説明

電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造

【課題】電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させる。
【解決手段】モータ5を、前輪7,9及び後輪65,67の車輪軸FA,RAの間に配置され且つ回転軸5aが車両前後方向に向いた状態で支持するモータ支持部材69と、このモータ支持部材69の車両後方に配置され、該モータ支持部材69が連結され、バッテリ3を支持するバッテリ支持部材71とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリと該バッテリから電力が供給されて駆動輪を駆動させるモータとを備えている電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気自動車には、駆動モータ及び駆動ギヤから構成される駆動モータユニットを、前側及び後側モータマウントを介してモータルームの下部に配設されたサスペンションメンバに取り付ける一方、空気コンプレッサを、駆動モータユニットの前方斜め上方で前側モータマウントよりも上方且つ前方に配設しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−161260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガソリンエンジン車では、大型のエンジン及びトランスミッションを隣接配置するため、駆動系のレイアウトの自由度が低いが、電気自動車では、エンジン及びトランスミッションがなく、これらを隣接配置する必要がないため、バッテリやモータのレイアウトの自由度が高い。
【0005】
そこで、本発明者たちは、バッテリやモータのレイアウトについて鋭意検討をした結果、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させるバッテリ及びモータの搭載構造を開発するに至った。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、バッテリと該バッテリから電力が供給されて駆動輪を駆動させるモータとを備えている電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、バッテリと該バッテリから電力が供給されて駆動輪を駆動させるモータとを備えている電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造であって、上記モータを、前輪及び後輪の車輪軸の間に配置され且つ回転軸が車両前後方向に向いた状態で支持するモータ支持部材と、上記モータ支持部材の車両後方に配置され、該モータ支持部材が連結され、上記バッテリを支持するバッテリ支持部材とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
これによれば、比較的重量のあるモータを前輪及び後輪の車輪軸の間に配置しているので、ヨー慣性モーメントを低減させることができる。
【0009】
また、モータ支持部材をバッテリ支持部材に連結しているので、モータのトルク反力を分散させることができる。
【0010】
以上により、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、フロアパネルの車幅方向中央部には、車両前後方向に延び且つ上方に膨出するようにフロアトンネルが形成されており、上記モータは、上記フロアトンネル内に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
これによれば、モータをフロアトンネル内に配置しているので、フロアトンネル内のスペースを有効利用することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記モータは、その回転軸が上記駆動輪としての前輪にデフを介して連結されており、上記デフは、上記前輪の前端よりも車両後方で且つ上記モータの車両前方に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
これによれば、比較的重量のあるデフを前輪の前端よりも車両後方で且つモータの車両前方に配置しているので、ヨー慣性モーメントをより一層低減させることができる。
【0015】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記モータ支持部材は、上記モータに加えて、上記デフを支持していることを特徴とするものである。
【0016】
これによれば、モータ支持部材は、モータに加えて、デフを支持しているので、モータ支持部材によって、モータ及びデフを安定支持することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記モータ支持部材は、上記デフを支持するフロントサスペンションクロスメンバと、上記フロントサスペンションクロスメンバにその後端縁部から車両後方に延びるように設けられ、上記モータを支持する延長部とを有していて、該延長部が上記バッテリ支持部材に連結されていることを特徴とするものである。
