説明

車室内音響状態調整システム

【課題】 車室内の音響調整をより適切に行なうことが可能な車室内音響状態調整システムを提供する。
【解決手段】 車室内音響状態調整システム1は、所定距離内に接近した自動車10が受信可能な踏切注意無線情報を踏切20から直接受信し、これを契機に車載電子機器300,400の動作状態を、踏切接近前の動作状態から車外音聴き取り支援動作状態に変更する。さらに、その踏切注意無線情報の受信状態に応じて、車載電子機器300,400の動作状態を、自動車10の踏切接近前の動作状態に復帰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内音響状態調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−31038号公報
【特許文献2】特開2002−236023号公報
【0003】
近年、車両走行中にラジオ放送や音楽データを再生してそれらを聴きながら走行することが一般的になっている。さらに、最近では、車載ナビゲーション装置が広く普及するようになり、経路の音声案内を聞きながら走行することも一般的である。このため、ユーザーは、それら車室内での発生音がより聴きやすくなるように、パワーウィンドウを常に全閉状態とする等、車室内を静粛性の高い状態に保持する傾向がある。一方で、車両走行時には、車両外にて発生する車外発生音を聴き分けて、危険回避を行なうことが重要である。これらを受けて、特許文献1及び特許文献2には、車両が特定の場所を走行する際に、車室内の音響出力を自動調整し、ユーザーによる煩雑な音響調整操作を軽減するナビゲーションおよび車載付属機器の制御方法に関する技術が開示されている。特に、車両が特定地点(踏切等)に接近した場合に、オーディオの音量・音質を適宜調整し、またパワーウィンドウを開閉制御する技術の開示がある。
【0004】
これらの技術はいずれも、ナビゲーション装置の機能を利用するものであり、車両の現在位置が、音響調整を必要とする特定地点に対し、規定距離以内に接近した状態となった際に音響調整を行なうものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この場合、車両が特定地点を通過しても規定距離を越えなければ、音響状態は調整前の状態には復帰しない。特に、踏切周辺は渋滞が頻繁に生ずる地点であり、渋滞に巻き込まれた場合には踏切を通過しても規定距離をなかなか超えない状態が続く可能性がある。このとき、車両ではラジオ放送・音楽データ等の再生音やナビゲーション装置の案内音声が聞きにくい状況が続くので、そうした場合、ユーザーは自らの操作により調整前状態に復帰させなくてはならず、利便性を欠くという課題があった。
【0006】
本発明の課題は、車室内の音響調整をより適切に行なうことが可能な車室内音響状態調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車室内音響状態調整システムは、
踏切に設けられ、該踏切に対し所定距離内に接近した自動車が受信可能な踏切注意無線情報を無線送出する踏切注意無線情報送出手段と、
自動車に設けられ、踏切注意無線情報を受信する踏切注意無線情報受信手段と、
自動車に設けられ、踏切注意無線情報の受信を契機として、該自動車の車室内音響状態に関与する電子機器の動作状態を、踏切接近前の動作状態から、車外音の聴き取りが容易となる予め定められた車外音聴き取り支援動作状態に変更する車外音聴き取り支援手段と、
自動車に設けられ、踏切注意無線情報の受信状態に基づいて、該自動車の踏切横断完了状態を判定する踏切横断完了状態判定手段と、
自動車に設けられ、踏切横断完了状態と判定された場合に、電子機器の動作状態を、自動車の踏切接近前の動作状態に復帰させる電子機器動作状態復帰手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によると、自動車は、踏切に対して所定距離内に接近すると踏切注意無線情報を踏切から直接受信し、これを契機に車載電子機器の動作状態を、踏切接近前の動作状態から車外音聴き取り支援動作状態に変更することができる。さらに、その踏切注意無線情報の受信状態に応じて、車載電子機器の動作状態を、自動車の踏切接近前の動作状態に復帰させることができる。これにより、より直接的な形で車両の踏切への接近及び離脱を検出できるので、車載電子機器の車外音聴き取り支援動作状態への移行と、その前の状態への復帰とを、従来よりも適切なタイミングで行なうことができる。
【0009】
また、自動車には、踏切注意無線情報の受信レベルが予め定められた閾レベルを上回っている場合に踏切接近状態と判定する踏切接近状態判定手段を設けることができる。このとき、車外音聴き取り支援手段は、踏切接近状態と判定されている場合に、電子機器の動作状態を車外音聴き取り支援動作状態とするものとできる。一定レベル未満の踏切注意無線情報の受信は、ノイズ等である可能性があるので、この構成によると、そうしたノイズ等の影響を排除して正確に車両の踏切への接近及び離脱を検出できる。
【0010】
踏切の踏切注意無線情報送出手段を、光又は電波を媒体として踏切注意無線情報を無線送出するビーコン送信機とし、自動車の踏切注意無線情報受信手段をビーコン受信機とすることができる。この構成によると、自動車の踏切注意無線情報受信手段を、光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタから道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信する車載ビーコン受信機に兼用させることができるので、踏切側にビーコン送信機を設けるだけで、その他に追加機器を設けることなく安価に実現可能となる。
