説明

電子回路基板、電子部品パッケージおよび電子回路基板の製造方法

【課題】高い位置精度を保ったまま、基板の所定の位置に保持された貫通電極を備えた電子回路基板および電子回路基板の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】絶縁材料からなる基板2と、該基板2を貫通して配置された導電性材料からなる一つまたは複数の貫通電極3と、該貫通電極3の前記基板2から露出した一端に設けられた凹部4と、を備えた電子回路基板1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板および電子回路基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路チップやMEMS(Micro Electro Mechanical System)などの微小な電子部品を多数個形成した基板を、別の基板と接合させて一括してパッケージングしたのちに個々に切断するウェハレベルパッケージングが注目されている。また、電気回路を形成した基板にチップ化した電子部品を多数個実装し、別の基板と接合させてパッケージングする方法もウェハレベルパッケージングと呼ばれる。これらの技術では、多数の電子部品を一括してパッケージングできるので、低コスト化、小型化、高信頼性、気密封止が可能などの長所を備えている。
【0003】
パッケージに収容された電子部品に外部から電力や信号を入力したり、電子部品から外部に信号を出力したりするためには、ウェハレベルパッケージで使用する基板に外部と電子部品とを電気的に接続する貫通電極を設ける必要がある。またパッケージを気密封止する場合には、貫通電極と基板の界面は密着して気密状態にする必要がある。さらに、基板は良好な絶縁体でなければならない。
【0004】
このような事情を考慮して、ガラス基板に金属からなる貫通電極を埋設した電子回路基板が、ウェハレベルパッケージ用の基板として提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような電子回路基板について、図14を参照して説明する。図14は電子回路基板30の断面図である。
【0006】
この電子回路基板30は、ソーダライムガラスなどの絶縁性材料からなる基板31と、金属からなる貫通電極32を備えている。貫通電極32は基板31の所定の位置に埋設されて固定されている。
【0007】
次にこのように構成された電子回路基板30の製造方法について、図15を参照して説明する。図15は電子回路基板30の製造方法を示す断面図である。
【0008】
まず図15(a)に示すように、ソーダライムガラスなどの絶縁性材料からなる基板31を準備する。次に、図15(b)に示すように、貫通電極32を基板31の所定の位置に当接させ、貫通電極32に第一の治具35を、基板31に第二の治具36を当接させる。次に、図15(c)に示すように、第一の治具35および第二の治具36に圧力を加えて、貫通電極32を基板31に圧入させる。この際、基板31,貫通電極32,第一の治具35および第二の治具36を基板31の軟化点以上の温度に加熱する。次に、図15(d)に示すように、第一の治具35および第二の治具36を除去する。最後に、図15(e)に示すように、基板31の表面および貫通電極32の表面を研磨して除去し、基板31に埋設された貫通電極32とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−67387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図14および図15に示す電子回路基板30においては、下記のような問題がある。
【0011】
すなわち、貫通電極32を基板31に埋設する際に、圧力を加えて埋設しなければならないため、貫通電極32が曲がったり傾いたりし、高い位置精度を保ったまま基板31に埋設するのが難しい。また貫通電極32を基板31に埋設する際に、基板31は軟化点以上の温度に保たれており、基板31を構成する材料は流動性を持つため、貫通電極32が基板31を構成する材料の流動により所定の位置からずれて埋設されてしまう。
【0012】
本発明は上記のような事情に考慮してなされたもので、その目的は、高い位置精度を保ったまま、基板の所定の位置に保持された貫通電極を備えた電子回路基板および電子回路基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
本発明の電子回路基板は、絶縁材料からなる基板と、該基板を貫通して配置された導電性材料からなる一つまたは複数の貫通電極と、該貫通電極の前記基板から露出した一端に設けられた凹部と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、貫通電極の一端に凹部が設けられているので、凸部を設けた治具に前記貫通電極の凹部を挿入して前記基板に位置決めすることができ、高い位置精度を保ったまま、前記基板の所定の位置に保持された前記貫通電極を備えた電子回路基板を得ることができる。
【0014】
また、本発明の電子回路基板は、前記貫通電極が前記基板に密接して埋め込まれて保持されていることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記貫通電極が前記基板に密接して埋め込まれているので、前記貫通電極と前記基板の界面に気体や液体が浸透することができない。そのため、本発明にかかる電子回路基板を用いることにより、キャビティ内を気密に保持された電子部品パッケージを得ることができる。
【0015】
