金属製棒状ワークの外観検査方法及び外観検査装置
【課題】 光沢のある金属製の棒状ワークの外観検査を高速で正確に検査する。
【解決手段】 第1と第2の回転インデクサID1,ID2による搬送過程において金属製の棒状ワークCに照明を照射する照明手段Reと、上記棒状ワークを撮影する撮像手段S1〜S6とを備え、第1の回転インデクサID1の外周に形成された外周溝v1に上記棒状ワークCの外周表面の半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサId2の外周に形成された外周溝V2に棒状ワークCの残りの外周表面を露出させる状態で収納し、上記照明手段Reを上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段Reとして配し、この円弧型の照明手段Reによる照明を介して上記外周溝v1(v2)に収納された上記棒状ワークCを撮像手段S1〜S6により撮像する。
【解決手段】 第1と第2の回転インデクサID1,ID2による搬送過程において金属製の棒状ワークCに照明を照射する照明手段Reと、上記棒状ワークを撮影する撮像手段S1〜S6とを備え、第1の回転インデクサID1の外周に形成された外周溝v1に上記棒状ワークCの外周表面の半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサId2の外周に形成された外周溝V2に棒状ワークCの残りの外周表面を露出させる状態で収納し、上記照明手段Reを上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段Reとして配し、この円弧型の照明手段Reによる照明を介して上記外周溝v1(v2)に収納された上記棒状ワークCを撮像手段S1〜S6により撮像する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の棒状ワークの疵、打痕や汚れ等の検査を行い、良品と不良品に選別する金属製棒状ワークの外観検査方法及び外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップやチップ型コンデンサ等の電子素子(チップ部品)のワークについては、その出荷前に、外周の疵、打痕や汚れやの検査や、その種類や大きさを選別するための測定が行われる。このワークの検査装置としては、例えば、特許文献1と2には、検査対象である矩形錠の半導体素子(チップコンデンサ)やカプセル状の錠剤を整列搬送するフィーダと、フィーダから整列搬送される微小物体を中継して搬送する搬送溝を有する無振動中継台と、無振動中継台から微小物体を受け取り回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に配され回転搬送する第2の回転インデクサと、第1の回転インデクサによる搬送過程において微小物体を撮影する撮像手段と、撮像手段による撮像の際に照明を照射するスポット型の照明手段を備えたものが開示されている。
【0003】
一方、金属製の棒状ワークの疵、打痕や汚れ等を観察できる照明方法とその装置に関するものとして特許文献3がある。この特許文献3は、棒状ワークの外周に配された円弧型の照明手段により広角度で上記棒状ワークを照射して、一つの顕微鏡で上記棒状ワークの疵等を観察するものである。
【特許文献1】特許第3724583号公報
【特許文献2】特許第3814278号公報
【特許文献3】特開2004−302394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検査対象がマイクロプロセッサ等の半導体素子の外部端子に使用されるような金属製のピン(金属製の棒状ワーク)では、その長さが数mmで直径が1mm以下で、ときに50μm以下の大きさのものもある。そして、その材質は鋼に金、銅やタングステン等のメッキ処理が施されており、外周表面に金属光沢がある。
【0005】
しかしながら、特許文献3は、棒状ワークを手等で回転させる必要があるので、大量の棒状ワークを高速に検査処理することができないという問題を有していた。また、上記スポット型の照明装置を上記金属製の棒状ワークの外周に複数配置することは照明装置の数や撮像手段の数が多くなり現実的に不可能であった。
【0006】
また、半導体素子の外部端子に使用されるような金属製のピンを含めて金属製の棒状ワーク一般に当てはまる問題であるが、外周溝からワークが露出する部分の端面(棒状ワークの上半分露出するとすると、棒状ワークと外周溝との境界線の0度と180度付近:図9(a)参照)は、照明手段から照射された光が撮像手段に反射されずに影が生じて、明瞭に撮影することができないという問題を有していた。
【0007】
さらに、棒状ワークの疵としては、棒状ワークの軸方向(横方向)に発生する疵(横疵)と、棒状ワークの軸方向と直交する方向(縦方向)に発生する疵(縦疵)とに大別されるが、従来のスポット型の照明手段による照明では、光沢のある棒状ワークの上記横疵は映し出すことができても明瞭ではなく、しかも上記縦疵は、周囲に跨るために一つのスポット型の照明手段では明瞭に映し出すことが難しかった。さらに、従来のスポット型の照明だけでは発見できない疵、汚れ等があることが問題となっていた。
【0008】
そこで本発明の目的は、光沢のある金属製の棒状ワークの外観検査を高速で正確に検査する棒状ワークの外観検査方法及び外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載の棒状ワークの外観検査方法は、金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う金属製棒状ワークの外観検査方法において、供給された上記棒状ワークを回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサから引き継いで回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、第1の回転インデクサの外周に形成された外周溝に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサの外周に形成された外周溝に棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる状態で収納し、上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の棒状ワークの外観検査装置は、金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う棒状ワークの外観検査装置において、上記棒状ワークを供給する供給手段と、供給された棒状ワークを回転搬送する縦型配置の第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に縦型配置され回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、第1の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる外周溝が形成され、第2の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる外周溝が形成され、上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする。
【0010】
これら本発明によれば、縦型配置の第1の回転インデクサに供給された棒状ワークは、第1の回転インデクサの外周溝に配された棒状ワークの露出した部分が撮像手段で撮像され、第1の回転インデクサから受け渡された第2の回転インデクサ上で残りの部分を露出させて撮像手段により撮像される。上記撮像手段は円弧型の照明手段により照明された棒状ワークを撮像することにより、棒状ワークの露出する外周全域に照明が照射されて、棒状ワークの外周の疵等の検査が良好に行えるようになり、従来発見できなかった疵等も発見できるようになる。そして、第1と第2の回転インデクサによる搬送の過程で棒状ワークをその外周を少なくとも半周ずつ露出させて、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程で棒状ワークの外周全域を検査することができる。
【0011】
本発明としては、前記円弧型の照明手段の他に、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射するスポット型の照明手段を備え、上記円弧型の照明手段と上記スポット型の照明手段とを切り替えながら上記棒状ワークを上記撮像手段により撮像することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら金属製の棒状ワークを同じ撮像手段により撮像することにより、上記横疵は、スポット型の照明手段による照明を映し出すことができ、上記縦疵は、円弧型の照明手段により映し出すことができる。撮像手段は、同じものであるから、撮像条件は同じにできるとともに、撮像手段の数を増加する必要もない。
【0013】
本発明としては、前記撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段を備え、上記円弧型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像と、スポット型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像とを上記表示手段で同時に表示する。これにより両画像の疵の程度を数値化してこれを制御手段に入力して、運転時には搬送される棒状ワークの良否判定に使用され、異なる種類の疵を瞬時に見つけ出すことができるようになる。また、上記表示手段に異なる種類の疵を表示させて比較することができる。
【0014】
前記円弧型の照明手段の内側に沿うように、円弧型の照明手段の光源の光をその進行方向を所定の出射角度範囲に制御するルーバーフィルムが配されていることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、前記光線調節フィルムにより、複数の各光源が各々照射する光が金属製の棒状ワークに乱反射する光を制御することで(複数の各光源が照射する光が金属製のワークに対してその中心軸方向の光に限られるので)、光沢のある金属製の棒状ワークの疵等を鮮明に映し出すことができる。
【0016】
