説明

電子部品モジュール

【課題】基板の熱を充分に放熱することができる電子部品モジュールを提供する。
【解決手段】モジュール1は、IC11と電極パッド5,5とを有する基板2と、電極パッド5に電気的に接続された端子8,8と本体13とを有し基板2の表面2a側に重ねられるように配置されたインダクタLとを備えている。また、モジュール1は、基板2とインダクタLとの間において基板2の表面2a及び本体13の裏面13bに接触された放熱パターン14を有している。従って、基板2の熱が、熱伝導率が高いインダクタLへと放熱パターン14によって積極的に伝播され、インダクタLにて放熱される。ここで、表面2aの法線に沿う方向から見て、放熱パターン14の両端部14aがインダクタLからはみ出していることから、放熱パターン14によるインダクタLへの熱伝播経路が拡がるため、かかる熱伝播が好適なものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品モジュールに関し、特に、基板の一主面側に受動部品が重ねられるように配置された電子部品モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば携帯電話器等に用いられる電子部品モジュールにおいては、高集積化がとどまるところを知らず、さらなる小型化が要求されている。そこで、近年の電子部品モジュールとして、回路と複数の電極パッドとを有する基板と、電極パッドに電気的に接続された複数の端子と本体とを有する受動部品と、を備え、受動部品が基板の一主面側に重ねられるように配置されたものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−63676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記の電子部品モジュールは、一般的に、マザーボード上に搭載されており、基板の回路とマザーボードとの配線経路を熱伝播経路として利用して、基板で発生した熱をマザーボードを介して放熱させる。しかし、このような上記の電子部品モジュールでは、場合によっては、基板の熱が充分に放熱されないおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、基板の熱を充分に放熱することができる電子部品モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子部品モジュールは、回路と複数の電極パッドとを有する基板と、電極パッドに電気的に接続された複数の端子と本体とを有し、基板の一主面側に重ねられるように配置された受動部品と、を備え、基板と受動部品との間において基板の一主面及び本体の基板側の面に接触される放熱部を有し、放熱部は、一主面の法線に沿う方向から見て、その少なくとも一部が受動部品からはみ出していることを特徴とする。
【0006】
この電子部品モジュールでは、基板の熱が、比較的高い熱伝導率を有する受動部品へと放熱部によって積極的に伝播され、受動部品にて放熱される。ここで、放熱部が一主面の法線に沿う方向視において受動部品からはみ出していることから、放熱部による受動部品への熱伝播経路が拡がるため、かかる熱伝播が好適なものとなる。従って、本発明によれば、基板の熱を充分に放熱することが可能となる。
【0007】
ここで、回路は、基板の内部に設けられていることが好ましい。このように、発熱源である回路が内部に設けられていると、基板の熱が放熱され難くなるため、上記効果、すなわち、基板の熱を充分に放熱できるという効果は顕著となる。
【0008】
また、放熱部の熱伝導率は、基板の熱伝導率よりも高いことが好ましい。この場合、放熱部によって基板の熱を受動部品へと一層積極的に伝播させることができる。
【0009】
また、電極パッドは、基板の一主面側に設けられ、端子は、基板側に凸状となるように設けられ、放熱部の厚さは、電極パッドの厚さより厚いことが好ましい。この場合、電極パッドの厚さより厚い放熱部は、凸状の一対の端子の間(谷状)と係合され、受動部品のずれを規制する台座として機能する。よって、受動部品の精度よい実装が可能となる。
【0010】
また、基板は、ICが回路として内蔵されたIC内蔵基板であり、受動部品は、インダクタとして機能することが好ましい。この場合、電子部品モジュールを一体化電源として用いることができる。このようにICを内蔵した基板を用いて一体化電源とすることで、受動部品とICとを繋ぐ配線を短くすることができ、電源としての効率化が可能となる。
【0011】
