説明

車両用電源装置

【課題】車両減速時の回生エネルギーの損失を抑制して、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のどちらにも効率良くエネルギーを回収すること。
【解決手段】第1の回路部L1は、高圧蓄電手段111と低圧蓄電手段112との間をDC/DCコンバータ107を介して接続する。第2の回路部L2は、発電機102と高圧蓄電手段111との間を接続し、第3の回路部L3は、発電機102と低圧蓄電手段112との間を接続する。高圧用全波整流器103は、高圧蓄電手段111の充電を遮断可能に構成されている。低圧用全波整流器104は、低圧蓄電手段112の充電を遮断可能に構成されている。電源ECU113は、車両が減速するときに発電機102により発電される電力の充電経路を、高圧用全波整流器103および低圧用全波整流器104を制御することにより第2および第3の回路部L2、L3のいずれかに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両の減速(制動)時のエネルギーを回生エネルギーとして効率的に使用する車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会の実現に向けて、電気自動車(EV:Electric Vehicle)およびプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)が注目されている。これらの自動車は、二次電池(以下、単に「バッテリ」という)およびモータを搭載し、バッテリに蓄えられた電力でモータを駆動することにより走行する。
【0003】
これらの自動車に搭載される従来の車両用電源装置として、車両減速(制動)時に熱として消費されていたエネルギーを電気エネルギーとして回収し利用することで、自動車の燃費を改善する回生システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
通常、回生システムでは、異なる公称電圧を有する2つのバッテリ(主電源および副電源)が、直流/直流(以下「DC/DC」という)コンバータを介して接続されている。
【0005】
主電源と副電源とがDC/DCコンバータを介して接続される上記通常の構成では、回生エネルギーの充電および供給がDC/DCコンバータを介して行われ、DC/DCコンバータの変換効率に応じて電力が損失される場合がある。
【0006】
これに対し、特許文献1記載の回生システムでは、DC/DCコンバータを介して主電源と副電源とを接続する経路と、DC/DCコンバータを介さずにスイッチを介して主電源と副電源とを接続する経路とが、並列に設けられている。この構成により、車両減速時の回生エネルギーをDC/DCコンバータを介することなく効率的に副電源に回収することができる。したがって、主電源から副電源へ、あるいは副電源から主電源への充電効率を高めることができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の回生システムでは、主電源と副電源がDC/DCコンバータを介さずに接続されるため、例えば主電源の公称電圧が14V系であり副電源の公称電圧が42V系である場合には、システムを構成することが困難である。
【0008】
このような場合において、発電機からDC/DCコンバータを介さずにどちらのバッテリにも効率良くエネルギーを回収することを実現する技術としては、例えば特許文献2に記載されたものがある。特許文献2に記載の装置においては、トルク授受可能にエンジンに連結された三相交流発電電動機と高圧蓄電手段とが高圧用三相全波整流器を介して接続され、前述の三相交流発電電動機と低圧蓄電手段とが低圧用三相全波整流器を介して接続されている。高圧蓄電手段を充電する際には、低圧用三相全波整流器の半導体スイッチがオフされるとともに高圧用三相全波整流器の半導体スイッチがオンされる。低圧蓄電手段を充電する際には、高圧用三相全波整流器の半導体スイッチがオフされるとともに低圧用三相全波整流器の半導体スイッチがオンされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−328988号公報
【特許文献2】特開平7−308032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の装置においては、図1に示す(特許文献2においては図3として開示されている)ように、車両減速時の回生エネルギーが常に高圧蓄電手段に回収されるようなスイッチ制御がなされている。したがって、高圧蓄電手段が満充電のときには回生エネルギーを回収することはできない。
【0011】
例えば、車両減速が長時間連続して高圧蓄電手段が満充電に達した場合には、その後の車両減速時の回生エネルギーは失われることとなる。言い換えると、このような場合に、半導体スイッチのオンオフ制御を適宜行い、充電する蓄電手段を高圧から低圧に切り換えれば、車両減速時の回生エネルギーを低圧蓄電手段にも回収することできる。ところが、切り換えの際にデッドタイムが生じるため、結局、回生エネルギーの損失が発生する。
【0012】
