説明

錠剤の形状及び組成の連続検査装置

【課題】砕け易い錠剤を用いた場合であっても、錠剤を破損させることなく、高速で錠剤を計数することができ、しかも、大量の錠剤におけるそれぞれの錠剤の形状及び組成の検査を行うことができる、錠剤の形状及び組成の連続検査装置を提供する。
【解決手段】斜めに傾けた回転円盤(2) の最下端部位に錠剤供給部(6) を配設し、回転円盤(2) の下降回転側に、一度に大量の錠剤を排出できる錠剤排出部(9) を 配設する。錠剤供給部(6) と錠剤排出部(9) との間に、検査ステージ(7) を配設する。回転円盤(2) の径方向に複数配設して形成した錠剤保持孔(4a)を、回転円盤(2) の外周縁側に沿って複数配設する。そして錠剤保持孔(4a)を、回転円盤(2) の周方向において等間隔に配した複数のブロック(B) 単位に区分けし、各ブロック単位内には同じ個数の錠剤保持孔(4a)を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砕け易い錠剤を高速で計数しつつ、同時に錠剤の形状及び組成の検査を単一の検査装置で効率的に行える、錠剤の形状及び組成の連続検査装置に関するものである。また、連続検査装置を構成する部品の交換や、連続検査装置の清掃、補修を容易に行うことのできる錠剤の形状及び組成の連続検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から錠剤と言われている製品は、粉末薬剤をプレス装置で硬く締め上げて製造された製品が殆どであった。そして、このようにして製造された錠剤の外形検査装置としては、一般に、ローラドラム受渡し式の所謂計数機を改良した外形検査装置が数多く用いられていた。
【0003】
この種のローラドラム受渡し式の外形検査装置としては、特許文献1に開示されているような「錠剤の表裏面検査装置及び外観検査装置」などが提案されている。特許文献1に記載された「錠剤の表裏面検査装置及び外観検査装置」(以下では、特許文献1の外観検査装置という。)を、本発明の従来例1として、図11には、特許文献1の外観検査装置における表面検査ドラムと裏面検査ドラムとの間での、錠剤の受渡し状態を示した断面図を記載している。
【0004】
図11に示すように、表面検査ドラム50及び裏面検査ドラム60は、いずれも内筒51,61の外周面を内包して、外筒52,62が回転可能となるように構成されている。そして、表面検査ドラム50の外筒52は、内筒51の外周に沿って図11の反時計回り方向に、定速で連続回転するように構成されており、裏面検査ドラム60の外筒62は、内筒61の外周に沿って図11の時計回り方向に、定速で連続回転するように構成されている。
【0005】
内筒51,61には、錠剤の搬送領域とほぼ一致する約半周部分の領域に、周方向に沿った貫通溝53,63が形成されている。また、外筒52,62の外周面には、複数の吸引溝54,64が周方向に沿って形成されていると共に、吸引溝54,64内には、内筒51,61の貫通溝53,63に連通した多数の吸引孔55,65が、周方向に沿って連設されている。そして、各吸引溝54,64の両側縁部に沿って、断面T字状のゴムリング56,66が、吸引孔55,65を挟んだ状態に装着されている。
【0006】
内筒51,61内は、常時吸引されて減圧状態にされており、錠剤の搬送領域内では、貫通溝53,63を通り、外筒52,62の吸引孔55,65を介して各吸引溝54,64内が負圧状態となるように構成されている。そして、錠剤t は、負圧状態にされた各吸引溝54,64の両側縁部のゴムリング56,66間に跨った状態で、吸着搬送されることになる。
【0007】
表面検査ドラム50内の最下部には、噴射ノズル57が配設されており、表面検査ドラム50内の最下部まで搬送されてきた錠剤t は、噴射ノズル57から噴射された圧搾空気によって、表面検査ドラム50から裏面検査ドラム60へと受渡されることになる。
即ち、錠剤t は一旦、表面検査ドラム50のゴムリング56と裏面検査ドラム60のゴムリング66との間に挟まれた状態となり、この時、表面検査ドラム50の内側に配設された噴出ノズル57から噴射される圧搾空気によって、錠剤t は、表面検査ドラム50との吸着状態から裏面検査ドラム60との吸着状態に移行して、表面検査ドラム50から裏面検査ドラム60へと受渡される。
【0008】
ローラドラム受渡し式の外形検査装置としては、特許文献1に記載されているような吸引溝54,64を設ける代わりに、錠剤を吸引保持する錠剤保持ポケットをローラドラムの外周面における周方向に沿い点在させて配設した構成(例えば、特許文献2参照。)なども採用されている。
【0009】
特許文献2に記載されているような、錠剤保持ポケットをローラドラムの外周面に設けた構成においても、一方の検査ドラムから他方の検査ドラムへ錠剤の受渡しを行う構成としては、次のような構成が採用されている。即ち、錠剤の受渡し時に、一方の検査ドラムにおける錠剤保持ポケットの吸引を解除すると共に、他方の検査ドラムの錠剤保持ポケットにおける吸引力を用いて錠剤の受渡しを行う構成や、一方の検査ドラムに設けた噴出ノズルを用いて、他方の検査ドラムへの錠剤の受渡しを行う構成などが採用されている。
【0010】
また、錠剤の外形検査装置としては、ローラドラム受渡し式の外形検査装置を用いる代わりに、検査用回転円盤を用いた錠剤のカケ・バリ検査装置(特許文献3参照。)が提案されている。特許文献3に記載されたカケ・バリ検査装置を、本発明の従来例2として、図12には、カケ・バリ検査装置の要部平面図を示している。
【0011】
図12に示すように、水平方向に対して傾斜させた検査用円盤70は、図示せぬ間欠回転駆動機構によって、図12の反時計回り方向に、間欠回転可能に構成されている。即ち、図12では、検査用円盤70の下端部が手前側に配され、上端部が図12の紙面から紙面の裏面側に離れる方向に傾いて配設されている。
【0012】
検査用円盤70の外周には、1列に並べられた多数の検査ポケット70a が形成されている。検査用ポケット70a 部は、検査用円盤70の下面に配した台板74上に乗載支持されている。また、検査用ポケット70a が間欠移動を行う搬送経路中には、良品錠剤を回収する良品回収箱への開口75を開閉する円板72と、不良錠を回収する不良品回収箱への開口を開閉する塞板76とが設けられている。
【0013】
傾斜させた検査用円盤70の少なくとも傾斜下端側の外周を取り囲む形で、ホッパー構造の錠剤溜り73が形成されている。そして、検査用円盤70を間欠回転させながら、錠剤溜り73内を通過させることで、錠剤溜り73内に溜められている錠剤を検査ポケット70a 内に、個別に導入していくことができる。
【0014】
検査用円盤70の傾斜上端部には、検査ステーション71が設けられており、検査ステーション71には、CCD カメラ77が配設されている。CCD カメラ77で錠剤の表面形状を撮影すると、検査ステーション71では、検査用円盤70の裏面側に配した図示せぬ錠剤反転装置が作動して、錠剤を表裏反転させる。そして、裏面側を上方に向けた錠剤の裏面形状を、CCD カメラ77で再び撮影できるように構成されている。
【0015】
検査ステーション71で良品錠剤と判断されたときには、円板72によって開口75を開いて、良品回収箱内に良品錠剤を回収することができる。また、検査ステーション71で不良品錠剤と判断されたときには、円板72によって開口75を閉じると共に、塞板76を作動させて、不良錠剤を不良品回収箱内に排出させる構成となっている。
【特許文献1】特開2008−3102号公報
【特許文献2】特開平11−301601号公報
