説明

電気光学装置、及びこれを備えた電子機器

【課題】走査線の配線抵抗等を低減して、高速動作可能な電気光学装置を提供する。
【解決手段】画素電極108と当該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタ100とを含む画素と、画像表示領域の列方向に互いに平行に延在され、薄膜トランジスタ100のソース領域204を列方向に互いに接続する複数本のデータ線104と、画像表示領域の行方向に互いに平行に延在され、薄膜トランジスタ100のゲート電極208を行方向に互いに接続する複数本の走査線102と、を含む電気光学装置であって、ゲート電極208が非金属材料で形成され、上記走査線102は、ゲート電極208上に絶縁膜を介して積層された金属材料の薄膜をパターニングして形成されており、各々のゲート電極208とは絶縁膜を局所的に除去して形成された第1のコンタクトホール501を介して電気的に接続していることを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型表示装置あるいは液晶テレビ等に使用される液晶装置として、格子状に形成された走査線(ゲート線)とデータ線(信号線)の各交点に、画素電極と当該画素電極に電圧を印加するスイッチング素子としての薄膜トランジスタとからなる画素を形成した、アクティブマトリクス型の液晶装置がある。一方の基板面に入射した光を、マトリクス状に配置された透明導電性材料からなる画素電極を透過させた後、他方の面から出射する透過型の液晶装置が多用されている。画素電極と並列に蓄積容量を形成して画像信号のリークを抑制し、表示性能を向上させた型が一般的である。かかる液晶装置の駆動方法の1つとして、デジタル時分割駆動がある。アナログ駆動に比べて数十倍の高速駆動であるため、表示性能を大きく向上できる(特許文献1)。
【0003】
デジタル時分割駆動で問題となるのは、走査線の配線抵抗と配線容量である。デジタル時分割駆動では、1走査線選択時間内に蓄積容量に駆動電圧を書き込み1サブフィード期間蓄積容量で当該駆動電圧を保持する。電圧書き込み時間は配線抵抗(薄膜トランジスタのオン抵抗を含む)及び容量(配線容量と蓄積容量の和)で決まる。そのため、高速動作が要求される場合は、配線抵抗と配線容量の低減は必須である。なお、蓄積容量の低減は表示性能を低下させるため、好ましくない。
【0004】
【特許文献1】特開2002−32057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、アクティブマトリクス型の液晶装置に一般的に採用されているHTPSすなわち高温ポリシリコンプロセスでは、ゲート電極に多結晶シリコンを用い、かつ、ゲート電極と走査線を同一の層で形成している。一般に、多結晶シリコンは金属の数十〜数百倍の比抵抗を有している。したがって、上記配線抵抗すなわち走査線の抵抗を低減することは困難である。
【0006】
一方で、ゲート電極を金属で形成することも困難である。例えば、Al等の低融点金属を用いると、TFTのソース・ドレイン領域の形成時に必要なアニール工程の上限温度が制限を受ける。またタンタル、タングステン等の高融点金属は比抵抗が高めであり、また、薄膜トランジスタの製造中の応力によるクラック等の問題も起こり得る。さらに、製造プロセスを金属ゲート似合わせ一から見直して再設定する必要があり、製造コストの増加要因ともなり得る。
【0007】
本発明はかかる課題に対応すべく成されたものであり、高温ポリシリコンプロセスを用いつつ走査線の配線抵抗等を低減して、高速動作可能な液晶装置等の電気光学装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電気光学装置は、第1データ線と、上記第1データ線に隣接する第2データ線と、上記第1及び第2データ線と交差する走査線と、上記第1データ線と重なる島状の第1シリコン膜と、上記第1シリコン膜と重なる島状の第1ゲート電極と、上記第2データ線と重なる島状の第2ゲート電極と、を含み、上記走査線と上記第1ゲート電極とが第1コンタクトホールで電気的に接続され、上記走査線と上記第2ゲート電極とが第2コンタクトホールで電気的に接続され、上記第1走査線が上記第1データ線と上記第1ゲート電極との間に位置するものであり、上記走査線の配線抵抗が上記第1及び第2ゲート電極の配線抵抗より小さいものである、ことを特徴とする。
【0009】
かかる構成によればゲート電極への信号の伝送速度が高まるため、表示性能が向上した電気光学装置を提供できる。
【0010】
好ましくは、上記第1ゲート電極と上記走査線との間に第1蓄積容量が位置し、上記第2ゲート電極と上記走査線との間に第2蓄積容量が位置し、平面視において、上記第1コンタクトホールが上記第1蓄積容量と上記第2蓄積容量との間に位置する。
【0011】
上記コンタクトホールを上記双方の蓄積容量の間に形成することで、蓄積容量の面積を充分に確保することができる。したがってかかる構成によれば、表示性能がより一層向上した電気光学装置を提供できる。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明にかかる電気光学装置は、データ線と、シリコン膜と、上記データ線と上記シリコン膜との間に位置するゲート電極と、上記データ線と上記ゲート電極との間に位置する走査線と、を含み、上記ゲート電極と上記走査線とがコンタクトホールを介して電気的に接続され、上記走査線の配線抵抗が上記ゲート電極の配線抵抗よりも小さいものである、ことを特徴とする電気光学装置。
【0013】
かかる構成によればゲート電極への信号の伝送速度が高まるため、表示性能が向上した電気光学装置を提供できる。
【0014】
好ましくは、上記ゲート電極がシリコンを含み上記走査線が金属を含むものである。
【0015】