本発明としては、前記円弧型の照明手段は、固定板にLED素子が搭載されたもので、そのLED素子の発光表面側に前記ルーバーフィルムが貼着されており、これを円弧状に屈曲させて使用するものであることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、上記ルーバーフィルムを使用して円弧型の照明手段からの光を上記棒状ワークの中心軸に向けて照射することが容易に行われるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記撮像手段は円弧型の照明手段により照明された棒状ワークを撮像することにより、棒状ワークの外周に均等に照明が照射されて、棒状ワークの外周の疵等の検査が良好に行えるようになり従来発見することが難しかった疵等も発見できるようになる。したがって、上記従来の装置を利用するとスポット型の照明も撮像手段も多数必要になるところのこれらの数を減らすことができるとともに、円弧型の照明手段による照明によって、光沢のある金属製の棒状ワークの疵や打痕および汚れ等を鮮明にした状態で、大量の棒状ワークを高速で正確に外観検査することが可能になる。
【0019】
また、本発明の棒状ワークの外観検査方法によれば、上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら金属製の棒状ワークを撮像手段により撮像することにより、従来スポット型の照明手段による照明では明瞭に映し出すことができなかった上記縦疵等も明瞭に映し出すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態である金属製棒状ワークの外観検査装置の斜視図であり、図2は、外観検査装置を正面から見たときの断面図であり、図3は、外観検査装置の断面図であり、図4は斜視図であり、図5はワークの搬送状態の拡大正面図である。本実施の形態の金属製棒状ワークの検査装置1は、半導体素子の外部端子に使用される金属製のピン等の棒状ワークCを撮像手段S1〜S6により検査する外観検査装置であり、基台に、棒状ワークCを回転搬送しながら検査する第1と第2の検査用回転ディスクID1,ID2や棒状ワークCを供給するための円筒フィーダ(ボールフィーダ)F1や直進フィーダF2等が取り付けられている。検査対象である金属製の棒状ワークCは、長さが約3mmで、直径が約0.5mmの金めっき鋼線を検査することとする。
【0022】
本実施の形態は、第1と第2の回転インデクサID1,ID2による搬送過程において棒状ワークCの外周を撮影する撮像手段S1,S2,S3,S4,S5,S6と、撮像手段S1〜S6による撮像の際に照明を照射する円弧型の照明手段Reと、撮像手段S1〜S6による撮像の際に照明を照射するスポット型の照明手段Saと、撮像手段S1〜S6と撮像手段S1〜S6による撮像結果を表示する表示手段H(H1〜H4)と、検査結果に基づき選別する選別手段と、選別した棒状ワークCを収納する選別ボックス等を備える。
【0023】
円筒フィーダF1は、振動により大量に投入された棒状ワークCを外周壁面に順序よく整列させて、一つずつその排出口から直進フィーダF2に移動させる。直進フィーダF2は、円筒フィーダF1の排出口から取り出された棒状ワークCを振動させながら送り出すもので、円筒フィーダF1の排出口と連続された直線状の溝3が形成されており(図1)、この溝3から無振動中継台5の搬送溝5cへと棒状ワークCを送り出す。
【0024】
無振動中継台5は、直進フィーダF2と第1の回転インデクサID1との間に位置して直進フィーダF2から整列搬送される棒状ワークCを第1の回転インデクサID1のローラ側吸引孔7aに搬送する中継台である。無振動中継台5の上面に、棒状ワークCを搬送するV溝が形成されている。この無振動中継台5の先端5dは、第1の回転インデクサID1のほぼ時計の1時を示す位置に向けられている。
【0025】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、多数の棒状ワークCをその外周で回転搬送させるもので、第2の回転インデクサID2は、第1の回転インデクサID1の下方側において約40度位置をずらして配されている。このように第1の回転インデクサID1の真下ではなく、所定の角度(本実施の形態では約40度)位置をずらすことにより、撮像手段S4,S5,S6を第1の回転インデクサID1の下方側に配置させることができることと、回転搬送距離を短くすることと(斜めのS字状の軌跡を描き、回転搬送距離が短くなる)、後述する所定長の吸引用スリットr1,r2の長さをできるだけ短くして吸引するためである。
【0026】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、縦型配置による連続回転方式により回転する。第1の回転インデクサID1は、その中心に配される回転軸J1により時計の針の回転方向とは逆向きに回転する。第2の回転インデクサID2は、その中心に配される回転軸J2により時計の針の回転方向と同じ向きに回転する。そして、第1と第2の回転インデクサID1,ID2は、ギヤ機構KKを介して一つの駆動手段MMからの駆動力を得て同期駆動する(図1)。ギヤ機構(歯車機構)G1a,G1b,G2a,G2bは、図1と図3に示すように、第1と第2の回転インデクサID1,ID2の回転軸J1,J2が各々上方に配されるギヤG1aと下方に配されるギヤG1bと連結され、下方のギヤG1bは、駆動手段MMの駆動軸Maと連結されている。下方のギヤG1bは、上方のギヤG1aと各々の外周の歯車を歯合させて回転を伝達させて、又、この下方のギヤG1bの回転は、下方の第2の回転インデクサID2に伝達させるために中継するギヤG2bと連結され、伝達されている。中継するギヤG2bの上方には、これと対応する上方側の中継するギヤG2aが配されている。したがって、上下に位置する第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2とは、互いに逆向きの回転による同期駆動する構造になっている。ここで、本実施の形態では、第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、同じ大きさの円盤状を呈し、周速が同じであるが、これに限られるものではない。ただし、同じ大きさの円盤状を呈し、同期駆動させると、第1の回転インデクサID1での棒状ワークCの間隔は、第2の回転インデクサID2でもその間隔(ピッチ)を同じくして引き継がれる。なお、同期駆動の方式としては、本実施の形態のように、駆動手段を同じ一つの駆動手段MMとする方式もあれば、別々の駆動手段としても良い。
【0027】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、回転軸J1,J2の延長線上に取り付けられるサクションリングSra,Srbと、サクションリングSra,Srbの外周に取り付けられる外周溝ローラVa,Vbとから構成されている。外周溝ローラVa,Vbは、サクションリングSra,Srbよりも全体形状が一回り大きく、サクションリングSra,Srbと重ね合わせられる。外周溝ローラVa,Vbには、その外周全域に亘って外周溝v1,v2が形成されている。この外周溝v1,v2は、無振動中継台5の搬送溝5cに対応させたV字状のもので、この外周溝v1,v2の底部とローラ側吸引孔7,8と連結され、このローラ側吸引孔7,8は、サクションリングSra,Srbの吸引用スリットr1,r2と連結されている。そして、外周溝v1,v2の左右の上方端側は、斜めにカットされた傾斜面Vkが形成されている。金属製の棒状ワークCが半分以上外周溝u1,u2に隠れるとすると、撮像できない部分(図中の0度と180度付近)が生じるために、そのような部分の撮像も可能にするために上記傾斜面Vkが形成され、これにより少なくとも180度以上の外周表面の撮像が可能になっている。ローラ側吸引孔7,8は、等間隔、つまり所定角度間隔をおいて多数設けられ、所定長の吸引用スリットr1,r2と連結され、図示しない吸引手段である真空ポンプを介して接続されている。吸引用スリットr1,r2は、サクションリングSra,Srbの外周溝ローラVa,Vbとの重ね合わせ面において所定長の円弧状に形成されている。吸引用スリットr1,r2は、ローラ側吸引孔7,8と連結されるとともに、連結部Qを介して吸引手段である真空ポンプ(図示せず)と連結されている。
【0028】
第1の回転インデクサID1のサクションリングSraの吸引用スリットr1は、ほぼ半周上に設けられている。すなわち、ほぼ時計の1時の方向から左回転に7時の方向の半周上に設けられている。第2の回転インデクサID2のサクションリングSrbの吸引用スリットr2は、半周上よりもやや長く、ほぼ時計の1時の位置から8時の位置までの範囲として設けられ、送風通路A1〜A4が配される位置にまで及んでいる。したがって、第1と第2の回転インデクサID1,ID2に多数のローラ側吸引孔7,8が形成されているが、上記所定長の円弧状の吸引用スリットr1,r2の範囲にあるローラ側吸引孔7a,8aでなければ、棒状ワークCを吸引保持できない。そして、棒状ワークCは、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の位置から外れる位置にある第1の回転インデクサID1から第2の回転インデクサIDの時計の1時の位置でその外周溝v2とその位置のローラ側吸引孔8(8a)に受け渡され、時計の8時の位置まで搬送される。なお、図3と図5と図6中において、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の吸引力が働く位置のローラ側吸引孔7,8を符号7a,8aで示し、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の位置から外れる位置のものを符号7b,8bで示している。
【0029】
撮像手段S1・・・S6は、第1の回転インデクサID1による搬送途中で撮影する撮像手段S1〜S3と、第2の回転インデクサID2の搬送途中で撮影する撮像手段S4〜S6とが配置されている。撮像手段S1・・・S6は、円弧型の照明手段Reによる照明を棒状ワークCに照射しながら撮像する。撮像手段S1〜S6は、図6に示すように、固定ブラケットBK2の先端側に、プリズム、LED等のスポット型の照明装置Saが配され、固定ブラケットBK2の後方側に高感度カメラ(CCDカメラ)Scが配された照明装置付きもので、図示しない光センサ(トリガーセンサ)が、棒状ワークCが所定の位置を通過したことを検知して、その信号を制御手段Paに送り、撮像動作が行われる。照明装置Saは、光源Sdと光ファイバーSbと連結され、光ファイバーSbが連結される固定ガイドBK1と固定ブラケットBK2の間には、鏡筒(拡大レンズ等)Sgが配されている。
【0030】