【特許文献3】特開平11−137641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、ローラドラム受渡し式の外形検査装置では、検査ドラム間において錠剤の受渡しを行わなければならず、しかも、錠剤の受渡しを行うには、圧搾空気によって錠剤を飛ばすことで受渡しを行うか、受渡し側における検査ドラムでの吸引状態を解除して、受渡し先における検査ドラムでの吸引により、錠剤の受渡しを行うことになる。
【0017】
そのため、錠剤の受渡しを行う際には、錠剤に対して大きな衝撃が加わることになる。ところで、近年において、錠剤飲下時における窒息事故を防ぐ目的で、小児や老人に処方される錠剤を、砕け易い錠剤としておくことが求められている。
【0018】
そして、ローラドラム受渡し式の外形検査装置では、上述したように錠剤の受渡しを行う際に、錠剤に対して大きな衝撃が加わってしまうことになる。そのため、軟質で砕け易い性質を備えた錠剤に対しては、ローラドラム受渡し式である計数装置や外形検査装置をそのまま用いることには、問題が生じていた。
【0019】
また、ローラドラム受渡し式である外形検査装置では、装置の構成上、錠剤の上部表面に関しての検査しか行うことができなかった。しかも、寸法形状の異なる錠剤に対して、計数の計測や外形検査を行うためには、その都度、検査ドラムの交換を行わなければならなかった。
【0020】
そして、検査ドラムの交換を行う場合であっても、交換した検査ドラムが偏芯回転を行わないように、回転軸の軸芯合わせを行って回転ブレの修正や、検査ドラム間での同期回転調整等を行わなければならず、交換後の検査ドラムの調整には、時間と手間とを大いにかけなければならなかった。
また、検査ドラムの重量が重いため、検査ドラムの交換作業には長時間を要していた。更に、検査ドラムや検査ドラム間に対する清掃作業も、厄介で手間を要するものであった。
【0021】
一方、特許文献3に記載された検査装置では、搬送に関しては軟質で砕け易い性質を備えた錠剤に対しても、好適に適用することができる。しかし、検査ステーション71において錠剤の表裏を反転させる錠剤反転装置が設けられているので、錠剤反転装置を用いて錠剤の表裏面を反転させるときには、軟質で砕け易い性質を備えた錠剤では錠剤反転装置によって破損等が発生してしまう危険性が高かった。
【0022】
更に、検査ステーション71において錠剤の表裏を反転させる錠剤反転装置が設けられている関係から、検査用円盤70の外周には、周方向に沿って1列に並べられた検査ポケット70a が形成されている構成となっている。しかも、検査ポケット70a を錠剤溜り73内を通過させるだけで、錠剤溜り73内に溜められている錠剤を検査ポケット70a 内に導入する構成となっている。
【0023】
この構成によって、錠剤は1個づつでしか検査されないことになる。しかも、検査ポケット70a が錠剤溜り73内を通過しても、検査ポケット70a 内に錠剤が導入されていない場合が存在してしまうことになる。そのため、検査ポケット70a 内での錠剤の有無を検出できるように、錠剤有無センサ78が、検査ステーション71の上流側に配設されている。
【0024】
また、検査ポケット70a が錠剤溜り73内を通過するだけで、できるだけ錠剤を全ての検査ポケット70a 内に導入できるようにするため、ホッパー構造の錠剤溜り73の構成を搬送経路に沿って長く構成しておくことが必要であった。そのため、検査用円盤70の外周縁において、検査ステーション71を構成する領域が狭くなり、検査ステーション71に設置できるカメラの個数も制限されていた。
【0025】
このような構成となっているため、検査用円盤70を用いた錠剤の検査には、長時間を要することになり、高速で多量の錠剤を検査する作業には不向きな装置となっていた。また、軟質で砕け易い性質を備えた錠剤に対しては、錠剤の表面側だけしか検査することができなかった。
【0026】
本発明はかかる従来の課題を解決すべくなされたものであり、砕け易い錠剤を用いた場合であっても、錠剤を破損させることなく、高速で錠剤を計数することができ、しかも、大量の錠剤におけるそれぞれの錠剤の形状及び組成の検査を、単一の検査装置で効率的に行うことができる、錠剤の形状及び組成の連続検査装置を提供することにある。その上更に、連続検査装置を構成する部品の交換や、連続検査装置の清掃、補修等を容易に行うことのできる錠剤の形状及び組成の連続検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の課題は、請求項1〜5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、錠剤供給部と、前記錠剤供給部から供給された多数の錠剤を多列に形成した錠剤保持孔内に導入して整列状態で搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送経路に配設され、前記錠剤保持孔内に収納された前記各錠剤の外形形状及び組成を検出する検査ステージと、前記搬送部の搬送経路における前記検査ステージの下流側に配設され、前記錠剤保持孔内に収納されている前記各錠剤を排出する錠剤排出部とを備えた錠剤の形状及び組成の連続検査装置であって、
前記搬送部は、盤面を斜め上方に向けて傾斜させた回転円盤を備え、
前記回転円盤は、同回転円盤の中心を通る法線を回転中心として、回転可能に設けられ、
前記回転円盤の外周側表面には、複数の錠剤を保持する錠剤保持孔が形成され、
前記錠剤保持孔は、前記回転円盤の周方向に等間隔に配した複数のブロック単位に区分けされ、各ブロック内に同じ個数からなる貫通孔から構成され、
前記回転円盤とは別体に構成され、前記各錠剤保持孔の下端開口を塞ぐ支持板が、前記回転円盤の外周縁側の下面を覆う平滑な環状面として不動に配設され、
前記錠剤排出部に配される支持板部は、前記ブロック内の前記錠剤保持孔内に収納されている錠剤を、一斉に排出落下させる可動シャッタ板として構成され、
前記錠剤供給部は、盤面を傾斜させた前記回転円盤の最下端の部位に配設されてなり、 前記錠剤排出部は、盤面を傾斜させた前記回転円盤の回転搬送方向における下降回転側の部位に配設されてなることを最も主要な特徴となしている。
【0028】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記検査ステージにおける前記支持板は、透明な支持板から構成され、前記検査ステージには、前記径方向に配設した各錠剤保持孔内に収納されている錠剤の形状と組成とをそれぞれ検出するカメラ及び前記錠剤に対して陰影を生じさせない光源が配設されている。
【0029】
また、本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、前記回転円盤は、円盤本体部と前記錠剤保持孔が形成された検査プレートとを有し、前記円盤本体部は、前記回転円盤に対しての回転制御を行う駆動源に接続され、前記検査プレートは、前記円盤本体部の外周縁側に着脱可能で固定自在の環状プレートとして構成されてなることを主要な特徴となしている。
【0030】
更に、本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、前記検査プレートは、透明なプレートとして構成され、前記検査プレートに形成された前記各錠剤保持孔の周囲には、同錠剤保持孔内に収納されている錠剤の側面を前記検査プレートの上面側又は下面側に映し出す反射手段が配設されてなることを主要な特徴となしている。
【0031】
更にまた、本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、前記反射手段が、環状に配されたプリズムであることを主要な特徴となしている。