【0018】
これによれば、モータ支持部材は、デフを支持するフロントサスペンションクロスメンバと、フロントサスペンションクロスメンバにその後端縁部から車両後方に延びるように設けられ、モータを支持する延長部とを有している。つまり、モータを、車体に長いスパンで取り付けられたフロントサスペンションクロスメンバに支持している。したがって、モータを広い面によって支持することができ、モータのトルク反力をより一層分散させることができる。
【0019】
第6の発明は、上記第3の発明において、上記モータは、上記デフの車両後方に離間配置されていて、回転軸がプロペラシャフトを介して上記デフに連結されていることを特徴とするものである。
【0020】
これによれば、モータをデフの車両後方に離間配置して、その回転軸をプロペラシャフトを介してデフに連結しているので、モータをフロアトンネル内の任意の位置に配置することができる。
【0021】
第7の発明は、上記第1〜6のいずれか1つの発明において、上記モータは、少なくとも一部がダッシュパネルの車両後方に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
これによれば、モータを、少なくとも一部がダッシュパネルの車両後方に位置するように配置しているので、ダッシュパネルの車両前方空間にスペースを空けることができる。
【0023】
第8の発明は、上記第1〜7のいずれか1つの発明において、上記モータよりも車両前方には、収納部が設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
これによれば、モータよりも車両前方に収納部を設けているので、後方駐車時における収納部の利便性を向上させることができる。
【0025】
特に、第7の発明においては、ダッシュパネルの車両前方空間の空いたスペースに収納部を設けることができる。
【0026】
第9の発明は、上記第1〜8のいずれか1つの発明において、上記モータ支持部材は、上記バッテリ支持部材に対し上下方向に揺動可能に連結されていることを特徴とするものである。
【0027】
ところで、モータは、その回転軸が車両前後方向に向くように配置されているので、モータの回転方向が車幅方向(上下方向)となり、モータ支持部材にモータのトルク反力が伝達されると、モータ支持部材が上下方向に振動しようとする。
【0028】
ここで、本発明によれば、モータ支持部材をバッテリ支持部材に対し上下方向に揺動可能に連結しているので、モータ支持部材が上下方向に振動することを許容することができる。
【0029】
特に、第5の発明においては、モータ支持部材にモータのトルク反力に加えて、前輪からの振動が伝達されるので、モータ支持部材が上下方向により一層振動しようとする。
【0030】
ここで、本発明によれば、上述の如く、モータ支持部材が上下方向に振動することを許容することができる。
【0031】
第10の発明は、上記第1〜9のいずれか1つの発明において、上記モータは、その回転軸が上記車輪軸よりも下方に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
【0032】
これによれば、モータを、その回転軸が車輪軸よりも下方に位置するように配置しているので、重心を低くすることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、比較的重量のあるモータを前輪及び後輪の車輪軸の間に配置しているので、ヨー慣性モーメントを低減させることができ、また、モータ支持部材をバッテリ支持部材に連結しているので、モータのトルク反力を分散させることができ、以上により、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る電気自動車の全体構造を示す概略平面図である。
【図2】電気自動車の全体構造を示す概略側面図である。
【図3】バッテリ及びモータの搭載構造を示す概略平面図である。
【図4】バッテリ及びモータの搭載構造を示す概略斜視図である。
【図5】バッテリ支持部材の取付構造を示す概略斜視図であり、(a)は取付部材を取り付けた状態を示す図であり、(b)は取付部材を取り外した状態を示す図である。
【図6】ステアリングギヤボックスの支持構造を示す概略斜視図である。
【図7】モータ及びディファレンシャルギヤの取付構造を示す概略斜視図である。
【図8】モータ及びディファレンシャルギヤの連結構造の変形例を示す図であり、(a)は概略側面図であり、(b)は概略平面図である。
【図9】モータ支持部材及びバッテリ支持部材の連結構造の変形例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】
−電気自動車の駆動系の構成−