すなわち、上記従来の装置では、車両減速時の回生エネルギーの回収効率向上に一定の限界がある。
【0013】
本発明の目的は、車両減速時の回生エネルギーの損失を抑制して、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のどちらにも効率良くエネルギーを回収することができる車両用電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の車両用電源装置は、車両の発電機により発電される電力を、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のいずれかに充電する車両用電源装置であって、前記高圧蓄電手段と前記低圧蓄電手段との間をDC/DCコンバータを介して接続する第1の回路部と、前記発電機と前記高圧蓄電手段との間を接続する第2の回路部と、前記発電機と前記低圧蓄電手段との間を接続する第3の回路部と、前記第2の回路部に設けられ、前記高圧蓄電手段の充電の遮断を行う第1の遮断部と、前記第3の回路部に設けられ、前記低圧蓄電手段の充電の遮断を行う第2の遮断部と、前記車両が減速するときに前記発電機により発電される電力の充電経路を、前記第1および第2の遮断部を制御することにより前記第2および第3の回路部のいずれかに設定する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両減速時の回生エネルギーの損失を抑制して、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のどちらにも効率良くエネルギーを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の車両用電源装置の動作タイミングを示す図
【図2】本発明の一実施の形態における車両用電源装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態におけるリレーのオンオフ制御を説明するための図
【図4】本発明の一実施の形態における電源ECUの要部構成を示すブロック図
【図5】本発明の一実施の形態における車両座標系を示す図
【図6】本発明の一実施の形態における車両の傾斜角度の算出を説明するための図
【図7A】本発明の一実施の形態に係る車両用電源装置の動作の一部分を説明するためのフロー図
【図7B】本発明の一実施の形態に係る車両用電源装置の動作のその他の部分を説明するためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図2は、本発明の一実施の形態に係る車両用電源装置(以下、単に「電源装置」という)の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示す電源装置は、車両に搭載され、その車両のエンジン101により駆動される発電機102、および車載電装品の負荷である電気負荷108に接続されている。
【0020】
発電機102は、界磁巻線および電機子巻線を有し、エンジン101により駆動されて発電を行う交流発電機である。
【0021】
電気負荷108は、エンジン101の始動を行うスタータ、車両のランプ全般、カーナビゲーション装置、オーディオ機器および空調装置などの車載電装品の負荷である。
【0022】
電源装置は、高圧用全波整流器103、低圧用全波整流器104、リレー装置105、106、DC/DCコンバータ107、電流センサ109、110、高圧蓄電手段111、低圧蓄電手段112、および電源ECU(電子制御ユニット)113を有する。
【0023】
高圧蓄電手段111は、高電圧で蓄電するバッテリであり、例えば公称電圧が42V系のリチウムイオン電池である。低圧蓄電手段112は、低電圧で蓄電するバッテリであり、例えば公称電圧が14V系の鉛電池であり、電気負荷108への電力供給を行う。高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112は、車両減速時の回生エネルギーを効率良く回収できる充電受入性(つまり充電効率)に優れている蓄電デバイスであることが好ましい。また、満充電のときのSOC(State of Charge(充電状態))の値を100%とすると、高圧蓄電手段111については、SOCが例えば20〜80%となるように、高圧蓄電手段111の充放電電流を電源ECU113によって制御することが、好ましい。また、低圧蓄電手段112については、SOCが例えば80%以上となるように、低圧蓄電手段112の充放電電流を電源ECU113によって制御することが、好ましい。
【0024】
電源装置は、第1の回路部L1、第2の回路部L2および第3の回路部L3を含む回路構成を有する。第1の回路部L1は、高圧蓄電手段111と低圧蓄電手段112との間を接続し、第1の回路部L1には、DC/DCコンバータ107が、配置されている。第2の回路部L2は、発電機102と高圧蓄電手段111との間を接続し、第2の回路部L2には、高圧用全波整流器103、リレー装置(以下、単に「リレー」という)105および電流センサ109が、配置されている。第3の回路部L3は、発電機102と低圧蓄電手段112との間を接続し、第3の回路部L3には、低圧用全波整流器104、リレー106および電流センサ110が、配置されている。