また、放熱部は、回路のグランドに接続されていることが好ましい。この場合、基板の回路と接続された配線経路を伝播する熱を、グランド及び放熱部を介して受動部品へと伝播させ周囲に放熱させることも可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板の熱を充分に放熱することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は本発明の第1実施形態に係るDC−DCコンバータ用モジュールを示す断面図、図2は図1のDC−DCコンバータ用モジュールを示す上面図である。図1に示すように、本実施形態のDC−DCコンバータ用モジュール(電子部品モジュール)1は、例えば携帯電話機等のモバイル機器に組み込まれる小型の一体化電源モジュールである。
【0015】
このDC−DCコンバータ用モジュール1は、IC(回路)11が埋め込まれたIC内蔵基板(基板)2と、IC内蔵基板2の表面(一主面)2a側に重ねられるよう配置され当該IC内蔵基板2に電気的に接続されたインダクタ(受動部品)Lと、を備え、これらがマザーボード12上に接合されて構成されている。なお、マザーボード12上にはコンデンサ(不図示)が設置されており、これにより、DC−DCコンバータ用モジュール1はDC−DCコンバータとして動作する。
【0016】
図3は、図1のDC−DCコンバータ用モジュールにおける回路図である。図3に示すように、DC−DCコンバータ用モジュール1は、一般的なチョッパー型のDC−DCコンバータ回路である回路10を構成する。IC11は、その内部に制御回路CU及びスイッチング素子S1,S2を含んでいる。制御回路CUは、電圧入力端子Vinから入力された入力直流電圧に対し、スイッチング素子S1,S2を駆動して所定の昇圧・降圧を行う。この制御回路CUには、イネーブル(enable)端子ENが取り付けられている。インダクタLは、コンデンサC2と平滑回路を構成し、電圧出力端子Voutから平滑な出力直流電圧を出力する。
【0017】
図1,2に示すように、IC内蔵基板2は、略平板状を呈しており、内部にIC11を含む樹脂層(基板内の樹脂)7を有し、この樹脂層7が表面2a側の上層3と裏面2b側の下層4とで挟まれるようにして構成されている。この内蔵基板2は、表面2a側に設けられた一対の電極パッド5,5と、裏面2bに設けられたハンダボール6と、を有している。
【0018】
電極パッド5,5は、例えば銅により形成され、表面2aのX方向の両端部にてY方向に沿って延在している。ハンダボール6は、DC−DCコンバータ用モジュール1をマザーボード12に電気的及び機械的に接合するためのものである。このハンダボール6は、例えば図3に示す電圧入力端子Vin、電流出力端子Lout、イネーブル(enable)端子EN及びグランド端子GNDに相当する。
【0019】
図1に戻り、上層3、樹脂層7及び下層4のそれぞれには、スルーホール21,22,23が設けられている。そして、IC11、電極パッド5及びハンダボール6は、スルーホール21,22,23内の銅等の導電材25、及びIC11の電極パッド上に形成されたバンプ24を介して、互いに電気的に接続されている。
【0020】
インダクタLは、略平板状を呈するいわゆるチップインダクタであって、本体13と一対の端子8,8とを有している。本体13は、その外壁が磁性材料により形成されており、ここでは、フェライトにより形成されている。端子8,8は、本体13のX方向の両端部に設けられると共に、本体13の表面13a及び裏面13bのそれぞれに対し外側に凸状となるように構成されている。つまり、端子8,8は、本体13においてのIC内蔵基板2側の裏面13bに対し、IC内蔵基板2側に凸状にされている。また、端子8,8は、ハンダフィレット9を介して電極パッド5,5に電気的に接続され、これにより、IC内蔵基板2とインダクタLとの電気的接続が実現されている。
【0021】
ここで、本実施形態のDC−DCコンバータ用モジュール1にあっては、IC内蔵基板2とインダクタLとの間に介在するように設けられた放熱パターン14を備えている。放熱パターン14は、IC内蔵基板2(特に、IC11)で発生した熱がインダクタLを介して外部へ放熱されるように、その熱をインダクタLに伝播させるものである。この放熱パターン14は、IC内蔵基板2の表面2a及び本体13の裏面13bの双方に対し接触(当接)されている。換言すると、放熱パターン14は、表面2a及び裏面13bに対し熱的及び機械的に接触されている。
【0022】
この放熱パターン14は、IC内蔵基板2の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。ここでは、放熱パターン14は、例えば銅等の金属で形成されており、その熱伝導率がIC内蔵基板2の樹脂層7の熱伝導率よりも高くされている。また、放熱パターン14の厚さH1は、電極パッド5の厚さH2より厚くされており、放熱パターン14のX方向の幅は、IC11のX方向の幅と略等しくされている。さらに、放熱パターン14は、IC11のグランド端子(グランド)G1,G2(図3参照)に接続されており、IC11の配線経路との間での熱伝播が可能となっている。