まず、本発明の実施形態に係る電気自動車の駆動系の構成を説明する。この電気自動車(以下、車両とも言う)1は、家庭用電源など外部電源からの外部電力が供給されて充電されたバッテリ3の電力を、モータ5に供給して駆動輪を駆動させる電池式電気自動車である(図1等を参照)。車両1は、従来既存のガソリンエンジン車と車体の多くの部分を共通化した、全長の短いコンパクトカー(例えばコミューターカー)である。
【0037】
バッテリ3は、モータ5にインバータ(不図示)を介して接続されていて、外部電力及びモータ5からの回生電力が供給されて充電される。そして、バッテリ3は、その充電電力をモータ5に供給して駆動させるようになっている。
【0038】
インバータは、交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータと直流電力を交流電力に変換するDC−ACコンバータとを有していて、バッテリ3及びモータ5間の電力の授受及び変換を行う。具体的には、バッテリ3をモータ5からの回生電力で充電するときには、モータ5からの交流電力をAC−DCコンバータによって直流電力に変換してバッテリ3に供給するようになっている。一方、バッテリ3の電力をモータ5に供給するときには、バッテリ3からの直流電力をDC−ACコンバータによって交流電力に変換してモータ5に供給するようになっている。
【0039】
モータ5は、回転子(不図示)と固定子(不図示)と回転軸(出力軸)5aとを有していて、この回転軸5aが駆動輪としての左右の前輪7,9にディファレンシャルギヤ(以下、デフと言う)11及び左右の駆動軸13,15を介して連結されている。そして、モータ5は、バッテリ3から電力が供給されて前輪7,9を駆動させるようになっている。
【0040】
デフ11は、車両1がカーブを曲がるときに、内輪差(内側と外側の前輪7,9の速度差)を吸収しながら、モータ5の動力を前輪7,9に振り分けて伝達するようになっている。また、デフ11は、モータ5の回転速度を最終的に減速して、モータ5の動力を前輪7,9に伝達する機能も受け持っている。
【0041】
−電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造−
次に、電気自動車1の車体構造を説明する。図1は電気自動車の全体構造を示す概略平面図、図2は電気自動車の全体構造を示す概略側面図、図3はバッテリ及びモータの搭載構造を示す概略平面図、図4はバッテリ及びモータの搭載構造を示す概略斜視図、図5はバッテリ支持部材の取付構造を示す概略斜視図、図6はステアリングギヤボックスの支持構造を示す概略斜視図、図7はモータ及びディファレンシャルギヤの取付構造を示す概略斜視図である。尚、これらの図では、図を見易くするため、部材の図示省略や簡略化などを適宜行っている。
【0042】
車両1前部には、ダッシュパネル17によって車室19と仕切られた、該ダッシュパネル17の車両前方空間としての前室21が設けられている。この前室21の車幅方向両側には、車両前後方向に延びるように左右のフロントサイドフレーム23,25がそれぞれ配置されている。この各フロントサイドフレーム23,25は、ダッシュパネル17の車両前方において車両前後方向に延びる第1水平部23a,25aと、この第1水平部23a,25aの後端からダッシュパネル17の後述する傾斜壁部17aの前面に沿うように斜め下後方に延びる傾斜部23b,25bと、この傾斜部23b,25bの後端から車室19の底面を形成するフロアパネル27の下面に沿うように車両後方に延びる第2水平部23c,25cとを有している。
【0043】
ダッシュパネル17は、フロアパネル27の前端から斜め上前方に延びる傾斜壁部17aと、この傾斜壁部17aの上端から上方に延びる縦壁部17bとを有している。フロアパネル27の前部上には、運転席及び助手席が車幅方向に間隔を開けて並んでなるフロントシート29が設けられている。フロアパネル27の車幅方向両側には、車室19の横(ドアの下)において車両前後方向に延びるように左右のサイドシル31,33がそれぞれ設けられている。この各サイドシル31,33の前端部は、フロントサイドフレーム23,25の第2水平部23c,25cに連結されている。フロアパネル27の下面には、各サイドシル31,33の車幅方向内方において車両前後方向に延びるように断面ハット状の左右のBフレーム35,37がそれぞれ設けられている。この各Bフレーム35,37は、その前端部がフロントサイドフレーム23,25の第2水平部23c,25cの後端部に連結されている一方、その後端部が後述するNo.3クロスメンバ45に連結されている。フロアパネル27の車幅方向中央部には、上方に膨出するようにフロアトンネル27aが形成されている。このフロアトンネル27aは、両Bフレーム35,37の間においてダッシュパネル17から車室19内を車両後方に延びて後述するキックアップ部27bに達している。
【0044】
フロアパネル27の車両前後方向中央部の車両後方寄りには、上方に立ち上がるようにキックアップ部27bが形成されており、このキックアップ部27bの上端から車両後方に延びるようにリアフロアパネル27cが形成されている。このリアフロアパネル27cの前部上には、ベンチタイプのリアシート39が設けられている。リアフロアパネル27cの車幅方向両端部の下面には、車両前後方向に延びるように左右のリアサイドフレーム41,43がそれぞれ設けられている。この各リアサイドフレーム41,43は、車両後方に行くに従って上方に傾斜する傾斜部41a,43aと、この傾斜部41a,43aの後端から車両後方に延びる水平部41b,43bとを有している。傾斜部41a,43aの前端部は、サイドシル31,33の後端部に連結されている。