上記走査線を金属を含む材料で形成することで、当該走査線の配線抵抗を低減して、ゲート電極への信号の伝送速度をより一層高めることができる。したがってかかる構成により、表示性能がより一層向上した電気光学装置を提供できる。
【0016】
また、好ましくは、上記データ線と上記ゲート電極との間に位置する蓄積容量を含み、平面視において上記コンタクトホールと上記蓄積容量とが重ならない。
【0017】
かかる構成によれば、開口率を大幅に低下させることなく蓄積容量を形成することができる。したがって、表示性能が向上した電気光学装置を提供できる。
【0018】
また、好ましくは、上記蓄積容量が下部電極と上部電極とを有し、上記下部電極が上記シリコン膜のドレイン領域に電気的に接続され、上記下部電極が上記データ線と上記ゲート電極との間に位置し、上記上部電極が上記データ線と交差して延在する容量線であり、上記上部電極が上記データ線と上記下部電極との間に位置する。
【0019】
画素の構成要素を積層することにより、開口率を大幅に低下させることなく上記蓄積容量の面積を増加できる。したがってかかる構成によれば、表示性能がより一層向上した電気光学装置を提供できる。
【0020】
また、好ましくは、上記シリコン膜において上記ゲート電極と重なる領域がチャネル領域であり、上記チャネル領域と上記蓄積容量とが重なり、上記蓄積容量の上部電極が金属を含む。
【0021】
かかる構成によれば、上記チャネル領域の周囲の遮光性を向上させて、上記チャネル領域に外光が入射してリーク電流が発生することを抑制できる。したがって、表示性能が向上した電気光学装置を提供できる。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明にかかる電気光学装置は、基板上の画像表示領域にマトリクス状に配置された、少なくとも画素電極と当該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタとを含む画素と、上記画像表示領域の列方向に互いに平行に延在され、上記薄膜トランジスタのソース領域を列方向に互いに接続する複数本のデータ線と、上記画像表示領域の行方向に互いに平行に延在され、上記薄膜トランジスタのゲート電極を行方向に互いに接続する複数本の走査線と、を含む電気光学装置であって、上記ゲート電極が非金属材料で形成され、上記走査線は、上記ゲート電極上に絶縁膜を介して積層された金属材料の薄膜をパターニングして形成されており、各々の上記ゲート電極とは上記絶縁膜を局所的に除去して形成されたコンタクトホールを介して電気的に接続していることを特徴とする。
【0023】
上記金属材料の薄膜はアニール工程の後に形成できるため、耐熱性を考慮せずに、抵抗値等の配線に重要な特性に重点をおいて選択できる。また、上記ゲート電極は非金属材料なので、耐熱性等、トランジスタの形成に必要な条件を考慮して選択でき、トランジスタ特性の低下等を回避できる。したがってかかる構成によれば、製造プロセス等の変更による製造コストの増加等を抑制しつつ走査線の配線抵抗を低減してゲート電極への信号の伝送速度をより一層高めることができ、表示性能が向上した電気光学装置を提供できる。
【0024】
好ましくは、上記薄膜トランジスタは、少なくともソース領域、ドレイン領域及びその中間のチャネル領域を含む多結晶シリコンパターンと上記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とからなり、上記ゲート電極を含む材料層は、上記ソース領域及び上記ドレイン領域には重ならず、上記ソース領域及び上記ドレイン領域を両側から挟むH字状の領域を含むようにパターニングされており、上記コンタクトホールは、当該H字状の領域から外れた領域に形成されている。
【0025】
かかる構成によれば、上記ゲート電極と上記走査線との接続は確保しつつ、上記ゲート電極の周囲を多結晶シリコン層で覆うことができる。したがって、上記チャネル領域に外光が入射してリーク電流が発生することを抑制でき、表示性能が向上した電気光学装置を得ることができる。
【0026】
また、好ましくは、上記ゲート電極が島状の多結晶シリコン膜である。
【0027】
かかる構成によれば、確立された技術を用いて上記ゲート電極を形成できるので、表示性能が向上した電気光学装置を低コストで提供することができる。
【0028】
また、好ましくは、上記走査線がアルミニウムを含む。
【0029】
かかる構成によれば、確立された技術を用いて上記走査線を形成できるので、表示性能が向上した電気光学装置を低コストで提供することができる。
【0030】
また、好ましくは、上記電気光学装置が透過型の液晶装置である。
【0031】
かかる構成によれば、強い光源を用いた場合でもリーク電流の発生を抑制できる。したがって、液晶装置としての表示性能をより一層向上できる
【0032】
また、上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器は、上記の液晶装置を光源からの光を変調するライトバルブとして備えることを特徴とする。
【0033】
かかる構成により、表示性能が向上した電子機器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス型の透過型液晶装置を例にとり、図を参照しつつ説明する。なお、以下の説明で用いる図では、各層や各部材を図上で認識可能な程度の大きさとするため、これらの縮尺等を実際のものとは異なるように表わしている。
【0035】
まず、図1〜図3を用いて、透過型液晶装置(以下、「液晶装置」と称する。)の概要を述べる。図1は、液晶装置の(後述する)画像表示領域を構成する、マトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図2、図3は液晶装置の全体構成を示す図である。図2は、液晶装置用基板(以下、「基板」と称する。)10をその上層に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図3は、対向基板20を含めて示す図2のA−A´断面図である。