【0011】
他方、自動車に、車両用自動料金収集システムに利用されてETC路側機と無線通信可能なETC車載器を設け、他方、踏切の踏切注意無線情報送出手段を、ETC車載器にて受信可能な形で踏切注意無線情報を無線送出するものとすることもできる。この構成によると、自動車の踏切注意無線情報受信手段を、ETC車載器の受信機に兼用させることができるので、踏切側の踏切注意無線情報送出手段をETCに対応するものにするだけで、その他に追加機器を設けることなく安価に実現可能となる。
【0012】
また、自動車の踏切注意無線情報受信手段は、第一の受信手段と、該第一の受信手段よりも自動車の車長方向後方側に設けられた第二の受信手段とを有して構成することができる。そして、このとき、踏切横断完了状態判定手段は、第一の受信手段による踏切注意無線情報の受信レベルと、第二の受信手段による踏切注意無線情報の受信レベルとの大小を比較判定する受信レベル比較判定手段を設けて、第二の受信手段の受信レベルが第一の受信手段の受信レベルよりも高い場合に、自動車が踏切横断完了状態であると判定するように構成できる。これにより、踏切注意無線情報を受信する受信手段に応じて、自動車の踏切横断完了状態を早期に的確に判定することができる。これにより、車載電子機器の動作状態を、踏切通過後に早急に、車外音聴き取り支援動作状態からその前の状態に復帰させることができる。
【0013】
踏切注意無線情報受信手段は、車両の前後に分けて設ける上記の構成は、上記したビーコンやETCの受信機にも適用できるが、スマートエントリシステムにおけるIDコード受信手段にも適用することができる。具体的に言えば、自動車を、携帯型通信機から送信される車両固有のIDコードを各席のドアに設けられたIDコード受信手段により無線受信し、該IDコードと自身に記憶されたマスターコードとを照合して、その照合結果に基づいて予め定められた車両動作を許可するスマートエントリシステムを備えるものとした上で、さらに、踏切の踏切注意無線情報送出手段を、IDコード受信手段により受信可能な形で踏切注意無線情報を無線送出するものとし、自動車の踏切注意無線情報受信手段をIDコード受信手段に兼用させる。この構成によると、踏切の踏切注意無線情報送出手段をスマートエントリシステムのIDコード受信手段により受信可能な情報送信手段とするだけで、その他に追加機器を設けることなく安価に実現可能となる。
【0014】
また、この構成において、前席に対応する該IDコード受信手段が第一の受信手段、後席に対応する該IDコード受信手段が第二の受信手段と定めることができる。これにより、各受信手段の受信状態に応じて、自動車の踏切横断完了状態を早期に的確に判定することができるので、踏切通過後に早急に、車載電子機器の動作状態を車外音聴き取り支援動作状態からその前の状態に復帰させることができる。
【0015】
動作状態を車外音聴き取り支援動作状態とすることができる電子機器は、自動車に設けられた複数のパワーウィンドウとすることができる。この場合、車外音聴き取り支援手段は、踏切注意無線情報の受信を契機として、踏切接近前よりも該パワーウィンドウの開放領域が大きい車外音聴き取り支援動作状態に変更するものとして構成できる。この構成によると、パワーウィンドウは車外音聴き取り支援動作状態において開状態となるので、車外音がより聞きやすくなる。
【0016】
他方、動作状態を車外音聴き取り支援動作状態とすることができる電子機器は、自動車に設けられたオーディオ装置とすることができる。この場合、車外音聴き取り支援手段は、踏切注意無線情報の受信を契機として、該オーディオ装置の動作状態を、踏切接近前よりも音量の小さい車外音聴き取り支援動作状態に変更するものとして構成できる。この構成によると、オーディオ装置は車外音聴き取り支援動作状態においてボリュームダウンするので、車外音がより聞きやすくなる。
【0017】
また、自動車には、踏切注意無線情報を受信した場合に、車外音聴き取り支援手段による車外音聴き取り支援動作状態への変更がなされる前に、自車の踏切への接近を視覚情報、音声情報もしくはそれらの組合せにより警告する踏切接近警告手段を設けることができる。これにより、踏切への接近警告がなされるので、運転者は車外音に意識を向けるようになり、踏切の警告音を認識し易くなる。また、車外音聴き取り支援動作状態を自車の故障と誤認識することも無くなる。なお、踏切横断完了状態判定手段により自車が踏切横断完了状態と判定された場合に、踏切横断完了を報知する踏切離脱報知手段を設けてもよい。
【0018】
また、自動車に、該自動車の車速を検出する車速検出手段を設けるとともに、車外音聴き取り支援手段が、踏切注意無線情報を受信した状態で、かつ車速検出手段により検出された車速が所定速度を下回った場合に、車外音聴き取り支援動作状態への変更を行なうように構成することができる。この構成によると、車外音聴き取り支援動作状態への変更を、より適切なタイミングで実施できる。
【0019】
また、自動車に、該自動車のブレーキ操作の有無を検出するブレーキ操作検出手段を設けるとともに、車外音聴き取り支援手段が、踏切注意無線情報を受信した状態で、かつブレーキ操作が検出された場合に、車外音聴き取り支援動作状態への変更を行なうように構成することもできる。この構成においても、車外音聴き取り支援動作状態への変更を、より適切なタイミングで実施できる。
【0020】