【0032】
また、本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、前記錠剤供給部は、多数の錠剤を収納するホッパーと、前記ホッパーからの錠剤を前記回転円盤の回転方向に沿って滑らかに落下させるシュートと、前記シュートの下流側において前記回転円盤の異なる径方向に沿ってそれぞれ延設され、上部から吊り下げられた複数のガイド片と、前記複数のガイド片が配設された領域に設けられ、前記シュートから供給された錠剤を前記回転円盤の周方向に沿って導きながら、前記径方向に沿って形成した各錠剤保持孔に導く複数のガイド条とを有し、
前記複数のガイド片は、前記シュートから離れる位置に配される毎に、前記ガイド条の上面と前記ガイド片の下端縁との間隔が、狭くなるように構成されてなることを主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0033】
本発明の錠剤の形状及び組成の連続検査装置では、錠剤の計数及び各錠剤に対しての検査を行うために、錠剤を搬送する搬送部として、盤面を上方に向けて傾斜させた回転円盤を用いている。しかも、錠剤を収納して搬送する錠剤保持孔を、回転円盤の回転中心を中心とした複数の各放射方向で、それぞれ同じ配列位置に複数形成されるように回転円盤の外周縁側に形成している。
【0034】
そして、このような配置部位に構成された複数の錠剤保持孔を、回転円盤の周方向において等間隔に配した複数のブロック単位に区分けして設け、各ブロック内には、同じ個数の錠剤保持孔が配設されるように構成している。
【0035】
このように構成されているので、ブロック単位毎に複数の錠剤の計数、錠剤の形状及び組成の検査を連続的に、しかも連続的に搬送されてくる大量の錠剤に対して行うことができる。
従って、従来例3のカケ・バリ検査装置のように錠剤を1個づつ検査することなく、一度に大量に錠剤について、錠剤の計数、錠剤の形状及び組成の検査を行うことができる。即ち、錠剤の計数を高速で行うことができ、しかも、大量の錠剤におけるそれぞれの錠剤の形状及び組成の検査を、単一の連続検査装置で効率的に行うことができる。
【0036】
また、錠剤供給部は、盤面を傾斜させた回転円盤の最下端の部位に配設させると共に、錠剤排出部は、盤面を傾斜させた前記回転円盤の回転搬送方向における下降回転側の部位に配設しておき、錠剤排出部からは、ブロック単位内の複数の錠剤を一度に排出することができる。この錠剤供給部と錠剤排出部との構成によって、錠剤供給部と錠剤排出部との間における長い搬送経路を、検査ステージとして構成することができる。
【0037】
そのため、長く構成した検査ステージ内に、大量の錠剤に対する検査処理等を行う検査装置を多数配設しておくことができるようになり、回転円盤の表裏両面側に検査用の複数のカメラと陰影を生じさせない複数の光源とを、検査ステージ内に必要な個数だけ配設しておくことができる。
【0038】
特に、検査ステージにおける錠剤保持孔の下端開口を塞ぐ支持板が、透明な支持板として構成されている場合には、錠剤保持孔内に導入された錠剤の裏面側を、透明な支持板を透して検査することができる。これによって、検査用の複数のカメラと陰影を生じさせない複数の光源とを、検査プレートの表裏両面側に配しておことができ、一々錠剤の表裏を反転させなくても、大量の錠剤についての検査を一度に、しかも効率的に行うことができる。
【0039】
また、錠剤排出部を、回転円盤の下降回転の領域に設けた構成にしており、しかも、錠剤排出部では、可動シャッタ板上を静かに滑らせながら一度にブロック単位内の錠剤を排出落下させることができる構成となっている。この構成によって、錠剤保持孔内から可動シャッタ板への排出、及び可動シャッタ板上を滑らせながらの錠剤の排出においても、錠剤に対して過度の衝撃が加わらず、各錠剤に対して摩傷、欠け、割れ等の発生を防止することができる。
【0040】
また、回転円盤の上面側は、上空に開放した領域を多数有している。このため、このような上空に開放された領域において、清掃装置の使用が容易となり、連続検査装置に対する清掃作業を、隅々まで充分にしかも容易に行うことができる。
【0041】
また、本発明では、回転円盤は、円盤本体部と検査プレートとから構成しておくことができるので、寸法形状の異なる錠剤に対して、計数の計測や外形検査を行う場合でも、検査プレートを交換するだけで簡単に対応することができる。しかも、円盤本体部に検査プレートを取付けるだけで、位置合せ等も同時に行うことができるので、交換作業の時間短縮を図ることができる。
【0042】
更に、本発明では、検査プレートを透明なプレートとして構成し、透明なプレートに形成した錠剤保持孔の周囲には、錠剤保持孔内に収納されている錠剤の側面を、検査プレートの上面側又は下面側に映し出す反射手段を設けておくことができる。反射手段を設けておくことにより、錠剤の表面側又は裏面側における外形形状を検査すると同時に、錠剤の側面形状の検査を行うことができる。
【0043】
透明な検査プレートとしては、製作加工が容易な、プラスチック板、例えば、メタアクリル樹脂板など、あるいは、ガラス板などを用いて製作しておくことができる。プラスチック板を用いた場合には、疵の発生を防止するため、また、帯電防止を図るために、特別な表面硬化処理などを施しておくことができる。
【0044】
反射手段としては、外光の侵入を防いで、撮像効果を高めるため、銀鏡反射処理を施した反射鏡や、プリズム等を用いて構成しておくことができる。反射鏡やプリズムを用いた場合には、錠剤保持孔の内周面周囲を覆うことができるように、環状に配しておくことができる。また、プリズムを用いた場合には、一体型の環状に構成されたプリズムを用いることも、複数に分割されたプリズムを組み合わせることで環状に配することができるプリズムを用いることもできる。
【0045】
本発明の錠剤供給部の構成として、ホッパー内に収納した多数の錠剤を、回転円盤の回転方向に沿って供給できるように、シュート上を滑りながらホッパー内から回転円盤上に供給する構成としておくことができる。そして、シュートから供給された錠剤が、満遍なく各錠剤保持孔内に導入されるように、回転円盤の径方向に配設したガイド片と、回転円盤の径方向に形成された各錠剤保持孔への案内を行うガイド条とを設けておくことができる。
【0046】
そして、複数設けたガイド片の下端縁とガイド条の上面との間には隙間を形成しておくことができ、シュートから離れる部位に配設されるガイド片ほど、ガイド片の下端縁とガイド条の上面との間に形成される隙間の間隔が狭くなるように構成しておくことができる。このように、ガイド片の下端縁とガイド条の上面との間の間隔を異ならせておくことで、シュートを伝わって供給された核錠剤を、回転円盤の径方向に形成された各錠剤保持孔に対して均等に配分されるように仕分けることができる。
【0047】
しかも、錠剤は、ホッパーからシュート上を滑って、回転円盤上に供給され、回転円盤上では、ガイド片とガイド条とによって各錠剤保持孔に仕分けられる。このため、錠剤供給部においても、各錠剤に対して摩傷、欠け、割れ等の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本発明に係わる錠剤の形状及び組成の連続検査装置の構成としては、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決することができる構成であれば、多様な変更が可能である。
【実施例】
【0049】