【0036】
図1に示すように、各々の画素は、画素電極108及び画素電極108を制御するための薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する。)100、及び蓄積容量103等からなり、画像信号が供給されるデータ線104がTFT100のソース領域(図4参照)に電気的に接続されている。
【0037】
走査線102は、後述する走査線駆動回路(図2参照)に含まれるシフトレジスタから供給される走査信号をTFT100のゲート電極に印加して、TFT100をON/OFF動作させることができる。画素電極108はTFT100のドレイン領域(図4参照)に電気的に接続されており、TFT100がOFFの期間内に、データ線104から供給される画像信号が液晶層109(図3参照)に書き込まれる。
【0038】
ここで、本発明の対象であるデジタル時分割駆動方式の液晶装置においては、画像信号を液晶層109に書き込む時間が問題となる。画質、すなわち表示性能を向上させるべく画像表示領域内の画素の密度を増加させると、走査線102の本数も増加するため、各々の走査線102に充てられる書き込み時間が短くなる。画質を向上すべく階調数を増加させることも同様の結果をもたらす。
【0039】
デジタル時分割駆動では1(本)の走査線102に書き込む時間であるフレーム期間を重み付けされたサブフレーム期間に分割し、そのサブフレーム期間の点灯・非点灯を制御することで階調を表現する。サブフレーム期間は、例えば8ビット駆動であれば2N(N=0、1、2、3、4、5、6、7)に設定される。つまり1フレーム期間は1、2、4、8、16、32、64、128という期間に分割される。
【0040】
したがって、(8ビット駆動であれば)最小のサブフレーム期間は1フレーム期間×1/256となり、この極短い時間内にTFT100のゲート電極に電源電圧に略等しい電圧を印加して、液晶に画像信号を書き込まなくてはならない。ここで、書き込み時間は、配線抵抗×容量(配線容量と、上記液晶及び蓄積容量の和)である。
【0041】
本発明にかかる電機光学装置としての液晶装置は、TFT100のゲート電極と走査線102を各々別の材料層(薄膜)をパターニングして形成することで走査線102の配線抵抗(及び上記配線容量)を低減して上記書き込み時間を短縮して、表示性能の向上を図るものである。
【0042】
なお、液晶層109に書き込まれた画像信号は、後述する対向基板20(図3参照)に形成された対向電極110(図3参照)との間で一定期間保持される。液晶層109は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、外部から照射される光を変調し、階調表示できる。そして、かかる画素を画像表示領域内にマトリクス状に形成することで、画像の形成が可能となる。
【0043】
ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極108と対向電極110との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量103を付加している。蓄積容量103は、容量線106を一方の電極とし、TFT100のドレイン領域に導通するもう一方の電極との間に絶縁膜を介して構成されている(図10参照)。
【0044】
図2において、基板10の上には、シール材128がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して遮光性材料からなる枠状の遮光膜130が設けられている。遮光膜130で囲まれる方形の領域が画像表示領域である。
【0045】
シール材128の外側の領域には、データ線駆動回路124及び実装端子126が液晶装置用基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路122が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
【0046】
液晶装置用基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた2つの走査線駆動回路122の間を接続するための複数の接続配線132が設けられている。対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、液晶装置用基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材134が設けられている。
【0047】
図3において、液晶装置用基板10の対面には、図2に示したシール材128と略同一の輪郭を持つ対向基板20がシール材128によりに固着されている。基板10上には画素電極108がマトリクス状に形成されており、対向基板20上には画像表示領域の略全面に対向電極110が形成されている。双方の画素電極は図示しない配向膜112に被われており、液晶層109は、基板10とシール材128と対向基板20とで形成される空間内に、配向膜112に狭持される態様で充填されている。なお、画素電極108及び対向電極110は、ITO(酸化インジウム・すず合金)等の透明導電性材料で形成されている。
【0048】
マトリクス状に形成された画素電極108により、当該画素が占める領域ごとに液晶層109の状態が変化して、図示しない光源から照射される光を変調できる。したがって液晶装置は一方の基板側から入射する均一な光を変調して、もう一方の基板側から画像として出射できる。
(実施形態)
【0049】
図4は、本発明の実施形態にかかる、液晶装置を構成するTFT100を、走査線及びデータ線と共に示す平面図である。TFT100のソース領域(図10参照)を含む第1の多結晶シリコン層352と、TFT100のゲート電極208(図10参照)を含む材料層としての第2の多結晶シリコン層354と、走査線としての第1のAl(アルミニウム)配線層402、データ線としての第2のAl配線層404、の計4層、及び複数のコンタクトホールを図示している。なお、本図におけるX方向が請求項に記載の行方向であり、同じくY方向が請求項に記載の列方向である。