また、本発明の電子回路基板は、前記貫通電極が前記基板よりも軟化点の高い材料からなることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記貫通電極を前記基板に保持させる際に、前記基板を該基板の軟化点よりも高く前記貫通電極の軟化点よりも低い温度に維持すると、該基板が軟化して変形し、前記貫通電極が該基板に密接して埋め込まれるので、前記貫通電極と前記基板の界面に気体や液体が浸透することができない。そのため、本発明にかかる電子回路基板を用いることにより、キャビティ内を気密に保持された電子部品パッケージを得ることができる。
【0016】
また、本発明の電子回路基板は、前記貫通電極の前記基板側の側面の一部または全部が、前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記貫通電極の前記凹部が形成された一端の断面積が前記貫通電極の前記凹部が形成されていない一端の断面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記貫通電極の前記基板側の側面の一部または全部が、前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記貫通電極の前記凹部が形成された一端の断面積が前記貫通電極の前記凹部が形成されていない一端の断面積よりも大きいので、例えば、前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、より小さな力で圧入することができ、前記貫通電極を破損することなく前記基板に圧入することが出来る。
【0017】
また、本発明の電子回路基板は、前記貫通電極の前記基板側の側面と、該貫通電極の前記凹部が形成されていない一端との接続部が曲面状に面取りされていることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記貫通電極の前記基板側の側面と、該貫通電極の前記凹部が形成されていない一端との接続部が曲面状に面取りされているので、該貫通電極の剛性が強く、例えば、該貫通電極を前記基板に圧入する際に該貫通電極が破損することを防ぐことができる。
【0018】
また、本発明の電子回路基板は、前記凹部の側面の一部または全部は前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記凹部の開口部は前記凹部の底部よりも面積が大きいことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記凹部の側面の一部または全部は前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記凹部の開口部は前記凹部の底部よりも面積が大きいので、例えば前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、前記凹部の形状に対応する凸部を設けた治具に前記凹部を挿入して前記基板に位置決めする際に、前記貫通電極は自ら位置が修正されるため、容易に位置精度良く前記基板の所定の位置に保持された前記貫通電極を備えた電子回路基板を得ることができる。
【0019】
また、本発明の電子回路基板は、前記凹部の底部又は開口部に平行な方向の断面の形状が略多角形であることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記凹部の底部又は開口部に平行な方向の断面の形状が略多角形なので、例えば前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、前記凹部の形状に対応する凸部を設けた治具に前記凹部を挿入して前記基板に位置決めする際に前記貫通電極が回転することなく位置決めされるため、容易に位置精度良く前記基板の所定の位置に保持された前記貫通電極を備えた電子回路基板を得ることができる。
【0020】
また、本発明の電子回路基板は、前記貫通電極のうち少なくとも2つの貫通電極は該貫通電極と同一の部材からなる連結部によって接続されたことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板は、前記貫通電極の一端に凹部が設けられているので、凸部を設けた治具に前記貫通電極の凹部を挿入して前記基板に位置決めすることができ、高い位置精度を保ったまま、前記基板の所定の位置に保持された前記貫通電極を備えた電子回路基板を得ることができるとともに、前記貫通電極のうち少なくとも2つが前記連結部によって接続されているため、前記連結部によって接続された前記貫通電極間を流れる電気信号の消費電力の削減およびSN比の向上を図ることができる。
【0021】
また、本発明の電子部品パッケージは、本発明の電子回路基板と、電子回路基板の基板の一方の面に前記貫通電極に電気的に接続されて配置された外部電極と、該基板のもう一方の面に前記貫通電極に電気的に接続されて配置された内部電極と、該内部電極に電気的に接続されて配置された電子部品と、前記基板に隙間なく密着して接合されたリッドと、前記電子回路基板と前記リッドとの間に形成されて前記内部電極および前記電子部品とを格納するキャビティと、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる電子部品パッケージは、一端に凹部が設けられて高い位置精度を保った貫通電極を備えた電子回路基板を用いるため、該電子部品パッケージを小型化することができる。また前記貫通電極は前記基板に密接して埋め込まれているため、前記キャビティを該電子部品パッケージの外部雰囲気からは密閉され、気体や液体が浸透することができない気密構造とすることができる。
【0022】
また、本発明の電子部品パッケージは、前記電子部品が複数の電子部品で構成されることを特徴とする。