本発明の好適な実施の形態を、以下で説明する図示例で示した実施例に基づいて、具体的に説明する。図1は、本発明の代表的な実施例である回転円盤2 を斜めに傾けて配設した錠剤の形状及び組成を連続的に検査できる連続検査装置1 の平面図を示している。図2には、連続検査装置1 の側面図を示している。
【0050】
図1、図2に示すように、連続検査装置1 では、錠剤A の搬送部として回転円盤2 を用いている。回転円盤2 は、盤面を上に向けて斜めに配されるとともに、回転円盤2 の中心を通る法線を回転中心として、回転円盤駆動装置34によって回転制御されている。回転円盤2 としては、定速で連続回転するように構成しておくことも、間欠的な回転を行うように構成しておくこともできる。回転円盤2 を、定速で連続回転するように構成しておいた場合には、錠剤の検査を高速でしかも大量に処理することが、より速くできるようになる。
【0051】
斜めに配した回転円盤2 の最下端部位には、錠剤供給部6 が配されている。そして、矢印方向で示す図1の時計回り方向に回転している回転円盤2 の搬送経路において、回転円盤2 の下降回転側の部位には、錠剤排出部9 が配されている。
【0052】
錠剤供給部6 と錠剤排出部9 との間における回転円盤2 の搬送経路には、検査ステージ7 が配設されている。この構成により、回転円盤2 の搬送経路において、検査ステージ7 の領域を広く構成しておくことができる。従って、後述するように、検査ステージ7 には、錠剤A の表裏両面形状及び錠剤A の側面形状を検出する複数のカメラ18や錠剤A の組成を検出する複数のカメラ18、また、各カメラ18で錠剤を検出するときに、陰影を生じさせないように配設した光源などを適切に配設しておくことができる。
【0053】
図1では図示を省略しているが、検査ステージ7 と錠剤排出部9 との間には、不良品排出部8 を設けておくことができる。錠剤排出部9 を利用して不良錠剤の排出を行う場合には、不良品排出部8 を設けておくことは必要なくなる。
錠剤排出部9 を利用して、不良品の排出を行う場合には、不良錠剤が検査済みの良品錠剤を収納しておく錠剤収納タンク17(図2参照)内に排出されないように構成しておくことが必要であり、後述するように、錠剤排出部9 から排出される錠剤を良品用の収納部と不良品用の収納部とに切替える切替え手段を設けておくこともできる。
【0054】
検査ステージ7 では、回転円盤2 の搬送経路に沿って複数のスタンドポール16が、立設されている。複数のスタンドポール16には、後述する錠剤の形状を検査するカメラ18や錠剤の成分を検査する平面分光器を備えたカメラ18、これらのカメラ18で撮影するときに陰影を生じさせないように配設した光源などが配設されることになる。
【0055】
図1、図2で示すように、連続検査装置1 は、側壁が透明なガラスや透明なアクリル樹脂等で覆われ、天井及び底面を有し、四方を取囲む側壁のうちで少なくとも正面側の側壁を開閉自在な扉で構成した収納ケース30内に配設しておくことができる。これらの天井と、底面と、四方を取囲む側壁とによって、収納ケース30内を外環境から隔離した状態に構成しておくことができる。
【0056】
収納ケース30内には、回転円盤2 、スタンドポール16、錠剤供給部6 、錠剤排出部9 、回転円盤駆動装置34等を支持する支持台35などが固定されている。また、収納ケース30の底面には、キャスター31とスタビライザー32とが設けられている。そして、収納ケース30の底部側を開放する扉が、収納ケース30の底部側に設けられている。
【0057】
収納ケース30の底部側に設けた扉によって、収納ケース30の底部側に配設した回転円盤駆動装置34やブロワー25等の各種装置に対する修理点検作業が行い易くなる。またこの扉を開閉させることによって、収納ケース30の底部側に配設されている、検査終了後の良品錠剤を収納しておく錠剤収納タンク17へのアクセスも容易になる。
【0058】
収納ケース30の底面に設けたキャスター31を使うことで、連続検査装置1 を収納ケース30ごと、所望の場所に移動させることができる。また、所望の場所に収納ケース30を移動させた後で、図2で示すようにスタビライザー32を作動させることで、当該場所に連続検査装置1 を固定しておくことができる。
【0059】
特に、連続検査装置1 を用いて錠剤A の検査を行うことになるので、作動装置21を始めとして、回転円盤駆動装置34等の装置から粉塵等が排出されないように構成しておくことが望ましい構成となる。そのためには、例えば回転円盤駆動装置34を回転円盤2 の下面より下部に設ける。作動装置21、回転円盤駆動装置34等の装置から粉塵等が排出される恐れがあるときには、排出された粉塵が錠剤A の表面に付着しないように収納ケース30内を常時クリーンに保つよう、ケース30の下部に準乾式クリーナーを設置して、清潔な環境下で錠剤A の検査が行えるように構成しておくことが望ましい。
【0060】
図1に示すように、回転円盤2 の外周部には、回転円盤2 の外周径よりも大きな外周径を有するトラックベース15が設けられている。トラックベース15は、何らかの理由で回転円盤2 から振り落とされた錠剤A を収納したり、回転円盤2 の搬送途中で錠剤A から剥がれた粉末等を収納させておくことができる。トラックベース15内に回転円盤2 から振り落とされた錠剤A や粉末等を収納しておくことで、これらの錠剤A や粉末等が回転円盤駆動装置34等に悪影響を与えてしまうのを防ぐことができる。
【0061】
図3には、回転円盤2 と回転円盤2 の搬送経路上に配設した錠剤供給部6 及び錠剤排出部9 との要部を示す部分平面図である図3(a)と、図3(a)のIII −III 断面図である図3(b)とを示している。図1〜図3に示すように、回転円盤2 は、回転円盤駆動装置34によって回転駆動される円盤本体部3 と、円盤本体部3 の外周縁側に取付けられた検査プレート4 とを備えた構成になっている。
【0062】
円盤本体部3 は、固定ネジ38によって回転円盤駆動装置34に固定され、検査プレート4 は、取付ネジ37を介して円盤本体部3 に対して位置決め固定することができる構成になっている。そして、取付ネジ37による締結を解除することで、簡単に検査プレート4 の交換を行うことができる。また、円盤本体部3 には、把持手36が設けられており、固定ネジ38を外して把持手36を持ち上げることで、円盤本体部3 の取り付け、取り外しを簡単に行うことができる。
【0063】
図3(a)、及び検査プレート4 の平面図を示す図4に示すように、検査プレート4 の径方向には、径方向に沿った複数の錠剤保持孔4aが形成されており、同複数の錠剤保持孔4aは、それぞれ検査プレート4 の周方向に沿って複数形成されている。そして、図4に示すように、複数の錠剤保持孔4aの組は、検査プレート4 の周方向において等間隔に配したブロックB 単位に区分けされている。
【0064】
図示例では、一つのブロックB 内には、検査プレート4 の径方向には5個の錠剤保持孔4aを配設し、周方向には10個の錠剤保持孔4aを配設して、合計50個の錠剤保持孔4aを配設した構成を示している。しかし、本発明におけるブロックB 単位内に配設する錠剤保持孔4aの個数、径方向と周方向とにおける錠剤保持孔4aの配設個数、検査プレート4 の周方向に配設したブロックBの配設個数としては、図4に示した構成例に限定されるものではなく、それぞれ適宜の配設個数として構成しておくことができる。
【0065】