【0025】
高圧用全波整流器103および低圧用全波整流器104は、並列に発電機102に接続されている。高圧用全波整流器103および低圧用全波整流器104はいずれも、例えば6個のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子で構成された整流器であり、発電機102により発電された電力を三相全波整流により交流から直流に変換する。このような整流器としての動作は、整流器を構成する各IGBT素子が開放されている(非導通状態)ときには行われず、各IGBT素子が導通状態のときにのみ行われる。高圧用全波整流器103および低圧用全波整流器104の導通状態/非導通状態の切り換えは、電源ECU113によって行われる。
【0026】
すなわち、高圧用全波整流器103は、発電機102により発電された交流電力を直流電力に変換する第1の変換部を構成するとともに、高圧蓄電手段111への発電電力の充電を遮断する第1の遮断部を構成する。同様に、低圧用全波整流器104は、発電機102により発電された交流電力を直流電力に変換する第2の変換部を構成するとともに、低圧蓄電手段112への発電電力の充電を遮断する第2の遮断部を構成する。
【0027】
第1の継電部としてのリレー105は、第2の回路部L2内の、高圧用全波整流器103と電流センサ109との間に、配置されている。また、第2の継電部としてのリレー106は、第3の回路部L3内の、低圧用全波整流器104と電流センサ110との間に、配置されている。
【0028】
リレー105、106は、高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112の充電の安全性を確保する目的で、また、エンジン101停止時の暗電流を防止する目的で、第2および第3の回路部L2、L3の接続状態を切り換えるために、設けられている。第2および第3の回路部L2、L3の接続状態を切り換えるためのリレー105、106の接続(オン)/切断(オフ)の制御は、電源ECU113によって行われる。
【0029】
電流センサ109は、高圧蓄電手段111の充電状態(SOC:State of Charge)を測定するために高圧蓄電手段111の充放電電流を検知するセンサである。電流センサ110は、低圧蓄電手段112のSOCを測定するために低圧蓄電手段112の充放電電流を検知するセンサである。
【0030】
なお、電流センサ109、110を用いて検知された高圧蓄電手段111、低圧蓄電手段112の充放電電流からSOCを測定する代わりに、高圧蓄電手段111、低圧蓄電手段112の電圧からSOCを算出しても良い。
【0031】
DC/DCコンバータ107は、例えば、トランス、スイッチングレギュレータおよびシリーズレギュレータなどの電圧変換機構であり、第1の回路部L1に配置されている。DC/DCコンバータ107は、高圧蓄電手段111の直流電力を降圧して低圧蓄電手段112に出力し、低圧蓄電手段112の直流電力を昇圧して高圧蓄電手段111に出力する。DC/DCコンバータ107の降圧/昇圧の切り換え、およびそれぞれの出力電圧は、電源ECU113によって制御される。
【0032】
なお、第2および第3の回路部L2、L3には、DC/DCコンバータは配置されていないため、DC/DCコンバータの変換効率に基づく電力損失は、第2および第3の回路部L2、L3においては発生しない。
【0033】
制御部としての電源ECU113は、典型的にはCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む構成を有する。また、電源ECU113は、発電機102、高圧用全波整流器103、低圧用全波整流器104、リレー105、106、DC/DCコンバータ107、電流センサ109、110、進行方向加速度センサ114(図4参照)、車速センサ115(図4参照)と電気的に接続されている。電源ECU113は、CPUがROMに格納されているプログラムをRAMを使って実行することにより、電源装置を総合的に制御する。
【0034】
具体的には、例えば、電源ECU113は、発電機102の界磁巻線へ流入する電流量を制御することにより、発電電力の電圧を一定に保つ。発電電力の電圧設定のためのこの制御は、回生エネルギーの推定(後述する)の結果に従って行われる。
【0035】
また、電源ECU113は、高圧蓄電手段111の充電時には、高圧用全波整流器103の各IGBT素子を導通状態とする一方、低圧用全波整流器104を構成する各IGBT素子を開放することにより、高圧蓄電手段111の充電経路を設定する。すなわち、高圧蓄電手段111の充電時に設定される充電流路は、具体的には第2の回路部L2である。このとき、電源ECU113は、充電の安全確保のために、リレー105をオンするとともにリレー106をオフする。
【0036】
また、電源ECU113は、低圧蓄電手段112の充電時には、低圧用全波整流器104の各IGBT素子を導通状態とする一方、高圧用全波整流器103を構成する各IGBT素子を開放することにより、低圧蓄電手段112の充電経路を設定する。すなわち、低圧蓄電手段112の充電時に設定される充電経路は、具体的には第3の回路部L3である。このとき、電源ECU113は、充電の安全確保のために、リレー106をオンするとともにリレー105をオフする。
