説明

電気光学装置用基板の製造方法および電気光学装置用基板

【課題】反射層の上層に屈折率の異なる複数の透光膜を積層した場合でも、透光膜の膜厚の測定結果に基づいて、透光膜の表面側からの研磨量やエッチング量を適正に設定することのできる電気光学装置用基板の製造方法、および電気光学装置用基板を提供すること。
【解決手段】電気光学装置の素子基板10の製造方法では、画素電極9aと同一の層あるいは画素電極9aより下層側にモニター用反射パターン7z、9zを形成しておき、画素電極9aおよびモニター用反射パターン7z、9zの上層側に第1透光膜181、および第2透光膜182を形成する。また、第2透光膜182のモニター用反射パターン7z、9zに重なる部分を除去した後、第3透光膜17を形成する。この状態で、モニター用反射パターン7z、9zに光を照射し、膜厚を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射層の上層に屈折率の異なる複数の透光膜が積層された電気光学装置用基板の製造方法および電気光学装置用基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
反射型の液晶装置やトップエミッションタイプの有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置では、基板の一方面側に反射層が設けられている。例えば、反射型の液晶装置の場合、画素電極が反射層として構成されている場合が多い。
【0003】
一方、反射性の画素電極(反射層)の上層に屈折率の異なる複数の透光膜を積層して誘電体多層膜からなる増反射膜を形成するとともに、誘電体多層膜の上層側に形成された透光膜の表面を研磨して平坦化した構造が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−139920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気光学装置において、透光膜を研磨する場合、あるいは透光膜にエッチングを行う場合、ビームプロファイル反射率測定法(BPR:Beam Profile Reflectometry)等により、透光膜の膜厚を測定し、かかる測定結果に基づいて研磨量やエッチング量を予め設定しておくことが好ましい。
【0006】
しかしながら、ビームプロファイル反射率測定法等では、透光膜を形成した後、反射層や、反射層とは別に設けたモニター用反射パターンに光を照射し、反射光の検出結果に基づいて膜厚を測定するため、特許文献1に記載の構成のように増反射膜を形成した場合、増反射膜の影響で膜厚を正確に測定することができない。このため、従来は、膜厚の測定結果に基づいて研磨量やエッチング量を適正に設定することが困難であるという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、反射層の上層に屈折率の異なる複数の透光膜を積層した場合でも、膜厚の測定結果に基づいて、研磨量やエッチング量等の除去量を適正に設定することのできる電気光学装置用基板の製造方法、および電気光学装置用基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法では、基板の一方面側のうち、画像表示領域に反射層を形成し、前記基板の端部と前記画像表示領域との間には前記反射層と同一の層あるいは当該反射層より下層側にモニター用反射パターンを形成しておき、前記反射層および前記モニター用反射パターンの上層側に第1屈折率を有する第1透光膜を形成する第1透光膜形成工程と、前記第1透光膜上に前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有する第2透光膜を形成する第2透光膜形成工程と、前記第2透光膜の前記モニター用反射パターンに重なる部分を除去する第2透光膜除去工程と、前記反射層および前記モニター用反射パターンの上層側に前記第1屈折率を有する第3透光膜を形成する第3透光膜形成工程と、前記モニター用反射パターンに光を照射した際の反射光に基づいて当該モニター用反射パターンの上層側に重なる透光膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、前記膜厚測定工程で測定した膜厚測定結果から設定した除去量に基づいて前記第3透光膜の表面側から膜の除去を行う膜除去工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明では、反射層およびモニター用反射パターンの上層に、第1屈折率を有する第1透光膜、第2屈折率を有する第2透光膜、および第1屈折率を有する第3透光膜を形成するとともに、モニター用反射パターンの上層からは第2透光膜を除去する。このため、第3透光膜を形成した後、モニター用反射パターンに光を照射し、反射光の検出結果に基づいて膜厚を測定する際、モニター用反射パターンの上層には、屈折率が等しい第1透光膜および第3透光膜が重なっており、屈折率が異なる第2透光膜が存在しない。従って、膜厚の測定結果に第2透光膜の影響、すなわち、誘電体多層膜の影響が及ばない。それ故、透光膜等の膜厚を正確に測定することができるので、膜厚の測定結果に基づいて研磨量やエッチング量を適正に設定することができる。
【0010】
本発明において、前記第1透光膜、前記第2透光膜および前記第3透光膜は、増反射膜を構成している構成を採用することができる。かかる構成の場合は特に、研磨後の第3透光膜の膜厚を正確に制御する必要があり、本発明によれば、第3透光膜等の膜厚を正確に測定することができるので、研磨量を適正に設定でき、研磨後の第3透光膜の膜厚を正確に制御することができる。
【0011】
本発明において、前記第2透光膜除去工程では、前記第1透光膜の少なくとも一部も除去することが好ましい。かかる構成によれば、第3透光膜の膜厚を測定する際、第2透光膜の影響を確実に排除することができる。
【0012】
本発明において、前記反射層は、反射性の画素電極であり、前記第1透光膜形成工程より前に前記基板の一方面側に導電層を形成しておき、前記膜除去工程として、前記第3透光膜を研磨して当該第3透光膜の表面を平坦化する研磨工程と、該研磨工程の後、前記第3透光膜の表面側から前記導電層に到達するコンタクトホールを形成するエッチング工程と、を行い、前記エッチング工程の後、前記第3透光膜上に前記コンタクトホールを介して前記導電層に導通する端子電極を形成する構成を採用することができる。かかる構成によれば、第3透光膜に対する研摩量、および第3透光膜から導電層までのエッチング量を適正に設定することができる。
【0013】
本発明において、前記反射層は、反射性の画素電極であり、前記膜除去工程では、前記第3透光膜を研磨して当該第3透光膜の表面を平坦化する研摩工程を行う構成を採用することができる。