【0045】
キックアップ部27bの後面には、リアフロアパネル27cの前端部の下方において車幅方向に延びてリアサイドフレーム41,43の傾斜部41a,43aの各前端部に連結されるNo.3クロスメンバ45が設けられている。リアフロアパネル27cの車両前後方向中央部の下面には、No.3クロスメンバ45の車両後方において車幅方向に延びてリアサイドフレーム41,43の各車両前後方向中央部(リアサイドフレーム41,43における傾斜部41a,43a及び水平部41b,43bの各境界部分)に連結される断面ハット状のNo.4クロスメンバ47が設けられている。このNo.4クロスメンバ47は、No.3クロスメンバ45よりも下面の高さ位置が高い。
【0046】
次いで、電気自動車1のバッテリ3及びモータ5の搭載構造を説明する。フロントサイドフレーム23,25の第1水平部23a,25a後端部及び傾斜部23b,25bの下方には、車幅方向に延びて該傾斜部23b,25bの各後端部に連結固定されるフロントサスペンションクロスメンバ49が設けられている。このフロントサスペンションクロスメンバ49は、車両1の車幅方向中央部に配置された平面視でコ字状の本体部49aと、この本体部49aの車幅方向両側にそれぞれ設けられた左右のロアアーム支持部49b,49cとを有している。この各ロアアーム支持部49b,49cには、前輪7,9に連結される、フロントサスペンションのロアアーム51,53が支持されている。
【0047】
本体部49aは、車両前後方向に延びる左右の側方部49d,49eと、車幅方向に延びて側方部49d,49eの各後部に結合される後方部49fとを有している。この側方部49d,49e及び後方部49fに区画された部分が空間部49gを構成している。
【0048】
後方部49fの上面には、空間部49gよりも幅が狭い第1凹部49hと、この第1凹部49hの車両後方に連続する第2凹部49iとが形成されている。第1凹部49hの内周面は、半円状に形成されている。第2凹部49iの内周面は、モータ5の前端部(詳細には、回転軸5aの外部突出部分を覆うカバー5b)の外周面に対応するように第1凹部49hよりも径が小さい半円状に形成されている。そして、第2凹部49iには、モータ5の前端部が収容支持されている。
【0049】
上述の如く構成されたフロントサスペンションクロスメンバ49は、デフ11を、その下部を空間部49g及び第1凹部49hに収容した状態で支持している。この支持構造の詳細は後述する。
【0050】
デフ11は、車両後方に行くに従って窄まる。デフ11の前面には、その下端縁部から車両前方に突出するように取付突起部11a(図7のみ図示)が2つ形成されている。各側方部49d,49eの前面の車幅方向内方部には、車両側面視で台形状のステアリングギヤボックス支持部49j,49kが設けられている。この両ステアリングギヤボックス支持部49j,49kの前面には、車幅方向に延びるようにステアリングギヤボックス55が略ハット状の取付部材57,57によって取付固定されている。
【0051】
両ステアリングギヤボックス支持部49j,49kの車幅方向内方面の間には、車幅方向に延びるように矩形状のデフ支持部49lが架設されている。デフ支持部49lにおける各取付突起部11aに対応する部分には、挿通孔49mがそれぞれ貫通形成されている。この各挿通孔49mには、取付突起部11aが挿通支持されている。このことにより、デフ11は、デフ支持部49lに取付固定されている。
【0052】
デフ11の後端部の車幅方向両側には、車幅方向外方に突出するように取付部11b,11c(図7のみ図示)がそれぞれ形成されている。そして、左取付部11bは、該左取付部11b及び本体部49aにボルト等の締結部材(不図示。以下、同じ)を貫通することにより、該本体部49aの上面における第1凹部49h及び第2凹部49iの境界部分の、車両左方近傍に締結固定されている。一方、右取付部11cは、該右取付部11c及び本体部49aに締結部材を貫通することにより、該本体部49aの上面における第1凹部49h及び第2凹部49iの境界部分の、車両右方近傍に締結固定されている。これらのことにより、デフ11は、フロントサスペンションクロスメンバ49に取付固定されている。
【0053】
デフ11は、上述の如くフロントサスペンションクロスメンバ49によって支持されることにより、前輪7,9の前端よりも車両後方に位置するようにモータ5の車両前方に近接配置されている。
【0054】
また、本体部49aの車幅方向中央部には、その後端縁部から車両後方に延びるように延長部59が一体に設けられている。この延長部59は、フロアトンネル27aの下方に配置されていて、平面視でコ字状のモータ支持部61と、このモータ支持部61の車両後方に連続して形成されたケース状のバッテリ支持部63とを有している。