【0037】
回生エネルギーの充電経路設定のためのこの制御は、回生エネルギーの推定(後述する)の結果に従って行われる。
【0038】
また、図3に示すように、電源ECU113は、例えばエンジン101停止時のように高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112をいずれも充電できないような場合には、発電機102側の暗電流を防ぐためにリレー105、106をいずれもオフする。
【0039】
電源ECU113は、高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112の充放電電流を、電流センサ109、110を用いて検出し、電流積算によってSOCを算出する。そして、例えば、低圧蓄電手段112のSOCが80%未満、かつ高圧蓄電手段111のSOCが20%以上の場合、電源ECU113は、DC/DCコンバータ107を介して高圧蓄電手段111から低圧蓄電手段112への充電を行う。この充電は、低圧蓄電手段112のSOCが80%以上になるまで継続する。また、低圧蓄電手段112のSOCが80%以上、かつ高圧蓄電手段111のSOCが20%未満の場合、電源ECU113は、DC/DCコンバータ107を介して低圧蓄電手段112から高圧蓄電手段111への充電を行う。この充電は、高圧蓄電手段111のSOCが20%以上になるまで継続する。
【0040】
また、電源ECU113は、進行方向加速度センサ114および車速センサ115を用いて、車両減速時の回生エネルギーを事前に推定し、どちらの蓄電手段(高圧蓄電手段111または低圧蓄電手段112)に回生エネルギーを充電すれば良いかを判定する。以下、具体的に説明する。
【0041】
図4に示すように、電源ECU113は、いずれも車両に搭載されている進行方向加速度センサ114と車速センサ115とに接続されていて、内部には、傾斜角度算出部121、速度検出部122および回生量推定部123を有する。
【0042】
進行方向加速度センサ114は、圧電型、静電容量型またはサーボ型などの加速度センサであり、車両の進行方向における加速度を検出する。図5に示すように、車両130についての座標系は、互いに垂直な3つの軸、つまりXb軸、Yb軸およびZb軸によって定義される。Xb軸は、車両130から車体正面側に向かう方向(進行方向)を示す軸であり、Yb軸は、車両130から車体右側に向かう方向(右側方向)を示す軸であり、Zb軸は、車両130から車体下側に向かう方向(垂直下方向)を示す軸である。すなわち、進行方向加速度センサ114は、車両座標系におけるXb軸方向の加速度Axを検出する。加速度Axは常に傾斜角度算出部121に出力されている。
【0043】
車速センサ115は、車両の走行速度を検出する。具体的には、車速センサ115は、車両の走行速度に応じてパルス周期が変化する車速パルスを生成する車速パルス発生装置である。車速パルスは常に速度検出部122に出力されている。
【0044】
速度検出部122は、車速センサ115により生成された車速パルスから、Xb軸方向(車両進行方向)における速度Vbxを算出する。速度Vbxは常に傾斜角度算出部121および回生量推定部123に出力されている。
【0045】
なお、速度検出部122は、別の方法によって速度Vbxを算出しても良い。例えば、速度検出部122は、エンジン101の回転数を検知し、エンジン101からタイヤへ最適に動力を伝えるように設定されたギア比、およびファイナルギア比からタイヤ回転数を算出する。そして、速度検出部122は、予め記憶しているタイヤ半径、および算出されたタイヤ回転数から、Xb軸方向(車両進行方向)における速度Vbxを算出する。
【0046】
傾斜角度算出部121は、車両の移動に伴う加速度Accを、速度検出部122により算出された速度Vbxを時間で1回微分することによって算出し、算出された加速度Acc、および進行方向加速度センサ114により検出された加速度Axから、車両の傾斜角度θを算出する。車両の傾斜角度θは常に回生量推定部123に出力されている。ここで、車両の傾斜角度θは、車両座標系におけるYb軸回りの角度であり、ピッチ角度のことを意味する。
【0047】
図6に示すように、重力加速度Gの進行方向成分をAgとすると、車両130の進行方向の加速度Axは、ベクトル換算でAx=Acc+Agとして表され、加速度Agは、Ag=Ax−Accとして表される。また、加速度Agは、車両の傾斜角度θを用いて、Ag=Gsinθとして表される。したがって、下記の式(1)に示すように、加速度Ax、Accを算出すれば、車両の傾斜角度θを算出することができる。
θ=sin−1((Ax−Acc)/G)・・・(1)
【0048】