自動車には、車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を記憶する車外音聴き取り支援動作状態記憶手段と、ユーザー操作により電子機器の車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更する変更入力を受け付ける車外音聴き取り支援動作状態設定変更入力部と、受け付けた車外音聴き取り支援動作状態の変更入力に基づいて、支援動作状態記憶手段に記憶された車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更する車外音聴き取り支援動作状態変更手段と、を設けることができる。上記構成によると、車外音聴き取り支援動作状態をユーザーの嗜好に応じて設定可能となる。具体的に言えば、対象となる電子機器がパワーウィンドウであれば、車外音聴き取り支援動作状態において開状態とするパワーウィンドウの指定、車外音聴き取り支援動作状態におけるパワーウィンドウの開度等を設定することが可能になるし、対象となる電子機器がオーディオ装置であれば、車外音聴き取り支援動作状態における音量設定等が設定可能となる。
【0021】
なお、車載用表示装置は、ナビゲーション装置の表示装置又は車載メータ用の表示装置に兼用させることができる。また、車外音聴き取り支援動作状態設定変更入力部は、車載用表示装置の画面上に設けられて該画面に対する接触操作により所定の入力を行なうタッチスイッチとして構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である車室内音響状態調整システムの概略的に説明する図であり、図2は、車室内音響状態調整システムのブロック図である。
【0023】
車室内音響状態調整システム1は、警報音を出力する踏切20と、該踏切20の線路2をまたいで通過する自動車(以下、車両と略する)10に設けられた車両制御装置100(図2参照)とを備えて構成されている。
【0024】
踏切20は、図1に示すように、線路2をまたぐ形でその第一側(20a)と第二側(20b)との双方に設けられる。それら踏切20a,20bは、自身に対し所定距離内に接近した車両が受信可能な踏切注意無線情報を無線送出する踏切注意無線情報送出部(踏切注意無線情報送出手段)21a,21bと、列車の接近に伴い警報音を出力する警報音出力部22a,22bと、遮断機23a,23bと、を備えて構成されている。
【0025】
他方、車両10の車両制御装置100は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ(例えばEEPROM)100a、入出力部及び通信インターフェース等が内部バスにより接続されたマイコンハードウェアとして構成されている。この車両制御装置100には、図2に示すように、入出力部を介して自車の車速を検出する車速センサ101と、自車のブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサ102とが接続され、それらセンサ01,102の検出結果の入力を受けるとともに、通信インターフェースを介してシリアル通信バス(CANやLIN等)と接続しており、該シリアル通信バスに接続する音声出力装置103、パワーウィンドウ制御装置(P/W制御装置)104、車両のインパネに設けられるメインパネル105、ナビゲーション装置106、メータECU107、及びスマートエントリ制御装置110と互いに通信可能に構成されている。また、不揮発性メモリには、後述する車外音聴き取り支援プログラムと、自動車の車室内音響状態に関与する電子機器の車外音聴き取り支援動作状態を定める設定情報とが記憶されている。
【0026】
車両10は、無線携帯キー(携帯型通信機)120から送信される車両固有のIDコードを無線受信し、該IDコードと自身に記憶されたマスターコードとを照合して、その照合結果に基づいて予め定められた車両動作を許可するスマートエントリシステム200(図3参照)を搭載しており、スマートエントリ制御装置110は、図3(A)に示すスマートエントリシステム200の制御主体をなすものである。
【0027】
図3のスマートエントリシステム200は、車両の前後各席に対応して設けられて無線携帯キー120からの無線信号を受信する各受信機11と、その各受信機11が接続されたスマートエントリ制御装置110と、そのスマートエントリ制御装置110に接続された各発信機12と、その他に、ボデーECU500、そのボデーECU500に接続された各席ドアロックアクチュエータ502(ドアロック機構)、トランクロックアクチュエータ503、ロックポジションSW(スイッチ)504、各ドアのカーテシSW505、ハザードランプユニット501(施開錠アンサーバック出力手段)を備えている。また、スマートエントリ制御装置110には、IG(イグニッション)SW111、ACC(アクセサリ)SW112、D席トリガSW(運転席トリガスイッチ)113、P席トリガSW(助手席トリガスイッチ)114が接続されている。各トリガSW113,114は、ドアを開閉するためのドアアウトサイドハンドル(図示しない)に設けられたタッチセンサである。
【0028】
無線携帯キー120は、図3(B)に示すように、電池121と、安定化回路122と、通信回路124と、アンテナ123とを含む。通信回路124には、車両固有のIDコードが記憶されている。
【0029】
スマートエントリ制御装置110は通常のコンピュータとして構成されており、CPU、ROM、RAM、入出力部(I/O)、これらを繋ぐバスラインを備えたマイコンハードウェアとして構成されている。ROMには制御プログラム及びIDコードが記憶されており、RAMにはワークメモリおよびID認証フラグが形成されている。CPUがROMの制御プログラムを読み出して、RAMのワークメモリを作業領域とする形で実行することにより、以下のスマートエントリシステムの機能が実行される。
