説明

酸化ガリウム単結晶基板及びその製造方法

【課題】平坦化及び表面浄化がなされて半導体膜を成長させるのに適した酸化ガリウム単結晶基板、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面粗さRqが1.0〜2.0Åであり、かつ、表面粗さRaが0.5〜1.0Åである酸化ガリウム単結晶基板、及び、酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工、平滑に研磨するポリッシング加工、及び化学機械研磨を行った後、洗浄溶媒中に浸漬させてマイクロ波を照射する酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、酸化ガリウム単結晶基板、及びその製造方法に関し、具体的には、平坦化と表面浄化とがなされて、半導体膜を成長させるのに適した酸化ガリウム単結晶基板、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LED)等の発光素子をはじめとする各種半導体素子は、サファイア(α-Al2O3)やシリコンカーバイド(SiC)等の基板上に所定の半導体膜を成長させることにより得ている。この際、半導体膜と基板との間に良好な接合界面を形成することが重要であり、通常、サファイア等の基板は、特定の結晶面が露出するように切り出し、鏡面状態に仕上げたものが使用される。
【0003】
ところが、素子の高機能化や高密度化が進むにつれ、更に基板の平坦化が求められるようになっている。すなわち、鏡面仕上げした基板の表面は、微視的に見れば依然として凹凸が残っており、この表面凹凸の斜面に沿って特定の結晶面以外の結晶方位をもつ異種結晶面が存在する。そして、この異種結晶面が半導体膜とのより完全な接合界面を形成する上での障害となる。そこで、サファイア基板を900℃以上の温度で熱処理して、表面に存在する凹凸を除去すると共に表面の原子を再配列化させることで、原子レベルの高さを持つステップと原子レベルで平坦な面を持つテラスとを備えたサファイア基板を得る方法が提案されている(特許文献1、及び非特許文献1参照)。このようにして得られたサファイア基板のテラスは、実質的に同一結晶方位を有するため、高性能の半導体素子を得ることが可能になると考えられる。
【0004】
一方で、発光素子の多くは窒化ガリウム(GaN)をはじめとして、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)等の窒化物半導体が用いられている。また、これらの窒化物半導体は、次世代エレクトロニクスに不可欠な超高周波・高出力動作のトランジスタや、波長選択性に優れた紫外線検出素子用材料としても盛んに開発が進められている。ところが、上述したように、従来においては主にサファイアやシリコンカーバイドからなる基板上にこれら窒化物半導体膜を成長させており、例えばステップとテラスとを備えたサファイア基板を用いたとしても、サファイア基板と窒化物半導体膜との格子定数のミスマッチによって、得られる半導体膜中には少なからず欠陥や転位等が含まれてしまう。そのため、必ずしも良質な膜が得られるとは言えず、必要に応じてバッファー層を設けるなどの対策がとられている。
【特許文献1】特許第3015261号公報
【非特許文献1】吉本護、佐々木敦「レーザMBE法による酸化物単結晶薄膜の室温合成」未来材料 第3巻 第12号(2003)第26頁右欄
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況の下、本発明者等は、サファイアやシリコンカーバイドにかわるバルク結晶基板として、酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3単結晶)に着目した。特に、窒化物半導体膜を成長させる基板として酸化ガリウム単結晶を用いれば、例えばその表面を窒化処理してGaN層を形成することにより、サファイア基板やシリコンカーバイド基板と比べて格子定数のミスマッチを低減させることができる。また、酸化ガリウム単結晶は、4.8eVのワイドバンドギャップを有して可視領域透明であると共に、結晶中に酸素欠損が生ずることでn型半導体としての挙動を示すため、垂直構造型の発光素子を得ることができるなど、サファイア基板とは異なる素子開発の可能性も備える。
【0006】
そこで、本発明者等は、半導体膜を成長させるのに適した酸化ガリウム単結晶基板を得るべく鋭意検討した結果、薄型化した酸化ガリウム単結晶を鏡面化し、化学機械研磨を行い、更に洗浄溶媒中でマイクロ波を照射することで、平坦化と共に表面浄化された酸化ガリウム単結晶基板が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
従って、本発明の目的は、平坦化と表面浄化とがなされて、半導体膜を成長させるのに適した酸化ガリウム単結晶基板を提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、平坦化と表面浄化とがなされて、半導体膜を成長させるのに適した酸化ガリウム単結晶基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、表面粗さRqが1.0〜2.0Åであり、かつ、表面粗さRaが0.5〜1.0Åであることを特徴とする酸化ガリウム(β-Ga2O3)単結晶基板である。
【0010】