回生量推定部123は、傾斜角度算出部121により算出された車両の傾斜角度θ、および速度検出部122により算出された速度Vbxから、車両減速時の回生エネルギーを推定する。この推定は、車両減速時に行われる。回生量推定部123は、その推定結果に基づいて、車両減速時の回生エネルギーを、高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112のうちどちらに充電すれば良いかを判定する。電源ECU113は、発電機102の発電電力の電圧設定のための制御、および回生エネルギーの充電経路設定のための制御を、この判定結果に従って行う。後者の制御は、事前に、つまり次の車両減速が生じる前に、行われる。これにより、設定される電圧および経路の切り換えに伴って生じる回生エネルギーの損失を抑えることができる。前者の制御は、次の車両減速が生じたときに、行われる。
【0049】
ここで、車両減速時の回生エネルギーは、電気負荷108に消費されるのが、効率の面では最も好ましい。この回生エネルギーを、高圧蓄電手段111に充電した後に電気負荷108に利用した場合、高圧蓄電手段111の充電効率により例えば約3%失われ、さらにDC/DCコンバータ107の変換効率により例えば約5%失われることになるためである。また、この回生エネルギーを、低圧蓄電手段112に充電した後に電気負荷108に利用した場合も、低圧蓄電手段112の充電効率により一部失われることになる。
【0050】
したがって、推定された回生エネルギーに対応する回生電力推定値と電気負荷108との差が所定値未満である場合には、回生量推定部123は、低圧蓄電手段112に回生エネルギーを充電することを決定する。また、前述した差が所定値以上である場合には、回生量推定部123は、高圧蓄電手段111に回生エネルギーを充電することを決定する。
【0051】
車両減速開始時(時刻t0)に速度検出部122から得られる速度Vbx(t0)を基準とすると、車両減速開始からt秒経過後、速度Vbx(t)まで減速した時に、発生する運動エネルギーEmは、式(2)により表される。
Em=1/2×m×(Vbx(t0)−Vbx(t))・・・(2)
ここで、mは車両重量である。
【0052】
回生量推定部123は、運動エネルギーEmのうち、実際に発電機102で発電されたエネルギーを回生エネルギー検出値Erとして検出する。回生量推定部123は、回生エネルギー検出値Erの検出を、所定のサンプリング期間(例えば10ms)毎に行う。
【0053】
回生量推定部123は、傾斜角度算出部121により得られる車両の傾斜角度θから勾配抵抗Rθを算出し、この勾配抵抗Rθを用いて、回生エネルギー検出値Erを補正する。補正後の回生エネルギー検出値を回生エネルギー推定値Er(θ)とすると、この補正は下記の式(3)で表すことができる。
Er(θ)=Er+h(Rθ、Vbx(t0)、Vbx(t)、t)・・・(3)
ここで、h(Rθ、Vbx(t0)、Vbx(t)、t)は、Rθ、Vbx(t0)、Vbx(t)およびtの関数を表す。
【0054】
車両の傾斜角度θは、走行環境(道路そのものの形状、あるいは道路が敷設されている土地の地形)によって相違し、これに応じて、得られる回生エネルギーが相違するが、この補正を行うことにより、走行環境に応じて生じ得る推定誤差を解消し、推定精度を向上することができる。なお、この補正は、車両が水平面(車両の傾斜角度θ=0)上を走行する際に得られる回生エネルギーを基準とするように行われる。
【0055】
さらに、回生量推定部123は、回生エネルギー推定値Er(θ)を減速期間(時刻t0〜時刻T)にわたって積算し、その積算値を時刻の値Tで除算することにより、回生電力推定値Wr(θ)を算出する。ここで、時刻Tは、減速開始後、車両が再加速した時の時刻、または車速が10km/hまで低下した時の時刻とする。
【0056】
このようにして、回生量推定部123は、車速センサ115により検出される車両の車速Vbx、あるいは進行方向加速度センサ114により検出される車両の進行方向における加速度Axに基づいて、正確な推定を行うことができる。
【0057】
回生量推定部123は、算出された回生電力推定値Wr(θ)を、速度Vbx(t0)の値に対応付けて記憶する。なお、新たに算出された回生電力推定値Wr(θ)と速度Vbx(t0)の値との組み合わせを記憶するときに、同様の値の組み合わせが既に記憶されている場合には、その平均値を記憶するようにしても良い。また、回生電力推定値Wr(θ)を5km/h毎に(つまりVbx=5、10、15、20、・・・)記憶するようにしても良い。
【0058】
回生量推定部123は、例えば車両加速時に、速度検出部122から最新の速度Vbxを取得する。そして、回生量推定部123は、過去に記憶された回生電力推定値Wr(θ)を最新の速度Vbxに基づいて検索し、最新の速度Vbxに対応する回生電力推定値Wr(θ)を抽出する。なお、車両の加速および減速が一定のパターンで繰り返されているときには、前回抽出した回生電力推定値Wr(θ)を自動的に再抽出するようにしても良い。
【0059】
そして、回生量推定部123は、得られた回生電力推定値Wr(θ)を電気負荷108と比較する。ここで、回生電力推定値Wr(θ)を電気負荷108と比較する際には、その時点での車両の傾斜角度θから算出される勾配抵抗Rθに基づいて回生電力推定値Wr(θ)を予め補正しておくことが、好ましい。この補正を行うことにより、水平面を基準として予め算出されている回生電力推定値Wr(θ)を、現在の走行状態(傾斜角度θあるいはこれに基づく勾配抵抗Rθ)に適合した値に変換することができる。よって、現在の走行状態に起因する、推定される回生量と実際の回生量との誤差を低減し、推定精度を一層向上することができる。