検査プレート4 は、透明なプレートとして構成しておくことができる。検査プレート4 を透明なプレートとして構成しておくことにより、錠剤保持孔4a内に導入できる光量を増大させることができる。透明な検査プレート4 としては、製作加工が容易な、プラスチック板、例えば、メタアクリル樹脂板など、あるいは、ガラス板などを用いて製作しておくことができる。プラスチック板を用いた場合には、疵の発生を防止するため、また、帯電防止を図るために、特別な表面硬化処理などを施しておくことができる。
【0066】
錠剤供給部6 の要部拡大断面図を示している図6(b)や錠剤保持孔4aの断面図を示している図5(b)や図2に示しているように、検査プレート4 の下方部である裏面側には、検査プレート4 に形成した錠剤保持孔4aの下端開口を塞ぐ支持板5 が設けられている。支持板5 は、検査プレート4 の裏面側に沿った環状の板状部材として構成されており、検査プレート4 とは別体に構成され、収納ケース30に固定されている支持台に取付けられている。
【0067】
そして、支持板5 の構成としては、検査ステージ7 においては、錠剤保持孔4aに収納された錠剤の裏面側をカメラ18で撮影できるように、透明な部材によって構成しておくことができる。また、錠剤排出部9 における支持板5 の構成としては、錠剤保持孔4aに収納されている錠剤を落下させながら排出できるように、可動シャッタ板20として構成しておくことができる。
【0068】
透明な支持板5 としては、上述した透明な検査プレート4 と同様の材質から構成しておくことができる。また、上述した透明な検査プレート4 と同様に、表面処理を施しておくこともできる。
このように、回転円盤2 の搬送経路に配設した装置に対応するように、支持板5 の構成を配設される場所に合った構成にしておくことができる。
【0069】
回転円盤2 の最下端部に設けた錠剤供給部6 の構成について、図3、錠剤供給部6 の部分平面図を示している図6(a)、錠剤供給部6 の要部拡大断面図を示している図6(b)を用いて説明する。
【0070】
錠剤供給部6 は、錠剤A を収納しておくホッパー10と、ホッパー10内の錠剤A を回転円盤2 の検査プレート4 内に供給するシュート11と、シュート11から供給された錠剤A を検査プレート4 に形成した錠剤保持孔4a内へ案内するガイド条13と、シュート11から供給された錠剤A を各ガイド条13に分散させる、吊り下げられた可撓性を有するガイド片12a 〜12c とを備えた構成になっている。
【0071】
ガイド片12a 〜12c としては、錠剤が衝突しても錠剤に対して衝撃を与えずに、ガイド片12a 〜12c の当接面上で錠剤が滑りやすい合成樹脂シートやフィルムなどで構成しておくことができる。あるいは表面が滑らかな繊維織物や不織布からなる垂れ幕等によって構成しておくこともできる。
【0072】
図3(b)に示すように、錠剤供給部6 は、支持台35に設けられた支持部材39を介して回転円盤2 とは別体に構成されている。ホッパー10の底部には、傾斜底10b が構成されており、傾斜底10b を介してホッパー10内に収納されている錠剤A を、順次ホッパー10の底面に形成した開口10a から落下させることができる。
【0073】
開口10a に位置してシュート11が設けられており、開口10a から落下した錠剤をシュート11上で静かに滑らせながら、検査プレート4 上に供給することができる。シュート11の下り下端縁は、検査プレート4 の径方向と略同じ方向となるように構成されており、シュート11上を摺動して落下した錠剤は、滑らかでしかも円滑に検査プレート4 側に移載されることになる。
【0074】
また、検査プレート4 の径方向に形成した各錠剤保持孔4aに錠剤を導くため、各錠剤保持孔4aの内径と略同じかそれよりも多少広い間隔で、検査プレート4 の周方向に沿って配設されたガイド条13が、各錠剤保持孔4aに対応してそれぞれ1対づつ配設されている。各ガイド条13の両端部は、支持部材39によって保持されており、各ガイド条13の底面側と検査プレート4 の上面との間には、隙間が形成されている。
【0075】
ガイド条13の高さ寸法としては、錠剤の高さ寸法よりも低い高さ寸法として構成しておくことができる。このような高さ寸法にガイド条13を構成しておくことにより、錠剤供給部6 に設けたガイド片12a 〜12c により、シュート11から供給された錠剤を各錠剤保持孔4aに導くそれぞれ一対のガイド条13間に満遍なく分配することができる。
【0076】
ガイド片12a 〜12c は、検査プレート4 における異なる複数の径方向と略同じ方向に沿って配されるように構成されており、各ガイド片12a 〜12c の上端部は、支持部材39によって保持されている。図示例では、3本のガイド片12a 〜12c を設けた構成を例示しているが、ガイド片の配設個数としては、複数本であれば3本の配設に限定されるものではない。
【0077】
各ガイド片12a 〜12c は、シュート11から離れた部位に配されるのに従って、ガイド片の下端縁とガイド条13の上面との間隔が、狭くなるように構成されている。即ち、シュート11に近いところに配設したガイド片12a では、満遍なく各ガイド条13側に錠剤が分配されるように、錠剤に対する粗い振り分けを行うことができる。
【0078】
ガイド片12a よりもシュート11から離れた所に配したガイド片12b では、ガイド条13上に乗っかった錠剤をなくしたり、立った状態のまま搬送されている錠剤を寝かしたりして、各ガイド条13間に錠剤を分配していくことができる。そして、シュート11から最も離れた所に配したガイド片12c では、全ての錠剤が順次錠剤保持孔4a内に導入されるように、錠剤の分配を行うことができ、錠剤保持孔4a内に導入されていない錠剤が、ガイド片12c よりも下流側に搬送されてしまうのを防止することができる。
【0079】
このように、ガイド片12a 〜12c 及び各ガイド条13を設けておくことにより、錠剤供給部6 の領域を検査プレート4 が通過するだけで、確実に全ての錠剤保持孔4a内に錠剤を導入させることができる。しかも、ガイド片12a 〜12c 及び各ガイド条13で各錠剤を優しく錠剤保持孔4aに案内することができるので、錠剤供給部6 において錠剤を錠剤保持孔4aに導入するまでの間に、錠剤に摩傷、欠け、割れ等が発生してしまうのを防止できる。
【0080】
図1、図2、図8に示すように、検査ステージ7 では、回転円盤2 の搬送経路に沿って複数のスタンドポール16が、立設されている。複数のスタンドポール16には、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤の形状を検査するカメラ18や錠剤の成分を検査するカメラ18、これらのカメラ18で錠剤を撮影するときに陰影を生じさせないように配設した光源などが配設されている。
【0081】
図1では、回転円盤2 の径方向に沿って5個形成した錠剤保持孔4aの各位置に対応して、スタンドポール16としては5本のポールが設けられている。そして、一つの錠剤に対して形状の検査と組成の検査とを行えるように、一つのスタンドポール16には、少なくとも異なる2ヶ所の錠剤保持孔4a内の錠剤をそれぞれ検査できるカメラ18が、二組配設されている。
【0082】
このように構成しておくことにより、検査ステージ7 を通過させるだけで、回転円盤2 の径方向に沿って形成した各錠剤保持孔4a内の錠剤に対して、その外形形状と組成成分とを検査することができる。
【0083】
また、図5に示すように、錠剤保持孔4aの内周面の周囲には、環状に配したリング状のプリズム24が配設されている。図5は、リング状のプリズム24の傾斜面24a を利用して、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤の側面形状を、傾斜面24a で反射させて検査プレート4 の上面側に映し出されるように構成している。プリズム24の傾斜面24a を利用する代わりに、傾斜面24a が配設される部位に鏡面加工を施した反射面等を配設しておくこともできる。