また、本発明は、酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3単結晶)の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工、平滑に研磨するポリッシング加工、及び化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を行った後、洗浄溶媒中に浸漬させてマイクロ波を照射することを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板(β-Ga2O3単結晶基板)の製造方法である。
【0011】
本発明の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法では、先ず、酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工を行う。このラッピング加工は、いわゆる荒削りに相当するものであり、ラッピング加工の手段については特に制限はなく、例えばダイヤモンド焼付けディスクを用いた研磨盤で研磨するような公知の方法を採用することができる。ラッピング加工では、最終的に得られる酸化ガリウム単結晶基板の用途にもよるが、(100)面を研磨することによって酸化ガリウム単結晶を0.4〜0.5mm程度の厚さまで薄型化するのがよい。
【0012】
ラッピング加工を行う酸化ガリウム単結晶は、予め、ダイヤモンドディスクソーやダイヤモンドワイヤーソー等を用いる公知の方法で、0.8〜1.0mm程度の厚さに切断しておくようにするのがよい。
【0013】
次に、ラッピング加工を施した酸化ガリウム単結晶の(100)面を平滑にするポリッシング加工を行う。このポリッシング加工では、酸化ガリウム単結晶の(100)面を鏡面状態にまで仕上げるようにするのがよい。ポリッシング加工については、公知の方法を採用することができるが、例えば平均粒子径2μm程度の多結晶ダイヤモンド粒子を油性溶剤に溶かしたダイヤモンドスラリーからなるポリッシング研磨液を用いて、研磨盤で研磨するようにするのが好ましい。研磨盤については、先のラッピング加工とは異なり、酸化ガリウム単結晶の(100)面を鏡面に仕上げる必要があることから、例えば錫、銅、錫鉛等の粉末を樹脂に接着させたものなどを使用するのがよい。
【0014】
このポリッシング加工では、酸化ガリウム単結晶のへき開が目視にて目立たなくなる程度まで研磨するのがよい。例えば、上記ポリッシング研磨液と研磨盤とを用いた場合、研磨圧力(荷重)113〜352g/cm2、研磨盤の回転数100〜120rpm、及び酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度75.1m/分以上の条件で、60〜180分間のポリッシング加工を行うのがよい。
【0015】
そして、上記ラッピング加工及びポリッシング加工を施した酸化ガリウム単結晶を化学機械研磨する。この化学機械研磨については、例えばシリカ等の砥粒をアルカリ溶液に分散させたCMP研磨液を用いるようにするのがよく、好ましくは、コロイダルシリカを含んだpH9.1〜10.2のCMP研磨液を用いるようにするのがよい。このうち、平均粒子径が10〜82nmのコロイダルシリカを用いるのがより好ましく、また、CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの量を29〜40質量%とするのがより好ましい。
【0016】
次いで、化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶を洗浄溶媒中に浸漬させてマイクロ波を照射する。ラッピング加工、ポリッシング加工、及び化学機械研磨を経た酸化ガリウム単結晶の表面には研磨液等が残留することがあり、特に化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶にはコロイダルシリカ等の砥粒や、化学機械研磨後に通常行われる洗浄による各種アルカリイオンや塩素等の成分が残存してしまう。そして、これらが不純物となり、後に成長させる半導体膜のエピタキシャル成長に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、洗浄溶媒中に浸漬させて行うマイクロ波洗浄により、これらの不純物成分を取り除くようにする。
【0017】
洗浄溶媒中に酸化ガリウム単結晶を浸漬させてマイクロ波を照射するマイクロ波洗浄について、照射するマイクロ波は法規制等で使用が認められている周波数の範囲内で選択すればよいが、なかでも、市販のマイクロ波化学反応装置や電子レンジで使用される周波数2.45GHzを利用すれば、工業的にも簡便に低コストで処理することができる。また、マイクロ波洗浄で使用する洗浄溶媒については、不純物の混入を可及的に排除する観点から、好ましくは純水であるのがよい。更に、マイクロ波洗浄に要する時間について、使用するマイクロ波の周波数にもよるが、周波数2.45GHzの場合、化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶を洗浄溶媒中に浸漬させて1〜10分間マイクロ波を照射するようにするのがよい。マイクロ波の照射時間が1分より短いと平坦化、表面浄化(特には表面浄化)が不十分であり、反対に10分より長くなると酸化ガリウム単結晶が破損する原因とも成り得るため好ましくない。