撮像手段S1〜S3は、第1の回転インデクサID1の搬送途中の棒状ワークCが外周溝から露出した部分(表側の180度の面)Caを撮像するもので、上記円弧型の照明手段Reとは位置をずらした位置で棒状ワークCの外周円上に複数配設されている(図7、図9)。本実施の形態では、上記撮像手段S1〜S3は、円弧型の照明手段Reと位置をずらした斜め上方から撮像する配置であり、上記撮像手段S1〜S3は各々60度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配されている。一方、撮像手段S4〜S6は、第2の回転インデクサID2の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v1から露出した部分(裏側の180度の面)Cbを撮像するもので、上記円弧型の照明手段Reとは位置をずらした位置で棒状ワークCの外周円上に複数配設されている。本実施の形態では、上記撮像手段S4〜S6は、円弧型の照明手段Reと位置をずらした斜め上方から撮像する配置であり、上記撮像手段S4〜S6は各々60度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配されている。すなわち、上記撮像手段S1〜S6は、棒状ワークCの軸に向かうように配置されている。なお、棒状ワークCの前後両端面は撮像されないが、棒状ワークCの前後端面を撮像する場合は、上記スポット型の照明装置Saとともに上記撮像手段S1〜S6をその方向に向けて配置すれば良い。
【0031】
円弧型の照明手段Reは、光源としてのLED照明a2が等間隔で円弧状に配されたもので、その円弧の中心軸方向は、棒状ワークCの軸中心と一致するように配置されている(図9〜図12)。円弧型の照明手段Reでは、少なくとも180度の円弧形状を呈する必要があり、本実施の形態では200度〜240度に設けられている。仮に180度までの範囲に止めると、図9(a)中の0度あたりからこれよりも前の部分θ1と、180を越えた部分θ2に対して光源a2からの光が十分に照射されないことを考慮したものである。図10に示す例では、撮像手段S11〜S17が各々30度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配され、第1の回転インデクサID1の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v1から露出した部分(表側の180度の面)Caを撮像し、一方、撮像手段S18〜S24が第2の回転インデクサID2の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v2から露出した部分(裏側の180度の残りの面)Cbを撮像する。図10に示す例では、撮像手段S11とSS17の位置と撮像手段S18とS24の位置が重複するが、棒状ワークCの0度付近と180度付近は影を生じさせることなく撮像することが難しいために、上記の二重の撮像手段(S11、S17、S18、S24)で二重に撮像することとしている。
【0032】
円弧型の照明手段Reは、固定板a1の一方側の面(LED素子a2の発光表面側)に、拡散板(拡大板)a3を介してルーバーフィルムafが貼着されている。ルーバーフィルムafは、図13に示すように、黒色不透明の複数のルーバーabが平行に配置され、このルーバーab相互間を透明板acがこれを区切るように配されている。本実施の形態の固定板a1は、図12に示すように、円弧状に屈曲可能なものであり、上記ルーバーabは、円弧の中心軸方向、つまり搬送される棒状ワークCの軸中心Caに向かって配置される。なお、もともと円弧状の固定板a1にLED照明a2が等間隔で配されたものを使用して、これにルーバーフィルムafを貼着させることも可能である。この場合は、ルーバーabを棒状ワークCの軸中心に向かって配置させることが難しいが、上記方法によれば棒状ワークCの軸中心Caに対する角度も容易に得られるとともに、軸中心Caに合わせることで種々の棒状ワークCの大きさにも一つで対応可能である。固定板a1の左右端部には、連結板a7が取り付けられ、基台の所定箇所と連結されるようになっている(図7)。したがって、光源から照射した光は、固定板a1の一方側の面に拡散板a3を介して貼着させたルーバーフィルムafを通過して棒状ワークCを照射することとなるので(撮像に必要な軸中心Caに向かう光のみが通過する)、複数の光源a2からの光が棒状ワークCに乱反射して撮像状態を悪くする事態(ハレーションを起こす。:白光する。:光暈)を防止する。
【0033】
各表示手段H1〜H4は、撮像手段S1〜S6による撮像結果と、良品、不良品等の結果を表示するものであり、円弧型の照明手段Reを介して撮像される撮像手段S1〜S6が取り込んだ画像を表示する領域H1,H3と、スポット型の照明手段Saを介して撮像される撮像手段S1〜S6が取り込んだ画像を表示する領域H2,H4とが設けられている(図9、図14)。領域H1とH2が第1の回転インデクサID1によるものであり、領域H3とH4が第2の回転インデクサID2によるものである。撮像手段S1〜S6は、円弧型の照明手段Reを介した撮像とスポット型の照明手段Saを介した撮像とをタイミングをずらして行うことで、表示手段Hにこれら両方の撮像結果を領域H1〜H4に同時に表示する。これにより、同一箇所に上記縦疵と横疵があったとしても、これを見逃すことがなくなる。これらの制御は、上記制御手段Paで行われる。そして、上記表示手段H1〜H4で、上記円弧型の照明手段Reで照射しながら撮像手段S1〜S6で撮像した画像と、スポット型の照明手段Saで照射しながら撮像手段S1〜S6で撮像した画像とを同時に表示し、これにより疵の程度を数値化してこれを制御手段Paに入力して、運転時には搬送される棒状ワークCの良否判定に使用されることが好ましい。すなわち、まず、最初の設定は、上記横疵と縦疵との疵の程度をともに表示手段H1〜H4に映し出す。この画像をオペレータが目視で判断して、これを数値化して制御手段Paに入力する。詳しくは、画像を数ブロックに分割し、各ブロック毎に疵の程度を目視判断で数値化し、ある程度以下ならば良品であり、ある数値を超えると不良品とする値を決定する。このブロック毎の値を制御手段Paに入力すると、制御手段Pa内の良否判断プログラムに取り入れられる。そのため、運転時には、各ワークの横疵と縦疵が撮像されて数値化され、瞬時に制御手段Paにより良否判断が行われる。そして、良品と不良品に選別される。また、表示手段Hの下方には、検査結果が良品であるか、不良品であるか、再検査品であるか、検査不可能品であるかの検査結果も表示されるようになっている。なお、図示しないが、良品サンプルを映し出す領域も設けられ、良品サンプルとの比較も可能になっている。
【0034】
上記撮像手段S1〜S6や照明手段Re,Saは、制御手段Paとしてのコンピュータと連結され、照明手段Re,Saは、制御手段Paからの指令を受けて、照明手段Re,Saの照明をON、OFFする(図9)。そして、制御手段Paにより、撮像手段S1〜S6が上記円弧型の照明手段Reとスポット型の照明手段Saとを切り替えることにより、同じ撮像手段S1〜S6で異なる照明手段Re,Saを介して撮像する。これにより、撮像手段S1〜S6の数を減少させることができるとともに、同じ撮像条件での検査が可能になる。
【0035】
第2の回転インデクサID2の下方側には、上記ローラ側吸引孔8aから棒状ワークCを取り出すための送風通路A1〜A4が設けられ、これら送風通路A1〜A4は、連結部Pを介して送風手段(図示せず)と連結されている(図1〜図3)。6時の位置から8時の位置にかけての第2の回転インデクサIDの外周位置には、排出側ブラケット21が取り付けられている。排出側ブラケット21には、外周溝v2から取り出して選別ボックス(図示せず)に連結される複数の排出口28が設けられるとともに、排出されたことを検知するとともに個数をカウントする光センサ27が取り付けられている(図3)。本実施の形態では、良品と、再検査品と検査不可能品との選別と、これらいずれでもないものが最終的にすべて排出されるようになっている。このように選別排出された棒状ワークCは、各々の選別ボックス(図示せず)に排出口28を介して収納される。排出側では、吸引手段による吸引よりも送風通路A1〜A4によってエアーを強く送風し、外周溝v2のローラ側吸引孔8(8a)から棒状ワークCを離脱させる。
【0036】
次に、本実施の形態の外観検査装置1を実際に使用して棒状ワークCの外観検査する場合の動作について説明する。
【0037】
円筒フィーダF1内の金属製の棒状ワークCは、直進フィーダF2に向けて振動されながら送られ、直進フィーダF2はその棒状ワークCを受け取り直進方向、つまり無振動中継台5の搬送溝5cに向けて搬送される(図1、図4)。このとき、棒状ワークCは、直進フィーダF2の棒状ワークCの群に押されて振動されながら搬送されてくるが、無振動中継台5の位置に至ると、無振動中継台5の搬送溝5cに沿って棒状ワークCが搬送される。無振動中継台5では、棒状ワークCは、間隔をおいて搬送されたり、繋がり合うように連結して搬送されたりする。しかし、本実施の形態では、無振動中継台5を搬送される速度よりも第1の回転インデクサID1の速度が速く設定されて、棒状ワークCが連続して搬送されてきても、一つずつ切り離される。また、搬送溝5cの先端5dは、第1の回転インデクサID1のほぼ1時の位置(最上方位置よりもやや低い位置)の外周溝v1に向けられているので、V字状の溝を有する搬送溝5cに対応する外周溝v1に収納されるとき、一旦持ち上げられるようになって、順次外周溝v1に収納される。ほぼ時計の1時の位置のローラ側吸引孔7(7a)は、吸引用スリットr1が形成される範囲にあり、外周溝v1に収納されるとき、上記ローラ側吸引孔7(7a)により吸引される。
【0038】
このようにほぼ時計の1時の位置でローラ側吸引孔7aに吸引された棒状ワークCは、第1の回転インデクサID1の外周溝v1に沿って搬送されて、その搬送過程で撮像手段S1〜S3によりその外周面が撮像される。本実施の形態では、所定間隔(60度間隔)の撮像手段S1〜S3により棒状ワークCの外周表面の外周溝v1から露出した部分Caが撮像される(図9(a))。すなわち、まず円弧型の照明手段Reによる照明により棒状ワークCの外周溝v1から露出した外周表面Caが撮像され、次にタイミングをずらして、スポット型の照明手段Saにより棒状ワークCの外周溝v1から露出した同じ外周表面Caが撮像される。これらの撮像が行われると、その結果が表示手段Hに二段の領域H1,H2に各々映し出され、制御手段Paにより良否判定が行われる。
【0039】
撮像手段S1〜S3により撮像された後は、第1の回転インデクサID1の時計の7時の位置で第2の回転インデクサID2のローラ側吸引孔8(8a)に受け渡される。第1の回転インデクサID1の時計の7時の位置、すなわち、第2の回転インデクサID1の時計のほぼ1時の位置では、第1の回転インデクサID1の所定長の吸引スリットr1の位置から外れ、他方、第2の回転インデクサID2の所定長の吸引用スリットr2の位置にあるローラ側吸引孔8(8a)に受け渡される(図5)。第1と第2の回転インデクサID1,ID2とは同期駆動しているので、棒状ワークCの受け渡しも確実に行われる。
【0040】