【0050】
図5は、従来のTFT100の一例を、走査線102及びデータ線104と共に示す平面図である。TFTのチャネル領域202を含む多結晶シリコン層353と、TFTのゲート電極を含む走査線102と、データ線104、の計3層、及びコンタクトホール500を図示している。多結晶シリコン層353の一方の端部とデータ線104とは、コンタクトホール500を介して接続されている。
【0051】
図5において、走査線102はゲート電極を兼ねている。すなわち、走査線102のうち多結晶シリコン層353と重なる部分がゲート電極として機能する。そして多結晶シリコン層353のうち、上記ゲート電極と重なる領域がチャネル領域202となる。
【0052】
ここで、TFT100において、ゲート電極を多結晶シリコン層で形成することは確立された技術であり、また、1つの材料層からゲート電極と走査線102の双方を形成できるので、工程数の増加も抑制できる。しかし、多結晶シリコンは金属配線に比べて抵抗が高く、上述したようにデジタル時分割駆動型の液晶装置には適用が困難である。
【0053】
図4において、第1の多結晶シリコン層352の内、上層に第2の多結晶シリコン層354が被さる領域がチャネル領域202である。そして、チャネル領域202の両側がソース領域とドレイン領域(図10参照)である。また、第2の多結晶シリコン層354のうち、第1の多結晶シリコン層352と重なる領域がゲート電極208(図10参照)である。第1のバッファー層355は、第2の多結晶シリコン層354と同一の材料層をパターニングして形成されており、後述するように、段差を調整して層間の導通を容易にする機能を果たしている。
【0054】
本実施形態において、ゲート電極を含む第2の多結晶シリコン層354は、隣接する他のゲート電極とは電気的に独立した島状となっている。つまり、第2の多結晶シリコン層354はゲート電極としてのみ機能して走査線としての機能は有しない。その代わりに、第1のAl配線層402が第2の多結晶シリコン層354を連結して、走査線102(図1参照)として機能している。
【0055】
第1のAl配線層402は一方の端が走査線駆動回路122(図2参照)と接続しており、液晶装置の画像表示領域をX方向に延伸している。そして、第1のコンタクトホール501を介して、図4に示すX方向に一列に並ぶゲート電極である第2の多結晶シリコン層354と接続することで、TFT100のゲート電極と走査線駆動回路122を接続し、各々のゲート電極への走査信号の印加を可能としている。したがって、図5に示す従来のTFT100において多結晶シリコンからなる走査線102が果たしている機能を、本実施形態のTFT100では、ゲート電極としての第2の多結晶シリコン層354と走査線としての第1のAl配線層402とで分担して果たしている。そして、第2の多結晶シリコン層354を島状にして第1のAl配線層402と重なる領域を限定することで、配線容量の増加も抑制している。
【0056】
上述したように、ゲート電極を多結晶シリコン層で形成することは確立された技術である。チャネル領域202上にゲート電極を形成した後にリン、ボロン等の不純物をイオンインプランテーションにより打ち込み、アニ−リングにより活性化させてソース領域及びドレイン領域等を形成するセルフアライメント法にも適合しており、実用性が高い。Alで配線を形成する技術、及びコンタクトホールを介して下層の多結晶シリコン層との導通を得る技術もデータ線の形成等で一般的に用いられている。そして、Alを用いれば多結晶シリコン層に比べてはるかに低いシート抵抗値の配線を形成できる。例えば、膜厚略350nmの多結晶シリコン層のシート抵抗が略16Ω/□であるのに対して、膜厚略500nmのAl層のシート抵抗値は略0.1Ω/□である。したがって、本実施形態の液晶装置は、高温ポリシリコンプロセスを用いつつ配線抵抗が低い走査線を形成でき、デジタル時分割駆動による高速動作が可能となる。
【0057】
また、図示するように、本実施形態において第2の多結晶シリコン層354と第1のAl配線層402とを接続する第1のコンタクトホール501は、チャネル領域202の上層ではなく、側方にずらした位置に形成されている。そして、第2の多結晶シリコン層354は、第1の多結晶シリコン層352のチャネル領域202上を横切り、チャネル領域202以外の領域を両側から挟むH字状にパターニングされている。その結果、第2の多結晶シリコン層354は、ゲート電極としての機能の他に、チャネル領域202への外光等の入射を抑制する機能も果たせる。さらに、ゲート電極208上の平坦性が向上するため、チャネル領域202上に透光性を有しない材料を用いて他の素子、例えば蓄積容量を形成でき、チャネル領域202への外光等の入射を抑制できる。
【0058】
図6〜図9に、本実施形態にかかるTFTにおいて、上記蓄積容量を構成する材料層及び第1のAl配線層402と第2のAl配線層404とを、同一の材料層(薄膜)をパターニングして得られる部材と共に示す。
【0059】
図6は、第1のAl配線層402を第1の中継電極406と共に示す図、図7は、第2のAl配線層404を第2の中継電極408と共に示す図、図8は、蓄積容量103(図1、図10参照)の下部電極302を第2のバッファー層303と共に示す図、そして図9は、蓄積容量103の上部電極306を第3のバッファー層307と共に示す図である。ここで、中継電極とは他の部材と電気的に接続しているもの、バッファー層とは電気的に独立している島状の部材で、段差の調節のみの機能を果たしている部材である。
【0060】