【0060】
そして、比較の結果、これらの差が小さい場合には、回生量推定部123は、低圧蓄電手段112に回生エネルギーを充電することを決定する。一方、これらの差が大きい場合には、回生量推定部123は、高圧蓄電手段111に回生エネルギーを充電することを決定する。
【0061】
例えば、電気負荷108を20A、低圧蓄電手段112の放電電圧を12Vと仮定すると、消費電力は240Wであるが、これに対して、回生電力推定値Wr(θ)が例えば300Wである場合は、その差(60W)は小さいと判断される。なお、過去に回生電力推定値Wr(θ)が記憶されていない場合には、回生量推定部123は、高圧蓄電手段111に回生エネルギーを充電することを決定する。
【0062】
以上、本実施の形態の電源装置の構成について説明した。
【0063】
なお、本発明の電源装置の構成は、上記の構成に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。例えば、上記の構成では、発電機102の出力電力を二電圧にする目的で、三相の高圧用全波整流器103および低圧用全波整流器104を介して発電機102と高圧蓄電手段111および低圧蓄電手段112とを接続している。この目的に関しては、他の構成でも実現可能である。例えば、発電機102を可変電圧可変周波数(VVVF:Variable Voltage Variable Frequency)インバータに接続した構成を採用し、昇圧発電により出力電圧を可変することで、発電機102の出力電力を二電圧とするようにしても良い。
【0064】
次いで、上記構成を有する電源装置における動作について説明する。
【0065】
図7Aおよび図7Bは、電源装置における動作を説明するためのフロー図である。
【0066】
まず、電源ECU113の速度検出部122が、車速センサ115により生成された車速パルスを例えば10msでサンプリングし、車両座標系におけるXb軸方向の速度Vbxを算出する(ステップS101)。
【0067】
そして、電源ECU113の傾斜角度算出部121が、進行方向加速度センサ114により検出された加速度Axを例えば10msでサンプリングし、上記式(1)に基づいて車両の傾斜角度θを算出する(ステップS102)。
【0068】
そして、電源ECU113は、電流センサ109により検出された高圧蓄電手段111の充放電電流I1、および電流センサ110により検出された低圧蓄電手段112の充放電電流I2を、例えば10msでサンプリングする。そして、電源ECU113は、電流積算によって、高圧蓄電手段111のSOC ηHを算出し(ステップS103)、低圧蓄電手段112のSOC ηLを算出する(ステップS104)。
【0069】
そして、電源ECU113は、ステップS101で算出された速度VbxまたはステップS102でサンプリングにより得られた加速度Axから、車両が減速中か否かを判定する。車両減速中である場合には(S105:YES)、処理はステップS106に進み、車両減速中でない場合には(S105:NO)、処理はステップS109に進む。
【0070】
車両が減速を開始すると、発電機102の発電電力が、予め設定されている充電経路で高圧蓄電手段111または低圧蓄電手段112に充電される(ステップS106)。このとき、電源ECU113は、発電電力の電圧が所望のレベルに保たれるように制御を行う。充電経路設定のための制御は、後述するステップS116、S117にて行われる。
【0071】
また、電源ECU113の回生量推定部123が、車両減速開始時の速度Vbx(t0)を記憶する(ステップS107)。また、回生量推定部123は、前述した方法により車両減速時の回生電力推定値Wr(θ)を算出して、これを車両減速開始時の速度Vbx(t0)の値に対応付けて記憶する(ステップS108)。
【0072】
ステップS109では、回生量推定部123は、ステップS104で算出されたηL(低圧蓄電手段112のSOC)が所定値、例えば80%よりも大であるか否かを判定する。ηL>80%の場合(S109:YES)、処理はステップS110に進み、ηL≦80%の場合(S109:NO)、処理はステップS118に進む。
【0073】
ステップS110では、回生量推定部123は、ステップS103で算出されたηH(高圧蓄電手段111のSOC)が所定値、例えば20%よりも大であるか否かを判定する。ηH>20%の場合(S110:YES)、処理はステップS112に進み、ηH≦20%の場合(S110:NO)、処理はステップS111に進む。
【0074】
また、ステップS118では、回生量推定部123は、ステップS103で算出されたηH(高圧蓄電手段111のSOC)が所定値、例えば20%よりも大であるか否かを判定する。ηH>20%の場合(S118:YES)、処理はステップS119に進み、ηH≦20%の場合(S118:NO)、処理はステップS120に進む。
【0075】