第2の回転インデクサID2の回転により、棒状ワークCが搬送されると、時計の3時の位置で棒状ワークCの残りの他方側表面(第1の回転インデクサID1では外周溝v1に隠れた部分)Cbが撮像手段S4〜S6により撮像される(図9(b))。本実施の形態では、60度間隔の撮像手段S4〜S6により、まず円弧型の照明手段Reによる照明により棒状ワークCの外周溝v2から露出した外周表面(残りの部分)Cbが撮像され、次にタイミングをずらして、スポット型の照明手段Saにより棒状ワークCの外周溝v2から露出した外周表面Cbが撮像される。この残りの外周Cbの撮像が行われると、その結果が表示手段Hに二段の領域H3,H4に各々映し出される。その結果、棒状ワークCのほぼ全周CaとCbが撮像されると、その撮像結果は、制御部Paで蓄積データと照合されて、良品であるか、不良品であるか、更には再検査品であるか検査不可能品であるか等の選別が行われる。
【0041】
撮像手段S1〜S6による撮像が終了して上記選別が行われ、時計の6時から8時の位置にある排出側に回転搬送されると、上記外観検査結果に基づき、この排出側では、吸引手段による吸引よりも送風通路A1〜A4によるエアーを強く送りローラ側吸引孔8aから棒状ワークCを離脱させ、排出口28を介して選別ボックス(図示せず)に収納される。このように、棒状ワークCは、無振動中継台5の先端側から斜めのS字曲線を描くように回転搬送されながら撮像されて、排出口28を介して選別ボックス(図示せず)に収納される。
【0042】
ここで、本実施の形態としては、図8に示すように、上記各実施の形態の第1と第2の回転インデクサID1,ID2の外周溝u1,u2は、棒状ワークCの下面側の形状に対応させて断面U字状に形成したものとしても良い。そして、断面U字状の左右の上方端側は、斜めにカットされた傾斜面Ukが形成されている。金属製の棒状ワークCが半分以上外周溝u1,u2に隠れるとすると、撮像できない部分(図中の0度と180度付近)が生じるために、そのような部分の撮像も可能にするために上記傾斜面Ukが形成されている。
【0043】
また、本実施の形態としては、図10と図11に示すように、撮像手段S11〜S24が配置され、30度の間隔で配置された棒状ワークの外観検査装置1とすることができる。すなわち、本実施の形態の撮像手段S11〜S24のうちの二つの撮像手段S11とS18、S17とS24は、上記外周溝v1,v2の左右の上方端部を0度とすると、0度と180度の位置に重複して配されている。なお、外周溝v1,v2は、V字状のほか、U字状等であっても良く、上記円弧状の照明手段Reは、180度以上の円弧として形成して、上記棒状ワークCの0度と180度の位置の撮像が良好に行えるようになっている。
【0044】
(実施例1)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵(棒状ワークの軸方向と直交する方向の疵)を付けて、上記撮像手段S1〜S6が60度間隔で配された第1の実施の形態の外観検査装置1により検査した。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0045】
(実施例2)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段S11〜S24が30度間隔で配された外観検査装置1により検査した。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0046】
(比較例1)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段が60度間隔で配され、複数の光源が配された円弧型の照明手段は180度の半径のもので外観検査を行った。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0047】
(比較例2)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段が30度間隔で配され、複数の光源が配された円弧型の照明手段は180度の半径のもので外観検査を行った。表示手段による表示方法は実施例1と同じである。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0048】
(比較例3)
上記実施例1において、ルーバーフィルムAfを配さない点のみ異なるものを比較例3とした。
【0049】
以上の結果、上記0度又は180度付近の位置の縦疵を観察できた数が最も多かったのは、実施例2であり、その次ぎに実施例1が続いた。ここで、実施例2では、第1の回転ディスクID1での0度と180度の位置の撮像手段S11とS17では発見出来なかった縦疵が第2の回転ディスクID2での0度と180度の位置の撮像手段S18とS24では発見できる場合があった。実施例1の次ぎに続いたものは、比較例3であった。比較例1と2では、上記0度又は180度の位置の縦疵を観察できた数はほとんどなかった。
【0050】
以上、本実施の形態では、金属製の細線であるワイヤボンディングに使用される棒状ワークCを例に説明したが、円筒形状の棒状ワークであれば、これよりも大きな例えばシリンダーシャフトやモータシャフト等の筒状の外観検査も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施の形態の金属製棒状ワークの外観検査装置の主要機構を示す斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの正面側から見た断面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの側面側から見た断面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の第1の回転インデクサを正面側から見た一部拡大断面図である。
【図5】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの正面側から見た側面図である。
【図6】上記第1の実施の形態の照明装置付きの撮像手段を説明する図である。
【図7】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す斜視図である。
【図8】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す斜視図である。
【図9】上記第1の実施の形態の撮像装置の配置例を示す正面図である。
【図10】上記実施の形態の撮像装置の配置例を示す正面図である。
【図11】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す断面図である。
【図12】上記第1の実施の形態の円弧型の照明手段を示す断面図である。
【図13】上記第1の実施の形態のルーバーフィルムを説明する断面図である。
【図14】上記第1の実施の形態の表示装置の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 棒状ワークの外観検査装置、
C 棒状ワーク、
Ca 棒状ワークの外周溝から露出した部分、
Cb 棒状ワークの外周溝から露出した部分、
ID1 第1の回転インデクサ、
ID2 第2の回転インデクサ、
S1〜S6,S11〜S24 撮像手段、
H 表示手段、H1〜H4 表示する領域、
a1 固定板、a2 光源(LED照明)、a3 拡散板、
af ルーバーフィルム、ab ルーバー、ac 透明板、
Pa 制御手段、
Re 円弧型の照明手段、Sa スポット型の照明手段、
Vb 外周溝ローラ、
v1,v2,u1,u2 外周溝、Vk,Uk 傾斜面、
7,8 ローラ側吸引孔、Sra,Srb サクションリング、
r1,r2 吸引用スリット、
A1〜A4 送風通路、
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の棒状ワークの疵、打痕や汚れ等の検査を行い、良品と不良品に選別する金属製棒状ワークの外観検査方法及び外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップやチップ型コンデンサ等の電子素子(チップ部品)のワークについては、その出荷前に、外周の疵、打痕や汚れやの検査や、その種類や大きさを選別するための測定が行われる。このワークの検査装置としては、例えば、特許文献1と2には、検査対象である矩形錠の半導体素子(チップコンデンサ)やカプセル状の錠剤を整列搬送するフィーダと、フィーダから整列搬送される微小物体を中継して搬送する搬送溝を有する無振動中継台と、無振動中継台から微小物体を受け取り回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に配され回転搬送する第2の回転インデクサと、第1の回転インデクサによる搬送過程において微小物体を撮影する撮像手段と、撮像手段による撮像の際に照明を照射するスポット型の照明手段を備えたものが開示されている。
【0003】
一方、金属製の棒状ワークの疵、打痕や汚れ等を観察できる照明方法とその装置に関するものとして特許文献3がある。この特許文献3は、棒状ワークの外周に配された円弧型の照明手段により広角度で上記棒状ワークを照射して、一つの顕微鏡で上記棒状ワークの疵等を観察するものである。
【特許文献1】特許第3724583号公報
【特許文献2】特許第3814278号公報
【特許文献3】特開2004−302394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検査対象がマイクロプロセッサ等の半導体素子の外部端子に使用されるような金属製のピン(金属製の棒状ワーク)では、その長さが数mmで直径が1mm以下で、ときに50μm以下の大きさのものもある。そして、その材質は鋼に金、銅やタングステン等のメッキ処理が施されており、外周表面に金属光沢がある。
【0005】
しかしながら、特許文献3は、棒状ワークを手等で回転させる必要があるので、大量の棒状ワークを高速に検査処理することができないという問題を有していた。また、上記スポット型の照明装置を上記金属製の棒状ワークの外周に複数配置することは照明装置の数や撮像手段の数が多くなり現実的に不可能であった。
【0006】
また、半導体素子の外部端子に使用されるような金属製のピンを含めて金属製の棒状ワーク一般に当てはまる問題であるが、外周溝からワークが露出する部分の端面(棒状ワークの上半分露出するとすると、棒状ワークと外周溝との境界線の0度と180度付近:図9(a)参照)は、照明手段から照射された光が撮像手段に反射されずに影が生じて、明瞭に撮影することができないという問題を有していた。
【0007】