【0030】
即ち、車両の全ドア閉かつ全ドアロック状態においては、所定期間毎に発信機12からリクエスト信号を定期的に無線発信することにより(以下、「車室外無線ポーリング」という)、ユーザーの接近検知を行なうための車室外検知エリアを形成し、そして、該検知エリア内に無線携帯キー120を携帯した者が入ると、無線携帯キー120が応答してその内部(通信回路のID記憶部124)に記憶されたIDコードを送信する。車両では送信されてきたIDコードの照合を行ない、照合結果に基づいてドアをアンロック可能なアンロックスタンバイ状態とする。このアンロックスタンバイ状態においては、ドアアウトサイドハンドルに設けられたトリガスイッチ113,114に触れたことが検知されるとドアロックアクチュエータ503がドアをアンロックする。他方、イグニッションスイッチ111がOFFとなり、無線携帯キー120を携帯した者が降車し全ドアを閉じた状態において上記トリガスイッチ113,114に触れると、これを契機として無線携帯キーとの間で無線通信が開始されるとともに上述のIDコードの照合が行なわれ、その照合結果に基づいて全ドアをロックする。全ドアロックとなることで、以降は上述の車室外無線ポーリングが開始される。なお、施開錠アンサーバック出力は、例えばハザードランプユニット501によるハザードランプの点滅等によりなされ、その点滅回数に応じてロック及びアンロックの識別を行なう。
【0031】
なお、発信機12は、車室外発信用の発信機が各席のドアに設けられている他、車室内発信用とトランク用の発信機(図示なし)が設けられている。他方、IDコード受信手段をなす受信機11は、車室外受信用の受信機11a,11b,11c,11dが各席のドアに設けられている他、車室内受信用とトランク用の受信機(図示なし)が設けられている。なお、受信機11a,11b,11c,11dは、この順で、前席右(運転席)、前席左(助手席)、後席左、後席右のドアに対応して設けられている。
【0032】
図2に示すパワーウィンドウ制御装置104は、図4に示すパワーウィンドウシステム400の制御主体をなすものである。図4のパワーウィンドウシステム400は、パワーウィンドウ制御装置104に、ウィンドウ駆動部450(450a〜450d)、ウィンドウ開閉操作部430(430a〜430d)、ウィンドウロック設定操作部(開閉禁止設定操作部)440aが接続する形で全体が構成されている。
【0033】
図4に示すように、駆動部450は、パワーウィンドウ制御装置104に接続するモータ駆動用の駆動回路420(420a〜420d)と、正逆両方向に回転可能なモータ410(410a〜410d)とからなる。各モータ410a〜410dは、本実施形態ではDCモータにより構成されている(もちろん、インダクションモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータなど、他の種類のモータを用いてもよい)。これらの駆動回路420a〜420d及びモータ410a〜410dにより、対応するパワーウィンドウが開駆動及び閉駆動する。
【0034】
ウィンドウロック設定操作部440aは、運転席搭乗者が操作可能となる位置に設けられ、運転席以外の座席に対応するパワーウィンドウの開閉に対し、ロック(開閉禁止)・アンロック(開閉許可)を設定する。ウィンドウ開閉操作部430(430a〜430d)は、各座席に対応して設けられ、対応する座席のパワーウィンドウを開閉駆動する。
【0035】
パワーウィンドウ制御装置104は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のマイコンハードウェアとして構成されている。パワーウィンドウ制御装置104は、ウィンドウロック設定操作部440aがアンロック(開閉許可)に操作された状態において、ウィンドウ開閉操作部430a〜430dに対しユーザー操作が行われた場合に、その操作内容に基づいて、対応する駆動回路420a〜420dに駆動指令を与えてモータ410a〜410dを開駆動又は閉駆動させる。
【0036】
なお、ウィンドウ駆動部450a(410a,420a),450b(410b,420b),450c(410c,420c),450d(410d,420d)は、この順で、前席右(運転席)、前席左(助手席)、後席左、後席右のパワーウィンドウに対応して設けられている。また、ウィンドウ開閉操作部430a,430b,430c,430dは、この順で、前席右(運転席)、前席左(助手席)、後席左、後席右のパワーウィンドウに対応して設けられている。ウィンドウロック設定操作部(開閉禁止設定操作部)440aは、前席右(運転席)に対応して設けられている。
【0037】
オーディオ制御装置103は、図5に示すオーディオ制御システム(オーディオ装置)300の制御主体をなすものである。図5のオーディオ制御システム300は、オーディオ制御装置103に、オーディオ駆動部350及びオーディオ操作部340が接続する形で全体が構成されている。オーディオ制御装置103は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のマイコンハードウェアとして構成されており、図5に示すように、所定のメディア(記憶媒体)310から音楽ソースデータを取得する音楽データ入力器320と、音楽ソースデータを記憶する外部記憶装置である音楽データベース330とも接続している。操作部340は、選曲操作部341、メディア選択操作部342、ボリューム調整操作部343等の周知のオーディオ用操作部として構成されている。