本発明にかかる電子部品パッケージは、一端に凹部が設けられて高い位置精度を保った貫通電極を備えた電子回路基板を用いるため、該電子部品パッケージを小型化することができる。また前記貫通電極が前記連結部によって接続されている場合、前記複数の電子部品の接続を電気抵抗が低い配線で行うことができ、前記複数の電子部品間を流れる電気信号の消費電力の削減およびSN比の向上を図ることができる。
【0023】
また、本発明の電子部品パッケージは、前記複数の電子部品が、水晶振動片および該水晶振動片を駆動し該水晶振動片の周波数に対応した電気信号を出力する発振回路からなることを特徴とする。
本発明にかかる電子部品パッケージは、一端に凹部が設けられて高い位置精度を保った貫通電極を備えた電子回路基板を用いるため、該電子部品パッケージを小型化することができる。また前記貫通電極が前記連結部によって接続されている場合、前記水晶振動片と前記発振回路の間の接続を電気抵抗が低い配線で行うことができ、前記水晶振動片と前記発振回路間を流れる電気信号の消費電力の削減およびSN比の向上を図ることができる。
【0024】
また、本発明の電子部品パッケージは、前記複数の電子部品が、加速度、角速度、圧力、熱などの物理量を検出する物理量センサおよび、該物理量センサを駆動し、該物理量センサからの出力信号を増幅、演算して外部に出力するセンサ駆動回路からなることを特徴とする。
本発明にかかる電子部品パッケージは、一端に凹部が設けられて高い位置精度を保った貫通電極を備えた電子回路基板を用いるため、該電子部品パッケージを小型化することができる。また前記貫通電極が前記連結部によって接続されているため、前記物理量センサと前記センサ駆動回路の間の接続を電気抵抗が低い配線で行うことができ、前記物理量センサと前記センサ駆動回路間を流れる電気信号の消費電力の削減およびSN比の向上を図ることができる。
【0025】
また、本発明の電子回路基板の製造方法は、所定の位置に一つまたは複数の凸部を備えた第一の治具と平板状の第二の治具とを所定の間隔を開けて配置し、導電性材料からなる貫通電極を該貫通電極の一端に設けられた凹部を前記凸部に挿入して前記第一の治具の所定の位置に固定し、絶縁性材料からなる基板を前記貫通電極および前記第二の治具に当接し、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記基板を加熱して前記第一の治具および前記第二の治具に圧力を加えながら前記貫通電極を前記基板に圧入させる圧入工程と、前記貫通電極を前記基板に圧入させたのちに前記第一の治具および前記第二の治具を除去する治具除去工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板の製造方法は、前記貫通電極を該貫通電極の一端に設けられた凹部を前記第一の治具に設けられた凸部に挿入して該第一の治具の所定の位置に固定し、前記基板に圧入させる圧入工程を備えているので、前記貫通電極が高い位置精度を保って前記基板に圧入された電子回路基板を得ることができる。
【0026】
また、本発明の電子回路基板の製造方法は、前記圧入工程において、前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記貫通電極の軟化点よりも低く、前記基板の軟化点よりも高い温度に、前記基板、前記第一の治具、及び前記第二の治具を維持して前記基板に前記貫通電極を圧入することを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板の製造方法は、前記圧入工程において前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、前記基板を該基板の軟化点よりも高く前記貫通電極の軟化点よりも低い温度に維持すると、該基板が軟化して変形し、前記貫通電極が該基板に密接して埋め込まれるので、前記貫通電極と前記基板の界面に気体や液体が浸透することができない気密構造とすることができる。
【0027】
また、本発明の電子回路基板の製造方法は、絶縁性材料からなる基板の所定の位置に貫通孔を形成する貫通孔工程と、所定の位置に一つまたは複数の凸部を備えた第一の治具と平板状の第二の治具とを所定の間隔を開けて配置し、導電性材料からなる貫通電極を該貫通電極の一端に設けられた凹部を前記凸部に挿入して前記第一の治具の所定の位置に固定し、前記貫通電極が前記貫通孔に収容されるようにして前記第一の治具を前記基板に当接するとともに前記第二の治具を前記基板に当接し、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記基板を加熱して前記第一の治具および前記第二の治具に圧力を加えながら前記貫通電極を前記基板に保持させる電極保持工程と、前記貫通電極を前記基板に保持させたのちに前記第一の治具および前記第二の治具を除去する治具除去工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板の製造方法は、前記貫通孔工程においてあらかじめ前記基板の所定の位置に貫通孔が形成され、前記電極保持工程において前記第一の治具の所定の位置に固定された前記貫通電極が前記貫通孔に収容されてから保持されるので、前記貫通電極に強い力をかけることなく前記基板に前記貫通電極を保持させることができ、前記貫通電極は所定の位置から動くことなく高い位置精度を保ったまま保持されるとともにこれによる前記貫通電極の破損を防ぐことができる。
【0028】
また、本発明の電子回路基板の製造方法は、前記電極保持工程において、前記貫通電極を前記基板に保持させる際に、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記貫通電極の軟化点よりも低く、前記基板の軟化点よりも高い温度に前記基板および前記第一の治具ならびに前記第二の治具を維持して前記基板に前記貫通電極を保持させることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板の製造方法は、前記電極保持工程において前記貫通電極を前記基板に保持させる際に、前記基板を該基板の軟化点よりも高く前記貫通電極の軟化点よりも低い温度に維持すると、該基板が軟化して変形し、前記貫通電極が該基板に密接して埋め込まれるので、前記貫通電極と前記基板の界面に気体や液体が浸透することができない気密構造とすることができる。