【0014】
この場合、前記モニター用反射パターンを前記画素電極と同一の層に形成することが好ましい。かかる構成によれば、第3透光膜の膜厚を正確に測定することができる。
【0015】
また、前記モニター用反射パターンを前記画素電極より下層側に形成し、前記モニター用反射パターンと前記画素電極との間には前記第1屈折率を有する層間絶縁膜を設ける構成を採用してもよい。かかる構成によれば、モニター用反射パターンの上層には第1屈折率を有する層間絶縁膜のみが存在するため、第3透光膜の膜厚を正確に測定することができる。
【0016】
本発明において、前記第1透光膜形成工程より前に前記基板の一方面側に導電層を形成しておき、前記膜除去工程では、前記第3透光膜の表面側から前記導電層に到達するコンタクトホールを形成するエッチングを行い、前記膜除去工程の後、前記第3透光膜上に前記コンタクトホールを介して前記導電層に導通する端子電極を形成する構成を採用することができる。
【0017】
この場合、前記モニター用反射パターンを前記導電層と同一の層に形成することが好ましい。かかる構成によれば、第3透光膜の膜厚を正確に測定することができる。
【0018】
また、前記モニター用反射パターンを前記導電層より下層側に形成し、前記モニター用反射パターンと前記導電層との間には前記第1屈折率を有する層間絶縁膜を設ける構成を採用してもよい。かかる構成によれば、モニター用反射パターンの上層には第1屈折率を有する層間絶縁膜のみが存在するため、第3透光膜の膜厚を正確に測定することができる。
【0019】
本発明は、電気光学装置用基板として、以下のように規定することもできる。すなわち、本発明に係る電気光学装置用基板は、基板の一方面側のうち、画像表示領域に形成された反射層と、前記基板の一方面側のうち、当該基板の端部と前記画像表示領域との間に前記反射層と同一の層あるいは当該反射層より前記基板側に設けられたモニター用反射パターンと、前記反射層および前記モニター用反射パターンに前記基板と反対側で重なるように設けられ、第1屈折率を有する第1透光膜と、前記第1透光膜の前記基板と反対側で前記反射層と重なり、前記モニター用反射パターンとは重ならないように設けられ、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有する第2透光膜と、前記第2透光膜の前記基板と反対側で前記反射層および前記モニター用反射パターンとは重なるように設けられ、前記第1屈折率を有する第3透光膜と、を有することを特徴とする。
【0020】
かかる電気光学装置用基板によれば、各膜を形成した後、モニター用反射パターンに対して、基板と反対側で重なる透光膜の膜厚を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の画素の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の端子電極等の構成を画素の構成と比較して模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の素子基板の製造に用いられる大型基板の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造工程のうち、素子基板の製造方法を示す工程断面である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造工程のうち、素子基板の製造方法を示す工程断面である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の端子電極等の構成を画素の構成と比較して模式的に示す説明図である。
【図9】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態として、各種の電気光学装置のうち、アクティブマトリクス型の液晶装置の素子基板(電気光学装置用基板)およびその製造方法に本発明を適用した例を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、電界効果型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。また、対向基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは対向基板の基板本体が位置する側とは反対側(素子基板が位置する側)を意味し、下層側とは対向基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0023】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図1において、本形態の電気光学装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有する液晶装置であり、かかる液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画像表示領域10a(画素配列領域/有効画素領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画像表示領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交差部分に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスター(スイッチング素子)からなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。このようにして、電気光学装置100では、複数の画素100aの各々に対応して複数の画素電極9aおよび複数の画素トランジスター30が形成されている。
【0024】
素子基板10において、画像表示領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0025】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、素子基板10には、複数の画素100aに跨って延在する容量線5bが形成されており、容量線5bは、共通電位Vcomが印加された定電位配線7rに導通している。
【0026】
(液晶パネル100pおよび素子基板10の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0027】
図2に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10(電気光学装置用基板)と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、各種液晶材料(電気光学物質)からなる液晶層50(電気光学物質層)が設けられている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって封止されている。