【0038】
オーディオ制御装置103は、メディア選択操作部342や選曲操作部343により出力対象曲が指定されると、指定された曲の音楽ソースデータを、メディア310あるいは音楽データベース330から読み出して、駆動部630に出力する。その音楽ソースデータは、オーディオ駆動部350において、まずは、デコード部351によりデジタル音楽波形データにデコードされ、アナログ変換部352でアナログ変換された後、プリアンプ353及びパワーアンプ354を経て、指定されたボリュームにてスピーカ355から出力される。
【0039】
メインパネル105は、運転者から操作可能な車両インパネ部に形成される。このメインパネル105には、オーディオシステム300の他、車載ナビゲーション装置や車載空調装置といった車載用電子機器の操作を行なうための機器操作情報入力を行なうための操作部105aが設けられている。該操作部105aには、オーディオシステム300の各種操作部341〜343が含まれる。
【0040】
ナビゲーション装置106は、周知の地磁気センサ・ジャイロスコープ・距離センサ・GPS受信機等を備えてなる自車両位置検出器、地図データ等及び経路案内実行のためのナビゲーションプログラム等を記憶するデータ記憶装置(HDD)の他、表示装置106a、音声出力装置106b、操作部(メインパネル105の操作部105aに含まれる)等を備える周知の構成を有するものである。
【0041】
本実施形態における表示装置106aは、周知のカラー液晶表示器で構成されており、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行なうための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、ナビゲーション装置の制御回路から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行なう。また、表示装置106aとして有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0042】
また、本実施形態における音声出力装置106bは、周知の音声合成回路に接続されたスピーカであり、ナビゲーション装置300の制御回路からの指令によって、該ナビゲーション装置300のメモリあるいはHDDに記憶されているデジタル音声データを、音声合成回路においてアナログ音声に変換し、該スピーカ106bから出力する。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0043】
メータECU107は、車載メータ装置の制御主体をなすものであり、CPU、ROM、RAM等を備える周知の構成を有するとともに、該メータ表示装置(メータ表示部)107aが接続されている。メータ表示装置107aも、周知のカラー液晶表示器で構成されており、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行なうための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、ナビゲーション装置の制御回路から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行なう。また、表示装置107aとして有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0044】
ところで、上記した車両制御装置100では、踏切に接近した場合に、車両の車室内音響状態に関与する電子機器の動作状態を、踏切接近前の動作状態から、車外音(特に踏切の警報音)の聴き取りが容易となる予め定められた車外音聴き取り支援動作状態に変更する車外音聴き取り支援処理が実行される。車両制御装置100の不揮発性メモリには、当該処理を実行する車外音聴き取り支援プログラムが記憶されており、CPUが当該プログラムを実行ことにより、該車外音聴き取り支援処理が実行される。以下、図6のフローチャートを用いて図6に示す車外音聴き取り支援プログラムの処理の流れを説明する。
【0045】
図6の支援車外音聴き取り支援プログラムは車両のエンジン始動に伴い実行される。一方、踏切の踏切注意無線情報送出部(踏切注意無線情報送出手段)21a,21bは、車両のスマートエントリシステムに係る信号と識別可能な踏切注意無線情報を、車両のスマートエントリシステムに利用される受信機11(踏切注意無線情報受信手段)にて受信可能な周波数帯(LF帯)で、それぞれ所定距離内に所定時間間隔おきに無線送出している。
【0046】
まず、S11では、車両(自動車)が踏切への接近状態にあるか否かを検出する(踏切接近状態判定手段)。踏切への接近検出は、スマートエントリシステムに利用される受信機11a,11b,11c,11dの全てが踏切からの踏切注意無線情報を受信していない状態から、そのいずれかが所定の受信レベル(閾レベル)を上回る形で該踏切注意無線情報を受信した状態になったか否かによりなされる。つまり、踏切注意無線情報を受信していない状態から所定の受信レベルを上回る形で踏切注意無線情報を受信した場合に、車両が踏切に接近した状態にあると判定する。S11にて車両が踏切に接近した状態にあると判定された場合にはS12に進む。
【0047】