第1のAl配線層402は、図1に示す走査線102として機能し、第2のAl配線層404は図1に示すデータ線104として機能する。蓄積容量103は、下部電極302と上部電極306との間に後述する誘電体膜304を挟んで形成されており、チャネル領域202を遮光する機能も果たすことができる。以下、かかる態様を断面図を用いて示す。
【0061】
図10、及び図11は本実施形態の液晶装置の画像表示領域を構成するTFT100等を示す模式断面図である。図10は図4のB−B´断面図、図11は図4のC−C´断面図である。なお、両図とも、画素電極108より上層の対向基板20、配向膜112等(図3参照)は図示を省略している。
【0062】
図10に示すように、TFT100はチャネル領域202、ソース領域204、ドレイン領域206、ゲート絶縁膜201及びゲート電極208とからなり、基板10上に遮光層12、及び下地絶縁膜200を介して形成されている。下地絶縁膜200は膜厚略400ないし600nmの酸化シリコン膜、遮光膜12は膜厚略200nmのWSi(タングステンシリサイド)である。ゲート電極208は図4に示す第2の多結晶シリコン層354の一部である。当該多結晶シリコン層が図11に示す第1の多結晶シリコン層352と重なる部分がゲート電極208となる。膜厚は略350nmである。
【0063】
遮光層12は、本実施形態にかかる液晶装置をプロジェクタのライトバルブとして用いる場合において、光源から照射される光が画素電極108が形成されていない領域を透過することを抑制する部材である。画素電極108は方形にパターンされ、表示領域にマトリクス状に配列されるので、遮光層12は、当該画素電極を囲むように走査線102及びデータ線104に重なる網目状にパターニングされることが一般的である。ただし、後述するように遮光層12を走査線の一部として用いる場合には、データ線と重なる領域において一箇所に切れ目を設けて十字状のパターンが(図4における)X方向に連結されたようにして、電気的には複数の配線が平行に延伸するような構成とすることが必要である。
【0064】
チャネル領域202等は、図4に示す第1の多結晶シリコン層352である。CVD法で形成したアモルファスシリコン膜をアニ−リングにより溶融再結晶化させて得ており、膜厚は略40nmである。ゲート絶縁膜201は膜厚が略80nmの酸化シリコン膜である。
【0065】
TFT100の上層は膜厚略400nmの第1の層間絶縁膜221で覆われ、ソース領域204上には第2のコンタクトホール502、ドレイン領域206上には第7のコンタクトホール507がそれぞれ形成されている。なお、以下の文において特に記載しない限り、コンタクトホールの形成等のパターニングはフォトリソグラフィーにより行われており、層間絶縁膜は酸化シリコンからなる。
【0066】
TFT100の上層には、チャネル領域202を覆うように蓄積容量103画素電極形成されている。蓄積容量103の下部電極302の一端は、第7のコンタクトホール507を介してTFT100のドレイン領域206と接続している。下部電極302の上層には他の領域も含めて、すなわち基板10上全面に誘電体膜304が形成され、その上層には蓄積容量103の上部電極306が形成されている。下部電極302は膜厚略100nmの多結晶シリコンからなり、上部電極306はTiN(チタンナイトライド)50nm、Al150nm、TiN100nmの3層からなる。なお、後述するように、基板上全面に層間絶縁膜を形成後、下部電極302の上層のみに別途誘電体膜304を形成してもよい。
【0067】
蓄積容量103を形成する部材のうち、特に上部電極306は遮光性が高い。したがって、本実施形態における蓄積容量103は、画像信号のリークを抑制するという機能と共に、チャネル領域202への外光の入射、特に図4に示すY方向からの外光の入射を低減する機能も果たしている。
【0068】
また、図11に示すように、第2の多結晶シリコン層354は第1の多結晶シリコン層352の上層をゲート絶縁膜201を介して横切るように形成されている。上記双方の多結晶シリコン層が重なる領域がチャネル領域202(図10参照)であるから、図4に示すように第2の多結晶シリコン層354をH字状にパターニングすることにより、チャネル領域202への、図4に示すX方向からの外光の入射も低減させている。
【0069】
蓄積容量103の上層には、基板上全面に、膜厚略600nmないし1100nmの第3の層間絶縁膜223が形成され、その上層のゲート電極208重なる領域には、走査線としての第1のAl配線層402が形成されている。第1のAl配線層402は、図11に示すように第1のコンタクトホール501を介してゲート電極を含む第2の多結晶シリコン層354と接続し、図1に示す走査線102として機能している。したがって、本実施形態のTFT100は、図5に示す従来例とは異なり、ゲート電極208を非金属材料である多結晶シリコンで形成しつつ走査線102を金属材料であるAlで形成して配線抵抗を低減させている。
【0070】
第2のコンタクトホール502には、第1のAl配線層402と同一の材料層を方形にパターニングして形成された第1の中継電極406の一端が埋め込まれている。そして、第1の中継電極406のもう一方の端部の上層には、第3の層間絶縁膜223をパターニングして第3のコンタクトホール503が形成されている。第3の層間絶縁膜223の上層には第2のAl配線層404が形成され、第3のコンタクトホール503を介して第1の中継電極406の上記もう一方の端部と接続している。上述したように第1の中継電極406はTFT100のソース領域204と接続している。したがって、第2のAl配線層404は、図4のY方向に配列される複数のTFT100のソース領域を連結するデータ線104として機能する。
【0071】
なお、第1のAl配線層402はTi(チタン)20nm、TiN50nm、Al350nm、TiN150nmの4層で形成され、第1のAl配線層402はAl350nm、TiN150nmの2層で形成されている。
【0072】