【0018】
マイクロ波洗浄後の酸化ガリウム単結晶の表面は平坦化及び表面浄化がなされ、具体的には表面粗さRq(二乗平均平方根粗さ)が1.0〜2.0Åであり、かつ、表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.5〜1.0Åである酸化ガリウム単結晶基板を得ることができる。そのため、本発明によって得られた酸化ガリウム単結晶基板は各種半導体膜を成長させる基板に適しており、特に窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、又はこれらの混晶からなるような窒化物半導体膜を成長させる基板として好適である。なお、上記表面粗さRq及びRaはJIS B0601:2001に準拠する。
【0019】
本発明においては、マイクロ波洗浄に先駆けて、化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶を水洗や純水処理等を行うようにしてもよい。
【0020】
また、本発明において、用意する酸化ガリウム単結晶について特に制限はなく、どのような手段によって得たものであってもよいが、好ましくは浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法:FZ法)により製造した酸化ガリウム単結晶であるのがよい。FZ法では、容器を使用せずに原料を融解させて酸化ガリウム単結晶を育成するため、不純物による汚染を可及的に防止することができると共に、結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶を得ることができるため、高品質の半導体膜を成長させる酸化ガリウム単結晶基板を得るのに好適である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の酸化ガリウム単結晶基板は、その表面が平坦化され、かつ、不純物源になり得る砥粒や研磨液等を除去して表面浄化がなされているため、各種半導体膜を成長させる際にこれまで主に使用されてきたサファイアやシリコンカーバイド等に置き換えられる可能性を有するバルク結晶基板である。
【0022】
また、本発明の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法によれば、薄型化した酸化ガリウム単結晶を鏡面化し、化学機械研磨を行い、更に洗浄溶媒中でマイクロ波を照射することで、平坦化と共に表面浄化された酸化ガリウム単結晶基板を得ることができ、このような最適化された表面処理によって、高温での熱処理等を必要とせずに、平坦化かつ表面浄化された酸化ガリウム単結晶基板を得ることができるため、再現性に優れ、かつ、プロセスコストの面でも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
【実施例1】
【0024】
[酸化ガリウム単結晶の準備]
先ず、純度99.99%の酸化ガリウム粉末(株式会社高純度化学研究所製)をラバーチューブに封入して静水圧で加工成型した後、電気炉に入れて大気中1500℃で10時間焼結し、酸化ガリウム焼結体を得た。次いで、この酸化ガリウム焼結体を原料棒として、双楕円のFZ装置を用いて酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3単結晶)を育成した。この際、<001>方向の結晶成長速度が7.5mm/h、成長雰囲気がドライエア、及び圧力が1気圧となるようにした。
【0025】
[酸化ガリウム単結晶基板の作製]
上記で得られた酸化ガリウム単結晶をダイヤモンドディスクソーで切断し、結晶面の(100)面を切り出して、約10mm×約10mm×厚さ約1mmのサイズにした。そして、この酸化ガリウム単結晶の(100)面をラッピング加工し、厚さ約0.45mmにした。このラッピング加工は、ダイヤモンド焼付けディスクからなる研磨盤(三井研削砥石社(株)社製CBN DIA GRINDING WHEEL)を用いた研磨であり、研磨圧力(荷重)60g/cm2、及び研磨盤の回転数100〜120rpmの条件で行った。
【0026】
次に、ラッピング加工を施した酸化ガリウム単結晶の(100)面をポリッシング加工して、酸化ガリウム単結晶の(100)面が鏡面状態になるまで仕上げた。このポリッシング加工では、錫の粉末を樹脂に接着させた研磨盤(研磨定盤φ20cm)を用いて、平均粒子径1μmの多結晶ダイヤモンド粒子を油性の液に溶かしたダイヤモンドスラリー(ポリッシング研磨液)を供給しながら研磨した。この際、研磨圧力(荷重)150g/cm2、研磨盤の回転数120rpm、及び酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度75.4m/分の条件で行い、約120分かけて、酸化ガリウム単結晶のへき開が目視にて目立たなくなる程度まで仕上げた。
【0027】
そして、ポリッシング加工後の酸化ガリウム単結晶の(100)面を化学機械研磨した。使用した化学機械研磨装置はムサシノ電子製MA-200Dであり、この研磨装置には、ポリウレタン製のポリッシングクロス(研磨布)を備えたアルミ製の研磨盤(研磨定盤径φ20cm)が取り付けられている。また、コロイダルシリカをアルカリ性溶液に分散させてなるデュポン社製COMPOL80をCMP研磨液として用いた。このCMP研磨液は、コロイダルシリカの平均粒子径が62〜82nm、SiO2量が40質量%、pH10.2、及び比重1.29である。