S12では、自車の踏切への接近を運転者に警告する(踏切接近警告手段)。具体的にいえば、踏切接近警告情報を、視覚情報及び音声情報の組合せにより出力する。本実施形態においては、メータECU107及びオーディオ制御装置103がそれぞれ、こうした踏切接近警告情報を自身の所定の記憶領域に記憶しており、S12では、車両制御装置100が、メータECU107及びオーディオ制御装置103に、該踏切接近警告情報を出力させるための警告出力指示情報の送信を行なう。その結果、該警告出力指示情報を受信したメータECU107及びオーディオ制御装置103が、自身が制御対象とするメータ表示装置107aやオーディオ駆動部350が踏切接近警告情報を出力させる。これにより、メータ表示装置107aには踏切接近の旨が文字表示され、かつオーディオシステム300のスピーカ355からは踏切接近の旨が音声出力される。なお、踏切接近警告情報の出力は、視覚情報及び音声情報のいずれか一方であってもよい。なお、ナビゲーション装置106の表示装置106a及び音声出力装置106bにより、踏切接近警告情報の出力を行なってもよい。
【0048】
S13では、S11にて踏切注意無線情報を受信した状態で、踏切接近前、即ち踏切注意無線情報の受信前よりも、車両が減速した状態となったかを確認する。本実施形態においては、踏切注意無線情報を受信した状態で車速センサ(車速検出手段)111の検出値が所定速度(例えば10km/h)を下回った場合を、車両の減速状態と判断する。なお、踏切注意無線情報を受信した状態でブレーキセンサ(ブレーキ操作検出手段)112がブレーキ操作を検出した場合を車両の減速状態と判断してもよい。
【0049】
S14では、車両の車室内音響状態に関与する電子機器の動作状態を、踏切接近前、即ち踏切注意無線情報の受信前よりも、車外音の聴き取りが容易となる、予め定められた車外音聴き取り支援動作状態に変更する(車外音聴き取り支援手段)。本実施形態においては、オーディオシステム(オーディオ装置)の動作状態を、踏切接近前よりも音量を小さくするとともに、パワーウィンドウを、踏切接近前よりも開放領域を大きく設定する。これら車外音聴き取り支援動作状態の設定は、車両制御装置100の不揮発性メモリ100aに記憶された設定情報に基づいて設定される。
【0050】
S15では、受信機11a,11b,11c,11dにおいて受信している踏切注意無線情報の受信レベルを、車両前席に対応する第一の受信機(第一の受信手段)11a,11bと、第二の受信機(第二の受信手段)11c,11dとにおいて比較して(受信レベル比較判定手段)、第二の受信機11c,11dの受信レベルが第一の受信機11a,11bの受信レベルよりも高いか否かを判定する。さらに言えば、受信レベルの比較は、第一の受信機11a,11bのうち受信レベルの最も高いものと、第二の受信機11c,11dのうち受信レベルの最も低いものとで行なう。S15は、比較対象となった第一の受信機と第二の受信機において、第二の受信機の方が第一の受信機よりも踏切注意無線情報の受信レベルが高いと判定されるまで繰り返し実行される。そして、第二の受信機の方が第一の受信機よりも踏切注意無線情報の受信レベルが高いと判定された場合にはS16に進む。
【0051】
なお、第二の受信機の方が第一の受信機よりも踏切注意無線情報の受信レベルが高いと判定されたということは、車両の後方から踏切注意無線情報を受信していることを意味するので、S16では、車両が踏切横断完了状態となったと判定する(踏切横断完了状態判定手段)。
【0052】
そして、踏切横断完了状態と判定されたことにより、S17では、電子機器の動作状態を、車両の踏切接近前の動作状態に復帰させ(電子機器動作状態復帰手段)、本プログラムを終了する。
【0053】
なお、車外音聴き取り支援プログラムを車両制御装置100のCPUが実行することにより、本発明の車外音聴き取り支援手段、受信レベル比較判定手段、踏切横断完了状態判定手段、電子機器動作状態復帰手段、踏切接近状態判定手段が機能する。
【0054】
さらに、本実施形態においては、車両制御装置100の不揮発性メモリ(車外音聴き取り支援動作状態記憶手段)100aには、自動車の車室内音響状態に関与する電子機器の、車外音聴き取り支援動作状態の設定内容が記憶されているが、その設定内容を、車外音聴き取り支援動作状態設定変更入力部への設定入力に基づいて変更することができる。本実施形態においては、ナビゲーション装置106の表示装置106aの表示画面を、図12に示す車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更する車外音聴き取り支援動作状態設定変更画面39に切り替える切替操作を行ない、画面39に表示されるタッチスイッチ(車外音聴き取り支援動作状態設定変更入力部)32a,32b,34a,34b,35へのタッチ操作により、車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更することができる。つまり、車両制御装置100が主体となる形で、ナビゲーション装置106の表示装置106aの表示画面上から、車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更することができる。このため、車両制御装置100は、車外音聴き取り支援動作状態変更手段としても機能する。
【0055】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、図2のスマートエントリ制御装置110及びその受信機11に替わって、図8に示すように、車両用自動料金収集システムに利用されてETC路側機と無線通信可能なETC車載器の受信機(ETC受信装置)150を設けて、そのETC車載器の受信機150により踏切注意無線情報を受信するように構成することができる。この場合、踏切20(20a,20b)の踏切注意無線情報送出部は、図7に示すように、ETC車載器にて受信可能な形で踏切注意無線情報を無線送出する送出部25(25a,25b)となる。なお、ETC車載器の受信機150は、通常、車両前方位置にのみ設けられるものである。