さらに、棒状ワークの疵としては、棒状ワークの軸方向(横方向)に発生する疵(横疵)と、棒状ワークの軸方向と直交する方向(縦方向)に発生する疵(縦疵)とに大別されるが、従来のスポット型の照明手段による照明では、光沢のある棒状ワークの上記横疵は映し出すことができても明瞭ではなく、しかも上記縦疵は、周囲に跨るために一つのスポット型の照明手段では明瞭に映し出すことが難しかった。さらに、従来のスポット型の照明だけでは発見できない疵、汚れ等があることが問題となっていた。
【0008】
そこで本発明の目的は、光沢のある金属製の棒状ワークの外観検査を高速で正確に検査する棒状ワークの外観検査方法及び外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載の棒状ワークの外観検査方法は、金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う金属製棒状ワークの外観検査方法において、供給された上記棒状ワークを回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサから引き継いで回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、第1の回転インデクサの外周に形成された外周溝に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサの外周に形成された外周溝に棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる状態で収納し、上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の棒状ワークの外観検査装置は、金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う棒状ワークの外観検査装置において、上記棒状ワークを供給する供給手段と、供給された棒状ワークを回転搬送する縦型配置の第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に縦型配置され回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、第1の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる外周溝が形成され、第2の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる外周溝が形成され、上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする。
【0010】
これら本発明によれば、縦型配置の第1の回転インデクサに供給された棒状ワークは、第1の回転インデクサの外周溝に配された棒状ワークの露出した部分が撮像手段で撮像され、第1の回転インデクサから受け渡された第2の回転インデクサ上で残りの部分を露出させて撮像手段により撮像される。上記撮像手段は円弧型の照明手段により照明された棒状ワークを撮像することにより、棒状ワークの露出する外周全域に照明が照射されて、棒状ワークの外周の疵等の検査が良好に行えるようになり、従来発見できなかった疵等も発見できるようになる。そして、第1と第2の回転インデクサによる搬送の過程で棒状ワークをその外周を少なくとも半周ずつ露出させて、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程で棒状ワークの外周全域を検査することができる。
【0011】
本発明としては、前記円弧型の照明手段の他に、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射するスポット型の照明手段を備え、上記円弧型の照明手段と上記スポット型の照明手段とを切り替えながら上記棒状ワークを上記撮像手段により撮像することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら金属製の棒状ワークを同じ撮像手段により撮像することにより、上記横疵は、スポット型の照明手段による照明を映し出すことができ、上記縦疵は、円弧型の照明手段により映し出すことができる。撮像手段は、同じものであるから、撮像条件は同じにできるとともに、撮像手段の数を増加する必要もない。
【0013】
本発明としては、前記撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段を備え、上記円弧型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像と、スポット型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像とを上記表示手段で同時に表示する。これにより両画像の疵の程度を数値化してこれを制御手段に入力して、運転時には搬送される棒状ワークの良否判定に使用され、異なる種類の疵を瞬時に見つけ出すことができるようになる。また、上記表示手段に異なる種類の疵を表示させて比較することができる。
【0014】
前記円弧型の照明手段の内側に沿うように、円弧型の照明手段の光源の光をその進行方向を所定の出射角度範囲に制御するルーバーフィルムが配されていることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、前記光線調節フィルムにより、複数の各光源が各々照射する光が金属製の棒状ワークに乱反射する光を制御することで(複数の各光源が照射する光が金属製のワークに対してその中心軸方向の光に限られるので)、光沢のある金属製の棒状ワークの疵等を鮮明に映し出すことができる。
【0016】
本発明としては、前記円弧型の照明手段は、固定板にLED素子が搭載されたもので、そのLED素子の発光表面側に前記ルーバーフィルムが貼着されており、これを円弧状に屈曲させて使用するものであることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、上記ルーバーフィルムを使用して円弧型の照明手段からの光を上記棒状ワークの中心軸に向けて照射することが容易に行われるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記撮像手段は円弧型の照明手段により照明された棒状ワークを撮像することにより、棒状ワークの外周に均等に照明が照射されて、棒状ワークの外周の疵等の検査が良好に行えるようになり従来発見することが難しかった疵等も発見できるようになる。したがって、上記従来の装置を利用するとスポット型の照明も撮像手段も多数必要になるところのこれらの数を減らすことができるとともに、円弧型の照明手段による照明によって、光沢のある金属製の棒状ワークの疵や打痕および汚れ等を鮮明にした状態で、大量の棒状ワークを高速で正確に外観検査することが可能になる。
【0019】
また、本発明の棒状ワークの外観検査方法によれば、上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら金属製の棒状ワークを撮像手段により撮像することにより、従来スポット型の照明手段による照明では明瞭に映し出すことができなかった上記縦疵等も明瞭に映し出すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態である金属製棒状ワークの外観検査装置の斜視図であり、図2は、外観検査装置を正面から見たときの断面図であり、図3は、外観検査装置の断面図であり、図4は斜視図であり、図5はワークの搬送状態の拡大正面図である。本実施の形態の金属製棒状ワークの検査装置1は、半導体素子の外部端子に使用される金属製のピン等の棒状ワークCを撮像手段S1〜S6により検査する外観検査装置であり、基台に、棒状ワークCを回転搬送しながら検査する第1と第2の検査用回転ディスクID1,ID2や棒状ワークCを供給するための円筒フィーダ(ボールフィーダ)F1や直進フィーダF2等が取り付けられている。検査対象である金属製の棒状ワークCは、長さが約3mmで、直径が約0.5mmの金めっき鋼線を検査することとする。
【0022】
本実施の形態は、第1と第2の回転インデクサID1,ID2による搬送過程において棒状ワークCの外周を撮影する撮像手段S1,S2,S3,S4,S5,S6と、撮像手段S1〜S6による撮像の際に照明を照射する円弧型の照明手段Reと、撮像手段S1〜S6による撮像の際に照明を照射するスポット型の照明手段Saと、撮像手段S1〜S6と撮像手段S1〜S6による撮像結果を表示する表示手段H(H1〜H4)と、検査結果に基づき選別する選別手段と、選別した棒状ワークCを収納する選別ボックス等を備える。
【0023】
円筒フィーダF1は、振動により大量に投入された棒状ワークCを外周壁面に順序よく整列させて、一つずつその排出口から直進フィーダF2に移動させる。直進フィーダF2は、円筒フィーダF1の排出口から取り出された棒状ワークCを振動させながら送り出すもので、円筒フィーダF1の排出口と連続された直線状の溝3が形成されており(図1)、この溝3から無振動中継台5の搬送溝5cへと棒状ワークCを送り出す。
【0024】
無振動中継台5は、直進フィーダF2と第1の回転インデクサID1との間に位置して直進フィーダF2から整列搬送される棒状ワークCを第1の回転インデクサID1のローラ側吸引孔7aに搬送する中継台である。無振動中継台5の上面に、棒状ワークCを搬送するV溝が形成されている。この無振動中継台5の先端5dは、第1の回転インデクサID1のほぼ時計の1時を示す位置に向けられている。
【0025】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、多数の棒状ワークCをその外周で回転搬送させるもので、第2の回転インデクサID2は、第1の回転インデクサID1の下方側において約40度位置をずらして配されている。このように第1の回転インデクサID1の真下ではなく、所定の角度(本実施の形態では約40度)位置をずらすことにより、撮像手段S4,S5,S6を第1の回転インデクサID1の下方側に配置させることができることと、回転搬送距離を短くすることと(斜めのS字状の軌跡を描き、回転搬送距離が短くなる)、後述する所定長の吸引用スリットr1,r2の長さをできるだけ短くして吸引するためである。