【0028】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画像表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、画像表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0029】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子電極102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子電極102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0030】
図3等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、画像表示領域10aには、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0031】
また、素子基板10の一方面10sの側において、画像表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、画像表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素電極9bは、隣り合うダミー画素電極9b同士が細幅の連結部(図示せず)で繋がっている。また、ダミー画素電極9bは、共通電位Vcomが印加されており、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する。また、ダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。なお、ダミー画素電極9bに電位を印加せず、ダミー画素電極9bを電位的にフロート状態とする場合もあり、この場合でも、ダミー画素電極9bは、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。
【0032】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0033】
また、対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の表面には配向膜26が積層されている。本形態において、遮光層29は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって画像表示領域10aが規定されている。また、本形態において、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。ここで、額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0034】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19は、共通電位Vcomが印加された定電位配線7rに導通しており、定電位配線7rは、端子電極102のうち、共通電位印加用の端子電極102aに導通している。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材109が配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材109および基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0035】
本形態において、電気光学装置100は反射型の液晶装置であり、共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成され、画素電極9aは、アルミニウム膜等の反射性導電膜により形成されている。かかる反射型の液晶装置(電気光学装置100)では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0036】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20あるいは素子基板10には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることできる。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0037】
本形態において、電気光学装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる反射型の液晶装置である場合を中心に説明する。また、本形態において、電気光学装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0038】
(画素100pの具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の画素100aの説明図であり、図3(a)、(b)は、素子基板10において隣り合う複数の画素の平面図、および電気光学装置100のF−F′断面図である。なお、図3(a)では、各層を以下の線
下層側の遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5b=太い一点鎖線
上層側の遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
で示してある。また、図3(a)では、互いの端部が重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0039】
図3(a)に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する一方面10sには、複数の画素100aの各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域10fは縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域10fのうち、X方向(第1方向)に延在する第1画素間領域10gに沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向(第2方向)に延在する第2画素間領域10hに沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して画素トランジスター30が形成されており、本形態において、画素トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5bが形成されており、かかる容量線5bには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。画素トランジスター30の上層側には遮光層7aが形成されており、かかる遮光層7aは、データ線6aに重なるように延在している。画素トランジスター30の下層側には遮光層8aが形成されており、かかる遮光層8aは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0040】