【0084】
また、図5(c)に示すように、傾斜面29a が錠剤保持孔4aから離れた側に配設したリング状のプリズム29を用いた構成にすることもできる。この構成では、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤の側面形状の映像は、プリズム29の第一直角面29b から入り、傾斜面29a で全反射して、第二直角面29c から出て行くように構成しておくこともできる。
【0085】
プリズム24,29の構成としては、一体化されたプリズムとして構成しておくことも、周方向に分割した複数の部分を組み合わせて、環状に構成しておくこともできる。
【0086】
このように、錠剤保持孔4aの内周面の周囲にリング状のプリズム24,29を配設しておくことで、図5(a)に示すように、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A の表面と側面とを同時に検査することができる。また、図5(b)に示しているように、上向きに凹状となったプリズム24を用いる代わりに、図5(c)に示すように下向きに凹状となったプリズム29又は図5(d)に示すように銀鏡反射面(26)を用いた場合には、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A の裏面と側面とを同時に、検査プレート4 の裏面側からも検査することができる。
【0087】
図8に示すように、検査プレート4 の表裏両面側にそれぞれカメラ18を配設しておくことで、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A の表裏両面と側面とを一度に検査することができる。カメラ18によって取り込まれた画像は、図示せぬ画像処理装置に取り込まれることになる。画像処理装置に取り込まれた錠剤の画像は、従来から公知の画像処理方法を用いて処理され、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A の形状を検査することができる。
【0088】
即ち、画像処理装置において、異物の付着の有無、割れやカケの有無、形状や色彩の判定から、異物の混入、異なる種類の錠剤が混入していることなどを検査することができる。また、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A の組成検査としては、従来から公知である組成検査の処理方法を利用することができる。
【0089】
組成検査の処理方法としては、例えば、近赤外線を錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤A に照射して、平面分光器を備えたカメラ18で反射光を撮像し、反射光に含まれているスペクトルデータを、画像処理装置において解析する。
【0090】
画像処理装置には、予め正規の錠剤に対して近赤外線を照射して得た反射光に含まれているスペクトルデータが基準データとして記憶されており、検出したスペクトルデータと基準データとを比較することで、錠剤の主成分についての検出や異種品の判定を行うことができる。
【0091】
検査ステージ7 で用いるカメラ18としては、スチールカメラを用いることも、ビデオカメラを用いておくこともできる。また、カメラ18で検出した信号をデジタル処理することができる画像処理装置を用いている場合には、デジタルカメラを用いておかなくてもアナログ信号を出力するカメラを用いておくこともできる。
【0092】
また、CCD カメラで錠剤を撮影することもできる。CCD カメラで錠剤を撮影した場合には、モノクロ画像として取り込まれることになるが、CCD カメラ内に内蔵されている分光プリズム回路によって、カラー画像として錠剤の映像を取り込むことができる。
【0093】
図1で示すように、錠剤排出部9 は回転円盤2 の搬送回転方向における下降回転側の部位に設けられている。そして、錠剤排出部9 の平面図及び断面図を示している図7で示すように、錠剤排出部9 にはブロックB 単位の錠剤を、一度に各錠剤保持孔4aから錠剤収納タンク17に排出するため可動シャッタ板20が設けられている。
【0094】
上昇位置にある可動シャッタ板20は、検査プレート4 の裏面側に配した環状の支持板5 の一部として構成されている。そのため、上昇位置にある可動シャッタ板20の上面と、可動シャッタ板20の隣接部に配されている支持板5 の上面とは、面一な略連続的面として構成されている。
【0095】
なお、図示例では、環状の支持板5 は錠剤排出部9 と錠剤供給部6 との間における検査プレート4 の搬送経路の領域にも配設されている構成となっている。しかし、錠剤排出部9 と錠剤供給部6 との間における検査プレート4 の搬送経路の領域には、支持板5 を設けておかない構成にしておくこともできる。このように構成することで、前記領域では検査プレート4 の表裏両面側が開放された空間として構成しておくことができる。このように開放された空間を構成しておくことで、同空間部における各錠剤保持孔4aに対する清掃作業を、検査プレート4 の表裏両面から同時にしかも容易に行うことができる。
【0096】
可動シャッタ板20は、作動装置21によって回動軸20a 回りで回動自在となるように構成されている。作動装置21としては、電磁ソレノイド、電磁モータ等の公知の駆動手段とリンク機構とを用いて構成されている。リンク機構を用いずに、可動シャッタ板20の回動軸20a を直接回転制御する構成としておくこともできる。作動装置21が非作動状態のときには、可動シャッタ板20は錠剤保持孔4aの下端開口部を塞ぐ位置に戻っている。
【0097】
そして、一つの単位ブロックB 内の全ての錠剤A が、錠剤排出部9 に位置したことが公知の位置検出手段によって確認されると、作動装置21が制御されて、単位ブロックB 内の全ての錠剤A を可動シャッタ板20に沿って落下させる。可動シャッタ板20の下方部位には、可動シャッタ板20から落下した錠剤を滑らかに受け取り、錠剤収納タンク17内に収納する排出用傾斜板22が設けられている。
【0098】
錠剤排出部9 では、上述したように可動シャッタ板20から排出用傾斜板22上を伝わって錠剤収納タンク17内に錠剤が収納されることになるので、錠剤保持孔4aから排出された錠剤が、破損したりするのを防止しておくことができる。
そして、錠剤収納タンク17内に収納された錠剤が、一定量収納されたときには、収納ケース30の下端側に形成した扉を開けて、空の錠剤収納タンク17と交換することができる。
【0099】
次に、検査ステージ7 において、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤に不良品が存在していることが検出された場合について説明する。検査ステージ7 において不良錠剤を検出した場合には、色々な方法で対処することができる。
【0100】
対処方法としては、例えば、不良錠剤を含んだブロックB 単位内の全ての錠剤を不良品として排出する方法や、不良錠剤と特定された錠剤だけを錠剤排出部に到達する前に取出し、同じブロックB 単位内にある残りの錠剤に関しては、良品錠剤として錠剤収納タンク17へ排出する方法などが考えられる。
【0101】