【0055】
モータ支持部61は、車両前後方向に延びる左右の側壁部61a,61bと、車幅方向に延びて側壁部61a,61bの各後端部が結合される後壁部61cとを有している。各側壁部61a,61bの車幅方向内方面は、モータ5の外周面に対応するように円弧状に形成されている。後壁部61cは、車両後方に行くに従って幅が狭くなる。
【0056】
上述の如く構成されたモータ支持部61は、その両側壁部61a,61bの車幅方向内方面の円弧部分61dにモータ5を載置することにより、該モータ5をその回転軸5aが車両前後方向に向いた縦置き状態で支持している。
【0057】
モータ5の外周面における車両前後方向両端部の車幅方向両側には、車幅方向外方に突出するように取付部5c〜5f(図7のみ図示)がそれぞれ形成されている。そして、左取付部5c,5dは、該左取付部5c,5d及びモータ支持部61の左側壁部61aに締結部材を貫通することにより、該左側壁部61aの上面の車両前後方向両端部にそれぞれ締結固定されている。一方、右取付部5e,5fは、該右取付部5e,5f及びモータ支持部61の右側壁部61bに締結部材を貫通することにより、右側壁部61bの上面の車両前後方向両端部にそれぞれ締結固定されている。これらのことにより、モータ5は、モータ支持部61に取付固定されている。
【0058】
モータ5は、上述の如くモータ支持部61に載置支持されることにより、前輪7,9の中心にある車輪軸FAと後輪65,67の中心にある車輪軸RAとの間に配置されている。詳細には、モータ5は、前端部以外の大部分がダッシュパネル17の車両後方に位置し且つ回転軸5aが前輪7,9及び後輪65,67の車輪軸FA,RAよりも下方に位置するように、フロアトンネル27a内の前端部に配置されている。
【0059】
バッテリ支持部63は、モータ支持部61よりも幅が狭い。バッテリ支持部63は、矩形状の底壁部63aと、この底壁部63aの前端縁部から上方に延び、モータ支持部61の後壁部61cと一体となった前壁部63bと、底壁部63aの左端縁部から上方に延びる左側壁部63cと、底壁部63aの右端縁部から上方に延びる右側壁部63dとを有している。前壁部63bは、車両後方に行くに従って幅が狭くなる。両側壁部63c,63dの後端部には、その車幅方向内方面側から車両後方に突出するように連結部63eがそれぞれ形成されている。この各連結部63eの中央部には、挿通孔63gが貫通形成されている。
【0060】
上述の如く構成されたバッテリ支持部63は、その内側にバッテリを載置することにより、該バッテリを支持可能になっている(図では不支持)。このバッテリは、上述の如くバッテリ支持部63に載置支持されることにより、モータ5の車両後方に離間配置されている。
【0061】
以上のように、フロントサスペンションクロスメンバ49及び延長部59は、モータ5及びデフ11をマウント支持するモータ支持部材69を構成している。そして、モータ5及びデフ11は、上述の如くモータ支持部材69によって支持されることにより、一体モジュールとして車両1前部に搭載されている。
【0062】
モータ支持部材69の車両後方には、ケース状のバッテリ支持部材71が設けられている。このバッテリ支持部材71は、リアフロアパネル27cのリアシート39配置部分の下方に車幅方向に延びるように配置されていて、矩形状の底壁部71aと、この底壁部71aの前端縁部から上方に延びる前壁部71bと、底壁部71aの後端縁部から上方に延びる後壁部71cと、底壁部71aの左端縁部から上方に延びる左側壁部71dと、底壁部71aの右端縁部から上方に延びる右側壁部71eとを有している。
【0063】
前壁部71bの前面におけるモータ支持部材69の各連結部63eに対応する部分には、車両前方に突出するように連結部71fがそれぞれ形成されている。この各連結部71fは、モータ支持部材69の連結部63eの車幅方向外方面に重なっている。各連結部71fの中央部には、モータ支持部材69の連結部63eの挿通孔63gに対応するように挿通孔71hが貫通形成されている。前壁部71bは、No.3クロスメンバ45の後面に取付固定されている。このことにより、バッテリ支持部材71は、No.3クロスメンバ45に取付固定されている。
【0064】
後壁部71cは、前壁部71bよりも上面の高さ位置が高い。後壁部71cの後面の左端部、車幅方向中央部及び右端部には、その上端縁部から車両後方に突出するように取付部71jがそれぞれ形成されている。そして、この各取付部71jは、該取付部71j及びNo.4クロスメンバ47に締結部材を貫通することにより、No.4クロスメンバ47の下面に締結固定されている。このことにより、バッテリ支持部材71は、No.4クロスメンバ47に取付固定されている。
【0065】
各側壁部71d,71eは、前壁部71bと上面の高さ位置が同じである前部71kと、この前部71kの車両後方に連続して形成され、上面の高さ位置が車両後方に行くに従って高くなる後部71lとを有している。この後部71lの後端部は、後壁部71cと上面の高さ位置が同じである。
【0066】