図3(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0041】
素子基板10において、基板本体10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の遮光層8aが形成されている。本形態において、遮光層8aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。なお、遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3cと遮光層8aを導通させた構成とする。
【0042】
基板本体10wの一方面10s側において、遮光層8aの上層側には、透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリコン酸化膜(シリケートガラスも含む。)や、シリコン窒化膜からなる。かかる絶縁膜12は、シランガス(SiH4)、2塩化シラン(SiCl22)、TEOS(テトラエトキシシラン/テトラ・エチル・オルソ・シリケート/Si(OC254)、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)等を用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法等により形成される。
【0043】
画素トランジスター30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えており、本形態において、ゲート電極3cは走査線3aの一部からなる。画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0044】
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0045】
ゲート電極3cの上層側には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1cに導通している。
【0046】
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性のエッチングストッパー層49、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5bが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5bは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5bは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、蓄積容量55を構成している。
【0047】
容量線5bの上層側には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、エッチングストッパー層49、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42およびエッチングストッパー層49を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0048】
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、遮光層7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、遮光層7aを容量線5bと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0049】
遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側には、アルミニウム膜やアルミニウム合金膜等の反射性金属膜を備えた画素電極9a(反射層)が形成されている。本形態において、画素電極9aは、下層側のチタン窒化膜と、上層側のアルミニウム膜との2層構造になっている。層間絶縁膜45には、層間絶縁膜45を貫通して中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなる。また、層間絶縁膜45は、NSG(ノンシリケートガラス)からなる下層側の第1絶縁膜と、BSG(ボロンシリケートガラス)からなる上層側の第2絶縁膜との構造を有している場合がある。いずれの場合も、層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。
【0050】
画素電極9aの表面側には、第1屈折率を有する第1透光膜181と、第2屈折率を有する第2透光膜182と、第1屈折率を有する第3透光膜17とが形成されている。ここで、第1透光膜181および第3透光膜17は、シリコン酸化膜であり、屈折率(第1屈折率)は約1.5である。第1透光膜181および第3透光膜17は、画素電極9aと重なる部分の厚さが75nm程度である。第2透光膜182は、厚さが65nm程度のシリコン窒化膜であり、屈折率(第2屈折率)は約1.9である。従って、第1透光膜181、第2透光膜182および第3透光膜17は、屈折率が異なる誘電体膜が交互に積層された誘電体多層膜を構成しており、本形態において、第1透光膜181、第2透光膜182および第3透光膜17(誘電体多層膜)は、画素電極9aの表面での反射率を高める増反射膜18を構成している。
【0051】
ここで、第1透光膜181は概ね一定の厚さで形成されている。これに対して、第3透光膜17は、例えば、350nmの膜厚で成膜されたシリコン酸化膜の表面を研磨により平坦化した平坦化膜として形成されている。このため、第3透光膜17は、隣り合う画素電極9aの間に発生している凹部を埋めており、第3透光膜17の表面は、画素電極9aに重なる領域と、画素電極9aの間に重なる領域とにおいて連続した平坦面(平面)を構成している。
【0052】
第3透光膜17の上面には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)からなる。
【0053】
(対向基板20の構成)