すなわち、低圧蓄電手段112も高圧蓄電手段111も十分な充電状態にあるときには、処理はステップS112に進む。このとき、高圧蓄電手段111から低圧蓄電手段112への充電も、低圧蓄電手段112から高圧蓄電手段111への充電も、特に必要ではない。したがって、ステップS112では、電源ECU113は、DC/DCコンバータ107をオフする制御を行う。この後、処理はステップS113に進む。ステップS113以降の動作では、車両減速時の回生エネルギーの充電経路設定が行われる。
【0076】
また、低圧蓄電手段112は十分な充電状態にあるが高圧蓄電手段111が十分な充電状態ではないときには、処理はステップS111に進む。このとき、低圧蓄電手段112から高圧蓄電手段111への充電が必要であるため、ステップS111では、電源ECU113は、低圧蓄電手段112の直流電力を昇圧して高圧蓄電手段111に出力する動作をDC/DCコンバータ107に行わせる。これにより、所定レベル以上の充電状態となるまで高圧蓄電手段111を充電することができる。この後、処理はステップS113に進む。
【0077】
また、高圧蓄電手段111は十分な充電状態にあるが低圧蓄電手段112が十分な充電状態ではないときには、処理はステップS119に進む。このとき、高圧蓄電手段111から低圧蓄電手段112への充電が必要であるため、ステップS119では、電源ECU113は、高圧蓄電手段111の直流電力を降圧して低圧蓄電手段112に出力する動作をDC/DCコンバータ107に行わせる。これにより、所定レベル以上の充電状態となるまで低圧蓄電手段112を充電することができる。この後、処理はステップS113に進む。
【0078】
また、低圧蓄電手段112も高圧蓄電手段111も十分な充電状態ではないときには、処理はステップS120に進む。このとき、低圧蓄電手段112を優先的に充電する必要がある。よって、ステップS120では、電源ECU113は、低圧用全波整流器104の各IGBT素子を導通状態とする一方、高圧用全波整流器103の各IGBT素子を開放し、さらに、リレー105をオフし、リレー106をオンする。そして、ステップS121では、発電機102の発電電力が低圧蓄電手段112に充電される。このとき、電源ECU113は、発電電力の電圧が所望のレベルに保たれるように制御を行う。この後、処理はステップS101に戻る。
【0079】
ステップS113では、回生量推定部123は、ステップS101で検出された最新の速度Vbxに基づいて、回生電力推定値Wr(θ)を検索し、最新の速度Vbxの値に対応付けられて記憶されている回生電力推定値Wr(θ)を抽出する。
【0080】
検索対象の回生電力推定値Wr(θ)が記憶されている場合には(S114:YES)、処理はステップS115に進む。一方、検索対象の回生電力推定値Wr(θ)が記憶されていない場合には(S114:NO)、回生量推定部123は、車両減速時の回生エネルギーを高圧蓄電手段111に充電することを決定し、その結果として、処理はステップS117に進む。
【0081】
ステップS115では、回生量推定部123は、抽出された回生電力推定値Wr(θ)を、電気負荷108と比較する。回生電力推定値Wr(θ)から電気負荷108を差し引いて得られる差Dが所定値Thよりも小さい場合(S115:YES)、回生量推定部123は、車両減速時の回生エネルギーを低圧蓄電手段112に充電することを決定し、その結果として、処理はステップS116に進む。一方、前述した差Dが所定値Th以上である場合(S115:NO)、回生量推定部123は、車両減速時の回生エネルギーを高圧蓄電手段111に充電することを決定し、その結果として、処理はステップS117に進む。
【0082】
ステップS116では、電源ECU113は、低圧用全波整流器104の各IGBT素子を導通状態とする一方、高圧用全波整流器103の各IGBT素子を開放し、さらに、リレー105をオフし、リレー106をオンする。これにより、車両減速時の回生エネルギーの充電経路が第3の回路部L3に設定される。この後、処理はステップS101に戻る。したがって、後で車両が減速を開始したときには、既に回生エネルギーの充電経路が第3の回路部L3に設定されているため、車両減速時の回生エネルギーを回収する際に、前述したデッドタイムによるエネルギー損失を抑えることができる。
【0083】
ステップS117では、電源ECU113は、高圧用全波整流器103の各IGBT素子を導通状態とする一方、低圧用全波整流器104の各IGBT素子を開放し、さらに、リレー105をオンし、リレー106をオフする。これにより、車両減速時の回生エネルギーの充電経路が第2の回路部L2に設定される。この後、処理はステップS101に戻る。したがって、後で車両が減速を開始したときには、既に回生エネルギーの充電経路が第2の回路部L2に設定されているため、車両減速時の回生エネルギーを回収する際に、前述したデッドタイムによるエネルギー損失を抑えることができる。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態によれば、車両減速時の発電電力の充電経路を、車両減速開始前に、第2および第3の回路部L2、L3のいずれかに設定する。このため、第1の回路部L1に配置されたDC/DCコンバータ107の変換効率に起因するエネルギー損失も、切り換えのデッドタイムに起因するエネルギー損失も、抑制することができる。したがって、車両減速時の回生エネルギーの回収効率を著しく向上させることができる。