また、図10に示すように、第3のコンタクトホール503の下層には、第2の多結晶シリコン層354と同一の材料層からなる第1のバッファー層355と、下部電極302と同一の材料層及び上部電極306と同一の材料層をそれぞれ方形にパターニングして形成された第2のバッファー層303及び第3のバッファー層307と、が配置されている。各バッファー層は電気的に独立した島状に形成されており、他の配線層等の機能に影響せずに、高さ(膜厚)増加させている。したがって、第3のコンタクトホール503の位置する領域における、第1のAl配線層402の下地絶縁膜200の上面からの高さを、ゲート電極208が位置する領域における当該高さに近づけることになり、第1のAl配線層402の平坦性を向上させている。
【0073】
図11の左側は蓄積容量103の下部電極302と画素電極108との導通部を示している。上記導通部は、蓄積容量103が第1のバッファー層355と重なる領域に位置している。下部電極302上の一部に上部電極306が形成されていない領域があり、当該領域上の第2の層間絶縁膜222がパターニングされて第4のコンタクトホール504が形成されている。そして、第1の中継電極406、第5のコンタクトホール505、第2の中継電極408、及び第6のコンタクトホール506(図4参照)を介して、画素電極108を下部電極302に接続させている。バッファー層及び中継電極を経由することで、高さが調節されて上記接続が容易になっている。なお、第6のコンタクトホール506は第4のコンタクトホール504と重なる位置ではなく、図4に示すように若干ずれた位置に形成されている。
【0074】
第4の層間絶縁膜224の膜厚は、600ないし1100nmである。厚めに形成した材料層の表面をCMP(化学的機械的研磨)法で平坦化しており、画素電極108上面の平坦性を向上させ、液晶装置としての表示性能を向上させている。なお、(後述するように)第3の層間絶縁膜223もCMP法で平坦化して、画素電極108上面の平坦性をより一層向上させることもできる。
(電子機器)
【0075】
次に、上述した電気光学装置としての液晶装置をライトバルブとして用いる、電子機器としての投射型のプロジェクタについて説明する。
【0076】
図15に示すように、プロジェクタ1100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってR(赤)G(緑)B(青)の3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110G、及び1110Bに入射される。
【0077】
液晶パネル1110R、1110G、及び1110Bの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投射される。
【0078】
ここで、各液晶パネル1110R、1110G、及び1110Bによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、及び1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。液晶パネル1110R、1110G、及び1110Bにはダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0079】
なお、本発明は上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、反射型液晶装置、プラズマディスプレイ、電界放出型ディスプレイ、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス、電気泳動装置等にも適用可能である。
【0080】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び当該電気光学装置を備える電子機器も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
(変形例1)
【0081】
図12は、本発明の変形例1にかかる液晶装置を構成するTFT100を、走査線としての第1のAl配線層402及びデータ線としての第2のAl配線層404と共に示す平面図である。図13は、図12のD−D´断面図であり、第2の多結晶シリコン層354と遮光層12の接続の態様を示す模式断面図である。
【0082】
本変形例のTFT100は、第2の多結晶シリコン層354を、第1のAl配線層402だけではなく遮光層12とも接続させて、走査線102(図1参照)の配線抵抗をより一層低減させていることが特徴である。
【0083】
図12に示すように、TFT100は、チャネル領域202の両側に第8のコンタクトホール508が形成されている。第8のコンタクトホール508は、図13に示すように下地絶縁膜200及びゲート絶縁膜201を、遮光層12に達するまでエッチングして形成されている。当該コンタクトホール内に充填される埋め込み部材509を介して、ゲート電極としての第2の多結晶シリコン層354と遮光層12とが接続している。上述したように第2の多結晶シリコン層354は走査線としての第1のAl配線層402と接続しているので、かかる態様により、走査線102(図1参照)は第1のAl配線層402と遮光層12の2層で構成されることとなる。その結果、配線抵抗が一層低下し、また冗長性も向上することとなる。したがって、表示性能等がより一層向上した液晶装置を得ることができる。
【0084】
本変形例では、第8のコンタクトホール508を形成後、当該コンタクトホール内に埋め込み部材509を充填した後に、多結晶シリコン層を形成しパターニングして第2の多結晶シリコン層354を形成している。埋め込み部材509は金属等の低抵抗材料であり、選択CVD法等により充填される。第8のコンタクトホール508を形成後、直接多結晶シリコン層を形成することも可能であるが、上述の手法により上記多結晶シリコン層のつきまわり等の影響を回避でき、確実に導通を得ることができる。