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。本形態において、配向膜26は、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiOX)の斜方蒸着膜が用いられている。
【0054】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0055】
(端子電極102の具体的構成)
図4は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の端子電極102等の構成を画素100aの構成と比較して模式的に示す説明図である。図4において、図4(a1)、(a2)は、画素100aの平面構成を模式的に示す説明図、および画素100aの断面構成を模式的に示す説明図であり、図4(b1)、(b2)は、端子電極102の平面図、およびP−P′線に相当する位置で素子基板10を切断したときの断面図である。図4(c1)、(c2)は、モニター用反射パターンの平面図、およびM−M′線に相当する位置で素子基板10を切断したときの断面図である。なお、図4では、画素100a、端子電極102の形成領域、およびモニター用反射パターンの形成領域が同一の高さとして表してあるが、端子電極102の形成領域、およびモニター用反射パターンの形成領域が画素100aより低く形成されていることもある。
【0056】
図4に示すように、本形態の電気光学装置100において、端子電極102は、例えば、遮光層7aや中継電極7bと同一の導電膜からなる配線7s(導電層)に重なるように形成されている。かかる端子電極102の形成領域は、画素100aと略同様な断面構成となっている。より具体的には、端子電極102の形成領域では、基板本体10wの一方面側に絶縁膜12、ゲート絶縁層2の第2ゲート絶縁層2b、層間絶縁膜41、エッチングストッパー層49、層間絶縁膜42、層間絶縁膜44、および層間絶縁膜45がこの順に形成されている。また、端子電極102の形成領域では、画素100aとの高さ寸法を調整すること等を目的に、画素100aの遮光層8a、走査線3a、容量線5bおよびデータ線6aの各々を構成する導電膜と同一の導電膜8s、3s、5s、6sがこの順に形成されている。さらに、層間絶縁膜44と層間絶縁膜45との層間には、中継電極7bを構成する導電膜と同一の導電膜からなる配線7sが形成されている。
【0057】
本形態では、配線7sに導通する端子電極102を形成するにあたって、層間絶縁膜45、第1透光膜181、第2透光膜182、第3透光膜17を貫通して配線7sに到達するコンタクトホール17sが形成されており、端子電極102は、コンタクトホール17sを介して配線7sに導通している。本形態において、端子電極102はITO膜等からなる。なお、図2に示す基板間導通用電極19(端子電極)も、端子電極102と同様な構造を有しているので、説明を省略する。
【0058】
(モニター用反射パターンの具体的構成)
図4(c1)、(c2)に示すように、本形態では、素子基板10(電気光学装置用基板)の画像表示領域10aの外側(画像表示領域10aと素子基板10の端部との間)に以下に説明するモニター用反射パターン7z、9zが形成されている。また、モニター用反射パターン7z、9zは、素子基板10の製造に用いた大型基板10x(電気光学装置用基板)において素子基板10が切り出される領域の外側(画像表示領域10aと素子基板10の端部との間)に形成されていることもある。いずれの場合も、モニター用反射パターン7z、9zの形成領域は、素子基板10の各構成要素を製造し終えた段階では、図4(c1)、(c2)に示す構造になっている。
【0059】
より具体的には、まず、モニター用反射パターン7z、9zの形成領域は、画素100aおよび端子電極102の形成領域と略同様な断面構成となっており、基板本体10wの一方面側に絶縁膜12、ゲート絶縁層2の第2ゲート絶縁層2b、層間絶縁膜41、エッチングストッパー層49、層間絶縁膜42、層間絶縁膜44、および層間絶縁膜45がこの順に形成されている。また、基板間導通用電極19の形成領域では、画素100aとの高さ寸法を調整すること等を目的に、画素100aの遮光層8a、走査線3a、容量線5bおよびデータ線6aの各々を構成する導電膜と同一の導電膜8t、3t、5t、6tがこの順に形成されている。さらに、層間絶縁膜44と層間絶縁膜45との層間には、中継電極7bを構成する導電膜と同一の導電膜7tが形成されている。
【0060】
ここで、層間絶縁膜44と層間絶縁膜45との層間には、配線7sや中継電極7bを構成する導電膜と同一の導電膜によってモニター用反射パターン7zが形成されており、かかるモニター用反射パターン7zの上層には配線や電極は形成されていない。また、層間絶縁膜45上には、画素電極9aを構成する導電膜と同一の導電膜によってモニター用反射パターン9zが形成されている。
【0061】
ここで、モニター用反射パターン7z、9zの上層側には、第1透光膜181および第3透光膜17は形成されているが、第2透光膜182は形成されていない。このため、モニター用反射パターン7zには、上層側で層間絶縁膜45、第1透光膜181および第3透光膜17が重なっており、これらの絶縁膜はいずれもシリコン酸化膜からなる。また、モニター用反射パターン9zには、上層側で第1透光膜181および第3透光膜17が重なっており、これらの絶縁膜はいずれもシリコン酸化膜からなる。
【0062】
(電気光学装置100の製造方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の素子基板10の製造に用いられる大型基板10xの説明図である。図6および図7は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造工程のうち、素子基板10の製造方法を示す工程断面である。なお、図6および図7では、図6(a)以外、中継電極6bより上層側のみを図示してある。
【0063】
本形態の電気光学装置100の素子基板10を製造するにあたっては、図5に示すように、素子基板10を多数取りできる大型基板10xの状態で途中の工程までを行い、その後、単品サイズに切断する。図5に示す大型基板10xのうち、図5(a)に示す形態では、大型基板10xにおいて単品サイズの素子基板10として切り出される領域10yの外側(除材領域10z/画像表示領域10aと大型基板10xの端部との間)にモニター用反射パターン7z、9zが形成されている。これに対して、図5(b)に示す形態では、大型基板10xにおいて単品サイズの素子基板10として切り出される領域10yのうち、画像表示領域10aと素子基板10の端部との間にモニター用反射パターン7z、9zが形成されている。
【0064】