【0085】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。なお、上記の構成および動作の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されず、上記実施の形態は種々変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の車両用電源装置は、車両減速時の回生エネルギーの損失を抑制して、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のどちらにも効率良くエネルギーを回収する効果を有し、EVおよびPHVなどに搭載される車両用電源装置として有用である。
【符号の説明】
【0087】
101 エンジン
102 発電機
103 高圧用全波整流器
104 低圧用全波整流器
105、106 リレー
107 DC/DCコンバータ
108 電気負荷
109、110 電流センサ
111 高圧蓄電手段
112 低圧蓄電手段
113 電源ECU
114 進行方向加速度センサ
115 車速センサ
121 傾斜角度算出部
122 速度検出部
123 回生量推定部
130 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の発電機の発電電力を、高圧蓄電手段および低圧蓄電手段のいずれかに充電する車両用電源装置であって、
前記高圧蓄電手段と前記低圧蓄電手段との間をDC/DCコンバータを介して接続する第1の回路部と、
前記発電機と前記高圧蓄電手段との間を接続する第2の回路部と、
前記発電機と前記低圧蓄電手段との間を接続する第3の回路部と、
前記第2の回路部に設けられ、前記高圧蓄電手段の充電の遮断を行う第1の遮断部と、
前記第3の回路部に設けられ、前記低圧蓄電手段の充電の遮断を行う第2の遮断部と、
前記車両が減速するときに得られる発電電力の充電経路を、前記第1および第2の遮断部を制御することにより前記第2および第3の回路部のいずれかに設定する制御部と、
を有する車両用電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両が減速するときに得られる発電電力のうち充電に用いることができる電力を算出し、この電力が所定の値より小さいときに前記高圧蓄電手段の充電の遮断を前記第1の遮断部に行わせる制御を行う、
請求項1記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記発電電力の充電経路の設定を、前記車両が減速する前に行う、
請求項1記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記第2の回路部に設けられた第1の継電部と、
前記第3の回路部に設けられた第2の継電部と、
をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の遮断部に充電の遮断を行わせるときに、前記第1の継電部を制御して前記発電機と前記高圧蓄電手段との間を切断させ、前記第2の遮断部に充電の遮断を行わせるときに、前記第2の継電部を制御して前記発電機と前記低圧蓄電手段との間を切断させる、
請求項1記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記発電電力の推定を行い、前記発電電力の充電経路の設定を前記推定の結果に応じて行う、
請求項1記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記車両が過去に減速したときに行われた前記推定の結果を蓄積し、前記車両が次回減速するときに行われる前記設定に、蓄積された前記推定の結果を用いる、
請求項5記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記車両の車速を検出するセンサに接続され、前記センサによる前記車両の車速の検出結果に基づいて前記推定を行う、
請求項6記載の車両用電源装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記車両の進行方向における加速度を検出するセンサに接続され、前記センサによる前記車両の進行方向における加速度の検出結果に基づいて前記推定を行う、
請求項6記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記車両が水平面を走行するときに得られる発電電力を基準値として取得し、前記推定を、予め取得された基準値と前記推定時の前記車両の傾斜角度とに基づいて行う、
請求項6記載の車両用電源装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公開番号】特開2012−75280(P2012−75280A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219506(P2010−219506)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】