【0026】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、縦型配置による連続回転方式により回転する。第1の回転インデクサID1は、その中心に配される回転軸J1により時計の針の回転方向とは逆向きに回転する。第2の回転インデクサID2は、その中心に配される回転軸J2により時計の針の回転方向と同じ向きに回転する。そして、第1と第2の回転インデクサID1,ID2は、ギヤ機構KKを介して一つの駆動手段MMからの駆動力を得て同期駆動する(図1)。ギヤ機構(歯車機構)G1a,G1b,G2a,G2bは、図1と図3に示すように、第1と第2の回転インデクサID1,ID2の回転軸J1,J2が各々上方に配されるギヤG1aと下方に配されるギヤG1bと連結され、下方のギヤG1bは、駆動手段MMの駆動軸Maと連結されている。下方のギヤG1bは、上方のギヤG1aと各々の外周の歯車を歯合させて回転を伝達させて、又、この下方のギヤG1bの回転は、下方の第2の回転インデクサID2に伝達させるために中継するギヤG2bと連結され、伝達されている。中継するギヤG2bの上方には、これと対応する上方側の中継するギヤG2aが配されている。したがって、上下に位置する第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2とは、互いに逆向きの回転による同期駆動する構造になっている。ここで、本実施の形態では、第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、同じ大きさの円盤状を呈し、周速が同じであるが、これに限られるものではない。ただし、同じ大きさの円盤状を呈し、同期駆動させると、第1の回転インデクサID1での棒状ワークCの間隔は、第2の回転インデクサID2でもその間隔(ピッチ)を同じくして引き継がれる。なお、同期駆動の方式としては、本実施の形態のように、駆動手段を同じ一つの駆動手段MMとする方式もあれば、別々の駆動手段としても良い。
【0027】
第1の回転インデクサID1と第2の回転インデクサID2は、回転軸J1,J2の延長線上に取り付けられるサクションリングSra,Srbと、サクションリングSra,Srbの外周に取り付けられる外周溝ローラVa,Vbとから構成されている。外周溝ローラVa,Vbは、サクションリングSra,Srbよりも全体形状が一回り大きく、サクションリングSra,Srbと重ね合わせられる。外周溝ローラVa,Vbには、その外周全域に亘って外周溝v1,v2が形成されている。この外周溝v1,v2は、無振動中継台5の搬送溝5cに対応させたV字状のもので、この外周溝v1,v2の底部とローラ側吸引孔7,8と連結され、このローラ側吸引孔7,8は、サクションリングSra,Srbの吸引用スリットr1,r2と連結されている。そして、外周溝v1,v2の左右の上方端側は、斜めにカットされた傾斜面Vkが形成されている。金属製の棒状ワークCが半分以上外周溝u1,u2に隠れるとすると、撮像できない部分(図中の0度と180度付近)が生じるために、そのような部分の撮像も可能にするために上記傾斜面Vkが形成され、これにより少なくとも180度以上の外周表面の撮像が可能になっている。ローラ側吸引孔7,8は、等間隔、つまり所定角度間隔をおいて多数設けられ、所定長の吸引用スリットr1,r2と連結され、図示しない吸引手段である真空ポンプを介して接続されている。吸引用スリットr1,r2は、サクションリングSra,Srbの外周溝ローラVa,Vbとの重ね合わせ面において所定長の円弧状に形成されている。吸引用スリットr1,r2は、ローラ側吸引孔7,8と連結されるとともに、連結部Qを介して吸引手段である真空ポンプ(図示せず)と連結されている。
【0028】
第1の回転インデクサID1のサクションリングSraの吸引用スリットr1は、ほぼ半周上に設けられている。すなわち、ほぼ時計の1時の方向から左回転に7時の方向の半周上に設けられている。第2の回転インデクサID2のサクションリングSrbの吸引用スリットr2は、半周上よりもやや長く、ほぼ時計の1時の位置から8時の位置までの範囲として設けられ、送風通路A1〜A4が配される位置にまで及んでいる。したがって、第1と第2の回転インデクサID1,ID2に多数のローラ側吸引孔7,8が形成されているが、上記所定長の円弧状の吸引用スリットr1,r2の範囲にあるローラ側吸引孔7a,8aでなければ、棒状ワークCを吸引保持できない。そして、棒状ワークCは、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の位置から外れる位置にある第1の回転インデクサID1から第2の回転インデクサIDの時計の1時の位置でその外周溝v2とその位置のローラ側吸引孔8(8a)に受け渡され、時計の8時の位置まで搬送される。なお、図3と図5と図6中において、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の吸引力が働く位置のローラ側吸引孔7,8を符号7a,8aで示し、上記所定長の吸引用スリットr1,r2の位置から外れる位置のものを符号7b,8bで示している。
【0029】
撮像手段S1・・・S6は、第1の回転インデクサID1による搬送途中で撮影する撮像手段S1〜S3と、第2の回転インデクサID2の搬送途中で撮影する撮像手段S4〜S6とが配置されている。撮像手段S1・・・S6は、円弧型の照明手段Reによる照明を棒状ワークCに照射しながら撮像する。撮像手段S1〜S6は、図6に示すように、固定ブラケットBK2の先端側に、プリズム、LED等のスポット型の照明装置Saが配され、固定ブラケットBK2の後方側に高感度カメラ(CCDカメラ)Scが配された照明装置付きもので、図示しない光センサ(トリガーセンサ)が、棒状ワークCが所定の位置を通過したことを検知して、その信号を制御手段Paに送り、撮像動作が行われる。照明装置Saは、光源Sdと光ファイバーSbと連結され、光ファイバーSbが連結される固定ガイドBK1と固定ブラケットBK2の間には、鏡筒(拡大レンズ等)Sgが配されている。
【0030】
撮像手段S1〜S3は、第1の回転インデクサID1の搬送途中の棒状ワークCが外周溝から露出した部分(表側の180度の面)Caを撮像するもので、上記円弧型の照明手段Reとは位置をずらした位置で棒状ワークCの外周円上に複数配設されている(図7、図9)。本実施の形態では、上記撮像手段S1〜S3は、円弧型の照明手段Reと位置をずらした斜め上方から撮像する配置であり、上記撮像手段S1〜S3は各々60度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配されている。一方、撮像手段S4〜S6は、第2の回転インデクサID2の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v1から露出した部分(裏側の180度の面)Cbを撮像するもので、上記円弧型の照明手段Reとは位置をずらした位置で棒状ワークCの外周円上に複数配設されている。本実施の形態では、上記撮像手段S4〜S6は、円弧型の照明手段Reと位置をずらした斜め上方から撮像する配置であり、上記撮像手段S4〜S6は各々60度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配されている。すなわち、上記撮像手段S1〜S6は、棒状ワークCの軸に向かうように配置されている。なお、棒状ワークCの前後両端面は撮像されないが、棒状ワークCの前後端面を撮像する場合は、上記スポット型の照明装置Saとともに上記撮像手段S1〜S6をその方向に向けて配置すれば良い。
【0031】
円弧型の照明手段Reは、光源としてのLED照明a2が等間隔で円弧状に配されたもので、その円弧の中心軸方向は、棒状ワークCの軸中心と一致するように配置されている(図9〜図12)。円弧型の照明手段Reでは、少なくとも180度の円弧形状を呈する必要があり、本実施の形態では200度〜240度に設けられている。仮に180度までの範囲に止めると、図9(a)中の0度あたりからこれよりも前の部分θ1と、180を越えた部分θ2に対して光源a2からの光が十分に照射されないことを考慮したものである。図10に示す例では、撮像手段S11〜S17が各々30度の間隔で棒状ワークCの外周円上に配され、第1の回転インデクサID1の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v1から露出した部分(表側の180度の面)Caを撮像し、一方、撮像手段S18〜S24が第2の回転インデクサID2の搬送途中の棒状ワークCが外周溝v2から露出した部分(裏側の180度の残りの面)Cbを撮像する。図10に示す例では、撮像手段S11とSS17の位置と撮像手段S18とS24の位置が重複するが、棒状ワークCの0度付近と180度付近は影を生じさせることなく撮像することが難しいために、上記の二重の撮像手段(S11、S17、S18、S24)で二重に撮像することとしている。
【0032】
円弧型の照明手段Reは、固定板a1の一方側の面(LED素子a2の発光表面側)に、拡散板(拡大板)a3を介してルーバーフィルムafが貼着されている。ルーバーフィルムafは、図13に示すように、黒色不透明の複数のルーバーabが平行に配置され、このルーバーab相互間を透明板acがこれを区切るように配されている。本実施の形態の固定板a1は、図12に示すように、円弧状に屈曲可能なものであり、上記ルーバーabは、円弧の中心軸方向、つまり搬送される棒状ワークCの軸中心Caに向かって配置される。なお、もともと円弧状の固定板a1にLED照明a2が等間隔で配されたものを使用して、これにルーバーフィルムafを貼着させることも可能である。この場合は、ルーバーabを棒状ワークCの軸中心に向かって配置させることが難しいが、上記方法によれば棒状ワークCの軸中心Caに対する角度も容易に得られるとともに、軸中心Caに合わせることで種々の棒状ワークCの大きさにも一つで対応可能である。固定板a1の左右端部には、連結板a7が取り付けられ、基台の所定箇所と連結されるようになっている(図7)。したがって、光源から照射した光は、固定板a1の一方側の面に拡散板a3を介して貼着させたルーバーフィルムafを通過して棒状ワークCを照射することとなるので(撮像に必要な軸中心Caに向かう光のみが通過する)、複数の光源a2からの光が棒状ワークCに乱反射して撮像状態を悪くする事態(ハレーションを起こす。:白光する。:光暈)を防止する。
【0033】
各表示手段H1〜H4は、撮像手段S1〜S6による撮像結果と、良品、不良品等の結果を表示するものであり、円弧型の照明手段Reを介して撮像される撮像手段S1〜S6が取り込んだ画像を表示する領域H1,H3と、スポット型の照明手段Saを介して撮像される撮像手段S1〜S6が取り込んだ画像を表示する領域H2,H4とが設けられている(図9、図14)。領域H1とH2が第1の回転インデクサID1によるものであり、領域H3とH4が第2の回転インデクサID2によるものである。撮像手段S1〜S6は、円弧型の照明手段Reを介した撮像とスポット型の照明手段Saを介した撮像とをタイミングをずらして行うことで、表示手段Hにこれら両方の撮像結果を領域H1〜H4に同時に表示する。これにより、同一箇所に上記縦疵と横疵があったとしても、これを見逃すことがなくなる。これらの制御は、上記制御手段Paで行われる。そして、上記表示手段H1〜H4で、上記円弧型の照明手段Reで照射しながら撮像手段S1〜S6で撮像した画像と、スポット型の照明手段Saで照射しながら撮像手段S1〜S6で撮像した画像とを同時に表示し、これにより疵の程度を数値化してこれを制御手段Paに入力して、運転時には搬送される棒状ワークCの良否判定に使用されることが好ましい。すなわち、まず、最初の設定は、上記横疵と縦疵との疵の程度をともに表示手段H1〜H4に映し出す。この画像をオペレータが目視で判断して、これを数値化して制御手段Paに入力する。詳しくは、画像を数ブロックに分割し、各ブロック毎に疵の程度を目視判断で数値化し、ある程度以下ならば良品であり、ある数値を超えると不良品とする値を決定する。このブロック毎の値を制御手段Paに入力すると、制御手段Pa内の良否判断プログラムに取り入れられる。そのため、運転時には、各ワークの横疵と縦疵が撮像されて数値化され、瞬時に制御手段Paにより良否判断が行われる。そして、良品と不良品に選別される。また、表示手段Hの下方には、検査結果が良品であるか、不良品であるか、再検査品であるか、検査不可能品であるかの検査結果も表示されるようになっている。なお、図示しないが、良品サンプルを映し出す領域も設けられ、良品サンプルとの比較も可能になっている。