かかる大型基板10xを用いて素子基板10を形成するにあたっては、図6(a)に示すように、周知の方法で、層間絶縁膜44までを形成する。次に、層間絶縁膜44上に反射性金属膜を成膜した後、パターニングし、層間絶縁膜44上に中継電極7b、導電膜7tおよびモニター用反射パターン7zを形成する。
【0065】
次に、図6(b)に示すように、層間絶縁膜45を形成した後、後述する化学機械研磨等の方法により表面を平坦化し、次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、層間絶縁膜45にコンタクトホール45aを形成する。
【0066】
次に、層間絶縁膜45上に画素電極用金属膜を成膜した後、パターニングし、図6(c)に示すように、層間絶縁膜45上に画素電極9a(反射層)およびモニター用反射パターン9zを形成する。本形態では、画素電極用金属膜として、下層側のチタン窒化膜と、上層側のアルミニウム膜との2層構造を有する金属膜を形成する。
【0067】
次に、図6(d)に示す第1透光膜形成工程において、CVD法等により、画素電極9aおよびモニター用反射パターン7z、9zの上層側に画素電極9aに接するように、厚さが75nm程度のシリコン酸化膜からなる第1透光膜181を形成する。
【0068】
次に、図6(e)に示す第2透光膜形成工程において、CVD法等により、第1透光膜181上に、厚さが65nm程度のシリコン窒化膜からなる第2透光膜182を形成する。
【0069】
次に、図7(a)に示す第2透光膜除去工程において、画像表示領域10a等にレジストマスクを形成してエッチングを行い、第2透光膜182のモニター用反射パターン7z、9zに重なる部分を除去する。その際、第1透光膜181の表面の一部あるいは全体を除去してもよい。
【0070】
次に、図7(b)に示す第3透光膜形成工程において、CVD法等により、画素電極9aおよびモニター用反射パターン7z、9zの上層側に、厚さが350nm程度のシリコン酸化膜からなる第3透光膜17を形成する。
【0071】
次に、図7(c)に示す膜厚測定工程において、ビームプロファイル反射率測定法により、モニター用反射パターン9zに上層側で重なっている透光膜の膜厚を測定する。より具体的には、矢印L1で示すように、モニター用反射パターン9zに光を照射した際の反射光に基づいて、モニター用反射パターン9zに上層側で重なっている透光膜(第1透光膜181および第3透光膜17)の膜厚を測定する。かかるビームプロファイル反射率測定法では、直線偏光のレーザ光を用い、p偏光成分とs偏光成分の反射率プロファイルを求め、膜厚を求める。なお、第1透光膜181の膜厚は薄いので、成膜時の設定膜厚をそのまま第1透光膜181として見做しても誤差が小さい。従って、ビームプロファイル反射率測定法により測定した結果から、第3透光膜17の膜厚を測定することができる。
【0072】
次に、図7(d)に示す膜除去工程では、膜厚測定工程で測定した膜厚測定結果から設定した除去量(研磨量)に基づいて第3透光膜17に研磨を行い、第3透光膜17を薄膜化するとともに、第3透光膜17の表面を連続した平坦面(平面)とする(研磨工程)。その結果、第3透光膜17の画素電極9aと重なる部分の厚さは、第1透光膜181と同様、75nm程度となる。かかる研磨には化学機械研磨を採用することができる。化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と大型基板10xとの相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、大型基板10xを保持するホルダーとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と大型基板10xとの間に供給する。
【0073】
次に、図7(e)に示す膜厚測定工程において、ビームプロファイル反射率測定法により、モニター用反射パターン7zに上層側で重なっている透光膜の膜厚を測定する。より具体的には、矢印L2で示すように、モニター用反射パターン7zに光を照射した際の反射光に基づいて、モニター用反射パターン7zに上層側で重なっている透光膜(層間絶縁膜45、第1透光膜181および第3透光膜17)の膜厚を測定する。
【0074】
次に、図7(f)に示す膜除去工程では、膜厚測定工程で測定した膜厚測定結果から設定した除去量(エッチング量)に基づいて、層間絶縁膜45、第1透光膜181、第2透光膜182および第3透光膜17にエッチングを行い、配線7sに到達するコンタクトホール17sを形成する(エッチング工程)。
【0075】
次に、スパッタ法等により、第3透光膜17上にITO膜を成膜した後、パターニングし、図4に示すように、第3透光膜17上に端子電極102を形成する。
【0076】
しかる後に、マスク蒸着等を利用して画像表示領域10aのみに配向膜16を形成する。その結果、大型基板10xが完成する。しかる後には、図2等を参照して説明したように、大型基板10xと対向基板20とをシール材107で貼り合わせた後、減圧雰囲気中でシール材107の液晶注入口107cから液晶を注入し、しかる後に、シール材107の液晶注入口107cを封止材108で封止する。そして、大型基板10xを単品サイズの素子基板10に切断すれば、図2等を参照して説明した単品サイズの液晶パネル100pを得ることができる。
【0077】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100および素子基板10(大型基板10x)の製造方法では、大型基板10xの一方面に、画素電極9aと同一の層あるいは画素電極9aより下層側にモニター用反射パターン7z、9zを形成しておき、画素電極9aおよびモニター用反射パターン7z、9zの上層側に第1透光膜181、および第2透光膜182を形成する。また、第2透光膜182のモニター用反射パターン7z、9zに重なる部分を除去した後、第3透光膜17を形成する。このため、モニター用反射パターン9zに光を照射し、反射光の検出結果に基づいて膜厚を測定する際、モニター用反射パターン9zの上層には、屈折率が等しい第1透光膜181および第3透光膜17が重なっており、屈折率が異なる第2透光膜182が存在しない。また、モニター用反射パターン7zに光を照射し、反射光の検出結果に基づいて膜厚を測定する際、モニター用反射パターン7zの上層には、屈折率が等しい層間絶縁膜45、第1透光膜181および第3透光膜17が重なっており、屈折率が異なる第2透光膜182が存在しない。このため、膜厚の測定結果に誘電体多層膜(増反射膜18)の影響が及ばない。従って、第3透光膜17等の膜厚を正確に測定することができるので、膜厚の測定結果に基づいて研磨量やエッチング量を適正に設定することができる。
【0078】