両側壁部71d,71eの前部71kには、その車幅方向外方面から車幅方向外方に突出するように取付部71mがそれぞれ形成されている。この各取付部71mは、前部71kの車幅方向外方面の上縁端部から車幅方向外方に延びる矩形状の支持部71nと、この支持部71nの底面及び前部71kの車幅方向外方面に跨るように車両前後方向に間隔を開けて並ぶ三角板状の3つのリブ71oとを有している。各支持部71nの車両前後方向両端部には、挿通孔71pがそれぞれ貫通形成されている。各支持部71nの上面には、取付部材71qが載置支持されている。この各取付部材71qは、底壁部71rと、この底壁部71rの車幅方向外方部における外周縁部の上面から上方に延びる周壁部71sとを有している。底壁部71rにおける支持部71nの各挿通孔71pに対応する部分には、挿通孔71tがそれぞれ貫通形成されている。各取付部材71qは、その底壁部71r及び支持部71nの挿通孔71t,71pに締結部材を貫通することにより、該支持部71nの上面に締結固定されている。そして、左取付部材71qは、その周壁部71sが左リアサイドフレーム41の傾斜部41aに、締結部材によって締結固定又は溶接固定されている。一方、右取付部材71qは、その周壁部71sが右リアサイドフレーム43の傾斜部43aに、締結部材によって締結固定又は溶接固定されている。これらのことにより、バッテリ支持部材71は、リアサイドフレーム41,43に取付固定されている。
【0067】
上述の如く構成されたバッテリ支持部材71は、その内側にバッテリ3を載置することにより、該バッテリ3を支持している。バッテリ3は、上述の如くバッテリ支持部材71に載置支持されることにより、モータ5の車両後方に離間配置され且つ車両1後部に搭載されている。
【0068】
また、モータ支持部材69は、その延長部59がバッテリ支持部材71に直接、連結結合されている。詳細には、モータ支持部材69は、該モータ支持部材69及びバッテリ支持部材71の連結部63e,71fの挿通孔63g,71hにピン部材(軸部材)73を挿通することにより、バッテリ支持部材71に対し、延長部59の後端部において車幅方向に延びるピン部材73周りを上下方向に揺動可能に連結されている。このように、モータ支持部材69は、その後端部がバッテリ支持部材71に取付支持されている。
【0069】
上述の如くバッテリ支持部材71に連結されたモータ支持部材69は、車両前後方向に長いスパンで支持されているため、デフ11にかかる駆動力やブレーキのトルク反力による変形を抑制することができるとともに、駆動力の伝達精度を向上させることができる。
【0070】
以上のように、モータ支持部材69及びバッテリ支持部材71は、車体に取り付けられている。
【0071】
また、前室21の車両前後方向中央部には、車幅方向に延びるように上方に開口した収納ケース75(収納部)が設けられている。さらに、前室21には、図示省略するが、インバータや充電器などが設けられている。
【0072】
−効果−
以上より、本実施形態によれば、比較的重量のあるモータ5を前輪7,9及び後輪65,67の車輪軸FA,RAの間に配置しているので、ヨー慣性モーメントを低減させることができる。
【0073】
また、モータ支持部材69をバッテリ支持部材71に連結しているので、剛性を向上させることができるとともに、モータ5のトルク反力を分散させることができる。
【0074】
以上により、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、剛性を向上させ、且つ、モータ5のトルク反力を分散させることができる。
【0075】
また、モータ5をフロアトンネル27a内に配置しているので、フロアトンネル27a内のスペースを有効利用することができる。
【0076】
また、比較的重量のあるデフを前輪7,9の前端よりも車両後方で且つモータ5の車両前方に配置しているので、ヨー慣性モーメントをより一層低減させることができる。
【0077】
また、モータ支持部材69は、モータ5に加えて、デフ11を支持しているので、モータ支持部材69によって、モータ5及びデフ11を安定支持することができる。
【0078】
また、モータ支持部材69は、デフ11を支持するフロントサスペンションクロスメンバ49と、フロントサスペンションクロスメンバ49にその後端縁部から車両後方に延びるように設けられ、モータ5を支持する延長部59とを有している。つまり、モータ5を、車体に長いスパンで取り付けられたフロントサスペンションクロスメンバ49に支持している。したがって、モータ5を広い面によって支持することができ、モータ5のトルク反力をより一層分散させることができる。
【0079】
また、モータ5を、一部がダッシュパネル17の車両後方に位置するように配置しているので、前室21にスペースを空けることができる。
【0080】
また、モータ5よりも車両前方に収納ケース75を設けているので、後方駐車時における収納部の利便性を向上させることができる。
【0081】
特に、本実施形態においては、前室21の空いたスペースに収納ケース75を設けることができる。
【0082】