【0057】
さらに、図2のスマートエントリ制御装置110及びその受信機11に替わって、図10に示すように、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から送信される光ビーコン又は電波ビーコンによって道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信可能なビーコン受信機(ビーコン受信装置)160を設けて、そのビーコン受信機160により踏切注意無線情報を受信するように構成することができる。この場合、踏切20(20a,20b)の踏切注意無線情報送出部は、図9に示すように、光又は電波を媒体として踏切注意無線情報を無線送出するビーコン送信機26(26a,26b)となる。
【0058】
なお、踏切注意無線情報を受信する受信機が、ETC車載器の受信機150のように、車両の前後に設けられないものの場合は、車外音聴き取り支援プログラムは、図6のような処理ではなく図11のような処理となる。図11の車外音聴き取り支援処理は、図6のS15及びS16の処理内容のみを変更したものであり、その他は全て同様の処理内容である。図6の車外音聴き取り支援処理の場合は、受信機11(11a〜11d)が車両前後に設けられていることが前提とされているため、それら前後の受信レベルの比較により、踏切横断完了状態を判定することができたが、図11の場合、受信機150が車長方向において一箇所にのみしか設けられていないことを前提としているので、前後の受信レベルの比較ができない。このため、図11の処理では、図6のS15に相当するS25において、所定の受信レベル(閾レベル)以上で受信している踏切注意無線情報の受信レベルが、その所定受信レベル(閾レベル)を下回ったか否かを判定し、その下回った場合に、図6のS16に相当するS26において、車両が踏切横断完了状態となったと判定する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の車室内音響状態調整システムの第一実施形態を説明する図。
【図2】本発明の車室内音響状態調整システムの第一実施形態を示すブロック図。
【図3】スマートエントリシステムのブロック図。
【図4】パワーウィンドウシステムのブロック図。
【図5】オーディオ装置のブロック図。
【図6】車外音聴き取り支援プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明の車室内音響状態調整システムの第二実施形態を説明する図。
【図8】本発明の車室内音響状態調整システムの第二実施形態を示すブロック図。
【図9】本発明の車室内音響状態調整システムの第三実施形態を説明する図。
【図10】本発明の車室内音響状態調整システムの第三実施形態を示すブロック図。
【図11】図6とは異なる車外音聴き取り支援プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図12】車外音聴き取り支援動作状態設定変更画面の表示例。
【符号の説明】
【0060】
1 車室内音響状態調整システム
10 自動車(車両)
11(11a,11b,11c,11d),150,160 受信機(踏切注意無線情報受信手段)
20(20a,20b) 踏切
21(21a,21b),25(25a,25b),26(26a,26b) 踏切注意無線情報送出部(踏切注意無線情報送出手段)
22(22a,22b) 警報音出力部
100 車両制御装置
101 車速センサ(車速検出手段)
102 ブレーキセンサ(ブレーキ操作検出手段)
103 音声出力装置
104 パワーウィンドウ制御装置
105 メインパネル
106 ナビゲーション装置
107 メータECU
107a メータ表示装置
110 スマートエントリ制御装置
200 スマートエントリシステム
300 オーディオ制御システム(オーディオ装置)
400 パワーウィンドウシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏切に設けられ、該踏切に対し所定距離内に接近した自動車が受信可能な踏切注意無線情報を無線送出する踏切注意無線情報送出手段と、
前記自動車に設けられ、前記踏切注意無線情報を受信する踏切注意無線情報受信手段と、
前記自動車に設けられ、前記踏切注意無線情報の受信を契機として、該自動車の車室内音響状態に関与する電子機器の動作状態を、踏切接近前の動作状態から、車外音の聴き取りが容易となる予め定められた車外音聴き取り支援動作状態に変更する車外音聴き取り支援手段と、
前記自動車に設けられ、前記踏切注意無線情報の受信状態に基づいて、該自動車の踏切横断完了状態を判定する踏切横断完了状態判定手段と、
前記自動車に設けられ、前記踏切横断完了状態と判定された場合に、前記電子機器の動作状態を、前記自動車の踏切接近前の動作状態に復帰させる電子機器動作状態復帰手段と、
を備えることを特徴とする車室内音響状態調整システム。
【請求項2】
前記自動車には、前記踏切注意無線情報の受信レベルが予め定められた閾レベルを上回っている場合に前記踏切接近状態と判定する踏切接近状態判定手段が設けられ、
前記車外音聴き取り支援手段は、前記踏切接近状態と判定と判定されている場合に、前記電子機器の動作状態を前記車外音聴き取り支援動作状態とするものである請求項1記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項3】