まず、不良錠剤を含んだブロックB 単位内の全ての錠剤を不良品として排出する方法について説明する。このとき、例えば、可動シャッタ板20と排出用傾斜板22との間に図示せぬ方向切替板を配設した構成にしておくことができる。そして、方向切替板を切り替えることによって、良品の錠剤を収納しておく錠剤収納タンク17への排出と、不良品の錠剤を収納しておく図示せぬ不良品回収タンクへの排出とに振り分けることができる。
なお、方向切替板を設ける代わりに、排出用傾斜板22を可動の傾斜板として構成しておき、排出用傾斜板22に振り分け機能を持たせておくこともできる。
【0102】
検査ステージ7 において、錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤に不良品が存在していることが検出された場合には、警報を発して回転円盤2 の回転を、例えば、不良錠剤を含んだブロックB が錠剤排出部9 の位置に来たときに、停止させる。不良錠剤を含んだブロックB 単位が、錠剤排出部9 の位置で停止すると、自動操作あるいは作業者による手動操作によって、方向切替板を切替えた後に作動装置21を作動させて、不良錠剤を含んだブロックB 単位内の全ての錠剤を不良品回収タンクへ排出させることができる。
【0103】
不良錠剤と特定された錠剤だけを錠剤排出部に到達する前に取出し、同じブロックB 単位内にある残りの錠剤は、良品錠剤として錠剤収納タンク17へ排出する方法では、図9に示すような不良品排出装置40を、検査ステージ7 と錠剤排出部9 との間における、不良品排出部8 (図1参照)に配設しておくことができる。なお、図1では、不良品排出部8 を配設する部位について図示はしているが、同不良品排出部8 に不良品排出装置40を設けた構成に関しては、図示を省略している。
【0104】
図9(a)には、不良品排出装置40の斜視図を示しており、図9(b)には、図9(a)に示した不良品排出装置40の縦断面図を示している。不良品排出装置40には、検査プレート4 の径方向に形成した錠剤保持孔4aの形成個数に対応した独立した開口40a が構成されている。各開口40a は、それぞれの開口40a に設けたシャッタ板41を介して吸引パイプ42と接続している。吸引パイプ42は、不良品回収容器を備えた図示せぬ吸引装置に連通している。
【0105】
各シャッタ板41は、それぞれに設けた図示せぬ作動機構によって、開口40a に対する開閉制御が個別に行われる構成となっている。そして、不良品排出装置40における各開口40a が、径方向に配設されている各錠剤保持孔4aに対向した検査プレート4 の上面側の位置となるように配設されている。また、各シャッタ板41は、常時においてはそれぞれの開口40a を閉じる位置に戻されており、図示せぬ作動機構が作動されることで、対応する開口40a を開いて、開口40a と吸引パイプ42とを連通状態にすることができる。
【0106】
検査ステージ7 において、径方向に配設した錠剤保持孔4aのうちで、例えば、内側から何番目の錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤が、不良品であると判断されたときには、不良品を収納している錠剤保持孔4aに対応する位置に設けた開口40a のシャッタ板41に対しての回動制御が行われる。
【0107】
そしてまず、吸引パイプ42内を負圧状態にする。回転円盤2 の回転位置を検出する公知の位置検出器からの検出信号によって、不良錠剤を収納した錠剤保持孔4aが、不良品排出装置40の下方に来たことが検出されると、該当する開口40a に設けたシャッタ板41が制御されて、同開口40a と吸引パイプ42とを導通状態にする。
【0108】
錠剤保持孔4aから不良錠剤が吸引パイプ42内に吸引されると、シャッタ板41は制御されて開放していた開口40a を閉じて、後続の錠剤保持孔4aに収納されている錠剤が排出されないようにする。仮に、後続する錠剤保持孔4aに収納されている錠剤が不良錠剤であるときには、シャッタ板41はそのまま開口40a を開放させた状態が維持されることになる。そして、吸引パイプ42内に吸引された不良錠剤が、吸引パイプ42に接続した不良品回収容器内に回収されると、吸引パイプ42内における負圧状態が解除される。
【0109】
不良錠剤が回収されたブロックB 内にある残りの良品錠剤は、上述したように錠剤排出部9 に到達すると、可動シャッタ板20が作動して錠剤収納タンク17内に回収されることになる。
【0110】
ブロックB に収納されている錠剤の数は一定の数となっているので、錠剤収納タンク17内に回収された度毎に、錠剤収納タンク17内に回収された錠剤の数を簡単に計数していくことができる。例えば、図4で示したブロックB では、50個の錠剤保持孔4aが形成されているので、ブロックB 内の錠剤を一回回収する毎に、50個の錠剤が回収されていることを計数することができる。
【0111】
不良品排出装置40が作動した場合には、一つのブロックB 単位内で、不良品排出装置40が何回作動したのか、しかも、不良品排出装置40が作動したとき、それぞれ幾つの開口40a が開放されたのかを計数することで、不良錠剤を除いた後におけるブロックB 単位内の錠剤数を演算して求めることができる。あるいは、錠剤回収部9 に光学的な計数装置等を配設しておいて、錠剤回収部9 に位置した錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤数を計数する構成としておくこともできる。
【0112】
不良品排出装置としては、図10にその斜視図を示した構成にしておくこともできる。図10に示した不良品排出装置43は、検査プレート4 を間に挟んで配設することができ、検査プレート4 の裏面側に配する噴出部44と検査プレート4 の表面側に配する吸引部45とから構成されている。噴出部44は、コンプレッサー等の圧搾空気発生源46からの圧搾空気を独立して個別に噴出させることのできる噴出ノズル44a 〜44e を備えた構成となっている。また、吸引部45は、吸引パイプ42と接続しており、吸引パイプ42は、不良品回収容器を備えた図示せぬ吸引装置に連通している。
【0113】
不良品排出装置43の作動と連動して個別に錠剤保持孔4aの下端開口側を開閉させる図示せぬシャッタ板が、支持板5 における不良品排出装置43を配設した部位に設けられている。
【0114】
検査ステージ7 において、径方向に配設した錠剤保持孔4aのうちで、例えば、内側から何番目の錠剤保持孔4a内に収納されている錠剤が不良品であると判断されたときには、不良品を収納している錠剤保持孔4aに対応した位置に配設した噴出ノズル44a 〜44e から圧搾空気が噴出される。不良錠剤を収納した錠剤保持孔4aが噴出部44の上方に搬送されてきたとき、支持板5 に設けた図示せぬシャッタ板が開口すると共に、吸引部45が負圧状態となって、噴出ノズル44a 〜44e からの圧搾空気によって錠剤保持孔4aから飛び出した不良錠剤を吸引部45によって回収することができる。
【0115】
噴出ノズル44a 〜44e からの圧搾空気を遮断、開放させるために支持板5 にシャッタ板を設ける構成の代わりに、支持板5 に錠剤の外形よりも小さな孔を貫通させておくこともできる。そして、不良錠剤が噴出ノズル44a 〜44e の上方に来たとき、該当する噴射ノズル44a 〜44e から圧搾空気を噴出させることで、支持板5 に形成した小さな孔を通った圧搾空気によって、錠剤保持孔4aから不良錠剤を排出させることができる。排出した不良錠剤は、吸引部45によって回収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、本発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本発明の技術思想を有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の代表的な実施例を示す連続検査装置の平面図である。