【0085】
なお、遮光層12は走査線駆動回路122(図1参照)と直接導通させることが好ましいが、所定の範囲外は第1のAl配線層のみで走査線102を構成しても充分な低抵抗化が可能である。
【0086】
また、本変形例では、誘電体膜304とは別に第5の層間絶縁膜225を形成していることも特徴である。誘電体膜304はシリコン酸化膜を5nm、シリコン窒化膜を15nm積層した計20nmの膜厚の絶縁膜であり、それとは別途第5の層間絶縁膜225として膜厚略200nmのシリコン酸化膜を形成している。誘電体膜として最適な絶縁膜を用いることで、蓄積容量の能力を向上させている。
(変形例2)
【0087】
図14に、本発明の変形例2にかかる液晶装置を構成するTFT100を、走査線としての第1のAl配線層402、及びデータ線としての第2のAl配線層404と共に示す。第1の多結晶シリコン層352の形状、及び構成は、上述の実施形態と同様である。第1の多結晶シリコン層352が第2の多結晶シリコン層354と重なる領域がチャネル領域202であり、その両側にソース領域及びドレイン領域が形成されている(図4参照)。
【0088】
第2の多結晶シリコン層354の平面形状は、上記実施形態とは異なりH字状ではく、第1のAl配線層402より若干広い幅の方形である。また、第1のAl配線層402も、TFT100が形成される領域で幅が拡大することなく、同一の幅で延伸している。したがって、第1のコンタクトホール501は、上記実施形態とは異なりチャネル領域202に近い位置に形成されている。
【0089】
上記実施形態と同様に、第1のコンタクトホール501を介して第1のAl配線層402と第2の多結晶シリコン層354とが接続しているため、第1のAl配線層402は図1に示す走査線102として機能している。
【0090】
そして、第2の多結晶シリコン層354の形状が上記実施形態のものと比べて小さいので、第1のAl配線層402と第2の多結晶シリコン層354とが重なる領域も小さくなり、配線容量が低減されている。すなわち、本変形例の液晶装置は、配線抵抗と配線容量の双方が低減されるので、より一層の高速動作が可能となる。
(変形例3)
【0091】
上記実施形態では、画素電極108の下層の第4の層間絶縁膜224を、CMP法により平坦化された膜としていた。しかし、第4の層間絶縁膜224以外の絶縁膜、例えば第3の層間絶縁膜223をCMP法により平坦化することも可能である。第3の層間絶縁膜223を平坦化した場合、第2のAl配線層404を平坦な面上に形成して信頼性を向上できる上、その上層の第4の層間絶縁膜224をCMP法により平坦化することが容易になるため、画素電極108をより一層平坦な面上に形成できる。したがって、より一層表示性能の向上した液晶装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】液晶装置の画像表示領域を構成する画素の等価回路図。
【図2】液晶装置の全体構成を示す図。
【図3】液晶装置の全体構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態にかかる液晶装置を構成するTFTを、走査線及びデータ線と共に示す平面図。
【図5】従来のTFTの一例を、走査線及びデータ線と共に示す平面図。
【図6】第1のAl配線層を第1の中継電極と共に示す図。
【図7】第2のAl配線層を第2の中継電極と共に示す図。
【図8】蓄積容量の下部電極を第2のバッファー層と共に示す図。
【図9】蓄積容量の上部電極を第3のバッファー層と共に示す図。
【図10】本実施形態の液晶装置の画像表示領域を構成するTFT等を示す模式断面図。
【図11】本実施形態の液晶装置の画像表示領域を構成するTFT等を示す模式断面図。
【図12】変形例1にかかるTFTを走査線及びデータ線と共に示す平面図。
【図13】変形例1にかかるTFTを走査線及びデータ線と共に示す模式断面図。
【図14】変形例2にかかるTFTを、走査線及びデータ線と共に示す平面図。
【図15】電子機器としての投射型のプロジェクタについて説明する図。
【符号の説明】
【0093】
10…液晶装置用基板、12…遮光層、20…対向基板、100…TFT、102…走査線、104…データ線、106…容量線、108…画素電極、109…液晶層、110…対向電極、112…配向膜、122…走査線駆動回路、124…データ線駆動回路、126…実装端子、128…シール材、130…遮光膜、132…接続配線、134…導通材、200…下地絶縁膜、201…ゲート絶縁膜、202…チャネル領域、221…第1の層間絶縁膜、222…第2の層間絶縁膜、223…第3の層間絶縁膜、224…第4の層間絶縁膜、225…第5の層間絶縁膜、302…下部電極、303…第2のバッファー層、304…誘電体膜、306…上部電極、307…第3のバッファー層、352…第1の多結晶シリコン層、353…多結晶シリコン層、354…第2の多結晶シリコン層、355…第1のバッファー層、402…走査線としての第1のAl配線層、404…データ線としての第2のAl配線層、406…第1の中継電極、408…第2の中継電極、500…コンタクトホール、501…第1のコンタクトホール、502…第2のコンタクトホール、503…第3のコンタクトホール、504…第4のコンタクトホール、505…第5のコンタクトホール、506…第6のコンタクトホール、507…第7のコンタクトホール、508…第8のコンタクトホール、509…埋め込み部材、1100…プロジェクタ、1102…ランプユニット、1104…ライトガイド、1106…ミラー、1108…ダイクロイックミラー、1110R…液晶パネル、1110G…液晶パネル、1110B…液晶パネル、1112…ダイクロイックプリズム、1114…投射レンズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1データ線と、
前記第1データ線に隣接する第2データ線と、