【0029】
また、本発明の電子回路基板の製造方法は、前記治具除去工程において、前記第一の治具および前記第二の治具を前記基板から除去したのちに、前記基板の少なくとも一方の面を研磨し、前記貫通電極の端部を露出させることを特徴とする。
本発明にかかる電子回路基板の製造方法は、前記治具除去工程において、前記基板の少なくとも一方の面を研磨し、前記貫通電極の端部を露出させるので、例えば、圧入工程において前記貫通電極を前記基板に完全に貫通させなくてもよく、前記貫通電極が高い位置精度を保って前記基板に圧入された電子回路基板を得ることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明にかかる電子回路基板および電子回路基板の製造方法は、高い位置精度を保ったまま、基板の所定の位置に保持された貫通電極を備えた電子回路基板および電子回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかる電子回路基板の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる電子回路基板の第1実施形態を用いた電子部品パッケージの断面図である。
【図3】本発明にかかる電子回路基板の第1の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる電子回路基板の第2の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる電子回路基板の第2実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明にかかる電子回路基板の第3実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる電子回路基板の第4実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる電子回路基板の第4実施形態の製造方法のうち、圧入工程を示す断面図である。
【図9】本発明にかかる電子回路基板の第5実施形態を示す平面図である。
【図10】本発明にかかる電子回路基板の第6実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明にかかる電子回路基板の第6実施形態を示す平面図である。
【図12】本発明にかかる電子回路基板の第6実施形態を用いた電子部品パッケージの断面図である。
【図13】本発明にかかる電子回路基板の第6実施形態を用いた電子部品パッケージの平面図である。
【図14】従来の電子回路基板を示す断面図である。
【図15】従来の電子回路基板の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる第1実施形態を、図1および図2を参照して説明する。図1は本実施形態にかかる電子回路基板1を示す断面図であり、図2は本実施形態にかかる電子回路基板1を電子部品パッケージ9に適応した例を示す断面図である。
【0033】
電子回路基板1は例えばホウ珪酸ガラスやソーダライムガラスなどの絶縁材料からなる基板2と、該基板2を貫通して配置され、基板2を構成する絶縁材料の軟化点よりも軟化点の高い導電材料からなる一つまたは複数の貫通電極3と、該貫通電極3の基板2から露出した一端に設けられた凹部4とからなる。貫通電極3は、好適には略円柱状であるが、例えば略角柱状や略角錐台状、略円錐台状など目的に応じて種々の形状を選択することができる。凹部4は、後述する第一の治具6の凸部7に対応する形状であって凸部7を凹部4に挿入したときに貫通電極3の位置決めが可能であればよい。
【0034】
貫通電極3は基板2に密接して埋め込まれており、基板2と貫通電極3の界面は気体や液体が浸透することができない気密状態となっている。
【0035】
また、図2に示すように、第1実施形態の電子回路基板1を電子部品パッケージ9に適用する場合、貫通電極3と電気的に接続するように基板2の両表面に内部電極10および外部電極11を形成する。電子部品13は、バンプ12を介して内部電極10に接続されている。この電子部品13の一例としては、水晶振動片などの圧電振動片が挙げられる。またリッド14は基板2に隙間なく密着して接合され、電子部品13および内部電極10は例えばリッド14側に形成されたキャビティ15に収容されている。
【0036】
貫通電極3はその一端に設けられた凹部4が外部電極11側となるように基板2に保持されている。
リッド14は基板2と隙間なく密着して接合され、貫通電極3は基板2に密接して埋め込まれているため、キャビティ15は電子部品パッケージ9の外部雰囲気からは密閉され、気体や液体が浸透することができない気密構造となっている。
【0037】
次に、本実施形態の電子回路基板1の第1の製造方法を、図3を参照して説明する。図3は図1に示した電子回路基板1の断面図に相当する。
【0038】
まず、圧入工程を行う。図3(a)に示すように、所定の位置に一つまたは複数の凸部7を備えた第一の治具6および平板状に形成された第二の治具8を所定の間隔を開けて対向するように配置する。次に、ホウ珪酸ガラスやソーダライムガラスなどの絶縁材料からなる基板2を第二の治具8に当接して保持する。また貫通電極3に設けられた凹部4に凸部7を挿入して、貫通電極3を第一の治具6の所定の位置に固定するとともに、貫通電極3の端部を基板2に当接するようにして保持する。このようにして基板2を加熱し、第一の治具6および第二の治具8に圧力をかけて貫通電極3を基板2に圧入していくと、図3(b)に示すように貫通電極3は基板2に密接して埋め込まれ、基板2と貫通電極3の界面は気体や液体が浸透することができない気密状態となる。その際、第一の治具6および第二の治具8ならびに貫通電極3の軟化点よりも低く、基板2の軟化点よりも高い温度に基板2を維持すると、貫通電極3は基板2の所定の位置に高い位置精度を保ったまま圧入される。