【図2】同連続検査装置の側面図である。
【図3】前記連続検査装置の回転円盤と回転円盤の搬送経路上に配設した錠剤供給部及び錠剤排出部との要部を示す部分平面図(図3(a))と、図3(a)のIII −III 線に沿った矢視断面図(図3(b))である。
【図4】同回転円盤の構成部材である検査プレートの平面図である。
【図5】同検査プレートに形成した錠剤保持孔の平面図(図5(a)と、図5(a)のIV−IV線に沿った矢視断面図(図5(b))である。
【図6】前記連続検査装置の錠剤供給部の部分平面図(図6(a))と、図6(a)の部分断面図(図6(b))である。
【図7】前記連続検査装置の錠剤排出部の部分平面図(図7(a))と、図7(a)のVII −VII 線に沿った矢視断面図(図7(b))である。
【図8】図1におけるVIII-VIII 線に沿った矢視断面図である。
【図9】前記連続検査装置の不良品排出装置の斜視図(図9(a))と、図9(a)の縦断面図(図9(b))である。
【図10】他の構成による不良品排出装置の斜視図である。
【図11】従来の錠剤の受渡し状態を示した断面図である。
【図12】従来のカケ・バリ検査装置の要部平面図である。
【符号の説明】
【0118】
1・・・錠剤の形状及び組成の連続検査装置
2・・・回転円盤
3・・・円盤本体部
4・・・検査プレート
4a・・・錠剤保持孔
5・・・支持板
6・・・錠剤供給部
7・・・検査ステージ
8・・・不良品排出部
9・・・錠剤排出部
10・・・ホッパー
10a・・・開口
10b・・・傾斜底
11・・・シュート
12a〜12c・・・ガイド片
13・・・ガイド条
15・・・トラックベース
16・・・スタンドポール
17・・・錠剤収納タンク
18・・・カメラ
20・・・可動シャッタ板
21・・・可動シャッタ板の作動装置
22・・・排出用傾斜底板
24・・・リング状プリズム
25・・・ブロワー
26・・・銀鏡反射面
29・・・リング状プリズム
30・・・収納ケース
31・・・キャスター
32・・・スタビライザー
33・・・床
34・・・回転円盤駆動装置
35・・・支持台
36・・・把持手
37・・・取付ボルト
38・・・固定ネジ
39・・・支持部材
40・・・不良品排出装置
40a・・・開口
41・・・シャッタ板
42・・・吸引パイプ
43・・・不良品排出装置
44・・・噴出部
45・・・吸引部
46・・・圧搾空気発生源
A・・・錠剤
B・・・ブロック
50・・・表面検査ドラム
51・・・内筒
52・・・外筒
53・・・貫通孔
54・・・吸引溝
55・・・吸引孔
56・・・ゴムリング
57・・・噴射ノズル
60・・・表面検査ドラム
61・・・内筒
62・・・外筒
63・・・貫通孔
64・・・吸引溝
65・・・吸引孔
66・・・ゴムリング
t・・・錠剤
70・・・検査用円盤
70a・・・検査ポケット
72・・・円板]
73・・・錠剤溜り
74・・・台板
75・・・開口
76・・・塞板
77・・・CCDカメラ
78・・・錠剤有無センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤供給部と、前記錠剤供給部から供給された多数の錠剤を多列に形成した錠剤保持孔内に導入して整列状態で搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送経路に配設され、前記錠剤保持孔内に収納された前記各錠剤の外形形状及び組成を検出する検査ステージと、前記搬送部の搬送経路における前記検査ステージの下流側に配設され、前記錠剤保持孔内に収納されている前記各錠剤を排出する錠剤排出部とを備えた錠剤の形状及び組成の連続検査装置であって、
前記搬送部は、盤面を斜め上方に向けて傾斜させた回転円盤を備え、
前記回転円盤は、同回転円盤の中心を通る法線を回転中心として、回転可能に設けられ、
前記回転円盤の外周側表面には、複数の錠剤を保持する錠剤保持孔が形成され、
前記錠剤保持孔は、前記回転円盤の周方向に等間隔に配した複数のブロック単位に区分けされ、各ブロック内に同じ個数からなる貫通孔から構成され、
前記回転円盤とは別体に構成され、前記各錠剤保持孔の下端開口を塞ぐ支持板が、前記回転円盤の外周縁側の下面を覆う平滑な環状面として不動に配設され、
前記錠剤排出部に配される支持板部は、前記ブロック内の前記錠剤保持孔内に収納されている錠剤を、一斉に排出落下させる可動シャッタ板として構成され、
前記錠剤供給部は、盤面を傾斜させた前記回転円盤の最下端の部位に配設されてなり、 前記錠剤排出部は、盤面を傾斜させた前記回転円盤の回転搬送方向における下降回転側の部位に配設されてなる、
ことを特徴とする錠剤の形状及び組成の連続検査装置。
【請求項2】
前記検査ステージにおける前記支持板は、透明な支持板から構成され、
前記検査ステージには、前記径方向に配設した各錠剤保持孔内に収納されている錠剤の形状と組成とをそれぞれ検出するカメラ及び前記錠剤に対して陰影を生じさせない光源が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の錠剤の形状及び組成の連続検査装置。
【請求項3】
前記回転円盤は、円盤本体部と前記錠剤保持孔が形成された検査プレートとを有し、
前記円盤本体部は、前記回転円盤に対しての回転制御を行う駆動源に接続され、
前記検査プレートは、前記円盤本体部の外周縁側に着脱可能で固定自在の環状プレートとして構成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤の形状及び組成の連続検査装置。
【請求項4】
前記検査プレートは、透明なプレートとして構成され、
前記検査プレートに形成された前記各錠剤保持孔の周囲には、同錠剤保持孔内に収納された錠剤の側面を前記検査プレートの上面側又は下面側に映し出す反射手段が配設されてなることを特徴とする請求項3記載の錠剤の形状及び組成の連続検査装置。
【請求項5】
前記反射手段が、環状に配されたプリズムであることを特徴とする請求項4記載の錠剤の形状及び組成の連続検査装置。
【請求項6】
前記錠剤供給部は、多数の錠剤を収納するホッパーと、前記ホッパーからの錠剤を前記回転円盤の回転方向に沿って滑らかに落下させるシュートと、前記シュートの下流側において前記回転円盤の異なる径方向に沿ってそれぞれ延設され、上部から吊り下げられた複数のガイド片と、前記複数のガイド片が配設された領域に設けられ、前記シュートから供給された錠剤を前記回転円盤の周方向に沿って導きながら、前記径方向に沿って形成した各錠剤保持孔に導く複数のガイド条と、を有し、
前記複数のガイド片は、前記シュートから離れる位置に配される毎に、前記ガイド条の上面と前記ガイド片の下端縁との間隔が、狭くなるように構成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤の形状及び組成の連続検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−271011(P2009−271011A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123802(P2008−123802)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(598053891)アイ・ディ・ケイ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】