ところで、モータ5は、その回転軸5aが車両前後方向に向くように配置されているので、モータ5の回転方向が車幅方向(上下方向)となり、モータ支持部材69にモータ5のトルク反力が伝達されると、モータ支持部材69が上下方向に振動しようとする。
【0083】
ここで、本実施形態によれば、モータ支持部材69をバッテリ支持部材71に対し上下方向に揺動可能に連結しているので、モータ支持部材69が上下方向に振動することを許容することができる。
【0084】
特に、本実施形態においては、モータ支持部材69にモータ5のトルク反力に加えて、前輪7,9からの振動が伝達されるので、モータ支持部材69が上下方向により一層振動しようとする。
【0085】
ここで、本実施形態によれば、上述の如く、モータ支持部材69が上下方向に振動することを許容することができる。
【0086】
また、モータ5を、その回転軸5aが前輪7,9及び後輪65,67の車輪軸FA,RAよりも下方に位置するように配置しているので、重心を低くすることができる。
【0087】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、モータ5は前輪7,9を駆動させるものであるが、後輪65,678を駆動させるものであってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、モータ5をフロアトンネル27a内に配置しているが、前輪7,9及び後輪65,67の車輪軸FA,RAの間に配置する限り、これに限定されず、例えば、前室21に配置してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、モータ支持部材69をフロントサスペンションクロスメンバ49及び延長部59で構成しているが、これに限らず、例えば、フロントサスペンションクロスメンバ49のみで構成したり、サブフレームで構成したりしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、フロントサスペンションクロスメンバ49及び延長部59を一体としているが、これらを別体としてボルト等によって連結してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、モータ5をデフ11の車両後方に近接配置して、該モータ5の回転軸5aをデフ11に直接連結しているが、これに限らず、例えば、図8に示すように、モータ5をデフ11の車両後方に離間配置して、該モータ5の回転軸5aを減速機77及びプロペラシャフト79を介してデフ11に連結してもよい(請求項6に相当)。図8では、モータ支持部材69は、車幅方向に延びて各フロントサイドフレーム23,25に結合されるクロスメンバ69aと、このクロスメンバ69aの車幅方向中央部から車両後方に延びるように設けられた延長部69bとを有しており、この延長部69bがモータ5及び減速機77を支持するようになっている。このように、モータ5をデフ11の車両後方に離間配置して、その回転軸5aをプロペラシャフト79を介してデフ11に連結すれば、モータ5をフロアトンネル27a内の任意の位置に配置することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、モータ5を、その一部がダッシュパネル17の車両後方に位置するように配置しているが、その全部がダッシュパネル17の車両後方に位置するように配置してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、モータ支持部材69をバッテリ支持部材71に対し、該モータ支持部材69の後端部において車幅方向に延びるピン部材73を中心として上下方向に揺動可能に連結しているが、モータ支持部材69及びバッテリ支持部材71の連結構造は、これに限らない。例えば、その連結構造を以下のようにしてもよい。つまり、図9に示すように、モータ支持部材69のバッテリ支持部63の底壁部63aに、その後端縁部から上方に延びる後壁部63iを形成して、この後壁部63iの後面に、その上端縁部から車両後方に突出するように連結部63jを形成する。この連結部63jの中央部に挿通孔63kを貫通形成する。バッテリ支持部材71の前壁部71bの前面におけるモータ支持部材69の連結部63jに対応する部分に、その下端縁部から車両前方に突出し且つモータ支持部材69の連結部63jの下方に対向配置するように連結部71uを形成する。この連結部71uの中央部に、モータ支持部材69の連結部63jの挿通孔63kに対応するように挿通孔71vを貫通形成する。そして、モータ支持部材69及びバッテリ支持部材71の両連結部63j,71uの間にゴムブッシュ81を挟んだ状態で、両連結部63j,71uの挿通孔63k,71v及びゴムブッシュ81に締結部材を貫通して、両連結部63j,71uの間にゴムブッシュ81を締結固定することにより、モータ支持部材69をバッテリ支持部材71に対し、ゴムブッシュ81を中心として上下方向に揺動可能に連結している。この連結構造によれば、モータ支持部材69が上下方向に振動することを許容することができる。