前記第1及び第2データ線と交差する走査線と、
前記第1データ線と重なる島状の第1シリコン膜と、
前記第1シリコン膜と重なる島状の第1ゲート電極と、
前記第2データ線と重なる島状の第2ゲート電極と、を含み、
前記走査線と前記第1ゲート電極とが第1コンタクトホールで電気的に接続され、前記走査線と前記第2ゲート電極とが第2コンタクトホールで電気的に接続され、前記第1走査線が前記第1データ線と前記第1ゲート電極との間に位置するものであり、前記走査線の配線抵抗が前記第1及び第2ゲート電極の配線抵抗より小さいものである、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置において、
前記第1ゲート電極と前記走査線との間に第1蓄積容量が位置し、
前記第2ゲート電極と前記走査線との間に第2蓄積容量が位置し、
平面視において、前記第1コンタクトホールが前記第1蓄積容量と前記第2蓄積容量との間に位置する、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
データ線と、
シリコン膜と、
前記データ線と前記シリコン膜との間に位置するゲート電極と、
前記データ線と前記ゲート電極との間に位置する走査線と、を含み、
前記ゲート電極と前記走査線とがコンタクトホールを介して電気的に接続され、前記走査線の配線抵抗が前記ゲート電極の配線抵抗よりも小さいものである、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電気光学装置において、
前記ゲート電極がシリコンを含み前記走査線が金属を含むものである、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電気光学装置において、
前記データ線と前記ゲート電極との間に位置する蓄積容量を含み、平面視において前記コンタクトホールと前記蓄積容量とが重ならない、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記蓄積容量が下部電極と上部電極とを有し、前記下部電極が前記シリコン膜のドレイン領域に電気的に接続され、前記下部電極が前記データ線と前記ゲート電極との間に位置し、前記上部電極が前記データ線と交差して延在する容量線であり、前記上部電極が前記データ線と前記下部電極との間に位置する、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記シリコン膜において前記ゲート電極と重なる領域がチャネル領域であり、前記チャネル領域と前記蓄積容量とが重なり、前記蓄積容量の上部電極が金属を含む、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
基板上の画像表示領域にマトリクス状に配置された、少なくとも画素電極と当該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタとを含む画素と、
前記画像表示領域の列方向に互いに平行に延在され、前記薄膜トランジスタのソース領域を列方向に互いに接続する複数本のデータ線と、
前記画像表示領域の行方向に互いに平行に延在され、前記薄膜トランジスタのゲート電極を行方向に互いに接続する複数本の走査線と、
を含む電気光学装置であって、
前記ゲート電極が非金属材料で形成され、
前記走査線は、前記ゲート電極上に絶縁膜を介して積層された金属材料の薄膜をパターニングして形成されており、各々の前記ゲート電極とは前記絶縁膜を局所的に除去して形成されたコンタクトホールを介して電気的に接続していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項3ないし8のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記薄膜トランジスタは、少なくともソース領域、ドレイン領域及びその中間のチャネル領域を含む多結晶シリコンパターンと前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とからなり、
前記ゲート電極を含む材料層は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域には重ならず、前記ソース領域及び前記ドレイン領域を両側から挟むH字状の領域を含むようにパターニングされており、前記コンタクトホールは、当該H字状の領域から外れた領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
請求項3ないし9のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記ゲート電極が島状の多結晶シリコン膜である、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
請求項3ないし10のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記走査線がアルミニウムを含む、ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の電気光学装置において、
前記電気光学装置が透過型の液晶装置であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項13】
請求項12に記載の液晶装置を光源からの光を変調するライトバルブとして備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−249975(P2008−249975A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90958(P2007−90958)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】