【0039】
圧入工程においては、第一の治具6に設けられた凸部7が貫通電極3に設けられた凹部4に挿入されて、貫通電極3は第一の治具6の所定の位置に固定されているので、貫通電極3を基板2に圧入する過程において基板2を構成する材料が流動したとしても貫通電極3は所定の位置から動くことなく高い位置精度を保ったまま圧入される。
【0040】
次に、治具除去工程を行う。図3(c)に示すように、貫通電極3が埋め込まれた基板2から第一の治具6および第二の治具8を除去し、電子回路基板1を得る。なお、基板2を構成する材料が貫通電極3の端部の一部または全部を覆っている場合には、基板2の少なくとも一方の表面を研磨することにより、貫通電極3を露出させることができる。
【0041】
このように構成すると、高い位置精度を保って所定の位置に圧入され、基板2に密接して埋め込まれて気密状態となった貫通電極3を備えた電子回路基板1を製造することができる。
また、貫通電極3は高い位置精度を保って所定の位置に圧入されているので、電子回路基板1を容易に小型化することができる。
【0042】
従って、このように製造された電子回路基板1を電子部品パッケージ9に適用すると、貫通電極3は高い位置精度を保って基板2の所定の位置に圧入されているので、電子部品パッケージ9を容易に小型化することができる。
また電子部品12を収容するキャビティ15は電子部品パッケージ9の外部雰囲気からは密閉され、気体や液体が浸透することができない気密構造することができる。
【0043】
次に、本実施形態の電子回路基板1の第2の製造方法を、図4を参照して説明する。
まず、貫通孔工程を行う。図4(a)に示すように、ホウ珪酸ガラスやソーダライムガラスなどの絶縁材料からなる基板2の所定の位置に、プレス加工またはエッチング、あるいはサンドブラストなどの方法によって貫通孔5を形成する。
【0044】
次に、電極保持工程を行う。図4(b)に示すように、まず、基板2に設けられた貫通孔5に挿入される位置に凸部7を備えた第一の治具6および平板状に形成された第二の治具8を所定の間隔を開けて対向するように配置する。次に貫通電極3に設けられた凹部4に凸部7を挿入して、貫通電極3を第一の治具6の所定の位置に固定する。次に、基板2に設けられた貫通孔5に貫通電極3が収容されるように基板2を配置し、第二の治具8を基板2の表面に当接して保持する。このようにして基板2を加熱し、第一の治具6および第二の治具8に圧力をかけると、図4(c)に示すように貫通電極3は基板2に密接して埋め込まれ、基板2と貫通電極3の界面は気体や液体が浸透することができない気密状態となる。その際、第一の治具6および第二の治具8ならびに貫通電極3の軟化点よりも低く、基板2の軟化点よりも高い温度に基板2を維持すると、貫通電極3は基板2の所定の位置に高い位置精度を保ったまま保持される。
【0045】
第一の治具6に設けられた凸部7が貫通電極3に設けられた凹部4に挿入されて、貫通電極3は第一の治具6の所定の位置に固定されているので、貫通電極3を基板2に保持させる過程において基板2を構成する材料が流動したとしても貫通電極3は所定の位置から動くことなく高い位置精度を保ったまま保持される。また、貫通孔工程において基板2にあらかじめ設けられた貫通孔5に貫通電極3が収容されているので、貫通電極3に強い力をかけることなく基板2に貫通電極3を保持させることができ、貫通電極3は所定の位置から動くことなく高い位置精度を保ったまま保持されるとともにこれによる貫通電極3の破損を防ぐことができる。
【0046】
最後に、治具除去工程を行う。図4(d)に示すように、貫通電極3が埋め込まれた基板2から第一の治具6および第二の治具8を除去し、電子回路基板1を得る。なお、基板2を構成する材料が貫通電極3の端部の一部または全部を覆っている場合には、基板2の少なくとも一方の表面を研磨することにより、貫通電極3を露出させることができる。
【0047】
このように構成すると、高い位置精度を保って所定の位置に保持された貫通電極3を備えた電子回路基板1を製造することができる。
また、貫通電極3は高い位置精度を保って所定の位置に保持されているので、電子回路基板1を容易に小型化することができる。
【0048】
従って、このように製造された電子回路基板1を電子部品パッケージ9に適用すると、貫通電極3は高い位置精度を保って基板2の所定の位置に保持されているので、電子部品パッケージ9を容易に小型化することができる。
また電子部品12を収容するキャビティ15は電子部品パッケージ9の外部雰囲気からは密閉され、気体や液体が浸透することができない気密構造することができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、2本の貫通電極3を備えた電子回路基板1について説明したが、1本以上の貫通電極3を備えた電子回路基板1としてもよい。また、多数の貫通電極3を基板2の平面上の所定の位置に配置し、一括して基板2に保持させたのちに基板2を切り離して多数の電子回路基板1を得てもよい。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる第2実施形態を、図5を参照して説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図5は第2実施形態の電子回路基板1を示す断面図である。
