに知らせるタイミングの例をフローチャートで示す図である。
【図5】図4に示すフローチャートのステップ30において更新情報を検索結果としてユーザに知らせるための表示画面の一例を示す図である。
【図6】ユーザが設定した目的地へのルート案内を実行している際に更新情報をユーザに知らせるための表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 地図データベース
2 地図データ読取り部
3 地図データ取得部
4 操作部
5 VICS受信部
6 GPS受信部
7 自律航法センサ
7a 角度センサ
7b 距離センサ
8 表示部
9 スピーカ
10 ナビゲーション装置
11 バッファメモリ
12、13、14、15 I/F
17 制御部
17a 地図データ更新部
18 地図描画部
19 表示情報生成部
20 誘導経路記憶部
21 誘導経路描画部
22 アイコン描画部
23 音声出力部
24 履歴情報管理部
25 更新情報生成部
25a 第1の更新情報生成部
25b 第2の更新情報生成部
25c 第3の更新情報生成部
26 画像合成部
30 道路
40 誘導経路
41 車両の現在位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、地図データベースから第1の地図データを読取る地図データ読取り部と、更新用の第2の地図データを取得する地図データ取得部と、前記第1の地図データと前記第2の地図データとを用いて更新地図データを生成する地図データ更新部と、ユーザが検索条件を指定して得られた検索結果や走行経路などを履歴情報として管理する履歴情報管理部とを備えた車両用走行誘導装置であって、
前記地図データ更新部が、前記履歴情報と関連がある前記第1の地図データを対応する前記第2の地図データに関連付けて、該第2の地図データとともに有するようにして前記更新地図データを生成することを特徴とする車両用走行誘導装置。
【請求項2】
前記地図データ更新部が、前記第1の地図データと、対応する前記第2の地図データとが同一であるかどうかを判断し、前記第1の地図データと、対応する前記第2の地図データとが異なる場合に、
前記履歴情報と関連がある前記第1の地図データについては、該第1の地図データを対応する前記第2の地図データに関連付けて、該第2の地図データとともに有するようにして前記更新地図データを生成し、
前記履歴情報と関連がない前記第1の地図データについては、該第1の地図データを対応する前記第2の地図データに更新することによって前記更新地図データを生成することを特徴とする請求項1記載の車両用走行誘導装置。
【請求項3】
前記地図データベースを、前記第1の地図データを格納した記憶装置として備え、
前記地図データ更新部が、前記更新地図データを新たな第1の地図データとして前記第1の地図データの代わりに前記記憶装置に格納することを特徴とする請求項1または2記載の車両用走行誘導装置。
【請求項4】
ユーザが指定した検索条件に対して、前記制御部が、前記更新地図データが有する前記第1の地図データ及び前記第2の地図データを参照して前記検索条件に該当するデータ内容を有する地図データを検索することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項5】
前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく表示情報を、対応する前記第2の地図データに基づく表示情報とともに表示するための更新情報を生成する第1の更新情報生成部を備えることを特徴とする請求項4記載の車両用走行誘導装置。
【請求項6】
前記表示情報は施設を示すアイコンであり、
前記第1の更新情報生成部は、前記第1の地図データに基づく施設の位置情報と、前記第2の地図データに基づく施設の位置情報とが異なる場合に、前記第1の地図データに基づくアイコンの代わりに前記施設が存在した位置であることを知らせる表示情報を更新情報として生成することを特徴とする請求項4記載の車両用走行誘導装置。
【請求項7】
前記第1の更新情報生成部は、前記第2の地図データに基づく施設位置を表示するかをユーザに問い合わせる表示情報を更新情報として生成することを特徴とする請求項6記載の車両用走行誘導装置。
【請求項8】
前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく表示情報を、対応する前記第2の地図データに基づく表示情報と交互に表示するための更新情報を生成する第2の更新情報生成部を備えることを特徴とする請求項4記載の車両用走行誘導装置。
【請求項9】
前記表示情報は、施設名称であることを特徴とする請求項5または8記載の車両用走行誘導装置。
【請求項10】
前記更新地図データが有する前記第1の地図データに基づく音声案内を、対応する前記第2の地図データに基づく音声案内とともに出力するための更新情報を生成する第3の更新情報生成部を備えることを特徴とする請求項4から9いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項11】
ユーザが指定した検索条件に該当するデータ内容を有する地図データが、前記更新地図データが有する前記第1の地図データにある場合に、前記制御部が、検索結果をユーザに知らせる際に前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行することを特徴とする請求項5から10いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項12】
ユーザが指定した目的地へのルート案内を実行している際に、前記制御部が、所定のタイミングで前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行することを特徴とする請求項5から11いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項13】
道路地図を表示している際に、前記制御部が、所定のタイミングで前記更新情報を表示、または出力するための指令を実行することを特徴とする請求項5から10いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項14】
ユーザが所定の操作をすることによって、前記地図データ更新部が、該地図データ更新部が有する前記第1の地図データを、対応する前記第2の地図データに更新することを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の車両用走行誘導装置。
【請求項15】
前記記憶装置のデータ容量が所定の容量に達した際に、前記地図データ更新部が、該地図データ更新部が有する前記第1の地図データを、対応する前記第2の地図データに更新することを特徴とする請求項3記載の車両用走行誘導装置。
【請求項16】
第1の地図データを読取るステップと、
前記第1の地図データに対応する更新用の第2の地図データを読取るステップと、
前記第1の地図データが、ユーザが検索条件として指定して得られた検索結果や走行経路などの履歴情報に関連しているかを判断するステップと、
前記第1の地図データが履歴情報と関連している場合に、該第1の地図データと対応する前記第2の地図データとを関連付けてともに有するようにして前記更新地図データを生成するステップと、
を有することを特徴とする車両用走行誘導装置の更新地図データ生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−3366(P2007−3366A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−184334(P2005−184334)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】