【0023】
図2に示すように、ここでの放熱パターン14は、電極パッド5,5間に設けられ、電極パッド5と同様にY方向に延在するパッド状(シート状)を呈しており、後述のアンダーフィル材層28bの一部の領域に形成されている。また、この放熱パターン14において延在方向の両端部14aは、外部に露出している。つまり、放熱パターン14は、表面2aの法線に沿う方向(Z方向)から見て、その少なくとも一部がインダクタLからはみ出している。換言すると、放熱パターン14の領域の一部は、インダクタLをIC内蔵基板2に投影したときの投影領域からはみ出している。
【0024】
また、図1に示すように、放熱パターン14をIC11に熱的に近接させるべく、IC11を含む樹脂層(基板内の樹脂)7の上層3にはスルーホール26が設けられ、このスルーホール26内の導電材25を介して、放熱パターン14と上層3のIC11側の導電パターン27とが互いに接続されている。このような構造によって、一層高い放熱効果を得ることが可能となっている。
【0025】
なお、DC−DCコンバータ用モジュール1では、IC内蔵基板2の表面2a及び裏面2bを覆うように、例えば絶縁性・耐熱性を有するエポキシ系樹脂からなるアンダーフィル材層28aが設けられている。これと共に、IC内蔵基板2とインダクタLとの間において放熱パターン14以外の領域に充填されるように、アンダーフィル材層28aと同様なアンダーフィル材層28bが設けられている。なお、アンダーフィル材層28a,28bに用いる樹脂は限定されるものではなく、絶縁性・耐熱性を有する樹脂であればよい。
【0026】
以上のように構成されたDC−DCコンバータ用モジュール1では、IC内蔵基板2のIC11において裏面2b側で生じた熱が、IC11の配線経路を伝わり、ハンダボール6を介してマザーボード12へと伝播し、マザーボード12から外部へ放熱される(熱伝播経路A)。
【0027】
加えて、本実施形態では、上述したように放熱パターン14がIC内蔵基板2とインダクタLとの間に介在するように設けられているため、IC11において表面2a側で生じた熱にあっては、放熱パターン14を介してインダクタLへと伝播し、インダクタLから外部へ放熱される(熱伝播経路B)。これと共に、この放熱パターン14の両端部14aがインダクタLからはみ出して露出しているため、IC11において表面2a側で生じた熱が、両端部14aからも外部へも放熱される(図2の熱伝播経路C)。
【0028】
さらに、上述したように、放熱パターン14がIC11のグランド端子G1,G2に接続されているため、IC11において裏面2b側で生じた熱が、熱伝播経路Aからグランド端子G1,G2を介して放熱パターン14に伝わり、そして、インダクタLへと伝播してインダクタLからも外部へ放熱されることとなる。
【0029】
以上、本実施形態によれば、IC内蔵基板2で生じた熱が、マザーボード12から外部へ放熱されるだけでなく、熱伝導率が高い磁性材料で構成されたインダクタLの本体13へと放熱パターン14によって積極的に伝播される。これにより、インダクタLにて、かかる内蔵基板2の熱を放熱させることができる。つまり、インダクタLをヒートシンクとして機能させることが可能となる。
【0030】
このとき、放熱パターン14の両端部14aがZ方向視においてインダクタLからはみ出していることから放熱パターン14も周囲に対する放熱効果を持ち、熱伝播経路Bが実質的に拡がるため、インダクタLへの熱伝播が好適なものとなる。併せて、IC内蔵基板2とインダクタLとの間のこもり易い熱を拡散させる(離す)こともできると共に、前述のように両端部14aから外部へ放熱することも可能となる。従って、本実施形態によれば、IC内蔵基板2の熱を充分に放熱することできる。
【0031】
また、本実施形態では、上述したようにIC11が内蔵されていることから、IC内蔵基板2とインダクタLと重なるように配置でき、小型化が可能となる。ここで、IC内蔵基板2の場合、発熱源であるIC11を内蔵するため、熱が内部にこもって放熱され難い点が懸念される。この点、本実施形態では、上記のようにIC内蔵基板2の熱を充分に放熱できることから、本実施形態は、IC内蔵基板2にとって特に有効なものであり、小型化しつつ高放熱性を実現できるDC−DCコンバータ用モジュールであるといえる。
【0032】
また、本実施形態では、上述したように、放熱パターン14の熱伝導率がIC内蔵基板2の熱伝導率よりも高くされている。よって、IC11の熱が放熱パターン14へと積極的に伝播され、インダクタLへと一層積極的に伝播されることになる。
【0033】