【0028】
上記研磨装置及びCMP研磨液を用いて、次の条件で化学機械研磨を行った。ポリッシング加工後の酸化ガリウム単結晶の(100)面を下に向けて研磨布付きのアルミ研磨盤に載置し、荷重なし(研磨圧力0g/cm2)、研磨盤の回転数75rpm、酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度47.1m/分、及びCMP研磨液の供給量約100mlの条件で、60分間研磨した。化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶にはりついたワックスを除去するため超音波洗浄した後、洗浄後の酸化ガリウム単結晶の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果(測定範囲は6.4μm×6.4μm)を図1に示す。図1(a)は超音波洗浄後の酸化ガリウム単結晶の平面イメージ像(2次元)であり、(b)は超音波洗浄後の酸化ガリウム単結晶の立体像(3次元)である。これらのAFM像によれば、化学機械研磨後の酸化ガリウム単結晶の表面には、超音波洗浄後であっても多くの付着物が確認された。また、上記で得られた像から解析ソフトを用いて付着物と思われるものを除去し、表面粗さを算出したところ、Rqは2.6Åであり、Raは1.6Åであった。
【0029】
そして、上記超音波洗浄後の酸化ガリウム単結晶を純水(洗浄溶媒)に浸漬させ、マイクロ波照射装置(四国計測工業株式会社製SMW-100型式)を用いて、出力700W、周波数2.450GHz±30MHz、照射時間5分の条件でマイクロ波洗を照射した。マイクロ波を照射した後の酸化ガリウム単結晶の表面のAFM像を図2に示す。図2(a)は平面イメージ像(2次元)であり、図2(b)は立体像(3次元)である。また、マイクロ波洗浄後の酸化ガリウム単結晶の表面粗さについては原子間力顕微鏡で測定したところ、Rqは1.1Åであり、Raは0.6Åであった。つまり、マイクロ波洗浄前よりも表面粗さが1/2以下に向上したことが確認され、本発明の実施例に係る酸化ガリウム単結晶基板(約10mm×約10mm×厚さ約0.4mm)を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、簡便でかつ低コストで平坦化かつ表面浄化された酸化ガリウム単結晶基板を得ることができ、工業的にも有利である。また、本発明により得られた酸化ガリウム単結晶基板は、発光素子(LED、LD)、受光素子(紫外線センサー)等を形成する際に各種半導体膜を成長させる基板として利用することができ、特に窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、又はこれらの混晶からなるような窒化物半導体膜を成長させる基板として好適である。更には、本発明により得られた酸化ガリウム単結晶基板は、酸素センサー、電界効果型トランジスタ(FET)等としても利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の実施例において、化学機械研磨して超音波洗浄した後の酸化ガリウム単結晶のAFM像であり、(a)は平面イメージ像(2次元)であり、(b)は立体像(3次元)である。
【図2】図2は、本発明の実施例におけるマイクロ波洗浄後の酸化ガリウム単結晶のAFM像であり、(a)は平面イメージ像(2次元)であり、(b)は立体像(3次元)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面粗さRqが1.0〜2.0Åであり、かつ、表面粗さRaが0.5〜1.0Åであることを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板。
【請求項2】
酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工、平滑に研磨するポリッシング加工、及び化学機械研磨を行った後、洗浄溶媒中に浸漬させてマイクロ波を照射することを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
【請求項3】
ダイヤモンドスラリーを含んだポリッシング研磨液を用いて、研磨圧力113〜352g/cm2、及び相対速度75.1m/分以上の条件で、60〜180分間のポリッシング加工を行う請求項2に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
【請求項4】
洗浄溶媒が純水であり、マイクロ波の周波数が2.45GHzである請求項2又は3に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
【請求項5】
得られる酸化ガリウム単結晶基板の表面粗さRqが1.0〜2.0Åであり、かつ、表面粗さRaが0.5〜1.0Åである請求項2〜4のいずれかに記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−91212(P2009−91212A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264892(P2007−264892)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】