第2実施形態の電子回路基板1においては、貫通電極3の側面18の一部または全部が基板2の表面に対して90度でない所定の角度をなすように貫通電極3が形成され、貫通電極3の凹部4が設けられた第二の端部17の断面積は凹部4が設けられていない第一の端部16の断面積よりも大きい。また、図5に示すように、側面18は、貫通電極3の基板2側の側面である。なお、第二の端部17の断面積は、凹部4による空洞部を考慮しない場合の断面積のことである。すなわち、貫通電極3の一部又は全部が、第一の端部から第二の端部に向かって広がる形状であり、第二の端部17の外周の長さは、第一の端部16よりも周の長さが長い。
【0052】
このように構成された電子回路基板1においては、貫通電極3の第一の端部16の断面積が小さいので、例えば基板2に貫通電極3を高い位置精度を保ったまま容易に圧入することができる。また例えば圧入に要する力が小さくてすむので、圧入時に貫通電極3が破損することを防ぐことができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる第3実施形態を、図6を参照して説明する。第3実施形態においては、第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図6は第3実施形態の電子回路基板1を示す断面図である。
第3実施形態の電子回路基板1においては、貫通電極3の第一の端部16と側面18との接続部19が曲面状に面取りされ、貫通電極3の凹部4が設けられた第二の端部17と比較して第一の端部16の断面積が小さくなっている。また、図6に示すように、側面18は、貫通電極3の基板2側の側面である。なお、第二の端部17の断面積は、凹部4による空洞部を考慮しない場合の断面積のことである。また、ここでいう第一の端部16の断面積は、露出部分の断面積である。すなわち、第二の端部17の外周の長さは、第一の端部16よりも周の長さが長い。
【0055】
このように構成された電子回路基板1においては、貫通電極3の第一の端部16の断面積が小さいので、例えば基板2に貫通電極3を高い位置精度を保ったまま容易に圧入することができる。また例えば圧入に要する力が小さくてすむので、圧入時に貫通電極3が破損することを防ぐことができる。
また接続部19が曲面状に面取りされているので、貫通電極3の剛性が強く、貫通電極3を基板2に圧入する際に貫通電極3が破損することを防ぐことができる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明にかかる第4実施形態を、図7および図8を参照して説明する。第4実施形態においては、第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0057】
図7は第4実施形態の電子回路基板1を示す断面図である。図8は、第4実施形態の電子回路基板1の製造工程のうち、圧入工程を示す断面図である。
第4実施形態の電子回路基板1においては、貫通電極3の凹部4が、開口部から底部に向かって狭くなる略テーパ状に形成されている。
【0058】
圧入工程において貫通電極3を基板2に圧入する際、図8に示すように、所定の位置に一つまたは複数の凸部7を備えた第一の治具6および平板状に形成された第二の治具8を所定の間隔を開けて対向するように配置する。次に、ホウ珪酸ガラスやソーダライムガラスなどの絶縁材料からなる基板2を第二の治具8に当接して保持する。また貫通電極3に設けられた凹部4に凸部7を挿入して、貫通電極3を第一の治具6の所定の位置に固定するとともに、貫通電極3の端部を基板2に当接するようにして保持する。
【0059】
凹部4は、略テーパ状に形成されており、凹部4の形状に対応するように、凸部7の形状も略テーパ状に形成されている。そのため、貫通電極3の凹部4に凸部7を挿入する際、凹部4と凸部7との平面位置がずれていても、凸部7を挿入していくに従って自ら位置が修正され、容易に位置精度良く貫通電極3を第一の治具6の所定の位置に固定することができる。
【0060】
(第5実施形態)
次に、本発明にかかる第5実施形態を、図9を参照して説明する。第5実施形態においては第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は第5実施形態の電子回路基板1における貫通電極3の第一の端部側の面を示す平面図である。また、図9において、凹部4の底部を点線で示している。
【0061】
第5実施形態の電子回路基板1においては、貫通電極3の凹部4の底部又は開口部に平行な方向の断面の形状が略多角形に形成されている。本実施形態においては凹部4の断面形状を図9で示す点線のように略三角形として説明するが、多角形であれば頂点の数は問わない。また、図9では貫通電極3の第一の端部又は第二の端部に平行な方向の断面形状を凹部4の断面形状と相似形となる略三角形としているが、貫通電極3の断面形状については特に問わない。例えば貫通電極3の断面形状が円や四角形などであってもよい。また、図9では、凹部底部を示しているが、開口部から底部までの全体を略多角形にしてもよいし、一部を略多角形にしてもよい。ただし、凹部4を容易に形成するために、全体が略多角形状に形成する方が好ましい。
【0062】
このように構成された電子回路基板1においては、凹部4の断面形状が多角形となっているので、電子回路基板1を製造する際の圧入工程において、凹部4に挿入する図示しない第一の治具6の凸部7が凹部4の断面形状に対応する形状であるならば、貫通電極3を回転させることなく凹部4に凸部7を挿入することができる。従って、例えば凹部4の断面形状が円でないような場合、貫通電極3の回転方向のずれを防ぐことができ、位置精度良く貫通電極3を基板2に圧入することができる。なお、凹部4の断面形状は、貫通電極3の回転を防ぐ形状であれば良い。すなわち、凹部4の断面形状は、円以外の、凹凸を有する形状、例えば円弧形状のような角部を有するような形状でもよい。又、凹部4の断面形状は、円とは異なり、曲率が一定でない形状、例えば、楕円形状でもよい。この場合においても、凹部4の断面形状が円でないため、貫通電極3の回転方向のずれを防ぐことができる。なお、凹部4の断面形状が略多角形である場合、凹部4及び第一の治具6の凸部7を容易に作成することができる。