また、本実施形態では、上述したように、電極パッド5がIC内蔵基板2の表面2a側に設けられ、端子8,8がIC内蔵基板2側に凸状となるように設けられている。そして、放熱パターン14の厚さが、電極パッド5の厚さより厚くなっている。従って、放熱パターン14が一対の端子8,8の間(谷状)と係合され、放熱パターン14がインダクタLのずれを規制する台座として機能されることになる。よって、例えばリフロー処理の際において、インダクタLをIC内蔵基板2に精度よく据え置くことができ、インダクタLの精度よい実装が可能となる。
【0034】
また、このように放熱パターン14の厚さが電極パッド5の厚さより厚いと、ハンダフィレット9が端子8と電極パッド5との間に入り込み易くなるため、これらの接続を良好にすると共に、ハンダフィレット9のX方向における拡がりを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上述したように、放熱パターン14がIC11のグランド端子G1,G2に接続されているため、熱伝播経路Aを伝播するIC11の熱を、グランド端子G1,G2を介してインダクタLへと伝播させ、当該インダクタLで放熱させることが可能となる。なお、通常、IC11は、裏面2b側で特に熱が生じるものとされていることから、熱伝播経路Aを伝播する熱をインダクタLで放熱できる上記効果は、特に有効なものである。
【0036】
また、本実施形態では、上述したように、スルーホール26内の導電材25を介して放熱パターン14と上層3の導電パターン27とが互いに接続されている。これにより、IC11に対して製造上の限界まで放熱パターン14を熱的に近接させることができ、IC11の熱を放熱パターン14へと一層積極的に伝播させることが可能となる。
【0037】
ところで、一般的に、従来のDC−DCコンバータ用モジュールにおけるインダクタLは、その端子8と電極パッド5とがハンダフィレット9で接続されて、IC内蔵基板2に搭載される。これに対し、本実施形態のインダクタLは、ハンダフィレット9だけでなく放熱パターン14によってもIC内蔵基板2に接続されるため、従来のモジュールに比べて優れた衝撃耐性も発揮することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、放熱パターン14を例えば銅等の金属で形成したが、金や銀等の金属で形成してもよいし、金属粒子や炭素粒子を分散させた樹脂や、高分子シートを高温で熱分解して作成したグラファイトシート等の他の高熱伝導率の材料で形成してもよい。高放熱性が必要な場合には金属が好ましく、高密着性を優先させる場合には金属粒子や炭素粒子を分散させた樹脂が好ましく、状況により適宜選択可能である。
【0039】
上記金属粒子や炭素粒子は、球状粒子、板状粒子、針状粒子等の何れでもよく、その形状が特に問われるものではないが、板状粒子や針状粒子であると、次の理由から放熱性の点で好ましい。すなわち、金属粒子や炭素粒子が板状粒子や針状粒子であると、放熱パターン14を形成する際、IC内蔵基板2に対して平行な方向に配列することから、IC内蔵基板2の板面に平行な方向に熱が一層拡散し易いためである。
【0040】
また、放熱パターン14が、その延在方向に熱拡散の異方性を持つシートであれば、放熱性の点でさらに有利である。また、上記の放熱パターン14の形成方法は、スパッタリング等の真空成膜法のみならず、金属をペースト状にした塗布液をスクリーン印刷等の手法により塗布し、乾燥して形成してもよい。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るDC−DCコンバータ用モジュールを示す断面図である。図4に示すように、本実施形態のDC−DCコンバータ用モジュール50が上記第1実施形態と異なる点は、放熱パターン14が樹脂51を介してインダクタLの本体13と接触している点である。
【0042】
樹脂51は、インダクタLと放熱パターン14との絶縁性を高めるものであり、インダクタLの本体13と放熱パターン14との間においてこれらに接触するように設けられている。ここでの樹脂51は、グリース状を呈しており、例えば、熱伝導率が高い放熱シリコン材等が用いられている。
【0043】
本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、放熱パターン14及び樹脂51によってIC内蔵基板2の熱をインダクタLへと積極的に伝播させてIC内蔵基板2の熱を充分に放熱できるという効果を奏する。
【0044】
また、本実施形態では、上述したように、放熱パターン14が樹脂51を介してインダクタLの本体13と接触しているため、インダクタLと放熱パターン14との絶縁性を高めることが可能となる。なお、本実施形態では、放熱パターン14及び樹脂51が放熱部を構成する。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、電極パッド5及び端子8が一対設けられているが、3つ設けられていても(いわゆる、3端子型でも)よく、複数設けられていればよい。
【0046】