【0034】
上記撮像手段S1〜S6や照明手段Re,Saは、制御手段Paとしてのコンピュータと連結され、照明手段Re,Saは、制御手段Paからの指令を受けて、照明手段Re,Saの照明をON、OFFする(図9)。そして、制御手段Paにより、撮像手段S1〜S6が上記円弧型の照明手段Reとスポット型の照明手段Saとを切り替えることにより、同じ撮像手段S1〜S6で異なる照明手段Re,Saを介して撮像する。これにより、撮像手段S1〜S6の数を減少させることができるとともに、同じ撮像条件での検査が可能になる。
【0035】
第2の回転インデクサID2の下方側には、上記ローラ側吸引孔8aから棒状ワークCを取り出すための送風通路A1〜A4が設けられ、これら送風通路A1〜A4は、連結部Pを介して送風手段(図示せず)と連結されている(図1〜図3)。6時の位置から8時の位置にかけての第2の回転インデクサIDの外周位置には、排出側ブラケット21が取り付けられている。排出側ブラケット21には、外周溝v2から取り出して選別ボックス(図示せず)に連結される複数の排出口28が設けられるとともに、排出されたことを検知するとともに個数をカウントする光センサ27が取り付けられている(図3)。本実施の形態では、良品と、再検査品と検査不可能品との選別と、これらいずれでもないものが最終的にすべて排出されるようになっている。このように選別排出された棒状ワークCは、各々の選別ボックス(図示せず)に排出口28を介して収納される。排出側では、吸引手段による吸引よりも送風通路A1〜A4によってエアーを強く送風し、外周溝v2のローラ側吸引孔8(8a)から棒状ワークCを離脱させる。
【0036】
次に、本実施の形態の外観検査装置1を実際に使用して棒状ワークCの外観検査する場合の動作について説明する。
【0037】
円筒フィーダF1内の金属製の棒状ワークCは、直進フィーダF2に向けて振動されながら送られ、直進フィーダF2はその棒状ワークCを受け取り直進方向、つまり無振動中継台5の搬送溝5cに向けて搬送される(図1、図4)。このとき、棒状ワークCは、直進フィーダF2の棒状ワークCの群に押されて振動されながら搬送されてくるが、無振動中継台5の位置に至ると、無振動中継台5の搬送溝5cに沿って棒状ワークCが搬送される。無振動中継台5では、棒状ワークCは、間隔をおいて搬送されたり、繋がり合うように連結して搬送されたりする。しかし、本実施の形態では、無振動中継台5を搬送される速度よりも第1の回転インデクサID1の速度が速く設定されて、棒状ワークCが連続して搬送されてきても、一つずつ切り離される。また、搬送溝5cの先端5dは、第1の回転インデクサID1のほぼ1時の位置(最上方位置よりもやや低い位置)の外周溝v1に向けられているので、V字状の溝を有する搬送溝5cに対応する外周溝v1に収納されるとき、一旦持ち上げられるようになって、順次外周溝v1に収納される。ほぼ時計の1時の位置のローラ側吸引孔7(7a)は、吸引用スリットr1が形成される範囲にあり、外周溝v1に収納されるとき、上記ローラ側吸引孔7(7a)により吸引される。
【0038】
このようにほぼ時計の1時の位置でローラ側吸引孔7aに吸引された棒状ワークCは、第1の回転インデクサID1の外周溝v1に沿って搬送されて、その搬送過程で撮像手段S1〜S3によりその外周面が撮像される。本実施の形態では、所定間隔(60度間隔)の撮像手段S1〜S3により棒状ワークCの外周表面の外周溝v1から露出した部分Caが撮像される(図9(a))。すなわち、まず円弧型の照明手段Reによる照明により棒状ワークCの外周溝v1から露出した外周表面Caが撮像され、次にタイミングをずらして、スポット型の照明手段Saにより棒状ワークCの外周溝v1から露出した同じ外周表面Caが撮像される。これらの撮像が行われると、その結果が表示手段Hに二段の領域H1,H2に各々映し出され、制御手段Paにより良否判定が行われる。
【0039】
撮像手段S1〜S3により撮像された後は、第1の回転インデクサID1の時計の7時の位置で第2の回転インデクサID2のローラ側吸引孔8(8a)に受け渡される。第1の回転インデクサID1の時計の7時の位置、すなわち、第2の回転インデクサID1の時計のほぼ1時の位置では、第1の回転インデクサID1の所定長の吸引スリットr1の位置から外れ、他方、第2の回転インデクサID2の所定長の吸引用スリットr2の位置にあるローラ側吸引孔8(8a)に受け渡される(図5)。第1と第2の回転インデクサID1,ID2とは同期駆動しているので、棒状ワークCの受け渡しも確実に行われる。
【0040】
第2の回転インデクサID2の回転により、棒状ワークCが搬送されると、時計の3時の位置で棒状ワークCの残りの他方側表面(第1の回転インデクサID1では外周溝v1に隠れた部分)Cbが撮像手段S4〜S6により撮像される(図9(b))。本実施の形態では、60度間隔の撮像手段S4〜S6により、まず円弧型の照明手段Reによる照明により棒状ワークCの外周溝v2から露出した外周表面(残りの部分)Cbが撮像され、次にタイミングをずらして、スポット型の照明手段Saにより棒状ワークCの外周溝v2から露出した外周表面Cbが撮像される。この残りの外周Cbの撮像が行われると、その結果が表示手段Hに二段の領域H3,H4に各々映し出される。その結果、棒状ワークCのほぼ全周CaとCbが撮像されると、その撮像結果は、制御部Paで蓄積データと照合されて、良品であるか、不良品であるか、更には再検査品であるか検査不可能品であるか等の選別が行われる。
【0041】
撮像手段S1〜S6による撮像が終了して上記選別が行われ、時計の6時から8時の位置にある排出側に回転搬送されると、上記外観検査結果に基づき、この排出側では、吸引手段による吸引よりも送風通路A1〜A4によるエアーを強く送りローラ側吸引孔8aから棒状ワークCを離脱させ、排出口28を介して選別ボックス(図示せず)に収納される。このように、棒状ワークCは、無振動中継台5の先端側から斜めのS字曲線を描くように回転搬送されながら撮像されて、排出口28を介して選別ボックス(図示せず)に収納される。
【0042】
ここで、本実施の形態としては、図8に示すように、上記各実施の形態の第1と第2の回転インデクサID1,ID2の外周溝u1,u2は、棒状ワークCの下面側の形状に対応させて断面U字状に形成したものとしても良い。そして、断面U字状の左右の上方端側は、斜めにカットされた傾斜面Ukが形成されている。金属製の棒状ワークCが半分以上外周溝u1,u2に隠れるとすると、撮像できない部分(図中の0度と180度付近)が生じるために、そのような部分の撮像も可能にするために上記傾斜面Ukが形成されている。
【0043】
また、本実施の形態としては、図10と図11に示すように、撮像手段S11〜S24が配置され、30度の間隔で配置された棒状ワークの外観検査装置1とすることができる。すなわち、本実施の形態の撮像手段S11〜S24のうちの二つの撮像手段S11とS18、S17とS24は、上記外周溝v1,v2の左右の上方端部を0度とすると、0度と180度の位置に重複して配されている。なお、外周溝v1,v2は、V字状のほか、U字状等であっても良く、上記円弧状の照明手段Reは、180度以上の円弧として形成して、上記棒状ワークCの0度と180度の位置の撮像が良好に行えるようになっている。
【0044】
(実施例1)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵(棒状ワークの軸方向と直交する方向の疵)を付けて、上記撮像手段S1〜S6が60度間隔で配された第1の実施の形態の外観検査装置1により検査した。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0045】
(実施例2)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段S11〜S24が30度間隔で配された外観検査装置1により検査した。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0046】
(比較例1)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段が60度間隔で配され、複数の光源が配された円弧型の照明手段は180度の半径のもので外観検査を行った。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0047】
(比較例2)
直径0.5mmで長さが3mmの金めっき鋼線である棒状ワークCに縦疵を付けて、上記撮像手段が30度間隔で配され、複数の光源が配された円弧型の照明手段は180度の半径のもので外観検査を行った。表示手段による表示方法は実施例1と同じである。そして、上記0度と180度の位置にある上記縦疵を問題として、これが明瞭に外観検査できるか観察した。
【0048】
(比較例3)
上記実施例1において、ルーバーフィルムAfを配さない点のみ異なるものを比較例3とした。
【0049】
以上の結果、上記0度又は180度付近の位置の縦疵を観察できた数が最も多かったのは、実施例2であり、その次ぎに実施例1が続いた。ここで、実施例2では、第1の回転ディスクID1での0度と180度の位置の撮像手段S11とS17では発見出来なかった縦疵が第2の回転ディスクID2での0度と180度の位置の撮像手段S18とS24では発見できる場合があった。実施例1の次ぎに続いたものは、比較例3であった。比較例1と2では、上記0度又は180度の位置の縦疵を観察できた数はほとんどなかった。
【0050】