【0094】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0095】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上説明したように、本発明に係る電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造は、ヨー慣性モーメントを低減させるとともに、モータのトルク反力を分散させることが必要な用途等に適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 電気自動車
3 バッテリ
5 モータ
5a 回転軸
7,9 前輪(駆動輪)
11 デフ
17 ダッシュパネル
27 フロアパネル
27a フロアトンネル
49 フロントサスペンションクロスメンバ
59 延長部
65,67 後輪
69 モータ支持部材
71 バッテリ支持部材
75 収納ケース(収納部)
79 プロペラシャフト
FA 前輪の車輪軸
RA 後輪の車輪軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと該バッテリから電力が供給されて駆動輪を駆動させるモータとを備えている電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造であって、
上記モータを、前輪及び後輪の車輪軸の間に配置され且つ回転軸が車両前後方向に向いた状態で支持するモータ支持部材と、
上記モータ支持部材の車両後方に配置され、該モータ支持部材が連結され、上記バッテリを支持するバッテリ支持部材とを備えていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項2】
請求項1記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
フロアパネルの車幅方向中央部には、車両前後方向に延び且つ上方に膨出するようにフロアトンネルが形成されており、
上記モータは、上記フロアトンネル内に配置されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項3】
請求項2記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータは、その回転軸が上記駆動輪としての前輪にデフを介して連結されており、 上記デフは、上記前輪の前端よりも車両後方で且つ上記モータの車両前方に配置されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項4】
請求項3記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータ支持部材は、上記モータに加えて、上記デフを支持していることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項5】
請求項4記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータ支持部材は、上記デフを支持するフロントサスペンションクロスメンバと、上記フロントサスペンションクロスメンバにその後端縁部から車両後方に延びるように設けられ、上記モータを支持する延長部とを有していて、該延長部が上記バッテリ支持部材に連結されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項6】
請求項3記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータは、上記デフの車両後方に離間配置されていて、回転軸がプロペラシャフトを介して上記デフに連結されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータは、少なくとも一部がダッシュパネルの車両後方に位置するように配置されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータよりも車両前方には、収納部が設けられていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータ支持部材は、上記バッテリ支持部材に対し上下方向に揺動可能に連結されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造において、
上記モータは、その回転軸が上記車輪軸よりも下方に位置するように配置されていることを特徴とする電気自動車のバッテリ及びモータの搭載構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−194911(P2011−194911A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60699(P2010−60699)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】