また、上記実施形態では、放熱パターン14のX方向の幅をIC11のX方向の幅と略等しくしたが、これに限定されるものではない。例えば、電極パッド5との絶縁性を確保できれば、図5(a)に示すように、放熱パターン14のX方向の幅をIC11のX方向の幅よりも大きくし、Z方向視においてIC11を含むような幅の放熱パターン14を設けてもよい。この場合、IC内蔵基板2の熱をインダクタLへ好適に伝播できると共に、放熱パターン14の台座としての機能が好適に発揮される。
【0047】
また、図5(b)に示すように、放熱パターン14のX方向の幅をIC11のX方向の幅よりも小さくしてもよく、要は、IC内蔵基板2とインダクタLとの間において表面2a及び裏面13bに接触(熱的に接触)されていればよい。
【0048】
なお、上記実施形態における放熱パターン14とグランド端子G1,G2との接続、及び、放熱パターン14と導電パターン27との接続は、電気的及び機械的なものであるが、ここでいう接続は、広義には熱的に接続されるものであればよい。
【0049】
ちなみに、上記実施形態中、受動部品としてインダクタLを例に説明したが、受動部品としては、例えば、インダクタとキャパシタが複合されたフィルタや、SAWデバイス(フィルタ)、キャパシタ、抵抗、抵抗内蔵キャパシタ、バリスタ、サーミスタ、アンテナ、アイソレータ、サーキュレータ等の様々な素子を適用してもよい。さらに、本発明は、DC−DCコンバータ用モジュール以外の機器についても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係るDC−DCコンバータ用モジュールを示す断面図である。
【図2】図1のDC−DCコンバータ用モジュールの上面図である。
【図3】図1のDC−DCコンバータ用モジュールにおける回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るDC−DCコンバータ用モジュールを示す断面図である。
【図5】本発明の他の例に係るDC−DCコンバータ用モジュールを示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1,50…DC−DCコンバータ用モジュール(電子部品モジュール)、2…IC内蔵基板(基板)、2a…表面(一主面)、5…電極パッド、7…樹脂層(基板内の樹脂)、8…端子、11…IC(回路)、13…本体、13b…裏面(基板側の面)、14…放熱パターン(放熱部)、G1,G2…グランド端子(グランド)、H1…放熱パターンの厚さ、H2…電極パッドの厚さ、L…インダクタ(受動部品)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路と複数の電極パッドとを有する基板と、
前記電極パッドに電気的に接続された複数の端子と本体とを有し、前記基板の一主面側に重ねられるように配置された受動部品と、を備え、
前記基板と前記受動部品との間において前記基板の前記一主面及び前記本体の前記基板側の面に接触される放熱部を有し、
前記放熱部は、前記一主面の法線に沿う方向から見て、その少なくとも一部が前記受動部品からはみ出していることを特徴とする電子部品モジュール。
【請求項2】
前記回路は、前記基板の内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子部品モジュール。
【請求項3】
前記放熱部の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品モジュール。
【請求項4】
前記電極パッドは、前記基板の一主面側に設けられ、
前記端子は、前記基板側に凸状となるように設けられ、
前記放熱部の厚さは、前記電極パッドの厚さより厚いことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の電子部品モジュール。
【請求項5】
前記基板は、ICが前記回路として内蔵されたIC内蔵基板であり、
前記受動部品は、インダクタとして機能することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の電子部品モジュール。
【請求項6】
前記放熱部は、前記回路のグランドに接続されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載の電子部品モジュール。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−129877(P2010−129877A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304708(P2008−304708)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】