以上、本実施の形態では、金属製の細線であるワイヤボンディングに使用される棒状ワークCを例に説明したが、円筒形状の棒状ワークであれば、これよりも大きな例えばシリンダーシャフトやモータシャフト等の筒状の外観検査も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施の形態の金属製棒状ワークの外観検査装置の主要機構を示す斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの正面側から見た断面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの側面側から見た断面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の第1の回転インデクサを正面側から見た一部拡大断面図である。
【図5】上記第1の実施の形態の第1と第2の回転インデクサの正面側から見た側面図である。
【図6】上記第1の実施の形態の照明装置付きの撮像手段を説明する図である。
【図7】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す斜視図である。
【図8】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す斜視図である。
【図9】上記第1の実施の形態の撮像装置の配置例を示す正面図である。
【図10】上記実施の形態の撮像装置の配置例を示す正面図である。
【図11】上記第1の実施の形態の撮像装置と円弧型の照明手段の例を示す断面図である。
【図12】上記第1の実施の形態の円弧型の照明手段を示す断面図である。
【図13】上記第1の実施の形態のルーバーフィルムを説明する断面図である。
【図14】上記第1の実施の形態の表示装置の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 棒状ワークの外観検査装置、
C 棒状ワーク、
Ca 棒状ワークの外周溝から露出した部分、
Cb 棒状ワークの外周溝から露出した部分、
ID1 第1の回転インデクサ、
ID2 第2の回転インデクサ、
S1〜S6,S11〜S24 撮像手段、
H 表示手段、H1〜H4 表示する領域、
a1 固定板、a2 光源(LED照明)、a3 拡散板、
af ルーバーフィルム、ab ルーバー、ac 透明板、
Pa 制御手段、
Re 円弧型の照明手段、Sa スポット型の照明手段、
Vb 外周溝ローラ、
v1,v2,u1,u2 外周溝、Vk,Uk 傾斜面、
7,8 ローラ側吸引孔、Sra,Srb サクションリング、
r1,r2 吸引用スリット、
A1〜A4 送風通路、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う金属製棒状ワークの外観検査方法において、
供給された上記棒状ワークを回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサから引き継いで回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、
第1の回転インデクサの外周に形成された外周溝に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサの外周に形成された外周溝に棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる状態で収納し、
上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする棒状ワークの外観検査方法。
【請求項2】
前記円弧型の照明手段の他に、前記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において前記棒状ワークに照明を照射するスポット型の照明手段を備え、
上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら前記棒状ワークを前記撮像手段により撮像することを特徴とする請求項1記載の棒状ワークの外観検査方法。
【請求項3】
前記撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段を備え、
前記円弧型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像と、前記スポット型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像とを上記表示手段で同時に表示することを特徴とする請求項2記載の棒状ワークの外観検査方法。
【請求項4】
金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う棒状ワークの外観検査装置において、
上記棒状ワークを供給する供給手段と、供給された棒状ワークを回転搬送する縦型配置の第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に縦型配置され回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、
第1の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる外周溝が形成され、第2の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる外周溝が形成され、
上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする棒状ワークの外観検査装置。
【請求項5】
前記円弧型の照明手段の内側に、当該円弧型の照明手段の光源の光をその進行方向を所定の出射角度範囲に制御するルーバーフィルムが配されていることを特徴とする請求項4記載の棒状ワークの外観検査装置。
【請求項6】
前記円弧型の照明手段は、固定板にLED素子が搭載されたもので、そのLED素子の発光表面側に前記ルーバーフィルムが貼着されており、これを円弧状に屈曲させて使用するものであることを特徴とする請求項5記載の棒状ワークの外観検査装置。
【請求項1】
金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う金属製棒状ワークの外観検査方法において、
供給された上記棒状ワークを回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサから引き継いで回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、
第1の回転インデクサの外周に形成された外周溝に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる状態で収納し、第2の回転インデクサの外周に形成された外周溝に棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる状態で収納し、
上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする棒状ワークの外観検査方法。
【請求項2】
前記円弧型の照明手段の他に、前記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において前記棒状ワークに照明を照射するスポット型の照明手段を備え、
上記円弧型の照明手段とスポット型の照明手段とを切り替えながら前記棒状ワークを前記撮像手段により撮像することを特徴とする請求項1記載の棒状ワークの外観検査方法。
【請求項3】
前記撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段を備え、
前記円弧型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像と、前記スポット型の照明手段で照射しながら撮像手段で撮像した画像とを上記表示手段で同時に表示することを特徴とする請求項2記載の棒状ワークの外観検査方法。
【請求項4】
金属製の棒状ワークを照明手段を介して撮像手段により撮像して、当該棒状ワークの外観検査を行う棒状ワークの外観検査装置において、
上記棒状ワークを供給する供給手段と、供給された棒状ワークを回転搬送する縦型配置の第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に縦型配置され回転搬送する第2の回転インデクサと、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において上記棒状ワークに照明を照射する照明手段と、上記第1と第2の回転インデクサによる搬送過程において棒状ワークを撮影する撮像手段とを備え、
第1の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの外周表面の少なくとも半分を露出させる外周溝が形成され、第2の回転インデクサの外周に上記棒状ワークの少なくとも残りの外周表面を露出させる外周溝が形成され、
上記照明手段を上記棒状ワークの露出表面を囲むように複数の光源が配される円弧型の照明手段として配して、この円弧型の照明手段による照明を介して第1と第2の回転インデクサの外周溝に収納された上記棒状ワークを撮像手段により撮像することを特徴とする棒状ワークの外観検査装置。
【請求項5】
前記円弧型の照明手段の内側に、当該円弧型の照明手段の光源の光をその進行方向を所定の出射角度範囲に制御するルーバーフィルムが配されていることを特徴とする請求項4記載の棒状ワークの外観検査装置。
【請求項6】
前記円弧型の照明手段は、固定板にLED素子が搭載されたもので、そのLED素子の発光表面側に前記ルーバーフィルムが貼着されており、これを円弧状に屈曲させて使用するものであることを特徴とする請求項5記載の棒状ワークの外観検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
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【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−139232(P2009−139232A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316149(P2007−316149)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000147774)株式会社石川製作所 (36)
【出願人】(596044169)英光産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000147774)株式会社石川製作所 (36)
【出願人】(596044169)英光産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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