特に、本形態において、第1透光膜181、第2透光膜182および第3透光膜17は、増反射膜18を構成しているため、第3透光膜17の膜厚を正確に測定して研磨後の第3透光膜17の膜厚を正確に制御する必要がある。ここで、第1透光膜181の膜厚と第3透光膜17の膜厚との和は正確に測定でき、しかも、第1透光膜181の膜厚は薄い。従って、第3透光膜17の膜厚を正確に把握することができるので、第3透光膜17に対する研摩量を適正に設定することができる。それ故、研磨後の第3透光膜17の膜厚を正確に制御することができる。
【0079】
また、画素電極9aの上層側での研磨量(除去量)を求めるための膜厚を測定する際に用いたモニター用反射パターン9zは、画素電極9aと同一の層であり、第3透光膜17以外でモニター用反射パターン9zに上層側で重なっているのは第1透光膜181のみである。このため、第3透光膜17の膜厚を正確に把握することができるので、画素電極9aの上層側での研磨量(除去量)を正確に設定することができる。
【0080】
また、配線7sの上層側でのエッチング量(除去量)を求めるための膜厚を測定する際に用いたモニター用反射パターン7zは、配線7sと同一の層であり、第2透光膜182以外でモニター用反射パターン7zに上層側で重なっているのは、エッチング対象となる透光膜(層間絶縁膜45、第1透光膜181および第3透光膜17)のみである。このため、エッチング対象となる透光膜の膜厚を正確に把握することができるので、配線7sの上層側でのエッチング量(除去量)を正確に設定することができる。
【0081】
なお、第2透光膜除去工程では、第1透光膜181の少なくとも一部も除去することが好ましく、かかる構成によれば、第2透光膜を確実に除去することができる。従って、第3透光膜17等の膜厚を測定する際、第2透光膜182の影響を確実に排除することができる。
【0082】
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の端子電極102等の構成を画素100aの構成と比較して示す説明図である。図8において、図8(a1)、(a2)は、画素100aの平面構成を模式的に示す説明図、および画素100aの断面構成を模式的に示す説明図であり、図8(b1)、(b2)は、端子電極102の平面図、およびP−P′線に相当する位置で素子基板10を切断したときの断面図である。図8(c1)、(c2)は、モニター用反射パターンの平面図、およびM−M′線に相当する位置で素子基板10を切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0083】
実施の形態1では、画素電極9a(反射層)と同一の層にモニター用反射パターン9zが形成され、配線7sと同一の層にモニター用反射パターン7zが形成されていたが、図8に示すように、画素電極9a(反射層)より下層側にモニター用反射パターン9zが形成され、配線7sより下層側にモニター用反射パターン7zが形成されていてもよい。例えば、図8に示す構成例では、モニター用反射パターン7z、9zは、中継電極6bと同一の層に形成されている。かかる構成の場合でも、モニター用反射パターン7z、9zと画素電極9a(反射層)との間に介在するのは、第1透光膜181および第3透光膜17と同様、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜44、45である。このため、モニター用反射パターン7z、9zに上層側で重なる透光膜は、全てがシリコン酸化膜からなる。従って、ビームプロファイル反射率測定法により、モニター用反射パターン7z、9zに上層側で重なっている透光膜の膜厚を正確に測定することができる。
【0084】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、増反射膜18を構成するにあたって、低屈折率層としてシリコン酸化膜を用い、高屈折率層としてシリコン窒化膜を用いた。但し、屈折率が1.7未満のものを低屈折率層とし、屈折率が1.7以上のものを高屈折率層と定義すれば、低屈折率層および高屈折率層としては、以下の材料
低屈折率層
フッ化マグネシウム(MgF2)/屈折率=1.38
酸化アルミニウム(Al23)/屈折率=1.62
高屈折率層
チタン酸化膜(TiO2)/屈折率=2.10
タンタル酸化膜(Ta25)/屈折率=2.10
を用いてもよい。
【0085】
上記実施の形態では、電気光学装置100として液晶装置を中心に説明したが、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマ表示装置、電気泳動型表示装置等の電気光学装置において画素電極9a等の反射層の上層側に誘電体多層膜を形成する場合に本発明を適用してもよい。
【0086】
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図9は、本発明を適用した投射型表示装置および光学ユニットの概略構成図である。図9に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤色光R、緑色光G、および青色光Bの3色の色光に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射光学系1029とを備えている。
【0087】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の電気光学装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0088】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色光Rは、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)に入射する。
【0089】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色光Gは、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)に入射する。
【0090】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色光Bは、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過する一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)に入射する。なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、電気光学装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0091】