前記踏切注意無線情報受信手段は、第一の受信手段と、該第一の受信手段よりも前記自動車の車長方向後方側に設けられた第二の受信手段とを有し、
前記踏切横断完了状態判定手段は、前記第一の受信手段による前記踏切注意無線情報の受信レベルと、前記第二の受信手段による前記踏切注意無線情報の受信レベルとの大小を比較判定する受信レベル比較判定手段を備え、前記第二の受信手段の受信レベルが前記第一の受信手段の受信レベルよりも高い場合に、前記自動車が踏切横断完了状態であると判定する請求項1又は請求項2に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項4】
前記踏切の前記踏切注意無線情報送出手段は、光又は電波を媒体として前記踏切注意無線情報を無線送出するビーコン送信機であり、
前記自動車の前記踏切注意無線情報受信手段はビーコン受信機である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項5】
前記自動車は、車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と無線通信可能なETC車載器を備え、
前記踏切の前記踏切注意無線情報送出手段は、前記ETC車載器にて受信可能な形で前記踏切注意無線情報を無線送出するものであり、
前記自動車の前記踏切注意無線情報受信手段は前記ETC車載器の受信機に兼用されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項6】
前記自動車は、携帯型通信機から送信される車両固有のIDコードを、各席のドアに設けられたIDコード受信手段により無線受信し、該IDコードと自身に記憶されたマスターコードとを照合して、その照合結果に基づいて予め定められた車両動作を許可するスマートエントリシステムを備え、
前記踏切の前記踏切注意無線情報送出手段は、前記IDコード受信手段により受信可能な形で前記踏切注意無線情報を無線送出するものであり、
前記自動車の踏切注意無線情報受信手段は、前記IDコード受信手段に兼用されるとともに、前席に対応する該IDコード受信手段が前記第一の受信手段、後席に対応する該IDコード受信手段が前記第二の受信手段と定められてなる請求項3記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項7】
前記電子機器は、前記自動車に設けられた複数のパワーウィンドウであり、
前記車外音聴き取り支援手段は、前記踏切注意無線情報の受信を契機として、踏切接近前よりも該パワーウィンドウの開放領域が大きい前記車外音聴き取り支援動作状態に変更するものである請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項8】
前記電子機器は、前記自動車に設けられたオーディオ装置であり、
前記車外音聴き取り支援手段は、前記踏切注意無線情報の受信を契機として、該オーディオ装置の動作状態を、踏切接近前よりも音量の小さい前記車外音聴き取り支援動作状態に変更するものである請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項9】
前記自動車には、前記踏切注意無線情報を受信した場合に、前記車外音聴き取り支援手段による前記車外音聴き取り支援動作状態への変更がなされる前に、自車の踏切への接近を視覚情報、音声情報もしくはそれらの組合せにより警告する踏切接近警告手段が設けられてなる請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項10】
前記自動車には、該自動車の車速を検出する車速検出手段が設けられ、
前記車外音聴き取り支援手段は、前記踏切注意無線情報を受信した状態で、かつ前記車速検出手段により検出された前記車速が所定速度を下回った場合に、前記車外音聴き取り支援動作状態への変更を行なう請求項9記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項11】
前記自動車には、該自動車のブレーキ操作の有無を検出するブレーキ操作検出手段が設けられ、
前記車外音聴き取り支援手段は、前記踏切注意無線情報を受信した状態で、かつ前記ブレーキ操作が検出された場合に、前記車外音聴き取り支援動作状態への変更を行なう請求項9又は請求項10に記載の車室内音響状態調整システム。
【請求項12】
前記自動車には、前記車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を記憶する車外音聴き取り支援動作状態記憶手段と、ユーザー操作により前記電子機器の前記車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更する変更入力を受け付ける車外音聴き取り支援動作状態設定変更入力部と、受け付けた前記車外音聴き取り支援動作状態の変更入力に基づいて、前記支援動作状態記憶手段に記憶された前記車外音聴き取り支援動作状態の設定内容を変更する車外音聴き取り支援動作状態変更手段と、が設けられてなる請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車室内音響状態調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−210221(P2008−210221A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47134(P2007−47134)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】