【0063】
(第6実施形態)
次に、本発明にかかる第6実施形態を、図10および図11を参照して説明する。第6実施形態においては、第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は第6実施形態の電子回路基板1を示す断面図であり、図11は第6実施形態の電子回路基板1を示す平面図である。図11に示す点線は、凹部4の底部を示すものである。
【0064】
第6実施形態においては、少なくとも2つ以上の貫通電極3が連結部22によって接続されている。接続されている貫通電極3および連結部22は一体の部材から形成されたものである。
【0065】
このように構成された電子回路基板1においては、それぞれ独立して基板2に圧入された貫通電極3を薄膜からなる電極によって接続する場合に比べ、同一部材で、かつ一体の部材から形成されているため、電気抵抗を小さくすることができる。そのため、連結部22によって接続された貫通電極3の間を流れる電気信号の消費電力の削減やSN比の向上を図ることができる。また貫通電極3が連結部22によって接続されているので、貫通電極3の位置精度を向上させることができる。
【0066】
また、貫通電極3には凹部4が形成されているので、電子回路基板1を製造する際の圧入工程において、凹部4に図示しない第一の治具6の所定の位置に設けられた凸部7を挿入して、貫通電極3を第一の治具6の所定の位置に固定することができ、位置精度良く貫通電極3を基板2に圧入することができる。
【0067】
また、第6実施形態の電子回路基板1を電子部品パッケージ9について適用する場合を、図12および図13を参照して説明する。
図12は第6実施形態の電子回路基板1を適用した電子部品パッケージ9の断面図であり、図13は該電子部品パッケージ9の平面図である。
【0068】
基板2に圧入された貫通電極3と電気的に接続するように基板2の両表面に内部電極10および外部電極11を形成する。内部電極10には、バンプ12を介して第一の電子部品20と第二の電子部品21とが接続される。
【0069】
第一の電子部品20に設けられた電極および第二の電子部品21に設けられた電極を、バンプ12および内部電極10を介して、連結部22によって互いに接続された貫通電極3に接続すると、第一の電子部品20と第二の電子部品21との間の接続は電気抵抗が低くなるため、第一の電子部品20および第二の電子部品21の消費電力の削減や電気信号のSN比の向上を図ることができる。
【0070】
この第一の電子部品20の一例としては、水晶振動片などの圧電振動片、第二の電子部品21の一例としては水晶振動片を駆動し、水晶振動片の振動周波数に対応した電気信号を出力する発振回路ICなどが挙げられる。また、第一の電子部品20の一例として圧力センサやジャイロセンサなどの物理量センサ、第二の電子部品21の一例として物理量センサを駆動し、物理量センサからの出力信号を増幅、演算して外部に出力するセンサ駆動回路ICなどを選択することもできる。水晶振動片や物理量センサからの出力信号は微弱であるため、水晶振動片と発振回路ICの間や物理量センサとセンサ駆動回路ICの間の配線の電気抵抗を低くして消費電力の削減や電気信号のSN比を向上することにより、より低消費電力、より高感度な発振器およびセンサモジュールを得ることができる。
【0071】
本実施形態においては、2つの電子部品を電子回路基板1に実装した電子部品パッケージ9について説明したが、電子回路基板1に実装される電子部品は3つ以上であっても良い。また、実装される電子部品が1つであっても、電子部品に設けられた複数の電極を互いに接続する必要がある場合には、同様に連結部22によって接続された貫通電極3を用いて互いに接続することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 電子回路基板
2 基板
3 貫通電極
4 凹部
5 貫通孔
6 第一の治具
7 凸部
8 第二の治具
9 電子部品パッケージ
10 内部電極
11 外部電極
12 バンプ
13 電子部品
14 リッド
15 キャビティ
16 第一の端部
17 第二の端部
18 側面
19 接続部
20 第一の電子部品
21 第二の電子部品
22 連結部
30 電子回路基板
31 基板
32 貫通電極
35 第一の治具
36 第二の治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材料からなる基板と、
該基板を貫通して配置された導電性材料からなる一つまたは複数の貫通電極と、
該貫通電極の前記基板から露出した一端に設けられた凹部と、
を備えたことを特徴とする電子回路基板。
【請求項2】
前記貫通電極は、前記基板に密接して埋め込まれて保持されていることを特徴とした請求項1に記載の電子回路基板。
【請求項3】
前記貫通電極は、前記基板よりも軟化点の高い材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子回路基板。
【請求項4】
前記貫通電極の前記基板側の側面の一部または全部は、前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記貫通電極の前記凹部が形成された一端の断面積が前記貫通電極の前記凹部が形成されていない一端の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子回路基板。
【請求項5】