このように構成した投射型表示装置1000では、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各電気光学装置100において変調される。その際、電気光学装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aは赤色光Rを反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bは青色光Bを反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)に投射する。
【0092】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0093】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0094】
7s・・配線(導電層)、7z、9z・・モニター用反射パターン、9a・・画素電極(反射層)、10・・素子基板(電気光学装置用基板)、10a・・画像表示領域、10x・・大型基板(電気光学装置用基板)、16・・配向膜、17・・第3透光膜、18・・増反射膜、20・・対向基板、21・・共通電極、45s・・コンタクトホール、50・・液晶層、100・・電気光学装置、102・・端子電極、181・・第1透光膜、182・・第2透光膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方面側のうち、画像表示領域に反射層を形成し、前記基板の端部と前記画像表示領域との間には前記反射層と同一の層あるいは当該反射層より下層側にモニター用反射パターンを形成しておき、
前記反射層および前記モニター用反射パターンの上層側に第1屈折率を有する第1透光膜を形成する第1透光膜形成工程と、
前記第1透光膜上に前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有する第2透光膜を形成する第2透光膜形成工程と、
前記第2透光膜の前記モニター用反射パターンに重なる部分を除去する第2透光膜除去工程と、
前記反射層および前記モニター用反射パターンの上層側に前記第1屈折率を有する第3透光膜を形成する第3透光膜形成工程と、
前記モニター用反射パターンに光を照射した際の反射光に基づいて、当該モニター用反射パターンの上層側に重なる透光膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
前記膜厚測定工程で測定した膜厚測定結果から設定した除去量に基づいて前記第3透光膜の表面側から膜の除去を行う膜除去工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1透光膜、前記第2透光膜および前記第3透光膜は、増反射膜を構成していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項3】
前記第2透光膜除去工程では、前記第1透光膜の少なくとも一部を除去することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項4】
前記反射層は、反射性の画素電極であり、
前記第1透光膜形成工程より前に前記基板の一方面側に導電層を形成しておき、
前記膜除去工程として、前記第3透光膜を研磨して当該第3透光膜の表面を平坦化する研磨工程と、該研磨工程の後、前記第3透光膜の表面側から前記導電層に到達するコンタクトホールを形成するエッチング工程と、を行い、
前記エッチング工程の後、前記第3透光膜上に前記コンタクトホールを介して前記導電層に導通する端子電極を形成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項5】
前記反射層は、反射性の画素電極であり、
前記膜除去工程では、前記第3透光膜を研磨して当該第3透光膜の表面を平坦化する研摩工程を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項6】
前記モニター用反射パターンを前記画素電極と同一の層に形成することを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項7】
前記モニター用反射パターンを前記画素電極より下層側に形成し、
前記モニター用反射パターンと前記画素電極との間には前記第1屈折率を有する層間絶縁膜を設けることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1透光膜形成工程より前に前記基板の一方面側に導電層を形成しておき、
前記膜除去工程では、前記第3透光膜の表面側から前記導電層に到達するコンタクトホールを形成するエッチング工程を行い、
前記エッチング工程の後、前記第3透光膜上に前記コンタクトホールを介して前記導電層に導通する端子電極を形成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項9】
前記モニター用反射パターンを前記導電層と同一の層に形成することを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項10】
前記モニター用反射パターンを前記導電層より下層側に形成し、
前記モニター用反射パターンと前記導電層との間には前記第1屈折率を有する層間絶縁膜を設けることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項11】
基板の一方面側のうち、画像表示領域に形成された反射層と、
前記基板の一方面側のうち、当該基板の端部と前記画像表示領域との間に前記反射層と同一の層あるいは当該反射層より前記基板側に設けられたモニター用反射パターンと、
前記反射層および前記モニター用反射パターンに前記基板と反対側で重なるように設けられ、第1屈折率を有する第1透光膜と、
前記第1透光膜の前記基板と反対側で前記反射層と重なり、前記モニター用反射パターンとは重ならないように設けられ、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有する第2透光膜と、
前記第2透光膜の前記基板と反対側で前記反射層および前記モニター用反射パターンとは重なるように設けられ、前記第1屈折率を有する第3透光膜と、
を有することを特徴とする電気光学装置用基板。

【図2】
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【図5】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−252031(P2012−252031A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122154(P2011−122154)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】