前記貫通電極の前記基板側の側面と、該貫通電極の前記凹部が形成されていない一端との接続部は曲面状に面取りされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子回路基板。
【請求項6】
前記凹部の側面の一部または全部は、前記基板の表面に対して90度ではない所定の角度をなすように形成され、前記凹部の開口部は前記凹部の底部よりも面積が大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子回路基板。
【請求項7】
前記凹部の底部又は開口部に平行な方向の断面の形状が略多角形であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子回路基板。
【請求項8】
前記貫通電極のうち少なくとも2つの貫通電極は、該2つの貫通電極と同一の部材からなる連結部によって接続されたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子回路基板。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電子回路基板と、
前記基板の一方の面に前記貫通電極に電気的に接続されて配置された外部電極と、
該基板のもう一方の面に前記貫通電極に電気的に接続されて配置された内部電極と、
該内部電極に電気的に接続されて配置された電子部品と、
前記基板に隙間なく密着して接合されたリッドと、
前記電子回路基板と前記リッドとの間に形成されて前記内部電極および前記電子部品を格納するキャビティと、
を備えたことを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項10】
前記電子部品は複数の電子部品で構成されることを特徴とする請求項9に記載の電子部品パッケージ。
【請求項11】
前記複数の電子部品は、水晶振動片と、該水晶振動片を駆動し該水晶振動片の周波数に対応した電気信号を出力する発振回路とからなることを特徴とする請求項10に記載の電子部品パッケージ。
【請求項12】
前記複数の電子部品は、加速度、角速度、圧力、熱などの物理量を検出する物理量センサと、該物理量センサを駆動し、該物理量センサからの出力信号を増幅、演算して外部に出力するセンサ駆動回路とからなることを特徴とする請求項10に記載の電子部品パッケージ。
【請求項13】
所定の位置に一つまたは複数の凸部を備えた第一の治具と、平板状の第二の治具とを所定の間隔を開けて配置し、導電性材料からなる貫通電極を該貫通電極の一端に設けられた凹部を前記凸部に挿入して前記第一の治具の前記所定の位置に固定し、絶縁性材料からなる基板を前記貫通電極および前記第二の治具に当接し、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記基板を加熱して前記第一の治具および前記第二の治具に圧力を加えながら前記貫通電極を前記基板に圧入させる圧入工程と、
前記貫通電極を前記基板に圧入させたのちに前記第一の治具および前記第二の治具を除去する治具除去工程と、
を備えたことを特徴とする電子回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記圧入工程において、前記貫通電極を前記基板に圧入する際に、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記貫通電極の軟化点よりも低く、前記基板の軟化点よりも高い温度に前記基板および前記第一の治具ならびに前記第二の治具を維持して、前記基板に前記貫通電極を圧入することを特徴とする請求項13に記載の電子回路基板の製造方法。
【請求項15】
絶縁性材料からなる基板の所定の位置に貫通孔を形成する貫通孔工程と、
所定の位置に一つまたは複数の凸部を備えた第一の治具と平板状の第二の治具とを所定の間隔を開けて配置し、導電性材料からなる貫通電極を該貫通電極の一端に設けられた凹部を前記凸部に挿入して前記第一の治具の所定の位置に固定し、前記貫通電極が前記貫通孔に収容されるようにして前記第一の治具を前記基板に当接するとともに、前記第二の治具を前記基板に当接し、前記第一の治具、前記第二の治具、及び前記基板を加熱して前記第一の治具および前記第二の治具に圧力を加えながら前記貫通電極を前記基板に保持する貫通電極保持工程と、
前記貫通電極を前記基板に保持させたのちに前記第一の治具および前記第二の治具を除去する治具除去工程と、
を備えたことを特徴とする電子回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記貫通電極保持工程において、前記貫通電極を前記基板に保持させる際に、前記第一の治具および前記第二の治具ならびに前記貫通電極の軟化点よりも低く、前記基板の軟化点よりも高い温度に、前記第一の治具、前記第二の治具、及び前記基板を加熱して前記基板に前記貫通電極を保持することを特徴とする請求項15に記載の電子回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記治具除去工程において、前記第一の治具および前記第二の治具を前記基板から除去したのちに、前記基板の少なくとも一方の面を研磨し、前記貫通電極の端部を露出することを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載の電子回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−39072(P2012−39072A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48199(P2011−48199)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】